平成16年10月15日付大臣会見概要

大臣記者会見概要(1 閣議後)

H16.10.15 (金)9:16~9:30 参議院議員食堂

広報室

閣議等について

大臣:
今日の閣議ですが、環境大臣から特定外来生物被害防止基本方針について、それから内閣官房長官から独占禁止法改正法案を国会に提出するに当たって、それから国土交通大臣から入札契約適正化の一層の推進に向けて、それから防災担当特命大臣が台風第22号の政府調査団調査結果について、以上の各大臣の発言がありました。以上です。

質疑

記者:
昨日自民党の方でBSEに関して20か月以下の牛を検査から除外するけれども、検査したいところは全額助成するという条件でその案が了承されたわけですが、担当大臣の一人としてこの案、この動きについてどういうふうに受け止めになっておりますでしょうか。
大臣:
まだ今から安全委員会がどういうふうにしっかりと見定めるかというところがありますから、その先の話というのはあまり先走るのもいかがかと思います。いつも繰り返して言っていますように、私どもは国民の食の安全を守るという立場ですから、その一番基本のところは崩さないようにしてやっていきたいと思っております。その後いろんな動きになるんでしょうから、そういうところの経過期間ということの動きというのも、関心はもちろんあらざるを得ないところでありますから、その都度必要な発言はしていきたいと思っております。具体的にその件について今私が何か言うのは控えさせて下さい。
記者:
三位一体の協議がございまして、なかなか話がかみ合わなかったようですが、一方で昨日小泉首相が地方案を真摯に受け止めて積極的に取組みを指示すると、明確な指示をなぜか勘違いされる大臣もいたようだと、反論すべきが能じゃないというような発言をされておりますが、大臣としては今後小泉首相が地方案を真摯に受け止めてやってほしいということですが、話がかみ合わない今の状況を今後どうやって三位一体改革に対応していこうというふうにお考えでしょうか。
大臣:
まず総理の発言ですが、「真摯に受け止める」というご発言もありましたが、同時に「代替案を出せ」というご指示もあるわけでありますから、私どもはしっかり代替案を出そうとしておりますし議論もしているところでありますので、大きな意味での総理のご指示通りに作業を進めているわけですから、私が勘違いをしている大臣の一人ではないと思っております。大きな意味でと言いましたが小さな意味で言ったら地方6団体の提案を鵜呑みにしろという意味もありますから、そこの意味ではないということは申し上げたい。その大きな意味というのは同時に代替案もちゃんと出せよと言っておられるわけですから、そういう意味で総理のご指示に反して何か私たちがしておるかということではないので、昨日ご発言の「勘違いをしている大臣がいる」ということもありましたが、私はその一人ではないというふうに考えております。
そしてまた今後地方団体の皆さんに、この前の議論がすれ違い中途半端に終わっておりますから、さらに議論をさせてほしいということを言っております。それからこれはまだ指示しただけで具体的にはおそらく何も作業は進んでいないと思いますが、先日大都市市長会の方が陳情に来られました。その中で生活保護は制度疲労をしていると陳情書に明記、そのくだりがあります。ですから私は大都市市長会の皆さんに具体的にどういうところで制度疲労をしているのか、今後の生活保護というのはどうあるべきなのか、これはお互いに真剣に一遍研究してみようと思っておりますので、是非ご一緒に検討する何か場をつくれませんかということをお願いしてみる、ということを昨日指示しております。地方とのいろんな話し合いを積み重ねながら、とりあえずは28日に答を出さなくてはいけませんから私たちの答を出したいと思っております。しかし28日で終わりというのではなくて、今度私どもが提案した生活保護の問題あるいは国民健康保険の問題、今後も議論しなくてはいけない大きな問題ですから、今後とも各方面の皆さんと議論をしながらしっかりした私たちの答えを出していきたいと思っております。dl class="m-listInterview">
記者:
BSEの諮問ですが、今日なさるおつもりでしょうか。
大臣:
そのつもりです。
記者:
三位一体ですけれども、この前の厚生労働省の代替案に対しては、地方団体がかなり反対の意見を、また公明党の中にも生活保護の部分に関しては慎重意見が多いというふうに聞いてますが、こういう状況の中で28日には取りまとめる代替案というのは、やはりこの前示された3つの項目を中心にということに変わりはないのでしょうか。
