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2015年5月29日 第10回厚生科学審議会感染症部会

健康局結核感染症課

○日時

平成27年5月29日(金)10:00〜12:00


○場所

航空会館5階 501+502会議室


○議題

1 感染症に関する情報収集体制の強化について
2 報告事項
 (1) 蚊媒介感染症対策について
 (2) 侵襲性髄膜炎菌感染症及び麻しんの患者の医師による届出基準の変更について
 (3) 「新型インフルエンザ対策に関する小委員会」における作業班の設置について
 (4) 中東呼吸器症候群(MERS)の対応について
 (5) エボラ出血熱の流行状況について
 (6) 感染症危機管理専門家養成プログラムの新設について
3 その他

○議事

○中谷結核感染症課長補佐 それでは、定刻より少し早いのですが、ただいまより、第 10 回厚生科学審議会感染症部会を開催いたします。初めに、委員の出欠状況を御報告いたします。本日は、桑村委員、山田委員より御欠席の御連絡、南委員より少し遅れて来られると連絡をいただいております。現時点で定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立いたしますことを御報告いたします。なお、国立感染症研究所の倉根所長が、感染症部会臨時委員として就任されましたことをお知らせいたします。また、蒔田委員におかれましては、役職の異動のため、臨時委員を退任され、後任として細山委員が参画されますことをお知らせいたします。

 続きまして、事務局より資料の確認をさせていただきます。お手元の資料を御覧ください。まず、議事次第、その裏面に配布資料の一覧を御用意しております。委員名簿一覧、座席表、配布資料としましては、資料 1-1 1-2 1-3 が議題 1 の感染症に関する情報収集体制の強化の関連資料となっております。

 また、資料 2 以降は、報告事項に関わる資料で、資料 2 が蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針策定スケジュール、資料 3 がデング熱キットの保険適用に関する資料。資料 4 が侵襲性髄膜炎菌感染症及び麻しんの患者の医師による届出基準に関する資料。資料 5 が新型インフルエンザ対策に関する小委員会作業班の設置に関する資料。資料 6 が中東呼吸器症候群 (MERS) の資料。資料 7-1 、資料 7-2 がエボラ出血熱の流行に関する資料。資料 8 が感染症危機管理専門家養成プログラムに関する資料。及び参考資料 1 4 を準備させていただいております。不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。

 それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

 ここからは、渡邉部会長に議事をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○渡邉部会長 おはようございます。まず、皆さんのお手元に事務局から説明がありましたように、資料及び議事次第がありますので、その議事次第を御覧いただきまして、まず第 1 番目の審議事項として、感染症に関する情報収集体制の強化、ここが一番メインな所でありますので、そのほか報告事項といたしまして、先ほど事務局から資料の説明がありました課題について、皆さんに報告することになっております。

 まず、議題 1 に関しまして、感染症に関する情報収集体制の強化についての事項は、事務局から資料 1-1 、資料 1-2 。資料 1-3 については、調委員から御報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○松本結核感染症課長補佐 結核感染症課の松本でございます。それでは、議題 1 に関しまして資料 1-1 、資料 1-2 について、御説明させていただきます。こちらの内容については、十分御承知いただいているかと思いますが、昨年の臨時国会で成立し、平成 26 11 21 日に公布されました感染症法改正の概要です。法改正の内容については、新たな感染症の発生や国際交流の進展等の感染症を取り巻く環境の変化を踏まえ、感染症への対応を一層強化するため、鳥インフルエンザ、中東呼吸器症候群の二類感染症への追加。今回の議題になりますが、感染症に関する情報収集体制の強化。結核患者に対する直接服薬確認指導の強化等の規定を盛り込んでおります。このうち、一部規定については、今年の 1 21 日、 5 21 日に順次施行されておりますが、今回御審議いただきたいのは、資料 1 枚目の赤く線囲みした所、「感染症に関する情報の収集体制の強化」に関する部分です。なお、こちらの施行については、平成 28 4 1 日施行という形になっております。

 具体的な中身ですが、 1 つ目が、知事、緊急時は厚生労働大臣になりますけれども、全ての感染症の患者等に対し、検体の採取に応じること、また、医療機関に対し、保有する検体等を提出することを要請できるという旨の規定を新たに設けております。さらに、この規定については、「できる」というだけなのですが、勧告しても患者等が応じないような場合につきましても、一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症及び新感染症については、いわば強制的といいますか、検体の採取等の措置ができるという規定を整備し、都道府県知事の権利を強化する形の内容になっております。

 もう 1 点が、 2 の○の 2 つ目にありますが、具体的には季節性インフルエンザを想定しておりますけれども、一部の五類感染症につきまして、その情報収集体制を強化するという内容になっております。

 資料の 2 3 枚目を御覧ください。今、申し上げました 2 点につきまして、簡単なものですが、流れを示したものです。 1 つ目が一類、二類、新型インフルエンザ等感染症、新感染症の情報の収集体制の強化に関する部分です。ざっと左から説明しますと、国民、患者等の病原菌検体を持っている方がいらっしゃれば、都道府県から患者等に対して、検体等を送付し、都道府県で送付された検体を検査し、国に最終検査結果を報告するという内容になっております。

3 枚目は、基本的な流れは一緒ですが、季節性インフルエンザの検体等を提出いただく機関としまして、「指定提出機関」を都道府県知事が指定し、そこから検体等を提出いただいて、検査した結果を国に報告するという内容になっております。真ん中に赤く枠囲みした所に「検査の実施」、「検査結果等の国への報告」については法律で規定されておりますけれども、具体的な検査体制や、国への報告の基準等につきまして、省令や通知等で規定していくという形になっていきますが、その中身につきまして今回御審議いただければと思います。法律の中身に関しては、簡単ですが、これで説明を終わらせていただきます。

4 枚目を御覧ください。こちらが今申し上げました検査の実施体制等について、省令等で規定していくことを考えている内容です。都道府県知事が行う検査の実施体制については、病原体検査を行うために必要な検査室の設置、検査部門の責任者及び信頼性確保部門という検査の質を確保するための部門の責任者を独立して設置する。また、検査の実施に当たり、必要となる標準作業書の作成や、定期的な質の確保のための業務を実施し、また組織体制、記録管理、諸々に関する文書を作成して、保存しておくことを規定したいと思っております。季節性インフルエンザに関する指定提出機関制度に関しては、法律上は五類感染症とだけ規定しておりますが、そこに季節性インフルエンザと規定することと、指定提出機関からの検体等の提出基準につきまして、その頻度や検体数など、全てが省令ではなく、通知等になる形もございますが、季節性インフルエンザの流行期には毎週、非流行期には毎月、指定提出機関から都道府県知事に提出するという形を規定していくことを考えております。また、 3 番目の国への検査結果の報告については、患者の年齢、性別、管轄の保健所などの内容を御報告してくださいという具体的な報告事項を規定していく予定でおります。こちらの内容については、既存の法律ですと水道法や、食品衛生法などの類似の規定を基にしているところと、この後、調先生から御説明いただきますけれども、調先生に行っていただきました研究の結果を踏まえた内容となっております。

 また、今後のスケジュールですけれども、今回御審議いただいて、問題がないようであれば、その中身を踏まえて、今年の夏頃を目処に省令を公布。秋口、 10 月頃に関連する通知を発出して、来年 4 月に改正法を施行していくというスケジュールで考えております。

 次に、資料 1-2 、こちらは参考の資料ですが、今現在行っています感染症の発生動向調査事業の概要でございます。具体的に国に向けて、検査結果等を御報告いただく場合には、これにのっとってということを念頭に置いております。簡単ではございますが、事務局からの説明は以上でございます。

○渡邉部会長 ありがとうございます。

 続きまして、先ほど事務局からも紹介がありました、この病原体サーベイランスにおいては、その検査の質というのが非常に重要ですので、それを実際担っているのは、地方衛生研究所であると思いますので、地方衛生研究所が中心になって、平成 26 年の厚生科学特別研究で、科学的根拠に基づいた病原体サーベイランス手法の標準化に関する緊急研究等を行っておりますので、その結果について、調先生から御報告をお願いいたします。

○調委員 山口県環境保健センターの調と申します。昨年度後半に行った特別研究の検討結果について御説明いたします。資料の 2 枚目、 3 枚目は、ほぼ事務局の御説明と重複しておりますので、 4 枚目から御説明させていただきます。

 感染症発生動向調査事業により、感染症法に基づく感染症の検査を行っております。実施主体は主に地方衛生研究所で、一類感染症については基本的に国立感染症研究所で対応するということになっています。まず、事業の目的を明確にして、それに基づいて新たな制度設計ということを研究班で検討いたしました。

 まず 1 番目に、一類、二類感染症、これは結核を除いて非常に重篤な症状を引き起こす感染症です。そのため、民間における検査体制が整っておりませんので、行政の検査が非常に重要になってまいります。これに基づいて、感染症の患者が特定された場合には入院の勧告措置などを行う。その検査が根拠となるので、極めて重要な検査ということになります。

 昨年から問題になっているエボラ出血熱などは一類感染症、鳥インフルエンザ等は二類感染症ということになります。二類感染症については、地方衛生研究所で検査を行うことになるわけですが、その検査の質の確保、保証する制度が必要だろうということが考えられました。

2 番目に、三類、四類、五類感染症については、その診断の結果を基に様々な対策を講じるということです。

3 番目です。季節性インフルエンザについては、毎年多数の患者が発生して、ワクチンが毎年作られています。そのワクチン株の選定のために、インフルエンザウイルスの株の分離が必要になってきますが、それも地方衛生研究所で行っております。また後ほど説明しますが、インフルエンザウイルスの検出というのは極めて重要ということで、この検査数を規定する必要があるだろうということを提唱しております。

