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2018年3月9日 平成29年度第3回個人サンプラーを活用した作業環境管理のための専門家検討会

安全衛生部化学物質対策課環境改善室

○日時

平成30年3月9日(金)13:30~15:30


○場所

経済産業省別館236各省庁共用会議室


○議題

(1)作業環境測定における個人サンプラーによる測定の導入について
(2)測定結果が良好な場合の合理的な作業環境管理のあり方について
(3)その他

○議事

○寺島室長補佐 それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきます。本日は大変お忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。

 ただいまから、平成29年度第3回「個人サンプラーを活用した作業環境管理のための専門家検討会」を開催いたします。

 なお、本日は、藤間委員が御都合により御欠席となっております。

 続いて、本日の議題と資料の確認を行います。お手元にあります一つづりのホチキスどめの資料をごらんください。1枚目に議事と資料一覧を記載しております。資料について確認いたします。

 資料3-1 前回検討会までの主な意見

 資料3-2 前回までの議論を踏まえた今後の検討のポイント(案)

  別紙1 短時間高濃度発散作業について

  別紙2 現行の作業環境測定と個人サンプラーによる測定の評価と措置

  別紙3 測定方法の選択

 それから、参考資料につきましては基本的に前回の資料と同様でございます。

 参考資料3-1 開催要綱及び参集者名簿

 参考資料3-2 管理濃度、試料採取方法及び分析方法一覧

 参考資料3-3 管理濃度と許容濃度等の比較表

 参考資料3-4 参照条文

 落丁等ございましたら、事務局にお知らせいただければと思います。

 それから、委員の皆様の机上には、前回資料2-2からの抜粋を1枚お配りしております。こちらにつきましては、前回と同様の資料でございます。

 特段、落丁等お知らせなければ、次に進みたいと思います。

 なお、前回と同様に、第1回の別冊資料をお手元に準備をしております。こちらにつきましても必要に応じ参照いただきまして、また次回も使いますので、検討会終了後は置いておいていただきますようにお願いいたします。

 ここで、傍聴されている方にお伝えをいたします。カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、以下、議事進行につきまして、座長にお願いいたします。

○明星座長 年度末のお忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございました。活発な議論をしていただきたいと思います。

 では、まず議事に入っていただきたいと思います。議事の(1)(2)について、事務局より説明をお願いいたします。

○奥村課長 最初に、今回の資料の中で、今後の検討のポイントといたしまして、ある程度事務局の考え方を示したものをおつけしております。その考え方についてちょっと私から解説をしたいと思っております。

 この検討会では、第1回目において、個人サンプラーによる測定は作業環境測定とみなし得るかというテーマから論点がスタートされ、第2回目の検討会では、幾つかのケースごとに議論を行ってきたところであります。第3回目となる今回は、こういった事務局の考える方向性をお示しすることによって議論のまとまりをつくっていきまして、その方向性ですとか、どのように導入の準備を行うか、必要なことは何かというような具体的な今後の施策につながる内容を検討していきたいと考えております。

 言うまでもなく、労働安全衛生法による測定の目的は労働者の健康障害の防止でございます。労働安全衛生法も改正され、リスクアセスメントを踏まえた適切な労働者の健康障害防止措置を事業主に求めているところであります。個人サンプラーによる測定は、今日の多様な作業形態に対応できる労働者のばく露を評価する上で望ましい、必要なツールだというところは論をまたないと思います。

 他方、これまでの検討会では、その導入に伴う懸念が幾つか指摘されております。これらの懸念に対してどのように解決していくべきか、そういったことをこの検討会で考えていきたいと思っているところです。

 また、個人サンプラーによる測定のデザイン等には、これまでの作業環境測定にはなかった困難さが伴います。しかし、この導入につきましては、作業環境測定士の地位向上ですとか質の向上に大きく寄与すると考えているところでございます。円滑な導入には慎重な検討が必要です。担い手の育成には時間もかかると思います。それらの入念な準備が必要だと思いますけれども、その課題の洗い出しと解決方法を考えていきたいと考えており、きょうの会議に臨みたいと思って、一言御挨拶申し上げました。

 よろしくお願いいたします。

○寺島室長補佐 それでは引き続いて、お手元にお配りした資料の説明をさせていただければと思います。

 1枚めくっていただきまして、資料3-1をごらんください。こちらの「前回検討会までの主な意見」につきましては、第1回と第2回、いろいろいただいております意見を項目ごとに整理したものでございまして、枠囲みのところは、その下の箇条書きになっている先生方からの御意見を事務局のほうでまとめたものということにしております。全体につきましてかいつまんで御紹介したいと思います。

 まず、1ページの1.基本となる事項のところの「個人サンプラーによる測定の位置づけ、導入の意義」のところにつきましては、屋内作業場を対象とする作業環境測定と、個人のばく露を対象とする個人サンプラーによる測定では異なりますけれども、健康影響をより直接的に評価し、作業環境の改善につながるものであり、作業環境測定とみなし得ると事務局のほうでまとめさせていただいております。

 下のほうに箇条書きで書いてありますように、そのままではちょっと無理があるというようなことであるとか、メリットもあるということ。それから、基本的なその目的と定義のところに照らして、みなし得るのではないかというところをまとめさせていただきました。

 それから、マル2のところは、低頻度、短時間作業、許容濃度等を上回る高濃度発散のようなケースについてどう対応すべきかということで、1枚めくっていただきまして、いろいろ御意見をいただいたところですが、そちらをまとめたものが四角の中にございます。

 ちなみに、上のほうにありますのは、きょうお手元にお配りした一枚の資料と同様の図になっております。

 四角囲みの中ですけれども、個人サンプラーを用いた8時間の結果と短時間の結果の両方が問題ないレベルであれば、サンプル数などを慎重にとってはかるべきという御意見も踏まえつつ、このまま、第1管理区分と同様に追加の措置を要さない作業場として認めてよいのではないかという御意見。それから、交代作業についても、従来の測定で第3管理区分というものであっても、それぞれの作業者のばく露が小さければ許容してもよいのではないかという御意見。それから、一方で、作業者ごとに作業頻度が異なるなど、一日3回立ち入る場合と1回立ち入るものとではやはり違うのではないかということで、同一の作業グループを細分化するなどの考慮が必要ではないかというような懸念などの御意見がございました。

 前回までの御意見につきまして振り返りということで、後ほど資料2のほうで論点としてまとめておりますので、ここはこれまでいただいた意見の整理ということでお聞きいただければと思います。

 それから3ページ、一番上の枠囲みですが、個人サンプラーによる測定がAB測定よりも大きくなるような作業場として、溶接、研磨などの発散源に近接して行う作業では、個人サンプラー測定を基本としてはどうか。事前調査によってそれを確認しまして、そういう作業があれば個人サンプラー測定を行うべきとするようなガイドラインを示してはどうかという御意見でまとめております。

 以上のような近接作業や高濃度短時間のような作業の議論を踏まえまして、下半分です。任意に個人サンプラー測定を選択できるとしてよいかどうかということですが、こちらも4点にまとめております。

 従来の作業環境測定、いわゆる場の測定と個人サンプラーによる測定のどちらかを自由に事業者が選択して実施できることとしてはどうか。ただし、選択のポイントまたは基準をガイドラインのようなもので示してはどうか。その選択できる場合の基準として、「B測定をすべき作業場であること」と言えるのではないか。それから4点目として、恣意的な不適当な選択を防ぎ、責任の所在を明らかにするため、測定実施者と事業者の選択理由を明確にしておくことを求めてはどうかということでまとめております。

 次の4ページですが、こちらは今まとめさせていただいた内容ですけれども、前回の御議論の中では、マルチタスクとか、なかなか選択が難しいのではないかといったような御意見もいただいているところです。

 それから5ページ、短時間測定の位置づけについてです。こちらも、現在、B測定は該当作業があれば行うとされていますので、短時間測定も同様に、あれば15分の測定を行うとしてはどうかということ。それから、8時間測定を行った結果、ばく露が高い作業を調査する目的で追加的に行うこととしてはどうかという点。それから、現在の作業環境測定、いわゆる場の測定の問題点の指摘としまして、少し異なる点で枠囲みの下半分ですけれども、現在のB測定は、作業者に十分近づけない等によって適切な測定ができない場合があるため、個人サンプラーを使用することを可能としてはどうか。B測定の部分を個人サンプラーという道具に置きかえるというものです。こういったことも御指摘いただいているところです。

 次の6ページへ行きまして、2番、「個人サンプラー測定のための測定・評価基準について」。評価基準と管理濃度の関係について御議論いただいております。1ポツ目にありますように、個人サンプラー測定の評価基準は、管理濃度とは定義、名称が異なるということで、そういった異なるものとして定めてはどうか。それから、評価基準は許容濃度等を参照して決められるけれども、実際に定める場合、基準値が異なっていることもありますが、ただ、それは二重基準となっていても、事情などもありやむを得ないのではないかということ。それから、将来的にはやはり数値が共通化していくことが期待されるというような御指摘があったところです。

 それから、次に行きまして7ページです。短時間ばく露限界値(STEL)と天井値(C)などの扱いについてです。こちらは、短時間のばく露限界値として、STELやC、産衛学会の最大許容濃度などある場合はそれを使う。それがない場合に、TLVの3倍値を短時間ばく露限界値とみなして評価してはどうかということ。あるいは一方で、短時間による顕著な急性影響がないということも指摘がありまして、STELのないものは短時間測定を行わないという考え方もあると御紹介いただいたところです。

 それから下半分ですが、8時間の時間短縮は可能かということで、8時間原則だけれども、事前調査などを踏まえまして最短2時間まで短縮すること。あるいは、作業者に簡単な作業記録をつけてもらうことや、リアルタイムモニターを活用するといったこともあり得るのではないかということで御指摘をいただいております。

 引き続きまして8ページです。サンプリング方法と分析方法、技術的な方法の部分につきまして御意見、御提案をいただいております。1ポツ目が直接捕集方法についてです。こちら、捕集容器内の表面の吸着について十分検討する必要があるといった御指摘もございまして、使えないことはないが、固体捕集のほうがよいという御発言がございました。

 それから2点目として、液体捕集方法はミゼットインピンジャーを水平に保ち測定を行う必要があって、取り扱いが困難なため避けたほうがよいが、やむを得ない物質もあるということ。

 それから3点目として、固体捕集方法のうち、パッシブサンプラーについては短時間測定に使用する場合には十分な定量下限が確保できるかどうかという問題、それから、蓋の開け閉めなどでサンプリング時間を適切に制御できるかどうか、そういったところに注意が必要だという御指摘がございました。

 それから全体としてですが、作業環境測定基準に定められた捕集方法及び分析方法について、ちょっと古くなっているという指摘がございまして、技術の進歩に従い、最新の知見を取り入れて見直すべきではないかというお話がございました。

