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2015年3月6日 薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会 議事録

○日時

平成27年3月6日(金)16:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(12名)五十音順

 有 森 和 彦、 井 上 和 秀、◎大 野 泰 雄、 神 田 敏 子、
  関 東 裕 美、 木 津 純 子、 栗 原 正 明、 杉 林 堅 次、
○西 川 秋 佳、 西 村 哲 治、 藤 井 まき子、 松 永 佳世子
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人2名

欠席委員(0名)

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
森   和 彦 (審査管理課長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 他

○議題

○審査管理課長 定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会」を開催いたします。先生方におかれましては、本日はお忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 初めに、薬事・食品衛生審議会の委員の改選が先日行われ、この部会についても、新しく委員の任命が行われたところでございます。つきましては、お手元にお配りしている資料の座席表の裏に「化粧品・医薬部外品部会委員名簿」というのがございます。これに基づき、五十音順で先生方の御紹介を申し上げます。有森和彦委員です。井上和秀委員です。大野泰雄委員です。神田敏子委員です。関東裕美委員です。木津純子委員です。栗原正明委員です。杉林堅次委員です。西川秋佳委員です。西村哲治委員です。藤井まき子委員です。松永佳世子委員です。
 なお、本部会の部会長につきましては、去る1月26日に開催されました、薬事分科会において、大野泰雄委員が部会長に選出されておりますので、御報告申し上げます。
 次に薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理するとされており、部会長代理については、部会長から御指名いただくことになっています。大野部会長よろしくお願いいたします。
○大野部会長 西川委員にお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 西川委員におかれましては、部会長代理席に御移動をお願いいたします。現在のところ、当部会の委員数12名のうち、今日は素晴らしいことに、全員12名の先生方に御出席をいただいております。定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 また、薬事分科会において、審議事項、報告事項の切り分けという考え方について、先生方によく御案内をするように話題にあがりましたので、今回、薬事分科会の確認事項について、新任の委員もいらっしゃいますので、御説明いたします。お手元にお配りしている資料で、資料5という「薬事分科会規程」、資料6の「薬事分科会における確認事項」という二つの資料を御覧ください。
 まず、資料6の7ページをお開きください。表がたくさんありますが、ここの医薬部外品、あるいは化粧品の表が書かれているのを御覧いただけると思いますが、右側に部会、あるいは分科会と書かれておりまして、その欄の区分ごとに印が付いています。新しいものは○は審議、△は報告、▲は文書配布による報告、×印につきましては審議・報告はなしということになっています。これは事務局側で処理をするという意味ですが、基本的にはこのような区分の取扱いによって、部会、分科会において審議あるいは報告というような取扱いを基本としてお願いをしているところです。
 次に、資料5の5ページを御覧ください。第7条「部会の決議」という所があります。真ん中辺りになりますが、第7条において、部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして、分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって、分科会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がされた場合は、この限りではないと定められております。基本と例外というような格好ですが、先ほどの表に記載しているような事項以外にも、ここでただし書きにもありますように、この部会において、特に慎重な審議を必要とするというように、先生方の御意見で決定をされた場合に、分科会においても審議をお願いするということが可能となっております。従いまして、先生方におかれましては、このようなことを御承知の上で、特にこれは大事だとお考えになるときはそのようにおっしゃっていただきますよう、よろしくお願いいたします。この御説明については、何か御不明な点がありましたら、どうぞ遠慮なく御質問いただければと思います。
○大野部会長 いかがでしょうか。何か質問ございませんか。それでは、続けてください。
○審査管理課長 御質問、御不明な点がありましたら、遠慮なく事務局にお知らせいだきますようお願いいたします。本日は審議事項が二つあるのですが、審議事項、議題1の参考人ということで、日本コンタクトレンズ学会の常任理事であられます、糸井素純先生に御出席をいただいています。また、議題2も参考人ということで、国立感染症研究所昆虫医科学部第三室室長の冨田隆史先生にお越しいただく予定になっておりますので、御案内をさせていただきます。それでは、大野部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○大野部会長 それでは、本日の議題に入ります。
 その前に、初めてなので、新人なのに座長を務めさせていただくということで恐縮なのですが、一言挨拶させていただいてよろしいでしょうか。
 私は、もともとは、井上先生から言うと笑われてしまいますが、薬理、毒性、薬物動態の専門でいます。それ以外のことは非常に知識が浅いので、ここに来ておられる先生方はそれぞれの専門の分野で、非常に深い造詣を持たれている先生方なので、先生方の御協力を得て、この会を運営させていただきたいと思います。
 今日の品目を見て、最初は大した問題ではないと思ったのですが、日常生活にとって非常に重要なことが含まれていると思いました。重要なことをやはりきちんと審議して、それで必要な場合にはコメントをするとか、そういった議論をした上で、問題なければ了解するという形で進行していきたいと思います。場合によって先生方から意見がない場合でも、私の方から御指名させていただいて、意見を伺うということもあると思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、先に進めさせていただきます。事務局から配布資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をいたします。まず、本日席上に、議事次第、座席表、当部会の委員名簿を配布しております。議事次第に記載されている資料1と2については、あらかじめお送りしておりますが、席上に資料1と資料2ということで置かせていただいております。このほかに、資料3として、専門協議委員リスト、資料4として、競合品目・競合企業リスト、資料5として薬事分科会規程、資料6として、薬事分科会における確認事項です。このほか、当日配布資料として、資料2の添付資料一欄表です。こちらは資料2の一番後ろの青いタグの9ページの差し替えを配布しております。過不足がありましたら、お知らせいただければと思います。
○大野部会長 よろしいでしょうか。
○事務局 続きまして、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、資料4について御報告いたします。各品目の競合品目選定理由については次のとおりです。
 資料4の1ページを御覧ください。「コンプリートV」「ビジョンセレクトV」「リバイタレンズ」ですが、本品目は1剤で洗浄、すすぎ、消毒、保存ができるソフトコンタクトレンズ用消毒剤であり、同様の効能・効果を有する品目を競合品目として選定しております。
 続きまして、2ページを御覧ください。「虫よけキンチョールB」「スキンベープD1」「L虫よけスプレーIC」ですが、本品目は蚊成虫、ブユ(ブヨ)、アブ、マダニの忌避を予定効能・効果とする忌避剤でございまして、同様の効能・効果を有する品目を競合品目として選定しております。以上です。
○大野部会長 今の事務局からの説明について、何か御意見はございますでしょうか。特にないようですね。
 それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて、皆さんの了解を得たものとします。
 次に、委員からの申出状況について、説明をお願いいたします。
○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。議題1、「コンプリートV」ですが、退室委員はなしで、議決に参加しない委員として、松永委員です。
