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2016年11月4日 第118回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成28年11月4日(金)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室(12階)


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 ただいまから、第 118 回雇用保険部会を開催いたします。皆様、お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日の出席状況ですが柳沢委員、山本委員が御欠席です。また、野川委員は 20 分ほど遅れて御出席になると伺っております。本日は資料の関係もありまして、職業安定局訓練受講者支援室松原室長及び能力開発局能力開発課松瀬就労支援企画官に御出席を頂いております。ありがとうございます。

 早速、議事に移りたいと思います。本日の議題は「雇用保険制度について」ということです。事務局のほうで資料を用意していただいておりますので、まず、資料 1 から説明を頂きたいと思います。よろしくお願いします。

○松原訓練受講者支援室長 資料 1 に基づいて、求職者支援制度の実施状況について御説明いたします。お手元の資料を開いていただきますと、「求職者支援制度の概要」があります。概要については簡便に説明させていただきます。求職者支援制度の趣旨・目的ですが、こちらの制度は雇用保険を受給できない求職者に対して、訓練の受講機会の提供、一定の要件を満たす場合に訓練期間中の給付金の支給、ハローワークを中心とした就職支援、その 3 点セットの制度になっております。

 次のページ、その間、職業訓練受講給付金の支払いをしています。毎月、支給単位期間は月当たり 10 万円。併せて交通費。これは実費相当になります。寄宿が必要な場合には、寄宿手当は昨年度の見直しがありまして、この 10 月から開始されております。

4 ページ、「求職者支援訓練の概要」です。訓練は基礎コースと実践コースの 2 つのパターンがあります。最近の見直しも含めて御説明いたします。「訓練の期間・定員」の「期間」については、昨年度の見直しがありまして、従前、 3 か月から 6 か月であったところ、 2 か月から 6 か月、つまり、 2 か月の設定が可能になっております。「時間」についても、従前、 1 か月につき 100 時間以上であったものを括弧書きにあるように、 1 4 時間程度の短時間コースが設定可能になっております。 1 コースはおおむね 10 人から 30 人の設定です。その下の「訓練内容のイメージ」の基礎コースについても、昨年度の見直しで対応しております。「職業能力開発講習 社会人の基礎的能力に関するカリキュラム」のところを、これも従来、 2 週間程度でやっておりましたが、それをかなり拡充して、 1 か月程度の講習として必ず基礎コースに付ける形での見直しも実施しております。

 次のページは、求職者支援制度はこれまで 2 回ほど見直しをしております。平成 26 年度改正の概要としては、法施行 3 年目の見直しを実施しております。関連のあるところだけをかい摘んで御説明します。 2. に「訓練受講給付金の支給要件等の見直し」があります。この見直しは、制度創設当初は、最初、 1 2 時間遅刻をされた場合でも、カウントとしては欠席 1 日でカウントするという、大変厳しい出席要件をかけておりましたが、 3 年目の見直しのときに、遅刻等で少し遅れた方については、それを 2 分の 1 のカウント、 0.5 日でカウントするという支給要件の見直しを実施しております。

3. の「安定就職に向けた支援の向上のために制度実績を把握する就職を『雇用保険適用就職』」という見直しを実施しております。次のページの「平成 28 年度の改正の概要」については、先ほど来御説明を部分的にしていたのと同じですので割愛します。

 「求職者支援制度の実施状況」について御説明いたします。 8 ページからになります。平成 27 年度の受講者数としては合計 4 588 人。実践と基礎の割合としては 3 7 となっております。実績としての就職率については、訓練終了 3 か月後時点のものを取っております。基礎コース 56 %、実践コース 60.5 %となっております。平成 26 年度以降は、雇用保険適用就職率となっておりますので、全て適用就職率の実績になっております。

9 ページ、「分野別の受講者数・就職状況」になります。分野別で見ますと、介護福祉、営業・販売・事務、それぞれ 2 割を超えて 6,000 人以上ということで、この辺りが大きなボリュームになっております。就職率については、介護福祉が 72.1 %と最も高く、ほか分野別で多少差が出ております。

10 ページ、「制度開始以来の受講者数の推移」については、雇用情勢の改善傾向が続く中で、受講者数は平成 24 年度の上期をピークに減少が続いております。平成 27 年度下期が直近のものになりますが、ピーク時の 4 割程度の人数となっており、減少が続いている状況です。

11 ページ、そこは制度開始以来の実施状況の推移ということで、予算上の定員、認定定員、開講率、充足率、そういったものについて数字の推移を載せております。

12 ページ、「受講者の属性」については、 4 500 人の方が受講をしていただいておりますが、特徴として、受講者の 7 割以上が女性となっております。分野別に見ても特徴があり、医療事務については 97 %が女性、 IT については 67 %が男性ということで、分野別に多少男女差ができております。

 年齢階層別に特徴を見ますと、年齢層としては、 20 49 歳層に満遍なく広がっていると認識しております。あえて申し上げると、基礎コースは 40 代が多く、実践コースは 20 代、 30 代前半が多い。それほど顕著ではないですが、そういった傾向も見受けられます。

14 ページ、分野別と年齢でクロスを掛けたものでは、 IT 、医療事務、デザインというのは、 20 代で約 4 割を占めている状況です。一方、介護福祉の分野については 40 代、 50 代の占める割合が高く、その層で 5 割を超えている状況です。

15 ページ、通年で数字が取れる平成 24 年度から平成 27 年度まで、全体で年度別、年齢別でどんな特徴があるのかを見ている図となっております。これを見ますと、受講者の年齢分布というのは、全年度で 25 29 歳が最も多い状況です。受講者全体として、若年者が多く、 30 代以下で全体の 6 割を占める状況です。

16 ページを御覧いただくと男女差です。先ほども申し上げましたが、やはり、受講者に女性が多い傾向は、制度創設の当初から変わっておりません。多少ですが、受講比率の女性割合は増加している状況です。こういった傾向は平成 24 年度から平成 27 年度で余り変わっていないのが全体の結論ではないかと思っております。

17 ページ、職業訓練受講給付金、給付金受給者の視点で支給状況について御覧いただきたいと思います。受給者については、初回受給者 2 626 名ということです。受給されている方々の年齢としては、 20 44 歳まで満遍なく広がっております。最も高い層としては、男女共に 25 29 歳の割合が高くなっております。

18 ページ、平成 24 年度以降の支給・不支給の決定の状況です。平成 24 年度以降、今までの間で不支給の決定がなされた割合が、全体の 4.2 %となっております。裏を返すと、 96 %程度は支給決定ができているという状況です。この 4.2 %はどういった理由で不支給決定となっているのかについては、下の表にあります。一番多いのは、出席要件、訓練の欠席による不支給ということで、これが不支給の理由として 68.5 %、 7 割近くを占める状況です。その次に多いのが、世帯収入 25 万円を超えた場合ということです。よく現場から聞こえるのは、同じ世帯の方のボーナス月では世帯収入がボンと増えますので、そういったときに支給はできなくなるという状況があるようです。

20 ページ、制度開始以来の受給者割合の推移については、求職者支援訓練の受講者に占める給付金の支給割合となっております。これは毎年度下がっている状況です。直近の平成 27 年度については 35.1 %となっている状況です。

21 ページ、制度開始以来の不正受給の状況については、年々減っております。直近の平成 27 年度は 13 件です。

22 ページ、受給者の状況です。これも年度別、年齢別に受講者と同じような形で数字を取っておりますが、基本的には、受講者と同じような傾向がありますので、年齢分布的には、制度創設以来、 25 29 歳層が最も多くなっております。

23 ページ、こちらも女性比率が多いことと、それが年々少しですが増加している。その点についても受講者と同様の傾向が見受けられます。

24 ページ以降については、最近の関連の政府方針、労働局・訓練受講者の御意見について御紹介していきます。最初に、「政府方針等」については、「女性活躍加速のための重点方針 2016 」があります。こちらの中で「女性の参画拡大・人材育成」の中の「キャリア形成支援」にありますが、特に育児等による制約がありながらも、再就職をして活躍を希望する女性について、マザーズハローワーク、マザーズコーナーにおける支援を強化する。それに続いて、それらの女性が再就職に向けた訓練を受けやすくなるよう、訓練受講要件の緩和等の関連制度の見直しを検討するということで記載があります。

