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2017年6月6日 第105回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成29年6月6日(火)16:00〜


○場所

厚生労働省省議室(中央合同庁舎第5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

委員(五十音順、敬称略)

青木 健、明石 祐二、栗林 正巳、袈裟丸 暢子、佐保 昌一、城内 博、高田 礼子、土橋 律、
中澤 善美、中村 節雄、増田 将史、水田 勇司、村上 陽子、矢内 美雪、山口 直人

事務局:

田中 誠二 (安全衛生部長)
宮本 悦子 (計画課長)
野澤 英児 (安全課長)
武田 康久 (労働衛生課長)
安達 栄 (産業保健支援室長)
藤枝 茂 (労働条件政策課長)

○議題

(1)時間外労働の上限規制等について(報告)
(2)労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化について
(3)その他

○議事

○土橋分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第105回「労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。本日の出欠状況ですが、公益代表委員は熊崎委員、三柴委員、水島委員、労働者代表委員は、勝野委員、縄野委員、使用者代表委員は、最川委員が欠席されております。中村委員は所用のため17時頃に御退席される予定です。また、本日は山越労働基準局長がいらっしゃる予定でしたが、国会対応のため欠席されるとのことです。

 傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等は一旦ここまでとさせていただきますので、御協力お願いいたします。

 それでは、1つ目の議題に入ります。議題(1)「時間外労働の上限規制等について」の説明を、事務局からお願いします。

○宮本計画課長 資料1に基づきまして、昨日の労働政策審議会労働条件分科会の報告を踏まえ、労政審樋口会長から建議されました「時間外労働の上限規制等について」御報告申し上げます。労働条件分科会におけます審議状況はこれまでも御報告してまいりましたが、労働条件分科会におきましては、働き方改革実行計画の第4章の、罰則付き時間外労働の上限規制の導入など、長時間労働の是正について議論がなされてきており、昨日資料1のとおり建議されたところです。この内容につきまして、労働安全衛生法令に関わる部分もございますので御報告させていただきます。

 構成ですが、資料の3枚目からが分科会の報告となっております。報告の2ページ、資料の4ページから1、時間外労働の上限規制、5ページに2、勤務間インターバル、3、長時間労働に対する健康確保措置、6ページから4、その他となっております。

 このうち、労働安全衛生法に関わる部分が、2ページ1の時間外労働の上限規制の所にございます。(1)で上限規制の基本的枠組みについて示された上で、3ページの(2)で現行の時間外限度基準告示で対象外とされている業務の取扱いについて示されております。このうち、マル3の、新技術、新商品等の研究開発の業務につきましては、業務の特殊性から、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、その対象を明確化した上で適応除外とすることが適当とされた上で、当該業務に従事する労働者の健康確保について、次のように示されております。

 3ページ目の下から3行目より読み上げさせていただきます。「その際、当該業務に従事する労働者の健康確保措置として、1週間当たり40時間を超えて労働させた場合のその超えた時間が1か月当たり100時間を超えた者に対し、医者による面接指導の実施を労働安全衛生法上義務づけることが適当である。この面接指導の確実な履行を確保する観点から、上記の義務違反に対しては罰則を課すことが適当である。

 また、上記の面接指導の結果を踏まえた健康を保持するために必要な事後措置の実施を労働安全衛生法上義務づけるとともに、当該事後措置の内容に代替休暇の付与を位置付けることが適当である」とされています。

 次に、5ページの3、長時間労働に対する健康確保措置です。こちらにおきまして、労働安全衛生法令に関する内容が示されております。この3の部分を読み上げさせていただきます。「3、長時間労働に対する健康確保措置。過重な労働により脳・心臓疾患等の発症リスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、労働者の健康管理を強化することが適当である。(1)医師による面接指導。このため、長時間労働に対する健康確保措置として、労働安全衛生法第66条の8の面接指導について、現行では、1週間当たり40時間を超えて労働させた場合のその超えた時間が1か月当たり100時間を超えた者から申出があった場合に義務となっているが、この時間数を定めている省令を改正し、1か月当たり80時間超とすることが適当である。(2)労働時間の客観的な把握。また、上記の面接指導(1(2)マル3の面接指導を含む。)の適切な実施を図るため、平成27年2月13日の当分科会報告にあるように、管理監督者を含む、全ての労働者を対象として、労働時間の把握について、客観的な方法その他適切な方法によらなければならない旨を省令に規定することが適当である。その際、客観的な方法その他適切な方法の具体的内容については、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を参考に、通達において明確化することが適当である」。とされております。以上が労働安全衛生法令に関係する部分ですので、御報告させていただきます。

