第102回社会保障審議会医療部会 議事録

日時

 令和5年9月29日(金)13:00~15:00

場所

AP新橋 4階D+Eルーム

議題

1. かかりつけ医機能が発揮される制度整備の施行に向けた検討について
2. 令和6年度診療報酬改定の基本方針について

議事

議事内容
○医療政策企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第102回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日も、委員の先生方におかれましては、あらかじめオンラインまたはこの会場での参加を選択の上で御出席をいただいております。
 まず、委員の異動がありましたので御紹介させていただきます。
 釜萢委員の御後任として、新たに日本医師会常任理事、城守国斗委員が就任されておりますので、一言、御挨拶を頂戴できればと思います。
○城守委員 ありがとうございます。
 ただいま御紹介いただきました日本医師会常任理事の城守と申します。今後ともよろしくお願い申し上げます。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、楠岡会員、松田委員より御欠席との連絡をいただいております。
 医療部会の総委員数が24名で、定足数3分の1の8名となっておりまして、本日は22名の皆様が御出席となっております。定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、内堀委員、木戸委員より遅れての御参加、河本委員、神野委員より途中退席されるとの御連絡をいただいております。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 事前に議事次第、委員名簿、厚生労働省出席者名簿、座席表のほか、資料1、2及び参考資料を送付させていただいております。お手元に御準備いただければと思います。
 また、事務局におきまして人事異動がございましたので、配付の厚生労働省出席者名簿に代えて御報告とさせていただきます。
 では、以降の進行は遠藤部会長にお願いいたします。
○遠藤部会長 皆様、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 まず1番目の議題です。「かかりつけ医機能が発揮される制度整備の施行に向けた検討について」、事務局から関連した資料が出されておりますので説明をお願いいたします。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 医療提供体制改革担当の参事官でございます。資料の1を用いまして「かかりつけ医機能が発揮される制度整備の施行に向けた検討について」の説明をいたします。
 まず、ページをめくっていただいて4ページをお願いいたします。
 本年5月に成立をした全世代型社会保障構築法において、医療法が改正をされています。資料の下の赤い四角で囲んでいるところ、4.の①になります。「かかりつけ医機能について、国民への情報提供の強化や、かかりつけ医機能の報告に基づく地域での協議の仕組みを構築し、協議を踏まえて医療・介護の各種計画に反映する」ということとされています。
 5ページは、全世代型の社会保障構築法の改正法の附則において検討規定が置かれています。
 附則の2条の2項、施行後5年を目途とした見直しの検討規定が置かれています。施行後も状況を踏まえて手直し、改善していくということが想定をされています。
 それから、その下、参議院、国会の附帯決議です。3つ抜粋して書いていますが、2つ目、本法のかかりつけ医機能に関する制度の改正については、同機能が発揮される第一歩と位置づけ、国民・患者がそのニーズに応じて同機能を有する医療機関を選択して利用できるように検討し、制度整備を進めることとされています。
 また、同機能を有する医療機関に勤務しようとする者への教育及び研修の充実などが指摘をされています。
 その下の◆で、かかりつけ医機能報告の対象となる慢性の疾患を有する高齢者その他の継続的な医療を要する者については、障害児・者、医療的ケア児、難病患者を含めるなど適切に定める。将来は継続的な医療を要しない者も含めて、かかりつけ医機能報告の対象について検討することとされています。
 続いて6ページ、今回の制度整備で「地域完結型の医療・介護提供体制の構築」を進めていこうというイメージになります。
 上のほうの文字を書いているところになりますが、在宅を中心に入退院を繰り返し、最後はみとりを要する高齢者を支えるために、かかりつけ医機能を有する医療機関を中心とした患者に身近な地域における医療・介護の水平連携を進める「地域完結型」の医療・介護提供体制を構築するものとしています。
 7ページ、具体的に制度改正をした内容になります。
 「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」の趣旨が上の四角で書いてございます。
 2つ目の➢で、複数の慢性疾患や医療と介護の複合ニーズを有することが多い高齢者のさらなる増加、生産年齢人口の急減が見込まれる中、「治す医療」から「治し、支える医療」を実現していくために、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を進める必要がある。
 その際、国民・患者から見て、一人一人が受ける医療サービスの質の向上につながるものとする必要があることから、国民・患者がニーズに応じてかかりつけ医機能を有する医療機関を適切に選択できるための情報提供の強化。
 それから、各医療機関が機能、専門性に応じて連携しつつ、自らが担うかかりつけ医機能の内容を強化することで、地域で必要なかかりつけ医機能を確保するための制度整備を行うものとしています。
 具体的な制度改正は、その下に書いてある3つでございます。(1)が「医療機能情報提供制度の刷新」、(2)が「かかりつけ医機能報告の創設」、(3)が「患者に対する説明」、それぞれ概要の資料で説明をいたします。
 1つ目が9ページ、「医療機能情報提供制度の刷新」です。見直しのポイントを真ん中に書いています。
 ①が、かかりつけ医機能その他の医療提供施設の機能の理解に基づく国民・患者の医療機関の適切な選択に資するという制度趣旨を明確化する。
 <かかりつけ医機能>について、身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置、その他の医療の提供を行う機能として法律上、定義を設けています。
 ②で、全国の情報一元化・標準化した全国統一システムを構築。
 ③は、国民・患者への分かりやすい情報提供ができるよう、情報提供項目を見直す。
 この具体的な項目の内容については、今後、有識者等の参画を得て検討することとしています。
 次の10ページは、「かかりつけ医機能報告の創設」になります。
 下の四角の1つ目で、慢性疾患を有する高齢者等を地域で支えるために必要なかかりつけ医機能について医療機関から都道府県知事に報告を行う。こちらも、詳細は今後有識者等の参画を得て検討することとしています。
 【報告対象となる医療機関】ですが、病院または診療所として厚生労働省令で定めるものとされています。
 【報告事項】ですが、かかりつけ医機能のうち、以下の機能の有無、その内容とされて、○のうちの①が日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能、これも厚生労働省令で定めるものに限るとされています。
 ②は、①を有する場合には通常の診療時間外の診療、入退院時の支援、在宅医療の提供、介護サービス等と連携した医療提供その他、省令で定める機能とされています。これも省令で定めるものに限るということとされています。
 その下の➢で、都道府県知事は医療機関がその機能の確保に係る体制を有することを確認して、外来医療に関する地域の関係者との協議の場に報告をする。そして、公表するということとされています。
 一番下の➢で、地域の協議の場において、地域でかかりつけ医機能を確保するために必要な具体的な方策を検討して取りまとめて公表するということとなっています。
 最後の3つ目、12ページで患者に対する説明の努力義務です。
 下の絵で、左側にかかりつけ医機能を有する医療機関が右側の継続的な医療を要する患者から説明の求めがあった場合に、下のほうの提供する医療の内容の説明をする努力義務が規定をされています。
 一番下に※印で書いていますが、説明の具体的な内容などについては今後、有識者等の参加を得て検討することとしています。
 13ページ以降、検討体制と今後の進め方になります。
 14ページ、今回の検討は先ほど説明をした法律の改正によるかかりつけ医機能が発揮される制度整備の施行に向けた検討になります。その検討が必要となる主な事項を整理したものです。
 1つ目の「医療機能情報提供制度」については、情報提供項目の表現の見直しなど、かかりつけ医機能については、報告を求める機能の内容、報告対象となる医療機関の範囲、それから都道府県の確認・公表、あとは医療機関の患者等への説明の内容などを検討していく必要があります。
 3つ目の「地域における協議の場」については、協議の参加者、協議の進め方などについて検討をする必要がございます。
 そのほか、「医療計画に関する事項」、それから「その他、研修に関する事項、国の支援のあり方など」について検討する必要がございます。
 15ページ、検討の進め方です。
 1つ目の○で、今回の改正によるかかりつけ医機能が発揮される制度整備については、医療機能情報提供制度の刷新と、かかりつけ医機能報告の創設などによって、地域でかかりつけ医機能の確保を進め、国民・患者に情報提供することで国民・患者がニーズに応じて適切に医療機関を選択できるようになるものです。
 2つ目の〇で、医療機能情報提供制度とかかりつけ医機能報告の両者の整合性を確保しつつ、国民・患者にとって分かりやすい情報提供を進めることが重要であり、施行に向けて次のように検討を進める。
 ①が「国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会」を新設して、かかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等の在り方の検討を統括する場を設ける。
 ②は、①の分科会として「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会(仮称)」を新設し、かかりつけ医機能報告等の施行に向けた検討を行う。
 ③、既設の「医療情報の提供内容等の在り方に関する検討会」を①の分科会として位置づけて、医療機能情報提供制度の全国統一システム化、それからかかりつけ医機能の情報提供項目等について検討する。
 ④、検討会・分科会の検討状況について相互に共有するとともに、この医療部会に報告しながら検討を進めます。
 次の16ページ、検討スケジュールになります。
 10月から「国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会」を開催したいと考えています。その後、2つの分科会を開催して議論を進めていきたい。
