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2015年4月28日 第4回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局 総務課(過労死等防止対策推進室)

○日時

平成27年4月28日(火) 10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

〈専門家委員〉

岩城穣委員、岩村正彦委員、川人博委員、木下潮音委員
堤明純委員、宮本俊明委員、森岡孝二委員、山崎喜比古委員

〈当事者代表委員〉

寺西笑子委員、中野淑子委員、中原のり子委員、西垣迪世委員

〈労働者代表委員〉

岸真紀子委員、新谷信幸委員、冨田珠代委員

〈使用者代表委員〉

小林信委員、小林治彦委員、山鼻恵子委員、輪島忍委員

○議題

過労死等の防止のための対策に関する大綱(素案)について

○議事

○岩村会長 定刻となりましたので、ただいまから第4回過労死等防止対策推進協議会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらず、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。

 まず、委員の出欠状況ですが、本日は労働者代表側の八野委員が御欠席です。また、前回の会合におきまして、委員の改選について御報告をいたしたところです。使用者代表の小林治彦委員が新たに委員になられました。前回の会合では御欠席ということでしたが、本日は御出席いただいておりますので、御紹介させていただきます。

○小林()委員 日本商工会議所の産業政策第二部長を務めております小林でございます。41日に着任いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○岩村会長 どうぞよろしくお願いいたします。

 カメラ撮影はここまでとさせていただきます、御協力をお願いいたします。

 お手元にあります議事次第に沿って議事を進めてまいりたいと思います。本日の議題は、「過労死等の防止のための対策に関する大綱(素案)について」となっています。前回の会合において、大綱()骨子を議論のたたき台ということで、委員の皆様方に御議論をいただいたところです。併せて前回の会合において私の方から委員の皆様の御意見を踏まえて、大綱の素案を作成するように事務局に依頼をしていたところです。それを受けて本日、事務局で資料を用意していただいております。そこでまず、最初に事務局で用意された資料について説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○総務課長 事務局です。前回、委員の皆様方から骨子について御意見をいただいたもの、それからその後に事務局にそれぞれ個別にいただきました御意見を踏まえまして、私ども事務局で大綱の素案を作成いたしました。右上に資料と書いてあるものです。これについて、まず冒頭御説明させていただきます。

まず1ページの第1「はじめに」です。前回これまでの法律の制定に至る背景とか遺族の方のこれまでの御活動、実態、実情、こうしたものについて記述をすべきという御意見がありましたので、まず経緯については、3パラグラフ目の「このような中」というところに、御活動の内容を追記いたしました。また、4パラグラフ目の「このように」というところにも文章を追加させていただきました。

2ページの第2「現状と課題」についてです。全体の章立てを変更しています。

3 ページの3について、自殺の状況については、全国的な状況が記載されているのに対し、脳血管疾患、心疾患等の状況については記載されていないという御指摘がありました。そこでその際に御指摘いただきました人口動態職業・産業別統計は、5年ごとの実施になっており、前回の調査は平成22年で、若干古いのですが、これについての記述を追加させていただいて、第3という形にさせていただいています。これと並べ替えました結果、まずは1として、労働時間の状況、2 メンタルヘルスについての状況、3 就業者の脳血管疾患、心疾患等の発生状況、4 自殺の状況、その後に、4ページの「5脳、心臓疾患及び精神障害に係る労災補償等の状況」という形に並び替えています。それぞれの数値について若干補足等々も加え、記述したものです。

5ページは下の方に、「6課題」を追記いたしました。これは前回、現状があって今後の対策があるけれども、現状を踏まえた課題をこの位置に書くべきであるという御意見がありましたので、課題について新たに項を起こして記述しています。

 内容としては、5点書いていまして、まず1つ目に、過労死の防止対策をするための発生要因等の解明が必要だということ。2つ目に、就業者の脳血管疾患、心疾患、自殺の数に対して労災の請求件数の間に差があると、この差の部分については詳細の統計等もありませんので、特にこれまで分析したことがありません。したがって、そこの分析について十分ではないという指摘を入れています。3点目は啓発について、これはまだまだ不十分だということと、前回、特に若年者に対しての教育活動という啓発が重要だという御指摘が複数ありましたので、この部分に記載させていただいています。労働時間については、特に長時間就労する方に対する対策が必要だということで、記載をしています。5点目として、メンタルヘルスについて、ストレスを感じている労働者の割合が半数を越えている中での相談の環境の整備が必要だという5点です。

6ページの第3の部分から、対策の基本的な考え方について、1の当面の対策の進め方については、大きく内容を変えておりません。まずは実態解明のための調査研究が必要であるものの、喫緊の対策を講じるべき事項が多々ありますので、そこについては順次調査研究の結果を待つことなく取り組む、その後に、過労死等をゼロとすることを目指した上で、2020年までに労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下、年休取得率を70%以上、2017年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を8割、80%以上という目標の早期達成を書いています。それから、前回の骨子では後ろの方に書いていました、全ての都道府県でのシンポジウムの開催や相談体制の整備についても、これは事業を行う上での目標となりうるということでこちらに記載をしています。

6ページの下からの個別の対策の考え方について、まず調査研究等については、複数の要因が絡まっているものですので、医学、労働、社会分野のみではなく経済学等の関連分野も含めて多様な多角的な視点から調査研究を進めていくべきということを書いています。まず、医学分野については、過労死等の危険因子とそれらの疾患との関係の解明、効果的な予防対策に資する研究を行うことが必要であるとしています。労働・社会分野については、民間のもの、雇用労働者のみならず、公務員、自営業者、会社役員も含めて、背景を探って全体図を明らかにすべきということ。それから、「また」のところで、自動車運転従事者、教職員、IT産業労働者、外食産業労働者、医療労働者と、これは前回個別にここが重要であるという御指摘を頂いた部分について個別に列挙させていただき、より掘り下げた調査研究を行うことが必要だとしています。

(2) 啓発については、法律の中で啓発については国民に対する啓発が中心であるという御指摘がありましたので、まずはそちらを順番として先に書くべきではないかという御意見を踏まえ、第一に国民に対する啓発について書いています。

8ページについて、教育活動を通じた若い頃からの啓発が大変重要だという御指摘を受けまして、特に章を独立させるべきであるということもありましたので、ここに教育活動を通じた啓発を特記いたしました。その次に、職場の関係者に対する啓発として、過労死は職場で発生することから、その防止対策については、一般に加えて職場が極めて重要だという指摘から、法令の遵守や長時間労働の抑制、削減、年休の取得促進等々について啓発すべき、ということを書いています。

(3)相談体制の整備等について、まずは多様な窓口を整備することの必要性、それからそこに配置する産業保健スタッフ等の人材育成、その窓口に対して労働者が躊躇なく相談に行くことができるような環境整備という流れを書いています。その後に、小規模事業場については、産業医と、産業保健スタッフがいないことが多いということもありますので、産業保健総合支援センターの地域窓口において、小規模事業場に対する相談、援助等をやっておりますので、それについて特記しています。

9ページの(4)の民間団体の活動支援について、こういう民間団体があるということをまず記述しています。その次に、様々な主体が協力、連携をして国民的な運動として取り組むことの必要性を記述しています。この民間団体と地方自治体等との連携もありますので、この民間団体の活動内容の周知の必要性を書いています。

9ページの下の「第4の国が取り組む重点対策」については、調査研究以下、4項目についてそれぞれの事業を書いています。その際に国家公務員に対する対策の推進と併せ、地方公共団体に対して、地方公務員にかかる対策の推進を働きかけることも国の責務であろうという御指摘が前回ありましたので、それについて追記しています。

まず、「1調査研究等」について、(1)過労死等事案の分析については、独立行政法人労働安全衛生総合研究所の過労死等調査研究センターなどにおいて、過労死事案、公務災害認定事案などの分析を行っていくという記述です。その際に、事案の多い職種、業種、それから36協定の締結、運用状況、労働時間制度の状況、労働時間の把握、健康確保措置の状況、それと併せて、休暇、休息、睡眠の状況なども重要だという御指摘がありましたので、ここに入れています。それ以外の業務の過重性や疾患発症後の事後対応の状況なども分析すべきとしています。この点については公務災害のことを書いていますけれども、第1回の協議会でも御説明いたしましたが、通常の雇用労働者に対する労働災害の事案については、私ども厚生労働省で平成27年度予算を取って実施する予定ですけれども、公務災害の調査研究については、新たな予算措置等が必要になりますので、厚生労働省の私どもの取組状況を踏まえながら、できるところから行っていくというように考えています。

(2)疫学研究については、過労死等のリスク要因との疾患、健康影響との関連性を明らかにするための研究ですが、前回、御意見で気管支喘息等のストレス関連疾患等についても研究をすべきであるということがありましたのでこちらに追記しています。

(3) 労働・社会分野の調査研究については、労働時間等の状況などのデータ収集と分析、それと必要な場合には新たな調査も行って、全体図を明らかにするという点ですが、10ページの一番下の「その際」の所ですが、前回御指摘があったとおり、統計の調査対象や調査報告により、調査結果の数字に差異が生じるという御指摘がありました。こういったところについても留意して分析するとともに、過労死等については、平均的な労働者の分析ではこれはなかなか実態解明できないので、長時間の労働を行っている労働者について、必要な再集計を行うことによって、適切な分析を行うという記述を追加しています。その際、諸外国の労働時間制度等の状況も踏まえて分析を行うということにしています。

