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2015年7月8日 第11回厚生科学審議会感染症部会

健康局結核感染症課

○日時

平成27年7月8日(水)14:00〜16:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○議題

(1)新型インフルエンザ対策におけるプレパンデミックワクチンの備蓄について
(2)報告事項
  1 中東呼吸器症候群(MERS)の対応について
  2 感染症サーベイランスシステム(NESID)の一部機能の停止について
(3)その他

○議事

○中谷課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第11回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。

 初めに、委員の出欠状況を報告いたします。本日は、味澤委員、桑村委員、細山委員及び南委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 現時点で定数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立しますことを報告いたします。

 なお、結核感染症課長は公務のため、途中からの参加となりますことをあわせて報告いたします。よろしくお願いいたします。

 次に、資料の確認をいたします。お手元の資料をごらんください。議事次第、配付資料一覧、委員一覧、座席表、資料1、資料2、資料3。参考資料が参考資料1から参考資料5までございます。

 不足等ございましたら、事務局にお申しつけください。よろしくお願いいたします。

 それでは、まず初めに、渡邉前部会長の御退任に伴い、部会長の選出を行いたいと思います。参考資料1、厚生科学審議会令の第六条の3項にありますとおり、部会長は当該部会に属する本委員の互選により選任されるとございます。

 本部会に所属する本委員は、味澤委員、岡部委員、倉根委員、澁谷委員の4名となっておりますので、本日御出席いただいております岡部委員、倉根委員及び澁谷委員の3名にお諮りをしたいと思います。どうぞ。

○岡部委員 本委員の岡部ですけれども、今回の部会長には、できれば倉根委員にお願いできればと思います。倉根先生は、皆さん御存じのように、感染症領域の、特に微生物学の基礎研究者として御造詣が深いだけではなくて、彼は神経内科医として活躍もしていたことがあり、また広い公衆衛生学的な視点もお持ちですのでぜひこの会議のリーダーをとなっていただきたいと思います。

 以上です。

○中谷課長補佐 ただいま岡部委員より倉根委員に部会長をお願いしてはどうかとの御発言ございましたが、いかがでしょうか。

(拍手起こる)

○中谷課長補佐 ありがとうございます。

 では、異議がないようですので、倉根委員に本部会の部会長をお願いいたします。

 倉根委員、部会長席のほうに御移動をお願いいたします。

(倉根委員、部会長席へ移動)

○中谷課長補佐 では、部会長の御就任に当たり、一言御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

○倉根部会長 感染症研究所の倉根でございます。部会長の就任に当たり、一言御挨拶申し上げます。

 このたび、渡邉前部会長の退任に伴って、本部会の部会長という大役を仰せつかりました。委員の皆様の御協力のもとで、議事の円満な運営に努めてまいりたいと思います。

 感染症分野、最近ですと、エボラ出血熱、あるいはMERSといったアウトブレイク対応、非常に注目を集めております。それは非常に大切なことでありますが、それとともに、あるいはそれ以上にサーベイランスであるとか、平時からの体制の整備というのが非常に重要だと思っております。また幅広い観点から皆様の御意見、御議論をいただきたいと思っております。委員の皆様におかれましては、それぞれの立場から本部会でも活発な御議論をいただきたいと思います。

 簡単ではありますが、御挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。

○中谷課長補佐 ありがとうございました。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いします。

 では、以降の議事運営については、倉根部会長、お願いいたします。

○倉根部会長 承知いたしました。

 それでは、議事に入る前に部会長代理の指名を行いたいと思います。厚生科学審議会令によりますと、「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」ということになっております。

 したがって、決定をお願いしたいのですが、部会長代理は、川崎市健康安全研究所の岡部所長、岡部委員にぜひお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 何かございますでしょうか。

 それでは、先生、よろしくお願いいたします。

○岡部部会長代理 はい。承知いたしました。

○倉根部会長 それでは、部会長代理として御指名したいと思っております。

 まず、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。

○齋藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 審議参加について、御報告します。

 本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、申告をしていただきました。

 本日の議題では、沈降インフルエンザワクチンの各品目に関連した調査審議を行います。これらの製造販売業者は、一般財団法人化学及血清療法研究所、北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ生研株式会社、一般財団法人阪大微生物病研究会であり、皆様の申告内容については机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 あらかじめ事務局で申告内容を確認しましたが、賀来委員の申告において、武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の寄附金等の受領があったと申告がありました。細胞培養によるワクチンに関する議決については賛否を表明することはできません。

 このほかには審議や議決に不参加となる基準に該当はございませんでした。

 以上でございます。

○倉根部会長 ありがとうございました。

 それでは、本日の議題を確認いたします。まず、本日の議題1といたしまして、「新型インフルエンザ対策におけるプレパンデミックワクチンの備蓄について」、議題2において「報告事項」がございますけれども、報告事項として、まず「中東呼吸器症候群(MERS)の対応について」、それから「感染症サーベイランスシステム(NESID)の一部機能の停止について」、議題3として「その他」ということを予定しております。

 委員の皆様には円滑な議事進行、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず議題1「新型インフルエンザ対策におけるプレパンデミックワクチンの備蓄について」に入りたいと思います。

 それでは、この件につきましては、事務局及び岡部先生から資料1の御説明をお願いしたいと思います。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 失礼いたします。事務局から参考資料の説明をさせていただきます。では、お手元に参考資料4を御用意ください。

 おめくりいただきまして、「現行のプレパンデミックワクチン備蓄の方針」というパワーポイントでございます。現行のプレパンデミックワクチンの備蓄方針としましては、平成25年6月に閣議決定されました新型インフルエンザ等対策政府行動計画におかれまして規定がございます。

 1つ目のポツです。「パンデミックワクチンの開発・製造には発生後、一定の時間がかかるため、それまでの間の対応として、医療従事者や国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務に従事する者等に対し、感染対策の一つとして、プレパンデミックワクチンの接種を行えるよう、その原液の製造・備蓄(一部製剤化)を進める」ということが行動計画に記載してございます。

 下に移りまして、予防接種に関するガイドラインでございます。

 上のポツです。「ウイルスの遺伝子構造の変異等に伴い、新しい分離ウイルス株の入手状況に応じてワクチン製造用候補株の見直しを検討し、その結果に即して製造を行う」。

 2つ目のポツです。「新型インフルエンザ発生後、最も有効性が期待されるウイルス株を選択。その際、流行している新型インフルエンザウイルスと、以前にプレパンデミックワクチンを接種した者の保存血清から交叉免疫性を検討する」という一文がございます。

 おめくりいただきまして、2ページ目「プレパンデミックワクチン備蓄の背景」とございます。

 1つ目のポツでございます。平成182006)年度から、烏インフルエンザA(H5N1)ウイルス株のプレパンデミックワクチンを毎年約1,OOO万人分製造し、その原液を備蓄してまいりました。

 現在の備蓄量としましては、チンハイ株、ベトナム株・インドネシア株、アンフィ株を合わせて約3,000万人分備蓄してございます。

 これらの原液につきましては、鶏卵培養法により製造された原液であり、有効期限は3年でございます

 次のポツです。平成18年度からプレパンデミックワクチンを使用した臨床研究も同時に実施しております。この研究というものは、パンデミック時の有効な接種方法等の検討に資するようワクチンの有効性、安全性、交叉免疫性等について研究を行うというところでございます。

 一番最後のポツです。平成26年7月の新型インフルエンザ専門家会議(健康局長懇談会)において、以下について同意されたということがございます。

 まず、1つ目でございます。「平成27年度以降の備蓄戦略について検討するため、交叉免疫性に関する知見を更に集積する」。

 2つ目です。「既存備蓄株及び新規備蓄分の原液について、より長く備蓄を継続するための検討を行う。具体的には、有効期限の延長、細胞培養法による製造について検討する」というところでございます。

 おめくりいただきまして、3ページ目は「H5N1プレパンデミックワクチン備蓄の背景」でございます。平成18年度からベトナム・インドネシア株約1,000万人分を備蓄開始し、アンフィ株、チンハイ株と購入してまいりました。

 平成24年度、ブルーで囲まれたところでございますけれども、チンハイ株約1,000万人分、Clade2.2系統のものが平成27年度に有効期限を迎えるというところから、株選定を行うという背景でございます。

 おめくりいただきまして、こちらは新型インフルエンザ対策に関する小委員会の委員名簿でございます。

 次に、参考資料5をごらんください。こちらは、本年のワクチン作業班並びに小委員会に提出された「インフルエンザワクチンA(H5N1)備蓄ワクチンによって誘導される抗体の交叉反応性の評価」というデータでございます。

