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ノロウイルスに関するQ&A

(作成:平成16年2月4日 最終改定:平成26年3月28日)

 ノロウイルスによる食中毒及び感染症の発生を防止するため、ノロウイルスに関する正しい知識と予防対策等について理解を深めていただきたく、厚生労働省において、次のとおりノロウイルスに関するQ&Aを作成しました。今後、ノロウイルスに関する知見の進展等に対応して、逐次、本Q&Aを更新していくこととしています。

Q&A本文

Q1 ノロウイルスによる胃腸炎はどのようなものですか?
A1

 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。
 ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
 ノロウイルスについてはワクチンがなく、また、治療は輸液などの対症療法に限られます。
 従って、皆様の周りの方々と一緒に、次の予防対策を徹底しましょう。

  • 患者のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが排出されるので、
    1. (1)食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗いましょう。
      (詳しくはQ15をご覧下さい)
    2. (2)下痢やおう吐等の症状がある方は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
      (詳しくはQ17をご覧下さい)
    3. (3)胃腸炎患者に接する方は、患者のふん便や吐ぶつを適切に処理し、感染を広げないようにしましょう。
      (詳しくはQ19をご覧下さい)
  • 特に、子どもやお年寄りなど抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べましょう。また、調理器具等は使用後に洗浄、殺菌しましょう。(詳しくはQ1416をご覧下さい)

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Q2 「ノロウイルス」ってどんなウイルスですか?
A2

 昭和43年(1968年)に米国のオハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者のふん便からウイルスが検出され、発見された土地の名前を冠してノーウォークウイルスと呼ばれました。
 昭和47年(1972年)に電子顕微鏡下でその形態が明らかにされ、このウイルスがウイルスの中でも小さく、球形をしていたことから「小型球形ウイルス」の一種と考えられました。その後、非細菌性急性胃腸炎の患者からノーウォークウイルスに似た小型球形ウイルスが次々と発見されたため、一時的にノーウォークウイルスあるいはノーウォーク様ウイルス、あるいはこれらを総称して「小型球形ウイルス」と呼称していました。
 ウイルスの遺伝子が詳しく調べられると、非細菌性急性胃腸炎をおこす「小型球形ウイルス」には2種類あり、そのほとんどは、いままでノーウォーク様ウイルスと呼ばれていたウイルスであることが判明し、平成14年(2002年)8月、国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名されました。もうひとつは「サポウイルス」と呼ぶことになりました。
 ノロウイルスは、表面をカップ状の窪みをもつ構造蛋白で覆われ、内部にプラス1本鎖RNAを遺伝子として持っています。ノロウイルスには多くの遺伝子の型があること、また、培養した細胞及び実験動物でウイルスを増やすことができないことから、ウイルスを分離して特定する事が困難です。特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものとしています。

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Q3 ノロウイルスはどうやって感染するのですか?
A3

 このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。

  1. (1)患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合
  2. (2)家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合
  3. (3)食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
  4. (4)汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
  5. (5)ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合

 などがあります。
 特に、食中毒では(3)のように食品取扱者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が、近年増加傾向にあります。
 また、ノロウイルスは(3)、(4)、(5)のように食品や水を介したウイルス性食中毒の原因になるばかりでなく、(1)、(2)のようにウイルス性急性胃腸炎(感染症)の原因にもなります。この多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。

(参考)
感染経路別ノロウイルス感染集団発生の推移(病原微生物検出情報(IASR))

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Q4 ノロウイルスによる食中毒は、日本でどのくらい発生していますか?
A4

 厚生労働省では平成9年からノロウイルスによる食中毒については、小型球形ウイルス食中毒として集計してきましたが、最近の学会等の動向を踏まえ、平成15年8月29日に食品衛生法施行規則を改正し、現在はノロウイルス食中毒として統一し、集計しています。
 平成25年の食中毒発生状況によると、ノロウイルスによる食中毒は、事件数では、総事件数931件のうち328件(35.2%)、患者数では総患者数20,802名のうち12,672名(60.9%)となっています。病因物質別にみると、事件数、患者数ともに第1位となっています。

  平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
事件数(件) 277 274 499 344 303 288 399 296 416 328
患者数(人) 12,537 8,727 27,616 18,520 11,618 10,874 13,904 8,619 17,632 12,672
死者数(人) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