11ページの2啓発については、先ほどの考え方と併せて、順番を変えて1つ目に、(1)国民に向けた周知・啓発の実施を記載しています。まずは年間を通じて様々な啓発活動を行うとともに、特に、11月の過労死等防止啓発月間において、集中的な取組を実施するという形の記述にしています。(2)大学、高等学校等における労働条件に関する啓発の実施については、文部科学省と御相談しました結果、現在の学習指導要領の中に、勤労の権利と義務、労働問題についての理解を深める指導を行うという記述があり、その趣旨の徹底を図って、実施をしていくという記述に改めています。その際、私ども厚生労働省が作成した資料等の活用とか、都道府県労働局が講師派遣などを行っていますので、そうしたことの周知を行うという記述にしています。「また」以下、これについて、厚生労働省で予算を取っていますセミナーについてここに入れています。(3)長時間労働の削減のための周知・啓発の実施については、まずは過重労働の疑いがある企業等に対しての監督署の体制整備と監督指導の徹底とした上で、労働時間の把握が重要だということから、その周知啓発、36協定についての趣旨の徹底という形にしています。(4)過重労働による健康障害防止に関する周知・啓発の実施について、事業主が講ずべき措置等についての周知を図るとしています。(5)働き方の見直しに向けた企業への働きかけの実施及び年次有給休暇の取得促進について、長時間労働の削減に向けた企業の自主的な取組を促す、としています。(6)メンタルヘルスケアに関する周知・啓発の実施について、「ストレスチェック制度」等の普及啓発を図るとしています。(7)職場のパワーハラスメントの予防・解決のための周知・啓発の実施について、「パワハラ対策導入マニュアル」というのを昨年作っていますので、これの周知、普及を図るとしています。(8)商慣行等も踏まえた取組について、個々の事業主が労働時間を短縮するというだけではなかなか解決しない問題があり、そうした部分について、顧客、発注者との取引上の都合などの商慣行等についても必要な場合には、取引関係者に対する啓発、働きかけを行う、としています。(9)公務員に対する周知・啓発等については、新たに項を起こして独立して記述しています。第2回の協議会でも公務員官庁の皆様方から報告がありましたとおり、様々な対策を行っていますので、それについての記述をしています。

14ページの「3 相談体制の整備等」についてです。

まずは(1)労働条件や健康管理に関する相談窓口の設置について、電話、メールの窓口設置に加え、産業保健総合支援センターの地域窓口において相談対応できるよう体制の整備を図るとしています。(2)産業医等相談に応じる者に対する研修の実施について、これはいわゆる相談の担い手の育成ということで、産業医や保健師等に対する研修の実施について記述しています。(3)労働衛生・人事労務関係者等に対する研修の実施について、職場における衛生管理者や労働衛生コンサルタント等についての研修、セミナー等についても実施するとしています。(4)公務員に対する相談体制の整備等について、国家公務員、地方公務員について、それぞれ記述しています。

15ページの「4民間団体の活動に対する支援」についてです。まずは、シンポジウムの開催で、今後概ね3年を目途に全ての都道府県で1回はシンポジウムを開催できるようにしていく。シンポジウム以外の活動に対しても支援をする。民間団体の活動の周知ということで、パンフレット等による周知を行い、労働者がアクセスできるように、又は、いろいろな主体が連携できるように、としています。

 第5以降は、国以外の主体についての対策です。

まず、地方公共団体について、国と協力しつつ、対策を推進するよう努める、それと併せて地方公務員を任用する立場からの対策の推進を入れています。(1)啓発については、地域の特性に合わせ、地域住民に対する啓発を行っていただくよう努める。(2)相談体制については、窓口設置をしている場合について国との連携をお願いしていくというものです。民間団体の支援についても、民間団体が取り組むようなシンポジウム等について協力や後援などの支援を行うよう努める、としています。

2の事業主ですが、前回労働組合と一緒に書いていたものを項を分けて記述しています。(1)として、経営幹部等が率先して取り組むということ。(2)は産業保健スタッフ等を活用いただくとともに、小規模事業場については、産業保健総合支援センターなどを活用いただくように記述しています。

独立させました3の労働組合のほうに、労使協力をした取組を行うように努める、としています。

4 の民間団体については、国民の関心と理解を深める活動等について取り組んでいただくよう努めるとしています。

5 の国民は、国民は一人ひとりが自分の問題として関心と理解を深めていただくように努めるとしています。

18 ページの第6の推進上の留意点です。ここについては内容を変えていませんが、毎年協議会で年次報告についての報告内容の点検等々を行うということと、大綱については、法附則の第2項に基づく見直しの状況を踏まえ、概ね3年を目途に見直しを行うという記述にしています。

概ね以上ですが、大体皆様方からいただきました意見についてはできる限り反映させるようにいたしていますが、文章自体が事務局で作っていますので、もし事実誤認とか表現ぶりが足りないとかいう御指摘がありましたらいただきたいと思っています。以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。今日はこれから事務局から御説明いただきました大綱の素案というものを参照していただきながら、委員の皆様方から御意見を伺っていきたいと考えています。御意見をいただくに当たり、前回整理させていただいたのと同じやり方にさせていただければと思っています。すなわち、全体を6つのパートに分けさせていただき、その順序で順次御意見等をいただきたいと思います。まず一番目として、「第1はじめ」に、「第2現状と課題」の6ページの上の部分まで。2番目として、「第3過労死等の防止のための対策の基本的考え方」のうちの、「1当面の対策の進め方」です。3番目として6ページの一番下から始まります「2各対策の基本的考え方」からです。4番目はページが少し進みまして、9ページの一番下の所、「第4国が取り組む重点対策」からです。5番目として15ページの下から3行目、「第5国以外の主体が取り組む重点対策」から一番最後の18ページの、「第6推進上の留意事項」までを5つ目とさせていただいた上で、最後に、6つ目として、全体を通じての御意見を伺いたいというように考えています。

それではまず一番最初の、第1の「はじめに」と第2の「現状と課題」について、どなたからでも結構ですので、御意見などを頂ければと思います。

○寺西委員 家族の会の寺西笑子と申します。まず、今日大綱素案として出していただきましたが、私としてはタイトルについて、1つ副題ということで提案したいと思います。なぜなら、やはりこの法律は一般的に広く理解をしていただきたいという意味合いがありまして、ちょっと付けることを提案いたします。そのネーミングは、「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ」です。この副題を是非付けていただきたいと思います。そしてそれに続いて、「第1はじめに」の「過労死等が多発し」というところの手前に、「1980年代の後半から」というのを加筆していただきたいと思います。そして中ほどですが、私たちのこの活動経過をずっと書いていただいているところですが、署名については55万という数字を入れていただいていますが、地方自治体の意見書採択という所に数字がありませんので、これも「121の自治体」というのを加筆していただきたいと思っています。中ほどの、「意見書が採択されるように働きかけを行った」というところですが、実は私たちはこの過労死問題を国際社会に訴えて、人権問題であるということで、国連の社会権規約委員会へ法整備を訴えに行きました。そうしたところ、国連勧告が出されまして、それが大きな機運となりまして、超党派議員連盟が結成されたという経過がありますので、やはり立法への機運が高まったのは、この勧告が出たからということは、ここへ明記していただきたいということの提案です。

 それと1ページの最後の下の方の5段目辺りからですが、過労死というのは、勤務先で、また、働き方が原因となって起こっているわけです。そうした中で、記述としては、「国民の自覚を促す」ということを明記されていますけれども、国の責務とか、そういう第4条に明記されているところが、非常に大きな意味があると考えています。この第4条に明記されているところがしっかりと書かれていない。特に直接的な事業主は、対策に協力するよう努めるものとする、ということが書かれていないというところをしっかりと省略せずに明記していただきたいと思っています。実態としては、私たち過労死という形で、国が認定し、そして司法の中でも企業責任を100%認めた中でありましても、企業は反省しないという実例がたくさんあります。そうした所の反省がなければ、また繰り返すということがありますので、こういうところは大変重要かと思っていますので、是非、省略せずしっかりと明記をしていただきたいと思っています。

 それと今、法律が成立してから、私自身も大学で日本の働き方と国際比較をするようなテーマで大学生のところでお話をさせてもらったり、地方自治体の人権課から、複数のところから講演依頼があります。この過労死問題は、このような形で「人権問題」なんだということを、一文入れていただきたいと思っているところです。こういう実態が今、法律が成立したことによって進んでいることを、皆さんというか、国民の一般の方が問題意識をしっかりと持っていらっしゃいますので、広く進めていく上においては労働分野だけではなく、人権の問題ということもここに入れていただきたいと、お願いをいたします。

○岩村会長 副題の点については御提案をいただきましたので、確かに副題を付けるというのは1つのいい考えだと思いますから、また検討させていただければと思います。

 それから、第4条の点については、私の理解では、むしろ後のほうに具体的なことが書き込んであるという理解ではいるのですが、そういう御指摘もありましたので、そこも一番最初のところで書くのがいいのかどうかも含めて、また検討させていただければと思います。ほかにはいかがでございましょうか。

○森岡委員 「第2現状と課題」の「労働時間等の状況」についてです。ここは2の「職場におけるメンタルヘルス対策の状況」という項目と比較して、説明が比較的短く、対策への言及がないという点で、改善の余地があると思います。いたずらに長くすることもできませんので、ごく簡潔な形で冒頭に、まずは「過労死等をもたらす重要な要因の一つは長時間の過重労働である」という説明を挿入していただきたい。

 それから、出典については記されていますが、典拠とされている「毎月勤労統計調査」と「労働力調査」の間にずれがありますので、それに関連して、後に対策のことにも若干関連しますが、第3段落の後に、「これには時間外労働のかなりの部分を占める賃金及び割増賃金の支払われていない残業、要約して賃金不払い残業と書くことも可能、は反映されていない」という字句を注記的に書くことが望ましいと思います。

 それから飛びまして6です。5ページの一番下のパラグラフに「課題」とあります。この上から3行目、「長時間労働の他に、どのような発生要因等があるかと」という文章があります。この「他に」と「どのような」の間に、ここが適切かどうかは検討の余地がありますが、「不規則勤務、交替制勤務、深夜勤務、拘束時間の長い勤務、出張の多い業務、精神緊張を伴う業務、納期に追われる業務、持ち帰り仕事の多い業務等を含め、という文章を検討項目として入れたほうがいいのではないかと考えます。最初のパートについては私の発言を終わります。

○岩村会長 そのほかにいかがでしょうか。

○岩城委員 4ページの5(1)の「労災補償の状況」について、意見を申し上げます。

 この冒頭に請求件数を入れていただいたのは大変ありがたいと思っております。しかしながら、実際には前回も申し上げたように、申請すらできないという事例のほうが圧倒的に多いというのが、私たちの実感です。

 そこで、第1段落の3行の末尾に、「なお、過労死等の当事者や遺族が、経済的、精神的、時間的事情等から労災申請に踏み切ることができない実情があるため、これらの請求件数自体は氷山の一角であると考えられる」ということを是非入れていただきたいと思います。ここでは以上です。

○岩村会長 感覚としては分かるのですが、なかなかデータの裏付けがないことをどこまで書き込めるかという問題もあろうかと思いますので、そこは検討させていただければと思います。実感としてそういうことをお持ちだということは理解をいたします。ほかにはいかがでしょうか。