大臣:
まず誤解があるといけないというか、少し誤解されているのではないかなと思っておりますのは、私どもが言っておりますのは地方のご提案を全て無視するということでもありません。それからもう一つ誤解があるのは、何か補助率を変えるだけだという理解のされ方をしている。これがまた大きな誤解をされている部分ですが、そうでは無い、裁量の部分を大きくする。特に国民健康保険について言ったら、今まで国にしか持っていなかった財政調整の部分を都道府県に一部お渡しをして、都道府県ももう少し積極的に関与して下さいというのをお願いするつもりでおります。そういう裁量の大きくする部分をもう少し丁寧にご説明申し上げる必要があるのかなとも思っております。そうした中で答が出てくればありがたいと思っているところであります。
記者:
先ほどBSEの関係で、先走って議論をやるのはどうかというお話がありましたけれども。
大臣:
いや違います。私が先走ってものは言わないという、そういう意味です。食品安全委員会に諮問をして、その食品安全委員会がまず答を我々に示してくれるわけですから、その食品安全委員会が何も答を示さないうちにその答を予測して、そういう意味で先走って何かものを言うのはまずいと思うから「言いません」と言ったので、そういう意味で理解して下さい。
記者:
BSEの検査なのですが、3年間は全頭検査に補助金全部出すということは、先ほどおっしゃられていた経過期間の動きという、あくまでも経過期間であるという認識でいらっしゃるということなのでしょうか。
大臣:
そうです。あまり答を、先ほどから言うように、予測してそれを前提にした先走った、そういう意味で「先走って」と言っているので是非理解をして欲しいのですが、ここで私が何か言うというのもまずいだろうなと思っているからということを言っているわけです。まず食品安全委員会の答を求めたい、それを見てからの話ですということを言っているわけです。
記者:
少し国民にわかりにくいと言いますか、20か月以下は検査出来ないから除外すると言いながら、3年の長きにわたって助成を続けるということが、検査ありの肉と検査なしの肉の2種類の肉が出回ってしまうということになりかねないのですけれども、その件についてもう少しわかりやすく国民に説明して下さい。
大臣:
私どもは、ですからずっと今まで全頭検査をしてきて、その結果20か月のところでそれ以下の牛に全く問題がなかった。それはもう統計的にきちんと答が出た。それから世界中に目を広げても同じことが言えるということになると、そこに線を引くというのは間違いのない答だろうと私たちは思っておりますから、その諮問をします。もしその通りだねという安全委員会からの答えが出れば、そこで線を引くということだけは、私どもの立場として牛肉の安全ということでは、私どもの責任において、もう国民の皆さん大丈夫ですから召し上がって下さいと言うわけであります。ただおっしゃるように、そう言いながらそこまでの牛を検査する。それは地方が独自におやりになるので、ちょっと言葉が適当でないかもしれませんが、今私が思いつく表現で言うと、より商品価値を高めるために独自におやりになることだというふうに思っていまして、しかしそれは世の中の仕組みや制度を変える時に経過措置というのは常にありますから、あまりそこのところ、我々の立場から言ったらそれもおかしくなりますなんていう理屈をそうまた強く言うつもりもないです。商品価値を高めるためになさるというふうに理解をして、我々は出来るご協力は申し上げよう。もしそうなったら、ということであります。
記者:
商品価値を高めるためであれば、国が全額助成をするというのは矛盾しているような感じが、独自にやるのであれば独自にその地方の地域の負担でやるというのが筋ではないのですか。
大臣:
ここは本音で言うと、ギリギリ理屈を言われれば、それは辛いところがある。それはギリギリ理屈を言ったら。だけれども、いつもの私の荒っぽいもの言いになるかもしれないけれども、人間がやることというのはそんなに理屈で杓子定規に割り切るというものだけでもなくて、まあそこはね、というような部分があってもいいと私は思っていて、その範囲の中の話だろうというふうに思っております。それはギリギリ理屈を言ったら、あなた方の言っている通りかもしれない。大丈夫だと言いながら、大丈夫なところを何故検査するのと言われれば、それは理屈の世界だけで言うと、というところは認めざるを得ないというのが正直なところです。