 続きまして、議題2の「虫よけキンチョールB」ですが、退室委員はなし、議決に参加しない委員として、杉林委員が対象でございます。以上、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。今の事務局からの説明について、特段の御意見はございますでしょうか。よろしいですか。よろしければ、皆さんに御確認いただいたものとして、議題に入りたいと思います。松永先生と杉林先生は議決には参加しないということですけれども、必要によっては、御意見を伺ってよろしいのですね。それでは、一人一人御意見を伺うことがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
 それでは、審議事項の議題1に移りたいと思います。議題1については、参考人として、日本コンタクトレンズ学会常任理事であられます、糸井先生に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。まず、機構から概要の説明をお願いいたします。
○機構 議題1、医薬部外品コンプリートV等の製造販売承認の可否について、御説明申し上げます。
 まず、本剤の概要について説明いたします。資料1の審査報告書1~2ページを御覧ください。申請品目の販売名はコンプリートV、リバイタレンズ及びビジョンセレクトVであり、申請者はエイエムオー・ジャパン株式会社です。本剤は新規有効成分として塩化ポリドロニウム(PQ-1)を3ppm、アレキシジン塩酸塩(ALX)を1.6ppm含有するソフトコンタクトレンズ用消毒剤です。
 4~5ページ以降、起原又は発見の経緯及び外国における使用状況等に関する資料を御覧ください。本剤は、アカントアメーバに対する消毒効果が高いとされているアレキシジン塩酸塩、及びそのレンズへの吸着による消毒効果の低下を補うために、塩化ポリドロニウムの2種類の有効成分を配合したマルチパーパスソリューション(MPS)です。両成分の作用機序は細胞膜に作用し、殺菌効果を示すこととされています。ソフトコンタクトレンズの消毒方法は、かつての煮沸から過酸化水素へ移行し、さらに現在では1剤で洗浄、すすぎ、消毒及び保存が行えるMPSが主流となるなど、徐々に簡便になってきた一方、近年、アカントアメーバによる角膜感染症など、ソフトコンタクトレンズの装用に伴う眼障害の増加が問題となっています。申請者は、その現状を踏まえ本剤の開発に至りました。なお、本剤は2010年2月にEU諸国でCEマークを取得、同年9月に米国FDAで承認されており、2014年9月現在、世界12の国又は地域で販売されています。
 6~7ページ、ロ.項及びハ.項を御覧ください。本剤の規格及び試験方法は適切に設定されており、安定性も問題ないと判断いたしました。
 続いて、ニ.安全性に関する資料について説明いたします。8ページになります。有効成分原体について、ラット単回経口投与により求めたLD50値より、PQ-1液はGHS区分4、ALXはGHS区分5と判断されています。
 また、9ページの中ほどに記載しています反復点眼試験では、本剤を28日間ウサギに点眼した結果、全ての投与例において異常所見は認められず、眼刺激性はなしと判断されています。このほか実施された毒性試験において懸念される所見は認められておりません。
 続いて、11ページ以降のホ.効能又は効果について説明いたします。効能・効果を裏付ける基礎試験として細菌及び真菌、アカントアメーバ、ウイルス、それぞれに対する消毒効果試験が実施され、十分な消毒効果が認められております。
 13ページにありますヒトにおける使用試験ですが、ソフトコンタクトレンズグループIの装用者34例で3か月間、及びグループIVの装用者86例で6か月間、毎日、申請用法・用量に従った消毒による非盲検非対照臨床試験が実施され、全ての症例で眼感染症又は有害事象は認められていません。
 14ページ以降の審査の概略について御説明いたします。(1)本剤の消毒効果についてを御覧ください。本剤に配合する有効成分のうち、ALXのみを4.5ppm配合したMPSは、2004年に米国FDAにより認可されましたが、使用者にフザリウムによる角膜炎が多く認められたため、2006年に自主回収されています。この原因として実使用時に薬液が濃縮し、ポリマーフィルムが形成され、フザリウムが生育しやすい環境となったこと、及びALXのレンズへの取り込みにより、製剤の消毒効果が低下したことが挙げられています。この問題点を回避するため、本剤ではALXに加えて、レンズへの取り込みが少ないPQ-1を配合し、さらにポリマーの総含有量を□□□□と低く設定しています。その結果、基礎的検討で本剤は各種微生物に対して十分な消毒効果が認められたことから、機構は、本剤の消毒効果に特段の問題はないと判断いたしました。
 (2)本剤の有効性及び安全性についてを御覧ください。本剤のヒト試験における有効性の評価項目として、本剤に起因する自覚症状を含めた眼感染症による臨床所見のみが設定されていました。機構は、眼感染症の有無を客観的に評価するため、試験終了時点では所見の有無にかかわらず、微生物学的検査を実施することが望ましいと考えています。本試験においてはその検査は実施されていませんが、全例において眼感染症所見が認められなかったこと、及びソフトコンタクトレンズによる眼感染症の代表的な起因菌であるセラチア、黄色ブドウ球菌、緑膿菌などの臨床分離株に対して6時間浸漬で4.1log以上の消毒効果が得られていることから、本剤の有効性に問題はないと判断いたしました。また、本剤の安全性についても、ヒト試験の全例において有害事象は認められず、特段の問題はないと判断いたしました。
 15ページの(3)用法・用量についてを御覧ください。ソフトコンタクトレンズ用消毒剤の十分な消毒効果を得るためには、こすり洗いや浸漬時間などの用法・用量を遵守することが重要ですが、本剤に関しては製品表示案及び添付文書案において、適正使用のための十分な対策がなされていると判断いたしました。また、レンズケアの方法についても、コンタクトレンズ学会の提言に従った内容が示されています。
 続いて、16ページ以降のヘ.ソフトコンタクトレンズとの適合性に関する資料について説明いたします。本剤の用法・用量に従い、30回処理したソフトコンタクトレンズには外観、直径などのレンズ変化や、レンズの構成モノマー等の溶出は認められず、本剤とソフトコンタクトレンズとの適合性に特段の問題はないと判断いたしました。
 最後に、18ページの3.総合評価を御覧ください。以上の審査を踏まえ、機構は、本剤を医薬部外品のソフトコンタクトレンズ用消毒剤として、ここに記載の効能・効果、用法・用量において承認して差し支えないと判断いたしました。なお、承認後、少なくとも2年間、本剤に関する製造販売後調査の実施が適当と判断いたしました。説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、先生方から御意見、御質問を受けたいと思います。まず参考人の先生から補足するところがございますでしょうか。
○糸井参考人 コメントですが、学会の下村理事長が大阪なので、私が代わりに行って来いということで命ぜられました。コンタクトレンズの消毒剤というのは、今、御説明があったように市場の85%ぐらいがMPSです。一つの溶液で消毒、保存、すすき、洗浄が出来るものです。それが非常に感染症の原因になっているということで、ヨードとか過酸過水素を推奨はしているのですが、10年間、85%前後で変わらないため、海外ではもう少し強い消毒剤が必要だということで、このような一つの消毒剤に二つの消毒効果を持った成分のものが開発されてきています。
 たまたま私がここにいるのは、この実験結果をイギリスの学会で実は発表した経緯があって、その目的はヨード剤とほかのMPSとの比較で、エイエムオーさんとは全く関係ない話なのですが、そのときに調べたデータでは、過酸化水素とヨードの強い消毒剤と、ほぼ同等の消毒効果が浮遊菌だけでなく、バイオフィルムみたいな付着菌でも得られるという結果が出ているので、非常に期待ができるのではないかということです。学会の理事のメーリングリストでもそのような意見が出て私がここに来た次第です。
○大野部会長 ありがとうございます。先生方の御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
○神田委員 質問、よろしいでしょうか。用法・用量についてですが、20~30回洗って4時間漬けておくということですが、これは、今の御説明では何とかの学会の提言に従って書いたということなので、そういう基準がきっとあるのだろうと思います。それで書いたというふうに説明がありましたね。そのことと、海外では2~4秒で6時間ということとの関係でお聞きしたいのですが、2~4秒というのと、30回というと15秒ぐらいはかかるのかなと思うのですが、随分洗う時間が違う。そして漬す時間が違う。この洗う時間と漬す時間の関係ですね、例えば20~30回やらなかったら4時間以上漬けなければいけないのかとか、そういったあたりが分からないので、だんだん疎かになってくるのではないかという心配があるものですから、洗う時間と漬す時間の関係をお聞きしたいのが一つです。