○中野委員 家族の会の公務災害を担当している中野と申します。公務災害の立場から発言させていただきます。

4ページと5ページにかけて、公務員の公務災害の状況について大変詳しく記述していただき、感謝申し上げます。公務員官庁の皆様にお願いしたいのですが、このような詳しいデータを協議会への年次報告を待たずに、厚生労働省から出ているものと同じような内容のものを毎年定期的に公表していただきたいということです。

 ちなみに、厚生労働省から公表されているものは、「平成25年度脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況を公表」というタイトルで、報道関係者各位あてに、平成26627日付けで出されております。よろしくお願いします。

2番目に、前回も申し上げましたが、脳・心臓疾患と精神障害の公務災害補償率が労災補償と比較して、その差が大分縮小されてきているのですが、まだ10%の開きがあるような感じがします。数値を精査の上、このことも付記していただきたい。

 そこで、次のような文言の追加をお願いします。まず、5ページの(3)の後に、(4)(5)として、4番目に「公務災害に関わる脳・心臓疾患、精神障害の認定率が、最近5年間のデータから見ると、民間企業の労災補償率に比べて、約10%低い状況にある」ということです。(5)として、「国家公務員、地方公務員の脳・心臓疾患と精神障害の公務災害補償状況を毎年定期的に公表する」ということです。お願いします。

○岩村会長 2番目は、どちらかというと要望事項として私は受け止めましたので、この中に書き込むのは難しいかなと思います。そこは関係各省と厚生労働省で折衝していただいて、公表の件についてどの程度の対応が得られるかを是非努力していただければと思います。

 前段については単純にデータの話ですので、どういう形で入れるかという問題はありますが、それ自体を記入することはそれほど問題はないかと思いますが、一応検討させていただければと思います。

○新谷委員 今、当事者代表委員の皆様方から、非常に貴重な御指摘をいただいたと思います。労働側としても、全くそのとおりだと思うところです。

 今日、参考資料2で配られていますが、改めて過労死等防止対策推進法を見てみますと、第1条では、過労死された労働者の御家族あるいは御遺族の皆さんにとって、大きな痛みを伴うこととともに、社会的に大きな損失であるということとか、過労死等がなく、仕事と生活の調和、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現など、正しく目的が明記されており、その基本理念も関係者の連携の下に行うべきであるということが書かれております。

 これは成立の過程を見ても、立法府での全会派一致した総意として、この法律が成立されたわけであり、この間の過労死の家族の会の皆様の大きなエネルギーが、この法案の成立に結び付いたと思っているところです。

 その上で、こうした法律条文の目的なり基本理念なりを拝見して、書かれている「第1はじめに」というところを見ますと、先ほど当事者代表委員の皆さんがおっしゃったように、もう少しここのところは法律の目的なり、基本理念に沿った内容を書き込んでいくべきではないかと思います。

 特に、国等の役割も書いてあるのですが、地方自治体等についても、例えば内閣府に設置されていた、休み方改革ワーキンググループ等で、地域のボランティアであるとか、祭りであるとか、地域の活動に対する時間も大事であるという議論があったところです。そのような地域の取組を推進するという意味では、地方自治体の役割も重要でありますし、何より過労死等の状況というのは、過重労働であるとか、業務における強い心理的な負荷がかかって発症する事案であるということからいえば、事業主の役割というのは非常に重要な役割を負っているということも否めない事実であると思います。

 もちろん、国民に対する自覚を促すような啓発ということもありますが、何よりも事業主への取組の重要さをここの「はじめに」について、省略することなく、是非盛り込んでいただきたいということを申し上げたいと思います。

 もう1点は、先ほども専門家委員から御指摘がありましたが、第2に書かれている現状分析の中に、不払い残業に対する問題指摘が書かれていないと思います。不払い残業の問題は、訴訟であるとか、労働審判等々、個別労働紛争の中でも、かなりの件数がありますし、そのことが労働時間の把握に絡んで、過労死やメンタル面の疾患につながっているわけです。厚生労働省が行った重点監督等でも、2割を超える事業所で不払い残業があるという実態が出ており、こういったものも過労死等の防止に向けて、重要なファクターとして、記述をしていくべきではないかと思いますので、意見として申し上げたいと思います。

○岩村会長 第1について、そろそろ時間の配分もあるのですが、それではお二方お手が挙がっていますので、まず岸委員、それから輪島委員ということでお願いいたします。

○岸委員 私からも公務の職場について触れたいと思います。第2回の協議会で行われたとおり、国と地方の公務員について、人事院と総務省のヒアリングが行われました。その実態として、勤務時間の把握が不十分であって、自己申告による把握が多いことであったり、安全衛生管理体制の把握がされていないという課題が浮き彫りになっています。特に地方公務員については、ほぼ地方公共団体任せとなっているような印象を受けております。長時間労働であるかどうかは、この労働時間の把握ができて初めて確認できるものであり、全ての公務職場で客観的な勤務時間の把握を行う必要があることは明白であると考えています。

 ヒアリングを通じて明らかとなった公務職場の現状把握の遅れについて、早急に対策を行わなければならない課題であることは明らかでありますので、そのことを5ページの「6課題」に明記してもらいたいということを要望いたします。

○岩村会長 御要望ということで伺っておきたいと思います。それでは輪島委員、どうぞ。

○輪島委員 まず、全体的な感想です。短い時間の中で事務局におかれましては、非常によくまとめていただいたのではないかと思っておりますので、その御苦労について、感謝したいと思っています。

1点、事務局に質問したいのです。2ページ目の第2の前の「人の生命はかけがえのないものであり」という4行の記述なのですが、この位置付けというのは、「はじめに」という第1からのところと、第2につながるところの橋渡しのように読めるのですが、どういう位置付けでこの段落が入っているのでしょうか。

○総務課長 この部分については、「はじめに」で法制定の経緯を書かせていただいており、その後に出来上がった法律の概要を書かせていただいています。それについて、この大綱については、この法律に基づいていろいろと対策をやっていくためのものだという認識ですので、その間の橋渡し、正におっしゃられたところの文章です。こういう内容でありましたら、皆さん方に同意いただけるのではないかということで、この文章を付け加えさせていただいたものです。

○岩村会長 それでは時間の都合もありますので、2番目のパートに移らせていただきます。「第3過労死等の防止のための対策の基本的考え方」の「1当面の対策の進め方」です。これについても、どなたからでも結構ですので、御発言をお願いいたします。それでは、岩城委員どうぞ。

○岩城委員 ここでは第2段落で、「過労死防止が喫緊の課題であり、長時間労働の削減、良好な職場環境の形成、労働者の心理的負荷の軽減は急務であって、関係法令の遵守の徹底を図ることも重要。調査研究の成果を待つことなく、当面、2に述べる視点から取り組むこととする」という段落を入れていただきました。大変有り難いと思っております。調査研究の結果を待って過労死対策が取られるということであれば、何のための法律かということにならざるを得ないと思います。

 そうであれば、2のうちの啓発を通じて、過労死防止のために現時点でも可能な方法で、長時間労働の削減等について、具体的な数値目標をもって取り組むべきであろうと考えます。この点は第3段落に、「将来的に過労死等をゼロとすることを目指し、2020年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とする」とあるのは、そのような数値目標の一つと言えると思います。しかし、これは2010年に厚生労働省が定めた目標のままであって、特に目新しいものではない上、週労働時間60時間以上というのは、過労死ラインを超える数字であって、月80時間の時間外労働を超えることになりますから、過労死等をゼロにするためには、5%でもあってはならないということであろうと思います。この点、前回の協議会でも、どなたかからか御発言がありましたし、その会議後のマスコミ報道でも、その点について指摘をされております。そこで第3段落について、私は次の4点を提案させていただきます。

1点目は、2018年、法制定後3年までに、週労働時間60時間以上の雇用者の割合をゼロにするということです。あとの年次有給休暇取得率、メンタルヘルスに取り組んでいる事業場の割合などは、このままで結構かと思いますが、週60時間以上の雇用者をゼロとするということです。

2点目は、労働基準法第36条第1項の規定に基づく協定、いわゆる36協定の届出の際、その特別延長時間が月45時間を超えるものについては、現在でもガイドラインなどで指導がありますが、強い啓発指導を行い、中でも過労死ラインの月80時間を超えるものについては、指導に従わない場合には企業名を公表することも含めて徹底的な啓発指導を行い、2018年までにはそのような協定をゼロにすることを目指していただきたいということです。

3点目は、勤務と勤務の間隔を原則11時間とする勤務間インターバル規制の導入を推奨し、助成金措置を講じるなどの政策により誘導し、2018年までに導入企業の割合を一定数値にまで伸ばすことを目標としていただきたいと思います。

4点目は、先ほども御指摘がありましたが、労働時間の把握というのが極めて重要で、様々な指標の前提問題です。そこで、関係法令等の遵守の徹底を図る一環として、全ての事業場、労働者について、実労働時間を適正に把握することを強く指導する。その際、全ての事業場において不正確になりがちな自己申告による方法ではなく、タイムカードやパソコンのログイン、ログアウト等の客観的な方法による把握を行わせること、これまでの、いわゆる46通達では除外されてきた労働時間規制の対象外の労働者、すなわち裁量労働制の適用労働者及び管理監督者についても、健康管理の観点から、上記の客観的方法による労働時間の把握を行わせることです。

 以上の4点を、是非入れていただきたい。この具体的な数値目標を入れて、毎年それを検証していく、現在でもできることをやっていくということは、この大綱の存在意義にかかわることだと思いますので、この点は是非御検討をお願いしたいと思っております。

○岩村会長 木下委員、どうぞ。

○木下委員 今、岩城委員から「当面の対策」のところについて、詳細な提案があったのですが、私は前回もこの協議会で申し上げましたが、現状の状態では、現行の目標が達成できるように努力していくことが、まずこの大綱においても述べられることだと思います。

 週60時間、月80時間に当たるとおっしゃっていますが、過労死の、いわゆる労災認定基準を超える労働をした労働者について、全てに健康障害などが起きるというような調査結果ではないと思います。認定基準と労働時間の上限とを混同することがあってはならないと思います。

 もちろん、長時間労働が健康被害を与えないような対策は、健康対策あるいは産業医などとの協働など、様々な形で取り組んでいきますが、現行にない法規制に当たるような、労働の総量規制やインターバル規制を、この法の趣旨からして、この大綱に入れるにはなじまないものだと考えております。

