ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金個人情報の適正な管理のあり方に関する専門委員会)> 第3回年金個人情報の適正な管理のあり方に関する専門委員会議事録(2013年6月27日)




2013年6月27日 第3回年金個人情報の適正な管理のあり方に関する専門委員会議事録

○日時

平成25年6月27日(木)15:00~17:00


○場所

都道府県会館4階 401会議室 
東京都千代田区平河町2-6-3


○出席者

岩村委員長、池田委員、大橋委員、菊池委員、首藤委員、鈴木委員、諸星委員、山本委員

○議題

各論点について議論

○議事

○岩村委員長
 定刻になりましたので、ただいまから、「第3回年金個人情報の適正な管理のあり方に関する専門委員会」を開催することにいたします。皆様お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の委員の出欠状況でございますけれども、斎藤委員からは御欠席という旨の御連絡をちょうだいしております。大橋委員は途中から御出席、そして菊池委員が途中で御退席と伺っております。また、鈴木委員も間もなく見えられるのではないかというふうに思っております。
 また、事務局からの出席者でございますけれども、お手元にあります座席表のとおりでございますので、それをもって紹介にかえさせていただきたいと思います。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 その前に、まず資料の確認をさせていただきたいと思います。事務局のほうでよろしくお願いをいたします。

○事業企画課長
 事務局でございます。本日の資料、袋から出していただきますと、資料として1:論点資料、2:参考資料、それから、参考資料が1、2、3と、資料としては5点ございます。お手元の資料を御確認ください。足りなければ、よろしいでしょうか。

○岩村委員長
 お手元におそろいでございましょうか、よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
 カメラの方はここまでということでお願いをいたします。
 それでは、お手元の議事次第に沿って議事を進めてまいりたいと思います。本日の議事でありますけれども、各論点についての議論ということでございます。今ほど事務局のほうから資料についての紹介がありましたけれども、それについて説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○政策企画官
 それでは、資料の内容につきまして事務局から御説明をさせていただきたいと思います。資料1と資料2を中心に御説明をさせていただきまして、参考資料1~3については必要に応じまして御説明をさせていただければと思います。特に資料1について、30分ほど時間をいただきまして御説明をこの資料1を中心にさせていただければと思います。
 1枚おめくりいただきまして「考えられる主な論点」ということで、1と2とございます。それぞれ「・」が3つほどずつございます。最初の1の「年金個人情報の確認訂正手続きのあり方について」という論点と、2つ目の「年金個人情報の適正な管理のあり方について」ということでございまして、いずれも、文言が若干違う部分がありますけれども、第1回資料で用意させていただいて、こういった点について御議論をお願いできればということを、私、御説明申し上げましたものをこういう形でまとめさせていただいたものでございます。
 1の「年金個人情報の確認訂正手続きのあり方について」でございますけれども、上から順番に、より簡便で迅速な手続きのあり方。国民の立場に立った調査審議のあり方、司法手続きへの移行の考慮といったような形の観点からの手続きのあり方につきまして、資料4ページ以降でより細かな論点、これについてどう考えるかということで資料をまとめさせていただいているところでございます。
 2番目の「年金個人情報の適正な管理のあり方について」ということでございまして、保護・提供(開示)を中心にということで3つほど論点を挙げさせていただいております。年金個人情報の正確性の向上に資する取組の検討、御本人による確認の推進、今、年金個人情報かなり厳格な保護、管理がなされておりますが、その利用提供範囲についての検討ということでございまして、これにつきましては、本日、なかなかここまで御議論いただくのは難しいのではないか思うんですが、資料を12ページ以降で用意させていただいておりまして、可能であれば本日、次回ということでまた御議論をお願いしたいと思います。
 次の2ページ目でございます。今の「年金個人情報に関する確認訂正手続き」の現状、これは厚生年金を事例にして、今の現状をまとめさせていただいた図でございます。これをベースにさせていただきながらいろんな論点について御議論をお願いできればと思います。
 厚生年金の事案を中心にいたしまして、灰色がついている部分、これが年金制度の中での位置づけということでございます。そこからはみ出ている部分、総務省の年金記録確認第三者委員会、個人情報の開示請求に関すること、こういったことが、年金制度の中ではない形で整理がされているということでございます。

(鈴木委員入室)

