閣議後記者会見

H15.07.15(火)8:55~9:15 厚生労働省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日は閣議におきましては、国連防災世界会議の本邦開催につきまして防災担当鴻池大臣から発言がございました。それに関連をいたしまして、外務大臣からも国連防災世界会議の本邦開催についてのご発言がございました。それから亀井農林水産大臣の米国及びカナダ訪問につきましての報告がございました。以上が閣議における閣僚発言でございます。

その他

大臣:
これは閣議外でございますが、失業者向けの生活関連情報提供サービス事業でございます。ワンストップサービスは失業者に対しましてすべてのことがハローワークならハローワークで分かるようにという、そうした話がございまして、検討を進めてまいりましたが、一応9月から専門相談員を置きまして、そして相談に応じるというのを東京、大阪、福岡、札幌でございますが、まずこの4ヵ所からスタートをしたいというふうに思っておりまして、来年は10ヵ所行いたいということで、予算要求をしたいというふうに思っております。これは失業者に対しまして、年金のこと、税金のこと、その他諸々、失業に関しますことについてお答えのできるようにしたいというふうに思っているところでございます。以上私の方からご説明申し上げました。

質疑

記者:
昨日財務省の方で主計官会議がありまして、予算編成作業が本格的にスタートしたということに関してなのですが、厚生労働省としての取組を改めてお聞かせ願いませんか。
大臣:
厚生労働省といたしましても、来年度予算に向けまして現在各局を中心にしまして取組みを続けているところでございまして、特に社会保障の問題、一番大きい問題でございますから、これに対して我々はどういう態度で望むかといったことについて今、省としては進めているところでございます。皆さん方のマスコミ情報でございますが、私財務省から直接にお聞きをしたわけではございませんが、2000億とか3000億とか、そうした削減の話が出ております。しかし多いところから先に削るというのは、それはいささか短絡的でありまして、私はやはり本当に無駄なところから削っていくということが大事でありますから、社会保障の中に無駄があるというのであれば、それは直さなければならないというふうに思っておりますけれども、高齢者が増えてくる、あるいはまた、生活保護者が増えてくる、母子家庭が増えてくる、そうしたことをとらえて増えてくるからそれを減らせというのは、それは本末転倒の議論であって、まずはそうしたことが増えてこない社会をどう作るかということを考えていかなければならないというふうに思っております。したがいまして、一番額の大きい社会保障からまず削るというその発想そのもの、そのものを変えてもらわなければいけないと私は思っております。
記者:
日赤の献血の血液について、ウィンドウピリオドの間に感染している疑いのある血液の実態が徐々に明らかになりつつなっているのですが、その件に関してどのようなお考えかを、改めてお伺いしたいのですけれども。
大臣:
必ずしも、日本赤十字社と意見が一致しているわけではございません。一回献血をしていただいて、なんらB型、C型肝炎、あるいはエイズ、そうしたものの反応が出なかった、そうした人が何ヵ月かおいて、あるいは何年かおいて次に献血をしていただいた時に陽性に出る、といったときに前回もそれは疑いがあったのではないか、前回出なかったけれども、それは感染直後で出なかったということもありうるのではないかというようなことで、前に遡って血液検査をして欲しいということを申し上げているわけでございますが、赤十字の方はそれはしかしそういう病気の感染というのは、それ以外、一般に起こりうることであって、その間に他のなんらかの要因で起こったということが充分考えられるわけだから、前回献血をしてもらったのを全てそれは疑わしいと見るのは見過ぎではないかと、こういう反論がございました。私、この意見分からないではありません。分からないではありませんけれども、しかし前回の時に罹った直後で反応に出なかったということも否定は出来ないというふうに思っております。否定が出来ない以上、ひとつ前回に遡って、これは検査と申しますか、それを使用した皆さん方に対しましても、実はこういうことであったという本当のことをお話を申し上げて、そして検査等をしっかりやっていただくということが大事でないかというふうに思っております。これは、そういうことは非常に結論から言えば少ない確率かも知れませんけれども、たとえ少ない確率であったとしても献血であります以上、それはやはりちゃんと処理をしなければいけないというのが厚生労働省としての立場でございます。これからもこういうことが起こりうるというふうに思いますが、これはどれほど良い検査方法が見つかりましても体の方の反応の遅れと申しますか、病気になりました直後の反応がいわゆる出来るまでの間、反応ができるというとおかしいですけれども、肝炎なら肝炎に感染をした後、それがいわゆる検査にそれが陽性に出るまでの間、その期間というのに若干ずれがあることは事実でありますから、そうしたことを念頭において、もし今まで献血をしていただいた方で、陽性に出るような人があれば、前回に遡ってひとつその血液を使われた方があったとすれば、その人の健康状態についてチェックをさせていただくというのが、これは献血の精神からいきましてもやはり大事なことだというふうに思っている次第でございます。
