閣議後記者会見概要

H13.12.07(金)9:21~9:37 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日は特に閣議関係ではございません。

医療制度改革について

大臣:
医療制度改革につきましては、第二幕をこれから一生懸命やらなければならないというふうに思っております。月曜日あたりからもう一度また残されました課題、大きな問題がいくつかありますから、精力的に片づけたいというふうに思っております。その中で役所側としましても痛みは十分にわかちあわなければならないというふうに思っております。従いまして、政管健保の保険料の引き上げ等も話題になっている時でありますから、社会保険病院等のあり方につきましてもしっかりとこの際に見直しを行いたいと思っております。54カ所ほどの病院がございますが、なかには年々歳々赤字を出しているところもございまして、それらの病院が全て社会保険として維持していくことが適切かどうか、そうしたことも含めて一度見直しを行いたいと思っているところでございます。その他、前回も触れましたけれども年金、医療、介護、雇用等の徴収の一元化の話につきましても、かなり省内におきまして精力的な議論を続けさせていただいているところでございます。これにつきましてもなんらかの結論を出したいというふうに思っております。現在の所、それぐらいでしょうか。

質疑

記者:
その54カ所の病院を見直す検討会といいますか、場のようなものを設置されるのですか。
大臣:
そこまでちょっと決めておりませんけれども、まだ事務方の方にも今検討するように言ったところでございますので、どういう形でこれから検討していくかということを含めまして、議論をしたいと思っております。
記者:
社会保険として維持するのは不適切な場合はどういうことになるのでしょうか。
大臣:
不適切なものがあるかどうかということをまず見なければならないですけれども、不適切というか必要性の薄いものがあるとするならば、それはやはり民間に移譲しますとか、そうしたことも考えられるわけでして、しかし赤字を出しているから駄目だというだけではいけない、やはり地域性というものも考えていかなければなりませんし、中にはその病院だけしかない、地域の皆さん方にとっては貴重なものもあるかもしれません。そうしたものはやはり残さなければならないというふうに思います。
記者:
来週から精力的に検討を始めるということなんですけれども、結論はいつ。
大臣:
来週から精力的に始めるというのは、それは医療全般についての話でございます。
記者:
社会保険病院については結論はいつまでにお出しになりたいと。
大臣:
今言って急には出ないというふうに思いますけれども、多少の時間はかけてやらないと、一夜漬けでというわけにはいかないというふうに思ってます。
記者:
徴収の一元化はいつ頃結論がでるとういうふうに。
大臣:
そうですね、徴収の一元化の問題につきましては、方向性は今年中に粗々の結論を出したいというふうに思っていますが。
記者:
今年中というと今月中。
大臣:
今月中。最終的な結論でなくても中間的なことは少なくとも皆さん方にもご報告出来るようにしたいというふうに思います。
記者:
昨日官房長官の場に野党4党の幹事長、事務局長が来られて、狂牛病の問題で農林水産大臣と坂口大臣の辞任を求めるということがありましたけれども、それについてどんなご感想をお持ちかお聞かせ下さい。
大臣:
委員会におきましても、いろいろご質問をいただきまして、その時にもお答えを申し上げたのですが、私は責任があるのなら私は責任をとると明確に申しました。今厚生労働省として過去の問題も含めて指摘をされておりますのは、一つは平成8年の3月から4月の時点の段階でもう少し明確な、そしてキチンとした対応が、なぜ出来なかったのかという問題が一つと思います。もう一つは今回の第一例が出ました時に農林水産省との間の連携が密に出来なかったではないかと、こういうお話だというふうに思います。この後者の、第一例の時につきましては、これは発表になります、あれは9月10日だったと思いますけれども、その前日にしか我々厚生労働省としては、当日でしたか、当日の朝、若干の違いはありますけれども、私は前日ではなかったかという気はするんですが、前日だったか当日だったか、それぐらいにしか我々の方には、第一例が起こるということは知らされなかったわけでありまして、ですから肉骨粉の方に回ってしまい、それが販売経路に一部乗ってしまったということがあったわけでありまして、早く知らされていれば、もっと早く処理が出来たというふうに思ってます。