 上のほう、一部確認も既に第1回で御説明させていただいたもの、あるいは第2回で御説明いただいたものもありますので、確認になってしまうかもしれませんが、左から、こういう形で被保険者、事業主、厚生労働大臣(日本年金機構)、社会保険審査官、社会保険審査会というような4つの位置づけの中で、図のようなものがあるということでございます。
 まず事業主のほうから見ていきますと、資格確認・標準報酬の届出を厚生労働大臣が行う。それについて資格確認・標準報酬決定ということで事業主に返す。それを事業主のほうが被保険者の方に通知することになっているわけでございます。それから、資格確認の請求というのがございまして、これは厚生年金保険法第31条でございますが、資格の確認ということについては大臣の確認において効力を生ずるということになってございまして、大臣の確認によって効力が生ずる資格の確認について、被保険者から直接厚生労働大臣に請求をすることができることになっております。その請求に対して、必要に応じて請求の事実がないときは却下をするというような規定が書かれているということでございます。
 それから、下のほうが社会保険審査官、社会保険審査会でいろんな請求について裁決・決定をすると、こういうような形になってございます。これは論点の具体的には4ページ、5ページ目にかかってくる話でもございますが、ここの資格、厚生年金の場合は資格・標準報酬、こういったことについては、このほかにも保険給付に関する部分もあるのですが、いわゆる行政庁による一種の処分というか、行為というか、こういった厚生労働大臣の資格の確認であるとか、標準報酬の決定といったことがあって、初めてその効力は生ずるという非常に重いものということになっているわけでございます。
 それから、この図の下のほうを見ていただければと思います。年金制度の外にあるわけでございますけれども、総務省の第三者委員会、記録が年金事務所のほうで直すことがなかなか難しいような、証拠がない場合のものの取扱いにつきまして第三者委員会のほうに申立てていただければ、審査をして、あっせん・非あっせんといような形で厚生労働大臣への通知、それから御本人への通知というのがあるということでございます。このあっせん・非あっせんについては事実行為という位置づけでございまして、行政処分という位置づけにはされていないということでございます。
 それから、個人情報保護法でございます。これは第1回のときからも御説明をさせていただいているところでございますが、こちらは年金制度とは別に一般法の中で、個人情報に関する開示の請求、あるいは訂正といったことができることになっておりまして、○1~○4までございますけれども、開示請求に対して決定をする。それについて必要に応じて訂正をすべきだということで訂正請求、それに対する訂正(不訂正)の決定というのが行われるということでございます。
 なお、これは後ろのほうでも出てまいりますけれども、この○4の個人情報の訂正(不訂正)、それを決定するという行為自体は、これは行政不服審査法や訴訟における対象になる行政行為・行政処分というものでございますけれども、位置づけとしては、上のほうの年金制度の中での資格の確認や標準報酬の決定といったようなものと違いまして、この記録の訂正を仮にしたとしても、それによって年金制度の中で何か効力が生じるというところまでは法的には明示されていなくて、あくまでも記録が正確かどうかを確認して、記録が正しくないということであれば、その記録の訂正というところに効力がとどまるということでございます。記録を訂正し、資格が間違っていれば直すということであれば、それは別途上の年金制度のほうで厚生労働大臣の資格の確認をし直す、あるいは標準報酬の決定をし直すというような別途の行為を行っているが、ここは法的に明示されてはいないということでございます。
 こういう言葉が適切かどうかはちょっとわかりませんが、上のほうの厚生労働大臣の資格の確認・標準報酬の決定はかなり重いものと、下のほうの個人情報の訂正についてはやや軽いものといった形で非常にわかりやすい表現で御説明させていただきますと、そのようなものになるのではないかということでございまして、年金制度の中のものと外のものという位置づけが、そういう形で行政行為が違っているということでございます。
 それから、3ページ目でございまして、イメージを図で示させていただいております。確認訂正請求から事実調査、審査をして確認訂正(処分)する。それについて不服申立てや提訴が可能になる。このようなイメージということでの制度設計が必要ではないかというようなことで、まず、これが1つのベースではないだろうかということを考えているところでございます。
 4ページ目でございます。具体的なそれぞれの論点についてどのように考えるのかということで、ぜひ委員の皆様方の御意見をいただければと思いますし、何かこういう議論をする上で次回までにこういう資料が必要だというようなことであれば、ぜひ御指示いただければ次回改めてまた資料を用意するというようなことも考えてやっていきたいと思っております。
 具体的に1.の(1)でございまして、まず最初に「被保険者が行う確認訂正手続きについて」、(1)~(3)まで、1.について3つほど論点を挙げさせていただいております。
 まず(1)でございますけれども、法的位置づけについて、どう考えるかということでございまして、現状でございますが、先ほどと内容が繰り返しになってしまう部分があるかもしれませんが、最初の「・」にございますとおり、今現在、行政機関個人情報保護法制に基づく訂正請求ということと、総務省の第三者委員会に申立てる仕組み、この2つの仕組みがあるわけでございますが、いずれも記録の確認訂正だということでございます。
 それから、これとはまた別に、厚生年金の世界におきましては、被保険者の方々が厚生労働大臣に対して、直接、資格の取得・喪失の確認を求めることができる規定があるわけでございます。
具体的な論点でございますけれども、より簡便で迅速に手続きをするということをしていくということを考えていく上で、被保険者の方が厚生労働大臣に対して「直接」請求するということについてどう考えるかということでございます。
 それから、2つ目の「○」でございますけれども、確認訂正手続きにつきまして、先ほど行政機関個人情報保護法制につきましては、あくまでも記録が正確かどうかということを確認をするということであって、これによって、直ちに年金制度の中で何か効力が生ずるというわけではなくて、資格や標準報酬については別途の行政行為が必要だというお話をさせていただきましたが、こういう言葉が適切かどうかわかりませんが、やや軽いものとしての請求にするのか、あるいは厚生年金の被保険者資格の取得・喪失の確認のような行政処分をまさにする。記録の内容につきまして、1つひとつ、その行政処分を求める請求という形にしていくのか、重いものにしていくのかといったようなところは御議論をお願いをしたいということでございます。
 厚生年金の場合は、被保険者資格の取得については直接請求できるという規定があるわけでございますが、5ページ目を見ていただければと思います。国民年金につきましては、そういう法的構成にないわけでございまして、ここにございますとおり、年金記録の中で、国民年金の場合の被保険者の資格の取得、あるいは納付状況といったようなもの、これは厚生労働大臣が直接権限行使しているわけではないということでございまして、年金記録上はこうした「事実」ということについて、それを記録するということになっているわけでございます。
 現状の2つ目の「・」にもございますとおり、保険料につきましても、法によって当然に被保険者とされた方について納付義務が課されると、こういう位置づけでございまして、個別に賦課決定しているというふうな形で解されてない、こういうことでございます。
