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2017年7月18日 第2回「勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会」議事録

○日時

平成29年7月18日(火)18:00〜19:30


○場所

中央労働委員会講堂


○議題

国内企業の取組(EU諸国の現地法人を含む。)について
意見交換

○議事

○花咲企画官 皆様、こんばんは。まだ定刻まで少々お時間はありますけれども、全員おそろいになりましたので、ただいまより「第2回勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会」を開催させていただきたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては御多忙のところ、また先ほどの雷雨で交通機関の乱れもあったようですけれども、その中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本検討会の進行につきまして座長にお任せをするまでの間、事務局にて議事進行を務めさせていただきます。
 本日は、小曽根委員が所用により御欠席されております。
 なお、事務局の労働基準局長につきましても、所用により欠席させていただきます。
 また、7月11日付の厚生労働省内の組織再編により、事務局に新たに雇用環境・均等局職業生活両立課長が加わっておりますので御紹介いたします。
○源河職業生活両立課長 雇用環境・均等局職業生活両立課長の源河と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○花咲企画官 本日は、勤務間インターバル制度を導入していらっしゃる国内企業の事例の発表を予定しておりまして、KDDI株式会社様からコーポレート統括本部総務・人事本部人事部長の滝山義隆様。
○滝山氏 滝山です。よろしくお願いいたします。
○花咲企画官 人事部給与グループリーダーの茂木達夫様にお越しいただいております。
○茂木氏 茂木です。よろしくお願いします。
○花咲企画官 また、影田委員から、本田技研工業株式会社様の取組を発表いただきます。本日は、人事・コーポレートガバナンス本部労政企画部の坪口祐介様にもお越しいただいております。
○坪口氏 よろしくお願いします。
○花咲企画官 3つ目の事例としまして、志手委員からユニ・チャーム株式会社様の取組を発表いただきます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、お配りいたしました資料の御確認をお願いいたします。
 資料といたしまして、1つ目は議事次第。
 2つ目、座席表。
 3つ目、資料「国内企業の発表資料」ということで3組。
 4つ目、参考資料といたしまして、第1回の検討会でお求めのあった関連資料を配付しております。
 不足など、もしございましたら、事務局までお申しつけください。大丈夫でしょうか。
 これ以降の進行は、今野座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○今野座長 それでは、よろしくお願いします。
 本日は、今お話がありましたように、国内企業の事例発表を予定していますが、その前に前回の検討会で事務局にお願いしたことがありますので、その報告を聞いて少し議論してから事例発表に入りたいと思います。
 それでは、よろしくお願いします。
○花咲企画官 引き続きまして、私のほうから御説明させていただきます。
 「参考資料」と書かれた資料になります。表紙をおめくりいただきまして、EUにおけるインターバル規制について、まず御説明いたします。
 前回、EUにおいてインターバル規制というのは全然例外はないのかという御質問がありまして、実際例外はあるようですよというふうに委員の先生からも御発言いただいたところです。それについて、簡単にお調べしたものです。本来であれば、EU加盟国の各国の法制度の状況等も御紹介できればよかったのですけれども、こちらで調査をした範囲で各国ごとにわかり得る範囲がばらついておりましたので、まず大もととなるEU指令についてだけ今回御紹介させていただきたいと思います。
 まず、上の箱の1つ目の「○」にございますように、EU指令では、24時間につき連続11時間の休息を設けることを加盟国に義務づけている。その一方で、広範な例外を許容しているという状況になってございます。
 その例外につきまして、下の箱で御紹介しております。
 まず、「自律的労働者」と呼ばれる業務の性質上、労働時間を計測しがたい、あるいは事前に定めがたい、または労働者本人が決定できるような方。例えばということで、上級管理職、家族労働者、聖職者、このような方たちに関しましてはインターバル規制の適用除外が可能となっております。
 また、2つ目の「●」といたしまして、「特定業務の従事者」として、以下に掲げる業務に携わっている方につきましては「24時間あたりの休息が11時間より短くても可」とされています。
 ただし、1日の勤務が終了した後に必ず11時間の休息、補償的休息又は代償休息と日本語で訳されているようですけれども、それを与えることとされています。これは、欧州司法裁判所の判決で出されたものでございます。
 その「特定業務」の具体的内容につきまして以下で見ていきたいと思いますけれども、例えばオフショア労働と呼ばれる海上油田などで働く沖合労働に従事される方、また保安、監視の業務に従事される方、続いてサービス・生産の継続性を要する業務といたしまして例えば病院、医師など、または港や空港で働く方、新聞やテレビ等で働く方、ガス・水道・電力等のインフラ関係で働く方、また技術的理由により中断不可能な産業に従事される方、研究開発、農業、乗客輸送といったものに従事される方もこういった例外の業務に当たっています。
 また、繁閑の差が大きい業務の例といたしまして、農業、観光、郵便などが挙げられています。
 続きまして鉄道輸送、それから災害等が起きた場合の対応、または交替制労働、続いて一定時間おきにその業務が発生するような類型として清掃員という方々が特定業務とされている上で、労働協約により合意した全ての業務について例外が認められているという状況でございます。
 また横置きに戻りますが、続いての資料をご覧いただければと思います。前回の会議で、例えば労働時間が長くなることなどによる健康などへの影響というのはどういったデータがあるのかということで御質問等いただきました。座長からも、「仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」という、少し前に私ども基準局でやっておりました検討会で早稲田大学の黒田先生がお出しになった資料などがあったという御紹介いただきましたので、そちらの資料を今回御用意させていただいております。
 まず「労働時間と健康」、1つ目の「●」といたしまして、「長時間労働は健康に悪影響か?」ということについて調べた各種の調査がございます。
 上2つにつきましては外国のもので、例えばアメリカでの追跡調査ですと1つ目、週46時間以上の長時間労働を10年以上続けた方は心血管疾患の発症リスクが統計的に有意に高いという結果があるようでございます。
 また、2点目、こちらは英国の公務員に関する追跡調査ということで、1日11時間以上あるいは週当たり55時間以上の長時間労働というのは、5〜6年後のうつ病発症リスクを高めるという結果があるようでございます。
 3点目、これは日本人に関する追跡調査で黒田先生が携わったものですが、下に図がございまして、左側の棒グラフでございます。ホワイトカラー正社員を対象として調査したもので、個々人の「メンタルのタフさ」の違いとか、仕事の性質に関する条件を統御しても、なお「週50時間以上の長時間労働はメンタルヘルスを顕著に悪化させる」という結果が出ているようでございます。
 また、2点目の「●」といたしまして「長時間労働と生産性との関係」に関するデータも御紹介いただいております。
 1点目、ノルウェーの看護師を対象とした調査では、勤務間の間隔が11時間未満の場合、不眠や強い眠気、過労を訴える労働者が増加したという調査があるようでございます。
 また、2点目が下の右半分の折れ線グラフの調査ですけれども、約400社を追跡調査した場合、メンタルヘルス休職者比率が上昇した企業群が上昇しなかった企業群に比べて利益率が低いという結果があるようでございます。
 続きまして、3枚目をご覧ください。
 こちらは、昨年度、インターバル制度の普及促進のためのセミナー事業を厚生労働省で行っておりまして、そこで御登壇いただきました労働安全衛生総合研究所の久保先生のセミナーの資料でございます。先生にご了解をいただきましたのでこの場で御紹介したいと思います。
 まず、1点目、上半分でございます。短時間睡眠を連続すると人間はどうなるかという調査の結果、よく知られたアメリカでの実験の結果だそうなのですけれども、被験者を1晩の睡眠時間が4時間、6時間、8時間というグループに分けて、14日間実験室に宿泊させて反応検査を行ったそうです。それとは別に一番上の断眠というグループ、徹夜させるグループを用意しているということです。