 研究内容としましては計3つございます。まず、鶏卵培養法ワクチンにおかれましては2つの研究、細胞培養ワクチンについては下の1種類の研究でございます。

 上の研究結果としましては、鶏卵培養法ワクチン、水酸化アルミニウムをアジュバントとして用いたものを3週間隔で2回接種し、中和抗体価40以上の血清の割合を見た研究でございます。

 例えば水酸化アルミニウム3週間隔2回接種したベトナム株、一番上の表でございますが、同クレードの野生株におかれましては、中和抗体40以上の血清の割合が43%。そして、右にずらしまして、異クレードのワクチン株であれば、2005年のデータでは20%というデータでございます。

 2つ目の研究結果は、鶏卵培養法ワクチンの下の研究でございます。水酸化アルミニウムをアジュバントとして用いたものを3回接種してございます。2回接種した後、60日目もしくは90日目に違ったワクチンを接種し、その直後の免疫反応を見た結果でございます。

 例えばこちらの研究の上の四角ですけれども、インドネシア株+ベトナム株というのは、インドネシア株のワクチンを2回接種して、その60日並びに90日後にベトナム株のワクチンを接種した直後の血清の変化を見たものでございます。このデータでは、同クレードのワクチン株の中和抗体価40以上の血清の割合が74%。異クレードのワクチン株では76%というところでございます。

 一番下の細胞培養ワクチンの研究結果は、AS03のアジュバントを用いたものでございまして、3週間隔で2回接種し、同クレードのワクチン株並びに異クレードのワクチン株への免疫反応を見た結果でございます。こちらの結果では、インドネシア株を2回接種し、その3週間後、同クレードのワクチン株への抗体上昇は、中和抗体価40以上の割合が100%、異クレードのワクチン株で100%というデータでございます。

 以上でございます。

○倉根部会長 岡部先生、お願いいたします。

○岡部部会長代理 それでは、資料1をごらんいただければと思います。私は、小委員会のほうの委員長をやっておりますが、その小委員会の下に作業班があって、作業班でパンデミックワクチンのウイルス株の選定その他というようなことをやっております。先日この小委員会で、作業班の報告を受け議論を行い、その結果を今回この部会にご報告するという形になっています。

 資料1をごらんいただくと、そのときの議論の概要が書いてあります。

 現状・背景は、今、事務局のほうから御説明があったことがここに書いてあるわけですありますが、検討事項として、交叉免疫反応性、あるいは最終的にはどういう株がよいのか、それから鶏卵培養法及び細胞培養法による製造における備蓄期間といったようなことが検討すべき課題となっていました。

 このワクチン作業班は、感染研の小田切先生に班長になっていただき技術的なことを取りまとめていただいているのですが、その作業班会議から報告を受けたことが「2.備蓄戦略における今後の方針」のところの1.2.となります。

1.ですが、平成27年度、このウイルス株については、インドネシア株(A/Indonesia/5/2005IBCDC-RG2)(Clade2.1.3.2))を製造株として備蓄するということになり、また、平成27年度からは、鶏卵培養ワクチンに加えて、細胞培養ワクチンの備蓄も行うということがこの骨子になります。

 その理由ですけれども、先ほど事務局から御説明があった参考資料5に交叉反応性の評価があるわけですが、一つは、鶏卵培養法をアルム沈降インドネシア株の2回及びチンハイ株あるいはベトナム株1回、このワクチンを合計3回接種して、この場合は通常の2回接種ですから、3週間隔で2回接種して、60日以降に追加接種をしているのですけれども、その結果異なったクレードのH5N1ワクチン株に対しても、インドネシア株の場合には交叉免疫反応が確認された、ということになります。

 今年度からは、これは薬事法上の製造承認を得ており、細胞培養法の乳濁アジュバント添加ワクチンの供給が可能になっております。このアジュバントはASO3と言われているものでありますが、インドネシア株ワクチンは、2回接種で異なったクレードH5N1ワクチン株に対して幅広い交叉免疫反応が見られたということがあります。

 2番目の矢印になります。なお、日本で備蓄されている鶏卵培養アルム沈降H5N1ワクチン(4クレード用)は、薬事法上認められている3週間隔2回接種後、21日目では、同じクレードの野生株及び異なったクレードの野生株、ワクチン株、いずれに対しても有効性の高い十分な中和抗体を誘導しないことが確認されている、という記載があります。

2.のほうに行きます。「プレパンデミックワクチン備蓄戦略において、今後検討すべき事項」になります。

 1つ目が、鶏卵培養法アルム沈降ワクチンで得られた交叉免疫反応結果は、同じクレードのワクチン株と野生株(親株)で、交叉性に違いがあるところから、細胞培養法の乳濁アジュバントASO3、インドネシア株ワクチンで得られた血清についても、ワクチン株のみならず野生株を含めた異なったクレード株での交叉免疫性の検討を行う。

 2番目になります。今回インドネシア株ワクチンが示した幅広い交叉免疫反応性は、細胞培養法乳濁アジュバントワクチンに含まれるASO3の効果によるものである。これはディスカッションがあったのですけれども、ウイルスの変更ということも一つの方策でありますが、免疫が高く、交叉免疫反応が出たということについては、アジュバントの効果が高いという説明になります。

 ただし、アジュバントのASO3というものは、我が国では、備蓄ワクチンとしてこのアジュバントを使用した経験はありません。今後も継続してASO3等を含む細胞培養法乳濁アジュバントワクチンを備蓄するのであれば、乳濁型アジュバント、これにはほかのものがあるわけで、さらなる研究を積極的に進めるということを提言する。

 これが作業班からの提言であります。

 そして、3番目の矢印です。中和抗体価の測定方法は統一されているものの、結果の判定法の違いで中和抗体価が20倍以上異なった例が示されたため、今後、真の値に近い値を示す判定法を標準化法とすることが求められた。

 4番目であります。経時的な力価試験の実施、抗原量の増加などを含めた細胞培養法ワクチンの有効期限等の延長について製造業者等とも検討していく。括弧して鶏卵培養法ワクチンについても引き続き検討する、というところが、今後検討すべき課題・事項として挙げられたことであります。

 これらの提言、あるいは今後検討すべき事項を受けて小委員会で議論をして、その結果、合意された事項として3.にまとめてあります。

 これも読み上げさせていただきます。

 1番目が、現行のアルムアジュバント添加鶏卵培養H5N1ワクチンでは、ワクチン効果は限定的であることが示されたことから、欧米諸国で使用されているMF59、これはもう一つのスクワレンタイプのアジュバントになりますけれども、これとASO3等のスクワレンタイプの乳濁アジュバントについて、国はさらなる研究を積極的に進めるべきであるとの作業班の提言について、これを小委員会としては受け入れた、合意を得たということになります。

 2番目であります。今年度からAS03添加の細胞培養H5N1ワクチンの供給が可能となったが、これは薬事法上の承認を得たからということでありますが、我が国では、2009年のパンデミックのときに緊急輸入され、使用された少数のワクチンを除いて、ASO3MF59等についてのアジユバントの使用経験はない、あるいは極めて少ないということがあります。そして、ASO3は、海外において2009年、当時ナルコレプシー等が起こって、それは副反応があるのではないかということに関して検討中である。現在これは議論されているところですけれども、その安全性・有効性についてはさらなる検討が必要である。

 また、MF59の導入の可否も含め、国はアルム以外のアジュバントに関する安全性・有効性に関する積極的な研究を進めるべきであることが小委員会で提言された。

 3番目です。細胞培養法ワクチンに関して改めて議論を行った上で、今年度より導入する。改めて議論を行ったというのは、そこの小委員会の場で議論を行ったということになりますが、結論として今年度よりそれを導入することについては合意を得たということがあります。

 ちょっと補足的な説明ですが、アルミのアジュバント、これは参考資料5の裏側にパッケージや何かがずらっと並べてありまして、「季節性、プレパンデミックワクチン、パンデミックワクチンの比較」というのがありますけれども、右から2番目のパンデミックワクチン、乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチンのプロトタイプというのがASO3を使ったものになります。

 見たことのある方は御存じだと思いますが、アジュバントとワクチン液は別々になっていて、使う寸前にそれをまぜてこういうふうにやって、接種をするというタイプのアジュバントであります。

 これを使うと抗体の上昇は非常にいいということ、作業班からの説明もあったわけですけれども、今、アジュバントというものはいろんな方面で非常に関心を呼び、議論をされ、研究も行っているところですが、2番目のところの下から2行目に書いてある「国はアルム以外のアジュバントに関する安全性・有効性に関する積極的な研究を進めるべきである」ということは、この委員会のアナウンスとしては、国がそういう研究を主導してほしいし、メーカーその他もこういうアジュバントに関する議論、あるいは本当にいいのか、あるいは実用化になるのか、あるいはこのアジュバントというのは、実はまだ不明のところもあるので、特に新規のものについては、アカデミア領域においては研究を進めていただきたいというようなアナウンスの気持ちが込められております。

