第1回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

平成31年4月26日(金)13:00~15 :00

場所

厚生労働省 共用第8会議室(11階)

議題

(1)座長の選出について
(2) がんゲノム医療の提供体制について
(3) がんゲノム医療拠点病院等の指定要件について
(4) その他

議事

 

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第1回「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。厚生労働省健康局がん・疾病対策課の向井と申します。
本ワーキンググループの開会に当たり、厚生労働省大臣官房審議官の佐原より御挨拶申し上げます。
○大臣官房審議官(がん対策担当) 皆様、こんにちは。本日は、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。私、がんを担当しております審議官の佐原と申します。
皆様、御存じのとおり、政府では、がんゲノム医療の実装化ということに向けて取組を進めております。この前身のサブワーキンググループがありましたけれども、そこでも最初に御議論いただきまして、昨年2月にがんゲノム医療中核拠点病院11カ所を指定させていただきまして、その後、連携病院もありまして、ことし4月までに156カ所、公表しております。
また、がんゲノム医療を受けた患者さんの情報を集約していくがんゲノム情報管理センターも昨年6月に国立がん研究センター内に設置しまして、準備を進めてきたというところであります。
また、これまで先進医療において実施されてまいりました遺伝子パネル検査、2つありましたけれども、昨年12月に製造販売承認が得られまして、これらのパネル検査について、一昨日、4月24日の中央社会保険医療協議会総会におきまして、パネル検査の保険適用の要件として、がんゲノム情報管理センターへのゲノムデータ等の提出を必須とするということが承認されたところであります。当初の工程表どおり、整備が進んでいると考えておりまして、これもひとえに皆様方の当初からの御協力の賜物と感謝しております。ありがとうございます。
引き続き、今度は、この新しいワーキンググループにおきまして、今後のがんゲノム医療の提供体制のあり方、それから中核拠点病院等の指定要件等につきまして、また積極的に御議論いただき、意見をまとめていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、引き続き、座長が選任されるまでの間、進行を務めさせていただきます。
次に、構成員の御紹介をさせていただきます。
石川俊平構成員です。
小杉眞司構成員です。
佐々木毅構成員です。
土原一哉構成員です。
中澤温子構成員です。
中島貴子構成員です。
西田俊朗構成員です。
前田高宏構成員です。
三好綾構成員です。
事務局からの出席者については、座席表を御参照ください。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
お手元の資料ですが、まず、座席表と議事次第。
資料につきましては、1から4、
資料1「開催要綱」
資料2「がんゲノム医療の進捗状況について」
資料3「がんゲノム医療の提供体制について(案)」
資料4「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件について(案)」
また、参考資料が1部ついております。
資料に不足、落丁がございましたら、事務局までお申し出ください。
以上をもちまして撮影を終了し、カメラをおさめていただきますよう御協力をお願いいたします。
(カメラ撮影終了)
○事務局 それでは、議題1「座長の選出について」に移りたいと思います。
本ワーキンググループは、資料1の開催要綱3の(2)にございますとおり、構成員の互選による座長を置くこととしております。
御推薦がございましたら、お願い申し上げます。
土原構成員、お願いします。
○土原構成員 西田俊朗構成員を推薦いたします。
○事務局 ほかにはいかがでしょうか。
それでは、西田構成員にお願いすることでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○事務局 では、全員一致のようですので、西田構成員に本ワーキンググループの座長をお願いいたします。
西田座長、座席の移動をよろしくお願いします。
(西田構成員、座長席に移動)
○事務局 では、この後の進行は西田座長にお願いいたします。
○西田座長 国立がん研究センター中央病院の西田でございます。御指名でございますので、座長をさせていただきます。
先ほど佐原審議官からの御挨拶にありましたように、一昨年になりますか、平成29年12月25日、がんゲノム中核拠点病院等の整備指針が出されて、その1年後、昨年のクリスマスになると思いますけれども、2種類のパネルが承認される。そして、今週、先ほど御紹介があったように中医協で承認されたと伺いました。ということになりますと、いよいよ本当にことしから実診療でゲノム医療が入ってくることになりますので、このワーキンググループの審議は非常に重要になってくるかなと思います。
まず最初のところで、2年前、こういうワーキングがあったのですけれども、それから進捗がございます。半分ぐらいのメンバーの方は、そのときのワーキンググループに参加されていた方で、よく御存じだと思うのですけれども、もう一度振り返ってみたいと思いますので、事務局のほうから資料2「がんゲノム医療の進捗状況について」というのを御紹介いただいて、皆さんの認識を共通にさせていただきたいと思います。
では、事務局のほうからよろしくお願い申し上げます。
○がん対策推進官 事務局でございます。
お手元には、資料2「がんゲノム医療の進捗状況について」を御用意ください。
スライド2枚目でございます。今、座長、御指摘いただきましたとおり、現行の指針でございますが、2017年の中ごろ、サブワーキンググループのほうで御検討いただきまして、現在、その右側の中核拠点病院等のワーキンググループを本日開催させていただく次第です。がんゲノム医療について、歴史をここにまとめさせていただいておりますが、11の中核を昨年2月、ことしの4月までに連携病院156を公表させていただいています。
おめくりいただきまして、3枚目、平成30年3月に閣議決定させていただきました第3期がん対策推進基本計画の中では、真ん中に赤字でございますとおり、2ポツの(1)でがんゲノム医療と、基本計画の中でも初めて位置づけを得て推進させていただいている次第です。
下のスライド4枚目には、その基本計画の中で、がんゲノム医療で6項目取り組むべき具体的な施策を挙げておりますが、本日、御議論いただくのは、マル1のがんゲノム医療提供体制の整備ということで、中核拠点病院とか、その他、新たな1類型を本日御提案させていただきますが、こちらの要件を御検討いただきたいと考えている次第です。
おめくりいただきまして、5枚目のスライドがこのがんゲノム医療推進の全体像でございますが、一番上にありますとおり、がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議というところで全体施策の方向性を決めさせていただく中で、その下のがんゲノム医療中核拠点病院などの3つの類型の病院で、患者さんに対して実際のがんゲノム医療を提供する体制を現在敷いている次第でございます。
その中で、がんゲノム医療中核拠点病院の要件につきましては、先般、平成29年にサブワーキングで御議論いただいた内容でして、大きく8項目あるのが6枚目のスライドに示させていただいている内容でございます。
おめくりいただきまして、7枚目と8枚目のスライドが、この6枚目の項目、具体的にはかなり細かく規定しておりますが、それらに基づいて指定させていただいた11の中核拠点病院と、156は、その中核拠点病院が指定していただいたものを厚生労働省で公表させていただいています。一覧は8枚目のスライドにお示しさせていただいたとおりでございます。
引き続き、9枚目でございますが、現行ありますがんゲノム医療中核拠点病院とがんゲノム医療連携病院の機能の違いということでございますが、ゲノム医療の実際の検査に当たりまして、エキスパートパネルの部分で黄色くハイライトしている部分に差異が1つございます。中核拠点はそちらを開催していただくこと。連携病院は、その中核拠点病院の会議に御参画いただくことに違いがあります。一番右でございますが、研究開発については、中核拠点病院に必須の要件とさせていただいているのが現状でございます。
そのがんゲノム医療の検査に関して、がんゲノム情報管理センターの枠組みを示させていただいているのが10枚目のスライドになります。
通常の検査でありましたら、この左側にあります、患者さんが受診する連携病院もしくは中核拠点病院から、衛生検査所等の検査施設に検体が行き、検査報告書が返ってくる、この往復で終了するところでございますが、このがんゲノム医療の枠組みについては、患者さんの同意が得られた場合について、配列情報の元データと臨床情報をC-CATに登録いたしまして、C-CATから臨床的意義づけのついた調査結果、赤い矢印でございますが、この中には、治験情報も含めて、どこで受けられるのかといったことを付与する予定でございます。こういったものも合わせてエキスパートパネルにお諮りした上で、患者さんに適切な検査結果を返していくといった全体像を考えている次第であります。
おめくりいただいた11枚目は、先ほど座長より御指摘ありましたパネル検査の現状でございまして、先進医療の中の1個、NCCオンコパネルは、登録を終了し、薬事の製造販売承認を受けております。もう一社、Foundation Medicine社のFoundation Oneについても同時期に製造販売承認を受け、審議官の佐原より申し上げたとおり、おとといの中央社会保険医療協議会において、ゲノムデータの提出、臨床項目の登録が保険診療上の要件にもなるということが方向性として承認された次第であります。
12枚目のスライドが、このがんゲノム医療の提供に係る人材の教育・育成に係る事項をまとめさせていただいておりますので、御参照いただければ幸いです。
13枚目のスライドが、中医協で議論になりましたパネル検査をいつ使用するかといったことでございますが、現状では、3学会のガイダンスにおきまして、標準的治療のない方、もしくは標準的治療があるが、それが終わった方、標準治療は現時点で最適とされているガイドラインで示される治療でございますが、これらが一通り終わった方について、パネル検査の対象とさせていただきたいと考えております。こちらは、3月8日のがんゲノム医療コンソーシアム運営会議、及びおとといの中医協でいずれも承認いただいた内容となっております。