 「平成 29 年度労働政策の重点事項」については、マザーズハローワーク事業、若者ハローワークという、若者活躍促進、その拠点になる部分。そこに既に今年度から訓練相談窓口、人の配置も含めて、体制の強化を図っているところですが、それを今後は職業訓練受講給付金の支給業務も含めて、ワンストップ化を更に 1 歩進めて推進をしていく。求職者支援制度の利用促進を図る。そういったことについて触れております。

26 ページ、労働局・ハローワーク、現状の業務を通しての課題ということで挙げていただいたものについて取りまとめております。給付金のほうは、受給者の減少が見られますが、属性的に最近見られる傾向について把握したものです。ハローワーク自体に求職者が非常に減っている中で、訓練受講者、雇用保険受給者が多くなって、特定求職者の割合が減少しているのが 1 つ目です。

 相対的に母子家庭の母や子育て女性、子育てがひと段落した女性が受講者として増加しております。一部のハローワークでは、高齢者の増加、生活保護受給者の増加も挙げられております。

 一方、生活困窮者については、今、雇用情勢が良い中ですので、職業訓練を受講するよりも、早期就職で生活費を得たいという考えで、訓練受講に踏み切らないという傾向があると聞いております。そうしますと、全体的に生活にある程度余裕のある方が訓練を選ぶ傾向もあると言えるのではないかという声もありました。

 支給要件との関連で、現場から上がってきたものとしては、都市部では若者の一人暮らしのケースも多いですが、地方においては、家族との同居が多く、世帯収入、金融資産の支給要件について該当しないケースが多い。受講者は女性が多いということでしたが、やはり、配偶者の収入があるので、収入要件を満たさないケースがある。ただ、義父母と同居している場合、資産の証明といったものに義父母の協力が得られずに、そもそも受給を諦めてしまうケースもあるということです。

 母子家庭のお母さんといった方々も、収入の関係で両親と同居せざるを得ないということもあって、こちらも世帯収入、経済的に支援を受けている、受けていないに関わらず、世帯収入での対象外になるケースが多いということが報告されております。

27 ページ、 3. 2 つ前のポツを御覧ください。出席要件の関連での記載があります。生活保護受給者は、生活面から正していかなければならない方も多い中で、継続して訓練に通学することが難しいケースもあり、出席率が伴わず、不支給になるケースが多い。母子家庭の母に関して言えば、自分以外子供の看護をやる方がいないために、やはり、どうしても欠席率が高くなり不支給になる。不支給になるだけではなく、その時点で結局中途退校をしてしまうというケースの報告もあります。「その他」については、同居の親族、収入の確認もしなければならないのですが、そういったところに協力を得られなく、確認が困難なために、受講を断念というケースも一部見受けられるという声も上がってきております。

28 ページ、そういった現状、課題を踏まえて、労働局・ハローワークで改善として考えられるものということで挙げていただいたものを集めております。例えば、出席要件については、やむを得ない欠席理由、例えば、子供の学校行事・ PTA の出席なども含めて、子育て世代を中心に要件の緩和をされると良いのではないか。給付金の出席要件が、やむを得ない理由での 8 割出席を僅かでも割ると、給付金全体が不支給になる。 10 万円か 0 円かという形での支給に今はなっておりますので、その支給方法について見直しが必要ではないか。具体的には、給付金支給額を日額減額して支給する検討もあるのではないかという声もありました。

2 番目の収入・資産要件に関しては、世帯収入要件については扶養する人数、そういったものも一定程度考慮してはどうかという部分。本人の収入要件について、もう少し引き上げてもよいのではないかという部分。母子家庭の母の場合、経済的な理由もあって御親族と同居される場合に、その親族の収入や資産の把握が非常に困難であるため、そういう場合については、確認を本人のみにしてはどうかという意見もありました。

29 ページ、土地・建物要件については、都市部では、この要件をもって不支給になるケースは非常に少ないということで、基本的には申告ベースになりますので、この部分は影響が余りないので見直してもよいのではないかという意見。一方、地方では、田畑・山林といった所有率が高く、先祖代々の土地を持っているのですが、これを売却、資産価値としてはなかなか金銭に勘算するのは難しい、あるいはなかなかお金にならないということもありますので、土地・建物要件を廃止してはどうかという意見も上がっております。

 「その他」については、先ほど来御説明をしたように、やはり、確認書類・提出資料が多いことから敬遠されるケースもあるので、手続の簡素化なども検討してはどうかという声も上がっております。

30 ページ、サンプル調査でやったもので、多少関連もありますので御紹介します。求職者支援訓練の欠席理由について取ったアンケート調査の結果です。複数回答になっておりますので、一番多いところで見ますと、やはり、御自身の健康面ということで 43 %になっております。次いで多いのが、子供の病気、看病 24 %。 3 番目が就職の面接。その他が 4 番目になっておりますが、その他の自由記載を見ますと、多くが子供の行事、冠婚葬祭、家庭の事情でのお休みが多くなっていることが分かります。

31 ページも同じようなサンプル調査です。受講者のうち未就学のお子さんがいらっしゃる方に聞いたところ、訓練期間中、あるいは訓練終了後の面接時にお子さんの保育はどうされていますかと聞いたものです。それによりますと、保育園や託児所等の施設に預けるが 69 %。親族や友人に預かってもらうが 22 %となっております。以上、最近の現状に関連する報告、調査結果等をお示しさせていただきました。

 求職者支援制度の論点としては、今の時点で第 2 のセーフティネットとしての機能を十分に果たすため、職業訓練受講給付金の支給基準について改善すべき点はないか。利用者の多数を占める女性・若者に対する支援として十分なものになっているか。そんな視点で御自由に御意見を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○岩村部会長 ただいま説明を頂きました資料 1 について御質問、あるいは御意見がありましたらお出しを頂きたいと思います。

○亀崎委員 求職者支援訓練について、資料 1 の関係です。論点に上がっている職業訓練受講給付金について、職業訓練受講給付金では、雇用保険に未加入の方が 10 万円を受給できる一方で、雇用保険料を支払い続けていたにもかかわらず、 10 万円より低い額しか基本手当を受給できない方が存在する。その点を念頭に置いた議論が必要であって、労働側としては、こうした現状は改めるべきと考えていますが、事務局ではその件についてはどのようにお考えかお伺いしたいと思っております。

 それから、求職者支援訓練を受講する雇用保険受給者の生活の安定の観点からは、基本手当の受給額が、求職者支援制度の職業訓練受講給付金、すなわち月 10 万円に満たない場合、その差額分の補填を行う措置を講じる必要があると考えております。これについてもどのようにお考えかお伺いしたいと思います。

 また、給付に関連して、求職者支援訓練の対象世帯の生活の安定を踏まえれば、就職してから最初の賃金を受け取るまでのつなぎ資金としての何らかの給付が必要ではないかとも考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、職業訓練受講交付金の不支給要件の 1 つに、直前に給付金の支給を受けた訓練の最初の支給単位期間の初日から、 6 年間を経過しない場合とあります。訓練終了後に、一旦就職したものの、非自発的な理由によって、離職を余儀なくされた者については、要件を短縮することも考えてはどうかと思うところです。現段階での御見解があればお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○岩村部会長 ありがとうございました。 4 点ほどのお尋ねだったと思いますが、事務局からお答えはいかがですか。

○松原訓練受講者支援室長 求職者支援制度に関連する部分について回答させていただきます。一番初めの雇用保険受給者であっても、求職者支援制度における 10 万円の給付額よりも低い金額の方々がいらっしゃることについてどう考えるかということで、今までも何度か御指摘を頂いた点かと思っているところです。