 続きまして9ページの下のほうですが、評価基準。こちらは今の第1、第2、第3管理区分に該当する部分の扱いについてですが、現行と同様の3区分でよいのではないか。あるいは、産衛学会ガイドラインの6区分、ガイドラインで推奨してはどうかというお話がございました。

10ページ目へ行きまして、測定結果の評価と設備改善の関係についてです。こちらについては、基本的には、本来は測定結果の評価を踏まえて設備改善、作業改善を行うことが望ましいが、高濃度短時間立入作業等で8時間測定の結果が問題ない場合であれば、現行どおり、設備・作業改善を行うことを義務づけるべきかということにしております。

 それから、設備改善が困難な場合、呼吸用保護具を選択させる根拠として使ってはどうかということです。こちらについてもまた御意見があったところです。

 それから、11ページ、「3.個人サンプラーによる測定を行う者の要件について」。こちらにつきましては、前回も時間余りなかったところでございますが、ここにありますような4点です。測定値に限定することが適当であろうということと、追加的な講習が必要。それから3点目として、作業観察を行うことを必須とせず、適切に記録する、責任の明確化ということが指摘されております。4点目としまして、測定を行う者がリスク低減措置を提案するように努めることとしてはどうかという御提案もあったところです。

 ということで、ざっと主なところを御説明申し上げました。以上です。

○明星座長 事務局にまとめていただいたまとめ方で、山室委員はいなかったですけれども、残りの方は出席されておりました。このようなまとめ方でよろしいかということで、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○橋本委員 5ページ目の上の四角の囲ったところで、「B測定のみ個人サンプラー測定に置きかえ」というところ、これは確認ですけれども、現行のAB測定の中のB測定だけを個人ばく露測定に置きかえて、それとは別途、個人サンプラーによる測定というものもまた選べると、こういう整理でよろしいですか。

○寺島室長補佐 そこはこれからの御議論だとは思いますが、全面的にAB測定をとりかえるという御議論と、それとは別に、B測定だけ個人サンプラーでとりかえれば大分問題点はクリアーになるのではないかという御意見、2つあると思いましたので、こう並べております。

○橋本委員 わかりました。では、まだそこのどちらかというところはこれからと考えておきます。

○寺島室長補佐 それも踏まえまして御議論いただければ。

○橋本委員 わかりました。

○中野委員 確認させていただきたいのですけれども、2ページの枠の中の上から2番目の「交代作業についても、それぞれの作業者のばく露が小さければ、第3管理区分であっても許容してよいのではないか」というのは、この資料2-2の3ページのCということの理解で。

 ちょっと記憶が定かでないのですけれども、この場合、一応8時間の個人ばく露濃度をはかって、問題ないことを確認するという議論があったかと思いますが、作業(8時間継続)のうち、個人は短時間だから大丈夫だけど、もしその短時間交代なく、継続したら問題になる職場を認めていいのかと個人的には思います。これがこれからの論点であればいいのですけれども。

○寺島室長補佐 はい、論点に挙げております。これは前回こういった御意見があったということで、羅列しております。

○明星座長 ほか、よろしいですか。

 どうぞ。

○小野委員 多分、そういう意見だとは思いますけれども、一番最初の囲みの中に、「作業環境の改善につながるものであり」、というのは、つながるような仕組みを作ってこそつながるということになると思うので、その形をきちんと作っていかないと、ただ濃度を減らす、個人サンプラーで測定した濃度を減らすという形に動くのではなくて、ちゃんとした環境改善をできるような形にしていかないといけない、というところが気になりました。

 あと、2番目は今の中野委員と同じですけれども、それぞれの作業者のというのがマキシマムと考えないと、1回しか入らない人が大丈夫だから、1回にすればいいといっても、急遽複数回入るというか、人がいなければそういうこともありますので、この辺の決め方が気になるというところはあります。

 あと、今さらですけれども、作業環境測定で、法で定めた以外の測定法を実施するときには、監督署に同等であることを届け出することで、違う方法で測定ができると思うのです。そういう法律に書いてない方法でやるときには。ですから、それよりもさらに大きな、個人サンプラーを導入するようなコンセプトが変わる状態のときに、同等か、それ以上の管理ができるという保証があるような形にしていかないと改悪につながるのではないかという、ちょっと危惧を持ちました。

 以上です。

○明星座長 山室委員は何もないですか。大丈夫ですか。

○山室委員 つまらないことで申しわけないですが、3ページに「溶接作業、研磨作業等の発散源に近接して行う作業では」と書いてございますが、こちらはもともと、特に溶接作業は法定の測定対象外で、これが書いてあるということは、これを法定の測定に持っていくというお考えがあるのか、もしくは、そういった作業が法定の測定対象になった場合はこの考え方を持ってやりますという、そのようなお考えでここのところはまとめられたということでよろしいでしょうか。

○奥村課長 おっしゃるとおりです。

○木口室長 粉じん則の場合には、溶接作業では必ずしも測定対象にはならないですが、特定化学物質として捉えたときに、ヒュームの発散状況を押さえる必要が出てくると思いますので、それも含めて考えていきたいと思っております。

○山室委員 わかりました。ありがとうございます。

○橋本委員 1つよろしいですか。

 3ページ目の下の四角の中の3番目ですけれども、個人サンプラーの測定を選択できる場合の基準が「B測定をすべき作業場であること」と。確かにこういう意見は出たのですけれども、この表現だと限定し過ぎている感じで、B測定をすべき作業場は個人サンプラーの測定が望まれるものでもちろんいいのですけれども、ただ、それ以外にもあるので、1日の例えば変動が大きいような作業場であれば、場の測定よりも個人サンプラー測定のほうが望ましいとか。あと、ごく一般的にもどちらを選んでもいいし、個人のばく露というものを評価するのはいつでも構わないわけで、ですから、ここは一つの基準としてこういう作業場がある、こういう趣旨だと思いますけれども。

○木口室長 これも、いろいろな御意見が出たことのおさらいとして紹介しておりますので、このほかにどういったものが個人サンプラー測定を選択できるかについては、次の資料も含めて議論は深めてまいりたいと思っております。

○橋本委員 わかりました。

○村田委員 確認ですが、ここにある四角の括弧は、これは意見が出たというだけで、ここの総意でないですね。

○土屋委員 そんな感じで聞こえますけれども。

○明星座長 総意という理解でまとめられて絞られていっていると思って議論したほうがいいのではないですか。

○村田委員 でも、一つ一つ合意はされてないですよ。

○寺島室長補佐 ええ。ぶつかっているものもありますので。羅列しています。

○村田委員 だから、あくまでこういう意見が出たというので、これを続きとして話をしましょうということでいいのですよね。

○寺島室長補佐 そうです。

○小野委員 それで、資料3-2になるのですね。

○村田委員 そう。それを踏まえて。いや、そのようにとっていたので。これをちゃんとフィックスしようという。

○土屋委員 この四角の中のものを確認するためには、四角の枠外にその当時の意見の例がある程度詳しく載っているので、そこを読めば、このようにまとめられたというのがわかりますよね。こういう意見があったから、囲い書きの中がこうまとまっているというのは理解していますが。

○木口室長 前回の議事録のおさらいと捉えていただければと思います。

○明星座長 これで決まっているという意味ではないけれども、ここから議論するという意味ではあると。

○土屋委員 1回目は自由に発言していたわけですから、いろんな意見が出たわけですね。それを寺島さんのところでまとめたものと思いますけれども、2回目に少し絞り込んであって、進展した意見が出て、少しスリムになったものができたということですよね。

○寺島室長補佐 はい。

○奥村課長 もし発言されたのが自分だなと思うのがあって、それが趣旨が違うということであれば訂正していただきたいと思います。大事なことが漏れているよというのであれば、反映いたします。

○明星座長 ほか、よろしいですか。

 では、引き続き進めてください。

○寺島室長補佐 それでは、資料3-2のほうに移らせていただきます。「前回までの議論を踏まえた今後の検討のポイント(案)」ということで、全部で9番までありますが、項目ごとに御議論いただければと思っております。

 1番、「低頻度、短時間作業、許容濃度を上回る高濃度発散の扱い」ということで、これは前回に引き続きということですが、1ポツ目、2ポツ目のところは前回の御意見を踏まえたことを書いてございます。個人サンプラーを用いた8時間測定の結果と短時間測定の結果(必要な場合のみ)ですが、こちらの両方が問題ない場合であれば、改善措置を要さない作業場として認めてよいのではないかということで、これはお手元の資料2-2にありますa、bのケースです。

 aのケースは、作業場自体はそれほど高濃度ではないのだけれども、突発的に高濃度の時間がある。bの場合は、作業場自体がずっと高濃度。いずれにしましても、a、bのケースについては認めてもよいのではないかということ。

 それから、2ポツ目ですが、一方、当該作業が継続しているにもかかわらず、労働者を短時間で交代させるというような場合、先ほども御意見あったところですが、これを人をかえることでクリアーしようとするのは不適当ではないかという部分です。こちらについては、認めてよいのではないかというものと、それから、きちんと最大のばく露値というものを考えるべきではないかという御意見があったと思います。

 次に太字で、1ポツ、2ポツとあり、これは事務局からの提案ということですが、「同じ作業が別の作業者により継続して行われる場合には、同等のばく露が継続するものとみなして8時間測定値を算出すべきではないか」。一方で、下のほうですが、「原則立入禁止となっている場所について、特定された者による特定の作業に限って一時的に立入作業が行われているケースに限り、当該作業の間だけ測定して評価し、それ以外の時間は評価対象としないこととしてはどうか」ということで立てております。

 それから3ポツ目ですけれども、「ばく露の回数が異なるなど、SEGの設定と代表者の選び方が重要なポイントとなる」ということで、このため、これも事務局からの提案ですが、「初めて個人サンプラーを用いた測定を行う場合、当該単位作業場で従事する全作業者を測定対象とするなどにより、適切な同一作業グループ(SEG)の設定、高濃度ばく露の見落としの防止を推奨してはどうか」。

 上記の全労働者を測定するということによりまして、労働者一人一人の測定結果が把握され教育的な効果も期待できるのではないかということで記載しております。

 以上です。

○明星座長 何か御意見ございますでしょうか。

○橋本委員 まず、資料2-2には1日の作業を6人で分けている図がありますけれども、現実的にこういうケースというのは余りないのではないかというのが1つ。それから、時間を調整してばく露を減らすということ自体は、理論的にはあり得ます。例えば放射線ではそのように考えることはよくあると思います。それから、騒音でもそういう例は聞いたことがあります。私、個人的には本質的な改善ではないので余り賛成はできかねるのですけれども、ただ、全く否定するというものではないかなと思います。

