加藤大臣会見概要

(令和4年12月9日(金)10:42~11:00 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭は特にございません。

質疑

記者:
新型コロナの類型見直しの件で一点質問させていただきます。先日アドバイザリーボードで新型コロナの感染症法上の位置付けについて、脇田座長は感染力、重症度など評価を近くまとめるとの考えを示しました。それを受け、厚労省は今後どのような手続きで見直しの議論を進めるのか、また判断の時期などについても大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
これまでも申し上げておりますように、新型コロナについては専門家のご意見等を踏まえて現在の新型インフルエンザ等感染症という分類は当面維持しつつ、変異していくウイルスに応じて柔軟な対応を図っていくという基本的な方針で、現在新型コロナとインフルの同時流行に対する備えも各都道府県に対応していただいておりますが、その前提として今申し上げた分類にしていることを前提に取り組んでいただいているところでございます。
 感染症法上の位置付けを議論するに当たっては、病原性、重篤性、感染力、あるいは変異の可能性等をどう評価するのかについて広く国民の皆様のご理解をいただく、そして基盤をしっかり持っていくことが大事だということで、アドバイザリーボードで分かりやすい考え方を深掘りしていただいているわけでありますが、先日アドバイザリーボードでも議論いただきましたが、今申し上げた三点以外に、医療における対応などをどのように考えていくのか、このような視点に立った議論もございました。そのことは最終的には公費負担の在り方にも繋がっていくだろうと思っております。いずれにしてもその辺りも含めて、まずアドバイザリーボードにおいて更に議論を深めていただきたいと思っております。したがって今そういう状況であり現下の感染状況もございますから、見直し時期について確定的なことを申し上げる状況にはないところでありますが、他方で先日感染症法等の改正法案も成立いたしました。その中で「新型コロナの感染症法上の位置付けについて速やかに検討する」旨の検討規定が附則で設けられたわけでありますから、これを踏まえて早期に議論を進めたいと考えており、今申し上げたような議論もその一環だと認識しております。具体的にはアドバイザリーボードで分かりやすい考え方を議論していただいております。あるいはいろいろなデータの蓄積もさせていただいております。最終的に分類変更を行う場合には、厚生科学審議会の感染症部会で議論いただき、そして手続きを経ることになると考えております。
記者:
生活保護費の改定についてお伺いします。6日の生活保護基準部会で、食費や光熱費などに充てる生活扶助の金額と一般の低所得世帯の消費支出を比べた結果、高齢世帯を中心に生活扶助額が最大8%高かったとする試算が示されました。両者を単純に揃える場合は、この差を引き下げることになりますが、部会の報告書案では、新型コロナウイルス感染症による影響や物価上昇などを含む社会経済情勢の変化も考慮するべき事項だとする文言が盛り込まれました。今後予算編成の中でどのように改定額を決定されていくか、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
生活保護基準については、社会保障審議会生活保護基準部会において、今お話がありました一般低所得世帯の消費実態との均衡が図られていることを含めた検証、並びに議論をお願いしているところであります。6日の部会では、令和元年度のデータを基に、主な世帯類型の「機械的に算出した消費水準」の額が提出されたところであります。
 生活保護基準の見直しにおいては、今示されたデータを基に、更にそのデータにかかる留意事項を踏まえる必要があります。そして、特に先ほど申し上げたデータ自体が令和元年度のものになりますから、対象になっていた時期以降の社会経済情勢、お話があった新型コロナウイルス感染症の影響あるいは物価上昇について勘案してどういう形にしていくのか、まさに今議論をしている令和5年度予算案の編成過程の中で検討を深めているところであります。
記者:
旧統一教会の養子縁組に関する質問書についてですが、厚労省で先日回答を受け取ったとのことで、受け取った上での現在の精査状況と今後の対応について教えてください。
大臣:
11月22日(火)にこちらから発出し、12月5日(月)を期限とさせていただきました、その期限の12月5日(月)に(回答を)受領したところであります。養子縁組あっせん事業に係る旧統一教会からの回答をこの間精査したところでありますが、更に確認を要する必要があるということから、本日中にも厚生労働省から再度質問書を発出する方向で現在作業を進めております。できれば本日にも出させていただいて、回答期限は19日(月)を予定しております。
 加えて、厚生労働省として法の適正な運用を図っていく必要があるという観点から、旧統一教会に対しあっせん法の遵守を求める文書、また都道府県に対しあっせん法の適切な運用の徹底を改めて求める通知の二点について、あわせて今日発出することとしております。先般受領した旧統一教会からの回答、また今回発出する再質問書に対する回答内容も踏まえて、適切な対応を図っていきたいと考えています。
記者:
再度質問書を発出する必要があるとのことでしたが、主にどのような点について再度精査が必要と判断されたのでしょうか。
大臣:
まだ発出もしておりませんし、一連の検討の内容になりますので、現時点では申し上げるのは適切でないと思っております。
記者:
コロナに戻りますが、BQ.1系統が拡がってきておりまして、ワクチンを打っていても免疫をすり抜ける可能性があるとの一部指摘があるのですが、それについての受け止めと対応についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
