閣議後記者会見概要

H17.11.11(金)10:33~10:50 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議におきまして、私どもの関係するところは、政令として2件、「食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」、「国民年金法施行令等の一部を改正する政令」がありました。それから、2007年ユニバーサル技能五輪国際大会の日本開催について閣議了解となりました。平成19年11月に我が国で開催される「2007年ユニバーサル技能五輪国際大会」について関係行政機関が必要な協力を行う旨の閣議了解が行われました。我が国においては、若者のものづくり離れが進む一方、団塊の世代が引退過程を迎えるなど熟練技能者の高齢化が進みつつあり、ものづくり技能をいかに次代に継承していくかが大きな課題となっております。障害の有無に関わりなく、お互いに尊重し支え合う「ユニバーサル社会」の実現が求められております。このような中で開催される本大会は、極めて意義深く、その成功のためには経済界や教育関係者等との協力が不可欠であり、関係各位のご支援をお願いしてまいりたいと考えております。もっと具体的に申しますと、2007年11月14日から21日まで、1つは国際アビリンピック、静岡県の静岡市で開催されます。一方、技能五輪国際大会、沼津市で開催をされます。アビリンピックの方は、昭和56年以来、技能オリンピックは昭和45年、昭和60年と東京、大阪で2回開催されておりますけれども、3回目の開催になります。この2つが同時期に行われるということで、障害のあるなしに関わらずということになりました。同時開催は初めてのことであります。規模は、50カ国程度の国から3,500人の選手、審査員が参加される予定になっております。なお、主催は2007年ユニバーサル技能五輪国際大会日本組織委員会、会長は経団連の奥田会長でございます。
それから、外務大臣、防衛庁長官、沖縄北方対策担当大臣から日米安全保障協議委員会での結果が報告され、政府の取組についての発言がございました。二階経済産業大臣から、WTOの少数国閣僚会合に出席したご報告がございました。
閣僚懇談会になりまして、政府インターネットテレビが10日から開設されました。ついては各省とも協力してほしいということでございます。同じように、タウンミーティングをまた引き続きつなげていくということで、11月27日、京都で「私たちが担う時代の文化力タウンミーティング」が始まります。私は来年になると思います。それから、文部科学省から「わたしの旅へ~日本の歴史と文化をたずねて~2005」、全国から「わたしの旅百選」ということで選んでいるということであります。それから、総理大臣からご発言がございました。会計検査院検査報告の活用についてということで、法令違反等の不当事項として97億円、合計で936億円の不当事項が指摘されている。徹底的な歳出の無駄をなくしてほしいということであり、総理大臣からは、こういう指摘をされたことは極めて遺憾である。もう一度、原点に戻って審議内容を踏まえた改革に自ら率先して取り組まれたい。また、財務大臣におかれても、歳出の無駄の排除を徹底する等の観点から、検査報告事項や国会での審議内容を18年度予算に的確に反映させるようにというお話がございました。私どもは、保険料・保険給付・医療費・補助金、それからあってはならないことでありますが不正行為ということで指摘が出されております。金額的には平成15年が82億円、124件。去年は件数が181件、金額的には57億円ということで減っておりますけれども、不正行為等様々な事案が指摘されているところでございます。私も就任してまだ時間が少のうございますけれども、このことについては省内の会合を通じながら、もう一度徹底をしてまいりたいと思っております。以上です。