4ページ目のところで、こういう言葉が適切かどうかわかりませんですが、年金制度の中で軽くするのか、重くするのか。それは国民年金における事実として記録されているものについての扱いをどうするかというものにかかわってくるわけでございまして、仮に行政機関個人情報保護法制を参考にして、それと同じような確認訂正手続きを記録の正確性をあくまで求めるものなのだと、こういう位置づけにする場合には、国民年金につきましても、「事実」として記録されている。これについて対象にするという1つ、そういう方向でいけるのではないかというような考え方があるわけでございますが、仮にそういう形ではなくて、記録の訂正の根拠となる行政処分を求める請求という重いものにしてしまった場合には、国民年金において1つひとつ行政処分として権限行使なされていませんので、それについての位置づけを改めて整理し直す必要があると、このような別の論点が出てくるということになるのではないかと思います。
 ただ、一番最後にございますとおり、括弧書きで、いずれにしても、国民年金の場合も、きちんと記録を管理をしなければいけないということについては、厚生年金と同じでございまして、適正な記録管理が必要ということにはなるのではないかと考えています。
それから、6ページ目でございますが、「確認訂正手続きの対象範囲」でございます。
 今の現状でございますけれども、この表にございますとおり、法律事項、省令事項から、実行上に至るまで、個人情報についてはいろんな種類のものを年金機構で保有しているということでございますが、上のほうの現状の最初の「・」に戻っていただきますと、このように「資格の取得及び喪失年月日」、「標準報酬」、こういった給付額の決定に影響するようなもののほかに、「被保険者氏名」、「生年月日」、「性別」、「住所」、そういった本人の属性を確認する事項も含まれるということでございます。氏名でありますとか、生年月日が変わるということはないと思いますが、性別、住所、そういった本人の属性に関することにつきましては、変更届出の手続きというのが、真ん中ぐらいに「※」ございますが、手続きが存在するというわけでございますけれども、この確認訂正手続きというものをどのように対象を考えるのか。すべてなのか、それとも適正な給付額を決定するために有用な仕組みとして設けるということであれば、給付額の決定等に反映されるようなことを対象にするということなのか、こういったことについて御議論をお願いできればと考えているところでございます。
 なお、表の中に線を引いている部分がございます。国民年金の場合は○2、○3、○4、○10、厚生年金も4つほど線が引かれております。こういった事項は給付額の決定等に反映される、そういった事項ではないかと考えておりまして、これらの事項はご本人としても事実関係の確認がなかなか容易ではないもので、これをしっかりとした記録確認訂正手続きの中で考えていくことが適切ではないかという御意見もあるのではないかと考えております。
 それから、7ページ目、次のページでございます。2の「国民の立場に立った調査審議」ということでございまして、国民の立場に立って、どういう形で調べ審議していくかということについて、こちらも3つほど御議論をお願いできればと思います。(1)~(3)まで用意してございます。
 まず最初の(1)でございますが、3行ほど最初に書いておりますけれども、具体的には調査の対象範囲、法的位置づけについての論点でございます。
 【現状等】ということで、3つほど「・」がありますが、最初の「・」からでございますけれども、年金個人情報は、超長期的に管理されるということでございまして、かなり昔の記録につきましては、本人だけで証拠をそろえるのがなかなか難しいのではないかという指摘をいただいております。一方で、その正確性を確保することは非常に重要でございまして、なかなか本人だけで申立てることはできないというものがある一方で、年金額に直結するというものでございます。
 2つ目の「・」でございますけれども、それぞれの現状の確認訂正に関する手続きは今どうなっているかということでございますけれども、最初に、行政機関個人情報保護法制においてはどうなっているかということでございますが、まずここにございますとおり、本人に一定の証拠を用意していただく。その本人からの申請の書類に基づいて確認をし訂正するかどうかを判断することになっております。
 一方、総務省の年金記録確認第三者委員会に申立てのあったものにつきましては、これもここにございますとおり、本人からの申請で判断するということではなくて、申立人の申立て内容をよく見た上で、関係機関、関係個人の方々に第三者委員会においてさまざまな調査を行う。その上で判断をしているというような状況になってございます。ただ、調査についての法令上の根拠がないということではございますが、参考資料1を見ていただければと思いますけれども、3ページ目以降にそれぞれの事案につきまして、こういった対象の方に、こういった調査をするというようなことを総務大臣が決定をするという形で基本方針で示している。この基本方針に基づきまして、第三者委員会、その事務局においてさまざまな調査を行って判断をすると、このような仕組みになっています。
 また資料戻っていただきまして恐縮でございますが、年金個人情報の価値訂正手続きについての具体的な論点ということで2つ御審議をお願いできればということでございまして、年金個人情報の確認訂正手続につきましては、行政機関の側が国民の立場に立って、一定程度の証拠を収集する。そういう仕組みにするのか、あるいは行政機関個人情報保護法制にするのか。また、仮に行政機関が収集する場合には、総務省の第三者委員会の調査範囲を参考にするのかどうかといったようなことを御議論をお願いしたい。
 それから、第三者委員会で行われている調査につきまして、今、ここで法的根拠はない形で、相手側の協力の範囲で行われているということでございますが、その法的権限等につきましてどのようにするのかといったようなことを御議論をお願いできればと思います。
 それから、8ページ目でございますが、「国民の立場に立った調査審議」を行うという場合の判断基準についてでございます。
【現状等】ということに書いてございますとおり、総務省第三者委員会の仕組みでは、疎明レベル、明らかに不合理でなく、一応確からしいことを基準に申立てが行われているということでございまして、これは先ほど見ていただいた参考資料1の2ページ目の第3のところにもそのようなことが書かれています。これを基準に行っているということでございますが、この第三者委員会、臨時に設定された組織だということと、ここの【現状等】にございますとおり、最近は事業主から証拠を収集することが比較的容易である厚生年金の事案が中心となっているということでありますとか、「ねんきん定期便」、「ねんきん特別便」、「ねんきんネット」といったようなことで、年金記録をいつでも確認できるようにしているという状況でございます。
 こういった状況を踏まえまして、論点ということで御議論いただきたいということの内容でございますけれども、次のところにございますとおり、国民の立場に立って、行政機関が一定程度証拠を収集するという仕組みを設けると仮定した場合、丁寧な調査の結果、それでも証拠が見つからない場合にどう判断するかといったようなことを御議論をお願いできればと思います。
 なお、第2回の委員会におきまして、鈴木委員より、このような御説明があったところでございます。議事録を読み上げる形で御紹介させていただきますと、「ほとんど証明に近い形であっせん、非あっせんを行っている」と。ご本人にかわって行政機関が証拠を集める、そろえるということが非常に重要なのだというような御説明があった次第でございます。
 時間の関係で申しわけございません。駆け足で恐縮でございますが、9ページ目に移らせていただきますと、3つ目の論点でございまして、民間有識者(第三者)会議で調査審議するのかどうかということでございます。
 【現状等】に書いてございますとおり、今の記録確認につきましては、「事実関係」の確認・整理が法令の解釈というよりも、そちらの中心であることも踏まえまして、弁護士、社会保険労務士、税理士など、利害関係のない民間の有識者の方々に第三者委員会の委員になっていたただいて、公平な調査審議が行われて、あっせん・非あっせんという決定がなされている。