 それから、例えば1日、この6分の1の部分だけ、通常は作業するのだけれども、その回数がふえることがあるという場合は、8時間全部測定せよというよりも、例えば最大3回まで残業等々で入ることがあるのであれば、そういう最大のところを考えて評価しなさいと例えばガイドラインに書くということがまずあるべきで、とにかく測定しなさいというのはちょっと違和感のある考え方と思いました。

 それから、その後のほうの、最初に個人サンプラーを用いた測定をする場合は全員を対象というのもちょっと話が飛躍し過ぎのような気がします。事前調査でどういう作業をしているか、先ほどの、最大3回まで入るとか、そういうことをよく調べれば、悪いほうのケースも把握できますので、そういうところも注意して評価するという指導がまず大事と考えます。

 以上です。

○明星座長 ほか。

○土屋委員 橋本先生のおっしゃった内容に納得できるところもありますけれども、私はむしろ、御提案いただいた内容のほうが必要な対応かなあと感じています。それは、実際に日本で個人ばく露測定を熟知している人がまだ十分育成されてないということになってくると、ある一定の期間、このように見落とし防止を推奨してはどうかということは必要ではないのかなと感じます。

○明星座長 全員という意味で。

○土屋委員 そうですね。単位作業場所について恣意を入れずにデザインすべき測定士が、とんでもないデザインをしていた時期を乗り越えて、今ようやく安定して経験を積んだ測定ができるようになってきています。これはかれこれ40年ぐらいかかっているのですけれども、個人ばく露の測定のSEGを立てるというのも、やはり経験を積まないと、事業場の衛生管理者にしても、たとえ自社の測定士にしても、ある程度場数を踏んだほうがやはり力はつくと思うのですね。御経験のある方だったらある程度頭で整理してできるかもしれないけれども、いきなり制度を決めてしまって、実力が伴ってないのに、文字だけ読んだ人が「それに倣って測定したからこれが正しい評価なのだ」と言うとするとちょっとリスクが大きいかなと感じます。

 そういう意味で、橋本先生おっしゃった内容は、橋本先生は少し危惧されていますけれども、私は、これはどちらかというと賛成の側に立ってしまいますが。

 以上です。

○明星座長 どうぞ。

○寺島室長補佐 きょう御欠席の藤間委員から全ての項目について御意見をいただいておりますので、適宜御紹介させていただきます。

 今、御議論いただいている1番のところですが、資料2-2の3ページのCのケースでは、個人ばく露の趣旨からして、同等ばく露の継続と取る必要はない。SEGの細分化は致し方ないが、一方で、測定対象の増加により、初回といえども事業者に過大な負担を強いないように、補間による推察も容認すべきである。この点はガイドラインなどで提示できるとよい。労働者一人一人の測定結果の把握は理想であるが、義務とするには過大である、という御意見をいただいております。

○土屋委員 総合すると反対ということですか。

○明星座長 全部やったら大変ですよ。

○寺島室長補佐 推奨としてはよいけれども、義務としてはちょっと大変だと。

○橋本委員 産業界に過大な負担を強いるというところが大変懸念されると思います。もちろん、だからといって見逃していいというわけではないのですが、比較的良い作業場というのも今ふえているのは確かだと思うので、そこに10人、20人作業者がいて、全員測定、これは余りに過大だと思います。

○山室委員 今の部分ですが、測定機関が測定すると、その事業場の実情というのはなかなか十分理解できないですね。事前調査を緻密にやったとしてもやはり漏れができてしまうので、そういったところは自社の測定士にデザインをやっていただくというのが、人数を減らしてSEGを設定するという場合には必要なことではないかなと思います。外部に頼むのであれば、全員はかって、その結果に基づいてSEGを設定するというのはいいかと思いますけれども、そうでないとちょっと難しいのではないかと思います。

○明星座長 はかる機関によって。

○山室委員 そうですね。外部に頼むであれば、やはり1回は全部はからないと多分わからない、把握できないのではないかと思います。

○小野委員 私は、どちらかというと土屋委員、山室委員に近い側で、先ほども申し上げましたけれども、要するに違う方法を導入するときに、ある程度同じような結果が出るのが正しいかどうかというのは別としまして、ちゃんとそこの環境を評価して改善につなげていくために全数のサンプリングが必要であれば、やはりしなくてはいけないとは思います。

 ただ、その一方で、全員測るとなるとものすごい金額になりますし、逆に数字が多過ぎて評価ができなくなってしまうということもありますので、どうすればそのSEGを見つけていけるだけの測定士なり、測定士でなくてもいい、現場の職長さんとかでもいいですけれども、そういうことを理解する人を育てながら、このシステムを現実のものに持っていく、何かちょっと試行期間というか、助走の期間が必要かもしれないと思います。全数測定ができないとすれば、そういうのが必要かと思います。

○明星座長 ありがとうございます。自分の個人的経験で言うと、全作業者が全社員ではないという。そのことを、あれはうちの社員ではありませんということをよく言われるので、そこに逃げ込まれないような方向でないと。

○木口室長 関連会社の方とか外部の方が一緒に作業されていると。

○明星座長 大体、あの人をはかりたいというと、あれはうちの社員ではありませんというのが。

○土屋委員 ただ、単位作業場所の設定の仕方にもあるのですけれども、今の作業環境測定というのは。100メートル×100メートルの工場を単位作業場所にしてないですよね。まず、そんな把握できませんから。そうすると、層別サンプリングが基本なので、広いとしても20メートル×20メートルぐらいのところで、そこに100人も人がいるかというと、通常はいないのですよ。で、10人とか。今は自動化も進んでいるし、ラインでみんなが分刻みで仕事しているような現場もまずほとんどないですし、余りその事業主に負担がかかるということは考えにくいかと思うのですね。層別サンプリングの中の対象者の作業者というのは、実際、作業環境測定士が、あの人、どんな仕事しているのだろうかと、1時間ちょっとそこにいて、ほとんどそこで目視できて把握できるだけの数なので、そんなに1単位作業場所で30人も40人もいないかと思うのですね。山室さん、どうですか。そんなにいないでしょう。

○山室委員 いないですね。

○土屋委員 せめて5人とか6人ですよね。単位作業場所の設定の仕方を測定機関の人がいいかげんにやっていれば人数がふえてしまうのですよ。1つにしたい、料金も安くしたいとなるとそうなってしまいます。本当の意味で層別サンプリングとなると、洗浄工程から下塗り、上塗り塗装、さらにタッチアップと層別化していくので、そうすると従事する人というのはそんなに多くないですよね。そこでSEGを立てると言っているので、もともと3人しかいないのに、3人やってもらって別に構わないと思いますし、ある程度、先ほどどなたかおっしゃいましたけれども、勘案して、そんなに人数が多くなるのであれば事前の調査をして人数を減らしてもいいという方法はあってもいいかと思います。小野さんもおっしゃいましたけれども、まず未熟ですよ。日本でこれを導入するに当たって。やはり何か間違いが起きないためには、ある程度、一定の期間、訓練が時期的にはあっていいのかなという気はします。

 実際、私は測定士を始めたときに、半年間、自分で報告書が書けなかったです。書かせてもらえなかったです。いいかげんな報告書が出ていっては困るからということで。半年ぐらいたちますとそこそこ現場を見る力が出てきて、ようやく自分のデザインができるのですね。それまでは、先輩がやったデザインでないと測定できないのですよ。

 そういう形で私たちは技術を伝承してきました。多分この個人ばく露測定のサンプリングも、層別化するためには誰と誰を選ぶかとか、どの作業とどの作業を区別するかというのは、衛生管理者が本当にできるかというと、未熟な衛生管理者の方もいらっしゃるし、任されたら責任が負えないと思われる方もいるかもしれない。前からお話ししていますけれども、この部分は測定法と、それから定量下限値とばく露濃度の重要性を十分理解した人でないとできないと思うのですよ。正しい測定の方向性、示せないと思うのですね。

 そうなってくると、一番大事な第3管理区分の場所を、65条の作業環境測定というのは層別サンプリングで設備改善等が大前提であるわけですから、それができないような、ただ単に濃度が低くなればオーケー、第一だと言ってしまうような短絡的な結果にならないように、少し対策案をつくっておくべきではないかと思うのです。そういう意味で、繰り返しですけれども、今回事務局のほうから御提案のあった、「しばらくは見落とし防止の推奨をしてはどうか」というのには大賛成ということなのですね。そんなに単純な意味で言ってないです。もちろん、事業場に過大な負担がかかるということはわかっていますけれども、一定期間という条件づけで、例えば初回とか、そういう形でないと、測定士も自信持ってできないと思いますけれどもね。

○明星座長 そうですね。

○村田委員 そのとおりだと思いますし、僕の経験だと、全員測ったとしても、(濃度が)毎回同じとは限らない。時間変動とか、日がかわればまた変わっていく。濃度が高いときに特にそういう傾向があるのではないか。濃度が低ければそんなに変わらない。だから、やはりそういうことを考えても、最初はまず、初回だけでも全員測る方がいいし、それでも本当は不安なような気がしますね。個人ばく露の場合には。だから、全て押さえる。それは大それたことかもしれないですけれども、難しいのでしたら、今、濃度が高い低いと言いましたけれども、例えば濃度が低い現場だったらそんなに大げさに考えなくてもいいと思いますけれども、濃度、レベルの高いようなところではやはり慎重にしてもらう。それは初回だけでいいかどうかも含めて考えたほうがいいように思います。

○明星座長 ごもっともだと思います。

○橋本委員 これはサンプルの数の問題かもしれないですけれども、例えば初回を慎重にやるのであれば、その職場に働いている人に対して、例えば3割とかある一定程度のサンプル数を決めて、これぐらいは最低測ってくださいというようなことはあると思います。全員はやはり余りに過大だと思います。今でも、作業場で合計何百人と作業しているといった事業場は幾らでもあると思います。それから、最初のうちは測定者が慣れないというのは話のとおりなので、それは、講習とか、実例を含めたトレーニングで十分指導していくということは改めて大事だと思います。

○明星座長 でも、これは導入したときの最初にどうするかということなので、この議論はこのぐらいで。

○橋本委員 あともう一つ、作業環境測定の場合では、1日8時間の中のある場面で約1時間測定するというのが実情なわけです。その1日の中の変動というのはなかなか把握できてないし、その1日の変動を全部見て、その中の一番高そうなところを単位作業場所として選んで測定すればいいのですが、なかなか事実上そうできてないと思います。

 そのように、今のAB測定でもなかなか十分にできていないことを、個人サンプラー測定となると、そこを完璧に近いものを目指そうとすることはないか、今のこの議論はそういう意味で過大な期待や要求をし過ぎと思います。

