第116回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

平成30年12月6日(木)15:59~17:40
 

場所

ベルサール飯田橋駅前

議題

  1. 1.医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議における検討状況
  2. 2.高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議における検討状況
  3. 3.オンライン資格確認等システムの検討状況
  4. 4.その他

議事

 

○遠藤部会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第116回「医療保険部会」を開催したいと思います。
委員の皆様におかれましては、師走のお忙しい中、御出席をいただきましてありがとうございます。
まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は池端委員、岩村委員、岡崎委員、尾崎委員、樋口委員、望月委員より御欠席の御連絡をいただいております。
また、横尾委員、堀委員から、少し遅れるとの御連絡をいただいております。
続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをいたします。
池端委員の代理として武久参考人、岡崎委員の代理として田中参考人、尾崎委員の代理として家保参考人、樋口委員の代理として新井参考人の御出席について、御承認をいただければと思います。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、議事に入ります。本日は「1.医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議における検討状況」「2.高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議における検討状況」「3.オンライン資格確認等システムの検討状況」この3つを議題といたします。
初めに「1.医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議における検討状況」について、事務局から資料の説明をお願いします。
○宮崎課長 医療介護連携政策課でございます。
説明に入ります前に、まず資料の関係ですけれども、お手元のタブレットで申しますと通し番号の4番、資料1-1が医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議報告書ということで、事務局のほうで概要をまとめておりますので、これに沿って本日は説明をさせていただきます。
そのほか、お手元のタブレットに収納しておりますのは、通し番号5番「『医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議』報告書」。
通し番号6番、資料1-3「『医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議』開催要項」。
少し飛びますが、通し番号12番として参考資料2「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議報告書について(参考資料)」をお手元にお配りしております。
また、通し番号14番、委員提出資料として望月委員から議題1の医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議における検討状況と、後ほど御説明させていただきます議題2、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議における検討状況、この2つの議題に関する資料が提出されておりますので、御報告をさせていただきます。
それでは、資料1-1、通し番号4番の「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議報告書について」に沿いまして御説明をさせていただきます。
1ページ目でございます。医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議、こちらはNDB及び介護DB、医療に関するレセプト情報あるいは介護保険にかかわるレセプト情報等を集積しておりますデータベースでございますけれども、こうしたデータベースを連結して解析していくというテーマに関しまして、法律的あるいは技術的な論点について整理するために、それぞれのデータベースに精通した有識者から構成されます有識者会議におきまして検討いただいてきたところでございます。
検討経緯として4月以降の動きをまとめておりますけれども、先回、医療保険部会でも御報告させていただいた部分とやや重複いたしますが、有識者会議は5月16日に第1回の会議を開催いたしまして、先月、11月16日に報告書を取りまとめ、公表するという経緯でございました。
有識者会議の構成員につきましては、右肩にございますように本部会の遠藤部会長を座長といたしまして、全部で10名の方に参加をいただいたわけでございます。
5月以降、11月までの間に9回の有識者会議を開催いたしましたけれども、その中では研究者の方々あるいは日本製薬工業協会など、関係する方々からのヒアリングなども行いまして、そのようなヒアリングなどを踏まえた上で会議として御議論いただき、7月19日に議論の整理として一旦取りまとめたものを医療保険部会、介護保険部会に報告をさせていただいたところでございます。そして9月以降さらに議論をいただきまして、11月15日に報告書案を最終的に議論し、16日に報告書を取りまとめて公表したところでございます。
報告書の内容につきまして2ページ、3ページ目で御説明をさせていただきます。詳細は資料1-2に全文をお配りしておりますけれども、こちらにポイントのみ事務局の責任で整理をしたもので御報告させていただきます。
1として書かれておりますのは議論の経緯等でございますけれども、こちらはNDBと介護DBを連結して解析することにつきまして、セキュリティーや効率的な実施体制の確保等のテーマにつきまして検討いただきました。その際には両データベースの匿名性の維持や構築にかかわる関係主体の理解を前提に検討が進められたところでございます。
NDB、介護DBともに保健医療や介護の悉皆的なデータベースでありますので、連結解析や幅広い主体による利用促進によりまして、地域包括ケアシステムの構築や学術研究、研究開発の発展等に寄与し、国民生活の向上につながることを期待している。厚生労働省においては、本報告書を踏まえて医療保険部会、介護保険部会等において検討を行った上で、公的措置も含めた必要な措置を講じることが適当であるということでございました。
内容に入りますけれども、内容としては大きく2つございまして、1つは法律的な課題というところが2に書かれております。そして、運用面等の課題が3以下でございます。まず法律的な課題と対応についてという2のところでございます。現在、NDBと介護DBの収集・利用目的というのは、法令の規定とガイドラインを組み合わせて設定されているところでございます。公益目的での利用を確保していくという観点からは、今後、収集・利用目的というのは法令に明確に規定をすべきである。このために両データベースの収集・利用目的の整合性を確保しつつ、連結解析、両データベースのデータを連結して解析していくこと、あるいはそれぞれのデータベースを第三者に提供していくことを可能とする旨の利用目的について、法令に明確に規定すべきではないかという御指摘であります。
また、現在、NDBと介護DBの情報の第三者提供につきましては、ガイドラインにおいて利用者の範囲等を定め、対応しておりますけれども、利用の公益性の確保ですとか個人の特定を防止しながら、民間主体を含めた幅広い主体による公益目的での利用を図るために、その枠組みを制度化すべき、法律上、明確にしていくべきではないか。このためにNDB及び介護DBの情報の第三者提供に関して利用目的、利用内容の審査あるいは情報の適切な管理に関する義務、国による報告徴収や命令等に関する法の規定を整備すべきという御提言をいただいております。
大きな柱の2点目が運用面での課題と対応にかかわる部分でございまして、これは3、4、5と2ページ目から3ページ目にかけて記載がございます。
まず運用面の課題として、第三者提供の手続に関しては、これは2ページの下のほうに5点書かれております。第三者提供に当たりまして現在、研究者等からの申し出に応じまして、それを個別に審査して利用目的あるいは特定可能性がないかどうかなどの確認をした上で提供を行っておりますけれども、こうした個別審査を今後、円滑に実施していくために、例えば審査頻度の確保とか方策を検討していくべきではないか。また、利用者を支援する体制を充実していくべきではないか。あるいは第三者提供を可能にするための環境整備ということで、クラウドの活用等についても提言をいただいております。
また、第三者提供につきましては、オープンデータという形で厚生労働省のホームページに集計表等を公表するような仕組み、あるいはデータセットということで一定の比率で抽出をいたしましたデータセットを提供して、探索的な研究に供するようなことも行っておりますけれども、こうしたオープンデータやデータセットの充実あるいはオンサイトリサーチセンターの機能向上など、今、行っている取り組みをさらに向上させていくことを検討すべきだという御指摘もいただいております。
また、リスクに応じた適切なセキュリティー対策を講じていくということとの提言もいただいております。
次に進んでいただきまして3ページ目でございますけれども、運用面での課題の2点目といたしましてはデータベースの整備のあり方として、これは両データベースともに国が情報を収集する段階ではカナ氏名等をハッシュ化して匿名化した上で情報を収集しているわけでございますけれども、両データベースを連結していくためには、それぞれのデータベースで共通した識別子によって連結をしていく、そういう仕組みをつくる必要がございます。これにつきまして、当面2020年度に向けてカナ氏名等をハッシュ化して生成した識別子により連結解析ができるような対応を進めていくべき。また、2021年度以降は現在、検討を進めております個人単位被保険者番号をハッシュ化して作成した識別子の整備・活用についても検討すべきといった御提言をいただいております。
運用面で2つ目といたしまして実施体制・費用負担のあり方についても提言をいただいております。実施体制につきまして、第三者提供の可否の判断など、データベースのあり方にかかわる性質の事務については、国がみずから実施をすべきである。その一方で効果的・効率的な運営を図るために、他の主体との役割分担を検討すべきという御提言をいただいております。