引き続き、そのパネル検査が終わった後、患者さんにいち早く薬をお届けするといった観点からは、14枚目に、今後どういった形で医薬品への患者アクセスを推進していくのかといった話をまとめております。
15枚目は、具体的に先進医療、治験、患者申出療養といった枠組みを使用して、一人でも多くの方が薬に結びつく体制を整えていきたいと考えておる次第です。
16枚目は、先般のコンソーシアム運営会議に提示された、現時点での工程表をおつけしております。
事務局からは、以上でございます。
○西田座長 ありがとうございました。
ちょうど2年ぐらいで、大分進んできたかなと思います。特にがんゲノム情報管理センターが整備されて、遺伝子情報は多分そのまま行けると思います。臨床情報、どういう項目を集めるかということもほぼ決定したということが第1と思いますし、2点目は、当時議論し始めたところ、がんゲノム医療がよくわかる、支える人たちがまだ十分に育成できていないということで、AMEDの補助金等を使って、人材育成も今、進んでいると伺っています。
それから、従来であれば、このパネル検査を、先ほど御指摘がありました標準治療が終了、もしくは終了が見込まれるところで使った場合は、10%内外の患者さんしかお薬が届かなかったということですけれども、それをできるだけ多くの患者さんに届けよう、国のほうでもそういったシステムをつくろうということが今、進んでいるというお話がいただけたかなと思います。
全体を通して、委員の先生方、御質問、御意見ございましたら、ぜひよろしくお願い申し上げます。
土原構成員、何かございますでしょうか。
○土原構成員 今、この2年間の進捗を御紹介いただきましたが、私も前回のサブワーキングのメンバーでしたので、当時、我々が予想していた以上に非常に急速に全国に広まったと考えております。恐らくこれは、もちろん厚労省だけではなくて、全国の医療機関、それから患者会を含め、社会的な要請が非常に大きな課題だったということの反映だと思っています。きょう、この後の審議になると思いますが、さらにこれをより急速に、かつ堅牢なものにしていくというところが非常に大きな課題だと考えています。
○西田座長 ありがとうございました。
三好構成員、よろしく。
○三好構成員 ありがとうございます。
質問が2点ございます。
まず、1点目は、このゲノム医療をスタートしようというときに、小児がんという大きなキーワードが入っていたかと思いますけれども、このパネル検査が保険承認になっていくということですけれども、小児がんの今後の立ち位置というか、今後、パネル検査においてどうなっていくのかというのを、まず教えていただきたいのが1点です。
もう一点は、保険診療が始まったときに、鹿児島であれば連携病院が今の時点であり、そして、ひもづけがされている中核病院があるのですけれども、その先が保険適用のものだけであれば、当然、皆さん、保険適用でできると思うのですが、全国的にいろいろなパネル検査を行っているところがあると思うのですけれども、全て一斉に保険診療に統一されていくのか、少しタイムラグのようなものがあって、例えばここの地元の病院であれば保険適用にならないとか、なるよという差が出てくるのかどうかというのを教えていただけますか。
○西田座長 事務局のほうから。
○がん対策推進官 事務局でございます。御指摘ありがとうございます。
まず、小児がんのパネルの件でございますが、現在、幾つかの医療機関で研究開発がなされていると承知しております。ただ、11枚目のスライドにあるものではないという認識になります。我が国は公的保険制度が整備されておりますので、このパネル検査をどういった形で広くあまねく提供していくかということでございますが、そういった意味では、我が国では保険に載る以上は薬事承認を得て、そこで有効性を担保された製品を提供していくことになります。
その提供先は、この制度、枠組みで、まさに本日の議論のところですが、中核拠点病院11カ所と連携病院の156カ所できちんと質を保ってやっていこうと考えておりますので、
小児がんについては、今後、パネルが開発されて薬事承認がされていけば、この11足す156病院で提供させていただく枠組みに乗せていくことを考えております。
あと1点、申しわけございません、誤記がございまして、12枚目のスライドの人材育成の受講人数でございます。一番右側、平成31年度末までに457名と書いておりますが、平成30年度末の間違いでございます。大変失礼いたしました。この場をかりて訂正させていただきます。
○西田座長 ありがとうございます。
前田構成員、どうぞ。
○前田構成員 今、三好様のほうから小児がんのお話がありましたけれども、私、血液がんを専門にしておりまして、今回、固形がんのパネルは、あくまで血液がんの遺伝子異常には当てはまらないものでして、保険のほうももちろん対象にはなっておりません。日本血液学会を中心にしてガイドライン作成を昨年しまして、なるべく早く保険診療としての血液がん。その場合には、適用が固形がんとやや異なりますので、その辺の御理解もいただけたらなと、この場をかりてお願いしたいと思います。
○西田座長 中澤構成員、もし小児がんに関して追加で発言があれば、どうぞ。
○中澤構成員 詳しいところがまだ決まっていないかもしれないのですけれども、今回、NCCのオンコパネルのほうは、年齢制限というか、対象の患者さんはどういうふうになっていますか。小児の患者さんはもう対象にならないということでしょうか。
○がん対策推進官 これは、中央社会保険医療協議会で議論されることになっておりまして、先進医療においては成人のみという形になっておりますが、保険診療でどのような取り扱いをするかは、繰り返しになりますが、中央社会保険医療協議会での議論事項でございます。
○中澤構成員 NCCオンコパネルに関しては、小児がんの研究グループでもパイロット的には検査しておりまして、小児がんに対応できる遺伝子もかなり含まれていますので、そのあたりを御考慮いただいて、小児がんを含めて希少ながんを、性能検査とか、いろいろな道筋を立てるときに、数の問題からいって非常に険しい道のりになることが想像されますので、小児の患者さんにもパネル検査をなるべく広く受けられるような体制を望んでいるところです。
○西田座長 ありがとうございます。
2つあって、1つは、パネル検査に関しては、今回はFoundation OneあるいはNCCオンコパネルが承認されていますけれども、一般的な固形がんに対するもので、先ほど御紹介ありましたように、血液は違いますし、小児も一部違うところがあると思います。それから、もっと正確に言うと、同じ固形がんでも、例えば肉腫のようなものはこの範疇にはなかなか入らないということになりますので、今後、それがちゃんと研究開発され、エビデンスが出てくれば、承認という話になるかなと思います。パネルのほうはそうで。
あとは、小児の施設に関しては、小児の拠点病院も含みますので、その中で行われるという理解でいいのではないかなと思います。
よろしいでしょうか。
小杉構成員、どうぞ。
○小杉構成員 先ほど、保険収載に当たってC-CATの登録が条件だという話ですけれども、それは総論としての話なのか、個別のケースについてという話なのか、どっちでしょう。
○がん対策推進官 事務局でございます。
おととい議論に上がったのは、別にここの2社を意識してというわけではなくて、総じて、このパネル検査においてはということで、このゲノムデータと臨床項目を登録することを要件としてはどうかということで、おおむね合意されたと認識しております。
○小杉構成員 ということは、C-CATへの登録に同意しない人は、保険では検査を受けられないということでしょうか。
○がん対策推進官 御指摘ありがとうございます。事務局でございます。
その点は、患者の同意があった場合にあってはという条件がきちんとついておりますし、3月8日のがんゲノム医療コンソーシアム運営会議でも、基本的に患者の同意があった上で、データはC-CATに登録するということは明確に言われております。
○小杉構成員 ということは、総論としてということですね。
○西田座長 ほか、よろしいでしょうか。おおむね御理解いただいたと思います。
では、もう一つ、資料がございます。資料3で、今後のことが少し書いてあります。こちらのほうが、きょうの非常に重要なポイントになるかと思いますけれども、「がんゲノム医療の提供体制について(案)」となっていますけれども、これの御説明をいただいた後、少しまとめをしたいと思います。
では、事務局のほうから御説明をよろしくお願いします。
○がん対策推進官 失礼いたします。
お手元に資料3を御用意ください。本日、御議論いただきたいがんゲノム医療の提供体制について、論点等をまとめさせていただいております。
スライド2と3でございますが、本日、御議論いただきたい論点は、大きく分けて2つございます。1つは、2枚目のスライドにまとめている、指定要件に係る論点。一旦、おめくりいただきますと、3枚目のスライドにある、もう一つは、指定期間や手続に係る論点、この2つをまず大きな方向性を御議論いただきまして、その後、資料4は個別の具体的な要件(案)ということでございますので、追って御説明させていただきたいと思います。
まず、資料3にお戻りいただきまして、2枚目のスライドでございますが、指定要件に係る論点として、4つ提示させていただいております。
1つは、これまで1年半ほど、この制度を運営させていただいておりまして、幾つか、実際の申請の過程であるとか、年度途中に疑義照会をいただいたり、今般、見直している中で不明確だったなと事務局のほうでも思うところがございましたので、要件の明確化や実態に合わせた修正を幾つか御提案させていただきたい。
マル2が1つ大きいところでして、今般、がんゲノム医療拠点病院という新しい類型を設けさせていただきたいと考えておりまして、この要件の考え方について御議論いただきたいと思います。後ほど絵とともに御説明させていただきます。
3つ目は、がんゲノム医療中核拠点病院を含め3類型、今後、設置したいと思いますが、これらの相互の連携体制はどうあるべきか御議論いただきたいというのと、4つ目、実績要件として、特に拠点病院はどういう水準にすべきか、資料4の中で御議論いただきたいと思います。
おめくりいただきまして、3枚目のスライド、指定期間・手続に係る件、こちらも4つほど小項目を設定させていただいておりますが、この検討会で方向性をまとめていただいた後は、実際の指定ということが待っておりますので、そのときに、拠点病院の指定に当たっては、地域性の考慮について、どのように考えるべきかを追って御議論いただきたいと思います。
もう一つ、マル2は指定期間についてでございますが、これは後ほど最後のスライドで御提案いたします。今までは、中核拠点病院が最初2年、その後4年といったことを書かせていただいていたのですが、若干実態に合わないかなと考える部分がございましたので、それをあわせて修正したいという趣旨でございます。
マル3は、3類型できますので、どの病院が連携体制に責任を持つか。