 かかりつけ医機能の分科会、左側のほうは、かかりつけ医機能報告に位置づける機能の基本的な考え方、省令等の具体的な内容などを議論いただいて、令和6年の夏頃には一定の取りまとめを行い、省令告示の改正、それからシステムの構築などを行い、また自治体向けのガイドラインの検討なども行った上で、令和7年の4月からかかりつけ医機能の報告制度関係の施行を迎えるということを考えています。
 右側の医療機能情報提供制度・医療広告等の分科会については、医療機能情報提供制度について分かりやすく伝える方法などを検討して、令和6年の4月1日から全国システムの施行、それからかかりつけ医機能に関する情報提供項目については、左側のかかりつけ医機能の分科会の検討状況を踏まえて見直しを検討するということを考えています。
 17ページは、検討会、分科会の構成員となります。
 学識経験者、国民・患者・関係者、医療関係者、自治体関係者などに御参集いただくこととしています。
 関係する団体は数多くございますので、全ての団体から構成員として参加いただくのは難しいですけれども、この検討会、分科会の検討状況については適宜、医療部会にも報告をして御意見をお伺いしながら検討を進めていきたいと考えています。
 資料の説明は以上になります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 ただいま事務局から、かかりつけ医機能が発揮される制度整備についてのお考えと、それに伴って関連する新たな会議体について御説明がありました。これについて御意見、御質問等があれば、承りたいと思います。いかがでございましょうか。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。 このかかりつけ医機能について意見が1つと、確認が1つと、それから質問を1つさせていただきたいと思います。
 まず最初に意見ですけれども、資料の6ページ目に、これは以前からありましたが、「地域完結型の医療・介護提供体制の構築」という絵があって、そして左のほうに紹介受診重点医療機関とか、特定機能病院とか、地域医療支援病院があってかかりつけ医機能とある。
 それで、この青っぽい輪っかは、まさにかかりつけ医機能を有する医療機関がこの情報基盤を基にして地域包括ケア的なところでのつなぎ役というような意味合いなのかなと理解したわけであります。そこにかかりつけ医機能を有する医療機関として病院と診療所はございますよねということであります。
 そして、その次の次の8ページですけれども、今日詳しくは御説明いただきませんでしたが、左の下のほうにイメージ図というものがございます。その中で、医療機能情報提供制度として病床機能報告と外来機能報告の中にかかりつけ医機能がある。これもよく理解できるわけですけれども、ただ、先ほどの6ページの絵を見ると、入院を持っているような医療機関であったとしてもかかりつけ医機能を持っているところがあるはずである。
 また、このイメージ図の上のほうにありますように、退院時の受入れとかということも考えなければいけないわけでありますので、この緑のかかりつけ医機能報告というのはもしかしたらこのちょっと上のほうの入院を持っている医療機関にも関わっているのではないのかなというようなイメージを持ちました。そういった意味で、この緑と赤の関係はこれでいいんですかというところを意見として述べさせていただきます。
 それから、今度は確認ですが、このかかりつけ医機能を持っているところと紹介受診重点医療機関がきれいに分かれるわけではなくて、例えば地方、あるいは地域によってはほとんどの科は紹介受診重点なのですが、地域に診療科がないところ、あるいは透析とか、そういったところで慢性的、継続的な医療をやっているのだけれども、紹介受診重点医療機関がかかりつけ医機能になり得るわけであります。
 そういった意味で、これは確認ですけれども、かかりつけ医機能を持っているところと紹介受診重点が重なり合うというか、一部重なるということもあり得ますよねというのを今後のために確認したいと思います。
 最後に質問ですけれども、今後の方向性というお話もいただいたわけですが、一方で第8次医療計画はどんどん進んでいるわけであります。このかかりつけ医機能、外来機能報告制度と第8次医療計画は密接に関係してくると思うのですけれども、その辺の関係性と、それから両方の整合性というところが先ほどの予定表にはまだなかったので、今後どうなるんですかというのが質問でございます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、事務局からコメント、回答をお願いしたいと思います。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 御質問ありがとうございます。
 1つ目の確認のところになります。紹介受診重点医療機関は、診療科によってはかかりつけ医機能を有しているような病院、医療機関もあるのではないかという御確認でしたが、紹介受診重点医療機関は病院単位で手挙げをしていただくということになっていますので、診療科によっては外来でかかりつけ医機能を実際担っているというようなところはあり得るものだと思っています。
 他方で、今回のかかりつけ医機能報告制度の報告いただく医療機関の対象範囲については、省令で定めるものとなっています。それで、どのような範囲、医療機関に御報告いただくかについては検討会、分科会でまた議論いただこうと考えています。
 それから、医療計画との関係を質問いただきました。今年の5月の医療法の改正の中で、医療計画の定める事項を改正しています。その際、かかりつけ医機能の確保に関する事項についても、医療計画の確保に記載するんだというようになっています。
 他方で、今、医療計画は都道府県で第8次計画策定の議論を行っていただいているところですので、かかりつけ医機能の確保に関する事項については第8次医療計画の中間見直しの際に都道府県に盛り込んでいただくというようなスケジュールを今、考えています。
 以上になります。
○遠藤部会長 いかがでしょうか。よろしいですか。
○神野委員 ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、泉委員、その次に河本委員の順番でお願いしたいと思います。
○泉委員 日本病院会の泉でございます。
 確かに、かかりつけ医機能を持つ医療機関が非常に地域において重要だということはよく分かるんです。それで、5番のところに書いてある、今後信頼できるかかりつけ医を育成するということは非常に重要で、教育・研修の充実から処遇改善、キャリアパスの構築支援ということが書いてあるわけですので、ここは非常に重要かなと思うのですが、日本病院会では病院総合医を育成するプログラムがあるのですけれども、そこまでとはちょっと違うかなと思うのですが、やはり地域においてかかりつけ医になるような総合診療がきちんとできるような医師を育成していくことが必要だろうと思います。
 そこで介護などの知識もぜひ必要だということで、やはりきちんと地域において教育体制を整備するということが重要ですので、ぜひこの教育をするというところに支援をしていただきたいなということがお願いです。
 特に最近、救急入院をされる方が非常に多く、地域へお戻しするときに信頼できるかかりつけ医がいらっしゃることは極めて重要なので、教育・研修ということは非常に重要だということで、ここの御支援をぜひお願いしたいというのが1点目でございます。
 2点目は、今、神野委員からもお話があったのですが、地域においては非常に開業医の先生が少ない地域もあるし、医療資源が乏しい地域もあるということで、病院の医師がかかりつけ医機能も果していて、紹介先がない地域もあるということでございます。
 そこで、医療支援が非常に乏しい地域では、病院の医師がかかりつけ医機能を発揮することがやはり必要な場合もあるのではないかということで、ここもぜひ御協力いただければと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 御意見として承りました。
 それでは、お待たせしました。河本委員、お願いいたします。
○河本委員 ありがとうございます。
 本日は誠に申し訳ございませんけれども、中座させていただく関係で、2つの議題について合わせて発言をさせていただきたいと思っておりますが、部会長よろしいでしょうか。
○遠藤部会長 結構でございます。
○河本委員 ありがとうございます。
 そういたしましたら、まずはかかりつけ医機能に関する制度整備の関係でございますけれども、かかりつけ医機能に関する制度整備に向けた検討につきましては、資料の15ページ以降で検討の進め方の御提案をされておりますが、この内容に異論はございません。
 かかりつけ医機能の発揮は、今後の医療提供体制にとって不可欠なテーマだというふうに認識をしております。大きな改革の第一歩にふさわしい、しっかりとした検討の場を設置していただいて、私ども健保連も参加させていただけるということで感謝を申し上げたいと思います。
 個別の意見は検討会で申し上げますが、今回の制度設計においてかかりつけ医機能が十分に担保されて、なるべく多くの国民・患者にメリットのある仕組みにしていくことが大変重要だということだけ今日は指摘をさせていただきたいと思います。
 続いて、令和6年度改定の基本方針についてコメントさせていただきたいと思います。こちらの資料の2ページに、「基本認識」として物価高騰・賃金上昇等々、患者負担、保険料負担、これへの影響が合わせて例示をされております。私どもとしては、患者負担、保険料負担への影響を抑えるということが、令和6年度改定の前提だというふうに考えております。
 これまで物価賃金がそれほど伸びない中で、診療報酬本体はプラス改定が続いております。また、足元ではいよいよ大幅に増加をしております。令和7年度には団塊の世代が全て75歳以上になって、今後ますます医療費が増加する一方で、支え手の生産年齢人口が急速に減少していくということが確実でございます。
 こうした過去の経緯と今後の見通しを踏まえて、社会保障制度の安定性、持続可能性を確保するということが非常に重要だと考えているところでございます。
 先ほど申し上げた、かかりつけ医機能の強化ですとか、あるいは地域医療構想に基づく病床再編の加速、適切な薬剤選択を通じた医療の効率化・適正化、これを一体的に推進すべきだということを強く主張したいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、先ほど来お手を挙げておられます、まず野村委員お願いいたします。
○野村委員 野村と申します。よろしくお願いします。
 9ページにあります「医療情報提供制度の刷新」ということで、1点発言させてください。
 全国の統一システムを構築するということで、大きな病院から地域に戻るときにかかりつけ医を探すということは本当によくあることかと思います。こういった中で、公的なものが一覧表になっているのは検索しやすいということで、すごくいいものであるなと感じております。
