第3回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会ハイヤー・タクシー作業部会(議事録)

1 日時

令和3年10月8日(金)13時59分~15時45分

2 場所

労働委員会会館 講堂
(東京都港区芝公園1-5-32 7階)

3 出席委員

公益代表委員
  • 東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授 寺田一薫
  • 慶應義塾大学法務研究科教授 両角道代
労働者代表委員
  • 日本私鉄労働組合総連合会社会保障対策局長 久松勇治
  • 全国自動車交通労働組合連合会書記長 松永次央
使用者代表委員
  • 西新井相互自動車株式会社代表取締役社長 清水始
  • 昭栄自動車株式会社代表取締役 武居利春

4 議題

  1. (1)改善基準告示の見直しについて
  2. (2)その他

5 議事

議事内容
 ○中央労働基準監察監督官 定刻より少し早いですが、皆様お揃いですので、ただいまから「第3回自動車運転者労働時間等専門委員会ハイヤー・タクシー作業部会」を開催します。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところお集まりいただき誠にありがとうございます。
 本日の議事運営に当たり、新型コロナウイルス感染症対策として、原則として報道関係者のみの傍聴とさせていただいており、更に傍聴席の間隔を広げるなどの措置を講じた上で運営させていただきます。
 会場の皆様におかれましては、会場備え付けの消毒液の御利用を始め、マスクの御着用や咳エチケットに御配慮いただきますようお願い申し上げます。
 なお、換気のため常時扉を開けさせていただきますので予め御承知おきください。
 まず、本日御出席の委員について、御欠席の委員の方はおられませんので定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 また、国土交通省からオブザーバーとして御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 続きまして、お配りした資料の確認をさせていただきます。資料1改善基準告示見直しの方向性について。参考資料1改善基準告示の見直しについて(参考資料)。参考資料2改善基準告示の内容(一覧表)を配布させていただいております。確認をお願いいたします。
 カメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。これ以降の進行は両角部会長にお願いします、どうぞよろしくお願いいたします。
○両角部会長 部会長の両角です。早速議題に入ります。まず、議題1は改善基準告示の見直しについてです。前回の作業部会で、労使双方から事務局にたたき台を提出するように御提案いただきましたので、まずはその案の内容について御説明願います。
○過重労働特別対策室長 事務局でございます、よろしくお願いいたします。それでは資料1、改善基準告示見直しの方向性について説明させていただきます。まず、3業態共通事項として、働き方改革関連法により自動車運転業務は平成6年4月以降月45時間、年360時間の規制が適用になるということ。さらに、年960時間が時間外労働の上限になるということです。そして労働基準法第36条に基づく指針により時間外労働・休日労働をできる限り少なくするように求められています。また、附帯決議では改善基準告示について、過労死防止の観点から見直しを行うこととされております。
 休息期間につきまして、令和3年7月の脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書によりますと、1日5~6時間程度の睡眠が確保できない状態が継続した場合には長時間労働と発症との関連性が強いとされております。そして、勤務間インターバルが短い勤務の有無や回数が疲労感あるいは高血圧等に有意に関連するとされております。また、長時間の過重負荷の判断に当たっては、勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無、時間数、頻度等について検討し評価することとされております。
 一方、ILO161号勧告においては「11時間(いかなる場合も8時間を下回ってはならない)」と定められております。また、※の中ですが、EU規則ではトラック、バスについて「11時間(週3日までは9時間に短縮)」と定められおります。
 次のページを御覧ください。拘束時間につきまして、これまでの議論ですが、労働者代表からは日勤について拘束時間は1か月275時間に見直すべきではないか、若い労働者に魅力を持ってもらうために拘束時間を短くして、更に賃金体系も見直す必要があるのではないかといった御意見がございました。
 使用者代表からは拘束時間につきまして、現行の299時間に比べて11時間短い288時間当たりが妥当ではないか、一気に275時間にするのは難しいという御意見がございました。
 また、隔勤につきましては労働者代表からは拘束時間は250時間程度に短縮すべきではないか。使用者代表からは現在の拘束時間は、時間外・休日が80時間に及ばない水準なので見直す必要はないと考えるという御意見がありました。
 これらの御意見を踏まえまして見直しの考え方としては、まず、タクシーの日勤の拘束時間は3業態の中で最も長くなっているということから、大幅に見直すことが必要だということです。次に、隔日勤務につきましては現行の基準について適正な運用を促すべきではないかということです。「現行」と「案」をお示ししておりますが、まず、日勤が現行299時間。案としましてはこれを11時間減らして拘束時間を288時間としております。内訳は195時間+93時間となっております。この195時間というのは、右下を見ていただきますと計算式が書いてありますが、1か月の法定労働時間と休憩時間を足したものです。
 ただし、月によって所定労働日数が異なりますし、休憩時間を法定より多く設定している事業所もあるため、195時間という数値は平均を示したもの、あくまでも目安というように考えていただければと思いますが、288時間から195時間を引いた93時間が、おおむね、時間外・休日労働時間ということになります。隔勤につきましてはそのまま現状を維持するという案です。
 次のページは拘束時間と休息期間です。これまでの議論ですが、労働者代表からは、勤務間インターバルが11時間未満だと長時間の過重負荷に影響を与えので、休息期間は11時間とすべきであるということ、EU規則を参考に原則11時間とするのはよいけれども、例外の回数や時間については慎重に検討したいという御意見がございました。使用者代表からは、休息期間はタクシーだけの話ではなく、全ての業態で今でも8時間と共通で定められているので、他の業態の議論も踏まえつつ慎重に検討したいという御意見がありました。
 また、隔勤につきまして、労働者代表からは隔勤は身体的負担が高いということで休息期間は24時間、拘束時間は20時間に見直してほしいということ、使用者代表からは現行どおりが妥当ではないかという御意見がありました。
 これらを踏まえまして、次のページですが、見直しの考え方です。まず、令和3年7月に出されました脳・心臓疾患の専門検討会報告書におきまして、長時間の過重負荷の判断に当たっては、「勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無」などを検討して評価することが妥当だとされているということ、また、1日5~6時間程度の睡眠が確保できない状態が継続するような場合、発症との関連が強いと評価できるということであり、また、今回の実態調査でも休息期間が8時間以下の場合、半数以上が睡眠時間5時間以下となっている状況がみられます。
 以上の状況を踏まえまして、休息期間は原則11時間とする一方、業務の繁閑もあるため、これによらない上限時間と回数を別途設けることとしてはどうかということで、「現行」と「案」をその下に載せております。現行は1日8時間ですが、これを1日原則11時間(週3回まで9時間)に変更、拘束時間は原則13時間(週3回まで15時間)ではどうかという提案です。隔勤につきましては現状を踏まえて現行のままとしています。
 次のページを御覧ください。車庫待ち等です。これまでの議論で車庫待ち等の議論は、まず定義を明確にすべきという労働者代表の御意見があります。駅待ちも含まれるかどうかはっきりしないということで、まず定義を明確にすべきである、そして、車庫待ち等の時間は脳・心臓疾患の労災認定基準を踏まえた時間となるように見直してほしいという御意見もありました。また、使用者代表から車庫待ちについては、客から連絡が来るまで待機する形態であるので身体的負担も少ないということで、時間は現行どおりでいいのではないかという御意見がありました。
 次のページです。まず、見直しの考え方として、車庫待ち等につきましては比較的作業密度が薄く営業区域も狭いということ、仮眠時間を与えることが可能であるということ、そういう実態のため、一定の条件の下に最大拘束時間の延長が認められておりますけれども、ほかの業務形態に合わせて拘束時間の見直しをするべきではないか、車庫待ち等の具体的な事例につきましては、もう少し事例を収集し、改善基準告示の見直しに合わせて別途示すこととしてはどうかと考えております。