4 番目に、五類定点把握感染症については、毎年、例えば手足口病、ヘルパンギーナといった、小児を中心とした感染症が流行しますが、これらについてもウイルスの型が変化し、それによって症状や重症度が変化することから、一定数の検査をする必要があるという目的です。本日の審議会については、 1 番と 3 番が関連しますので、それについて御説明いたします。

1 番は、検査の質の確保ということになります。次に 5 枚目です。検査の質を確保するために、病原体検査指針のようなものが必要であろう。その目的というのは、都道府県が検体提出を要請した検査の信頼性を確保することにあるかと思います。研究班では 1 から 15 までの項目を挙げており、先ほど御説明があったように、研修、検査室はどうあるべきかといった細かいところも検討して、報告書にまとめております。本日は、その中から特に重要と思われるものについて御説明いたします。

6 枚目です。「検査の質を確保するための体制」です。いわゆる「精度管理」と一般的に言われていることを確保するためには、全体を統括する責任者、管理者が必要です。それから検査部門において、このように検査を行うという細かい規定を設けた標準作業書、検査の記録を管理する直接的な責任者が必要である。それから、これらがきちんと行われているということを客観的な立場から評価する責任者が必要だろう。そういう 3 つのことが考えられるわけですが、 2 番目については部門責任者、又は区分責任者といったような配置が必要になってくる可能性があると報告書にまとめております。これは人員の体制ということになります。

2. 「病原体検査の標準作業書、記録、結果の判定」ということです。特に、二類感染症など、人の行動を制限する検査結果については、検査の質が確保される必要がありますので、きちんとやるべきである。国というのは国立感染症研究所になると思いますが、標準的検査法を示していただき、それに基づいて各都道府県の検査機関が標準作業書を作成するということが考えられます。また、検査の記録、どのようにして検査をしたかを記録し、一定期間保存する必要があると考えます。また、食品衛生法など、これまで精度管理について規定されていますが、感染症の検査については単に検査結果のみではなく、その検体の得られた患者情報です。例えば鳥インフルエンザの場合でいうと、症状、海外渡航歴、鳥との接触歴といった情報と総合的に考えて、最終的に判断する必要があるだろうと。そういった体制、人員配置も必要になってくると報告書にまとめております。

3. 「研修による人材育成」です。まず、基本的にバイオセーフティーに関する基礎知識は必須であると考えられます。また、各検査施設の中における On the Job Training を計画的に実施し、かつ国などが提供する実技を含む研修を計画的に受けさせる必要があるだろうということを考えております。機器の保守管理については、また後ほど御説明いたしますが、主要な機器について保守管理が必要になってきます。

5. 検査室の構造については、基本的にバイオセーフティーの規定を遵守しているべきであり、遺伝子検査は PCR 法の場合は、病原体に含まれている核酸 DNA 100 万倍程度に増幅して検出するという、非常に高感度の方法です。その基となる DNA 核酸が微量でも混入した場合には、誤った陽性結果を生じることになります。したがいまして、部屋が区分されている必要がある程度はあるということを、具体的に報告書の中に書いております。

 「想定される必要な機器と保守管理」です。左側には、地方衛生研究所が基本的に備えていると思われる検査機器を列挙しています。それぞれの機器について、どういった頻度で保守点検を行うであるとか、右側の黒ポツで示しているのは、ポリオ、 H5H7 については、二類感染症、季節性インフルエンザは五類感染症で、それぞれの機械が使われたか使われるかということで示しています。このように、例えば安全キャビネットとか、リアルタイム PCR 装置、自動核酸分析装置 (DNA シーケンサー ) といったものが、非常に重要な主要な機器であり、正確な検査結果を得るためには、当然これらの機器が正常に稼働していることがあらかじめ保障されていなければならないわけで、そのための保守管理は必要になってくるということです。

9 ページ、「試薬の管理について」です。例えば期限切れの試薬を使わないとか、きちんと細胞を管理するとか、そういったことのために標準作業書を用意する必要があるといったことを報告書にまとめております。以上のような主な規定を設けることにより、検査の質の確保が保たれるのではないかと考えられるわけです。こういった規定はこれまではなかったわけで、こういったことにより検査の質が確保されるものと期待しております。

 次に、インフルエンザの検査数の検討について御説明いたします。 10 ページ目のグラフを御覧ください。これは地方衛生研究所で検出されたウイルスの数を示しております。一番上の黒い折れ線は総ウイルス数で、 2 番目の赤い折れ線は遺伝子検査により検出されたインフルエンザウイルスの数を示しております。青いグラフはウイルス分離により検出されたインフルエンザウイルスの総数を示しております。このように 2009 年の所に大きなピークがありますが、新型インフルエンザの流行のときに、全地方衛生研究所の総力を挙げて検査を行った結果、年間 3 万検体に近い遺伝子検査が行われたことになります。

 それ以降は、ほぼ毎年遺伝子検査による検出が 5,000 、ウイルス分離による検出が 5,000 、全国でその程度の数が行われています。それ以外のウイルスの検出も、その倍程度検出されているということが分かると思います。

 この検査が、果たして都道府県ごとに均一に行われているかどうかということですが、次の 11 枚目を見ていただきますと、今回研究班で、 2012 年のインフルエンザの検体数を調査いたしました。最も多い都道府県では、人口 10 万人当たり 28 、最も少ない都道府県では 2.2 ということです。 10 倍以上の格差が生じていることになります。これをできるだけフラットな形にすべきであろうというのが、提言です。グラフには示しておりませんが、遺伝子検出だけが行われて、ウイルスの分離は行われていない都道府県があることが分かりました。

 次に、インフルエンザ病原体定点医療機関数に関する検討の説明です。これまでも、病原体発生動向調査実施要綱の中で定点数については規定されており、基本的にそれを踏襲すると。検体数については、インフルエンザウイルス検出検体の亜型の割合の推定精度を一定程度確保することを目標として、検体数を算出しました。定点については人口を勘案し、都道府県ごとに定点数を決めていきます。患者定点の小児科定点から 10 %以上、内科定点から 10 %以上、これまでとこの部分は変わらないのですが、人口が少ない都道府県から検体を収集することを考え、小児科定点を 3 以上、内科定点を 2 以上とするということですので、人口の少ない県においても 5 という病原体定点数を確保しようということを提言しています。例えば東京都においては、患者定点数が 465 ですので、 47 定点です。人口の少ない県では 5 という数になります。これに基づいて、全国の数を推定すると、 530 になります。

 次に、実際の検体数をどうするかです。 13 ページの表を御覧ください。まず、流行期と非流行期を分けて考えます。流行期というのは患者定点当たり患者数が 1 を超えたときに、流行に入ったと考え、患者数が 1 人以下になったときに流行が終わったと考えると、大体 16 週ぐらいとなります。もちろんシーズンによって違いますが、そのぐらいが考えられます。そのときに、毎週病原体定点から 1 検体を採取した場合、全国で 530 定点になるので、 8,480 検体が 1 シーズンに収集されることになります。

 非流行期においては、月ごとに定点当たり 1 検体程度を収集すると。その場合は 4,700 ということになり、トータルで 1 3,000 検体が毎年収集されていくことになりますが、非流行期にこの検体数が確保できるということは、少し不確かな部分があると思います。

 このように、週ごとに 1 検体集めたときに、これは藤田保健衛生大学の橋本教授に計算していただいたわけですが、 1 検体の場合は亜型の推定精度が 14 %、 2 検体の場合は 10 %以下の精度で推定できるという計算をしていただいております。したがって、週 1 検体若しくは 2 検体程度を収集するというのが適切ではないかと考えられました。

 それに加えて、昭和 48 年の比較的古い課長通知がありますが、それにより小学校、幼稚園等で集団発生があった場合は、その発生があった所の検体を収集すると。これにより、比較的初期の検体を確保できる。これはかなりの都道府県で継続しており、今後もこれを続けていく必要があろうかと考えます。

 このように、週 1 検体集めた場合の検体数というのは、現状と大きく変わらない検体数を収集できるわけですが、現状でインフルエンザのこれだけの検体数があって、何が分かっているかということを 14 ページに示しています。亜型の決定、抗原性の変化、薬剤耐性サーベイランス、次期ワクチン株の選定ということが、現在のインフルエンザウイルスサーベイランスによって明らかになっております。

 亜型は、例えば A 香港は重症度が高いとか、pdmの場合は小児に重症肺炎が起こる可能性があるといった違いがありますので、亜型については重要かと思います。抗原性の変化についても、ワクチンと合致しているかどうかということを早期に調べて、情報提供するというのは重要です。それから、御存じのように日本は抗ウイルス薬を最も使用している国として、薬剤耐性サーベイランスは極めて重要だと思います。 2007 年、 2008 年シーズンに、鳥取県衛生研究所で、当時 A ソ連型のタミフル耐性株 30 %が分離されています。そのときに北欧のノルウェーでは、多くが耐性ウイルスでした。翌年のシーズンでは、それがほとんどタミフル耐性に変化したわけです。こういったことがありましたし、昨シーズンも、pdmのインフルエンザウイルスの耐性株が、札幌市で分離されているということで、極めて地域的に耐性株が分離されるということから、全国で均一にサーベイランスを行うということの重要性が、こういったデータから分かるかと思います。それで、ワクチン株の選定にももちろん重要であるということです。最低限、現状のインフルエンザ検体を収集して調査する必要があるということが考えられました。

