閣議後記者会見概要

H14.08.02(金)11:05~11:22 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日は閣議におきましては、文部科学大臣から子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画についてご発言がありました。それから防衛庁長官から平成14年度版の日本の防衛、いわゆる防衛白書につきましての発言がございました。それから総理大臣から会計検査院の検査報告の活用についてという発言がございました。これは「無駄なコストがかかっている事態、投資効果が発現していない事態、あるいは現状を見直さないと将来の国民負担が増大しかねない事態などを幅広く指摘したり、問題提起をしたりしているところである。今までよりも幅広く指摘がされているところである。」それから官房長官から平成14年度のタウンミーティング、小泉内閣の国民対話につきまして、先週末までに全国各地で合計11回開催をし、約4,000人の国民の参加を得ることが出来た。会場で実施したアンケート結果を見ますと、地域によって差はあるものの、全体として、タウンミーティングに参加した国民の、小泉内閣の構造改革に対する理解が深まったと思います。8月は休んで9月以降また政策テーマ別に国民との共催など多様な形で継続したいと、こういう発言でございます。

行政改革推進本部について

大臣:
その後、行政改革推進本部がございまして、公務員の採用試験の抜本改革の在り方、公益法人制度の抜本改革に向けて、こうしたことが話題になったと、こういうことでございます。