また、費用負担につき、原則として第三者提供に要する作業等に応じた費用負担については、利用者から求めることを可能とすべきである。ただ、個々の利用目的の公益性や利用者の受益の程度等を勘案した費用負担を軽減する仕組みもあわせて検討すべきという御提言もいただいております。
最後に、保健医療分野の他の公的データベースとの関係整理という項目がございます。こちらにつきましては、この有識者会議におきまして保健医療、介護の公的データベースのあり方を検討していくに当たりまして、まずこの段階ではNDB、介護DBとの連結解析について中心に御議論をいただきましたけれども、他の公的データベースについても関係部局からヒアリングをした上で御検討をいただきました。その際には、連結解析の具体的なニーズあるいは収集・利用目的、第三者提供の枠組みが法令等でどのような位置づけになっているのか。あるいはNDB、介護DBとの匿名での連結解析が技術的に可能であるか、こういった観点から御検討をいただきました。現在いろいろ各データベース、下の2番目の○にありますようなDPC、がん登録DB、難病・小児慢性疾患DB、MID-NETといった公的データベースがございますが、それぞれに課題もございます。各データベースにつきましては、それぞれの現在、抱えております課題を解決した上で連結解析に向けた検討を進めるべきといった提言をいただいております。
なお、この公的データベース4つにつきまして検討いたしましたけれども、それ以外の公的データベースにつきましても、今後、必要が出てまいりましたらデータベースごとに上記マル1~4にあるような点につきまして検討を加えた上で、関係者の理解を得ながら検討を進めていくことが適当であるという御提言もいただいております。
こうした形で法的な対応が必要な部分についての御提言を含む御提言をいただきましたので、今後はこの御提言を踏まえまして、本部会での御意見も踏まえ、必要な法律的な手当について検討をした上で、対応をしていきたいと考えているところでございます。
私からの説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ただいま報告書の概要について報告していただきましたけれども、何か御意見、御質問ございますか。南部委員、どうぞ。
○南部委員 御説明いただきまして、ありがとうございます。
1点確認をさせてください。この報告書にございます有識者の報告書では、第三者提供を拡大するという方向で課題整理がされておりまして、第三者提供の手続については現行ではガイドラインに基づき、厚生労働大臣は有識者会議の意見を聴取し、提供の可否について審査するということでございますが、この有識者会議というのは現在、存在する会議なのか、それが存在していればどういった体制かについて教えてください。そうでなくて今後設置するのであれば、どういった方向で設置するかということをお聞きしたいと思います。
それを聞いてから、その上でもう一つでよろしいですか。
○遠藤部会長 重要な御質問だと思いますので、事務局、お答えください。
○宮崎課長 御質問の点でございますが、現在はNDB、介護DBそれぞれにつきまして個別の研究者等からの提供の申請がありましたときには、その内容について審査をし、個人の特定につながるかどうかという観点からの審査を有識者会議それぞれに設けておりまして、審議をいただいております。NDBについては既に数年の実績がございますけれども、介護DBにつきましては今年度からということでございます。そういう状況でございますけれども、それぞれに今、有識者会議を設けているところでございます。
今回の本有識者会議での報告の中では、こうした個々の申し出に対する審査というものは、きちんと専門家による検討が必要だろうということで、同様に有識者による合議体で審査をしていくべきだということで御提言をいただいておりまして、これは第三者提供という仕組みを今後、法律上、位置づけることになりましたら、例えば審議会等の形で位置づけをしまして、そこで審議をいただくことが考えられるのではないかと考えるところでございます。
○南部委員 ありがとうございます。現在もあるということで、ちょっと調べてみたのですけれども、体制等がオープンになっていないような気がしましたので、確認をさせていただきました。今後、透明性を持ってやっていただけたらなと思っております。
その上で、この報告では公益目的での利用を図るということを前提に、第三者提供を拡大していくという方向性が示されております。従来よりも幅広い主体によるデータの利用が想定されますので、これまで想定しなかった事柄の発生も予想されます。そのために第三者提供の可否に係る検討はより丁寧に、慎重に行うことが必要だと考えておりますので、その有識者会議の今後の体制などについては、引き続き慎重に検討していただきたいということが意見でございます。
もう一点ございまして、公益目的ということになりますので、法整備もするということですが、この公益性の定義を法律に定めるべきではないかと思っております。本則が無理であれば省令、指針などにしっかりと明記をするべきではないかと考えておりますので、あわせての御検討よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○遠藤部会長 御意見として承りました。重要な御意見だと理解しております。ありがとうございます。
ほかにございますか。それでは、菅原委員、どうぞ。
○菅原委員 私も2点あるのですが、1つ目はNDBとか介護DBの活用基盤の整備に当たっては、基本的に活用と提供のあり方だけではなくて、その成果、実際の利用状況、成果報告のあり方や基盤整備も非常に重要だと考えております。もちろん利用者の利便性を損なってはいけないわけですけれども、これらのデータベースが社会全体の共有財産であるという認識に立てば、そこから得られた知見というものを幅広く社会に共有することが非常に重要だと思います。
そういった意味では、利便性や一覧性にすぐれた報告システムというものを整備いたしまして、その運用によって利用者にしっかりとした成果の社会還元の意識を持っていただくと同時に、得られた成果を社会全体に横展開していくための資するべきシステムをあらかじめ考えておくべきではないかと思います。今、科研費、厚生科研等々で運用されている報告システムのようなものがあらかじめあると、非常にいいのかなと考えます。
それから、これらのデータベースの活用というのは、主に地域医療政策だとか介護事業政策だとかそういった地域医療政策、介護政策に使われるということも前提にされていると思います。そういったデータを使っての政策利用ということを考えますと、実際には一研究者としては、これらのデータベースに加えて地域の例えば基礎自治体だとか、二次医療圏ごとのデータを組み合わせて初めてそういった分析が可能になります。非常にすばらしいデータベースが出てくることは喜ばしいことなのですけれども、それと同時にぜひ基礎自治体や二次医療圏ごとのさまざまな関連するデータというのもあわせて整備していただいて、公表いただくと飛躍的に政策利用が進むのではないかと考えております。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りましたけれども、重要な御指摘だと思いますので、もし事務局から何か研究結果の内容の公表のシステムと他のデータベースとの関連、幾つか事例が出ていますけれども、それ以外に基礎自治体が持っているデータとの関連ということを具体的におっしゃっておられますので、何かコメントがあればおっしゃっていただければと思います。どうぞ。
○宮崎課長 まずデータ利用の成果につきましては、概要を事務局で整理したもので御説明したので詳細に報告書を御説明いたしませんでしたけれども、有識者会議でもきちんと成果を社会で共有するという方向での御議論がございまして、報告書の中でもデータ利用の成果につきしましては多様な機会を通じて広報を図り、その成果の適切な評価に努めるべきという御提言もいただいておりまさに菅原委員御指摘のような方向での提言もいただいているところでございます。検討課題だと思っております。
また、データベースにつきましては、例えば今オープンデータベースという形で公表しておりますけれども、これは今、都道府県単位で集計表を出しておりますが、NDBに関しては、各方面から二次医療圏ごとに出せないかという御指摘もいただいているところでございます。なかなか事務的な能力の問題等もございますので、簡単ではない部分もございますけれども、そういう方向でできるだけ研究者の利用に供するような、また、御指摘のありました単にNDBのデータを二次医療圏ごとに出せばいいというものではなくて、周辺の情報とあわせてどういう形で出すのがより研究に資するのかということも、よく課題として受けとめながら進めてまいりたいと考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。大体よろしゅうございますか。ありがとうございます。
それでは、特段御意見がないようであれば、本議題につきましてはこれまでにさせていただきたいと思います。
第2の議題であります「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議における検討状況」について、事務局から資料の説明をお願いします。
○込山課長 高齢者医療課長でございます。
資料につきましては通し番号7番、資料2-1でございます。お開きいただけるとありがたいと存じます。続きまして、保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議の御議論の状況を御説明申し上げます。
骨太方針2018等を受けまして、また、この医療保険部会の御了解をいただきまして、こちらの有識者会議を本年9月から開催し、御議論いただいたところでございます。
資料の1ページに有識者会議の構成員の先生方、また、これまでのスケジュールについてまとめさせていただいているところでございます。
左の一番下でございますけれども、11月22日に第5回目を開催いたしまして、報告書案につきまして御議論を頂戴いたしました。この御議論の内容を反映し、必要な修正を行った上で、12月3日に報告書を正式に公表させていただいた次第でございます。
続きまして、2ページ目をお開きいただきたいと思います。このペーパーでは、おまとめいただきました報告書の内容をわかりやすくポンチ絵等にいたしましてまとめているところでございます。この2ページは、保健事業と介護予防の現状と課題のイメージ図でございます。御議論の中では高齢者の保健事業につきまして大きく2点、課題を頂戴したところでございます。1点目は国保の保健事業等と後期高齢者の保健事業の接続の必要性というところです。2点目は、保健事業と介護予防を一体的にコーディネート、また、事業を展開していくことの必要性、こうした2点を御指摘いただいたところでございます。
