2022年5月24日  第61回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

日時

令和4年5月24日(火)15:40~17:20

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 16階
東京都千代田区内幸町1-3-1

出席委員

会場出席委員:増田部会長
オンライン出席委員:松山部会長代理、小尾委員、片桐委員、齋藤委員、土屋委員、西村委員、山口委員

議題

  1. (1)日本年金機構の令和3年度業務実績について
  2. (2)その他

議事

議事内容

○清水年金事業運営推進室長 それでは、ただいまより第61回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございます。
初めに、委員の皆様の出欠状況について御報告をさせていただきます。野村委員、原委員から御欠席との御連絡をいただいております。本日も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、オンライン併用での開催となっております。増田部会長は会場での御出席、そのほかの委員の皆様はオンラインでの御出席となっております。
また、これまで当部会の委員をお務めいただいておりました伊藤かつら委員におかれましては、4月8日付けで辞任のお申し出により、喜田村洋一委員におかれましては、4月24日に任期満了により御退任されましたことを御報告させていただきます。
それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。

(カメラ退室)

○増田部会長 それでは、議事次第に従いまして、「日本年金機構の令和3年度業務実績について」、これから審議したいと思います。本日は、令和3年度における機構の取組状況を記載した業務実績報告書の案といたしまして、概要版が資料1で、全体版は資料2ということになりますが、こちらが提出されております。
初めに、機構のほうから説明をしていただきまして、その後質疑に入りたいと思いますので、機構のほうで説明をよろしくお願いいたします。