 もう一つ、洗い方について海外の資料を見ますと、円を描くように洗ってはいけないと書いてあります。本剤については、洗い方についての注意はしなくてもよろしいのでしょうか。その2点をお願いいたします。
○機構 御質問、ありがとうございました。最初の御質問について、御指摘のとおり本剤は20~30回洗って、4時間の浸漬ということで行っています。これについて時間やこする回数に関係があるかというところですが、明確な関係というのはございません。ただ、本剤の用法・用量に従って試験を行った場合、ヒト試験などでは用法・用量に従って試験をしていますが、その場合に消毒効果が得られているという状況です。20~30回洗う、4時間漬けるということで消毒効果としては十分あると考えています。
 海外と日本での違いがどこにあるかということですが、これは使用者の使い方がかなり国によって異なるということで、日本人はよく洗うことをしています。あと先ほど申し上げましたように学会等から提言として、消毒効果があっても洗い方が悪いと角膜の感染症が起こります、レンズケアをしっかりしましょうということが言われていますので、20~30回洗うということを行っています。使用上の注意の洗浄のところに、20~30回指で軽くこすると設定しています。もう一つ、海外の方と日本人での生活スタイルが少々違い、日本人は睡眠時間などを考えると6時間漬けることはあまりなく、4時間程度の場合が結構あるということで、それに対応できるように消毒効果があることを試験で示しています。
○糸井参考人 日本コンタクトレンズ協議会の提言が絡んでいるので、そこだけ補足させていただきますと、患者さんの障害の原因というのは消毒だけでなく、汚れによる機械的な摩擦みたいなもので傷ができたりするので、基本的にこすり洗いをしないと、消毒はできても汚れは落ちません。それで学会としては、たとえ消毒剤であっても、こすり洗いをして汚れを落とし、汚れを落とすことで消毒効果が上がるという考え方でそのような提言をしています。
 あと、海外では丈夫なソフトレンズというのはあまりないのですが、日本では未だに従来型レンズやカラーレンズもありますので、そのようなレンズと、いわゆる使い捨てと言われる薄いレンズでは、こすり方がちょっと違うのです。ですから統一したものでなく、ドクターが患者さんに応じて、あなたはこう洗いなさいというふうに分けているのが今の日本の現状です。
○大野部会長 ありがとうございます。神田先生、いかがでしょうか。
○神田委員 それはそれで理屈として分かるのですが、現実から見ますと20~30回洗うことが前提で考えられている使用方法なので、その辺がとても気になっているわけです。ですので、できれば20~30回洗わない状態でも消毒効果がどうなのかということがやってあって、これこれ、しかじかで大丈夫ですよと言われるといいなと思ってお聞きしたのです。現実的には実際に20~30回やってみますと結構時間がかかるし、それを裏表で2枚という形で、日本人はしっかりとよく洗うと言われてもいろいろな人がいるわけで、そこはそれを前提にした使用方法というのは、もしかしたら心配が残るなと思いました。どこかに出ていますか。
○機構 御指摘、ありがとうございます。おっしゃるように洗わなかったときの消毒効果についても試験をしており、例えば細菌や真菌に関しては、審査報告書11ページの効能又は効果に関する資料の(1)の1)で、細菌及び真菌に対する効果を、世界基準であるスタンドアローンという試験で行なっています。4時間の浸漬状態での各菌種の消毒効果を見ていますが、全ての細菌において平均log減少が4.6以上、また真菌においては平均3.2以上となっています。また真菌に関してはスタンドアローン試験で24時間後まで見ることになっており、その24時間の値も4時間後からの菌数が変わっていないということで、消毒効果があるということになります。
 2)のアカントアメーバを先に説明します。2)アカントアメーバに対する効果に関しても、24時間後まで経時的にサンプリングした結果、4時間後におけるアメーバのlog減少率が、栄養型で3.6以上、シスト型で1.9以上ということで、この数値は先ほど糸井先生から御指摘がありましたように、過酸化水素とヨードと同程度の効果を示していることから、アカントアメーバに対しても十分効果があると判断しています。
 また、ウイルスに対する効果に対しても3)を見ていただきたいのですが、1.6以上及び4.25とlogの減少が4時間と24時間で見られています。こちらに関しては既存のMPSの消毒液と比較した場合に、その値よりも十分高い消毒効果が得られています。その上で20~30回洗うということで使っていることになります。
○神田委員 分かりました。仮に少し疎かになっても大丈夫で、できれば20~30回洗ってもらうのがいい、という意味合いの用法・用量という表現で、よろしいのですね。分かりました。洗い方のところは、別にレンズの状況がアメリカとかヨーロッパは違うので、洗い方についてそちらをお手本にする必要はないということで、よろしいですね。
○機構 そのように判断していまして、日本では20~30回洗ってレンズが大丈夫なのか、例えば破れてしまうとか、そのようなことがないのかという点については、20~30回洗っても問題なくレンズは保っています。
 ページは報告書の16ページです。ヘ.ソフトコンタクトレンズの適合性に関する資料を御覧いただきたいのですが、レンズの物理化学的性質を通常試験しており、試験成績が出されています。この中で本剤の用法・用量に従った30回処理したもの、30回処理というのは用法に従って30回クルクルと洗ったものですが、そのソフトコンタクトレンズについて物理的な変化は認められていないということですので、海外と日本で洗い方がちょっと違うことは、レンズに違いがあるところに起因しているのかもしれませんが、日本で20~30回の洗浄で問題ありません。
○上席審議役 円で洗うことにして、そういうことは一応、御懸念はなくて。
○神田委員 どうしても円でやると、外国の資料には、洗うと端っこが残ってしまうことによる不衛生さがあるので、それはやめてこういうふうに洗いましょうと書いてあったものですから、それは何十回やろうと端っこの残るものは残ってしまうのかなと、老婆心だとは思いますが、そんなふうに思ったので、洗い方のところについて注意をしておいた方がいいのかなと思いました。それにしても4時間漬ければ大丈夫だということがあるのであれば、あまり細かいことは必要ないかなと私も思います。
○大野部会長 ありがとうございます。ただ今の御質問に関係してでもいいですし、それ以外についても何か御意見はございますか。
○有森委員 私はコンタクトレンズを付けたことがないので的外れな質問かもしれませんが、ここの添付文書を見ますと、本剤でレンズをすすいでから装用することをお勧めしますと書いてあります。これは水道水で流して使うよりも本剤ですすいだ後に装用した方が、よりベターということなのでしょうか。というのは、最近の目薬でも防腐剤でアレルギーを起こす人とか、防腐剤フリーのものが出ているような時代ですし、できればあまり薬品にばく露されない方がいいのかなというところもあるので、質問させていただきました。
○大野部会長 いかがでしょうか。お願いします。
○糸井参考人 これも実は日本コンタクトレンズ協議会が決めさせていただいた緊急提言の一つなのですが、国民生活センターが患者さんのレンズケースを調べ、そのときに6割の患者さんのケースから菌が検出されました。学会の方でも、しっかり指導して同じような試験をしたら26%に菌が見つかりました。ということは、レンズケースの洗浄と乾燥を指導しても今のMPSだと、この新製品は分かりませんが、ケース内に菌が繁殖するということで、目に入れる前にレンズをきちっとすすいでから入れましょうということを提言として出して、それがここに反映された形になっていると思います。ちなみに水道に関しては、アカントアメーバの件でどうしても危険なので、それは学会としては推奨していません。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○西村委員 今日、御報告していただいたところで、安全性は担保されているということは分かるのですが、その上で確認のために質問します。例えば症状として充血とか角膜炎の障害が起こると、ごく限られた数ですけれども、そういう報告があるという話を聞きました。私もコンタクトレンズを使ったことがないのでよく分からないですが、例えば花粉症のように目の状態が悪いときに、こういうものの残留したものが入った場合、何か起こるとか起こらないとか、そういったデータがあれば御紹介していただくと、より安全に使えるのかなと思ったのでお聞きしたいと思います。
○大野部会長 いかがでしょうか。情報はございますか。
○糸井参考人 私ばかり発言して申し訳ありません。基本的に眼科医としては、この薬品だけでなくMPS、過酸化水素消毒剤に関しての花粉症との因果関係というのは存じておりません。ただ、花粉症が強いときにコンタクトレンズはあまりしないようにという指導はいたします。
○西村委員 花粉症の原因になるということでなく、例えば付けていて花粉症などで目が痒くなり、こういうものが残留していたときに、今の試験だと健常な状態での感作がないということのデータだと思います。そのときに何か増悪みたいなことが起こらないというデータがあると、外国の方は分かりませんが、日本では花粉症が割と流布しているので、そういうときに健康被害の苦情みたいなものが増えることがないと、安心して使えるかなと思ったのでお聞きしました。