 そして見直し案ですが、日勤につきましては1か月の拘束時間299時間を288時間とする、また、322時間まで延長できるというところを300時間まで延長できるということにする、さらに、隔勤につきましては、20時間を加えた時間を延長できるとされておりますけれども、これを10時間を加えた時間を延長できるという案を提示をさせていただきます。
 次のページ、ハイヤーです。これまでの議論ですが、労働者代表からはハイヤーはお客様から指名を頂いて運行しており、時間が短くなると仕事が取られてしまうおそれがある。とはいえハイヤーも指針に基づいて時間外労働時間を検討する必要があるのではないか、一方、使用者代表からは、年960時間の上限規制は意識したいけれども、それ以上の短縮は業務の特性を踏まえると難しいのではないかという御意見がございました。
 見直しの考え方でございますが、令和6年4月以降、自動車運転者に時間外労働の上限規制が適用になることから、ハイヤーにつきましても、これを遵守し得るよう見直しを行うべきではないか。それから、ハイヤーについても休息期間の確保が重要であることを示してはどうかという提案です。現行は、左下の「時間外労働は、次の範囲内となるよう努めること」しか基準はないのですが、案としては、時間外労働の上限規制、月45時間、年360時間、そして臨時的特別な事情がある場合の年960時間を遵守し、時間外・休日労働時間を短くするよう努める必要があること、更に休息期間につきまして、一定の時間を努力規定として設定してはどうかと考えています。
 最後は、特例です。これまでの議論ですが、労使とも休日労働は2週間に1回が妥当ではないかという御意見がありました。使側からは災害とか事故、どうしようもない場合は柔軟な取扱いが必要ではないかという御意見がありました。
 見直しの考え方としては、災害や事故につきましては遅延等があった場合に、例外的な取扱いを認めることとしてはどうかということでございます。現行、休日労働は2週間に1回ということになっておりますが、案としましては休日労働につきましては現行どおりとし、新たに2つの特例を設けてはどうかと考えております。まず1つは、予期しない事象による遅延です。事故や悪天候、道路の封鎖等、予期しない事象によって遅延が発生した場合には客観的な記録が認められる場合に限り、その遅延に伴う時間について1日の拘束時間を延長させるようにしてはどうかということです。ただし、労働時間に応じた賃金の支払いは必要です。また、適用除外業務の設定ということで、現在トラックのみに適用されております大規模災害等に伴う緊急輸送や緊急通行車両の適用除外がありますが、バスやタクシーでも実際にこのようなものがありますので、今回対象に加えてはどうかという御提案です。
 参考資料1と参考資料2につきましては、これまでお出しした資料の若干の差し替えですので説明は割愛させていただきます。以上です。
○両角部会長 どうもありがとうございました。ただいま事務局から見直しの方向性について御提案を頂きましたので、資料1の項目順に労使双方の見解を確認していきたいと思います。それぞれの論点ごとにお聞きしますので、まず冒頭で労側、そして使側の御意見を述べていただいて、それを確認した後に自由に御議論をお願いしたいと思います。なお、本日の会合の目的は、この場で改正案を決定することではありません。本日は、労使がそれぞれの立場から率直な御意見を発言いただいて、年度末の取りまとめに向けて議論を深めることになります。寺田委員や私も公益委員として質問や意見を述べるかもしれませんが、今日の主たる目的は、労使双方の率直な御意見を十分に伺うことであります。皆様、積極的に御議論のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、早速1つ目の項目として、日勤の1か月間の拘束時間について伺いたいと思います。このことについて事務局案では、1か月の拘束時間、日勤で288時間という提案がありました。この点について御意見を確認したいと思います。それでは、労側から先にお願いいたします。
○久松委員 久松です。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。働き方改革関連法によりまして、罰則付きの時間外労働の上限規制が原則45時間、年360時間。ただし、例外的に720時間というものが決まりましたが、その際に自動車運転者が適用除外となり、最終的に960時間という数字が2024年から施行されることになりました。そのとき、私たちの職場の組合員からは、脳・心臓疾患の労災認定基準が発症前1か月、単月で100時間、2か月ないし6か月で平均80時間を超える場合は、過労死認定ラインになるにもかかわらず、自動車運転者は12か月平均で80時間の働き方をさせるということは、私たちは国から見捨てられたのか、見殺しにされるのかというような、非常に憤った怒りの声がたくさん私どものほうにも寄せられております。その点を踏まえた上で、今回事務局から提示された日勤の1か月の拘束時間というのは、173時間の1か月の所定内労働に22時間の休憩時間を載せた195時間に、93時間までの時間外労働を認めるというものですので、2か月ないし6か月の80時間を更に上回る93時間を上限とするような数字ですので、到底承服できるものではないと思っています。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。それでは、続いて使側、御意見をお願いいたします。
○武居委員 この288時間につきましては、労働基準法上の基準で960時間。先ほど久松委員がおっしゃるように、実施日が決まっているわけでして、ある意味では年960時間を遵守するための最大の拘束時間という考え方です。960時間というのは、御存じのとおり休日労働は入っておりません。少なくとも残業だけで960時間ですという中で、休日労働も含めた形での最大拘束時間ですから、最低でもこのくらいないと、労務管理ができないと考えています。それと同時に実態調査で分かりますように、現実的には最大限ですので、少なくとも各企業で288時間以上働いている地域はあまりないのかなということで、提案をした288時間が提示されたということで、私どもとしてはこれで納得したいと考えております。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。それでは、この点について自由に御議論いただきたいと思います。御発言がある方は、挙手をお願いします。久松委員。
○久松委員 武居委員の御主張も理解できるところではあります。ただし、1か月の拘束時間で288時間でありましても、例えば年間的な考え方とか、例えば月少なくとも80時間を考慮した一定の数字、それが年間の上限とか何らかのところにその数字がきちんと入るような考え方は必要ではないかと思います。
○武居委員 なぜ288時間を上限にしたかといいますと、確かに都市部では、通常私ども東京で流しを中心にしているところは、ほとんどが13時間拘束です。確かに13時間から16時間と言われているのですが、都市部の流しで13時間を超えて帰ってくるということは、ほとんどありません。同時に、行政の監査では13時間拘束をチェックして、指導も受けているということです。ですから、あくまでも一番大きいところの残業時間で算定しているわけではなくて、13時間でやった場合には少なくとも720時間を超える場合があるかもしれませんが、960時間は十分にクリアできる。それも休日労働を入れての最大拘束時間だから、確実にできるということで、288時間という提案をしました。やはり、この趣旨は、改善基準によって長時間労働を是正するということですので、私どもも決して長くすればいいと思っておりません。ただ、現状の中で60時間以上、5割増しというのが決定しておりまして、時間外手当と同時に、実際の労務管理上は25%ではなくて5割増しを払うと、かなり残業時間については各社とも労務対策として非常にやり方を変えてくるのではないかという期待もしているのです。ただし、拘束時間というのは労務管理での上限ですから、管理しやすいようにしてほしい、あまりにも急激に短縮すると、シフトを含めて労務管理がしづらいというところから、最大限の計算をした結果というのが実態です。私どもから提案した数字ですので、これについては何とか御理解いただきたいというのが本音です。
○松永委員 久松委員と同じで、武居委員が言われることは理解をした上で、先ほど言っていただいたように288時間というものが、年間を通してずっとある数字ではなく、最大という言い方をなさっている以上、当然下回る月日があるというのは、話の1つの持っていき方だと思っております。最大288時間というのは私どもは275時間というのを主張している中で、どこかでしっかりした議論の中で妥協点を見つけていかないと、288時間が年間を通してという考え方であれば、私どもはどう考えても納得できないというのが、最初に久松委員も言ったとおりです。是非そこは先生方も含めて議論をしたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○両角部会長 今、松永委員、久松委員がおっしゃられた趣旨を確認したいと思います。月の上限が288時間であるとしても、それとは別に、例えば年間の上限があって、12か月全部が288時間まで認められるわけではないような形であれば考えることができる、そういう趣旨の御意見ですか。