 このもとになっておりますのは、ここの2つ目の「・」にございますとおり、厚生労働省におきまして、未統合記録5,000万件の問題などがあったわけでございまして、今、厚生労働省内では信頼を回復すべく努めているところでございますが、そういった信頼といったような観点から、厚生労働省ではなく総務省の下で行うということで、そういう経緯で設置がなされているということでございます。そういった状況を踏まえまして、第三者の会議による審議を経て決定するのかどうか、こういったことについての御議論をお願いできればと思います。
 なお、ここには書いてございませんが、個人情報保護法につきましては、最初に確認訂正手続きの判断をするときには、第三者の会議で判断はなされておりませんが、第1回の資料で御説明させていただいたとおり、不服がある場合には、内閣府の個人情報保護審査会というところで第三者によって御審議いただいて判断をするというような仕組みになっているところでございます。
 あと、具体的な、ここで省略はいたしますが、今の第三者委員会の委員の構成などについても資料2のほうにも入っておりますので、御参照いただければと思います。
 それから、10ページ目でございます。最後の3番目でございまして、「司法手続きへの移行も考慮した確認訂正手続き」ということでございます。こちらは2つほど論点をまとめさせていただいておりまして、上のほうからいきますと、不服があった場合、行政庁の確認訂正の結果について不服申立制度、行政事件訴訟法に基づく制度で争うために、処分性を認めることについてどう考えるかということについて御議論をお願いしたい。
 【現状等】と書いてございますが、3つほど「・」がございます。最初は、行政不服申立制度についての概要でございまして、ここにございますとおり、行政不服審査法におきましては、行政庁の処分あるいは公権力の行使を対象にしているということでございますし、行政事件訴訟法も、同じように公権力の行使等に関するものを対象にしているということでございます。
 一方、年金制度の中では、次の「・」ですが、厚生年金の場合は、先ほどお話をさせていただいたとおり、資格の取得・喪失といったもの、あるいは標準報酬については「処分」という位置づけでございまして、こちらは不服申立制度等の対象となるということでございますが、国民年金につきましては、資格の得喪、保険料納付、こういったものは処分と位置づけられておりませんので、対象外という状況になっております。改めて、こういった確認訂正手続きを今後整理していくに当たって、この手続きの中で、請求の決定の内容等につきまして、処分性を認めて不服申立て、あるいは訴訟の対象にするのかどうかというようなことについて御議論をお願いできればと思います。
 なお、総務省の第三者委員会より、第1回の委員会でも御説明させていただいておりますけれども、司法手続を考慮に入れた手続きをすべきだという御提言を私どものほうでいただいているということでございます。
 それから、11ページでございます。長々と時間いただいてしまって申しわけございません。1番目の最初の論点の一番最後のものでございますが、11ページの不服申立ての2つ目の論点でございます。
 【現状等】ということで、ちょっと繰り返しになるのかもしれませんが、被保険者の資格、標準報酬、保険給付、そういったものについては、社会保険審査官または社会保険審査会に審査請求、再審査請求はできるということでございますが、これらは、年金制度の中では不服申立て前置主義ということで、いきなり裁判に訴えることはできなくて、審査会の決定を経た後でなければ裁判・訴えの提起ができないというような仕組みになってございます。今後、確認訂正手続きを整理していく中で、国民の立場に立って審議をするというような形でやっていく場合に、不服申立先を今の審査官、審査会とするのか、あるいは既に中立的な第三者の審議を経て仮にやるといったような場合、より簡便で迅速な手続きにするという観点で見ていくという場合に、そういった今の審査官、審査会ではなくて、直接大臣に不服を申立てることにするのかといったことについて御議論をお願いできればと思います。あるいはそもそも不服申立てではなくて、裁判だけでもいいのではないかという御指摘も一部の委員の方からもいただいておりまして、そういった不服申立ての内容全般につきまして、ぜひ御議論をいただければと思います。
なお、ここには書いてございませんが、個人情報保護法に基づく手続きでは、不服申立て前置ではなくて、決定についていつでも訴訟ができることになってございますし、不服申立ての中身は、異議申立てと上級庁への審査請求、この2種類があるという状況でございます。
 それから、12ページ目でございまして、本日、時間があれば、あるいは次回以降にぜひ御議論をやっていただければと思いますが、確認訂正手続きではなくて、適正な管理のあり方全般につきましても、ぜひ御議論をお願いをしたいということで3つほど用意をさせていただいております。
 この12ページ目の1.2.3.は、1ページ目と同じ内容ですので省略をさせていただいて、13ページ目、次のページに移らせていただければと思います。一番最後の資料でございます。もしかすると予告的なものになるのかもしれませんが、このような論点の整理をさせていただいております。本日の議論、場合によっては本日御議論いただく、あるいはこれまでの御議論等を踏まえて、次回以降、別途または資料を整理することはあるかもしれませんが、現時点でこういう形で用意をしております。
 1.2.3と3つございまして、1.年金個人情報の正確性の向上に資する取組、2.本人自身による年金個人情報の確認の推進、3.個人情報の厳格な保護と利用提供範囲の検討ということでございます。
 1番目でございますが、簡単にでございますけれども、線を引いているところですが、この確認訂正手続きの流れの中で取得した事例等を今後活かしていくということをしっかりと仕組みとして設ける必要があるのかどうか。あるいは広報といったようなものをぜひ行っていく必要があるのではないか、こういった論点でございます。
 2番目、右にございますとおり、本人自身による確認の推進が行われるように、ここの線にございますとおり、事業主が届出書を年金事務所に届けた内容、届けた旨、これを御本人に確実にお知らせをするというような仕組みがぜひ必要ではないか。これはいわゆるマイナンバー法が国会で成立をしたと。今後、検討していく必要があるわけでございますけれども、この検討とあわせて検討していく必要があるのではないかということでございます。
 3番目、最後でございますけれども、利用提供範囲の検討ということでございまして、第1回の委員会でも御説明させていただいて、非常に年金個人情報は管理が厳格だということで、利用範囲がかなり限定的に書かれているという状況でございますが、「一方で」と書かれているところの3つほど「・」があるかと思います。認知症、災害時、裁判所の調査嘱託に対する情報の提供、こういったことなど、もしかするとほかにもあるのかもしれませんが、こういった事項などにつきまして、再検討する必要があるのではないかということが論点でございます。
 あと、参考資料の資料2で、基本的には、大変恐縮でございますけれども、説明は省略させていただきますが、最後の11ページと12ページで、厚生年金の場合の適用事業所からの届出漏れ・届出誤りの実態等につきましての資料と、事業所調査についての資料を用意をさせていただいております。もしかすると次回の論点のときに参考になる資料になるのではないかと思いますが、ここにございますような形で、22年度の調査結果に対する取組、事業所調査の調査の内容等につきまして資料をまとめさせていただいております。
 ここのございますとおり、11ページ目の別紙1~3というのは、また別の資料でございまして、参考資料2になりますので、大変恐縮ですが、そちらを後ほど御参照いただければと思います。
 それから、一番最後に参考資料3で条文を用意してございます。それぞれポイントとなる部分を線で明確になるようにさせていただいたつもりでございますので、国民年金・厚生年金それぞれの法律、個人情報保護法、行政不服審査法等の関係条文の資料を用意しておりますのでぜひ御参照いただければと思います。
 30分と申し上げましたが、時間が長くなってしまい、申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。