記者:
社会保険料が総報酬になった時に対する、要するに一年間で保険料をならしてという方式になったことに関して、いわゆるボーナスを分割して支給しようとしている動きが各企業の中にあるのですが、そのことに対するご見解をちょっとお聞かせ願えないでしょうか。
大臣:
極端な話、ボーナスを無くしてその代わりに月々の給料を多くするということになれば、月々お払いをいただきます保険料も多くなるということでありますから、それは、そう違いは無いのではないかという気がいたしますけれども、計算をしたわけでは決してございません。しかし、保険料を払うということを、皆さん誇りを持って払っていただくように是非お願いをしたいというふうに私は思います。国民年金などが払えない人もありますが、払わない人も増えてきていることも事実でございます。自分の将来だけを考えて、払っておいても貰えるかどうか分からないというふうに思われるのかもしれませんけれども、その人が高齢化しました時に、自分のことは自分でちゃんとするからいいよというふうに思われているのかもしれませんし、中には年を取った時のことまで全然考えてないとおっしゃる方もあるようでございます。しかし、そういう社会になりますと、前回も申しましたようにそのお子さん方は仕送りをしなければならない。仕送り社会になってしまうということになるわけですから、やはり社会全体の中で、自分たちの置かれている立場というものを考えて、保険料というのはお支払いをいただくわけで、個人におきましてもそうでございますし、また企業におきましてもそういう立場でお支払いをいただくということが私は大事でないかというふうに思います。今、支払う保険料が少なければそれでいいという話では決してなくて、そういう制度を今後も持続をさせることによって、将来の企業というものをやはり活性化させるということに大きく結びつくだろうというふうに思っております。かなり不況の時代が続いてまいりました、確かに個人消費も低下をいたしておりますけれども、しかし低下しているとは言いますものの、これだけ消費が続いているわけでありまして、それほど極端な落ち込みではないと私は思います。したがってこれから少子化が進み高齢化が進むという時代になりました時に、日本の経済を維持するためにもやはり年金制度というのはちゃんとしておかなければいけないというふうに思いますから、そうした意味でもやはりこれは持続をしていかなければならないという気持ちを企業の皆さん方もお持ちをいただかないと、現在だけのことで処理をしていただきたくない、そんなふうに思いますが。
記者:
そういう意味では、民間の生命保険会社が予定利率を引き下げることが出来るという法案が、今週恐らく成立するのではないかと思うのですけれども、相対的に公的年金のありがたみといいますか、存在価値がもう一度注目される局面も来そうに思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
大臣:
その生命保険や、政府でない民間のことにいたしましては、私はあまり言うことは避けたいというふうに思いますけれども、民間は民間でしっかりおやりをいただく、そして公的なものは公的なものでしっかりやっていく、やはり両方相まって今後の高齢化社会のことができあがっていくというふうに思います。国民年金の支払いをする人、出来ない人はこれはやむを得ませんけれども、出来ない人だけではなくて出さない人、その人が増えてきているということは、やはり今後その人の問題だけではなくて社会全体として大きな問題をはらむということを申し上げたわけであります。
記者:
日本赤十字の関係で、追跡調査が不十分であった日本赤十字の責任と国の指導、監督責任ということについては、現状ではどういうふうにお考えでしょうか。
大臣:
先程申しました通り、日本赤十字が言うことも一理はあることなので、前回の献血をしていただいた時には、それは何らかかってなかった、しかしそれ以後いろいろなことで、かかった可能性というのは十分にあり得るわけでありますから、前回の時にかかった直後で検査に引っかかってこなかったということは、それは十分に言えるかどうかということはこれは問題あるわけでありますから、ここは責任を問うといいましてもそれは責任を問うところまでは難しいと私は思います。それはその時のその人の体の状況から検査結果が出て、そしてそれに対して判断をしたわけでありますから、そのことに対しての責任までも問えない。しかし、厚生労働省の立場からすればそうしたことに対しては、やはり前にさかのぼってその皆さん方にもそのことをお伝えをしてくれているのでないかと思っていたことも事実でございます。しかし今回そういうことにはなっていないということがはっきりしたものですから、それではそこははっきりさせて下さいということになったわけです。現在の新しい制度、できあがりましてこれで2、3年でしょうか、いわゆるNAT検査というものが導入されて、まだ2、3年、スタートしてからまだ大きな年月がたっているわけではありません。段々と検査方法が進んでまいりまして、そして非常に優れた結果が出ておりますし、それに対して必死に赤十字が取り組んでくれているのも事実でございます。非難するよりも、今後例え一人であってもそうしたことによって、すき間からこの病気が感染をするといったようなことがないようにしていくことが大事だというふうに思っております

(了)