 むしろ、現状のこの目標、まだ達成されていない目標を推進すること、そして調査研究の結果によって、より効果的な対策、あるいは調査研究の結果や、この対策が進むことによって得られる知見を基に、新たな目標を作っていくことが重要であり、言ってみれば結果の先取りのようなことを目標にすることは、この大綱にとってはふさわしくないと思っておりますので、私はこの現状の目標をしっかりと改めて認識し、それに取り組むことが、まずここの基本的な進め方というところで必要なのではないかと思っております。

 様々な方法で、労働時間の把握に努めるべしということについては、後で出てくる具体策の中にも入っておりますが、ここは当面の対策ということで、現状をしっかりと見つめることが大事ではないかと思います。

○岩村会長 それでは山崎委員、どうぞ。

○山崎委員 前回の文案に対して発言する時間がありませんでしたので、私のその後の修正意見を文書で提出いたしました。それはどこの部分かと言いますと、今議論になっている第31の第2パラグラフのところです。ここで事務局の方から採用していただき、多少この文言を入れていただきました。そのうちの一つ、「しかしながら」という第2パラグラフの2行目から始まります。

 この文章の中で、「過労死等の原因の一つである長時間労働を削減し」の次に、あえて「仕事と生活の調和を図るとともに」というのを入れたところです。

 これは、私がもともと提案していましたのが、「ワーク・ライフ・バランスの確保に努めるとともに」ということを挙げておきました。長時間労働、過労やオーバーストレスによる健康障害というものは、過重な労働時間と、それに圧迫されて、表裏一体となって進行している余暇、休息、睡眠時間の絶対的な不足との相乗効果で進行するという見地を明確にしてほしいという趣旨からです。

 したがって、しかもワーク・ライフ・バランスの確保というポジティブな側面からのアプローチがどうしても必要だということです。あえて言えば、本来「長時間労働の削減」という言葉に続くものであれば、ワーク・ライフ・インバランスの解消に努めるということが、概念を膨らませたというだけではなく、ネガティブな側面の解消を図るという点では統一性があると思いますので、それをあえて逆に達成すべき目標ということとの関係で見直していく、そういう努力を図るということを明確にするために、ワーク・ライフ・バランスという言葉を用いて、その確保に努めるということを提案させていただきました。

 ところが、残念ながら、これを「仕事と生活の調和」というのを前面に出しておられます。私は、ワーク・ライフ・バランスの中の「ライフ」という意味は大変多義的であり、生活以外に、人生、何よりも生命、生存という意味合いがあります。したがって、ワーク・ライフ・バランスというものの中のライフの中に、心身の健康というものが重要な位置付けで入ってくるという意味で、ワーク・ライフ・バランスという言葉は大変素晴らしいという学者もおられます。

 私は、是非「ワーク・ライフ・バランス」という言葉をここで使っていただきたい。もし、「仕事と生活の調和」というものを使いたいということであれば、それを括弧書きで入れる。確か、内閣府の憲章か何かでは、そういう表現を使っておられます。私は膨みがあるという意味では、「ワーク・ライフ・バランスの確保」というような言葉をここに入れていただきたいということです。

 率直に申し上げて、このワーク・ライフ・バランスの確保という点と、長時間労働規制と表裏一体となって進める余暇、休息、睡眠時間の確保という2つの用語を、もっと全編にわたって細かく入れていただきたいというのが要望です。

 もう1つは、それに関連してです。先ほどからワーク・ライフ・バランスのものが、ライフはそれぞれ個人のものであるというような性格が色濃い文章が、ほかのところではたくさんあります。そうすると、企業として、事業主として取り組む必要がある立場は何かというと、ワーク・ライフ・バランスは個人の努力では如何ともし難い、やはり様々な労働時間等によってかなり規制されているわけです。そういう意味で、ワーク・ライフ・バランスに支援的な職場環境作りに一番の責任を負うのは、やはり事業主のイニシアチブであり、責任において進めていくということがどうしても必要ですので、是非「ワーク・ライフ・バランスに支援的な職場環境作り」というような用語を、見出しないしは本文の中に複数登場させていただきたいと思っております。これが第1点目です。第2点目以降、もし時間がありましたら言わせていただきます。

○岩村会長 それでは西垣委員、それから新谷委員ということでお願いします。

○西垣委員 先ほど岩城先生が四つの提案を数値目標としてされました。それに関連しての発言をさせていただきます。

 この過労死等防止対策推進法は、20代、30代の若者までが過労死する現状を踏まえて、この日本で何とかその状況を阻止しなければならない、日本国民の命と健康を守らねばならないという考えから、法律ができたという経緯がございます。この法律に基づく大綱で、もしその具体的な方策が考えられないとすれば、これは残念ながら調査をしている間に、また我が家に起こったことと同じ悲劇が繰り返されるということになると思います。

 また、働く人の命と健康を守るということは労働者だけの問題ではなく、日本の企業と経済をもより強固なものにしていくことに必ずつながると確信しております。その立場から、委員はそれぞれ立場は異なりますが、ここで20人の総意をもって、思い切った判断に基づき、日本の将来のための大切なターニングポイントにしなければならないと思います。

 そういう意味で、1番目の週労働時間60時間というのは、厚生労働省が言っている過労死ラインというのはもう明らかであるわけですから、これを長年容認するということはできない。したがって、ゼロにするということで、賛成です。

 さらに2番目においては、これも厚生労働省が時間外労働月45時間より疲労が蓄積するとしています。そういう点からして、必要な項目であると思います。また、月80ないし100時間を超す時間外労働で、同じく20代、30代の若者が亡くなっている現状から、これを改善するのは喫緊の課題であると思います。

 それから3番目に関しては、実は息子の会社は大手電気メーカー、IT関連子会社ですが、36協定で、113時間延長することができます。そして、8プラス1321時間働くことができます。残りの3時間は休憩時間として、21時間の中に散りばめてあります。つまり、24時間働ける会社です。その中で、息子は37時間以上の連続勤務と、その他の長時間労働で過労死いたしました。

 このことから考え、これを早急にストップさせるには、やはりインターバル規制若しくは1日の上限時間を強く行政が指導しなければならない、これは必要なことであると思います。

 また、4番目におっしゃった実労働の正確な把握ということに関しては、息子の会社はほぼ把握されておりました。ただ、把握しているだけで、会社と労災が認められ和解交渉、これは裁判ではなく会社と直接行ったのですが、その過程において、息子が亡くなって6年ほどたっているにもかかわらず、息子が徹夜しているという状況を正確に把握しておられませんでした。つまり、時間だけタイムカードに残っているだけで、それに伴う労務管理、健康管理が一切されていなかったということがあります。

 また、他の会社、これは同じく私たち過労死家族の会のメンバーに起こった事件ですが、大手製造メーカーです。残業は20時間しか付けられません。夜中に毎日帰っていた、パワハラもあった、それなのに、これは残念ながら労災認定さえされることがありませんでした。この労働時間を把握するというのは、厚生労働省の方が今一番力を入れておられることです。全て、この4つの項目は入れていただきたいと願っております。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、非常に重い御発言があったと思います。私どもが冒頭に申し上げたように、過労死の家族の会の皆様の御尽力で、この法律が国会での全会一致で成立したという背景があるわけであり、その法律の成立にかかわらず、政府は国民の健康と命を守る、そのための対策をどう打つかというのは、やはり政府の役割ですし、霞ヶ関の省庁の中で労働者という視点で政策を考えるのは厚生労働省ですから、本当に今回のこの政府、厚生労働省がまとめる大綱によって過労死が本当にゼロになるというのが見えてこないといけないと思います。

 そういった意味でいきますと、この協議会は労働時間法制の法改正を論じる場ではないというのは十分に承知しておりますので、法改正のことは申し上げません。ですが、今できることの政策を総動員して、過労死をどう減らすのか、それがこの大綱の中に盛り込まれるべきです。当事者代表委員の方、労使、公益の先生も含めて、この協議会を作っている意味は、そこにあるのではないかと思います。

 そういった意味では、前回も私が指摘申し上げましたが、この第31の対策が、今回の大綱の肝になる部分だと思うのです。ところが、内容を数字で見ますと、「2020年までに週60時間」から始まる、この3つの数字は、2010年にまとめられた政府の方針を超えていないのです。一体何のためにこの過労死等防止対策推進法が立法され、国会での全会一致で成立したのかということを、厚生労働省として、政府として重く受け止めるべきだと思います。

 ですから、今できることは一体何なのかということです。例えば先ほど岩城委員から御指摘があったような、上限規制をめぐる数字、例えば36協定についても、先ほど木下委員からは「全てが発症するものではない」という御指摘があったわけですが、厚生労働省の出した単月100時間と、2ないし6か月の平均80時間というのは、医学的な見地の中で、これを超えると特に脳・心臓疾患については発症する恐れが強いということで、過労死の認定基準として行政が示しているわけです。

 ところが、今36協定で100時間を超えるような残業が5.5%も、実際に届出がなされて、労働基準監督署も動いているわけです。西垣委員から御指摘のあったような実態もあるわけで、ここに上限規制を設けるような、例えば行政として、月100時間を超えるような36協定は、基本的にものすごく強い行政指導をして、これをゼロにしていくのだというようなものとか、インターバル規制についても、一定の割合で導入を目指すとか、法改正を伴わない、今できる政策でできるものは何なのかということを考えるべきではないかと思います。そういった視点から見ると、ここに書いてある内容は全く不十分だと言わざるを得ないと思います。

○岩村会長 時間の都合もあるのですが、私の考えでは、確かに今日いろいろな御意見で、特にここの部分について、目標というものの設定を考えるべきではないかという御指摘もいただいたところです。ただ、他方でこの法律の枠組みを考えたときには、こういった目標設定というのは、この会議の役割としては入っておりません。むしろ、どういう対策を講じるかということでもって、今日整理していただいている四つの項目について検討せよというのが、法律上受任されているこの会議の役割だと私は理解しております。

 また、今日いろいろ御提起いただいた考え方についても、私はそれ自体を否定するものではありませんが、それを実際上政策の目的として設定するかどうかというのは、これはまた別途の場で手続を踏んで決めるべきものかなとも思います。

 そうしますと、会議の場でこういう御意見が出たということ自体は議事録にも残りますので、そういった形で御意見があったということは受け止めるとしましても、なかなか現在政府レベルで決まっている目標と違うものを、この大綱の中で書くというのは、非常に難しいだろうとは思います。