 なお、ノロウイルスによる食中毒の報告数は増加傾向にありますが、この理由としては、ノロウイルス食中毒自体の増加のほか、検査法の改善やノロウイルスに対する知識の浸透による報告割合の向上が考えられます。

(参考) ノロウイルスによる食中毒発生状況

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Q5 ノロウイルスによる感染症は、日本でどのくらい発生していますか?
A5

 ノロウイルスによる感染症は、「感染性胃腸炎」の一つで、多くは軽症に経過する疾患(注参照)です。
 感染症法では、疾患の感染力や重症度に基づき感染症を5段階に分類し、対応することとしています。このノロウイルス感染症は、5類感染症に位置づけられた「感染性胃腸炎」の一部として、全国の定点(約3,000カ所の小児科の病院または診療所)から報告が求められており、その発生の状況について情報提供がされています。
 ここでは、感染症発生動向調査に基づき調査が実施されている『ノロウイルスが原因の一つである「感染性胃腸炎」』の過去の定点からの報告数等についてご説明します。

注:「ノロウイルスと感染性胃腸炎」について
 ノロウイルスは、冬季の「感染性胃腸炎」の原因となるウイルスですが、感染性胃腸炎は、多種多様の原因によるものを含む症候群であり、主な病原体は、細菌、ウイルス、寄生虫が原因の病原体となりえます。原因となる病原体のうち、ウイルスは、ロタウイルス、腸管アデノウイルス、そしてノロウイルスがあるため、ノロウイルスの感染者は、「感染性胃腸炎」の一部として報告されています。

○ 感染性胃腸炎の過去の定点からの報告数等

  平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年
定点報告数 952,681 941,922 1,148,962 989,647 1,056,747 814,793 1,238,681 983,634 1,231,061
定点当たり報告数
(感染症発生動向調査事業)
315.56 307.32 381.21 328.57 350.26 269.62 409.08 313.96 391.68
死亡数(人口動態統計) 1,432 1,732 2,164 2,208 2,163 2,088 2,293 2,295 2,698

資料: 報告数は「感染症発生動向調査事業」に基づく全国約3,000の小児科医療機関からの報告によるもので、すべての患者数を把握するものではない。
 一方、死亡数は厚生労働省統計情報部「人口動態統計」によるもので、死亡数は定点報告数の内数でないことに留意が必要。(例えば、平成20年で、死亡数2,163人÷定点報告数1,056,747のような死亡率の計算はできないことに注意)

参考: 人口動態統計とは出生、死亡、婚姻等に関する統計であり、死亡については、死亡診断書に基づく死因の分類がなされている。

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Q6 ヒトへのノロウイルスの感染は、海外でも発生していますか?
A6

 ノロウイルスは世界中に広く分布しているとされ、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、フランス、スペイン、オランダ、アイルランド、スイスなどでヒトへのノロウイルスの感染が報告されています。

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Q7 どんな時期にノロウイルス食中毒は発生しやすいのですか?
A7

 我が国における月別の発生状況をみると、一年を通して発生はみられますが11月くらいから発生件数は増加しはじめ、12〜翌年1月が発生のピークになる傾向があります。

○月別事件数、患者数の年次推移 (上段:事件数(件)、下段:患者数(人))

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平成16年 40 32 48 23 17 14 4 1 2 4 9 83
1,656 1,305 2,001 1,007 613 516 483 27 41 48 373 4,467
平成17年 91 34 25 19 8 7 2 1 4 6 18 59
3,030 560 786 827 253 355 17 9 51 378 577 1,884
平成18年 58 43 44 20 7 7 8 3 8 27 124 150
1,914 1,307 1,960 1,403 215 922 256 162 235 1,475 6,220 11,547
平成19年 70 42 44 26 11 5 3 3 2 9 30 99
4,914 2,004 2,591 914 483 255 186 28 47 212 2,199 4,687
平成20年 80 60 47 18 12 6 1 1 1 2 19 56
3,532 2,123 1,458 866 367 189 21 134 30 30 948 1,920
平成21年 82 38 36 17 12 3 4 4 1 2 7 82
2,732 2,583 1,386 427 442 154 124 109 3 24 181 2,709
平成22年 119 90 54 22 10 8 3 1 4 9 29 50
4,501 2,666 1,703 1122 213 231 57 26 138 291 1373 1,583
平成23年 57 41 33 16 16 27 8 3 3 10 14 68
1,436 1,009 938 389 288 391 195 55 233 379 508 2,798
平成24年 66 49 63 26 3 6 7 2 5 13 57 119
2,594 987 2168 666 49 261 307 19 92 384 2447 7,658
平成25年 79 53 57 27 14 6 5 2 2 9 14 60
1,933 2,218 1,985 1,875 756 237 60 64 14 591 540 2,399