○田中日本年金機構企画調整監 日本年金機構経営企画部の田中と申します。それでは、資料1「令和3年度業務実績報告書(案)の概要」を主に用いまして御説明させていただきます。
めくっていただきまして、目次の次の1ページでございますが、こちらの上のところで改めて令和3年度における取組方針といたしまして、組織目標を「社会の安定・安心への貢献」といたしまして、新型コロナの中でも4点、「安定・安心に貢献する基幹業務の運営」、「オンラインビジネスモデル実現の推進」、「制度改正への責任ある対応」、「記録管理システムの刷新への道筋の確立」、これらを重点取組課題に位置付けまして、目標達成に向けて取組を行いました。
1ページ、2ページは、この重点取組課題に沿いまして、主な取組実績を抜粋したものでございます。3ページ以降と重複いたしますので、3ページから御説明させていただきたいと思います。
まず、「国民年金の適用促進・保険料収納対策」でございます。
確実な適用の実施といたしまして、20歳到達者に対します職権適用を、J-LISから提供される情報に基づきまして実施しております。
また、J-LISから提供される情報により把握いたしました34歳、44歳、54歳という節目の年齢の方のうち、海外から転入された方で基礎年金番号が付番されていない方等に対しまして届出勧奨を行った上で、職権による適用を実施いたしております。
また、退職者等に対しまして、事由の2か月後に届出勧奨を行うとともに、届出がなされない場合に職権による適用を実施いたしております。
次に、納付率、収納の状況でございます。
まず、納付率の目標の状況でございます。こちらは恐縮ですが、3年度の確定数字がまだ入ってございませんが、令和3年度分の現年度納付率、令和2年度分の保険料納付率、令和元年度分の保険料の最終納付率、それぞれ左側の計画の概要のところに目標を記載いたしておりますが、いずれも目標を上回る見込みでございます。
次の○でございますが、こちらは口座振替、クレジットカード納付の届出勧奨を実施した状況でございます。
一番下の○でございます。若年者対策といたしまして、20歳到達者に対する対策の強化といたしまして、納付方法や学生納付特例制度の手続を、Twitter等を活用しながら分かりやすく説明するとともに、専用の催告文書の送付。それから、世帯主にも内容を確認いただけるよう工夫した封筒を使用した納付督励等を実施いたしました。その結果として、20歳到達者の納付率につきまして前年を上回る見込みでございます。
続きまして、4ページを御覧ください。
こちらは、上の四角で、新型コロナウイルスの影響の中で所得が急減した方や失業した方に対しまして、適切に臨時特例免除等を実施した状況を記載いたしております。
次の四角でございますが、地域の実情を踏まえた対策といたしまして、沖縄プロジェクトの継続実施や、未納者の多い年金事務所における体制整備等の実施について記載させていただいております。
また、強制徴収でございますが、新型コロナの影響を踏まえ、慎重な配慮を行いつつ再開いたしております。
次の四角でございますが、60歳から64歳に到達する方で、65歳まで任意加入することで受給資格要件を満たす方への勧奨を実施している状況でございます。
次の○でございますが、保険料に加算額が上乗せされる前の免除等承認後2年目の期間を有する方、あるいは追納可能な期限(10年)の直前となる9年目の期間を有する方に対しまして、追納勧奨を実施いたしております。
次の○でございますが、受給要件満了間近の24か月未納者の方に対しまして、納付督励・免除勧奨を実施いたしている状況でございます。
5ページを御覧ください。厚生年金等の適用促進対策でございます。
まず、加入指導による新規適用事業所数の取組状況でございます。8.8万事業所という目標に対しまして、新型コロナの影響の下ではございましたが、国税情報等を活用した加入指導を行うことによりまして、合計で約10.4万事業所を適用に結びつけております。また、国税情報ベースの適用調査対象事業所につきまして、令和3年度末時点で約18.5万事業所まで減少いたしております。こちらは、2つ目の表のところで平成27年度97.3万事業所であったところからの推移を記載いたしているところでございます。
次の○でございますが、こちらは5人以上等事業所に対する取組の状況でございます。
一番下の○は、困難性の高い事案につきまして、令和3年4月より設置いたしました本部の特別法人対策部において所管し、加入指導を実施した状況でございます。
続きまして、6ページを御覧ください。
上のところは事業所調査の実施状況でございます。事業所調査につきましても、新型コロナの影響を踏まえつつ実施したところでございます。目標につきましては、被保険者数で824万人であったところですが、最終的に998万人の被保険者について調査を行い、届出の適正化を図っております。
次の○でございますが、令和4年10月に短時間労働者への適用拡大が行われることを踏まえまして、被保険者101人から500人の事業所に対しまして、令和3年度から2年間で制度周知を兼ねた事業所調査を実施いたしておりまして、その実施状況でございます。
次の○につきましては、被保険者1万人以上の大規模事業所の調査につきまして、本部特別法人対策部と年金事務所で連携を行い、調査を実施した状況でございます。
1つ飛ばしまして、届出処理の迅速化というところを御覧ください。健康保険証の早期交付に向けまして、資格取得届等の処理に最優先で取り組むというところでございますが、特に電子申請につきまして、左側の目標のところに記載いたしておりますが、2営業日以内という目標につきまして、0.5日ということで上回ったという状況を記載いたしております。
7ページを御覧ください。厚生年金等の保険料徴収対策でございます。
まず、収納率の目標等の状況でございます。令和2年2月以降、新型コロナ感染症に対する政策的要請といたしまして対応してきた保険料の納付猶予特例につきまして、令和3年3月以降、猶予期間が順次満了したことを踏まえまして、適切に保険料の納付を促すとともに、引き続き納付が困難となっている事業所に対しまして、法定猶予制度への適用を積極的に案内し適用した結果、令和3年度における収納率につきまして、前年度実績を上回る見込みでございます。
表と表の間の次の○のところでございますが、令和3年3月末までに許可した納付猶予特例保険料、9,737億円でございましたが、そちらの推移でございます。納付済みとなったものが猶予許可額ベースで7,223億円(74.2%)、法定猶予の適用となったものが2,342億円(24.0%)でございます。事業所数のベースで表示したものが、表の下の行になります。
こちらの四角の一番下の○のところで、財産調査等の滞納処分業務、令和2年度につきましては停止いたしておりましたが、令和3年度につきましては4月より一部再開いたしております。
困難事案への対応につきましては、本部特別法人対策部が所管いたしまして、納付指導等を適切に実施したところでございます。
8ページを御覧ください。「年金給付」でございます。
正確な給付の実現に向けた体制強化につきましては、年金給付業務を年金事務所と中央年金センターで執行する体制に再構築することを目指しまして、事務センターで行ってきた年金給付業務の見直しに関して、3年度、以下の取組を実施しましたということで、3点記載いたしております。例えば、再裁定の勧奨業務につきまして、中央年金センターと年金事務所で行う方針を決定し、そのためのシステム開発を実施したといった取組でございます。
こちらの四角の一番下の○のところでございますが、そうした業務の見直しに伴いまして、お客様相談室の業務が拡大していることを踏まえ、そのマネジメントの仕組みや管理体制の在り方についての専任チームを設置いたしたところでございます。
次の四角を御覧ください。正確な給付の実現に向けた対応といたしまして、年金決定直後の中央年金センターにおける決定内容のチェック、それから随時、業務処理マニュアルの整備を行ったということを記載させていただいております。
その下の○は、共済組合との情報連携の強化によるシステムチェック機能の強化に取り組んだ状況でございます。
次の四角を御覧ください。障害年金の事務処理体制の強化でございます。令和3年1月以降の新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言等の実施を踏まえまして、障害状態確認届の提出期限が令和3年2月末から同年11月末までにあった方につきましては、令和3年12月末まで年金支払いの一時差止めを猶予するという特例が講じられましたが、当該猶予する期限が到来したということで、当該届を提出されていない方に対しまして提出勧奨を実施すること。また、提出後に症状が悪化している方に対しまして、診断書の再提出が可能である旨のお知らせを送付するといった取組を実施したところでございます。
また、当該猶予期限の到来に伴いまして受付件数が増加することに対応いたしまして、障害年金センターの人員について体制整備を行っております。
9ページを御覧ください。
年金給付のシステム化の推進につきまして、「ねんきんネット」を活用した簡易な電子申請を可能とする環境整備として、これらの事項に取り組んでおります。
また、その下の次の○でございますが、中央年金センターと年金事務所・事務センターの業務端末を令和3年10月に統合いたしまして、年金給付の事務処理を同一環境で行えるよう整備を行っております。
次に、お客様サービスの向上でございます。令和4年4月からの老齢年金の繰下げ可能年齢の75歳への引上げに伴いまして、66歳以降に繰下げ受給を希望され、老齢年金を受給されていない方に対し、毎年、繰下げ見込額をお知らせすること。また、75歳到達時に改めて年金請求書を送付することといたしました。
次の○でございますが、70歳を超える方で未請求の老齢年金のある方に対しまして、個別の請求勧奨を令和2年1月から引き続き実施いたしまして、令和4年3月までに約5.2万人の方に請求勧奨を行い、請求いただいた方約4.8万人に老齢年金を支給いたしております。
次の○を御覧ください。サービススタンダードの達成状況でございます。新型コロナの影響の中ではございましたが、いずれもサービススタンダード90%以上を維持いたしております。
10ページを御覧ください。「年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止」でございます。
令和3年度もこちらに記載の名寄せ特別便の未回答者に対する確認お知らせの再送付。それから、年金請求手続で来所されるお客様への記録の確認の徹底等に取り組みまして、未統合記録は約21万件解明され、令和4年3月で約1,773万件という状況でございます。
下の四角を御覧ください。基礎年金番号とマイナンバーの紐付けの取組でございます。取組の結果としまして、紐付け率は99.76%となっております。
11ページを御覧ください。「年金相談」でございます。
こちらは2つ目の○を御覧ください。年金相談におけます予約率ですが、令和4年3月末時点で98.0%ということで、高水準を維持いたしております。また、予約相談までの日数につきましても短縮に努めた結果、7.0日ということで短縮いたしております。
次の○でございますが、インターネットから年金相談予約を受け付けるサービスでございますが、「ねんきんネット」のシステムを活用いたしまして、令和3年5月から受給開始年齢到達時に送付する老齢年金請求書に関する来訪相談予約を対象として運用を開始したところでございまして、令和4年3月までに約4.9万件の利用があったところでございます。また、令和4年3月から、その対象を拡充いたしております。
次に、コールセンターでの相談の状況でございます。コールセンターにつきましては、目的別・内容別のコールセンターの維持・整備等によりまして、結果として、こちらの○の4つ目の表でございますが、令和3年度の応答率は71.6%となってございます。
12ページを御覧ください。「分かりやすい情報提供及びサービス改善の促進」でございます。
まず、ホームページにつきましては、Q&Aの充実やチャットボットの拡充といったことに取り組んでおります。これらの取組の結果、令和3年度の総アクセス数は約2億1,710万件と、令和2年度より4.1%増という状況でございます。
次に、「ねんきんネット」による情報提供でございます。より多くのお客様にマイナポータル経由で「ねんきんネット」を御利用いただくために、マイナポータルと「ねんきんネット」の連携機能の改善を行うとともに、「ねんきんネット」の利用拡大に向けまして、こちらに記載のような周知広報を実施いたしております。これらの取組の結果、令和2年度との比較で「ねんきんネット」全体の利用者数は約770万人に増加いたしまして、特にマイナポータル経由での利用者数につきまして、7万人から約69.5万人ということで、約10倍に増加いたしたところでございます。
13ページを御覧ください。「分かりやすい情報提供及びサービス改善の促進」でございます。
まず、年金セミナーや年金制度説明会等の実施状況でございます。開催回数などは表に記載のとおりでございますが、コロナの中でWeb会議やDVDでの提供方式といったことを交えながら実施いたしております。
それから、次の四角でございます。年金委員の活動の支援の関係でございますが、こちらの四角の中の2つ目の○のところで、年金委員の委嘱の状況でございます。職域型年金委員、地域型年金委員、ともに委嘱数の拡大をすることができております。
それから、一番下の四角を御覧ください。お客様サービスの向上につきましては、お客様向けの文書モニターなどの活用を行いながら、お客様目線で見て、より分かりやすい文書の作成に取り組んだところでございます。
また、次の○でございますが、「お客様へのお約束10か条」の実現に向けた取組・成果に関しまして、国際社会保障協会(ISSA)のほうから賞を受賞させていただいたということを記載させていただいております。
一番下の○は「お客様満足度アンケート調査」の結果でございます。
14ページを御覧ください。「年金制度改正等への対応」でございます。
令和4年4月以降に施行されます制度改正事項につきまして、事務処理方法の検討やシステム開発、周知・広報。それから、下のところですが、人員体制の確保、年金事務所、中央年金センター等の人員配置、体制拡充。それから、研修といったことに取り組んだところでございます。
15ページを御覧ください。「効率的効果的な業務運営(ビジネスプロセス改革)」についてでございます。