○久松委員 そのとおりで、柔軟に考えていきたいと思っています。ただし、タクシーの日勤の年間の拘束時間、今最大で3,588時間ですから、288時間ということは、3,456時間では132時間の短縮しかできていないということ。あと貨物とバスの議論がどうなっていくか、まだよく分かりませんが、それでも突出したものになるのではないかという懸念も持っているということも、よろしくお願いしたいと思います。
○両角部会長 ほかに使用者側、御意見ありますでしょうか。
○清水委員 清水でございます。都市部においては確かに日勤については13時間以内というのが大変多くなっているのですが、実態調査の中身を見ますと、拘束時間について事業者側の回答として13時間を超えている部分が16.3%あります。これは、ほとんどが地方の事業者の答えです。自動車運転者の実態調査での回答も、13時間を超えているのが約3割、29.8%を占めているという実態があることからして、16時間を最大として運用している会社が、地方においては大変多いと推測できますので、そこに大きな影響が与えられない範囲での改正をお願いしたいと思っております。地方は多分16時間を適用しているところが大変多いと思いますので、そこを十分に加味していただいて、288という時間に結び付けていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○両角部会長 ほかになければ、続いて隔勤の1か月の拘束時間について御意見を伺いたいと思います。事務局からの提案は、現行維持で適切な運用を促すということです。この点についての御意見はいかがですか。まず労側からお願いします。
○久松委員 次の項目になりますが、拘束時間、休息期間についても隔勤は現状維持ということで、事務局から数字を示されております。この3つが密接に絡まってくる話かと思いますので、次の項目のときに隔勤については議論させていただきたいと思います。
○両角部会長 分かりました。使側もそれでよろしいですか。それでは隔勤についてはまとめて御意見を伺うことにします。次の項目に移りまして、日勤の拘束時間、休息期間についてです。この点については、先ほど事務局からの提案は、日勤の1日の休息期間は原則11時間、ただし週3回まで9時間とできる。日勤の1日の拘束時間については原則13時間、ただし週3回まで15時間可ということでした。この点について御意見を伺いたいと思います。まず、労側からお願いします。
○松永委員 私ども労働側としては、インターバルについては11時間というものを主張させていただきました。その中で、前回も使側からは、世界基準があまり参考にならないのではないかということに対して、私のほうは逆に世界基準があるなら日本はもっとしっかりした基準を付けるべきだと申し上げました。そういった意味で、11時間という数字がたたき台として出てきたことについては、労働側としては大変評価させていただいております。その週によって変えるということについては協議をしていけばいいのではないかと思っております。以上です。
○両角部会長 それでは、使側から御意見をお願いします。
○武居委員 今、アンケート結果は清水委員から報告があったとおりです。私どもとしますと、例えば、休息期間が、たたき台は原則11時間、週に何回かは特例を認めるという形になっております。そうなりますと、インターバルの長さによって、大体1日の拘束時間は決まってくるわけです。当然11時間だと最大限13時間ということになります。そうなりますと、都心部の流れについても、原則は13時間以上は駄目だという話になるわけです。変な話ですが、全国で13時間の実車率でまともに稼げるところは東京以外にはないのです。これは実態的にそうなのです。東京だけの話をしてもしようがないので、実は地方から多く意見を頂いているのは、16時間できるように特例的に認めるようにしてくれないかという意見が全国から来ております。これは全タクのほうに入っております。 ということは、休息期間は特例として8時間を何とか入れられないかというのがきております。8時間から11時間へと3時間インターバルを長くするのは、これは厚生労働省からある意味では労災認定基準の中に、11時間未満の頻度が高いところについては、労災認定についての基準を確認しなさいという話になっていることがあるわけと推察します。しかしこれはあくまでもインターバルだけの問題ではなくて、月例の残業時間と休息期間との兼ね合いで労災認定をしなさいということと理解しております。ここが1つあるために、原則として11時間というのは、私どもとしては今の段階ではOKはできないというのが本音です。それと同時に今申し上げたとおり、地方からは繁忙期でも何でもいいのですが、何とか8時間の特例を入れられないかという意見が、全タクのほうにきております。以上です。
○両角部会長 これは非常に重要な点かと思いますので、積極的に御議論いただければと思います。どちらからでも結構です。
○久松委員 今回、2024年施行の改善基準告示の見直しの議論をしています。前回からの見直しのスパンを考えていきますと、相当先までこれが波及していく基準になっていくかと思います。法律のほうでも、勤務間インターバルが努力規定になっておりまして、以前も発言しましたが、助成金のところでは9時間から11時間未満についてと、11時間から、それぞれ助成金が出ますが、11時間以上の場合は満額の助成金が出るということで、今後の社会の動向として、そういった11時間という数字が基準となって労災認定基準も含めてされていくのだろうと思いますと、今回の改善基準告示の改正については、そこもきちんと抑えた上で結論を出していくべきだと思います。松永委員からもありましたが、一定繁忙期などの対応もあるということで、例外を作るという点ですが、睡眠時間がどうしても短い状態で働くということが、利用者の安全も含めて考えていきますと、やはり重要な観点であるということで、ある一定制限をかけた上での特例も含めて、9時間という数字は妥当ではないか。3回は多い感じもするのですが、9時間という数字は私は妥当だと思っております。
○武居委員 まず1点は、インターバルの休息期間が、3業態、今まで1つだったということがあります。先ほど久松委員からもありましたが、拘束時間についてはバスとトラックでたたき台が最大限どういう発想になるのか、それは私どもも認識はしておりませんが、少なくともインターバルについては、運輸業務と言われている部分については、今まで一緒だったということです。ですから、他の2団体の意向も見てみたいという本音があります。
 11時間というのは確かにおっしゃるように、使用者側も、睡眠を8時間ぐらいはとりたいという本音を持っているので、今までと同じように8時間以上の一本槍とは考えてはおりません。ただ、先ほど申し上げたとおり、やはり8時間を特例的に認めてくれないかということになります。それと、原則論としますと、11時間ではなく10時間でしょうという話のほうが、実は各事業者側から意見としてきていると私どもは考えております。ですから、頻度は別として10時間の特例8時間というぐらいの譲歩ならば何とか管理ができるのかなというところです。そのように全タクのほうに意見がきています。なぜかと言いますと、たたき台の中で今まで久松委員や皆さんの意見を聞いた中で、やはり8時間のままは、このままではいけないということは、実際のところ使用者側としても思っているのです。ただ、原則論でやられてしまいますと、11時間が先走ってしまう。これは特例と言っても労使協定という形になるでしょうから、労働者側は「いや、11時間しか駄目だよ、原則論は出ているでしょう」みたいな話になると、労務管理上シフトも組めなくなる会社も地方では出てくるのかなという心配は若干あります。松永委員にしても、我々も本当に賃金がとれて、労働時間が短くなって、採用と言いますか、ある意味では長時間のこういう産業を優秀産業に持っていくというのは、本当の意味で我々は願っているところなのです。ただ、現実論としてあまりにも早いペースで走ってしまいますと、全国の労務シフトとして、労務管理の中では大変やりにくい形になってしまうと思っております。
 この改善基準の見直しは何十年もされていなかったと言いますが、私は今コロナ禍において、やはり緩和的に譲歩していくようなスタイルを取るべきではないかと思っております。需要がどういうふうに伸びていくかも分からない現状の中で、インターバルやそういった労働時間だけがグンと短縮して、ある意味では生産性と言いますか、賃金が下がるという地域も正直申し上げて拘束時間が短くなれば出てきます。そこは運賃値上げをすればいいではないかという議論も出ているのですが、なかなかそうはいかないものですから。やはり、今まで8時間とればよかったのが11時間になりますと、私は各団体、ほかの団体からも相当反対論が出てくるのではないかと予想しております。ですから、そんなの関係なく、タクシーだけやればいいではないかと言うかもしれませんが、これはやはり運輸業の中の3団体で労務政策をある程度一緒にしておかないといけません。タクシーのドライバーがバスに行ってしまうとか、稼げるところへ行ってしまうとか、トラックのほうに行ってしまうとか、タクシーは労務管理がうるさくてしようがない、労働者の採用率が向こうが上がってきて、こちらは下がってしまうようなことは避けなければいけないのです。これについては3業態を1つにするという考えの下に経緯を見たいということで、タクシーのほうとしては全国的にはそういう意見が出ていることを御理解いただきたいと思います。
