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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

(第3版 平成25年8月29日作成)

 ダニ媒介性の新しい感染症「重症熱性血小板減少症候群」が、日本国内でも発生しています。このQ&Aでは、重症熱性血小板減少症候群について、海外の情報やこれまでの国内調査の結果を踏まえ、現在までに分かっていることについて解説します。



一般向け

問1 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome: SFTS)とはどのような病気ですか?

  • 答  2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状で、重症化し、死亡することもあります。

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問2 重症熱性血小板減少症候群は、世界のどこで発生していますか?

  • 答  中国では、2009年以降、少なくとも7つの省(遼寧省、山東省、江蘇省、安徽省、河南省、湖北省*、浙江省)で患者が報告されています。また、米国ミズーリ州においては、SFTSウイルスに似たウイルスによる2名の重症熱性血小板減少症候群様の患者が報告されています。また、2013年5月、韓国においても重症熱性血小板減少症候群の患者発生が初めて確認されました。
  • *第1版で誤って河北省と記載していたため、第2版で修正しました。

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問3 日本で重症熱性血小板減少症候群はどのくらい発生していますか?

  • 答  2013年1月、重症熱性血小板減少症候群の患者(2012年秋に死亡)が国内で初めて確認されました。その後、過去にさかのぼって調査した結果、2005年から2012年までの間にさらに10名の方が重症熱性血小板減少症候群にかかっていたことが確認されました。また、2013年の春以降も患者の発生が報告されており、2013年8月26日までに確認された患者の数は28名です。

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問4 どうして日本で感染したと分かったのですか?

  • 答  患者から分離されたウイルスの分析結果から、日本で見つかったSFTSウイルスは、中国の流行地域で見つかっているSFTSウイルスとは遺伝子レベルで少し異なっていることが分かりました。つまり、日本のSFTSウイルスは、最近中国から入ってきたものではなく、以前から日本国内に存在しており、患者は日本国内でSFTSウイルスに感染したと考えられます。

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問5 SFTSウイルスにはどのようにして感染するのですか?

  • 答 多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。このため、患者の多くはマダニの活動期である春から秋にかけて発生しています。

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問6 マダニは、屋内で普通に見られるダニとは違うのですか?

  • 答  マダニと、食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとでは全く種類が異なります。また、植物の害虫であるハダニ類とも異なります。
     マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3〜8mm、吸血後は10〜20mm程度)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。

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問7 どのような種類のマダニがSFTSウイルスを保有しているのですか?

  • 答  中国では、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からSFTSウイルスが見つかっており、これらのマダニが活動的になる春から秋に、患者の多くが発生しています。また、韓国でもフタトゲチマダニがSFTSウイルスを保有していたとの報告があります。日本には、命名されているものだけで47種のマダニが生息するとされていますが、これまでに実施された調査の結果、複数のマダニ種(フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)からSFTSウイルスの遺伝子が検出されています。ただし、これらのマダニ種全てが、実際にヒトへの感染に関与しているかについては、まだ分かっていません。

フタトゲチマダニ

タカサゴキララマダニ

(国立感染症研究所昆虫医科学部提供)

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問8 全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているのですか?

  • 答  いいえ、全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではありません。中国の調査では、患者が発生している地域で捕まえたフタトゲチマダニの数%からSFTSウイルスの遺伝子が見つかったとの報告があります。日本国内では、これまでに、複数のマダニ種(フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)からSFTSウイルスの遺伝子が検出されていますが、保有率など、より詳細な実態について、現在、調査を進めているところです。

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問9 マダニに咬まれたことにより感染する病気は国内に他にありますか?

  • 答  日本紅斑熱、ライム病など多くの感染症がマダニによって媒介されることが知られています。また、マダニではありませんが、ダニの一種であるツツガムシによって媒介される、つつが虫病もあります。上記疾患の日本国内での年間報告数はそれぞれ180件(日本紅斑熱)、10件(ライム病)、400件(つつが虫病)程度です。これらの病気は基本的には抗菌薬で治療可能ですが、重症化したり死亡したりすることもあります。

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問10 重症熱性血小板減少症候群にかからないためには、どのように予防すればよいですか?

  • 答  マダニに咬まれないようにすることが重要です。これは、重症熱性血小板減少症候群だけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。
     現在のところSFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません。

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問11 国内で患者が報告された地域以外でも注意が必要ですか?