まず1点目の保健事業の接続の問題です。このポンチ絵でいきますと上のほうの箱になりますが、御案内のとおり保健事業につきましては、各医療保険者さんがそれぞれ保健事業を展開していただいているところでございます。高齢者の保健事業につきましても平成20年の制度創設以降、広域連合さんが責任主体となって実施していただいているところでございます。また、平成27年の医療保険改革であったりとか、そういったものを通じまして高齢者の特性に応じた保健事業の展開というものが強く意識されてきたところでございます。
ただ、広域連合におきましてはいろいろな体制の問題もございますので、具体の事業の実施につきましては、市町村さんに委託する等のやり方で実施しているところでございます。ただ、ここで問題がございますが、実情といたしまして右上の箱にございますけれども、実際の事業内容がどうしても健康診査だけというような状況が多く見られているところでございます。さらに問題は、同じ市町村にお住まいの方であっても、国保時代までの保険者と75歳以降の広域連合が保険者となるというところで、ここに断絶が生じているということでございます。ちょっとお言葉があれかもしれませんが、市町村国保の担当者の方からすれば、当然75歳以上の方は自身の被保険者ではないというところで担当意識が消えてしまうといったこともございます。そういったことで75歳を境にいたしまして、保健事業の主体であったり、担当者の方であったり事業の内容、さらに言えばその方の健診を初めとする情報などがここで断絶をしてしまうということが指摘されているところでございます。
2点目の課題でございますけれども、御案内のとおり高齢者の保健事業を考えたときに、フレイルという概念が昨今強く指摘されるようになってきました。フレイルというのは身体的な脆弱性だけではなく精神、心理的な脆弱性、さらに加えて社会のつながりの弱さといったような社会的脆弱性といった複合課題に着目する必要があるということが指摘されるようになりました。こういったフレイルに着目した事業展開をするに当たりますと、報告書にもございますように、これまでの疾病予防における個別的な対応のみならず、フレイルの観点を持った社会参加を含む地域での取り組みが必要になってくるという点を御指摘いただいているところでございます。
そうしますと、こういった事業展開をいたしますと、まさに介護予防との一体的な実施というのが必要になってまいります。市町村さんにおける一体的な実施ということで一体的なデータ分析であったり、一体的なコーディネートというようなことが必要になってくるという御指摘でございます。
さらに申し上げますと、そういった保健事業としての専門的な視点と介護予防の実施が一緒になることによって、介護予防自体の専門性を高める支援メニューが充実されることにつながっていくという御指摘をいただいたところでございます。
以上、申し上げた点につきましては、報告書の第1章から第4章にかけて御指摘いただいているところでございます。
3ページでございます。今、申し上げました課題を解決するため、市町村を舞台といたしましてこの保健事業と介護予防の一体的実施、ひいては広域連合と市町村の有機的な連携というものが必要になります。そのために御提案いただいたスキームが3ページの内容でございます。保険者として財政運営責任を有している広域連合が保健事業の責任主体として、例えば保健事業の企画立案、また、事業の方向性などを定めていただくということ。一方、市町村が具体の実施主体として御活躍いただくということでございます。
具体的には、広域連合のまさに基本計画でございます広域計画に、この保健事業の事業内容とか、市町村との連携内容をきちんと明示していただく。それを受けてデータヘルス計画などにもその辺を明記していただくといったこと。市町村はこういった広域計画などを受けまして、個々の取り組んでいただける事業実施計画等を作成いたしまして、介護の地域支援事業であったり、国保の保健事業と一体的な取り組みを行っていただくということでございます。こういったことを法令的にもきちんと明確化することが必要ではないかといった点も御指摘いただきました。
加えまして、市町村の枠の中の3番目の○でございますけれども、市町村が広域連合に医療情報等の提供を求めることができるといった旨がございます。市町村さんがこういった一体的実施を行っていくに当たりまして、情報の連携的な活用、有効活用というのが必要になってまいります。ただ、現実は市町村の国保、市町村の介護、さらには広域連合が持つ医療情報というのが、KDB、国保データベースに収納されてはいるのですけれども、これを一体的に通覧することができないといった個人情報上の課題がございます。そういったものを法令の手当によって解決することができないのかといった点も御指摘いただいているところでございます。
下のほうの枠でございますけれども、都道府県さんや国保中央会、国保連さん、さらに三師会等を初めとする地域の医療関係団体の皆様方の御協力をいただいて、この事業が有効に機能する形というのも必要だという旨、御指摘いただきました。
加えまして、国といたしましても保健事業の指針において、この実施の方向性を明示するといったような取り組みも必要だという点がございます。
こういった取り組みを行うに当たりまして1つ特に強く御指摘いただいている点ですが、市町村の中における各部局の連携であったり、また、都道府県の中でも各部局がきちんと連携するということが必要である。さらには市町村さんの取り組みにおいて自由度を尊重するような柔軟な仕組みにすることが必要だという旨も御指摘いただきました。
ただ、こうしたスキームを展開して、新たな取り組みを市町村さんにお願いするに当たりましては、保健師さんとか管理栄養士さん、歯科衛生士さんなどの医療専門職を市町村に配置していくことが必要であります。そのための費用につきまして広域連合が保険料財源などをもとに市町村に交付する。また、これにつきまして国としても特別調整交付金などで支援することが必要ではないかといった御提案もいただいた次第でございます。
以上の点につきましては、報告書の6章から8章、加えまして10章に記載されているところでございます。
続きまして4ページでございます。こうした今、申し上げましたような専門職の方々が中心となって、市町村において一体的実施の事業を展開していただくわけでございますが、その事業のイメージがこの4ページに記載されている内容でございます。それぞれ事業の項目ごとに番号をつけさせていただいていまして、マル1~10がございます。右上からでございますが、それを通してごらんいただければと思います。
今、申し上げたように広域連合が交付する財源をもとに、市町村が地域に医療専門職の方を配置する。この医療専門職の方がマル2、マル3でございますけれども、KDBデータなどを活用いたしまして、それぞれの方のニーズを把握、一体的に分析をするということでございます。先ほど申し上げたとおり、分析に当たりましては医療レセのみならず、介護レセ、健診レセ等々を活用した分析を行う必要があります。また、そうした分析を通じて個々の高齢者の方のみならず、それぞれの地域、地区ごとの健康課題を整理することがKDBを活用しますとできるということでございますので、そういった取り組みもやっていただければと思います。
そういった分析などを通じまして、例えばマル4でございますが、いろいろな課題を抱えている方を見つけ出し、また、その方に対しましてアウトリーチをしまして、必要な医療サービスや介護サービスにつなげていくといった取り組みも重要だと思います。そういった形で高齢者の方についてフレイルに対する気づきを持っていただき、できますれば通いの場などに御参加していただくことになろうかと思います。
その通いの場でございますけれども、マル7にありますように、先ほど来、申し上げている医療専門職の方が積極的に関与していただき、これまでの介護予防の取り組みに加えて保健事業的な視点を持った事業の内容にもしていただくことが重要ではないかと思います。そういったことは逆に申し上げれば、これまで個別的な対応であった保健事業、例えば重症化予防等ございますが、それはもちろん大事ですが、それに加えて疾病予防の分野でも地域における社会参加といったような部分も取り込んだ形で、保健事業を広げていくということでございます。
こういった事業の展開に当たりましては、事業全体に対するアドバイスや個別の高齢者の方に対する御支援、医療につながなければいけないという場合には、その受診勧奨をするというようなことでのかかりつけの先生等々との連携というのが重要になってまいります。
さらに加えますと9と10でございますけれども、今、申し上げた通いの場の充実によって保健医療の視点からの支援が加わることによりまして、通いの場の内容がさらに魅力的なものになって、ここに皆さんが参加して、さらに健康寿命を延伸していただけるという取り組みにつながっていければと考えております。
この点それぞれの広域連合さん、市町村さん、さらには都道府県等々の御支援を頂戴してということになりますが、それぞれ何ができるのかというところを具体的にきちんと議論していただきまして、国としても必要な支援をさせていただくという形で、この一体実施が機能的に展開できるようにしてまいりたいということでございます。
以上のような内容で御報告を頂戴した次第でございます。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
説明を今いただきましたけれども、御質問、御意見ございますでしょうか。
まず藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 事業を一体的に進めていただくことは大変好ましいことだと思いますが、基本的に何でも制度に頼るということではなく、自らの健康は自ら守るんだ、自らつくるんだという行動変容を伴う意識改革をぜひ促していただきたい。結果的にはセルフメディケーションの推進、健康経営の推進ということを目標に進めていただきたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、原委員、お願いします。
○原委員 個人的なことになるのかもしれませんけれども、私は老健局長として平成26年の介護保険制度改革に従事いたしましたが、そのときに特に力を入れたのが介護保険の専門サービスに加えて、こういう地域の中に通いの場などをつくって、そこで高齢者の方が健康づくりをしたり、生活支援、助け合いといったようなことを進めていくという、介護予防の見直し、取り組みといいましょうか、こういったことをやったわけでございまして、資料のスライド2の下のほう、先ほど説明がございました介護保険の介護予防・日常生活支援総合事業というものなのでございます。
そういう意味で大変感慨深いものがあるのですが、そのときから実は介護予防の取り組みというのは長い歴史と経験を持っている医療保険の保健事業、当然高齢者もそこに入ってくるわけでございますが、とりわけ後期高齢者医療制度における保健事業と一体的にやっていけばもっと成果が上がるのではないか。そういうことを当時からも考えていたのですけれども、なかなか手が回らなかったということで、今回、こうした取り組みは、特に市町村に御負担をおかけするという意味では恐縮なのでございますけれども、ぜひとも進めていかなければいけないことではないかと思っています。