 何らかのランダムに提示される刺激があって、それに対して反応が0.5秒以上遅れるような場合に、その回数などを調査していくものだそうなのですけれども、横軸が実験日、縦軸が反応検査で、その遅延反応が生じた数というのを示しているそうです。
 結果といたしまして、毎日4時間睡眠の場合、その状態が4日継続すると、既に1晩徹夜した状態の遅延反応と同じぐらいの遅延反応が生じていて、10日以上続くと2晩徹夜したのと同レベルの遅延反応が生じているというグラフでございます。
 また、1日6時間睡眠をとった場合でも、それが10日継続してしまうと、やはり同じく1晩徹夜された方と同じような状況になってしまうという結果だそうでございます。
 下半分についても、御紹介いたします。これも同じく久保先生の資料から転載させていただきましたけれども、仕事から離れられないときの夜の眠りの状況について脳波を調べたものだそうです。翌日の仕事への不安が右にいけばいくほど強いのですけれども、強ければ強いほど深い睡眠段階である徐波睡眠の時間がどんどん短くなるとのことで、心理的な距離をとることの重要性があらわれている結果となっております。
 おめくりいただきまして、最後の資料でございます。前回、輪島委員から経団連様での春季交渉とかそれ以外の場での交渉を経たり、又は、交渉を経ずにインターバル制度を導入した状況について御紹介いただきました。その際に、経団連様の調査で言うインターバル制度というのはどういった定義ですかという御質問がありましたので、今回、資料を御用意いただきましてこのように提出させていただいております。
 その定義につきましては真ん中、上の1の一番下の「※」のところにございます。経団連様の調査では、個別労働組合等との合意に基づいて、終業時から次の始業時間までに一定時間の休息をおくことという定義で調査をされているということでございます。
 簡単でしたが、以上で終わります。よろしくお願いいたします。
○今野座長 ありがとうございました。それでは、何か御質問ございますか。
 では、どうぞ。
○松井委員 御報告ありがとうございます。EUにおけるインターバル規制の例外について確認をしていただいたということだと思うのですが、もう一つ、この24時間につき連続11時間の休息というのを義務づけているということですが、11時間空いていない場合はどのような扱いになるのでしょうか。例えば、翌日の始業時間がもう9時間後に迫っているというような場合は、どういう対応をとられているのかというようなことがもしおわかりになれば教えていただければと思います。
○今野座長 どうですか。
○花咲企画官 先ほど御紹介した何らかの例外のような規定が当たって、その結果、24時間につき11時間が満たなくなったような方は、先ほど申し上げたように代償的休息という始業時間を遅らせて対応していると理解しております。
○松井委員 例外の方ではない場合ということです。
○藤枝労働条件政策課長 例外でない場合、EUでの指令で、各国でこのEU指令に沿った法制をとっているはずなのですけれども、各国の状況をまだ調べ切れていないところもございまして、どの程度のサンクションが科されているのかというところは継続して調べられる限り調べたいと思いますし、今日も御発表の中で一部、EUの事例もお話が聞けると聞いておりますので、またその中で深めていただければと思っております。
○松井委員 ありがとうございます。
○今野座長 では、また継続して情報収集してください。
○大久保委員 ありがとうございます。同じくEUにおけるインターバル規制について、これもEU指令の中に書き込まれているのか、各国制度なのかにもよりますが、規制の例外として自律的労働者が挙げられております。その中に例として上級管理職というカテゴリーがございますが、このカテゴリーについてどのような定義がEU指令の中で定められているのか。各国国内法に任されているのか。あるいはこの上級について、上級管理職があるということは多分、上級がつかない普通の管理職というカテゴリーもあるだろうと思います。そのカテゴリー分けについても、どのような状況になっているのか。これから各国の国内法を調べられる際には、その部分もあわせて調べていただけるとありがたいです。以上です。
○今野座長 よろしいですか。もし、今わかるのだったらお答えいただいて。
○花咲企画官 お答えになっているかはちょっと自信がないのですけれども、今、手元にあります私どもが今回参考にさせていただいたJILPTの資料によりますと、先ほど私ども上級管理職というふうに御説明してしまいましたけれども、その規定ぶりにつきましては、役員または自ら方針を決定する権限を有する者というふうに書いてあるようでございます。
 また、結局、その具体的な中身はというお話になるかと思いますので、今後できる限り、把握できる限り調べてみたいと思います。
○今野座長 ほかにいかがですか。
 いずれにしても、そういう点について日本の研究は余りない。先ほどJILPTの報告書をベースにされたということですけれども、ほかにこれさえ見れば全部わかるというものがあると一番いいですね。
 島田さん、そういうものはないのですか。
○島田委員 先ほどおっしゃられた、EU諸国一つ一つということで細かくはまだないと思います。EU指令自体と、それから国によっては紹介をされているという段階だろうと理解しています。
○今野座長 ということなので、各国別には便利な資料はないということですから、一カ国ずつ調べなければいけないということでしょうか。他にいかがでしょうか。どうぞ。
○柴田委員 労働時間と健康についてちょっとお尋ねというか、質問したいことがあります。
 心血管疾患の発症リスクのところにありますが、「週46時間以上の長時間労働」の「長時間労働」というのは、平日の夜、土日という定義でカウントした46ということでよろしいのですか。
○花咲企画官 この調査で長時間労働の定義を今、調べ切れておりませんので、また確認して御紹介できればと思います。申しわけございません。
○柴田委員 わかりました、ありがとうございます。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございました。EUのインターバル制度は結局よくわからないので、網羅的に、その際に例外がこういうことだというのはわかりますが、人数とか、どれぐらいが例外になっているのかとか、そういうことも含めて、広範な例外が規定としては認められるけれども、この中では少ないのか、多いのかもよくわからないので、法制のところもそうですが、実態も含めて総合的に御披露、御研究いただきたいと思います。これはお願いです。
○今野座長 お願いだそうです。制度もはっきりわかっていないのに、人数がというのは難しいですね。何かデータがありましたら。
 他にいかがでしょうか。どうぞ。
○小林委員 EUの11時間の休息を設けることということで、ここの決定の背景については労働時間と健康のところで、ノルウェーの看護師は11時間未満だと悪くなっているというふうにあるので、何かエビデンスに基づいてこういう決まりがつくられたのか、何か元になるようなエビデンスがあったのかどうかというのがちょっと気になります。
○花咲企画官 それもきちんと確認はしていきたいと思うのですが、EU指令自体も労使なり加盟国との間の交渉の結果、定められているというふうに理解しておりまして、その11時間につきましても可能な範囲で文献を拝見した限りでは、こういった基礎データに基づいた11時間ですというものよりは、いろいろな交渉の結果、出てきた11時間であると理解はしております。
 ただ、引き続き、その点につきましても何かまた新しい文献等がありましたら御紹介できるように準備したいと思います。
○今野座長 他にいかがでしょうか。
 それでは、よろしいでしょうか。インターバル規制についてはEUが非常にいつも注目されるのですけれども、意外にわかっていないということですね。それがわかりました。
 それでは、先ほどからお話ししています、個別企業の事例の発表をさせていただきたいと思います。順番ですけれども、ユニ・チャームさんから本田技研さん、最後にKDDIさん、要するにこちらからいくと右から左側の順番でいかせていただきたいと思います。
 10分から15分ぐらいお話しいただいて、5分ぐらい議論させていただいて、それで3社やって、あとは全体討議をしたい。そんな段取りでいきたいと思います。
 それでは、最初にユニ・チャームの志手さんからお願いします。
○志手委員 それでは、ユニ・チャームの志手のほうから、座ったままで御説明させていただきます。
 まず、事前に、資料の内容は非常に稚拙というか、去年の12月に社員向けに説明会をやりました。その資料が一番わかりやすいかと思いましたので、その資料を今回御提示させていただいています。
 では、早速2ページ目から、当然各社さんもそうだと思うのですが、インターバル勤務制度だけを単体でやる企業さんというよりも、弊社も働き方改革という大前提のもとでいろいろな制度を導入してきておりまして、その中の一環として今年の1月からこのインターバル勤務というものを導入したということでございまして、社員には「働き方改革の目的」ということで「社員一人ひとりが健康でいきいきと活躍出来る働きがいのある会社を目指します!」。働きやすい会社ではなく、働きがいのあるというのが弊社の言い方の特徴でして、働きがいのある会社を目指していますということです。
