閣議後記者会見概要

H14.12.17(火)10:54~11:13 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

特殊法人等改革推進本部について

大臣:
今日は特殊法人等改革推進本部がまず閣議の前にございまして、これは道路関係四公団、国際拠点空港及び政策金融関係の機関の改革についてでございました。

閣議について

大臣:
それからその後の閣議におきましては、内容は早期退職慣行の是正、これが主な各大臣の発言でございました。それから国家公務員の退職手当の改定方針、この二つが大きなもので、それからもう一つは総合規制改革会議の答申を受けての鴻池大臣からの発言、国家公務員につきましては片山大臣からの発言等々でございました。終わりました後も、公務員の早期退職の是正につきまして、様々な意見交換が行われて、少し時間がかかってまいりました。3歳引き上げということでございますが、なかなか3歳では足りないのではないかと、もっと引き上げるべきではないかというようなご意見が様々ございました。しかし私も昨日いろいろ事務局からはお聞きをしていたのですけれども、なかなか引き上げると申しましても、それなりに環境整備をしなければなりませんし、やはりそう簡単なことでもないと、やはり環境整備をしながら引き上げていかなければならないということだろうというふうに思います。公務員の皆さん方が熱意を持って仕事にお取り組みをいただくようにするためには、やはりどうしたらいいかということ、やはり真剣に考えないといけないということだろうというふうに思います。そんなやりとりが幾つかあったことだけご報告を申し上げておきたいと思います。以上でございます。