質疑

記者:
今日閣議が長かったですけれども、なんか特段の何か。
大臣:
閣議はですね、今申し述べたことがありまして、その後、8月7日に予算編成がシーリングの大まとめのまとめみたいなことをやりたいということなものですから、それまでにいろいろ意見を聞くということがございまして、いろいろのディスカッションがあったということ、それが少し長かったと。
記者:
今日は大臣から何か、ディスカッションの中で発言されたようなものは。
大臣:
あまり今日言ったことは言わないという約束ですから、あまり言ってはいけないのだろうと思いますけれども、私の方からはただ一点、年金に関わります物価スライドについて発言をいたしました。厚生労働省の方は年金、医療、介護、それぞれいることばかりでありますから、なかなか切れと言われましても切るところはありませんと。年金の全体像につきましては平成16年を目指しまして、今改革に取り組んでいるところでございます。しかし物価スライドにつきまして、来年の予算との関連でいろいろのことが今言われておりますけれども、物価スライドにつきましては、3年間、いわゆる特例法を出しまして、国会でご審議をいただいて、そして通過をしてきたわけであります。今年の分についてどうするかということについては、これから議論をするわけでありますから、それはいろいろご相談に乗りたいというふうに思っておりますが、過去3年間も遡って、まとめて物価スライドの対象にするということはこれは出来ませんと、国民の皆さん方にもお約束をし、国会にも法律を出してご審議をいただいて通していきながら、それを今更まとめて前に戻ってやるというようなことは出来ません。どんなことを言われても出来ません。こう言っておきました。以上終わりです。
記者:
この問題では塩川大臣はかなり過去3年分も含めた4年分の引き下げをというふうに繰り返しおっしゃってますけれども、それに対して、坂口大臣の発言に対して塩川大臣はどんなお感じだったのですか。
大臣:
いや、何もございませんでした。
記者:
今度の人事院勧告もマイナスという見通しが強くなっていますけれども、単年度分についてはそれはいいと。
大臣:
人事院勧告がどうなるかということがですね、一つの大きなポイントだというふうに思っております。公務員もやはり給与が下がるといったような事態になれば、それは年金生活者の皆さん方にもお願いをしなければならないこともあるだろうというふうに思っております。しかしそれは2年も3年も遡って丸々でという話ではありませんと、それはもう過去に済んだ話であって、国会でもご審議をいただいて、皆さん方にご理解をいただいた話ですから。それをまた遡って3年も4年も前からやるというようなこと、それは信義に反する話でありまして、国会におきましても決着をつけていただいた話でありますから、そんな前に遡るわけにはまいりません。
記者:
以前にも同じ質問が出たと思うのですが、来週57回目の原爆の日を迎えるのですけれども、被爆者の方から厳しいと言われている原爆症の認定制度については改めるというか、認定の仕方を改めるというつもりは前回と同じようにお有りにならないと。
大臣:
これは科学的にどう結論を出すかということでありますから、これをその科学的な結論の出し方が変わるということがあればそれは別でございますけれども、現在のところ変えるつもりはございません。ただ、DS86の中身につきまして、今検討をしていただいているところはございますので、若干の修正というのはある可能性はございます。しかしそう大きく変わるものではないというふうに思っております。
記者:
若干変えるというのは、中性子線についての影響とか、そういうことですか。
大臣:
科学的なデータの中身の問題でありますから、より科学的にどうするかという問題でございまして、大きく変わるわけではないと思います。
記者:
学生の無年金障害者問題なんですが、先週末大臣のご講演の中で、改めて今週中には私案というものをご公表されたいというお考えを述べてらっしゃたんですが、その後その私案についてのまとまり具合や公表の時期についてはどう考えてらっしゃるのでしょうか。
大臣:
そうですね、一応今国会中に私の考え方をまとめるということが約束になっておりましたから、最終日に事務局の方にもこういうことでどうかというペーパーを渡してございます。私の考え、一応考え方としてはまとめたつもりでございまして、そのペーパーはもしも必要ならば、今日お昼からでも皆さん方にお渡しをしたいというふうに思います。
記者:
あのご講演でお話しされたことが大筋、骨格というふうに理解してよろしいですか。
大臣:
そうですね、1つは無年金障害者の実態というものが必ずしもよく分かっていないわけです。もう少しやはり実態の調査を1つはしていただかなければいけないと思っております。大きく分けて4種類に分類できるというふうに思いますが、1つは外国人に関する問題でございますし、それから一つはいわゆる3号被保険者との絡みの無年金障害者であります。さらにいわゆる学生の皆さん方の問題であるとか、もう1つは本当はもう掛け金をしてもらわなければならないんだけれども、その中で掛け金をせずに障害者になった人の問題。大きく分けて4つでございます。まことにアバウトな推計の推計ではございますけれども10万ないし12万ぐらいはお見えになるのではないかということでございます。
年金の立場からいたしますと、年金というのは掛け金をしていただいて、その掛け金をしていただいた方に給付を行うというのが原理原則でございますから、掛け金をしてもらってない方に給付するということは出来ない、こういうことでございます。したがいまして年金の中でこれを処理するというのは非常に難しいというふうに思っております。したがいまして無年金障害者というふうに無年金という言葉はついておりますけれども、年金の中でこれを処理するというのは難しいということになれば、これは福祉的な措置をする以外にございません。福祉的な措置を行うということを前提にしてこの話は進めざるを得ないというふうに思います。この皆さん方がどういう生活をしてお見えになるのかということをもう一度調査をしなければいけないわけでございますが、いろいろの今までのデーターで大掴みで見ますと、約1割くらいの方は生活保護をお受けになっているのではないかと、2割くらいの方は何らかのお仕事をしていただいているのではないかということでございます。しかしそれにいたしましても、その残りの7割の皆さん方はご両親でありますとか、ご家族でありますとか、そうした皆さん方の支援の下に置かれてお見えになるということでございます。そのご本人たちももちろん年を重ねて来ておりますが、しかしそのご両親なんかが扶養してお見えになります場合には、ご両親の高齢化というのがかなり進んできておりますので、そうしたことを考えますと看過出来ない事態に立ち至っているのではないかというふうに思っております。
考え方としてはいろいろございまして、いわゆる任意加入でありました学生さん等に対してのみ行うという方法があるわけでございますが、しかしもしこれを実現しようということになりますと、やはり立法化が必要でございますし、法制上の問題を考えますとこういう理由の人はします、こういう理由の人はしませんというのはなかなか区別が付け難い。やはり法制上はまとめてこれはどうするかということを考えざるを得ないということのようでございます。したがいまして私、この前の講演の時には学生を中心にしてということを申しましたけれども、そこは拡大をいたしまして外国籍の皆さん方のものも、あるいはまたその他のところに属する皆さん方も含めまして、全体を対象としてどういうことが出来るかと、どういうふうにするかといったことを、やはり考えないといけないという結論でございます。問題はその人たちにどういう形で、どういう福祉措置をして差し上げるかということになるわけでございますが、年金以外からというふうに言いますものの、その年金に入っていてもいなくても同じ結果が得られるということでありますと、やはり年金に入るということがなかなか理解されないようになってしまうということもございまして、その辺のところにどう配慮して、そして福祉的措置をどう講じるかといったところが一番難しい点だというふうに思っております。年金に入っていても入っていなくても結論としては同じことになるんじゃないのということになりますと、なかなか年金に入っていただけない人達が増えてくるということもあり得ますから、その辺を加味しながら結論を出すということでなければならないというふうに思っております。私の私案という形で提示をいたしまして、そしてとにかく状況の把握というものをまず行い、そしてこれは看過の出来ない問題であるという私の提案であると、したがってここに何らかの措置を講じるべきであるということを提案をしたいというふうに思ってまいりました。しかしこれも額によりましてはかなり財政的な問題の絡んでくることでございますから、なかなかこれも大変でございますが、しかしそこを良く事務方にも検討をしてもらいたい、政治的にも我々これは決着を付けなければいけない問題だと思っております。

(了)