(了)

大臣記者会見概要(2)

H16.10.15(金) 9:16~9:30 参議院議員食堂

広報室

国内のBSE対策の見直しについて

大臣
皆さんにわざわざ集まっていただきましてありがとうございます。今朝の記者会見でBSE対策についてお答えをいたしましたが、その後のいろいろなところの報道ぶりを見て「これは私の説明がまずかったのかな」と思ったものですから、改めて説明をさせていただきたいということでございます。地方公共団体への国庫補助の考え方というペーパーを改めてお渡ししてあると思います。基本的に言うとこの説明が厚生労働省としてのきちっとした説明だとご理解下さい。それで私もその通りにご説明したつもりでありますが、私の説明がまずかったというのか足らなかったというのか混乱を招いてしまったということについてお詫びをいたします。改めて申し上げたいと思います。 まず、本日BSE国内対策の見直しについて厚生労働・農水両省から食品安全委員会に諮問を行いました。見直しに当たっては経過措置を講ずることにし、全頭検査を継続する地方自治体に対して引き続き国庫補助を当分行うこととする予定です。この措置をとる理由について申し上げますと、これまでの全国各地の意見交換会を行った結果、消費者団体や生産者団体等から全頭検査継続について多くの意見がございました。またかなりの地方公共団体において、これに配慮して全頭検査継続が検討されている状況にあります。このことを考えますと制度変更に伴い生じかねない消費者の不安心理を払拭し、生産流通の現場における混乱をなくすことが必要だと考えたからでございます。またこの措置に併せて関係省庁と連携して消費者など関係者に対して意見交換会など徹底したリスクコミュニケーションを行う予定でございます。これは出来るだけ多くの都道府県で行いたいとこういうふうに考えておるところでございます。また私が今朝商品価値云々と申し上げて、これが大変皆さんに混乱を招いたんだと思いますけれども、改めてここの意味について申し上げさせていただきたいと思います。こう申し上げましたのはこれまで3年間全頭検査を講じてきて、科学から考えて制度は変更することにしてもそのことが消費者の不安心理を呼ぶことになれば安全な牛肉なのに商品価値が理屈無しに下がってしまうかもしれない。地方公共団体がそれを防ぐために執る対策については協力したいという趣旨で言ったものでございます。科学に基づく対策は安全のための措置であり、安全のための基準は1つであります。しかし消費者の不安心理などによって無用な混乱が生じる恐れが大きい場合などこれに配慮しなければならない場合もあると考えています。すなわち今回の措置は安全と安心のタイムラグから起こる混乱防止のため必要な経過措置をとるものと考えております。まずは私から申し上げることは以上でございます。