 最後に、インフルエンザウイルス以外の五類定点把握疾患についても、一定数の目標数を提示したところです。それから、感染症法で規定されていない検査を、地方衛生研究所ではかなりの検体数について行っており、それは健康危機管理あるいは地域医療への貢献ということで、医療機関の依頼を受けてやっている部分もありますので、そういったところが、今後インフルエンザだけが法律できちんと規程されることによって、後退しないような取組が必要になってこようと思います。

○渡邉部会長 事務局側と地研側からの報告書の説明がありましたが、全体を通して御質問等がありましたらお願いいたします。

○小野寺委員 富士市立中央病院の小野寺です。 地方で感染症病床を抱える自治体病院の責任者として感じるのですが、厚生労働省の科学研究班の調査に当たって、特に精度管理の実態あるいは検体の搬送が非常に心配なところがあるのですが、その辺はいかがでしょうか。

○調委員 外部精度管理については、富山県衛生研究所の佐多所長の研究班で検討しており、そこで調査を行っておりますが、標準作業書をきちんと作っているかというと、作っている所は少ない。ただし、標準作業書というと、非常に細かく作業のプロセスを記載したものであり、いわゆるマニュアルのようなものは必ず各衛生研究所で用意しているわけです。外部精度管理については、感染症については研究班ベースでかなり行われており、インフルエンザの外部精度管理は、既に全ての衛生研究所が参加し、 2 年間外部精度管理が行われています。また、研究班ベースで麻しんとか、ノロウイルスの検査等について外部精度管理が行われており、インフルエンザは非常にしっかりと行っているわけですが、うまくいかなかった所に対するフィードバック、それによって検査が改善するといったことが行われているので、非常に有効に機能していると思います。

 そういったところで、今後は研究班ではなくて事業ベースで、きちんと規定しながら行っていく必要があるのではないかと考えています。

 検体搬送については、様々な形態があり、保健所が運んでいる所、民間に委託している所と様々ですので、保健所は自治体がきちんと管理しなければいけないのですが、それも例えば温度管理であるとか、検体を採ってから医療機関における保存であるといったところが、少しルーズになっている所もあろうかと思いますので、特に重要な感染症の検査については、そういったところも今後きちんとしていかなければならないと思います。

○小野寺委員 2類感染症疑いの患者さんが入ってきて検体を採ったはいいけれども、どうやって搬送するかとなったときに、実際には我々には決まったものはなくて、困ることは多いと思うのです。是非その辺を今後ははっきりさせていただきたいと思います。

○渡邉部会長 ほかにございますか。

○小森委員 日本医師会の小森でございます。石川県の医師会長を 6 年勤めておりましたので承知しているのですが、登録衛生検査所というのは、臨床検査技師法等に基づいて、立入検査等が定期的に行われているという実態があります。その中で、実は大学を含めて、中核病院であっても検査室については、法による立入検査ができないということで、御協力を頂きながら標準化を進めてきたという経験をしてきました。

 その中においても、石川県の地衛研の実情等についてはやはり重要な課題であるということで、県の審議会で協議の上、検査をさせていただく。それは悪質なものを取り締まるということではなく、あるレベルを保とうという努力をしたわけですが、基本的には地衛研が地域保健法に基づいていなくて、 1997 年の事務次官通知によって設定されているというところに根源の理由があるのだと思います。

 やはり、首長の方々もそれぞれ立派な方々であって、その地域住民から正式な手続によって選出されている方々ですが、大変残念なことに理解の程度が薄いという場合に、大きく予算のカットのターゲットになるということが現実にしばしば見られるということは実感もしてまいりました。

 基本的には法に基づいて、よりしっかりした体制を根源的には求めたいということですが、今、調委員がおっしゃったことをしっかりとするということの中で、外部精度管理等を含めて、これは事業ベースでやっていくということの中で、今後の重要な感染症の対策に基づいては、まず第一歩としてこういう形でやっていくということは、極めて重要なことだと思っております。

 全てこれで満足するということではなく、まず一歩として行うということについては、私は非常に意味のあることだなと思っております。

○渡邉部会長 今までも地研等が、こういう精度管理等が十分にできていなかったというわけではないと思うのです。ただ、こういう法律的なバックグラウンドの上ですることによって、よりそれが正確なもの、かつ緻密なものになっていくということでは、非常に意味があると思うのですが、小森先生が言われたように、このようにせっかくできたものをきちんと維持するためには、やはり人的又は金銭的というか、そういうものの確保がきちんとなされないと、なかなか維持管理が難しいのだと思うのですが、その辺は厚生労働省はどのように考えているのでしょうか。

○感染症情報管理室長 資料 1-2 を御覧ください。これは現在もやっている発生動向調査事業の概要です。約 7 6,000 万余りの予算を付けて、これが都道府県等に 2 分の 1 の補助で行われているものです。

 ただ、これは施行率が若干低い所があり、現在は不要額が出ている所もありますので、今回の法改正の施行に当たり、平成 28 年度からはこのような経費を精度管理とか、季節性の検体の採取及び検査に当てていただけるように、事業の内容、要綱等を改正していく予定にしております。

○渡邉部会長 今お話がありましたように、予算的には今までと同額は用意されたと。上がったわけではないわけですね。

 もう 1 つ重要なのが、先ほども話がありましたように、都道府県の知事をはじめ、市町村が十分にこれのことを理解していないと、なかなか地研等にお金が十分に行き届かない、又はこういう制度がうまく運用されないということもあると思うのですが、その辺に関してはどのように各都道府県に働き掛けていくことになるのでしょうか。

○感染症情報管理室長 実際に法律を施行していくに当たっては、都道府県等にいろいろな機会を通じて説明をしていくことになると思いますので、これは衛生部長会の集まりですとか、そういうような機会を通じて、十分に説明をして働き掛けていきたいと思います。

○大石委員 感染研の大石です。季節性インフルエンザの病原体サーベイランスは大変重要だと思っております。感染研では今冬のインフルエンザの情報について、感染研のホームページで公表しているところです。その情報の中に、「入院サーベイランス」という情報があります。インフルエンザで入院された方の症例をカウントしているわけです。

 大事なポイントは、そういう重症例とウイルス株との関連性が、現時点で明確になっていないことです。重症肺炎を起こした場合、本当に前のシーズン、 20213 2014 シーズンでは H1N1 がメインで、成人でかなり肺炎が起こったということは分かっているのですが、それがどういう株だったのかが不明です。例えば、 2014 年、 2015 年シーズンでは、 H3N2 に抗原変異が起こりましたが、この抗原変異株と症例の重症化との関連性はよく判っておりません。今後、この点については問題意識を共有して、検討していくべきだと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

○渡邉部会長 先ほど、これは病原体だけではなくて、情報のほうもきちんと集めるということです。患者および病原体情報の関連性をきちんとさせるというのは非常に重要なポイントだと思うので、前に厚生労働省の感染症課で新型インフルエンザ発生時に iNESID でしたか、インフルエンザ重症患者に重点を置いたサーベイランスを独自に行った経緯があると思うのですが、それは今は NESID のほうに統合されたと思うのですが、その辺の整合性を含めて、どういうように今後やっていくかというのは、インフルエンザもそうですが、ほかの疾患についても重要なポイントではないかと思いますので、是非感染研との協力体制等の下でよろしくお願いしたいと思います。

○倉根委員  3 点ほど意見と言いますか。

 まず、 3 番に「研修による人材育成」ということが、出ております。これはもちろんのことで、その 3 番目に「国が提供する実技を含む研修」ということで、実際に感染研でも、保健医療科学院と連携の下に、実技を行う研修を行っております。既に何度か意見が出ているかもしれませんが、地方の人事のサイクルがあり、研修を受けた方が次の年に異動してしまったり、全く違う部門に移ってしまったりということはよくあるわけです。

 我々も衛研の所長の先生に、ここら辺の問題は常にお願いしているところではありますが、やはり研修を受け、かなり技術力も上がっている方が、継続的にそこで検査をできないという状況があるのは各地方それぞれの事情があるにせよ、事実だとは思っております。

 ですから、人事に口を挟むというわけにはいきませんが、何とか一環して、それなりに長い期間その人たちが技術を出せるようにしていただけると有り難いと思います。

 それから、 4 番の「機器の保守管理」というのがあり、ここは言うは易く行うは難しと。これはどの程度やるかということが非常に問題です。それから、保守管理というのは国でも地方でも予算が付きませんで、我々も検定、検査等、保守管理ということは非常に国際的にも求められており、ここに関してかなりの努力を払っておりました。ところが、なかなか現実に予算となると付かないというのが現状です。

 ですから、全てを外注するのではなく、実際にはある程度自分たちでできるものは自分たちでする。でも、できないものもあることは事実なのです。それなので、この辺の線引きというか、それをどの程度管理していくかというと、かなり考えておきませんと、それで縛られてしまって動きが取れなくなるという所も、現実には出てくるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次の検査室の構造、前の機器の所もそうなのですが、感染研も一部そういうところはあるのですが、地方衛生研究所にとって、ある機器とかある部屋を検査のみに使うということが、全ての研究所でできるかどうかと言われると、なかなか難しい面が出てくるのではないかと思うのです。ですから、検査にも使うけれども、ほかの目的にも使わざるを得ないかもしれない。それは部屋そのものも機器そのものです。

 そのときに、どういう仕分けで、あるいはどういうルールの下で検査に使うか、どういうルールの下で両方に使うかということも考えておかないと、現実的に動かないということが出てくるかと思いますので、ここについても細かいことではありますが、非常に重要なことかと思っております。