マル4は、そういった連携体制について取りまとめるに当たり、必要な経過措置の御提案をさせていただきたいというのが論点の概要でございます。
スライド4枚目は、先ほどの再掲になりますが、がんゲノム医療中核拠点とがんゲノム医療連携病院のほかに、今般、新しく、赤字になっておりますが、がんゲノム医療拠点病院というものを新設させていただきたいというのが本日の大きな論点のうちの一つです。
スライド5枚目に移っていただきますと、がんゲノム医療拠点はどのような位置づけかということでございますが、今までは、連携病院は全てエキスパートパネル等、中核拠点病院の会議に参画するなど、医療提供体制を中核拠点に委ねるところがありましたが、11病院しかございませんので、ここが現実問題、ボトルネックになることを若干想定しております。したがいまして、そういった医療提供体制について自己完結できるような類型として、拠点病院を御提案させていただきたいという趣旨です。
ですので、このスライドの左側、医療提供体制については、中核拠点病院とがんゲノム医療拠点病院について、同等の要件を求めてはどうか。
もう一つ、人材育成、治験・先進医療などがございますが、ここは引き続き、中核拠点病院のみにそういった研究開発も含め、要件として求めていってはどうかというのが御提案の大きな枠組みでございます。
その中で、2つ、論点が出てきまして、医療提供体制において、現在、がんゲノム医療連携病院が複数の中核拠点病院と連携されていると認識しております。ただ、今後、パネル検査が実装化されまして、患者数がかなりふえてくることを想定しておりますので、そういった連携するときの責任の所在を明らかにするという意味で、主に1カ所の中核拠点あるいは拠点病院と連携するといったことを整理させていただいてはどうかというのが1点目の御提案です。
もう一つは、人材育成、治験・先進医療は、これまでも幅広く連携、中核拠点の開催する研修を受講していただきたいということを申し上げていたのですが、あえて線を引いておりませんが、実際どのような連携のあり方が望ましいのかといったことを御議論いただきたいと思っております。
6枚目のスライドは、実際に遺伝子パネル検査とか、右のほうに研究開発、人材育成を書いておりますが、今、申し上げたことを具体的にもう少し書き下した内容になっておりまして、左側の医療提供、遺伝子パネル検査関係の内容については、中核拠点病院と拠点病院が基本的に同じ文字が書いてあることを見ていただけるかと思います。一方で、右側の研究開発、人材育成については、拠点病院と連携病院は同じ文字を書かせていただいております。
これまでは、連携病院について、中核拠点病院が半年をめどに御指定いただいて、厚生労働省のほうで公表させていただいてきておりますが、これからパネル検査が実装化されていくことも考えまして、今後は1年ごとをめどとして御報告いただいてはどうかというのが、若干細かいことで恐縮ですが、1点御提案でございます。
最後、おめくりいただきまして、7枚目のスライドです。これは、指定期間、手続に係る論点でございますが、一番上、中核拠点病院は、現行の指針では、初回は2年、2回目以降は4年という記載がございます。したがいまして、現行の指針ですと、その点線のように、2020年にもう一度指定を更新させていただく機会がございますが、ここから4年指定するという形になります。
一方で、本日、主に御議論いただきたい、青で書かせていただいているがんゲノム医療拠点病院は、なるべく早く指定させていただきたいと思いまして、こちらは9月と具体的に示させていただいておりますが、秋口をめどに指定したいと考えております。この中核拠点、拠点と連携という3類型について、相互に関係性が深うございますので、見直すときは皆様一緒で見直すのが妥当だろうと当方は考えているのですが、このままでは半年というのは余りに短過ぎるだろうということで、現実的には2年半とさせていただいてはどうか。
先ほど土原構成員からも、当初、想像していたより、かなり急速な進展が見られている領域ですので、そういった意味では、中核拠点も、次の指定期間を一旦2年とさせていただいて、要件の見直しの際に、改めてその後の指定期間について議論させていただいてはどうかというのが、こちらの図で示させていただいたメーンのポイントとなります。
一番下に黒で書いてあるのは、このゲノム医療の中核拠点、拠点もしくは連携の審査の大前提となる、がん診療連携拠点病院と小児がんの拠点病院の指定期間を参考までにお示ししたものです。現在は、2019年から4カ年ということで、2023年の3月までということで指定期間が設定されております。
事務局からは以上となります。
○西田座長 主に今回のワーキングのポイントを紹介していただいたと思います。その中でも、がんゲノム医療拠点病院というのをつくるかどうか。つくるという方向になると思うのですけれども、これをつくるとすれば、その条件は何かというのが一番ポイントになるかなと思います。拠点は、私自身も要るのではないかと思って、正直申し上げて、11の拠点病院でエキスパートパネルを全部やれと言われたら、毎日、エキスパートパネルを11の病院はしなければいけない。8時間以上、ずっと続けなければいけないような現象が起こる可能性が非常に高いので、ある程度は地域にそういうものをレギュレーションするところをつくっていかなければいけないかなと思っています。
それでは、資料3に関して、まずスペシフィックに御意見、御質問ございましたら、遠慮なく、どうぞ。
三好構成員。
○三好構成員 ありがとうございます。
済みません、シンプルな質問ですが、まず新規に増設される拠点病院に関しては、何病院ぐらいを想定しているかということと。
あと、基本的には、今、指定されている連携病院の中から選んでいくというイメージで合っているのか、教えてください。
○がん対策推進官 事務局でございます。
病院数については、おおむね30病院前後を考えております。実際の申請でございますが、連携病院から実態としては申請されるのだろうと思っておりますが、あくまでがん診療連携拠点病院もしくは小児がん拠点病院であれば、要件さえしっかり整えば、申請するものを拒むものではありません。
○西田座長 佐々木構成員。
○佐々木構成員 後々審議されることかもしれないですけれども、現在、例えばがんゲノム医療中核拠点病院と連携している連携病院が、がんゲノム医療拠点病院のほうと新たに連携して連携を変える、再編成するという考え方はございますでしょうか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
まさに御指摘のとおりでして、5枚目のスライドに示させていただいているとおり、現時点では拠点病院という概念がございませんので、ここに手挙げしたいと思っている連携病院も、どこかの中核拠点病院と連携されている。そこで、医療提供体制において連携という意味では、エキスパートパネルをどこに主に依頼するのかといった関係が再編成されるものと理解しております。
○西田座長 土原構成員、どうぞ。
○土原構成員 では、同じくスライドの5枚目に関してですが、御説明あったとおり、拠点病院というのは、がんゲノム医療が完結できる施設であるということを考えますと、エキスパートパネルが開催できることは当然ですが、これは治療まで結びついて初めて完結と考えます。
そうしたときに、6枚目になりますが、今、拠点の案のところですと、治療というところは当然必須となっていますが、先ほどの資料2でお話があったとおり、現実には、これが承認外の薬を使わなければならないケースが多いと考えますと、その条件つき承認であるとか先進医療、それから患者申出療養制度といったところは、この拠点病院がかなり担うことも想定するべきではないかと思います。
そう考えますと、研究開発、先進医療・治験といったところが、いわゆるこれまでの連携病院と全く同じ連携というレベルでいいのか、それともある程度、例えば治験の実績等々を考慮する必要がないのかというところに関して、どのような議論になっているか教えてください。
○がん対策推進官 事務局でございます。
そこをまさに我々も問題意識を持っておりまして、具体的には資料4で御説明させていただこうと思っていましたが、資料3の2枚目のスライドの一番下に実績要件の基準と書かせていただいているのは、まさに同じ問題意識で、治験や先進医療への登録件数とか、どのような水準が拠点病院として望ましいかというのを御議論いただきたいと思っております。
○土原構成員 ありがとうございます。
それから、同じ質問ですが、5ページに戻りまして、連携病院が拠点ないし中核拠点と1対1の関係を主とするというところは、これも責任のある体制ということでは理解するのですけれども、現実問題として、治療というところまでを考えて、恐らく複数の中核拠点病院に連携している連携病院という考え方もあるのではないかと思います。ですので、このあたり、なぜ1対1が望ましいのかというところに関しても、特に連携病院に対して、もう少し丁寧な説明が必要になるのではないかと思います。
○西田座長 どうぞ。
○がん対策推進官 事務局でございます。ありがとうございます。
そういった意味で、我々の趣旨としては、エキスパートパネルにかけねばならない症例数がかなりふえてくることを想定して、主たると申し上げたのですけれども、土原構成員、御指摘のとおり、場合によっては、こちらの中核もしくは拠点に依頼したいといった連携先を複数持つ場合に、どういった場合に認めるべきか。そういった責任の所在を明確化する意味で、その点、御意見いただけると大変ありがたく存じます。
○西田座長 中島構成員、どうぞ。
○中島構成員 今、多くの連携施設が複数の中核拠点にぶら下がっている、連携していると思うのですけれども、実際に我々も複数参加していますが、最低、週に1回、エキスパートパネルが開催されることを考えると、現実的に複数の中核拠点にぶら下がると、現場が物すごく大きくなると思われますので、検査とエキスパートパネルの連携、拠点、中核拠点のラインと治療とは、ちょっと別に考えたほうがいいのかなと思います。
○西田座長 私もそのとおりと思います。検査結果を出すところと治療するところは、必ずしも同じでなければいけないとは思いませんし、法的には、これは問題ないですね。
ありがとうございます。
土原構成員、中島構成員の指摘、非常に重要なところで、特に拠点病院が未承認薬を適正に使え、なおかつそれを報告できる。未承認薬ですから、もし何かあったら厚労省に報告してもらわないといけないわけなので、それを的確に迅速にできる体制を持っている病院でなければいけないということは、あるいは経験を持っているということは非常に重要ではないかなと思います。
そのほか、三好構成員、患者さんの立場から何かございますか。
○三好構成員 ありがとうございます。
後ほど指定要件のところで出てくるかもしれないのですけれども、患者会として大きなエッセンスとして望みたいのが、医療体制は当然整えていただくのですが、最初にもお話がありましたとおり、その中でいろいろな病気がわかったり、遺伝子の変異がわかったときの患者さんのケアであるとか。