○久松委員 先ほど言い忘れたので。清水委員が先ほど地方部においては16時間の日勤拘束でやっているところが多いということでしたが、確かにそうですが、16時間拘束でダイヤを組んでいるところについては、大体2勤1休なのです。2日勤務して1日休日、2日勤務して1日休日で公休日というサイクルで回しているところが多いので、ベタで日勤22日働いたら月の拘束時間は絶対に突き抜けてしまいますので、そういうわけにはいきませんので。大体そういう勤務シフトが多いと思いますので、少し趣旨が違う点もあるので押さえておいていただきたいと思います。
○両角部会長 清水委員、いかがですか。
○清水委員 資料を御提示いただいたのですが、「休息期間について」という資料がありますが、ここに1日の休息期間は55%の自動車運転者が10時間以上と回答していると書かれています。ここは10時間以上の話であって、11時間がどれぐらい含まれているか分かりませんが、約半数が10時間以上という話ですが、裏返すと、その先に9時間未満が21.2%含まれているということも併せて考えていただいて、本当に55%の数字をいきなり11時間に持っていけるのかというのは非常に疑問な点です。この休息期間も短くすることによって、本当に16時間がどうなるのかというのが一番のポイントです。16時間を本当に地方は下げていいのかというのは、私が疑問に思っているところです。以上です。
○松永委員 今まで私が地方のことを事業者側がもっと言ってほしいと申し上げたこともあり、言い始めていただいていることには感謝を申し上げます。基本的に前回もお話したとおり、地方部は、久松委員が言ったような勤務体系と組み合わせた勤務体系と、都市部、特に東京とは違う勤務体系をしております。そういった意味でインターバルの必要性というのは逆に地方のほうが強くて、武居委員が言うように、都市部はもうそんなのはやっていないと、それはそのとおりだと前回も申し上げたとおりです。地方は組み合わせるから逆に長時間労働が大変体にきつい勤務をしております。だからこそ、このインターバルというのはしっかり作り上げながら、先ほど久松委員が言ったように、2回出て1回休むとか、そういう勤務を今実行しているのは、16時間がきついということの表れなのです。ですから、最初に資料の数字を見させていただいたときに、原則11時間と週3回9時間と書いてあることについては、決して満足はしていないのですが、こういう形の妥協も協議としては必要だと思っていますので、8時間という定義に議論が戻ることは絶対私たちはあり得ないのです。武居委員が言う10時間を1つの定義にすれば、11時間があって9時間があればどう考えても10時間以下になるような計算になるのではないかと思います。週何日あるのか、週3回9時間を認めるのであれば当然、数字的な合計数を言っていけば、武居委員の希望どおりにはなっているのではないかという気がします。ただ、11時間というインターバルがなぜ必要かというのは、いろいろな観点から厚生労働省からも資料を出していただいている中で、やはり人の命を預かる安全業務として、まずこれぐらいのものは必要だという観点から私たちは申し上げてきたのです。武居委員がよくおっしゃってくださっている、給料が稼げなくなるのだという、長時間労働の形が生まれ変わらないと私たちはいけないと思っていますので、そういった意味では勤務間の休息期間の重要性をずっと労働側が主張させていただいているのは、本当に働く意欲、家庭を振り返る気持ちを作るためには、一番重要なポイントは休息だと思っています。私どもは週3回9時間という妥協を受け止めるのかも、今まだ話し合っている段階です。しかし、これが1つの妥協点になるのなら、それは前向きに議論していこうというところにいますので、是非よろしくお願いします。
○両角部会長 確認させていただきたいのですが、16時間で2勤1休というのは、1日目が16時間働いて8時間休みがあって、次の日また16時間働いて8時間あって、その次の日は24時間全部休みという働き方が地方では多いということですね。労側の御意見は、勤務間が8時間というのが非常に問題だということ、これに対して使側は、現にそういう働き方が地方では多いのだから8時間の特例を認める必要があるのではないかという御意見でよろしいですか。
○武居委員 原則は11時間ですよ、特例が9時間ですよという御提案なので、特例としては9時間はないよねと、8時間もできるようにしてくれないかというだけの話なのです。そうは言っても、地方では11時間だと一気に3時間も延ばすのかという論議が私どものほうにきていますので、なかなかこの場では、はい、分かりましたとは言いにくいような使用者側からの抵抗もきているという話を言わせていただいたのです。
 私どもは全国で何千社という社長さんからの意見を聞きますので、全タクとしてはある程度の譲歩案でないとまとまりきれない部分が出てくるということで言わせていただいているのです。東京は事情が異なるので、インターバルについて原則論でも東京はいけてしまうというレベルなのであまり問題視していないようなところもあるのですが、やはり地方はそうではない。という中で、ある意味では地方を代表した形で言わせていただくと、先ほど久松委員がおっしゃるように2勤1公休です。ある意味、本音の部分では、それを日勤と言えるのかと私は思っていまし、それは隔勤と同じではないかと考えているのですが、そうしますと8時間ではない、20時間だからという話になってくるのですが。それはそうとしてどちらにしても、そういう実態がある中で、原則論で11時間、例外的に週3回まで9時間でやるとしますと、2勤出て1公休は、8時間置いて1公休ということに比べて、出番的に週4日になるという話になります。そうしますと、これが減収に、確実になってしまうのではないか。1週間単位でいくとそうなります。そういうところもあるので、やはり、原則論で最初から11時間を基本に考えなさいというのは、なかなか難しいと考えていたのです。8時間は確かに通勤を入れたら睡眠時間は短いかとも思ってはいるのですが、そこは理解をしていただきたいと思います。
○久松委員 2日乗って1日休みというのは、2台の車を3人で回すというイメージなのです。今日乗って、同じ車を1人の人が乗って、もう1台の車を同じ人が乗って、空いた日が2日出ますので、もう一人の人が乗ったらちょうどうまく車が100%動くという形なのです。これは運転手が充足していた時代では、地方では主流の勤務体系だと私は覚えているのですが、今は運転手が足りないので、ほぼほぼ日勤に寄った勤務体系になっているところが多いのです。私も地方で聞きましたが、16時間あれば使い勝手がいいというイメージの声はよく聞きますが、実際、今、16時間働かせているかと言ったら、大分減っていると私は理解しています。以上です。
○両角部会長 日勤の休息期間、拘束時間についてほかに御意見はありますか。よろしいですか。続いて隔勤のほうにいきたいと思います。隔勤は休息期間及び拘束時間について、事務局からは現状維持、それぞれ20時間、21時間という提案が出されております。この点について、先ほどの月の拘束時間についても一緒に議論するということでしたので    、それも含めて隔勤について御意見を伺いたいと思います。まずは労側からお願いします。
○松永委員 前回もお話したとおり、日勤よりも更に長時間の過酷労働の中で、前回と同じ提案の20時間というのは労働側は全く納得できるものではありません。労働側が24時間休息期間、隔勤については要請をさせていただいている要望を是非理解していただいて、私は何度も申し上げますが、人の命を預かるのに24時間働いて、20時間の休みが適切なのか、もう少し働く人間の立場と、後ろにお乗せする人の命を預かる立場のどちらも考えたら、当然対等の24時間働いたら24時間休憩というのが普通の原理だと思いますので、私どもは20時間というのは到底納得できるものではないと、まず申し上げておきたいと思います。
○久松委員 今、松永委員がおっしゃったとおりで、少なくとも休息期間については、24時間に改善してほしいという考え方です。今、隔日勤務の拘束時間については、年間で合計しても3,144時間ということで、他の業種、他の勤務体系と比べても相当程度短いということがありまして、過酷という点に十分重視した議論をお願いしたいと思います。したがいまして、今、実態を見ても2暦日の拘束時間の21時間、1か月の拘束時間262時間について、時間いっぱいに仕事をしているような実態は、かなりかけ離れた実態で仕事をしているところですので、ここは現状どおりでも一定の理解が得られるかと思いますが、やはり休息期間についてはこだわりたいと思います。以上です。
○両角部会長 それでは使側、いかがですか。
○武居委員 申し訳ないのですが、24時間働かせているのではなくて、今は21時間しか働かせていないのです。
○松永委員 いいえ、拘束のことです。
○武居委員 拘束はしています。確かにおっしゃるとおりですが。通常で考えますと、通勤を入れますと、丸1日以上の時間帯を確保しているような発想ですので、実態は隔勤で最大で21時間しか働けない。ですから、現状の維持なのか、過労防止なのか。私の乗務員にも、21時間は本当に長いですかと聞くのですが、まともに21時間ぎりぎりまで働く運転手さんは、コロナになる前から1割もいないのです。そこは労務管理をしやすいと考えています。それが1点です。それとやはり一番あるのは、月間の拘束時間がある以上は、1日の拘束時間の特例は認めてくれないのかと。忙しいときと暇なときと、最大拘束時間をある意味では1日の拘束時間をうまく調整できるように、月間はもう決まっているわけですから、そこが譲歩できないかなと私どもは考えております。ですから、休息期間については、日勤よりは長時間労働ではないのではないかと感じています。ですから、現状維持は有り難い。できましたら1日の拘束時間を21時間ではなくて、月に4回でも22時間に変えていただいて、暇なときは最大拘束を19時間ぐらいにしたいと思います。それは各会社で労使協定をやったらいいのではないかと考えております。
