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2017年9月12日 第2回 新たな支え合い・分かち合いの仕組みの構築に向けた研究会 議事要旨

政策統括官(総合政策担当)付社会保障担当参事官室

○日時

平成29年9月12日(火)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 共用第7会議室(6階)


○出席者

小黒座長、阿部構成員、小塩構成員、小野崎構成員、工藤構成員、藤森構成員、掘田構成員

○議題

国民の所得や生活の状況等に関する動向について

○議事

議題に沿って、意見交換。主な発言概要は以下のとおり。

○ 一人親世帯が貧困リスクの重要な要因であることは確かであるが、夫婦と未婚の子ども世帯もじわじわと影響を与えており、親の引退により貧困リスクが顕在化するため、この世帯類型にも焦点を当てる必要がある。

 

○ 年金の支給開始年齢の引き上げに伴って就業率は上昇したが、就業率が上昇したことによる賃金で、支給開始年齢の引き上げにより年金が支給されない部分が埋め合わされているかどうかは非常に慎重に見る必要がある。

 

○ パートタイム労働者の労働時間の増加が課題とあるが、低賃金の中、子育てや介護等をしながら長時間無理に働いている人たちが、賃金が上がったため労働時間を減らすことをどう評価すべきか、検討する必要がある。また、雇う側の意思決定により、労働時間が引き下げられていることも考えられるので、被用者保険の適用拡大など、労働者本人の意思決定ではないところで色々な問題があることも指摘したい。

 

○ 子どもの貧困率の上昇要因としては一人親世帯の増加は大きいが、貧困世帯にいる子どもの数としては夫婦と未婚の子の世帯の方が多く、かつ政策メニューも皆無であり、政策を作っていくときの対象者が誰なのかを見ていくことが必要。

 

○ 18歳~25歳の相対的貧困率が大きく上昇してきていることについて、進学率の上昇の影響は確かにあるが、それは以前であれば18歳で一人前の労働者として稼ぐことができたが、段々難しくなってきていることの裏返しでもあり、職業訓練や進学などこの年齢層への対応を検討していく必要がある。

 

○ 税・社会保険料の負担や再分配の議論をするに当たって、貧困線ぎりぎりの低所得層を含め、各所得階層別における負担や再分配がどのように推移してきたのかを分析する必要がある。

 

○ 普通の一般の市民が生活をする上で最低限これだけ必要だというものは、貧困線や生活保護基準よりも遙かに高く、実態に比べて期待値がとても高くなっており、何をどこまで保障するのか議論していく必要がある。

 

○ 現在の再分配の状況を議論する上で、社会保障給付の膨らみに対して、税・社会保険料の膨らみ方が大きくなく、受益と負担が一致せず、現在の再分配は現在世代の負担で完結していない度合いが強まっている。すなわち、将来世代に再分配の負担を先送りしている可能性について認識を深めることが重要である。

 

○ ジニ係数でみると高齢者の格差は小さくなるが、高齢者間の所得の散らばり、多く年金をもらっている人とそうでない人の違いは、注意しておく必要がある。

 

○ 以前は高齢層のシェアの上昇が貧困率の上昇に寄与していたが、最近になると若い層の貧困率の高まりの影響が大きいという点が重要である。

 

○ 所得では見られない貧困について、消費支出や様々な負担も見ながら検証していくことが必要である。

 

○ 職業訓練や将来を通じた職業教育、労働市場のニーズに合わせて継続的に一定程度の稼ぐ力をつけていくことについて、この研究会で論点が示されると良い。

 

○ 今まではこれぐらいお金をかけないと確保できなかったものが、シェアリングエコノミーを進めるとこんな可能性が出てくるなど新しいやり方を示せると面白いと考える。

 

○ 大都市と小規模な市町村では同じ所得や貧困であってもその状況は異なっており、地域の支え合いや社会参加の形で補われているところもあるのではないか。地域ごとにそうした違いを見ると良い。

 

○ 夫婦と未婚の成人の子との間の貧困問題が中長期的に効いてくるので、年齢階級別・世帯構造別にみた平均等可処分所得の総平均との相対比の推移において、「ひとり親と未婚の子」と「夫婦と未婚の子」の世帯は、その子が成人しているか否かを分けて分析することが重要である。

 

○ 貧困の固定化がどうなっているのかについても見ていく必要がある。


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