 勤務間インターバル制度とか、在宅勤務も1月から導入したのですが、働きがいのある会社にするためには、一人一人が一番自分自身が重点になるやるべきこと、ここでは戦略と表現しておりますが、そういったものに思考と行動を集中して、無駄を排除することで効率的な働き方を推進していきたい。
 また、労働時間の短縮によって創出しました時間を自己成長の機会に活用するなど、公私の充実を目指す働き方、こういったものを進めていきたいということを社員の方に宣言をした上でいろいろな制度を導入してございます。
 ここで言いたかったのは、単純に時短をするということではなく、達成感を味わえるような効率的な時間の使い方で、自己成長に最終的につながるというのが働きがいのある会社、この会社で働いてよかったと思える会社だろうということで、あえてそういう表現を社員のほうには発信をしております。
 続きまして、3ページ目でございます。「勤務間インターバル制度の概要」でございます。
 まず「目的」としましては、休息時間を確保することによる社員の健康・安全・集中力の維持ということで、「内容」といたしましては、勤務終了時刻から次の勤務開始時刻までの間に最低8時間以上の休息時間を確保するということでございます。
 導入時期は17年1月、今年の1月からということで、グループでは全世界に現地法人もございますが、そのうちのごく一部でございますが、まずは本体の国内に勤務する1,600名から導入していこうということで、この規定につきましては就業規則のほうに明記をして正式に導入を1月から行ってまいりました。
 4ページ目でございます。まず「インターバル時間の長さの根拠」ということなのですが、弊社なりに産業医等とも確認をしながら決めたのですが、社内の実勤務時間の実態、科学的・医学的見解、他社の状況などを勘案しながら労使協議の上、まずは最低8時間というものを最低ベースとして義務化していこう。まずこれをきちんと守れるようにして、その後、様子を見ながら徐々に延ばしていきたいということで、最低8時間を義務、そして10時間を努力義務というふうに設定をさせていただきました。一つの指標としましては、先ほど御紹介がございましたEUの時間の義務化というもので11時間というのがございました。
 2つ目の観点といたしましては、産業医のほうからのアドバイスとして、6時間以上睡眠をとった場合は脳・心臓疾患等のリスクがかなり低くなる。逆に5時間未満になりますと、その増加が医学的に証明されているというようなアドバイスも頂戴いたしました。その中で最低6時間の睡眠ということを考えたとき、通勤の朝晩と見たときに最低8時間を義務化していったらいいじゃないかということで設定いたしました。
 もう一つ、10時間を努力義務にしたのは、右の下にあります図で、これも産業医の先生からいただいた資料なのですが、6時起床の場合、19時以降に生産性がだんだん下がってきて、23時以降は言い方によってはほぼ酩酊状態に近い、それぐらい生産性が下がるのですよというようなアドバイスもございました。
 弊社の場合、東日本大震災以降、通年でサマータイム制を導入しまして8時勤務開始にしておりますので、私も実質毎朝5時に起きているのですけれども、6時起床としたときに23時でそういうふうに酩酊状態になるということになりますので、その1時間前の22時には帰宅するというのを努力義務にして、朝の8時開始ですからその時間が10時間ということになりますので、10時間を努力義務というような時間の設定をさせていただきました。
 5ページ目でございます。では、実際にどういうふうに働き方を変えるために社員にアプローチしているのかということでございますが、まだ最初でございますのでパソコンをシャットダウンするとか、電気を落とすとか、そこまでのことは今できてございません。
 まずは定時が16時50分になりますので、16時50分になりますとパソコンの画面に突然、日本時間で16時50分になりましたということで、一旦、作業の手がぱっととまるような画面が出て、翌日以降で効率的に対応しましょうという画面表示を出します。それから、22時になりますと、また、22時を過ぎました、健康のため業務を終了して帰宅しましょうということで、今度は5分置きにこれを表示することでとにかく作業を妨害していこうということで、5分置きに23時までこの表示を出していく。
 それで、それ以降、23時以降は30分置きにということで12時までということで、これも組合のほうといろいろと話をしながら、社員がなるべく帰れるようなアプローチで、最初は16時50分が出ただけでもかなり社内がどよめいたのですが、ただ、これも慣れてくると、また出たかというような感じになっているので、次の打つ手を考えないといけないのですが、こういうものを出しながら疲れを翌日に持ち越さないように、十分な睡眠や休息の確保を促していきたいという取り組みをまずしております。
 6ページ目でございます。「違反した場合の対応(仕組み)」ということで、基本的に8時間が義務でございますので、始業時間が8時ですから、24時を回って仕事をした場合、8時に来た場合は違反という形になるのですけれども、翌日の勤務表の入力を見て、まず翌日に8時間未満の休息しかとれていなかった方には、その翌日に本人と上司に自動的にメールで警告が出るようにしております。
 そして、違反日から1週間以内に調整をするということで、その調整につきましては1週間以内に1時間勤務時間を遅らせる、もしくは代休・有給等の取得をするようにというようなことをしております。
 ただし、それでも1週間経過してもその改善の措置ができなかった場合は、上司の部長、室長から私のほうに改善報告書を提出して、私のほうから厳重注意をする。そして、翌月は1カ月まとめた中で、労働組合の幹部も出席した安全衛生委員会の中で固有名詞で誰がどういった状況になっているかというのを月次で報告をして職場改善につなげるというような形にしております。
 続きまして、7ページ目でございます。これは勤務票のイメージなのですが、弊社の場合、まだパソコンなどとの連動はできていなくて自己申告制になってございます。そういった意味で、開始時刻と、この絵ですと1日の日に朝8時の始業から翌日の1時50分まで勤務しました。それで、次の日は8時に出社したということになりますと6時間10分しかこの間が空いていませんので、勤務間インターバル違反・調整のところに「違反」という警告が出ます。これが出ますと、翌日、上司と本人に、あなたは違反しましたよと自動的にメールが流れて、その1週間以内に何らかの対応をとるようなことを促すというような対応をとってございます。
 8ページ目でございます。ルールどおり8時間の休憩をとるために、当然8時以降の出社を促すわけですが、9時に出社するとか、そういう形になったときに、自動的にこれは遅刻扱いになるのですけれども、それでは会社のルールを守っていながら遅刻という表現は可愛そうでございますので、その場合は「勤務間インターバル違反・調整」というチェックボックスがございまして、それを調整するために9時に出社ということで、勤務票の管理上も遅刻といった扱いにならずに、ルールを守っているというような表示ができるような工夫をしてございます。
 今、運用しているのはただこれだけでございまして、とにかくシンプルに一人一人これを守って、守れない人には警告を出すということで、それ以外の働き方改革の事例は後でお話ししますけれども、勤務間インターバルにつきましてはこれだけでございます。
 そして、9ページ目が、1月に導入してから1,600名の母数の中でインターバル勤務違反者、翌日8時間の休憩時間をとらずに出社した方が1月は32名いらっしゃって、それが徐々に減って2名になっています。
 ただし、その2名、これは違反をしたということで8時間とれなかった方の数で、その右側がとれずに1週間たっても何らかの形の対応がとれなかった方というのがやはりこれだけまだいるということで、6月ですと2名が違反して、その2名の方とも1週間以内に代休も有給も1時間の調整もとれなかった方が発生しているということで、地道にこれを潰していこうということでございます。
 10ページ目がこれからの課題ということで、ありきたりではございますが、社員の中でインターバル勤務という制度自体、まだ半年で定着してございませんので、それを継続的にウェブを通じて周知徹底していくということと、やはりまだ自己申告での入力の勤務票でございますので、パソコンのログであったり、そういったものを含めて正しい勤務実態を掌握する方法も進化させていく必要がある。
 もう一つは、サービス残業ですね。これも、防止していく必要があるといったところでございます。
 11ページ目以降は、それ以外にどんなことを併せてしているかということでございますが、いろいろなライフステージに合わせて働き方の選択肢というものを増やしておりまして、在宅勤務制度を1月から全社員向けに月4回までということで導入いたしまして、これは直近で25%の方が利用しております。
 プレミアムフライデーも当初から導入いたしまして、この5月の実施率は19%というような状況でございます。
 12ページ目が、サマータイムです。先ほど申し上げましたように、東日本大震災以降、8時に始業時間を変えまして、午前中4時間、午後4時間と、午前と午後がちょうど4時間、4時間という切りのいい勤務時間帯とすることで、右側にございますように労働時間も13年から16年の中で平均4時間ぐらい残業時間が減ってきているということで、一定の効果があらわれているということでございます。
