第9回循環器病対策推進協議会 議事録

厚生労働省健康局がん・疾病対策課

日時

令和4年9月28日(水)13:00~16:00

場所

 新橋ビジネスフォーラム(オンライン開催)

議題

1 開会

2 循環器病対策推進基本計画の見直しに係る学会、団体等からの書面ヒアリングの結果について

3 その他

議事

2022-9-28 第9回循環器病対策推進協議会
 
○原澤課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第9回「循環器病対策推進協議会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局を務めさせていただきます、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の原澤と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、本会議はYou Tubeでのライブ配信を行っておりますので、御承知おきいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、協議会委員の交代について御説明させていただきます。
 前回協議会で事前にお伝えしておりましたが、日本医師会役員の改選に伴い、羽鳥委員から、公益社団法人日本医師会常任理事 今村英仁委員に交代となっております。今村委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○今村委員 今回、日本医師会の常任理事になりました今村と申します。どうかよろしくお願いします。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。
 引き続きまして、委員の出席状況の確認をさせていただきます。
 本日、大橋委員、横山委員から御欠席の御連絡をいただいております。
 また、磯部委員からは、協議会途中から御参加される旨、御連絡をいただいております。
 ほかの委員の皆様の御紹介につきましては、名簿をもって代えさせていただきますので、御承知おきください。
 なお、本日は、委員20名のうち17名の方に出席いただいており、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 続きまして、資料の御確認をお願い申し上げます。
 お送りしております資料が、議事次第、座席表、循環器病対策推進協議会委員名簿、資料1及び参考資料1から8まででございますので、こちらを御確認いただきますようお願い申し上げます。もし不備等ございましたら、事務局へ御連絡ください。
 続きまして、オンラインを含めた本日の会議の進め方につきまして御説明させていただきます。御発言のある委員の先生方におかれましては、Zoomの「手を挙げる」機能を御使用いただき、座長より御指名させていただきます。カメラは常に映る状態にしていただきまして、発言のないときはミュートにしていただき、発言するときのみミュートの解除をいただくようお願い申し上げます。
 なお、本日はチャット機能を使用することは予定しておりませんので、御了承いただきますようお願い申し上げます。
 冒頭の事務局からの御連絡は以上となります。
 ここから先の進行は永井会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井会長 それでは、議事に入りたいと思います。
 議事2「循環器病対策推進基本計画の見直しに係る学会、団体等からの書面ヒアリングの結果について」でございます。資料1について事務局より説明をお願いいたします。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 それでは、資料1を御覧ください。「第2期循環器病対策推進基本計画の策定に向けた検討事項について」という表題の資料でございます。
 2ページ目を御覧ください。前回の推進協議会におきまして、第2期循環器病対策推進基本計画の策定に向けた基本的な考え方の案をお示しして、以下3点を中心にして御議論いただくという形で御了承いただいているものと認識しております。1つ目が、循環器病に係る指標の更新について。2つ目が、関係する諸計画との連携について。3つ目が、感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備についてというところでございました。
 3ページ目を御覧ください。今の3点を聴取内容といたしまして、循環器病対策基本計画の策定に向けた考え方に沿って、関係が深い団体・学会等から意見聴取を書面にて行っております。お示ししております団体・学会等が対象でございまして、計26の団体・学会等にお送りしているものでございます。
 4ページ目を御覧下さい。そちらの内容を含めまして、少し項目を整理して、このような形で、今回、資料を御用意してございます。意見聴取につきまして、マル1-1、マル1-2、マル2、マル3という形で区分けして資料を御用意しておりますので、順に御説明させていただきます。
 まず、5ページ目からマル1-1ということで、指標の更新に関する主な御意見について御紹介させていただきます。
 6ページ目を御覧ください。まず、前提となる情報でございますが、第7次医療計画において指標例として設定されているものを、こちらは脳卒中の指標例でございますが、お示ししております。予防から維持期までの5つのフェーズに分かれた形で、ストラクチャー、プロセス、アウトカムという形で指標を整理しているものでございます。
 7ページ目は、心筋梗塞等の心血管疾患に対する指標例でございます。同じような構造で整理されているものでございます。
 8ページ目を御覧ください。こちらから、いただいた御意見を整理したものとなります。循環器病に係る指標のうち、まずは、予防に関する指標の更新について、いただいた主な御意見について御紹介させていただいております。
 全て読み上げることはいたしませんが、主な御意見、例として、1つ目のポツでございます。循環器病のリスクファクターとして「食塩の過剰摂取」があること等を踏まえまして、いろいろな取組を踏まえた食環境づくりを行っている都道府県数というものを指標として加えてはどうかといった御提案を、各団体の方々から頂戴しております。
 その中で提案された指標案を一番下に整理してございますが、1つ目のポツ、食塩過剰摂取に対する取組。2つ目のポツ、禁煙外来等、禁煙に関する項目。3つ目のポツ、先天性心疾患胎児の診断率。4つ目のポツ、予防や発症時対応に関する普及啓発に関する項目といった御提案を頂戴してございます。
 続いて、9ページ目を御覧ください。こちらは、救護に関する指標となります。
 1つ目のポツで、血栓回収療法の適応を判断する病前スケールが幾つも提唱されているといったことを踏まえて、4行目になりますが、「脈不整、共同偏倚」等の6項目を観察することを推奨しているということを踏まえて、一番下の提案された指標案のところに記載してございますが、「主幹動脈閉塞を予測する6項目の観察指標」に係る指標を設けてはどうかといった御提案をいただいております。そのほか、2つ目のポツで、急性期病院以外のところで循環器疾患リスクのある患者さんをどれぐらい診ているかですとか、急性期病院以外のところに搬送されている循環器疾患の救急搬送の件数といった指標を組み込んでもよいのではないかという御提案を頂戴しております。
 続いて、10ページ目を御覧ください。急性期に関する指標でございます。
 こちら、提案された指標案のところを御覧いただきますと、急性期病院におけるリハビリテーション実施率、入院からリハビリテーションを開始するまでの日数。急性期病院から回復期病院への転院に要する待機日数。3つ目のところで、破裂性大動脈瘤の症例数。4つ目のところで、急性心筋梗塞に対するPCIの実施率といった御提案を頂戴しております。
 続いて、11ページ目を御覧ください。ここから、回復期と維持期に関連する指標の御提案を頂戴してございますが、多岐にわたりますので、項目の区分ごとに分けて整理しております。11ページ目のものについては、リハビリテーションと再発・重症化予防という視点でいただいた御意見でございます。
 主な御意見の例示として、一番上のところで、リハビリテーション医療に係る指標として、リハビリテーション科の医師ですとか、リハビリテーション専門職の従事者数というものを指標に加えてはどうかといった御提案を頂戴しております。
 提案された指標案のところでは、一番上のポツで、PT、OT、STやリハビリ医の数。2つ目のポツでは、入院リハビリテーションの実施率や開始された病日。あとは、心血管リハの実施件数、転院待機日数や心不全の再入院率などといった指標について御提案を頂戴しております。
 12ページ目を御覧ください。こちらは、同様の考え方で施設間連携に関する指標の御提案を頂戴しております。
 提案された指標案としては、一番下のところ、1つ目のポツから、地域連携クリティカルパスの利用件数等の指標案を頂戴しております。2つ目のポツは、国際生活機能分類に準拠した生活機能評価のできる指標を追加したらいいのではないかという御提案。3つ目のポツで、医療及び福祉に係るサービスの連携率、医科歯科連携の指標などの御提案を頂戴しております。
 続いて、13ページ目を御覧ください。こちらは、回復期及び維持期の復職、社会活動、就労支援といった文脈での御提案を頂戴しております。
 提案された指標案として、障害者雇用率や雇用継続の年数。療養・就労両立支援指導料の算定件数。仕事への復帰者数とか家庭での役割への復帰など社会参加に関する指標。両立支援コーディネーターの取得者数などについて御提案を頂戴しております。
