閣議後記者会見概要

H14.10.11(金)10:45~11:03 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
閣議におきましては、文部科学大臣からノーベル化学賞、あるいは物理学賞を受賞されました小柴氏、あるいは田中氏に対する受賞につきましての発言がございました。それから科学技術政策担当大臣からも同様の発言がございました。閣議といたしましては以上でございます。

閣議後懇談会について

大臣:
閣議後懇談会におきまして、総理から現在の経済状況等につきまして一言ございました。それはこの現状に対応していかなければならないが、現在までの通り税制改革、それから規制緩和、金融改革等を中心にして、これからも今までの方針で進みたいと、こういうお話でございました。

構造改革特区推進本部について

大臣:
その後、構造改革特区推進本部がございまして、そこで各担当大臣からそれぞれ発言をいたしまして、決定されたところでございます。厚生労働省といたしましては、3、4点報告をいたしましたが、主なものについて報告をいたしましたが、第1は特別養護老人ホームの株式会社参入につきまして、PFI方式などにより自治体の関与の下で株式会社が施設運営を行うことを特区において認めることとしたい。それから別表2になるわけございますが、高度先進医療の推進や改正薬事法によります医師主導の治験などについて全国的に規制を緩和をする。こうした規制緩和に行った結果として、準備・検討の整った特区内の医療機関が高度先進医療などで率先して実施していただくことが出来るようにしたい。またこの中には外国人の医師が日本の特区で治療できるといったようなことにつきましても、これは全体で認めていきたい、こういうふうに。それから労働者派遣事業に関する対象業務の拡大、それから企画業務型の裁量労働制の対象事業場等の拡大、有期労働契約の期間の延長等につきましても自治体からの御要望に応えられるように対応をしたい。なお保育所と幼稚園の問題につきまして、いわゆる幼保一元化の問題でございますが、これまでも様々な連携を進めてまいりましたけれども、一層その連携を進めることといたしまして、保育士と幼稚園教諭の両方の資格を取りやすくするように検討を進めるということに、以上のことを発表したところでございます。最後に総理から、「更に引き続きまして地方から特区の要請を受けることになっているので、それに対しまして、また真摯に取組をしてもらいたい。」こういう話がございました。