 13ページ目が「メリハリのある働き方と絆醸成」ということで、男性の育児休業も100%取得を目指して今やっております。
 ただ、これもまだ40%にとどまってございます。
 あとは、有給の取得もまだまだ取得率が低うございますので、会社から強制的に四半期に1回ですから年に4回はアニバーサリー休暇ということで、自身の誕生日や配偶者の方の誕生日や結婚記念日、そういったものを利用して、半年前から自己申告をして計画的に取るというような一連の働き方改革への取り組みをしている状況でございます。
 以上でございます。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、御質問お願いいたします。どうぞ。
○柴田委員 ありがとうございました。非常に参考になりました。
 お答えづらければそれで構わないのですが、今8時間ということになっていますけれども、全体の状況を踏まえてもう少し長くしていこうとか、そういうようなことは頭にあるのでしょうか。答えづらければいいですけれども。
○志手委員 それは、そういうふうに考えていきたいと思います。確実に制度を定着させて、当初は10時間と8時間で相当議論をしたのですけれども、実質10時に帰るというのは、大半の社員の方は帰っているのですが、やはり24時で見ても9ページ目にありますように1,600人ですけれども、32名の方がそういう方がいたということですので、これを撲滅した後にということで、ただ、2名まで減っていますので、次のステップに組合と話を進めていこうかなとは思ってございます。
○今野座長 他にいかがですか。どうぞ。
○中村委員 御説明ありがとうございました。最低8時間を義務ということで、全ての社員を対象ということにされているようですが、いわゆる猶予規定というのでしょうか、どうしてもやらないといけない場合は、月1回は例外を認めるとか、そういう猶予規定みたいなものがあるのか、ないのかということをお聞かせいただければと思います。
○志手委員 猶予規定は、やはり夜中までする人というのは大体営業の方が多くて、翌日に得意先と会議とかでどうしてもその日にやり上げないといけない。それで翌朝すぐ直行して行かなければいけないという方がやはりいますので、そこまで無理強いしてはかわいそうですので、ここにありますように1週間以内で調整をできればしなさいということで、それが猶予規定みたいな形で運用させていただいております。
○今野座長 他にいかがでしょうか。
 仕事によって特性がいろいろ違うと思うので、特定の部門とか職種とかで、こんなのは絶対に無理だよとか、そういう話はなかったのですか。
○志手委員 生産部門は時間でやるのでいいのですけれども、一番声が多かったのは、やはり繁忙期が明確な経理の決算時期であるとか、そういうときの声は大分ありましたが、部分的な話をしても全体が進まないので、とにかくやるんだということで大分説得しながらやってきましたけれども、ちょうど1年見たときに、決算期も何回かありますので、そこでの流れを見ながら対応を考えていきたいと思いますが、声が出たのは経理ぐらいです。
○今野座長 ということは、お手元にいただいた資料の9ページ目で最後に2人が残ったわけですけれども、この2人は部門によって構造的に仕方ないというよりは、何か個人的な事情とか、そんな感じでしょうか。
○志手委員 これは、そうですね。営業の方だったのですけれども、なかなかとれないということで、真面目な子だったのですが、そんな感じで大分説得はしたのですけれども。
○今野座長 他にいかがですか。どうぞ。
○大久保委員 御説明ありがとうございました。今、例えば経理の方は時期的に繁忙期がくる、あるいは営業の方が最後までなかなか守れないというお話を伺いました。このインターバル規制を導入することで、人事上何らかの異動が発生した、あるいは追加的に人材を補充した、補填したというようなことはありましたでしょうか。
○志手委員 まだ導入して半年でございますので、具体的な人事異動とか、人の補充のところまでは着手しておりません。
 ただ、現実的にここまで減ってきている事実がございましたので、もうちょっとトレンドを見ながら、部門で偏ったりとか、そういう結果が出てくればそこも考えていく必要があるかと思いますけれども、今のところはそういう事例はございません。
○今野座長 それでは、一度ここで切らせていただいて、また最後に時間をとりますので、御質問があったらそのときにお願いします。
 それでは、次は本田技研工業の影田さん、お願いいたします。
○影田委員 ホンダの影田でございます。よろしくお願いいたします。
 1ページ目、表題は先回申し上げましたとおり、弊社ではインターバル制度とは申しておりません。あくまでも、深夜勤務における翌日出社時間の調整ルールということでございますので、その点御理解いただきたいと思います。
 2ページ目をお願いいたします。本日の中身です。本日、日本のこのルールと、あとは弊社の欧州の事業所のルール、実態について少し触れさせていただきます。
 次のページをお願いいたします。簡単に会社概要を申し上げます。連結ベースでいきますと全世界で21万人おります。単独で、本田技研工業株式会社ですと約2万1,000名ですが、同じ労働契約を適用している会社、同じ本田技研労組、単組の対象としては国内の労働協約適用会社は約4万3,000名おります。
 次のページをお願いいたします。弊社の場合、需要のあるところで生産するというグローバル展開を行っておりまして、全世界を大きく6つに分けて事業展開しております。本日は、日本の事業所における出社時間調整ルールと、欧州地域における状況を説明します。
 続きまして5ページ目ですが、弊社の時間管理といいますか、労働時間に関する取り組みについてお話する前に、企業理念について少しお話をさせていただきます。
 弊社は、社是及び基本理念、運営方針、この3つを掲げてホンダフィロソフィーと言っております。特に、基本理念における「人間尊重」が全ての企業風土のベースになっております。右側に創業者の顔が出ておりますけれども、そもそも「よく働きよく遊べ」「高効率高賃金」「時間を尊重する」ということが創業当初から社風として根づいております。
 口癖のように、人間は時間だけは平等なんだ。24時間いかにこれを使うかが基本であるということを言っておりました。その中で、特に有効に時間を利用するかということをすごく大事にしてきた会社です。
 従いまして、基本理念に基づいて、多様な従業員が一人一人持てる力を発揮できるように働きやすい職場環境づくりに力を注ぐ、時間を有効活用する、有効に利用する、というのが一つの職場風土となっております。
 次の6ページ目ですが、そういうこともありまして、弊社の場合は昔から労働時間短縮、時短については一生懸命取り組んでおりました。週休2日につきましても、昭和38年ぐらいからトライアルを行って、昭和47年では製作所で完全週休2日、それから翌年の昭和48年で本社を含む全社で週休2日を導入しております。法制化よりかなり前にこういうことに取り組めたということです。
 これは会社だけではなくて、昭和40年代から労使で取り組んできたということです。
 今日お話しします翌日出社ルールも1970年代に導入したと思っております。我々が入社したころからもう全てありましたし、昔の先輩に聞いても、そうだな、多分70年代ぐらいかなぐらいしか残っていないのですね。多分そのころ、週休2日を制度化するころに導入したのではないかと思っております。
 次のページをお願いいたします。「深夜業務における翌日出社調整の概要」です。
 「制度導入に至った背景」ですが、基本的には生産現場における設備トラブルが主な背景だと思われます。設備トラブルの場合、一刻も早く設備を直さないと生産に支障を来す。翌日の生産に影響を出さないためにも、深夜時間帯に仕事をする必要があった。こういった突発的な対応をしたときも、次の勤務までに十分な休息時間を与えるべきだということで導入したと考えています。
 実際には、22時を超えて時間外勤務を行う場合、さらに下の例にも書いておりますけれども、呼び出し就業ですね。特に設備管理の担当者などが、2勤の最中に壊れてしまったので翌朝までに直してほしいと呼び出されて、その対応をしたとき等々に活用しております。
 ここに図表を表しておりますけれども、いわゆる一般的なインターバル制度は就業時間から翌日の出社時間まで一定の時間、例えば11時間空けるということになっておりますが、弊社の場合はあくまでも22時を超えたときにこれが発生する、発動するというものです。
 下の翌日出社調整ルールの例でいけば、23時まで勤務した場合、休息で11時間空いて次の出社時間は10時ですよということです。先ほど申し上げましたように、トラブルの発生で呼び出し就業が起こった場合も、例えば24時にそれが終わった場合には翌日の出社時間は11時という形で規定しております。
 次のページをお願いいたします。基本的には事業所ごとに労使で協定を結んでおります。対象範囲でいきますと、労働組合員としては3万7,000名という形になっています。
 ルールですが、事業所ごとに結んでおりますので、大きく分けて3つのパターンがございます。生産領域と研究開発領域と本社領域です。