 14ページ目を御覧ください。こちらは、緩和ケアに関する指標でございます。緩和ケアについては、多くの都道府県が興味を持っていて、指標化が望まれるといった声がありましたので、提案された指標案として、緩和ケアに関する指標。特に、参考として、がんの医療提供体制の構築に係る指標例というものがございますので、がんのところでは、患者指導の実施件数や入院緩和ケアの実施件数等といった指標が設けられることを踏まえて検討してはどうかという御提案を頂戴しております。
 ここまでが今回のヒアリングでいただいた主な御意見の御紹介でございます。
 続いて、15ページ目からでございますが、マル1-2として、循環器病に係る指標に関する研究班における成果について御紹介いたします。
 16ページ目を御覧ください。こちらは、令和元年~3年度までの厚生労働科学研究において、脳卒中及び心血管疾患について、指標の案として以下のようなものが御提案されています。
 脳梗塞に対するtPAによる血栓溶解療法の実施可能施設数とか、心血管疾患のほうでは、大動脈疾患患者に対する手術件数などといった項目を、それぞれ、脳卒中のほうは7項目、心血管疾患については3項目の御提案をいただいています。
 続いて、17ページ目を御覧ください。今の話は各論の話でしたが、総論的に脳卒中、心血管疾患に関する指標として見てみたところ、全体としてどのような特徴があるかというところを整理していただいたのが、この資料でございます。
 こちらでは、回復期以降では、脳卒中や心臓病等に特異的ではない指標が多くあることですとか、2つ目、「緩和ケア」など、重要だと思われるけれども、定義が曖昧な項目があることですとか、4つ目のところで、個別施策として記載されていても、対応する指標が記載されていないものがあるという形で、実際に運用していく過程での課題も含めて、いろいろ整理していただいているという状況でございます。
 ここまでの話を少し整理してまとめたページを、18ページ目に小括という形で御用意してございます。
 1つ目の○でございます。循環器病に係る指標について、予防、救護及び急性期の観点からの御意見に加え、回復期及び維持期について、リハビリテーション等、複数の観点からの御意見を頂戴しております。また、関連する指標案として提言をいただいており、例を一部抜粋してお示ししております。
 加えまして、○の2つ目で、厚生労働科学研究の成果として、以下が報告されたということで、指標の提案と現行の指標に係る提言を頂戴しておりました。今の16ページ目、17ページ目の説明と重複するので、割愛させていただきます。こちらを御覧いただきながら、本日、いろいろ御議論いただければと思っております。
 続いて、19ページ目からでございます。関連する諸計画との連携のお話をさせていただこうと思います。
 20ページ目を御覧ください。こちらは、柱の2つ目である関連する諸計画との連携に関する御意見として頂戴したものの主な御意見をお示ししております。
 もともと念頭に置かれていたかと思いますが、医療計画や介護保険事業計画との連携はもちろんだけれども、健康増進計画や地域福祉活動計画との連携も必要ではないかといった切り口の御意見を頂戴しております。
 2つ目のポツも、一部それと重複して、地域福祉活動計画との連携について触れていただいています。
 3つ目のポツは、障害福祉計画との連携といったところも必要ではないかという御意見。
 一番下のポツについては、国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する基本計画との連携も必要ではないかという御意見を頂戴しております。
 続いて、21ページ目からでございます。ここからは、柱の3つ目、「感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備」に関する主な御意見について、お示しいたします。
 22ページ目を御覧ください。こちらは、感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備のうち、特に医療機関間の連携や地域間の連携に係るものをお示しいたします。
 主な御意見として、一番上のところから、感染拡大時においても必要な医療が継続できる体制が必要であり、平時からの取組が重要である。感染拡大時にもきめ細やかな医療の提供が可能となるよう、平時からこれらの対応を行えるよう、薬局を含めた地域の関係者・関係機関の連携体制の整備が重要であるといった御意見ですとか、2つ目のポツで、24時間365日の急性期対応のためには、集約化が一定必要ではないかといった御意見など、平時からこのような対応が必要だといった御意見を様々頂戴してございます。全て読み上げるとちょっと時間がかかってしまうので、割愛させていただきますが、御覧いただければと思います。
 続いて、23ページ目でございます。こちらは、急性期の医療資源のさらなる活用に係るものを紹介しております。
 1つ目のポツでは、急性期脳卒中受け入れ医療機関、感染症指定医療機関を中心とする感染症受け入れ医療機関、その他の領域の救急受け入れ医療機関を対象に、地域の急性期医療資源を一元的に共有するシステムを平時から整備する必要があるのではないかという御意見を頂戴しております。その具体的項目については、その下のチェックの5つの項目などを具体例として挙げていただいておりますので、御参照ください。
 あとは、2つ目のポツのところで、患者受け入れや人材の有効配置に関して、一定の権限を付与することが必要ではないかという御意見ですとか、地域における各医療機関の救急対応の許容量というか、対応可能な部分をリアルタイムで共有するような仕組みが必要ではないかという御意見などを頂戴してございます。
 続いて、24ページ目でございます。回復期及び維持期の医療体制の機能強化に係るもの、として御意見を頂戴したものをこちらにお示ししております。
 ある程度の重症であっても回復期病院というステップを経ることができるシステムについて支援する必要があるのではないかということですとか、2つ目のポツで、「重症心不全状態にある在宅患者に対するカテコラミン持続静注による管理」など、在宅生活を継続するための体制の整備というものが必要ではないかという御意見などを頂戴してございます。
 続いて、25ページ目でございます。こちらでは、デジタル技術や医療機器の有効活用に関する御意見をお示ししております。
 1つ目のポツで、急性期の医療機関への負担を低減するという観点から、以下のような診断機器の活用というのが必要ではないかということで御提案いただいているものでございます。例示が幾つかございますが、マル3の遠隔モニタリングや遠隔治療アプリによる重症化予防といった御提案も頂戴しております。
 2つ目のポツでは、急性期の医療機関間での定期的な会議や意見交換が必要であるといったことですとか、医療情報の電子的な共有なども進めていくべきではないかという御意見。
 3つ目のポツで、ICTや遠隔医療を活用した医療体制の整備などが必要ではないかという御意見を頂戴してございます。
 続いて、26ページ目でございます。こちらでは、リハビリテーション及びアドバンストケアプランニングに係るものについて御意見を頂戴しております。
 リハビリテーションについて、上の5つのポツで記載してありますが、例えば一番上のポツで、新型コロナウイルス感染症へのリハビリテーションガイドラインの作成や、合併症を有する患者への対応などといったものをきちんと共有できれば、速やかな全国への普及促進も期待できるのではないかという御意見を頂戴しております。
 また、下のほうで、アドバンストケアプランニングについては、平時からの取組として、アドバンストケアプランニングによる個人の意思決定に基づいた医療の提供がどのフェーズにおいてもなされる必要があり、終末期リハビリテーションや緩和ケアの体制整備が必要である。そういった取組が急性期医療への負担を緩和することにつながるのではないかといった御意見を頂戴しております。
 ここまでのマル3のセクションに関する御意見を27ページ目に小括として記載してございます。以下のような観点から御意見をいただいたという形で、括弧を6つ記載しておりまして、それぞれ、御紹介したスライドの御意見ということで例示を幾つかしておりますので、こちらを御参照いただきながら御議論いただければと思っております。
 28ページ目、方針(案)についてということでございますが、29ページ目、御覧いただければと思います。こちらは、本日御議論いただきたいポイントをお示ししたスライドでございます。本日、御紹介した御意見等を踏まえまして、第2期循環器病対策推進基本計画の策定に当たって、以下のような方針とすることとしてはどうかということで、事務局からの御提案でございます。
 1つ目、循環器病に係る指標の更新については、1つ目のポツ、いただいた御意見や、厚生労働科学研究の結果を踏まえて、指標を整理することとしてはどうか。また、2つ目のポツ、整理に当たっては、実現可能性の観点から、以下の点に留意することとしてはどうかということで、比較可能な数値であることや、定義が明確であって、数値の算出が実施可能であること。評価方法が明確であること等に留意して指標を設定してはどうかという御提案でございます。
 2つ目、関係する諸計画との連携についてということで、基本計画における記載事項について、他の計画との整合を取るとともに、必要に応じて、他の計画との連携について記載することとしてはどうかという御提案でございます。
 3つ目、感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備についてというところで、いただいた御意見等を踏まえつつ、医療計画における感染症に係る医療体制の整備方針との整合を取りながら、記載事項を整理することとしてはどうかという御提案でございます。