 これが資料1としてまとめた、前回の小委員会で行った議論になります。

 以上です。

○倉根部会長 ありがとうございます。

 これまでの説明について、何か御意見ございますでしょうか。調委員、どうぞ。

○調委員 非常に基本的なところをちょっと確認しておきたいのですけれども、鶏卵でつくるワクチンと細胞でつくるワクチン、いずれも恐らくH5のウイルス表面抗原に対する抗体がプロテクションにかかわると思うのですが、鶏卵からとるワクチンというのは、H5をどの程度精製したものであるのか。それから、細胞を使って製造する場合は、例えばH5だけを発現して製造するものであるのかというのを少し確認させていただきたいのですけれども。

○倉根部会長 事務局からお願いします。

○新型インフルエンザ対策推進室長 ただいまの点につきましては、手元に資料がございませんので、調べて、わかり次第お伝えしたいと思います。

○岡部部会長代理 いずれにせよ、原株を使っているといっても、リコンビネーションして作ったものをtissue cultureあるいは鶏卵カルチャーに入れていると思うのです。

○倉根部会長 どうぞ。

○調委員 2009年のpdmのときだったと思うのですけれども、ワクチンの製造会社によって、そのウイルス全部を使ったワクチンなのか、あるいはH1の表面抗原をかなり精製してつくったもの、2種類あったと思うのですが、それで少し質問させていただきました。

○岡部部会長代理 この場合は、HAのスプリットがH5N1として備蓄ワクチンのつくり方というふうになります。ただ、現在、全粒子型ということも議論が行われていますけれども、今のところ日本ではHA型だと思います。

○倉根部会長 では、まず山田委員、どうぞ。

○山田委員 確認なのですが、今のことと関連して、参考資料5の裏側にプレパンデミックワクチンとパンデミックワクチンとあるのですが、パンデミックワクチンの細胞培養3種類、これの真ん中のやつをプレパンデミックワクチンにしようということですか。それ以外のものについては検討しないと。

○倉根部会長 事務局、お願いします。

○新型インフルエンザ対策推進室長 事務局でございます。

 今、御指摘にありましたように、パンデミックワクチンとしてつくっているのは、こちらに書いてある3種類がございます。その中で、今回プレパンデミックワクチンとしての製造が可能であるという状況にあるのが、真ん中の化血研のみという状況でございまして、それらのものについて、参考資料5にあるような研究成果が見られたことから、このたび検討の俎上に上げさせていただいたという経緯がございます。

 その他の2社につきましては、まだそういう段階まで至っていないということでしたので、今回検討の俎上に上がらなかったという経緯でございます。

○倉根部会長 では、岡部委員から。

○岡部部会長代理 済みません。私が言ったことの訂正なのですけれども、先ほどワクチンの製造で、プレパンデミックワクチンについてはHAワクチンであるというようなことを言いましたが、ワクチン形態として全粒子のものが我が国で出ているということは、この一覧表の中の「ワクチン形態」というところに「不活化スプリット」、あるいは「全粒子」「全粒子」「不活化スプリット」「全粒子」というふうに、幾つかのタイプが承認をとられているというのがあります。

 プレパンデミックワクチン、今までのH5N1については不活化全粒子タイプである。それから、今、話題になっているAS03を含んだ細胞培養型については不活化スプリットであるということになりますので、先ほどの言い方はちょっと間違っていましたので、訂正させてください。

○倉根部会長 では、廣田委員、どうぞ。

○廣田委員 資料1に「ワクチン効果」とか「ワクチン有効性」という言葉が出てくるのですけれども、これはあくまで免疫原性だろうと思いますので、誤解を生まないような文案にしていただきたいと思います。

○倉根部会長 岡部委員、どうぞ。

○岡部部会長代理 まことにおっしゃるとおりで、小委員会においても言葉については注意をしようということがありました。実際に見ているのは、暴露実験などをやっているわけではないので、あくまで抗体反応で見ているということになります。

○廣田委員 それから、参考資料5でございますけれども、ここでは中和抗体価40倍以上ということで、seroprotection proportionのみが出ているわけですが、免疫応答というのは、もっと細かく解析して判断する必要があると思います。Seroresponse proportionであるとか、あるいは幾何平均抗体価、あるいは接種前抗体価によってどれだけ違うかとか、あるいは1回接種後の抗体がどの程度上がって、1回接種後の抗体の上がりのいい人と悪い人でその後の抗体反応がどう違うかとか、そういったところを細かく解析する必要があるのではないかと思います。

 今までほとんどそういった解析がされておりませんので、今までのデータも含めて、一度きちんと解析する必要があるのではないかと思います。

○倉根部会長 事務局、お願いします。

○新型インフルエンザ対策推進室長 

 このたび作業班からの提言のほうにもございます評価の方法、御指摘を受けておりますので、先生からの御意見も踏まえて、事務局で先生方と相談しながら、どういう検討ができるか考えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○倉根部会長 山田委員、どうぞ。

○山田委員 今のことと関連するのですけれども、交叉反応性のところで、インドネシア株を2回打って、違う株をもう一回、3回目を打った直後に調べると交叉反応性が上がっていると。ただ、このときコントロールがないというか、インドネシア株を3回打っても同じような交叉性が出てくるのではないかなという疑問もあるので、今のような見直しというか、さらなる解析をされるのであれば、その辺も含めて考えていただいたほうが、説明に対して納得しやすくなるのではないかと思います。

○新型インフルエンザ対策推進室長 はい。

○倉根部会長 大石委員、どうぞ。

○大石委員 資料5の裏面のパンデミックワクチンのところで、北里のワクチンについては「H5N1」とだけしか書いていないのですが、パンデミックワクチンであれば、プロトタイプとして使われるのかと思うのですけれども、北里の場合だけ「H5N1」となっているのはどうしてなのですか。わかる範囲で教えてください。

○倉根部会長 事務局、お願いします。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 こちらの記載につきましては、薬事承認がとれ次第、記載されているような状況でございまして、パンデミックワクチンの中で例えば武田薬品のH5N1につきましては平成26年3月、プロトタイプにつきましても同時期に申請がおりております。化血研におきましても、H5N1ワクチンは、乳濁の細胞培養については平成26年3月、プロトタイプにつきましては平成27年3月、北里の沈降細胞インフルエンザワクチンにつきましては平成26年3月という形で薬事承認がおりております。

○大石委員 北里のほうは、プロトタイプワクチンとしての薬事承認がおりていないということなのですか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 おっしゃるとおりでございます。

○大石委員 薬事承認をとる方向で進められておるということですか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 事務局としては詳細、確認しておりません。

○大石委員 わかりました。

○倉根部会長 ほかにございますか。

 私から細かいところなのですけれども、資料1のページ2の2.の4つ目の矢印のところの「経時的な力価試験の実施、抗原量の増加等を含めた」、これは抗原量の増加等、いろいろなファクターをということだと思うのですが、その後の「有効期限等の延長」、この場合の「等」は何でしょうか。

 有効期限の延長というのは一つのあれだと思うのですけれども、ここの「等」に含まれるものというと、例えば何があるのでしょうか。

○岡部部会長代理 済みません、私からは思いつかないので、後でもう一回御説明します。趣旨は「有効期限の延長」です。

○倉根部会長 事務局、何か。

○新型インフルエンザ対策推進室長 済みません。事務局でございます。

 私どもは、この議論を聞いておいたのですが、鶏卵培養につきましては、3年という有効期限になっておりまして、細胞培養につきましては1年半ではありますが、今、3年の有効期限の申請をしているという状況の中で、細胞培養法については、海外の情報などですと、3年よりも長い期間で備蓄ができているというような話も聞いておりますので、基本は有効期限の延長がもう少し長くできないかということだと理解しておりましたが、ここの「等」のところにつきまして、詳細を確認した上で、また御報告したいと思います。

○倉根部会長 ありがとうございます。

 山田委員、どうぞ。

○山田委員 資料1の2番の備蓄戦略の1.の下線の引いてあるところの最後「細胞培養ワクチンの備蓄を行う」となっているのですが、これはドーズは実際どのぐらいを考えられているのでしょうか。先ほどのASO3ですか、副反応の問題等が指摘されていながら、例えば1,000万人分備蓄するのか、その辺はどういうお考えなのでしょうか。