○土橋分科会長 ただいまの説明について、質問、発言等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、次の議題に移ります。議題(2)「労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化について」です。前回報告書について議論いただきましたが、本日は前回の報告書について、各委員からの御意見を踏まえて事務局が修正を加えた形で資料を準備いただきました。まず、事務局から報告案について説明をお願いします。

○宮本計画課長 資料2としまして、前回の事務局案に修正を加えたものを御準備しております。御説明に代えまして、この資料2、働き方改革実行計画を踏まえた今後の産業医・産業保健機能の強化について(報告案)を読み上げさせていただきます。

 平成29年3月28日に安倍内閣総理大臣を議長とする働き方改革実現会議において、働き方改革実行計画が決定された。本計画においては、「7.(3)労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化。治療と仕事の両立支援に当たっての産業医の役割の重要性に鑑み、治療と仕事の両立支援に係る産業医の能力向上や相談支援機能の強化など産業医・産業保健機能の強化を図る。

 また、過重な長時間労働やメンタル不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、企業における労働者の健康管理を強化する。

 加えて、産業医の独立性や中立性を高めるなど産業医の在り方を見直し、産業医等が医学専門的な立場から働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備する。

 これにより、働く人々が健康の不安なく、働くモチベーションを高め、最大限に能力を向上・発揮することを促進する」とされている。

 この背景には、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)が制定された昭和47年当時と比べ、産業構造や経営環境が大きく変わり、産業医・産業保健機能に求められる役割や事業者が取り組むべき労働者の健康確保の在り方も変化してきていることがある。具体的には、工場等における職業性の疾病の防止対策に加え、事務的業務に従事する方を含めた過労死等防止対策、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援対策などが新たな課題となってきている。これらの課題に対しては、多様で柔軟な働き方、労働者個人と企業との多様な関係性を認め、労働者個人の価値観や選択を最大限に尊重しながら、労働者一人ひとりを支える仕組みづくりが求められている。

 産業医制度は、事業場において、労働者の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理、作業の管理、健康管理、健康教育等及び衛生教育に関すること等を行う者として、必要な能力を有する医師を選任し、これらの事項を行わせる制度である。この産業医を中心とした産業保健機能についての検討に当たっては、上述の労働者の健康確保の在り方の変化や課題、労働者一人ひとりの健康確保のための制度の在り方、個人レベルのみならず職場や企業という組織レベルでの健康確保の制度の在り方、過労死等事案を繰り返さない制度の在り方などの視点を踏まえて議論を行った。

 また、議論の参考とするため、産業医として実務を行う者等の専門家、産業医科大学、日本医師会等の関係者からの意見を聴取した。

 当分科会において検討した結果は下記のとおりであり、今後の産業医・産業保健機能の強化に向けた対策として、下記の事項を踏まえて、速やかに法的整備を含めた所要の措置を講じることが適当である。

記、1、事業者における労働者の健康確保対策の強化。過重な長時間労働やメンタル不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、企業における労働者の健康管理を強化することが求められている。 事業者における労働者の健康確保等は、産業医が異常等の所見のあった労働者に対し、産業医学の専門的立場から事業者に意見を述べ、事業者は当該意見を勘案しつつ、労働者の実情を十分に考慮して、就業上の措置を講じるといった、事業者、産業医の連携による取組が必要であり、十分なコミュニケーションのもとで進められることが重要である。また、事業者における労働者の健康確保の強化を図るためには、産業医は自らの専門性の向上を図るとともに、事業者は産業医の意見を組織として受け止め、より適切な対応を行うことができる仕組みの整備が必要である。