 生産領域は、基本的に固定勤務です。1勤務2交替制、もしくは3交替制の固定勤務及び平常勤務の固定勤務です。その場合は、勤務終了時間によって翌日の出社時間を、例えば23時から夜中の12時半の場合は10時、下のパターンの場合は1時です。それで、2時30分以降の場合はもう連勤休、休みなさいという規定を設けております。就業時間によって、休息時間が9時間から11時間と違う形になっております。
 下の研究開発領域と本社領域につきましては、いずれもフレックス職場です。したがいまして、ここで言うと終わった時間ごとに10時間、本社の場合は12時間かけて次の日の出社時間が決まるという形になっております。
 研究開発と本社勤務は何が違うのだという点では、研究開発領域ですとどうしても評価会などの開発イベントがあります。とは言っても、できるだけ早く来てほしいということで、労使協議の結果、この10時間という形になっています。
 本社の場合は、通勤時間ですね。今もそうかもしれませんけれども、片道通勤時間は2時間かかる方もいらっしゃいましたので、そこを考えるとやはりある程度の休息時間をとってもらうためには12時間ぐらい必要だろうということで、この時間が設定されています。
 手続に関しては、原則この日に彼は22時を超えるなということが予測、計画された場合には、当日の15時までに労働組合に対して通知を行って協議を行うという形になります。当然のことながら、突発の場合にはそのタイミングで労働組合に通知、もしくは事後で通知して協議を行うという形になってまいります。
 労働時間の取り扱いなのですが、所定労働時間の開始時間と翌日の出社調整時間との差は勤務時間としてみなす。本社の場合、標準始業時間は9時なのですが、この勤務時間、出社調整時間で11時に出社しなさいという場合は、この9時から11時の2時間は勤務したものとしてみなしています。給料は払いますということです。
 先ほど御質問で、ルールを守れない場合はどうするのだということがございました。弊社も、基本的には守ってもらいますが、中にはどうしても守れない場合もあります。その場合は下に書いておりますが、業務特性を踏まえて協議の上、認める場合がある。その場合は、みなし分の賃金に加えてさらに割増賃金を払っております。したがって、9時から11時の分はみなしで払いますが、その場合、9時に出社した場合はさらに9時から11時を残業扱いにして割り増し分も払っている。ダブルで払っているという形になります。これが、勤務時間調整の概要です。
 次のページをお願いします。今回、改めてこのルールのメリット、デメリットを考えてみました。基本的に、これは先ほど申し上げましたようにあくまでも22時以降ということで、頻繁に起こるものではありません。かなり限定的です。めったに起こるものではないということを前提としております。
 そういう状況において、メリットとしましては基本的に深夜という特別な働き方においてきちんと休息時間をとっていただくということにおいては、安定的な生活サイクルをつくり出すことができる。これを労使で必ず働き方を確認しますので、きめ細やかなマネジメントが可能であるということです。
 メリットは以上ですが、余りデメリットはないと考えています。時間の設定も事業特性に応じてやっておりますので、特に事業上問題があるとか、そういうことはないです。
 今回、改めてどれぐらいの人がとっているのかということで、昨年の10月から3月まで半年間、全社でどれぐらいの人がこの深夜時間調整の適用になったかというのが左の表でございます。平均で、毎月50名ぐらい該当するのかなということです。
 50名の場合でも適用率は全体の0.14%ぐらいと、ごくごく少数ということだと思います。ただし、例えば、決算とか研究開発の山等々になりますと1カ月で最大で90名ぐらい適用される場合もあるということです。
 その次のページですが、それ以外に時間管理についてどういうことに取り組んでいるか、幾つか事例を説明します。10ページですが、弊社の場合、時間管理の基本はあくまでも労使協定です。36協定に加えて、時間外の労使協定を事業所ごとに結んでおりまして、全てこれをベースにマネジメントを行っているということです。従いまして、先ほどの深夜業務の翌日出社調整もこれの延長線上にあると御理解いただけたらと思っております。
 次のページをお願いします。弊社は残業時間を短くしようということとともに、「有休カットゼロ運動」を昭和45年からスタートしております。弊社の場合、翌年に繰り越せる有休は20日です。入社時5年目から20日発生しますので、年初はほぼ全員が40日の有休を持っています。それを、繰り越しできる20日まできちんと取りましょうという運動を昭和45年からやっております。これは労働組合の運動なのですが、それに対して会社も協力しよう、有休が取れる環境をつくっていこうということで取り組んでまいりまして、1988年に全部門で有休カットゼロを達成して以降、これを継続しております。
 これはかなりマネジメントにおいては大変でして、毎年秋になると、あなたはあと何日残っているの?計画的に早く取得しましょう。ということをやるのもマネジメントの仕事です。そういった努力もあって、実際に有休カットゼロ運動についてはずっと継続しています。
 次のページですが、それにあわせて連続有休取得制度というものもやっておりまして、これも昭和46年からスタートしております。5日連続有休、もしくは3日連続有休ですね。これは保有日数によって決まるのですけれども、それを年1回必ず取得しましょうということを推進しています。
 それで、2000年代初頭までは約60%がこの連続有休、5日取れば土日を合わせると9連休ですから、必ず取得しましょうということをやっていたのですけれども、2011年の震災のときに、例えば栃木の研究所が使用不能になって鈴鹿製作所に行ってもらったり、いろいろなことがありまして、そのタイミングで少し取得パーセンテージが落ちました。でも、現時点でも5割の方が必ず年1回は連続有休を取得しています。
 以上が、日本の状況です。
 続きまして、次の13ページをお願いします。欧州の状況について説明します。欧州につきましては、いわゆる欧州、EU地域、あとはCIS・トルコ、全部で47カ国、欧州地域本部という形でマネジメントを行っております。拠点でいきますとホンダモーターヨーロッパ本店及び販売支店、生産子会社、あとは販売金融会社、研究開発の子会社等々が点在しております。この表に並んでいるように、この「○」がついているところが拠点という形になってまいります。
 それで、今回イギリスと、フランスと、ドイツの拠点に確認して就業規則を取り寄せております。14ページをお願いします。
 まず1つ目、Honda of the UK Manufacturing、これはイギリスの工場です。四輪の生産工場、Swindonというロンドンの西側にございます。基本的に就業規則に11時間のシフト間休息というものを謳っておりますが、工場ですので原則として交代制勤務です。従いまして、これに該当する方というのはほぼいません。スタッフ職、いわゆる間接部門の人間はほぼエグゼンプト、時間管理をしない形になっておりますので、この11時間が適用される方はほぼいません。
 次のページをお願いします。次のページは、フランスの汎用機の工場です。ここにも就業規則上、11時間のシフト間休息及び6時間勤務により20分の休憩というふうに謳っております。基本的に先ほどと同じで、製造現場は交代制勤務になっていますので、もともとこの適用はかからないということです。
 スタッフ職についても同じなのですが、基本的にエグゼンプト、時間管理対象外となっておりますので、ごくごく少数、時間管理を行う者もいるのですが、基本的にこのような働き方にはならないということです。
 次のページをお願いします。16ページです。これは、ドイツの労働法制をそのままコピーしてまいりました。基本的に法律上、11時間のシフト間休息、6時間から9時間勤務について30分の休息をとれというのが労働法制です。
 次の17ページ、これは販売拠点です。Honda Motor Europe ドイツでございます。ドイツの労働法制上では、就業規則上、基本的に時間管理をする人たちは10時間以上働いてはいけないとなっておりますので、基本的に11時間適用にはならないという形になっています。ここも基本的に従業員の大半はエグゼンプトですので、インターバル制度の適用はほぼないということになっております。
 まとめですが、欧州の現地法人は就業規則上におおむね11時間もしくはそれに類する規則を設けております。ただし、製造現場はシフト勤務ですので、基本的にこれが適用されることはありません。
 また、スタッフ職においては、基本的にほぼエグゼンプトです。ごくごく少数の時間管理スタッフもいるのですけれども、このような働き方をすることはまずありません。
 私は、実は1998年から2002年までドイツの研究所に駐在しておりまして、正直申し上げまして5時以降は残っている人はほぼいません。残っているのは、日本人だけです。従って、11時間のこのような形を適用することはまず現実問題であり得ないというのが実感であります。
 時間管理する方々もかなり限られた方々で、いわゆる第一線で働いている方々はほぼエグゼンプト、時間管理をしていないということです。昨日、たまたまイギリスの人事担当の駐在員マネージャーが日本に帰ってきたので改めて確認したのですが、余り11時間ルールを気にしておりません。気にしなくても、事業運営ができるのが現実でございます。以上でございます。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、御質問をお願いします。