 また、各医療機関で今ホームページもすごく充実していて、この全国統一システムに載る情報がかかりつけ医を決めるときに役立つものになるということも重要だと感じます。
 かかりつけ医を新たに決めるときは、やはり小児科でもすごく難しいと言われています。病院機能だけではないことも重要であり、この一覧表からそれぞれの医療機関の違いを受け取ることができるものなのかということも重要かと思っております。
 この掲載される項目についても、細かな点はここでの発言ではないかと思いますけれども、やはりホームページと連動しているかとか、私たち国民がこのシステムがあるということをどこで知るものなのかなど、これを活用できるような制度というか、体制にしていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、先ほど会場でお手を挙げておられました佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 かかりつけ医機能が発揮される制度整備は、地域医療構想、医師偏在対策、働き方改革などとも密接に関連し、国民や患者の医療アクセスの観点からも重要な取組です。施行に向け、新設される検討会などにおいて国民・患者の視点も踏まえつつ、検討いただくようお願いいたします。
 また、適宜、医療部会にも検討状況を報告いただくようお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインで都竹委員、よろしくお願いいたします。
○都竹委員 ありがとうございます。3点申し上げたいと思います。
 まず1点目ですが、9ページの国民・患者への分かりやすい情報提供に関連いたしまして、そもそも論のかかりつけ医とはというような普及啓発をお願いしたいということでございます。
 身近なかかりつけ医には一体何をしてもらえるのか、あるいは大きな病院との関係はどうなるのかというそもそも論でありますけれども、やはりそこの周知徹底というのは重要だと思います。これを分かりやすい形でやっていただきたいと思います。
 また、高齢者在宅療養患者、障害者の場合は、ケアマネとか相談支援が関与するということになりますので、支援者に分かりやすい内容の情報提供というものをお願いししたいというのが1点目です。
 2点目ですけれども、11ページに「地域でかかりつけ医機能を確保するために必要な具体的方策を検討」というものが出てまいります。この際に、一定の財源の議論を併せてしていただきたいということであります。
 地域の医療機関の連携とか、研修や支援、それから不足する機能の創出、これは一定の費用が発生するということが見込まれます。その際に、都道府県が例えば地域医師会とか、そういったところにしっかりと財政措置を行うというような配慮を併せて議論していただきたいと思います。
 3点目でありますけれども、15ページに少し言及があるのですが、障害者のかかりつけ医機能です。これについては幅広い現場の声を聞いて、具体的な方策の議論をしっかり行っていただきたいと思います。
 医療的ケア児とか難病児などは、依然として在宅医療を担える医師、看護師がいない、不足しているというような状況の中で、大病院の小児科が大人になってもかかりつけ医になっているというようなケースが多くあります。
 そのために、中山間地とか、離島とか、そうしたところでは通院に困難を来しているというケースもございまして、ここはやはり解決していく必要があると思っております。したがって、現場の声をしっかり聞いていただいて、この辺りの具体的な方策の議論というのをしっかり行っていただきたいということでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 重要な御指摘だと思います。ありがとうございました。
 それでは、小熊委員お願いいたします。
○小熊委員 ありがとうございます。公立病院の立場でちょっと意見を言わせていただきます。
 ただいまいろいろな委員からお話がありましたように、このかかりつけ医機能がきちんとうまくいって、地域医療が大きく変わるということが今後の我が国の医療にとっては非常に重要なことだと我々は理解しております。そのために、先ほど地域によって医療資源の乏しいところがたくさんあるというお話がありましたが、我々は例えば200床以下のような地域の病院というのは、まさにかかりつけ医機能も担わなければいけないという覚悟を持って自治体の病院としては進むべきだという話をしているところであります。
 それで、ちょうど9ページにいわゆるかかりつけ医の定義と、そこから下のほうに「情報提供項目のイメージ」というようなものがございますが、情報提供項目のイメージというのは非常に大事なものではないかと私は思っております。ほかにも何かあるかもしれませんが、それは検討会でさらに検討していただきたいと思います。
 その際に、一つの病院、一つの診療所では実行できない医療機能、あるいは介護に対する支援、在宅の支援というものがあると思います。それは連携してやらなければいけないということが大前提かと思います。ですから、そのためには今、残念ながら200床未満の病院の電子カルテというのは50%ぐらいの普及率しかないんですね。その50%しかない電子カルテの普及率で情報交換というのはスムーズにできないだろうと私は思いますので、そういった面などのアシストも国としては、あるいはかかりつけ医機能を推進する方向性の中には入れてもらわなければいけないのではないかと思っております。
 少なくとも診療所、小規模病院、それから第二次救急医療を担う病院もそうかもしれませんけれども、かかりつけ医機能を果さなければならないところはいっぱい混在してくると思いますので、それをどういうふうに整理していくか、お互いの情報交換の場とかそういうものはどうするか、それから住民へどうやって知らせるか。今のように都道府県が、この病院の医療機関はこうです、医療機能はこうですよと発表しても誰も見ませんので、そういったことをしっかりと検討会や分科会を通して考えていただきたいと思います。
 私からは以上であります。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。重要な御指摘だと思います。
 それでは、お待たせしました。木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 せっかくこうした制度をつくっても、やはり実際の担い手が得られなければまさに絵に描いた餅となってしまいますので、先ほど泉委員もおっしゃっていましたけれども、教育と研修が一番大切と私も思います。学部教育、研修制度、そして卒後教育の全ての段階において、かかりつけ医機能を担当できる医師を長い目で育てる仕組みづくりが重要で、検討会においてはぜひそうした具体的な方向についても御議論いただければと思います。
 また、かかりつけ医機能は時間外対応というのが求められますけれども、医師個人が夜間・休日も拘束されて、常時責任を担うというのは非常に負担ですので、地域でグループを作って対応するとか、多職種でタスクシェアをするとか、ICT活用など、現在勤務医の働き方改革で進められてきた様々な取組がこちらの制度設計においても大いに役立つと思いますので、勤務医、開業医にかかわらず、かかりつけ医機能を担う医師が適切に負担軽減をしつつ、能力を発揮して地域で長く活躍していただけるように、ぜひ検討会では御議論いただきたいと思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、加納委員お待たせしました。
○加納委員 ありがとうございます。
 これからのかかりつけ医の機能の中においての病院との関わり合いというのが、これから検討会、分科会等で議論されるわけでありますが、先ほどからのいろんな問題点はしっかりと明確にしていただきたいと思います。
 そういう意味で、この6ページのポンチ絵は先ほど神野委員もおっしゃっていたわけなのですが、病院がこのように関わっており、それで、何かあれば紹介、逆紹介という形でということで明記されているわけなのですが、下のほうには医療計画がこれに関連してくるということも明記されておりますけれども、かかりつけ医の機能の中で、先ほどもお話がありましたように、24時間何が起こってもこのような形で対応していかなければいけない中で、急変時の対応という形になりますと、高齢者の救急等がメインになってくるかと思います。これに関しましては第8次医療計画の中で二次救急病院が主にこれを担うという形での明記もはっきりされたわけなのですけれども、このポンチ絵の中で急変時の対応とか、そういったところで、これは医療と介護の体制の構築という形でのポンチ絵だとは思うのですけれども、何かそういったところの明記がされていないような感じがするのですが、例えば二次救急病院というのはこれから議論される中でこちらの病院にも入るし、またこちらの方にも入るから明記されていないとか、そういった形なのでしょうか。
 例えば、どの辺りにあるのかとか、そういったことを教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官です。
 この絵はあくまでも地域完結型の医療・介護提供体制とか、この水平連携を進めていくというイメージ図でございまして、厳密にこの病院がどんな機能を発揮するということまで念頭に置いたものではございませんので、今、加納委員がおっしゃったような病院の役割のようなところの具体化ということは今後検討会で議論していただくことを想定しております。
○加納委員 ありがとうございます。
 明記されていないということなのですけれども、さりげなく左上のほうには(高度)急性期の強化・集約化という形の明記がされており、医療資源の乏しい地域では当然こういった動きはされるのでしょうけれども、高齢者が一番増えると言われている都会においては面で受ける体制が必要で、それには先ほど申しましたように二次救急等は多くの中小病院が担ってやっていますので、ここら辺は誤解されるような内容がちょっと書いてあることが少し気になっております。これらを含めて議論するときにはこの点を注意して進めていただきたいかと思います。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、島崎委員どうぞ。
○島崎委員 意見を2つ申し上げたいと思います。
 1つは進め方なのですけれども、先ほど参事官から、医療部会に報告しながら検討を進めるという話があり、その際、「適宜」という言葉を使われたと思います。私は新設される検討会でほぼ決まった結論を医療部会に「これでいいですね」というような形で報告するのではなくて、検討会と医療部会の間である程度反復していただきたいと思います。
 その理由は2つあって、1つは、先ほど説明があったとおり、この医療部会は、いろいろなメンバーというか、さまざまな団体の代表や幅広い層から選ばれている者の集まりです。かかりつけ医機能の制度整備という多方面に、影響を与える制度の仕組みを検討する際には幅広くその意見を聞いたほうがよいということがあります。