 ただ、求職者支援制度を担当している立場から申し上げますと、やはり、両制度の仕組み、趣旨、目的が明らかに異なる部分もありますので、単純にそこの金額 10 万円と、雇用保険受給者の場合は、従前の賃金に見合う形での給付になっているかと思いますが、その辺を単純に比較するのはなかなか難しいのかと思います。

 最後の部分の 6 年サイクルのところも、求職者支援制度に関連する部分かと思いますのでお答えさせていただきます。 6 年サイクルの部分も非自発的な失業も含めた方々に何とかならないかというお声は、以前から頂いていることは認識しております。一方、私ども制度創設当初、どういう根拠に基づいてこの 6 年を設定したかと言いますと、非正規の労働者の方々の平均勤続年数を勘案して、非正規の方であっても一度就職をされたときは 6.4 年という数字になっておりましたので、そのぐらいは働いていらっしゃるということで、こちらの制度の中でも 6 年をワンクールと設定したところです。

 それ以降に、今一番新しいものとしては、平成 24 年の就業構造基本調査になるのですが、それで同じ数字を拾いますと、むしろ、平均勤続年数が延びている状況が実のところありますので、今の時期の見直しについては、今、雇用情勢も良い中で、非正規の方々の平均勤続年数も延びている中でなかなか難しい部分もあるのかと。ただ、御指摘は従前から受けておりますので、一定の検討を引き続きしていくという点は対応していきたいと思います。こちらに関しては、そういったお答えになるかと思います。

○岩村部会長 残る点はいかがですか。

○田中雇用保険課長 私から、月 10 万円の差額を基本手当で補填することはできないのかという御質問であったかと思います。先ほど松原からお答えをさせていただいたとおり、そもそも基本的には違う立て付け、違う要件の制度である中で、この 10 万円と基本手当の額に差があるからということで、そこを補填することに直接的にはつながるものではないと思っております。

 つなぎ資金としての給付は何か考えられないのかという御質問については、求職者支援制度は訓練を受けておられるときに、生活の安定のために一定の給付金をお支払いするという制度として設計をしているものです。給付で見られない部分については、融資を準備して、そういった中で対応していただくことを基本的なコンセプトとしていると考えれば、つなぎで資金が必要な場合についても、一定融資で対応を頂くということが制度全体の設計からは考えられることではないかと思います。

○岩村部会長 亀崎委員、いかがでしょうか。

○亀崎委員 制度上の違いというのはありますが、引き続き、どんなことができるのか、検討していただければと思います。

○岩村部会長 御意見ということで承りたいと思います。ほかにはいかがですか。

○遠藤委員 先ほど亀崎委員がおっしゃったことについて、制度創設時の段階から言われているものも含めて、繰り返し指摘されていることかと理解しております。

 使側の立場を今一度申し上げますと、基金訓練の恒久化ということで、 10 万円ありきで議論が出発したことが、そもそも論としてあるのではないかと思います。逆転現象ということであるならば、 10 万円そのものが妥当なのかどうなのかが、 1 つ論点として上がってくるということです。

2 つ目として、なぜ地域ごとに差を付けないのかと言われたときに、地域ごとに差を付ける根拠が見出し得ないのではないか、もう 1 つは、運用に関わる費用が嵩むことによって、制度全体でコスト増になることは避けたほうがいいのではないかという議論がなされてスタートしたということです。

 したがって、 10 万円ありきで逆転だとか、つなぎだとかという議論は、そもそも論として 10 万円をどう考えるのかという議論と併せてやらない限りは答えが出ないと思っております。

○三島委員 私からも、 33 ページの論点の給付金の支給基準についてですが、求職者支援訓練制度の創設に当たっては 2010 年に議論を行って、雇用保険部会の報告である、求職者支援制度についてが取りまとめられております。その報告の中では、給付金の必要性について、世帯の支援が期待できるか否かまで含めて判断すべきとして、世帯で一定の収入や資産があればその生活を支援する給付を支給する必要性は低いことから、世帯に一定の収入がないこと及び資産が一定の水準を超えないことを要件とすべきとしておりました。この考え方自体に変わるものではないと考えております。

 また、出席要件については、病気等欠席せざるを得ない場合を除き、訓練に全て出席することを要件とすべきこと、また、病気等の正当な理由がある場合の出席は 8 割以上とすべきとしていましたが、この点についても考え方に変更はないものと考えております。

 これまで 2 分の 1 のカウントを追加するという対応も行われておりますし、このことからも 8 割以上出席というボーダーライン自体は、現行のままでよいのではないかと考えております。

 なお、やむを得ない理由については、特に家族の看護や介護などを必要な場合の証明方法を多様化するなど、女性活躍の推進の観点からも、母子家庭世帯などが、この給付金を受けながらでも安心して訓練を受講できる制度となるように、運用面を改善することは重要と考えております。

 しかし、モラルハザードの防止の観点から、やむを得ない理由については、一定の線引きを行うべきと考えておりますので意見させていただきました。

○岩村部会長 ありがとうございました。御意見ということですので、よろしいですか。何かありますか。

○松原訓練受講者支援室長 どうもありがとうございます。私ども、基本的な考え方について変えるつもりはありません。要件緩和と言うと、今、受講者が非常に減っている中でハードルを下げて、できるだけ人を入れるというイメージでとらわれるかもしれませんが、むしろそうではなくて、本来、この制度を利用して、有効活用して安定就職に、この時期でこそ入っていただきたい方をちゃんと取り込めているかどうか。そういったところの点検は必要かと思います。むしろ要件の緩和というよりは、適正化を図っていかなければならないと思います。

 今頂いた御意見も、趣旨としては私どもと同じようなお考えかと理解させていただきましたので、できるだけ運用面で必要な方たちをきちんと拾える形での対応は進めていきたいと思いますので、ありがとうございました。

○岩村部会長 三島委員、よろしいですか。秋元委員、続けてどうぞ。

○秋元委員 資料 1 6 ページの平成 28 年改正で新設された寄宿手当について、意見を申し上げます。本年 3 月の雇用保険部会においても単身者については対象外という御説明を頂いているのですが、制度創設の趣旨として、離島やへき地にお住まいの方の訓練機会の格差に対しての措置ということでした。単身者の負担軽減についての対応の検討が必要だと考えていますが、事務局としてのお考えをお聞かせください。

○松原訓練受講者支援室長 前回そういった御指摘を受けたことは認識しています。これは雇用保険制度と同じような形で、別居を前提に、別居したときによる生計費の負担増に見合う形での制度を創設し、この 10 月から実施開始したところです。まだ 10 月からということで、今の時点では実績は上がっていないところです。

 頂いた御指摘も踏まえて、制度自体が 10 月から始まっていまして、これから実際に実績が上がっていくかなということなのですが、今の時点では実績がどのように上がっていくか、今後どのような課題が出てくるかということを一定程度検証させていただければと思っているところです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

○秋元委員 よろしくお願いします。

○青山委員 資料の 9 ページを拝見しますと、受講者が非常に減少している中にあって、 IT 、医療事務、介護福祉分野は、就職率も順調であるとみられます。一方で 11 ページに記載されている就職率の年度推移を見ると、平成 26 年度以降は雇用保険対象者だけのデータになっていますが、平成 24 年度から平成 27 年度までの就職率について、従前の就職率には大きな動きがないと思われます。括弧内のデータは雇用保険外の方も含まれるようですが、平成 23 年度下期から見ても、余り変わっていません。したがって従前の就職率でみても依然として、受講者のうち 2 割の方は就職できなかったということです。また、就職できた方であっても、相変わらず雇用保険対象外の仕事にしか就けない状況になっていることが読み取れます。

 これらの点について質問ですが、雇用保険対象外の方が 2 割程度存在することに対しての分析はしておられるのでしょうか。

○松原訓練受講者支援室長 雇用保険適用就職あるいは雇用保険の適用まではいかないにしても就職された方以外の層、これが御指摘の 2 割程度ということです。これを過去に行った調査結果、あるいはハローワークの現場から聞いた話としての回答を申し上げますと、この 2 割の中には、御本人の理由によって、今すぐには就職できない方が一定程度含まれています。具体的には、妊娠や病気によって、すぐには働けない事情ができた方、そういった御自身の判断で、訓練は受けたのだけれどもすぐには就職できない状況になってしまった方が、一定程度含まれています。