 いずれにしろ、今日そういう御意見もございましたので、事務局とも相談はさせていただきたいと思いますが、ややハードルは高いかなと思っているところです。

 もしそれに関連する御意見でしたら、木下、輪島両委員から手が挙がっていましたが、結構でしょうか。

○木下委員 結構です。

○輪島委員 結構です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 時間も押しているのですが、場合によっては残った部分は次回に持ち越しということになってしまうかもしれませんが、その点は御容赦いただく必要があるかと思います。岩城委員どうぞ。

○岩城委員 今の点について一言だけ申し上げさせていただきます。これまで政府レベルで決まっているものを超えることは難しいとおっしゃいましたが、この大綱は閣議決定をされるのではないでしょうか。そうだとすると、政府レベルで決めるものとしては最高水準のものであって、今までの2010年の水準を超えられないというのは正しくはないのではないかと考えます。

 それから、先ほど木下委員が「8時間を超えたら全て過労死するものではない」ということを言われましたが、それを言い出せば80時間、100時間働いても、倒れる人はごく一部なのです。200時間働いても倒れない人もいます。そういうことを言い出したら、過労死をなくすということは不可能になります。

 ですから、少なくとも先ほど新谷委員もおっしゃったように、極めて関連性が高い、大体80時間、100時間を超えると労災認定されることが圧倒的に多いわけです。そういうものについては、ゼロにするということは政策目標として書き込むことに何の障害もないのではないかということは申し上げたいと思います。

○岩村会長 御意見としては承っておきたいと思います。それでは、申し訳ありませんが、一通り御意見を伺った後で、また御意見を伺えればと思いますので、次に第32から、6ページの一番下からの部分について、御意見等を伺いたいと思います。場所的には9ページまでということになります。では、森岡委員のお手が挙がりましたのでどうぞ。

○森岡委員 7ページの上から7行目、「多角的・学際的な視点から、実態解明のための調査研究を進めていくことが必要である」のあとに、「また、諸外国やILO等の国際機関における労働時間制度、ディーセント・ワーク、ワーク・ライフ・バランス等の実情や取組等に関しても、調査研究を進めることが求められる」と入れていただきたい。

 なお、念のために重なっている所を申しますと、11ページの上から34行目にかけて、「また、諸外国の労働時間制度の状況も踏まえて分析を行う」とあります。ここに先ほどのものを付け加えることもあり得ますが、場所としては7ページに挿入、説明を追加するほうが望ましいのではないかと考えます。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。では、川人委員どうぞ。

○川人委員 調査に関する、これは6ページと10ページに少し重なるのですが、ここで発言させていただきます。この調査の対象の中に、在職中の療養者、現在在職している人で、脳・心臓疾患等で療養中の方、あるいは在職中の人で、精神疾患等で療養中の方。これらの方々が一体、日本全体で何人いらっしゃるのかというのが、現在の統計では全くありません。

 労災の認定を受けた数字自体は、ある程度把握すること、整理することは今後可能だと思いますが、実際には労災認定はされていない、あるいは申請していない方で、実に多くの方が在職中で、脳・心臓疾患で療養したり、精神疾患で療養しているわけです。ある企業はこの点を、自分の会社のホームページで全部公表して、自らの健康経営という政策に基づいて、どれだけ例えば精神疾患で休職している人がいるかということを、会社自ら発表して、健康経営の目標として、これを少なくしていく目標として、方針化しているわけです。

 今回の過労死等防止対策推進法に関しては、過労死等の定義の中に、「死亡した人及び脳・心臓疾患や精神疾患で疾病を抱えている人も含む」と明確にあるわけですから、現在これらの統計がない状況がこのまま続くというのは、これはあってはならないことだと思います。したがって調査研究の対象、あるいは内容の中に是非、在職中の病気療養者の数を正確に把握する、疾病別に把握するということを入れていただきたい。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。障害者ということになると、 障害者雇用状況 報告である程度数が出てくるのですが、ただ、それ以上に細かいものとなると、別途調査する必要があるかもしれません。ただ、川人先生も御存じのように、なかなか微妙な問題なので、どこまで本当に把握ができるかどうかというのは、ちょっと難しいところがあるかもしれないという気がします。一応そこは検討させていただきたいと思います。

 ほかには、まだ御発言いただいていない方から優先で、冨田委員、その後に西垣委員、木下委員ということでお願いします。

○冨田委員 ありがとうございます。私は7ページ目の(2)、啓発の基本的な考え方で、国民に対する啓発が一番最初に記載されていることについて、非常に違和感を感じているので、意見を申し上げたいと思います。事務局の方から御説明をいただいたときに、法律の立て付けに合わせて順番を入れ替えたということを伺いましたが、確かに、過労死等防止対策推進法第9条では「国民の自覚を促し」と書かれていて、国民として過労死に対する理解を深めることが大変重要だということは認識していますが、その一方で第4条では責務の規定として、国、地方公共団体、事業主、国民の順で記載されています。事業主については、国、地方公共団体への協力も努力義務とされていることもあります。

 先ほど御意見がありました、基本的な考え方の当面の進め方の中にも、まず喫緊の課題は、良好な職場を形成すること。更には職場の中において、法令関係の遵守の徹底を図ることが重要とされていることからすれば、まず初めに啓発すべきなのが、過労死の起こる現場である職場にほかならないと思いますので、職場の関係者に対する啓発を、最も重要だという位置付けに置いていただけないかということです。

 先取りになってしまうのですが、この章だけではなくて、第4の「国が取り組む重点対策」の中の啓発も、同じような順序で書かれているので、これもやはり第4条の責務の規定の順番で記載すべきということも、合わせて先に意見として申し上げたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは、西垣委員どうぞ。

○西垣委員 先ほども申し上げましたように、20代、30代、最近では10代の過労死も起こっています。これは近年の過労死の大きな特徴であり、深刻さの現れであると思います。したがって、若者対策としてこの大綱の中に、いわゆる大学生への啓発ということがあるのですが、そのほか、若い労働者への対策という言葉は一切ありません。この若者対策としての記載を入れていただきたいと思います。

 例えば7ページ、「調査研究等の基本的な考え方」の所に、「特定の年齢層の労働者について」と書かれている所があります。厚生労働省の方としては、若者という定義が難しいとお考えの節もおありかと思いますが、もし若者という言葉が難しいようであれば、「若い年齢層の労働者」という言葉を使っていただければいいのではないかと思いますので、この「特定の年齢層の労働者」を「若い年齢層の労働者」に変えていただきたいと思います。

 それから、8ページの「職場の関係者に対する啓発」の項に、「20代、30代、又は若い年齢層に過労死が多発していることから、その年代層の過労死防止対策に努めるよう、啓発に努める」と入れていただきたい。これは加筆のお願いです。ついでに、これに関連して、実はこの後の5、ステージ2になるところですが、17ページの「国以外が主体で取り組む重点対策」の2、事業主の項に、若者向け対策の項を追加していただきたいと思います。(2)の次に(3)として、若い年齢層の労働者への対策。「かつての働き盛りの過労死に加えて、若い年齢層に過労死が多発している現状を踏まえ、若い年齢層の長時間労働やパワーハラスメント防止と過労死防止対策に努める」と入れていただきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは木下委員、お願いします。

○木下委員 私は8ページの「職場の関係者に対する啓発」の所について、一言申し上げたいと思います。ここにもありますように、過労死の原因の長時間労働の削減や、年休の取得促進というのは、単に法令を遵守するだけでは足りないということが明記されています。これは法律を遵守していても、36協定が職場で成立し、有給休暇の法律は守っていても、実際に取れないということがあることから、このような記載になったことは当然だと私も評価していまして、今、企業の中ではコンプライアンスということで、法令遵守ということを特に強調する動きがありますが、実は企業価値を高めるのは、法令遵守を超えた更に先の対策にあるということを、もう少し職場の関係者、特に企業に分かりやすくしていきたい。

 つまり、この職場の関係者に対する啓発は、むしろ企業の価値を高める行動なのだと、企業価値を高める行動に直結するということを、是非追記していただきたい。しかも、それは自主的な取組であることが重要だと思います。規制ではなくて、自主的な取組として、企業価値を高める行動。先ほど川人先生がおっしゃったように、様々な情報発信の中に、健康企業を標榜する発信など、それぞれの企業の考え方はあると思いますが、それらが企業価値として評価されるということを、より強く言っていただきたいと思います。

 その点では、「その一方で」と書いてあるこの2行では、やや弱いかなと思っています。その点を付け加えていただきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。先ほど失念していたのですが、堤先生がお手を挙げていらっしゃったので、堤先生お願いします。

○堤委員 ありがとうございます。私からは各対策の基本的な考え方の中で、「調査研究等の基本的な考え方」に少し語句を付け加えていただきたいと思っています。7ページの(2)「啓発の基本的な考え方」から4行上がったところに、「また、これらの調査研究を通じて、我が国の過労死等の状況や対策の効果を評価するために必要な指標、方法についても検討すべきである」とあります。この「必要な」の部分に、希望としては「妥当かつ効果的な」という形で形容詞を付けていただいて、「検討すべき」の前には「早急に」といったような副詞を付けていただくことを希望しています。

 先ほどは数値目標のことが出ていましたが、やはりこういう数値目標に関連して、少し我々の情報が曖昧な部分がまだあって、議論が割れてしまうようなところを認識しています。是非、調査研究班においては、確固たる指標を作っていただいて、それを基準に私たちが対策の効果を評価できるといった、そういうものを早急に作っていただきたいという希望です。

 その実施方法といいますか、調査・研究に関しては、労使官が協力してということが、この大綱には盛り込まれていますので、是非有効な方法論、指標といったものを検討していただきたいというのが希望です。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。何人かお手が挙がっていたのですが、森岡委員にお願いします。

○森岡委員 先ほど労働者代表の新谷委員から御発言があった裁量労働時間の状況に関連してです。対策の面でも8ページの中央辺りに、「また、過労死等の原因の一つである長時間労働の削減や」という後に、「年次有給休暇の促進」に挟むようにして、「賃金不払残業の解消」という文言を一つ追加していただきたい。ここでなければいけないというわけではありませんが、どこかに啓発的な対策の一つとして、その項目に触れておく必要があると思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは、西垣委員どうぞ。

○西垣委員 申し訳ありません、一つ抜かしていました。8ページの第3の「(3)相談体制の整備等の基本的な考え方」のところに、少し挿入をお願いしたいと思います。実は9ページ、14ページ、15ページ、16ページなど、たくさんのところに民間団体との連携について、多くの記載を入れていただいています。ありがとうございます。したがって、その一番元になる「相談体制の整備等の基本的な考え方」の所にも同じく、下から2行目になります。「労働者が過労死等の危険を感じた場合、早急に相談できるようにするため、労働者が気軽に相談することができる多様な窓口を、民間団体と連携しつつ整備する」、「民間団体と連携しつつ」というように挿入していただきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは、輪島委員、岩城委員という順番でお願いします。