報告書の中では、私ども国保中央会、連合会が開発運用しているKDBシステムについて、高齢者一人一人の医療・介護等の情報を一括把握するという意味で活用することが言われておりまして、分析ツールとして有識者会議で評価をいただいたことに対しては感謝申し上げたいと思います。
中央会においては、KDBが一体的実施の有効なツールとしてさらに利活用していただけるよう、連合会に対する研修を工夫していきたいと考えております。
加えまして、KDB等による医療情報との接続について、先ほども課長から御説明がありましたけれども、複数の行政機関あるいは同じ行政機関内、例えば市町村内の複数の部署の中で、例えば国保の担当部署と介護の担当部署で、同じ市町村の中なのですが、一体的に医療・介護情報等の把握・分析が本人の同意がないために利用できないという歯がゆいような状況がございます。このため、法令上、個人情報保護という観点で明確にしていただくということであれば、そこは解決してまいりますので、ぜひとも厚生労働省には法整備をお願いしたいなと考えているところでございます。
さらに、保健師等の専門職不足という指摘もございましたが、以前も申し上げましたけれども、地域においては在宅保健師等会の活動も行われておりますので、こういったことも有効に活用すればよろしいのではないかと思います。国保中央会としても、この事業が円滑に進むよう、積極的に取り組んでいきたいと考えておりますので、厚生労働省の一層の御支援、御指導をお願いしたいと考えております。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、事務局、ただいまのことで何かコメントはございますか。事務局に対する御要望もございました。それも含めて何かコメントがあればお願いいたします。
○込山課長 どうもありがとうございます。まさに御指摘いただいたとおりでございまして、今後その介護予防の取り組みを保健事業と一緒にやることによって、まさにレベルを高めていただく。住民の方にとって有益な活動にしていくことが大事だと思います。
また、KDBの御指摘につきましては報告書でも御意見を頂戴しております。必要な法整備を行って、市町村さんに不都合が起きないように、できるだけそういった法的な手当をしたいと考えております。また、国保中央会、国保連さんに対しましてはいろいろお手数というか、御協力をお願いすると思いますが、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では佐野委員、お待たせしました。
○佐野委員 本件についてはフレイル対策と介護予防事業、この費用対効果をいかに高めるかというのが重要だと思うのですが、そのために評価をきちんと行っていく。まさにPDCAサイクルを回していくという中で改善をしていくというのが大変重要だと思っています。特に今回保健事業と介護予防の一体的な実施については、市町村の取り組みが極めて重要だと思います。そういう面で、現状どうしても市町村の中に差があると聞いておりますし、その中でも差が生じないような仕組み、特に全体をマネジメントする人材の育成も重要になってくるのではないかと思います。
そういう面で、それをうまくさせていくために、取り組み格差の見える化もぜひあわせて検討いただきたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 市町村ということは随分出ておりましたけれども、それでは、田中参考人、お願いいたします。
○田中参考人 岡崎の代理で健康福祉部副部長をしております田中と申します。
全国市長会として意見を幾つか申し上げたいと思います。
この取り組みにつきましては、当然保健事業、フレイル対策ということで一体的にしていくことは方向性は理解もできるし、やらなくてはならないと考えております。しかし、現在、後期高齢者人口は1700万人を超えております。報告書にあるように、ある意味、市町村が中心となって一体的に取り組むにしても、対応すべき対象者は相当数に及びます。さらに2025年の団塊の世代の後期高齢者の参加ということも控えておりますので、大きく3つほど申し上げたいと思います。
1点目としまして、後期高齢者広域連合と市町村の役割がしっかりと明文化されておりません。財源と制度の異なる対象者を含めて一体的に取り組むということですから、広域連合と市町村のそれぞれの役割を明らかにした上で、広域計画の中に連携だけではなくて役割をしっかりと位置づけていただくことがまず大前提だと考えております。結果的に、介護予防の中で市町村が頑張っていくことがないようにしていただく必要があります。
2点目、後期高齢者の多くは何らかの疾患に罹患している場合が多くて、医療機関を受診しており、レセプトデータなどの活用というところでは医療機関との連携、こういったことによって支援すべき対象者を効果的に抽出する仕組みが必要であります。
報告書の7番、医療専門職の活用に向けた体制整備にあるとおり、専門的知見を持つ国保連合会、中央会といったところの調査分析の支援をしっかりとしていただくということと、KDBの分析の手法等の研修、地域の医療機関との連携を円滑に図れるような仕組みづくりをしっかりとしていただきたいということが2点目でございます。
3点目が市町村の既存の体制では既に多くの業務を担っておりますことから、新たにこうした取り組みに対応することは非常に困難であります。支援すべき対象者の数から考えても、十分な人員体制と業務を行うために必要な財源が大きな課題であります。
10点目の財源のあり方にあるとおり、保険料財源と特別調整交付金を活用して、費用の一部を市町村に交付するとされておりますが、市町村の財政力はさまざまでございます。対応すべき課題もそれぞれであって、一部の費用の支援でこうした事業を全ての市町村で取り組むことが可能かというと、これはなかなか現実的に難しいのではないかと考えております。高齢化が進んで健康寿命の延伸は、国を挙げた大きな課題であり、市町村としても高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施を手伝っていきたいと考えておりますので、今回の有識者会議の方向性が確実に実行できる環境を国が責任を持って進めていただくよう、要望するものであります。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、村上委員、どうぞ。
○村上委員 ただいま原委員と岡崎委員のお話に関連しますが、特に町村であります。高齢化が進む中で、高齢者の多様な社会参加の促進等のために、国を挙げて取り組むことは必要不可欠であると認識をしております。
その中で取り組む町村の現場でありますが、現場が担っていくのは保健師が中心になってやっていくと思っています。しかしながら、現在、市町村の保健師は乳幼児や妊婦、成人、高齢者、障害者など多くの業務を抱え、今回の取り組みを実施できる余裕はないと思っております。特に今、町村においては保健師の確保というのは大変厳しく、難しくなっております。実施に当たりましては、市町村が必要とする保健師等の人材確保がしっかりとできるように、国において必要な財政支援措置を講じていただければと思っております。
以上であります。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、南部委員、どうぞ。
○南部委員 関連いたします。私からも自治体の取り組みを推進するためにということで、意見を申し上げたいと思っております。
一体的な取り組みは市町村が主体となってということの御説明でございました。市町村の規模、そして実施の体制についてはかなりばらつきがあり、既にさまざまな取り組みが自治体で行われているという実態もございます。その取り組みとの整合性をどのようにとっていくかということも課題となっていくかと思いますので、ぜひ地域での特徴を尊重した上で、国の適切な指導が必要だと思っております。
また、新たな取り組みもしくは現在の取り組みを充実させることになりますと、今、皆さんがおっしゃったように市町村、自治体への支援というのが非常に重要になってこようかと思います。財政の支援を含めて専門性のある人材が必要となってまいりますので、その育成を国がみずからしっかりとやっていくような体制も必要かと思っております。あわせて国のほうには広域連合と市町村がスムーズに連携ができるような仕組みも考えていただけたらと思っております。また、事例の横展開や紹介、情報の提供、進捗の追跡、技術的な指導、担当者間で情報共有できる場の設定も含めて、国として検討をお願いしたいと思っております。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、広域連合の話も出てまいりましたので、横尾委員、どうぞ。
○横尾委員 私は佐賀県多久市の市長であり、全国後期高齢者医療広域連合協議会の会長ですので、両者の立場から感じていること、気づいていることを意見として申し上げたいと思います。
まず最初に気づきです。先ほど説明の中で、「市町村の国民健康保険に係る職員は、74歳までの医療健康指導には関心があるようだが、75歳以上のことにはなかなか意識が行かない傾向にある」という説明があったのですけれども、これは制度設計からくる役割分担の仕分けが原因でそうなってしまったので、市町村職員が何もサボっているという理解ではないことをくれぐれもお願いしたいと思います。特に首長においては選挙で選ばれるという立場と、日々いろいろな世代の市民の皆さん、町民、村民の皆さんと触れていますので、目の前の方が健康でいらっしゃることは本当に切に望むことですし、あらゆる施策をとっていきたいというのは首長みんなの気持ちだと思います。そういった仕分けがあったためにそうなっていると御理解いただきたいと思います。
また、後期高齢者医療広域連合は、市町村からの職員の派遣によって構成して運営していますので、そこはうまくつなぐことが肝心と思っています。
そこで意見を幾つか述べたいと思います。
まず最初に大きな話になるかもしれませんが、このように一体的に保健事業と介護予防、特に御年輩の皆さんに対するケアをすることはとても大事なことでありますし、御説明いただいたような保健事業と介護予防の一体的な実施が進んでいけばと感じています。
世界的なベストセラーに『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)-100年時代の人生戦略』という本がありますが、簡単に言うと今までの人生というのは、比較的先進国などでは幼少期を過ごし、学び、就職をして仕事をして、引退をしてまた老後を過ごすというパターンが割と多いのですけれども、今、注目されているのは、いよいよ人生100年と言われておりますので、自分自身をどのように磨いて、自分自身をどのように自己実現するかというのがシニア世代、ゴールドエイジ世代のテーマになってくると思いますから、そこで一番基盤の基盤となるのが健康であり、介護とかのケアがちゃんとできる社会に自分がいるという安心感だと思います。そういった意味でも世界と人類の潮流を踏まえた大変大きなテーマですけれども、極めて重要なのでぜひ推進していただくことを心から願っています。