しかしそこは連携が密に出来なかったということは確かにあるというふうに思います。平成8年当時の問題は過去の問題でございますし、私もよくわからないわけでございますが、この時は厚生大臣は菅さんだったわけで、菅さんがちゃんとやっておいてくれたら、僕は今苦しまずに済んだわけでありますから、しかし委員会等で民主党の皆さん方からその時になぜちゃんとやらなかったかというご質問がたくさんございましたけれども、僕はそこではお名前を申し上げるのは甚だ失礼でありますから、なんら申し上げておりません。しかしご本人から言われるとなれば、私も言わざるを得ないということでありまして、その当時ちゃんと出来なかったので申し訳なかったと、今いろいろご迷惑を懸けていると、だから坂口さんすまんが全体として責任を感じて欲しいと、こういうお話をいただくなら、私もそれは考えなければならないというふうに思いますが、自分の責任であることを棚に上げておいて、おまえが責任を取れと言われても、それはちょっといただきかねる、そう思っております。
記者:
日赤の血液検査がだいぶ滞る可能性があるということについて。
大臣:
あれは核酸検査、核酸増幅検査というのか。あれの値段が非常につり上げられてきているという話でしょうか。確かにロッシュという会社から試薬を買っているわけでござますが、ロッシュがまたもう一つの、なんと言いましたかね、名前を忘れましたけれども、C型肝炎についての検査方法を確立しましたところからそれを買い受けて、そしてロッシュがエイズとC型肝炎、B型肝炎合わせた試薬を開発しているということでございます。米国のカイロン社というのがC型肝炎の特許を持っているわけでありますが、このロッシュがそれの許可を受けまして、そして特許使用料をカイロン社に払っていると、これが今までは日赤から日本ロッシュに対しまして年間約20億円を支払っていたわけでありますが、これを一度に60億円に引き上げたいということを言ってきたと、今交渉いたしております。急激に3倍にまで引き上げなければならない理由がいったいどこにあるのかということで、今交渉をしているところでございます。段々と安くなってくるというのならば話がわかりますけれども、段々高くなってくるというのは一体どういうことなのかというので、もう少し交渉したいと思っておりまして、いずれにいたしましても実際に献血の検査に支障をきたさないように、我々も配慮をしなければならないと思っております。
記者:
ハンセン病についてなんですが、未入所者と遺族原告について、続いている裁判が今日熊本地裁で結審するということなんですけれども、これまでの経緯を振り返って、あらためてご見解をお聞きしたいのですが。
大臣:
ハンセン病につきましては、今日まで熊本地裁の判決以来、控訴しないという決定をし、そしてその後原告の皆さん方との和解も進んでまいりまして、多くの問題を今年は解決してきたというふうに思っております。まだ残されました問題としていくつかあるわけでございますが、それらの問題につきましても早く決着をつけたいというふうに思っておりますが、家族の問題でございますとか、そうした問題、今までの熊本地方裁判所の中で議論をしていただいてこなかった部分につきまして、もう一度裁判所に議論をお願いを申し上げた経緯があるわけでございますから、地裁の判決というものを真摯に聞かせていただきたいと思っているところでございます。
記者:
医療の話に戻りますけれども、薬剤費の一部負担廃止時期の問題が今話題になっておりますけれども、これについて大臣のお考えは。
大臣:
そうですね、これは全体の中で、医療制度全体の中で考えなければならないというふうに思っています。制度改革の問題とそれから財政的な問題と両方あるわけでございますが、出来れば制度改革としての形で全てものが統一出来ることが望ましいというふうに思っておりますが、しかし財政的な面もあって、一度にそういうふうにいかない部分もあるというふうに思っておりますので、若人の一部負担につきましての問題は全体の形を整える中で最終的には決定をしたいというふうに思ってます。この問題から先に決着を付けるということはないだろうというふうに思ってます。
記者:
BSEの農水省との連携を密に出来なかったことについての責任はあるとお感じになっているわけでしょうか。
大臣:
今までは一例もなかったわけでありますから、平素からの連携というものをどういうふうに取っていくかということの体制が十分に出来上がっていなかったことは間違いがないわけでありますから、そこは我々といたしましても反省はいたしております。
記者:
辞任に値するほどの大きなものではないとお考えですか。
大臣:
辞任を言われるほどの大きなものではないと私は思っております。

(了)