○月別事件数の年次推移

図 グラフ

(参考) ノロウイルスによる食中毒発生状況

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Q8  ノロウイルスに感染するとどんな症状になるのですか?
A8

 潜伏期間(感染から発症までの時間)は24〜48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これら症状が1〜2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。

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Q9 国内でノロウイルスの感染による死者はいますか?
A9

 病院や社会福祉施設でノロウイルスの集団感染が発生している時期に、当該施設で死者が出たことがあります。
 しかし、もともとの疾患や体力の低下などにより介護を必要としていた方などが亡くなった場合、ノロウイルスの感染がどの程度影響したのか見極めることは困難です。
 なお、吐いた物を誤嚥することによる誤嚥性肺炎や吐いた物を喉に詰まらせて窒息する場合など、ノロウイルスが関係したと思われる場合であっても直接の原因とはならない場合もあります。

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Q10 発症した場合の治療法はありますか?
A10

 現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。このため、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。
 止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。

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Q11 診断のためにどんな検査をするのですか?
A11

 通常の場合、臨床症状や周囲の感染状況等から、総合的にノロウイルスを原因と推定して診療がなされていることが多いと考えられますが、このウイルスによる病気かどうかは、臨床症状からだけでは特定できません。
 「ノロウイルス抗原検査」は、ふん便中のノロウイルスを検査キットで検出するもので、3歳未満、65歳以上の方等を対象に健康保険が適用されています。医療機関で、医師が医学的に必要と認めた場合に行われ、診断の補助に用いられます。なお、この検査は、結果が早く出るメリットがありますが、ノロウイルスに感染していても陽性とならない場合もあり、ノロウイルスに感染していないことを確かめることはできません。
 より確実な検査方法は、ウイルス学的な診断です。患者のふん便や吐ぶつを用いて、電子顕微鏡法、RT-PCR法、リアルタイムPCR法などの遺伝子を検出する方法でウイルスの検出を行い、診断します(リアルタイムPCR法ではウイルスの定量も行うことができます)。ふん便には通常大量のウイルスが排泄されるので、比較的容易にウイルスを検出することができます。こうした方法による検査は、通常、医療機関で行うことはできず、食中毒や集団感染の原因究明などの目的で、行政機関や研究機関等で行われています。

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Q12 どのような食品がノロウイルス食中毒の原因となっているのですか?
A12

 過去のノロウイルス食中毒の調査結果を見ると、食品から直接ウイルスを検出することは難しく、食中毒事例のうちでも約7割では原因食品が特定できていません。ウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染されたことが原因となっているケースが多いことが原因食品が特定できない要因となっています。
 そのほかの原因としては、ノロウイルスに汚染された二枚貝があります。二枚貝は大量の海水を取り込み、プランクトンなどのエサを体内に残し、出水管から排水していますが、海水中のウイルスも同様のメカニズムで取り込まれ体内で濃縮されるためと考えられています。なお、ノロウイルスに汚染された二枚貝による食中毒は生や加熱不足のもので発生しており、十分に加熱すれば、食べても問題ありません(加熱条件はQ14参照)。

○ ノロウイルス食中毒の原因食品別発生件数の年次推移(件)