また、私たちの患者サロンというところにいろいろな患者さんが御相談に来られますけれども、大体の患者さんは、このゲノム医療に物すごく期待して来られます。治る治療が出たのかという問い合わせが相変わらず続いておりますので、できましたら一般の国民の皆さんを対象に、ゲノム医療は今、ここまで来ていて、大変夢のあるものではあるけれどもというところをきちんと啓発していただくというエッセンスも、工程の中のどこかに入れていただけるとありがたいのですけれどもね。多分、後ほど指定要件のところで出てくるのかなと思いますが。
○西田座長 ありがとうございます。
広報というか、一般の人に知っていただくことも非常に重要ですね。それは、このワーキングというよりは、今、共生の会とか開かれていますので、相談支援のあり方の中でも少し考えていきたいと思います。
○三好構成員 済みません、西田先生、もう一点いいですか。
○西田座長 はい。
○三好構成員 あと、私は鹿児島にいるのですけれども、パネル検査を受けたいと思ったときに、地域性というものでパネル検査までなかなかたどり着けない方がいたり、今後、拠点病院というものができてくればもう少し身近なものになっていくと思うのです。後ほど話される指定要件の中に出てくると思いますけれども、どうか地域性を考慮して、きちんと決めていっていただきたいというのがあります。
○西田座長 ありがとうございます。
その御指摘、ちょうど2年前に議論したときに、中核を決めるときに、地域性を考えましょうという議論をしましたので、今後もそれに関しては十分考えていきたいと思います。また、医療提供者、及び先ほど申し上げたように、こう言っては失礼ですけれども、患者さんのがんゲノムに対するリテラシーを上げていくという活動も重要ではないかなと思います。
中澤構成員、どうぞ。
○中澤構成員 今の連携病院と拠点病院と中核拠点のつながりを1対1にしたいというところはわかるのですけれども、エキスパートパネルに実際に参加していますと、もちろん固形がん、多いものに関してのエキスパートパネルは、専門家もかなり多いでしょうし、例えばそれぞれの拠点病院で賄えるものだと思うのですが、希少ながんになってきますと、エキスパートパネルのメンバー自体がそこまで経験がない場合もあるので、そういう場合に、例えば一つのエキスパートパネルで結論を出せるものなのか、もう少し専門家のいるところでという考え方も1つ入れていただけると。
小児がんの場合、はっきり言いますと、中核拠点の中のどこにエキスパートパネルをお願いしていいかどうか、ちょっとわからないようなところもございますので、そんなところも考慮していただけるとありがたいと思います。
○西田座長 中澤構成員が言いたかったのは、多分、一番最後の部分だと思うので、それは承知しました。小児がんの人ができるだけ困らないような形で入れ込んでいきたいなと思います。特に、成育とうまく連携してやることも非常に重要だと思いますので、これも考えていきたいと思います。
ほか、ございませんでしょうか。
今、御議論いただきましたけれども、がんゲノム医療拠点病院の考え方というのは、医療提供体制においては品質保証が要るということで、高い質の医療が提供できるところでなければいけないということで、基本的にはよろしいですね。つまり、ほぼ中核に近いレベルまで医療レベルがあり、未承認薬等がちゃんと使えるという所でよろしいですね。はい。
それから、本来、人材育成、それから治験を主たる機関としてやるというのが中核病院だったと思います。これは、ゲノム中核は臨床中核でもありますので、もともと中核でいいのではないかと考えます。これらを拠点に求めるのは、それはなかなか厳しいと思いますので、それは求めないということでよろしいですか。
あと、先ほどから議論にありました、連携体制をどうするか。私も、中島構成員の意見、非常によくわかりまして、1時間置きに1人ずつ、別のところとやっていく、しかも次の終わるのを待ってやるというのは非常に大変かなと思うので、1つにしろとは言わないけれども、絞っていったほうがいいのではないかと思います。この連携体制に関して、もう少し突っ込んだ御意見ございますか。
どうぞ、石川構成員。
○石川構成員 先ほど、臨床の負担になるというお話でしたけれども、私の知っているエキスパートパネルというのは、連携から直接エキスパートパネルに来ていただいて議論しているのですが、特にそれが遠い病院でやるとかなり負担になりますので、そこの規則が明示的に書かれているかどうかわかりませんが、オンラインの会議でその必要な時間だけ出ていただくとか、そういう配慮も必要なのかなと思いました。
○西田座長 御指摘ありがとうございます。たしかテレビ会議で十分だと記載されていたと思います。それでも、中島構成員、結構負担になるということでしょうか。
○中島構成員 エキスパートパネルは、各職種が入っていますので、その職種を一堂に1時間集めるというのは労働時間内では非常に難しい。ですので、実際には5時とか6時から1時間、2時間かけてやっているのが現状ですので、エキスパートパネル自体の最低要件、検討要件みたいなものが保険診療になることによって変わっていかざるを得ないのかなと思います。
○西田座長 ありがとうございます。検討すべき疾患あるいはミューテーションと、しっかり検討する必要が必ずしもないミューテーションもあると思いますので、その辺は運用でやらなければいけないかなと思います。
それから、土原構成員から少し御紹介いただければいいのですけれども、エキスパートパネルが、例えばがんセンター中央病院でやった場合、或いは慶應でやった場合、できるだけ均質になるような取組をされていると伺っているのですけれども、そういう理解でよろしいですね。
○土原構成員 中核拠点病院等連絡会議の中の実務者ワーキンググループが昨年度、活動の中では、特にエキスパートパネルのワーキンググループの中で、エキスパートパネルの標準化といったところの議論が進んでいると承知しております。
それから、ことし、3学会の診療ガイダンスの改訂の準備をしております。その中でも、今の御議論にあったようなエキスパートパネルがどうあるべきかについては、アカデミアのほうからも恐らく提案がなされるものと考えております。
こうした格好で、エキスパートパネルは各地で非常に充実した形で行われると思うのですが、実際の先進医療の経験も踏まえまして、診療上のエキスパートパネルの扱いというものをもう少し明確にする必要はないだろうかということは若干心配しております。つまり、これがいわゆる無診察診療に当たるのではないかという危惧を持っている医療関係者が少なからずいると聞いております。特に、連携病院の症例を、中核拠点病院あるいは拠点病院で審議するということが診療行為なのかどうかというそもそも論が明確になる。逆に言うと、そこがしっかりすると、連携の症例に対する検討というものに対して、中核拠点病院側のほうがどのような形で、そのコストを持つのかといったところは、今後の長い期間のことを考えると考えるべきことかなと考えています。
○西田座長 ありがとうございます。
最初の件は重要で、別のエキスパートパネルでやったとしても、結論は必ず同じようになるという試みがちゃんとされているという理解なので、中澤構成員がおっしゃった心配というのは、それほど高くないのではないか。もちろん、小児がんに詳しい医療者がいるところといないところの差は微妙にあるかもわかりませんけれども、エキスパートパネルの結論は多分同じようになるという理解でいいのかなと思います。
後者の連携との関係というのは、まだ微妙なところがあると思いますけれども、あくまでエキスパートパネルは、エキスパートパネルの意見として、レコメンデーションとしてレポートを出すというレベルで行っているのかなと思うのです。土原構成員、そういう理解でよろしいでしょうか。
○土原構成員 もちろん、そうした理解でこれまでも進めてきましたが、こうした保険診療としての確立をしていくという中で、将来の課題として早目に準備が必要かと考えている次第です。
○西田座長 事務局でも少し考えていただければありがたいです。
前田構成員、どうぞ。
○前田構成員 私、全く勘違いしていて、ナイーブなことかもしれないですけれども、コンパニオン診断薬で行われた検査に関しても、エキスパートパネルは基本的に行うという考えでしょうか。それとも、コンパニオンの場合は、結果が全部返ってくるとか返ってこないとか、そういう話はうわさでしか私たち、伝わってこないのですけれども、その辺はどういうお考えですか。
○西田座長 どうぞ。
○がん対策推進官 事務局です。失礼いたします。
1点確認として、それは一部の製品がコンパニオン診断薬としての承認も受けているという前提でということですか。それがおとといの中央社会保険医療協議会でも、まさに議論になりまして、もともとコンパニオン検査としてオーダーしたものであるのであれば、それは患者さんにとってはコンパニオン検査として返るべきであって、プロファイリング部分というのは返却すべきではないのではないかということが言われています。それは、コンソーシアム運営会議でも、3学会のガイダンスもしかり、プロファイリング部分については、現時点ではきちんとエキスパートパネルを経るべきという考えに基づいております。
○西田座長 ありがとうございます。
2番目の連携体制に関しては、1カ所にするかどうかはわかりませんけれども、今よりは少ない数の連携体制にして、責任的な連携先は少なくとも1つだけにするという方向性でいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
あと、指定要件の手続にかかわるところですけれども、これは事務局的な手続的なところが結構大きくあるかと思います。個人的に言うと、1回決めたことを引っ繰り返すのはいかがなものかという意見もあるでしょうし、一方で、がんゲノム医療中核拠点病院の要件を途中で満たさなくなって落ちたときに、拠点病院になれるかといったら、ずれていたらなれないので、それもちょっとつらいものがあるなと思います。この辺に関しては、何か意見、特にございますでしょうか。
土原構成員、何かございますか。
○土原構成員 これも2018年の前回の議論では、最初が2年間で、それ以降が4年間だったということに関しては、特に幾つか中核拠点の要件の中で移行期間をつくったものがありまして、検査室の要件だったと思いますが、それを2年以内に行うこと、ここを最初から4年にしてしまうと、なかなか手がつかないだろうということで、あえて2年で切ることによって中核拠点病院の整備を促進したという意味だったと思います。
その後は、診療拠点病院等々の前例も踏まえて4年が妥当だろうという議論になったと記憶しておりますので、これがまた、今回、変更後の案として2年に短縮になるのであればこれに対する合理的な説明が中核病院に対しては必要になるだろうと考えます。先ほどの御説明のみでは、これが2年で次の指定が来るということは、中核病院の立場としては若干厳しいなと感じた次第です。