  • 答 これまでのところ、重症熱性血小板減少症候群の患者は、西日本を中心に発生していますが、これまでに患者が報告された地域以外でもSFTSウイルスを保有したマダニが見つかっています。SFTS患者の発生が確認されていない地域でも注意が必要です。

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問12 マダニに咬まれたら、どうすればよいですか?

  • 答  マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。

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問13 ヒト以外の動物もマダニに咬まれて重症熱性血小板減少症候群にかかるのですか?

  • 答 一般に、マダニ類は野外でヒトを含む多くの種類の動物を吸血することが知られています。国内において、シカ、イノシシ等の野生動物や猟犬の血液を検査したところ、SFTSウイルスに対する抗体を持っている(=過去にSFTSウイルスを保有するマダニに吸血されて、SFTSウイルスに感染したことのある)動物がいることが分かっています。ただし、多くの動物はSFTSウイルスに感染しても発病しない(=症状が現れない)と考えられています。

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問14 SFTSウイルスに感染した動物を食べてもSFTSにかかったりしませんか?

  • 答 動物由来食品(肉や乳など)を食べたことによって、ヒトがSFTSに感染したという事例の報告はありません。また、ある動物がSFTSウイルスに対する抗体を持っているということは、その動物が、過去にSFTSウイルスに感染し、SFTSウイルスを体内から排除する免疫を獲得していることを意味します。抗体自体に病原性はないので、SFTSウイルスに対する抗体を持っている動物を食べても問題ありません。
     ただし、一般的な注意事項として、野生動物を食用にする場合(ジビエなど)は、動物由来感染症や食中毒を防ぐ観点から、捕獲・処理・加工する際の衛生的な処理や十分な加熱調理等、適切な取扱いを行うことが重要です。
    参考:食品安全委員会 「ジビエを介した人獣共通感染症

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問15 重症熱性血小板減少症候群にかかりやすい、または、重症化しやすい年齢はあるのですか?

  • 答 中国では、重症熱性血小板減少症候群の患者の年齢層は30〜80歳代で、全患者の75%が50歳以上との報告があります。ただし、患者の年齢構成については、生物学的・医学的要因だけではなく、社会的な要因(発生地域の人口構成、職業構成、医療体制など)の影響も受けると考えられます。日本でこれまでに確認されたSFTS患者の年齢層は、40〜90歳代で、全患者の約95%が50歳以上となっています。

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問16 重症熱性血小板減少症候群の致死率(致命率)はどのくらいですか?

  • 答 中国では、致命率が6−30%とされています。
    (参考:致命率(case fatality rate)とは、ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち、一定の期間内に死亡した患者の割合を示したものです。一般に、積極的調査が行われ、軽症者も含めた患者の報告数が多くなる(=分母が大きくなる)と致命率も低くなります。重症熱性血小板減少症候群についても、中国の報告では、当初、致命率は30%とされていましたが、その後調査が進んだ結果、直近の報告では致命率6%程度とされています。)

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問17 マダニ以外の他の吸血昆虫を介して重症熱性血小板減少症候群にかかることはないのですか?

  • 答 ありません。
    (参考:一般的に、蚊やマダニなどの節足動物が媒介する感染症は、その病原体ごとに媒介する節足動物がおおよそ決まっています(例えば、日本脳炎は蚊、日本紅斑熱はマダニ、発疹チフスはシラミが媒介します)。中国の重症熱性血小板減少症候群の流行地域では、マダニからはSFTSウイルスが見つかっていますが、蚊からは見つかっておらず、マダニが主要な媒介節足動物であると考えられています。)

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問18 ペットにマダニが付いていたのですが、そのマダニを介してヒトが重症熱性血小板減少症候群にかかることはありますか?

  • 答 ペットに付いているマダニに触れたからといって感染することはありません。ただし、マダニに咬まれれば、その危険性はあります。マダニ類は犬や猫等、動物に対する感染症の病原体を持っている場合もありますので、ペットの健康を守るという観点からも、マダニの駆除を適切に行いましょう。ペット用のダニ駆除剤がありますので、かかりつけの獣医師に相談してください。散歩後にはペットの体表のチェックを行い(目の細かい櫛をかけることも効果的です)、マダニが咬着している(しっかり食い込んでいる)場合は、無理に取らず、獣医師に除去してもらってください。

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問19 今後どのような調査研究が行われるのですか?