  平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
総件数 277 274 499 344 303 288 399 296 416 328
魚介類 39 45 26 14 23 33 57 50 46 26
うち二枚貝 38 42 22 8 20 33 57 50 41 25
魚介類加工品 1 3 0 0 0 0 1 3 0 0
肉類及びその加工品 1 1 1 1 1 0 1 0 0 0
卵類及びその加工品 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0
乳類及びその加工品 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
穀類及びその加工品 2 3 3 3 1 2 5 1 6 4
野菜及びその加工品 1 1 2 2 1 2 1 4 3 4
菓子類 2 3 3 7 4 4 5 0 7 6
複合調理食品 21 19 77 46 37 17 32 27 40 23
その他 162 172 310 240 202 205 258 182 282 245
うち食品特定 4 5 11 7 4 6 7 7 7 1
うち食事特定 158 167 299 233 198 199 251 175 275 244
不明 48 27 77 31 33 25 38 29 32 20

(参考) 感染経路別ノロウイルス感染集団発生の推移(病原微生物検出情報(IASR))

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Q13 ノロウイルス食中毒の予防方法は?
A13

 ノロウイルス食中毒を防ぐためには、(1)食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止する (2)特に子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要です。特に、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが排出されるため、大量調理施設の食品取扱者がノロウイルスに感染していると、大規模な食中毒となる可能性があります。具体的な方法はQ14からQ17のとおりです。

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Q14 食品中のウイルスの活性を失わせるには、加熱処理が有効とききましたがどのようにすればよいですか?
A14

 一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる(失活化といいます。)有効な手段です。ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃〜90℃で90秒以上の加熱が望まれます。
ノロウイルスの失活化に必要な加熱条件については、現時点においてこのウイルスを培養細胞で増やす手法が確立していないため、正確な数値はありません。同じようなウイルス(A型肝炎ウイルス)では、85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性は失活するとされています。ただし、加熱によるウイルスの失活化には加熱温度と時間以外に、存在するウイルス粒子の数及びウイルスが存在する環境(乾燥状態か液体の中か、有機物が多いか少ないか、pHなど)によっても影響を受けます。食品中に存在するウイルスはタンパク質で保護されているため、失活化を確実なものとするには、より厳しい加熱条件が必要とされています。

(参考)二枚貝におけるノロウイルスの管理
 国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が設立した、食品の国際基準を作る国際機関であるコーデックス委員会が2012年に定めた「食品中のウイルスの制御のための食品衛生一般原則の適用に関するガイドライン CAC/GL 79-2012」において、二枚貝の加熱調理でウイルスを失活させるには中心部が85〜90℃で少なくとも90秒間の加熱が必要とされています。

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Q15 手洗いはどのようにすればいいのですか?
A15

 手洗いは、調理を行う前(特に飲食業を行っている場合は食事を提供する前も)、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後(手袋をして直接触れないようにしていても)には必ず行いましょう。常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

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Q16 調理台や調理器具はどのように殺菌したらいいのですか?
A16

 ノロウイルスの失活化には、エタノールや逆性石鹸はあまり効果がありません。ノロウイルスを完全に失活化する方法には、次亜塩素酸ナトリウム※、加熱があります。
 調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
 また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。
 なお、二枚貝などを取り扱うときは、専用の調理器具(まな板、包丁等)を使用するか、調理器具を使用の都度洗浄、熱湯消毒する等の対策により、他の食材への二次汚染を防止するよう、特に注意するよう気をつけましょう。

※塩素系の漂白剤(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)

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Q17 食品取扱者の衛生管理で注意すべき点はどこでしょうか?
A17

 ノロウイルスによる食中毒では、患者のふん便や吐ぶつがヒトを介して食品を汚染したために発生したという事例も多く発生しています。ノロウイルスは少ないウイルス量で感染するので、ごくわずかなふん便や吐ぶつが付着した食品でも多くのヒトを発症させるとされています。食品への二次汚染を防止するため、食品取扱者は日頃から自分自身の健康状態を把握し、下痢やおう吐、風邪のような症状がある場合には、調理施設等の責任者(営業者、食品衛生責任者等)にその旨をきちんと伝えましょう。
 そして調理施設等の責任者は、下痢やおう吐等の症状がある方を、食品を直接取り扱う作業に従事させないようにすべきです。
 また、このウイルスは下痢等の症状がなくなっても、通常では1週間程度長いときには1ヶ月程度ウイルスの排泄が続くことがあるので、症状が改善した後も、しばらくの間は直接食品を取り扱う作業をさせないようにすべきです。
 さらに、このウイルスは感染していても症状を示さない不顕性感染も認められていることから、食品取扱者は、その生活環境においてノロウイルスに感染しないような自覚を持つことが重要です。たとえば、家庭の中に小児や介護を要する高齢者がおり、下痢・嘔吐等の症状を呈している場合は、その汚物処理を含め、トイレ・風呂等を衛生的に保つ工夫が求められます。また、常日頃から手洗いを徹底するとともに食品に直接触れる際には「使い捨ての手袋」を着用するなどの注意が必要です。
 調理施設等の責任者は、外部からの汚染を防ぐために客用とは別に従事者専用のトイレを設置したり、調理従事者間の相互汚染を防止するためにまかない食の衛生的な調理、ドアのノブ等の手指の触れる場所等の洗浄・消毒等の対策を取ることが大切です。