 長くなりましたが、事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○永井会長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明を踏まえまして、次期計画に盛り込むべき観点、内容につきまして、観点別に御意見をいただきたいと思います。本日は、途中で退席される委員がいらっしゃいますので、3つの観点をまとめて御議論いただきたいと思います。観点1が、循環器病に係る指標の更新について。観点2が、関係する諸計画との連携について。観点3は、感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備についてでございます。どの観点でも結構でございますので、御発言をいただければと思います。なお、どの観点かについては、初めに御明示いただいて、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 峰松委員、どうぞ。
○峰松委員 峰松です。
 膨大な資料を非常によく整理していただき、ありがとうございます。
 私は、最初の指標に関して質問します。我々の作業は基本計画作りなので、論点を整理して、あるいは提案されたものを計画の中に書き込むという形で普通は終わると思います。しかし、最初の指標だけは異質です。具体的に医療計画をつくる段階でいろいろな部署が準備されているので、我々が基本計画に書き込んでもその作業には間に合わないのではありませんか。
 それと、私、実は現在の第7期医療計画策定のときの脳卒中関連の指標作りのときに、脳卒中学会の役員、委員会の委員長をしていた関係で、厚労省から意見を求められ、たくさんの項目、今回の議論で挙がっているのに匹敵する項目を挙げたのですが、大半が却下されてしまいました。要するに、都道府県単位で自治体が簡単にアクセスしてデータを取れないと、ちゃんとした形にならないということで、理想と現実の間の大きな乖離を感じました。
 それで、基本計画の中に書き込むだけでは終わらない。相手は多分医政局だと思うのですが、医政局と健康局とが議論して決めるというプロセスがあるのかどうか。どうやって指標を決めていくのかということ。それから、基本計画にどこまで書き込むのかという2つの問題があるので、整理していただきたい。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 今の点、事務局からお願いします。
○原澤課長補佐 事務局でございます。峰松委員、御質問いただき、ありがとうございます。
 まず、こちらの指標の取扱いについてということでございますが、峰松委員、御指摘のとおり、循環器の基本計画でのみ使用するものというよりは、医療計画のほうの指標例としても取り扱っていくことを想定しております。ですので、本日いただいた御議論ですとか、今後議論していただく取りまとめの内容についても、スケジュール等の関係もあるので、どこまでできるかということもありますが、医療計画の検討会が別途、医政局のほうで進んでおりますので、そちらに内容の御報告ですとか、そちらでも御議論いただくような形で、両計画にしっかりと反映できるようにしたいと考えてございます。
 また、基本計画への書き方については、基本計画そのものに書き込むというよりは、そこに何か付随するような形で、実際に計画を都道府県等がつくる際に当たって、きちんと参照していただけるような形でお示しするということを念頭に置いてございます。
 また、1点補足でございますが、都道府県に対しては、医政局のほうで一定程度、データブックという形で、指標について整理してデータを定期的にお渡しするということもやってございますので、そちらのデータの活用をしていただけるようなものであれば、都道府県が自ら取りにくいような、例えばレセプトデータといったものを使ったものでも活用していただけるように、厚生労働省としても一定の技術的支援を行っておりますので、申し添えさせていただきます。
 事務局からは以上でございます。
○永井会長 よろしいでしょうか。
 では、木澤委員、どうぞ。
○木澤委員 ありがとうございます。木澤でございます。初めに、本日の会議ですけれども、14時25分で退席させていただきますので、御容赦お願いいたします。
 第2期循環器病対策推進基本計画の策定方針につきまして、事務局の提案に賛同いたしたいと思います。その上で、循環器に係る指標の更新について意見を述べさせていただきます。資料4-1、4ページにヒアリングに対する日本看護協会の意見について、お示したいただいております。ヒアリングをいただきまして、ありがとうございます。
 医療提供体制の構築の観点から考えますと、循環器病患者へ質の高いケアを提供するためには、チーム医療がかなり重要であり、特に循環器の急性期におきましては、非常に時間的制約があることから、専門的スキルを有する医療人材の確保、連携体制の整備が大変重要であると考えております。
 循環器病対策推進基本計画の「救急医療の確保をはじめとした循環器病に係る医療提供体制の構築」で、取り組むべき施策としまして、循環器病に係る医療提供体制について、地域医療構想の実現に向けた取組である高度急性期及び急性期から回復期及び慢性期までの病床の機能分化、連携に取り組み、訪問診療、訪問看護、訪問薬剤管理指導、訪問リハビリテーションを含めた在宅療養の推進、学会、団体等で育成されている各専門医、特定行為研修修了者、専門・認定看護師を含めた医療従事者の確保等、都道府県が地域の実情に応じた医療提供体制の構築を進めると記載されているとおり、それぞれの専門性を発揮したチーム医療が非常に重要ということになっております。
 ヒアリングの意見にも記載しましたが、そういった専門的教育を受けた配置ということも考えていただきたいと思っております。日本循環器看護学会が行った調査では、慢性心不全患者に対して、退院後に継続的な支援を行っている病院のうち、循環器看護に係る専門認定看護師が配置されている病院では、慢性心不全患者の退院後6週間以内の再入院率が低下している傾向にあることが報告されています。このことからも、専門的な教育を受けた各医療従事者数について、指標に含めることも御検討いただきたいと思っています。もし指標としないのであれば、個別施策として記載がなされることも有用であると考えております。
 長くなりましたが、以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 続いて、堀場委員、どうぞ。
○堀場委員 堀場です。
 4ページの3つ目ですけれども、私も先天性心疾患患者ですので、ぜひとも胎児期の診断を進めていってほしいです。
 それともう一つ、17ページの4、個別施策のところですが、以前からお伝えしていることでありますが、患者本人と家族が、自分が何に困っているかが分からない。そういうことが多く、どこに相談すればよいか迷うなどがあるため、総括的に相談する窓口を設けることで、欲しい情報、支援につながるようにしていってほしいということがあります。このように患者や家族は思っていると思うので、各施設等のデータを取りまとめてほしい。現場の声をすくい上げて聞いていってほしいなど、思っています。
 以上です。ありがとうございました。
○永井会長 ありがとうございます。
 中澤委員、どうぞ。
○中澤委員 中澤です。
 3番の感染拡大時でも機能を維持できる医療体制というところで、22ページになるかと思うのですけれども、今回、コロナの対策の中で、感染症が拡大している中で、様々な疾患に対する医療体制を維持するために、病床をどのように確保していくかというのは、地方自治体の我々は非常に苦労したことは、皆様に御協力いただきながらやってこれたと思っております。
 例えば、今後、新興感染症とかが発生した場合に、今回のコロナのときも、皆さんよくお分かりだと思いますけれども、病態がどんどん変わっていったということで、求められる病床や病院の機能が変わっていったということに関して、波ごとに対応を考えなければならなかったということがあったかと思います。
 それを考えますと、下から2ポツ目のところに、地域の中の機能分化とか疾患ごとの機能分化についても検討する必要があるとか、周辺の病院の役割分担ということも記載していただいておりますけれども、併せて、次に何が起こるかということが分からないこともありますけれども、感染症自体の特性やフェーズに合わせた体制を見込んでの連携体制であったり、もちろん予測できない部分もありますので、今回のコロナ対応もころころ変わっていったことに対応が追われたという経験を基にした例示とか、そういうことを全国で共有して、その中からうまく連携体制を築いていけるようにしていただけると、我々自治体としても大変ありがたいので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 横田委員、どうぞ。
○横田委員 ありがとうございます。横田でございます。
 資料の18ページになると思いますが、ここで上のところの指標(例)で救護のところに、主幹動脈を予測する6項目の観察の指標についてという事務局の提案ですけれども、私自身、これに関しては事務局の提案に賛成させていただきます。これは、消防庁が主管する救急業務のあり方検討会の中で、救急隊が行う観察・処置に関するワーキンググループというのがあって、私、そのワーキンググループに関わっているのですが、実は9月6日だったと思うのですが、その中で本件に関して議論して、救急隊の皆さんは、この6項目に関しては、特に混乱はないというお話をいただきました。
 その中で1点、6項目を具体的に言うと、脈の不整、共同偏倚、半側空間無視、失語、顔面麻痺、上肢の麻痺ですけれども、この半側空間無視以外の5項目に関しては、現在も既に救急隊は救急の現場の観察項目として、ほぼ観察しているということですが、半側空間無視だけが、現在観察項目としてはないので、教育を受けるという前提で、病院前救護としては受け入れることができるだろうという議論がされました。
 もう一点、これは個人的な意見になるのですが、ここの事務局の提案、私、賛成させていただくのですが、主に虚血性の脳卒中のことが書かれてあるので、出血性の脳卒中、くも膜下出血とか脳出血等々に関しても、何らかの記載があっていいのかなと思っています。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 安保委員。