質疑

記者
安全と安心のタイムラグの経過措置というのは、どのくらいの長さなのでしょうか。
大臣
今まだはっきり言えません。どれくらいの時間を考えるかは今後にして下さい。3年間という期間は1つの考え方であると思いますが、まだしっかりそこまで詰めた話ではありません。
記者
タイムラグを埋める仕事というのは、国の仕事であるということなのですか。地方独自の判断で継続することについて国が補助するということはどういうことなんでしょうか。
大臣
私どもは科学的には1つの答を出したと思っています。ですから今日諮問をしたわけであります。けれどもその辺の私の物言いがまずかったんだろうと思うんですが、人間心理というのは理屈の通りにならない。また皆さんに誤解を与えるといけないと思いますけれども、安心という心の問題というのは、お互いにぜひ私の言いたいことを理解していただきたいと思うんですが、理屈通りに人間心理というのが動くかどうかというと心の問題というのは別なところにあったり、理屈では安全だとは思っていても何となく心配だよねというような、私の言っていることはそういう意味だと思っていただきたいのですが、そういうふうにすると、本当に安心出来るというところに少々時間差が出来るかなと、私は基本的には思っているのです。この前のBSEの牛が発生した時の反応からして、国民の皆さんがずいぶん信頼していただいている。ほとんど安心していただいているのではないかなとは思うのですが、やはりそこはもう少し時間をかけて、本当に安心していただく、やはり安心だったよねと思っていただく期間が必要なのかなと思っています。
記者
つまり何らかの形で費用を出すことについてはよくわかるのですが、それを地方が出すべきなのか、国が出すべきなのか、いわゆる三位一体で補助金のあり方がいろいろな形で議論された中で、国の役割、地方の役割、今回のものも一種の補助金な訳ですけれども、そういった意味で、地方の独自判断に対して国が補助金を出すということについてどうなのかということをお伺い出来ればと。
大臣
それは難しい質問で、もう少し我々も詰めて、その辺の議論をしなければいけないと思いますし、考えなければいけないというふうに思うのですが、こういうことは言えると思うのです。生産地と消費地がどうしても別になりますから、そこのところのとらえ方、それで結局生産地で検査するけれども、それが消費される場所は別ですから、ちょっと理屈を言っているようですけれども、その辺のところをどう整理して考えるかということがあって、基本にあるのはやはりBSE問題というのは国の責任ですから、BSE問題は国の責任だと思うと、生産地と消費地が分かれた場合に、では国がどう関わり合うかというと、どうしても国が責任を取った方がいいのではないかというのは一つの理屈になると思います。だからそんなことも含めて、もう少しこれを議論させていただきたいと思ってます。
記者
国の責任で全頭検査。
大臣
だから国の責任で今までは全頭検査をしてきました。基本的にBSE問題は国の責任だということがまずあります。それで今後の対応をどうするかという時に、基本的にそのことは踏まえざるは得ませんということを言っているつもりだというのをご理解下さい。
記者
今朝の大臣のご発言、商品価値を上げるとおっしゃったのが、非常にやはり騒がれの原因なのでしょうね。
大臣
そこが大変皆さんに混乱をおかけした。極めて舌足らずだというか、朝のあんな短い時間なものだからついひょいと言葉が出てしまったのですが、商品価値というのはさっき改めて申し上げたような意味だとご理解下さい。私もそういうつもりで言ったのですが、何かぱっと商品価値という言葉が出ると、たちまち生産者側とか産業保護だとかという、そちらの立場で何で急に、おまえはそっちの立場だと言われると、そういうふうに理解をされたとしたら、これはまずいことを言ったなと思っているので、今あらためてご説明しているわけであります。これは今朝も再三言いましたように、そして冒頭それを前提にして私は申し上げたつもりなのですけれども、我々の立場というのは国民の食の安全を守る立場ですから、それを一番の基本にして今日も申し上げたつもりであります。ただ説明の仕方が大変まずかったのだろうと思って反省しております。
記者
商品価値を上げるとおっしゃると付加価値をつけるように見えてしまうので、先ほどのご説明ですと商品価値が安全なのに下がってしまうことを防ぐのが国の責任であると、そういう意味でよろしいでしょうか。
大臣
国全体というか、人間心理というか、消費者心理で不当に下がるのもまたまずいでしょというようなところもありますから、そういう意味だと思って理解していただければと思います。
記者
ちょっと話が違うのですけれども、水俣病の関西訴訟の判決で、厚生労働省としてのコメントが出たのですが、「判決の内容については、未だ詳細に検討していないが、厚生労働省の主張は認められており、妥当な内容であると考えている」というのは、これはほとんどあまり意味がないというか、訳がわからないというか、厚生労働省の何の主張が認められたとかですね、何かもう少し。
大臣
もう少し説明させます。言われる通りに、あまりよくわからないけれども、という前書きがついていて、必ずしも正確でないから、これはちゃんと事務方から説明をさせます。慌てて出したのだと思います。まだどんどん、半分ずつというか、内容が五月雨的というか、次々に入ってくるのを途中で何か言わなければいけないと思って出したのだと思いますから、間もなくしっかり全部がわかると思います。それを踏まえての説明にさせて下さい。ちょっとおっしゃるようなところがあることは確かです。認めますので、少し待っていただくようにお願い致します。

(了)