○柴田委員 御説明ありがとうございました。8ページの対象範囲に労働組合員3万7,408人とありますけれども、対象外は管理職の皆様以上というふうに考えればよろしいでしょうか。それとも、ほかにもいらっしゃいますか。
○影田委員 管理職及び労働組合との交渉を担当している者が対象になります。
○柴田委員 わかりました。
○今野座長 どうぞ。
○島田委員 どうもありがとうございました。お話を伺っていて、労使でというところを強調されている点が大変興味深いなと思ったのですが、教えていただきたいのはその労使という場合のレベルというのでしょうか、相手方はどういう方になるのかということで、その辺の実態というのでしょうか。
○影田委員 日常の残業の折衝は、課長と職場の執行委員が、例えば残業とか出社時間調整について議論を行っています。
○島田委員 執行委員の方に会社の課長から御報告がいって、それで御本人にはまた執行委員からいくというメカニズムですか。
○影田委員 必ず上司が、どうなのか、大丈夫か、できるか、難しそうか、わかった、では組合折衝に行ってくるよという感じです。
○島田委員 わかりました。どうもありがとうございます。
○今野座長 どうぞ。
○土肥委員 御説明ありがとうございました。管理職は、基準や何か制度があるのでしょうか。全くないという状況の御理解でよろしいのでしょうか。
○影田委員 管理職につきましては、処遇が年俸制をしいていることもあり時間管理は行っておりません。
 ただし、健康管理、過重労働防止のために出退勤の打刻だけは義務づけております。
○柴田委員 ということは、長時間労働に関する面接指導等は管理職も行うものの、こういう勤務間インターバルに類似する制度は全くないのだという理解でしょうか。
○影田委員 はい。ですから、45時間を超えたら問診票は管理職も出しています。
○柴田委員 ありがとうございます。
○今野座長 他にいかがですか。
 9ページ目に調整適用者の人数が出ていて、1月の本社がすごく多いですよね。これは、やはり経理ですか。
○影田委員 多くは経理部門ですね。
○今野座長 やはりこうなるわけですね。
○影田委員 第3クォーターの締めです。
○今野座長 他にいかがですか。
 ヨーロッパの事例で、実情余り意味がないとおっしゃられたんですけれども、一応制度上はエグゼンプトであると適用対象外という話でしたね。ということは、先ほどの上級管理職というのはこのエグゼンプトですか。
○影田委員 どういう対象でこれを規定しているかわかりませんが、多分、専門職に該当すると思うのです。もしくは、ホワイトカラーエグゼンプション的な扱いができる幅が結構広いのじゃないかと思っております。
○島田委員 これは、国によって大分そこら辺の取り扱いは違うと思うのですが、おっしゃるように実態として見ると、例えばフランスで言えばカードルという管理職クラスになると実際上は時間管理していないということで、さっき出てきた上級管理職というのはやはりそれ以上のカードルスペリエールというもっと上の層で、さっき御説明があったようにむしろ役員とか、厳密な法的な意味では日本で言う管理監督者に非常に近い概念だと思います。
 ですから、その法制上の仕組みと、また実態もそういう協約によってできるとか、いろいろな仕組みを持っていますので、実態とあわせて見ていかないといけないということなのだろうと思いますので、一言だけ。
○影田委員 基本的に、残業概念がもはやないのです。
○今野座長 しつこいようですけれども、15ページのフランスのものだと「基本的にエグゼンプトであり、本ルールの適用除外」となっているので、これはもしかしたら法律じゃなくて協約でこうなっている可能性もあるということですね。先ほどは法律ですけれども。
○島田委員 法律の仕組みは上級管理職というのとは違う仕組みがあって、実際上はこうなっていくということです。
○影田委員 先ほど厚生労働省さんの資料にも労働協約との記載がありましたので、多分そういうこともあるのじゃないかと思いますけれども、ただ、基本的に残業はしないということは、ヨーロッパ共通して言えると思います。
○今野座長 よろしいでしょうか。
 それでは、ありがとうございました。では、最後にKDDIの滝山さんからお願いします。
○滝山氏 では、「勤務間インターバル制度について」ということで説明をさせていただきます。
 申しわけありません。資料にページが振られていないところがありますので、ちょっと見にくいところがあるかもしれませんが、御容赦いただけたらと思います。
 1枚めくっていただいて、本日の内容としましては「導入の背景・経緯」、それから「インターバル時間の根拠」「制度概要」「導入後の流れと評価・課題」、働き方変革への取り組み等々を説明させていただきます。
 まず「導入の背景・経緯」ですが、そもそも2000年10月、KDDIが発足したときに、通信設備の運用保守部門におきまして輪番とか交代勤務における連続勤務の禁止ということで概念としては存在しておりました。
 2012年10月の時点で「裁量労働制」を導入した際に、そちらでインターバル制度というものを初めて入れました。こちらで、8時間のインターバルというものを入れております。ここは、時間管理の対象外となることによって働き過ぎを防止するという趣旨で入れております。
 2015年3月に「春闘における合意」ということで、この勤務間インターバル制度につきまして全社員へ拡大するということ。それから、健康管理のためのインターバル指標の導入ということをしております。
 その後、2017年4月には制度変更ということで、健康管理のためのインターバル指標の運用基準を変えております。
 めくっていただきまして、「導入の背景・経緯」ということになります。「全社導入時の考え方」になりますが、こちらにつきましては一部の社員だけではなくて、全ての非管理職社員がこれまで以上に長時間労働の抑制、心身の疲労回復、健康維持などに留意しつつ、より生産性の高い働き方を意識できるよう、「最低8時間のインターバル確保」をする。これを、就業規則に定めております。
 その下に、同時に「インターバル11時間を確保できている日数」というものを基準としまして、こちらは安全衛生管理規程というところで定めております。
 下のほうは弊社の特色と言えると思いますが、ホワイトカラー中心の職場であるということがありまして、ここは健康管理や生産性といったところはどうしても個人の自律性に頼りがちといったところがありますので、ここを制度的にサポートするということになります。
 あとは、時間的制約の活用ということになりますが、インターバル確保8時間を義務付けることによって、限られた時間の範囲でより効率のいい働き方を意識してもらうということ、それから同時に、確実な休息も確保できるということになります。
 この8時間と11時間とを分けておりますが、3点目に書いてありますとおり、8時間というのはあくまで繁忙期等を想定した最低ラインと位置づけておりまして、毎日8時間あれば十分というわけではないと考えております。望ましい休息時間という意味でいうと、11時間ということを全社員の健康チェックの指標として設定しているということで考えております。
 その次のページ、「インターバル時間の根拠/考え方」といったところになります。まずインターバルの8時間というところですが、ここはそもそもありました裁量を入れたときの8時間といったところをベースに持ってきております。「当社の交代勤務における連続勤務の禁止」ということで8時間、3交代の8時間といったところです。
 2つ目は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」といったところを一つの根拠として定めております。
 2点目の「インターバル11時間」ですが、こちらはまず一般的な生活時間でレベル感を見ております。睡眠時間で最低6時間ぐらいは要るかなと考えまして、その前後、通勤時間で1時間掛ける往復で2時間、その他生活で3時間というようなことで、インターバル合計で11時間程度持っておけば休息としては十分持てるのではないか。これは、一般的な生活時間から導いたものになっております。
 次のページを見ていただいて、同様の「根拠/考え方」です。「公的な指標等に基づく考え方」ということで、1の総務省さんの「社会生活基本調査-生活時間に関する結果」ですが、ここでこちらの数字から労働時間以外の生活時間は「11時間」といったところを割り出しているというのがひとつ根拠になっております。
 それから、2で厚労省さんのものを3つほど書いておりますが、こちらもベースにしております。
 下の囲みになりますが、「過労死ライン」とされる80時間といったことで、これから見ますと1日当たり12時間労働といったところが導かれるかと思っております。8時間が法定労働時間プラス4時間、時間外労働80時間ですので1日当たり4時間の時間外労働と考えますと12時間ということで、1日の休息時間として12時間の確保が健康の観点から望ましいという考えがひとつありまして、これらを総合的に判断しまして11時間といったところが安全衛生上は数字としてはいいのではないか。いろいろな根拠から言っておりますが、これをベースにしているところになります。
 「制度概要」といったところになります。左のほうが就業規則になりますが、ここは「勤務時間としてのインターバル」ということで、就業規則ですので義務ということになります。