○安保委員 安保でございます。私、2時45分頃に退席させてください。よろしくお願いします。
 循環器病に係る指標の更新のところで少し意見というか、急性期、回復期、維持期と非常に連携してリハビリテーションが重要だということがよく分かるものですけれども、リハビリテーション医療体制をストラクチャーから捉える際に、実施施設の数だけじゃなくて、リハビリテーション科の医師とかリハビリテーション専門職の従事している人の数が重要なので、それもぜひとも記載していただきたいなというのがございます。
 あと、11ページのところにICFを使った生活機能評価にできる指標というのが提案されておりますけれども、全体的に評価指標としては、診療報酬とか介護保険でアウトカム評価として、Barthel IndexとかFIMといったADLが主体のものなのですね。なので、それ以外のものを使う場合には、妥当性を含めて検討が必要なのかなと。なので、循環器病の患者さんを評価する上で従属的なデータソースというものが必要なので、できるならデータベースの構築とかも、既存のデータベースの再編をうまいことしてやっていただきたいと思います。事務局として、このような生活機能を評価できる指標について、具体的なデータソースを想定しているのかというのを教えていただきたいかなと思います。
 あと、27ページ、感染拡大時でも機能維持できる医療体制の整備として、遠隔リハビリテーションの提供体制の整備という意見が出されていますけれども、これは非常に重要なことなのですけれども、遠隔リハビリテーション治療については、対面のリハビリテーション治療と比べた有効性と安全性も、同時にうまいこと進めていっていただければ非常にうまいこといくと思うので、それも記載していただきたいなと思います。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 今の点、事務局からお願いいたします。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
 今、御質問いただいたデータベースに関する想定といいましょうか、どのデータを用いる見込みであるかというところについては、まさに委員の皆様から今、頂戴している御意見を踏まえて、どのデータが最も妥当性が高いのかといったところは、今後詰めていくところであると認識しております。他方で、どのデータであれば、定期的に、かつ都道府県間での比較ができるように取れるかといった論点も同時に存在しているので、その点を併せて、今、いただいた御意見は貴重なところでございますので、そこを踏まえて検討していきたいと思っております。
 以上でございます。
○永井会長 よろしいでしょうか。
 美原委員、お願いします。
○美原委員 ありがとうございます。全日病の美原です。
 非常によくまとまっていると思うのですが、22ページに施設の集約化が必要ではないかということがあります。もちろん、施設を集約化すること、選択と集中によって、医療のレベル、質が上がるということは十分なのですが、実際、現時点においても、DPCデータを見ますと、くも膜下出血であるとかtPA、血管内治療というのは、かなり選択と集中が行われているということが見受けられます。
 一方、公立病院経営強化ガイドラインというのがあり、そこには、公立病院を中心に急性期医療を集約すると書かれています。地域医療構想の中においては、民間ができないことを公立病院が担うということが求められ、選択と集中とが、公立病院、公的病院に偏重しないように御配慮いただきたいと思います。
 また、集中化ということですが、悪性腫瘍の治療とは違いまして、ストロークをはじめ、循環器疾患というのは時間が勝負ですので、地域にどのぐらいの数が必要なのか検討することが必要だと思います。何でもかんでも集中というのではなくて、十分に時間的なことも考えられて、集中化した医療機関というものが地域に必要なだけ設置されることが求められると思います。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 川勝委員、お願いします。
○川勝委員 ありがとうございます。川勝です。
 私は、指標について幾つか意見を述べたいと思います。資料の8ページですけれども、提案された指標案として、一番最後に、啓発のイベント開催回数や受講人数などとあるのですけれども、これはそもそも基本計画の正しい知識の普及を目指すためのものだと思うのですけれども、実際、計画の立案とか計画の実施というのは、実態とか実情の把握がベースになると思うのですね。土台がしっかりしないと砂上の楼閣です。よい計画も崩れ落ちる。実態を把握できた上で、いろいろ計画を進めないといけないと思うのですけれども、私はまずイベントをやる前に、国民がいかに脳卒中を知らないのかというのを、私たちは知るべきだと思います。
 ですから、知らないのかというのは失礼な言い方ですけれども、正しい知識の普及のために、現在、どれぐらいの国民が正しく脳卒中を意識しているか。例えば、狭心症なども言えると思いますけれども、いざというときの対応。こんなときでも様子見しないで、すぐ動くのだという国民の知識がどれぐらいあるか。実際はないのです。それをいかに知らないのかという実態調査をまずやった上で、イベントとかを展開していくということじゃないと普及は進まないと思います。ですから、指標として追加してほしいのが、脳卒中の正しい知識の普及、知っている国民の普及割合というものをぜひとも項目としてつけ足していただければ。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 それでは、野口委員、お願いします。
○野口委員 ありがとうございます。
 私のほうからも、循環器病に係る指標の更新のことについて意見させていただければと思います。スライドの18ページにあるこのまとめに私も賛同しております。ただ、1点目に、回復期以降では、脳卒中・心臓病等に特異的でない指標が多くあると指標されていますが、健康寿命の延伸の観点からは、循環器病においても回復期、慢性期、いわゆる生活期をどう過ごしてもらうのか、とても重要な観点ではないかと考えています。
 この病期は、医療計画のみならず、他の諸計画と関連しており、介護計画や福祉計画との連動が必要になって来るので、それらを含めて是非、基本計画の中で触れて欲しいと思います。
 あともう一点は、先ほどの川勝委員のご発言に関係することかもしれませんが、本対策は医療者側だけが牽引していくものではないと思うので、当事者自身がどう参画するのか理解できるような対策にして欲しいと思います。
 例えば、服薬だと、アドヒアランスということが言われており、疾患別のパスなどの中では、医療者側のパス以外にも、患者側のパスが用意されており、双方が協力し合って取り組んでいくということがとても重要です。当事者自身がどのように関わるかは非常に重要であり、患者側の取り組みの変化なども指標の中では、重要になるのではないかと感じています。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。川勝委員がおっしゃった、当事者の意識とか理解の問題ですね。
○野口委員 ありがとうございます。
○永井会長 それでは、山本委員、お願いします。
○山本委員 山本でございます。
 資料の6ページ、7ページ、基本的には同じ構造ですけれども、ストラクチャー、プロセス、アウトカムと分けられて、縦軸、横軸、マッピングされていて、非常によく分かるなと思うのですが、指標をいろいろ決めるとしても、どこかに固まってしまっては余り意味がないので、このマップ上に万遍なく入っているかということを見ながら議論したほうがいいのではないかなというのをちょっと思ったのです。ここで見ると、回復期、維持期は、先ほど挙がっていたような、例えばリハビリの専門医とか専門職の人数とか、そういうものをストラクチャーに入れていくとか、そういう形で入っていくと思うのですけれども、予防と救護のストラクチャーと、それから予防についてはアウトカムが薄いなと感じます。
 救護の部分のストラクチャーというのは、これは厚労省ではなくて総務省というか、救急隊マターになってくることですので、例えば先ほどの6項目の脳卒中を救急隊が判別するための指標ですけれども、それを実施した件数を挙げるのか、あるいはストラクチャーとして入れるのであれば、それがどの程度救急隊に周知されているかということを見るというのも1つだと思うのですね。
 それから、予防のアウトカムですけれども、現在、これは救急搬送した患者数になっていますけれども、これは結局、予防を失敗して出てきた患者数ですね。それと、この患者数だけ見ていても、予防のアウトカムには本当にはなっていないので、例えば先ほど川勝委員、その他の方々がおっしゃっていたような、脳卒中とか心不全、心筋梗塞というものに対する一般国民の認知率を、例えばインターネット調査みたいなもので定期的にやって、それを挙げるとか。このマッピングの中でバランスよく配置するような考え方でされたらいかがかなと感じました。
 それと、今の指標は、厚労省が省内で取れるものにかなり偏っているような気がしますので、せっかく法律になっておりますので、ほかの指標、具体的には救急隊関連の指標ももう少し取れるものは取っていったらどうかなと感じました。
 以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 続いて、今村委員、お願いします。
○今村委員 日本医師会の今村です。私のほう、今回から参加ということで、今までの流れを十分に理解しない発言があるかもしれません。その際は、御容赦ください。