 それから理由のもう一つは経緯論です。奇しくもという言い方が適切かどうか分かりませんが、昨年のこの日、9月29日に医療部会が開催され、そこでかかりつけ医機能の話がテーマに挙がりました。たしか第8次医療計画の検討会に代わってというか、そこで一定程度議論されたことも含めて、医療部会で幅広く議論してほしいということで、本部会の舞台に議論が開始され、数回の検討を経て、年末の12月28日に医療提供体制の改革に関する意見を取りまとめました。その約半分はかかりつけ医機能に関する記述ですが、私の印象としては、医療部会ではいろんな意見が出され数回ではとてもまとまらなかったため最大公約数的なものを掲げ、その他いろいろ出された意見については、こういう意見もあったという形で列挙したと思います。ことほどさように、このかかりつけ医機能をめぐっては、法律改正を行う過程で共通的な理解がある程度進んだとは言いながら、まだ細部においてはいろいろ意見があると思います。前回、診療報酬の基本方針等に関する議論等のところでも申し上げたのですけれども、医療部会は単に意見の言い放しであってはいけないと思います。医療部会の意見としてまとめたものがその後どうなっているかということについては、きちんとフィードバックを求めるべきだと思いますので、ぜひその点についてはよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に意見の2つ目ですが、かかりつけ医機能について国民が求めているものと乖離してはいけないことは当然だとして、法改正が施行されると今と一体何がどう違うのかが問われると思います。やはり法律改正までして制度整備を図るわけですから、それに対してきちんとした内容のものを出すべきだと思います。
 その関係で申し上げると、かかりつけ機能の構成要素は幾つかあって、いわばかかりつけ医機能を因数分解して、それを患者が選択するような形というのが果たしてかかりつけ医機能の制度整備かというと、私はちょっと違うと思います。何も私は一つの医療機関、一つの病院や診療所の医師が全体を見るということまで申し上げているわけではないのですけれども、やはり全体を統括する者が全人的な医療を行うためには必要になってくると思います。単に法施行の技術論だけではなくて、そういうかかりつけ医機能の本質的なところについても、もう一回検討会で議論していただけるとありがたいと思います。
 私の意見は以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。ありがとうございました。
 まだ手を挙げておられる方はいらっしゃいますので、では松原委員どうぞ。
○松原委員 ありがとうございます。
 要介護者のほとんどは医療を必要としているケースだと思いますので、ぜひ地域とか在宅での生活の視点を持ったかかりつけ医の機能について検討していただきたいのと、またそれを是非教育していただきたいと思います。
 その際には、先ほどからお話が出ていますように大学教育というのが非常に重要だと思います。
 ただ、大学教育だけでは時間がかかりますので、大学での教育も充実させながら、一方で、例えば地域医師会などを通した教育とかその支援というのもぜひ検討していただきたいと思います。
 また、一人だけで24時間365日かかりつけ医の機能を発揮するというのは無理なので、グループで見るための枠組みづくりとか情報化の促進を検討していただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、お待たせいたしました。城守委員、お願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
 今回、事務局のほうから御提示いただきました進め方等に関しては特に異論はございません。先ほどから皆さんがおっしゃっておられるように、様々な問題がこれから議論されると思いますけれども、その詳細に関しては今後、設置されるであろう分科会等で議論されると思いますが、それとは少し離れた形のコメントになりますが、1点コメントさせていただきたいと思います。
 現在、この取組に係るに当たって、これまでの外来の医療の提供体制がどうだったのかということでございますが、確かにコロナのときには特殊な事情もあって様々な問題が起こってきたということはございますが、コロナ以前においてはそれほど大きな問題が生じてきてはいなかったというのが、この外来の医療提供体制であったと思います。
 それで、今回この取組をすることによって、それをよりよいものにしていこうということであろうと思います。そういう意味におきましては、先ほどからいろいろな先生方がおっしゃっておられますように、その地域の実情とか、または医療機関の実態に応じて、現在の体制の長所は残しつつ、生かしつつ、そしてより多くの医療機関が積極的に、または前向きにこの検討に取り組める、この議論の結果に取り組めるというような検討をしていただければと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。非常に多くの方々から御意見を頂戴いたしました。事務局におかれましては、非常に多くの御意見が出ました。今後の新しい検討会で議論するべき内容についての御意見もありましたし、また、検討会と当部会との関係ですね。そのようなことも御意見がありましたので、これらを踏まえて適切な対応をお願いしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、1番目の議題は以上とさせていただきます。
 次に、「令和6年度診療報酬改定の基本方針について」、前回に引き続いての議論でございます。事務局から説明をお願いいたします。
○保険局医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 今、部会長からもお話がありましたとおり、前回の医療部会におきまして、令和6年度診療報酬改定の基本方針についての議論のキックオフということでございまして、前回は御自由に御発言をいただいたところでございます。
 事務局におきまして、令和6年度基本方針の検討について資料の御説明をさせていただこうと思いますが、柱立てと枠組みにつきまして事務局としてたたき台を作らせていただいておりますので、それを御説明させていただきたいと思っております。
 資料2「令和6年度診療報酬改定の基本方針の検討について」という題の資料を御覧いただきたいと思います。
 1ページを御覧いただきたいと思いますが、これまでの診療報酬改定の基本方針におきましては、①として「改定に当たっての基本認識」、これに続きまして②として「改定の基本的視点と具体的方向性」というものをお示ししてございます。
 この構成につきましては基本的に継承されてきておりまして、その上でその時々における医療を取り巻く状況等を踏まえた重点課題などを設定してきたところでございます。令和6年度の改定におきましても、これまでの基本方針の構成をベースとしながら、近年の社会情勢、医療を取り巻く状況を踏まえたものとしてはどうかと考えております。
 具体的には、「改定に当たっての基本認識」といたしまして、下の表でお示したような4つの項目が考えられるのではないかと整理させていただきました。左の列が項目の例で、右の列がその項目のパートで記載内容として盛り込むことが考えられる内容の例ということでございます。
 まず1点目、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者負担・保険料負担の影響を踏まえた対応でございます。
 その内容といたしましては、右側の「考えうる記載」のところでございますけれども、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者が必要なサービスが受けられるよう、必要な対応を行う旨を記載することが考えられるのではないかと思います。
 2点目といたしまして、全世代型社会保障の実現や、医療・介護・障害福祉サービスの連携強化、新興感染症等への対応など医療を取り巻く課題への対応でございます。
 内容といたしましては、75歳以上人口の増加と生産年齢人口の減少という人口構造の変化に対応した「全世代型社会保障」を構築する前提の下で進めること。
 また、6年に1度の診療報酬、介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の同時改定であることを踏まえまして、ポスト2025年のあるべき医療・介護の提供体制を見据えた対応の必要性。
 さらに、新型コロナウイルス対策の経験を踏まえまして、新興感染症等に対応できる医療提供体制を構築する必要性、こうしたことについて記載することが考えられるのではないかと思います。
 3点目といたしまして、医療DXやイノベーションの推進等による質の高い医療の実現でございます。
 内容といたしましては、医療DXを推進し、医療情報の有効活用や医療機関間の連携を進め、質の高い医療を実現する旨や、医療分野のイノベーションを推進し、創薬力・開発力を維持・強化する旨を記載することが考えられるのではないかと思います。
 最後に4点目でございますが、社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和でございます。
 内容といたしましては、「経済財政運営と改革の基本方針2023」等に沿った対応を行う旨を記載することが考えられるのではないかと思います。
 次に、2ページを御覧いただきたいと思います。
 「基本認識」に続きまして、改定の「基本的視点」と「具体的方向性」の例として整理をしてございます。
 「基本的視点」の例でございますけれども、まずポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や、医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進でございます。
 この視点から、右側の「具体的方向性」の例でございますけれども、医療DXの推進による医療情報の有効活用、遠隔医療の推進。
 生活に配慮した医療の推進など、地域包括ケアの深化・推進のための取組。
 リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進。
 地域医療構想・地域包括ケアを踏まえた医療機能や、患者の状態に応じた入院医療の評価。
 新興感染症等に対応できる医療提供体制の構築に向けた取組。
 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価。こういった具体的方向性の例を記載してございます。
 2点目といたしまして、現下の雇用情勢を踏まえた人材確保・働き方改革等の推進という視点でございます。
 この視点から、医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組、働き方改革に向けての取組の推進といった具体的方向性の例を記載してございます。
 3点目でございますが、安心・安全で質の高い医療の推進という視点を取り上げ、そうした視点から右側でございますけれども、食材料費をはじめとする物価高騰を踏まえた対応。
 アウトカムにも着目した評価の推進。
 小児医療、周産期医療等の重点的な対応が求められる分野への適切な評価。