質疑

記者:
三位一体の改革で、地方が生活保護の引き下げ等に関して、かなり抵抗が強いようですが、このまま方針は変わらずに。
大臣:
基本的には変わりません。昨日、私から発言しましたように6,000億円の中の5,040億円が我が省で、なんとか、補助金の削減・移譲をせよという4大臣の方からの指示が下りてきて、それに基づいて議論している中で、基本的に生活保護等の問題を避けて通るわけにはいかないと思っております。2回程、議論に参加をいたしましたけれども、実施主体に問題があるから生活保護費が増えてきたということについては、様々な検証の中で、必ずしもそういうことではない、経済・社会の要因というのが多いと、こういう指摘を皆さん方がされた。地方の代表もまた我々も、確かにそういうところですね。しかし、経済・社会の問題であるから国の責任が全てであるという地方からの言われ方については、私どもはそれは違うんではないだろうか、要は、生活保護をもらわれている方々が、仕事に就く、健康を取り戻すことが必要かもしれませんけれども、健康の問題、それから仕事に就いて自立をしていただくということを支援していくと、そうなると地方に本当に仕事の場があるのかという問題も含めて、やはり国と地方が協力し合いながらやっていかなければならない問題だろうと思っております。それから、生活保護費の中で、半分以上を医療が占める、その医療の中でも入院というのが6割以上を占めるというのが実態でありますから、今医療計画全体でも出させていただいているとおり、出来るだけ入院というものを他の方向に引っ張っていかなければならない、そういった意味では、この10年の歩みの中でも介護保険制度が出来上がり、福祉施設の充実を図ってきた、そういうところへ移行していくなり、また若しくは在宅医療までもっていけないのかというところが大きな課題であろうと思います。そうなりますと、厚生労働省全体としてそれほど手足を持つ官庁ではございませんので、地方との協力の下でやっていきたいと、そういう基本的な改革の理念の中で、三位一体改革は提案され、省としてもこの問題を1年以上かけて議論しながら、今日のご提案を申し上げているというところでありますので、省の方針が基本的に変わることはありません。
記者:
今朝の国と地方の協議の場に出席されたと思うんですが、どのようなご発言をされたのでしょうか。
大臣:
同じことを発言しました。
記者:
同じことを。
大臣:
昨日も石川県知事さん、高知市長さんとお話を行い、来週も行います。もちろん地方から厳しいご意見があった上で、私の方からも申し上げました。実施主体の問題については、我々もそういうふうに受け止めておりますと。しかし経済・社会というものが関係するから全て国の責任に帰するんだというのは少しお互い考え方を変えていきたいと。そして就労問題と医療問題を少し具体的に申し上げました。今回時間がないので30分の話ですから、25分くらいは出席者、地方の方が意見を述べられました。我々はあまり今の時点で反論しすぎてもいけませんし、また場を作っているわけですから、それ以上の深い議論はいたしませんでした。
記者:
今地方の協力の下にいろいろ施策をやっていかなければいけないとおっしゃってますけれども、生活保護、これだけ反対の強い中で仮に今回生活保護の補助率を下げるとなると相当地方側の姿勢が堅くなって、他の医療とか介護とかそういった社会保障全体の市町村との協力関係に影響が出るんじゃないかというおそれがあるんですか。
大臣:
だから話し合いの場を持ちながらやってきているわけです。いやという話ではないですよということで、7回にわたって協議もしてきているし、来週もやりましょうということで、しっかり議論をしていかなければならないだろうと思っています。いろいろなご提言をいただいていることも事実です。
しかし医療問題について、それじゃあ基本的に入院というのをなくすためにどうしようかという議論はやはりしていただかないといけないなと思っております。それから昨日の有識者の京極さんから発言があったけれども、市町村合併がどんどん進んでいくと、ほとんど市になっちゃいますね。そうすると県というものがこの問題にどういう役割をしていくのか、経済・社会が大きな要因だとすれば、県もやはり何らかの協力をしていただきたいという思いはあります、私の方に。時代の変化の中で。
記者:
先ほど実施主体に問題があるから保護率の上昇があったというようなことは、もう厚生労働省としてもそこはあまり強調することはないということでしょうか。
大臣:
ありません、私どもも。実施主体に全く問題がないとは言わないが、そこで議論し始めると水掛け論になってしまいますから、基本的には経済・社会の問題が大きな要因であろうと。最近増えてきたのはそうでしょうから。そういった意味では、そういう問題を解決していく方法として「全部国の責任ですよ」ということは、少し私どもとしては違う時代を迎えているんだろうとお話ししました。
記者:
今朝の会議で他の閣僚からこの点についての発言はなかったのですか。
大臣:
なしです。私と文科大臣が直接関係するところが多くございますから。閣僚側の発言が5、6分。知事さんはじめ6団体が25分くらいの会合です。
記者:
この問題について、地方との協議を解決するというか、解きほぐすために地方との協議会以外の場を何らか考えるお考えはありますか。
大臣:
厚生労働省としてですか。
記者:
厚生労働省として。
大臣:
分からない。内閣としてという考え方ならあるかもしれないけれども、厚生労働省としてはまさに今その場を持っているわけですから。
記者:
地方との協議が整わなければ、5,040億円という数字が難しいと思うのですけれど。
大臣:
難しいでしょうね。
記者:
どう対応されるんでしょうか。
大臣:
どう対応するというのは、今申し上げているとおりです。こういう議論をしていく中で「これがうまくいかなかったら次はどうする」という話をしていたのでは「本当に真面目に議論しているの」という話になりますから、それは当然私どもも先ほど申し上げました省の方針としてこういう答えを申し上げている、それも1年近くかけながら、どうしたら生活保護というものに対して、みんなで自立という方向に向けていけるのかという議論をしてきたわけです。
記者:
昨日政府・与党医療改革協議会が始まりましたけれども、改めて3、4回協議を行うということですけれども、どういうふうに大臣としてお臨みになるか所見を改めてお伺いします。
大臣:
前にも少し申し上げましたけれども、2025年に56兆円くらいの費用に検討するとなりますが、それを何かの方策で国民が負担し得るものに変えていかなくてはなりませんというのが基本になると思います。その1つの数字目標として、一部から42兆という数字が出たり、私どもが49兆という話を出したりしていますけれども、いずれにせよ、このままずっと行くことについては少し無理ですねと。国民の負担、持続可能な医療制度、当然負担と給付ですから。したがってそこについては、ある程度の理解が出来上がりつつあるんだろうと考えています。その中で入院と予防、長期入院の問題と予防というものをきちっとしていこうという部分についてはある程度ご理解いただける方向作りにはなってきているんだろうと、数字的には別ですが、考えています。2番目の問題として、それはそれとしても短期的に5年とか来年の予算ということになりますと、いろいろな課題がありますね。厚労省側が提案したものに対して、保険免責制度とかいろんな提案が出てきています。第1回目の会合を開いたときに、保険免責制度に触れられた人たちもいらっしゃいます。したがって私どもとして始めからこれはだめですよというスタンスは取らない。どうぞご意見ください、十分検討していきましょう、また皆さん方のご議論を聞いていきましょうと。その中で少なくとも12月のいつかの時期にはまとめなくてはならないねという意識で今後臨んでまいります。

(了)