  • 答 平成25年度から、厚生労働科学研究費補助金において、重症熱性血小板減少症候群の対策に関する総合的な研究が3年計画で行われています。この研究班では、マダニ類や動物のSFTSウイルス保有状況調査、迅速診断法の開発、抗ウイルス薬やワクチン等に関する基礎研究等、多方面にわたる研究調査が実施される予定です。厚生労働省では、それら研究成果を踏まえて、適切な対策を取っていくこととしています。

参考:ダニが媒介するその他の感染症

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医療従事者等の専門家向け

問1 SFTSウイルスはどのようなウイルスですか?

  • 答  SFTSウイルスは、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に属する、三分節1本鎖RNAを有するウイルスです。ブニヤウイルス科のウイルスは酸や熱に弱く、一般的な消毒剤(消毒用アルコールなど)や台所用洗剤、紫外線照射等で急速に失活します。

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問2 日本で見つかったSFTSウイルスは、中国で見つかっているものと同一のウイルスですか?

  • 答  日本で見つかったSFTSウイルスは、中国のSFTSウイルスとは、遺伝子レベルでわずかに異なりますが、同一種とみなされます。韓国でもSFTSの患者が発生しているとの報告がありますが、韓国のSFTSウイルスに関する詳細な情報は現時点ではありません。

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問3 潜伏期間はどのくらいですか?

  • 答 (マダニに咬まれてから)6日〜2週間程度です。

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問4 SFTSにかかると、どのような症状が出ますか?

  • 答 原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心です。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が出現します。

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問5 検査所見の特徴はどのようなものですか?

  • 答 血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少、血清電解質異常(低Na血症、低Ca血症)、血清酵素異常(AST、ALT、LDH、CKの上昇)、尿検査異常(タンパク尿、血尿)などが見られます。

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問6 どのようにして診断すればよいですか?

  • 答  マダニによる咬傷後の原因不明の発熱、消化器症状、血小板減少、白血球減少、AST・ALT・LDHの上昇を認めた場合、本疾患を疑います。ただし、全ての症状や検査所見が認められる訳ではありません。そのため確定診断には、ウイルス学的検査が必要となります。なお、患者がマダニに咬まれたことに気がついていなかったり、刺し口が見つからなかったりする場合も多くあります。

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問7 鑑別を要する疾患は何ですか?

  • 答  SFTSと同様の症状を呈し得る疾患は様々なものが考えられます。
    • 具体的には、
    • 感染症として、ダニ媒介疾患であるつつが虫病、日本紅斑熱、ライム病、エーリキア症、アナプラズマ症に加え、ウイルス性胃腸炎、トキシックショック症候群、デング出血熱、SFTSウイルス以外のウイルスによる血球貪食症候群や敗血症
    • 膠原病・血管炎として、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒素症候群(HUS)、全身性エリテマトーデス
    • 悪性疾患として血液腫瘍疾患(白血病や悪性リンパ腫)
    などが挙げられます。

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問8 SFTSが疑われる患者を診た場合、どう対応したらよいですか?

  • 答 現在、多くの地方衛生研究所で確定診断のための検査を実施することが可能となっていますので、まずは最寄りの保健所にご相談ください。

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問9 治療方法はありますか?

  • 答  有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法が主体になります。中国では、リバビリンが使用されていますが、効果は確認されていません。

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問10 患者を取り扱う上での注意点は何ですか?

  • 答  中国では、患者血液との直接接触が原因と考えられるヒト−ヒト感染の事例も報告されていますので、標準予防策に加え接触予防策の遵守が重要です。なお、飛沫感染や空気感染の報告はありません。

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問11 患者検体(サンプル)を取り扱う場合の注意点は何ですか?

  • 答  患者の血液や体液にはウイルスが存在するので、標準予防策を遵守することが重要です。

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問12 検査方法等、技術的な内容の相談窓口を教えてください。

  • 答  国立感染症研究所info@niid.go.jpにお問い合わせください。

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問13 検査でSFTSであることが確定した場合、どう対応したらよいですか?

  • 答 SFTSは感染症法上の四類感染症に位置付けられていますので、患者をSFTSと診断した場合には、最寄りの保健所長を通じて都道府県知事に届け出て下さい。

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