質疑

記者:
在外被爆者の上告の期限が迫っているのですが、大臣のお考えになっている上告断念の方向で話がまとまっていきそうでしょうか。
大臣:
明日の午後には決定をしたいというふうに思っております。この問題は戦後処理の問題でございますとか、いろいろの問題との関係もございまして、整理をしなければならない点というのが非常にたくさんございます。整理をしながらどうするかという最終結論を出さなければならないわけでありますので、少し手間取っております。これは法務省や法制局等ともよく相談をして進めなければならない話でございますので、明日の午後には決定をしたいというふうに思っている次第でございます。
記者:
大臣が前回の会見でおっしゃっていた小泉首相と相談したいと、小泉さんに決断してもらいたいということだったのですが、これは変わらず。
大臣:
小泉総理は坂口大臣に一任すると、こういう話だそうでございますから、私の方でまとめさせていただきたいというふうに思ってます。もちろん官邸ともご相談は申し上げます。
記者:
ということは、大臣が申し上げてきた主張の方向でまとまるという。
大臣:
私の意見は意見といたしまして、しかしそれなりの論理構成が必要でございますから、そうした点につきましてきちっとしたお答えが出来るようになれるかどうかということでございまして、そうしたことを現在行っているということでございます。
記者:
お答えが出るという方向で今調整をしているということで、理解してよろしいのですか。
大臣:
いずれかの答えは出さなければならないわけでございますから、答えは出したいというふうに思っておりますが、その内容につきまして、今詰めをしているところでございます。
記者:
明日の午後、大臣自ら発表なされるということに。
大臣:
そうですね、私がしていいのであれば、私の方から発表させていただきたいというふうに思っております。
記者:
今の検討の中には、今回の原告になられた郭貴勲さん以外にも、手帳を持って海外に住んでいらっしゃる被爆者の方いらっしゃると思うのですが、こういった方に対する対応をどうするかというのも入れた上で検討するということですか。
大臣:
もちろんそういうことを考えないといけないと思うのですね。この裁判の郭さんだけのお話ではなくて、他の人達にも影響する話でございますし、これからのことにつきましても影響のあることでございます。したがってそうしたこと全体でどう考えていくかということになろうかと思います。
記者:
例えば法務省とか、法制局とか官邸サイドに、やはりこれは上告するべきだという意見もあるんでしょうか。
大臣:
それは人間のことでありますからいろいろの意見もありますけれども、しかし概ね考え方はまとまってきているというふうに私は認識をいたしております。もう少しお時間をいただきたいというふうに思います。
記者:
概ね意見は固まっているというのは、大臣のご主張の方で固まっているというふうに。
大臣:
そこまで言ってしまいますと明日言うことがなくなってしまいますので、いろいろな議論ございました。様々なことを考えなければならないわけでありまして、国家補償といったことに対しましてどういうふうな考え方をまとめるかとか、様々な問題がございます。決して簡単なことではない。例えば前回のハンセン病の時なんかでございますと、そのハンセンのことだけで他のことはそんなに考えなくてもよかったわけですが、今回の問題は戦後処理の問題から様々な問題がございますので、そうしたことの関連等もやはり念頭に入れて議論をしなければならないということでございます。
記者:
戦後処理の問題としては、やはりネックとなってくるのは日韓基本条約になってくるというご認識で。
大臣:
日韓だけではなくて、それはいろいろの問題がございます。韓国だけの問題ではございません。他の国との間の問題も含めて様々な問題がございますから、そうしたことも少し議論をして、整理をしておかないといけないというふうに思っております。
記者:
原告の郭さんに直接お会いになって、結果なりをお伝えになられるというようなお考えは。
大臣:
それはございません。
記者:
医療制度改革ですが、高齢者医療の将来像としては2案を併記するというとりあえずのまとめになっていますが、これは事務局サイドの会見で3月には何とか1本化の方向を目指したいということをおっしゃっていますが、大臣ご自身このいずれかの案を選択するのか、それとも両方合わせた括弧付きの折衷案のような形を考えているのか、現段階でのご所見をお聞かせ下さい。
大臣:
私は前に私案をお出しをいたしましたし、A案の方が好ましいのではないかというふうに私個人は、個人的な意見としては思っておりますけれども、しかしここは厚生労働省の内部でもいろいろ議論をいたしましたが、やはりいろいろのご議論がやはり省内にもございます。したがいまして、今後各方面の意見を聞き、また各党の意見も聞きということをいたしてまいりました場合に、A案につきましても、B案につきましても、それぞれのバリエーションと申しますか、それを中心としたいくつかの変形案と申しますか、そうしたものもそれはあるんだろうというふうに思っております。合意を目指します限りは、やはりいろいろのご意見も取り入れていかなければならないこともございますので、そこはいろいろな方の意見を慎重に聞いて、そして決定したいというふうに思っております。
記者:
老人医療費の適正化ということについてはあまり言及がないですけれども、その辺はどのように取り扱われるんですか。
大臣:
まさしく高齢者医療のところをどうするかというのはA案でいきますと、これはいわゆる年齢リスク、それから所得リスクというものを調整をして、そして結果としては一元化されたのと同じような形にすると、各保険の間の調整を行っていくということによって高齢者の医療費というものを解決をしていこうと、こういう考え方でございます。そこには通常国会で法律が通りました75歳以上の半額国庫負担というのは当然入っているわけでございますけれども、やはりそれをどうするかという問題になります。
それからB案の場合にはたぶん75歳以上を別枠の一つ保険でということになるんだろうというふうに思いますが、そうした場合にその財源をやはりどうするかという問題になってくるということでしょう。それから75歳以上を別枠の保険にしました時に、その下の65歳から75歳未満のところ、そこのところの医療費もかなり大きいわけでありますから、ここは一体どうするかと、75歳以上を別枠な一つの保険にするということになりますと、その下のところは多くの場合、これは国民健康保険に残ることになりますから、国保が非常に厳しくなるということで、それはどうするかということになる。ですからB案の最大の課題は65歳から75歳未満の、この層の医療費を一体どうするかということが大きな課題になるというふうに思っている次第です。そうした問題をどう解決をしていくのかということだろうと思うんです。
A案の方は調整をするわけですから、若い人で高所得の方が多い保険者というのは、今よりも更に出す側に回っていただくことになるわけでありまして、そうしますとそういう保険者の方から、それは困るという反対の声も起こる可能性は非常に強いと、それらのことをどう乗り越えることが出来るかということになるだろうと思います。
記者:
大臣は関係団体の声を慎重に聞いていくというふうにおっしゃいましたけれども、振り返れば、慎重に聞いてきた結果、対立が全然解けなかったところもあると思うんですが、改めてご決意を。
大臣:
いわゆる保険の統合の方につきましては、長年の懸案でございました。統合化とか一本化とか一元化とか、そういう言葉で表現されてまいりまして、非常に長い間の懸案でございましたが、なかなかしかしそういうスタートを切るということすら今までなかなか難しいということがずっと続いてまいりました。したがいまして、スタートを切ることが出来たということは、ひとつ大きく前進をしたというふうに私は理解をいたしております。ただ、これから後、これをまたいろいろその内容につきましては意見が出るというふうに思いますから、それをどう一本化していくかというのがこれから来年の3月までの仕事でございます。ここまで来たわけでござますから、是非一本化をいたしまして、そして来年の4月1日には必ずこういう改革案で進みますということを皆さん方にお示しをしたいと、そんなふうに思っております。今朝の会合の中でも申しましたけれども、やはり段々と日本の医療制度、成熟してまいりましたし、成熟した医療制度をさらに作り上げていくということになりますと、いろいろな価値観を持った医療というものが行われるように、やはりしていかなければならないというふうに思っております。一本槍でこれしかないというのでは、なかなか良い医療は育ってこないというふうに思いますから、それぞれの考え方によって、様々な医療を行おうとする努力をする医療機関がこれから生まれてくるというふうに思いますから、そういういくつもの考え方が併存してやっていけるようにしていかないといけないというふうに考えております。

(了)