まず、本部につきましては、本部が現場からより信頼される組織となり、機構全体としてさらなる事業実績の向上を図るという観点から、令和4年4月の組織改編におきまして、1点目としまして、地域部を15部体制から11部体制に見直し、各地域の事業規模に応じて地域部定員の再配分を実施いたしております。また、現場からの照会対応への回答の迅速化・効率化、正確性の確保を図るため、事業推進統括部に照会対応専門セクションを設置するといった取組を進めております。
事務センターの四角を御覧ください。事務センターに関しましては、経過管理・電子決裁システムによる届書の画像化・データ化処理機能を活用いたしまして、大規模事務センターの業務の一部について分散するという試行実施を行いました。試行実施の検証を行った上で、年金事務所と事務センターの地域的なリンクを解き、管轄にとらわれない機能別事務センターの体制に向けた方針を策定したところでございます。
また、次の○でございますが、職員に関しましては、事務センターに関しましては、事務センター専用職員の登用を進めている状況。一方で、正規職員につきまして、年金事務所等へシフトしている状況について記載させていただいております。
それから、一番下の年金事務所に関しましては、都市部における高齢化等に対応いたしました分室の設置。それから、管轄する人口規模等を踏まえました管轄地域の見直しなどを実施いたしております。
16ページを御覧ください。
16ページの一番上の四角でございますが、2つ目の○のところで、先ほども少し出てまいりましたが、疑義照会の管理体制に関しまして、現場に対する回答体制の充実、回答の正確性の確保を図るために、拠点からの疑義照会と業務処理マニュアルを一体的に管理するという趣旨で、疑義照会の管理主体を業務品質管理部へ移管いたしました。拠点からの照会につきましては、先ほど御報告させていただいたように、事業推進統括部に拠点照会統括グループを新たに設置いたしました。その拠点照会統括グループが行った回答内容の正確性を担保するために、業務品質管理部が回答内容を事後確認する。こうした体制を整えたところでございます。
17ページを御覧ください。「外部委託の活用と管理の適正化」でございます。
一番上の○につきましては、履行前検査、履行中検査、納品時検査、履行後検査の実施状況を表にまとめたものでございます。
2つ目の○のところで、部会にも御報告させていただきましたが、昨年10月に発生いたしました、年金振込通知書の印刷誤り事案を踏まえました再発防止策としまして行った見直しを記載させていただいております。主に3点、検査等における確認事項の精査、証跡の確実な取得の徹底。書面検査による代替実施を可能とする場合のルールの厳格化。それから、成果物における現物確認の実施でございます。
それから、次の○のところでは、調達ルールに関する研修の実施。それから、新たに調達担当者となった場合に、事業者の履行場所に実際に行って見てくる実査による事業実態把握や、リスク把握の取組を必須とするといった取組をすることといたしたところでございます。
その次の四角でございますが、優良な受託事業者の確保といたしまして、RFI企業の拡充のためのダイレクトメール等の送付。それから、データベース化をして、その活用に取り組んだということを記載させていただいております。
18ページを御覧ください。「社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発」としまして、まず、フェーズ1への対応を記載いたしております。こちらの冒頭のところで、改めてではございますが、公的年金業務における業務・システム刷新につきまして、平成26年よりフェーズ1のシステム開発に順次着手いたしまして、「経過管理・電子決裁システム」「個人番号管理システム」「情報連携システム」「統計・業務分析システム」の4つのシステムが平成29年より順次稼働いたしました。
これらのフェーズ1システムの稼働によりまして、お客様からの届書のオンライン化、内部処理のデジタルワークフロー化、マイナンバーの活用による記録管理の正確性確保、多様なBPR、大きな効率化効果を実現しているところでございます。
その上で、令和3年度につきましては、これらの業務・システムの一層のレベルアップのために、そこに記載の対応を実施したところでございます。
令和4年10月の稼働に向けたシステム開発といたしましては、例えば新たに13の届書を画像化、電子決裁対象届書に追加いたしまして、経過管理・電子決裁システムにおける画像化・電子決裁処理の対象を53届書、届書件数ベースで98%に拡大いたしております。
また、次の○では、令和5年度以降に予定しております現行システムの受付進捗管理システムと経過管理・電子決裁システムの統合等に向けて、例えば適用・徴収関係の全ての紙届書を画像化して、原則として画像化・電子決裁処理に移行し、届書の受付進捗管理の一元化を推進する。そのための調達手続を開始しているところでございます。
19ページを御覧ください。
上の四角はフェーズ2への対応でございます。フェーズ2に関しましては、記録管理システム・基礎年金番号管理システムのオープン化等による公正な調達環境の確保、個人別・事業所単位別での新たなデータベースの構築、それに伴うBPR、さらにそれらを前提に政府最大級のシステムである、これらのシステムの安全・確実な移行の実現というものを目指しまして、業務・システム刷新フェーズ2の本格開発に向け、着実に取組を進めたところでございます。
令和3年度におきましては、新たなデータベースやシステムの構成等についておおむね方向性をまとめ、令和4年度の本格開発着手に向けまして、以下の事項にということで取組を記載いたしております。
1つ目のところでは、RFIを実施しながら、本格開発の内容案につきまして事業者と技術的な対話を行いました。対話の結果を踏まえまして、必要な見直しを加えた案を提示いたしております。
また、次のポツでは、新たなデータベースの設計・移行の検討を進め、基本設計に必要な修正を行ってきたことを記載いたしております。
1つ飛ばしまして、一番下のポツでは、その体制としまして、機構の担当室の職員を増員し、またそのスキルの向上のための研修を実施したことを記載いたしております。最後の行のところでは、支援事業者の確保に向けたRFIなどの調達手続の準備を進めたことを記載いたしております。
それから、次の四角のところでは、制度改正に伴うシステム開発としての主な開発事項や、事業部門からの要請に基づき行いましたシステム開発につきまして記載いたしております。
20ページを御覧ください。「ICT化の推進」でございます。
オンラインビジネスモデルの推進に関しまして、まず、サービスのオンライン化といたしまして、事業所に対する取組といたしましては、電子申請のさらなる利用促進のために、電子申請による届出が義務化された事業所、被保険者51人以上の事業所に対しまして取組を実施いたしました。
その結果といたしまして、主要7届書の電子申請利用割合は、表に記載のとおり、令和元年度23.9%であったものが、令和3年度57.7%という形で増加いたしております。
それから、1つ○を飛ばしまして、オンラインで申請された届書の真正性担保のために、機構が受理した申請データの写しをセンドバックする仕組みの構築に向けたシステム開発を進めております。令和4年9月にサービス開始予定でございます。
また、次の○でございますが、紙等で提供いたしておりました保険料情報等をe-Govの電子送達サービスを活用して電子的に提供するサービスの構築に向けまして、システム開発を進めております。
次に、個人に対するオンラインサービスの拡充に対しましては、マイナポータルから「ねんきんネット」にログインできる連携機能について改善を行うとともに、「ねんきんネット」のログイン画面にマイナポータルへ誘導する仕組みを構築いたしております。
また、マイナポータルで簡易に国民年金保険料免除申請等の届書作成・電子申請が可能となる仕組みにつきましてシステム開発を行い、サービスを開始いたしております。
それから、1つ飛ばしまして、社会保険料の控除証明書や源泉徴収票などにつきまして、マイナポータル経由で電子データとして提供する仕組みの構築に向け、システム開発を進めたところでございます。
21ページを御覧ください。➁のところで、デジタルワークフローの確立でございます。
1つ目の○は、フェーズ1の取組でも説明したところでございますが、電子データによる審査・電子決裁を前提といたしました「紙をなくす・紙を移動させない」事務処理の実現に向けまして、経過管理・電子決裁システムのデータ処理対象届書の拡大や、システムチェックを活用した審査工程の短縮、そして届書の受付拠点と処理拠点の分離を可能とする管轄にとらわれない仕組みの構築等を行ったところでございます。
○を1つ飛ばしていただきまして、紙で出力して保管しております一覧表やリストのうち、「保険料増減内訳書」等の4種類につきまして、令和2年度から先行して紙出力を廃止し、専用フォルダに電子データを格納して利用・保存する方針といたしまして、年間約1100万枚(全体の4割弱)の紙の削減を行っております。
ページ、進んでいただきまして、22ページを御覧ください。「内部統制システムの有効性確保」としまして、事務処理の正確性の確保でございます。一番上の四角のところで、日報や事務処理誤り報告等の日々のモニタリングを通じた取組、その結果としまして、事務処理誤りの発生件数につきまして表で記載させていただいております。
また、次の四角のところでは、本部現業に関しまして、ツールを活用して業務の進捗状況を管理した取組について記載いたしております。
それから、このページの一番下の四角につきましては、リスク管理といたしまして、各種リスクに対して取り組んだ主な取組状況について表で記載させていただいております。
23ページを御覧ください。引き続き、リスク管理につきまして、リスク管理のさらなる強化を目的といたしまして、現業部門、管理部門、監査部門のそれぞれの役割と責任を明確にしてリスク管理を行います「三線防御体制」の確立に向けた体制整備を行いました。令和4年4月に組織改編を行っております。
それから、その次の四角でございますが、こちらは機構における新型コロナウイルスへの対応の状況でございます。
24ページを御覧ください。「内部統制システムの有効性確保」としまして、上の適正な監査の実施というところで、今、触れさせていただきました三線防御体制のサードラインとしての監査機能の強化という中で、こちらに記載しておりますのは、監査部内の所掌業務の見直し、リスク管理機能の有効性や実効性を確認するための体制の整備について1つ目の○で記載させていただいております。
それから、こちらのページの一番下の四角でございますが、契約の競争性・透明性の確保等のところで、その他の議題でも御報告させていただく予定でございますが、令和4年3月に公正取引委員会が、機構が行ったねんきん定期便等の作成・発送業務の入札に関しまして、事業者に対し排除措置命令等を行ったとともに、機構に対して要請が行われております。これを踏まえた機構としての対応につきまして、こちらに記載させていただいております。詳細は、別途、またその他の議題のところでも御説明させていただきます。
続きまして、25ページ、「個人情報の保護に関する事項」でございます。
情報セキュリティ対策につきましては、平成27年度に策定いたしました業務改善計画に沿って、組織面の対策、技術面の対策、業務運営面の対策に取り組んでいるところでございます。
技術面の対策のところを御覧いただきますと、1つ目の○のところで、情報セキュリティリスク分析評価について、外部専門家を活用し、年金給付システムやホームページ等を対象に実施したこと。
2つ目の○では、脆弱性診断及びペネトレーションテストについても、外部の専門家を活用しまして、インターネットに接続しているシステム等を対象に実施し、いずれも対処すべき検出事項はなかったということを御報告させていただいております。
それから、業務運営面の対策のところでは、政府機関のサイバーセキュリティ対策のための統一基準の改正に伴い、機構のセキュリティポリシー等について改正を行ったということを記載いたしております。こちら、概要には記載しておりませんが、全体版のほうに記載しているところでございますが、平成27年の不正アクセス事案について、サイバーセキュリティ基本法に基づく勧告が行われ、その後、勧告への対応状況につきまして内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が実施する監査で継続的に評価を受けてまいりましたが、令和3年6月に開催されましたNISCによる監査報告会におきまして、当該勧告を踏まえた評価を終了するという旨の通知を受けているところでございます。
26ページを御覧ください。「文書管理及び情報公開」でございます。
文書の適正管理に関しましては、2つ目の○を御覧ください。お客様からの申請書類といった年金記録や年金額に直接関係する文書の長期保存に関する課題につきましては、引き続き検討を進めているところでございますが、年金記録や年金額に直接関係する文書以外の文書につきましては、文書細則を改正いたしまして、既存文書の整理・廃棄の推進を進めたところでございます。
27ページを御覧ください。「人事及び人材の育成」でございます。
1つ目の四角のところを御覧いただきますと、全国異動の状況につきまして、約8割の職員が全国異動を経験しているということですとか、2つ目の○で、本部と拠点の人事異動に関しまして促進していることを記載いたしております。
こちらのページの一番下の四角を御覧いただきますと、女性活躍の推進に関しまして、働きやすい環境の取組につきまして、1つ目、2つ目の○に記載しております。
これらの取組の結果としまして、3つ目の○のところで、令和4年4月時点で女性管理職比率が15.3%という状況を記載させていただいております。
また、一番下の○のところで、日経BP社(日経WOMAN)が主催いたします企業の女性活躍度調査におきまして、535社中27位という評価をいただいたことを記載させていただいております。
28ページを御覧ください。一番上の四角のところでは採用活動の状況を記載いたしておりますが、こちらも日経新聞社とマイナビが実施いたしました大学生の就職企業人気ランキングにおきまして、業種別ランキングで1位、文系総合ランキングで51位という評価を得たことを記載させていただきました。
こちらのページの一番下の四角を御覧ください。働きやすい職場環境の確立ということで、2つ目の○のところで、長時間勤務の抑制の取組の結果としまして、機構全体の時間外労働が月当たり20時間2分となりまして、対前年でも減少している状況。
また、年次有給休暇の取得促進の状況が次の○でございます。
一番下の○で、育児休業の取得率につきまして目標を達成できる見込み等、記載させていただいております。
29ページにつきましては、説明を割愛させていただきます。
一旦、機構からの説明は以上になります。よろしくお願いいたします。