○寺島室長補佐 先生方にお伺いしたいのですが、今、過去の調査とか産衛のガイドラインにSEGの単位の大体の構成人数というのが3.5人とか、あるいは4人弱のところが多いと出てきていて、また、1回目の資料のところで、作業者が10人を超えているSEGの数が3グループ、6.5%で、5人を超えているところが9グループ、19.6%、大体2割となっているので、大方の作業場では5人より少ない。このため、そういうところでは全員というようなことが取り組みやすいと思いますけれども、例えばどんな人数であっても全員にするのかとか、そのあたりはいかがでしょう。例えば10人を超えるSEGの数が、、6.5%と、この委託調査の範囲ですけれども、そのようになっているわけですが、例えば10人とか20人とか超えてきた場合は全員というのは現実的でないかなあとか、そのようなところの御意見は。

○土屋委員 ないわけではないです。例えば接着工程を1ラインに3カ所ぐらい持っていて、その製品のロットごとに、1工場のフロアが広いところで8列あったりして、それが常時朝から晩までラインが継続して流れていて、定期的に接着工程があり、なおかつ、接着したものがコンベアで流れていってしまうと、その風下の人たちはばく露がないわけではない。時々、ハンダ作業したり、組み付けしたり、最後、検査があったりとかするけれども、その大きな工場全体は一つの単位作業場所で作業環境測定をやるということはないわけではないです。

 そうすると、そこの部屋に、そこの工場というか、そのエリアの中に、では何人の人がいるかというと50人とか60人とかいうことにはなりますよね。衛生基準で、労働者1人当たり気積は10㎥の規制がありますから、狭い部屋で何百人も入れて仕事はできないはずなので、そういう意味では、そこそこ2桁いらっしゃる事業場はないわけではないですね。ただ、我々が作業環境測定やるときはやはりラインごとなのです。使っている溶剤の含有率が違っていたり、製品の塗布面積も違ったりします。ライン一つ一つ動いているときに測定します。それで、伺ったときに1ラインと2ラインが動いているけれども、きょう、3ライン動かないよとなると、3ライン動いているときにまた伺うという格好ですかね。そのようにしないと、実際、層別サンプリングは生きたものにならないわけですから、おっしゃるように、労働者はたくさんいるのですけれども、単位作業場所に何百人ということはまずないです。もしやっているとしたら、それは層別サンプリングをやってないと私は思います。そんなに一つの作業で何百人もいるようなところはないのではないですか。大型のタンカーかなんかで塗装をやっていたりすると何百人もいますかね。ないですよね。

○橋本委員 それはないと思います。

○土屋委員 そうすると、そこにも報告があるみたいに、やはり10人前後。それは多大な、企業さんに負担になるというのであれば、そのせめて半分とかね。3割はちょっと少ないのかなという気もしますけれども、そういうルールにしていただければ、私は、見落としの防止というのは不可欠な配慮ではないかなと、あえて、3回目ですけれども、意見は言わせていただきたいと思いますが。

 あと別の質問ですけれども、個人サンプラーを用いたときの8時間のばく露濃度結果と短時間の濃度結果に問題なければ改善措置を要しないというのは、今のAB測定の結果にかかわらず、よしにしてしまうという意味ですか。

○小野委員 第3区分でも気にしなくていいと、どこかに。

○土屋委員 そういうことですよね。そこが余り議論されてないような。

○奥村課長 現行の測定方法を当てはめると第3管理区分になってしまうもので、それがB測定の結果だけにかかっているもの。

○土屋委員 そうですよね。それは、みんな、本当に大丈夫ですか。

○奥村課長 それが天井値に至らない、天井値がないとかいったことですけれども。

○土屋委員 もちろん、天井値あってはまずいですよね。

○明星座長 もう一つは、土屋委員が言われた中で、その人数の話と単位作業場所の話は切り離されるともっと大きな人数を見る可能性はやはりあるのではないかな。これは作業環境測定、A測定、B測定は単位作業場所というのが一つのくくりの枠があるけれども、今のこの段でいくと、複数の場所を移るとしてもそれはそれでありなので、だって、8時間じっといるわけでない人が多いからと言うと、人数は5人でおさまるかどうかはわからない。

○土屋委員 そうなるとわからないですね。

○小野委員 あと、その作業に関わらなくてばく露している人も入ってくるわけですね。1日8時間はかるということは。

○明星座長 だから、層別化サンプリングというお話で言うと、そこにいる人は、現状は二次的だけれども、今度はかるのはその人なので、その人数は社員とか、そういうレベルになってくると、それを全部つけるとなると結構な人数にはなる。

○村田委員 だけど、SEGの人数ですよね。同一作業グループの人数の話。

○明星座長 SEGを切るとしても、その最初の。

○村田委員 それでは、それなりの人数になる可能性ありますね。

○明星座長 ただ、現状、単位作業場所にいる人は確かに1人2人3人ぐらいだとは思います。だから、確かに全部つけると言われると困るかもしれない。

 これは少し先の議論のような気がしますが、次へ行きませんか。2番。

○寺島室長補佐 はい。それでは、2番の「短時間測定のあり方」についてです。現行の作業環境測定にかえて個人サンプラーを用いた場合どうあるべきかということですが、17ページの別紙1、ポンチ絵のほうをごらんいただけますでしょうか。

 こちらは短時間高濃度発散作業を念頭としまして、短時間測定を義務とするべきか、行うべきかどうか。それから、その際の評価基準をどうすべきかということについて御議論いただきたいということで準備したものです。

 背景としましては、B測定の際の評価基準が、下の表にあるように、管理濃度の1.5倍になっておりますが、これは1980年の調査研究によりまして、TWAの分布が大体1.5倍のところにあるだろうということで、1.5倍となっております。今回は、天井値(C)などばく露限界値がありますので、こちらについてどう評価するべきかということであります。

 下の表にありますのは、STEL、C値を、短時間ばく露限界値とまとめて言いますが、短時間ばく露限界値が示されている物質と示されていない物質とでどのようにあり方を考えていくかということで整理したものですけれども、現行は、「現行の作業環境測定」という行をごらんいただきますと、短時間ばく露限界値があるなしにかかわらず、「10分間のB測定が必要」となっておりまして、その評価基準としては管理濃度の1.5倍と物質一律で決まっているところです。

 一方で、前回の御議論を踏まえまして、個人サンプラーによる短時間測定のあり方としまして短時間ばく露限界値が示されているのであれば、測定を義務とすべきではないか、それから、評価基準はSTELとC値ということでよいかどうかという、まずそういった御確認の論点があると思います。

 それに対しまして短時間ばく露限界値が示されていないものについては、これをどのように考えるべきかというところで、右側の下のほうにありますが、測定をそもそもすべきかどうか、勧奨すべきかどうか。それから、測定基準として、STEL、C値がないわけですので、1.5倍とB測定のところをとるか、あるいは3倍値とすべきかということです。

 こちら、ごらんいただきますとわかりますように、仮に短時間測定のほうの評価値をSTEL、C値ということで置いた場合には、現行のB測定の評価値にも当然及んでくる話なので、その部分をどうするか。STELとかC値がない場合に測定をすべきかどうかということについても、現行のB測定はそういうものがあるとなしとにかかわらず測定が必要となっていますので、その部分、見直すとなった場合には、当然、B測定のほうにはねてきますので、この部分を義務とすべきか勧奨とすべきかというところについてもあわせて御検討いただければということでございます。

 そして、先ほどの続きですけれども、13ページの2の下のポツですが、現行のB測定は、個人サンプラーを置きかえて使うことを可能としてはどうかということで、これも再掲しております。あわせて御検討いただければと思います。

 以上です。

○村田委員 別紙1の、まず義務とするべきか勧奨とするべきかということですけれども、今のB測定は義務ではないのではないでしょうか。どう決められていましたか。

○寺島室長補佐 ここは一応短時間高濃度作業、あるいはその発散源に近づいて行う作業があるものと前提して、それを行うべきかどうか。この場合、今は、B測定は義務という位置づけです。

○明星座長 ほか、よろしいでしょうか。

○小野委員 STELの値とかが出ている表、一覧ですけれども、読むと、与えられているものというのはほとんどガス状、あるいは有機溶剤が中心になるのですか。

○寺島室長補佐 31ページから以降です。

○小野委員 そうですね。313334までですかね。それはほとんどがガス状物質とか有機化合物が中心で、STELがないものは測らないというと、粉じんは測らなくていいよという。金属とかそういうものは、近接場で測らなくていいよというところになる可能性があるのを危惧します。有機溶剤なんかの場合にはSTELのほうが大体値が高いのですが、実は金属やなんかで設定されているものは、そのほうが値が低いか同等ぐらいということで、余り差が無いようです。クロム酸、クロム酸塩のところは括弧づきなので、中身がちょっとはっきりしないのですけれども。

○寺島室長補佐 済みません。括弧つきは見直し提案中のものを入れています。

○小野委員 そういう形で、数字がないのは毒でないのではなくて、研究が少ないのでそういう数値がないという可能性があるので、STELがないものは測らないというふうにするのは危険ではないかと思います。

○明星座長 最初に1.5になったときにいたわけではないのでよくわかりませんけれども、一つの数字として1.5に決めたとは思います。特に毒性上どうこうということではないとは思いますけれども、一方で、3倍という値も結構見ますし、まあまあ、何か設定しないとできないというところはあるかなあと思います。やらないというのは、データがないからしないというのはリスクアセス的な考え方ではないから。

○橋本委員 私もB測定にならって測定するということでいいと思います。

 あと、この基準濃度をどうするかという話の前に1つ考えるべきなのが、今のB測定は、複数回数同じところで測った場合、その最大値を取ります。最大値を取って、それと基準値の1.5倍とを比較する。前回私が提案した産衛学会のガイドラインでは、短時間測定の場合も、8時間と同じように考えて、例えば同じ場所で3点測ったとすると、その平均値と95%値を求めます。ただ、サンプル数が少ないと計算が難しいので、平均値の3倍を95%値とみなして、その2つの数字で評価するという考え方を申し上げました。まずここをどうするかという問題があると思います。

 私は産衛学会のような考え方のほうがいいと思います。それはなぜかというと、最大値を取るというと、点数を測れば測るほど、悪い結果が出やすいので、事業主にとってメリットがない。欧米でも、例えばアメリカの法律は労働者のばく露を基準値以下にしなさいという決め方をしているので、1点測定でもいいのです。この労働者のばく露が最大と推定して1点測ったと主張すれば、その1点が基準値より下ならばそれでオーケーなのです。実際、1点だけ測って済ましているというところが、特に中小企業では結構あると聞いています。

 ですから、そういうインセンティブという意味で、やはりここぞという作業は複数点測ってしっかり評価したほうが良く、その時複数測ったら、例えば平均値はもっと下がるかもしれないし、どちらにしてもより正しい状況がわかる。そういう意味で、前回ご提案した産衛学会のような評価としたほうがいいと思います。