 また、面接指導や健康診断の結果など、労働者の健康情報が適正に取り扱われ、労働者が安心して産業医等による健康相談等を受けられるようにするために、健康情報の事業場内での取扱ルールの明確化、適正化の推進が必要である。さらに、労働者が直接産業医等に相談できるための環境整備やその仕組みの労働者への周知が必要である。

 (対策の方向性)。ア、長時間労働者等への就業上の措置に対して産業医がより適確に関与するための方策。(ア)長時間労働者等への就業上の措置に対し、産業医がより適確に関与するために、就業上の措置の内容を産業医が適切に把握することが必要である。産業医の選任が義務づけられている事業場については、事業者が異常等の所見のあった労働者に対して、産業医等からの意見を勘案して就業上の措置を行った場合はその内容を、行わなかった場合は行わなかった旨とその理由を産業医に情報提供しなければならないこととすることが適当である。※就業上の措置とは、法第66条の5第1項(健康診断後の就業上の措置)、第66条の8第5項(長時間労働者の面接指導後の就業上の措置)、第66条の10第6項(心理的な負担の程度を把握するための検査を行った者の面接指導後の就業上の措置)に規定される事業者による措置を言う。以下同じ。

 (イ)産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認められるときに、労働者の健康管理等について必要な勧告を行うことができるとされているが、その実効性を確保するためには、その勧告の内容が当該事業場の実情等を十分に考慮したものである必要がある。また、産業医の勧告がその趣旨も含めて事業者に十分に理解され、かつ、企業内で適切に共有され、労働者の健康管理のために有効に機能するようにしていくことが重要である。

 このため、産業医が勧告を行う場合にあっては、事前にその内容を示し、事業者から意見を求めることとするとともに、産業医から勧告を受けた事業者は、その内容を衛生委員会に報告することとし、もって、産業医の勧告が実質的に尊重されるようしていくことが適当である。

 イ、健康情報の事業場内での取扱ルールの明確化、適正化の推進。(ア)事業者は、医師等による面接指導や健康診断の結果などから必要な健康情報を取得し、労働者の健康と安全を確保することが求められている。こうした健康情報については、労働者にとって機微な情報も含まれていることから、労働者が雇用管理において労働者の不利益な取扱いにつながる不安なく安心して産業医等による健康相談等を受けられるようにするとともに、事業者が必要な情報を取得して労働者の健康確保措置を十全に行えるようにするため、適切な取扱いが必要である。事業者は、そのために必要な措置を講じるとともに、雇用管理に必要な健康情報の範囲は、労働者の業務内容等によって異なることから、その具体的な取扱いについて衛生委員会等を活用して労使の関与のもと検討し、定めることとすることが適当である。

 (イ)国は、事業場において労働者の健康状況に関する情報の適正な取扱いが図られるよう、必要な事項を定める指針を公表することが適当である。この際、事業者が医療保険者と連携し、労働者の健康の保持増進を進めることに寄与するものとすることが適当である。

 ウ、労働者が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談ができる環境整備等。(ア)事業者は、過重な長時間労働やメンタルヘルス不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないために、労働者が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談ができる仕組みなど、労働者が安心して健康相談を受けられる体制の整備に努めることとすることが適当である。

 (イ)事業者は、産業医等への健康相談の利用方法、産業医の役割、事業場における健康情報の取扱方法について、各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること、若しくは書面を労働者に交付すること、又は磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置することにより、労働者に周知することが適当である。

 2、産業医がより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備。産業医の独立性や中立性を高めるなど産業医の在り方を見直し、産業医等が医学専門的な立場から働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備することが求められている。

 このため、産業医が企業内で産業医学の専門的立場から、独立性をもって職務を行いやすい仕組みや、より効果的に活動するために必要な情報が提供される仕組みが必要である。さらに、産業医が衛生委員会に積極的に提案できることその他産業医の権限の明確化が必要である。

