閣議後記者会見概要

H15.04.25(金)9:28~9:48 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきます大臣発言といたしましては、内閣官房長官からイラク難民救援国際平和協力業務の実施の結果を国会に報告することについての発言があり、経済産業大臣から平成14年度中小企業の動向に関する年次報告及び平成15年度において講じようとする中小企業施策についての発言がありました。それから総務大臣から平成14年度労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果につきましての報告がございまして、3月の完全失業率は季節調整値で5.4パーセントとなり、前月に比べて0.2ポイントの上昇となりました。就業者数は6,266万人と前年同月に比べて31万人減少と、こういうことで。私の方からも有効求人倍率につきましてのご報告を行いまして、3月の有効求人倍率は季節調整値で0.60倍、前月の0.61倍を0.01ポイント下回りました。有効求人季節調整値は前月に比べまして、0.7%の減少となり、有効求職者季節調整値は0.6%の増加となっております。それから平成14年度草の根無償資金協力の実施状況について外務大臣から発言がございました。これも外務大臣から平成14年度草の根文化無償資金協力の実施状況について、それから外務大臣からもう一つ、イラクの文化遺産の修復・保存に対する緊急無償資金について、以上でございます。

閣議後懇談会について

大臣:
閣僚懇談会におきまして、外務大臣から我が国ODAに対する被援助国の評価及びその広報についての発言がございました。それから文部科学大臣からもイラク復興支援に関する文部科学書の取組についてのご報告がございました。以上が閣議におけるものでございます。

その他

大臣:
それから閣議の前に、今朝8時15分から45分までキャピトル東急におきまして、若年者を中心とする人材対策強化へ向けた関係閣僚による会合が開かれた次第でございます。経済産業省の平沼大臣、それから文部科学省の遠山大臣、そして竹中大臣、そして私の4人が集まりまして、若年者を中心とする人材対策強化に向けた話し合いを行ったところでございます。今後、この会合をさらに継続いたしまして、そして若年者の雇用対策に取り組んでいきたいというふうに思っております。内容は、一つは雇用をどう作り出すかということ、それから若年者のミスマッチをどうなくしていくかということ、そして特に高等学校でございますけれども教育の内容をどう改革をしていくかということ、この3つのことをそれぞれの担当者のところが自分達のところをやるだけではなくて、他の分野との谷間になります部分をどう埋めていくか、あるいはまた連携をしてどう進めていくかということについて、今後話をしていくということが大事ではないかというふうに思っている次第でございます。特に新しい働く場を作り出すということにつきましては平沼大臣のところが中心でございますけれども、我々としても協力できることはなにか、そして厚生労働省としましては、やはり若い人達のミスマッチをどう無くしていくか、それから職業訓練というものをどう積極的に行っていくかということだろうと。それから中長期的な問題にもなりますけれども、文部科学省としてどう積極的に現実に対して対応をしていただくかというようなことだというふうに思っております。さらにこれからも関係を密にして煮詰めていきたいと考えております。だいたい以上でございます。