○糸井参考人 先生の言うのはごもっともだと思います。それに類似した試験としては、これがそのまま当てはまるかどうかちょっと分からないですが、いわゆるMPSに関して、今、市販されているものも含めて装用したとき、商品によっては4時間から6時間の間、角膜に結構頻繁に強い傷が付く。それはレンズの種類、組合せによって出現するいう報告がありますが、この製品に関してはそれがほとんど出ないと聞いています。ただ、日本で確認していません。
○西村委員 分かりました。ありがとうございました。
○大野部会長 ありがとうございます。ソフトコンタクトだから、こすっても角膜が傷付くということはないのですね。
○糸井参考人 10人の患者さんを診て、全く症状がない人のレンズをはずして診察しても、角膜には1人か2人、どうしても細かな傷は付いていると理解していただいていいと思います。どうしても装用しているだけで張り付いたり、あと先生がおっしゃったようにこすったりしても付きます。ただし、そこのところの判断は裸眼でも起こり得ることなので、どのレベルなのか、コンタクトレンズをしていて更にそれが強いものになっているのかという判断で、有意なものか有意なものでないかという判断をしています。
○大野部会長 場合によっては、今時に付けている人はちょっと気をつけた方がいいということですか。どうしても花粉症で目が痒くなりますよね。
○糸井参考人 あまりこする方、花粉症が強い方は、医師としてはあまり勧めないで休みなさいとするのが常識だと思います。
○大野部会長 そういうのは注意事項に反映されているのでしょうか。
○機構 お手元の添付資料の使用上の注意を見ていただきたいのですが、2ページに相談することということで、目のアレルギー症状を起こしたことがある人や眼科医の治療を受けている人、あと装用中に痛みや充血、目やに、ごろごろ感、かすみ目などがあれば相談してくださいということを伝えています。使用上の注意として、もう一つ上の守らなければならない所の6番目、目に異常を感じなくても眼科医による定期検査を受けるようにしましょうということで、先生の御懸念のような症状が出たら眼科医を受診するようお知らせしているところです。
○一般薬等審査部長 補足になりますけれども、これは製造販売後に調査をすることになっていますので、そこも含めて調査をしていただきます。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
○松永委員 消費者庁でも仕事をしていますが、いろいろな消費者の方がこれを見て迷うことがあるので確認させていただきたいことがあります。販売名が三つあるということは、三つの商品が出るということでよろしいでしょうか。もう一つ確認したいのが、写真がここに付いているものですけれども、これは中身が□mLとか、かなり容量の違うものが何枚かあるのですが、様々な容量のものが売られる予定であるということですか。分かりました。もう一つは、注意の所というのか使用の目安というのがあって、例えば添付文書(案)の中にもあるのですが、開封後1か月を目安に御使用くださいという、保管及び取扱上の注意というのがありますね。これは1か月するとどうなるのでしょうか。量の問題だけであって、安定性、その他は全く問題ないのでしょうか。本来、これって殺菌剤であるので、そこにカビや細菌が湧くということは特にないということでしょうか。1か月を目安に使うのであれば、例えば普通の方が自分のコンタクトレンズだけ洗うときの1か月分ぐらいが、小さい容器に入っているみたいなものを売るのが一番いいのかなと思って、なぜ様々な容量のものが売られるのかについて教えてください。
○糸井参考人 これも実は日本コンタクトレンズ協議会の緊急提言の中の一つなのです。これは台湾の医学生の試験で、MPSのボトルの中から10%以上の方から菌が検出されたのです。それまでは大体、1か月から3か月だったのですが、現在は開封後1か月以上は使わないようにと指導しています。一応、以前に調べたのですが、きちっとした使い方をすると□mLまでは1か月でなくなるそうです。それ以上の容量になったときのデータはないのですが、□mL以内であれば毎日きちっとこすり洗いをして、すすいで保存すればなくなる量ということです。ただ、人によって違いますし、もっと早い方も遅い方もおられますので、一応、1か月以上使わないように、それが菌を増殖させないためには安全であるということで、MPS全てに関して今、緊急提言を出して、それに基づいて日本コンタクトレンズ協会の自主基準でその文言が入っています。
○松永委員 そうすると、ここに例えば□mLのがあるというのは旅に持って行くときに便利とか、そんな感じなのですね。ですから、1か月は□mLぐらいが目安ですということを消費者に分かりやすく言えばいいということですかね。
○糸井参考人 それを使い切ってもらうという形が。
○松永委員 そういう使い方で誤解を生まない説明の仕方とか、そういうものもすごく要るのかなと思います。
○機構 PMSをやることになっておりまして、その中のアンケート調査の中でも、どれくらいの期間で使い切ったか調べることになっています。1か月以内にということですので、そのように使うと思いますが、延びてしまった場合はどうかというところも調査することにしています。申請者も、先ほど先生がおっしゃったようにすすぎなどにも使いますので、そうすると□mLを1か月で大体使い切ることになるといっています。
○大野部会長 殺菌剤というか、そういった作用を持っているものを使っていて、ばい菌が湧いてしまうのは非常に違和感があるのですが、強過ぎると眼刺激性が現れてしまうし、その辺のバランスが難しいところでしょうが。
○糸井参考人 そうなのです。今までのMPSだとスタンドアローンでは全然問題ないのですが、実際には菌が増殖してしまう。いわゆるバイオフィルムが形成されて、それで菌がサーバイブする。こういうふうな新しいもののデュアル・インフェクションというのは、それを何とか付着菌に対して打破するという考え方で出てきたものだと理解しています。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
○神田委員 先ほどの量の問題は分かったのですが、私も売られる1単位の量の問題はすごく気になっています。1か月で使い切るという意味で□mLは使うだろうということについては、いろいろなアンケートや調査で分かっているということですね。そうしますと、今、一番大きいのが□mLですか。今後も□mL以上のものは出ないという意味でしょうか。
○機構 先ほど□mLとお伝えしたのですが、□mLもあります。□mLについても1か月以内で使い切ってしまう。ですから□mLだと結構短くなるのかもしれないですが、今回出す容量では全て1か月以内で使い切れる容量となっています。すすぎにも使うことを前提にすればということです。
○神田委員 でも、例えば知らないで□mLを買ってしまって余ってしまったら、それは処分するということになるのですかね。ですから、その辺で最大量というのかその範囲が決まるのであれば、いろいろな人がいますけれども、そういった決め方をしていないと無駄にもなるのかなという気がします。私は量の売り方の問題は少し気になっていましたので、□mLと□mLだとまた随分違いますよね。その辺が気になりました。別に1か月以内でなく、20日で使い切っても次の□mLにすればいいわけですし、そんな感じなので、その辺の量の決め方も重要な問題だと私は思います。
○一般薬等審査部長 ありがとうございます。先ほど松永先生にも御指摘いただきましたように、添付文書には開封後1か月を目安に御使用くださいということは書いてあります。ただ、ここだけでは分かりづらいと思いますので、先生方の御指摘を踏まえ、徹底するようにということは申請者に伝えたいと思います。
○藤井委員 それに関してですが、消費者目線で言わせていただくと、1か月、いつ開封したかなんていうことは覚えていないので、できれば開封日時を入れるような何か工夫をしていただくと、消費者の方が意識的に使えるのではないかと、医薬品の感覚から思いました。
○一般薬等審査部長 ありがとうございます。伝えさせていただきます。
○機構 □mLですが、レンズケースの容量が3mLで、こすり洗いやすすぎにも使うと、1回の使用で大体20mLぐらいを使ってしまうことになっています。1か月以内に使い切ることに関して申請者も、添付文書の1ページの分かりやすい所に記載することを検討しています。
○大野部会長 木津先生、お願いします。
○木津委員 いつも医薬品ばかり扱っているものですから、ちょっと違和感があったのが、例えば添付文書に規格などが全く書かれていなくて、これは何ミリリットルが発売されるのかいろいろ見たのですが分からない。販売名が三つある中で、これがどういう形で三つあり、同じ会社が三つの販売名をどうやって使うのかという部分もあります。その辺は私たち審査をする者にとっても必要最低限の情報として、この製品は何ミリリットルのものが出るというのは、是非、今後書いていただけると有り難いのですけれども。
○機構 承認申請書には何ミリリットルのものが規定量で、充てん量も記載されていて、作られる容量というのは決まっています。