 (対策の方向性)。ア、産業医の独立性、中立性を強化するための方策。(ア)産業医が、産業医学の専門的立場から、独立性をもって職務を行うことができるよう、産業医は、産業医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならないことを法令に明示することとすることが適当である。

 (イ)産業医は、産業医学に関する知識・能力の維持向上に努めなければならないこととすることが適当である。

 (ウ)産業医の身分の安定性を担保し、職務の遂行の独立性・中立性を高める観点から、産業医が離任した場合には、事業者はその旨及びその理由を衛生委員会に報告することとすることが適当である。

 (エ)国は、産業医の養成体制の強化、継続的な資質向上のための取組及び事業者と産業医が協力して産業保健活動を効果的に進めることについて必要な支援を図ることが適当である。

 イ、産業医がより効果的に活動するために必要な情報が提供される仕組みの整備。事業者は、産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報を提供することが適当である。この必要な情報には、「休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報」や「労働者の健康管理のために必要となる労働者の業務に関する情報」等が含まれる。

 ウ、産業医が衛生委員会に積極的に提案できることその他産業医の権限の明確化。(ア)衛生委員会において、その委員である産業医が労働者の健康管理の観点から必要な調査審議を求めることができることとすることが適当である。また、調査審議の発議のみならず、衛生委員会の活発な議論を進めるため、産業医は衛生委員会に出席して専門的立場から必要な発言等を積極的に行うことが求められる。

 (イ)産業医のより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備の観点から、現場の労働者等からの情報収集、事業者や作業主任者等に対する意見、危機的緊急事態での現場で作業する労働者等への指示など、当該事業場の実情に応じて必要となる産業医の権限についてより具体化・明確化することが適当である。

 3、その他。1、2に記載した措置の履行確保のため、産業医の勧告及び衛生委員会から事業者に対する意見並びにこれらを踏まえた事業者の措置の内容について事業者が記録し、保存することとすることが適当である。

 1のア(ア)(事業者から産業医への就業上の措置に関する情報の提供)、1のウ(労働者が産業医・産業保健スタッフに直接相談ができる環境整備等)及び2のイ(事業者から産業医への労働者の健康管理等に必要な情報の提供)の産業医についての措置は、法第13条の2に基づいて50人未満の事業場において選任される医師等についての措置として、事業者の努力義務とすることが適当である。

 国は、1、2に記載した措置に関し、中小企業においても円滑に進められるよう、産業保健総合支援センターやその地域窓口の機能の強化、周知による利用促進などの必要な支援を行うことが適当である。

 また、この報告における産業医・産業保健機能の強化に向けた方策については、必要な省令や指針の内容の検討に要する期間、それを踏まえた中小企業も含めた各企業の準備期間も考慮して、その実施の時期を定めることが必要である。

 加えて、国においては、産業医が果たすべき労働者の健康確保等に係る重要な役割に鑑み、現場の実態を踏まえつつ、産業医・産業保健機能の着実な強化に向けて、不断の見直しを進めるべきである。その際、「産業医制度の在り方に関する検討会」(平成2812月報告書とりまとめ)において今後課題とされた事項に留意して、対応することが必要である。以上でございます。

○土橋分科会長 ありがとうございました。報告書について読み上げて説明いただきました。修正箇所などについて、事務局から補足説明があればいただきたいと思います。

○宮本計画課長 それでは、資料3を御覧ください。資料3については、前回の事務局案と今回示した報告案の修正部分を赤字で見え消しとして示しています。その修正部分について説明いたします。まず、1ページの中ほどです。「この背景には、安全衛生法」の次に、(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)が追加されています。こちらについては、2ページの一番下の行に法律番号が記載されていましたが、労働安全衛生法が初めて出る位置に移動させています。その4行下「病気の」の部分が削除されています。これは、文言の適正を図るためです。働き方改革実行計画の本文の表現、1ページ目の上から4行目にあります「治療と仕事の両立支援」の部分ですが、それと表現ぶりを合わせています。また、現在の表現ですと、けがが含まれないために修正を行っています。