○増田部会長 ありがとうございました。
今、業務実績報告書ということで、かなり大部にわたりましたけれども、一連の説明をしていただきまして、これから委員の皆様方から質疑ということで、御質問なり御意見をお伺いして、次回、もう一度時間を取っておりますので、各委員の皆様方からの御意見を踏まえて、必要な場合には機構のほうで修正していただくなり何なり検討いただいて、それで次回、もう一度提出いただくということで考えております。そういうことで、数値がまだ入っていないところもございますが、今、数値の傾向等々については御説明していただきましたので、次回はそこがきちんと入った形になるかと思いますけれども、この時点での大体の様子については御説明があったかと思います。
それでは、この説明につきまして、御意見、御質問等がありましたら、挙手で合図していただきましたら、私のほうから指名させていただきたいと思います。画面が映っておりますので、適宜挙手なりで合図していただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、西村委員、それから山口委員の順序で御発言いただきたいと思います。初めに西村委員、どうぞお願いします。

○西村委員 西村です。
御報告ありがとうございます。何年か聞いてまいりまして、今回の報告書はとてもすっと腹に入ったなということをお伝えしたくて、先に手を挙げさせていただきました。特に、私の印象ですが、事務処理とかサービスの向上のところは、適切に手を打たれて結果が出ているのではないかなという印象です。経過管理・電子決裁をはじめ、各種のシステムの整備がうまくいって、それが業務の効率化に非常に生きているのではないかと考えております。皆さんの御努力の賜物であるとともに、ぜひ引き続き続けていただければと思っております。
その上で、2つほど確認と質問をさせていただければと思っております。
1つ目は、事前説明のときにもちょっとお伺いして、数字を入れていただいたのですが、システムのフェーズ2への対応のところで、200名に向けてということで、今回162名ということなのですけれども、御努力をされていることは分かるのですけれども、今後、あと40名増員に向けての方策というものがありましたら、ちょっと教えていただければありがたいなと思っております。これが1つです。
それから、もう一つ、これは計画そのものにちょっと関わるところなので教えていただきたいのですけれども、21ページ、マイナンバーの活用のところで、昨年に比して情報照会の件数が減っていると思うのです。数字についてあれこれ言うわけではないのですが、提供は増えていると書いてあるのですが、情報照会のところで、国民年金届書とか保険料免除とか、本誌のほうでよく見ると若干減っているので、この減っているところの理由が分かりましたら教えていただきたい。
ごめんなさい、もう1点あります。それから、本誌のほうで、2ページ前の115ページです。電子データ化状況というものの枚数が、昨年の結果と変わっていないのですが、これはまだ対応中ということなのかどうなのかというのが、私、読み取れませんでしたので、教えていただければと思っています。
以上、質問3点です。よろしくお願いします。