○久松委員 武居委員がおっしゃっていることもそうですが、実際、2暦日の48時間の中で、拘束時間は21時間でいいではないですかと申しておりますから、引けば本来では27時間あるから27時間休息期間にしてと言いたいのですが、そこはある程度バッファの部分も必要なのではないかと思いまして24時間。タクシーは隔日勤務で乗れば、1日乗ったら次の日24時間のお休みを保障していると。これは求人にとっては良いアピールになるのではないかと思います。その辺は考えていただけたらいいと思います。
 先ほどから松永委員も私も触れていませんでしたが、年6回労使協定がある場合について、270時間までの延長を廃止しろというところまでは言うつもりはありません。やはり反感もありますし、利用者の利便性の問題もありますので、これについては維持されてもいいのではないかと思っています。
○清水委員 事務局案で例外規定をいろいろ設けていただけるようですが、昨日のようなこと(注:地震による公共交通機関の遅延・運行停止)がありますと、どうしても21時間が22時間になってしまう。ですから、やはり労働生産性を向上させる観点から言えば、柔軟性を持たせた働き方をどうしてもさせなければいけない。そうしますと、仕事量の少ないときは労働時間を短くして、仕事量があるときにはそれなりに働いてもらうということになりますと、21時間が果たしてそれでいいのかという疑問があります。先ほど武居委員が言われましたが、22時間にして、忙しい日は大体金曜日等々が忙しいわけで、月4回は22時間を認めていただいて、ただし月間は262時間なり、270時間と決まっておりますので、その中に収めてもらう。そういう柔軟性を持たせた働き方を、今回は良いチャンスですので、是非考えていただければと思います。以上です。
○武居委員 今、久松委員や松永委員がおっしゃるように、24時間休息については、一旦持ち帰らせてください。来週全タクでの会議がありますので、その中でも労働側はこういうふうに言っていますと報告します。当然、いろいろな各都道府県タクシー協会の協会長も来ますので、皆さんどう思いますかというか、労務上どういう問題点がおきますかというところを踏まえて、1回提案をさせてください。隔勤の24時間というのは、実はあまり発信していないのです。日勤だけは発信してきたので、あまり意見が集まっていないので、1回持ち帰らせていただきたいと思います。
○久松委員 恐らく、隔日勤務のシフトで、例えば月水金で非番公休という勤務を組んだときに、1勤務目は6時出勤、2勤務目は8時出勤、3勤務目は10時出勤という勤務を組んでいて、3勤務終わって、次はまた月曜に戻りますから、そのときに24時間の休日とプラス休息期間を乗せたときに、次は6時の出勤にもしかしたら影響するかもしれない。そういう変則的な勤務を組んでいる場合、休息期間によって、公休明けの1勤務目に影響があるかもしれないと思います。ただし、24時間ではほぼ大丈夫だろうとは思っています。
○両角部会長 ありがとうございます。ほかに隔勤の拘束時間、休息期間について、御意見ありますでしょうか。よろしいですか。そうしましたら続いて、車庫待ちの項目に移りたいと思います。車庫待ちについて、まずは日勤、車庫待ち等の1か月の拘束時間としまして、先ほどの事務局提案では上限300時間、労使協定を締結し、300時間まで延長できるということがありました。一方、日勤の車庫待ち等の1日の拘束時間については現状維持という提案でございます。この点について、御意見を確認させていただきます。では労側お願いいたします。
○松永委員 ありがとうございます。私ども2人の、それぞれの会社側にもいろいろ意見を確認し、昔よりも車庫待ちという定義でやっている会社というのは大分少なくなりました。なおかつ車庫待ち9割というところも私のところにもあって、実際に労働側ではなく事業者側の話をいろいろ聞きました。そういった中で、まだまだ当然労働組合がない小さい会社もたくさんあるので、こういう車庫待ちというものをやっているところがあるかもしれませんが、私どもが把握している中では、本当にこの車庫待ち定義というのは今も必要なのか。案にあるこの数字で、こういう落としどころでも、調査をした中では290時間を超えるような会社は車庫待ちでも既にありませんでした。コロナは関係なく、10年ぐらい前から車庫待ちについては、ここまでの労使協定を締結しているようなところがなかったので、私どもは今回この代案を出していただくことについては、決して反対議論はありません。
○両角部会長 代案に反対がないという御趣旨はどういうことですか。
○松永委員 今のこの数字に関して、322時間というものをやっている会社は、私が調べた中で15社ぐらいありましたが、実際に今も300時間を超えるような、この10年間ほぼ結果が出ていないと、290時間も現状はやっていないと、コロナは関係なくです。そういった意味では先ほど言ったように、私どもがまだ調べ切れない全国の小さい会社も含めてあるでしょうから、その300という数字の延長までできるというところの形で収めておけば、これを超えるような結果を出しているようなところは、多分ないのではないかと予測しております。そういう意味で申し上げているのです。
○両角部会長 よく分かりました。ありがとうございます。では使側、御意見をお願いいたします。
○武居委員 これは正直申し上げて、前もお話したのですが、あまり実態を把握していません。全国からも車庫待ちについては、私どものほうに要望が入っておりません。そういう中で、299を288にするのですから、それに伴って減らしたらいかがですかという意見だけを言わせていただいたというのが実態です。
 ただ、気になるところがこの休息期間が継続20時間以上、16時間超えは1か月7回以内となると、今、論議している通常の日勤のインターバルとは全然別個の話として考えるのか、そういうところがちょっと気になるところなので、そこはどういう扱いになるのかというところをちょっとお聞きしておきたいというのが1つです。
 それと、20時間と10時間ということの隔勤の延長なのですが、これについても本当に実態的に隔日勤務で車庫待ち等があるのかどうかというのが、私にはどうしても理解できないのです。通常、日勤なら理解できるのですが、車庫待ちの隔勤があるのかというところがあるので、それを利用しながらやっているところがあるにしても、やはり平均的に短くしようという考え方でいくとするならば、この程度の数字でいいのではないかなというところだと思います。
○両角部会長 久松委員、お願いします。
○久松委員 車庫待ちに関して、松永委員とは少し考え方が違うのかもしれませんが、私どもも所属の組合で、明らかに車庫待ちの営業をしているようなところで、これも事業者の協力を得ましてヒアリングをしたところ、車庫待ち特例を使っている事例がないと、原則の範囲内で十分仕事ができていると、そこまでお客さんもないということで、やっているという方向でお聞きしています。ですので、私はこの際、この車庫待ちの特例を廃止したらいかがかと思いますので、その意見表明をさせていただきます。
 私の出身が阪急タクシーというところなのですが、大阪の私鉄で、京都・大阪・兵庫の沿線営業をやっている阪急電鉄の駅の車庫待ちの営業が主体です。27通達ができました昭和55年なのですが、それまではそれぞれの駅のタクシー乗場の車庫には、休憩所と仮眠施設を全部設置して、1人の方が週に1回は必ず宿直勤務をして、早朝のお客さん対応に当たっていたということをやっていたのですが、私のところの阪急タクシーの沿線では、当時5つの営業区域、営業エリアがありました。全ての地域に人口30万人以上の自治体を含むということで、当時は大阪の労働局とも何度も相談したのですが、車庫待ち特例の対象にはならないということで、勤務体系を変更して宿直勤務を廃止して今に至っているというところがあります。
 そういう典型的な、私の出身のところでもそうですし、特にもっと地方に行けば、それほどお客様のニーズがないという点から見ても、これだけの上限時間を延長する必要はないと思いますので、車庫待ち等については、この際に廃止したらどうかと思います。
○両角部会長 ありがとうございます。ほかに御意見は、いかがでしょうか。
○清水委員 この車庫待ちについては、本当に実態があるのかないのかということが見えていないところで、廃止するということについては反対させていただきます。
○両角部会長 御意見がありましたけれども、松永委員どうぞ。
○松永委員 久松委員の言われることも、十分理解した上で申し上げるのですが、うちの仲間たちに車庫待ちというのは実際にあるので、廃止するということについては私は反対であって、この時間を短くすることについては、別にこの時間内であれば、特に問題はないと思っているので、廃止はまた次回、もっともっと調査をして、その後のときに廃止していただく議論を労使でやったらいいと思いますので、そこは再度申し上げておきたいと思います。
○両角部会長 ありがとうございます。本来の典型的な車庫待ちのイメージは、先ほど久松委員がおっしゃったような駅待ちというよりは、地方で流しではお客さんがいないので事業場で待っていて、注文がきたら行くというものですよね。