 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進。
 薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価、薬局・薬剤師業務の対物中心から対人中心への転換の推進、病棟薬剤師業務の評価。
 そして、医薬品産業構造の転換も見据えたイノベーションの適切な評価や医薬品の安定供給の確保等といった具体的方向性の例を記載してございます。
 最後に、効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上という視点でございます。
 そうした視点から、後発医薬品やバイオ後続品の使用促進、長期収載品等の在り方。
 費用対効果評価制度の活用。
 市場実勢価格を踏まえた適正な評価といった「具体的方向性」の例を記載してございます。
 今回提示をさせていただきました記載例につきましては、前回の医療部会や医療保険部会の議論、また中医協の議論、過去の基本方針の記載、骨太2023等の政府の方針などからピックアップしておりますけれども、本日も幅広い御意見をいただきながら、肉づけ、修正の作業を行っていきたいと考えております。
 最後の3ページ目のスライドにつきましては、これまでの改定の基本方針における基本認識と基本的視点の項目を抜粋したものでございます。御参照いただければと思います。
 また、参考資料といたしまして関係するデータ等をおつけしてございますので、こちらも御参照いただければと思っております。
 資料の説明については以上です。よろしくお願いをいたします。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、御意見、御質問を承りたいと思います。
 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 今回、1ページの1番目に書いてある「基本認識」の例という形で、我々がお願いしておりました物価高騰、賃金上昇系の状況の把握等のことを第1項目、一丁目一番地に書いていただいたことは非常にありがたいと思っております。
 ところが、次のページを見てみますと、なぜかその項目が「基本的視点」の中から消えておりまして、「具体的方向性」の中にそれに関することがちょっと書かれているような感じになってしまっているのですが、これは「基本認識」で書いていただいた一番大事なところをやはり「基本的視点」と、また「具体的方向性」の中でも一丁目一番地という位置づけで修正していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○遠藤部会長 御意見ですが、事務局から何かコメントございますか。
○保険局医療介護連携政策課長 御意見として受け止めさせていただきたいと思います。今後、また肉づけ、修正作業の中で検討させていただければと思います。
○遠藤部会長 加納委員、よろしいですか。
○加納委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、泉委員お願いいたします。
○泉委員 泉でございます。ありがとうございます。
 まずお願いしたいのが、最近高齢者が増えたということで、緊急入院が非常に増えているということで、これは地域にお戻しするわけですが、ちょっと今、困っている状況があって、地域包括ケア病棟をやめてしまうという病院が今回の診療報酬改定後にかなり増えてしまった。特に急性期病院で地域包括ケアをやっている病院が減ってしまったということで、急性期病院から地域に戻すということにちょっと苦慮しておるという現状がございます。
 したがいまして、なるべく地域に戻す体制をきちんとつくるということで、急性期病院から緊急で入院された方を受ける病院に対してもう少し配慮するということもぜひお願いしたいと思っています。特にコロナのときにはアフターコロナを受け入れる病院がなくて非常に困ったということを経験されたと思うのですけれども、やはり急性期を脱した後の受け皿をきちんと整備するということも今回ぜひ考慮いただきたいと思っています。
 2点目ですが、医療DXのことが書かれているのですけれども、これは病院間の情報共有ということで介護の連携などが非常に重要だということで、そのとおりだと思います。それで、これは医療機関同士とか、介護の連携ということは、まさに医療・介護全般にわたるインフラ整備ということに当たるのではないかと思うので、道路において信号機を作るようなものだと思うんですね。
 ですから、これはやはり診療報酬で賄うというものではなくて、やはり国とか都道府県がきちんとインフラ整備として医療・介護全体を見るようなDXについて取り組んでいただきたいと思っていますので、病院が支払うとか診療報酬で見るということとはちょっと違うのではないか。やはり国としてやっていただければと考えております。
 3点目なのですが、2ページ目の3とか4に書いてあるんですけれども、病院薬剤師は本当になかなか厳しい、いない、非常に足らないということで、やはり医療安全上の大きな問題になっているということであります。ですから、病院薬剤師に対するきちんとした評価をするということが重要だし、それからタスクシェアに対して非常に重要な役割を担っているわけなので、病院薬剤師の評価をお願いしたいということであります。
 特に、周術期とか、救急とか、リスクの高い領域において病院薬剤師さんの役割というのは極めて重要でございますので、そこをぜひ考慮していただきたいということです。
 それから、この中になかったんですけれども、加納先生がおっしゃった物価の高騰の中で、やはり診療報酬の請求ができないような診療材料が輸入のものも含めて非常に高騰しているということもぜひ考慮していただきたいということで、ここも病院に大きな負担になっているということを御理解いただきたいと思っています。
 もう一点、ちょっとお願いしたいのは、今10ccの生理食塩水のアンプルをつくる会社があって、小さい問題なんですけれども、やっていることは実際に20ccから10ccを取って注射器で抜いて薬剤をつくっているということで、看護師の手間が非常にかかっている。それから、医療安全上も非常に心配だということで、安くなってつくるのをやめてしまったというメーカーがあって、これは困っている。
 同様のことが、解熱剤とか、せき止めとか、ジェネリック薬品を含めて非常に安くなってしまって、もうつくるのをやめちゃったというような薬が結構たくさんある。こういうことになると、安全上とか非常になかなか難しいことが起こってしまうということなので、やはり必要な薬はちゃんと手に入るような体制をきちんとつくっていただきたいということでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、山崎學委員お願いいたします。
○山崎(學)委員 ありがとうございます。
 先ほどから幾つか提案というか、議論が出ているわけですが、今、医療現場を離れてここ数日間のいろんな政策の流れを見ていると、新しい資本主義実現会議では、持続的な賃上げを実現するとか、総理自体が毎年、春闘で4、5%の賃上げをしてほしいとか、あるいは最低賃金を1,500円までに上げるとか、色々と景気のいい話ばかり出ていますが、医療・介護の業界はこうした景気のいい話は全くなくて、先ほどお話に出ていたように、医療は2年に1度、公定料金でやっているわけで、その中でもってエネルギーとか、あるいは物価の上昇に全然対応がし切れていないわけです。
 したがって、ここの「基本認識」で物価高騰・賃金上昇、人材確保等々で、今度相当大幅な診療報酬の引上げをしていただかないと、民間病院はかなり倒産するような状態になるわけです。そういう中で、きちんと上げてほしい。私は、この次の改定というのは、1桁改定ではなくて2桁改定案くらいの料金改定で診療報酬は上げないと病院はどうにもならないと思っています。
 また、先ほど医療DXの話が出ましたが、精神科の病院で今、電子カルテを導入している病院は4割しかありません。6割の中小の精神科病院は電子カルテを導入したくてもできていない状態です。
 どうしてできないかというと、お金がないからです。したがって、少なくとも今度クラウドに標準カルテを載せるというのが数年先にあるという話で、それは私は非常にいい話だと思って聞いていたのですが、電子カルテをサーバーでやっている方式でして、それをクラウドに載せている病院もあります。しかし、クラウドに載せている病院の負担料がサーバーの負担料よりも高くなります。そうすると、せっかく国がガバメントカルテを整備しても、そのクラウドの使用料金が今のサーバーの使用料金より高かったらおかしな話になってしまいます。
 また、6割の病院は端末とか電子カルテが導入できないわけですから、政府の政策として医療DXを進めるのであれば、少なくとも電子カルテは無料で配らなければおかしいと思います。電子カルテと、それに附属する端末ですね。それは全ての病院に国が無償で配らなければ、この医療DXという政策は完結しないと思います。
 もう一つ気になっているのが入院時食事療養費です。これは前からお話しているように30年近く上がっていないわけでしょう。皆さん方が行っているレストランとか食堂は30年前の定価でやっていますか。そんな食堂なんて日本中探してもないです。そういう無理強いを押しつけているというのは非常におかしいので、今度の診療報酬改定で入院時食事療養費は診療報酬でやるのか、それとも診療報酬とは別立てで入院時食事療養費の項目というのを財源としてつくるのか、財源論に立ち返って考えてほしいと思っています。
 また、今日の参考資料の13ページに載っていますが、医療関係職種の給与の推移というのが入っていまして、医療関係職種は全産業平均よりもかなり低いんです。したがって、どうなっているかというと、今、病院の看護助手がどんどんほかの職場に抜かれてしまって、一番必要とされている本当にいろんなことをしてくれる看護助手が集まらなくて、外国人に依存しているというところがかなり出ているんですね。
 したがって、今回の診療報酬改定で、看護助手を含めた抜本的な給与の改善をしていただかなければいけないと思っています。最初にお話ししたように、少なくとも春闘で4、5%のベースアップができる財源と、それから最低賃金が1,500円になっても、その最低賃金で働く方たちに1,500円払えるような診療報酬改定ということを考えれば、今度の診療報酬は最低2桁アップにしなければ、政府が言っている政策というのは実現しないと思っています。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、山口委員お願いいたします。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。
 私は、2ページの「安心・安全で質の高い医療の推進」のところで3点ほど意見を述べたいと思っております。
 まず、「働き方改革に向けての取組の推進」というところがございますけれども、この働き方改革というのはどちらかというと医療側の問題だと捉えがちですが、私は患者にも非常に大きく影響してくることだと思っておりまして、特に救急へのしわ寄せがかなり心配されていると聞き及んでおります。