○倉根部会長 では、事務局、お願いいたします。

○新型インフルエンザ対策推進室長 失礼いたします。

 基本的には今、各株につきまして、マックスで1,000万人分という備蓄をしているところです。これにつきましては、「新型インフルエンザのガイドライン」というのがございまして、その中で、プレパンデミックワクチンというのは、どういう方を対象に打つのかといいますと、医療従事者とか、あとは電気、ガス、水道等の社会機能を維持する方々、そういった者を対象に打つことを想定しているワクチンでして、その上限が1,000万ということを想定しているというところに根拠を置いております。

 そうした考えでいきますと、今、インドネシア株につきましては、鶏卵培養のほうで500万人分ございます。こういうことで、今回の議論を踏まえますと、インドネシア株のほうで備蓄をするということでございまして、鶏卵培養法のほうが250万人分確保しておりますので、そこを補填する形で細胞培養法、少なくとも250万人程度は確保できるように発注をすることとしたいと思っております。

○倉根部会長 山田委員、どうぞ。

○山田委員 私は、継続しながら安全性にかかわる研究を同時並行させるという理解をしたのですけれども、それで正しいでしょうか。

○倉根部会長 事務局、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 現在議論されております細胞培養法ASO3を使ったワクチンにつきましては、2014年2月28日の薬食審におかれまして、その安全性・有効性について審議されておりまして、認められているものでございます。なので、薬事法上は認められているものであるというところでございます。

 ただ、この中で、先ほど山田委員のおっしゃられたナルコレプシーの指摘というところでございますけれども、薬食審におかれましても、関連性がまだはっきりはしていないと。欧州の医薬品庁並びにGSK社から提供されている情報提供におかれましても、はっきりとした因果関係はわからないけれども、引き続き情報収集に努め、注意喚起を行っていくという文言で記載されておりますので、基本的にこのワクチン自体は薬事法上認められているものでありまして、それにプラスアルファ注意を払っていくというところで考えているものでございます。

 以上です。

○山田委員 わかりました。ありがとうございます。

○倉根部会長 ほかに御意見ございますか。それでは、北村委員、どうぞ。

○北村委員 今の話題とは変わって、やや世俗的な話なのですが、メディアなどは、備蓄と廃棄についていろんな議論をしておるところだと私も認識しております。今回の審議に際しても、冒頭、利益相反の話が出てくるほどに、備蓄に関して一体どれぐらいの予算が動くのか、あるいは廃棄について、どれぐらいの経費が失われていくのか。失われるというか、使わなくてよかったという意見もあるのでしょうけれども、そのあたりについてお聞きすることはできますか。

 メディアなどは、その備蓄について、結果的に廃棄が起こっているわけであって、備蓄の量が妥当なのかどうか。これについては、国民に対してどういう説明をしていく必要があるのでしょうか。

○倉根部会長 それでは、事務局、お願いします。

○新型インフルエンザ対策推進室長 量につきましては、先ほど御案内させていただきましたが、行動計画で、まず新型インフルエンザがはやりましてパンデミック状態になりますと、社会機能が失われる可能性が高い。そういったときに、あらかじめワクチンで防ぐ、もしくは社会機能を維持するということに役立てればという考え方のもとで、特定接種というのが新型インフルエンザの特別措置法上、位置づけられております。それを実行するためにプレパンデミックワクチンの備蓄が必要だということが一つございます。

 あと、量的な問題としましては、ガイドラインのほうで、対象が1,000万人というふうになっておりますので、1,000万人の規模で現在のところ備蓄していく必要があると思っております。

 こうした中で、先ほども触れましたけれども、有効期限の問題というのが必ずついて回る。それにつきましては、それぞれの株を買ったときから3年たつと有効期限が切れてしまうので、捨てているという現状がございます。毎年1,000万人分ずつが切れて、その分新しいものを買いつつ、1,000万人分を確保しているというような状況でございます。

 予算の規模でございますが、ワクチンの原液をつくる。あと、一定程度製剤化しております。さらに捨てております。そういったものを込み込みでいきますと、毎年大体60億円程度という経費がかかっているという計算になっております。

 こうした中で、ワクチン株の有効性ですとか有効期限、現在の研究の内容なども踏まえて順次見直していくべきだという流れの中で、例えば今回こちらの提言書にありますような有効期限の延長、3年と言っているけれども、もう少し延ばせないかとか、あとは今、3株、4株ためておりますが、幅広く1つの株なり、2つの株なり、3つの株なりで必要なものがよりカバーできるのであれば、そういったものに少しずつ変えていくというような考え方もしっかり検討するようにということがございましたので、そういったことも踏まえながら、平成27年度は、「2.備蓄戦略における今後の方針」の1.、こういった提案をいただいたというふうな状況にございます。

 長くなりました。失礼しました。

○倉根部会長 それでは、岡部委員、どうぞ。

○岡部部会長代理 備蓄量とか接種法についてはいろんな議論があるのは事実なのですが、パンデミックが終了した直後の平成22年6月のときに、2009年のパンデミックの総括会議、いわば反省会議が行われていて、そのとき、ワクチンに関しては国内生産体制の強化を始めたばかりなので、大量のワクチンが一時できなかった、とあります。これはワクチンに関して非常に混乱があったものですから。

 それから、ワクチン接種を臨時的に行う法的枠組みがなかったという点。

 それから、このときに、6カ月以内に全国民のワクチンを製造せよというような声も大きかったので、それを目指して新しいワクチン製造法や投与方法の研究開発をする。

 ワクチンの確保は、基本的には国産ワクチンでの対応を原則とする。

 接種方法等にもあるのですけれども、発生時にも迅速な対応をするために接種方法、優先順位等を決めておくこと。

 そして、プレパンデミックワクチンを備蓄しておいて、発生時に迅速な接種が行われるよう、必要量をあらかじめ備蓄する、といったような総括に基づいて、これまでのいろいろな流れがあるわけです。

 ただ、その流れの中で、そこから6年を経ているわけですが、本当にこの備蓄量がいいのか、あるいはこういった形がいいのかというのは引き続き議論をするわけですが、内閣府のほうのパンデミックインフルエンザ対策委員会のほうが法律にかかわることの議論をやっているので、我々が小委員会で議論をしているのは、一応前提としては毎年1,000万人分をつくって、それについて、どういう株でどういうワクチンをやるかという技術的な検討をやっていることになります。ただし、小委員会のほうでも議論がありましたけれども、それについて、今のワクチンの製造方法、あるいは株の選択方法、あるいは量的な問題、それについてきちんとした意見というか、そういう議論が盛り上がってくるのであれば、それを内閣府の委員会のほうに提言するということの議論は行われていました。

 したがって、この感染症部会のほうでも、もしそういうことが議論になるのであれば、ここで議論してから内閣官房の委員会に持っていくのではないかと私は理解しているのですが、事務局、それで考え方はいいですか。

○倉根部会長 事務局、どうぞ。

○新型インフルエンザ対策推進室長 今、岡部委員のほうから御指摘がありましたようなことでございます。基本的には厚生労働省の新型インフルエンザ対策小委員会のほうでは、特別措置法、行動計画、ガイドラインにのっとった範囲内で検討するという点については、厚生労働省の中での議論で終結しておりますけれども、例えば今、言いましたように、1,000万人を超えるような備蓄をするとか、もっと少ない備蓄をするとか、そういった話が強く結論として出てくるようであれば、それについては意見として提言しつつ、最終的には内閣官房の新型インフルエンザの会議のほうで決定していく必要があると思っております。

○倉根部会長 山田委員、どうぞ。

○山田委員 今の議論とはちょっと離れるのですが、有効期限の延長に関して、参考資料4の3ページの表を見ると、一番古いのは平成18年にプレパンデミックワクチンの備蓄を開始したと思われるわけですが、そのときのものはもう9年、10年たっているわけです。ほんのわずかというか、全体はなくたっていいわけで、それがあれば有効性の確認はできる。恐らく有効性さえ担保されれば、安全性にはそれほど違いがないと想像すれば、もう既に有効期限の延長ぐらい行われていてもいいのではないかなと思うのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。

○倉根部会長 事務局、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 鶏卵培養法ワクチンにおける有効期限の延長については、各メーカーから延長についてのアクションを起こしているというお話は伺っておりますが、実際3年以上延びているという報告はまだございません。

○倉根部会長 山田委員、どうぞ。

○山田委員 こういう言い方をすると、非常にうがった見方になるのですが、メーカーサイドとしては、3年で廃棄になれば、同じドーズを次につくるという企業側のメリットがあるわけですよ。そうなったときに、果たして期限の延長ということへの取り組みというのがそれほど積極的になるかなという危惧があるのですが。

○倉根部会長 事務局、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 本日、資料1の2の2.の「今後検討すべき事項」という形で、作業班から小委員会に提出していただいた内容の一番最後のポツにございます「経時的な力価試験の実施、抗原量の増加等を含めた細胞培養ワクチンの有効期限」。その中で「(鶏卵培養法ワクチンについても引き続き検討していく)」という文言がございますので、厚生労働省としましても、各メーカーに対してヒアリングを引き続き行っていきたいと考えております。