 次のパラグラフです。産業医制度についての説明部分です。この記載については、もともと安全衛生法第13条第1項及び安全衛生法施行規則第14条第1項の各号の産業医の職務を書き下したものです。条文上、「作業環境の維持管理、作業の管理、健康管理」の3管理の順序、抜けなどがあったことから、今回それを忠実に記載したものです。

 2ページでは、記のすぐ下、1の事業者における労働者の健康確保対策の強化の次のパラグラフです。こちらについては修正箇所ではありませんが、補足いたします。当該段落は、実行計画をそのまま記載したものであり、主語がありませんが、国の施策として求められているという趣旨です。2ページ目の一番下の部分は、安全衛生法と法律番号を削除していますが、先ほど説明した法律番号を1ページの初出の位置に移動したための修正です。

 3ページ目の上段です。第66条の5第1項の内(定期健康診断後の就業上の措置)の「定期」を削除しています。この第66条5第1項には、定期健康診断だけではなく、特殊健康診断、臨時の健康診断も含まれるため、表現の適正化を図っています。

 3ページ目のイ健康情報の事業場内での取扱ルールの明確化、適正化の推進の(ア)ですが、こちらについては前回第104回安全衛生分科会において使用者側から、安全配慮等の観点から必要な情報の取得ができるようにと御意見があった一方で、労働者側からは、情報の取得について単に労働者のプライバシーだけでなく、それ以外の目的についても考慮する必要があるのではないかとの御意見もあったところです。労働者の健康情報の取扱いについては、労働者のプライバシー保護の観点から、事業者の健康情報の取得や取扱いを限定すべきとの観点、それから、安全配慮義務を適切に果たす観点から、事業者が、労働者の健康確保措置を十全に行うために必要な情報を取得できるようにすべきとの観点があり、これらの2つの観点を踏まえた適切な措置が講じられることが必要であることから、その趣旨を明確にするために、このような修文を行ったところです。

 同じページ、ウ(イ)です。事業者は、産業医等の「等」の部分を加筆しています。こちらついては(ア)において、2行目の「労働者が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談できる仕組み」と記載しています。(イ)は、健康相談の利用方法を周知することとしていますので、表現の適正化のために「等」を加えています。この「等」は、産業保健スタッフを指しています。

 4ページ2、産業医がより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備です。次のパラグラフの、「産業医の独立性や中立性を高める」から「求められている」の部分で、こちらについては修文がありませんが、補足説明をいたします。当該段落については、実行計画そのままの記載です。主語は書かれていませんが、国の施策として求められている趣旨です。

 5ページ3、その他の第1パラグラフの2行目ですが「事業者の措置の内容について、事業者が記録し、保存することとすることが適当である。」には主語がありませんでしたので、主語を明確化する観点から、「事業者が」としています。記録、保存を行うのは事業者であるということを明確にしています。

 次のパラグラフです。1のア(ア)の次に(事業者から産業医への就業上の措置に関する情報の提供)、1のウの次に括弧の説明文、2の(イ)の次に、括弧の説明文を加えています。従来、項目番号だけで、内容が分かりにくいために補足の文章を追記しています。修正箇所についての説明は以上です。

○土橋分科会長 それでは、ただいまの説明につきまして、質問等、発言のある方は、挙手をお願いします。

○村上委員 今、資料3で前回からの修文の部分を伺ったのですが、念のための確認をさせていただければと思います。1ページの最後の段落で、産業医の説明について、省令にあるものを書き下したと説明がありましたが、安全衛生規則の14条、例えば7の健康相談やその他の労働者の健康の保持・増進を図るための措置であるとか、健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置というものは特に書かれていませんが、これは等の中に含まれるということでよろしいでしょうか。

○宮本計画課長 おっしゃるとおりです。

○土橋分科会長 はい。ほかに、いかがでしょうか。

○青木委員 全国ガスの青木です。報告書の中身の話ではありませんが、今回この報告書に至るまでの議論において、産業医関係者の方からの意見聴取がありました。その結果が非常に参考になったと思っています。事業者、産業医、労働者の信頼関係に基づいた産業医、産業保健活動の強化に向けて、今回の意見聴取の中で寄せられた意見、期待、課題などについては早急な対応をお願いしたいと思っています。以上です。