質疑

記者:
先月の完全失業率の中で15歳から24歳の失業率が過去最高ということで、緊急に対策を求められておりまして、大臣のお考えを。
大臣:
若年者の問題としましては中長期的な問題と、それから当面やらなければならない問題と両方あると思うのですね。当面我々としてやらなければならない問題は一つは若年者を対象とした面接会。企業との面接会、これを各地でより積極的に行いたい。それからもう一つはトライアル雇用ですね、これは予算化もされておりますので、しっかりとやっていきたいというふうに思っております。それからもう一つは技術訓練ですね、これを予定以上にもう少し増やして、今まで3千人なっておりましたが、5千人くらいを規模にして、そして職業訓練を行うと。だいたいこの三本柱を中心にしまして、若年者の雇用対策、当面の課題としてやりたいというふうに思っております。トライアル雇用は非常に結果も良いものですから、より積極的に増やしていきたいというふうに思いますし、その面につきましてはやはり経済界の皆さん方にもご協力をいただきたいというふうに思っている次第でございます。平成15年度の予算におきましても、このトライアル雇用は5万人の予算を組んでいるところでございます、前倒しをいたしましてより積極的にやりたいというふうに思っております。
記者:
若年層の雇用が悪化していることについての原因というのは、大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
原因はいろいろあると思います。一番大きいのは若年層、とりわけ高校卒業の皆さん方に対する雇用が減少していることでありますけれども、その中身をもう少し詳しく見ますと、今まで高校生を採用しておみえになりましたところが、いわゆる即戦力の人達を必要だというので、かなり技術的な問題を要求されるところは大学とか短大をお採りになっている。それから普通の仕事のところは一般のパートで埋めておみえになる。したがいまして、今まで高校卒の皆さん方が就職しておみえになりましたところが、非常に技術を要するような難しい側面は大学、短大等に取られている。それから普通の仕事、そこはパートの人達に取って代わられている、こういう現実があるものですから、現在の高校卒業の皆さん方にもう少し技術的なものを身につけていただくといったようなことが大事になってきているのではないかというふうに思っておりまして、そういう意味では我々も職業訓練というものにもう少し力を入れていきたいというふうに思っておりますし、企業の方におかれましても、やはり少し長い目で若い皆さん方を採用していただいて、企業におきましても様々な職業訓練といったものをお願いをしたいというふうに思っているところでございます。
記者:
厚生労働省から離れるのですが、先程もイラクの文化遺産の緊急援助の話が出たのですが、イラク戦争について大臣のご所見をお伺いしたいのですけれども。ほぼ終結したのですが、大量破壊兵器は見つかっていないのですね。アメリカの最初の攻撃の理由として大量破壊兵器を無くさせるということだったのが、途中からフセイン独裁政権を潰すということに変わってきているのですけれども、こういうふうになった状況でもアメリカの攻撃、戦争行為というのは正しかったと思われるのか、それとそれを支持した日本政府の判断というのは正しかったと思われるのか、その辺を。
大臣:
それはイラクの中に化学兵器、生物化学兵器というのは存在することだけは間違いがないと。過去に使われた経緯があるわけですから、無くなったということはないというふうに思って、ただそれを廃棄をしたのならばどういうふうにして廃棄をしたかということを明らかにしなければならない。廃棄をしたという方法、その方法やいつどういうふうにして廃棄をしたかということが明らかでない限り、やはり存在すると思うのが、そういうふうに判定するのが私は正しいというふうに理解をいたしております。恐らく近い将来発見されるものというふうに思っております。
記者:
ではこの戦争を支持した日本の判断はやはり正しかったと。
大臣:
支持したと申しますか、そうしたフセイン政権というものをこのまま継続させるということは世界に対して大きな問題を残すということであったと思うわけで、そのことに対しましては日本は支持をしたわけでありまして、そうした問題は北朝鮮におきましてもなお存在をして、そうしたことを考えますと日本の安定、日本の安全というものをやはり考えていけば、やはり責任ある内閣としてはそうしたことを無くしていかなければならない、協力をしなければならない、そういうふうに思っている次第でございます。
記者:
クアラルンプール、ジュネーブでどういったお話をされていきたいというふうに、今のところ大臣は。
大臣:
アジアにおける新型肺炎がですね、それはアジア全体にとりましてもちろん健康上の問題もございますけれども、健康だけではなくて経済全体にも大きな影響を与えるだろうというふうに思っております。特に中国におきます新型肺炎の広がりはかなり大きなものであるというふうに思っております。この広がりが地方に拡大をいたしました時に、受ける影響というのは非常に大きいと思います。この中国の新型肺炎の蔓延というのはこれは決して対岸の火事ではありませんので、必ず日本に対する影響というが出てくるというふうに思わざるを得ません。したがって中国をはじめとする中国、香港等の肺炎の拡大をいかにして早期に終結させるかということが大事でありまして、それがない限り日本も非常に大きな恐怖にさらされる、日本の経済にも大きな影響を与えると考えております。そういう意味で是非国際協力を進めていきたいというふうに思っています。特に中国との間の協力をどう進めるかということが、大事だろうというふうに思います。しかし中国は大国でございますし、なかなか気位の高い国でございますから、我々の方からどう手を差し伸べるかという、手の差し伸べ方を考えないといけないというふうに思っております。それからジュネーブの方、ILOの方につきましてはこれはやはり公務員問題、やはり一番大きな課題であるというふうに思います。これは国内におきます労働組合との話し合いがですね、今後進むだろうと思っておりますし、いたしますので積極的に労働組合との間の話し合いを進めたいと。そして皆さん方にと申しますかILOに対しましてもご報告を申し上げたい、しばらくのお時間を頂きたい、こういうことを言いたいと思っております。
記者:
地方分権改革推進会議で補助金見直しなどの論議が始まろうとしていますけれども、厚生労働省は保育所の運営がですね多額の補助金を抱えているわけですが、こういったものの見直し、一般財源化の話もありますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
地方分権もこれは進めなければならないわけでありますから、厚生労働省としても積極的に協力をしなければならないというふうに思っております。そういう前提ではございますけれども、しかしその中でいわゆる少子化対策、すなわち乳幼児に対する問題、この問題は途についたばかりでございまして全国的な広がりというところまで至っておりません。少子化対策は最も遅れた部分でございまして、これからより積極的に進めなければならないところでございますから、この分野を早期にと申しますか、この分野を優先的に一般財源化するということは非常に危険を伴う。この分野につきましては、もう少し国の方が積極的にどのようにして進めるかということについて市町村の指導もしなければなりませんし、定着をさせなければならないというふうに思っております。したがいまして、全体として、総論としてこの分権化を進めて、それに対しまして予算的な措置も変えるということはよく理解をいたしておりますけれども、この少子化対策の部分あるいはまたこの保育所等の問題をここを一番先にやるということは決して国全体として得策ではないと。むしろこの分野はもう少し各都道府県あるいは市町村に国の方針というものをしっかり伝えて、その後でどうするかっていうことを考えるべき問題であるというふうに思っておりまして、ここを一番先に一般財源化するということにつきましては私は反対でございます。

(了)