○渡邉部会長 現場の悩みというか。感染研もそうですが、地研もこの感染症法の検査だけをしているわけではなくて、食品衛生法に関わる検査もやっていますし、生物学的製剤等の品質管理も行っているということで、 1 つの研究所が業務的に 2 つも 3 つもやっているところがあるので、その辺の検査の仕分けというのが、なかなか全てスペースが十分にあるわけではないところは、使い分けが難しいという点もありますので、文書に書くのは確かに簡単なのですが、実情がいろいろ多岐にわたるということで、その辺のことも厚生労働省は十分に調査等をして、それを頭に入れた上での取組を是非お願いしたいというのが、現場からの意見だと思いますので、よろしくお願いいたします。

○岡部委員 川崎市健康安全研究所の岡部です。建物あるいは部屋、検査機器その他の話は今出てきたと思います。なかなか基盤的なところで、本当は人そのものの確保の必要があって、地研では悲鳴に近いぐらい人員の整理が出ているというのは、今までの統計でも出ていると思います。これで一気にというわけにはいかないと思いますが、そういう実情があるということは十分に伝えて、またそれに対する改善を図っていく必要があると思います。それが 1 点です。

 もう 1 つは、資料 1-3 の最後の 15 ページに書いてあるのは非常に重要だと思っています。特に 2 番目の「感染法で規定されていない感染症の検査の重要性」、 Unknown Disease であるとか、原因不明のものに対して、感染症法で規定されれば規定されるほど、それをやればいいというような形になって、それはどういう根拠に基づいて不明のものをやるのであるかということで、場合によっては今までも自治体は検査担当者はこれは必要であるということがあっても、実際には予算の問題、条例その他の規定の問題から、それはやる必要がないということに陥ってしまいがちになります。

 ところが、現在の MERS にしても H7N9 にしても、いずれも不明の疾患というところから出てきているので、この規定されていない感染症は全てではないのですが、特に「集積」ということの検知が重要です。これは「 outbreak 」という表現でされていると思いますが、それに対する十分な理解、必要なものに対する規約的なものも必要になってくると思います。

 もちろん、何でもかんでも引き受けると、今度は病院の検査室の鑑別診断と同じようになってきてしまうので、これは予算的にも、人的にも、実際的にも、非常に負荷がかかるので、そこら辺の線引きは非常に難しいのですが、専門家が「これはおかしい」といったようなものについては、きちんとできる制度を併せてこの言葉の中に入れていただきたいと思います。

○廣田委員 この感染症発生動向調査は公表まで入りますので、ほとんどの場合は問題にならないかと思うのですが、場合によっては解釈が微妙なものがあるかと思います。

 例えば資料 1-3 14 ページの 2 番目の「抗原性の変化」で、「流行初期にワクチン株と流行株の一致を検証し情報を提供する」とあります。よくワクチン株、流行株の抗原性が結構離れているので、今シーズンのワクチンは余り効かないのではないか。こういった臨床的効果までに踏み込んだコメント、公表がよく行われます。これはあくまでも実験データで、人で得たデータでも何でもないです。実際に人では、過去の感染歴で抗体を持っていますので、交差抗体ができるわけです。

 だから、ワクチン株で誘導された抗体が、流行株とどのぐらい交差するかというのを、ずっと調べていらっしゃる先生方もいらっしゃいます。こういった微妙な課題については、公表前にボードで解釈の仕方を議論するようなシステムがあったら、混乱が納まるのではないかと思います。

○澁谷委員 資料 1-1 の赤で囲ってある所です。これまで食品に関してはかなり整理がされてきていたと思うのですが、感染症対策について、衛生研究所でこういう体制ができてくると、大変喜ばしいことだなと思います。

 この中で、その一番の先駆けとして、五類感染症についての情報収集を強化するというところで、季節性インフルエンザが例になっています。五類感染症は全数把握疾患と定点把握疾患がありますが、今後の方向性として、これを打ち出してきたということは、次に更に考えていくと、全数把握疾患あるいは定点把握疾患というものの情報収集の強化というのは、どのような方向性で考えられているのでしょうか。

 それと、やはり五類感染症の中には予防接種の疾患も多く含まれていますので、サーベイランスの情報というのは非常に重要かと思いますので、その辺の方向性をお考えがありましたら教えていただければと思います。

 それと、資料 1-2 の実施主体は都道府県、政令市、特別区となっていますが、事業に乗りにくい、情報が集まりにくいところがあるとすれば、現在どこに力を入れていかなければいけないのか。都道府県は皆さん出していただいているのかなと思いますが、事業のネックになっていることがあれば、お教えいただきたいと思います。

○感染症情報管理室長 今回、従来から「情報収集体制の強化」という名前になっているわけですが、発生動向については届出等をしていただいて、それらを解析し、感染研などで週報などの形で解析をした結果を出していただいています。

 今回加わるのは、そこに病原体の検査などの情報が、より明確にされていくのだと思います。

 したがって、これらの制度を新たに、病原体サーベイランスを加えていくことによって、より情報の質というか、中身が増えていくものだと思いますので、こういうものを順次加えていくことによって、その状況を定期的に評価をするような形を取って、今後の方針などは決めていけるものではないかと考えています。

 ネックになるところというのは、私も詳細にどの辺りかというのはありますが、特に具体的にあるわけではありませんが、調先生の資料にもありましたが、かなり自治体によってやっている状況が違うということですので、できるだけ一定の精度を確保するため、検査の検体数を集める。それからまた検査を現実に実施していただくというところに、今回の法律の施行をもって進めていって、もちろんそれに御協力を頂くように、これから 4 月までの半年余りの時間にいろいろと説明をして、協力していただくような形にしていきたいと考えております。

○渡邉部会長 先ほどのワクチンと抗原性の変化に関しては、 Hib 又は肺炎球菌から分離される菌株の抗原性の変遷との問題を調査していくことになると思うのですが、その流行予測事業等は、この法律の中に今後は入れ込むのですか、それとも独立した形で流れるということになるのですか。

○感染症情報管理室長 流行予測調査事業のほうは従来と変わらず、引き続きという形になります。もちろん、こちらで得られた検査などの情報については、それも有効に利用してやっていく形になると思います。

○前田委員 先ほど予算のことで衛生部長会にもいろいろ話がありました。これは先ほど岡部委員がお話をされたとおりですが、予算というのは、マンパワーがいないと使い切れないのです。人と金はセットというのは鉄則のところであり、使い切れない 1 つの原因は人員の問題があると思います。

 衛生研究所は法制化されていないというネックはありますので、ここまでお示しいただいたのなら、例えば人口規模別、標準的にこのぐらいの人員が必要なのだというところまで示していただくことをお願いできればと思っています。

 もう 1 点は、調先生のご報告で、 4 ページに今後の目的の明確化という話があって、それぞれ重要かと思うのですが、現在感染が広がっている唯一の二類感染症の結核についてですが、ここに結核の分子疫学を行うことにより集団発生の疫学的裏づけを行うという文言があるのですが、これについては結核部会等で議論されているのでしょうか。ここは特出しされているだけに、非常に今後重要な分野ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○中谷結核感染症課長補佐 結核に関しましては、結核部会で具体的な中身を検討しており、今年度は結核の特定予防指針の 5 年ごとの見直しの見直時期になってきますので、幅広くいろいろと議論していきたいと考えているところです。

○前田委員 ほかの病原体のケースでも似たようなところはあるのですが、分子疫学調査はその患者の方の情報だけが分かっただけでは余り意味がないのですが、きっちりと全体で把握することによって、非常に意味の出てくる検査です。そういう意味で、自治体の中でもなかなか全体的な理解を得られにくいところがありますので、これについては国として結核の蔓延を防止する、あるいは制圧するという目標もありますので、是非ご強化いただければと考えています。

○渡邉部会長 結核は依然として日本は患者数がかなり多いので、これの減衰に向けての体制でやっていただければ、地方自治体も、そこに取組む姿勢も違ってくるのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

○戸部委員 大阪経済大の戸部です。資料 1-3 に関する簡単な質問です。 6 ページの 1 「検査の質を確保するための体制」というのがあります。検査の質を確保するに当たっては、 3 の「客観的に評価する責任者」というのが重要な働きを果たすのかなと思います。具体的に評価の客観性を担保するような、具体的な手立てとか、組織的な分離といったことがあれば教えてください。

○調委員 検査部門の中に標準作業を改定したり、検査結果をきちんと見て判子を押していくような責任者がいると。それに対して、検査部門から離れた立場で、そういう書類をきちんとチェックしていくような立場の人が必要だと。そういうことだと思います。これを衛生研究所の中に置くのか、例えば県庁のような所に置くのかというところは、自治体ごとの判断となると思いますが、いずれにせよ、検査部門とは離れたところから客観的に評価する人が必要だというようなことです。

○渡邉部会長 ほかにございますか。よろしいですか。大体御意見は出たものと思います。非常に多くの御意見を頂きました。趣旨としては皆さん提案に関して大賛成であるということです。今後、これをどのように肉付けして、より実りあるものにしていくかというのが課題だと思いますので、是非厚生労働省をはじめ関係部署等での協力の下に進めていただければと思います。

 続きまして、議題 2 の報告事項として、蚊媒介感染症対策について、事務局から説明をお願いいたします。

○中谷結核感染症課長補佐 事務局から御説明します。資料 2 、資料 3 及び参考資料 2 、参考資料 3 、参考資料 4 です。前回のこの部会でも御報告しましたが、昨年のデング熱の流行を受けまして、蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針の策定を進めてまいりまして、 4 28 日に告示と自治体向けの手引きを発出いたしました。参考資料の 2 が告示の全文、参考資料 3 が自治体向けの手引きになります。参考資料 3 の自治体向けの手引きにつきましては、昨年も国立感染症研究所の御協力をいただきまして、自治体向けには発出していましたが、今回は例えば蚊の流行時期でないときからの平常時にどういった対策をするかといったことなど、新たに幾つか内容を追加をして発出させていただいています。