○土橋分科会長 御要望を頂きました。ほかに、いかがでしょうか。

○佐保委員 私からは、3ページの上段(イ)の部分についてです。この文言については特に異論等はありません。その上でですが、この部分については本分科会の中で再三御指摘をさせていただいたことではありますが、まず、勧告が労働者の健康の確保を第一としていること、過度に、事業場の実情等に配慮しないようにすることや、事業者への勧告内容の事前開示が勧告実施に際しての障害とならないよう、留意すべきことを改めて申し述べておきたいと思います。よろしくお願いします。

○土橋分科会長 ほかに、いかがでしょうか。

○袈裟丸委員 3ページのイの健康情報の(ア)ですが、今、前回の事務局案からの変更の趣旨も含めてご説明をいただきました。本日のこの報告案では、労働者の個人情報、プライバシー保護の視点が後退をして、事業者による情報収集の色彩が濃くなったのではないのかという懸念を抱いているところです。事業者に安全配慮義務があることは十分承知していますが、今後策定される指針において、労働者の健康情報が必要な範囲を超えて提供されてしまうのではないかと危惧しているところです。この点について、改めて厚生労働省の考えを確認させていただければと思います。

○宮本計画課長 御指摘ありがとうございます。労働者の健康情報の取扱いについては、あくまでも労働者が安心して産業医等による健康相談を受けられるなど、労働者のプライバシーの保護の観点、それから、もう1つに、事業者が労働者の健康確保措置を十全に行えるために必要な情報を取得し、事業者の安全配慮義務を適切に果たせる観点、この2点を十分に踏まえるものとすることが原則と考えています。指針については、今後労使、有識者の方々の御意見も踏まえながら検討する予定ですが、一方の観点のみ、すなわち労働者のプライバシーの保護の観点を軽視するような指針の策定は想定していません。

 なお、事業者による健康情報の取扱いについては、現行の局長通達で留意事項を示しており、この2点が盛り込まれていると認識しています。

○土橋分科会長 ほかにございますでしょうか。

○水田委員 その他に関わると思いますが、今回の報告書に記載の内容が、産業医の選任義務のない事業場にも及ぶことが、全ての働く者の安全衛生を確保する上で重要だと思っています。改めて、中小事業場向け施策の拡充、広報に努めてもらいたい旨意見を申し上げます。

○土橋分科会長 今後の御意見ということです。ほかに、いかがでしょうか。

○増田委員 3ページ目のイの(イ)の所に、労働者の「健康状況に関する情報」という用語が出てきます。それ以外の箇所は健康情報となっていて、ここだけ「健康状況に関する情報」とありますが、何か使い分けがあるのかどうか、事務局に確認させていただければと思います。

○宮本計画課長 御指摘ありがとうございます。指摘の2つの文言について、同じ意味で使用しています。ただし、文脈によって文言を変えており、制度検討の趣旨説明で出てくる「健康情報」は、より一般的な言い方でそろえているのに対し、国が指針を公表することを適当とする文脈で出てまいります「健康状況に関する情報」は、国の指針として定める場合の法令用語に該当する表現として記載しています。

○増田委員 ありがとうございます。あと、もう一点、すみません。その次の所ですが、事業者が医療保険者と連携し、労働者の健康の保持増進を進めることに寄与するものとすることが適当であるとあります。これは、保険者とのコラボヘルスに関わる内容を示したものだと思いますが、これについては企業健保ですと既に幾つか取組事例は出てきていますが、例えば協会けんぽなど、中小企業での今後の取り組みの方向性等、教えていただければと思います。

○武田労働衛生課長 御指摘ありがとうございます。これも、前回似たような指摘をいただいたところです。御指摘のように、企業健保と併せ、協会けんぽでの活動も特に小規模事業場を中心として、これは非常に重要な点です。そのような根本的な違いもありますが、協会けんぽも当然のことながら視野に入れながら、これから必要な対策等を検討してまいりたいと考えています。