2点目に感じていることは、この中にも出ていますが、データヘルス等のことです。私も有識者会議の一員でしたので、そちらでも意見を言いましたが、データについてはいろいろな説明をし、納得をいただくことが重要ですけれども、全ての政策についてもそうであります。私自身、いつも感じるのは、「データにみずから語らせる」のが一番説得力があるし肝心たなと思っています。そういう意味では収集できるデータをみずから語らせるようにするためには、わかりやすく表示できるようにする、ビジュアルに示すとか、そういった工夫もできるような配慮を今後ぜひしていただくのがいいと思います。特に糖尿性腎症等の非常に今後課題となるテーマがありますけれども、これらについても自分の数値がどのような意味かがわかったときに行動変容が起きるのは、多くの方が指摘されているとおりですから、ぜひこのデータの活用についても今後さらに磨き上げていただきたい。そういう方向性を政策としてもとっていただきたいと思っています。
3点目は啓発に関してです。いただいたイメージ図のところに退職で色を分けていらっしゃるところがあります。その前の段階に、例えば若い世代があります。若い世代、すなわち中学校、高校でもいいと思います。あるいは退職前のとき、退職直後のとき、このときに実はフレイルに対する知識を渡しておかないと、「フレイルって何なの」となります。フレイル対策としては、一般的にけがしなければいい、倒れなければいいとなりがちですけれども、それでは不十分です。実は有識者会議でも現場の保健師が使っている生データあるいは参考資料を配って説明をさせていただきました。一人一人の方が本気になっていただくためのものです。そこでわかってきたことは、倒れない、けがをしないだけではなくて、実は内臓疾患に伴うことをできるだけ抑えていく。特に血管の劣化とか臓器の劣化です。そういった意味からすると、内臓あるいは体の中の健康ということをどう保っていくか。そういったことは急にそのときになっても手遅れですので、若い時代にフレイル対策について学んでおく。あるいは退職前にきちんと学んだ上で退職をして、自分のシニア世代を暮らしていく。そういったこともぜひ政府の政策の中に入れていただければと思っております。日本健康会議がその辺はリードされると思いますが、よろしくお願いしたいと思っています。
次に感じていることは、個人情報に関することです。先ほども意見が出ましたが、ヘルスケア、メディカルケアをする上で一人一人のパーソナルヘルスレコード、健康情報はとても大切なものだと思っています。みずからを振り返り、わかるためにも必要ですし、例えば政策的に言うとビッグデータとしてそれを匿名化して、どのような政策を打つなど使うときに個人情報保護条例や法律の課題があります。現在、全国には数にして2,000ぐらいの条例があります。これは統合するなり統一していかないと、なかなか将来的な活用が難しくなると思っています。
特に災害時を経験した自治体等におきましては、救急搬送されてきた患者の既往症がわからぬまま薬をどうしたらいいかとか、バイタルデータがないままに対応という非常にリスクの高い状況があったように記憶しています。そういったことを解消する意味でも、個人情報保護条例の新たな法整備というか、国としてオールナショナルとしてやっていくようなことも今後検討いただければ、とても有効になっていくと思います。ITとかICTで先進的に走っている国々は、この辺をカバーしていますので、日本も遅れないようにしていく必要があると感じています。
6点目ですけれども、先ほどほかの委員からも出ましたが、こういう話がどんどん出ていきますと、現場のほうに仕事がどんどん振り分けられます。余分な老婆心だといいのですけれども、介護の仕事と保健の仕事がまた2つできて、現場で統一してくれよとなってしまうと、同じような作業をしながら、同じような事務手続、書類をつくってまたまとめ直すということになると大変無駄になると思いますので、できるだけ簡素でわかりやすく、また、地方に過剰な負担が増えないような事務の流れの工夫をしていただきたい。これは有識者会議でも議論が出ていましたけれども、ぜひ医療保険部会の皆様にも御認識いただいて、地方の現場で頑張っているスタッフや保健師の方々がスムーズに仕事をして、対象者の方々もわかりやすくなる。そういうことをぜひお願いしたいと思っています。
あわせて7点目が人材です。先ほど御指摘もありましたように、私は人材確保は大変大事だと思っていますし、町村では御苦労が大変多いと思っています。そういう意味からしましたら、この資料の3ページもありましたように、専門職の人件費等の費用の交付について国が補填をしていただいて、それを広域連合を通じて市町村に渡すなり、いろいろな工夫をしていただきたいとともに、人材については単一自治体が単一の人を利活用するというだけではなくて、広域連携をしながらその中で活躍をいただくような方法もあるかと思います。より柔軟で、先ほど村上委員もおっしゃったのですけれども、的確な保健指導ができるようないろいろな工夫をしていただくことが、とてもスタートとしては大事かなと感じているところであります。
そして最後でございますけれども、こういった方向は広域連合としてもおおよその理解を示す方が多いかと思いますし、ただ、広域連合それぞれの都道府県で事情が違いますので、一概に私が全部オーケーとここで言うのは行き過ぎかもしれませんが、でも方向性としてはこれでいくべきだと感じています。そういった意味では広域連合本体あるいは事務局を担う主要なメンバーとか、さらには市町村に対しまして厚生労働省でこういうフレームで、こういう方向性で、こういう目的意思を持ってやっているので一緒にやろうよというような呼びかけとか説明を丁寧にしていただくことがまず大事かなと思います。いいキックオフができれば、あとはいろいろな創意工夫がいろいろな現場でできると思いますし、そのことを政策に生かしていただくことが、よりよい人生100年時代の国としての戦略になっていくと思いますので、期待をしているところです。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、森委員、どうぞ。
○森委員 2ページ目で事務局に質問なのですけれども、この中で国保と後期高齢者の保健事業の接続の必要性というのが記載されているのですが、当然、被用者保険と後期高齢者の接続は必要だと思いますし、もう一点、私ごとになるのですが、薬科大学を出て最初に入った薬局で健保組合にお世話になりました。地元に帰って薬局を開設したときに国保にお世話になって、今は協会けんぽにお世話になっているのですけれども、パーソナルヘルスレコードという話がありましたが、継続的な接続性というのは非常に重要で、そうすることによって効率的、効果的な保健事業が行われると思います。そのような接続性に関して何か検討されているのかどうかを教えていただければと思います。
○遠藤部会長 では事務局、コメントがあればお願いいたします。
○込山課長 御質問ありがとうございました。
今回の有識者会議での報告書の範囲で申し上げると、いわゆる介護予防と広域連合の保健事業との連携、一体実施ということでございますので、基本的には75歳以上かつ75歳の手前ぐらいの方々などを念頭に置いて、どういった一体的な実施ができるのかということを御検討いただきました。
付言ですけれども、75で杓子定規に線を引くのではなくて、当然、その中の柔軟な幅の広がりというのはあろうかという御指摘もいただいていたところです。そういったことでございまして、この有識者会議の御議論の範囲では被用者保険との連携とか、そういったところにまだ至っていないところですが、当然、今後の問題意識、検討課題としては重要なことだと思っていますので、その点は認識していきたいと思っています。
○遠藤部会長 ほかにございますか。松原委員、どうぞ。
○松原委員 以前は市町村に健康を守るための義務化がされていたところが、十数年前に法律が変わって保険者が頑張りなさいという話になったわけです。しかし、そうすると十分対応できないような人たちが多くなってしまっている。年齢で高齢者を後期と前期に分けたり、あるいは働いているから働いていないからで分けたりするのではなくて、住んでいるところの首長さんが主体となって責任を持って住民の皆さんの健康を守る、保健事業もやっていくという、かつてのあるべき姿に戻る方向のほうがいいのではないかと常々申し上げております。
そうすれば、首長さんが権限を持って地区の医療機関を束ねている医師会と、あるいはいろいろな会と相談していろいろなことができます。結果として大変すばらしい結果を出している地区も多々ございますから、そういった方向で考えていただいて、財源のほうは広域連合なり都道府県、国のほうで考えていただかないと、市町村で小さいところもございますので、全てそこに任せて、財源も自分でということは無理でございます。そこのところはぜひ国の力で頑張っていただき、実際に活動するのは市町村単位で、住民にとって一番いい方法をとるというのが、住民にとって幸せなのではないかと思います。ぜひそういう方向でお願いしたいと思います。今回は、まず最初にこういったことから始めるのがよろしいかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では安藤委員、お待たせしました。
○安藤委員 この事業を本当にスタートしていただいて、やっていただければと思っております。広域連合と市町村の連携というのは、非常に今回の事業においては大切だと思いますので、その辺、大変ではございますが、何とか頑張ってやっていただければなと思っております。
ただ、こうした取り組みにつきましては、高齢者になってから始めるということではなくて、現役世代のうちから健康増進に努めていくことが非常に大切であると思いますので、我々被用者保険の保険者としましても、今後、今まで以上に健康寿命の延伸であるとか予防について、保健事業を力強くやっていくことをやらせていただきます。
そして、その中で今後この仕組みと被用者保険の連携ということも当然、考えの中に入ってくると思いますので、そのときはそのときでまた真剣に対応させていただきたいなと思います。
以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
大体御意見よろしゅうございますか。
ありがとうございます。非常に活発な御議論をしていただきました。どうもありがとうございます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。最後の議題です。オンライン資格確認等システムの検討状況について、事務局から資料の説明をお願いします。
○高木室長 保険データ企画室長です。資料3になります。
