閣議後記者会見概要

H17.10.18(火)9:35~9:52 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議における大臣発言からご紹介を申し上げます。パキスタンに対する緊急無償資金協力について外務大臣から発言がございました。20か国財務大臣・中央銀行総裁会議について財務大臣から発言がございました。岩永農林水産大臣の欧州訪問の結果について農林水産大臣から発言がございました。中川経済産業大臣の東南アジア及び欧州訪問の結果について経済産業大臣から発言がございました。閣議における大臣発言は以上でございます。
なお閣僚懇談会になりまして、三位一体の改革の取りまとめについて官房長官から発言がございました。以上が閣議及び閣僚懇談会における大臣発言でございます。今朝私からご報告申し上げることはありません。

質疑

記者:
閣僚懇での官房長官の三位一体の発言というのは、どんな内容になるのでしょうか。
大臣:
「官房長官からは、昨日17日、関係各大臣から補助金改革についての検討結果を提出してもらった政府与党合意及び累次の基本方針を踏まえ、かつ地方の改革案を真摯に受け止め、地方自らの創意工夫と責任で政策が決められる幅が拡大する4兆円程度の補助金改革、3兆円規模を目指した税源移譲の実現に向けた改革案の検討結果を提出いただくようお願いしたところであるけれども、提出してもらった検討結果を見ると、今後政府与党として一段と精力的な調整を行う必要があると考える。今週以降関係大臣には、内閣官房長官、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣と個別に協議をしてもらうことにする。」こういうことでございます。
記者:
そうなると、厚労省としてもさらに別の項目を考えたりとか。
大臣:
まさに個別の協議が始まると思いますから、その協議を受けて対応していきたいというふうに考えます。
記者:
昨日、小泉総理が靖国神社を参拝したことについて大臣はどのようなご感想をお持ちになりましたでしょうか。
大臣:
これは、総理が言っておられますように一国民としてお参りをしたと、平和を祈ってお参りしたと、そういうことでございますので、そのとおりであるというふうに理解をいたしております。格別、一国民としてお参りなさったものを内閣の一員としてあるいはまた厚生労働大臣として何かコメントするものではないというふうに考えております。
記者:
日曜日に、大阪でアスベストの患者団体の患者さんと会われたそうなんですけれども、ここでの発言として、中皮腫がアスベストが原因であることの証明を厳密に求めずに救済をするというような趣旨のご発言をなさっているんですけれども、それは現在の労災認定基準についても併せて見直しをすると、現在の労災認定基準についても併せて検討指示されたというような認識でよろしいでしょうか。
大臣:
はい、そのとおりであります。
記者:
それは実際に、その部分を早めてというか、新法と併せていうか、どういう形になるんでしょうか。
大臣:
現行は、まず中皮腫の診断をいたします。これが、まず最初の段階です。それから次に、石綿ばく露の医学的所見、これがよく言われるプラークがあるとかないとかいったようなことを調べるということであります。それから、3番目に一年以上の石綿ばく露作業歴があるか。この3段階で認定の作業をしておりますけれども、この今申し上げたうちの2を、いわば省こうということであります。結局、プラークを取り出して検査してといったようなことを今言っているわけでありますが、それは大変苦痛を伴うことでありますので、そういうことをせずに基本的に中皮腫というのは、アスベストが原因だというふうに考えて見てあげるのがいいと私は思っており、そういうことを考えております。ただ、やはりちゃんとそうするためには、専門家による検討会というのがこういう場合必ず必要でございますから、もう直ちにこの専門家による検討会を立ち上げるように指示をいたしました。専門家のご意見をちゃんと伺って、その結論を経てということになりますけれども、私の思いは申し上げたとおりでありまして、是非専門家の皆さんに検討をしっかりしていただいて早く結論を出していただきたいと思っております。検討会の立ち上げは既に指示をいたしております。
記者:
そして検討会の結果で、認定基準の見直しをということですか。
大臣:
そうです。ですから先ほど申し上げたのは、私の思いを申し上げたのでありまして、検討会の結果を待つということはそのとおりであります。
記者:
それと同じことなんですけれども、認定基準については平成15年9月に石綿による疾病の認定基準についてという通達が出ているんですが、この通達を変更するために検討会を立ち上げられるという認識でよろしいでしょうか。
大臣:
そういうことであります。
記者:
今の認定基準で、厳密な証明が出来ないために認定をされなかった過去の方々もいらっしゃると思うんですが、その方達についてはどうされるのか、というお考えもどうでしょうか。
大臣:
併せて検討したいというふうに思います。