○西田座長 中核病院としての立場らしいので、ほかに何か御意見。よろしいでしょうか。
その辺もあると思いますので、11病院に十分説明できれば、それはそれでいいのかなと思います。
先ほどの資料3に対するおおむねの御意見は伺えたかなと思いますので、今から、きょうの本丸でございます資料4に入っていきたいと思います。
これまで具体的にゲノム中核の要件は決まっています。それから、連携のほうも決まっています。一部変更がこの後、御提案されますけれども、それに加えて、ゲノム医療拠点病院の要件はこれでいいかという素案が出ておりますので、先生方の御意見を伺いたいと思います。
では、事務局のほうから簡単に御説明をお願いいたします。
○がん対策推進官 事務局でございます。
そうしましたら、お手元に資料4、A3の資料を御用意ください。「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件について(案)」ということでございますが、この資料全体を通しまして、3列の表を用意させていただいております。
一番左側、がんゲノム医療中核拠点病院と、一番右側の連携病院については、整備指針に記載のある条項を具体的に書き下させていただいております。そして、真ん中にがんゲノム医療拠点病院(案)とさせていただいておりますが、先ほど資料3で御議論いただきましたとおり、医療提供体制に係るものについては、基本的に拠点病院の部分は中核拠点である左側を倣う形で記載。先進医療であったり、研究開発といったものについては、拠点病院である真ん中の列は右側の連携病院の記載を参照する形で記載というコンセプトで御用意させていただいております。
ですので、例えば1枚目でございますが、これはパネル検査の実施体制、医療提供体制でございますので、真ん中の拠点病院(案)は、左の中核拠点病院と基本的に同一の要件で御用意してはどうかというのが事務局からの提案です。
まず、1ページ目について、以上でございます。
○西田座長 では、これについて御質問、御意見ございますでしょうか。
診療機能ですので、基本的には中核と同じで、右に倣えでいいのではないかという御指摘ですけれども、佐々木構成員、どうぞ。
○佐々木構成員 外部認定というのは、前回と同じようにISO15189を考えていらっしゃるということだと思いますが、例えばがんゲノム医療中核拠点病院の場合には、2年間の経過措置を病理に関しては設けたということだと思うのですが、がんゲノム医療拠点病院の場合に、検査室でISO15189の認証を受けていないところが多々あるのではないかという懸念がございます。
というのは、実際に私が適合性認定協会の開示データを全部調べてみたのですけれども、例えば東北地方の秋田、岩手、福島には、検査室のISO15189の認定を受けている病院が1カ所もないとか。全体を通しても、検査室のISO15189の認定を受けている病院というのは140ぐらいで、そんなに数が多くないので、地域性を考えたときに適合する病院がないのではないか。連携病院の一覧を見ても、検査室のISO15189すらとっていない病院が結構含まれているということを考慮した場合に、拠点病院に検査室をもともと持っているというのを要求するのか、それとも病理検査室のように2年間の経過措置を設けるとするのかというのを御議論いただければと考えます。
○西田座長 重要な御指摘だと思います。かといって、トレーサビリティとか、そういうものが保証できないといけないと思いますので、ぜひとってもらいたいなということはございます。
中澤構成員、同じ病理医として何かございますか。
○中澤構成員 ISO15189、まさにうちの病院、この8月に申請しますけれども、病院のほうは、コンサルテーションから認定をとるまでに何百万円、1000万円近いお金がかかるというところが恐らくハードルなのではないかと思いますので、もし地域性を持ってということであれば、そういうところから受けているところにはかなりの予算措置が必要だということは御理解いただいたほうがよいのではないかと思います。
○西田座長 ほかはございませんでしょうか。
今、大きな病院でも、受けていないところは確かにありますね。ですから、いきなりこれがないと難しい、だめというわけにはいかない。ただし、次の更新までにはぜひ受けてもらわないといけないかなと思います。というのは、遺伝子変異で変な変異が出てきたときに、コンタミがあったりすると困りますし、トレーサビリティをきちんと保証したいと思いますので、いかがでしょうか。
土原構成員、何かありますか。
○土原構成員 今、御指摘のとおりで、問題があったときの責任の所在をはっきりするというのは、ここでも同じ原則だと思いますので、ここについては、私も原則としては外部認証をしっかり受けるということは譲るべきではない。ただし、経過措置については、十分考慮する価値はあると思います。
○西田座長 よろしいですか。
では、皆さん、一応外部認証を求める。ただし、経過措置は置く。これは、臨床検査・病理検査、両方に関して経過措置を含めるという理解で進めさせていただきます。
私のほうから1つだけ確認は、30病院程度は病理医が複数名いらっしゃいますね。佐々木構成員、大丈夫ですね。
○佐々木構成員 いると思います。
○西田座長 1枚目は皆さん御了解いただいて。もう一つありますね。
○佐々木構成員 診療従事者ですが、実は病理検査室に関しては細かい規定がありますが、臨床検査室に関する規定が全くないというのが少し気になっておりまして、臨床検査専門医という専門医がございますが、臨床検査医学会という、基本領域19学会に今なっていますが、そこに所属する学会でしっかりと認定を行っている臨床検査専門医のようなものを臨床検査室に置かなくていいのかどうかというところを1つ御議論いただければと考えました。病理検査室のほうは非常に細かく書いてくださっているのですが、臨床検査室のほうに何かそういう人的な診療従事者の要件が要らないかどうかということを御議論いただければと思います。
○西田座長 御意見ございますでしょうか。多分、余り御存じない方のほうが多いかもわかりません。東病院は、ようやく1人置いた。
どうぞ、土原構成員。
○土原構成員 今の件に関してですけれども、これも前回、議論したときに、検体を出すというところに関しては、病理検査室が責任を持っている。検体を出すところは、全ての病院がやらなければいけないことだと。
一方で、シークエンスの検査そのものは、外注を認めるということも前回からお話があったので、恐らく若干そうした温度差があったのかと思います。ですので、そこも踏まえて検討すればいいのかなと思います。
○西田座長 中澤構成員、どうぞ。
○中澤構成員 今までは固形がんを対象にしたパネルということで、病理を非常に重要視していただいたのはありがたいのですが、今後、血液疾患などで骨髄液となると、病理検査室では普通は扱っていませんので、そのあたりは考慮しなければいけないかと思います。
○西田座長 御指摘ありがとうございます。
もう一つは、リキッドバイオプシーが本当に世の中に出始めたときには、検査室に専門医が要るかなと思います。次回、このようなワーキングが開かれるかどうか知りませんけれども、そのときにはまた検討させていただくことにさせていただければありがたいと思います。
事務局も何かございますか。
○がん対策推進官 先ほどの病理検査室、臨床検査室の確認をさせていただきたかったのですが、今、記載では、病理検査室の外部認定のみが経過措置を求めておりますので、臨床検査室にもという御意見があったような気がいたしましたので、その確認と、2年間が妥当かということの確認で、2点でございます。
○西田座長 私の理解、多分皆さんの理解も、検査室も含め両方という理解です。先ほど佐々木構成員がおっしゃったのは、いわゆる臨床検査室のほうのISOをとっていないところが結構多いという指摘だったので、経過措置を置くと理解いただいていいと思います。
今の混みぐあいからいくと、1年ではちょっと難しそうなので、多分2年あるいは2年半ぐらいは要るのではないかと思います。
○がん対策推進官 そういう意味では、3年とか4年というわけではなくて、2年でよかったでしょうかという趣旨なのですが。
○西田座長 佐々木構成員、アイデアはございますか。
○佐々木構成員 2019年9月に指定ということですね。であれば、2年半という期間があるのかなと考えましたが、いかがでしょうか。
○西田座長 皆さん、誰も異存がなさそうなので、次に行きましょう。2枚目、お願いします。
○がん対策推進官 2枚目は、パネル検査結果の医学的解釈可能な専門家集団ということで、エキスパートパネルに係る事項でございます。
こちら、下のほうから先で失礼します。バイオインフォマティクスに関する十分な知識を有する専門家ということで、ここには、現時点で、英文査読済みの論文で共著者でもよいという規定になっておりますが、こちら、学会のほうから、筆頭著者又は責任著者に限るような形にしていただきたいという申し入れが来ております。
また、それとあわせまして、その上の赤字でございますが、次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析等に必要なバイオインフォマティクスに関する十分な知識を有する専門家が1名以上含まれていることというのが、こちらは中核拠点病院の要件に入っております。
これは、当初入った趣旨としては、遺伝子パネル検査の研究開発をするような医療機関も中にはあるでしょうから、こういった専門家が必要であるということだったと理解しておりますので、学会の提案とあわせてではございますが、こういった研究開発をされる病院にあっては、筆頭著者、責任著者に限るのですけれども、そういった方の参加については、自施設で遺伝子パネル検査を実施する施設ということで明確化、実態に合わせて文言の修正をさせていただいてはどうかという提案であります。
その他拠点病院については、中核拠点病院並びでいかがかということでした。
事務局からは以上です。
○西田座長 土原構成員か石川構成員、何か御意見ございますか。
○土原構成員 この件に関して、今、開発するところが中心というお話でしたが、実はこれまでの先進医療等々の経験からいけば、みずから開発していなくても、返ってきた結果の解釈の際に疑義が生じた場合に、いわゆる元データまでさかのぼるということは実際にありました。ですので、そうしたバイオインフォマティクスの知識というのは重要だったと思います。ただし、今回、状況が変わったのは、薬事承認されたパネルができたということですので、これは精度に関してはある程度の保証がついたと考えます。ですので、今回、赤字で書かれたとおり、自施設で遺伝子パネル検査を実施する施設に関しての限定で構わないというのは、私も賛成いたします。