 もう 1 つは、一定程度の就職活動をやったにもかかわらず、就職の困難性によって難しい方ということで、ここの層については私どもとしても、引き続き職業相談なり、ハローワークできめ細かい支援をしていくしかない層だと思っています。

 大体、それがどのぐらいの割合かという数字的なものが出てこないのですが、層としては、就職されなかった方というのはその 2 つの類型に分けられると分析しています。

○青山委員 自身の理由によって就職できないということですが、そうすると、自身の問題が解決すれば就職活動をし、就職に結び付くと認識されているということでしょうか。

○松原訓練受講者支援室長 そうです。例えばお子さんができたとか、病気ですぐには働けないという御自身の御事情という方については、もう一度働ける状態になったときに適切な支援をしていくということで考えているところです。

○青山委員 引き続きこの分析をお願いしたいと思います。

 もう一点質問です。就職された方で、その後はどのような状況になっているかのフォローアップはされていますか。

○松原訓練受講者支援室長 現時点では、こちらの求職者支援制度を受けられた方というのは、 3 か月たった時点でどういった種類の就職をされているかの把握にとどまっているところです。ですので、就職された後にどういった状況か、定着の状況かとも受け止めさせていただいておりますが、そこの部分については今の時点では、お示しできるような形での数字を把握しているわけではありません。引き続き、そこの部分については適正なものとして、何らかの形で提供していくことを検討したいと思います。

○青山委員 フォローアップをよろしくお願いいたします。

○岩村部会長 定着率というのは、政策を見る上では重要なものだと思います。調べるのは難しいというのは分かるのですが、政策の有効性の検証という観点からは必要なデータだという気もしますので、いろいろ工夫をして、そういったデータが取れるように考えていただけると有り難いと思います。ほかにいかがでしょうか。

○遠藤委員 資料の 4 ページで、訓練コースの概要を御紹介いただいています。 2011 10 月にスタート以後、大幅な雇用の改善があり、それに伴って制度の改善がなされたという御説明があったと思います。

 現時点あるいは今後予定されていることでも結構ですので、 1 つ目の質問として、基礎コースから実践コースへの連続受講は認められているのか、あるいは認められる予定になっているのかということです。 2 つ目として、 4 ページの一番下の所に、「 2 週間程度のものを充実させた 1 か月の職業能力開発講習」と書かれているのですが、この講習を受講した後、受講生はどういう形で他の受講に移っていくのか、併せて 3 か月から 6 か月だったところを、短期間の 2 か月のコースを設けたという御説明もありましたが、その短期間コースを出た後の状況については、どのようなイメージを持たれているのでしょうか。

○松瀬能力開発課就労支援企画官  3 つ御質問を頂きました。 1 つ目の「基礎コースから、実践コースへの連続受講について」です。資料の 6 ページの 1. の最初の○の 1 つ目のポツに、「基礎から実践コースへ連続受講した場合に、当該基礎コースの就職率を算定対象から外す」ということが書いてありまして、ここで読み取っていただけると思います。今年の 10 月から、基礎コースから実践コースへの連続受講を認めることにしています。

4 ページにお戻りください。一番下の所に、「基礎コース 2 4 か月」と書いてありまして、その中の四角囲みで「職業能力開発講習」とあります現在の 10 月からの基礎コースは、まずこの職業能力開発基礎講習を 1 月受けていただきまして、その後、例えば介護、 OA 事務、経理事務等の基本的な職業スキルに関するコースをまた 1 月以上受けていただきます。合わせて 2 か月から 4 か月ということですので、この基礎コースの職業能力開発講習単品だけで済むというものではありません。この職業能力開発講習は非常に事業主、求人者の方から、職業スキルも重要なのだけれども、その前に社会人としての基本的なもの、毎日出勤する、挨拶をする、報告・連絡、相談をする、これも極めて重要なことですので、これも是非入れていただきたいという声が非常に強かったものから、制度として創設したもので、これに加えて基礎的な職業スキルにかかわるものを 1 月以上、だから最低で 1 足す 1 2 か月からスタートするということで設定しているものです。

3 つ目の質問です。ですから、この基礎コースにおいては、職業能力開発講習と、基礎的な 1 か月から 3 か月の職業スキルに係るコースの二段階になっているのですが、これが 1 つの基礎コースです。これを修了すると、本年 10 月からは実践コースへの連続が認められますので、例えば基礎コースにおいて、介護に係る基礎的な職業スキルを習得した後、一旦ハローワークでのキャリア・コンサルティングを経て、更にスキルアップのための訓練が必要ということであれば、実践コースへの連続受講を認めるという組立てになっているものです。

○遠藤委員 そうしますと、さらにバリエーションが広がったということですので、そのときどきの状況を踏まえて柔軟な対応が頂けると理解しました。

 その上で改めてお尋ねしたい。先ほどコースを修了したけれども自信が持てない、就職を躊躇ってしまうというお話があったと思うのですが、そういう方がハローワークに来たとき、連続ではなくて間隔が開いているけれども、具体的には基礎コースで就活した人がそれだけでは就活が難しかったので、その後に実践コースという形の、断続的な受講というのはいかがなのでしょうか。

○松原訓練受講者支援室長 基本的には、基礎コースを受けて就職活動をしたけれどもなかなか決まらない、もう少しスキルアップをしたほうがいいということであれば、ハローワークに御相談いただければ、要件の範囲内でそういったキャリアの設計の仕方が適切な方であれば、そういった連続受講の選択肢も御提供させていただく相談をするということになると思います。個々の状況に応じて、そういった連続受講が適切な方には、それを御案内させていただくという支援をしていくことになるかと思います。

○遠藤委員 連続受講ではなくて、一旦間に就活を入れて、断続的な受講になると 6 年間という問題が出てくるので、そこはどうされているのかということをお聞きしたつもりです。

○松原訓練受講者支援室長 そうしますと、今、申し上げましたのは、連続受講 1 年の期間の中であれば、そういった形の対応ができると思います。お戻りになられて、その間が 1 年であればできますが、それを過ぎてしまったときは難しくなる部分もあります。

 ただ、そのときはそのときで、我々のほうとしてはほかのスキームも含めて、ほかの支援の御案内をさせていただくことはできると思います。お答えになっていないかもしれません、申し訳ございません。

○松瀬能力開発課就労支援企画官 連続というのは、全くつなげての連続ではなくて、 1 年間の間に訓練を受けるということです。それを超えてしまうと 6 年ルールの適用になってしまうという割り切りをしているということです。

○遠藤委員 そうであれば、そういう柔軟な対応もしているということを受講者、あるいは受講を終えて求職活動している方にも適宜御案内することによって、その人の選択肢も広がってくると思います。先ほどの 6 年を短縮という指摘は、そういうところでも拾える方がいるのではないかと思いました。

○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。

○菱沼委員 遠藤委員からお話があって、事務局の回答からも連続受講ができるという話でした。 9 ページに資料を出していただきましたが、就職率では、人不足分野と言われている介護系は 7 割という話もありました。そういう実績もあるのですが、雇用保険適用関係に就職率を見直しことで、全体で 6 割ぐらいが就職しているという感じになっています。

 より就職率を高めるためには 2 割ぐらい中止になっているコースがあるということですから、そういったコースの分析とか、講座の見直しなども考えられますが、どのような形で就職できたのか。例えば基礎コースのみでできたとか、基礎から実践に移って就職とか、求職者支援訓練から公共職業訓練に受講して就職できたとか、いろいろなケースがあると思うので、新たに連続受講が出来上がったということもありますし、そういったモデルを集めながら、こうしたら就職できるというような仕組み作りがあったらいいということで、意見を申し上げます。