 それで、私自身、文科省の今後の医学教育の在り方に関する検討会に今、委員として議論に参加しているのですけれども、大学病院の若手の医師たちが大学を離れ始めているというようなことも含めてその問題を考えますと、連携しているほかの病院や関連病院など、も大きな影響が及んできて、それがひいては患者にも影響が及ぶことだということで非常に懸念をしております。
 そういった大学病院改革の議論の方向性を踏まえて、ぜひ若手医師の処遇改善と派遣の継続と充実ということを、この診療報酬改定の中できちんと位置づけていただきたいと思っておりまして、事務局からそういった方向性が可能かどうかということをお聞きしたいというのが1点目です。
 それから、働き方改革でタスクシェア、タスクシフトの必要性が盛んに言われておりますけれども、チーム医療ということで言うと多職種の評価ということが非常に重要になってくると思います。先ほど泉委員もおっしゃっていましたけれども、私も病院薬剤師の不足がかなり深刻な問題だと思っておりまして、ぜひとも病棟薬剤師を含む病院薬剤師の評価に力を入れていただきたいというのが2点目です。
 3点目として、先ほどからかかりつけ医の問題がございましたけれども、「安心・安全で質の高い医療の推進の中」と項目が違いますが、「かかりつけ薬剤師の機能の評価」というものがございます。先ほどのかかりつけ医については、患者が主体的に選ぶものというのが私は基本だと思っているのですけれども、殊、かかりつけ薬剤師に関しては、薬剤師から同意を要求されるということで、患者が主体的に選ぶ薬剤師、かかりつけ薬剤師になっていないところに非常に問題を感じております。
 そういった意味で、今回かかりつけ医機能ということがこうやって話し合われることになったわけですので、是非ともかかりつけ薬剤師のところで患者が主体的に選ぶ方向性ということを話し合っていただけないだろうかと思っておりまして、これについても事務局から何か御意見をいただければありがたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、事務局、コメントをお願いいたします。
○保険局医療介護連携政策課長 今日は、本当にたくさんの御意見をいただくことになると思っております。そのいただいた御意見を、またこの基本方針の策定の中でどういう形で反映させていくのか、肉づけ、または修正の作業の中で対応させていただければと思っています。今日の時点で個別のお話について何かお答えができるかというと、なかなか難しいかと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 山口委員、そのようなことですけれども、よろしゅうございますか。
○山口委員 はい。ぜひよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、お待たせしました。藤田委員どうぞ。
○藤田委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の藤田でございます。
 資料に示されています「基本認識」の例でございますけれども、前回議論でも最も意見が多かった例を見ない物価高騰・賃金上昇、人材確保についてはぜひ取り組んでいただきたいと思います。新興感染症への対応、医療DX等については賛同をいたします。また、「基本的視点」及び「具体的方向性」についてもおおむね網羅されていると考えます。
 歯科に関わることといたしまして、リハ、口腔、栄養の一体的推進や、かかりつけ歯科医、口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下の対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進、これはこのとおり進めていただきたいと思います。
 冒頭に申し上げました医療従事者の人材確保及び賃上げに向けた取組につきましては、歯科のコ・メディカルであります歯科衛生士、歯科技工士へのきめ細かな対応ができるよう、強く要望をいたします。特に、歯科衛生士の確保は喫緊の課題と考えております。
 また、歯科医療現場では歯科材料費、また機材等の高騰にも頭を悩ませています。繰り返しになりますけれども、材料費等の物価高騰への対応がないと良質な医療の提供ができませんので、是非よろしくお願いをいたします。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは。井伊委員、その次に神野委員の順番でお願いしたいと思います。
 では、井伊委員どうぞ。
○井伊委員 ありがとうございます。日本看護協会の井伊委員でございます。
 まず、前回も申し上げたところですが、本会からはタスクシフト、シェアの推進や、専門性の高い看護師の活用、質の高い在宅医療・訪問看護の確保が重要であるということを述べております。
 これらの点は、この「具体的方向の例」によりますと、「地域包括ケアシステムの深化・推進」などにも当たるということかもしれませんが、具体的方向性といった場合にはこういったことについて、具体的にしっかりと記述をしていただきたいと考えます。
 それから、外来における療養指導の重要性について述べさせていただきます。複数の慢性疾患や、医療と介護の複合ニーズを有するような高齢の患者が、さらに今後増加すると考えられます。
その一方で、生産年齢人口の急減が見込まれる中、病棟、外来、訪問看護等が連携して効率的に質の高い医療を提供すること、それから外来における療養指導等、こうしたことによって重症化、再入院を防止することがますます重要になると考えます。重症化予防の重要性や外来における療養指導の重要性を打ち出していただきたいと考えます。
 最後はちょっと細かいお話になりますけれども、「具体的方向性」の例の中に「かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価」とあります。法律改正が行われて、かかりつけ医機能についての報告、公表が制度化されました。「かかりつけ医機能」というのは医療機関の機能であって、医師だけではなく看護師等の医療従事者によって担われるものとされていると思います。ですので、ここはまずは「かかりつけ医機能の評価」ということで挙げていただく、あるいはかかりつけ医機能とは別項目で、例えば先ほど御意見もございましたかかりつけ薬剤師の機能の評価は区別して挙げていただくほうがよろしいのではないかと思います。
 意見です。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、神野委員お願いいたします。
○神野委員 ありがとうございます。
 3ページに「過去の診療報酬改定の基本方針」で、「基本認識」「基本視点」のてっぺんにくるのが、やはり政府の心意気というか、一番強くおっしゃりたいことなのだろうなと理解しているわけであります。そういった意味では、先ほど加納委員がおっしゃったように、「基本認識」の一番上に物価高騰・賃金上昇があって、「基本的視点」のほうにはちょっとそれが薄くなっているというところはいかがなものかと思います。
 それで、皆さんおっしゃったように物価高騰ですが、特に例えば私の病院で電気代は去年に比べたら1.5倍、これは億の単位になってしまいました。それから、私たちの仲間がちょっと計算したんですけれども、医療経済実態調査で令和3年ベースで人件費を3%上げるためには6100億円規模が必要で、それは診療報酬で計算すると2.19%上げないと数字的には3%の人件費は上げられないというようなものがあります。もちろん、DXとか、働き方、あるいはいろんな仕組みの改革ということで、いろいろな改善をしなければいけない、仕組みを変えなければいけないとは思いますが、単純に2.19%というのはすごく大きな数字なのかなという気がいたしております。
 それで、井伊委員がおっしゃったように、先ほどはかかりつけ医機能の議論をしているわけですが、2ページの一番上のカラムのところのかかりつけ医という話はこれまであまり議論しなかったことが保険局の資料には載ってしまっているので、その辺のところは一回きちんと整理されたほうが私もよろしいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインで井上委員、お待たせいたしました。
○井上委員 ありがとうございます。経団連の井上でございます。
 先ほどから賃上げの議論がいろいろ出ておりまして、私ども賃上げを今年は必死で主導してきた立場でございます。今年、30年ぶり3%後半の賃上げ率ということになったわけですが、その背景には当然のことながら、イノベーションや、生産性の向上、経営の合理化など、そういうものの結果として賃上げができているということは御理解をいただきたいと思います。
 そして、賃上げをしたところで社会保険料負担が上がってしまうと手取りが少なくなって、また皆さん将来不安を持って消費に回らないということでございますので、社会保険料負担の増大には十分に配慮をしていただきたいと思います。
 この基本方針の検討ですが、3ページにあるような基本方針の認識を見ますと、あまり足元のことだけではなく、中期的な立場に立ってこれを検討するのがやはり大切なのではないかと思います。
 その観点から3ページ、これまで平成30年、令和2年、令和4年につきましては新興感染症という大変な出来事がありましたけれども、やはり全世代型社会保障の実現ということを中心に据えた議論が必要ではないかと私は思います。
 物価高騰への対応でございますけれども、これは当然のことながら医療分野のみならず私ども産業界にとっても大変なことでございまして、この対策というのは国や自治体、または医療分野に限らず全体として対応すべきものだと思います。
 また、処遇改善につきましては先ほども申し上げましたけれども、しっかりした生産性の向上とか、経営の合理化があるのかどうかということを前回の改定でも行ったところでありますので、その配分の検証を十分透明性のある形で行うことが前提となると思います。
 したがいまして、診療報酬で対応すべきことなのか、あるいは国が予算を確保して交付金等々、補助金等々で対応すべきなのかということにつきましては十分な整理が必要ではないかと考えます。これは、「基本認識」のところでございます。
 あとは、「具体的方向性」のところでございます。これは前回も申し上げたのですが、4つ目の「効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」のところでございますけれども、この効率化・適正化というのは薬価に限らず、入院、外来、調剤、歯科、あらゆる分野で行うべきものでございまして、薬に非常に特化したような表現というのは違和感を持ちます。全体を通じて効率化・適正化というものをぜひ実現していただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、フロアに戻りまして、佐保委員お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。私からは、3点意見を申し上げます。