○岩村委員長
 ありがとうございました。
 ただいま論点につきまして資料1を中心に説明をしていただいたところでございます。これから委員の皆様から御意見・御質問などをちょうだいしたいと思います。先ほどもお話しましたように、菊池委員が先に御退席になるということですので、お気づきの点、御意見、御質問などをまずお願いできればと思います。

○菊池委員
 ありがとうございます。退席しなければいけませんので、先に発言をさせていただきます。
 第1回目でも申し上げましたように、第三者委員会というのは、いわば緊急避難的な措置として設けられたものであるという認識をしております。そういう問題を、年金法にどうやって恒常的に落とし込むのかというのがまさに議論になっているわけですが、そもそも論みたいな話になってしまうので恐縮なんですけれども、4ページの下の「○」でございました、どちらでいくのかという点で、割とかたい仕組みにするのか、それとももう少し緩やかなものにするかということで、詳しくおまとめいただいているのですが、緩やかな仕組みという方向性で行政法的にも問題ないということであれば、私としても異存はないのですけれども、やや無理がある部分がないのかとちょっと懸念を持っているところでございます。その意味では、これから皆様の御議論を拝聴したかったところで、残念なのですけれども、まず確認というものを厚生年金保険法でかませているという、確認の趣旨というのは、解説書によると、被保険者の権利保護ということと、保険給付の正確性を期すと、そういったことが確認というものを入れた趣旨として書かれていました。
 国民年金法は、私、調べてないのでわからないのですけれども、ここからは憶測ですが、なぜ確認を求めているか、先ほどの趣旨から推測するに、民間の事業主に一定の行為を求めているので、行政庁として、そこは権利義務関係を確認しないといかんと、そういう趣旨なのかと思うわけです。国民年金法に確認というものを入れ込んでいないという、その趣旨がわかれば教えていただきたいのですけれども、1つ考えられるのは、これは行政庁が直接受け付けているので、あえてそこで確認する必要はないのだと。要するにそれで正確性は期せられるということが1つ考えられるのですけれども、しかし、そうではなかったというのが明らかになったわけでして、考えられるのは、法技術的に可能かどうかというのがありますけれども、国民年金法も確認というものを介在させることで権利義務関係を確定させていく。それによって厚生年金保険法と平仄を合わせるということができないのかというのを1つ考えるわけです。
 その上で、確認事項を資格の得喪だけではなくて、どこまで広げられるかという議論をして、その上で不服申立て及びその後の訴訟に関しては、現在の社会保険審査官、審査会、取消し訴訟というルートにのっけると。それでは無理なのかという点で、かたい意見なのですけれども、率直に感じているところです。
 その際に2点、ポイントというか、1つは、かたい仕組みの中で確認請求をした場合に、行政庁としてどういうスタンスで、どこまで考慮するか。疎明か、証明かということにかかわりますが、それに関して、障害認定の初診日要件というのがあって、あの問題で特別障害給付金制度というのを設けられて、同じ初診日要件なのだけれども、障害年金の初診日要件の認定の仕方と給付金の認定の仕方は違うのではないかという気がしまして、少なくとも裁判例では、給付金の初診日要件の解釈は緩やかに判断している判決があるのですね。給付金と障害年金は性格が違いますけれども、何をどこまで証拠としてとってくるのかとか、その辺、実務的に違うのではないか。違うとすれば、その辺が確認請求に当たっても参考になる部分があるのか、ないのかという、そこを知りたいところではあります。
 もう一点は、非常にかたい仕組みのルートでちょっとお話しましたけれども、筋としては、そもそもがこの第三者委員会という緊急避難的な措置であるとすれば、本来であれば、もっと年金情報をきちんと開示して、「ねんきん定期便」なり「ねんきんネット」をもっと充実させることで、できるだけ働いている段階から国民の皆さんにチェックしていただくと。それによって間違いが起きないようにしていくというのが筋ではないか。でも、今の仕組み、第三者委員会的なものは必要ではないかというニーズは多分あるのだろうと思いますが、しかし筋としては、情報開示という方向であるとすれば、当面の間は第三者機関を残すけれども、それは当面の間で、時限措置として別建ての仕組みとして残しておく。それは2年なのか、5年なのかわかりませんけれども、それがすっきりしているのではないかとちょっと思ったのですけれども、ただその前提として、国民年金法の仕組みを変えなければいけない。それが可能かどうかというのはあるんですけれども、いやいや、かたい仕組みでなくて、新しい発想でやわらかな仕組みを入れ込んでいく。それは無理がないのだという処分の考え方とか、そういうのが先生方からお話が出れば、私が申し上げたことに固執するわけではないですが、1つの筋論として、そういうのもあるのかなということでちょっと申し上げさせていただきました。
 以上です。