○倉根部会長 ほかに意見、いかがでしょうか。調委員、どうぞ。

○調委員 有効期限というのはどのようにして決まっているのでしょうか。

○倉根部会長 岡部先生、今のことでしょうか。

○岡部部会長代理 はい。

○倉根部会長 どうぞ。

○岡部部会長代理 当時聞いているのでは、一定期間を置いた後に、その有効性について変化がないと。ただし、その有効性というのは、先ほど提言があったように、あくまで血清抗体のほうの変化上の問題であって、何かしら実際の暴露試験をやっているとかいうことではありません。

○倉根部会長 製造からある期間を置いて免疫原性としての抗体応答をはかったときに、期待されるべき抗体応答が出るということで、それが3年なら3年までは出るという形だということですね。

○岡部部会長代理 詳細な点は後で見ておいて、間違いのないようにしておきますけれども、私が聞いたのではそういう範囲だと思います。

○倉根部会長 調委員、どうぞ。

○調委員 不活化ワクチンということであれば、抗体価が同じように上がれば、その実績にそんなに問題はないのではないかなと思いますけれども。

○倉根部会長 岡部委員、どうぞ。

○岡部部会長代理 実際5年間ぐらい保存してみると、抗体価、そういう免疫原性としては落ちてくるのだという話を当時聞いております。したがって、それを半永久的にとっておくのは無理だろうということと、毎年つくるということに対することが山田先生からありましたけれども、逆にストックするスペースとか、そういうものも影響してくるということが議論の中で入っている、要素の中に入っていると思います。

 それから、委員会としては、COIは確実に表明されており、またそこにバイアスのかかることはありません。

○倉根部会長 事務局、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 有効期限の件なのですけれども、確かにおっしゃるように、力価等が中心になって評価されているというところでございますが、基本的にはメーカーサイドからの一変、一部承認変更におかれまして、そこで有効性、安全性が確認されれば、有効期限が延長されるということでございます。

○倉根部会長 いかがでしょうか。

 部会長が意見を言っていいのかどうか。まあ、いいのでしょうね。力価といいますか、免疫原性というのもやはり一つではあると思います。ただ、これまでの私の経験からすれば、延長するときには、それとともに安全性といいますか、何を注意するかというのは、それぞれのワクチンによって異なると思いますが、力価のみでなく、他の項目もきちんと調べておく必要が必ずあろうかと思っております。どんな項目を調べるかというのは、それぞれのワクチンによって異なるかと思いますけれども。

 ほかにいかがでございましょうか。

 もう一つ、私のほうから質問というか、確認なのですが、参考資料5の表ですが、一番右に「血清との反応に用いたウイルス」と書いてありまして、「野生株」「ワクチン株」というのが書いてあります。2005年と2011年に2回やっているというデータがここに出ておるのですが、このときいわゆるワクチン株として用いたものは、同じ株なのでしょうか。それとも異なるものに対する反応を見ているのでしょうか。2005年に、一番上の行だと、ベトナム株で接種したという研究があるわけですけれども、そのときに、ずっと右に行きますと、異なるクレードのワクチン株に対する抗体応答を見たと。2005年と2011年は、ワクチン株ということでは一緒かもしれませんが、いわゆる同じクレードに含まれるのか、あるいは同じワクチン株に対して見たのかどうかというのは、いかがでしょうか。事務局、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 こちらの記載、非常に紛らわしくて申しわけありません。

 こちらの括弧の年度なのですけれども、この年自体に分離されたウイルス株ということでございますので、「(2005年)」であれば、2005年に分離されたワクチン株、「(2001年)」ということであれば、2011年に分離されて、ワクチン株としてリバースでつくられたものというところでございます。

○倉根部会長 わかりました。

 そうすると、この背後には実際はそういう記載があるという話ですね。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 はい。

○倉根部会長 廣田委員、どうぞ。

○廣田委員 備蓄を始めた初期の試験で、たしか接種前に既に抗体陽性という人も結構いたような記憶があるのですが、2011年、2012年とか、こういったときの試験では、接種前の抗体保有者というのは、何かデータがあるのでしょうか。

○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 これらの研究につきましては、接種前におかれましてもpreとして血清は採取しております。血清について、当てている株自体は2005年、2011年のような株ですので、この研究を行うに当たっては、prepostで血清の変化を見ているといところでございます。

○廣田委員 preで、いわゆる陽性者ですね。

○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 済みません。細かいデータ自体は記憶にございませんけれども、中には中和抗体で10倍という方もいらっしゃいましたが、基本は10倍未満が非常に多かったと記憶しております。

○倉根部会長 いかがでございましょうか。ほかにありませんか。調委員、どうぞ。

○調委員 アジュバントのことについて確認させていただきたいのですけれども、pdmワクチンのナルコレプシーとの関連について、つい最近の「Science Translational Medicine」という雑誌に、アジュバントではなくて、ヌクレオプロテインに対する抗体が、睡眠を制御する細胞の受容体に交叉反応すると。ナルコレプシーに罹患した患者さんの血清中には、その受容体に対する抗体があるというような論文が出ていて、アジュバントの関与というのはかなり否定的なのではないかなということが報告されているようですが、以前にはオーティズム、自閉症との関連も言われたことがありましたが、それも否定的だというふうに伺っています。

 そういう意味で、アジュバント、スクワレンというのは、要するに、コレステロールの前駆物質であって、体の中に含まれているものですから、本当にそんなに副作用があるのだろうかということも考えられる。それから、科学的なエビデンスがそんなにはないような感じがしますので、オーティズムとナルコレプシー以外に何か副作用が報告されていれば、教えてください。

○倉根部会長 では、岡部委員、お願いします。

○岡部部会長代理 広範な調査というか、当時2009年の中では有害事象としての報告は幾つかあると思います。個別はちょっと覚えていないのですけれども。それが免疫現象をいじくるというところによって起きる免疫反応なのか、あるいは自然発生的に起きるのか。例のスワインフルーのときのギラン・バレーと同じように、そういうことは調査を行っていますが、いずれも何か特定の疾患が多くなるというデータは記憶していません。

 ただ、先生おっしゃるように、スクワレンが問題かどうかは別にしても、免疫反応がかなり増強しているというのは、生体に対する何らかの免疫反応があるでしょうから、それを安全性という意味ではきちんと見ていくべきであるというのが小委員会の意見です。

 それから、AS03を使っていますけれども、あくまで備蓄、緊急用、事態のときに備えるワクチンという位置づけであって、これはすなわちすぐに世の中に出ていって、多くの人に接種をするというものではなくて、そのためにはアジュバント学がしっかりしてこないといけないのではないかと思います。

○倉根部会長 はい、事務局。

○新型インフルエンザ対策推進室長 今の岡部委員のほうに補足をさせていただきます。

 今回の「細胞培養H5N1インフルエンザワクチンの安全性」ということで、これは化血研から示されたデータですけれども、確かに特定の疾患群というものの集中というのはないのですが、発熱、頭痛、疲労、関節痛、筋肉痛、悪寒、多汗などが見られております。そのほか、注射部位の疼痛、紅斑、腫脹、硬結、こういったものが一定程度確認されたという報告がございます。

 これは本日お手元には用意してございませんけれども、6月11日にワクチンの作業班を開催しておりまして、そちらのホームページに詳しい資料のほうを提出させていただいておりますので、後ほど御高覧いただければと思います。

○倉根部会長 ほかに御意見、いかがでございましょうか。よろしいですか。

 そろそろ議論が出尽くしてきた感がありますので、ちょっとまとめに入りたいと思うのですが、一つは言葉の問題、使い方、もう一つは資料5のデータの読みといいますか、これは恐らくサマリーなので、かなりはしょった形で載っけておるとは思うのですが、それ以外にも背後にいろいろな解析が可能なようなデータもあると思いますし、実際にはもう少し解析を行っておるのかもしれませんが、そこも考えていただきたいという意見が廣田委員からも出ておりました。

 そこも含めて、全体として「プレパンデミックワクチンの備蓄の考え方」という資料1については、感染症部会として了承するという形でよろしゅうございましょうか。文言の変更等、「有効性」という言葉、あるいは「免疫原性」なり「抗体応答」なりとわかるように、誤解のないようにしてほしいという御意見はあったと思いますが、それ以外には、まとめとしてこの感染症部会として了解するということでよろしゅうございましょうか。

(「はい」と声あり)

○倉根部会長 それでは、まず議題1につきましては、そういう形でまとめたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、議題2の1.「中東呼吸器症候群(MERS)の対応について」ということであります。

