後藤大臣会見概要

(令和4年1月14日(金)10:10~10:26 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
それでは冒頭一つ私の方から申し上げます。本日の閣議で、「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律の施行期日を定める政令」を閣議決定いたしました。これによりまして、昨年6月9日に成立した「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」は、1月19日に本格的に施行されることになりました。
 同法に基づく給付金の請求は、1月19日より受付を開始することになりますが、厚生労働省としては、本法律に基づく給付金制度の実施に万全を期してまいりたいと思っております。以上でございます。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2022年1月14日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
オミクロン株の濃厚接触者の待機期間について伺います。感染が急拡大する中で早期に結論を出すことが求められますが、昨日のアドバイザリーボードでの議論を踏まえ、どういう点を重視し、いつまでに結論を出す考えでしょうか。また10日や7日などの案が報道されていますが、専門家らの提言は既に出されたのでしょうか。
大臣:
昨日のアドバイザリーボードにおきましては、オミクロン株は潜伏期間が短いとの報告がなされていることから、濃厚接触者の待機期間の短縮について早急に対応することが社会活動の維持のために極めて重要であるといったご意見が出ていたということを承知しております。
 濃厚接触者の待機期間については、こうした科学的知見、また専門家のご意見も踏まえまして早急に検討をし、結論を出していきたいと思っています。
記者:
提言はまだ出ていないということでしょうか。
大臣:
そうですね。
記者:
もう一点お伺いします。東京都で来週にも9,000人以上が感染するとの試算が出されました。驚異的なスピードでの感染拡大についての受け止めと、現状の対策で対応しきれると考えるかお願いします。
大臣:
昨日のアドバイザリーボードにおいても、関東や関西地方の都市部のみならず、その他の地域でもこれまで経験したことのない速さで新規感染者数が急速に増加していると評価・分析されておりまして、引き続き高い警戒感を持って注視していく必要があると思っております。
 対応に際しては、オミクロン株の評価を踏まえつつ、これまで「全体像」でお示しをしてきた医療体制をしっかりと稼働させていくことの準備をしっかり進める。ワクチンや治療薬といった予防から早期治療の流れを引き続き強化していくことが重要だと考えています。
 保健・医療提供体制については、昨年末に都道府県に依頼した点検・強化の結果を12日に公表したところでありまして、全ての都道府県においてパルスオキシメーターを自宅療養の開始当日ないし翌日に配布する体制を構築するなど、点検・強化がなされていることを確認するとともに、健康観察・診療を実施する医療機関については、昨年11月末時点の1.2万から1.6万まで拡大することを確認できております。
 こうした点検も踏まえまして、自宅療養の支援体制を更なる強化、進めるための事務連絡を発出しておりまして、これもご説明したとおりでありますが、健康・観察診療を実施する医療機関の更なる確保、「My HER-SYS」等のシステムの徹底活用、健康観察のために都道府県等が設置するフォローアップセンターの強化、パルスオキシメーターについて、改めて在庫の確認や必要台数を確保することなど、しっかりと自宅療養の支援体制等を進めるということをお願いし、実行していただいております。
 新型コロナワクチンの追加接種については、重症化リスクの高い高齢者などを対象に接種間隔の前倒しを行っております。更に昨日、自治体に対しワクチンの量や接種体制に余力がある場合は、それを最大限活用して順次できるだけ早く前倒しを行っていただくなど、追加接種のペースアップについても、強く要請をしたところでございます。
 引き続きオミクロン株に関する科学的な知見を収集しつつ、こうした今準備している体制を国民の命を守るために、先手先手でしっかりと整えていくことが必要だと考えております。
記者:
黒い雨をめぐる被爆者認定制度の見直しについてお伺いします。昨年の12月末に広島県・市が同意した指針改正案では、同様に救済を求めていた長崎原爆の被爆体験者は対象に含まれず、長崎から反発の声が上がっています。
 今後、5者協議ではなく、広島、長崎を分離して対応を検討していく方針と聞いておりますが、長崎とは具体的にどのように協議を進められるのか、また長崎の被爆体験者を対象とするためには、どういった課題があるのか大臣のお考えを教えてください。
大臣:
長崎の事例についてどのような対応が可能か、長崎県・市の意見をよく聞きながら、実務的な課題の洗い出しからまず検討していきたいと考えております。今月中にも実務者レベルの打ち合わせを開始したいと思っておりますが、今お尋ねの課題、あるいはどうした点を検討していくのかということについても、手順、課題の洗い出し等について、丁寧に長崎県・市と協議をさせていただきたいと思っています。
記者:
濃厚接触者の(待機)期間の件なのですが、単純に期間を短くするだけではなくて、医療従事者とかエッセンシャルワーカーとか、社会的な活動を維持するような人たちは、別の考え方をするような必要性もあると思うのですが、大臣は今そのところ、どうお考えでしょうか。
大臣:
基本的には、まずは客観的エビデンスでどうなのか、そのことをまず第一に整理して考えることが必要だと思います。客観的エビデンスで合理的な対応について、このことについては第一に考えて進めていく。
 また、感染状況や、オミクロン株の性状等がより具体的になることによって、どういう対応が可能であるかということは、また併せて考えるべきことだと思いますが、今、どういう尺度で考えていくべきかということについて言えば、客観的エビデンスに従って整理をしていくということが、一番の基本だと思っています。
記者:
新型コロナウイルスのオミクロン株は、感染した場合喉の痛みや咳、発熱、全身倦怠感など、風邪の諸症状と似た症状が出ると言われております。重症化率は低く、逆に感染率は高いと言われており、冬場に誰でも一度や二度はひくであろう風邪との区別が当人にも周囲にもつきにくいことは、市中感染を拡げてしまう大きな要因になると思われます。
 風邪なのかオミクロン株なのかは、PCR検査を徹底するしかありません。またPCR検査を行って、新型コロナウイルスの陽性か陰性を調べ、更に遺伝子の種類でオミクロン株か否かを判断するとのことですが、オミクロン株は通常の新型コロナウイルスの潜伏期間より短く、3日で症状が出ると言われており、このような検査方法ですと多くの日数を要します。
 検査を行った方々を全て隔離するなりしないと、軽症の陽性者を野放しにして、市中感染を拡大する恐れがあります。単なる風邪だろうと放置している無症状の人がいることもあわせ、感染拡大が急激に増加している状況で、発熱しなくても、風邪のような症状が出た人は全員にPCR検査を病院でもどこでも受けられるようにしないと、感染拡大は止まらないのではないでしょうか。
 検査の徹底した拡充を行う考えが政府にあるのか、大臣にお聞きしたいと思います。
大臣:
まず、風邪のような症状を含めて、症状のある方などについては地域の身近な診療・検査医療機関になりますが、医療機関で迅速に検査ができるような体制を進めまして、今、診療・検査医療機関数も3万5千箇所まで増加してきているところであります。
 また、オミクロン株による感染拡大が懸念される地域では、不安を感じる場合に、無症状であっても無料で検査を受けられるように対応しております。
 有症状であれば、行政検査が無料で受けられるのは当然のことですが、無症状でも無料で検査を受けられるようにいたしております。更に一層の検査体制の整備をするために、有症状者に対しては医療機関において、簡便かつ迅速に検査結果が判明する抗原定性検査キットの積極的な活用をお願いしたり、また民間検査機関や生産メーカー等に対して、一層の協力を依頼しているところでもあります。
 今1日あたり検査能力が、PCRが約39万回。抗原定量が約8万件、抗原定性検査キットが87万件となっておりまして、それなりの体制を整えておりますし、今後のオミクロン株の状況如何によっては、検査キット等対応できる体制を取っていくように考えているところでございます。
 引き続きご指摘のように、検査体制を充実していく、検査を拡充していくということは重要なことだと考えておりまして、都道府県とも連携して、検査体制もしっかりと確保していくと、そういう姿勢で臨んでいきたいと思っております。
記者:
濃厚接触者の待機期間のことで重ねてになるのですが、客観的エビデンスに基づいて検討ということで、昨日の専門家会合の中でも潜伏期間がデルタ株よりは短いということも出てきています。
 こういうことを受けて、今、現状、大臣として、待機期間の短縮についてはどういうお考えでいらっしゃるのかということと、早急に検討したいということでしたが、国民の生活にも関わることなので、具体的にいつ頃までに方向性を出していきたいかということ、現状のお考えをお聞かせください。
大臣:
大臣としての考えということは、基本的には厚生労働省としての考えであって、また所管している立場から言えば政府の考えということになると思いますから、今専門家の皆様、またその皆様方に科学的知見の整理をしていただきまして、関係者とも協議中でございますので、そういう意味ではできる限り早急に検討して結論を出していきたいということに尽きると思います。今の言葉の中に私の気持ちが込められていると考えています。
記者:
地方の感染状況についてお伺いしたいのですが、北海道をはじめ大都市部以外でも加速度的な感染者が増えていることについての認識を改めてお伺いしたいのと、あわせてまん延防止等重点措置を検討している地域もあると思うのですが、適用拡大についてどのように考えるかお聞かせください。
大臣:
今ご指摘のように、沖縄県、山口県、広島県など、地方においても新規感染者は急増しているという認識でございます。昨日13日のアドバイザリーボードではオミクロン株による感染例も増加して、既にデルタ株からオミクロン株へと置き換わりが進みつつある一方で、デルタ株による感染者も検出されており、デルタ株感染はより重症化しやすいため警戒が必要であると。
 一部地域はまだ置き換わりが進んでいない地域もあるということ、また夜間滞留人口については、全国的な傾向として、年始には減少していたものの直近では再び増加に転じている。
 また、年末年始の帰省や1月の連休などによる人の移動や、普段会わない人との接触に加えて、気温の低下に伴って屋内の活動が増えていることも踏まえると、今後も感染の急拡大が継続する恐れがあるということで、地方における新規感染者の急増についての評価・分析をなされたところでありまして、今後の感染状況については地方についても同様に全国全体として高い警戒感を持って注視していく必要があると考えています。
 まん延防止等重点措置を適用するかについては、これは各都道府県とも緊密に連携しつつ、担当の内閣官房において、また専門家の意見も伺いながら政府一体として適切に対応していきたいと考えています。

(了)