 私のほうからは、この3点の中の1点、感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備の部分、主に22ページ、23ページということになろうかと思います。先ほど中澤委員からは、今回のいろいろな第7波までにおいて、ウイルスの状況が変わった。その結果、患者像も変わって、受け入れ体制も一律にこれと決められなかったという御発言がありました。その際に必要な機能というのが、実際の第1波から第7波では少し変わったかなと。
 また、美原先生のほうからは、機能集約という部分に関しても、ここは慎重にしないと、結果的に機能集約がうまくいくとは限らないという発言もありました。この辺、全体を通して、まず、確かに感染拡大時でも機能維持したいというか、すべきという項目自体に反対はないのですけれども、一番最初の視点として、医療資源は有限ですね。今回、第6波ぐらいまではいろいろと工夫しながら対応できた。それが、本当に現場の皆さん方がいろいろと試行錯誤しながらも頑張った結果として、どうにか第7波まで過ごしたと思いますが、例えば第7波レベルの患者さんが出てくると、簡単には対応できないというか、事実上、これは日本の医療提供体制のキャパを超えていたのかなと思います。
 そうした際に、1つの前提として、今の日本の医療提供体制で、どの程度までの波だったら対応できるのか。そして、それを超えた場合にはどのような対応にすればいいのかみたいなところも少しポイントを置いておかないと、日本での議論で言うと、とにかく全員助けないといけない。一般医療もちゃんとできて、かつコロナにも全部対応するのだという理想論だけでいくと、本当にキャパを超えたときに思考停止してしまうのかなと。その辺もポイントに入れていただきながら、この部分を考えていっていただいて、その上で機能分化の在り方とか。
 また、地域によっても提供体制自体がかなり異なりますので、行政との協力の在り方というのも考えていかないといけないのかなということを感じるところです。ぜひその辺もポイントに入れていただければと思います。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 では、峰松委員、お願いします。
○峰松委員 すみません、2回目の発言になりますが、指標について追加コメントさせていただきます。今、出ている6ページ、7ページの現行の指標というのは、最初にも言いましたように、脳卒中では再開通療法とか、そういった急性期の治療が非常に進歩してきたところで、いわゆる手に入りやすいデータで組み立てるという基本法成立以前の指標なのですね。でも、見て分かるように、救護の部分も総務省と連携すればデータが出てくると思いますし、回復期、維持期に関しては本当に歯抜け状態で、基本法の精神からすると、この歯抜け状態を何とかしなければいけない。
 脳卒中協会関係者の意見を聞くと、回復期、維持期に関する対応が不十分という点について不満が大きいです。この回復期や維持期に関しては、何らかの指標を当てはめてやっていただきたい。
 それから、がんの場合は、5年生存率といったデータを入れると思いますが、脳卒中、心筋梗塞もそうかもしれませんが、都道府県別の病気の再発率などは、多分データがない、データベースが欠如しているので、データの出しようがないのですね。これは、日本の脳卒中、循環器病医療の一番の欠点であり、それでデータベースを整備しようという話になっているのです。残念ながら、今のところ作業がストップしていて、めどが立たない。非常に深刻な問題です。電子カルテの統一は置いておいて、それ以外の部分でできることがあるのではないか。
 それから、今度の5か年計画策定には間に合わなくても、「本来入れるべきものはこれであって、今回入れられない理由は、データベースがないためである」とか、そういった組立てでやっていただきたい。その次の6年後の改定はちょっと先のような気もしますが、あっという間です。そのときにどれだけ充実した計画が作れるかといった長期的な戦略で、今回の第2期基本計画をつくっていただければ、みんな少しは納得してくれるのではないでしょうか。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 小室委員、どうぞ。
○小室委員 私は、感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備に関して、お話ししたいと思います。25ページです。ここにおきまして、AIによる画像診断による循環器重篤化診断。これは、循環器疾患の中でも、とりわけ心不全に関しては、自宅で悪化するので、それをAIによって診断するということで、大変よろしいかと思いますし、また遠隔モニタリング等に関しても大変よろしいかと思います。
 私がコメントしたいのは、下から2つ目のポツのところでありまして、先ほど安保委員でしたか、遠隔リハビリのことについてお話があったかと思います。遠隔リハビリ、私は大変重要だと思います。とりわけ、コロナ禍で最もできなかったのがリハビリテーションだと思います。しかし、安保委員おっしゃったように、まずは急性期、回復期、維持期のリハビリをもっと広めないことには、遠隔リハビリはとてもできない。なかなか広まらないと思います。
 それと同じで、ここにありますような先天性心疾患患者の対応なのですけれども、D to P with D、これは大変いいコンセプトだと思うのですけれども、成人先天性心疾患患者が非常に増えているにもかかわらず、診療できる施設が非常に少ないです。成人先天性心疾患外来を開設している病院がまだ少ないので、とてもこれをできる状況にないのではないかと思います。ですから、まずは成人先天性心疾患を診療できる施設を増やすことが重要だと思います。
 それと、もう一つ、ここに書いていないのですけれども、最近、重症心不全の患者に対して、補助人工心臓のデスティネーションセラピーが始まっています。DTと我々、呼んでいますけれども、心臓移植を目的としないLVADの装着患者です。この患者、増えているのですが、診れるところがほとんど心臓移植の実施施設だけです。いろいろなところからやってきて、補助人工心臓を入れて帰っていくのですけれども、それを地元で診ることができるところが非常に少ないです。ですから、これに関しても、もっと多くの病院が診療できるようにしないと、D to P with Dはとてもできないと思います。
 ということで、このコンセプトは大変すばらしいのですけれども、その前にもっとやることがあるのではないかということで、コメントさせていただきました。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 磯部委員、どうぞ。
○磯部委員 榊原記念病院の磯部でございます。遅れて参りまして、失礼いたしました。
 指標に関して、細かい指標を幾つか考えて健康局のほうに資料はお出ししました。基本的に幾つかポイントがあります。この基本計画の中で循環器病院の位置づけが必要です。今の循環器病院を集約化することは出来ないし、必要はないと思いますが、少なくとも高度医療については、医療資源、人員、資金、その他限られていますので、非常に高度な医療をする施設は、ある程度地域的にも集約化する方向の指標をつくっていかなければいけないと思っています。
 具体的には、例えば救急で夜間に循環器医あるいは心臓外科医が緊急手術を含めた診療ができるようなシステムを備えている病院の指標を設ける。また、ボリュームの指標も必要で、資格を持った慢性心不全認定看護師や心不全療養指導士の人数とかです。手術の件数、特に大動脈の緊急症の手術は、距離や時間よりは施行件数が多いほうが成績はいいというのを研究班のほうで出していただいていますので、件数に代表されるボリュームの指標。それから、夜間・休日における緊急手術をどれぐらいやっているかといった、高度医療を集約化するような方向の指標を入れていっていただきたいと思います。
 もう一つは今もお話がありましたけれども、長期的な、リハビリあるいは予後の改善、福祉支援に関する指標を、この資料の中にも御提案がありましたけれども、小児の移行医療の支援指導をどれぐらいしたかとか、モデル事業は既に終わっておりますけれども、両立支援の内容とか支援件数。あとは、リハビリテーションの件数などのボリュームであったり、心肺運動負荷、CPXと言いますけれども、そういった施行件数です。これは病院によってばらつきがあって、医療の質に関わることです。リハビリテーションに関する諸指標を急性期、回復期以降について、きっちりと入れていっていただきたいと思います。
 それから、医療の質に関しての指標ですけれども、手術成績とか死亡率というものを出すと、重症例が多く入ってくる病院は数字が悪くなるのは当然ですので、大事な指標だと思うのですけれども、補正が必要だと思います。日本心臓血管外科学会でJapan SCOREというものをつくっています。今後、検証は必要ですけれども、学会のほうではこれを推奨しているようですので、Japan SCOREを用いて手術の成功率や合併症率等の補正をした上で、その成績に関する指標を入れていっていただきたいと思います。
 以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 大津委員、どうぞ。
○大津委員 国立循環器病研究センターの大津でございます。
 指標についてですけれども、事務局のほうから述べられているように、経緯がはっきりし、比較でき、数値化される。その3つの方針に賛成でございます。今、峰松先生からもありましたように、登録事業は今、残念ながらストップしておりますが、データを取るのに、いろいろなデータが様々なところに分散しているということが大きな問題だと思いますので、登録事業をせっかくつくるのですから、そのデータを中心として、いろいろなデータが結びついて、これらの指標が簡単に担当者の方が見られるような大きなデータベース化というか、構築するべきだ、それを目指すべきじゃないかなと非常に感じました。