○木口室長 測定基準では、濃度が最も高くなると思われる時間と場所で測るとなっているので、一番高いところを採用しているのではないかと思います。個人サンプラーのSTELの場合は、8時間測定を行った全員分のデータがとれるので、統計的な処理も可能かと思いますが、B測定の評価とは性質が違うのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○橋本委員 この前も、B測定の値がA測定の値より低いということが3割ぐらいあるとかいう話がありまして、最大値というのはなかなかわかりにくい。この短時間測定、例えば15分測定にしても、それがどれぐらい妥当かというのも実は疑問のところもありますので、そうすると、複数点測ったら平均値を見るという考え方のほうがいいと思います。

○明星座長 この部分は現行のA測定、B測定のどうするかという部分であるので、この全体の中では端っこかなあというところもあります。現状がいいとは決して思ってはいないのですけれども、どう評価するか。ただ、1.5を3にしたりしたら現状は随分変わってしまうかもしれないので、ちょっと考えましょう。

○橋本委員 ただ、個人サンプラー測定は、場の測定のB測定よりも厳しく見ているとは思います。特に近接作業の場合に発散源により近いという意味で。それなので、3倍というのもあながちおかしいことはないと思います。

○奥村課長 個人サンプラーのこの議論で3倍になったとして、作業環境測定の今までのB測定の係数も3になるかというと、それは簡単にはそうはならないと思います。また別の議論が必要で。

○橋本委員 それはわかります。ただ、ここで議論している短時間測定は、今のB測定を個人サンプラー測定に置きかえた場合にどうするかということだけですか。そうでなくて、そもそも個人サンプラー測定の8時間と短時間測定を導入するのだが、その短時間測定もどう考えましょうかと、そこも入っていますか。

○奥村課長 はい。事務局としては、やはりエビデンスというか、事業主に負担を求めるエビデンスないものをどう扱うかというようなのが一番の。

○橋本委員 エビデンスといいますと。

○奥村課長 STELがないものについて。

○明星座長 えいやっと3倍にしていいのかということですね。

○奥村課長 そうですね。それも罰則つきの義務にするのかというところはどうかなと。

○土屋委員 もともとSTELって短時間ばく露限界値なのだけど、その値は1日の間に4回以上あってはならないとか、ほかの定義もありますね。それをこのまま当てはめてしまうとちょっと変なことになりますよね。本来の趣旨から。

○橋本委員 私はアメリカの実情はいろいろ聞いたのですが、1日4回までという定義はありますが、余り使われてないと聞いています。

○土屋委員 何で使われてないのですか。

○橋本委員 ちょっとそこはわかりません。

○土屋委員 測るのが大変だからですね。

○橋本委員 ただ、1日4回もそういうばく露があったら、8時間値にならして、どうなのかを考えます。

○土屋委員 そうですよね。ここって、今のB測定の良し悪しをすごく批判するような傾向になってしまいそうで、そこまでいじってしまうと大きな問題になって、個人サンプラーをそのまま10分間のサンプリングでより実情に合った最大ばく露濃度をはかる方法でということでいくほうがいいような気がします。そこまで個人サンプラーの8時間ばく露限界値と短時間ばく露限界値の、本当にそのばく露限界値の観点から場の管理をしようとなってくると、今までのAB測定との対比が大きな問題になりますよね。

○明星座長 切り分けたほうがいいということですか。

○土屋委員 そう。私はそんな気がしますね。

○橋本委員 それは従来のAB測定のBのところを個人サンプラーで置きかえるのはやめたほうがいいという意味ですか。

○土屋委員 その反対で、それぐらいしかできないでしょうという意味です。個人サンプラーを使って10分間の最大ばく露濃度をはかっていくということですよね。今、普通の人は測定士が測定器を持っているわけですね。作業者の口元をずっとはかっているわけではないのですよ。その人から30センチとか50センチぐらい離れたところで、それでよしとしているわけです。ある意味、15分間とか10分間の最大ばく露ははかってないのですよ。低目になってしまうのです。それは個人サンプラーを使ってもらえば、この辺に吸い込み口ができるから、より最大ばく露濃度の評価ができるから、私はそういう意味で個人サンプラーの採用は賛成していたのです。けれども、評価の段階になってくるとなかなか難しいですね。おまけに、AB測定か個人ばく露濃度か、自由に選択する方法も提案されていますが、誰がそれをそこまで責任持って判定できるのと疑問です。STELの問題について、本当に測定士がわかるのですかね。

○小野委員 B測定のかわりに個人サンプラーを使って、倍数が1.5だったらば、正確にB測定で厳しくできる。大体の場合はB測定になるものを下げれば、多分、ばく露全体も下がるはずですよね。今そこが見つからないから、対策がとれてないということがもしあるとすれば、個人サンプラーで1.5倍でやると、一瞬皆さんのところが厳しくなって、それの対策をとって。

○土屋委員 まさに場の管理につながるという。

○小野委員 つながるかもしれない、イメージで、私は個人サンプラーを使ったらどうでしょうと申し上げました。

○橋本委員 今の御意見は、8時間測定の個人サンプラー測定をやらないという意味ですか。

○小野委員 いいえ、そうではないです。あくまでもB測定です。

○橋本委員 B測定をどうするかですね。

○小野委員 はい。

○山室委員 B測定を個人サンプラーでやるという話ですが、今の作業環境測定基準の中でも、別に個人サンプラーを使ってはいけないとは書いていない。現状でもやっておられるところもあると聞いていますし、だから、全然問題ないと思うのですね。ですから、解説として個人サンプラーを使ったほうがより正確にはかれますよというアナウンスを流してあげるだけでも大分、問題になっていたB測定の値が、個人サンプラーに比べて低いというところはもうすぐにでも解決されるかなと思います。

○明星座長 ありがとうございます。

○橋本委員 確かに、今まで作業環境測定士の方もそういうことはよく言われていて、ある方はC測定という言い方もしていました。ただ、実際はなかなかやられてはないように思います。

○土屋委員 山室さんがおっしゃったのは、サンプリングのポンプが非常にいいものができていて、簡単に取り付けして、ばく露濃度測定と同じような測定ができるようになったからです。一昔前は、気密ボックスみたいなものを装着しないとできなかった。そういう時代の流れがあるので、そういう意味では、今、やろうと思えば、より正しい測定が必要だという測定機関であればやっているはずですよね。でも、その議論とこの議論はまたちょっと違っていて。

○橋本委員 あと、別途個人サンプラー測定で8時間の測定と、それから短時間の測定というものも考えますか。

○奥村課長 別途というか、それがこのテーマですので。

○小野委員 例えば1日1回のピークしかない。そのときにその時間だけ測って、それを8時間にならしていいかどうかという議論ですね。

○木口室長 例えばaのケースです。原料投入のところだけ、ばっと出て、あとは出てない。

○寺島室長補佐 藤間委員からの意見を御紹介します。2の「短時間測定のあり方」についてですが、短時間高濃度発散作業でSTELのない物質については、評価の方法がないが、その点は、現在の作業環境測定でも測定できていないのだから、同じことである。個人ばく露測定により許容濃度、TLV-TWAのみで評価せざるを得ない、ということです。

○小野委員 要するに、割り算して、TLVで、TWAで評価するしかないだろうというのが藤間さんの御意見ということですね。それとも、その瞬間の濃度をそのまま比較するということですか。1倍のままで。

○寺島室長補佐 そうですね。個人ばく露測定により許容濃度TLV-TWAのみで評価せざるを得ないということなので。

○奥村課長 8時間換算で。TWAと言っていますね。

○橋本委員 ということは、短時間の評価はできないという意味でしょうか。

○寺島室長補佐 前段のところは、STELのない物質について評価の方法がないが、その点は、現在も測定できてないのだから同じと。文脈からすれば、STELがない物質は評価の対象がないけれども、現在のB測定でも、評価の対象のないものを測定させているのだから同じでしょと言っている、そういう意味に思ったのですけれども。

○土屋委員 そんなに悩むことないですねと。

○寺島室長補佐 済みません。私の誤解があるかもしれませんが。

○明星座長 産衛のガイドラインの場合は、基本、3倍でいいですか。

○橋本委員 そうですね。

○土屋委員 3倍と読んだとき、すごいいいなと思ったのですよ。印象としては。何か根拠あるのですか。

○橋本委員 このSTELと8時間値の比、これはいろいろたくさん集めると2.5倍ぐらいが平均かなということと、あとは、1日8時間のばく露があるバラツキで変動するとして、その変動の上側95%のところは約3倍になっているから、そこを見ておきましょうという考えでした。

○奥村課長 1980年当時、1.5倍という係数の元も、同じように分布から1.5倍ということですので、同じ手法ですよね。

○明星座長 2の1番目と2番目は少し違う話ではありますよね。

○橋本委員 ただ、B測定、個人サンプラーで10分測ったときにSTELを使うとすると、それは15分値に換算しないといけませんね。換算するとやや難しくなります。同じ作業が15分続く場合に、そこの10分だけ測ったのだったら、15分間は同じ濃度としていいわけですが、もし10分で作業が終わってしまうのだったら換算しないといけない。ちょっと複雑にはなりますね。本当は15分測ると決めればすっきりします。

○寺島室長補佐 今ご質問のあった3倍の根拠は、お手元の資料の個人ばく露測定の産衛学会のガイドラインの中の、6番の文献のA49ページの補足資料16TLVSTELがない場合の短時間の考え方というところにまとめていただいているものではないかと思います。

○橋本委員 そうですね。そのとおりです。

○小野委員 有機溶剤の、と断っていますね。

○橋本委員 これはそういうデータがあったということです。だから、本来のSTELの急性影響があるという意味でなくて、一日にその変動をどこまで最大許したらいいのか、5倍なのか10倍なのか。そういう中で典型的な変動を見て、3倍としたということです。健康影響がどうということでは必ずしもない。

○明星座長 ほかによろしいですか。

 では、次に進ませていただきます。

○寺島室長補佐 資料3-2の3番、「極めて低濃度で管理される物質に係る測定のあり方」ということで、こちらは事務局からの新しいポイントの提案ということでお願いしたいというところです。「ベリリウム、インジウム等極めて低濃度で管理すべき物質については、現行の作業環境測定と個人サンプラーによる測定はどのようにあるべきか」ということで、ベリリウムについては、管理濃度が1μgです。インジウムについては、管理濃度はありません。通達に目標濃度が0.01mgになっています。一方、ベリリウムのTLV0.05μ、インジウムのマスクの選定基準にありますばく露限界値ですが、0.3μということで非常に低くなっておりますが、こういったものの個人サンプラーによる測定を行うとした場合、何か留意すべき点があるかということでのお尋ねです。

 以上です。

 先に、藤間委員の御意見を御紹介してよろしいでしょうか。

○明星座長 どうぞ。

○寺島室長補佐 3番ですが、低濃度で管理すべき物質についても、技術的に可能であれば個人サンプラーによる測定を採用すべきである、という御意見をいただいております。

○奥村課長 この提案は、事務局から解説しますと、このような低濃度で管理するものは、作業環境測定は余り向いておらず、個人ばく露で健康管理すべきというのがこれまでのいろいろな研究機関での研究結果でございまして、まさにこういったところでは個人サンプラーによる測定が必要ではないかというのが事務局の本来の気持ちではあります。