○木津委員 そうではなくて、この審査会議にそういう情報が不可欠なのではないでしょうかという意味です。消費者目線ではなくて、消費者に渡るときにそこまで審査をしないと、何ミリリットルのものが出るか分からない状態で審査はできないのではないかと思ったので、今後、規格を是非入れてほしいというのが希望です。
○大野部会長 いかがでしょうか。私も見ていて、どういう包装で、どういう形で説明が付くのかというのが、こういうふうに出されると分かりますけれども、これについては出ていないので、ちょっとその辺が曖昧かと思います。
○機構 審査におきましては承認申請書が出され、そこに容量は記載されています。タグで言うと緑の所が承認申請書になっていて、ここの9ページに製造方法連番□とあり、規定量が書かれています。「(□、□、□、□、□、□mL)を□□□□□□」と書かれていますので、こういうものが作られることが審査において分かります。また、いろいろな結果が出たときに、その量が幾つかというのも、確認を審査の中でしますので、審査の中で何ミリリットルのものがあるのかないのか分からないという状況ではありません。
○木津委員 分かりました。ただ、なかなかざっと見た限りでは、ちょっと年をとって小さい字が見にくくなっていますので。
○機構 医薬品と違って、あまり出てきていないのですが、ここに書いてあります。
○上席審議役 補足です。医薬品みたいに1対1の何錠というのは明確になっていなくて、この場合、企業側の販売戦略もあって複数の販売名を取り、かつ、最大限に出す容量のものをまとめて申請するというのが部外品、その他の特徴です。今回、その中のいろいろなバリエーションがあり、販売名についてはその販売名は適切性はありますが、容量についても最小から最大までを見て、確かに規格が担保されているのかどうなのかを、一応、全体的に見ているところです。あと、最終的に市場にどういうものが出るかは、この承認の範囲内から企業が選ぶということなので、明示でこれだけの用量ですというのは、今現在のところではお示しできないところは御理解いただきたいと思います。ただ、先ほどいろいろな先生から、大容量のものについて1か月で使い切りというのは、もっときちんとすべきではないかというお話がありましたので、例えばそういうものについては、もし今後、企業が大容量のものをきちんと出すのであれば、そこについては今日の御議論をお伝えして、適正使用に努めるように指導させていただければと思います。
○木津委員 分かりました。ありがとうございました。
○大野部会長 分かりました。ありがとうございます。
○機構 補足ですが、添付資料の方で、例えば安定性試験のところで何ミリのボトルで安定性をやっていますということも、提示されますし、提示されていない場合には審査において確認して、一番小さいものから一番大きいもので問題ないかということも確認しています。
○大野部会長 ほかに、いかがですか。西川先生、お願いします。
○西川部会長代理 細かい点ですので念のため確認させていただきます。審査報告書の8ページ、ラットの1か月間の強制経口投与の毒性試験があります。この試験で一番高い用量の雄1匹が肺葉出血で安楽死した。同群の雄2匹、雌3匹も同様に呼吸異常が観察されたとあります。この所見の取扱いが記載されていないので資料の概要を見てみました。資料概要の127ページにもう少し細かい記載があります。要するに、肺出血で安楽死した雄1匹、同様に呼吸異常が認められた雄2匹、雌1匹が試料誤嚥と確認された。その上の表で病理解剖を見てみますと、安楽死した個体に肺出血が認められた以外、他の動物に異常はないと記載されています。したがって、その他の動物を誤投与と判断した理由、根拠を教えていただきたいと思います。
○大野部会長 いかがでしょうか。「試料誤嚥が確認された」と書いてありますね。
○西川部会長代理 そうですね。その根拠が示されていないので確認したわけです。
○機構 少しお時間をください。
○西川部会長代理 よろしくお願いいたします。最終的な評価には関わらないと思いますが、毒性評価としてちょっと気になったものですから確認させていただきます。
○機構 今、原資料が手元にないので、申し訳ありません。確認して先生に御報告します。
○西川部会長代理 こういうことは本来、事前にすべきなのですが、時間的な関係で余裕がなかったものですから申し訳ありません。
○大野部会長 何か非常にこう言ってしまうとあれですが、下手な毒性実験施設ですね。
○西川部会長代理 下手も下手ですけど、高用量群だけにそういうのが固まっていることは、ちょっと気にはなるのです。
○機構 御指摘、ありがとうございました。
○大野部会長 では確認をお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。私から審査報告書で分からないところがあるので、5ページでCEマークをEUで取っているとありますけれども、このCEマークというのは何ですか。
○機構 CEマークに関しては、EU諸国で流通する場合にこのCEマークというものを取っておく必要があり、それで使っています。EUで販売される指定の製品には添付が義務付けられている基準適合マークのことで、EU指令で規則に定められる必須要求事項です。
○大野部会長 これは誰かが審査して与えているのですか。誰が審査しているのですか。
○上席審議役 補足します。基本的にCEマークは医療機器に与えられる認証と言われるものです。ヨーロッパの場合には医療機器は医薬品と違って、直接、EMAが承認審査をして承認を与えるというものでなく、認証基準を作って、それに適合するかどうかを第三者認証するということで、機器の場合は日米と制度が変わっています。今回、コンタクトレンズの消毒剤は、ヨーロッパでいくと医療機器の基準に適用するということですので、ヨーロッパ各国で流通させる場合にはCEマークを取得する。そしてそれを判断するのは第三者認証機関と言われる、いわゆる基準に適合するかどうかを見る機関が見ています。
○大野部会長 業界団体とか、そういう所がチェックしているということですか。
○上席審議役 業界団体というより、民間の。
○大野部会長 民間のそういう団体があるわけですか。
○上席審議役 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかに先生方、ございますか。
○審査管理課長 先ほど木津先生から御指摘があった御議論について、ちょっと事務局側で確認させていただきます。実際に販売するときに、どのような入れ目のものを、企業は採算とかいろいろなことを考えて、あるいは流通のことを考えて選ぶということがあり得るので、実際の申請書にはいろいろな規格のものがあるのですが、最終的にどれとどれが出るかというところは、まだ今の段階で特定できていないと御説明申し上げました。ただ、この段階であれば、一応、これだけのバラエティのものを考えていますということが、一目で分かるようにならないのかというお話だったと思います。特にコンタクトレンズの消毒に使うものの場合に、使用期間と入れ目の関係がなかなか分かりにくい。そういうところをどういうふうに消費者に伝えるのかということや、どんな製品、入れ目があるのかということを、この場でもきちんと理解しておきたいというお話だったかと思います。
 したがって、今後の対応になるかと思いますが、例えば申請書を見れば分かりますというのもなかなか辛いので、添付文書の案の末尾辺りに、考えている規格はこういったものがありますということ。それから使用期限を定めているような場合には、平均的な使用量から見てどのぐらいの日数分、回数分になるのか検討が付くように説明してくださいと、こういう御要望だったと理解していますが、それでよろしいですか。
○木津委員 ありがとうございます。そのとおりです。
○大野部会長 私もそう思います。添付文書の案が載っていないので、いろいろ細かい所を見ないといけないので次回からそのようにお願いいたします。先生方からほかに御質問、御意見がございますか。それでは、特に追加の御意見、御質問がないようでしたら、本議題について承認していいかどうか決を取りたいと思います。松永先生におかれましては、利益相反に関する申出があり、それに抵触するということで議決には参加できません。それ以外の先生について御意見を伺いますが、本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、承認を「可」として薬事分科会に報告させていただきます。糸井先生、いろいろ御意見を頂きましてありがとうございました。
 審議事項の議題2に移りたいと思います。参考人の冨田先生に御出席いただいています。よろしくお願いいたします。議題2について、機構から説明をお願いいたします。
○機構 議題2、医薬部外品虫よけキンチョールB等の製造販売承認の可否について御説明いたします。まず、資料の訂正があります。資料2の最終項、添付資料一覧表の9ページについて、当日配布資料2の添付資料一覧表9項目目に差し替えをお願いいたします。訂正箇所は、製剤の毒性試験の資料についてです。参考資料へ-40から49の記載は全て添付資料の誤りです。申し訳ございませんでした。申請時の資料も訂正いたします。
○上席審議役 資料の一番最後をめくりますと資料一覧が付いています。ここの部分の一部に「参考資料」と書いてあるのが、本来は「添付資料」の間違いでしたということで、差し替えを頂ければと思います。資料目録ですので、本日の審査の中身に入ると関係はありませんが、一応こういうステータスが違っていたということです。お詫びして訂正させていただきます。
