後藤大臣会見概要

(令和3年12月28日(火)10:54~11:12 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
今日は冒頭発言が2件ございます。一つは雇用統計についてであります。令和3年11月の有効求人倍率は1.15倍と、前月と同水準となりました。また、完全失業率は2.8%と、前月より0.1%ポイント上昇いたしました。
 求人・求職の動向や労働力調査の結果をみますと、現在の雇用情勢は、求人に持ち直しの動きがみられ、求人が求職を上回って推移しているものの、求職者が引き続き高水準にあり、厳しさがみられます。
 有効求人倍率が1倍を下回る地域があるなど、新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に、より一層注意する必要があると考えております。  

 第二でありますが、「人への投資」、3年間で4,000億円規模のパッケージ、この意見募集について、一言申し上げます。政府では、「人への投資」を抜本的に強化するため、3年間で4,000億円の施策パッケージを新たに創設することとしています。
 この施策パッケージについては、新たなチャレンジとして、民間の発想やニーズを最大限に活かし、一定期間、一定の規模で、提案型の政策を強力に進めていきたいと考えております。
 このため、昨日27日より、首相官邸、内閣官房及び厚生労働省のホームページにおいて、ご提案の受付を開始しております。次代を切り拓く鍵となるのは「人材」であります。
 ぜひ、働く従業員の方、あるいは企業経営に携わる方、キャリアコンサルタントや人材紹介事業者など、多くの国民の皆さんから、人材の活躍につながる効果的な学び・学び直しや希望する再就職、正社員化等の実現に向けた積極的なご提案をいただきたいと考えております。以上が私からの冒頭発言でございます。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年12月28日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
3回目接種に関して自治体の説明会や昨日の千葉県知事との面会でも、一般高齢者の前倒しについて、2月以降としているところ、更なる前倒しを認める話があったと思うのですが、一般高齢者の接種間隔について可能な地域では6か月を認めるといったお考えはあるでしょうか。また、一般の方の接種前倒しについてもお考えをお願いします。
大臣:
新型コロナワクチンの3回目接種については、繰り返しになりますが重症化リスクが高い高齢者など3,100万人の方を対象として前倒しをすることとしております。
 具体的には医療従事者や重症化リスクの高い高齢者施設入所者などに2か月前倒しで、6か月間に短縮。加えて、来年2月以降にその他の一般の高齢者について接種間隔を1か月前倒しして7か月に短縮するということを発表させていただいております。
 昨日、千葉県知事がお見えになってお話しを、要望等もありましたが、その時にお話しが出ましたが、来年2月に実施予定になっている高齢者施設等の入所者以外の一般の高齢者については、施設入所者等について一定の完了が見込まれた段階で、2月を待たずに前倒しで接種を行うこととして差し支えないという話を申し上げております。実を言うとこの旨は12月24日に開催した自治体説明会においても既に説明済の件でございます。
 ですから、基本的には施設入所者等についての一定の完了が見込まれる段階で、前倒しで2月を待たずに打つことは差し支えないということで全国にご説明を申し上げているとおりです。
 ただし、ワクチンの供給スケジュールに変更はないので、各自治体においてはそこは留意して接種の体制を進めていただきたいということでございます。
 また、高齢者等以外の前倒しについては、今後の国内の感染動向やワクチンの供給力等を踏まえつつ、できる限り進める方向でやっていきたいと考えております。
 先週木曜日に決まりました追加購入等も第1四半期の納品ということになっておりますが、その確定も含めてできる限り前倒しで接種ができるように工夫を続けたいと思っております。
記者:
もう一点、オミクロン株の対応で、本日から機内の濃厚接触者の範囲の見直しが行われたところだと思うのですが、濃厚接触者自体をホテル待機とする方針であったり、陽性者を全員入院とされる今の国内での体制について今後どのような見直しを検討されるお考えでしょうか。
大臣:
オミクロン株の感染力、重症化リスクなどに関する科学的な評価は未だ確立しているという状況ではないと思います。そういう意味で、未知のリスクには慎重な上にも慎重な対応をすべきだという考え方から、緊急避難的予防的措置として、水際対策については、年末年始の状況を見極めつつ、当面の間、現在の措置を延長することとしています。
 昨日、機内濃厚接触者の取扱いの見直しについてお示しをしましたのは、昨日も申し上げましたが、空港検疫において機内濃厚接触者でオミクロン株の感染が判明する割合が、機内濃厚接触者以外の場合とほとんどこれまでの検疫の検査によりまして同水準であるという科学的知見に基づくものとしてより合理的な対応を図るために執り行ったものでございます。
 今後の対応については、こうしたオミクロン株の科学的な評価、あるいは国内のオミクロン株の感染状況等も踏まえて適時適切に検討して、引き続き機動的かつスピード感を持って水際対策や国内における感染封じ込め対策に取り組んでいきたいと考えています。
記者:
オミクロン株に関連してですが、市中の方で市中感染とみられる患者というのが増えてきている状況だと思うのですが、これに対する現状の受け止めと、もうすぐ年末年始を迎えますが、国民の行動の部分、呼びかけ等があればお願いします。
大臣:
市中感染の例が少しずつ増えてきているという認識は持っております。そうした国内の状況に対しては、国内対策。コロナ陽性となった患者様達には変異株PCRをやって、そして全ての変異株PCRの陰性の方に対しては、全ゲノム解析をするということで、全件検査をするという体制を採りましたし、そうしたことで判明した場合には、徹底した積極的疫学調査や封じ込めを行っていく。そのことをしっかり取り組んでいきたいと思っております。
 また、今3回目のワクチン接種もできる限りスピードを上げていくということでもありますし、先週24日には経口薬の方も特例承認が下りて、27日から薬局に配送すると。あるいは病院で処方するような病院については、そちらへお届けをするということで27日からそういう体制に入ってきているので、そういった体制をしっかり整えていくことだと思います。
 それから、22日に、全国の都道府県の知事宛てに全体像で示した自宅療養、ホテル療養の体制をしっかりと取ることや、そうした療養の場所に健康観察や医療をしっかりと提供できるような医療提供機関の34,000とか、そういったものをしっかり確保したり。更に緊張感が高まっている中で、そうしたものを充実させるようなそういうしっかりとした対応を改めてお願いをしているところでもあります。
 今日、三師会(日本医師会、日本薬剤師会、日本看護協会)の方の会長にも来ていただいて、そういう全国の体制についてしっかりとご協力をいただく旨、私の方からもお願いをしたいと思っておりまして、いずれにしても、国内についても今この与えられている時間の中で最大限の危機管理のための準備を進めているということであります。
 国民の皆様に対しては、年末年始はやはり人の動きが多くなりますし、普段会わない皆様に会うような機会も多くなりますので、常日頃申し上げておりますが、マスクをする、手洗いあるいは手指の消毒等、また、大きな声であまり調子に乗って騒ぎ過ぎないように、そういった基本的な感染対策をしっかりやっていただきたいということ。
 それから帰省等については、慎重にご判断をいただいて、自らも含めてでありますが、大切なご家族や故郷の皆様に迷惑をかけないとか、お互いにそういう優しい配慮をしながら年末年始を過ごしていただきたいと思っています。
 いずれにしても、薬やワクチンやそういうことは体制として整えますが、国民の一人一人のそういう感染防止への基本的な姿勢が、やはり感染症を抑えていくためには非常に重要なことだと思っておりますので、そういうことを国民の皆様には申し上げたいと思っています。
記者:
先ほどの水際対策については年末年始の状況を見極めつつと仰っていたと思うのですが、国内の入院基準、今、感染者が全員入院になっている体制だと思うのですが、それに関しては今後、感染者が国内で年末年始にかけてどんどん増えて来ると思うのですが、その場合に、年末年始を待たずに自治体の方で入退院の基準を変更できたりするような方針変更をしていく可能性というのはあるのでしょうか。
大臣:
今のところ、そういうことを年末年始に行うということは考えてはおりません。しかし、感染状況、専門家の皆様のご指摘によっても非常に急速なスピードで拡がるという警鐘もいただいているわけでありまして、そういうご提案も含め、また、コロナウイルス、全体像は分かりませんが、徐々に具体的なことも分かってきている面もありますので、そうしたオミクロンの性状等も含めながら、いずれにしても医療提供体制やその準備の体制をどうしていくかということは、感染状況を踏まえながら、臨機応変に考えていくべき課題であるという認識は持っています。
記者:
年内も残すところあとわずかでありまして、10月に大臣就任されて以降この間の新型コロナ対策をはじめ、国会面での対応あるいは様々な場所での視察等ありましたが、この間の仕事を振り返ってみてご所感を是非お願いします。
大臣:
まだ3か月を振り返ってという振り返る余裕がないという感じもありますが、いずれにしてもご指摘をいただいたように、就任早々から全体像の作成に省内挙げて本当に取り組みました。そうしたことを進めていくこと。
 また、補正予算や当初予算について言えば、診療報酬の改定やあるいは雇用保険特会の財源問題や、様々な大きな課題もありました。
 経済対策の中で、新型コロナに対する医療提供体制やあるいは新型コロナで苦しんでおられる方に対する対応ということや雇用の安定等の問題についてもいろいろな課題がありました。
 国会も12月の予算編成をしながらの対応というのは、やはり大変な日程だったと思っておりまして、そんな中で今は新型コロナウイルス、本当に国民の命と暮らしを守るために全力を投球する必要がありまして、あまり後ろを振り返っている余裕はありませんが、しっかりとこれからも任務を果たしていきたいと思っています。
記者:
年末年始は大臣どうお過ごしになるか教えてください。
大臣:
基本的に東京でこういう非常に緊張感のある危機管理の体制が必要ですので、東京におりまして、いつでも何か起これば対応できる体制にしたいと思います。
 また、内閣ないし政府としての体制については、これから夕方にも会議もありますし、そういう中でどういう体制で政府として臨むのかということについては相談して体制を取りたいと思いますが、少なくとも厚生労働大臣としてはこういう状況でありますから、基本的に東京で待機、そして(危機管理の)体制のために仕事をする気持ちでおります。

(了)