 1点目は、「基本認識」の1つ目や「基本的視点」の例として挙げられた物価高騰・賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性等を踏まえた対応についてです。
 人材確保のためには、医療従事者等の働きに見合った処遇改善も欠かせません。持続可能な社会保障制度の構築に向けて、患者本位の良質な医療の確保を大前提とし、看護職員を含めた医療従事者全体の賃金、労働条件の改善につながる報酬改定としていくことが重要です。また、医師や医療従事者の働き方改革を進め、人材確保を行うためにも、診療報酬上でメリハリのある対応を求めたいと思います。
 2点目は、「基本認識」の2つ目の医療・介護・障害福祉サービスの連携強化等の箇所についてです。「考えうる記載」にもあるとおり、ポスト2025年のあるべき医療・介護の提供体制を見据え、中長期的観点から医療と介護の連携を強化する方向づけが重要となります。新興感染症等を考慮しつつ、外来を含め、あらゆる設置主体の医療機関の参画による地域医療構想の再検討とともに、社会インフラとしての日本全体の医療提供体制の改革につながる報酬改定を検討していく必要があります。
 3点目は、4つ目の社会保障制度の安定性・持続可能性の確保の項目についてです。制度の持続可能性確保の観点から効率化を図る必要性は理解いたしますが、1点目で発言したとおり、制度を支える人材確保のためには医療従事者等の働きに見合った処遇改善も欠かせません。「具体的方向性」では、こうした点にも触れていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインでお手を挙げておられます都竹委員、お願いいたします。
○都竹委員 ありがとうございます。2点申し上げたいと思います。
 まず1点目ですが、今回、3報酬同時改定ということでありまして、6年に1回ですので、やはり医療・介護、障害福祉サービスの連携強化、ここをしっかり打ち出していただきたいと思います。
 中でも医療・介護の連携の部分ですが、在宅医療の現場のお話などを聞いていますと、ケアマネ、ヘルパーの福祉サイドと主治医訪問看護の医療サイドの情報共有を進められてきたのですが、まだまだ十分ではないと承知をしておりまして、医療DXの観点も含めて対応が必要だということでございます。
 また、障害福祉サービスと医療の連携の部分につきましても、これも具体的方向性の中に文言としてしっかり明記をしていただきたいと思います。例えば、先ほども少し触れました在宅の医療的ケア児・者の支援体制の整備の面でいきますと、最も求められているのがレスパイトになるわけでありますけれども、福祉サービスとして医療型短期入所で対応するということになっているのですが、事実上、レスパイト入院で対応しているケースは相当ございまして、この現実をどう認めてすり合わせていくのかというところが大きなテーマだと思っております。
 それから、学校の看護師と訪問看護師の連携の強化、ここもやはりもっとしっかり診療報酬上の評価があってもいいのではないかと思っておりまして、これのみならず様々な課題がございますので、医療・介護、それから障害、ここの分についてもう一回しっかりと課題を整理して診療報酬上の対応強化を検討いただきたいというのが1点目です。
 2点目でありますけれども、「安全・安心で質の高い医療の推進」という中に重点的対応が求められる分野の一つとして、括弧書きで小児医療を書いていただいております。この点について申し上げたいと思いますが、前回の部会でも私は申し上げたのですけれども、地方の現場レベルで大きな問題になっておりますのが、発達障害をはじめ周囲とのコミュニケーションに課題のある子供さんたちの支援です。これも広く小児医療の中で課題になっております。
 これは、保育士とか教師の負担とも直結しておりまして極めて重要で深刻な問題ということでございます。最も頼られる存在である児童精神科は全国で500人ほどしか医師がおりませんで、予約は全国常に満杯で、しかも時間をかけた診療が必要なのに診療報酬が全くついてこないという構造的な問題を抱えています。家族が求めるリハビリとか、心理士によるケアもやはり同じでありまして、なかなか診療報酬の対応がついてこないということがございます。
 小児科の現場でも、やはり同じようなことが起こっています。1人の子供さんに長時間の診療の時間を要するというケースは相当ございまして、やはりこうした課題は小児医療の範疇の中で議論されるべきだと考えています。
 特に、政府を挙げてこども家庭庁の発足に見られますように、「こどもまんなか社会」の構築というのが今の国全体の大きなテーマであるわけですから、この点については今回の診療報酬の改定の中でもしっかりと位置づけられるべきではないかと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、お待たせしました。荻野委員、どうぞ。
○荻野委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の荻野でございます。
 資料の「基本的認識」「基本的視点」の例示に記載されている薬剤師、薬局についての内容、方向性はいずれも適当と考えていますが、加えて3点について簡潔に意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず1点目でございます。前回も発言をさせていただきましたが、今回の改定に当たっては第8次医療計画や予防計画との整合性が重要だと考えております。24時間対応も含め、多職種と連携した在宅医療の提供に係る評価や新興感染症対応への評価が必要です。さらには、情報連携を活用した薬学管理指導など、医療の質の向上を目的とした医療DXに係る支援が必要だと考えます。
 2点目です。かかりつけ薬剤師の機能の強化や、それに応じた適切な評価というのは大変重要だと考えています。
 しかしながら、いわゆる敷地内薬局については地域包括ケアシステムで重要となる連携の推進、かかりつけ機能の発揮や医薬分業の本旨に反するものであると言わざるを得ず、さらなる適正化が必要だと考えます。
 3点目、全国の薬局や医療機関において医薬品の安定供給に支障を来たし、それが長期化しておりますが、中長期的な目標のみではなく、今、医薬品の供給不安から医療が崩壊する危機を解決するためにも、短期的な目標や対策を打ち出すべきだと考えております。
 最後になりますけれども、複数の委員から御発言がございましたとおり、病院薬剤師の適切な評価については私からもお願いしたいと存じます。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、角田委員よろしくお願いいたします。
○角田委員 遠藤部会長、ありがとうございます。私から幾つか御指摘させていただきたいと思います。
 まず、1ページ目の「基本認識」の3段目の医療DXについてでございます。DXの推進により目指すところである医療情報の有効活用や医療機関等の連携、これによりまして地域医療連携が円滑化されまして個々の医療機関等の負担が軽減することが期待されるということの追加や、医療DXにより何より国民患者の皆さんへの安心・安全で質の高い医療提供が今以上に可能になるということが期待されるというような趣旨の明記を検討いただければと思います。
 また、その下の4段目の右側の「考えうる記載」に「「経済財政運営と改革の基本方針2023」等に沿った対応を行う」というふうに記載されていますが、診療報酬改定の基本方針としては決して経済的な側面のみでは図れませんので、「経済財政運営と改革の基本方針2023」を踏まえた対応を検討する、というふうに修正を御検討いただければと思います。
 次に、2ページ目の「基本的視点」の1段目、ポスト2025年を見据えた「具体的方向性」の例の上から4つ目のポツに地域医療構想の記載がございます。地域医療構想は2025年を目標とするものです。この診療報酬の基本的方針は、来年2024年度と再来年の2025年度、まさにその最後の2年間に当たるものです。
 地域医療構想と診療報酬の関係は、平成30年の同時改定の当時に保険局の担当課長のコメントで、診療報酬は地域医療構想に寄り添う関係であるとの御回答をいただいております。地域医療構想は、あくまでも不足する病床機能を確保していくことであります。この基本方針も極端な病床転換への誘導となるものではなく、当初の趣旨に沿ったものであるよう記載していただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、内堀委員お願いいたします。
○内堀委員 ありがとうございます。議題1と2について、まとめてコンパクトに発言をいたします。
 まず、議題1です。医療機能情報提供制度及びかかりつけ医機能報告制度の趣旨やメリットについて、国民及び医療機関、都道府県に対して分かりやすい説明をお願いします。
 また、都道府県は医療機関から報告を受け、慢性疾患を有する高齢者等を地域で支えるために必要なかかりつけ医機能を確保する具体的な方策を検討・公表することを求められています。その具体的な内容や協議の進め方等について、これから設置される分科会や検討会でしっかり検討していただき、現場で混乱が生じることがないよう、都道府県、また医療機関に対して、十分な期間を取って丁寧に説明していただくようお願いします。
 かかりつけ医機能を確保していくため、都道府県に求められる役割が大きくなっています。各都道府県において地域の実情に応じた取組を行うことができるよう、国においても継続的な支援をお願いします。
 次は、議題2です。「基本認識」及び「基本的視点」の例については、近年の社会情勢を踏まえ、必要な認識及び視点が盛り込まれていると考えています。その上で、4点発言します。
 1点目、物価高騰については一時的なものにとどまらない状況となっています。収入の大部分を診療報酬で賄う医療機関に大きな影響が出ています。
 2点目、人材確保について医療従事者の賃金も上昇しつつあり、診療報酬による対応が必要です。
 3点目、新興感染症への対応について、必要な医療体制を確保していくためにも、感染対策やコロナ患者の対応にかかる経費などについて、しっかり評価し、診療報酬で対応することが重要です。
 4点目、医療DXの推進について、各システムの導入や更新等にかかるコストは非常に高額であり、診療報酬での対応が必要であります。
これらについては、都道府県単位の臨時的な補助金等ではなく、診療報酬の改定による継続的な対策が求められますので、適切な評価をお願いします。
 私からは以上です。どうぞよろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、木戸委員お願いいたします。
○木戸委員 事務局案について、基本となる必要な項目が挙げられており、特に異論はございません。その上で、1点意見を申し上げます。
 「基本的視点」の例の1番目に挙げられている物価高騰・賃金上昇など書いてありますけれども、これはとても重要で、特に人材確保というところは今だけの話ではなくて長期的な10年、20年を考えた視点でしっかりと対応するべきと思います。
 医療現場は看護師、薬剤師をはじめ女性が圧倒的に多い職場です。保育や介護も同様に女性が多いですけれども、先ほどもお話が出ましたように賃金が全産業の平均を大幅に下回っており、過酷な勤務実態に見合った待遇を受けているとは到底思えません。担い手不足が大きな問題となっております。