○機構 本剤の概要について説明いたします。審査報告書の1ページを御覧ください。申請品目の販売名は、虫よけキンチョールB、スキンベープD1及びL虫よけスプレーICであり、申請者は大日本除蟲菊株式会社、フマキラー株式会社及びライオン株式会社です。本剤は、新規有効成分として、イカリジンを原液100mL中に5.0g含有するエアゾールの忌避剤です。
 3ページ下段を御覧ください。イカリジンは、昆虫の触覚の感覚子上に存在する受容体に作用し、ヒトなどの吸血源の認知を阻害することで忌避効果を発揮すると考えられています。なお、現在本邦において承認されている忌避剤の有効成分はディートのみです。
 ページをめくって2段落目を御覧ください。本成分は、□□□□□□□□□により、□□年に、新規の合成忌避成分として見出され、1998年にベルギーで初めて市販されたほか、2015年1月現在、米国、欧州、オーストラリアなど54か国以上で登録、販売されております。4及び5ページのロ項及びハ項を御覧ください。本剤の規格及び試験方法は適切に設定されており、安定性も問題ないと判断いたしました。
 続いて5ページ以降、ニの薬理作用に関する資料を御説明いたします。適用害虫の蚊成虫、アブ、ブユ、マダニに対する効力を裏付ける試験として、基礎効力試験及び実地効力試験が実施されており、ディート及びディートを10.0%含有した既承認製剤と忌避効力を比較しています。その審査の概略について御説明いたしますので、14ページを御覧ください。
 (1)本邦の忌避剤における本成分の位置づけについてです。申請者の説明にあるとおり、本成分はディートと同等以上の有効性を示し、米国でも効果が認められております。先ほども申しましたが、本邦での忌避剤はディートのみであり、機構では一部作用機序が不明な部分は残るものの、ディートと異なる機序を持つ可能性が示唆されており、本成分は、新たな忌避剤の選択肢となり得るものと判断いたしました。
 (2)本剤の有効性についてです。本剤の申請時の適用害虫は、蚊成虫、ブユ(ブヨ)、アブ、サシバエ、イエダニ及びマダニでした。このうち蚊成虫、ブユ(ブヨ)に対しては、いずれも2施設の実地効力試験において、また、マダニに対しては2施設の人腕を用いた忌避効力試験において、塗布後6時間まで、10%ディート製剤と同様に、100%の忌避率が得られていることから、これら害虫に対する有効性が確認できたと判断しました。一方で、サシバエ及びイエダニについては、本剤を用いた効力試験が実施されていないことから、これら害虫に対する有効性が明らかではないと判断しました。また、アブの実地効力は、1施設のみによる評価でしたが、施設の実施可能性を踏まえ、塗布後6時間まで10%ディート製剤と同程度の忌避効果が認められていることから、有効性が確認できたと判断しました。
 以上より、機構は、適用害虫は蚊成虫、ブユ(ブヨ)、アブ、マダニが適切であると判断いたしました。□□、□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□、□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□、□□、□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
 15ページの(3)本剤の使用上の注意についてです。本剤は、アブを対象にした実地効力試験では、脚への塗布は実用性を考え、ズボンの上から薬剤塗布とされていましたが、一般の消費者が適用害虫を区別して、本剤の使い方を変えることは困難であると考え、申請者に確認しました。結果として、使用上の注意において記載することが適切であると判断いたしました。また、使用者への情報提供のため、最低忌避効力継続時間についても、使用上の注意に記載することが適切であると判断しました。
 ホ項の審査の概略について説明いたします。18ページの中ほどを御覧ください。本成分は、皮膚から吸収されにくく、また主要代謝物に安全性上の問題はないと考えられること、更に、吸収された本成分は代謝され、主に尿を介して速やかに体外に排出され、特定の臓器及び組織への残留傾向は認められなかったことより、薬物動態に大きな問題はないと判断しました。
 ヘ項の安全性に関する資料を御説明いたします。19ページの(1)単回投与毒性試験を御覧ください。本成分のラットにおける単回投与の半数致死量は、1)経皮投与で2,000mg/kgを超え、2)経口投与で2,236mg/kg、3)単回吸入投与の50%致死濃度は4,364mg/立方メートルでした。
 (2)反復投与毒性試験で、本成分のラット反復経皮投与の無毒性量は、200mg/kg/day、イヌにおける反復経皮投与の無作用量は200mg/kg/dayと判断されています。
 20ページの6)を御覧ください。本剤の吸入毒性については、ラット単回吸入投与で、最小致死濃度は23.46mg/立方メートルを超えております。22ページ6)でラット反復吸入投与の無毒性量は4.359mg/立方メートルと判断されています。局所刺激性については25ページ及び26ページを御覧ください。本成分は、皮膚及び眼に対して刺激性が認められましたが、その後は回復しています。
 審査の概略について説明いたします。30ページの(1)局所刺激性についてを御覧ください。本成分は、皮膚及び眼に局所刺激性が確認されています。皮膚刺激性については、本剤の試験及びヒトパッチにおいて、いずれも刺激性が認められなかったことから、使用に問題はないと判断いたしました。また、眼刺激性について、軽度の刺激性を認めますが、一過性の反応であり、いずれも回復していることより、安全性上の特段の問題はないと判断いたしました。なお、機構は用法・用量の遵守も含め、使用時には眼に入らないような、適正使用のための注意喚起を徹底する必要があると考えております。
 31ページの(4)ヒト使用時における安全性についてを御覧ください。ヒト使用時における安全性について、本剤を1日□回使用したときの推定ばく露量と、動物での反復経皮投与毒性試験の無毒性量を比較すると、成人では約113倍、小児では約192倍となり、いずれも安全係数100以上が確保されております。なお、忌避剤は一般的に夏場の限られた時期に、外で活動する際に、必要に応じて使用されます。安全係数の推定には、年間を通じて、毎日□回の使用を想定しており、より安全側に見積もった設定であるため、実使用条件において、十分に安全域に到達していると判断しました。
 最後に、32ページの3総合評価を御覧ください。以上の審査を踏まえ、機構は本剤を医薬部外品の忌避剤として、記載の効能・効果、用法・用量において承認して差し支えないと判断いたしました。なお、承認後少なくとも2年間は、本剤に関する製造販売後調査を実施することが適当と判断いたしました。
 説明は以上になります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○大野部会長 委員の先生方から意見を伺う前に、参考人として来ていただいている冨田先生から、追加の意見がありましたらお聞きします。
○冨田参考人 作用性について若干分からない点があるという概説がされていました。ディートとイカリジンの作用性については、今のところこの室内試験で使われているアカイエカと亜種の関係にあるネッタイイエカを使って学術的な研究が昨年報告されています。。同じ匂い物質(英語でオドラント)受容体にディートとイカリジンがくっ付くこと、それから一般的にオドラント受容体はフェロモンのくっ付く場所であるということまでは分かっております。
○大野部会長 それは、人間ではそれと同じようなものはないわけですか。
○冨田参考人 これは、私の勉強不十分で申し上げられません。他の昆虫にもある、保存されているタンパク質です。
○大野部会長 それでは、先生方から御意見、御質問を併せてお願いします。
○神田委員 効果について、持続時間が6時間となっていますが、これは夏場に外で使うということで、汗をかく所で使うということもどこかに書いてありました。この6時間まで持続することが確認されているというこの条件、それは汗をかいたりという、現実に合った条件の中で6時間持続できるのかどうかということをお聞きします。
 それから使用上の注意の所に、1回塗布して、それでも発汗等の状況を踏まえて適宜再度使用することとなっています。これを、1日中汗をかくことが多いという状況の中で使うわけですから、何度でも使っていいのか、あるいは1日何回というように限度が必要なのか、なぜ6時間と出てきたのかよく分からないのです。それから、汗との関係で使用頻度をどのぐらいというのは書かれていないので何回でもいいのか。
 先ほど、安全性が確保された実験や試験は1日□回やった上で出てきたと資料にありましたので、その□回ということも引っ掛かってくるので、汗をかくと何回でもやってしまうのではないかと思うのです。これは、日本の暑い季候の中で必要なものだと思います。そういう現実に合った実験とか試験がなされた上で出てきているのでしょうか、その辺をお聞きします。