○岩村委員長
 ありがとうございました。何か事務局のほうで、今の菊池委員の御意見についてコメントなり何なりありますでしょうか。

○政策企画官
 いろいろありがとうございます。いろいろ御指摘をいただきました。私どものほうで、資料を用意すべきものは幾つか資料を用意して、また整理をしてみたいと思います。最初の論点の部分のかたい、重い仕組みにするのか、軽い仕組みにするのかというのは、ぜひ専門の先生方たくさんいらっしゃいますので、ぜひいろいろ御意見をお聞きしたいと考えておるのですが、国民年金の今の制度の中では、厚生年金・国民年金とあって、厚生年金に対象でないものは、広く国民年金に自動的に対象にするという非常に大きな方針の中で、事実として記録していこうと、こういう仕組みになってございまして、私どもも整理・検討してみたいと思うんですが、かたい仕組みでいくといった場合のさまざまな検討する論点が非常に多くなっていくのではないかと思いますので、そこは改めてよく整理をしてみたいと思いますし、いろんな先生方の御意見もお聞きしたいと考えております。

○岩村委員長
 ありがとうございます。よろしいですか。

○菊池委員
 はい。

○岩村委員長
 それでは、どこからでもどうぞと言っていると、多分議論が拡散するので、一応、きょう事務局のほうでつくっていただいた資料の順番で適宜御意見をちょうだいしていくということにさせていただければと思います。
 一番最初が資料の4ページのところ、資料5ページも実は関連するのですけれども、「より簡便で迅速な記録の確認訂正手続き」の基本的な考え方というようなところをどのように考えるか。特に先ほど説明がありましたように、重い手続きと考えるのか、軽い手続き、その表現がいいかどうかともかくとして、記録訂正型というか、記録の正確性というのを確認してほしいというような形でやるのか。それとも、今、現行法であるような資格の取得の確認とか、そういったような形での手続きというのを考えるのか、そういう論点があると思いますし、それは国民年金とも関係するということで、先ほど菊池委員がおっしゃったとおりだと思います。何かこの辺について御意見がございますでしょうか。
 皆さんにお考えいただいている間に、私のほうで1つだけ、イメージの問題なのですが、4ページのところで、年金個人情報についての、先ほどの説明の中で軽いほうと言われた記録の正確性の確認を求める請求とするかというところですが、先ほど御説明いただいたところでは、今の個人情報の訂正のものとか確認といったようなものは、年金制度の外にあるので、したがって、仮に訂正をしたとしても、それが直ちには、例えば間違いがあって、実は被保険者期間が10年延びた。年金がもらえるようになるといったときに、それは直ちには年金が自動的に10年もらえるようになるというところには法的にはつながらないという御説明でしたですね。
 ただ、第三者委員会のほうだと、いや、10年、実はプラスになるのだということになって、あっせんが出れば、現行法は職権でやってしまうんですね。ただ、そこは法制の担保がなくて、事実上申し合わせというか、そういう形でやっている。そうするとイメージとしては、記録の正確性の確認を求めるというのを、もし年金制度の中にビルトインすれば、仮に例えば今のように被保険者期間が10年プラスになりますということになったときには、今度は職権でそこはやってしまうという考え方というか、そういう仕組みにしてしまうというのはあり得ると思うんですが、それも含めての考え方だという理解でよろしいのかどうか、お伺いできればと思います。

○政策企画官
 そういう形で、そういう考え方も含めてということでお願いいたします。

○岩村委員長
 そうですね。わかりました。池田委員、どうぞ。

○池田委員
 私は法理論的なところはよくわかりませんが、最初に、より簡便で迅速なというふうに書いてくださっているように、国民の立場で考えてみると、記録の正確性の確認を求める請求というところで、入り口がわかりやすくて入りやすいというのはありがたいのですが、今、岩村委員長がおっしゃった、次の手続が正確に確実にやっていただけるのかどうかが問題になると思います。改めて請求した際に、請求に対しての答えが出たら、自分でやりなさいよとか、改めて次の段階に行きなさいよということですと、大変問題だと思っていたんですね。
 ですので、今、岩村委員長がおっしゃってくださるような形であれば、より入り口としてわかりやすい、入り口が低くなるように私自身は感じています。その点はどうなんでしょうか。

○岩村委員長
 直感的には、私の記録間違っているんじゃないでしょうか、というような形で申請をするなり何なりするというほうが、多分一般の方にはわかりやすいだろうという気はします。

○池田委員
 行政処分を求める請求というのは、私も措置制度の時代からずっと福祉関係の仕事をしておりまして、非常にそういう説明を受ける中で、大変心理的にもバリアが高くなる可能性があると思っておるものですから、そこのところの周知の仕方も関係してくると思うんですけれども、軽いという言い方が現実にどういうことになるのかわからない中で、行政処分を求める請求というところに心理的な抵抗を感じるというのは現実にあるのではないかと思っています。

○岩村委員長
 軽い、重いという表現がいいのかどうか、ともかくとして、申立てなり申請をするときに求めたいものを事細かに書かなければいけないのか、単純にアバウトに書いておいてもらって、後は行政のほうで引き取って調べてみますということなのかという違いかなという気はしてはいますけれども、そういうイメージなのかどうかというのは、もちろん制度設計の問題として考えなければいけないところではあります。

(菊池委員退室)

 これは、私、よく覚えてないんですが、今のあっせんの申立てというのは、実際にどういう形で書式なり何なりというのがやられているのかというところも、鈴木委員、済みません、お願いします。

○鈴木委員
 済みません、鈴木です。現在の申立書はかなり定型的に何を書けばいいかというのがわかりやすくなっています。申立て自体もアバウトで全然問題なくて、それこそ勤めていた期間はというと、昭和何年ころから何年ごろみたいな申立てでも通るということと、あと、いわゆる問題になった訴求訂正事案などの場合ですと、年金事務所のほうでいろいろ聞き取りをして、聞き取りの内容を添付してかなり補助してやっていますので、非常にアバウトでもよいと。同僚の名前も何々さんとか、はてなみたいなのでも全然構いませんので、そういう意味では、申立て自体はアバウトというのは変ですけれども、最初から書式を定型なものを用意した上で、最低限のものが記載されていれば通るような形のほうが私はいいのではないかと思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。諸星委員、どうぞ。

○諸星委員
 先ほどから池田委員もおっしゃっていましたけれども、国民の利便性を考えると、よりわかりやすい方法がいいと思います。今までも確認請求が法的にありますけれども、請求するのも国民の方が知っているわけではなくて、どうしても納得いかずに年金事務所等の窓口で納得いかない場合、請求するという手続きを踏んでいました。それと、もしこれが処分になると時効がかかってくるのではないかとちょっと思いました。行政処分に関して、例えば確認請求しても、2年の時効があると、先ほど鈴木委員がおっしゃったように、昔のものが検討できないという場合も起きてきますので、そういったことを含めて、第三者委員会が設けられたことによって、かなり昔のものも、時効特例法を拠り所としていろいろ調査ができたわけですから、そういった国民の利便性を考えてみたら、より重いものというよりも、垣根の低いところからということも検討はありかなと私は思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。もし、できましたら行政法の先生のコメントなり御意見を伺えればと思うのですが。

○山本委員
 1つ、前提の確認ですけれども、仮に重い手続きを全体に構築するとすると、1つは国民年金の受給の仕組み自体を変えなくてはいけないということがありますね。それから、厚生年金のほうに関しては、現在は18条の資格の得喪について確認の請求ができる仕組みになっている。もう一つ、問題になるのが、標準報酬月額等ですね。これについて訂正の請求のような仕組みを設けることになるわけですね。仮にやるとすれば。