○増田部会長 今、3点ございました。
それでは、適宜、御担当の方、どうぞ。

○鈴木日本年金機構理事 事業企画部門担当理事の鈴木でございます。
3点御質問いただきました。
まず、フェーズ2の体制の御質問につきましては、フェーズ2、これから本格開発に向けて、調達に向けた準備を今、進めているところでございます。そして、支援業者につきましても、今、準備を進めているところでございますが、全体として体制をつくっていくわけでありますので、開発の進捗に応じて、私どもの体制につきましても適切になるようにしていきたいと思いますので、これから本格開発そのものを調達に向けて進んでいる段階ですので、現段階ではこういう状況になっております。
続きまして、概要の21ページにありましたけれども、マイナンバーの情報連携の件数が減少しているということでございますが、こちらのほうは被保険者が減少しておりますので、国民年金の関係の届出について、全数を照会する際に減っているということでございますので、活用の中身が減っているということではございません。逆に、新しく継続免除をやるようなところは件数が増えていたりということでございます。
それから、3点目で、配信帳票のデータ化でございますが、4つ書いてございます。これは、2年度から順次実行に移してきておりまして、上の3つは2年度に着手しまして、4つ目が3年度に着手したものでございます。現在の状況としてはこの状況でございまして、今、そのほかの帳票につきましてもできるように、これは全体としてシステム開発なども要しますので、そういった検討は進めているところでございます。
以上です。

○増田部会長 西村委員、今のお答えでよろしゅうございますか。

○西村委員 1点目、2点目はよく分かりましたので、ありがとうございます。
3点目は、なぜか去年と変わっていないように見えるので、表現とかを工夫していただければいいかなと思いましたので、よろしくお願いします。

○増田部会長 分かりました。その点については、また次回までに御検討いただきたいと思います。
続きまして、山口委員、どうぞ御発言ください。

○山口委員 山口です。よろしくお願いいたします。
今、西村委員からお話がございましたが、ここ何年かの取組の成果の現れという点では、例えば今回の概要の15ページで、年金事務所と事務センターのリンクを解いてという組織の体制見直しが進んでいることですとか、概要の13ページの国際社会保障協会から表彰を受けたということで、何年かの取組の成果と進展とが形となって現れているというところが、私も評価できる点と思います。
質問等につきましては、3点あります。
まず、1点目ですが、概要6ページの事業所調査についてです。最初の四角の2つ目の○で、令和4年10月の短時間労働者の適用拡大への対応ということで、事業所調査を実施しています。昨年度と今年度で2回行い、現状4割程度の調査が実施されているということですが、その事業者の現状把握に関して、制度周知の状況について、例えば従業員への説明ということについて取り組んだとか、取組の予定があるとか、そういったところの現状がどうなっているかということをさらにお伺いできればと思います。
それから、2点目は、概要11ページの2つ目の四角で、年金相談における予約率が98%に達しており、始めてからそれほど年数は経っていないと思うのですけれども、かなり予約率が高いということです。その中で、平均待ち日数が13.6日から7日に短縮されていて、この7日をどう見るかということなのですけれども、平均なので、予約を入れるタイミングは人によって異なると思いますけれども、この数字から、相談される方のニーズに応えているかどうかという点については、どのようにお考えかということをお伺いしたいと思います。
最後、3点目ですけれども、概要の27ページです。一番下の女性管理職の比率についてです。令和4年4月で15.3%となっており、令和5年度末までの目標が15.5%なので、それを達成する見通しであるということです。現状、機構の組織において、本体の159ページでも言及されていますが、新入構員の半数が女性であるということと、管理職比率は今後も上昇していくように対応されていくと思う一方、今回は目標値に達しているのですけれども、半分を占める女性が、入構してから勤務して管理職になるまでのプロセスからも、その比率を評価していく必要があるだろうと思います。
最近、採用時の情報として、特に女性がこういったところを見て就職先を選ぶという傾向もあるようです。その経過というのですか、プロセスを見える化するような示し方、指標の立て方を今後御検討されるとよいのかなと思いました。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
3点ありました。こちらも機構のほうで順次お答えいただければと思いますが、どうぞお願いします。

○岩井日本年金機構理事 事業管理部門担当理事の岩井でございます。
初めの短時間労働者への適用拡大について御説明申し上げます。本年10月の短時間労働者の適用拡大に向けまして、先生御指摘のとおり、昨年度と今年度にかけまして、できる限り全ての事業所に対して、事業所調査と制度周知を併せて行うこととしております。それに加えまして、ダイレクト便などで、その対象となる事業所についてお知らせする形で、10月の施行に向けて徹底的に周知と準備を進めてまいる次第でございます。
このように、本年10月の施行に向けまして、現在、周知とチェックなどを行っている段階でございますので、事業所のほうでどのような状況であるということまでは、これは確認できておりません。今後、その反応などが分かりましたらば、また御説明申し上げたいと考えております。いずれにいたしましても、現在は周知とその円滑な施行に向けて取り組んでいる状況でございます。
以上でございます。

○増田部会長 それでは、続いて予約相談。理事長さん、どうぞお願いします。

○水島日本年金機構理事長 2点お答え申し上げます。
まず、予約の待ち日数の問題ですが、どこまで短くすればいいかというのは非常に難しい問題だと思いますが、今、モニタリングしておりますと、待ち日数が長いという御意見はほとんどいただいておりませんので、おおむねこの程度かなと思っております。これをさらに縮めるためには、ブースの増加等が必要でございますので、この程度で運営していくのが妥当かなと考えているところでございます。
それから、女性の活躍でございますけれども、基本的には今、全職員に占める女性の比率が37%ぐらいになっています。新入構員の中では55%を超える状況でございます。まず、女性の定着については、経営上の課題としても極めて重要な課題だと思っております。と申しますのも、今、毎年400名から450名採用いたしておりますが、これ以上の採用は非常に難しいなというのは実感としてございます。そういう意味で、女性の定着が行われない場合は、採用数を増やさなければいけないということも起こるわけでありまして、経営上のリスク要因としても極めて大きな問題だと認識しております。
まず、定着率を高めるという意味では、機構の定着率は比較的高いと思っております。ただ、さらに高めていく必要があると思いますが、女性に限らず、男性も同じでございますが、出産、育児、介護等々の状況に対して対応できるような、そこに障害が発生するような状況について、できるだけ機構としても対応していかなければならないと考えておりまして、その制度設計に今、入っております。今期中には具体的に機構の中で示せるように、今、検討している状況でございます。
キャリアパスでございますけれども、機構の現状の評価上の男女差というのはほとんどないと思いますので、このまま運営を行えば、自然に管理職比率も上がってくると思いますが、一方で、全国組織でございますので、異動をどうするかということもございます。そういう意味で、男性に比べて女性が管理職にアプライしてこない。全国組織の中で、異動も含めまして、その比率がなかなか低いという問題がございます。ただし、男女差を設けるわけにもいきませんので、どのように運営していくか。地域の対応についてきちんと行うという問題と、全国一括採用であるという問題の矛盾があるわけですね。そこについて、経営上、どう対応していくかということは極めて重要な課題だと思っております。
ただ、既に十数年、機構採用者がおりますが、極めて定着率が高いということがございますので、意識の高い職員が増えていると思います。そういう意味で、機構としてできる最大限の努力を行いつつ、従業員の協力を得ながら女性の活躍を推進していきたいと考えております。