 「対象者」としては非管理職ということで、契約社員、それから嘱託社員等も含むということになっております。
 「内容」につきましては、時間外労働を含む当日の勤務終了時刻から次の勤務開始時刻までに8時間のインターバルを設けるということになります。裁量労働の社員につきましては、当日の労働時間が13.5時間を超えた場合に適用するということになります。こちらの根拠は所定就業時間7.5時間に、36協定で1日の残業時間上限6時間を加えた13.5時間というのをベースで考えております。
 右のほうが安全衛生管理で、こちらは11時間のほうですが、ここは「健康管理指標としてのインターバル」というふうに定めております。
 「対象者」は全社員となっておりまして、管理職も含みます。管理職、裁量労働、契約社員、嘱託といったところになります。
 ここは、インターバルが11時間未満の日数が月5日以上ある社員につきましては産業医の面談・呼び出しの対象ということになっております。健康チェックの対象として、必要によって産業医の面談を行うということで指標化をしております。勤務データをもとに問診票でセルフチェックを行いまして、その後、問題がある社員につきましては産業医が確認をして面談するというような形で、安全衛生上の管理を進めているということになります。
 「制度概要」で適用の手続になりますが、まず就業規則における「インターバル8時間」につきましては、ここは特に適用に当たって手続等は必要ないということになります。
 「インターバル時間の確認」につきましては運用面のお話になりますが、我々の持っている勤務管理システムということで時間を管理しているところになります。
 まず「1)暫定値」ということで、会社の業務用PCの前日のログオフ〜当日ログオンまでの間隔を暫定値として、お昼ごろにシステムで見えるような形になっております。本人と、それから上司につきましては、ここで何時間のインターバルが空いているといったところを把握できるということになっております。
 その後、確定ということになりまして、ここは時間外労働の日次申請・上長承認ということで、ログオフと別に自己申請を行っておりますので、これはシステム上で行いましてインターバルの時間を確定するという運用になっております。こちらは、最終的にはこの自己申請によってインターバル確保の結果が確定するということになってまいります。
 次のページ、「制度概要」で「適用除外」というのがございます。我々はインターバルには適用除外というのがございまして、業務の緊急性とか継続性、特別な事由がある場合には、所属長の承認によって8時間未満とすることがあるということになっております。ここは、所属長の承認によってこれが可能ということになっております。
 下のほうにありますが、適用除外につきましては上長判断によって行うということで、人事部のほうで特に承認等は行っておりません。社員につきましては、この勤務管理システムによって適用除外である旨を申請する。それで、上長がそれを見て承認をするということになっております。ですので、確定については通常多くの場合は事後ということになります。
 この適用除外ですが、何でも認めているわけではありませんで、システム障害対応とか、翌日の顧客提案の準備、重要な会議資料の作成、大規模な集客イベントの実施等、いろいろ理由は書いていただきます。人事部の承認は必要ないのですが、人事部はこの理由はもちろん見ておりますので、内容については後日、確認をさせていただくことがあるということになります。
 2)ですが、「健康配慮措置」ということで、具体的な内容につきましては各部署にて業務の状況を見ながら適宜、判断して行うということになっております。
 裏にいっていただきまして、「制度概要」で「翌日の所定就業時間と重なる場合」ということになります。こちらは、我々はみなしというものはやっていないということになります。1行目にありますとおり、インターバル時間が翌日の所定就業時間に重なる場合はインターバルの確保を優先するということとしておりまして、当該日の始終業時刻とか就業時間を変更するということになります。
 当月の所定就業時間は変更しないということになっておりまして、下の【1】にあるとおり所定勤務時間を繰り下げていただくとか、【2】にあるとおり変形労働の活用をしていただくということで、所定の始業時刻を変えるということで8時間のインターバルを確保していただくというような運用でやっております。
 次ですが、「導入後の流れと評価・課題」ということになります。
 「導入後の流れ」につきましては、2015年7月に春闘合意でこれを入れまして就業規則の改定等々を行って全社周知、その後、下のほうですが、勤務管理システムの改修等をやりました。
 同じ年の末には全社員にeラーニングを行いまして、その翌月には早くも個別アラートみたいなものを発出開始するということになっております。
 そういう導入をしたのですが、「評価・課題等」にありますとおり、導入前は多少否定的な意見もあり、繁忙期とかはどうするんだというような話もあったのですが、導入については我々の感触としては想定以上にスムーズに実施されたと思っております。業務上、目立った影響等は特に確認されていないということになっておりまして、最初のほうは違反者という人たちもかなり出たところですが、今でいきますと違反というのは2名程度ということになっております。
 先ほど、ある特定の部署かというお話がありましたが、これは特に特定の部署がなっているわけではなくて、何か先ほどのような繁忙があったとか、そういうところで違反者が出ている状況に今はなっております。
 あとは、先ほども申し上げましたが、インターバル確保の可否は「事後に確定」ということになっておりますので、やはりここは社員・上司への継続した啓発活動が必要かと考えております。
 あとは下の「・」にありますが、インターバル確保自体が目的ではなくて、他の勤務制度との相乗効果を期待していると考えております。それから、断続的勤務にならざるを得ない社員への例外適用等も今後、整備する必要があるかと思っております。
 インターバルについての概要は以上になりまして、その裏に働き方変革への取り組みというのがございます。弊社では改革をさらにちょっと上にいって変革という形で言っておりますが、2017年1月から働き方変革推進委員会というものを行っております。より健康で生産性の高い働き方への変革に向けた取り組みを強化するということで、この中で所定外労働時間80時間以内ということを言っております。管理職裁量労働を含む全社員対象ということでやっております。
 2のところで、勤務間インターバルを改めて8時間ということで、これも必ず守りましょうという話をしております。
 3は私事在館ルールの徹底ということで、この業務終了後は必ず30分以内に退館する。仕事もないのにオフィスの中にいないという形で、これは徹底をしております。
 そういうところもありまして、インターバル、そもそも残業の時間数自体もかなり減っているところもありまして、長時間労働自体も減っておりますので、インターバル違反といったところでもやはり減っているという流れになっていると思います。
 下のほうは御参考ですが、テレワークといったところも我々実施をしておりまして、上司承認があれば自宅からリモートアクセスによる業務もできるということで働き方変革としてやっております。
 最後にEUの状況ですが、弊社もUK、それからフランス、ドイツと拠点がありまして話を聞いたのですが、そもそも工場等ではなくて通信、それからシステムインテグレーションをやっていたり、データセンターをやっていたり、比較的小規模な拠点が多いところでございます。
 聞いたところで言いますと、正直なところ余りぴんとこなかったというようなことで、EU指令を意識してすごく現地の人事の人間がやっているかというと、そうでもないような印象を受けております。
 ここに書いてあるのはUK、イギリスの例ですが、EU指令が書いてありますが、これに対してUKではWTRというUKの労働時間の規制といったものがありまして、オプトアウトをしている。不参加しているという扱いになっているということで、この1週48時間以下といったところは、ここもオプトアウトということで1週間に48時間を超える勤務を行うことも可能は可能ということになっております。
 インターバル11時間につきましても、権利ということで、EUの指令になってはおりますが、権利を使うかは本人次第というような話があります。ですから、ここも余り意識はされていないというところでありました。
 最後のところですが、HRというのは人事部になりますが、人事の役割としましては労働者の判断によらず、健康と安全は人事の業務であるということで、基本は規定どおり休みなさいということを推し進めているということです。
 先ほど本田さんのお話もありましたが、私も実はフランスに2005年から2010年まで駐在をしておりまして、全く同じ感想を持っております。現地社員らは、必ず定時には帰ります。なので、この11時間を気にするほどには長時間労働をしないのではないかなということで、現地の人事担当がちょっとぴんとこなかったというのはそういう事情も背景にあるのかなと考えております。
 御説明は、以上になります。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、御質問をどうぞ。