○岩村委員長
 はい。

○山本委員
 なるほど、わかりました。いずれにしても、厚生年金の場合には、記録と本体の資格自体の決定等が連動していないとおかしいので、仮に重いほうでやるとすると、記録は当然職権で直すことになりますし、仮に、軽いという表現が適切かどうか分かりませんが、記録の訂正という形であるとすると、職権で資格の決定を変更するという特別な定めを置く形になるのではないか。それは特に法的に不可能というわけではないと思います。
 その上で申し上げると、仮に重いほうの資格の取得、得喪、標準報酬月額まで全部含めて今回の請求の対象にすることになると、後のほうにも出てきますけれども、現在の社会保険審査会に対する審査請求という仕組みまで全部かかってくることになるので、そこまで含めてかなり重い仕組みになる可能性があると思います。そこも考え直すという考え方があるかと思いますけれども、そうすると制度自体をかなり大がかりに見直さなくてはいけなくなると思います。
 それを考えると、どちらかというと、記録の訂正というほうでいったほうが簡便に制度が組めるのではないか。特に国民年金のほうの仕組みも変えなくてはいけないということになると、考え方自体を変えることになりますので、それは難しいだろうと。厚生年金と国民年金とで制度を変えることも考えられますが、これも非常にわかりにくいですね。それを考えると、ここで言われている軽いほうの制度で統一的に考えるほうがわかりやすい制度ができると思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。大橋委員、どうぞ。

○大橋委員
 私も、今、山本委員がおっしゃった点が非常に気になっておりまして、重い手続という意味では、既存の年金制度に適した不服申立制度という社会保険審査官、社会保険審査会というので構築されておりまして、こちらのあり方に触れるような仕組みをつくるとなると、まさに年金制度全体のあり方の根本について考えを改めなければいけなくなってくることにもつながり得るということで、既存の審査官、審査会制度に正面から触れないような形での何か国民にとって使いやすい制度をつくったほうが国民にとっても使いやすい制度になり得ると思いますし、法制的にも整理しやすいのかなという気がします。
 そのときには、多分どちらかというと、参考になり得る制度としては、既存の行政機関個人情報保護法に基づく訂正請求の制度のあり方の年金バージョンという感じになってくるのかなという気がしますので、いわゆる軽い手続のあり方を考えるに当たっては、そことどう差異をつけていくのか。どう年金としての特殊性を前面に出していくのか、その辺に着目しながら議論をしていけるといいのかなというふうに思っていたところでございます。

○岩村委員長
 ありがとうございます。実はもう一つのここでの論点としては、4ページのもう一つ、上の「○」のところで、厚生労働大臣対して直接請求するというところも論点になっていています。

○事務局
 この4ページの1つ目の「○」の「直接」というところで一応論点として挙げている事務局の意図といたしましては、特にこれは厚生年金においてなんですが、事業主を通じて種々の手続なり、行政処分なりをやっているというのが厚生年金の趣旨でもあるので、ここで言っている「直接」というのは、事業主さんを間に挟むという形でなくて、直接厚生労働大臣への請求ということも考えたらどうでしょうかという、そういう意図を持って論点として立てております。

○岩村委員長
 厚生年金について、事業主を通すのではなくて、被保険者から直接と、そういう意味だということで理解していただいてということだと思いますが、そこはいかがでしょうか。事業主を通してというと、既にそれ自体がいろいろ問題を起こしているということは、前回の諸星委員の御報告でもあったところですので、多分、被保険者は事業主を通さずにというところは、大体皆さんそのほうがいいというふうに思っていらっしゃるのかなというように思います。
 私自身が1つ、そこで懸念を持っているのは、この直接の問題と余り関係ないのですけれども、先ほどちょっと諸星委員が触れた時効の問題と関係するのですが、現実問題として、多分在職中に訂正なり確認の請求をしてくるというのは、現実には被保険者個人としても難しいのではないかという気がしていて、例えば私がしょっちゅう携わっている労使紛争なんていうのは、みんな辞めてから申立てくるので、そうだとすると、ある程度年月がたってから、実はというので申立てくるという可能性があるので、今の総務省のあっせんだとそこは多分飛び越えて職権で変えちゃうという形でやっている部分があると思うんです。そこはいかがなのか。事務局の考えとしては、そこのところはおありなのかどうかなんですけれども、どうでしょうか。もしあればお願いしますが。

○事務局
 事務局でございます。確かに、今、委員長おっしゃられたように、在職中のときだけではなくて、実際問題は退職されている、場合によっては前の会社が倒産されているという状態なども想定し得るというふうに思っております。そういった点から考えても、事務局といたしましては、事業主等を通じての手続きの構築というのは、これまでの御指摘なども踏まえるとなかなか難しい面はあるのかという印象は現時点持っているところでございます。

○岩村委員長
 ありがとうございます。また、後で返ってきていただいて結構ですが、次に6ページまで。

○政策企画官
 済みません、最後に一言。

○岩村委員長
 どうぞ、済みません。

○政策企画官
 ありがとうございました。資料4ページ目と5ページ目について御意見いただきましたので、事務局のほうで資料を用意して、また御相談をさせていただきたいと思います。より簡便でより迅速なというとで、鈴木委員からもちょっとお話がございましたけれども、できるだけ私どもも手軽にというふうに考えておりますが、仮に重い、非常にかたいものにすると、一度行政処分という形でおりてしまっていますので、それを変えるということについて、どこまで簡単にできるかといった点も大きな論点としてあるのかと思いますので、そういった点なども含めました、ただいま委員の皆様方もほかにもいろいろ御意見いただきましたので、整理をして、また御相談をさせていただきたいと思います。

○岩村委員長
 よろしくお願いいたします。それでは、済みません、時間の関係もありますので、6ページに進ませていただきたいと思います。こちらは確認訂正手続きの対象範囲ということでございます。どの範囲までを確認訂正手続き、重いのにせよ、軽いのにせよ、先ほどの表現で言えば。どの範囲までなのかということでございます。何か御意見あるいは御質問などがあればと思いますが、今、総務省の第三者のあっせんでは、実際にはどうなっているんですか。よろしくお願いします。

○政策企画官
 事務局でございます。第三者委員会のあっせんで、限定的に年金記録だけですよというような取り決めがあるわけではないですが、大半、もしかしたら鈴木委員から補足があるかもしれませんが、ここの線に引いてあるような給付の額の決定されるようなものが大半だというふうに聞いております。