○機構 6時間と記載した理由についてです。6ページにありますが、本成分の効力試験等をされており、試験結果として6時間、ものによっては8時間もあります。こちらで6時間以上という結果が出ております。つまり、試験結果として、6時間までは通常の状態であれば効果があるということです。夏場の件に関しては、この試験においては先生がおっしゃっているように、使うのが夏場なので汗をかいてどうかというような具体的なところでの試験はしていないのが事実です。
 試験の実施時期がきちんと記載されていませんが、本成分の実地効力試験での結果が出ています。実地効力試験の試験期間が夏場の蚊が繁殖している時期で、冬だと蚊がいないので、蚊が繁殖する時期の間で試験をやっています。その中で、例えば10ページの実地効力試験のヒトスジシマカに対しては6時間までの試験成績が出ています。ブユに関しても、6時間後までの試験成績が出ているというように、6時間までの試験成績は取られている状況です。
 先生がおっしゃるように、夏場はすごく汗をかいて、塗ったものが取れやすいという過酷な状況ではありませんが、実地で行っていますので、蚊が発生している時期の状況は反映していると考えております。
○一般薬等審査部長 補足します。先ほど説明いたしましたように、日本で二つ目の忌避剤です。初めに出ているのはディートという製品です。ディートにはこういう情報が書いてありません。今回はそういう情報も使用者に伝えようということで記載いたしました。ただ、今申しましたように、実地の試験はしておりますけれども、実際には、それ以上の詳しいデータはないのが現状です。
○神田委員 分かりました。うっすら汗をかくような状況で行われたということでよろしいのですか。はい。使用する側からすると、汗をかいたと思ったら再度使用してくださいと言われたときに、これは再度使用するのかが分かりません。たっぷり汗をかいたら全部流れてしまうのかとか、そういうことが実際に使う人にとっては必要な情報であると思うのです。それが一つで、いつもう1回塗ったら効果が出るのかが分からないということ。
 それから、1日に何回も塗ってもいいのですか、というのがもう一つの質問です。その辺が試験では1日に□回という数字が出てきております。現実的には、もしかしたらもっと塗布してしまうのではないか。今は暑くないからですけれども、夏になったらそういうことが現実的に出てくるのではないかと思いますので気になりました。何回塗ってもよろしいのでしょうか。再度塗布するときの目安が伝わってこないと使えないのではないかと思うのです。あるいは使いすぎが起こるのではないかと思うのです。
○機構 1日□回なのかというところですが、おっしゃるようにもしかしたら□回以上塗る、取れてしまえば□回以上塗る可能性はあると思います。審査報告書31ページの(4)ヒト使用時期における安全性について、本剤を1日□回使用した安全係数ですが、このばく露シナリオが年間を通じて毎日□回腕、脚に適用することを想定して出された値です。その値が192倍です。ただ、これは□回としておりますが、年間を通じてというところで、多く見積もっていることになります。
 実際に本剤を年間の限られた例えば夏場だけとか、夏場でも山へ行くときにだけ使うというような使用状況を考えると、□回という数字で計算しておりますが、ばく露量としてはそれよりも多いところで考えておりますので、安全域に到達しております。□回以上塗布することがあったとしても、安全性に問題はないと判断しております。
○大野部会長 よろしいですか。
○神田委員 はい。
○大野部会長 私も、外で仕事をするような人が毎日使ったらどうなのだろうと思いましたが、半減期で見たら5日間ぐらいなのです。半減期5日間というと、暴露レベルは最大でも10倍には上がらないと思われますから、安全域は十分確保されているかと思いました。
○松永委員 確認なのですけれども、動物の試験もヒトのパッチテストの試験も「原液で行った」と書いてある、その原液は何なのでしょうか。これは、「製品としての原液100mL中にイカリジン5gを有する忌避剤」という記載があって、これそのものを原液と思って試験に使っているのでしょうか。イカリジンそのものは、「エタノールその他に非常によく溶ける」と書いてあります。そうすると、それを何パーセントのものにでもある程度作れるのではないかと思うのです。それは、海外ではこの資料によると20%とか30何%というように使っているものもあるものですから、この実験そのものはどのようなもので安全性は確認されているのでしょうか。ちょっとよく分からなかったのです。
○機構 動物試験の所に、「本成分」と「本剤」と「本剤の原液」という記載がされております。「本成分」がイカリジンのみとなります。「本剤の原液」というのは、これはエアゾールですので、そのガスを除いた部分です。先ほどの承認申請書という緑のタグを開くと、1ページに成分が出ています。ここに、本剤に入っているイカリジン以外の添加物が書かれています。1ページに□□□□□、2ページに□□□□□□□□□□□□□、それから□□□□□等このように書いてあります。ここの最後の□□□□□□□までが本剤の原液になります。製剤となると、ここにガスも入ったもので、エアゾールの製剤になります。
○松永委員 ヒトの皮膚に塗ったのは、ヒトの皮膚にクローズドして、全員何の反応もありませんでしたという原液というのは、製剤のガスを除いた他の添加物も入ったものということですか。
○機構 製剤のエアゾールの部分を除いたものであるということです。
○松永委員 それは、5%ぐらいのものが入っているということでいいですか。
○機構 これは本剤の原液になりますので、5%ということになります。
○松永委員 5%ぐらい入っているものを貼っているということですね。
○機構 はい。
○西村委員 確認なのですけれども、皮膚の吸収率が4%、それからほとんどがグルクロン酸抱合体で安全だということが示されていますけれども、これを見ると子供にも使っていいということです。この子供というのは、乳児というのはちょっとあれかもしれませんが、幼児のような皮膚の状態が成人とは違うような状態で使っても別に安全だということで理解してよろしいのですか。この頃はいろいろマスコミの影響で親御さんは、小さいお子さんを外で遊ばせるときに、こういうのがあればいいと思って使う場合があると思うのです。これも確認ですが、今のデータでは大丈夫だと思うのです。乳児、幼児などに使用しても問題ないという理解でよろしいということかどうかを確認します。
○機構 小児、乳児に使用しても問題はないです。ただ使うときに親が手に塗ってから塗りなさい、ということはあります。
○関東委員 イエカの刺傷だとか、マダニの刺傷を治療する身としては、それぞれに効果があるということは資料に添付があるのですが、同じ量を使わせるという書き方ですね。効力がマダニとイエカでは随分反応が違うように思うのですが、使用量としては同じでよいのでしょうか。
○機構 実地効力の所で、先生がおっしゃるように蚊やマダニによって変わってくるところはあるのかと思います。実地効力を見ると、同じ使い方であって、4時間、6時間で100%ぐらいの忌避率が出ていますので、対象害虫によって異なるということはありません。
○関東委員 実際は、イエカとマダニの反応は違うように思うのです。その用量を強くしなくていいのかとか、イエカにはこのぐらいで、マダニにはこのぐらいということではないのですか。効果があるのは、資料で見せていただいています。
○一般薬等審査部長 そうなのかもしれませんけれども、これは一般消費者が使うものなので、イエカだからこれぐらい薄く塗っておこう、マダニに刺されるかもしれないからとか、なかなかそういう区別ができないと考えています。
○関東委員 例えば、家で使うときにはとか、山ではこういうふうにするというような注意書きというのはどうなのでしょうか。
○一般薬等審査部長 少なくとも現在はしておりませんので、今後検討させていただきます。
○大野部会長 関東先生よろしいですか。
○関東委員 はい。
○大野部会長 杉林先生にお伺いしたいのですけれども、利益相反に関係があるということで発言されていないのかもしれません。先ほど皮膚吸収の話が出ましたが、幼児と成人との差は懸念するほどあるのかどうかをお伺いします。
○杉林委員 もちろん小さいお子さんの方が吸収率が高いと言われています。同じ成人でも、顔の方が吸収率は高いので、こちらの影響の方が強いかもしれません。私が気になったのは、顔に塗るときには、1回手にスプレーして、それを付けなさいと書いてあります。これは、良い表現をされていると思うのですが、実際は目をつぶって直接シュッとやるケースがあるかもしれません。そのような使い方を、しっかりコントロールする方がいいのかと思います。お子さんに関しても同様で、親が1回手に塗って、それを塗ってあげるようなやり方の方がいいかと思います。そのようになっていますよね。
○大野部会長 幼児であっても、その吸収の差がこの使用によって安全性に懸念が起こるほど成人とは違いがあるのかと思ったのです。
○杉林委員 そんなにないと思います。
○大野部会長 この100倍ぐらいの安全係数があれば。
○杉林委員 もちろん、本当に角層が出来上がるラインのような生まれてすぐというのは別かもしれませんけれども、それでなければそんなに差はないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかの先生はいかがですか。