 ケア労働は女性がメインの仕事だから、そんなに賃金を払わなくてもよいという古い価値観を正していかないと、もっと魅力的な仕事にどんどん人が流出してしまって、今後、高齢者が増えて診療やケアのニーズが高まっていく中、お金を幾ら出しても、もう人がいないので無理ですという困った事態になって国民が困ってしまいます。
 日本のジェンダーギャップ指数はどんどん毎年、順位を下げていて、国際的にもかなり問題視されておりますけれども、ケア労働の貢献に見合った待遇改善はその一つの大きな政策的課題でもあり、しっかりとした対応が求められると思います。
 医療従事者は心優しい人が多いので、過酷な状況で賃金が少なくても、患者さんのためにということで無理して自分の生活を、場合によっては命を犠牲にしてでも頑張ってしまいます。
 ただ、そうした善意に頼るシステムというのは持続性はありません。やはり人材確保、そしてジェンダーギャップの解消という2点の視点からも、医療職の待遇改善を着実に図ること、そのための原資である診療報酬における適切な対応は欠かせないと思いますし、また、待遇改善を狙って設けたはずの仕組みがちゃんと現場に還元されているか、その効果についてもきちんとモニタリングすることが大切だと思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。小熊委員、よろしくお願いします。
○小熊委員 ありがとうございます。
 今までいろいろな委員がお話しになられたように、基本方針とか、「基本認識」とか「基本的視点」というものについては、こういうふうなことをしっかりと把握していただいているということにお礼を申し上げたいと思います。
 ただ、私がいつも思うのは、我々、病院とか診療所という医療機関は診療報酬で暮らしているというか、やっているわけで、その診療報酬にこういった基本方針とか「基本認識」、基本指針がどういうふうに関係していくかということが残念ながらあまり具体的に、本当に具体的に示されていない。
 ここでは、対応するとか、推進するとか、評価するとか、そういう言葉をいろいろ使われています。では、このAということを評価、あるいは対応するのに中医協ではどういう項目についてどういう検討をするんだということが記載されているとあまり私は認識していないです。今の時点では特にそうで、これからおやりになるのかもしれませんけれども、今まで中医協では既に診療報酬の改定について重箱の隅をつつくような改定を何か月にもわたってやっていますが、このような重要なことがこれから中医協でどういう項目についてこういう評価をします、こういうふうに進めますということがやれるのでしょうか。そこのところを私はすごく心配しております。
 こういうことを言ったら申し訳ありませんけれども、そういった具体的なことを誰もが分かるようにして、中医協でたっぷりとこの項目について誰もが納得できるような対応ができるようにお進めいただきたい。これが私の願いでございます。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、松原委員お願いします。
○松原委員 報酬の話になりますと、生産性とかイノベーションを図った上でという話が出ますので、生産性に関することについて一言、触れさせていただきたいと思います。
 よく医療福祉分野の付加価値生産性が他産業より低いという報道があって、そういうことが前提で話が進むことが少なくないのですが、付加価値生産性は価格を上げれば上がります。医療とか介護とか福祉というのは公定価格ですので、それを自由価格の一般産業と比べて低いというのは不適切だと考えます。
 
 一報で、日米の医療両方を経験した人の満足度調査が品質水準の違いに関する日米比較調査で行われていますけれども、それでは日本のほうがアメリカよりも満足度が高いという結果も出ております。
 こういう前提の上で、全産業で今、人材不足というのがこれからますます加速化するということが分かっている中、医療業界で働き手がいなくなってしまえばまさに先ほど委員がおっしゃったように、医療を受けたくても受けられないということが起きかねません。 医療というのは平時の安全保障といえますので、そこが崩れるということは経済にとっても非常に大きな問題だと思います。
 ぜひ現場の現状を踏まえて、医療従事者が適切な報酬を受け取れるように設定していく必要があると思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 城守委員、よろしくお願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。私のほうからは、1点コメントと、1つ御質問をお願いしたいと思います。
 まず、今回事務局がお示しいただきました「基本認識」と、それから「基本的視点」におきましては、現在課題となっている部分というものはおおむね網羅されているのではないかと思いますが、今回の改定は皆さんも御案内のとおり、従来とは異なる異例の改定になっているということを改めて少しだけ述べたいと思います。
 皆様方、御案内のとおり、ここ何年間の改定においては物価高騰というものの変動があまりなかった。物価の変動があまりなかったということで、そのファクターはほぼ加味をせずに、いわゆる高齢者の医療費の伸びの範囲内という縛りの下でこの診療報酬改定というものが行われてきております。
 今回、この改定においては今お話をした従来の改定及びその改定の考え方に加えて、近年、例を見ない物価高騰や賃金上昇ということに対して、本格的に診療報酬で対応する、評価をするというこれまでにない視点が必要になりますので、そういう意味におきましてこの点は従来の改定とは大きく異なると考えます。
 そうしますと、資料2の1ページの「基本認識」の柱の1番目に先ほど冒頭、加納先生がおっしゃられたように物価高騰・賃金上昇の記載を入れていただいているわけですが、2ページ目においては「基本的視点」には柱ではなくて具体的な例として物価高騰・賃金上昇というものが散りばめられているという状況になっています。
 しかし、先にも申しましたように、今回の改定は従来の改定に加えて物価高騰や賃金上昇というものをどうやって診療報酬で対応していくのかということを加味するという改定になりますと、「基本的視点」とか「具体的方向性」というところにおいても、この物価高騰・賃金上昇が診療報酬改定に確実につながるような整理というものをすべきであろうと思っておりますので、事務局におかれましては御検討いただければと思います。
 次は質問ですけれども、先ほど神野委員が御指摘になられた点は非常かと思っております。
 この「基本的視点」の現下の運用情勢を踏まえたという柱の「ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの」というところの左にある「具体的方向性」の一番下のポツ、「かかりつけ医、かかりつけ歯科医師、かかりつけ薬剤師の機能の評価」となっています。先ほど先生がお話しになられたとおり、これまで議論されてきたのはかかりつけ医機能の議論であって、かかりつけ医の議論というものは行われておりません。そして、今後設置されるであろう分科会においても議論されるのは、このかかりつけ医機能が発揮される制度整備ということになります。
 一方、この記載では、かかりつけ医の機能の評価というふうな呼び方になりますので、かかりつけ医機能と、かかりつけ医の機能というのは全く別物ですよね。ですから、事務局がどのように考えておられるのか、ここでお聞かせ願いたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、事務局、お答えいただけますか。
○保険局医療介護連携政策課長 先ほど、かかりつけ医の、要は機能の評価と、かかりつけ医機能についてはむしろ医療機関についてのお話だというコメントもいただいたかと思います。
 今回こういう形でお示しをさせていただいておりますけれども、御指摘いただいた点は繰り返しになって恐縮でございますが、かかりつけ医と、あとはかかりつけ医機能というものを改めて私どものほうで御指摘を踏まえて整理させていただいて、今後の肉づけ、または修正の作業の中で反映をしていきたいと考えております。
○遠藤部会長 城守委員、いかがでしょう。
○城守委員 大変重要な点でございますので、しっかりと整理のほどよろしくお願いしたいと思います。
 私のほうから以上です。ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、山崎委員お願いいたします。
○山崎(親)委員 山崎です。
 全ての提案について了といたしますけれども、議題1のかかりつけ医機能が発揮される制度の整備の施行に向けた検討について、町村部におきましては今までも何回もお話をしているように、高齢者が生活する上でかなり不安を抱いて毎日を送っておられます。そういう中で、かかりつけ医機能がいつまでも発揮し続けられるような制度になるようにお願いをいたします。
 以上であります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 発言するつもりはなかったのですけれども、今のかかりつけ医とかかりつけ医機能の話は重要な点だと思います。
 私はここのところをかかりつけ医機能と修正することについて反対ではないのですけれども、そうしますと、先ほどのかかりつけ医機能の議論の進め方との関係でどういうように頭の整理をすればよいのかということはちょっと気になります。
 かかりつけ医機能に関する検討会のスケジュールを見ると、検討会の結論が出るのは明らかに2024年度の診療報酬改定の後です。もちろん、だからといって途中段階で一定のコンセンサスが得られたものに関して、次期診療報酬の改定に反映させてはいけないということまで申し上げるつもりはありませんけれども、そこのところの整理は必要になってくると思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。それも含めて事務局で御検討いただくということですので、よろしくお願いします。かかりつけ医と、かかりつけ医機能とを明確に分けろという議論はずっと昔からある話でありますので、その辺のところは十分配慮をお願いしたいと思います。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。本日、診療報酬改定の基本方針ということで、前回にも増して幅広い御意見を頂戴いたしました。事務局におかれましては、本日の議論、意見を踏まえまして今後議論を深めていければよいと思いますので、そのような対応をお願いしたいと思います。
 それでは、何か事務局からございますか。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
 次回の医療部会についても、追って御連絡をさしあげたいと思います。
○遠藤部会長 それでは、本日の会議はこれまでとさせていただきたいと思います。
 長時間、活発な御発言どうもありがとうございました。
(了)