閣議後記者会見

H15.11.28(金)10:45~11:05 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、法務大臣から平成15年の犯罪白書につきましての報告があり、総務大臣から労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果につきましての報告がございました。10月の完全失業率は季節調整値で5.2パーセント、前月に比べまして0.1ポイントの上昇となりました。就業者数は6337万人と前年同月に比べて18万人の減少と、それから完全失業者数は343万人と前年同月に比べまして19万人減少と、5ヶ月連続で前年同月の水準を下回っております。消費者物価指数の11月の東京都区の速報値でございますが、前月に比べまして0.5パーセントの下落、前年同月に比べまして0.8パーセントの下落と、4年3ヶ月連続で前年同月の水準を下回ったと、こういうことで。それから有効求人倍率、私の方から報告をいたしまして、平成15年10月の有効求人倍率は季節調整値で0.70倍と、前月の0.66倍を0.04ポイント上昇をいたしました。有効求人季節調整値でございますが、前月に比べまして2.9パーセントの増加、有効求職者こちらの方の季節調整値は2.7パーセントの減少ということになっております。総務大臣から報告がありました労働力調査結果と併せて見なければなりませんが、雇用失業状態、依然として厳しい状況にはありますものの、しかし、持ち直しの動きもある、こういうことだろうと思っております。それから財務大臣から財政制度等審議会、財政制度分科会平成16年度予算の編成等に関する建議につきましての報告がございました。それから環境大臣から昭和48年の旧軍毒ガス弾等の全国調査のフォローアップ調査の取りまとめの結果について報告がございました。それから官房長官からも昭和48年の毒ガス弾等の全国調査フォローアップ調査の結果について追加の発言がございました。以上でございます。

その他

大臣:
少し遅れましたのは、その後、外務大臣から現在のイラクにおきます活動状況等についての少し報告がございまして、そうしたことで少し遅れた次第でございます。以上です。