 また、参考資料 4 は、先週診療ガイドラインをまとめて、こちらのほうも自治体を通じて医療機関向けに発出させていただいていますので御覧になっていただければと思います。

 続いて資料 3 です、この診療ガイドラインを出させていただきまして、診療といった面で医療機関で行う検査について、資料の 3 にありますように、今週の水曜日、中央社会保険医療協議会で、デング熱の検査キットについて保険適用に関する審議が行われ、承認をされましたので、今年の 6 月から保険収載される予定となっています。資料 3 2 ページ目で、実際にどのような内容で保険適用されたかですが、保険の項目の名前はデングウイルス抗原定性検査となっていまして、囲みにありますが、点数は 233 点ということです。留意事項案として、本検査については、国立感染症研究所が作成した「デング熱・チクングニア熱の診療ガイドライン」に基づいて診療した場合となっており、算定できる保険医療機関は留意事項案の (2) の救急入院治療、集中治療ができるような医療機関となっています。実際の検査の内容については、 3 ページ目で製品についてはプラテリアデング NS1Ag キットということで、 ELISA 法を使った検査方法になっています。説明については以上です。

○渡邉部会長 御質問等がありましたら、お願いいたします。

○前田委員 まず、デング熱検査の保険適用を何とか通していただいて有り難く思っています。ただ、一方でこの保険適用をできる症例はガイドラインにも記されているように、入院医療が推奨されている状態であるということで、かなり重症の方に限定されているということです。また、算定できる医療機関自体が救命救急医療に近い状態の所であると。これからすると恐らく入院加療とセットでないと通らないのかなという気がしていまして、当然そういう病態で入院されている方に限定されているということで、臨床的にはこういう方以外は検査は必要ないと言われてしまえばそれまでですけれども、広く早期発生を把握するという面では、やはり一般医療機関でこの検査を保険適用できないということは非常に残念だと思っています。その点については地方衛生研究所の疫学調査になってしまうという形になるところで、できればもう少し保険適用になる医療機関を広げていただきたかったと、今後についてはそういうこともお願いしたいと考えているところです。

 あともう 1 点、この診療ガイドラインの中で例えば 3 ページに、デング熱患者の診断の、今言った検査になるわけですが、保険適用に一般医療機関は保険に算定できないということで、地方衛生研究所での検査となるのですが、 4 の診断の最後の所に、「地域の保健所に相談の上、地衛研、感染研で検査を依頼することができる」となっているのですが、これは「できる」という言い方が非常に微妙で、検査を依頼することができるけれども、当然これは法 15 条に基づく積極的疫学調査ですので、保健所あるいは自治体側が必要としたもののみ検査をすることだと思うのです。そうするとこの「できる」という言い方で医療機関にお話があると、保健所に言えばやってくれるというような形でされますと、ちょっと厳しいなと。なおかつ、診断の基準が今回、血小板減少が抜けましたので、これでかなり広い範囲のものを疑うことになりますので、その辺少し、今後これから発生が疑われる患者の検査ができると言われているというわりには、この辺もう少し正確に公報していただきたいと思います。このガイドラインにおける診断の目安となる症状にあるものを自治体側に連絡して頂いて、その中で自治体側がこれは必要だと判断したものには検査されるということを是非医療側に明確にお伝えいただければと思います。

○渡邉部会長 今のことに対して何かコメントありますか。

○中谷結核感染症課長補佐 保険適用の部分については、今、前田委員からも御指摘がありましたように、保険ですのでその患者さんの診療にとって判断が必要な場合、臨床的に判断が必要な場合というところであって、先ほどの資料 3 2 ページの留意事項案 (3) にありますように、「感染症の発生状況、動向及び原因を明らかにするため積極的疫学調査を目的として実施された場合は算定できない」ということで、ここは行政的に必要なものと診療として必要なものは分けたいという、審議会側の意見もありまして、そこは少し分けさせていただいています。

 また、具体的にどのような検査が行政上必要なのかという目安については、ガイドライン作成チームとも相談をさせていただき、可能な範囲で医療機関に周知をしていきたいと思います。

○大石委員 保険適用の件ですけれども、今、日本感染症学会の危機管理委員会がありまして、賀来先生も私と同じ委員ですが、そこの中で蚊媒介感染症の専門医療機関のネットワークを構築しようとして準備を進めています。近く講習会を行う予定です。今現在全国の指定医療機関の中からこの専門医療機関になりたいと手挙げ方式で募集をしたところ、 170 施設が手を挙げられまして、そこの中で分かっている範囲で、保険適用が間違いなく取れるというのが約半数です。今後調査を進めた上で、日本感染症学会からで蚊媒介感染症専門医療機関について公表する予定です。

 もう 1 点、前田委員がおっしゃったのはデング熱診療ガイドラインのお話ですよね。それでデング熱を疑う目安について、血小板減少が外れたというお話でしたけれども、疑う目安としては、前回と余り変わってなく、 WHO のガイドラインを引用して、ここにある 7 項目の、発熱と他の 2 つ以上を含めるということで疑うとなっています。これは基本的には WHO のガイドラインに従ったものであります。

○前田委員 以前は発熱及び血小板減少と加えて以下の 2 つ以上の所見だったと思いますが、はっきりと、必須の要件から血小板減少が抜けたということですね。

○大石委員 はい。基本的には大きく変わっておりません。以前の記載は研究班の資料を中心に書かれたものだったのですが、今回は WHO のガイドラインで、特に保険適用の絡みもあって、 WHO ガイドラインを引用して修正しています。

○岡部委員 感染研の岡部です。確かこの部会の中でデング熱を最初の頃に議論したときに、今後の方針として、やはり診断薬が広く使えるようにすべきであるというような発言をしたので、一応コメントをしておきたいと思います。これは決定事項ですから、やむを得ないとは思いますけれど、そのときの趣旨は 1 つは重症者のスクリーニングとして広くできるようにすることが必要である。第 2 点としては、臨床医が患者さんを目の前にしたときの判断のサポートに必要であると。それを一々地研に届けて検査をやっているのでは、実際上はもう治ったあとになる可能性もあるので、それは意味がない。それなので現場で検査ができることが望ましいので、それはひいては患者さんへの説明と、軽症であっても患者さんの管理に結びつくので、これをやっていただきたいというような趣旨で提言申し上げたと思います。いろいろ予算等々の都合があるとは思うのですが、そういう意味では趣旨とは違った形での承認で、非常に残念であると思います。

○小森委員 保険適用されたということは喜ばしいことですが、今、岡部先生やほかの委員も御指摘のように、大変厳しい縛りが出たというのは、基本的にはこれは経済的な問題につきるのだと思います。特にこの検査について ELISA ということで、インフルエンザの迅速診断キットと違って、その場で結果が出ないということ。そしてデングというように分かったときの治療方法が決定的にその場で違うということではないということも加味されてというお話だと思いますが、ただ、イロハニということになると、実は相当限定的なのですね。まず 1 点は、今、前田委員も御指摘のように、このことによって地衛研あるいは保健所等の機能を下げることがないように留意をしていただきたいということが 1 点です。これは中医協、保険局のマターということですので、この部会でどうこうできるお話ではないにしても、このデングに関する責任というのは健康局、この部会等にあるわけですので、今後の動向をしっかり見て分析をした上で、このことがこういう保険適用でいいのかどうか、別の観点から保険局、中医協に提言をするということがあっていいと思いますので、ここで決まったからしかたがないということではなくて、次のステップに向かった前向きの議論を引き続いてここでしていくべきだと思っていますので、その点は皆さんの共通の理解をお願いしたいと思います。

○渡邉部会長 非常に重要なコメントをありがとうございます。恐らくここにおられる委員の先生方は、最初に意図したのは岡部先生、小森先生が言われたような形での承認というのを意図したのだと思うのですが、これが承認されたことは非常に喜ばしいことだと思います。今後に向けて更なる検討が必要だと思いますので、その辺、事務局のほうよろしくお願いしたいと思います。

○味澤委員 確かに保険が認められたのはよかったのですが、デング熱を、多分この中で一番たくさん、 100 例ぐらい診ていますのでコメントさせていただきます。デング熱自体は確かに治療法はないですけれども、ほかに似たような疾患、マラリアとか腸チフスとかを除外する必要があります。デング熱がすぐに診断できないと、ほかの疾患ではないかという除外診断をするために、かえってコストがかかってしまうということも考えていただく必要があります。あと保険適応では、感染症指定医療機関は入っていません。重症例に絞っているように見えるのですが、私の記憶では、 100 例で集中治療が必要な人は 1 人もいなかっです。したがってこの保険適応では、絵に書いた餅なのかなというような印象があります。先ほど小森委員が言われたように、今後の動向を見て保険適応の拡大を考えていただければと思います。

○調委員 この NS1 抗原菌キットですけれども、 ELISA ということを聞いてちょっとこの資料を見ると確かにマイクロプレートリーダーは必要ということです。恐らくそうなると入院の施設を持っている比較的大きな医療機関でしか検査はできないだろうと思います。イムロクロマト法のインフルエンザと同じような検査キットがあると思います。けれども、そちらの保険適用については考慮をされているのでしょうか。

○渡邉部会長 事務局はお分かりですか。

○感染症情報管理室長 確か前の部会などでも説明をしていたかと思いますけれども、イムロクロマト法のキットについても検討がなされているやに聞いています。ただ、状況についてはちょっとすみません。

