大臣事前折衝後記者会見概要

H14.12.18(水)15:43~16:07 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

事前大臣折衝について

大臣:
今日、財務大臣との協議でございますが、2点ございまして、1点はご存じのとおりの年金額の物価スライドの特例扱いの取扱でございます。それで15年の公的年金につきましては、本年の物価は前年比で0.9から1.0%下落する見込みであります。法律に従がいますと、来年4月からの年金額は平成12年から14年に据え置いた1.7%と合わせて、2.6から2.7%程度自動的に引き下げられることとなるわけでございます。しかしながら、年金額を据え置いた過去3か年と異なりまして、平成14年は現役世代の賃金の低下傾向が明らかになっておりますことから、高齢者の生活の安定に配慮をしつつ、世代間の扶養の仕組みの下で保険料を負担する現役世代との均衡を考慮する必要があると考えております。こうしたことから、平成15年度の物価スライドの取扱いにつきましては、私の方から、現在の社会経済情勢等を見て、物価スライドを行うこととされている厚生年金につきましては、特例として平成15年度は平成14年度の物価の下落分、マイナス0.9から1.0%による改定を行うこと、15年度の特例措置を講ずることによる財政影響を考慮をして、次期財政再計算において、後世代に負担を先送りしないための方策を検討すること、この2点を提案をいたしまして、財務大臣からもこれに対して、止むを得ないのでそういたしますと、こういうご答弁をいただいたところでございます。そこでもう一つ児童扶養手当の問題がございまして、今年引き下げを行ったところでございますので、なんとか1年間だけ児童扶養手当だけご猶予をいただけないかというので、大分頑張ったのですけれども、これだけ一年間というわけにもいかないから、6か月遅れということで、平成15年10月分からということでどうかという提案がございまして、最終的に合意をせざるを得なかったと、こういうことでございます。それから介護報酬の見直しでございますが、介護報酬につきましては、在宅サービスの重視でありますとか、サービスの質の向上を念頭に置くことが重要であるというふうに考えておりますが、合わせて賃金や物価の下落傾向も踏まえて、保険料の上昇を出来るかぎり抑制することも必要だというふうに思っております。こうしたことから、介護報酬の見直しにつきましては全体として2.3%の引き下げ、施設におきましては平均4.0%の引き下げ、在宅につきましては0.1%の引き上げとすることで財務大臣と合意をしたところでございます。財務大臣からは、ひとつ是非介護等の質の向上に努めて欲しいというようなご要望があったところでございます。以上でございます。