○輪島委員 ありがとうございます。8ページの「職場の関係者に対する啓発」の所で、先ほど御指摘があったとおりで、同じような指摘をしようと思っていたところです。今はいろいろなことで企業が取り組んでいる好事例がありますので、好事例を推奨するというか、そのような企業を広く周知するというところに、好事例を入れていただきたいと思っています。

 それから、もう1つは8ページ目の上ですが、「教育活動を通じた啓発」という所の、「若い頃から労働条件に関する」という記述がありまして、非常に重要な指摘だと思うのですが、労働条件というのだと何か少し狭いような気もするので、労働関係法みたいな、労働基準法もありますし、過労死等防止対策推進法もありますので、いろいろなものに関する理解を深めるという指摘のほうがよろしいのではないかと思います。

 同じことが11ページ目の2の啓発の(2)も、「労働条件に関するセミナー」というのがあるので、同じようなところで直していただければよろしいのではないかという意見です。以上です。

○岩村会長 それでは、お待たせしました。岩城委員、お願いします。

○岩城委員 2点申し上げます。1点目が調査研究の対象の拡大という点です。過労死等防止対策推進法第8条第2項は、脳・心臓疾患、精神疾患以外の疾患、過重労働に関連して起こった事故、個人事業主や会社役員の過労死等についても調査研究の対象とすると理解しています。この点は立法の過程で、例えば自営業者がどうなのかとか、これ以外の病気はどうなのかといった質問や議論が行われる中で、特に入れられたものです。この点を今回の案では、第4の重点対策の1(2)に、「気管支喘息等のストレス関連疾患を含めた疾患の発症状況について、長期的に追跡調査を進める」として、気管支喘息のみが取り上げられていますが、例えば最高裁の平成1697日の判決では、十二指腸潰瘍なども認定されています。したがって、広く呼吸器系疾患や消化器系疾患、更には糖尿病といったものについても、調査研究の対象とすることを明記していただければと思います。

 それから、個人事業主や会社役員の過労死等については、第32(1)の第4段落で記述されていますが、関連する事故等については記述がないので、追加していただきたいと思います。

 二つ目が過労死の再発防止の啓発指導ということです。残念ながら過労死が発生してしまった職場で、二度と同じことが起こらないよう、労働基準監督署の監督指導啓発が極めて重要です。この点で第42の啓発の項でも、過労死を発生させた事業場への、再発防止の監督指導啓発というものを挿入していただければと思います。以上です。

○岩村会長 貴重な御指摘、ありがとうございます。それでは、新谷委員どうぞ。できれば簡潔にお願いします。

○新谷委員 はい、簡潔に申し上げます。今の輪島委員の御指摘、労働条件以上に広げるべきというのは賛成です。これは、そういう書きぶりに変えたらいいと思います。ただ、木下委員も御発言されていましたが、職場関係者に対する啓発のところで、確かに好事例とか企業価値を高めるというのはそのとおりなのですが、それではバランスが狂ってしまうと思うのです。それをもし書くのであれば、今この段落の上のほうは、たった4行しか啓発のことが書いてなくて、プラス方向のところはこれだけ下のほうにたくさん書いてあって、更に好事例があって、企業価値を高めるとかがあって、では今は違反がないのかというと、違反はいっぱいあるわけですよね。その違反をやっている企業は、やはり企業価値が下がってしまって、赤字経営になっている実例もあるわけでして、コンプライアンスを守れないと企業価値を損ねるといった記述もないと、バランスを欠くように思いますので、もし追加するのだったら、その追記もお願いしたいと思います。以上です。

○岩村会長 そこは記述を工夫させていただきたいと思います。あとはよろしいでしょうか。私も一つぐらいは要望をしたいです。啓発との関係でいったときに、やはり職場の上司に当たる人たちが長時間労働をどうやって減らすかということについて、彼らが非常に重要な役割を果たしている気がするので、上司の人達についての啓発なり、従業員教育の一環というものを行う必要があると思います。もちろん経営トップが非常に重要であることは間違いないのですが、それを実際にインプリメントするのは、やはり上司たちのところなので、そこのところをどこかで強調して入れておいていただけるといいかなと、あまり座長が要望するのはよくないのですが、要望したいと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。では、冨田委員どうぞ。

○冨田委員 私も10ページ目の(1)の「過労死等事案の分析」のところで、再発防止の観点で2点だけ申し上げたいと思います。再発防止に関する観点をここに入れていただいたのは大変ありがたいと思っていまして、なぜ再発防止をしなければならないかというと、例えば前にも申し上げましたが、職場で労働災害が転落だったり挟まれだったりになりますと、それを二度と起こさないための再発防止の策というのが、職場ですぐにでも取られるような措置がされるわけですが、一方で過労死の事案については、どうしても職場の中で、要は隠されてしまいがちだということです。

 なぜそうなったのかということの正確な情報が明らかとならないために、労災認定を受けられずに泣き寝入りをしてしまうケースがあるということもありますので、そうした観点から覆い隠さないという点でも、一つ大事な観点ではないかと思います。

 更には、二度と起こさないための再発防止の観点からすれば、先ほどもありましたとおり、過労死が起こった後にどういうことがそこで起きていたのかということを、事業主が関係者や労働基準監督署に正確な情報として開示していただいて、その結果を職場の中で生かす。そうした繰り返しが、再発防止のための大変重要な一歩だと考えています。そうした観点も踏まえたところでの書きぶりにしていただければと思っているので、よろしくお願いします。

○岩村会長 ありがとうございました。では、山崎委員、寺西委員ということでお願いします。

○山崎委員 先ほどの関係で延長線上なのですが、8ページの「職場の関係者に対する啓発」というところにあります第3パラグラフですか。「また、過労死等の原因の一つである」という用語が出てくるのですが、これは是非「原因の一つである」ではなくて、やはり過労死の基本的にコアの原因である、長時間労働の削減という、これは原因の一つにおとしめるには、あまりにも決定的な要因なので、表現を改めたほうがいいかということです。過小評価につながりかねないという危険を感じます。

 申し上げたいのはここです。要するに働き方を改めるにしても、その働き方を進める必要があるという文言が続いて起こってきます。「これまでの働き方を改め、仕事と生活の調和の取れた働き方を進める必要がある」ということなのですが、これは、これだけであれば、ほとんど空約束になる。これでは全然進まない。これは先ほど申し上げたように、やはりワークライフバランスに支援的な職場環境作りを、真剣に討議を進める必要があるという、そういう文言を一言加えない限り、絶対に働き方は変わらないというのが正直なところです。是非入れていただきたいということです。

○岩村会長 検討させていただきたいと思います。それでは、寺西委員どうぞ。

○寺西委員 先ほど岩村会長と冨田委員がおっしゃったことへの賛成意見でして、私たちは本当に被災した原因は、企業内、職場の上司が原因であるということが、本当に大きな要因になっているのが実態です。ですから、やはりここは上司という部分の調査研究が、大変重要な位置付けとなっていますし、現段階でも同じ家族の会の仲間が、なかなかそこまで司法の判断で認められたとしても、実際、賠償になっては、そこまで言及されないというのが、そういったことも事実、今現在、裁判の中でも行われているところです。

 過労死を出した企業名というところで、私自身もこれまで関わってきましたが、私たちは本当に会社が反省し、そして職場改善することを願って、和解条項の中でそういった反省や職場改善を約束させても、ずっと監視することは難しいのです。ですから、やはりこういうことが今後、国の取組として生かしていただくことを、切に私たち当事者としては望んでいますので、是非ともこの御意見に関して、私たちも同じ思いでいますので、よろしくお願いします。

○岩村会長 ありがとうございます。

 次に4番目の、第4の国が取り組む重点対策です。すみません、時間の関係もあって、大変先走って長くなってしまうのですが、5番目の、第5の国以外の主体が取り組む重点対策と、最後の18ページの、推進上の留意事項について御意見等があればお出しいただければと思います。時間の都合もありますので、できるだけ簡潔に御発言いただければと思います。中野委員からどうぞ。

○中野委員 10ページです。4行目と5行目に公務員に関わる対策が書かれています。そこで次のような文言を挿入していただけたらと思うのです。「特に教育公務員の職務の特殊な勤務実態を考慮し、地方公共団体との連携の下に、より効果的な対策を講ずるように努める」ということなのです。

 教職員の場合は、持ち帰り残業、私の夫もこの持ち帰り残業が過重で過労死したのですが、その持ち帰り残業をはじめ、勤務時間外のクラブ活動指導、勤務時間外の生徒指導、家庭訪問、中学校や高校などの進路指導、学期末の成績処理等々、超過密な過重労働の実態があるために、実労働時間が把握されにくく、勤務時間が管理されていません。したがって、このような実態に即して調査分析をした上で、是非とも有効な対策を講じられるように切望いたします。

 同じく10ページの、調査研究等の過労死等事案の分析についてなのですが、3行目、「過労死等調査研究センター等において、過労死等に係る労災認定事案等」の後に、公務災害認定事案も挿入していただきましてありがとうございました。感謝申し上げます。これで、労災事案と同様に、集約、分析してくださるものと安堵しております。前回の協議会の際の総務課長のお話では、所管上のことや予算措置等の問題について、公務員官庁の皆様と御相談してくださるとのことなので、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、4行目の「分析に当たっては」のところですが、労災認定等の事案の多い職種・業種等の特性をはじめ、時間外うんぬんとありますが、「労災認定」の後に、次の文言を挿入していただきたいと思います。「労災認定及び公務災害認定」と入れていただければと思います。以上です。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございます。多分、最後のところは「労災認定等」と入っていまして、それで公務災害認定も入れているつもりだと、事務局の思いはそういうことだとは思います。

 それでは、中原委員どうぞ。

○中原委員 国が取り組む重点対策について5点ほど御提案させていただきます。長時間労働と言うと、時間外労働の上限時間、月に45時間という時間が明記されていますが、それでは1日では何時間が労働規制が必要なのかということです。先ほどから、余暇・休息・睡眠、このワーク・ライフ・バランスがなければ、今の仕事に振り回されるような状況の中では厳しい事案もあるわけです。