○渡邉部会長 ベッドサイドで使うのには迅速なそういうイムロクロマトのペーパーのほうがいいと思いますけれども、その辺のことも今後検討課題ということでお願いしたいと思います。

○岡部委員 現在、保険の適用が承認されたのはこの ELISA であって、イムロクロマトについては検討中であるということですか、それともイムロクロマトについても既に検討がされていて、これについては保険適用にはならないという結論が出ているのでしょうか。

○感染症情報管理室長 正確に申し上げられずに申し訳ありません。いわゆる検査キットとしての、まず旧薬事法の検討がなされていると承知をしています。ですからまだ国内で薬事の承認を得ている状況ではないと承知しています。

○渡邉部会長 ほかにありますか、よろしいですか。今、いろいろコメントがありましたので、その辺を見据えた上で、今後更なる調査又は検討をよろしくお願いしたいと思います。

 続きまして、資料 4 、侵襲性髄膜炎菌感染症及び麻しんの患者の医師による届出基準の変更について、お願いいたします。

○中谷結核感染症課長補佐 資料 4 は前回の部会で、 5 21 日から届出基準の様式変更をいたしますと御報告をいたしました。 2 3 ページ目ですが、 5 12 日付けの通知を発出させていただいて、新しい届出様式を通知させていただき、 5 21 日からこの新しい届出様式が適用になっています。資料の 2 ページ目が侵襲性髄膜炎菌感染症発生届です。変更点としては中ほどの患者さんの情報という所で、氏名のほか、住所や当該者の所在地などがありまして、発生した場合に、直ちに対応が取れるようになっています。また、右下の囲みに、「この届出は診断後直ちに行ってください」というのがあります。ここが 7 日以内ということから、「直ちに」と修正をいたしました。同様に 3 ページ目の麻しんの発生届についても、中ほどの患者さんの情報について、氏名のほか、住所や所在地も追加で記載をするという内容と、右下の縦長の囲み、「この届出は診断後直ちに行ってください」という、 7 日以内から「直ちに」という内容に変更をさせていただいています。以上御報告です。

○渡邉部会長 御質問等はありますか。

○廣田委員 この届出票ですが、大体どのように作られて、届け出られたものがどういう形でどのように入力されて、どのように集計されて、どの程度公表されているか、教えてください

○大石委員 この届出票を元に、これは医療機関から届けられるもので、この内容が保健所あるいは地方情報センターで NESID に入力されます。その情報は定期的に感染研のほうで全体の集計をして、必要なタイミングで情報を発信しているという流れになっていると思います。

○廣田委員 と申しますのは、例えば 2 3 ページの届出票を見ますと、上の四角が匿名化が必要なデータで、下の四角がそれ以外の患者に関するデータです。上の四角の例えば性と年齢ぐらいが分かれば、この下の四角の票の情報というのは臨床的にも相当活用できるいい情報ではないかと思うのです。したがってもし可能であれば何年かたったら、例えば厚生科学研究の研究代表者が結核感染症課にその使用願いを出すとか。あるいは感染研の先生と一緒に使用するとかいうことで、もっと細かく解析できるような形になればと思うのです。御検討をいただきたいと思います。

○大石委員 その点については、適宜解析を進めているところですけれども、廣田先生が意図される御意見も理解できますので、今後また相談させていただきながら解析を進めていきたいと思っています。

○渡邉部会長 この利用方法については随分前に議論をしまして、一応、感染研内でそれなりの書式ができています。これをまとめたものは、例えば IASR なり IDWR などに報告がまとめられています。研究班として使用したい場合には、その旨を申し出ていただければこれが利用できるような形になっていますので、是非御利用していただければと思います。それが余り周知されていない所があるのですか、もしそうだとすれば、今後その利用方法についての周知をもう少し感染研のほうでもしていく必要があるかと思います。

 よろしいでしょうか。ほかになければ続いて、新型インフルエンザに関する小委員会の作業班についてお願いいたします。

○中谷結核感染症課長補佐 資料 5 です。前回の部会で新型インフルエンザに関する小委員会の設置及び作業班の設置についてお諮りして、お認めいただいたところです。資料 5 2 ページ目の裏になりますが、小委員会及び小委員会のメンバーを中心として、 3 つの作業班を設置いたしましたので、御報告をさせていただきます。以上です。

○渡邉部会長 何か御質問等がありましたら。よろしいでしょうか。裏面に各名簿がありますので、この方々がこの 3 つの担当部門に属しているということになります。

 続いて、 MERS について、資料 6 に基づいてお願いします。

○中谷結核感染症課長補佐 資料 6 を御用意ください。中東呼吸器症候群 (MERS) について、御報告します。 1 ページ目の経緯です。 MERS については、平成 24 9 月以来、アラビア半島諸国を中心に発生が報告されております。 WHO 5 25 日までの報告によりますと、確定患者数は 1139 名、うち少なくとも 431 名が死亡しているということです。現在の主な感染発生国は右側の図にあるように、中東諸国となっております。このほかイギリス、オランダ、ドイツ、フランス、チュニジア、マレーシアで、先週韓国で輸入症例の報告がありました。 MERS については、基礎疾患のある人や高齢者で重症化しやすい。また、接触者間で限定的なヒト - ヒト感染がある。ウイルスの保有宿主としては、ヒトコブラクダが有力視されている状況であり、厚生労働省としては、このアラビア諸国からの帰国者で、 MERS の症状を示す患者についての情報提供を医療機関に依頼をしたり、検疫で、健康監視や注意をしているという状況があります。地方衛生検査所に検査試薬を配布し、検査体制を整備するなどその他の対応をさせていただいており、今年 1 21 日付けでは感染症法上の二類感染症に位置付けをしたところです。

2 ページ目を御覧ください。先週の韓国で発生した症例について報告をいたします。経緯としては、 5 20 日に MERS の陽性患者ということで、韓国保健省から発表がありました。患者は 68 歳男性で、 4 18 日から 5 3 日の間、バーレーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタールなどの発生国を含む中東諸国に滞在し、農作物栽培関係の仕事に従事をされていたということで、いわゆるリスク要因ということでのラクダとの接触や、呼吸器症状を持つ患者さんとの接触歴はないことが言われております。 5 4 日、韓国での入国時は無症状でありましたが、 5 11 日に発熱、咳などの症状があり、 5 12 日から 15 日に 1 つ目の病院の外来を受診。 5 15 日から 17 日に 2 つ目の B 病院に入院。 5 17 日から 20 日に、一旦退院したのですが、夜にまた症状が再発をし、救急外来のある C 病院、 3 つ目の病院に入院をしていたということです。

 韓国政府の対応として、 5 20 日に、初の輸入症例を受け、疾病管理本部の中央疫学調査班が 5 11 日以後に患者を治療した医療機関と家族に対する疫学調査の実施をし、家族や医療スタッフなど密接な接触者に対しての自宅隔離や調査をし、 64 名と報告されています。また、危機警報水準の格上げをし、中央防疫対策本部を設置し、国家指定の入院治療、隔離病床を稼動し、患者の治療を行っているところです。中東地域の入国者全員に対して、ゲートでの発熱監視と健康状態の質問票の要求などをしているということです。また、 5 27 日に、 3 例目の息子が発熱後に中国渡航したことが発覚し、そちらが受診した医療機関のスタッフ 10 名を隔離、また中国への渡航便での近接乗客 28 名の把握と、同じ職場 180 名のうち接触者の把握と追加措置を実施中です。その息子については、現在中国で検査を行っている状況です。

3 ページ目を御覧ください。現在までに把握されている 7 症例について、そのリンケージを一覧にしたものです。左側が第 1 症例の 68 歳男性です。 2 例目が 63 歳女性で、この第 1 例目の妻です。 3 例目が 76 歳男性で、第 1 症例が 2 つ目に掛かった医療機関の B 病院で、同じ病室であった患者です。第 4 例目が 46 歳女性で、 2 つ目の B 病院で、第 1 症例と同じ病室に滞在をしていた方で、第 3 症例の娘です。第 5 例が 50 歳男性で、こちらは 3 つ目の C 病院の第 1 例目を診療した医師です。第 6 例目が 71 歳男性で、 2 つ目の B 病院の第 1 症例と同じ病棟の入院患者です。第 7 例目は 28 歳女性で、 2 つ目の B 病院の、同じく第 1 症例が入院した病棟の医療スタッフです。現在、この患者の中では重症化しているという報告はなく、治療を受けているということです。また、 5 28 日時点で確認された患者全て、感染力の強い第 1 症例から感染した患者で、二次感染者から追加伝播という事例に関して現在のところは確認はされておりません。また、二次感染者が集中的に発生をしているのが、 2 つ目の B 病院で入院した 5 15 日から 5 17 日の 3 日間ということが推定されている状況です。

4 ページ目については、これまでの MERS 発生件数について、ヨーロッパの CDC がまとめたグラフを参考までに示しております。一番右側の棒グラフの赤い部分が、中東以外の国で起きた症例ということで、今回韓国の例がこちらに追加されている状況です。厚労省としては、検疫について、中東からの帰国者について注意喚起を行うとともに、このような症状を示す方ないしは接触歴のある方については、入国後 14 日間の健康監視をこれまでもやっておりますが、引き続きそうした対応の継続をしていく予定です。以上です。

○渡邉部会長 御質問等をどうぞ。

○賀来委員 東北大の賀来です。この MERS については、昨年から私たちも非常に注意をしていて、昨年はエボラの大流行があったものですから、その陰で、余り注目されていなかったのですが、昨年 WHO 2 つのガイダンスを作成しています。 1 つは「感染管理と予防」、もう 1 つは「臨床的マネジメント」というものです。