 そういう職場の中に仮眠室があったりして待機が多い就労形態が実際に今はどのぐらいあるのか、減っていることは確かだけれども、全然ないかといったらそうでもないということでしょうか。
○松永委員 そうです。
○両角部会長 分かりました。どうもありがとうございます。それでは、今、隔勤についても一部御意見が出ていましたけれども、車庫待ちの隔勤についてはいかがでしょうか。先ほど武居委員からは、事務局の提案でいいのではないかという御意見でしたが、労側はいかがですか。
○武居委員 実態的に今、十分対応できるというお話なので、私のほうは上限は付けておいたほうがいいという考え方です。先ほども言うように、これは実態がないのだというよりも、実際にある会社もあるわけですから、そこをなくすということは、ちょっとまずいというのが本音です。
 特に最近観光地の、例えば伊香保とか、あの辺は最近ホテルの近くに事務所がオープンして、そこに車を付けてやっているようなことで、既に駅での客待ちはなくなってきて、車庫待ち自体はそういう発想になりつつあるという考え方を、私は実態的には温泉地などは非常に多いのかなと思っています。先ほど久松委員が言うように、駅待ちは厳密的には車庫での待ちではないので。
○久松委員 いえ、駅待ちも含めてです。
○武居委員 駅の中に事務所があったり駅前に事務所があって、そこ以外はやらないという車庫があれば別ですが、通常の駅待ちというのは、あくまでも車庫待ちなので。ですから、その辺をやれば十分にいいのではないかなと、私は思っていますけれども、これで時間的に全然問題なければです。
○松永委員 隔勤も、今はほとんどなくなってきているのだと思います。現実論として車庫待ちというのをなぜやらなくてはいけないかというのは、何度も使側から出ているように、まず東京以外に流しというものがない。なおかつ空港が近くにあるとか、ホテルが何軒かあって、どうしても朝の4時5時に何人かを空港にとか電車にとか、そういう依頼がある。ですから時間や日をまたいで待機していなくてはいけない、そんな環境は全国に正直いっぱいあるのです。
 ただ、現実にはそういう依頼がなくなってきているので、車庫待ちを日勤でこなせる範囲に今はなりつつあるということで、先ほど言ったように当然こういう隔勤のスタイルというのは、多分どこかにあるのだと思うので、こういうものはとりあえず、何度も申し上げるように、残してみて、もっと私たちなりにしっかり調査して、当然残しても必要なければ対応しないわけですから、まずはこういうものを置いてみて、様子を見ていくというのも必要かなと思います。
○両角部会長 寺田委員、お願いします。
○寺田委員 私は久松委員が特に主張されている、車庫待ち特例自体の廃止というのは、「あり」のように思います。特にその実態があまりないという割には追加の時間が非常に長いので、設ける場合は慎重なほうがいいかなと思っています。
 次に質問ですけれども、資料の7ページの一番下のところに日勤も隔勤もプラス4時間というものがあります。「4時間の仮眠」というのですか。ここの部分もなくしてしまうということなのですよね。恐らくバスなどの分割特例みたいな意味もあるのだと思うのですけれども、そこも含めて全くなくしてしまうということを御提案というか、そのようにとってよろしいのでしょうか。
○久松委員 この4時間以上の仮眠付与というのは条件なのです。4時間以上の仮眠付与を確保しないと、車庫待ち特例に該当しないという条件です。
○寺田委員 だから当然なくなってしまうというか、全部なくしてしまうということですか。
○久松委員 車庫待ちの実態はあるのですが、実際にここまでの上限をいっぱいいっぱい使ってやっているところはないので、もうこの車庫待ちの特例というものをなくしたらいいのではないかということです。
 一方で、この車庫待ちの特例を残すということで、時間をどうするかという議論をしていくとすれば、私は以前からも言っていますが、車庫待ちの定義については、しっかりと明確なものにしていただきたい。参考資料1の16ページに、前回の作業部会で提示された内容でありますが、「車庫待ち等の自動車運転者」とは、ということで記載されています。この下の○の一般的には人口30万人以上うんぬんというところ、ここが少し曖昧なので、ここの30万が妥当かどうかは別として、特にこの3行の文章をもう少し明確に、うちはそうだ、そうじゃないということが明確に判断できるものにしておけば、この車庫待ち特例を残すとすれば、必要なことではないかなと思います。
○両角部会長 ありがとうございます。車庫待ちについて、ほかに何か御意見ありますでしょうか。よろしいですか。そうしましたら続いて、今度はハイヤーにまいります。ハイヤーについては事務局の提案として、時間外労働の上限規制や指針の内容を踏まえた上で、休息期間について一定の時間を努力規定として設定してはどうかという趣旨の提案がありました。資料の8ページのところになります。このハイヤーの部分について、御意見を確認したいと思います。それでは労側、お願いします。
○松永委員 特に東京中心のハイヤー会社に、労使の今の状況をいろいろ確認しました。そういった中で、ここの案にもあるのですが、960時間の時間外というものをとりあえず見ながら、労使で協議が大分進んできているというのを確認できました。
 ただ、一番最初のところに○があるのですが、本当にこのハイヤーという特性が大変難しい業務でありまして、そのお客様の要望ありきで今まで来たものですから、残業が多く飛び出てしまった歴史がずっと続きました。
 そういった意味では今回の働き方改革で、とりあえず横に置かせていただく中で、この960時間というところの協議ができていることについては、すごく前を向いてきたのだと思っておりますので、この案については、私はまずここからスタートかなと思っております。
 ただ、休息期間については、業務としてタクシーとは異なる業務体系をしているので、どうしても日勤者であっても、営業所に仮眠室を作って宿泊して、お客さんに対応しているという会社が圧倒的なので、その休息期間の作り方というのは、タクシーよりも難しいというのがハイヤーの実態だと思っております。ですので、この書きぶりの提案としては、今はハイヤー会社それぞれといろいろ確認している中では、案として私個人はいいのではないかなと思います。
○両角部会長 ありがとうございます。使側は御意見いかがでしょうか。
○武居委員 ハイヤーについては正直申し上げて、この案を見たら分かりますように、これは労働基準法の規制案でございますので、改善基準がどうのこうのという話ではないのですよね。改善基準の話になると休息期間の問題だけになってしまいますので、これはもともとトラックに荷主があるのと同じように、ハイヤーもユーザーがいらっしゃって、このお客様の都合によって、残業時間が月に100時間を超えてしまうとか、そういう実態があるのです。
 ただ、ハイヤー自体は通常のタクシーの流しとか駅待ちとか、そういう仕事ではないものですから、やはりかなり仕事が限定されると言ったらおかしいのですが、毎日長時間労働と言いながらも過労負担という意味では、相当違ってくるのではないかと思っています。ですので、これは労働基準法の改正案の実施に合わせて、月45時間、年360時間、限定的に960時間ですから、私はハイヤーについてはこれでいいのではないかなと思っております。
 ハイヤーは、全国でも都市部しかないですから。それと一部のハイヤーはタクシーと併用してやったり、タクシーの拘束時間に合わせてやっているという地域もあるのです。純然たるハイヤーは本当の都市部といわれている部分だけなので、私はこれで十分ではないのかなと思っています。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○監督課長 すみません。事務局案の中で、休息期間については「一定の時間を努力規定として設定する」と書いております。この一定の時間というのは、ある具体的な時間を告示か通達で規定することによって、それを順守するよう努めるということにしてはどうかという趣旨でございます。ですので、その時間をどこに設定するかということも、本題の休息期間のほうをどうするかという話が煮詰まっていない中ではありますが、そこも論点としてありますので、そこも是非御議論いただきたいと思います。
 ちなみに現状、これは告示ではなくて通達の中で、ハイヤーについては、勤務が連続する場合には勤務と勤務の間に、少なくとも連続4時間以上の睡眠時間を確保するものとするとされています。資料にあります現行の1か月50時間等々の基準とは別に、ハイヤーについてはもう1つ、睡眠時間4時間以上を確保することとされている、それが現状でございます。そういったことも踏まえて、今回の我々の提案の具体的な時間をどうするかということも、併せて議論いただければと思います。
○両角部会長 ありがとうございます。すみません、今の睡眠時間4時間以上というのは努力義務でしょうか。
○監督課長 通達に記載しておりますので、私どもがそういった指導はいたしますけれども、守られていない場合に何か罰則があるというものではございません。
○両角部会長 分かりました。ありがとうございます。そうしましたら、今、お話がありましたように、休息期間について一定の時間を努力規定として設定するというのは、どのぐらいの時間を設定するのかということも、今日ここである程度御意見を伺いたいということだと思いますので、もし御意見があればお願いいたします。