○増田部会長 ありがとうございました。
山口委員、よろしゅうございますか。

○山口委員 御説明ありがとうございます。よろしくお願いします。

○増田部会長 はい。
それでは、ほかの委員の方で御発言ございますか。
小尾委員、続きまして、松山部会長代理の順番でお願いします。小尾委員、どうぞ御発言ください。

○小尾委員 御説明ありがとうございました。私、今年から入っていますので、この計画ができたときの経緯を余り知らないので、もしかしたらちょっと厳しめの意見になっているかもしれませんが、幾つか御質問とかコメントをさせていただければと思います。
まず、19ページに記載されているのですけれども、この部分は、一番最初に御説明された1ページの令和3年度の重点取組事項の記録管理システムの刷新への道筋の確立。いわゆる重点的な取組に対応しているのが19ページの記載かなと思います。そういう意味からすると、個々の記載の道筋が立ったのですよということが明確に判断できるような記載があったほうがいいと思います。確かに何をやったかということが書かれているのですけれども、何が達成されたかというのが不明確な部分が多いのかなと思います。
例えば、見直しをしましたということが書かれているのですが、具体的にどういう見直しをしたのか分からないとか、基本設計を修正しましたと書いてあるのですが、どういう修正をしたのかが分からないので、道筋が立ったかどうかということの判断がなかなかつかない記載かなと思います。ですので、ここの部分、できるだけ具体的な記載にして、判断がつくような形にしてもらえればいいのかなと思います。全体的にはそういうコメントです。
具体的なところで言うと、19ページに大規模開発に伴うリスクの回避策を開発方針へ反映して、必要な見直しを加えた案を提示しましたと書かれているのですけれども、どこに提示されたのか分からなかったりしますので、ここは少し明確にしていただきたいなと思います。これはどちらかというと質問です。
あと、西村委員から、体制のところで人数の御質問があったのですけれども、フェーズ2への対応ということについては、着実に本格開発を進めるということになりますので、機構がITガバナンスを発揮できるような人材というのが、きちんと配置できているのかということを示すこともすごく大事なことかなと思います。ですので、人数は確かに200人体制に向けてということで示されているわけですが、どういうスキルレベルの人をどれだけ配置してきているのか、できたのかということについても記載いただければと思います。
それと、24ページ、適正な監査の実施ということで内部監査をやっているということが分かるような記載はあるわけですけれども、一方で、厚労省の年金局が結構長い期間、機構の外部監査を行っているという認識でいます。もし年金局が機構の外部監査をやっている中で、機構側に指摘事項みたいなものがあって、内部監査の改善みたいなものに年金局からの意見が活かされている事例とかもあるのではないかと思いますので、恐らく最後の部分については、外部委託監査とかシステム監査と書いてありますが、もっと明確に、もしそういうものがあるのであれば、厚生労働省の監査等の実績を活かしてとか、そういう記載を加えていただくといいのかなと思います。
私からは以上です。よろしくお願いします。

○増田部会長 何点かございました。これも機構のほうから順次お願いします。

○鈴木日本年金機構理事 事業企画担当の鈴木でございます。
まず、御質問ということでございました。概要でいきますと19ページにございます、上のフェーズ2の○の黒ポチの1つ目のところで、「提示しました」ということでございますが、こちらのほうは、3年度につきましては、RFIという形で事業者と技術的対話を進めてきた結果、ある程度大枠が見えてきたという状況でございまして、それで、こういう案ではどうかということを、また追加のRFIということで事業者に提示して、またそれで確認を求めているという状況でございまして、誰にというのが書いていないというのはおっしゃるとおりなので、書き方を検討いたしたいと思います。
それから、ITガバナンスの人材の件でございます。委員がおっしゃいますスキルレベルという考え方が、私ども、まだどうしたらいいかという明確なものが十分はっきりしておりませんで、お答えが難しいのですけれども、スキルといたしましては、発注者としてベンダーと適切にコミュニケーションいたしまして、そして管理していくというスキルが大事だということは十分理解しておりますので、それは職員の研修と支援業者の調達の両面で体制をしっかりつくっていくということで、このITガバナンスという意味でもきちんとできるようにしていきたいと思っております。
それから、最初の御意見でございますが、今、1つ目のお答えで申し上げましたとおり、本格開発全体はRFIという形で中身を高めるという作業でございましたので、明確に記載が難しかったので、今はこのようにさせていただいておりますが、前進していることはたしかでございますし、また、データベースの関係も、本格開発の内容の変更にかかわらずできる部分は先に進めて、制度開発への反映といったことも含めて、先に進めているという状況でございますので、取組をしっかり進めていきたいと思っております。
以上です。

○増田部会長 最後、監査の件、理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 監査の件でございますが、もちろん年金局からの監査でも大変有効な御意見を頂戴していますので、御指導に沿って、その点を記載したいと思います。
それから、19ページ等について、若干付言といいますか、御説明申し上げたいと思いますが、大きな開発方針でございますので、最終的に決定するまで、いろいろな御意見を頂戴しなければならないと思っております。私どもとして一定の案はございますが、これについて御意見を承っている過程にございます。そういう意味で、ここに実績として書くというのは、まだその段階には至っていないと考えておりまして、ここに書いてございますのは、機構として、事業者との対応を通じて一定の結論を出した。これに関して、今後、関係者の皆様の御意見を承りながら、この方向でいいかということも含めて、最終決定に持っていきたいと考えているところでございます。
その決定の過程として、どういうふうに書けばいいかということについて、なかなか難しい点もございますが、この点については、途中経過について小尾先生に御説明申し上げることは全くやぶさかではございませんので、御説明申し上げた上で、どのように書けばいいかということについても御意見を賜れればと思います。
それから、人材教育についてでございますけれども、私どもの基本的な現在の方針を申し上げますと、この開発はピークでベンダーを2,000人ぐらいにしなければならない状況が生まれるかなと考えております。その場合に、機構側の人員体制としては500人程度必要だろうと思っております。その中で職員をどの程度配置するか。それから、支援業者をどの程度採るかということがこれからの課題だと思いますが、当面は200人を目標と考えて、200人体制をつくることに努力いたしておりますが、人繰り上もすぐになかなかできないという面がございます。
既に申し上げておりますが、事務センターの改革を行っておりまして、約700名の職員をシフトしておりますが、そこでさらに給付等々の改革を進めておりますので、そこで人員を捻出するという計画で進めております。開発までには最終的な結論を出したいと考えております。
若干補足でございます。以上でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
小尾委員、いかがでございますか。何か追加でコメントございますか。

○小尾委員 ありがとうございます。
理事長からのお言葉もありましたが、人材については、支援事業者を入れるにしても、支援事業者におんぶに抱っこみたいな状況になるのは望ましくないと思いますので、ある程度機構側で、支援業者も含めて主導的な立場で開発が進められるような体制をぜひつくっていただきたいと思います。そういう意味では、ここの記載をどうするかというのはあるかもしれませんが、ある程度、人数だけではなくて、スキルレベルというか、レベルですね。その辺を十分に考えた上での人員の補充というのを考えていただければと思いますので、よろしくお願いします。