オンライン資格確認システムにつきましては、2020年度の導入に向けて、5月25日の医療保険部会で検討状況について報告させていただきました。その後、保険者、医療関係者とシステム面、運用面について協議、検討してきたところでございまして、現在の準備状況について御報告させていただくものです。
スクロールいただきまして1ページ目が被保険者番号の個人単位化とオンライン資格確認のイメージです。保険者のところに、被保険者番号を個人単位化とありますが、世帯単位の番号に2桁の番号を追加します。支払基金・国保中央会のところですが、資格情報と1対1で保険者をまたがって一元的に管理します。そうしますと下の加入者(患者)のところですが、マイナンバーカードないしは保険証で資格確認をしていただくと、その時点での資格情報がわかるというものです。
この資格情報はオンライン資格確認の現場でわかりますが、さらに支払基金ではオンライン資格確認をしない医療機関の分のレセプトも含めて、全てのレセプトについて受け付け時に資格確認を行います。ここがまる4です。その上で、正しい保険者に振り分けてレセプトを請求します。これにより失効保険証による過誤請求や未収金の減少、ないしは高額医療費の限度額適用認定証の情報も資格確認したときに提供する仕組みを考えていますので、保険者では発行事務の削減等の事務コストの軽減ができるというものでございます。
2ページ目が保険証のイメージになりますが、5月25日の医療保険部会では、2桁番号の記載について、発行済みの保険証については、例えば裏面に2桁を記載する等の説明をしておりましたが、保険者、医療関係者と協議しまして、発行済みの保険証については2桁番号がなくても、そのまま使用できる。回収、再発行を不要とするという整理に今回させていただきました。
※にございますが、医療機関、薬局でも、患者が2桁番号がない保険証を提示した場合には、2桁番号なしでもレセプト請求できるということで、レセコン改修が間に合わなかった場合も、改修までの間、2桁番号なしで請求できることとする。こちらは当分の間、こうした取り扱いという形で整理しています。
下にスケジュールがございますが、オンライン資格確認システムをつくった上で、2020年の秋ごろから、保険者では個人単位の2桁番号を付番する、ないし資格確認システムに保険者から登録いただき、実際にマイナンバーカードでのオンライン資格確認の開始は2021年3月ごろから。さらに新規発行の保険証に2桁番号を付番するのは2021年4月から。5月から保険証でのオンライン資格確認を開始して、9月診療分の10月請求分から2桁番号を付してレセプト請求を開始するというスケジュールで現在、考えております。
3ページ目が保険証での資格確認のイメージです。医療機関において世帯単位の番号に加えて、生年月日の月日の4桁を入力いただく。さらに2桁番号がある保険証については2桁番号を入れる。するとその時点での資格情報がわかります。2桁番号がない場合でも同一世帯内で生年月日が同じ人がいれば名前が出まして、2桁番号がある場合には直接に資格情報がわかる仕組みになっております。その時点で資格情報が失効している場合は、確認した資格情報を出した上で、さらに失効していますということもお示しします。
マイナンバーカードでの受診の場合には、カードリーダーで読み取った場合に、資格情報がわかります。今回は資格情報に加えて、黄緑色のところになりますが、限度額認定証の情報もわかるようにします。
4ページ目が特定健診、医療費・薬剤情報の提供サービスになります。今回は資格確認の仕組みに加えて、医療費通知で使う医療費情報、調剤レセから抽出した薬剤情報をマイナポータルで見られるようにします。医療機関、薬局に対しても、薬剤情報を提供します。特定健診データについては、保険者からNDBに登録する仕組みを活用しながら、保険者間の連携ないしはマイナポータルで見られる仕組みを考えております。こうしたことにより、加入者の予防健康づくりや重複投薬の削減等もできるような仕組みを考えております。
5ページ目がスケジュールですが、先ほど申し上げたとおりマイナンバーカードによる資格確認は2021年3月ごろ、保険証による資格確認は5月ごろ、2桁番号つきでのレセプトの請求の開始は2021年9月診療分から開始ということで考えております。
導入に向けた作業スケジュールは、ほぼ5月の説明のときと変わっていませんが、2019年度にオンライン資格確認のシステムを構築しまして、さらに追加で特定健診、薬剤、医療費情報等の構築は、2019年度から2020年度ぐらいまでにシステムを開発していく。12月以降、本格的に保険者、医療機関でのシステム改修に必要な内容を調査しまして、2019年度以降、説明会ないしはシステム改修に必要な情報提供を我々からしながら、準備していくということで考えております。
医療機関、薬局につきましては、2020年の夏以降ぐらいにシステム改修や、順次、運用テストというイメージで考えております。こうした中で2020年の導入に向けて、支払基金においてシステム開発の調達手続をこれから開始させていただきたいと考えております。引き続き保険者、医療関係者の皆様と協議しながら準備を進めていきたいと考えております。 説明については以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
具体的、技術的なお話も含めてですが、それでは、保険者からということで佐野委員、お願いいたします。
○佐野委員 今回の中で、特に発行済みの保険証については2桁番号がなくても使用可能とするということで、回収・再発行の事務が不要となったという扱いが示されております。これは保険者の事務負担軽減に大変資すると考えますので、評価させていただければと思います。
一方で、関係者間の業務ルールの調整ですとか、マイナンバー、情報連携業務との関係の整理については、事務局での検討も相当進んでいると認識しておりますが、やはり調整・協議をする事項はまだまだあると思っております。そういう意味で今後とも丁寧な協議をお願いしたいと思います。
それと、マイナンバーカード普及のための施策を政府としてもっと強力にやっていただきたいと思います。
最後、スケジュールもありますが、この効果を上げるためには医療機関の参加というのが当然ながら不可欠だと思います。オンライン資格確認の仕組みのメリットを確実にするための重要な柱だと思いますので、国もより一層強力な取り組みが必要であるということを、改めて申し上げておきたいと思います。
また、最後になりましたが、保険者にとっては本件事務、費用両面にわたって負担が想定されております。保険者負担の軽減をぜひとも図っていただくようお願いしたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 まずオンライン資格確認等につきましては、検討会議であるとかワーキンググループを設置していただいて、関係者からの意見を聞きつつ検討を進めていただいております。本日の資料にありますように、個人を識別するための2桁番号の追加に伴う発行済み保険証の回収・再発行を不要にするであるとか、審査支払基金で資格確認によるレセプトの振替請求の導入など、保険者の財政負担や事務負担に考慮した整理案を示していただいたことにつきましては、深く感謝申し上げます。
その上で本日、御提案いただいた内容以外にも運用面であるとかシステム面におけるさまざまな課題がまだまだあると認識しております。引き続き検討会議等におきまして関係者からの意見を聞きつつ、丁寧に議論を進めていただきたいと思いますが、本日、私からは法的な整備を必要とするのではないかと思われる2点につきまして、意見を述べさせていただきたいと思います。
まず1点目なのですが、医療保険を含む医療分野において、ICT等の最新の技術を活用した効率化、高度化を図っていくのであれば、まずはどのような理念あるいは理想像の実現に向けて推進していくのか。また、実現を目指す中で医療保険者や医療機関などの関係者に対して、どのように協力を求めていくのかについて法的に整備すべきであると思います。その上で各論である今回のオンライン資格確認等につきましても、制度全体のフレームワークを法律上で明確に位置づけていただくことが必要であると考えております。
2点目につきましては、資料3の9ページにおきまして審査支払機関での資格確認によるレセプトの振替請求について、運用の整理案が示されております。ここには記載されておりませんが、現行の運用におきましては審査支払機関の審査時点では資格喪失の有無がわからないため、医療機関等からの請求に基づいて審査支払機関が保険者に請求を行い、保険者が資格確認した結果、当該保険者の資格を喪失していることが判明した場合については、健康保険上、明確な規定はないものの、当該保険者において立てかえ払いをしています。
ですが、今後オンライン資格確認導入後は審査支払機関での資格確認の結果、受診日時点で資格喪失をしていたことが判明した場合であっても、新しい資格情報がない場合については、旧保険者に請求するという運用の案が検討されていると聞き及んでおります。このことは旧保険者の資格を喪失していることが明らかである中で、旧保険者が支払うという根拠は全くないと考えております。社会一般の理解も得られませんし、事業主であるとか、加入者の理解も得られないと考えますので、この点につきましては何らかの法的整備を今後、検討していただきたいなと考えております。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
最後の2点については御意見として承ればよろしゅうございますか。事務局からのコメントは必要ないということで。
ほかにいかがでしょうか。では、村上委員、お願いします。
○村上委員 2点について発言をさせていただきたいと思います。
1つでありますが、このシステムの開発のスケジュールが非常に厳しいと思われ心配している。開発の遅れが市町村をはじめ、医療保険者にしわ寄せが来ないようにしていただきたい。そういったことが以前に別件であったわけでありますので、ぜひこのシステムが開発されるときに時期の遅れやシステムの不具合が生じないように、万全の体制で開発を行っていただきたいと思っております。
2つ目であります。システムの運用、更改に係る経費について、医療保険者に過重な負担が生じないように、必要な財政措置を検討していただきたいと思っています。
この2点であります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、原委員、どうぞ。
○原委員 私からは国保の保険者の関係団体として事務処理のシステムを開発、運用している立場、また、医療保険者等向け中間サーバー等の運営を委託されている立場から、4点ほど要望等を述べさせていただきたいと思います。
まず1点目でございますけれども、先ほど来、出ています保険者間のレセプト振りかえの問題でございます。安藤委員から2点、法的整理が必要ではないかと言われたもののうちの後者、2つ目の問題でございまして、これについて法的な整理を含めた課題として検討していただく必要があるのではないかと思っているところでございますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