 私たちのグループ、このグループには防衛医科大学校の加來先生も参加され、和訳をし、現在、感染症学会のホームページに掲載されています。資料 3 中の C 病院、症例の中の 3 ページ目、この C 病院は、いわゆる感染症指定医療機関で、 A 病院、 B 病院は通常の病院です。韓国政府が指定した指定医療機関で、そこの医師が感染しているという事実に注意が必要です。 MERS はエボラと違って、いわゆる飛沫感染を起こすので、標準予防策と飛沫感染対策を取らなければいけないということで、かなり今後注意が必要なのではないかと思うのです。今後ですけれど、結核感染症課あるいは国立感染症研究所のほうで、韓国より出来る限り詳細な情報を入手していただきたいと思います。どのような感染対策を実践していたのか、マスク着用あるいはきちんと咳エチケットを含めて確実に感染対策がとられていたのか。特に、このインデックスケースを診療した医師の 5 番の症例と、入院した病棟の医療スタッフの 7 番の症例についてはいわゆる院内感染で、医療従事者が感染しているのです。中東は、アフリカ以上に日本の方々が渡航することも多く、非常に注意をしなければいけないのではないかと思っているのですが、まだ詳しく分かってないかもしれませんが、今後是非医療現場での情報をいただければと思います。

○大石委員 答えはまだ分かっていません。これまでは韓国保健省からの情報、そして今朝には WHO から IHR 情報としての通告があったのですが、先生が御懸念の状況については、まだ詳細は分かっていません。なぜ初発の患者が発症から 9 日たって診断がついたのか。医療機関では患者の中東への渡航歴が十分把握されていたのかどうか。医師は MERS を念頭に置いて診療に当たっていたのかどうか。その辺の正確な情報がありません。インデックスケースは 2013 年にもサウジアラビアから報告されたような、スーパースプレッダー様の症例であった可能性はあるのですが、現時点では限定的なヒト - ヒト感染であろうと考えております。

 このグローバルな観点から言うと、この MERS は昨年、 2014 年の大きな症例の増加がありますが、この実態もよく分かっていません。その後もサウジアラビアを中心に症例数がジワジワと増加しているところです。今回の韓国の事例のこともあり、 MERS に対してはより警戒をしていく必要があろうと思っております。以上です。

○倉根委員 今、大石先生が言ったとおりだと思いますが、感染研としても韓国 CDC とのつながりもありますので、できる限り詳細なデータといいますか、情報を取るように努力いたします。

○岡部委員 岡部ですが、質問というのは賀来先生のと全く同じなので、その感染対策がどの程度取れているかというのは早く知りたいところであり、また、それがキーポイントだと思うのです、国内での対策に。

 それから感染研のほうにお願いなのですが、日中韓で C-CDC K-CDC 、それから NIID 3 研究所の枠組みという中で、こういう情報はなるべく早くシェアしようということでスタートしていると思うので、少なくともそういったところを利用してのアプローチをしていただければと思います。

○大石委員 日中韓の枠組みからのアプローチはしているのですけれど、うまく情報が得られていないというのが現状です。

○渡邉部会長 よろしいでしょうか。

○岡部委員 政府間交渉を使ってもかなり、むしろ変な話が先に流れてしまうと、リスクコミュニケーションとして非常に不安が先行して流れると思うのですね。特に、今度逆に、医療施設でこういう患者さんは見たくないということが往往にして起こりがちですから、やはり正しい情報を早く政府間ないし感染研間というところでやっていただければと思います。

○賀来委員 今、岡部先生が言われたように、実際には韓国から帰国した方々に対し、どのように対応していけばよいか、など、具体的な対応について一般のドクターの方々からの質問が寄せられています。そういった意味からも、やはり正しい情報をより確実に流していただくこと、リスクコミュニケーションが非常に重要だと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。

○渡邉部会長 もちろん政府間でやることも重要ですが、先ほど岡部先生から話ありましたように、韓国・日本・中国の CDC 様研究機関の間のネットワークがありますので、是非ダイレクトに連絡を入れて、情報を得ていただければと思います。

 ほかにございますか。現在のところ検疫には、先ほど中東から来る人は対象に……するのに情報収集をするという話ですけれど、韓国の人は今のところは対象にはなっていないということですか。

○中谷結核感染症課長補佐 はい、そういうことです。現在はインデックスケース及び接触者については隔離ないしは健康観察等の措置がされており、コントロールされているという状況です。ただ、このリンケージが切れて、全く Unknown で発生してくるような場合はやはり警戒レベルを上げる、韓国も対象にする必要があろうということで、検疫とも情報共有をさせていただいています。

 厚労省としても、政府間の報伝を通じた情報を確認、また、三カ国の保健省の枠組みがありますので、まず、その感染源はどこだったのかということ。また、今御指摘あったように、医療機関でどこまでの防御策がされていたのかというところも、実際に直接に情報収集するなり。隣国ですので、しっかりその辺はやって、新しい情報を提供していくことをしていきたいと思います。御指摘ありがとうございます。

○渡邉部会長  5 27 日に、 3 例目の患者の息子さんが中国に渡航して、中国でも発症したということが書かれていますので、当然日本もその対象になる可能性もありますので、十分警戒のほうをよろしくお願いしたいと思います。ほかにございますか。よろしいでしょうか。

 続きまして、エボラについてです。

○中谷結核感染症課長補佐 資料 7-1 、資料 7-2 を御用意ください。エボラ出血熱の流行状況について、御報告させていただきます。まず、資料 7-1 です。西アフリカの流行国 3 カ国のうちリベリアについて、今年 5 9 日にエボラ流行の終息宣言が公表されました。終息宣言は、最後の確定患者が血液検査で 2 回の陰性が確認された日、又は安全に埋装された日から 42 日間、これは潜伏期間 21 日間の 2 倍ですが、 42 日間発生がない状態ということで、 5 9 日にこの 42 日間が達成経過したということで、終息宣言が公表されました。

 これに伴い、国内及び検疫の対応について 3 カ国への対応をしておりましたが、リベリアについて対応を取りやめることをさせていただいております。

 資料 7-2 ですが、残り 2 カ国及びその他の流行状況です。今週の WHO の報告を踏まえてのトータルの患者数が 2 7049 人、死亡者数が 1 1149 人となっております。流行国はギニアとシエラレオネですが、新たな輸入症例が発生した国としてイタリアが追加になっております。これは、医療従事活動をされていた方がイタリアに帰国後に発症した症例ということです。

2 ページ目を御覧ください。ギニアとシエラレオネの直近の発生状況です。ギニアについては下の表の一番下の段、「新規発生患者数」の部分です。 3 週前、 2 週前、先週ということで、 7 例、 27 例、 9 例ということで、まだ少し患者さんの発生が続いております。シエラレオネについても同様に、新規の発生患者数を見ますと、直近 3 週間では、トータルで 13 名。分配すると 3 週前が 2 例、 2 週前が 8 例、先週が 3 例ということで、引き続きケースのモニタリング等がされているところです。以上ですが、時間もありますので、よければ資料 8 もまとめて御報告させていただいてよろしいでしょうか。

○渡邉部会長 では、どうぞ。

○中谷結核感染症課長補佐 昨年来のエボラ出血熱の流行を踏まえ、日本国内で経験する機会がありませんので、発生国にきちんと日本からも専門家を派遣し、支援をするということをやってはいるのですが、小規模に留まっている。現在までで、延べ 19 名の方ということです。実際に、こうした感染症発生時には危機管理に対応する専門家という人が重要ですが、その専門家については感染症の知識に加え、行政、マネジメント等の知識などが求められており、我が国においてもそのような専門家を養成するような枠組みが求められており、また、そのように人材の層を厚くすることで、海外での感染症対策を支援することはもとより、国内での侵入のリスクを下げて国内体制の整備にも資するということから、今般厚生労働省を中心に、検疫所や国立感染症研究所、国立国際医療研究センターがネットワークを構築し、「感染症危機管理専門家養成プログラム」を新たに設置をいたしました。

 プログラムの概要としては 3 ページを御覧ください。医師免許取得後 5 年ぐらいの医師を想定しており、右側がこの研修プログラムのイメージです。 1 年目は国内の関係機関で研修をしていただき、 2 年目は海外の感染症に関する専門機関、例えば米国の CDC とか WHO といった機関ですが、そういった所での研修を積んでいただくという、トータルで 2 年間のプログラムを行いたいということです。このプログラム修了者については左側の下の部分ですが、厚生労働大臣の名前での修了証の交付と、修了後には厚生労働省に感染症の危機管理の専門家として登録をしていただき、感染症の危機事案が発生した場合には、厚生労働大臣から要請を受けて、専門家としての派遣に協力をしていただくことを含んだプログラムです。今年度については変則的ですが、 4 20 日から 5 20 日に募集をし、これから選考させていただき、早ければ 7 月ないし 8 月頃からプログラム、研修を開始をしたいと思っております。また、来年度については今年秋頃に募集をし、来年度は 4 月からスタートという形を考えております。説明は以上です。

○渡邉部会長 先ほどのエボラと、この危機管理専門家養成プログラムについて、御質問がありましたらお願いします。

○廣田委員 既に十分御検討なさっていると思うのですが、現在の FETP の修了者と、どのような差別化が行われて、現在の FETP 修了者が、この後どういう位置付けになるのか、どういう任務が期待されることになるのか、教えてください。