現段階ではBA.5が主力であると、ただ、先日のアドバイザリーボードでもそれ以外の変異種が出てきて、推計もしなければいけないので、それらを踏まえると今仰ったBQ.1がその中では割合を伸ばしていく傾向にあるということです。BQ.1に対する感染力等については現状のBA.5に比べてそれほど高くないかもしれないけれども、今仰ったように免疫機能をすり抜ける部分があるのではないかと指摘されていることは承知しております。その上で各ワクチンがどうなのか、あるいは今ある治療薬はどうなのか、それぞれについて今いろいろと分析がなされているところでありますが、少なくとも現時点において現行のオミクロンワクチンが有効であること、それから今飲んでいただいている治療薬、レムデシビルとかあるいは既に入っている二剤とか、そういったものについても有効性は引き続きあると承知しているところでございます。
記者:
幹事社質問の中であった類型見直しの件ですが、公費負担の在り方についてもということを仰られましたが、見直しの際、それぞれの患者の負担ということもあるのですが、国の財政負担というのは非常に重いということを財政審などでもお聞きしますが、こういった財政的な負担というのも考慮する要素に入るのか、更には5類に見直すことによって完全に5類ということになって制限がなくなれば、行動制限が全くなくなるということから経済的な効果を期待される声もあります。いわゆる経済的な効果、このことは考慮されるべきだとお考えでしょうか。この二点についてお願いします。
大臣:
まず前段の財政負担があるからやらないとか、財政負担が少ないからやるということではなくて、やるべき必要があるかないか、これがベースだと思います。財政負担の議論をする中においては、例えば今の対応もそうですし、仮に分類を見直したときに他の疾病、例えば端的には季節性インフルエンザとのバランスはどうなのかとかそういう議論は当然あるだろうと思いますし、現状のコロナも当初から比べてオミクロンになる中で随分変異もしてきておりますし、皆さんのワクチンの接種協力等によっていろいろなものが変わってきているわけですから、そういったもの対しては適宜適切な対応をとっていく、それが今回の見直しにも繋がったわけでありますから、財政ありきではなくて、そういう議論の中で最終的にどういう負担の仕方、どういう支援の仕方があってそれがどう財政的に繋がるのか、これはしっかり議論していく必要があるのだろうと思います。
 それから二点目は見直しにあたってということでありますが、これまでも感染防止対策と経済社会活動の両立を図って進めてまいりまして、この大きな枠組みは今後とも変わらないと思いますが、そのものを見るときに、これをした方が経済社会にプラスだとかマイナスだとかということが直接になるのかどうか、当然私は間接的にはいろいろ議論があると思いますが、直接においては先ほど申し上げたような重篤性とか感染力とか変異とかあるいは医療に関する影響とか、こういったことをベースに議論していくことになるのだろうと思いますが、あとはこの2類5類の議論を求めておられる背景には、今ご質問があったように一日も早く経済社会活動を戻していきたい、日常を取り戻していきたい、そうした皆さんの思いがあることをしっかり受け止める必要があると思います。
記者:
旧統一教会の養子縁組の話に戻りますが、先ほどあっせん法の遵守を守るよう求める文書を旧統一教会にも出すというお話があったと思うのですが、現時点で遵守していないと思われるようなことが見つかっているということでしょうか。
大臣:
一つは今回疑念がある中で質問させていただきました。更に必要があるということで再質問させていただいた、これが今の我々の現状認識であります。しかし一方で、旧統一教会の関係の出版物あるいは報道等でそういう疑念があるということ、あるいは旧統一教会の信者の方の間であっせん法が施行された以降においても養子縁組がなされていた。あっせんがあったかどうか別ですが、(養子縁組が)なされていたということも含めて、あっせん法というのは子どもの福祉という観点からやっているわけですから、従ってこれから先において、しっかりこういった考え方に則っているので、そこはしっかり踏まえて対応してくださいということでの遵守を求めた文書を出させていただきたい。あわせて各都道府県においてもそのことを念頭に対応していただくということ、あわせて従前からも出しておりますが様々な相談がありますので、宗教ということで門前払いすることなくしっかりと受け止めていただいて対応して欲しいということもお願いしたいと思っております。
記者:
(あっせんの)登録業者ではないと思うのですが、行政指導という形になるのでしょうか。
大臣:
行政指導といってもいろいろな行政指導があります。あっせん法については、あくまでも許可した者に対していろいろなことの規定ぶりは書いておりますが、許可されてない部分については、罰則規定はありますがそれ以上はないので、むしろいわば厚生労働省の一般行政を進めるにあたっての行政指導というのでしょうか、そういうもので一般的な指導という認識をしていただければと思いますので、個別法に基づく指導ではありません。
記者:
少し話が逸れるのですが、この閣議後会見においてコロナ禍以来ずっと大臣の周囲に衝立をつけてきた中で、今回取り払われての会見になっているかと思うのですが、政府としてもウィズコロナを進めていく中ですが、この大臣の狙いですとか、あるいは実際にやってみて喋りやすいなどのご感想などがありましたら教えていただきたいのですがいかがでしょうか。
大臣:
ひとつは官房長官の記者会見等は別にアクリルボードを置いているわけでは ございませんし、一定の距離を2メートル離しておけばという話もありましたし、それと実際アクリル板があると私からしたら聞き取りにくいとか、皆さんとの間でも光が乱反射してしまう等いろいろな影響もあったものですから、これはそういうことをできないだろうかと中で検討した結果として、少しやり方を変えてこういった形だったら実行できるということで、今回からこういう形をとらせていただいたということでございます。

(了)