また、保険者間のレセプト振りかえにつきましては、医療保険者や審査支払機関等の現場の実態を十分踏まえた内容となるよう、さらにきめ細かな議論をしていただき、システム開発に当たって手戻りになることがないように、また、現場が混乱することがないように十分、御留意いただきたいと思います。
2点目でございますけれども、市町村国保の参画についてでございます。オンライン資格確認等の仕組みの効果を上げるためには、市町村国保の円滑な参画が不可欠となります。御承知のとおり現在、市町村国保は医療保険者等向け中間サーバー等とは異なる仕組みで資格管理等を行っていることから、市町村国保においてはオンライン資格確認等システムへの参画に当たって、新たな業務や追加的な費用など、大きな負担が発生し、これらに対する財政的な支援等も必要になると考えております。
また、中間サーバー等のクラウドへの移行が想定されておりますけれども、クラウドサービスの利用については市町村の中には、個人情報保護の観点から極めて慎重なところもあるように聞いております。このため、これまでも市町村や都道府県等に対して国の責任においてその理解と協力を得るため、十分かつ丁寧な説明等を行っていただきますようお願いしてきたところでございますけれども、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
いずれにしましても、市町村国保の円滑な参画を実現していくに当たりましては、市町村国保が果たすべき役割を明確にした上で、今後の具体的な進め方等について国保連合会等の関係者も含めて十分時間的な余裕を持って御説明いただき、合意形成を図っていただくことが必要と考えますので、よろしくお願いいたします。
3点目は、中間サーバー等のクラウド化についてでございます。オンライン資格確認システムの開発に当たりましては、医療保険者等向け中間サーバー等をクラウドに移行する方針が示されておりますけれども、これまでの議論の中では、その実現に向けた具体的な手順等については明らかにされておりません。中間サーバー等のクラウド化は現行、稼働している中間サーバー等の業務を止めることなく安定的に運用しながら、かつ、新たな移行後のシステム開発を行っていかなければならず、医療保険者等にも大きな影響を与えるものでございます。また、今回、開発スケジュールについて一定の見直しがあった中でも、中間サーバー等のクラウドへの移行については、当初の予定どおりとされておりますけれども、極めて限られた期間において、その実現を図らなければならないこととされております。
村上委員からもございましたけれども、国においてはスケジュールありきではなくて、十分な時間的余裕を持って計画的にシステムの移行ができますよう、今後の進め方などについて関係者間で十分な情報共有を図っていただき、必要な費用の確保はもとより、必要な配慮、支援を行っていただくよう、重ねてよろしくお願いを申し上げます。
4点目でございますけれども、特定健診データ、医療費、薬剤情報との照会、提供サービスにおける個人情報保護についてでございます。保険者が保有する匿名化されていない個人の特定健診データ等を支払基金あるいは国保中央会が運用するオンライン資格確認等システムに提供することと資料では説明をされております。この前提に立ちますと、個人情報保護法上、特定健診等に係る個人情報は要配慮個人情報に当たりますので、法令に基づく場合と一定の場合を除きまして、本人の同意を得ずに第三者提供することはできないのではないかと懸念をしております。
資料にもありますように、保険者が支払基金、国保中央会に個人の特定健診データ等を提供できるようにする場合には、特定健診の受診時に本人の同意を得るか、あるいは法令による規定を設けて支払基金、国保中央会が個人の健診情報の提供を受けられるようにするよう法制化することが必要ではないかと考えております。この点については薬剤情報、医療費情報を得るためのレセプトデータについても同様のことが言えるのではないかと思います。国においては実務のことも考えた上で、適切な対応をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、南部委員、お願いします。
○南部委員 回収と再発行を不要とするということでございますが、例えば高額医療費の申請や出産一時金の請求など、また、紛失した場合、自分の保険者番号がわからないという支障が生じる場面があると考えられます。そういったときに対応をスムーズに、個人の不利益にならないような対応をぜひしていただきたいと思っております。
また、知らないうちに保険者番号が2桁増えているということはいかがなものかと思っておりますので、回収・再発行しないということであれば、少なくとも個人に通知は必須かと考えておりますので、再度のここの御検討をお願いしたいということでございます。
あわせて、この制度のメリットが国民に周知できるようなシステム、また、現場での混乱が来さないような丁寧な対応を重ねてお願いを申し上げたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。武久参考人、お願いします。
○武久参考人 時代がどんどん変わってきまして、全てのデータが集計されるというような、こういうデータベースの時代になってまいりました。マイナンバーができましてから国民一人一人の収入の捕捉も非常に精密になってきておりますし、このような健診データなりいろいろな個人の国民のデータが全てオンライン化される。これはデータの保全ということは非常に、特に健康状態は大事だと思います。ここは非常に気をつけていただきたいのですけれども、資料2の1、2、3を見てみますと、フレイルということが出てきております。要するにこのフレイルというのがまずは健診データなりいろいろな個人のデータの異常の始まりとも言えますが、ここのところでは高齢化によるフレイルというふうに書かれておりまして、私も適切だと思うのですけれども、この医療保険部会で医療の現場でいるのは松原先生と私ということで、ここには書かれていないので実態を言うのはやぶさかでないというか、じくじたるところがありますけれども、実はフレイルに陥っていない方でも感染症や外傷によって入院することによって、疾病は治るけれども、フレイルになってしまうという医原性フレイルというものが現実に私、入院の現場にいますとたくさん見られます。
これはここに書いてくれていないのは非常にありがたいわけで、我々医療現場の者がこういうものを全くしていくという努力をしないといけないのですけれども、このデータが健診データだけでなしに血液データまで保険診療を行った場合には、全てDPC等で捕捉されるという状況になってきます。そうすると医療の無駄遣いとか、いろいろなことも医療保険のことで治療内容も丸見えになってくるという状態のときに、人為的につくられるフレイルは決して許されるものではないと、私は医療の現場で思って一部そのように関連しているものの意見として、こういうものをなくしていきたいと思っておりますけれども、地域差とかいろいろありますし、治療の標準化ということにも関係してきています。
だからこの医療保険の部会で医療保険のデータがいろいろなふうにデータ化されて明らかになっていくということは、いわゆる政治を行う厚労省、この医療保険をマネジメントする。
○遠藤部会長 武久参考人、お話はわかりますが、今、一応議論しているのは資格確認等システムの話をしておるわけですので、手短にお願いいただけますか。
○武久参考人 ということで、オンライン化の資格確認も含めて、世の中がこういうふうに変わっていくということについて、我々医療の現場からのコメントをさせていただきました。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
田中参考人、どうぞ。
○田中参考人 国保をあずかる市長会として重複する要望にはなりますが、発言をしたいと思います。
先ほど原委員からご発言がありましたが、国保の資格管理は別立てでやっておりますので、クラウド化する中間サーバーとシステム的にどのような情報連携をしていくのかということ。国保情報集約システムと連携していくという案は聞いておりますけれども、具体的にどのようになるのか、早く示してほしいというところであります。
国保の情報連携の仕組みや今回の資格確認のシステム開発の仕様書とは異なる、直接関係しないかもしれませんけれども、どのような対応になるのか全体の概要を早急に示していただきたいということが1点目。
それとあわせて、先ほど出ました費用負担ですけれども、中間サーバーでの情報管理ということ、ランニングコストなども新たに発生しますので、そういった費用の試算も明らかになってくると思いますので、それも今後の議論の中で示していただきたいということです。
それと冒頭に出ましたスケジュールの関係ですが、本当にタイトなスケジュールでございますので、現場が混乱することのないように、しっかりと保険者の負担にならないような現場の意見を聞きながら進めていただきたいとお願いするものです。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかに、松原委員、どうぞ。
○松原委員 医療機関でのオンラインでの資格確認というのは非常に有意義で、保険者さんにとっても過誤請求がないということは非常にいいことだと思います。なるべく早くこれをすべきだと思っているところであります。
十数年前にも同じような形でこれが1回、出たことがありますが、結局、実行できないままこのような形でおくれております。健康保険証自体に例えばQRコードをつければ簡単にできます。ほとんどの金額がかからずに健康保険証にデジタル化したデータが載せられます。協会けんぽさんもその方向でされていると思いますし、国保さんもそのような方向でやっておられると思うので、エマージェンシーのときにいつでもQRコードがそれが読み取れるような形にしていただきたい。券面のところにQRコードを1個つければ簡単にできます。そういったことから一歩一歩始めていただければ、医療機関でも簡単に広がってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、森委員、どうぞ。
○森委員 1ページ目のところなのですけれども、今後この仕組みが進んだときに、患者さんはマイナンバーカードまたは保険証どちらかを提示すればいい。これはマイナンバーカードの資格確認対応の医療機関、薬局と書いてありますけれども、確かにこれは便利だと思うのですが、ただ、実施しないところがある中で、混乱するのではないかと思います。実際に患者さんが保険証を持参しないでマイナンバーカードだけ持ってオンライン資格確認を実施していない医療機関・薬局を受診することも考えられますので、ここは十分な案内が必要かと思います。
もう一点、この情報の中で薬剤情報を利用するということは非常にいいことだと思うのですが、これは調剤レセだけですか。医科レセの薬剤情報も見られるようになるということでしょうか。