○岩村部会長 事務局は、今の意見を受けて御検討いただければと思います。ほかにはいかがでしょうか。

○村上委員 冒頭で労働側委員から話をさせていただいた月 10 万円の基本手当の問題についてです。遠藤委員から「基金訓練からスタートし、 10 万円ありきで求職者支援制度もスタートしたのだから仕方ないのではないか」という御主張があって、それはそれとして 1 つの考え方であると思います。

 一方、事務局からは、「雇用保険の給付については納めている保険料がそもそも低いのだから、給付は低くても仕方ないのではないか」という内容のお答えがありましたが、それは求職者支援制度の財源が一般財源であればそういうお話になると思うのですが、雇用保険の保険料で給付していますので、保険料が低いから差があっても仕方がないというご説明では、労働側として納得できない部分があります。

 そういう問題点を孕みながら制度がスタートしたということです。その中で求職者支援制度のほうを緩めていくことによって、その問題点であるアンバランス感は拡大していくということにもなりかねないと思っています。そちらを緩めるのであれば、基本手当との関係を整理していかなくてはならないのではないかと思いますので、そこは意見として申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 御意見ということで承っておきたいと思います。ほかにはいかがでしょうか。

○深澤委員 「求職者支援制度の実施状況について」というところで、 8 ページに、就職率についての分析があります。就職率の前に、修了率も大切ではないかと考えています。 9 割を超えるような形なので、そこそこ修了されているのかなとは思うのですが、修了率というのも大切だと考えています。

9 ページに、「実践コースの就職状況」というものがあります。こちらも同様に、修了状況を見た場合に、若干修了の割合に差があると思っております。 IT とデザインが若干低めというところについて、何らかの分析、あるいはそれに対する対応をされているようであれば、教えていただければと思います。アンケートの所で、生活保護の方は生活面の指導が必要とか、母子家庭の母の場合はとか、そういうところを現場では御覧になっているのだと思うのですが、そういうものについての対応をどのようにされているかを教えていただけたらと思います。

○松瀬能力開発課就労支援企画官 求職者支援訓練については、まず中央訓練協議会で全国的な枠の目安を示します。 IT 、医療事務、介護は、主要分野ということで、 20 %、 5 %、 5 %と設定しています。その他は地域の実情に応じてということです。それを含めて、各都道府県別に地域訓練協議会というのがありますが、そこでも本省の目安を踏まえながらも、その地域に何が必要なのかということを、地域の経営者団体の方、訓練実施機関の方も混じえて議論して、その地域ごとの必要な枠を決めております。したがって、実施状況について、例えば中止率が高いとか修了率が低いといったことも勘案して、地域の関係者が毎年少しずつ見直しを行うという見直しを、また 1 つやっております。

 また、先ほどの繰り返しになりますが、訓練を最後まで成し遂げて、就職まで持っていくというモチベーションは極めて大事だということで、本年は能開講習も設定しているところです。

○松原訓練受講者支援室長 追加です。御推察のとおり、受講者数と修了者数が微妙にずれるのは、途中退講の方がいらっしゃるということがあります。就職理由による中途退講という方もありまして、これは雇用情勢がよくなっている中で増えています。

 ただ、雇用保険適用就職であれば、それは「修了者数等」の中に含まれるのですが、雇用保険適用ではないけれども就職を急ぐ方がいた場合は、差の中に入ってしまうという状況もあるので、中途退講者が多少雇用情勢のいい中で増えている面は否めないとは思います。

 ただ、就職理由であった場合に、なかなか止め難い部分もありますので、そういったところは共存しながらやっているというのが事実です。ただ、先ほど能開局からも指摘があったように、指定来所日を設けて、求職者支援制度というのは訓練受講期間中もずっとハローワークに通っていただきます。そのような中で、訓練受講を継続するということのモチベーションの維持といったことも、職業相談の中では実施しているところですので、安易な中退ということについては抑止していきたいと思っているところです。

○遠藤委員 もう少しお尋ねします。 9 ページの分野別就職状況 ( 実践コース ) について、受講者数から修了者等の数、これを差し引いて出てきた数字が、受講者に対してどのぐらいの割合なのかを単純に計算してみたのですが、 IT 15.3 %、営業・販売・事務が 9.3 %、医療事務が 7.6 %、介護福祉が 8.7 %、デザインが 12.9 %ということで、深澤委員がおっしゃったように、 IT とデザインは、他の分野に比べると抜きん出て途中退講の方の割合が高いです。

 もちろん、御説明いただいたように就職ということで途中退講しているのであれば、それはまだ理解できるのですが、それ以外の理由でやめているという方が、他の分野と比較して一定程度高い数値が出てくるとすれば、コースそのものの選択における問題なのか、あるいはプログラムの中に問題があるのかを見ていく必要があると思います。理由別の退講者についての対応も、今後は必要になってくるかと思います。

○岩村部会長 貴重な御意見だと思います。本日はほかにもテーマがありますので、この辺りでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 次に、資料 2 の説明をお願いいたします。

○高橋雇用保険課調査官 資料 2 「財政運営」です。 1 ページの「失業等給付関係収支状況」です。平成 27 年度決算が新たに入ったということで、平成 27 年度決算の収入は 1 8,197 億円、支出は 1 6,523 億円、差引剰余が 1,674 億円です。結果、積立金残高は 6 4,260 億円となっています。

2 ページは、積立金残高と受給者実人員の推移を時系列でグラフ化したものです。受給者実人員が青い実線のグラフとして入っていますが、平成 21 年のリーマンショックのあったときに 85 万人の受給者実人員であったものが、平成 27 年度の直近の数字で 44 万人まで低下しています。積立金については、先ほど御説明したとおりの数字です。

3 ページは、雇用保険二事業の関係の収支状況です。平成 27 年度の決算が新たに入り、収入は 6,149 億円、支出は 3,894 億円、差引剰余は 2,255 億円です。安定資金残高は 1 584 億円です。

4 ページは弾力条項についてです。まず、雇用保険料率の弾力条項が 4 ページにあります。失業等給付に係る弾力条項として、そこに式があるように積立金残高に単年度収支を加えたものを分子として、分母に失業等給付費等を取ったものの関係の比率で、 2 を超えた場合には保険料率の引下げが可能となり、 1 を下回った場合には引上げ可能となっています。平成 27 年度決算額による計算は、 4.41 ということで、平成 29 年度の保険料率を 1,000 分の 8 まで引下げ可能という状況になっています。

5 ページは、雇用保険二事業に係る説明です。雇用保険二事業についても、安定資金に単年度収支を加えたものが分子で、分母は二事業に係る保険料収入です。その比率が 1.5 を超えた場合は、保険料率を 1,000 分の 3 まで引き下げることになっています。平成 27 年度決算額による計算をしますと、 1.96 ということで、平成 29 年度の保険料率を 1,000 分の 3 まで引き下げるということになります。

6 ページは、雇用保険料と国庫負担の推移です。一番右の直近の平成 28 年度を御覧いただきますと、失業等給付の保険料率については、昨年度に法改正した上で弾力条項が発動されている状況ですので、 1,000 分の 8 という料率になっています。二事業の保険料率については弾力条項が発動されており、 1,000 分の 3 という数字になっています。国庫負担率は平成 19 年頃から 4 分の 1 55 %という状況で、 13.75 %という状況が続いています。

7 ページは、失業等給付費の今後 5 年間の収支見込みについてです。まず、試算の前提として、 1 つ目に雇用情勢の前提です。平成 28 年度以降の受給者実人員については、平成 27 年度の実績の 44 万人をベースとして、平成 28 年度改正の再就職手当の引上げによる影響を加味したということで、受給者実人員 43 万人ということで試算しています。

 マル 2 は「その他の試算に当たっての前提」です。雇用保険料収入については、平成 28 年度予算ベースで一定と仮定しています。ただし、平成 32 年度以降については、 64 歳以上の方に係る雇用保険料の徴収免除に係る経過措置が終了するので、この影響を加味しています。平成 28 年度以降の支出については、平成 28 年度の改正の影響のないものについては、育児休業給付を除いて、平成 27 年度決算と同額としています。