○増田部会長 それでは、記載ぶりについては引き続き御検討をお願いしたいと思います。
それでは、松山部会長代理、どうぞ御発言ください。

○松山部会長代理 どうもありがとうございます。
御報告どうもありがとうございました。もろもろの数値については、着実に進歩しているというか、九十何%をさらに九十何%に上げるという努力をしていただいていて、大変安心できるところかと思っております。
私の意見と御質問と1件ずつなのですけれども、意見については、今、小尾委員がおっしゃった監査のところとも若干かぶるのでございますが、23ページ目と24ページ目で、リスク管理体制、いわゆるスリーラインディフェンスの体制のところと監査の体制のところで、機構全体のリスク管理体制の見直しという形で、令和4年4月から体制がちょっと変わったという記述があると思います。リスク管理の23ページ目の一番上のところも、令和4年4月なのです。
事前説明のときにも申し上げたのですが、こういう形で移管しましたとか、こういう形で廃止しましたという御説明があるのですけれども、その結果のでき上がりとして、どういう体制になったのかというところが分かると、より分かりやすいのではないかなと思っておりまして、こういうふうに変えましたという説明よりも、変えた結果、部署として、リスク統括部であったり、システム企画部であったり、こういったところが例に書いてあるのですけれども、どういう形でセカンドラインでは組んでいて、ファーストラインのところはどういうふうにやっている。
監査のところも、24ページ目のところを見ると、第1グループがセカンドラインに対する監査に特化する形にしてという形で、監査部内でちょっと変わっているようなのですが、そこにさらに、先ほど御指摘のあったシステム監査とか外部委託監査というものをどう組み合わせているのかという、でき上がった全体像が見えたほうが大変分かりやすいのかなと思っております。今回のこの書面でどこまで書き直せるかどうかというところはともかくとして、そういった記載があると大変分かりやすくなるのではないかなと感じました。それが1点目、こちらは意見でございます。
もう1点目の質問のほうなのですが、監査の中で、システム監査、外部委託監査という形で書いてありますけれども、昨今、特にこれは機構だけではなくて、民間企業はどこも情報セキュリティについてのセキュリティ監査というところが非常に重視されてきていると思います。そういった中で、25ページ目の技術面の対策で、情報セキュリティリスク分析評価とか脆弱性診断、ペネトレーションテストということに言及がありまして、結論として対処すべき検出事項はありませんでしたという、この結論になることは当然理解するのです。
ただ、そうは言っても、セキュリティの分野というのはどんどん進んでいるというか、攻める側も大変進んでいるので、結果として対処すべき検出事項はないとしても、機構として問題と思っている部分とか、ここが弱いから、さらにてこ入れしなければいけない部分で考えていらっしゃるところがあるのであれば、その辺り、もう少し具体的な御説明を聞かせていただきたいと思います。
以上でございます。

○増田部会長 御質問と御意見ですが、機構のほうから理事長さん、どうぞお願いします。

○水島日本年金機構理事長 ありがとうございます。
まず、スリーラインディフェンスの点で、第3線を今、つくっているところなのです。まず、監査部を第2線と第3線に分けまして、第3線のチームをつくったということです。それで、それを一応、私の直轄にいたしておりますが、本来は私の直轄ではなくて、外部の方の直轄になるというのが基本的な考え方なのだろうと思っています。そのような在り方について、どういうふうに検討していくかということについて整理中でございまして、どういう組織づくりをしていくかということについては、まだこれからつくっていくという状況にあるということを御理解いただきたいと思います。
ただ、現在、第2線の監査結果あるいは監査体制について十分かどうかということを監査する、サードラインとしての体制がないということは事実でございまして、これに関して、サードラインの体制をつくったという状況にあると御理解いただければと思います。そういう意味で、まだこれからだということでございますが、問題はどこにあるかということについては、ある程度認識いたしております。そういう意味で、既にテーマを決めて対応を開始いたしておりますので、これについて順次御報告できると思います。それが1点目でございます。
それから、情報セキュリティの監査等々に関してでございますが、問題がなかったと、結果としてそういうふうに記載がございますが、基本的には攻撃側の技術の進歩も非常に早うございますので、インターネット環境からは、基幹システムあるいはLANシステムも含めまして完全に分離しているわけです。インターネット環境にメール環境だけは用意しておりますが、ここに添付ファイルをつけるというのは今やっておりません。
ただし、この領域に関しましては、おっしゃるとおり技術の進歩が非常に激しくて、思わぬ攻撃というのはもちろんございます。こういうものに対して、どういうふうに対応していくかということについては、日々の動きに対してビビッドに反応していくということしか基本的にないと考えておりますが、今のところ、そのような技術の進歩に対応して、必要な対処はできていると考えております。体制的にも、機構は1回やられておりますから、非常にセンシティブに対応しているということは事実でございまして、具体的にどういうことについて対応したかということについて、もし必要であれば御報告申し上げることはやぶさかではございません。
以上でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、松山部会長代理、何か追加の御発言、よろしゅうございますか。

○松山部会長代理 御検討中ということなので、ぜひ検討を進めていただいて、いずれきちんと対策が書けるようになることを祈っております。

○増田部会長 ありがとうございました。
どうぞ土屋委員、御発言ください。

○土屋委員 御説明ありがとうございました。
業務の効率化について、至るところで実感するような報告書になっているかと思います。私のほうでは質問が2点あります。
まず、事務処理の迅速化の件についてですけれども、資格取得届で電子申請の処理的には令和3年4月で0.5日、令和2年4月で1.4日と記載されていて、これだけ見ると1日ぐらい短縮したのだなという印象なのですが、私の記憶では、その前の年の平成31年4月ですと、たしか3日以上かかっていた記憶があるのですね。となると、そこからの短縮というのはすごくすばらしい短縮時間になっているのかなという実感があるので、これを対前年度で書かれているのは、恐らく令和3年の報告書であるからだと思うのですが、もし可能であれば、ここに3年度分書いてみたら、皆さんの努力がすごく実っているという実感が出てくるのかなという気がしています。
さらに、0.5日という非常に早い状態で健康保険証が届くようになっていて、それは私たち社会保険労務士の間でも実感しているところではあるのですが、実際問題、どこまでを目指しているのかというのが1つ質問になります。
もう一点が、先ほど山口委員のほうから御質問があった件とちょっと関係してくるのですけれども、短時間労働者の適用拡大の部分です。こちらのほうが、事業主さんに要件をまとめたリーフレットとかを送付して周知の徹底を図っていらっしゃるということだったのですけれども、実際に制度に引っかかってくる従業員の方については、何かケアとか、そういったものは考えられているのかということが質問になります。というのが、今、適用拡大で自分が対象になってしまうかもしれない方々が、市民相談でそういった適用拡大に関する相談が結構増えているという情報を聞いていまして、会社に対して、自分たちの家庭に関わることをなかなか相談しづらい状況が、もしかしたら発生しているのかなと。
特に、3号被保険者である方々にとっては、健康保険とか厚生年金に自分で入れるとはいえ、今、保険料を実際問題、自分では負担していない状況から、その過程で、パートさんなり短時間で働かれている方が負担するような状況になり得るということを、どう対応したらいいのか、どう考えたらいいのかというのがちょっと混乱している状況が垣間見えたもので、その辺のケアとかはどうなっているのか、相談窓口があるのかといったところが少し気になっているので、もしそういうものがあるのでしたら教えていただきたいと思いました。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、2点ございましたので、機構のほうで御担当の方は。

○鈴木日本年金機構理事 事業企画部門担当、鈴木です。
1点目の電子申請の平均処理日数ですが、資格取得届の場合、御指摘いただきましたとおり、令和元年度については3.3日ということでございまして、元年度と比べますと2.8日の短縮ということでございます。それで、この0.5日ということに関しては、午前中に到着したものはその日に処理しますので、0日。午後に到着したものについては翌日までに処理しますので、1日ということで、そういう意味で0.5日ということになっております。
なので、効率化につきましては、これは電子申請と経過管理・電子決裁システムの効果でございますので、既にここにつきましては、時間的には十分な効果が出ていると考えておりますが、この電子申請を拡大していくことによって、もっとこういう利益を得られる方を拡大していくというのを当面進めてまいりたいと考えております。1点目は以上です。

○増田部会長 後ろの方、どうぞ。

○岩井日本年金機構理事 短時間労働者の適用拡大の件でお答え申し上げます。
先ほども御説明いたしましたが、年金機構においては、対象となる事業所に対してダイレクト便を送るとか、様々な機会、実地での周知なども行っております。また、その際に、専門家などからの説明など、場合によっては従業員の方に対しても活用していただけるようなことの取組などもしておる状況でございます。
それはまだ浸透しているとは言えないと思うのですけれども、先生からもございましたように、従業員の方に対して、直接どうアピールしていくかということ。これは、国のほうでもホームページ等でされていると思いますが、私どもといたしましては、ホームページとかTwitterなどの手段もございますので、引き続き、できる限りそういうことが分かるように、御理解いただけるように、情報が届くような取組について検討していきたいと思います。