 それでは、事務局から資料2の御説明をお願いいたします。

○中谷課長補佐 事務局でございます。資料2「中東呼吸器症候群(MERS)について」という資料をごらんください。

MERSについては前回の部会でも少し御報告をしておりますが、前回は5月29日でしたので、6月はずっと韓国のほうでMERSの患者が発生しておりまして、国内のほうでも幾つか通達等を出して対応させていただいていますので、その状況について御報告をさせていただきます。

 まず、1ページ目、MERSの特徴について、もう御存じかと思いますが、ざっと復唱しますと、平成24年9月から中東を中心に感染が出ている新興のウイルス疾患で、報告患者数は7月3日時点で1,365名で、少なくとも487名が死亡。発熱や咳などの呼吸器症状が主症状で、糖尿病、がんなど基礎疾患で重症化しやすい疾患です。

 欧米・アジアにも散発的に中東からの輸入症例の報告がありましたが、今回の韓国での感染は、中東以外では最大ということで、右下のグラフにありますが、一番右側の棒グラフの赤い部分が韓国ということで、中東以外では最大の患者数となっております。

 感染経路は飛沫感染。同じ飛沫感染するインフルエンザと比べると、感染力は相対的に弱いとされております。

 潜伏期間は2〜14日とされておりまして、ウイルスの保有宿主としてはヒトコブラクダが有力視をされていて、中東のヒトコブラクダの間で蔓延しているものが時々ヒトに出てくると言われております。

 左下の「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」ということで、韓国でMERSの患者が発生して、患者数が増加しているということで、WHOが韓国のほうに調査に入りまして、それを踏まえて、WHOIHR(国際保健規制)の緊急委員会が開かれまして、緊急事態宣言に該当するかどうかという議論をされて、6月16日、委員会の結果について、その宣言には該当しないとの結論が出ているという状況です。

 2ページ目をおめくりください。韓国の状況のまとめでございます。

 「(1)現状と経緯」ということですが、現状、7月5日現在、感染者は186名、うち死者数が33名でございます。現時点で感染は院内感染や、救急車などの搬送車の中での医療関係者などの濃厚接触にとどまっているということです。

 事例は、5月4日に中東から帰国した1名の韓国人から感染が拡大しておりまして、第1例目は5月11日に発症して、5月20日、9日間かけてMERSと診断されるまでに3つの病院を受診していて、その間に多数の患者にうつっていたということであります。

 さらに、第1例目からうつった患者さん、追跡調査を徹底できておらず、2次感染者からまた別の患者さんにうつるということも起こっており、合計して180名以上の方が感染したということであります。

 (2)の韓国政府の対応としては、接触者に対しての病院の隔離と自宅隔離。症状がある接触者は病院の隔離をしておりまして、症状がない場合は自宅の隔離となっておりまして、人数はそこにあるとおりです。

 感染が発生した医療機関と感染者が受療した医療機関を公表しておりまして、そこにある数の施設のリストが出ておりまして、こちらを受診した方について、韓国政府は注意喚起をしておりまして、こちらの医療機関を訪問した者に対して、国籍を問わずに出国の自粛の要請もしているところです。

 また、MERSの治療拠点や国民安全病院ということを指定しまして、MERSの接触歴があって、症状があった患者さんについては、そちらに搬送、隔離するという対応がされております。

 「(3)韓国事例からの教訓」としては、まず検疫対応ということで、発症者の対応に加えて、適切なメッセージ、帰国後発症したら保健所へ一報を伝えるなど、きちんとやっていく。また、早期の診断や隔離をしっかり連携してやっていく。接触者の把握と健康監視の徹底をしっかりやっていくということが重要ではないかと考えております。

 「(4)WHOと韓国政府による合同調査結果(6月13日)」ですが、感染の状況としては、ヒト−ヒト感染がしやすくなるとか、市中で感染が広がっている証拠はなく、対策の効果が認められるまでに数週間は要する。引き続き動向を見る必要がある。

 韓国で感染拡大した要因としては、医者にとって、MERSというのがふなれであること、感染防止対策が不十分であること、ドクターショッピングや見舞客が多いといった韓国特有の習慣ということが指摘されておりまして、感染拡大防止として重要なことは、接触者を特定し、隔離とモニタリングを徹底する、感染防止対策を徹底する、感染者と接触者の出国を禁止するといったことが指摘されておりました。

 3ページ目は、WHOがホームページに出しております発症推定日別の患者数と死亡者数でございます。ピークが6月上旬、5月の終わりに来ておりますが、最初のケースが一番左側、5月11日で、そこから最初の病院で広がった部分が5月20日ごろにありまして、さらにそこでうつった方が次の大きな病院に移って、そのピークが大体5月の終わりごろに来ているという状況になっております。

 4ページ目をごらんください。日本の対応になります。

 まず、韓国でMERSの患者が発生したということを受けて、それが増加したということを踏まえまして、6月4日及び6月10日に通知を発出しておりまして、まず、検疫対応としては情報周知をしっかりするということで、韓国からの航空便について、機内アナウンスをしましてそうした申し出の呼びかけ、また、ポスター、検疫官の呼びかけ、リーフレットの配布などをしております。

 発症者の把握としてサーモグラフィーでの体温の測定をやっております。

 また、もし検疫で疑い例を把握した場合は、もし症状があった場合は指定医療機関に入院措置をできるようにしていますし、症状がない場合は14日間健康監視を行うということにしております。

 (2)です。万が一患者または疑い患者が国内の中で見つかった場合、きちんと患者ないし医療機関のほうから保健所へ連絡をしていただいて、症状がある場合には感染症指定医療機関に搬送、隔離するというフローチャートを周知しまして、対応の徹底をお願いしております。

 また、医療体制の確保については、6月9日に専門家会議を開きまして、MERSについては飛沫感染で、空気感染ではありませんが、韓国の状況について、医療機関の中で広まったということなどの情報もありましたので、医療体制としては、都道府県単位で確保するとともに、必須ではないけれども、陰圧制御可能な病室に入ることが望ましいだろうという考え方を示させていただいております。

 あわせて、そうした病室がどのくらいあるかという全国調査を行いまして、全国310施設、約1,500床の病床があるということを確認しております。

 また、注意喚起が重要ということでございまして、横倉日本医師会長と塩崎厚生労働大臣とが面会をしていただいて、連名で医療機関向けのMERSの対応ポスターを作成して、周知をさせていただいております。

 (3)として、実際そうした患者または疑い患者が発生した場合の接触者への対応ということですが、接触状況に応じて入院措置や、外出自粛要請や、健康監視を実施するという考え方を整理しております。

 簡単に御説明しますと、接触歴があって、症状もあるという方は、感染症指定医療機関で入院措置をいたします。

 濃厚接触はあるが、症状がない場合は、これは感染するリスクがありませんので、外出自粛の要請をお願いして、健康観察を14日間行い、もしその間に症状が出た場合には、速やかに感染症指定医療機関に入院措置となります。

 また、濃厚接触者ではないけれども、例えば空間を共有していたといったような方、あるいはきちんとPPEを着ていて、ただ患者さんに接触をした方というカテゴリーを「その他の接触者」というふうに整理をしまして、その方たちには健康観察をお願いするということにしております。

 また、日本に入国した韓国における自宅隔離対象者がいた場合は、健康観察を実施するということにしております。

 また、接触者が特定できない場合、例えばその症状が出ている間、公共交通機関や繁華街に行ったという事実が判明した場合、接触の機会を公表して、接触者に健康状況注意を呼びかけることも検討するということにしております。

 韓国については、今、患者数が徐々に減っておりますけれども、万が一感染の拡大をするような懸念、例えば濃厚接触者だけではなくて、市中にいて感染したような方、あるいはよくわからない方が発生するといった場合にどういう対応をするかといったことも、今回新たに設置したMERSの専門家会議の皆さんに、その対応について御検討をいただいているところでございます。

 また、韓国でMERSが発生した後も、タイやフィリピンで中東から来た輸入症例が発生しておりますので、日本としても、いつ特に中東から来られた方でそういった方があるかわかりませんので、引き続きこうした対応をしっかりと行っていきたいと考えております。

 報告は以上です。

○倉根部会長 ありがとうございます。

 さて、今のMERSに関しての一連の御説明につきまして、大石委員、どうぞ。

○大石委員 資料2の1ページ目の「特徴」のところなのですけれども、感染経路は、主には飛沫感染だと思うのですが、これは断言するところまでは行っていないと思うので、接触感染も否定はできないところだと思いますので、そこの文言を修正されてはどうかと提案します。