質疑

記者:
年金ですけれども、次期再計算の中での後世代の負担というのは、去年と同じような留意事項がついたということなのですが、具体的にどういうふうにというようなお話は今日は。
大臣:
今日具体的な話まで出ませんでしたけれども、来年1年間皆さん方にご議論をいただいて、来年の今頃には将来の年金の在り方を決定をしなければならないというふうに思っております。再来年の国会に案を提出をさせていただくわけでございますから、来年の今頃はおおよそ出来上がっていなければならないというふうに思いますので、1年かけましていろいろご議論をいただくと、今までの延長線上の中でどう改革をするかというふうにこの次は留めるのか、それとも将来抜本的なもう少し改革をするということに対する来年の改革で、その芽を出すのかといったところが最大の課題になるのだろうというふうに思っております。この1年間の話でございますから、そしてまた年金制度でありますから、急にがらっと変えるというわけにはいかない、今までお約束をしてきた分はお約束をしてきた分でありますから、そう簡単に変えるというわけにはいかないというふうに思いますが、将来の制度がこのままでいいかどうかというご議論も多分出るだろうと、そうしたことを踏まえた改革案にこの次の改正ではするのかどうか、それとも来年のところは今までの延長線上で改善すべきところを考えて、そうした案にするのかといったところを、これから色々議論をしていただいて、決定しなければならないことというふうに思っております。
記者:
児童扶養手当の扱いですけれども、10月という根拠というか、何かあるのでしょうか。
大臣:
8月から行われたということもございまして、そういう意味で8月という4か月遅れでどうかという話もあったわけでございますけれども、しかしもう少しなんとか1年なんとかならんかというお話のところで、それじゃあ半年位でひとつ、こちら本当は同じように4月からと言いたいのだけれどもというお話でございましたが、その辺でお互い矛を収めたところでございます。
記者:
年金の物価スライドについて財務大臣の方からは、過去3年間の累積1.7%を是正して欲しいという要請は改めてあったのですか。
大臣:
それはやはりありました。それは本当はそうして欲しいと、丸々本当は3年分も、2.6から2.7%にして欲しいというお話はありまして、かなり事務レベルでも綱引きがあって、0.9から1.0%という今年の分だけということになったわけでございます。かなり今年の8月の概算要求の時点では、そんなに頑張る程なくすんなり認めてくれるのかと思っておりましたけれども、予想外になかなかきつかったですね。塩川大臣は坂口さんはねちっこいんで困ると言いましたけれども、ねちっこいのは向こうの方で、僕はあっさりして気が小さいと言って今日も言ってきたのですけれども。
記者:
介護報酬のマイナス2.3%の改定幅についてどう思われますか。
大臣:
全体としてはですね、単価でございますからマイナスでお願いをしたいと、現場は大変だろうというふうに思いますけれども、物価の動向もございますし、それから皆さん方も一生懸命おやりをいただいて、かなり現場にも慣れていただいて、そしてどこに力点を置き、どこを削減をすべきかといったようなこともお考えをいただいているというふうに思いますので、現場は非常に厳しいとは思いますけれども、全体としてやはり保険料があまり高くなるということは押さえなければならない現実がございますから、この辺のところが妥当なところだというので、お願いをした次第でございます。
記者:
そうしますと塩川大臣の方からもっと切り込めというお話があったわけですか。
大臣:
いえ、ここはそんなお話はございません。塩川大臣の方は出来るだけ市町村におきます負担が上がらないことが望ましいということは、今日はあまりそうははっきりおっしゃっいませんでしたけれども、いつも閣議で隣に座っておりますと、そういうことをいつも言ってお見えになりますから、そういうご趣旨だろうというふうに思っております。
記者:
これは全体でマイナス2.3、この2.3というのは何か根拠はあるのですか。
老健局長:
審議会の方でもいろいろな経済、賃金、物価指標、あるいは事業者の経営実態、そういうことを見ながら、下げる要素を考え、それからいろいろなサービスを確保するために、またこれからのあるべき介護サービスに向けて、必要なものは確保する、こういうご指摘がございましたので、我々は下げる部分の要素と、それから12月9日に出していただきました審議会の方の介護報酬改定の考え方に盛り込まれている改善をすべき要素というものを勘案いたしまして、財務省とも折衝して、この水準を確保できたと、こういうふうに考えています。
記者:
当初はもっと下げられると予測もあったんでしょうか。
老健局長:
いろんなバランスだと思いますが、賃金、物価の指数、指標などを見ますと、平均的にいって3%台半ばくらいまではマイナス要素があるというようなこともありましたし、財務省の方からは経営実態が良い施設中心に深堀出来ないかというご議論があったのは事実でございますけれども、いろいろな要素を勘案し、やはりこれからの介護保険を適切に、特に介護サービスの確保されなければならない、あと在宅重視、それから自立支援という観点から考えるべきだというのが1年以上議論していただいた給付費分科会の実績でございますので、そういった点も踏まえまして調整したと。こういうことでございます。
記者:
中身については個別にどこかをイメージされているということは、今の段階では。
老健局長:
これから、イメージ自体は基本的な考え方、12月9日の分科会の資料にかなり書き込んでいただいていると思いますし、我々もそういうイメージで対応したいと思いますが、具体的な配分については1月の分科会で審議をしていただくと、また具体的な単価についても、諮問し答申を得て決定する部分があるので、1月の方の議論にお願いをしようと思ってます。
記者:
厚生労働省の方では、賃金とか物価のマイナス分は3から4%台だというふうに予想されたと思うのですけれども、これより低い2.3%で落ち着いたということは、厚生労働省の方が考えているこれからの考え方が財務省が理解を示しているということですか。
老健局長:
やはり我々としては、審議会で議論してきたような改善についての必要な財源というのは確保できたのではないかと思ってます。いろいろな方面からご要望がありますでしょうから、それは多いにこしたことはないという見方もあるでしょうし、また支払を担当していただいている市町村中心に現在の、今は単価の話をしているわけでございますが、サービスのボリューム全体は相当増えているということでございますので、そういうボリュームの増加を見ると、かなり介護保険の財政の方で市町村の方から悲鳴も上がっているという状況を考えますと、やはり限られた資源をどうやって適切に配分するかということが大事になると思います。その点について、また1月に審議をお願いをして具体的な単価を決めたいと思います。ただ、我々審議会でご指摘をいただいているような改善点に必要な財源はギリギリ確保はできたのではないか、こういうふうに思っています。
大臣:
個室化も進めていかなければならないですしね。
記者:
ちょっと予算から少しはずれるかも知れませんが、去年の医療もそうですけれども、今回年金も一応物価に合わせての下落は初めてということになりますでしょうし、介護も最初の改定でマイナスと言うことで、全般的に言えば認められている部分、認められつつも社会保障全体としてはかなり厳しい状況にあるのかなと、読むことが出来るのですが、大臣としてはどのように思ってらっしゃいますか、全体として。
大臣:
物価の下落というのはあることは事実でございますから、そのことにつきましてはやはり我々も考えていかなければならないというふうに思っておりますので、そこはやむを得ないことだというふうに理解いたしております。しかし全体で高齢化が大分進んでまいりましたし、これからまたさらに進むわけでございますから、これから先のことを考えるとなかなか厳しい状況の入り口に立っているなというふうに思っております。いずれにいたしましても、社会保障を将来安定したものにするということが皆さん方の安心感につながるというふうに多くの方がご指摘になりますし、それはまあその通りだというふうに思っておりますが、そこはいわゆる金額で安定したものというのは、なかなか望むべくもなくなってまいりました。したがいまして、制度として安定したもの、これをどう作るかということがこれから問われるのだろうというふうに思います。制度を安定化させて、そして皆さん方にそれぞれ時間をかけてご理解をいただいていく以外にないというふうに思っていますので、ですから今回の年金のように少なくとも1年くらいをかけて議論をしていただかないと、これからもいけないだろうと思いますね。あまり急いでやろうと思いますと皆さん方から反発を買うことになりますので、何度も何度もやはり繰り返しご議論いただいて、将来のことも考え、やはりお互いの財布の中も考えて、そのくらいのところが適当なところかということを理解してもらわないといけないと思うのですね。そういう、今年は入り口に立った1年だったというふうに思っております。
記者:
物価スライドを設定しているのは年金と児童扶養手当含めてたしか10か11あったと思うのですけれども、それについては今日決着したということだと思うのですけれども、物価スライドではないのですけれども、物価動向等を給付水準を決める上で考慮するという部分に生活保護等若干ありますが、それについては今日はお話し合いはあったんですか。
大臣:
今日はまだありません。明日ですかね、経済見通しが出ます。その経済見通しにしたがってそれは決めなければならない、おのずから決まると申しますか、いうものがございます。そこに生活保護なんかは入っているということでございまして、今日のところはまだ出ておりませんので、それは対象になっておりません。
記者:
年金の物価スライド0.9から1.0の間、これはいつ正式に数字が確定するのですか。
年金局長:
10月分まで確定しておりまして、11月、12月分が、12月分までというと1月末に数字が発表いたしますので、それを見まして2月の始めに確定してまいります。
記者:
ちょっと重複するかも知れませんが、16年度の年金物価スライドですけれども、16年度の次期財政再計算で今後の方策を検討されるということは、例えば来年度に編成する16年度予算では過去3年分の取り扱いというのは、どういう方向になるんですか。
年金局長:
16年度の4月にもう一度物価スライドがございます。現行の延長で、それと今大臣がお話しになりました制度改革、この議論を合わせて検討していくというふうに思っています。検討の中で両者を併せて議論すると。
記者:
今日はそういうお話は塩川大臣の方からは何か、過去3年分のことについては何かお話があったのでしょうか。
大臣:
特にはありませんけれども、やはり将来のことにつきまして、16年度以降のことにつきましては私の方からも申しましたし、塩川大臣の方は16年以降の年金改革につてはこれから検討をしていただくんだから、その中でしっかり見て欲しい、こういう話で、特別に具体的にどうこうというところまでお話はいきませんでしたけれども、やはり気持ちの中にはその中で全て精算して下さいよという気持ちはたぶんあるんだろうというふうに思いますけれども、今日はそんなに具体的な話にはなりませんでした。
記者:
生活保護の、先程の確認ですけれども、明日数字が出ますけれども、生活保護についてこれまでも政策的判断になったと思うんですが、来年についてはどういうお考えなんですか。
大臣:
これはやはり年金の方に準じなければならないというふうに思っております。先程も申しましたとおり年金の方は負担をしていただく皆さん方の方の給与そのものが下がってきているということを申しましたけれども、これは保険料だけではなくてやはり税制も同様でございまして、そうした意味からいたしますと、やはりどれだけになるかちょっと分かりませんけれども、若干のことはご辛抱をいただかなければならないことになるのではないかというふうに思っております。
記者:
例えば見通しが年金の下落分よりもかなり大きい数字になった場合でも。
大臣:
そんなことにはならんと思いますけれども、これは明日見てみないと分かりませんけれども。生活保護の方は来年度ですね、来年度の予測ですね、今までのは過去の実績出来ていますけれども、生活保護は来年度の予測がどれだけかということによって決めると。

(了)