 先日、ある若者が1日に22時間連続勤務をして、その仕事帰りにブレーキ痕なしに交通事故死をしているという事件がありました。実はその方は、前日も、またその前日も長時間労働だったという実態があります。月の時間規制も大変重要だと思いますが、少しインターバル規制という言葉に引っ掛かるかもしれませんが、命や健康、生活を守るために、1日の労働時間規制の在り方を国の責務で調査してほしいと考えております。

2番目としてはこの件と関連して、その若者は、通勤事故災害として労災認定されていますが、労働災害の現状と課題のところには、長時間労働による交通事故、通勤事故災害の記載がありません。私たち過労死家族会の仲間でも、医師が当直勤務後、交通事故で亡くなった事例もあります。長時間労働後の被災実態も調査研究、報告していただきたいと思います。

3番目として、今度は、医師の勤務内容としては、医師の当直労働に関して、私の夫も小児科医でしたが、月に8回の当直、32時間、36時間連続勤務を週に二度以上もこなしながら、労働基準監督署の担当官からは、医師の当直には労働性がないから、あなたの夫は長時間労働でもないし、過重労働でもないという、そういう実態がないということを説明されて、大変驚いた経験があります。国は医療者の当直労働について、労働性があるのか、ないのか、そこの辺りを調査研究して、その結果を報告する必要があると感じております。また、職種は異なりますが、産婦人科医のように、待機時間の長い職種もあります。病院から拘束される待機時間の労働性の確立を早急に求めます。多くの医療者が善意や聖職者意識で、命や健康を差し出している実態があるからです。

4番目としては、先の交通事故で亡くなった若者は、大学卒業後、ハローワークの求人情報で会社を選択しました。正社員募集とうたいながら、実際には半年間はアルバイト、その後、正社員採用というのは、求人票の虚偽記載ということが疑われるのではないかと思います。このようなブラック企業を疑われるような会社への指導は必要であるということを考えます。特にハローワークなどを通しての求人票に、離職率や過去の労災認定までの記載は難しいとするならば、なぜ離職や労災認定がなされたのか、その都度、調査分析して、労働基準監督署が適正な監督指導、是正をしていただくことが必要だと思います。これは今、会社が労働者を使い潰すような被災が続いているというような実態があるからです。

5番目として、相談体制という所で、産業医への相談という項目がありますが、産業医を希望する医者の中には、臨床的な忙しさから解放されそうだというような理由で資格取得をする人もあると聞いております。こういった現場の忙しさを経験した医師たちにも、長時間労働や過重労働、パワハラなど、様々な問題点を産業医の面接指導などで解決させるのには、やはり限界があると思います。こういった産業医育成については、国の責務で労災の仕組みなどを明確にして、産業医には労働分野での強い権限を与えてほしいと思っております。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは、山鼻委員、お願いします。

○山鼻委員 17ページ、産業保健スタッフ等の活用のところです。こちらの最後のパラグラフのところに、「なお、産業保健スタッフ等は」と書いてあるのですが、これは「望まれる」となっていまして、産業保健スタッフに対しての教育を経営者がするべきなのかというのを事務局への御確認です。

○岩村会長 では事務局のほうでお願いします。

○総務課長 ここを「望まれる」と書きましたのは、ここは事業主に対する努力義務についての記載ですが、御存じのように産業保健スタッフ自体は、事業主はありませんので、そういった意味で、この「望まれる」という表現を使って若干弱めた形にしております。

○山鼻委員 ありがとうございます。そうしますと、こちらのほうでは別のところで産業スタッフへの研修等がありますので、重複になるのではないかという感じが少しいたします。

○岩村会長 そこはまた精査しまして、整理可能かどうか検討させていただきたいと思います。

 まだたくさん待っていらっしゃるので、向こうから手前に来るということで、新谷委員からお願いいたします。

○新谷委員 あとは終わりまで全てということですので、資料の17ページの国以外の主体が登場するところで、前回、木下委員から御示唆がありまして、労働組合も出てこいということでしたので記載をされたわけです。もちろん私どもとしては、この過労死等の防止に向けて、労使関係の当事者として全力で取り組むということで、前回も御紹介したように、過労死を出させない宣言等も今、進めているところです。ここの書きぶりが、主体が労働組合としか書かれていないのですが、御承知のように36協定の協定当事者の圧倒的多数が、今、残念ながら過半数代表者なのです。8割以上の職場で、過半数代表者が36協定を締結しているわけです。その36協定の締結当事者の選出がどうなっているかというと、やはり、その当該事業場の民意が反映されていない選出が行われていまして、選挙での選出が僅か8.2%しかない。会社が指名するというのが28%、社員会の代表が横滑りするのが11.1%と、約4割の職場で会社の息のかかった方が36協定の協定当事者として登場してくるわけです。このように圧倒的多数が、労働組合以外が協定当事者ですので、ここを書くのであれば、「労働組合等」としていただいて、その過半数代表者に対する対応についても当然、書くべきではないかと思います。その選出の手続としても、労働基準法の施行規則の第6条の2で定められた選出手続がありますので、その正当性を持った適切な選出が行われるということの指導もやっていただきたいし、当該事業場の労働者の意向も知るべきだと思います。そういった過半数代表者への啓発をどうするのかということも全く抜けていますので、ここに労働組合を登場させるのであれば、圧倒的多数の過半数代表者への取組、啓発についても記載を頂きたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは、岸委員お願いします。

○岸委員 先ほどの中野委員の発言に関連するのですが、第4の国が取り組む重点対策についてのところで、やはり教職員の勤務時間の管理というのが問題だと思っております。これまでも述べてきましたように、教職員の超過勤務については、勤務とみなされていないというのもありまして、公務災害だけでは表面化されないという実態があります。そういったことから言うと、文部科学省と厚生労働省、そして地方公共団体が連携して、早急に具体的な対策を講じるべきということを重点としてほしいということです。

○岩村会長 多分そこは文部科学省と調整が必要な事項だと思いますし、なかなか難しい話ではないかと思います。

 それでは、西垣委員どうぞ。

○西垣委員 まず10ページの第41(1)過労死事案の分析についてです。この項のパラグラフの最後に、不認定事案の調査を加筆していただきたいと思います。その理由は、先ほど申しましたように、実労働時間が正しく記録されていなかったために認定されなかった等のいろいろな課題があるのではないかと思われるからです。文章としては、「また、労災・公務災害不認定事案においても、抽出して認定事案と同様の調査を行い、課題が含まれていないか検討する」と入れていただければと思っております。

 もう一つ、11ページです。これは2「啓発」の(2)大学・高等学校等における労働条件に関する啓発の実施の項に関してですが、この項を、国の取組に明記されたということは重要なことだと思っております。ただ、学習指導要領の趣旨に伴ないということの中身を、もう少し具体的に明記する必要があると思います。具体的な方針が必要だと思います。労働における権利と義務というようなことを学習指導要領はうたっているようです。そして、学生たちに、将来、企業に採用されて役に立つ人間になるようにというような教育の一環に使われている節があります。それはそれで大切なことだと思うのですが、今、若者が過労死しているこの深刻な状況があるということの実態を話しながら、ワークルールその他労働の権利、義務ということを話したときに、本当に若い子たちは、自分たちが今、どう考えて、どう進まねばならないかという課題がはっきりするのではないかと思います。

 私は公立中学校の新聞部に取材を受け、過労死について、彼らは新聞を出しました。または、大学において、キャリアガイダンスの一環として、高1、高2800名の生徒さんにその話をさせていただく機会を得ました。彼らの感想の中に、普通では聞くことのできない貴重な話を聞くことができたと、実はびっくりしたこともあるけれども大変ありがたかったというふうに書いてくださっております。よろしく御検討ください。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。そこはまた文部科学省との調整が必要なところですし、正規の授業ということになると、学習指導要領の縛りがかかるので、なかなか難しいところがあるかもしれません。

 それでは、山崎委員、お願いします。

○山崎委員 11ページにあります啓発のところで、国民に向けた周知、啓発の実施というのが一番に出ているのも、基本だろうということであれなのですが、全体としてここのトーンが、最後の「さらに」以外は、ほとんどが、どちらかというと個人に向けた、個人でも取り組めるようなものに終始しているような感じが非常に強いのです。過労死予防という見地からいったときに、「ゼロ次予防」と言われています、つまり、環境の整備が基本だと思います。ですから、ここで挙げている、例えば、この言葉の中に個人要因が前面に出ますので、ストレスに対処するための積極的な要因も含めて広く周知、啓発を行うということなのですが、ストレス対処に強い個人という観点から、その育成に努めるという感じが強いのです。そうではなくて、実際に重要なのは、ストレス対処に非常に強い職場というのがあるのです。これは、何があるからストレス対処に強いのかということ。つまり、ストレス下の状況に置かれながらも、比較的笑顔の見えている職場と、そうでない職場とがあるという、そういうことで広く知られていることなのですが、一体何がそうさせているのかという、そういう意味で、ストレス対処するための積極的な個人及び環境要因というものを、やはり、どういう職場で危機対処力が強いのか、ストレス対処力が強いのかという、その条件は徐々に明らかになってきていますので、それをきちんと啓発の中身として伝えてくような作業が必要なのではないかということです。

 併せて1つだけ、12ページの(5)、先ほどから申し上げていますように、「働き方の見直しと」というので、付けていただきたいのが、「ワークライフバランスに支援的な職場環境作りに向けた企業への働き掛けの実施」というように、この環境整備は、やはり企業のイニシアチブなしには進みませんので、是非そういう、ここにこそ見出しに書き込んでいただきたいということです。

○岩村会長 ありがとうございました。貴重な御意見だと思います。

 それでは、岩城委員どうぞ。

○岩城委員 第52の事業主について意見を申し上げます。第1段落の冒頭に、「事業主は、国及び地方公共団体が実施する過労死等の防止のための対策に協力するよう努めるものとされている」ということだけが書かれています。これはもちろん、過労死等防止対策推進法の規定にあるものですが、もともとこの法律の前に出された野党案では、対応する条文の後半に、「その施策に協力するとともに、その雇用する労働者の健康の保持を図るため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする」というのが入っていました。ところが、これが削除されて今の条文になった経過は、もともと労働契約法や労働安全衛生法で、安全配慮義務があると。したがって、ここに更にそれを重ねる必要はないという議論があって、現在の条文になったわけです。この過労死の大部分が、大部分というか、もともとその性質上、職場で起こるものであるということ。それから、過労死等の発生については、事業主の安全配慮に関わる点が非常に大きいということから、私は、この冒頭の5行を次のようにしていただきたいと思います。「事業主は労働契約法第5条、労働安全衛生法第3条第1項などによって、その雇用する労働者の身体、生命等の安全と健康を確保する安全配慮義務を負っていることから、事業主は国が行う第4に掲げた施策に協力するとともに、労働者を雇用する者として、過労死等の防止のための対策に責任を持って取り組むよう努める」ということをお願いしたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。では、川人委員どうぞ。