 2ページ目の「(4)WHOと韓国政府による合同調査結果」の2番目のポツ「韓国で感染拡大した要因」ですが、「医者にとって不慣れであること」というのが、ちょっと文言的にいかがかなと思って。医者がMERSについての知識が不十分であったということだろうと思うので、ちょっと修文が必要と思います。

 以上です。

○倉根部会長 今の文言はいかがでしょうか。

○中谷課長補佐 確かに原文では「unfamiliar」とか「unexpected」といったことで、実際MERSを想定するということがということかと思いますので、いずれにしろ御指摘を踏まえて修正したいと思います。

 ありがとうございます。

○倉根部会長 まず、廣田委員、どうぞ。

○廣田委員 韓国における状況の中で、「病院隔離」と「自宅隔離」という言葉であらわしてあるのですけれども、これは恐らくWHOの公表資料の「ホームモニタリング」と「ファシリティーモニタリング」のことだろうと思うのです。韓国での発生状況の一番下の行に「隔離とモニタリング」と書いてあります。だから、「ホームモニタリング」とか、「モニタリング」という言葉を使ったところは、具体的にどういう観察の仕方をしたのかというのをもし御存じでしたら、教えていただけませんか。

○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。

○中谷課長補佐 韓国の出されているガイドラインの情報によりますと、1日2回の体温を報告していただいて、ホームモニタリングのほうは、初回は、日本で言うと保健所の職員、そういった方が訪問して診た上で、その後、毎日2回の報告を求めるという内容と聞いております。

○廣田委員 ありがとうございます。

 と申しますのは、感染症の世界では結構言葉が使いにくいことがいろいろあるのと、また、もともとの英語に対して日本語がないようなものもあります。SARSのときに、まだ何にもわからない初期の段階で、対策は「クワランティンとアイソレーション」と言ったわけですけれども、クワランティンというのは、結局、患者と接触して感染の可能性がある人の行動制限がクワランティンです。ところが、「クワランティンとアイソレーション」をマスコミとかでは「検疫と隔離」と言ってしまって、要するに、日本に入れるなといった方向。非常に困った形で国民の理解が進んだことがありますので、やはり内容をわかりやすく御説明いただければと思います。

○倉根部会長 ありがとうございます。

 山田委員、どうぞ。

○山田委員 「早期の診断・隔離」、日本の対応のところで、都道府県での医療確保のところで陰圧制御可能病室のことに触れられているのですが、こういう施設というのは、ふだん動かしていないと緊急時に稼働しないことがあるというようなことを聞いたことがあるのですが、その辺はどういうふうになっているのでしょうか。

○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。

○中谷課長補佐 もともと感染症、第一種の指定医療機関特定は陰圧があって、第二種も多くは陰圧の仕組みを持っている病床ということだったので、改めて調べる必要はないのですが、今回、MERSに関してはそういった体制が必要ですということなどの専門家会議でまとめた医療体制に関する内容を示した上で、受け入れが可能な医療機関を報告するようにということで、調査をした上での結果ということでございます。

 おっしゃるように、その体制が実際稼働するかということについても踏まえて報告をいただいていると認識しておりまして、そういったことで考えております。

 また、専門家会議では、実際患者が出た場合、都道府県単位で受けるけれども、その医療機関のほうでどれだけ経験があるかとか、体制があるかということで、求めがあれば、国立国際医療センターから診療スタッフの支援をするということもまとめをさせていただいて、そうした体制を組んでございます。

○倉根部会長 ほかにいかがでしょうか。前田委員、どうぞ。

○前田委員 今、廣田委員から入国させるなというお話があったので、お伺いするのですが、今回検疫所の対応が強化され、入国2週間以内に患者と接触歴があり、症状もある方については、検疫所の段階で疑似症と判断することになると思うのですが、出入国管理及び難民認定法では、疑似症も含めて、一類、二類感染症、新型インフルエンザの患者さんは、外国人については上陸できないと規定されているわけですが、検疫は、上陸前ですので、当然この法律が適用されるということになるのでしょうか。

○中谷課長補佐 今回、検疫所、法務省と厚労省関係部局とで運用について相談いたしまして、検疫の段階でそうした疑似症患者が発生した場合には、直ちに発生した場所の自治体に感染症法に基づく届出を行い、入院措置をして、陰性になった場合に、改めてそちらはしっかりと入国手続に誘導するという形で今、法務省とは協議をして、整理をしているところです。

○前田委員 そうすると、入国ということではなく、仮上陸というような形で病院に措置するという方式ですか。まだ上陸していないという意味ですか。

○倉根部会長 では、事務局、どうぞ。

○中谷課長補佐 入国する前に入院措置をするということです。そして、解除になってから入国手続をするということになります。

○倉根部会長 よろしいですか。では、事務局、お願いします。

○氏家課長補佐 御指摘のあった「上陸」という文言について記載があるのは、もともと出入国管理及び難民認定法や検疫法等の古い法律でございまして、船等で上陸する際、入国というよりも、上陸する前の検疫後等に上陸するという法律上の記載であると認識しています。多くの海外渡航者は現在、飛行機で空港に上陸するということになりますので、飛行機をおりた時点で、もう既に上陸はしているという状況でございます。検疫としては、入国審査の前の検疫につきまして、MERSの疑似症を把握した場合、入国審査の手続の前に感染症法に基づく入院措置を行うというような運用になっております。その後は、先ほど中谷補佐が申し上げましたように、検査で陰性を確認した後の手続という運用になっています。

○倉根部会長 前田委員、どうぞ。

○前田委員 そうすると、陽性だったときはどうなるのですか。

○氏家課長補佐 陽性だった場合には、感染症法上、自治体で入院の勧告及び措置がありますので、陽性者に対しては、第二種感染症指定医療機関以上の施設で適切な治療をした上で、陰性の確認をしていくというような形になります。

○倉根部会長 前田委員、どうぞ。

○前田委員 その後に正式な上陸と。治癒した後が上陸という形になるということですか。

○氏家課長補佐 「文言上の上陸」と「入国審査上の上陸」ということで、言葉の意味が少し変わってきてしまうと思いますが、一般的には前者を上陸、後者を入国と呼んでいることが多いように思います。そういった意味では、既に上陸している者に帰れと言うわけにも現実的にはいきませんので、検疫後に手続の観点で入国対応を行うと。もちろん、人道上、治療が必要な方に必要な治療や予防対策等を行うということになります。追加して言えば、これは出入国管理及び難民認定法上、外国籍の方に関してのことでございます。

○倉根部会長 前田委員、どうぞ。

○前田委員 外国籍というのは、日本に永住資格を持つ外国籍の方という意味ではなくて、純粋な外国籍の方ですね。

○氏家課長補佐 日本国籍を持つ方は、入国ではなくて帰国という形になりますので、上陸をさせないという出入国管理及び難民認定法の対応というのは、日本国籍を有しない外国籍の方に対して該当する項目になっているという状況でございます。

○倉根部会長 前田委員、どうぞ。

○前田委員 しつこく確認して申しわけないのですが、一般に大麻、アヘン等の使用歴のある方が入国を差しとめられるのは、出入国管理及び難民認定法による上陸拒否だと思うのですが、その場合に退去を命じられるときは入国と上陸というのは余り区別せずに、飛行機で来ても国外退去をしているのではないかと思うのですが、人道上の問題でこの疾病については入国させるということなのですか。

○中谷課長補佐 まさにその点の運用をどうするかということで協議しまして、実際そこで症状がある方が入院措置の対象になりますので、それをそのまま退去しろという命令をしたところで、では、実際誰がどう退去させるのかということがございますし、実際傷病者になりますので、人道上も治療を提供した上で行うのが適切ではないかと判断しておるわけでございます。

○倉根部会長 岡部委員、今の関連ですか。

○岡部部会長代理 はい。

○倉根部会長 まずは岡部委員、どうぞ。

○岡部部会長代理 僕の理解が間違っていたら言っていただきたいのですけれども、要は、検疫所でスタンプを押さないで、それで入院隔離になるということではないですか。

入管上。

○中谷課長補佐 はい。

○岡部部会長代理 それで、陰性になったら入国を認めるという形のように理解しているのですけれども、それでよろしいですか。

○中谷課長補佐 はい。

○岡部部会長代理 余りごちゃごちゃ難しい話になってしまうと、どちらがどちらだかわからなくなってしまうので、実際上のことを想定してお答えいただければと思います。

○倉根部会長 前田委員、どうぞ。

○前田委員 要は、疾病という問題の場合については、法律上こういう形になっているものの、人道上の観点からは最終的には入国できるということでよろしいのでしょうか。

○倉根部会長 事務局、どうぞ。

○氏家課長補佐 手続上の問題でございまして、もちろん、形式上というか、物理学的には上陸している体制をとるわけですが、基本的には検疫での検疫済証をもって入国審査が行われます。また、疑似症に該当する方は感染症対策の必要性から入国審査に進めませんので、手続上は入国をしていないような形で、必要な医療機関での入院の措置がとられます。その措置が解除された上で、原状復帰、つまり、空港の検疫所のところに戻って、入国審査という形をとることになります。