○木津委員 細かい所で恐縮なのですけれども、使用上の注意の所で、「子供」という表現を使っている所と、「小児」と両方あって気になりました。普通の一般の方が使われるのだったら、全部「子供」でもいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○一般薬等審査部長 表現ぶりについては検討させていただきます。「小児の手の届かない所に保管する」というように、一般的には「小児」という言葉が使われているのかと思いますけれども、検討させていただきます。
○大野部会長 お願いします。
○機構 追加です。業界の自主基準として、このように書きましょうという基準は出ております。その基準にのっとった記載になっております。
○木津委員 いつもこういう会議のときに、基準ということで押し切られてしまうことがあります。大事なことは、消費者が「子供」というニュアンスと、「小児」というのでは感覚が違っています。そこのところを是非と思ったまでです。
○審査管理課長 一応、行政の方から業界の方へその辺は相談をして、やはり一つの文章の中で用語がバラバラしていると何だろうと思ってしまうというのは確かにそうなのです。統一をした形で考えませんかということで業界にも話をしてまいります。御指摘ありがとうございました。
○杉林委員 一般的に幾つになっても子供と言うことは結構ありますけれども、幾つになっても「小児」と言うことはないです。
○松永委員 素晴らしい。もう一つは、これを使うところを見ると、「適量を使う」ということなのですけれども、その適量が分からないから、どうしたらいいのかという問題なのです。今、私たちは、塗り薬は1フィンガーティップユニットと言って、0.45gぐらいを掌2枚にと教えるようになってから、湿疹の治療が非常に標準化されてうまくいくようになりました。
 掌は1%なのですごく分かりやすいです。子供だったら脚なら何秒が大体目安ですとか、そういうのはないのですか。「適量」と書くよりは、これには書ききれなくて、小さい字で見えないかも分からないけれども、どうやれば適量が分かるのかというのを、もう少し丁寧に分かりやすく使い方を説明すべきではないかと思うのです。100倍塗ったって毒はないのだみたいな話があるとして、でも蚊やブユを十分避けられる量はどれだけなのだという説明のときに、これだと何秒噴霧すると、どれぐらいの面積という感じの指導ができるのではないかと思います。
○機構 今までのディートの記載に似ているので、このような記載になっていることは事実です。先生方から御指摘があるように、使うときに、適量と言っても、子供の適量と大人が考えている適量が違ったりして、その安全性にも問題が出る可能性もあると思いますので、今後はそこの記載に関しては、申請者に本日の指摘を説明するとともに、検討していきたいと思います。ありがとうございました。
○大野部会長 検討をお願いします。
○藤井委員 これまでに20年ぐらい海外では使用実績があるかと思います。その間に、ディートと比べて副作用的な有害反応的なものが多いとか、少ないというような知見がありましたら教えてください。
○機構 イカリジンに関しては20年ほど使われています。論文の中で1件だけ副作用が出たということが示されておりますが、それだけです。ディートと比較すると、イカリジンは1件ということで少ないという状況です。
 その1件の事象というのは、接触性アレルギー皮膚炎に関して事例が出ています。イカリジン配合製剤を使用した翌日に適応部位に紅斑を生じ、皮膚科を受診しているという報告が論文の中でされております。
○藤井委員 その詳細は検討されていないのですよね。例えば今の製剤でも、これで感作するのか、□□□□□□□□□□□□□で感作するのか、可能性はあると思います。□□□□□□□□□□□□□の方が汎用されているから、そちらのかぶれの方が、もしかしたらあるかもしれないのだけれども、詳細報告がないということですか。
○機構 患者への診断パッチテストにより、イカリジンと乳化剤で配合されていたジオレイン酸メチルグルコースに対して陽性反応を生じたことから報告されたとは記載されております。
○藤井委員 試薬、この主剤ではないと。
○機構 そうではない可能性があります。
○藤井委員 分かりました。
○大野部会長 私から冨田先生にお伺いします。今回、イエダニとかサシバエについてはデータが不十分だということで、認可にならなくて追加の試験が要求されているわけですけれども、マダニで試験をやっているので、それで有効だということが示されています。このマダニとイエダニというのはかなり違うものなのでしょうか。更に承認項目として加えるためには、イエダニとかサシバエで有効であるとの試験結果を足さなければいけないものなのかと思ったのですけれども、その辺昆虫の専門家としてお考えを伺えれば有り難いです。
○冨田参考人 問題の二種類のダニは昆虫ではないのですが、ダニであることは間違いないです。そのときに代用をどこまで許すかという問題になります。従来、イエダニとマダニというのは区別されて扱われてきたので、試験をするときにそれぞれを使うことになっていました。一方のイエダニの方はなされていないということで、適用から漏れているということです。どれぐらい同じかというと、ダニでくくっていいという考え方と、イエダニはマダニではないから違うというくくり方と両方あります。
○大野部会長 伝統的に分けてきたということですか。
○冨田参考人 そうです。ただ、サシバエとはかなり違うということです。それは、代用はちょっと無理だと思います。ハエは飛翔して人間の近くに寄ってくるもので、接触しないでも忌避してほしいということがありますけれども、ダニは一遍人間の体の上に落ちてから逃げ出すかどうかというように行動も違います。その意味では、イエダニとマダニは同じような扱いになると思います。接触したときに、どういう忌避反応を皮膚の上に落ちたときに示すかということで共通点はあると思います。
○一般薬等審査部長 ありがとうございました。正に冨田先生がおっしゃったように、機構でも複数の専門家に聞いたのですけれども意見が分かれました。それで念のため試験をしてもらって、その上で検討するという判断になりました。
○木津委員 度々すみません。先ほどの松永先生の適量ということに関して、中を読んでいくと、「1か所に3秒以上は噴霧しないように」という注意があります。
○大野部会長 書いてあります。
○木津委員 そうすると、適量の後に括弧でもして、「3秒以上は噴霧しない」というのが前に来ると、使うときに非常に分かりやすいのかと思いましたので、御検討いただければと思います。
○大野部会長 そうですね、「肌から10cm離して」というだけではなくて、「肌から10cm離した状態で3秒以内」と書いてあればいいですね。
○機構 御指摘ありがとうございました。より分かりやすく記載するように伝えます。
○神田委員 今のこととも関係するのですが、これがモデルで、こういう形で表示されるということですね。これに限らず非常に小さい字です。でも、いろいろ情報を込めたいということで分かりますが、その中で、例えば3秒以上はしないとか、あるいは首の所は1回手に取ってからやりましょうという肝心な使い方は絶対に見ないです。でも、アリバイづくりのように書いてあると思えるような細かい字で書いてあります。これは、これに限ったことではなくて、全体を見直してほしいと思う点です。3秒以上はというようなことは、見えるように書くべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○機構 先生がおっしゃっているのは、裏の細かい所ではなくて、表の分かりやすいようにと。御指摘はもっともと考えますので、申請者と、より分かりやすく、表に出せるような記載ができるか検討したいと思います。
○神田委員 「よく振ってから」と書いてあります。これと同じような所に、「よく振ってから」と同レベルで表示をしていただきたいと思います。
○機構 分かりました。ありがとうございます。
○大野部会長 品質とか、安定性という面では問題ないですね。薬理には分からないことが多いということですけれどもよろしいですか。毒性面で他にはよろしいですか。意見が出尽くしたと思いますので決を取ります。杉林先生については、先ほど利益相反に関する申出がありましたので、議決への参加は御遠慮いただくことになります。それ以外の先生に伺います。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議はないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。本日の議題は以上ですけれども事務局から他に報告はありますか。
○事務局 次回の当部会の開催日程についてですが、品目の審議状況等を見て、今後事務局にて調整し、改めて御連絡させていただきます。
○大野部会長 いろいろ意見が出ましたが、事務局と業者との間で相談していただくということもありましたので、そういうことの対応をよろしくお願いいたします。本日はこれで終了させていただきます。御協力ありがとうございました。

(了)

備考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局審査管理課 課長補佐 井上隆弘(内線2737)

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