○高木室長 医科レセの薬剤情報も入ります。
○森委員 これはレセプト情報の活用ということですよね。
○高木室長 はい、そのとおりです。
○森委員 ということは、確かに重複投与等の防止に役に立ちますけれども、タイムラグがあるということを前提に使うという理解でよろしいですか。
○高木室長 はい、そのとおりです。
○森委員 わかりました。タイムラグがあってもこういうものが使えれば安全性を担保できることがあるので、積極的に使えるようになればと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ほかにございますでしょうか。横尾委員、どうぞ。
○横尾委員 幾つか申し上げたいと思います。
1つはいろいろな方から出ている意見ともダブるかと思いますが、国としてデジタルトランスフォーメーション、デジタル革命時代あるいは政府としても参考資料1にありますけれども、経済政策の方向性に関する中間整理も冒頭から書かれていますが、日本としてはSociety 5.0を掲げているわけです。平成30年11月付でまとめられています。そういう大きなビジョンの流れの中で、今回のオンライン資格確認というのは結構大事なポイントかなと感じます。1つのエポックメイキングになる可能性があると思っています。
といいますのが、2021年5月ごろからオンラインの資格確認が開始できるというふうにスケジューリングされているのですけれども、ほかの委員もおっしゃったようにマイナンバーカードを持っていても、どのようなサービス、どのようになるかわからないというものがよりよくわかってくる。それは数年前に安倍総理大臣が官邸の中の6月の会議で1カード化というのをおっしゃったのとまさに通じるところだと思いますので、こういったことをぜひ政府CIOとか他省庁とも関係する議論があるならば、重要なことであるので全体的によりよい推進ができるように連携していただきたいなと思っているのが1点目です。
2つ目は、先ほどほかの委員もおっしゃったのですが、個人情報のことです。先ほども申し上げましたけれども、今のままだと用語の理解も5、6パターンぐらいあって、必ずしも全部が統一されていないままに、個人情報保護条例が1,740自治体とその他を入れると2,000ぐらいありまして、これは早く整理しないといけないと思います。政府の一部にはそれは自治体でそれぞれ整理しろという意見があるかもしれませんが、危機管理も含め、健康のことも含め、さまざまなことを考えていくならば、新しい法整備でオールジャパン、シームレスに同じような基準でやるほうがよほど合理的だと将来的にも思いますので、ぜひそういった議論があるときには厚生労働省からも、こういった新たなスタートをするときに際して議論があったということと、今後の方向性に一助いただければありがたいと思っております。
3点目、最後でありますけれども、中間整理の中にもオンラインによる服薬指導のことも具体的に書かれています。ということは、より便利なものを目指していこうということだと思います。単純に資格の認証のみならず、さまざまな将来的な健康指導、ヘルスケア、メディカルケアにもつながるような糸口を多分広げていくものになっていくと思います。ぜひここはよりよく丁寧な準備と的確なスタートを切れるように力尽くしをよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
松原委員、どうぞ。
○松原委員 今、横尾委員がおっしゃるとおり、大きな目で見てきちんとやらなければいけないのは確かなのですが、全世界の中の流れを見ますと、医療は医療でIDを分離しているところがほとんどであります。なぜならば、医療の情報というのは個人にとって物すごく大きな要素で、銀行のように、お金で片づくものではありません。アメリカのように社会保障は分離しているところもありますし、これをマイナンバーとして全部一本化しているのは恐らく私の知っている限りエストニアとかアイスランドとか非常に小さな国だけです。アイスランドは24万人で1つの国をつくっています。いろいろな意見のある国民を1本のラインとしてマイナンバーに置くのは、問題が起きたときに大変だと思います。前も私は申しましたけれども、個人情報のマイナンバーと遺伝子情報がくっついたときには、それが漏れたときには、その個人にとってすごく大きな打撃になります。ヨーロッパとかアメリカでは分離しているということでありますので、これを踏まえながら少し大きな目で見て日本国民が一番幸せな状態になれるように考えていっていただきたいと思います。
私が先ほど言いましたのは、まずできることから始めて、そして将来はいろいろなことができるようにということは大賛成でありますが、個人情報が漏れるということはどんな状態でもあり得ることですので、十分、注意していただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
その他いかがでしょう。堀委員、どうぞ。
○堀委員 保険者を移動したりするときにも、オンライン資格確認のシステムがあるのは保険者にとっても利用者にとっても非常にいいと思うのですが、1点だけわかりやすさというところで確認なのですが、保険ではなくて後期高齢者医療制度に移動したりした場合は、マイナンバーカードを使って利用ということはできなくなるのでしょうか。全く関係ないのでしょうか。
もう一点、お薬手帳のようなものがあると思うのですけれども、将来的に例えばマイナポータルで閲覧できる調剤のデータは代替可能なものなのでしょうか。保険者や制度が違っても時系列で過去の履歴を確認できるようなものがあるとわかりやすいですし、国民もマイナポータルにアクセスしてみようと思うのですが、今の状態だと具体的なメリットがわかりにくいのかなと思ったので確認させてください。
○遠藤部会長 事務局どうぞ。
○高木室長 支払基金と国保中央会は、後期高齢者医療制度も含めて、現在も、市町村国保以外の全保険者のマイナンバーの業務を、資格管理と一体的にやっております。
今回の仕組みでは、もともと保険者はマイナンバーと一緒に中間サーバーに資格情報を登録することになっているのですが、そこを通じてオンライン資格確認等システムで資格情報を一元的に管理するため、74歳以下の方々が後期高齢者医療制度に加入したときも、資格を継続的に管理する仕組みになります。
市町村国保については、市町村の中間サーバーがありますが、国保連にある国保集約システムと連携して、同様に一元的に管理できるようにします。
今回の仕組みは、お薬手帳を持っている方、持っていない方にかかわらず、どこの医療機関、薬局でも薬剤情報の内容がわかります。タイムラグはありますが、継続的に服薬している薬とかがわかるようにしたいということでございます。
○遠藤部会長 よろしゅうございますか。
ほかにございますか。藤井委員、どうぞ。
○藤井委員 オンライン資格確認システムには大変期待をしているわけでございますが、課題といいますか、懸念していますのは、どこの時点で多剤や重複投薬などのチェックをしていただけるのかということです。現状ではレセプトデータをもとに多剤、不適切だと思われる処方の可能性のある患者さんに対して、保険者が任意にアプローチしている状況です。ところが、場合によってはなかなか保険者の言うことに応じていただけないケースもあると聞いておりまして、ぜひ薬を処方する前の段階で多剤や重複投与をチェックするということをやっていただければ、より実効性のある対策になるのかなと思いますので、ぜひご検討いただきたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。大体御意見を承ったということにさせていただきたいと思います。
本日用意いたしました3つのアジェンダにつきましては、以上のとおりでございます。
それでは、特に御意見がないようであれば。佐野委員、どうぞ。
○佐野委員 本日の議題に入っていないのですが、改革工程表の改訂版についての具体的な内容が、きょうも提示をされていないというのは大変残念に思います。何度も申し上げていますが、高齢者医療費の負担構造の問題というのは時間との戦いだと思いますので、早急に具体案をこの場で議論すべきだと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 事務局、よろしくお願いしますということです。何かコメントがあればどうぞ。
○鹿沼課長 恐れ入ります。改革工程表につきまして今、諮問会議側でも関係省庁も含めていろいろ議論しておりまして、まだなかなかまとまっていないところでございます。
特に医療保険の関係につきましては、これから2025年、団塊の世代が後期高齢者に入る中において、やるべきことはきちんとやっていかなければいけない。また、健康寿命の延伸等々を含めていろいろなことをやっていかなければいけないと思っておりますが、国民に対する影響も非常に大きいものだと思っておりますし、関係者の皆様方いろいろな御意見もあろうかと思っております。そういったところを丁寧に踏まえながら、今、文言の調整等を行っているところでございまして、本日この場にお出しできなかったことは大変申しわけなかったと思っております。
あわせまして、せっかくの機会でもございますので、先ほど横尾委員からもありました参考資料1についても御紹介をさせていただきます。参考資料1が未来投資会議とまち・ひと・しごと創生会議、経済財政諮問会議、規制改革推進会議の4会議合同で出された資料でございます。あくまで中間整理ということで、何かまとまったというものではございませんので、本日の議題にはさせていただきませんでしたが、この中の特に2章の成長戦略の方向性の関係が医療保険部会に関係する部分が一部ございます。
ページで言いますと8ページをお開きいただけたらと思いますが、疾病・介護予防というところがございまして、特に今回、未来投資会議の中で議論されたのは保険者へのインセンティブ措置の大幅な強化ということです。今、国民健康保険の保険者努力支援制度または健康組合の保険者のインセンティブの措置について強化を行うとともに、保険者のほうでお取り組みいただいている好事例も多々ございますので、そういったものの横展開を進めていくべきではないかというような御指摘もございまして、そういったような議論がされてございます。
こちらのほう、未来投資会議でも来年6月に向けていろいろ議論がなされ、まとまっていくと思っておりますので、またそういったものも踏まえながら医療保険部会ともよくお話をさせていただければと思っております。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、ほかに全体を通して、あるいは言い足りなかったことがあれば伺いますけれども、いかがでございますか。よろしゅうございますか。積極的な御議論をいただきましてありがとうございます。
それでは、本日の部会はこれまでにしたいと思います。次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡をいたします。
それでは、本日はこれにて終了します。どうも長時間ありがとうございました。