○川人委員 14ページ以下の相談体制の整備に関連してです。現在は、海外で勤務をしている方々の健康問題が非常に重要になっています。実際に海外で勤務中に倒れたり亡くなった人の相談も多数来ております。それらの多くは、海外勤務者に対する、本社サイドの様々な相談体制等の不備が原因の一つになっていると思われます。そういう意味で、表現として、この相談体制の不備の123のどこかに、海外勤務者に対する相談体制というのも重要であるという趣旨のものを追加していただきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。前提としては、日本の労災の適用がある場合に限ってということになりますね。向こうの労災の適用があるということになると、ちょっとこちらではどうしようもないという部分はありますので。

○川人委員 一応、本社からの指揮監督がある場合は、日本の労災の適用の可能性があるというのが厚生労働省の通達だと思いますので、そういう意味で、本社からの指導・監督の範囲の人たちに対して、当然、健康管理をもっとやろうという趣旨です。

○岩村会長 分かりました。

○川人委員 厳格に言えば、長期の海外出張も含めてです。

○岩村会長 そうですね。テクニカルな議論になりますが、長期の海外出張の場合ですと、場合によっては行った先の労災になってしまう場合もありますので、海外特別加入も含めて、日本の労災の適用下に置かれる場合というふうに、前提としては理解するということにさせていただければと思います。

 ほかにはいかがですか。

○川人委員 先ほど、私は在職中の療養者の件の重要性を強調したのですが、少し補足します。一つは、この現状のところで、全体として脳・心臓疾患の死亡者が減少しているという現状の分析がある。これ自体は確かに数字上そうなのですが、外科技術の発達によって一命を取り止める方が非常に増えているわけです。これは職場の環境が良くなったからなどという議論とは別の、医学技術の発達によって死亡に至らないで重度の障害にとどまる人が増えているという問題があるわけです。したがって、やはり休職中の療養者について調査をするということは、そういう意味でも非常に重要な、量的にも意味合いを持ってきていると思います。

 もう一つは、精神疾患の療養者に関しては、その後、やはり自殺に至る人たちが少なくない。相当数いるわけです。そういう意味でも、これは調査をする際に、場合によっては健康保険組合等の協力も得られれば、もっと効果的な調査研究も可能かと思いますので、是非、最後に強調しておきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。有益な御示唆だと思いますが、ただ、個人情報が一方で絡むので、なかなか難しいところも技術的にはあろうかという気がいたします。

 よろしいでしょうか。

○岩城委員 先ほど急いでしゃべったので、少しだけ補足させてください。まず、安全配慮義務についてなのですが、先ほど私は労働契約法、労働安全衛生法と言いましたが、そもそも前提で、民法上、雇用契約に付随する義務ということで、安全配慮義務というのが認められていて、これは最高裁の電通事件の判決などで確立したものとなっています。それで、多くの方は、この大綱だけを見るわけです。啓発という点から言えば、やはり国への協力義務だけではなくて、もともとそういう安全配慮義務というのを持っているのだということは当然のこととして、記載をお願いしたいということです。

 それから、最初の氷山の一角の話のところなのですが、はっきりしないことは書けないという話はもっともなのですが、少なくとも申請件数が全数ではないということは是非御指摘をいただきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。一応、最後まで通してということでお願いしているのですが、よろしいでしょうか。

○新谷委員 全体の話ということです。その前に、先ほど岩城委員が御指摘された安全配慮義務については、御指摘のとおりだと思いますので、これは啓発のための資料という側面もありますので、是非記述するべきだと思います。

 その上で、全体を通してということですが、先ほども論義させていただいた大綱の中の6ページの目標のところが、やはり、私には十分に腑に落ちておりません。率直に申し上げて、この程度の目標であれば、この法律が目的とした過労死ゼロを目指すという社会を実現し難いのではないかと思います。やはり、この協議会の設置の背景にあった立法府での全会一致で成立したこの法律の目的というのは、正しく行政府が過労死ゼロを目指すということあり、それが立法府から突き付けられた使命であると思います。その結果、第7条の中に、政府が大綱を作ると規定されたわけです。しかもそれは閣議決定をするとされています。その際に、この協議会での意見を聴けというのが、この法の立て付けになっていると思います。

 岩村会長の進行は、非常に適宜な進行をされていて、できることとできないことの切り分けをよくしていただいて、進行上助かっているのですが、先ほどの論議の中で、申し上げにくいのですが、今、政府から出ている三つの方針を踏襲するということに対して、岩村会長のほうから、政府の方針は超えられないのではないかという指摘があったわけです。私はそれはちょっと違うのではないかと思います。要するに、岩村会長は政府としての御発言ではなくて、専門家委員としての御発言で今までやっていただいたのですが、政府としてその方針を決めるのは、正しく政府なので、これを閣議決定すると言っているわけですから、どのような方針を作るかというのは、先ほども西垣委員が絞り出すように悲痛な叫びをおっしゃって、この方針では弱いということの御発言があったわけですから、それを受け止めるのは政府であるはずです。そうした意味でやはり先ほどの進行は、私は適切性を欠くのではないかと思いましたので、非常に申し上げにくいですが、その点も、今後の進行に当たっては御留意いただければありがたいと思っています。以上です。

○岩村会長 御批判は甘んじて受けますが、先ほど私が申し上げたのは、この法律上ではこの会議に何が授権されているかということを考えたときには、結局のところ、対策について大綱を定めるということであると私自身は理解しているということです。ですから、その意味で、法律で定められている四つの対策についてどういう方向性を大綱で定めるかということについては、こちらの会議で議論はできるでしょうという趣旨から先ほど申し上げた次第であるということで、もう一度繰り返しになりますが、お話をさせていただければと思います。新谷委員がおっしゃっている御批判については甘んじて受けたいとは思いますが、法律の整理としてはそうではないかというのが、私自身の理解です。

○新谷委員 6ページに書いてある三つの政策目標は、過労死等防止対策推進法とは基本的に関係ない方針として出されてきているわけです。これについてどうするかという論議をしているわけですので、政府が決めた三つの方針しか、この過労死等防止対策推進法は決められないということを限定されていないわけで、決定するのは過労死防止のための大綱を決めるわけでして、そこに対して専門家委員、当事者の代表委員、労働側委員、それぞれ意見を申し上げているわけです。それは政府としての方針を超えられないのではないかという進行は、やはり私は非常に違和感があるということを重ねて申し上げておきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。いかがですか。よろしいでしょうか。森岡委員が御発言をお求めでしたね。どうぞ。

○森岡委員 今後の協議会日程と、進行に関して要望的な発言をお許しください。本日も、大変重要な、貴重な御意見、御発言がありまして、岩村会長も進行に苦慮されるぐらいに発言が相次いで時間が経過してきました。これを盛り込んで、事務局案をもう一度練り直す時間が取られると思います。それで5回目に提案があった場合、5回目ですんなり本日の発言が大変的確に反映されていて、結構でございますというところで落ち着けば問題はないのですが、なお、異論なり追加意見があり、ここは最低限こうすべきではないかというような議論が続いて、5回目で締めくくりができない場合は、議事日程に捉らわれず、したがって、柔軟な日程調整を予定して、例えば6回目を行う可能性もあるというような含みで、少なくとも次回を最終的な打切りの協議会日程としないことを強く要望したいと思います。もちろんまとまればそれで結構なのですが、意見が続出した場合には、継続して議論を重ねるということも含めて柔軟に対応していただきたいと願います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。もとより、パッと打切りで終わらせるつもりはありませんけれども、他方で、延々と議論を続けるわけにもいかないということもありますので、いずれにせよ、どこかの段階では終わらせなければいけない、議論を集約せざるを得ないだろうとは思っております。その点については、いずれにせよ、今後の議論の進み方を見つつ、事務局とも相談しながら判断させていただければと思います。

 他方でもう一つ申し上げておかなければいけないのは、予算との関係での制約もあります。今回の大綱案の中で、いろいろと、例えば調査研究などについて、やるということになりますと、それについての予算を組まなければいけないということになるので、それとの関係で、大綱というのをまとめておかなければいけない時期がどうしてもありますので、その点についても御理解を賜わればと思います。その前に、大綱がまとまっていないと、結局、予算に計上できずに、せっかく考えていた調査研究が来年度は実施できずということにもなってしまいかねませんので、その点も考慮材料としてあるということだけ申し上げておきたいと思います。

 それでは、本日、私の議事進行のまずさもありまして、時間を大分超過してしまいましたが、本日の議論はここまでとさせていただきます。皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただいた上で、いろいろな御意見を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。また、長引いたにもかかわらず、そのままお残りいただきまして、本当にありがとうございました。

 事務局においては、まずは本日いただいた御意見を踏まえて、大綱の素案の修正を行っていただきたいと思います。併せて、過労死防止対策推進法第7条第3項によりまして、厚生労働大臣は、大綱の案を作成しようとするときは、関係行政機関の長と協議するとともに、過労死等防止対策推進協議会の意見を聴くものとすると定められております。このことに基づきまして、事務局においては、関係行政機関等とも十分に調整を進めていただきたいと思います。その上で、次回の会合に向けて、大綱の最終案を御準備いただければと考えております。

 次回の協議会としましては、先ほど申し上げた点は留意事項としては、一応、申し上げておきますが、協議会としましては、大綱の案を取りまとめる方向で議論を進めたいと考えております。委員の皆様方におかれましては、引き続きよろしくお願いしたいと思いますし、本日、もし言い尽くしていない御意見等や御要望等がありましたら、前回と同じように、事務局の方に個別にペーパーなどでお知らせをいただければと思います。事務局のほうではそれも勘案しつつ、案の修正をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後になりますが、次回の日程について事務局から御説明いただきたいと思います。

○企画官 次回の開催日時、場所につきましては、調整中ですので、追って事務局より御連絡させていただきます。

○岩村会長 それでは、長時間にわたりまして第4回の過労死等防止対策推進協議会に出席いただき、ありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。 


(了)

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