 コロナ下の医療体制の維持ですけれども、皆さん、御存じのように、日本は先進国の中で人口当たりの病床数が最も多いのに病床が足りないことが起こってしまった。なぜかというと、病床当たりの医療従事者が少ない。あるいは、コロナのときはチーム医療が必要ですけれども、例えばECMOを回す臨床工学技士が少ない。病院の7割が民間病院で、そのうちほとんどが中小病院で、少ない医療従事者がされている。
 また、現実に起こったことは、公的、府から国から要請を受けて、我々が決断して、どの患者を診るとか、どの患者の部分を切り捨てるとか、我々一つ一つの病院が決断していった。でも、こういう国家的な危機ですので、政府主導で大きな絵を描いていただき、今はそういう法律がないと理解しておりますけれども、医療全体をコントロール、民間病院あるいは公立病院を含めてコントロールできるような仕組みじゃないと、もう一度起こっても同じことが起こるのではないかと危惧しております。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 これまでのコメントに事務局から少し回答をお願いします。
○原澤課長補佐 事務局でございます。何点か補足説明というか、先生方から頂戴しましたコメントの中に補足できそうなところがあったので、コメントさせていただきます。
 まず、山本委員から頂戴いたしました指標に関連する御指摘でございます。まさに今、足りていない部分について、しっかりと議論していくべきじゃないかという御指摘があったかと思います。おっしゃるとおり、救護の部分が抜けていて、回復期や維持期のところが薄いといったこと、峰松委員からも同じような御指摘があったかと思います。
 そこについては、今回、いただいている御意見でも、回復期、維持期のところに多数の御意見を頂戴していることなどからも明らかで、関係者の皆様も気にされていて、御意見いただいていると認識しておりますので、お示ししている論点の実現可能性というところを念頭に置きつつ、どのような形で御意見を反映していけるかどうかということは、事務局としてしっかり考えていきたいと思います。
 その上で、先ほど頂戴した山本委員からのコメントで、例えば予防のアウトカム指標のところで、うまくいかなかった事例としての患者数という見方ではないかという御意見がありましたが、裏を返せば、これはトレンドを追っていくことで、その患者数が減っていくことというのは、予防が一定程度奏効していることと捉えることができるという見方もございますので、自治体においては、単発のデータを見るというよりは、経時的に追っていくことによって得られる効果ということもあろうかと思いますので、そういった観点で当時、設定されたのではないかと愚考いたしますので、補足させていただきます。
 もう一点、救護についてのストラクチャー指標が抜けているというところがありましたが、そちらについては、本日お示ししておりませんが、医療計画における5事業の一つである救急に関する指標のところで、一定程度、救急搬送に関連するストラクチャー指標などはあったりしますので、そういったところとの整合を取って、こちらにも置くことですとか、どのようなことができるかというのを、本日いただいた御意見を踏まえて検討したいと思っておりますというのが、山本委員からいただいた御指摘に関するコメントでございます。
 あと、今村委員から頂戴した、リソースが限られているという中で、コロナ等の感染拡大時の対応というのは、しっかり書いていくべきではないかというコメントという趣旨であったと理解しておりますので、そのような御意見として承りました。
 あと、峰松委員から頂戴した、データベースの整理というのが大事で、そこまで整備できないと実際には使いにくいけれども、こういう項目は今後重要だろうと考えられることもあるよという御指摘があったかと思います。おっしゃるとおり、現状取れる指標、取って活用できる指標というのと、本来、これは取っていくべきだけれども、現状、データベース等がないので難しいが、見ていくべきであろうという指標は、いただいた御意見を整理していく中で出てくると思いますので、そういったところを一定程度整理した上で、今後の議論にも、目の前の計画の策定にも資するものであり、かつ、今回反映できなくとも、引き続き御議論いただくようなときに、議論の礎というか、その基として残せるように、御議論いただいたものを少し整理していきたいと考えてございます。
 長くなりましたが、事務局から以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 山本委員、お願いします。
○山本委員 すみません、コメントいただきまして、ありがとうございます。
 1つだけ予防のところのアウトカム指標になっている、脳血管疾患により救急搬送された患者数ですけれども、これはいろいろな意味で予防のアウトカムとしては不適切と感じます。なぜかというと、1つは、国民の脳卒中に対する認知度が上がると、一時的に救急搬送は増えるべきなのですね。なので、減っていくのがよいのではなくて、逆に軽症であっても救急搬送されるほうが、実は認知率が上がっているという見方もできます。つまり、解釈によってどうとでも読める数であるということです。
 それと、長期的には人口減少を受けて減っていきますので、そういう意味でも、政策に対してのアウトカムとしては、短期的にも長期的にも一定の方向性で動かない可能性が高いので、そういう意味で、予防に対するアウトカムとしては余りよろしくないのではないかと思ったので、ここでは挙げさせていただきました。
 以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、私から。7ページのこの表というのは7次医療計画ですが、これを見ると、明らかに予防といっても発症予防ですね。1次予防、それから急性期対応、この2つが非常に強調されている表だと思います。先ほどからお話がある回復期、慢性期、維持期。それから、この表にもありますが、再発予防というのが結構重要ですね。再発予防あるいは重症化予防とか。
 もう一つ、今日、全体を通じて抜けていたのが合併症予防ですね。心臓病の人が脳卒中を起こすとか、逆もありますし、そういう予防というものを左の端と右の端、両方において、ここをしっかり対応するというのが今回の基本計画の一つの眼目ではないかと思います。それに合わせた指標。もちろん、そのためには相当細かいデータの追跡が必要になると思うのですが、できるところからやっていくべきなのだろうと思います。
 私からは以上です。
 いかがでしょうか。まだ時間がございますので、どの点でも結構ですので。
 小室委員、どうぞ。
○小室委員 どこでお話ししたらよいか、よく分からなかったのですけれども、20ページの関係する諸計画との連携に関する主な意見というところについて、ここに書いてある計画と違う計画との連携について、お話ししたいと思います。
 その計画は、がん対策推進基本計画についてです。皆さん御存じのように、がんの治療が進んだことによって、がん患者さんの予後は大変よくなりました。がんになっても長生きする、また治る方もかなり出てきています。毎年のように、大変多くの新しい抗がん薬が出ていますけれども、その新しい抗がん薬といえども、ほとんど全て、心臓や血管を傷害します。その結果、がんの治療をされている方が、治療中、また治療後に心不全になったり、血栓塞栓症で肺血栓塞栓症、また脳卒中になることが非常に増えています。
 そこで、今、腫瘍循環器という学際領域が世界的に大変注目されています。我が国においても、大変多くの抗がん薬が出、しかも高齢者に抗がん薬の治療をするということで、循環器疾患で命を落とす人が非常に増えているのですね。そこで、がん対策基本法、基本計画とどのように連結するか、ぜひとも考えていただきたいのですけれども、がんの専門の方と循環器、脳卒中専門の方がお互い知恵を出し合って、がんの方が脳卒中や循環器疾患で命を落とすことがないようにする。そのような計画をしていただきたいと考えています。この点について、厚労省の方の御意見を伺えればと思います。
○永井会長 事務局、いかがでしょうか。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。
 がん対策推進基本計画との関係で、循環器病を発症してくる合併症の一つとして捉えていくことについて、どう考えるかということで、重要な御指摘と認識してございます。他方で、循環器の計画に位置づけるのがよいか、それともがん対策のほうに位置づけるのがよいのかといった論点はあろうかと思いますので、少し交通整理を事務局のほうでも考えさせていただきたいと思ってございます。
 事務局からは一旦以上でございますが、すみません、回答の補足等があれば御指摘いただければと思います。
○小室委員 ありがとうございます。
 おっしゃるとおりかと思いますけれども、がんのほうでやるのか、循環器のほうでやるのかといって、そのはざまに落ち込まないようにしていただければと思います。がんの患者さん自身が、まさか自分が循環器疾患や脳卒中になるとは思っていないのですね。また、がんの専門医の方も余り御存じないということで、教育・啓発・広報ですね。さらには、抗がん薬によって心不全や脳卒中にならないようにするための研究、また実態調査。それらが非常に重要かと思いますので、よろしくお願いいたします。
○永井会長 はい。
○中谷がん・疾病対策課長 がん・疾病対策課長の中谷です。御意見ありがとうございます。
 がん対策の基本計画も今、見直しの議論をしているところで、先生の御指摘にあったような、がん患者さんが循環器系の合併症が出るという話がちょうど議論されておりまして、これから医療体制のことも関係してきますので、ぜひそういった御意見がこちらの協議会からもあったということも共有しながら、どういった対策・施策につなげられるか検討してまいりたいと思います。
 御意見ありがとうございました。
○小室委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○永井会長 そういう意味で、合併症という言葉をぜひここにキーワードとして、両方に入れておけばいいのだろうと思います。今までは重症化とか再発で、合併症の視点が余りないような気がいたしますね。