 平成 28 年度改正の影響があったものについては、平成 29 年度以降にその影響額を、平成 27 年度実績に対して加味した形で計算しています。育児休業給付の平成 29 年度以降の支出については、平成 26 年度から平成 27 年度の伸び率の 3 分の 1 程度の自然増と仮定しています。

 個別延長給付等の暫定措置については、法律どおり終了するものと仮定しています。その他、予備費相当の 610 億円については、支出額から引いた形での試算を行っています。その結果が 8 ページです。

 上の表を御覧いただくと、平成 28 年度見込みです。収入は 1 5,146 億円、支出は 1 7,134 億円、差引剰余がマイナス 1,988 億円、積立金残高は 6 2,272 億円です。それ以降、順次御覧いただいた上で、平成 33 年度の見込みを御覧いただくと、収入は 1 5,634 億円、支出は 1 8,150 億円、差引剰余はマイナス 2,516 億円です。積立金残高は 4 9,853 億円です。下のほうに、積立金残高をグラフ化したものがありまして、申し上げたように平成 33 年度見込みでは、積立金残高は約 5 兆円ということで、弾力倍率は 2.9 倍となる試算です。

9 ページは、「積立金の財政融資資金への預託状況及び今後の運用方針」です。積立金について、どのような運用をしているのかということでお示しさせていただくものです。ここで申し上げている「積立金」は、失業等給付の積立金と雇用安定資金を含んだものです。

 今後の運用方針を御覧ください。現状の積立金の運用については、財政融資資金法に基づき、全額を財政融資資金に預託することとされています。雇用失業情勢の悪化に伴う急激な資金需要に備え、 5 年未満の短期の預け入れを中心に運用しているところです。今後の預け入れの期間については、先ほどの資金の目的、現在の財政融資資金の預託金利が低利率であるといったようなことを踏まえて、今後も長期の預け入れをした場合にも大幅な運用収益の増加は見込めないということで、引き続き短期の預け入れを行っていく予定です。

10 ページ以降が、失業等給付に係る国庫負担についてです。 11 ページを御覧ください。まず、基本的な考え方です。雇用保険の保険事故である失業については、政府の経済政策、雇用政策と無縁ではなく、政府もその責任の一端を担うという考え方から、国庫も失業等給付に要する費用の一部を負担しているということで、その下にあるような率での国庫負担を行っていくということになっています。

 最初の○です。現状は、国庫負担については、本来の 55 %の額に暫定的に引下げをしているということで、平成 19 年度から引下げを行っています。雇用保険法附則第 15 条においては、できるだけ速やかに安定した財源を確保した上で、附則第 13 条に規定する国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとするとされているところです。

12 ページ、昨年の雇用保険部会報告ですが、下のほうの○です。雇用保険の保険事故である失業は、政府の経済対策・雇用対策とも関係が深く、政府もその責任を担うべきであるから、求職者支援制度に係る財源を含め、雇用保険法附則第 15 条の「できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとする」との規定に基づく措置を講ずるべきであるということになっています。

13 ページは、今年の参議院の厚生労働委員会でなされた附滞決議です。「政府の責任として、雇用保険法附則第 15 条の規定に基づき雇用保険の国庫負担に関する暫定措置を早期に廃止し、本則に戻すこと」という決議がなされています。

14 ページです。経済財政運営と改革の基本方針 2015 を御覧ください。雇用保険の国庫負担の当面の在り方について、国庫負担について規定した平成 23 年改正による雇用保険法附則第 15 条の規定、経済雇用情勢の好転、雇用保険財政の状況、これまでの経緯、公労使での議論も踏まえて検討するとなっています。下のほうの経済・財政再生アクション・プログラムにおいても同様のことが書かれており、 2018 年度末までに関係審議会等において検討し、結論を得て、検討の結果に基づいて必要な措置を講ずるとされているところです。

15 ページは「未来への投資を実現する経済対策」ということで、 8 2 日に閣議決定されたものです。「アベノミクスの成果等により雇用情勢が安定的に推移していること等を踏まえ、雇用保険料や国庫負担の時限的な引下げ等について、必要な検討を経て、成案を得、平成 29 年度から実現する」となっています。下のほうでは、事業主の雇用保険料について、同様のことが書かれています。

 以上を踏まえて論点です。 1 つ目は、失業等給付積立金の今後の推移についてはどのように考えるか。 2 つ目は、失業等給付に係る雇用保険料率及び国庫負担について、各種決定を踏まえてどのように考えるか。以上です。

○岩村部会長 ただいま説明のありました資料 2 について御質問、御意見がありましたらお願いいたします。村上委員どうぞ。

○村上委員 財政運営について、今回初めて資料を出していただきましたので、 2 点申し上げます。 1 点目は、積立金の状況についてどう考えるかという話です。 7 ページで今後の収支見込みについて試算をしていただいて、その試算の前提が示されております。ここは、これまで措置されているものを盛り込んでいるということと、個別延長給付などの暫定措置は終了とし、給付の改善は含まれていない前提であるということです。それを前提に試算した財政シミュレーションを見ても、かなり余裕があるということから考えれば、私ども労働側としては 2003 年に引き下げられた給付の部分を少しでも回復させていくことが必要ではないかと考えております。

2 点目は、国庫負担についてです。 15 ページには経済対策として、国庫負担の時限的引下げという方向性が出されております。既に暫定措置として本則 25 %であるところを 13.75 %に引き下げられている国庫負担を更に引き下げるということは、雇用政策に対する政府の責任放棄になっていくのではないかと考えます。第一に労働者の失業時の生活の安定を図るということは国の責務であって、雇用保険の国庫負担は当然行うべきであろうと考えております。

12 ページにあるように、昨年の雇用保険部会でも、労使双方から意見を述べました。できるだけ速やかに安定財源を確保した上で、国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとの規定に基づいた措置をしていくことです。また、国会の附帯決議においても、政府の責任として国庫負担に関する暫定措置を早期に廃止し、本則に戻すことという附帯決議がなされていますので、これらをきちんと踏まえて運営していただきたいということです。

 そもそも先ほども御紹介がありましたけれども、雇用保険法附則第 15 条のできるだけ速やかに安定した財源を確保した上で、国庫負担に関する暫定措置を廃止するという規定があるわけですから、迅速かつ確実に本則に戻していくべきだろうと考えます。

 また、先ほどの求職者支援制度の財源についても、労使負担 2 分の 1 、国庫負担 2 分の 1 というのが本則でありますけれども、暫定措置として国庫負担が引き下げられているところであります。こちらについても、本則に戻していくことが必要だと思っております。本当に雇用保険でやるのがいいのかどうかということは、やはり検討しなければならないと思っておりますので、私ども労働側としては一般財源確保の努力もしていただきたいということを考えておりますので、あえて申し上げておきます。

○岩村部会長 ありがとうございました、他にはいかがでしょうか。青山委員どうぞ。

○青山委員 先ほどの説明の中で、先行きの見通しを 7 ページ、 8 ページにお示しいただいております。一方で、実は私どもの会員企業からの声として、約 6 割近くの企業が前向きに賃上げに取り組んでいるという状況にあります。ただ、一方で毎年社会保険料が上がっていることもあって、税金に比べて社会保険料の負担感が大きくなっているという声が非常に高まっています。この残高は多いのか少ないのかはいろいろ見方は分かれると思いますけれども、今の積立金残高の水準を見れば、更なる料率の引下げというものがあってもいいのではないかと考えております。そのようなことを行っていくというのが、まず一番初めにあるべきことかと思っています。

○岩村部会長 ありがとうございました、他にはいかがでしょうか。遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 保険料について、ただ今、青山委員が申し上げたことは使側の一致した意見ということでお受け取りいただければと思います。国庫負担については従来から申し上げていることですけれども、雇用政策の責任を明確化するという意味で、やはり国庫の繰入れは必要なものだと考えております。雇用のセーフティネットである雇用保険の財源というものについて、国、労使が支え合って維持してきている。この考え方自体は、今後も続けていくべきであると思っております。よもや積立金が多いということだけを理由に、国庫負担の割合を引き下げるというようなことがあるとすれば、それはどういう理屈なのか、改めて御提示いただきたいと思います。積立金の額が多いことだけを理由に、割合を引き下げることが正当化されるものではなく、到底受け止められないということです。