○中谷結核感染症課長補佐 今回のこのプログラムは、 2 年間の研修中は国家公務員として厚労省の職員という形になっていただき、修了後は厚労大臣の修了証を受けて登録をしていただき、危機事案に協力をしていただくということです。 FETP も一部研修のプログラムの中には入るのですが、今感染研でやられている FETP は既存の枠組みということで、そのまま継続をされるかと思います。

○大石委員 感染研の大石です。危機管理専門家養成プログラムと FETP の違いはどうなのだということだと思います。私が考えますに、 FETP は感染研に軸足を置いて、 2 年間初期導入コースから繰り返し複数の教育を受け、 WHO 西太平洋事務局では 2 カ月のサーベイランスのオフィサーとして研修も行います。このように、軸足を感染研に置く FETP は危機管理専門家養成プログラムのスタイルとは少し違う訳です。一方、感染研としても、この専門家養成プログラムには協力はします。危機管理専門家養成プログラムと FETP は健康危機管理の人材育成という意味では同じであるとは思います。危機管理専門家養成プログラムと異なる点は、 FETP の研修では 2 年間無給である点です。ある意味、その自治体に属さない医師の方とかは自らに投資して、 FETP に参加されている訳です。結果的に、現在 60 名程度の修了生がおりますが、半数以上の方が自治体と、感染研も含めて公的な機関に勤務されています。病院にお勤めの方もおられます。そういった形で、 FETP 研修生は国の健康危機管理に貢献されていると考えております。

○渡邉部会長 ちょっといいですか、この FETP 制度を最初作るのに、岡部先生も関わってきたと思うのですが、私もこれに関わってきているので。今回のシステムと相入れない部分と、相入れる部分があるのです。 FETP はそもそも、各都道府県の感染症疫学対応者が感染研に来て、 2 年間のオンザジョブトレーニングを行い、学んだ結果等を現場に持ち帰って、公衆衛生面の疫学調査等に役立てる、また感染研と人的ネットワークを構築して感染症の迅速疫学調査に役立てるというのが、本来の趣旨です。そのためにその方々に関しては、地方自治体に職責があるということで始めたわけですね。当時の厚生科学課、感染症課との相談の上、このような制度になったわけです。

 ただ、現実的にはそうでない方々、臨床の現場で何年か働いてきた方が辞めて来て、無給で 2 年間過ごすという方々が半分以上になっているのが現状なわけです。そうすると、今回こういう新しい制度ができると、この制度の中では厚労省が給与を保障するポジションを用意して、かつ、修了した方には厚労大臣の修了証書が与えられるということですので、多分こちらのほうが魅力的と考える人も出てくるのだろうと思います。 FETP よりも新制度の方に流れていくという心配もあるわけですね。

FETP という制度で、疫学的なことを重点的に勉強して、科学的な側面において感染症対応ができる研究者も非常に重要です。アメリカの CDC も、これによって EIS のネットワークを作っているわけです。我が国においても今までのこの 10 何年間の経緯で出てきた人々のネットワークを、やはり今後も維持していくことは非常に重要なポイントだと思うのです。もちろん今回の新しい制度で意図する、行政的、および国際的に健康危機管理に対応できる人材の育成も重要です。是非 FETP で来られる方も、この新しい枠組みの中で身分等を保障できるような、大きい枠組みの中で何通りかの選択できるようなシステムというのを、是非厚労省のほうで考えていただけると、今までのものも生きて、かつ、今後作られたこれも生きてくるという、両方が生きてくるようなシステムを是非考えていただければと思います。切にこれに関わってきた者として願うわけです。岡部先生も多分同じようなあれがあると思います。

○岡部委員  FETP に長く関わって、立ち上げからやった者としては、渡邉先生のおっしゃったようなところと同じ気持です。本当に今まで、例えば SARS が発生したとき、 H5N1 が発生したとき、 H1N1pdm が発生したとき、全て FETP グループが関わっているわけですね。それにもかかわらずと言っては何ですけれども、非常にその間予算が苦しくて、大石センター長が説明したように、無給で来ている人たちがいるというような状況の中で、今説明のあった新たな制度と非常に差がついているなという印象があります。もう少し深く FETP のことも考えるか、疫学のやり方と医療、それから感染症の危機管理と連携を取っていただきたいと思います。恐らくは相談はされたのだと思うのですけれども、既存の重要なものとの差がつき過ぎているなという印象が強くあります。

○結核感染症課長 各先生方からの御指摘、ありがとうございました。そうした御指摘を踏まえた上で、この新たなプログラムは運営していきたいと思います。私ども、この新たな養成プログラムを設立する上で、既存の今 17 期目だと思うのですが、 FETP プログラムの重要性というのはいささかも減じるものではないと認識をしております。今、廣田先生がおっしゃった住み分けということも、 2 つの点から私どもは住み分けをするのかなと思っています。

1 つは、何人かの先生から御指摘のありましたように、 FETP プログラムはもともと地方衛生行政に携わっている方々がということに主軸を置いております。今後ともそうした性格は強く残るのに対して、新たな養成プログラムはどちらかというと、国内を守るために海外に出て行くというところに主軸がある。国内か、海外かというところで、若干の差の色合い、重点の置き方が違う、完全に分離するわけではありませんが、色合いが違うというのが 1 つです。もう 1 つは専門性、何を専門性として究めるかということで言うと、 FETP は文字どおり、 field epidemiology です。対して、感染症健康危機管理で必要なバックグランドというのは、 field epidemiology のみならず多様な領域に渡ります。今回のエボラの教訓で言えば、 field epidemiology 1 つですけれども、そのほかにも臨床検査あり、あるいは臨床医学もあり、それからロジスティックあり。あるいは WHO の報告書には、 epidemiology 、アントロポロジ、人類学が専門。そうした epidemiology にのみならず、様々な分野の素養が集まって初めて、こうした仕事ができる。そういう意味では、この新たな養成プログラムでは epidemiology 以外の様々なバックグランドも、この中で更に研修していただく。そうした専門分野の多様性ということも、既存の FETP とは少し違う住み分けができる領域だろうと思っています。以上です。

○倉根委員 どういう立場で言うかあれなのですが、感染研、もちろん国内に対する対応というのは感染症研究を行っておりますけれども、やはりいろいろな WHO も含め、海外感染症への対応というのもやはり感染研の重要な業務の 1 つ、国を守るための業務の 1 つだと思っております。これまでも FETP でトレーニングを受けた方は、もちろん国内での活躍というのもあるわけですが、海外感染症への対応への参加ということも十分に行ってきています。そこから学んで、それを国内に還元してきたところもあると思います。

 ここで、また厚労省との住み分けの部分をきちんと話さなければなりませんが、感染研として国内のみでなく、やはり海外へのというのも非常に大事なことだと思っております。この場でどうするというよりは、もう少し詳細にそこの住み分けは必要かと思います。

○大石委員 倉根所長に言っていただいたとおりなのですが、我々、感染症疫学センターは WHO の西太平洋事務局健康危機管理部門に人を常時派遣しています。そこでは西太平洋地域の感染対策、そして地域の国々の FETP 研修生の教育、地域の感染症アウトブレイクのリスクアセスメントも行っている訳であります。このように、感染研の感染症疫学センターではグローバルな感染症対策について活動しており、かなりの負荷がかかっていることも、是非御認識いただきたいと思います。以上です。

○味澤委員 前に駒込病院にいたのですが、そこの卒業生も何人か FETP にお世話になっております。外から見ますと、ドメスティックが中心で、やはり地方の公務員の方が来て、給料を保障されてという形で研修を受けているという印象があります。うちの卒業生は無給で、実家から通ったりして、大変な思いをしていたようです。昨年エボラ出血熱で、当院の足立医師が 2 箇月ぐらい行っていたのですが、エボラなどに対応できる人が、日本では決定的に少ないというのは本当だと思います。このように海外中心で研修するということ、非常に大事だと思います。

○渡邉部会長 皆さん、提案頂いた新しい制度を否定しているわけではなくて。やはりこれはこれで重要だろうとの考えだと思います。ただ、やはり今まで行ってきた FETP という、この 10 何年間の歴史の中で作られた人材の活用と、また、今後もそういう活用をしていくことは非常に重要であるとの認識だろうと思います。その位置づけ、つまりその生活面においても、ポジション的なものにおいても、終了後の職においても両制度において同じレベルになるように、是非お願いしたいということだと思うのです。その辺のことをよろしくお願いしたいと思います。

 ほかに何か、この件に関してありますか。よろしいですか。では、本日これで議事のほうを終わりにしたいと思います。

○中谷結核感染症課長補佐 事務局より報告事項がございます。本日の部会をもちまして、渡邉部会長が厚生科学審議会本委員、並びに感染症部会部会長を退任されることになりました。渡邉部会長におかれましては、平成 23 3 月より、本部会の前身である感染症分科会感染症部会の第 9 回から部会長として、感染症対策に御尽力をいただきました。退任にあたり、渡邉部会長から一言頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

○渡邉部会長 御紹介ありがとうございます。この感染症部会に部会員としては 10 年ぐらいですかね。それと部会長としては 4 年強、参加させていただきました。この度 3 月で、感染症研究所の所長を退任したということと、これは感染研にとっても悲願であった、病原体サーベイランスの法制度化に向けての道筋が大体出来てきたということを考えて、今回退任するということにいたしました。皆さん、いろいろ御支援等いただきまして、この会をスムーズに運営できたのかなと考えています。本当にありがとうございました。

○中谷結核感染症課長補佐 ありがとうございました。次回の開催については、日程調整の上、改めて御連絡差し上げます。事務局としては以上です。本日、これで終了いたします。


(了)

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