ただし、その下の学会からの要望があったということではあるのですけれども、バイオインフォマティクスに関する専門家が筆頭著者または責任著者に限るかどうかというところに関してであります。多くの学術論文の中で、特にクリニカルシークエンスにかかわる論文の場合には、バイオインフォマティシャンの関与は絶対必要なのですが、必ずしも方法論の開発だけではなくて、実際にクリニカルサンプルの解析結果の責任を持った共著者として入っているというケースが多いと思います。
それを考えますと、これは必ずしも責任著者、筆頭著者ではなくて、現行と同じように、共著として実際にクリニカルシークエンスの論文の著者になっている、あるいは研究経験があるという、これまでの解釈のままで構わないのではないかと個人的には思います。
○西田座長 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 基本的に今の土原構成員の意見とよく似ているのですが、私も最初、自施設ではなくて、外注で遺伝子パネル検査をする施設は、特にこういうものは要らないのかなと思っていたのですけれども、NCCオンコパネルのQCファイルを見る機会がございまして、これががんゲノム医療拠点のエキスパートパネルに返されるかどうかというのは、まだ決まっていないかと思うのですが、もしこれを返されるとすれば、かなり専門的な知識を要するQCファイルで、これがエキスパートパネルの中で、さっき土原構成員がおっしゃった、何かトラブルがあったときに、どういう問題があったのか、検体の特に病理検査室のどういうところで問題があったのかということをフィードバックしていくという非常に重要な情報で、もしエキスパートパネルでQCファイルを議論するのであれば、専門の知識を持った方は必要なのではないかなと思っています。ですので、そこがもしまだ不明確であるというのでしたら、自施設でやっていないところに関しては、望ましいという記載にして、今後どういう運営をするかということで、また2年後改正するというのでもどうかと思っています。
共著、責任著者に関しては、これは先ほどの御意見と同じで、実際にこういうことを、クリニカルでバイオインフォマティクスをやっている方というのは、筆頭著者、責任著者になるケースは非常に限られていますので、これに関しては共著者であっても、エキスパートパネルが推薦した人物であればということでよろしいのではないかと思います。
以上です。
○西田座長 お二人の専門家から非常に重要な御指摘だと思います。実は、中央病院でも、変なシークエンスが出たときにもとに戻ろうということをします。そうしますと、当然、バイオインフォマティシャンがいないとできないですね。そうすると、エキスパートパネルの中にはぜひいてほしい。ただし、論文を筆頭で書いている人がそんなに日本中でたくさんいるかというと、ほとんどいないというのも事実です。コレスポンダーになっている人も余りいません。
ですから、これは共著で十分で、責任を持ってそのデータを解釈できるという人であれば、十分にファンクションすると思いますので、今、石川構成員が言われたように、自施設でやっているときはマンダトリー、でない場合にも望ましいというぐらいの表現があったほうが、私自身もいいのではないかなと。条件としては、論文があるだけで私は十分のように思いますけれども、いかがでしょうか。皆さん、余り異論はないですね。御了解いただいたと思います。
ほか、この2枚目を通して。どうぞ、三好構成員。
○三好構成員 診療従事者の遺伝カウンセリング技術を有するというところですけれども、今までずっと議論されていたカウンセラーが足りない状況がずっと続いているというのが、質問として、いまだに足りない状況であるのかということと。
もし足りてきているのであれば、ここもカウンセラーと書くわけにはいかないのかということと。この時点での医療従事者の職種というのが明らかに決まっていたでしょうか。ドクターでいい、カウンセラーでもいいというような、指定要件の中に詳しい補足があったか、教えていただけますか。
○西田座長 最初の件、小杉構成員、人材育成の状況に関していかがでしょうか。何かコメントございますか。
○小杉構成員 遺伝カウンセラーの養成に関しては、もともと平成9年から16年までの厚生労働科学研究で人材養成の基本プランが決まって、それに基づいて、将来的に国民に信頼される国家資格にするために、修士課程で養成を行ってきているものです。そういう専門性の高いマン・ツー・マンで指導するような人材なので、一度に1カ所で何十人、何百人という養成をすることができません。ですので、絶対的に人数が少ないとは思いますが、それでも実際のがん遺伝子パネル検査に絡むところに関しては、認定遺伝カウンセラーの養成を少しずつふやしているところです。
それから、実際には臨床遺伝専門医でカバーしているところもあるということです。臨床遺伝専門医は、がんの領域に関してもスキルを持っているということで評価されているのです。つい最近ですが、積極的にがん関連のものにかかわる人を手挙げ方式で、専門医制度委員会の専門医のリストの中に追記したところです。数は数えていませんけれども、手挙げしている人だけで200人ぐらいはいるのではないかと思います。
○西田座長 ということは、まだ途上であるという理解をしていただいたらいいと思います。
何か追加でありますか。どうぞ。
○中島構成員 私は内科医なので、病理のことを差し出がましく申し上げてしまうのですけれども、エキスパートパネルの構成員の中に病理の常勤医師が複数名含まれているとなっていて、一方で、1ページ目は、診療従事者のところに、なお、そのうち2名以上は、エキスパートパネルの構成員であるとなっていて、複数名というと三、四名以上というイメージがあるのですけれども、そんなに要らないのではないかという気はするのです。1名でも私はいいのではないかと思っているのですけれども、この食い違いはあえてなのでしょうか。
○西田座長 つくった当時の構成員として、そこまで余り厳密には考えていません。多分、2名以上という理解だと私自身は思っていますので、3人以上ではないと御理解いただければありがたいと思います。ここは、現時点ではこのままで行かせていただこうかなと思います。よろしいでしょうか。
では、次、3ページ目をお願いします。
○がん対策推進官 事務局でございます。
3枚目と4枚目は、4枚目が特に短いですので、一緒に御議論いただければと思います。
3枚目が、遺伝性腫瘍の患者に対する遺伝カウンセリングの件でございますが、こちらも基本的に医療提供に係る事項でございますので、拠点病院の要件としては、中核拠点病院並びとさせていただいてはどうか。そこは御議論もいただきたいと思いますが、下のほうの診療実績の部分でございますが、ここはかねてより申請の際、疑義が多数発生しておりました。今までは、遺伝性腫瘍を含めた遺伝カウンセリングをという記載になっておりましたが、これについては、遺伝性腫瘍の経験が連携病院であっても最低1人あるようにと御回答させていただいておりましたので、そこは明確に読み間違いがないように「に係る」という形で変更させていただきたいというのが、変更前、変更後の趣旨です。
実績数については、現時点で拠点病院は中核と同等を求めてはどうか。
4枚目は、がんゲノムの3類型に申請する以上は、診療拠点病院もしくは小児がん拠点病院であることという要件ですので、こちらは横並びで記載させていただいております。
事務局から以上です。
○西田座長 ちょっと変わったところは、3ページ目の下のところですね。以前調べたときには、カウンセリング実績がそんなにない病院が結構ありまして、少し甘目にしてあったのですけれども、ここ一、二年である程度実績を積んできたであろうという前提で、こういうふうにしています。がんゲノム医療拠点病院というのは、診療実績は中核と同じであるべきということで、この場合は左に倣えになっているのですけれども、これでよろしいでしょうか。
小杉先生、御意見ございますでしょうか。
○小杉構成員 西田先生おっしゃったとおりで、まさにいいかなと思います。このぐらいの数の経験がないと、ちょっとぐあいが悪いかなと思います。
○西田座長 三好構成員、どうぞ。
○三好構成員 先ほどの御説明に関する質問になるかもしれないですけれども、結局、診療実績のカウント方法というのが、患者さんが家族構成などをもとに遺伝子変異がある可能性があるとわかったときに遺伝カウンセリングを受ける場合もありますが、そこからも含まれるという理解で合っていますか。
○がん対策推進官 御指摘のとおりです。
○三好構成員 わかりました。私自身も遺伝カウンセリングを受けたことがあるのですけれども、この分野というのは体制をきちんと整えておいていただかないと、わかってからが、私たち患者はとても苦しむ部分でもありますので、同じ要件を求めておきたいと思います。お願いいたします。
○西田座長 ほかはございませんか。よろしいですか。
御了解いただいたということで、2ページめくっていただいて、マル5に参ります。かいつまんでお願いします。
○がん対策推進官 事務局でございます。
6枚目が短い内容ということと、連携していますので、5枚目と6枚目、あわせてお願いできればと思います。
5枚目が、パネル検査や臨床情報等を管理することと、がんゲノム情報管理センターへのデータ登録に係る事項でございます。これは、がんゲノム医療コンソーシアム運営会議や中央社会保険医療協議会で現に指摘のあった、臨床情報とは何か、ゲノム情報とは何かということをいずれも明確化させていただいております。中核拠点病院の連絡会議が定める臨床情報項目であるとか、ゲノム情報については、塩基配列の元データと遺伝子変異リストをいずれも提出するようにということです。その他は、細かく平仄が整っていない部分を直させていただきました。
6枚目は、そういった検査をするに当たって、生体試料を新鮮凍結で保存可能な体制ということで、これは3類型、いずれも同じ要件が求められると思いますので、横並びで記載させていただいております。
事務局としては以上でございます。
○西田座長 ありがとうございます。
最初のところに関して、特に赤字のところ、土原構成員、石川構成員、何かコメントございますでしょうか。
○土原構成員 赤字のところですけれども、これまでもコンソーシアム等でも議論がなされているところですので、ここについては特にないのですが、1点明確化のために、ゲノム情報の中で「塩基配列の元データ」と「遺伝子変異リスト」になっておりますけれども、この「と」というのがアンドなのかオアなのかというところを御説明いただけますか。
○がん対策推進官 御指摘ありがとうございます。
こちらは、患者の同意があった場合についてはアンドだと理解しております。患者さんの同意がない場合については、こちらの登録は求めないというものでございます。
○土原構成員 私が質問した意図は、確かに現在の承認パネル、組織を使った検査ですと、FASTQファイル、BAMファイルというものが恐らく提供されることはあるのですけれども、今後、新しい技術が出てきた場合に、こうしたところが開示されない薬事承認パネルが出てくる可能性もあるのではないかと若干危惧しております。端的に言えば、リキッドバイオプシーの場合ですが、FASTQファイルというものが研究の段階でも、研究者として入手することが難しい、いわゆる知財の壁です。検査側のほうが知的財産として、そこをみなすために、手に入らないことも十分考えられます。
