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自然毒のリスクプロファイル:二枚貝:麻痺性貝毒

概要版

二枚貝:麻痺性貝毒

写真
ホタテガイ
有毒種および有毒部位 麻痺性貝毒では二枚貝類の毒化が問題になるが、麻痺性貝毒は渦鞭毛藻のアレキサンドリウム属、ギムノディニウム属、ピロディニウム属や淡水産藍藻のアナベナ属、アファニゾメノン属、シリンドロスペルモプシス属、リングビア属によって産生される。麻痺性貝毒もつ藻類が発生する水域で、これらを餌にする動物はすべて毒化する危険性をはらんでいる。わが国ではアサリ、アカザラガイ、カキ、ホタテガイ、ムラサキイガイなど二枚貝類の他、マボヤとウモレオウギガニでも食中毒が発生した。貝類では、毒素は主に中腸腺に濃縮される。中毒は起こしていないが、甲殻類クリガニ科のトゲクリガニやオウギガニ科のスベスベマンジュウガニ、ツブヒラアシオウギガニからも麻痺性貝毒が検出された。
中毒発生状況 わが国では、北海道から沖縄までの各地で中毒が発生した。麻痺性貝毒は熱帯海域から温帯海域まで広く分布するため、麻痺性貝毒による食中毒はアジア、ヨーロッパ、北中南アメリカ、アフリカ、オセアニアの世界中で発生している。
中毒症状 中毒症状はフグ毒中毒によく似る。食後30分程度で軽度の麻痺がはじまり、麻痺は次第に全身に広がり、重症の場合には呼吸麻痺により死亡することがある。
毒成分 麻痺性貝毒にはサキシトキシン、ネオサキシトキシンおよびゴニオトキシン群など多数の同族体が存在する。毒成分によって毒性が著しく異なる。
備考
  • わが国では麻痺性貝毒による食中毒防止のため、定期的に有毒プランクトンの出現を監視し重要貝類の毒性値を測定し、規制値(可食部1g当たり4マウスユニット)を超えたものは出荷規制されている。甲殻類や巻貝など二枚貝類を捕食する生物も可食部1g当たり4マウスユニットを超えたものは出荷規制される。
  • 麻痺性貝中毒に対する有効な治療法や解毒剤は今のところないが、人工呼吸により呼吸を確保し適切な処置が施されれば確実に延命できる。

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