○増田部会長 最初のほうの電子申請の関係は、せっかくの御意見なので、対前年じゃなくて、少し前から記載していただくと、よりその努力が分かるのではないか。また、その点御検討ください。
土屋委員、今、機構のほうからお答えございましたが、何かございますか。

○土屋委員 いえ、大丈夫です。ありがとうございました。

○増田部会長 ありがとうございました。
ほかにはいかがでございましょうか。
片桐委員、どうぞ御発言ください。

○片桐委員 片桐です。
全体という感じで印象的な発言になってしまって申し訳ないのですが、実施した目的と実施された内容というのは、おおむねこれで分かりました。ですけれども、もしもこれが実施されたことで、どんなメリットが得られたかということがイメージできるような書きぶりをできる部分があったら、していただけるとありがたいなと。全体的に全部それをしてくれというわけではないのですけれども、そういう部分があってもいいのではないかなと思いました。

○増田部会長 ありがとうございます。
今の点については、また次回に向けて、より全体を見て、記述で効果を表現できるところは御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
齋藤委員。

○齋藤委員 すみません、すごく細かいことなのですけれども、25ページに標的型メール攻撃対処訓練を実施しましたとあるのですけれども、こういう訓練が恐らくセキュリティの確保をするための対応手順に沿って、いろいろ実施されているのではないかなと思うのですけれども、その辺、実施の有無を確認したいのですけれども、よろしいでしょうか。

○増田部会長 分かりました。
理事長さん、どうぞお願いします。

○水島日本年金機構理事長 もちろん実施の訓練をいたしておりまして、全職員ではございませんが、3分の1ぐらいの職員を選抜してやっております。基本的には、インターネット環境にはメール環境しかございませんので、そういう意味で、基本システムに何か攻撃を加えられるという具体的な訓練というのはなかなかできないのでございますけれども、一定の制約の下では行っているということでございます。

○齋藤委員 分かりました。その上のほうに「情報セキュリティインシデント対処手順書に基づいて」というところがあるので、こういう書類と手続があると思うのですけれども、そういうものに対しても訓練が実施されているということでよろしいでしょうか。

○増田部会長 それでは、一番後ろの方、マイクを使って御発言ください。

○嶌内日本年金機構情報管理対策室長 情報管理対策室室長の嶌内でございます。よろしくお願いいたします。
まず、3年度は実際の状況を想定して訓練いたしまして、2つインシデントの対応訓練を行ってございます。まず、今、話題になりました機構職員に対して、マルウエアのリンクを含む標的型メールが配信された状況を想定した標的型攻撃メール対応訓練ということと、あと、明細のほうに記述がございますけれども、機構システムへの不正アクセスが発生したことを想定し、手順書に基づいた各種エスカレーションを実施するエスカレーション訓練というものも実施してございます。
もう少し補足させていただきますと、標的型攻撃メール訓練に関しましては、年度ごとにマルウエアのリンクを含む場合、もしくはマルウエアが添付ファイルの場合など、メールのパターンを変えて訓練を行ってございます。エスカレーション訓練に関しましては、今年度はセッションハイジャックを想定してやってございますが、年度ごとに想定するインシデントを変えて訓練を実施しています。こういったバリエーションを持ってやってございますが、それの基となる手順に関しましては、これはインシデント対応手順という手順の中にそういったバリエーションの違いが含まれた手順でございますので、その1つについて毎年実施しているということでございます。

○齋藤委員 分かりました。安心しました。どうもありがとうございます。

○増田部会長 それでは、全員の方に御発言いただきましたので、特に追加がなければ、これについてはこの程度ということにいたしまして、次回に向けて、本日の御意見等を踏まえて修正していただきまして、それで引き続き、次回も本日の続きということで、この関係を議題にいたしたいと思います。
それでは、議事を進めまして、「その他」の報告事項ということになります。資料3になるかと思いますが、機構のほうから「ねんきん定期便等の調達における談合事案について」、こちらの資料が提出されておりますので、まず説明をしていただきまして、これについての質疑応答をいたします。それでは、お願いします。

○田中日本年金機構企画調整監 資料3を御覧ください。「ねんきん定期便等の調達における談合事案について」という資料でございます。
こちらの1枚紙の4つ目の○を先に触れさせていただきますと、令和4年3月3日に公正取引委員会が、機構が発注します「ねんきん定期便」等のデータ印刷サービスの入札参加事業者に対しまして、計26社の違反事業者に対し、平成28年5月から令和元年10月に行った契約に関しまして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行っております。また、この際、併せて機構に対しまして改善要請が行われております。このことについて御報告させていただきます。
経緯といたしまして、こちらの一番上の○を御覧ください。平成28年1月に匿名の談合情報が機構に寄せられました。1月27日に、機構としましては、予定していた入札執行を中止するとともに、応札希望事業者に対するヒアリング調査を行いました。
調査の結果、特に談合を疑わせる事実は機構として確認できなかったため、独占禁止法等に抵触する行為は行っていない旨の誓約書を提出させた上で再度入札を実施しております。この際、※1のところに書いてございますが、機構には「談合情報対応要領」というものがございまして、今回の公正取引委員会の通報に係る記載もございますが、この際には、匿名の情報等であって、明らかに対応の必要が認められないものに該当すると判断いたしまして、公正取引委員会への通報は当時行っていなかったものでございます。
その後、令和元年10月に、公正取引委員会が事業者、この際には32社でございましたが、に対しまして立入検査を開始いたしまして、その後、令和4年3月まで調査が継続していたというものでございます。その間、機構としましては、公正取引委員会の調査に対しまして協力を行ってきたという経過がございます。
公正取引委員会から、機構に対する改善要請の概要でございますが、資料の中ほど、※3のところに書いてございます。2点でございます。今後、談合情報に接した場合に、日本年金機構の発注担当者が適切に公正取引委員会に通報し得るよう、所要の改善を図ること。
2点目といたしまして、入札方法について、入札前に入札参加者が他の入札参加者を把握することができないよう、入札方法の見直しなど、適切な措置を講じること。
こうした2点でございました。
機構としての対応、2でございますが、令和4年3月31日付けで、違反事業者に対しまして入札参加資格の停止措置を実施いたしております。
また、違反事業者に対しまして、契約に基づきまして違約金請求の手続を開始しております。また、公正取引委員会の命令の確定後、3月3日から6か月以後になりますけれども、以降、精査した上で損害賠償請求を実施していく予定でございます。
また、公正取引委員会からの改善要請を踏まえた対応といたしましては、談合情報に接した場合の機構内の通報に関するルールの見直し。
また、入札方法につきまして、入札参加者同士の接触を避ける観点からのルールの見直しについて検討を行っておりまして、いずれにしても、見直しに当たりましては、公正取引委員会の指導を仰ぎながら適切に対処してまいりたいと考えております。
説明は以上になります。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、この関係について御意見や御質問がありましたら、どうぞお願いいたします。特によろしゅうございますか。
今の経過で対応のところに書いてございますが、機構のほうで、一番最後の2点について検討中ということでございますので、公取と連絡をよく取りながら、その関係について、ここに適切に対処と書いてございますが、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、特にないようであれば、この関係も以上とさせていただきます。
これで本日の会議は全て終了いたしましたので、次回日程、今日の続きで、また前年度の実績についてということになりますが、改めて、その日程について事務局のほうから御連絡することといたします。
それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。