閣議後記者会見概要

H14.03.29(金)8:46~9:15 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の大臣発言は、財務大臣から平成14年度予算が成立したことにつきまして、ひとつ公共事業の執行等については、遅滞なく機動的に行ってもらいたいという話がございました。それから総務大臣からは、労働力調査結果が発表になりまして、2月の完全失業率は季節調整値で5.3パーセント、前月と同率となったこと。就業者数は6,248万人でありまして、前年同月に比べまして104万人減少しております。11か月の連続で前年同月の水準を下回りました。完全失業者数は356万人と、前年同月に比べまして38万人増加をしておりまして、11か月連続で前年同月の水準を上回っております。ついででございますが、消費者物価指数の3月の東京都区部速報値でございますが、前月に比べまして0.3パーセントの上昇、前年同月に比べますと1.2パーセントの下落、2年7か月連続で前年同月の水準を下回っております。それから私の方から有効求人倍率の報告をいたしましたが、2月の有効求人倍率は季節調整値で0.50倍と、前月の0.51倍を0.01ポイント下回りました。有効求人は前月に比べまして0.7パーセントの減少、求人のほうですね、求人は0.7パーセントの減少、有効求職者0.5パーセントの減少でございます。いずれもこれは季節調整値でございます。報告をしたところでございます。それから平成14年度のタウンミーティングの実施についてでございますが、平成14年度のタウンミーティングにつきましては、雇用創出、暮らしと改革といった政策テーマ別の実施、それから政府と国民の共催など多様な形で継続していくこととしたいという内閣官房長官からの発言でございます。この度第1回の開催といたしましては、4月20日に大阪府守口市で雇用創出タウンミーティングを実施して、その後夏頃までに10回程度開催することとしたいと、こういうお話でございます。4月20日、大阪の守口市、第一番目から当たっております。それから航空機へのテロ等に関し、第3者に損害が発生した場合の政府の措置について、扇国土交通大臣からでございます。いわゆるテロの時の航空保険契約についてのものでございます。それから公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画、公益法人制度の抜本的改革に向けた取組につきまして、石原行政改革担当大臣から発言がありました。規制改革推進3カ年計画につきまして、石原大臣から続いて発言がありました。規制改革の推進につきまして、小泉内閣総理大臣からご発言がございました。なお、石原大臣が今日述べました規制改革推進3カ年計画、とりわけ経済産業の活性に資する改革に積極的に取り組むことが重要であるという発言でございます。それから内閣官房長官から東チモール選挙、選挙監視国際平和協力業務の実施についての発言があり、同趣旨の発言が外務大臣からもございました。それから経済産業大臣から三宅島の噴火による災害に関わる災害中小企業対策の延長についてのお話がございました。今日ありました大臣発言は以上でございます。

その他

大臣:
今日、大臣発言でもいたしましたが、いわゆる平成14年の2月の有効求人倍率が出まして、さらに0.01ポイントではありますけれども低下をする、0.50倍になりました。完全失業率のほうは、まあ5.3パーセントと横ばいの数字でございますが、まだ予断を許さない状況が続いているというふうに思っております。ただ具体的にいろいろのこの数字を見ますと、前年同月比、この下がってはおりますけれども、その下がり方が鈍化をしてきていると申しますか、何となくこう下げ止まりに近づいているという感じは受けておりますけれども、まだしかし予断は許さないというふうに思っている次第でございます。引き続きまして今まで決めてまいりましたこの雇用政策を推進していきたいというふうに思っておりますが、今までも強調しておりましたように、とりわけこの都道府県別の雇用対策というものを重視をしていきたいというふうに思っておりまして、各都道府県の労働局長さんにもその旨しっかり取り組んで欲しいということを言っております。4月中頃というふうに思いますが、全国の労働局長さんにお寄りをいただきまして、そして具体的に取り組んでいる都道府県の状況等をそこで聞かせていただいて、こちらからこういうふうにもっと積極的にして欲しいというような要望もそこで申し上げる、一度会合を持ちたいというふうに思っているところございます。今まで雇用政策というのは中央から地方にいつも一律でこう流していたという傾向があるものですから、そういうこの行き方がお互いに身に付いてしまっておりますので、それでは現在のこの雇用情勢というものをなかなか乗り切ることはできませんから、地域からわきあがってくるような雇用政策というものが必要であるというふうに思っております。そうした運動を積極的に展開していきたいと思っているところでございます。
そして、ワークシェアリングの方につきましても、今夜でございますが政労使3者の間で合意をすることになっておりますので、ワークシェアリング等につきましても積極的に推進をしてまいりたいと思っているところでございます。私のほうから申し上げる点は以上でございます。