○明星座長 それは基本的には健康管理の面からという意味で。

○奥村課長 そうですね。極めて低濃度になると作業環境管理というのがなかなか測定とかが追いつかないと、技術に追いつかないということがあります。

○小野委員 今のベリリウムのほうについては、私たち、現場を見たことがありますけれども、発生源の近くでA測定をするスペースがないと、少し離れたところで、いわゆるA測定の基準に従った測定をするというふうに動いてしまうのです。そうすると感度が足りない状態になってきますので、一見、濃度がないようになってしまうので、評価が難しくて、作業者の方に無理を言ってサンプラーをつけていただくと結構な濃度が出てくるということがあります。ほんのちょっとした距離の違いだけで粉じんとか金属は濃度が違ってしまいますので、そういう低濃度で管理しなければいけないときにはやはり個人サンプラーを推奨せざるを得ないかなと思ったのですけれども、中野先生はインジウムをおやりになっていますよね。

○中野委員 6時間ぐらいではかっているのですけれども、そのときは十分個人ばく露濃度という形で計算できています。長時間ならいいかと思いますけれども、短時間、15分となると、その時間で吸引できるのかが気になります。短時間ではかったことはなく、リアルタイムのモニタリングを一緒に伴走させて、それを見て、研磨作業で上がるというイメージはできます。短時間は解りませんが、長時間は可能だと思います。

○明星座長 ほか、何か御意見。

○橋本委員 ベリリウムも数時間の測定なら、検出限度から見て可能なのですか。

○小野委員 ベリリウムの場合、作業にもよりますけれども、短時間でできる。短時間といっても、作業継続が大体30分から1時間はある作業でしたので、その間つけていただいていれば十分はかれる。あと、全体的に動き回る人につけた場合も、濃度が低くても、1日つけていただいていれば十分はかれるという状態でした。

○橋本委員 そうしますと測れるということで、個人サンプラー測定可能ということでいいのではないでしょうか。

○明星座長 ほか、よろしいですか。

 では、次に行きましょう。

○寺島室長補佐 それでは、14ページの4の「評価基準と管理濃度との関係」ですが、御意見としては、両者を違うものとして定めることが適当ではないかと。お諮りしたいのは、この「評価基準濃度(仮)」ではどうかということですが、制度や仕組みをつくっていく場合に何か名前が必要だと行政で思っておりまして、こんなものはどうかということでございます。

○土屋委員 いいと思います。「評価基準濃度」という言葉はどこにも使われてないですよね。

○寺島室長補佐 そうですね。

○土屋委員 造語ですよね。

○橋本委員 「基準濃度」ではいかがですか。既にあるのでしょうか。

○奥村課長 例えば水道の水質基準濃度みたいな、そういう一般的な表現ですよね。

○土屋委員 一般的な表現はありますね。

○村田委員 これは、決め方としてはどのように決めるというのはとりあえず置いておいて、名前だけ先に決めるということですか。

○木口室長 管理濃度とは別にしなければいけないだろうなという。

○奥村課長 「ばく露」という言葉も使わないほうがいいだろうと思いました。

○村田委員 「許容濃度」を使うというのもまずいということですね。

○土屋委員 許容濃度と同じになるかどうかもわからないし。

○村田委員 まあ決めるのですよね。

○奥村課長 今決めていただかなくても。趣旨は変えて、方向性だけ。

○土屋委員 どこかの委員会で、目標濃度とか、突然つくりましたよね。あのときも、管理濃度の10分の1まで十分測定できないので、目標濃度みたいな表現でしたよね。それとはダブってないし、いいのではないですか。使ってない言葉が並んでいるから。

○奥村課長 名は体をあらわすで、作業環境測定のための評価値なので、「ばく露」という言葉はどうしてもおかしいと思いました。「管理」という言葉が入ると、今までの管理濃度とどこが違うのだという話になりますし、ちょっとその辺ですね。

○明星座長 現状の管理濃度というのは作業環境評価基準のためにあるでしょう。評価基準濃度ということは、測定基準と評価基準がないと作業環境測定のものにはならないわけだから、何か評価基準はつくらなければいけないわけね。それに付随するものとしての現状は管理濃度があるわけだけど、それ以外に別の濃度があるという。だから、名前のつけ方としてはわからないけれども、評価基準がなければいけないわけだよね。何か随分先の話ですね。

○寺島室長補佐 そうですね。

○村田委員 だから、僕の受け取り方は、管理濃度と違うものを決めたいという趣旨にとりましたけれども。ばく露ではないというふうに。でも、今回は個人ばく露濃度を測定するわけですよね。

○奥村課長 このABCのCがちょっとわかりやすいと思いますけれども、資料2-2の3ページですね。これは、はかっているのはばく露濃度なのですね。これをはかるとすると個人ばく露濃度をはかっていると。法律によって。それは安衛法による作業環境の測定という条文とはちょっと違ってくるのではないかと。法律の言葉遊び的なところがあるかもしれませんけれども。ですから、Cで、この図では6人ですけれども、6人の何をはかっているかというと個人ばく露濃度をはかっていると思いますね。でも、安衛法で求めているのは作業環境の測定であって、それは法律の趣旨と違う。ですから、Cがはかるべきはその場の濃度であって、そういった意味でも、この言葉は。

○村田委員 (その状況は)ばく露濃度測定を6回やっただけであって、それがたまたま同じ部屋だった(ということだ)と思います。今までは作業環境測定があったからばく露という名前を避けて、屋外作業場等の作業環境管理ガイドラインとかでもそうだったわけですが、今回(の検討会の議論で)はばく露濃度を測定している。そのための個人サンプラー測定(でしょう)。ただ、いろんなことがあるから、そんなにこだわらないですけれども、(ばく露でないとは)ちょっと(違和感があります)。

○橋本委員 65条があるので、その条文にばく露という言葉を入れるとするとまた全然話が違ってしまうと思います。ですから、作業環境管理のための測定という前置きがついたりするのはいいと思いますが、実質はばく露を測っていると私も思います。さきほどの基準値の名前はあえてばく露は入れなくてもいいかと思います。

○奥村課長 測定の後、場を管理するのに測定は使いますので、Cであればばく露管理になりますよね。

○橋本委員 ただ、Cも、例えば頑張って6つに分けて交代作業をしたが、測ってみたら、やはり環境が悪かったとなったら、作業改善の優先順位に従って物質の変更、工学的対策、作業管理、という順序に従って対策しなさいということなので、余りこだわらなくてもいいと思います。

○奥村課長 わかりました。いまCを持ち出したのはちょっとよくなかったようです。

○明星座長 では、次へ行きましょう。

○寺島室長補佐 ちょっとその前に、藤間委員の御意見を御紹介しておきます。

 4番ですね。名称はともあれ、個人サンプラー測定の評価基準は、管理濃度とは別に定める必要がある、という御意見をいただいておりました。

 では、5番目の「サンプリング方法・分析方法」につきまして、1ポツ目のほうですが、前回まで、液体捕集、それから直接捕集などにつきまして御意見いただいていることを踏まえまして、個人サンプラーによるサンプリング方法は固体捕集とろ過捕集に限ることとするべきかどうか。括弧内にございますように、このような選択をした場合には、一部の物質は個人サンプラーを用いた測定を選択できなくなるということになります。後ろの表のほうに直接捕集、液体捕集しか規定されてない物質がございますので、その部分について御意見いただければと思います。

 それから2ポツ目は御意見です。1ポツ目のほう、御意見をお願いします。

○明星座長 いかがでしょう。

○橋本委員 この趣旨は、個人サンプラー測定を法律で定めた場合に測定法も決めなければいけない、そのときに何を決めるかという意味ですね。

○寺島室長補佐 はい。

 先に藤間委員の御意見を御紹介しますが、サンプリングの部分です。現時点でサンプリング方法を固体捕集法とろ過捕集法に限定することなく、広く可能性は残しておくべき、という御意見をいただいております。

○橋本委員 私も、基本は、技術の進歩も踏まえて、直接捕集は短時間などでは特に使いやすく、使える機会が結構あると思うので、余り限定しなくてもいいと思います。ただ一方で、法律になったときには、使える方法を明示しなければいけない。現状使えるものは生かしたらいいと思います。

○土屋委員 8時間を直接捕集でやるということですか。

○橋本委員 いやいや、短時間ですよ。8時間は長すぎて非現実的です。

○土屋委員 液体サンプラーについては山室さんが御経験あると思いますが、どうですか。

○山室委員 水で捕集する分にはいいかと思いますが、水酸化ナトリウム液とかを胸元につけていただくのはちょっと怖いので、それを書いて認めておくのはいいかもしれませんけれども、それは使えないというのは測定士としては常識かもしれないです。

○土屋委員 あと、六価クロムの測定は基本的にはろ過捕集は使えない。現状は液体捕集しかできないのですね。それを個人サンプラーでどうしてもやらなければいけなくなると、相当配慮が欲しいのですよね。多分、入れておかないと、配慮してもできないことになってしまう。限定してしまうとまずいですか。

○明星座長 でも、現状は物質ごとに測定方法を決めているではないですか。だから、測定法は最後にやって。それは測定限度を維持できるかできないかということも含めて議論しているわけだから、ここで決めてもせんないのではないか。

○土屋委員 やれないものがあっても仕方がないと。

○村田委員 ここで決めておかなくても別に(いいでしょう)。それぞれの物質のときに検討するわけだから。

○明星座長 新しいものがあれば。分析するセンサの感度が上がれば少量しかとらなくてもいいかもしれないので、特に決める必要はないのではないかなと。

○小野委員 化学物質の側で決まっている今までの方法を大幅に変えるのでなければ、化学物質のところでもう一回見直しをかける。

○明星座長 現状の測定法のくくりもちょっと古いけれども。

○小野委員 ろ過捕集と固体捕集を組み合わせなければいけないものとかもありますので。片方だと抜けてしまうというのもありますから。

○明星座長 新しい物質を持ち込むと測定法も変わってくるから、決めなくてもいいのではないか。というか、決めようがないと思います。

○土屋委員 当然ながら、分析法も抱き合わせですよね。

○寺島室長補佐 はい。

 次へ行ってよろしいでしょうか。

○明星座長 はい。

○寺島室長補佐 6番、「評価区分」についてです。こちらも、現行の3区分を基本としつつ、6区分についてはガイドライン推奨でどうかということですが、前回に続きまして御意見をお伺いしたいと思います。