○松永委員 その努力規定という、大変言葉が難しい部分なので、休息期間というものがある程度決まれば、その時間があってもいいのですが、例えば11時間なら11時間という。ただ、武居委員が先ほどいろいろな言い方をしているのですが、本当にこのハイヤーという職業の難しさは、なかなか世の中には分かってもらっていないので、先ほど言った4時間という睡眠があるときに、私は現場にいたときに、そういう睡眠時間を認めないと。6時間まず寝かせなさいと。その代わりに、もし寝られなかったら、朝迎えだけやっても日勤の場合でも交替しなさいと。そういうスタイルにしないと、前の日に遅かったり、当然タクシーと同じように家に帰れない。会社の中で拘束されてしまう中で、当然自分のペースを守れない中では、やはり危険というものが伴うので、それこそ夜中から朝まで労務管理が必要な職業であって、タクシー以上に営業所ごとで多分神経を使っていらっしゃると思うので、睡眠を4時間以上というのは当然だと、私は6時間をとらせるべきだと、ずっと現場では主張していたのです。
 ただ、現実的には休息期間を11時間の努力義務にすれば、私は労働側ですが、「11時間とらせろよ」という議論になってしまう。努力義務という言葉の難しさがあるので、このように休息については一定の時間を努力規定にするという言い方が、別に私はいいのではないかなと、読んで思ったのはそこにあって、時間を決めるのなら、やはり休息期間を決める。理屈の中で11時間なら11時間、10時間なら10時間ときちんと明記したほうが、努力義務ということであれば私は構わないと思うのです。
 その時間の掛け方で、この業務の労使の関係がどんどん、この今の世の中、特に行政も含めて、いろいろなところでハイヤーを使っていただいている中のハイヤーという原点が、そこの数字を置くことで、間違うと崩れていくのかなと思います。
 毎日日勤だから家に帰れれば、また定義が違うのですが、残念ながら家に帰っている時間の中で、前にお話した、私は通常勤務という2泊3日勤務をハイヤーでしていましたので、拘束されるのは当たり前だったのですが、今のハイヤーは日勤なのですね。
 ですから日勤で、会社に拘束している難しさというのを、各会社がすごく苦労していらっしゃると思うので、私は丁寧にハイヤーの問題は、また通常勤務に戻せばいいのではないかと本当は思うのだけれど、なかなか人手不足も含めて、今の環境の中で難しいところにあるのだと思います。
 ですので、この休息期間を明記するのであれば、明記することがやぶさかではないのですが、何時間というのは、この休息期間のタクシーのものをきちんと作り上げてから議論させていただいたら、それと同等なら同等でも私は構わないと思いますし、あえてここの時間を、最初に決める必要はないのではないかなという気がします。
○両角部会長 ありがとうございます。ではこの点について、使側は御意見ありますでしょうか。
○武居委員 今、申し上げたとおりユーザーが相手なのですね。東京の場合、ある大手の会社が役所の指導で、例えば休息期間の問題ではなく、やはり残業時間の問題で短くせざるを得なかった。ただ問題なのはその残業時間を是正することによって、そのドライバーを指名している仕事は全部切り替えざるを得なかったということで、ドライバー側の賃金が4割減ってしまったのです。それでお客のほうもその会社は使わないと、違う会社に移行するという実態が出ているのです。
 私はそういう実態を見ているので、正直申し上げるとタクシーの論議とは違います。タクシーの仕事の内容とハイヤーの仕事の内容は違うと思っているので、これは多分休息期間というのは、労災認定の中で11時間というのを厚生労働省のほうでは確実に入れたいんだという本音があるからそういう話をしているわけで、私のほうはそうではない。実態とは大分離れている、これは努力義務でいいでしょう、時間は要らないという考え方をハイヤーについては思っています。
 タクシーは十分に認識をしながら譲歩すべきところは譲歩していきたいと思っていますが、ハイヤーについてはできたら時間を入れてほしくない。これは実態的にそうしないと労務管理上、ユーザーとの契約上が非常に大きな問題になってしまう。特にユーザーが役所関係については100時間以上の時間外労働時間というのはありえるのです。そこは認識をしていただきたい。申し訳ないけれども。そういうところです。
○両角部会長 ありがとうございました。それではハイヤーの一定の時間というところについて御意見を頂きましたが、ほかにはありますか。ハイヤーについてのほかの御意見でも結構ですが。大丈夫でしょうか。
○武居委員 ハイヤーは残業時間もそうなのですけれども、一応基本的には36協定を締結するのですけれども、一般業と同じように月45時間、原則年360時間、特例で960時間を認めてくれるという話があるのです。ここで是非お願いをしたいのは、この休日労働の問題が次から出てきますので、そういう問題と年960時間の問題をどう適用的に判断していらっしゃるのですかということを、厚生労働省の見解をまず聞きたいと思っています。
 それに応じて、本来なら労働基準法が一番のベースですから、改善基準というのは労働基準法違反にならないようにやりましょうねというのが本来の趣旨だと思っているのです。960時間というのがあるのですけれども、これは休日労働は入っていないのです。これはハイヤーもタクシーもそうなのですけれども、そこの兼ね合いの不一致感というのを厚生労働省として今後どう考えていくのか。拘束時間とか休息期間というのは、実はそことの兼ね合いというのが本来出てくる話なのですね。私はそこを一致しろという話をしているのではなくて、休息期間もやはり、休日労働というのも実はあるのです。これは36協定で960時間ですけれども、ハイヤーは休日労働を入れたら960時間以上働けるという話ですから。
○両角部会長 ありがとうございます。今の点は事務局のほうから何かお答えはありますでしょうか。
○監督課長 当初から武居委員の御指摘のとおり、年960時間というのは時間外労働のみの記載になっておりますので、労働基準法上の違反となるのは、協定で定めていたとしても、トータルが960時間以上の時間外労働は法律違反ということであります。それに対して休日労働というのは、労働基準法上は法定休日の労働ですので、週1回の休日に働かせた労働については、この960時間には含まれていないというのは御認識のとおりです。
 ですから、今回の改善基準告示の見直しを議論するに当たり、「考え方」で示しておりますが、45時間、360時間、960時間という規制が罰則付きで適用されるという前提の中で、自動車運転者の改善基準をどう見直していくかというのが1つですが、他方で過労死防止の観点から申し上げますと、労災認定基準では発症前1か月に100時間、あるいは平均80時間。こちらのほうは時間外・休日を問わず、トータルの残業時間というものを勘案していますので、そういった基準が別途ある。そういった中で法律を遵守し、こういった観点を踏まえて改善基準をどうしていくかという議論を、労使の皆様に今していただいているということですので、そこの認識は多分ずれていないのではないかと思っています。
○武居委員 ですからそこを是非分かっていただきたいのは、我々も過労死防止とか健康管理については、正直言って我々の義務なのです。ですから本当に最大拘束時間というのが今論議になっていますけれども、これは休日労働も入れてですからね。基本的に1か月で最大拘束これしか働いてはだめだという話なのです。ですからあまり急激な部分は、労基法上960時間プラス休日労働ができるのに、月を一気に下げるというのは論議的に外れていると私は当初言わせていただいたと思っているのです。
 ですからそういう言い方で言わせていただいていると思っているので、なぜこのハイヤーから飛んでしまったかと言うと、実はハイヤーについてはいわゆる960時間ですけれども、仕事の内容的に非常に休日労働が実は多いのです。お客様の都合でね。ですから、なかなか原則論で11時間という論議を久松委員と松永委員とこれからどうしようかという話に入っていくと思うのですけれども、これを入れるのはハイヤーのほうはいらないのではないですかと言っているだけです。
 別に厚生労働省がどうのこうの、喧嘩しようという意味ではなくて、こういう不一致部分の中での最大拘束時間というのをこれから決めていくのですね、という考え方だったので、そこの中でハイヤーについては、現状これでいいのではないですかという論議をさせていただきました。別にそんなに深い意味はないのですけれど。そういうことです。
○両角部会長 はい、ありがとうございました。それではハイヤーについてはよろしいでしょうか。それでは最後に、特例その他について伺いたいと思います。特例その他のところでは、まず休日労働について、事務局案は2週間に1回という現行を維持。それから新しく加えることとして、予期しない事象による遅延について、例外的な取扱いを認める。それから適用除外業務、大規模災害等に伴う緊急輸送など、適用除外業務について、タクシーも対象に含めるという御提案がありました。
 これらについて3つ内容がありますけれども、これらについて御意見をお願いします。では、まず労側から。
○久松委員 久松です。休日労働2週間に1回現行どおり、これは是非このとおりでお願いしたいと思います。新たに出されました予期しない事象による遅延というところでは、客観的な記録が認められる場合ということで、濫用防止をするためにこういった条項を入れることは必要であろうと思います。