 諸外国の例を取り上げて、雇用保険の枠組みに国庫が入っているのは珍しい、日本だけではないかという指摘があります。確かに雇用保険だけを見ると、視察に行かせていただきましたけれども、ドイツでもフランスでも、またイギリスでも国庫の負担は入っておりません。ただし、その 3 か国はいずれも雇用保険給付が終わった途端に、一般財源 100 %の失業扶助という形で制度がつながっていきます。総合的に見れば、求職活動を支えるという意味合いでは、国庫の負担も一定程度入っているように見えるわけです。繰り返しになりますが、国庫負担の割合については、最大の関心を持って見てまいりたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございました、他にはいかがでしょうか。菱沼委員どうぞ。

○菱沼委員 青山委員、遠藤委員からもお話がありましたけれども、何点か意見を申し上げます。雇用保険料率については、前の部会でも申し上げましたけれども、ここにもあるとおり弾力条項を活用し、適宜保険料引下げでお願いしたいと思っています。雇用保険のほうは引下げができるということになっていますけれども、是非それをお願いしたいと思います。

 繰り返しになりますけれども、失業等給付に係る国庫負担については、資料の 11 ページに基本的考え方があります。今日のように雇用情勢が良いときばかりではなくて、経済政策や雇用政策が時にはうまくいかなくなったりして、多くの失業者が出てしまう場合もあります。それに備えた保険という意味もありますので、政府がその責任の一端を担うべきであるということで、国庫負担は維持すべきだと思います。

 暫定措置については繰り返しになりますけれども、平成 27 12 月の雇用保険部会報告がありますけれども、廃止すべきだと考えるところです。

○岩村部会長 ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。失業等給付の国庫負担については、今、労使双方から同じ御意見が表明されましたので、事務局におかれましてはそれを踏まえて、今後御対応いただければと思います。

 それでは、次に資料 3 と資料 4 に移ります。まず、事務局から説明をお願いします。

○高橋雇用保険課調査官 資料 3 の雇用保険二事業についてです。 1 ページは、雇用保険二事業の目標管理サイクルです。雇用保険二事業に関しては、 PDCA サイクルを回して概算要求に反映させてきているところです。左上のほうにありますが、概算要求段階で雇用保険部会に報告をしています。

2 ページは、評価方法についてまとめてあります。こちらは軸を 2 つ設けていて、政策の効果と事業の執行率について評価を行っております。その評価結果に基づいて対応をしてきているところです。下にあるように、例えば C のでは政策効果については目標が未達成で、事業執行率は低いということで、事業の見直し又は廃止が必要という形の対応をしてきています。

3 ページは、平成 29 年度概算要求の雇用保険二事業の方向性です。上の箱にありますけれども、「日本再興戦略 2016 」であるとか、「 1 億総活躍国民会議」の取りまとめた「 1 億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」というものを踏まえ、平成 29 年度の雇用保険二事業について、下にある 3 つの方向性の事業に、重点的に予算配分をするということで臨んでおります。

4 ページは、平成 29 年度概算要求における雇用保険二事業の方向性の概要です。 1. 労働者の職業能力の向上とありますが、こちらにおいては専門的かつ実践的な職業訓練の推進であるとか、人手不足が生じている分野などにおける人材育成というものに取り組んでいくということです。 2. 人材マッチング機能の充実については、労働移動における再就職支援及び雇入れの支援の更なる推進とか、カウンセリングを通じたジョブマッチングの質の向上というものを推進していきます。 3. 雇用の場の確保・雇用管理の改善については、非正規の方、女性、障害者といった方の就業についての雇用管理であるとかキャリアアップを支援するということに取り組んでいくという方向です。

5 ページは、平成 29 年度概算要求における雇用保険二事業予算の全体像です。事業数は、平成 28 年度予算では 80 事業でしたが、平成 29 年度概算要求では 79 事業としております。予算額は全体で、平成 29 年度概算要求においては 5,234 億円で、 433 億円増となっておりますが、下の括弧書きにありますように、重点事項についてはしっかりと対応し、それ以外の経費については削減をするということでメリハリを付けた形で実施していくことにしております。

6 ページは、平成 29 年度要求の予算の概要です。労働者の職業能力の向上についての主な事項としては、キャリアアップ助成金などに取り組んでいくことにしております。人材のマッチング機能の充実については、雇用と福祉の連携による地域に密着した就労支援の実施などに取り組んでいくことにしております。雇用の場の確保・雇用管理の改善については、キャリアアップ助成金であるとか、 65 歳超雇用推進助成金ということに取り組んでいくことにしております。

7 ページ以降については、個別事業ごとの評価と予算への反映状況ですので省略をさせていただきます。

89 ページを御覧ください。労働関係助成金の見直しについてです。 89 ページの真ん中から下、具体的な見直しの方針として 3 つあります。 1 つ目は、労働関係助成金には、一部の助成金を除いて生産性要件を設けるということをしていて、これを満たす場合には助成金の加算を行うということです。 2 つ目は、執行率が悪い助成金は原則廃止をする。 3 つ目は、助成金の整理統合・大括り化を行うということです。

90 ページで、生産性要件の設定について詳細を掲載しております。 3. 対象とする助成金をご覧ください。基本的に生産性要件を設けるわけですけれども、一部そういう馴染まないものについては除くということで 4 つ挙げています。雇用維持・労働移動関係の助成金、就職困難者の雇入れ関係の助成金、障害者の雇用環境整備関係の助成金といったものについては除いた上で対応していくということです。

91 ページの 4. では、助成額、助成率の設定方法を掲載しておりますので、また御覧いただければと思います。 5. の生産性要件の具体的内容として、 (2) 生産性要件の基準の 3 つ目の○で、生産性要件の基準はということで、 3 年間で 6 %増ということを考えています。以上が生産性要件に関しての説明です。

 資料 4 は、前回の部会で委員から頂いた御指摘に関するものです。資料 4 1 ページは、常用就職支度手当の支給状況です。前回の部会で、安定した職業に就くことが著しく困難な 40 歳未満の方について、 10 歳刻みでお示しいたしました。 30 歳台について前半、後半で分けることができないかというお話がありましたので、こちらをお出ししております。 30 歳台前半、後半で特に大きな違いは見られず、 30 34 歳のところでは 25 %程度、 35 39 歳では 22 %程度という状況になっています。

2 ページは、基本手当受給者の再就職時賃金日額の状況です。就職時期による賃金の状況について資料をというお話がありましたので、こちらをお出ししております。就職時期が早いほど、再就職時の賃金が高くなる傾向があることが見て取れます。

3 ページは、入職後の地域、入職前の地域別の入職者数です。若干表が見づらいのですが、こちらの見方としては、表頭のブロックが入職前です。表側が入職後のブロックです。例えば、表頭の南関東の所を下に下りていくと、南関東から他の地域、あるいは南関東も含めての所へ移動した入職というのが見て取れます。表側の南関東から横に移動すると、他のブロックから南関東への流入という形の部分が数字として見られるというものです。これで表頭が南関東の所を下に下りていって見ていただきますと、他のブロックへの動きというのも一定程度見られるという状況です。

 この中で、例えば南関東から東海であるとか山陰、山陽、四国の人数の動きを見ていただいた上で、今度は表側の南関東への流入の所で、同じく東海、山陰、山陽、四国で、例えば山陰で御覧いただきますと、南関東の所から山陰へ行くのは 1,300 人ですが、山陰から南関東へは 500 人という形で、差し引き山陰への動きのほうが上回るという数字になっています。