○橋本委員 これについては、6区分の長所があるので、それを使っていただくことを私は提案したいと思います。例えば、前回も言いましたけれども、区分1の中でも、1A1B、1Cと3つに分けると、その中でより良くしようというインセンティブになります。また、例えば8時間測定をやって、1Aという一番良い区分になると極めて濃度が低くて、その場合だと、15分間で基準値以上のばく露をしているということはあり得ないという計算と判断ができます。それから、サンプル数が、作業者が少ない等でごく少なく1点とか2点とかいう場合でも、評価が1Aとか1Bであれば十分オーケーであるという判断ができます。今の場合、例えば現行の3区分で第1管理区分だと、もしかしたら本当は第2管理区分かもしれないという懸念が常にあります。以上のようなメリットがあるので、私は、6区分をお勧めしたいと思っています。

 あと、結構最近使われてきておりまして、毎年秋に労働衛生工学会と日本作業環境測定協会の研究発表会がありますが、昨年の予稿集を見たら全部で64件の発表があって、いろんな発表がある中で、測定の発表中で9件がこの6区分の評価を使っていました。ですから、結構円滑に受け入れられつつあるという状況ではあります。

○寺島室長補佐 藤間委員からの御意見ですが、3区分が明解ではあるが、現時点で6区分か3区分かを判断する材料に乏しい、ということです。

○明星座長 どうぞ。

○中野委員 6区分を、もしできるのであれば、導入というか、推奨したほうがいいかなと思います。理由としては、今、管理3のほうの厳しいところばかりの議論になっているので、作業環境のいいところの負担軽減とか、個人サンプラーすることによってのメリットも入れてあげないと、ちょっと辛いだけの感じがします。なので、作業環境のいいところはそれだけ頑張っているのだから、ちょっと何か利点を挙げる形で導入してもいいのかなと思います。

○橋本委員 それから、数日前に明星先生のほうから英語の資料が委員に配られました。そこでは、こういうばく露の基準値について書いてあり、要はそれは産業界を罰するための基準でなくて、そういう基準を設けて測定することにより自主性を高めて、自主的により良く管理していくことを促進するためのものであるという趣旨だったです。それを読んでいても、この6区分を用いて、丁寧に分けたほうがよりインセンティブになるのではないかと思った次第です。

○山室委員 私も、6区分はいいと思いますが、2Bがリスクの低減措置を行うというふうに現状なっていますので、そうすると、今の第2管理区分と違いが出てくるので、そこは何か考えないといけないところでないかと、また、非常に混乱を呼ぶところではないかなと思います。だからといって、どうしたらいいかは、2Bは作業環境改善の努力するところだとすると、このガイドラインとまた外れてしまうということですから難しいところですけれども。

○橋本委員 もし区分2A2Bに対して、今の3区分の中の2のように改善を推奨することにするのだったら、2Aは推奨する、2Bは強く推奨するとかになるかと思います。前回も言いましたけれども、2Bの区分の労働者は、3割、4割ぐらいはばく露限界値を超えている可能性があるので、本当は改善するべきです。

○木口室長 今でいうところの第3管理区分のような立ち位置となるでしょうか。

○橋本委員 そう思います。

○土屋委員 2Bはかなり予備軍に近いと思いますよ。

○木口室長 例えば2Bと3を一つのくくりにして、改善を義務づける、今までの第3管理区分にあてはめていくよう形だと厳しいですか。

○橋本委員 そういう考え方で良いと思います。

○山室委員 ただ、作業環境評価基準の第1評価値、第2評価値の考え方と、この定義で出ている平均値と95パーセンタイル値は非常に近いので、またそこで何か混乱が生じるような感じがするので、そこを崩さないほうがいいような気もします。

○村田委員 この6区分を決めたときは、橋本先生が委員長で、私も委員会にいたのですけれども、(委員の皆さんが)おっしゃるとおりに、今の3つの管理区分との違いが議論というか、話題になりまして、双方は違うものということで余り突っ込まないで議論を進めました。どちらかというと、私たちの意見は、今の作業環境測定3区分もこのようにしたらいいのにと(思います)。それが(法的に)できるかどうかはともかくとして、インセンティブになるということもありますし、(今の3区分)問題点で言えば、例えば今の管理区分1の現場が、実際には5%の危険を見込んでいるはずなのに、0%としてとっているところがあるわけですね。3をとにかく2にして、1にしてということだけでいって、それで全体として環境がよくなってきたわけだけれども、それをもう少し変えることも含めて、本当は6区分にしたほうがいいのではないかという話でした。いずれにしても混乱を生じうることは心配するべきだと思います。3区分と6区分で並行するというのが。

○明星座長 逆に言えば、1のときのインセンティブをどうするかということは先に決めてもいいのかなあと思います。そうでないと、そこにいくという強い理由がわいてこないかもしれませんね。インセンティブをセットできないのに1を細かく分けても何の意味がという話になります。だから、そこを出せるものかどうかというそこの部分になってくるのであって、6か3かの問題ではないと。

○橋本委員 そうですね。例えば再評価、再測定をどうするか、6カ月ごとにずっと測定するのかということも課題としてあり得ます。そういうときは、例えば1A1Bであったら何か考慮するとか、そんなこともあると思います。

○明星座長 ということで、ほか、どうですか。

 よろしいですか。

 では、どんどんいきましょうか。時間も限られております。

○寺島室長補佐 はい。7番、「測定結果の評価と設備改善の関係」ですが、こちらは、先ほど御紹介しましたように、8時間測定の結果が問題ないレベルであれば設備・作業改善を行うことを要しないとしてよいかということと、保護具の着用を義務づけるべきか。それから3点目のところに、様々なケースについて、保護具の着用や設備・作業改善を義務づけるかどうかというところで、別紙2をごらんいただければと思います。

19ページの別紙2です。「現行の作業環境測定と個人サンプラーによる測定の評価と措置」という表題ですが、こちらの図は、ベースとなる下地に現行のAB測定の区分というのを書きまして、その上に個人サンプラーによる測定をやった場合にどうなるかということで書いております。

 例えば一番右の第3管理区分のちょっと下にあります、例えばですけれども、炉まわりの作業ということであれば、現行の作業環境測定だと、AもBも恐らく管理濃度を超えて第3管理区分になると思われますけれども、仮にここを短時間立ち入りとして個人ばく露を測定しますと、8時間ばく露では低、短時間ばく露では高となるのではないか。そういった場合に、設備改善を現行第3管理区分と同様に義務とするべきか、あるいはマスクを義務づけるべきか。

 その下にあります劣悪な環境の場合であれば、どちらも、個人ばく露しても一緒になるだろうということで、長時間高濃度ばく露の場合に、設備改善を義務とする。この部分は余り議論ないと思いますので、現行どおりとしております。

 それから、左のほうも同様に、原料投入の部分、設備改善を義務とすべきかマスクを義務化すべきか。また、溶接のような近接作業においては、A測定などはもともと余り出ないという話も聞いていますので、ここは第一評価値が管理濃度以下になるだろうと。ただ、B測定の場合だとちょっと高くなるのではないかということで、この位置づけになると思いますが、恐らくこれを個人サンプラーでやると、8時間も高いし短時間も高いと。そういった場合に、設備改善を現行と同様に義務とすべきか。あるいは、技術的に設備改善困難な場合に例外を設けてマスクを義務づけとすべきかというようなことで、個人サンプラーによる測定を行った場合に設備改善をどのように考えるかというところについて御意見をいただければと思います。

 元のところに戻っていただきまして、14ページ、下から2ポツ目のところですが、個人サンプラー測定の結果を、適切な防護係数のマスクを選定の指標としてはどうかということと、それから一番下のところですが、特別則、例えば特化則などで設備対策が困難なためマスクの着用を義務としている場合でも、測定の義務は一般と同様にかかっております。通常そのようになっておりますが、その結果を環境改善に生かしにくいと。このような場合に、場の測定ではなくて、個人サンプラーによる測定を推奨し、保護具の選択に役立てるという整理は可能かどうかということもあわせてお伺いしたいと思います。

 以上です。

○橋本委員 まず14ページの下から2つの呼吸用保護具の選択にかかわる話については全く同意します。一般的に言うと、呼吸用保護具を使用しているケースも余り数値的な根拠がなくて、何となく使っているということが往々にしてあります。呼吸用保護具が本当に必要なのか、あるいは、半面や全面マスクという種類は合っているのか、これを確認するために個人サンプラーなどで測定するというのが実際現場で必要であり、私も経験があります。そのような使い方が広まっていくことが大変大事だと思います。

○村田委員 今のお話、呼吸保護具は選択と使用の通達があって、そこをどこまで読み込むかということがありますけれども、選んで適切なものをつけることになっているわけですね。ただ、私の印象としては、現実としてちゃんとつけてない人が実に多い。それこそ、何となくという言い方をとるならば、何となくつけて、つまり、適当に選んでつけている。効果なんか余り考えてない、つければいいだろうというふうにつけている人が多い。なので、着用の仕方も含めて、それから教育も含めてきちっとさせる制度をもって防護係数で管理すべきだと思います。ただ単につけなさいという意味での、今と同じような義務づけでは実際には余り制度が機能してない場合が多々見られると思います。

○寺島室長補佐 藤間委員からの御意見を御紹介します。

 設備改善困難な作業場は、8時間測定の結果が問題ないレベルであれば、改善を行うことを要しないが、STELについて判断できないケースでは保護具の着用を求めてよい。個人サンプラー測定結果を、適切な防護係数の呼吸用保護具を選択するための指標と推奨するのは当然であるが、義務とするには相いれない、ということで御意見をいただいております。

○橋本委員 あと、19ページの図ですが、現状は設備改善が義務となっているということと思いますが、ここでいう設備改善とは、一般的な作業環境管理と作業管理ということでよろしいですか。物質の変更とか、例えばB測定で第3管理区分の場合だったら、距離を隔てて作業するという作業管理もあると思うので、そういうものも含めてここで設備改善ということでいいのでしょうか。

 それ以外の方法というと保護具なので、保護具も許していいかどうか、こういう議論でいいのでしょうか。設備ということに狭い意味でこだわると余りに限定し過ぎていると思います。

○木口室長 第三管理区分であれば、管理区分が2なり1なりに改善するようにという趣旨です。

○橋本委員 今はそのように決めているわけですね。設備改善という言葉で縛っているわけではないということですね。

○寺島室長補佐 済みません。裏面に現行の評価を書いてございます。20ページの下です。少し条文を省略しておりますが、設備だけでなくて、作業工程、作業方法などの改善ということになっています。

○橋本委員 わかりました。

○山室委員 現行、作業環境測定で第3管理区分になった場合は、労働者に有効な呼吸用保護具を使用させるということになっておりますので、適切な保護具を選ばせるという意味で、そこに、1つ前に個人サンプラーを使った測定をさせるというのを入れたらどうかと考えて、そうすると、第3管理区分、お金がかかる改善もしなければいけないし保護具も使わなければいけない、ちゃんとはからなければいけないということで、改善が少しでも進むような方向にいってくれたらいいなあという思いです。