○倉根部会長 よろしゅうございましょうか。

○前田委員 はい。

○倉根部会長 ほかに何かございますか。どうぞ。

○菅原委員 確認をさせていただきたいのですが、外出自粛要請というのは、どの程度強制力があるのか、任意のことなのか、教えていただければと思います。

○中谷課長補佐 外出自粛の要請につきましては、感染症法上はお願い、任意という形になりますが、ただ、実際どうしてもという場合には、健康診断の受診の勧告という形での法的措置をとれることになりまして、実際はお願いベースですけれども、本当にそこで実際に協力していただけないようなケースには、健康診断受診の勧告といったような法的措置をとれるような扱いになっております。

○倉根部会長 菅原委員、どうぞ。

○菅原委員 症状がない場合ということなので、本人は多分健康な状態で、お願いですから、自主的に家の中に静かにしているとか、そんなニュアンス。任意という感じなのですね。

○中谷課長補佐 はい。運用上は、家から一歩も出ないということではなくて、実際どのくらいの濃厚接触であったかという状態に応じまして、自宅から出ない、あるいは不特定多数が行くような場所に出入りをしないでいただくとか、あるいは学校に行かないとか、あとは医療従事者の場合は、ハイリスクな方と接する機会があるので、14日間は診療しないでいただくとか、ケース・バイ・ケースでその度合いといいますか、実際の運用はやっていくということで考えております。

○菅原委員 ありがとうございます。

○倉根部会長 賀来委員、どうぞ。

○賀来委員 これは今の菅原委員からの御質問も踏まえての意見なのですけれども、今後、MERSの専門家会議でもまた議論になると思うのですが、今回韓国でも自宅での健康監視という方がかなり多いですね。そういった場合に、Q&Aになるのかわかりませんけれども、自宅で具体的にどういうふうなことに注意していただきたいのか、例えば外出するのであれば、マスクをつけていくとか、一般の国民の方がわかりやすいような形での情報提供というのがとても必要だと思います。それはこれから開かれる専門家会議でも多分議論になるところではないかと思います。

 また、山田委員から先ほど御質問がありましたように、全国の病院では、感染症病室をふだんは使っていないところもあるので、今、中谷補佐が言われましたように、先日の専門家会議の中でも空調の確認をお願いいたしたいということで議論が出まして、それで今、事務局のほうでお調べいただいているということでございます。

○倉根部会長 それでは、よろしゅうございましょうか。

 いろいろと御意見、御質問ありがとうございます。

 それでは、次に移りまして、報告事項の「2.感染症サーベイランスシステム(NESID)の一部機能の停止について」に関しまして、事務局から資料3の御説明をお願いします。

○感染症情報管理室長 資料3をご覧いただければと思います。感染症サーベイランスシステム(NESID)の一部機能の停止について、御報告をいたします。NESIDのシステム上の安全性を確認するため、これは具体的に申し上げますと、インターネットとの接続を行っているこういうシステムについて、特に厳重に対応するという観点から、6月10日に、後ほど説明いたしますけれども、NESIDのA群、B群の接続する回線を切り離しました。システムの安全性、業務の運営上の影響を踏まえて、今後適切に対応していきますが、その現状について御報告したいと思います。

 まず、図をご覧ください。下のほうにピンク色がかかってありますが、システムのA群、システムのB群という2つの構成になっております。感染症発生動向調査でありますとか、病原体検出情報、感染症流行予測調査などのこれらのシステムにつきましては、保健所、感染研、厚生労働省、そういうところが専用の回線、統合ネットワークという政府の共有のネットワークを使って、専用のシステムで接続をしているという形態になっています。

 一方で、システムのB群という右側のところですが、ここには症候群サーベイランス、汎用サーベイランスシステムという2つが乗っかっておるわけですけれども、こちらはインターネットを経由して保健所、感染研、厚生労働省、医療機関と接続をされているという状況であります。

 今回接続を切り離したのはAとBの間でございます。

 ちなみに、右側の四角でございますが、A群は、感染症発生動向調査のメインシステムでありまして、感染症法に基づく届出、すなわちその中には患者の氏名でありますとか、生年月日などの情報が入ってございます。

 他方、インターネットには接続されておらず、公的機関のみが見ることができ、ID、パスワードによりアクセスの制限があるという状況であります。

 B群につきましては、インターネットに接続されておって、このシステムからは症候群サーベイランスに加えて、病原体の検出の動向でありますとか、冬場のインフルエンザの流行レベルマップなどの情報を国民向けに公表するような形で使っております。

 A群とB群の間の接続は、必要な情報のみがA群からB群に一方通行で日々転送されるという形になっておりました。この接続を切った関係で、影響としては、その下にございます。

 まず、一つは症候群サーベイランスの運用についてですけれども、感染症法第14条に基づく疑似症の報告については、疑似症定点の医療機関から当該システムに直接入力をしていただいておりました。入力する医療機関の登録でありますとか、そういうマスターデータがA群に基本的に管理されておりますので、ユーザーの変更でありますとか、新規の利用者、新規の定点を登録するということができない状況になっております。

 2番と3番は基本的に同じことでありますが、感染研のホームページで公開しているインフルエンザ流行レベルマップの情報の更新が現在できておりません。

 それから、病原体の情報などの帳票も感染研のホームページで公開している情報ですが、これも情報の更新ができていないという状況になります。

 あと、B群のシステムの運用管理は、具体的に申し上げますと、システム管理者が遠隔でシステムの運用状況などを確認するような作業ですけれども、これらのことがシステム上やれないという形になっているということであります。

 ちなみに、この汎用サーベイランスのシステムBについては、現在運用は行っておりませんので、実質的に症候群サーベイランスシステムにやや不都合が生じているということになります。

 これに対応いたしまして、結核感染症課のほうで、症候群別サーベイランスにつきましては、現在システムA群にあります汎用サーベイランスシステムAを活用いたしまして、来週からこちらのシステムで症候群サーベイランスのシステムを運用していく予定としておりまして、昨日都道府県等にその旨を通知いたしました。

 それから、インフルエンザの流行レベルマップ、病原体の帳票の公開につきましては、できるだけ速やかにシステムの改修などを行いまして、システムA群で集められた情報につきまして、週に1回程度、感染研などの御協力を得て出力いたしまして、それを感染研のホームページのウエブサイトに掲載するような形で対応していくというような形で対応したいと考えております。

NESIDの一部機能の停止につきましては、以上でございます。

○倉根部会長 ありがとうございました。

 今のような状況でございます。それから、対策、今後の見通しといいますか、見込みということについても説明していただきました。

 何か御質問、御意見ございましょうか。よろしいですか。

 現在そういうことになっておるということであります。また、早期の対応、どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議題としては以上で終了でございます。

 その他、事務局から何かございましょうか。どうぞ。

○結核感染症課長 前回の部会で御報告しましたデング熱の検査キットに関しまして、保険適用の条件について、各委員から御意見を頂戴しておりました。そのことに関して、一言御説明をさせていただきます。

 このたび保険適用になりましたデング熱の検査キットの保険適用の条件に関しましては、前回幾つかの御意見をいただきましたが、これは国立感染症研究所が策定した診療のガイドラインに基づいて、医療介入を必要とする患者への使用を想定して、当課と保険局で協力をして策定したものでございます。

 具体的には医療機関は、重症型デングに移行した場合に対応可能な医療機関として設定をしていて、例えば過去3年においてデング熱の診断も感染研に依頼している医療機関はこの件に該当しているということがございます。

 他方で、前回この場でも多くの意見をいただきました。また、中医協のほうでも、今後知見の蓄積に応じて保険適用の範囲を改めて議論すべきではないかという意見が出されているということもございます。

 前回の御意見も踏まえ、当課としても、感染症部会での御意見にありましたように、必要に応じ保険適用の範囲の見直しは要望していきたいと考えております。

 以上でございます。

○倉根部会長 ありがとうございました。

 ただいまのような状況でございます。

 では、事務局からお願いします。

○中谷課長補佐 最後に、次回の開催についてお知らせをいたします。次回の部会については8月19日水曜日、午後1時から3時の開催を予定しております。また改めて御連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。

 事務局からは以上です。

○倉根部会長 ありがとうございます。

 それでは、今、事務局からの報告をもちまして、本日はこれで終了といたしたいと思います。

 どうもありがとうございました。


(了)

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