なので、ここは病院側の要件としては、もし手に入るのであれば出せる状況になるというのは全く問題ないのですけれども、ここの解釈を病院側、施設側のほうが間違わないよう、明確になるほうが親切かなと思います。
○西田座長 専門的な御指摘、ありがとうございました。
石川構成員、何かございますか。
○石川構成員 問題のある点は、先ほど土原構成員におっしゃっていただきましたが、基本的に個人識別符号を含みますので、患者の同意のもとでということだと思います。
現在のパネルですと、こういう元のファイルも恐らく1ギガバイト、2ギガバイトぐらいのサイズなので、特にそれの受け渡しということは問題にならないと思いますけれども、今後、全ゲノムシーケンスが可能性としてあって、ファイルの転送などにかなりの負担がかかるときには、別に何かを考えないとだめかなと思いますけれども、現状はこれでよろしいかと思います。
○西田座長 ありがとうございます。パネル解析範囲では、これでいいですね。
ほかはよろしいですか。
ページをめくったところは、どちらかというと病理学的なところですが、佐々木構成員、中澤構成員、何か御意見ございますか。どうぞ。
○佐々木構成員 6番ですが、新鮮凍結検体、保存可能なとなっているのですが、現在の遺伝子パネル検査は、全てホルマリン固定のパラフィンブロックで行っているということで、この辺の規定は何か要らないのか。といいますのは、実は現在、患者さんからとった手術検体等も含めて、パラフィンブロックの保管年数に関する規定とかは一切ないのです。その辺の保存方法の規定も特にないということで、凍結保存検体だけではなくて、パラフィンブロックに関する規定とか、この文言で何か言及するところが必要なのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○西田座長 御指摘ありがとうございます。
ただ、ここの要件の中に入れるというよりは、むしろ病理学会で手順書等をつくっていただくのが妥当なのではないかなと思います。佐々木構成員、ぜひその辺、考慮いただければありがたいなと思います。
○佐々木構成員 了解いたしました。
現在、実はこのパラフィンブロックの管理というのに、先ほど申し上げましたように規定がないということもありまして、施設によって、かなりまちまちになっているという状態がございます。ですので、今後、前向きに病理検体をとったときの規定なども、私は病理学会の医療業務委員長をしていますので、考えて、また皆様にお返ししたいと思います。西田先生、どうもありがとうございました。
○西田座長 宿題を出して申しわけございません。でも、今の御指摘は非常に重要で、たしか土原構成員、がんセンターでやったのは3年ぐらいまでのやつですね。そのぐらいの短い期間の、割に新鮮なパラフィン固定材料を用いてやっているのです。だから解析がいいので、昔のやつをやると決してうまくいきません。患者さんはお金を払った上にデータが出ないということになりますので、そういった患者さんのデメリットが出ないような、ある程度ちゃんとした規制があったほうがいいのかなと思います。
○佐々木構成員 そういう意味では、前回のサブワーキングの中でも出ていましたが、ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程と、ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程が合本して1冊になったものがございますので、拠点病院も含めて、こちらのほうの取扱い規程をぜひ熟読していただいて理解していただいた上で、検体の保管等もお願いする。なおかつ、病理学会として、今後、手術検体等でパラフィンブロックの保管期間や保存方法などについて、ガイドラインのようなものを皆様にお示しするということにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○西田座長 ぜひよろしくお願いします。前回の文言の中にその2つが入っていると思いますので、ぜひ参考にしていただければありがたいと思います。
土原構成員、追加で何かございますか。よろしいでしょうか。
皆さん、大体御了解いただいたということで、1ページめくっていただいて、7番目です。これが1つ重要な診療の要件になるかと思いますけれども、ここも事務局のほうから、まずかいつまんでお話しいただけますでしょうか。
○がん対策推進官 7枚目でございます。先進医療、治験等に係ることでございますので、真ん中の拠点病院、連携病院並びで要件を用意させていただいておりますが、まさに今、座長御指摘のとおり、下のほうの診療実績のところでございまして、企業治験や医師主導治験、先進医療Bの実績を、中核拠点は過去3年間で100人以上を新しく登録。ただ、連携は過去3年間の間に合計2人以上となっておりますので、拠点病院について、先ほど治療に結びつくことが大事だという御指摘もございましたので、原則は連携病院にということで先ほど御議論いただきましたが、この水準については御意見いただきたいと思っております。
事務局から以上です。
○西田座長 ありがとうございます。
土原構成員、中島構成員、特に診療実績について、先生方の御意見を伺えたらありがたいのですけれども、よろしくお願いします。
では、土原構成員からお願いします。
○土原構成員 これも、前回の中核の100人という基準でありますけれども、これがいわゆる予期しない有害事象というものが、治験等々で行われるときに数%出てくる。となると、100人ぐらい登録していると、複数の有害事象の対応の経験があるだろうという概算をして100という数字を出したと記憶しております。
そうなってきますと、拠点病院について連携病院並みの3年間で2名ということになると、安全性を担保するというところで若干の問題が生じかねないかという心配がございます。ただ、中核拠点病院でも3年間で100例以上ということなると、それはそれなりにハードルが高いものだと思っておりますので、全国に均てん化するという面で、どのあたりの数が妥当かというのはもう少し議論する必要があると思います。
○西田座長 ありがとうございました。
中島構成員、どうぞ。
○中島構成員 ありがとうございます。
確かに100人というのは、かなりハードルが高くなってしまうのかな。特に地域性を考えて30カ所ということになると、ちょっと難しいかなと思います。
一方で、もちろん企業治験もそうですけれども、先進医療Bとか医師主導治験を主導した経験というのは、その施設の体制づくりにかかわってくることですので、こういう経験は非常に重要かなと思います。新薬開発にかかわった患者さんが100人以上という数は減らす。例えば、数十名ぐらいまで減らすとしても、例えば過去3年がきつければ、5年、10年の間に主導して医師主導治験とか先進医療Bをやったことがあるということも、一方で重要な案件なのではないかなと思います。ただ、これも地域性を考えると結構難しいかもしれないので、望ましいぐらいのほうがいいのかもしれませんが。
○西田座長 ありがとうございます。地域性も1つ非常に重要だと思います。
ただ、主導的にというのは、実は中核の中に入ってしまっています。臨床研究中核、ゲノム中核は主導的にその研究をやるということになっていますので、余り主導的にというのを求めるのは難しいかなと個人的に思っています。
前田先生、この辺に関して、何か御意見ございますか。
○前田構成員 特にございません。
○西田座長 ということで、2は幾ら何でも少ないだろう、100は地域によっては難しいかもしれないという意見を伺いました。100でばっさり切ってしまうと、東京と大阪だけにしかないとなってしまうところも問題があると思いますので、地域性を考えて100あることが望ましい、あえて言えばそれぐらいかなと考えるのですけれども、ほか、鹿児島のほうから意見ございますか、三好構成員。
○三好構成員 鹿児島代表ではなかなか語れないですけれども、患者からすると、2人というのはとても少ないなという感覚は確かにあります。ただ、どれだけここに載せることで担保されるかというのは、ごめんなさい、正直難しいなというのが現状で、例えば鹿児島の今、連携病院になっている2病院が、これをどれだけクリアしているのかというのは把握しておりませんので、そういった連携病院の実際と照らし合わせて概算していただけたらなと思います。
○西田座長 ありがとうございます。もともと100を決めたのは、土原構成員がおっしゃったように、100ぐらい未承認薬を経験していれば、一度や二度は結構厳しい副作用に遭っている。だから、一度そういうものに遭っていないと、ちゃんと報告体制、対象体制ができないだろうということで、100になったという記憶が私もございます。ですから、100という数値にはそれなりの根拠があるという理解ですので、これをそのまま100といくのか、そこに地域性という言葉を入れるのか、あるいはその半分ぐらいまで持っていくのかというのは、事務局預かりにさせてもらってもよろしいでしょうか。
どうぞ。
○土原構成員 今、座長がおっしゃったとおり、私も賛成です。つまり、要点は、ここは患者さんに対する安全性をどう担保するかということが一番のポイントですので、単純に今の数というのは、少しトリッキーな話もあります。むしろ、安全の報告の体制であるとか実績というところを重視するという考え方もあるのではないかと思います。
○西田座長 重要な御指摘ありがとうございます。と言いながら、数値要件にしなければいけないので、数値要件を入れるという形にさせていただきたいと思います。
では、めくって、次のページ、これは上下一緒に人材育成と相談窓口について、まとめてお願いします。
○がん対策推進官 事務局でございます。
8番の、患者にとってわかりやすいアクセスというところでございますが、こちら「追加」と書いております。並べてみたところ、中核拠点、自明過ぎて書いていなかったのではないかということでございまして、きちんと書かせていただきたいというのが1点。
下のほうでございますが、人材育成については、いずれも大事なところでございますので、拠点病院というものがふえたところで事務的な修正をさせていただいております。
○西田座長 ありがとうございます。
ほぼ議論がないかなと思っているのですけれども、いかがですか。何か。
三好構成員、どうぞ。
○三好構成員 アクセスしやすい窓口を有しているという部分ですけれども、現在、私たち患者がこのゲノム医療を受けたいと思ったときに、まずホームページを見る患者さんが大変多いのですけれども、今、窓口がたくさんあります。連携病院にしても、中核病院にしても、例えばゲノム外来もありますし、相談窓口というのもあったり、相談支援センターもあったり、多いものですから、どこに最初にアクセスしていいのかというのが難しいという御相談を逆に患者会にいただくことがありますので、体制を整えていただくのは当然だと思いますけれども、もう少しわかりよい窓口にしていただきたい。どこかに「わかりよい」を入れていただきたいです。正直、まだアクセスしにくいです。