 山本委員、どうぞ。
○山本委員 すみません、3度目になります。ありがとうございます。
 座長、おっしゃったように、再発予防に合併症予防を加えて、独立した枠として扱うことに賛成いたします。特に、例えば現在の指標のマークとしては慢性期の再発予防という形で読めてしまいますけれども、実際には急性期に一番再発が起こる割合が高くなるということも知られておりますので、再発予防、合併症予防というのは、急性期から回復期、慢性期、全てにかかってくることだと思いますので、そういう意味で独立させるべきかなと思いました。
 アメリカがたしか大分前から、イギリスもそうかもしれませんけれども、特に再発予防とか治療の標準化を目指して、ガイドラインに即した医療をしているかという指標をたしかやっていたと思うのです。Get With The Guidelinesかな。その指標を前からかなり出しておられたような気がしますので、再発予防のところはそういう標準化された治療にどのぐらい即してやっているかというデータを取るというのも、あり得るのかなとちょっと感じましたので、追加させていただきました。
 以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 安保委員、どうぞ。
○安保委員 ありがとうございます。
 全体的な流れですけれども、事務局さんの提案どおり、循環器病に関わるリハビリテーション提供体制を検討するためには、8次の医療計画と第9期の介護保険事業計画との連携は不可欠だと思うのです。リハビリテーション、医療の提供体制は、循環器病の対策を推進する上でも、先ほど皆さん言っているように、患者さんにとって併存患者が多いことがあります。また、提供する医療機関が同一であることも多いから、疾患別や事業別じゃなくて、包括的に提供体制に関わる計画を策定することがとても大事なのではないかと思います。
 それで、2024年からの各計画の策定に向けて、皆さん、やっておられて、特に都道府県に対して、医療計画とか介護保険計画における循環器病対策の連携と、各計画間の整合性ですね。連携をもっと図るべきだと思います。例えば、地域リハビリテーション支援体制の都道府県のリハビリテーション協議会というものがあると思うのです。なので、そういうところで、急性期から生活期にかけての医療保険、医療・介護を横断して、リハビリテーション医療の提供の体制を検討するということを、求めていくべきなのではないかなと思います。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 今の点、何かコメントありますか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 1点、すみません、先生の御指摘いただいた最後の、不勉強で恐縮なのですが、リハビリテーションの協議の場としてはどこを想定されているかについて、もう一度教えていただけますか。
○安保委員 地域が主体なので、地域リハビリテーション支援体制の都道府県のリハビリテーション協議会というものが多分あると思うのです。東京都は既に始まっていて、何回もそこで協議をすることになっているのですけれども、そこでどうしても医療と介護保険の連携というのがなかなかうまくいかないので、これを機に整合性を持って、リハビリもまとめていくととてもいいのかなと思うということです。
○原澤課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。御指摘の趣旨、よく分かりました。
 現状の施策の中でどのような位置づけになっているかですとか、御指摘いただいたように、医療計画や介護保険事業計画との関係性も少し確認した上で、余り重複したものを新たにつくっても仕方がないので、きちんと整理した上で適切なところに位置づけるなり、きちんと連携するということを整理してお示しすることが必要だと思いますので、今、いただいた御指摘を踏まえて、しっかり検討したいと思います。ありがとうございます。
○永井会長 磯部委員。
○磯部委員 磯部でございます。追加で発言させていただきます。
 先ほどボリュームの指標が今後重要であるということをお話ししました。一方、第7次の表等を見てみますと、医療の質に関する指標が少ないなという印象があります。例えば、7ページのアウトカム指標を見てみますと、急性期のところの退院患者平均在院日数があります。
 医療の質としては、在院日数は少ないほうがいいというのが、DPCでのねらいだと思いますけれども、合併症とか再入院ということを考えますと、必ずしもそうでないことを経験します。自分の病院の経験で恐縮ですけれども、心不全の入院は、数年前は平均在院日数は21日だったのですけれども、最近16日まで、5日も短くなっています。これが医療の質を表すかというと、必ずしもそうではなくて、再入院率の増加とか、合併症とか患者さんのQOLの低下にむしろ結びついているところがあります。
 ですから、在院日数を減らすことがアウトカム指標であるというのは、1つはいかがかと思いますので、病院によっての特殊性もあると思いますけれども、何らかの合併症、再入院といったことを加味した指標にしていただいたほうが、医療の質を担保する上では大事ではないかと思います。
 それから、質のことについて、先ほどJapan SCOREで補正すると合併症率、成功率、ある程度評価できるということを御提案申し上げましたけれども、もう一つ、経験上、手術の検討会を全体のカンファレンス、内科、外科、麻酔科等の合同カンファレンスを多職種で行っているかということは非常に重要な指標になると思います。その辺、手術の成績あるいは施設の医療への取組に対するような質の指標になると思いますので、御検討いただいて加えていただければなと思います。
 以上です。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。
 今の医療の質、確かに客観的な質の評価もそうなのですけれども、先ほどから川勝委員、野口委員おっしゃったような、当事者の見た質の指標というのは重要だと思うのですね。何に困っておられるかとか、あるいは、そもそもどこまで皆さん、こうした指標を理解しているのかとか、当事者の視点というのは、これから議論の中でぜひ強化していただければと思いますね。今、在宅でPHRという話にもなっていますし、在宅医療も発達しているわけですから、医療機関にいる医療者の目線だけでは、多分全部はカバーできないはずですので、いかがでしょうか。
 今村委員、どうぞ。
○今村委員 すみません、ちょっとコメント的な発言になるかなと思うのですけれども、まず、永井会長のほうからも、今回のコロナ禍では、回復期とか慢性期、さらに維持期の部分が大事になるという御指摘をいただいて、日本医師会としても意を強くしているところです。
 循環器病対策ということですので、恐らくここに御参加の皆さんの多くは、主に急性期、かつ高度急性期医療をされたベテランの先生方がたくさん参加されていらして、回復期や維持期、もしくはそこまではある程度想像できても、先ほども御発言ありましたけれども、介護保険の世界で実際にどのような形でリハビリが行われているのか。また、介護保険の世界では、今、在宅支援ということが現実、必要性の中から、そちらのほうに動いております。
 そうすると、まさに諸計画との連携というのは、そういうことを含めて、それはそれで、一方でどうやったら連携強化、先ほどの御発言でも連携がなかなかうまくいっていないという部分も、次の同時改定に向けてはいろいろな協議がされているということで、そういった連携に関する部分というのは、ぜひしっかり強化していただきたいということと。
 あと、今回の委員会の構成メンバーですと、恐らく介護保険の世界の方々の意見というのが少し乏しくなるのかな。もしくは、慢性期や維持期を得意としている中小病院の先生方の御意見、これの中心は美原委員のほうから御発言をいただくことになるかもしれませんけれども、そこでの実情というのは、若干この委員会では理解しにくいのかなと。
 その一例が、先ほどICFのお話がありました。これも、実際に急性期のほうとかリハビリでは、Barthel IndexやFIMが使われていて、もうこれがスタンダードになっている。ただ、介護の世界では、実はICFがスタンダード、かつ生活支援というか、生活を考えると、確かにICFのほうが便利なものですから、そちらが標準になってしまっている。今、医療と介護、両方連携するために、指標づくりという先ほど御指摘があったようなことも既に始まっておりますので、次の同時改定及び第8次医療計画と次の介護保険計画というのが、そういう中で1つの結びつきができるといいのかなと。
 そういう中で、この委員会においてもう一つお願いしたいのが、特に循環器の専門の先生方のほうから、介護保険の施設での心不全や脳卒中のリハビリで、どの程度のところまでを期待するのだとか、先ほどの地域リハビリテーション協議会も始まっているでしょうと。そこもうまくいっているところというのは、必ずしも多くないのが現状です。そういう中で、この循環器に関しては、こういうことをやってもらいたいという部分も、ぜひ今回の協議の中で出していただければ、皆さんが非常に助かるのではないかなと感じたところです。
 ちょっとコメント的ですけれども、よろしくお願いします。
○永井会長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
 今まで3つの観点中心でしたけれども、話もだんだん広がっていますので、どの点でも結構です。その他の観点でも結構ですので、御発言をお願いします。
 小室委員、どうぞ。
○小室委員 すみません、私のほうから、この中で関係する諸計画との連携に関することに関してお話ししたいと思います。