質疑

記者:
今日、例の三位一体の補助金削減の回答日となっていまして、内閣官房等に厚生労働省の方の2500億円の枠組みについての方針を示されるというふうに伺っておりますが、生活保護費負担率引き下げという大きな変更点もあるようですので、現時点ということで結構ですので、大臣の見解を聞かせていただきたいのですが。
大臣:
3年間で4兆円、厚生労働省関係は最終的にどれだけになるか分かりませんけれども、現在の補助金の中で55パーセントは厚生労働省関係でございますから、その割り振りでいきますと4兆円であれば2兆円は厚生労働省が持たなければならないということになるわけで、今年はその手始めの年になりますので、全体として厚生労働省としてのひとつ取り組み、最低限これぐらいはというのは、そう多くの額ではありませんけれども、この3年間くらいの間にかなり様々な角度から大きい額のいわゆる補助金のところにつぎ込んで示さなければならないのだろうというふうに思っております。市町村の方から要望されている点もございますし、ご要望で無い点もあるわけでございますが、2兆円を超えるような額にもし、なってくるというふうにいたしますと、それは今年であれ来年であれ、ご要望の分だけというわけにはいかない。かなり踏み込んでやっていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。初回の部分を何にするかということはまだ決定したわけではございません。これから各省庁との間で協議をするわけでございますので、その結果によって決定するわけでございます。生活保護の問題もその中の選択肢の一つというふうに私は考えているところでございます。これからいろいろの議論があって決定されるというふうに思っております。
記者:
昨日与党の年金協議会が開かれまして、国庫負担の引き上げということで合意したということなのですが、財源とか給付の負担の水準について触れられない段階であると、若干スピード感としてやや遅いのではないかという感触もあるのですけれども、大臣としては昨日の決定の評価とスピード感みたいなものについてはどのように受け止めてらっしゃるか、お考えを聞かせてもらえますか。
大臣:
国庫負担の2分の1への引き上げの問題について決定をしていただいたことは大変ありがたいというふうに思っております。与党の中で合意をされたということは大きな前進だというふうに思ってます。いずれにいたしましても、今年の年末までの間にその内容についてさらに議論をしていただかなければならないわけでございます。これはいわゆる厚生労働関係のところだけで決まるわけではございませんで、税制改正その他全般にわたって議論をいただいた中で決定をするわけでございますので、税制改正の方の議論がまだこれからでございますので、その内容につきまして現在決まっていないのはやむを得ないことだというふうに思っております。しかし、その議論につきましても議論をしていただけるというふうにお聞きをいたしておりますし、たまたま津島会長が両方会長、兼務でおやりをいただいておりますので、その点ではスムーズにご議論をいただけるのではないかと期待をいたしているところでございます。
記者:
直接大臣所管の話ではないのですが、公明党の方がとても努力されているのですけれども、ミャンマー人の男性とフィリピン人の女性のご家庭が難民申請がミャンマー人の夫の方に出なかったものですから強制送還されるという事態に瀕してまして、この間フィリピンの方に強制送還すると予算委員会で法務大臣が答弁されているのですが、お子さんがもういらして、日本で育って日本語しか出来ないというような状況の中で、子供の福祉という観点から大臣何かご所見はございませんでしょうか。
大臣:
そうですね、私もあの参議院で質問が出ますまで、私そのことを存じませんでした。参議院の予算委員会で法務大臣がかなり明確な答弁をされたわけでありまして、そこまで明確におっしゃいますとなかなかそこをバックさせるということは難しいのかなという気を持って聞いたわけでございますが、裁判所の決定もこれあり、ということでございまして、しかし、一度お帰りをいただいて、また来ていただくとか、良い方法が無いかと検討するようなご発言も最後にあったように思っております。日本で居住したいというご希望があるようでございますし、今お話ありましたようにお子さんも日本語の中で、日本の文化の中で育っておみえになるということでございますから、何かいい名案があればいいのになと、こういうふうに思いながら私もお聞きをしていたところでございます。厚生労働省の所管でないことでございますので、これ以上申し上げることが出来ませんけれども、何かいい案があればと私も思っておりますひとりでございますので、個別にでもまた法務大臣とご相談をしてみたいというふうに思っております。
記者:
個別にご相談というのは。神崎さんの方が法務大臣に特別在留許可を出すべきだということで、申し入れをされているのですが。
大臣:
そうらしいですね。
記者:
党の方の難民のプロジェクトチームにも、すごくバックアップしているのですけれども、大臣としてもということでしょうか。
大臣:
私にどれだけのことが出来るのかというと、ちょっとよく分かりませんけれども、かなり先日のお話を聞く限りにおきましては、法務省のご意志は固いようにお聞きをしたわけでございますが、さらに残された道で何かいい道がないのか、その辺のところを考えることが出来ればというふうに思っております。
記者:
一部に基礎年金高額所得者の基礎年金をカットするという議論がされておりますけれども、それに関してどのようにお受け止めでしょうか。
大臣:
私は基礎年金のところというのは、どういう階級の皆さんであれ、同じように国庫負担を受けられるというのが、私はいいのだろうというふうに思っております。所得が高いから切る、また所得が下がったからまた戻すというのもいかがなものかと、私は思っておりますが、これは今後の年金制度体系をどうするかということとセットの話ではないかというふうに思っておりまして、今後議論をさらにしていただきたいというふうに思っております。少なくとも来年の4月からそうした制度を導入するということにはならないというふうに思っております。
記者:
予防接種の問題なのですが、唯一というか、今までかなり確実と言われていました、麻しんのワクチンが終生免疫を得られないということが、これは現場では昔から言われていたのですが、最近かなり研究で明らかになってきているということなのですけれども、これに対して厚生労働省として今後予防接種対策を見直すということはお考えではないでしょうか。
大臣:
予防接種の問題は、私もまだ詳しくは聞いておりませんけれども、1回の予防接種では免疫は不十分で、やはり2回やらないと具合が悪いということのようですね。しかしそこはいわゆる予防接種の質の問題なのか、それともどんないいものでも回数を2回にしなければいけないものなのか、その辺のところをもう少し本格的な一つ調査結果を見たいと思っておりますし、また2回やることによって副作用が起こることはないのかどうかといったようなことも確かめておかないといけないと思っております。特に子供のワクチンにつきましては、混合ワクチンが中心ではございますけれども、副作用の問題があって、そして子供に対するワクチンが義務づけてはならないというような強い反対運動が一方であることも事実でございまして、そうした中でございますので、ここはよくよく確かめて前に進まないと、また失敗を繰り返してはいけないというふうに思っているところでございます。よく近いうちに整理をさせていただいて、皆さんにもご報告したい。
記者:
失業率なのですけれども、有効求人倍率が改善されたのにも関わらず、失業率が0.1ポイントあがっていますが、これをどう受け止めておられますか。
大臣:
そうですね、今までにも失業率と有効求人倍率というのが乖離する現象というのは多々あったわけでございます。過去の例でいきますと、有効求人倍率は先行指標と言われてきておりまして、ここがよくなるということは将来の見通しが明るくなることだというふうに言われてきたわけでありまして、現時点では失業率の方が悪くなっても有効求人倍率がよくなれば、それは将来の明るさがあるという、こういう解釈で今まできたわけでございますが、経済の状況そのものがかなり変わってきておりますから、必ずしもそう言えるのかどうかということも、もう一つ検討しなければいけないと私は思っております。ただしハローワークの中で見ればよくなってきていることだけは間違いがない、失業者の数も前年同月に比べますと、19万人減少致しておりますし、そこはそんなに増えていない。ただし、失業率が高いというのは、やはりハローワークの中で見るのと、社会全体で見るのと若干違ってきているということを示しているのではないかというふうに思っておりまして、まだハローワークの中だけでよくなってきているというだけでは、手放しで喜べないというふうに今思っております。いわゆる産業別に見ました場合にも、各産業ともに非常に新しい新規有効求人が非常によくなってきておりますので、その点では少し明るいのかなと、今思っているところでございます。
記者:
先ほどの2500億円の件なのですけれども,生活保護と児童扶養手当というものを第1弾としてあげられることになっていると伺っているのですけれども、その理由について可能な範囲で教えていただけますか。
大臣:
まだ決まったわけでありませんので、まだかなり議論の末どうなるかということは分からない状況だと思っておりますし、しかし生活保護も児童扶養手当もこれはこの3年間、2兆円のことを考えますと、どこかでは出さなければならない問題だろうというふうに思っております。どういうところを地方へ移譲するということの中に入れるかという問題があるというふうに思いますが、これは地方でいろいろの努力をしていただく、裁量の多いところをお渡しをするということなのだろうというふうに思っております。したがいまして、生活保護等の問題におきましても、それぞれの地域でやはり、病気の方はやむを得ませんけれども、働ける皆さん方にはどのように雇用の場を提供していくかということと、非常にセットになる問題でございますから、地域によるお取り組みというもの、これがうまくいけばかなり改善されるというふうな気もするわけでございまして、そうしたことも含めて今後どうしていくかという問題だろうというふうに思っております。これは受けていただく地方自治体の中で決まる話でございますから、まだこれで決まるというふうに、私はそこまでは思っておりません。

(了)