 ただし休息期間は拘束時間の延長に伴い短縮というのは、これはないでしょうと思っています。例えば11時間という休息期間になるかどうか分かりませんけれども、道路の封鎖が11時間続いた時に、やっと入庫したらまた次の仕事に行けという話になりかねないので、この休息期間は拘束時間の延長に伴い、当然スライドするものであるべきだと思いますので、ここは削除すべきだと思います。また適用除外業務については異存はありません。以上です。 
○両角部会長 ありがとうございました。では使側お願いします。
○武居委員 私どものほうとしても休日労働2週間に1回現行どおりということで、是非お願いしたいと思います。予期しない事象による遅延なのですが、これは昨日みたいに地震があったところで、JRのほうですとかそういったところから急遽要望が入りまして、昨日はかなりのお客様といいますか、帰宅ができないという流れの中で要望が入りました。ですから、通常の実態の帰庫時間よりも1時間ぐらい延長するドライバーが結構多く発生したという実態があります。ただ、今のところ休息期間は十分に、隔勤ですので20時間以上は確保できているので、別に問題はないのですけれども、短縮というのは私も必要ないのかなと。
 これからインターバルについては論議するわけですから、決定したらそこは必要ないのかなと思っています。ただ、少なくとも1日の拘束時間には、予期しない事象による遅延を認めてほしいというところだけなのです。
 今、特殊な事情があれば、監査が入った時にも事情を認めてくれてはいるのです。その辺も踏まえて、こういう文書の中で認めていただきたいというのが1点あります。それと適用除外については、今までトラックだけだったので、タクシーもバスもお願いしたいということで、是非これは入れてほしいと思っています。以上です。
○松永委員 私も適用除外については同じ意見なのですが、タクシーというのが大規模災害の時にどれだけ役立っているかというのは、小さい輸送なので、なかなかそういった大災害が起きた時に報道から取り上げてもらえなかったという歴史と、本当に今タクシーは、ジャパンタクシーというのも燃料がプロパンなのですが、プロパンというものがどれだけ人の命を救えたか。
 ガソリンは大災害になると大勢の方がガソリンスタンドに並んで不足していますが、プロパンというのは当然特殊な業務のものでありますので、東日本大震災でも、九州の地震でも、タクシーというものがどれだけ人を助けたかという実例はたくさんあります。そういった意味では、このタクシーが当然こういう災害対象のものに入るべきだと思っていますので、是非よろしくお願いします。
○両角部会長 はい、ありがとうございます。寺田委員何かございますか。 
○寺田委員 細かい話なのですけれど、予期しない事象による遅延の、本文の1行目に「フェリーの中断」と書いてありますね。鉄道の運行支障というのですか、そういうものは分かりますけれど、フェリーの中断は意味が分からないですが。
○監督課長 これはおそらく、バス・トラックが主に関係するのかなと思います。共通の事象で入れてしまっていますけれども、バスやトラックバスですとバス・トラックごとフェリーに乗って、フェリーで移動するということはあるのですけれども、恐らくタクシーに関してはほとんどないと思います。
○寺田委員 途中で引き返すとか、そういう意味ですか。ならば関係ないような気がしますが。
○久松委員 客を乗せてフェリーで離島まで送って、帰りにフェリーで帰ってこようと思ったら、そのフェリーが悪天候とかで出航しなかった、向こうの島で足止めを食らうというようなことがないこともないです。
○過重労働特別対策室長 すみません、イギリスなどではフェリーサービスの中断ということなので、今のように荒れた天候とかそういう時に動かないという、そういうケースを想定しているということです。
○両角部会長 寺田委員よろしいですか。清水委員どうぞ。 
○清水委員 この部分については大変ありがたく思っています。個々の労働者の判断ではこの辺のことはどうすることもできないし、事業者の判断でもどうすることもできない部分を、こうやって明確に入れていただけることについては、大賛成です。よろしくお願いいたします。
○両角部会長 ありがとうございました。この特例その他について、ほかに御意見は。
○久松委員 すみません、今回の事務局案には入っていないのですが、以前から意見として言わせてもらっている、改善基準告示にあります累進歩合制度の禁止について、定義を再度検討してもらいたいという点については、次回以降また取り上げていただきたいと思っています。累進歩合制度という賃金体系については、長時間労働やスピード違反を極端に誘発するおそれがあり、交通事故の発生も懸念されることから、改善基準告示では廃止すべきとされています。
 更に2014年に改正タクシー適正化活性化特別措置法というものができた際に、衆議院参議院両院において、附帯決議でこの累進歩合の廃止について再度触れられたということもありまして、厚生労働省からは2014年1月24日付けで、廃止に係る指導等の徹底について通達が出されています。また1月27日には国土交通省からも廃止の徹底についての通達が出されているということがあります。
 この間何が起こっているかと言いますと、月例賃金における累進歩合制度については厚生労働省等の指導などによって、ずいぶん改善がなされてきたと思うのですが、それを臨時給、半年に1回支払うボーナスであったり臨時給であったり、4か月に1回かもしれませんが、そちらのほうで累進歩合制度を導入して、結果的にスピード違反ですとか長時間労働を誘発するような現状が起こっています。
 さらに、年次有給休暇の5日間の取得義務がなされたのですが、この臨時給、ボーナスなどにおける累進歩合がネックになって、年次有給休暇の消化がなかなか進まないという現状がありますので、改善基準告示の今回の見直しの際には再度累進歩合制度の定義について、議論をしていきたいと思いますので、できましたら事務局におかれましては、次回一定の考え方を出していただければと思います。以上です。
○両角部会長 はい、ありがとうございます。それではほかに、ここの部分について御意見ありますでしょうか。
○武居委員 改善基準告示の中で、確かに累進歩合があるのですけれども、久松委員の中で提案をしてほしいというか、定義を出してほしいみたいな話になっているのですが、それは多分臨時給と言われているAB賃を中心にした賃金の体系の中での、ある意味では生産性によって賃率が違うという、これが全てになる。
 これは、改善基準告示の労働時間とか休息期間とはちょっと論議が違ってくるのではないか。これはまた別のところで論議する話ではないのかと思います。
少なくても累進歩合というのは廃止なので、やっている会社が指導されるというだけの話なのです。それは多分適用を、賞与までやってほしいということだと思うのですけれども、そこはまた長い話になってしまいます。賞与の部分がこれは本当に賞与ですという会社側との争いみたいな、各会社によってそれは違うので。
 生産性で支払額を変えるというのは基本的に賞与としては認められる話ですので、そこが「賃金だよ、賃金だよ」という論議でやるとなると、累進歩合のAB賃と言われている賃金があるのですけれども、この賃金自体が累進歩合だという発想になり、ある意味定義を出すという話になってしまうので、ちょっとこれとは違ってくるような話かなと、私はそう思っています。 
○両角部会長 今の御意見は、累進歩合制については今のままでいいのではないかということですね。
○武居委員 累進歩合制はもう認められていないわけで、行政も各会社に入って是正をしなさいという指導していますので、月例については大分直ったという久松委員のお話ですけれど、それ以上にここの改善基準の中で累進歩合だけ取り上げてまた提案して、労使で検討するという事案ではないような気がしています。私は必要ないのではないかと。それはまた別の枠として考えていく話ではないかと思っています。
○両角部会長 ありがとうございます。はい、久松委員。
○久松委員 一応、改善基準告示の中の項目の1つということでもありますので、是非やるのであればこの場でしかないと思いますし、少なくとも考え方を出せということではなくて、累進歩合制度というものが改善基準告示でどうされていて、実際に現場の監督の場所ではどういった指導・摘発とか、その実態の資料を次回御掲示いただいて、公益委員の先生方も含めて一度見つめてほしい。まずは見つめてほしいと思います。それ以降また議論が必要でしたら、意見したいと思います。よろしくお願いします。お任せします。
○監督課長 どういったものが出せるかは検討させていただきます。現状は通達に基づいて累進歩合の廃止を指導していますので、そうした内容や現状についてお出しすることも含めて検討させていただければと思います。ありがとうございます。
○両角部会長 それではよろしいでしょうか、ほかに御意見は何かありますか。積極的に御議論いただいてありがとうございました。ちょっと時刻は早いですが、本日はここまでとさせていただきます。次回の作業部会では、本日の御意見を踏まえて、更に議論を深めたいと思います。最後に次回の日程等について、事務局からお願いします。
○中央労働基準監察監督官 次回の専門委員会や業態別作業部会の日程につきましては、日時、場所について調整の上、追って御連絡いたします。議事録につきましても、後日御確認いただきますので、よろしくお願いします。
○両角部会長 これをもちまして、第3回自動車運転者労働時間等専門委員会ハイヤー・タクシー作業部会を終了します。本日はお忙しい中ありがとうございました。