高等植物:タマスダレ

タマスダレ

一般名

タマスダレ (別名 : レイン・リリー)

分類

ユリ目 Liliales、ヒガンバナ科 Amaryllidaceae、サフランモドキ属 Zephyranthes
(APG分類体系ではキジカクシ目、ヒガンバナ科、サフランモドキ属)

学名

Zephyranthes candida (Lindl.) Herb.

英名 Fairy lily、Rain lily
生育地

南米ペルー原産。
日本には明治時代に渡来し、現在では園芸品として広く植えられる。逸出したものが野化することがある。

形態 多年生の球根植物。春から秋にかけて鱗茎から出る葉は、肉厚で線状または扁平状。葉の長さは20~30cm、幅4~5mm。耐寒性で、温暖地では葉をつけた状態で越冬する。花期は7~9月。花茎は長さ20~30cmで、先端に径4~5cmの花が上向きに咲く。花被は6裂、雄蕊は長短3本ずつあり、柱頭は3裂する。花被裂片の内側は白色で外面基部は淡紅色を帯びる。
タマスダレの花の写真
 
(写真提供:富山県中央植物園)
鱗 茎の写真
鱗茎
 
(写真提供:藤野廣春)
毒性成分 アルカロイド、リコリン(lycorine)

化学式

中毒症状 吐き気、嘔吐、痙攣など
発生事例 (症例1)2006年6月29日、さいたま市の小学校で行われた総合学習授業の中で、ノビルと間違えて2日前に校庭で採取されたタマスダレを食べた児童18人の内、15人が吐き気を訴えた。全員、その日のうちに回復した。

患者数
(過去5年間)

2013年~2009年 発生なし
※2006年(症例1)以後、中毒は発生していない。
(2013年12月31日現在)

 
直近10年間の有毒植物による食中毒発生状況は、こちらのページ
中毒対策

全草が有毒だが、鱗茎に特に毒成分が多い。
花壇に植栽するなど園芸用に広く利用される身近な植物である。タマスダレを栽培するときは、外部形態が似ているニラやノビルの生育場所と離れた場所で栽培する。

間違えやすい
植物

葉がニラ、ノビルに似ている。

  作成:後藤勝実、月岡淳子(京都薬科大学附属薬用植物園)