○西田座長 患者さんの立場でおっしゃったと思います。これは、此処の文言に入れることかどうかはちょっと微妙な話で、先ほど申し上げたように、共生の会議でも議論しなければいけない。情報をいかに提供するかということが非常に重要な課題になっていますので、そちらのほうで少し議論させていただこうかなと思います。
ほか、ございませんか。ここはよろしいですね。
では、一番最後のページで、これが国に合わせるか、認定された病院に合わせるかということになるかと思いますけれども、事務局から簡単にお願いします。
○がん対策推進官 事務局でございます。
9枚目は、指定手続等に係る内容でございます。ですので、横並びというよりは、それぞれに合わせて書かせていただいております。中核拠点病院は、先ほど申し上げたとおり、今回、もう一度、指定期間を2年に見直してはどうかという趣旨で、一番左側のほうを書かせていただいております。
真ん中のほうが拠点病院でございますが、ここを少し御意見いただきたいところですが、医療拠点病院の指定を受ける場合は、人材育成の観点からも、中核拠点病院と連携をとらねばならないと考えておりますので、中核拠点病院と協議のうえ、指定のための申請書を書いていただいてはどうかということ。先ほど、初回の指定については2年半で、中核拠点と拠点の見直し時期が一致するようにさせていただきたいという形で書かせていただいております。
右下は、今まで御議論いただいたところ、中核拠点病院と人材育成に関して、きちんと連携することと、主たる1箇所というのを追加で書かせていただきたいという提案でございます。
事務局から以上です。
○西田座長 ポイントは2つで、1つは、がんゲノム医療拠点病院の誰が推薦するかという話と、あとは期間の問題ですね。
では、最初の件に関して意見ありますか。中島先生、何かございますか。
○中島構成員 拠点病院と中核拠点病院の協議というものが、具体的にどういうふうに行われていくのかというのがイメージできていなくて、特に数カ所の中核拠点と連携している病院が多いということを考えると、具体的なイメージがまだわかないのですけれども、土原先生などは拠点病院同士で連携なさるのでしょうか。
○土原構成員 人材育成に関してということについては、この会議体ではなくて、恐らくまた別の議論が進んでいるのではないかと思います。もちろん、これは要件のところで、中核拠点病院が人材育成を主となって行うという議論は以前からされていますけれども、一方で、これも人材育成の標準化・均てん化ということを考えると、中核病院単位ではなくて、もうちょっと束になってというか、総合的な仕組みが必要だろうという議論がそちらのほうでもあると思っています。
なので、きょう、この時点で、この教育とか人材育成に関して、いわゆる拠点と中核の間が1対1であるべきかを議論するには、ほかの議論も含めて、少し必要な気がいたします。
○西田座長 どうぞ、事務局から。
○がん対策推進官 事務局から1点、補足ですが、そういう意味で、協議というものを説明しそびれたのですけれども、先ほど土原構成員から御指摘あったとおり、医療提供体制を再編する際に、今まで連携であったところが拠点病院に申請してくることが大方だと想定しております。その際に、どこがこの拠点病院の連携病院になるのかといった再編も少し御相談いただく必要があるのか、いや、それはもう実行上やればいいということなのか、御意見をいただければと思います。
○土原構成員 今の点であれば、恐らくそれは現場に任せて、大きな混乱は生じないのではないかと思います。
○西田座長 私もそれはそれでいいと思います。
基本的に、これは手挙げでやるという理解でよろしいですね。各拠点の手挙げでやる。
○がん対策推進官 御指摘のとおりです。
○西田座長 よろしいでしょうか。
では、文面はこのままでよろしいですか。何か御意見ございますか。よろしいですね。
では、もう一つの期間です。がんゲノム医療拠点病院が2年半というのは、皆さん、中途半端な半年ぐらいのところでやるということはまずないので、これは問題ないと思う。問題は、中核のほうが4年と約束していたのに2年にしていいかという話ですけれども、土原構成員は、ちゃんと説明がつかないといけないよという話をされていました。同じ拠点になられている佐々木構成員、何か御意見ございますでしょうか。
○佐々木構成員 現在の実態を鑑みるに、恐らく中核拠点で2年ごとの更新を迫られて非常に困る病院はないのではないかという気もいたしますが、そこのところをしっかりと説明していただければ、特に問題ないのかなと。
○西田座長 前田構成員、もう1拠点として。
○前田構成員 私も同じ考えです。当時のことを考えますと、例えばISOの問題といった問題がありまして、非常に大混乱が病院内であったのですけれども、更新の条件によるのではないかと思います。
○西田座長 確かに、先ほど申しましたように、がんゲノムに関する拠点、中核、連携、同じところで皆さん書類を出してもらうほうがきれいだと思いますし、そうされたらいいと思います。ただし、ちゃんと11病院に説明がつくようにしていただくということでよろしいかと思います。
ほかに赤い色のところは、皆さん御了解いただけたという理解でよろしいですね。はい。
全体を通してないかということと、きょう、この要件の中で1カ所だけ決まっていません。治験、先進医療Bの患者数だけは事務局のほうと相談させてもらって、余り厳しいことにしても手挙げできるところがなくなってしまっても困ると思いますので、今の実態を踏まえながら、かといって質を落とさない。先ほど土原構成員がおっしゃったように、安全性をきちんと担保する、医療安全を担保するレベルがどこかというのを事務局と相談しながら考えさせていただくということで、座長預かりのような形にさせていただいてよろしいでしょうか。はい。
最後、もう一回全体を通して、皆さん方から御意見ありますか。はい。
○小杉構成員 中核病院の要件そのものに関しては、これでいいと思いますが、全体の要件として、8項目のうちの一つに、「遺伝性腫瘍等の患者に対して専門的な遺伝カウンセリングが可能である」ということが記載されています。以前のサブワーキングのときも発言させていただいたのですけれども、がんゲノム医療を国民皆保険下で行うという方針の中で、遺伝カウンセリングという診療行為自体が保険収載されていないわけですね。それによって、結局、病院としても、遺伝カウンセラーを雇う原資もなかなかないし、遺伝カウンセラーになろうという若い優秀な人たちがなかなか集まってこない。それでも希望する人は増えていますけれども、まだ不十分です。
それから、修士課程で養成しているわけですけれども、その課程も増えてきて、今、17校を認定して修士を養成しているのですが、どこも結局、手弁当で養成しているという状況で、教員増はないということで、本当に専門的な人材を養成していくのには、ある程度時間とお金もかけて政策としてやっていくということが必要なのではないかと思います。
あと、遺伝学的検査に関しても、遺伝カウンセリング加算が保険収載されていますが、、その中で、遺伝性腫瘍の遺伝学的検査で保険収載されているのは、RBとRETの2つだけでありまして、そのほかのものは全て検査も自費、それから遺伝カウンセリング加算ももちろん取れないという状況があるので、内保連等を通じて要望は出させていただいておりますけれども、全体として考えていただければと思います。
以上です。
○西田座長 御指摘ありがとうございます。
実は、今、カウンセラーの話が出ましたけれども、カウンセラー以外に、先ほど土原構成員がおっしゃいましたように、エキスパートパネルの位置づけとか医学物理士、いろいろなことがございます。ただ、医療全体を見渡して、何を医療制度の中に入れて、何はなかなか入れられないかというのは考えていかなければいけないかなと思います。財政的な問題もあると思いますので、そこはまた厚労省あるいは保険局、その辺全体を通して考えていただければありがたいなと思います。
今、資料4を中心に議論しましたけれども、本日の議論全部を通して追加で御意見等ございますでしょうか。
どうぞ。
○土原構成員 これは、恐らく次のこうした要件を再検討するようなタイミングのときの課題になるかと思っているのですが、現在のエキスパートパネルのメンバーを見ても、これは治療選択のための、治療有効性予測のための遺伝子検査、ゲノム検査ということに今のところは重点が置かれています。ただし、ゲノム医療の本質的なところを考えれば、今後は予後の予測であるとか診断といった、本来の幅広い使われ方ということは当然想定する必要があると思います。ですから、次はある程度時間をしっかりかけて、そうしたところの人材育成と、それからどのような形でそういったものを臨床応用するかというところも恐らく考えながら、次の要件というものは考えていく必要があると考えます。
○西田座長 御指摘ありがとうございます。
それに加えて、エキスパートパネルの運営自体ももっと適正にやっていかないと、がん患者でこれを受ける可能性のある人は数千人じゃないですね。数万人、数十万人になる可能性が高いので、その人たちに適正な時間をもって提供できるような形を考えないといけないので、この世界、1年2年たったら、多分また変わると思いますので、厚労省のほうも考えていただけるのではないかなと私自身は期待しています。
三好構成員、どうぞ。
○三好構成員 済みません、最後に一言だけ。
全体的なことで、指定要件にも書かれているのですけれども、私たちのゲノム情報というのは究極の個人情報だと思いますので、この指定要件を守っていただければ当然守られるものだと思ってはおりますが、私たち家族も含めた個人情報にもなりますので、ぜひきちんと管理していっていただきたいと思います。
○西田座長 ありがとうございます。逆に言えば、そういった病院がこういった中核であり、拠点であり、連携の中に入っていただくという形になるかなと思います。よろしいでしょうか。
全体を通して、もう意見がないようです。おおむねの意見をいただいたかと思いますので、事務局にマイクを返したいと思います。よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
次回ですが、本日の議論をまとめさせていただいて、報告書(案)、整備指針(案)を提示させていただきたいと思っております。
次回の日程につきましては、事務局より追って御連絡させていただきますので、御多忙の中、恐縮ですが、日程の調整については、よろしくお願いいたします。
机上の水については、お持ち帰りいただいて結構ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課

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