 関係するものは、成育基本法です。これは、脳卒中、循環器対策基本法と同時に成立したものですけれども、以前から本協議会でも子供の教育が大変重要だという話があったかと思います。子供の頃から良い生活習慣を身につけるということが、大人になってから脳卒中や心血管疾患にならないために大変重要であるということかと思います。したがいまして、子供の教育・啓発、さらには診断ですね。
 最近、香川県のほうでは、子供の血液を調べて、家族性の高コレステロール血症を見つけるという活動をしています。多くの家族性高コレステロール血症の子供が見つかり、子供が見つかりますと、逆に親が実は家族性高コレステロール血症だったことが見つかって治療につながるということも聞いています。したがいまして、子供の循環器疾患にならないための検査・診断も大変重要だと思いますので、成育のほうでどのような計画が進んでいるか、私はちょっと存じ上げないのですけれども、恐らく基本的な方針は出ていたかと思いますので、その辺りも連携して進めることができたらなと思います。よろしくお願いします。
○永井会長 ありがとうございます。
 今の点、何か情報ありますか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 小室委員からの御発言について、現時点でどのような形での検討が進んでいるかということは、しっかりキャッチアップできていないので、御指摘を踏まえて少し状況を確認した上で、今いただいた御意見も踏まえて、どのような形でこちらの計画にも反映していくのかということは、少し精査したいと思います。ありがとうございます。
○小室委員 よろしくお願いします。
○永井会長 峰松委員、どうぞ。
○峰松委員 今日の資料の参考資料の30ページ以降はまだ説明されていなかったですね。私、ちょっと見たのですけれども、現行の医療計画での指標の活用状況を示して、まとめてあるのですが、これを見ると本当に愕然とします。全都道府県で使用率が最も高かったのは、脳血管疾患患者の年齢調整死亡率であったとか。これは虚血性心疾患でも同じ結論になっているので、はっきり言って指標のていをなしていない。医療計画、行政としてこういうものが必要なのでしょうけれども、これに頼っていては、我々の本来の目標は多分達成できない。きっちりとしたデータベースを構築して、我々自身がアウトカムをきちんと評価し、それを国民に示さないと駄目だと思います。
 よければ、参考資料のところを説明していただければ、皆さん、ちょっと納得していただけるかなと思いました。よろしくお願いします。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 今、峰松委員から御指摘いただいたところで、参考資料を簡単に触れさせていただこうと思います。元の資料1の31ページ目からでございます。こちら、本年5月に開催された医療計画に関する検討会のほうで示されている資料になります。脳卒中だけでなく、5疾病5事業プラス在宅に関して、現在使われている指標例の活用状況について整理してお示しした一連のスライドの中から、脳卒中と心筋梗塞に関する指標例の活用状況について抜粋させていただいたものでございます。
 こちらを御覧いただきますと、アウトカム指標の脳血管疾患患者の年齢調整死亡率というのが、予防、救護、急性期、回復期、維持期、それぞれのアウトカムで横串が刺さるような形で全体にかかっているので、全部のところに登場するのですが、現状把握に用いたという割合が96%で、目標設定に用いたというところが74%となっております。
 32ページ目を御覧いただきますと、同じような話で、心筋梗塞等の心血管疾患に関する指標例の活用状況がありまして、同様に虚血性心疾患患者の年齢調整死亡率というものが、現状把握に用いたが89%、目標設定に用いたが57%という形になっていて、こちらが都道府県全体を見てみると、使われている一番の指標になっているというのが現状であるところでございます。
 峰松委員の今、いただいた御指摘は、先ほど私からコメントさせていただいたものと内容が重複しますが、現状の取れるデータとして何が使えるかという点と、今後、データベースの整理を含めて、どのようなことが取れるのが理想的で、そのために何ができるのか、何が必要なのかといったことの整理というのは、別軸で並行してやっていくということだと思いますので、今いただいた御指摘も踏まえて検討するということだと思っています。
 せっかくなので参考資料をざっと御紹介だけすると、33ページ目から37ページ目までが、医療計画での指標作成の留意点ということになっています。一度戻っていただいて、33ページ目です。こちらは、論点の整理とか指標関係の小括でも御説明していますが、全国で比較可能な数字であることが重要ですということですとか、次の34ページ目でございます。情報源が明確になっていて、それでデータの取れる頻度も含めて、データをきっちり取れるかどうかという点が重要であるということ。
 続いて、35ページ目について、分母と分子というのは、要するに、どうやって算出しているものなのかということの定義をしっかりするべきだということ。
 続いて、36ページ目が、ストラクチャー、プロセス、アウトカムのどれに分類できるのかというところをきっちり整理すること。本日もアウトカムとして不適切ではないかといった御提案もいろいろあったと思いますので、こういった観点での整理も必要であること。
 37ページ目で、クオリティーに関する指標という御指摘、磯部委員からも頂戴しておりましたが、クオリティーやアクセシビリティなどの要素からも、どのような観点で見ているかという点も重要であることといった研究班による整理もなされておりますので、御紹介させていただきます。いずれも、ここまでは医療計画等に関する検討会のほうで御議論いただいている内容でございます。
 38ページ目以降は、御参考として、コロナウイルス対策関係の話も含めて、感染症に対応する医療機関の抜本的拡充という形で、感染症部会において御議論いただいている内容について、お示ししています。38、39、40ページ目が、今、申し上げた感染症に対応する医療機関の拡充という観点での整理で、41ページ目は、広域での医療人材の派遣等の調整権限創設等で、こちらの本体資料のほうで、人材の活用といったところで触れさせていただいているものと一部関連するので、参考資料としてお示ししているものでございます。
 事務局からは以上でございます。
○永井会長 峰松委員、いかがでしょうか。
○峰松委員 ありがとうございます。
 いろいろなところで同時並行的にいろいろな検討がされているということで、大事なものは、この協議会にも情報を流していただいて、その上で建設的な議論を重ねていきたいなと思います。説明、どうもありがとうございました。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。
 川勝委員、どうぞ。
○川勝委員 川勝です。
 6ページに戻りまして、医療計画指標(脳卒中)。利用体制構築に関わる現状把握のための指標として書いてあるところなのですけれども、さっきからずっと眺めていて、基本政策の3つの取組の柱とありますね。1つは、脳卒中・循環器病に関して正しい知識の普及啓発。2つ目が医療体制の構築。3つ目が研究です。
 ただ、1つ目の啓発というのは、この表のどこかに入ってもいいのではないかと見ていたのです。なかなか見つからなくて、意識が違うのかどうか分からないのですけれども、それはどこかに入れておかないと、都道府県も着目しない。忘れてしまうおそれがあるのではないか。ですから、予防の隣の列との間に1列、啓発というのを追加していただくと、私としてはすごく納得感があるのですけれども、最悪、予防・啓発ということで、観点を分けないような表記にしてほしいなと感じています。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。どんな観点でも結構でございますので、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、また後でお気づきの点等ございましたら、メールなどでお寄せいただければと思います。
 それでは、取りあえず、活発な御議論ありがとうございました。何か全体を通じて御発言等ございませんでしょうか。
 よろしければ、事務局から連絡事項等をお願いいたします。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 委員の先生方、活発に御議論いただき、ありがとうございました。
 次回の協議会において、基本計画に関する改定の案について、お示しできればと考えておりますので、そちらで取りまとめに向けた御議論をいただければと考えてございます。
 次回の協議会の日程及び場所等につきましては、決定次第、御案内させていただきますので、改めて御連絡申し上げます。日程調整の御連絡について、恐縮ですが、今後、御対応を引き続きよろしくお願い申し上げます。
 事務局からは以上でございます。
○永井会長 ありがとうございました。
 峰松委員、どうぞ。
○峰松委員 日本脳卒中協会には、全国の都道府県・政令都市に支部があります。今度の協議会に合わせて、各支部で、脳卒中の患者・家族に第1期基本計画の実行状況に関するヒアリングを今やっています。全ての解析が終わるわけではないのですが、その中間報告の内容を次の協議会の少し前に厚生労働省に提出します。
 基本計画作りにどこまで反映できるかという問題はあるのですが、さらに都道府県単位で第2期計画を立てるときに、都道府県でうまくいっているところとそうでないところがかなり目立っているので、その辺をきちんとしたデータとして示そうと思っています。ぜひ参考にしていただければと思います。事務局に届けさせていただきますので、よろしくお願いします。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の協議会はこれで終了いたします。長時間、どうもありがとうございました。