○橋本委員 第3管理区分だったら個人サンプラー測定をさらに行うケースもあると思います。

○山室委員 やらなければいけないという。

○奥村課長 次回からはみたいな。

○山室委員 次回からでも、保護具を使わなければいけないですから、きちんと選択するために、まず個人サンプラー測定をやってくださいということです。

○土屋委員 追加の規制をつくるということですよね。適切な保護具を着用するという前段階に、個人ばく露測定をして、適切な保護具を選定し着用させるという条文に改正したらどうかという提案ですよね。

○山室委員 そうです。もう一つ加えたらどうかということです。

○土屋委員 それを基準にしますか。推奨ぐらいとか、通達ぐらいでどうですか。なかなか難しいですよね。

○山室委員 まあどうでしょうか。

○木口室長 これはあくまで第1か第2に改善されるまでの緊急避難的に保護具を使うようにという趣旨で、保護具をつけれはオーケーという話ではないです。もちろん、ここで有効な呼吸保護具を選ばなければいけませんが、個人サンプラーで確認するかどうかはまた。

○山室委員 まあ意見ということで。

○中野委員 済みません。話の内容と外れるかもしれないのですけれども、有効な保護具をつけたときに、例えば防毒マスクと防じんマスクを併用しなければいけない作業現場で、電動ファンがないから、結局そこまで防護機能を保てないとか、あと、炉のような高温の場合に、かえって熱気が入って苦しいとか、ゴムが熱くなるとかで有効な保護具がないとか、結構聞いたりするので、そういうときはどう考えるのかなとちょっと気になったのです。

○土屋委員 もうエアラインマスクになってしまいますよね。足元が悪かったりすると、エアラインなんかはかえって危ないですけれども。

○中野委員 このマスクというのはそこまでも含めて。

○土屋委員 呼吸用保護具です。フィルタもだめ、吸収缶もだめとなれば、外部から新鮮な空気を入れるという方法しかないので。

○橋本委員 あと、19ページのところに戻りますけれども、この左上に「原料投入(瞬間的ばく露作業)」とあります。瞬間的ばく露なのだから、設備改善をしたほうがいいけれども、マスクでもよい、これが現実的なところかと思います。

○小野委員 その点に関してですけれども、要するに設備改善をしないと、有機溶剤みたいに飛んでいくものはいいですが、粉じんで瞬間ばく露になると、そこら中が粉じんになって、工場建屋全体が中濃度ばく露する状態になってしまう。

○土屋委員 人が歩くたびに発じんしたりとかね。

○小野委員 ということがあるので、やはり義務。

○橋本委員 ただ、これは8時間ばく露も測っていて、それは前提が「低」ということです。

○小野委員 「低」というのは全く問題ない。

○土屋委員 ばく露限界値よりも低いだけということですよね。これはばく露限界値を超えないだけという話ではないですか。

○村田委員 小さい事業場なんかに多いと思いますけれども、結局、みんなマスクはしていても、実際に設備改善できないので、全体的に濃度が高い。作業環境測定で区分が2とか3になっても、窓あけて1にしたりする。なので、設備改善が要らないと言うのは少しどうかなと思いますね。

○土屋委員 あくまでも原因の把握というのが作業環境測定の目的なので、濃度が低かったら何でもオーケーというところへ短絡するのはいかがなものかなとは思いますよね。

○橋本委員 いやいや、これは、この場所にあるということは、A測定では第1管理区分であったという前提ですね。

○寺島室長補佐 そういうことを想定しています。

○橋本委員 B測定で第3管理区分であって、かつ、個人サンプラー測定もやったらこうだったということですね。

○土屋委員 Bでも第1ではないですか。これの位置だと。

○橋本委員 これは正確に言うと第2のようですけれども。

○土屋委員 1と2の間ぐらいにちょっとなるという位置づけでないですか。

○木口室長 B測定は行の方向ですので、2と3にかぶっております。Aが1。

○土屋委員 そうか。うーん。うなっているだけで、はいと言えない。私は、測定士として移動・間欠・固定のB測定をやってきているのですけれども、移動・間欠・固定のB測定をやって初めて、そこの現場の原因が見つかったということは結構あるのですね。その値を使って設備改善をお願いするということはままあるわけですが、義務とするかしないかという議論のところに、短時間ばく露限界値が中程度とわかっているのに、A測定が低いからいいというところは心配ですよね。

 それこそ小野さんがおっしゃったみたいに、粉じんの場合、特に特化の粉じんの場合だと、空袋の処理は間欠作業になってしまいます。本来フードのところで空袋処理をしなさいと言うのだけど、やってない人はそのままぽいとほうり出して足で踏んだりします。発じんは瞬間だから、実際に10分間はかると低かったりしますが、それを一日の間に何回もやると、床面はやはり特化物の粉体で汚れるわけですね。誰かがその上を歩いたりすると、目に見えない状態で発じんしていると思うのですね。

 ですから、何もしないでいいというようにするのは、その場の環境測定をずっと義務づけさせてきた65条の意図からすると、何らかの問題を見つけるために環境測定やってきたわけなので、どうなのでしょうか。そこは物差しが厳し過ぎるのかもしれないけれども、せめて第2までだったらオーケーとか、第3はやはりだめとか、そういう区分けが欲しいような気がしますけどね。たとえ8時間がよくてもね。

○橋本委員 この下の溶接作業は、8時間ばく露も短時間ばく露も「高」「高」なので、もう少し考えやすいかと思います。これは設備改善は義務で、困難な場合は呼吸用保護具。現実、これはこんなものではないでしょうか。

○土屋委員 ハンドグラインダーの研磨にしたって、コバルト入っている金属をリューターで研磨するといったって、それは設備改善できないわけだから、保護具でいくしかないですよね。そこはわかるのですよ。その中間のところで意図したもので、2と3の間に入っている短時間ばく露が中程度で「高」でない。そこがポイントですよね。中程度ってどうなのって。「発じんしてるけどそれでいいのか?」みたいな。

○橋本委員 短時間ばく露が中だったら、義務ということはないと思います。例えば第2管理区分でも義務ではないのです。

○小野委員 作業者が全身にばく露してしまう環境になりますよね。曝露する可能性があると。吸入はよくても、全身に、作業着が真っ白になっているとか、それをどこかでしゅーっと吹いて、結局それであちこちに広がるというのが実は現実的にはあるので、測定した数字にはどこにも現れないけれども、8時間ばく露も、もう作業が終わっているからいいやといって、ばく露測定をやめてしまったりすることもあるわけです。最後の作業着を脱ぐ瞬間とか。

○木口室長 堆積粉じんの場合はどこが発散源かもなかなか捉えにくいので。

○小野委員 いや、そうではなくて、ですから、対策をして、本人たちが浴びない状況をつくるための設備改善がなしという言い方はどうでしょうかという意味です。

○土屋委員 私もそうです。

○橋本委員 なしはまずいと思います。

○小野委員 義務にはしないというか、そういう形ではやはりまずいのではないですかということ。堆積粉じんということではないです。

○橋本委員 粉じんが堆積するとか作業場が次第に汚れるとかいうケースはありますが、そうでなくて、比較的単純な瞬間的なばく露作業もあると思う。だから、全てそれを義務にするのは疑問だと思います。どちらにしても、8時間ばく露測定もある頻度で行うので、作業場が汚れて、いよいよばく露としてキャッチできる段階ではそのように測定されると思いますので、一律義務は少しやり過ぎと思います。

○寺島室長補佐 そうですね。ちょっと場合分けも、こちらでイメージを優先してつくっているので、固定的なお話になってしまうかもしれないので、また整理してお諮りさせていただきたいと思います。

○明星座長 時間が過ぎましたが。

○寺島室長補佐 もう時間が過ぎてしまいましたが、8番のところは、御意見がございまして、2ポツ目に、専門知識が必要ということはありますけれども、人材が十分でないので制度改正に十分な準備期間が必要ではないかということを入れております。

 それから9番のところですが、責任の所在を明確化するための記録というようなことの御意見のほか、2ポツ目に、恣意的なサンプリングが容易になるというような懸念もあるということで、事業場の中で作業記録などについて責任を持つ人の指定、あるいはやはり測定士が近くにいて作業観察するというような担保が必要ではないかという視点がございます。

 済みません。8番のほうの測定に必要な能力、知識の部分につきまして、どういった内容の研修、知識が必要かどうかということも含めまして、また次回以降こちらからお示しして御議論いただくという形でよろしいでしょうか。特に今の2つの部分について御意見があれば伺っておきたいと思いますが。

○明星座長 いかがでしょうか。

○橋本委員 9番の恣意的なサンプリングが容易というところです。海外の状況を聞いたところ、契約書とか、あるいは作業記録表にそういう文言を盛り込んで、事業主側のほうの原因で何かデータが不適切であったり、あるいは健康影響が生じたりしたときには事業主側が責任をとるということを明記しているという話を聞きました。ですから、この恣意的な事を防ぐために、例えば事業場側の責任者を指定する。こうすると、またそれが誰だとか検討も必要です。また例えば行動記録表を作ることにして、そこには、恣意的に条件を変えることはしない事を明記するとか、例えば確認欄を設けて、職場管理者が確認してそこは職場が責任を持つとか、何かそのような工夫をして責任の所在を明らかにしたらどうかとは思います。

○明星座長 ほか、何かございますか。

○山室委員 今のことで、個人サンプラーでもこういう恣意的なことがあるというところですね。作業環境測定もそのようなことがあるということを聞いておりますので、作業環境測定も同じような、契約のところでそうやるのは非常に有効かなと思っております。

○橋本委員 作業環境測定時に操業を落とすとか、よく聞きますよね。

○山室委員 作業をやらないとか。

○土屋委員 山室さん、お客さんにそういう書面持っていってサインさせられます?

○山室委員 日本の習慣には多分合わないですけれども、その場で最後、終わったときにチェックしてもらうというのはできるかなあと思います。いつもと同じように作業をやっていました、チェックと、そういうのはできるかなと思います。

○明星座長 ほか、よいですか。

 では、どうも不手際で少し延びておりますけれども、一応9番までたどり着いたということで、どうもありがとうございました。

 事務局のほうから何か。

○寺島室長補佐 それでは、本日いただきました御意見を踏まえまして、またさらに論点を詰めてまいりたいと思っております。次回、具体的な資料としてまた準備したいと思いますので、追加御意見ないしは、こんな資料が必要ではないかというような御提案がありましたら、事務局のほうに御連絡をいただければと思います。

 それから、今後の予定につきまして御説明いたしますが、次回は、次年度以降改めて日程調整させていただきたいと思っております。

 以上です。

○明星座長 ちょっと延びまして申しわけございませんでした。どうもありがとうございました。


(了)

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