○増田委員 ありがとうございました。

○土橋分科会長 ほかにございますでしょうか。

○村上委員 今回の報告書全般については、私どもとして実質2か月弱という短期間での議論でありながらも、労働者の健康確保対策の強化や、そのための産業医、産業保健活動の機能を強化するということで、1歩前進していく内容ではないかと受け止めています。まず、こういったことを、きっちり法改正や、省令の整備をしていただくことをお願いしたいと思いますし、また今回報告書で最後に言及している「産業医制度の在り方に関する検討会」報告書でも指摘していた今後の検討課題については、より効果的な産業保健活動につながるよう、関係者の意見を聞きながら、早急に検討していただきたいと思っています。以上です。

○土橋分科会長 ほかに、御意見ございますでしょうか。それでは、本年3月に取りまとめられました働き方改革実行計画を踏まえ、この4月から非常に短い期間の中で、この分科会で精力的に検討を行ってまいりました。私としましては、この辺りで本分科会の意見を取りまとめてよろしいのではないかと考えております。

 この分科会の検討結果といたしまして、ただいまの報告案の内容で労働政策審議会の本審に報告し、更に厚生労働大臣に建議したいと思いますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

○土橋分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように進めたいと思います。事務局で建議と報告のカガミを配ってください。

(事務局から建議と報告のカガミを配布)

○土橋分科会長 それでは、ただいまお手元に配られました建議と報告の案について御確認いただきたいと思います。労働政策審議会令第6条第9項及び労働政策審議会運営規程第9条の規定により、「本分科会の議決をもって労働政策審議会の議決とすることができる」と定められております。そこで、今、配布いただきましたカガミ文のとおり、労働政策審議会長宛てに報告し、その報告のとおり厚生労働大臣宛て、建議を行うこととしたいと考えます。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○分科会長 それでは、建議をお渡ししたいと思います。

○事務局 今からカメラ撮影可能ですので、撮影される方は、お願いいたします。

(建議を安全衛生部長に手交)

○土橋分科会長 それでは、ここで安全衛生部長から御挨拶をいただきたいと思います。

○田中安全衛生部長 ただいま、土橋分科会長から建議をいただきました。本分科会におきましては、今年3月にまとめられた働き方改革実行計画を踏まえた労働者の健康確保のための産業医、産業保健機能の強化につきまして、4月から非常に短期間でありましたが、熱心に御審議をいただき、本日このように報告を取りまとめていただきましたことを、心から感謝申し上げます。建議の内容であります産業医や産業保健機能の強化のための様々な対策につきましては、事業場内での労働者の健康管理等の充実を図っていく上で、どれも重要な事項であると考えており、法的整備を含め、速やかに必要な対応を行ってまいりたいと考えております。委員の皆様には建議を踏まえた法律案要綱を作成した上で、改めて本分科会にお諮りしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 働き方改革や、その中で労働者の健康確保を一層図っていくためには、事業者、産業医、産業保健スタッフ、労働者、様々な関係者の方がそれぞれ一体となり連携して取り組む必要があると思っております。報告書にもありますように、産業保健制度、産業医制度、不断の見直しが必要であろうと思っておりますので、事務局としても実態の把握、課題の抽出・整理に努め、本分科会で充実した御議論を行っていただくよう、精一杯頑張ってまいりたいと思います。ますますの御支援、御指導をよろしくお願い申し上げまして、御礼の挨拶といたします。どうもありがとうございました。

○土橋分科会長 ありがとうございました。カメラ撮影等は、ここまでといたしますので、御協力お願いします。

 それでは、事務局におかれましては、本日の建議に基づき法案作成作業を速やかに進めていただき、本分科会に法律案要綱を諮問していただくよう、よろしくお願いいたします。そのほか、何かございますでしょうか。それでは、最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。

○宮本計画課長 本日も熱心に御議論いただき、感謝申し上げます。次回の分科会については、改めて御連絡いたします。

○土橋分科会長 それでは、本日の分科会は、これで終了いたします。なお、議事録の署名につきまして、労働者代表委員は袈裟丸委員、使用者代表委員は増田委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。お疲れさまでした。


(了)

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