記者:
個人情報保護に関する厚生労働省のガイドラインでは、本人の同意を得ず情報提供をしても保護法違反に当たらないとする一方で、本人から民法に基づく損害賠償請求が求められる可能性があると明記していて、それが誤解を招いている側面も見られるんですが、捜査拒否500件のうち4割が病院・医療機関によるものという結果が出ているんですけれども、大臣はこうした事態を招いている実態をどのように考えていらっしゃるか伺えますか。
大臣:
今のお話というのは個人情報保護法を作ったときから言われていたことであります。そして大変微妙なことでありますので、どうしてもみんな慎重になります。慎重になると今みたいな表現を両方書くわけでありまして、そうすると今度受けた現場は「これ両方書いてあってどうするんだろうね」ということになって、今そういう意味で現場が困っている状態だということはそのとおりだろうと思います。ただ極めて微妙な話でありますから、よく整理しないと後で問題が出てくると思います。ちょっと歯切れの悪い話になっておりますけれども、もう1回よく整理して検討してみたいと思います。
記者:
そうすると見直すご予定、あるいは見直さないまでにしても、周知の徹底を図る説明の場を設けるとか、通知を出すとか。
大臣:
そうですね、もう1回よくまずは考え方を整理してみる必要があると思いますから、整理した上で現場に対してよく説明をする、こういうふうに対応してほしいということを伝えることになると思います。
記者:
アスベストに戻るんですけれども、大臣として早く結論をとおっしゃいましたが、時期的に年内とか。
大臣:
私の思いからしますと、明日にでも結論を出してほしいと思っておるんですが、専門家の皆さんにお集まりいただいて検討していただくということで「急いでください」というお願いをひたすらいたします。ただ今いつまでとかいつ頃に結論出るでしょうということは申し上げられませんのでお許しいただきたいと思います。
記者:
ちょっと関連してアスベストの話なんですが、患者さんとの話し合いの中で交通費と抗がん剤の話、2つ出たと思うんですけれども、具体的にこれをどういうふうに進めて、いつ頃からとか時期的なものとかということをお聞かせ下さい。
大臣:
交通費について言いますと、労災の一般的な交通費の出し方というのは、「最寄りの病院に行ってくださいね」ということになっております。ただ、一般の疾病でしたら「最寄りの病院に行ってくださいね」でいいんですが、こと中皮腫になりますと「最寄りの病院に行ってください」というわけにはいきません。そのことを患者さん方は言っておられており、常識的な範囲で患者さん方の納得なさる病院に行っていただくというのが一番良いと思っておりますから、最寄りの病院という解釈を中皮腫に限ってはそのようにしたいと思っておりまして、これは直ちにやります。直ちに交通費を払うという形にいたします。
記者:
今の現行の制度の運用の中でいうことでしょうか。
大臣:
そうです、いわば解釈でありますから直ちにやれますので、これはそれこそ明日からでもやります。
それから薬の方の話なんですが、これはアリムタという中皮腫に効くと言われている薬があります。これは、今治験の段階であります。治験の段階でありますから、手順から言いますと申請が出てきたら、とにかく急いでそれに対して審査しますということでございます。ただ患者さん方のお話の中にありますのは、今治験の段階なんだけれども、ぜひ自分も使いたいと思う患者さんがいる。ところが他の抗がん剤を使っておりますと、他の抗がん剤も使っておられるので、どっちが効いたかよく分からなくなる。従って他の抗がん剤を使っている人がなかなか治験の対象になりづらいというようなことで、もうしかしそんなことを言っておれないから、是非使いたいんだと、こんなお話であります。そこはどうするかなということですが、できるだけ私も前向きにこのことも考えたいと思いまして、今、関係企業、要するに治験をやっているところなどと「そんなことを言わずにやってほしい」という話をしておるわけであります。ただ一方で非常に副作用も強い薬なので安全には極めて注意が必要であるということも専門家の皆さん方のご意見でありますから、その安全を確保するということと、できるだけ前向きに使っていただくということ、これ大変難しい話なんですが、ここのバランスを取りながら、是非患者さん方のお気持ちには答えなければならないと思っておりますので、そのようにしたいと考えておるところであります。
記者:
大臣自身の靖国参拝の関係なんですけれども、大臣自身はこれまで、または今回の例大祭の期間中行かれる予定、又は既に行ったとかそういうのはありますでしょうか。
大臣:
これはいつも申し上げておることでありますが、父も祀られております、靖国神社には。ですから私にとりましては靖国神社にお参りするというのは、父の墓参りみたいなものでありまして、しょっちゅう行っております。従って、あまり今度行くのとか特別「なに」だからということを意識したことは、ありません。ただ今いつ行こうというふうに予定を立てておるものでもございません。

(了)