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Q18 ノロウイルスによる感染性胃腸炎のまん延を防止する方法は?
A18

 家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、そのまん延を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。
 毎年、11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しますが、この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。具体的な方法はQ19〜22の通りです。

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Q19 患者のふん便や吐ぶつを処理する際に注意することはありますか?
A19

 ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。
 12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。
 床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。
 おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。(この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。)
 また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。
 11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行します。この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。

※塩素系の漂白剤(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)

ノロウイルスの不活化条件に関する調査報告はこちら

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Q20 吐ぶつやふん便が布団などのリネン類に付着した場合はどのように処理をすればよいですか。
A20

 リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウム※の消毒が有効です。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。また、下洗い場所を次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をする必要があります。次亜塩素酸ナトリウム※には漂白作用があります。薬剤の「使用上の注意」を確認してください。

※塩素系の漂白剤(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)

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Q21 感染者が使用した食器類の消毒はどのようにしたらよいですか?
A21

 施設の厨房等多人数の食事の調理、配食等をする部署へ感染者の使用した食器類や吐ぶつが付着した食器類を下膳する場合、注意が必要です。可能であれば食器等は、厨房に戻す前、食後すぐに次亜塩素酸ナトリウム液に十分浸し、消毒します。
 また、食器等の下洗いや嘔吐後にうがいをした場所等も次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をするようにしてください。

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Q22 感染者が発生した場合、環境の消毒はどのようにしたらよいですか?
A22

 ノロウイルスは感染力が強く、環境(ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品など)からもウイルスが検出されます。感染者が発生した場合、消毒が必要な場合次亜塩素酸ナトリウム※などを使用してください。ただし、次亜塩素酸ナトリウム※は金属腐食性がありますので、消毒後の薬剤の拭き取りを十分にするよう注意してください。

※塩素系の漂白剤(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)

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Q23 感染が疑われた場合、どこに相談すればいいのですか?
A23

 最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談下さい。
 また、保育園、学校や高齢者の施設等で発生したときは早く診断を確定し、適切な対症療法を行うとともに、感染経路を調べ、感染の拡大を防ぐことが重要ですので、速やかに最寄りの保健所にご相談下さい。
 社会福祉施設等においては、「社会福祉施設等における感染症発生時に係る報告について」(平成17年2月22日付厚生労働省健康局長、医薬食品局長、雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老健局長連名通知)により、必要な場合は市町村及び保健所への報告等を行うようにして下さい。
 なお、介護保険施設等に関しては、厚生労働大臣が定める手順(平成18年厚労告268「厚生労働大臣が定める感染症又は食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順」)に沿って、必要な場合は市町村及び保健所への報告等を行うようにしてください。

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参考文献及びリンク

Q&Aを作成するにあたって御協力を頂いた専門家(50音順:肩書は作成当時のもの、*平成25年改定時追記)

大久保 憲 先生 (東京医療保健大学医療保健学部/大学院教授*)
品川 邦汎 先生 (岩手大学農学部教授)
武田 直和 先生 (国立感染症研究所ウイルス第二部第一室長)
西尾 治 先生 (前国立感染症研究所感染症情報センター第六室長)
宮村 達男 先生 (国立感染症研究所長)
山本 茂貴 先生 (国立医薬品食品衛生研究所食品管理部長)

(作成協力)
 厚生労働省 健康局
 老健局
 雇用均等・児童家庭局
 社会・援護局
 障害保健福祉部
 医政局


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