質疑

記者:
明日からシンガポールを訪れられて、北朝鮮のキム保健相と会談される予定になっておりますけれども、今回のこの会談、どの様に位置づけられてらっしゃるのかと、会談について大臣からはどういった点に力点を置いて会談したというふうに思われているのか。
大臣:
シンガポールにおきまして朝鮮民主主義人民共和国のキム保健大臣と会うことになっておりますが、主題はあくまでも在外被爆者の問題でございます。昨年後半検討会も作りまして、いろいろな皆さんのご意見もお聞きをしてきたところでございます。今年の予算にも一部ではございますけれども、諸外国にお見えになります皆さん方が日本で健診を受ける、あるは治療を受けたいというふうにお思いであります時にはその旅費あるいはまた治療費といったものもその中に盛り込んでいるわけでございますが、そうしたスタートを切るにあたりまして、今まで韓国、アメリカ、ブラジル、この主な国の在外被爆者の代表の皆さん方のご意見をかなりお聞きをしてきたつもりでおります。もう一つこの在外被爆者の多い北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国の内容につきましては今までお聞きをいたしておりませんので、この際にお聞きをしておきたいというふうに思っているところでございます。いずれにいたしましても北朝鮮との間では国交の正常化はないわけでございますから、これを行うからといってそうしたことが国交復交に一歩を踏み出すというわけでは決してないわけでありまして、国交正常化の無い国との間で人道的な立場で何を行うかということになるんだろうというふうに思っております。そのことを明確に申し上げた上で今回こうしてお会いをするのも、これは在外被爆者という人道的な立場での問題と位置づけてお会いをしたいということを言いたいというふうに思っております。当然のことながら人道的な、こちらも話をしているわけでありますから、いわゆる人権、人道に関わります問題は他にもあるわけであります。日本にとりましては拉致問題等々様々な人権、人道に関わります問題があるわけでありますから、その解決についてはどうするのかということを明確に主張したいと言っているところでございます。しかし私も良くわかりませんけれども、北朝鮮という国は会談直前になりまして日時を変えたりということが日常茶飯事の国だそうでございまして、まあ、ちょっと心配もしているわけでございますが、今のところ平穏無事に推移はいたしております。
記者:
拉致問題について大臣が言及された場合に、向こうからなんならかのアクションというのは、あるか無いかも含めて非常に微妙な問題ですが、それについては深く入っていくというお考えがあるのでしょうか。議論を持ちかけて、議論というか一言おっしゃって、どこからなんらかのあった場合に。
大臣:
それは言ってみないとわかりません。相手がどう反応してくれるのかわからないわけで、入り口で道を閉ざされてしまいましたら議論の中になかなか入っていくことができないわけですから、やってみないとわかりませんけれども、しかし言うべきことは言う、少なくとも言うべきことは明確に言いたいと思います。少しでも入り口を開けてくれれば、さらにこちらとしては言うべきことをさらに続けたいと思いますけれど、そこはちょっと分かりません。
記者:
総理から何か具体的な指示のようなものはなかったのですか。
大臣:
今のところございません。ひとつこの前お会いをしました時には、在外被爆者の問題、ひとつ大事な外交カードだからひとつそのことを十分にわきまえてお願いしたい、ということでございます。
記者:
明確に主張したいという、その明確に主張する中身を具体的に教えていただければと思うのですけれども。
大臣:
まあ、あんまり具体的に言うわけにもまいりませんけれども、拉致問題というのがあるわけですから、一刻も早く解決をするということが両国の国交正常化の前提条件になってますよと。我々も人道上の問題として在外被爆者の問題をこうしてお話し合いを持ってるんだから、その前提条件として皆さん方も人権、人道に関わる問題は解決の姿勢を示さなければいけませんということを申し上げる以外にないと思っております。
記者:
それは従来おこなってます赤十字を通じた行方不明者捜索以上のものを北朝鮮側に要求するということでしょうか。
大臣:
向こうの出方によりますから、そこはお話をしてみないとわかりませんけれども、やはり赤十字といいましても国が明確にやるということを言わなければ、向こうは赤十字も何も動かないわけですから。
記者:
自民党の加藤紘一元幹事長の政治資金が自宅マンションの家賃や生活費に流用されていたという話がでているのですけれど、まずこれについて大臣がどのようにお考えになりますでしょうか。
大臣:
そうした問題が本当にそうなのかどうかということの事実確認というものが、まず行われなければならない。そうした問題がマスコミに流れております以上、なんらかのことがあって流れているんだというふうに思いますが、やはりそのことをひとつ加藤さんとしても明確にこれは示していただくということがまず大事だろうと、事実であれば事実であるという現実のもとに、それからどうするかという話が起こるわけですから、まずはそうしたことを指摘されているわけでありますから、加藤さんがそれを自らの言葉として事実はどうであったかということを明確にしていただくということがまず大事だというふうに思っております。
記者:
進退や政治責任については本人が判断すべきというふうに。
大臣:
前にもそう申しましたけれども、やはり加藤さんの時もそうだというふうに思いますが、ですからその前にやはり事実関係を明らかにしていただいて、そしてその事実関係がどうかということによって自ずからその後のことは決まってくるというふうに思いますので、まずそこを明確にしていただくことが大事だというふうに思います。
記者:
先程の話に戻りますけれども、総理から非常に大事な外交カードの一つだというお言葉があったというのはまずいつかということと、今北朝鮮に対して総理が、先程も韓国の訪問でも米支援は行わないというような表現をされたりですね、そうした中で北朝鮮側がいろいろなアプローチを赤十字を通じてなのか、今回の坂口大臣の訪問もそうですけれども、しているということもあるんですが、そういうこの非常に微妙な時期に訪問されるということについて、大臣意気込みというか、この時期だからこそ非常に慎重に対応しなければいけない問題だと思うんですが、その辺についてはどういうふうに今感じてますか。
大臣:
言い難いところですね、総理の方とお会いをしたのは閣議がありました後お会いをして、お話をしたところでございますが、総理が韓国からお帰りになってからですから今週の火曜日だったというふうに思います。それからこういう元連合赤軍の元妻であった人が裁判におけるいろいろの証言をしたりということがでてきてまいります前に30日、31日という日程が粗々出ていたわけでありますので、それからその後そうした話が出てきたりいたしまして、この問題は非常に緊張感の高い問題になってきたというふうに思っております。私は外務大臣じゃありませんし、そうした状況になってまいりましたので、私が30日、31日に行くことが妥当かどうかということにつきましてもずいぶん自分でも迷ったわけでございますが、一度決めたことでございますので、そのまま行くということを決めたわけございますから、最初は23、24か30、31かということで、最終的に30、31ということになってきたわけでございますので、そうした前後の様々な動きというのがあることは良く承知をいたしておりますから、そうした時期でありますだけに日本の閣僚として言うべきことは言い、責任を果たしたいというふうに思っております。
記者:
当初大臣が訪問されることが報じられた時は、政府内でも総理や官房長官は、拉致問題については言及されないのではないかという見通しの発言というのがあったんですけれども、昨日の大臣の厚生労働委員会の答弁とほぼ同じ時刻に川口外務大臣の答弁で拉致についても触れてしかるべきだというような、ずいぶん政府の中でももめているというのがよく分かるような状況だったんですが、大臣自身今のお話にありましたように責任を果たすというところで、さっきの質問と繰り返しになるかもしれないんですが、どこまで踏み込めるのかという、相手方の問題もあるわけですけれども、非常に判断に迷われる会談になるのではないか思うんですが、そこにはやはり不安と言うのですかね、率直な心情としてあるんでしょうか。
大臣:
カウンターパートのキムさんという保健大臣がどこまでいろいろのことを話し合う任務を受けてお見えになるのかということにもよるというふうに思います。在外被爆者の問題だというふうに言ってありますから、向こうもそのことでというふうに言っているわけでありますから、そのことについては話を私はしますけれども、それ以外のことは私は権限がありませんというふうに言われてしまえば、もうそこから中に入っていけませんし、どこまで話に乗ってくれるのかということにもよるというふうに思います。あまり言いますと延期してくれと言ってきますから。
記者:
キム大臣と会われるのは今のところ30日ですか、31日ですか。
大臣:
土曜日、着きました直後、午後7時からということにしてございますが。
記者:
1回ですか。
大臣:
1回です。はい。
記者:
北朝鮮側から大臣への調整があった際に、具体的な要望とか在外の問題ですとか、何か。
大臣:
具体的な問題はありません。
記者:
ただお会いして意見交換しましょうという形のものでしょうか。向こうからも何か。
大臣:
やはり具体的に彼らは彼らでこういうふうにして欲しいのでなくて、すべきだと、彼らは言うのでしょうけれども、日本の過去の責任みたいなことを言いながら、それに絡めてやはり被爆者の問題も言うのではないかというふうに思いますけれども、分かりませんが。
記者:
大臣は会談で日本の戦後責任については、触れられるようなご意思はないですか。
大臣:
ありません。
記者:
以前韓国に対して在外被爆者の研究費で基金を作った経緯がありますが、これと同じようなものを北朝鮮についても行うとか、もしくは先方からそのようなものの要求があるのかどうか、それについてはいかがでしょうか。
大臣:
これも分かりません。今私の方からどうするということを申し上げることはございません。というのはアメリカ、ブラジル、韓国、北朝鮮、その4つの国が主な国でございますけれども、在外被爆者について国別にバラバラで対応するということは出来ません。どの国の在外被爆者であろうとやはり同じ対応をしなければならない。そういうふうに、今後するとすれば、しなければならないというふうに思う。だからそれをするかしないかまだ決めていないわけですけれども、するとすればそういうふうにせざるを得ないというふうに思っております。だから北朝鮮にだけこういうふうにします、韓国に対しては別途の方法をしますということは出来ない。従いまして今回北朝鮮の意向というものを聞いて、そうしますと4大国、この在外被爆者の数の多さからからいって、4つの大きな国の意見を全部聞き終わることになりますから、それらをひとつよく検討をして、そして今後のあり方というものに対して、ひとつの参考にしたいというふうに思ってます。

(了)