質疑

記者:
C型肝炎問題でちょっと質問させていただきますが、先日大阪の方で被害者の会が発足しました。もう既に東京の方で被害者の会は発足しているわけですけれども、一様に患者さんは大臣への面会を希望してます。今後大臣は面会をして、それで話を聞くという機会を設ける考えはありますでしょうか。
大臣:
今のところありません。
記者:
被害者の会は提訴を前提としているのですけれども、国の法的責任については大臣はどのように考えてますでしょうか。
大臣:
いつも申し上げておりますように、これはC型肝炎の中の特定の一部分だけの、特定の問題につきましてはこれはそれぞれあるだろうというふうに思っておりますが、総論的に申し上げますと、今までのエイズやヤコブ病とC型肝炎とは違うという認識を持っております。それはもう今までから申し上げているとおりでございます。長い経緯の中で医療界が血清肝炎、あるいは輸血後肝炎というものを無くしていこうという努力をずっと続けて、その努力を続ける一方で、しかしその血液なり血液製剤を使わなければ生命に関わるということで、それを使い続けてきたと、その過渡期的な時期というのがあったことは事実でございます。HIVやヤコブのように医療機関が知らずに使っていたというのではない。血清肝炎、あるいはまた非A非Bというふうに言われた時もございますけれども、肝炎が発生することを、可能性を十分に承知をしながら使っていた。ここは最大の違いだというふうに私は思っております。
記者:
以前大臣は提訴された場合には、それは裁判は受けるしかないというふうに発言していたわけですけれども、これは裁判になりますと時間がかかるということで、何か救済策を少し拡大するとか、そういったものというのは、今の時点で考えていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
救済策と申しますか、C型肝炎対策といたしましては、とにかくどの人が罹っているのかよく分からない。ですから検査態勢を強化をいたしまして、今まで輸血をお受けになった方、あるいはまた血液製剤をお受けになった経験のある方、そうした方を中心にいたしまして、一刻も早く検査をしていただくということにしたいというので、今年から始めたわけであります。これは節目節目の45歳とか、50歳というような年齢で健診を受けるということにいたしておりますけれども、今まで過去にそういう輸血や、そうした治療をお受けになったことのある皆さん方につきましては節目でなくても結構でございますと、お申し出下さいということで検査をいたしております。今問題はそれでC型肝炎であるということが分かりました時に、その人に対する治療方法でございますが、現在のところ完璧な治療方法、全てのC型肝炎が治るというわけにはいきません。インターフェロン等ございまして、治るものもあるわけでございますし、そしてまたそれもどんどんと進んできておりますので、この治る可能性のパーセントはだんだんと上がってきていることも事実でございます。しかし全部がまだ治るというところまで至っておりませんので、このC型肝炎に対する治療薬の開発ということに全力を挙げていきたいと、支援をしていきたい、こんなふうに思っております。
記者:
どのくらい感染者がいるかということが分からないということなのですけれども、今、現段階で分かっている非加熱製剤、それから加熱製剤のフィブリノゲンなんですけれども、それを使用した医療機関の公表というのは考えてらっしゃらないのでしょうか。
大臣:
これは分かりませんね、今のところどれだけあるのか分かっておりません。HIVの時、あの時にもこの関係いたしますけれども、例の800いくつかの医療機関、これは分かっておりますし、これはもう既にその病院には全てご通知を申し上げているところでありますから、これは分かっていると思います。それ以外のところでどこがどれだけお使いになったかということは、なかなか我々としては掴みようがないところであります。ですからそこはそういう製剤をお使いになりました企業がどこに納入したかという、それが残っておりましたら、それは分かるわけでありまして、そうしたことも現在やっております。しかしそこだけがこのC型肝炎に罹るかと言いますと、そうではない、その他にもたくさんその血液を使ってお見えになっている方があるわけでありますから、その方々も含めてこれは罹る可能性というのは大きい、ですから全容を明らかにするというのはなかなか難しいので、これは、したがって多くの皆さん方に検査をお受けをいただかなければならないというふうに思っております。また中には輸血も、それからそういう血液製剤も使ったことはないけれども、どういう理由で感染したか分からないけれども、感染をしているという人達もあるわけでありますので、とにかく出来るだけ多くの皆さん方に検査をお受けをいただいて、全貌を明らかにしていきたいと、そう思っている次第でございます。
記者:
特区の話なんですけれども、厚生労働省は特区に関しては消極派というふうになりましたが、結果をご覧になって、質問は3つです。厚生労働省の言い分がどの程度理解されたとお考えになるかということが1点。
大臣:
どれだけ認識されたかということはよく分かりませんけれども、しかし出されてまいりましたものにつきましては、今までに考えておりましたのに比較をいたしますと、かなり前進をしたと思っております。先程主なものだけ挙げたわけでございますが、特区だけに限定をなかなか出来難いというものがございまして、それはもう全国どこでも出来るようにしますというものがかなりあるわけでありまして、今日も総理から全体で出来ればそれに越したことはないという話。ただその時にはいつからそれをやるのかということを明らかにして欲しいということでありますから、派遣業の問題でありますとか、それから外国の医師が日本で治療を行うというふうに、今までは外国の医師が日本にきて実習をすると、日本に教えてもらうために来る場合には良かったわけでありますけれども、日本の方が教えてもらう場合にもそれはいいと、双方向にしたわけでありまして、こうしたことは全国的にやりますと、こういうことになっておりますから、これはもう間もなくに明らかになります。直すべきところは早急に直したいと、そういうふうに思っております。したがいまして、残りましたのはもう医療に対する株式会社の参入以外はほとんど私は手を付けたと思っております。それが残っているじゃないかと、こういう話を言う人があるわけでございますけれども、しかしそれをやりましたら医療に対する財源は更に拡大することは間違いがないと私は思っております。そうでなくても営利に傾きやすいということが言われておりまして、医療というのは営利ではないということを今言い続けております。そしてそういう方向で改革をしたいと思っております時にどうぞ株式会社にして下さいということになりましたら、医療制度改革は根底から崩れることになります。そして将来の医療費の拡大は、これはもう今よりももっと大きくなることは火を見るよりも明らかであります。したがってここだけは譲れない、誰がなんと言われてもここは譲れない、そういうふうに申し上げているところでございます。
記者:
2点目なんですが、小泉首相とか本部の方からのプレッシャーはかなり強くお感じになられましたでしょうか。
大臣:
それは向こうは向こうの意見があるわけでありますから、いろいろなことをおっしゃいますけれども、我々この省を預かっている者といたしまして、出来ることはやはり言われるとおりやらなければいけませんし、しかし出来ないことははっきりと申し上げるべきだというふうに思っております。決してプレッシャーとは思っておりません。向こうの方がどうお求めになるかは私には分かりません。
記者:
最後の質問です。トータルとして今回結果に関して、大臣が点をお付けになるとしたら100点満点で何点ぐらいになるでしょうか。
大臣:
まあ。80点くらい入っていると思いますけれども。
記者:
では合格点とお考えで。
大臣:
いや、60点あれば大学でも合格ですから、合格でしょうね。
記者:
成績を入れたらAというくらい。
大臣:
それはもうAですね。
記者:
拉致被害者の受け入れ問題、これに厚生労働省も3名ほど委員を出してとして協力していくということになったそうですが、主にどういった形で厚生労働省としては協力できるのか、今の段階で実際にやれることをいくつか挙げていただけますか。
大臣:
拉致問題につきまして、拉致された皆さん方が日本にお帰りになりました時に一体どういうご支援をさせていただくことが出来るかということだというふうに思いますけれども、第1といたしましては我々が前面に出過ぎないこと、これはそう思っております。しかし何かがありました時には即応できるような体制を取っておきたい。向こうからこちらにお見えになりまして、環境も変わるわけでございますし、精神的なものもございましょうから、そうした時に体調を崩されるとかなんとかというようなことがありました時には、即応できるように我々はその体制を整えておきたいというふうに思っております。またお帰りになる方々によりましていろいろのご事情もあるというふうに思いますが、例えばお帰りになります時にお泊まりになるところをどうするかとか、そうしたことでご相談がもしもあるとするならば、我々はそうしたことにつきましても対応したいというふうに思っております。諸々考えられることにつきましては、もし何かがあるとすればどんなことがあるかということを、今検討をいたしております。そうしたことに対して何かがあれば対応をする、すぐ出来るような体制を整える、ただし表面には対応が出ることはしない。それを原則にしたいと思っております。

(了)