○輪島委員 御説明ありがとうございました。適用除外のところで、1)の1つ目の「・」ですが、上長の判断というと結構悩ましいと思うのですけれども、極論すると緩い上長と厳しい上長で大分取り扱いが違うのじゃないかという気もするのですが、感触だけでも教えていただければありがたいと思います。
○滝山氏 そこはおっしゃるとおり、やはり上長によって判断が違ってくるところはあると思うのですが、ただ、内容につきましては今、働き方変革というものがありますので、理由は人事部でも見ていますというところがありますので、ある程度そこはちゃんと一定のレベルで見ていただけているのかなと思っております。
○今野座長 どうぞ。
○松井委員 御報告ありがとうございます。参考になりました。
 今の上長判断によりというところの2つ目の「・」で、社員は適用除外の場合は日時の勤務実績報告時に申請ということになっておりますが、一方で、その次のスライドですと、翌日の所定時間の変更は原則として当日の始業前に上長が行うというルールとなっています。実際の運用で例えばインターバルが8時間空かないという事態があったときに、翌日にどういう作業を、上長はするのでしょうか。本人からこういう理由があって今回適用除外にしてくださいということであれば、それはしないとか、そういう運用なのですか。
○茂木氏 ただいまの御質問でございますが、適用除外の場合は、これも本人が勝手に適用除外ということを判断することはできませんので、仮に深夜になっても上長と必ず連絡をとって、適用除外をするということは上司が形の上では命じるということになります。
 その結果、翌日のインターバルが確保できないということになっても、それも上長の承認といいますか、上長の指示のもとに行っているという形になります。
 上長との確認がきちんととれるという前提で、システム上の申請等というのはどうしても事後にならざるを得ないということで運用をしているというものでございます。
○松井委員 ありがとうございます。
○今野座長 他にいかがですか。どうぞ。
○土肥委員 どうも御説明ありがとうございました。
 健康管理指標としてのインターバルでございますけれども、通常このルールで考えますと、管理職に関しましては長時間労働のほうが基本的には先にKDDIさんの何らかの制度の上限にひっかかってくるパターンのほうが圧倒的かなと思うのですが、そういう意味でこの制度によって産業医の面接に行く人間の数と、通常の残業時間の制限によって過重労働、長時間労働対策としての産業医の面接等に行く人数、こういうものは大きく変化してきたのでしょうか。それとも、ほとんど包含されているという理解がよろしいのでしょうか。
○茂木氏 人数的なところでございますが、このインターバルの指標を入れる前は、先ほど他の企業さんにもありましたが、45時間を超えた場合に問診票送付といったような運用だけでやっておりました。それで、インターバル11時間という指標を入れた結果、インターバルの指標だけで問診票を送付する方が月に20名前後、新たに見つかったといいますか、過重労働の見える化ができたというところでございます。
○土肥委員 その20名というのは、かなりたくさんの人数なのでしょうか。全体の人数がどこにも出てきておりませんので、ちょっとぴんとこないのですけれども。
○茂木氏 全体の人数感で申しますと、全社は1万5,000〜6,000という中での20名前後ということでございます。
○土肥委員 ありがとうございます。
○今野座長 それでは、そろそろ時間にもなったので、全てについて3社どなたでも結構です。どの会社でも結構ですので、御質問がありましたらどうぞ。
○小林委員 まず1点目としてKDDI様に、「導入前は、一部で否定的な意見もあり」というスライドがありましたが、先ほど別の会社様からもお話があったような経理部での反対意見ですとか、やはりどの会社にも共通するような否定的な意見があったのかどうかということを伺いたいのと、もしその否定的な意見が各社様共通するようなものであった場合に、これは他の会社様にお伺いしたのですけれども、その否定的な意見をどうやって説得するかといったところで、何が重要であったのかということをお伺いしたい。
 例えば、人間尊重という理念が優先されるから説得できたですとか、働きがいのある会社にという上位の目的があるから説得できたですとか、どういうところが否定的な意見に対するポイントになったのかということをお伺いさせていただければと思います。
○滝山氏 まず弊社ですが、否定的な意見というのは、仕事をする上において繁忙期に手かせ足かせになってしまうんじゃないか。どうしても長時間やらなければいけない繁忙期については、これはなかなかインターバルを確保するのは難しいんじゃないかという意見がやはり強かったところであります。
 ただ、実際にやってみますと、そこは一つのルールとして明確にしたところでいきますと、実態はそういう声もあったのですけれども、導入時にそのインターバルを違反するような働き方をしている部門はそんなに実はなかったということがありまして、声だけ聞こえてきたんですけれども、実態はそうでもなかったというのが弊社の状況ですので、あとはそういう働き方をしている人、もしくは必要なところは適用除外といったところでやってくださいという形で今につなげているというようなことになります。
○今野座長 他の2社ではいかがですか。
○影田委員 弊社の場合は、全ての従業員が入社したときからあった制度ですので、それは当然のこととして受けとめております。
 ただ、そこの前提となるのは、社風といいますか、企業理念からしても当たり前のことなのだと受けとめているということだと思っています。
○今野座長 志手さん、どうですか。導入されたばかりなので、一番いいかもしれないです。
○志手委員 特に抵抗はなかったんですけれども、本田さんと同じように弊社も人間尊重の精神というのを大前提で約束していますし、何よりも社員のためを思っての制度なので、それに対してなぜあなたたちが反対するのか。あなたたちのことを思ってやっているんですよということで、組合とあわせて話をしています。
 ただ、実際に導入して見ると、先ほどみたいにそんなに違反するような人は発生しなかったということなので、最初に危惧したほど実態はそこまで長時間労働はなかったというようなことで落ち着いているという感じです。
○今野座長 それでは、そろそろ時間ですが、もう一つぐらいどうぞ。
○大久保委員 ありがとうございます。3社それぞれの状況は非常に興味深く伺いました。
 労働者として一番気になるのは、賃金との関係であろうかと思います。特に本田さんの場合には、賃金について非常に手厚い制度を導入されていて、就業しなかった部分は払った上で、もしそこでも就業したら割増賃金を払われるということだと理解いたしました。
 このような場合ですと、特に賃金水準がまだ低い若手の場合には、だったらその分働いて賃金をもらったほうがという考えにいきがちかなとも思います。私などが若い時代には、それこそ「生活残業」という言葉もあったぐらいですので、そのあたりをどのように回避していらっしゃるのかということを伺いたいと存じます。
 また、他の2社さんの場合、特に賃金との関係は余り御説明の中にはなかったのかなと思います。割増賃金との関係をどのように処理されているのか、教えていただければと存じます。よろしくお願いいたします。
○影田委員 まず、弊社の件から申し上げます。
 確かに生活残業的な言葉もあるかもしれませんが、そのためにも日々の労使協議を行っておりまして、働き方等々については労使で必ずチェックをするということでございます。
 なおかつ、翌日出社時間調整、要するに22時以降ということですが、極めてまれな事態だということで、まずは起こり得ないということが基本的に働く者もマネジメントも共通認識でございますので、そこでさっき言った御心配されるようなことはまずないだろうと思っております。
○今野座長 それでは、KDDIさんはどうですか。
○滝山氏 先ほど「制度概要」の「翌日の所定就業時間と重なる場合」のところでも御説明しましたが、実際の所定の就業時間は変更しておりませんで、ここは賃金上も特に規定等も変えておりませんので、時間がずれたらずれただけというような扱いになっております。
○今野座長 志手さん、どうですか。
○志手委員 弊社も同じように翌日1時間ずれたら月間の中で就業時間、所定労働時間にあわせてくださいということで、大半の社員はフレックスタイム勤務制なので、それで月間であわせるということでやっております。特別な割り増しなどを支払うことはしておりません。
○今野座長 それでは、時間ですので終わりにさせていただきたいと思います。発表していただいた皆さん、大変ありがとうございました。
 それでは、今日はこれで終わりということですが、次回は労働組合の取り組みについての事例発表を予定しております。日程等について、事務局からお願いします。
○花咲企画官 第3回目の会議の日程でございますけれども、9月ごろを予定しておりますが、発表いただく労働組合の方々の選定とあわせまして調整の上、改めて御連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○今野座長 それでは、本日は終わりたいと思います。ありがとうございました。


(了)

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