4 ページで次の資料です。こちらの資料は、前回の部会で専門実践教育訓練給付は、男女の比率は余り違いはないけれども、教育訓練支援給付金のほうは女性の割合が多いという状況であり、その要因として何かあるかということを頂きました。御覧いただきたいのは、一番右の (3) 受講開始時の就業状況等の所です。前回お出しした資料に、性別を入れました。この結果、非就業の所での女性の割合が高くなっていることが見て取れますので、それが 1 つの要因としてあるのではないかというものです。

5 ページは、完全失業者の仕事に就けない理由についてです。前回の部会において、一生懸命職探しをしてもなかなか見付からないという状況の中で、その要因として何があるのかというご指摘をいただいたのでことでお出ししたものです。昨年の部会の中でお出しした資料になりますが、それを時点修正したものです。この中で最も多いものとしては、希望の種類・内容の仕事がない、求人の年齢といった回答を挙げる割合が高くなっています。

6 ページは、求職活動において大変だったことということで、こちらは昨年出した資料と同じです。希望する職種や、仕事の求人が少ない、実態として年齢制限が厳しかったというところの回答の割合が多くなっている状況です。以上です。

○岩村部会長 ただいま説明のありました資料 3 及び資料 4 について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。秋元委員どうぞ。

○秋元委員 資料 3 の別添の 89 ページ以降で、雇用関係助成金における生産性要件の設定について 3 点質問いたします。 1 つ目は、 91 ページに「生産性の指標」という記載があります。この中で、企業活動基本調査で用いられている指標ということが示されています。これを指標とすることについて、どのような場で、どのような議論がなされてきて、このようになったかを改めて説明してください。

2 つ目は、 92 ページの補助的要件の所で、「事業主都合による離職者がないことを設定する」となっています。このことについてはどのような形での確認ができるのか、具体的な例を教えてください。

3 つ目は、生産性要件による助成メリットを発動するタイミングということになりますが、この助成金を活用して生産性を高めた企業に対して、インセンティブを付与するということが目的とした場合には、生産性を高めた企業に対して、事後的に支払うことがインセンティブにつながると思います。しかし、この場合だと、そのようには受け取れない内容ではないかということで、このタイミングについて改めて見解をお願いします。

○岩村部会長 事務局はいかがでしょうか。

○奈尾総務課長 今 3 点ほど御質問がありました。まず、生産性の指標ですけれども、その前提として生産性要件についてです。これは、先の第 2 次補正予算において、 2 つほど助成金生産性要件を今年度から入れました。その助成金については、安定分科会の場においても、実は生産性要件について、それを導入することとか、その考え方について議論がありました。具体的な指標について、今は運用の範囲ということで、各分科会における議論というのは直接入っていないわけです。その安定分科会においても、必要に応じて今後議論していただきたいという話があり、それについてはそのとおりかということで私どもも応対したという経緯があります。

2 点目はちょっと聞き逃したかもしれませんが、 92 ページにある離職者要件についてです。事業主都合による離職者がないことということで、これは通常これまでの特開金等助成金についても要件になったわけです。そこはデータ上で把握できる、安定所の実務上で把握できるということでこういう要件を作っています。

3 点目は、そもそも生産性要件を入れた趣旨にもよるわけですけれども、どちらかというと、生産性が高い企業については、その後も雇用の定着が図られやすいのではないかという考え方です。これは、二事業の安定事業とも、そもそもの趣旨かと思っております。今後のインセンティブとして、生産性を高めるということもないわけではないのですが、どちらかというと、生産性が高い所というのは、労働者の雇用の安定に資しやすいという考え方と思っています。その辺りは実際にそうなっているかという今後の検証も併せて、今後引き続き検討していきたいと思っております。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

○秋元委員 はい。

○岩村部会長 他にはいかがでしょうか。野川委員どうぞ。

○野川委員 資料 4 の入職後の地域と入職前の地域の入職者数の欄です。先ほどの説明は、例えば南関東から山陰へ移った人が 1,300 人で、山陰から南関東へ移った人は 500 人、だから南関東から山陰へ移った人のほうが 800 人多いということでしたが、分母が全然違います。つまり、南関東は 260 万人いて、山陰は 6 7,000 人。そうすると、 6 7,000 人のうち 500 人は、計算すると 0.7 %ぐらいです。 260 万人のうちの 1,300 人は、計算すると 0.05 %です。つまり、パーセンテージから言うと、圧倒的に山陰から南関東へ移った人は 14 倍ということになります。やはり、ここは人数ではなくて、それだけものすごい数がいれば、 260 万人いれば、 1,300 人ぐらいは山陰に行ってもおかしくない、 0.05 %ですからね。山陰のような所から南関東へと移動するほうがずっと多いというような評価になるのが通常ではないでしょうか。

○岩村部会長 事務局はいかがでしょうか。

○田中雇用保険課長 データの読み方としてはいろいろな解釈が可能だと思います。この人数で見て、ほとんど山陰に行く方がいなくて、皆がみんな南関東に来ているのではないかということとして、入職前と入職後でどれだけばらつきがあるのだろうということを見たものです。当然全体のボリュームがありますので、そこのボリュームの中に占める割合としての意味付けがどうかということはありますけれども、人の流れとして、皆がみんな南関東に来ているわけではなくて、南関東から、例えば今は山陰の例を出しましたけれども、山陰へ U ターンなり I ターンなりされている層というのも一定おられますので、このような移動が一方方向ばかりではないというようなことをお示しをする資料にはなっているかと思います。

○野川委員 比べて、あたかも南関東から山陰へ行く人が逆よりも盛んであるかのように聞こえたのですが、そういうことではない。要するに逆もゼロではないということであって、比べれば圧倒的に山陰から南関東に行くほうが多いということは否めないと思います。

○岩村部会長 何を指標にして見るかということによるので、野川委員がおっしゃったように、言い切ってしまっていいかどうかというのは議論の余地はあるかもしれないという気がいたします。阿部委員どうぞ。

○阿部委員 この資料を要求したのは私なので、経緯をお話します。前回、移転費の関係で、地域間移動があったときに、その移転費が支払われると。そのときに私が、これは地方創生の観点から移転費を設けるのであれば、都市部から地方へ動く場合には移転費を出してもいいけれども、逆はどうなのかというようなことでお話をして、実際に地域間移動はどうなっているのですか、という資料を出してくださいというお話だったのです。今回は人数ベースで見て、どっちが多いかというのは、その移転費をどっちが取っているかという観点から見ると、この人数でもいいかと思います。実際のところ、野川委員が御指摘のことは、それはそのとおりだと私も思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。遠藤委員どうぞ。

○遠藤委員 資料 4 1 ページについては、前回の審議会の際にお願いしたものを準備していただきました。この背景として、私ども使側としては、暫定措置の 1 つである 40 歳未満の方々の取扱いについては一旦終えます。終えた後どのような対応をすればよいのかということで、先に 40 歳未満という枠ではなくて、 35 歳以下、あるいは 35 歳未満という形で、新たな枠を設けたらどうかということを申し上げたわけです。これを見る限りにおいて、 35 歳以上の方々も一定程度いるという状況が分かりました。

 したがって、改めての提案になりますけれども、ある程度若い方々を視野に入れた形で、基本手当の残日数が 3 分の 1 なくても、一生懸命に就職活動を行ったと、ハローワークの所長が認める場合については、その残日数分の見合いで一時金を出すという対応も御検討いただければ有り難く思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、以上でこちら側で本日用意した議題は終わりました。他に何かありますか。よろしいですか。それでは本日はここまでとさせていただきます。本日の署名委員は、使用者代表については青山委員、労働者代表については村上委員にそれぞれお願いいたします。次回の日程ですけれども、 11 22 ( ) となっております。次回は、これまで御議論いただきました事項について、整理をした資料などを事務局のほうで用意していただくことにいたします。そして、それらについて皆様に御議論を頂戴したいと考えております。場所等の詳細については、事務局から改めて皆様方に御連絡いたします。本日は皆様方お忙しい中をありがとうございました。これで終了いたします。


(了)

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
TEL:03-5253-1111(内線:5763)

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