○岩村委員長
 鈴木委員、いかがですか。

○鈴木委員
 実際には資格の取得、得喪、種別の変更、納付状況、線が引っ張ってあるところを判断していて、そのほかの部分については何か訂正とかあっせんとかしたのは、私は拝見したことはないですね。

○岩村委員長
 どうぞ、諸星委員。

○諸星委員
 実務上も、今、おっしゃってくださった、そのほかの訂正については、変更届を実際出していて、皆さんが名前が違っていますよとか、読み仮名が違っていますよという、そういうものは本当に変更の手続きだけで窓口でできますので、私はこのままでいいかと思います。

○岩村委員長
 何かお気づきのことがあれば、後ほど個別にでも結構ですので、事務局のほうにお寄せいただければと思います。
 それでは、次に7ページ目に行きまして、今度は項目が変わりまして、大きくな項目として「国民の立場に立った調査審議」ということになります。まず最初の論点としては、個人情報の確認訂正に当たって必要な証拠収集を行う主体ということでございます。そこにありますように、行政機関等が国民の立場に立った調査を行うとするか。その場合に、調査の対象範囲や法的位置づけをどうするかということでございます。先ほど資料の説明ということで、これについても事務局から説明があったところでございます。
 論点としては、下の2つの「○」ということでございまして、一定程度は行政機関のほうが収集する。その具体的範囲は第三者委員会における調査範囲を参考とするかということと、法的な根拠というのをどうするのかというのが2番目の問題として挙がっております。御意見あるいは御質問などがありましたら、お願いをいたします。
 余り委員長が誘導するのもよくないんですが、1番目の「○」は、皆さん余り異存がないのかなという気はいたしますが、今やっているよりも狭くするというと、なぜというのを説明しなくてはいけなくて、なかなか説明が難しいだろうという気は直感的にはいたします。
 難問は2番目の「○」かと思っているんですが、今は法令上の根拠なく、あっせんという非常にやわらかい手続きでやっていて、いわば相手方の任意に基づいて調査をしているということなんですが、仮に今度は年金制度の中に、この仕組みをどういうふうにするのであれ取り込むということになると、調査の問題を何も法律に書かないというのは、これまた直感的には非常に難しいような気もするんですが、どうぞ、事務局、お願いいたします。

○政策企画官
 例えばどんな形で規定を設けることができるのか、御説明がしたほうが御議論が進むかもしれません。

○岩村委員長
 当然のことながら、今の厚生年金保険法の中にも、行政当局の調査権限の規定がありますし、他の社会保険法令その他においても存在するわけですので、イメージとして、何かそういったものをお示しいただければと思います。

○政策企画官
 これでとかということではないんですが、例えばの案として、行政機関の側で、さまざまな関係機関、関係者などに対して報告を求めたり、質問をすることができるというような規定を1つ置くというのが、いろんな法制を調べた限り、こういう規定は置けるのではないかと思っております。

○岩村委員長
 あともう一つは、特に社会保険関係のものだと、行政調査の権限の裏づけとして制裁がくっついていたりするので、それとの兼ね合いというのも当然あるということだと思います。制裁がついてなければすべて任意に期待することになるということだと思います。大橋委員、お願いします。

○大橋委員
 私、本当に年金制度については素人なので、余り的確でないかもしれないんですけれども、今、調査の権限付与に当たって、一定の制裁とかも裏表の関係で、もしついたりするということだと、調査対象者に対して一定の負担を課したりするという話にもなってきます。前回、私、欠席させていただいて、委員の先生方の御報告を直接伺うことできてないんですけれども、現在の年金記録第三者委員会による調査というのは相当丁寧にやられているというお話を伺っております。調査対象者に対して一定の負担を課すということも考えると、さらに第三者委員会の制度というのが緊急避難的制度だったということであれば、必ずしも調査対象範囲を現行の第三者委員会の調査範囲と同じにする必要はあるのかどうかというのが若干気になります。それも恒常的な制度とする場合には運営コストのことを考慮しなければいけないので、従来の制度は緊急避難的な制度なので、コスト度外視というか、そういった制度設計になっていたと思うんですけれども、持続できる制度ですか、余り受けがいいかどうかわからないんですけれども、若干そのまま今の範囲を持続すべきなのかどうかについては、調査のあり方を踏まえながら、今はそのままを引き継ぐというのを所与の条件とする必要が必ずしもないのかと思ったんですけれども。

○岩村委員長
 ありがとうございます。そういうお考えもあるだろうというふうには思います。多分難しいのは、国民年金のほうよりも、例えば厚生年金を考えてみますと、先ほど話題にのぼりましたけれども、会社そのものがつぶれちゃってなくなっているというふうになると、書類がないということになってしまって、そのときに何をもって調べるかという問題が起きてしまうんですね。したがって、従来の多分、この前、鈴木委員の御説明ありましたけれども、第三者委員会のほうでは同僚とかそういった人たちも含めて、書類でなくても口頭で陳述がとれればという形で調査をしていたということだと思うんですね。書類が残っているような状態であれば余り問題はないんですが、結局、時間がたっているとか、会社がつぶれているとか、何のかんのでもって、そもそも書類すら存在しないケースが出てきてしまうので、多分第三者委員会のほうも非常に広く、ケース・バイ・ケースで調査の対象者を選定するなりしていたのではないかと思っています。

○大橋委員
 ありがとうございました。

○岩村委員長
 山本委員、どうぞ。

○山本委員
 1つは、既にこれは前提なのかもしれませんけれども、行政庁が十分な調査を行った上で決定をするということを明確にする必要があるだろう。個人情報保護法の場合には必ずしもそういうふうにはなっておらず、基本的にはむしろ自分の情報なんだから、自分でいろいろ資料を出しなさいというのが基本的な考え方であるので、そうではないと。それから、次の8ページとも少しかかわるのですけれども、判断基準よりは、むしろ調査をきちんと行うことがまさに重要なわけで、調査をやれば、どちらかということがわからないケースは非常に減るだろうと思いますので、調査を十分した上で決定をするということは明らかにしておく必要があるだろうと思います。
 その上で、法的な権限については、実態の問題ともかかわってくると思います。調査の範囲・対象の問題もありますし、先ほどもお話がありましたけれども、報告を求めるぐらいなのか、さらにもっと強いところまで調査権限を持たせるのか、あるいは罰則をつけるのか、その辺は確かに慎重に分けて考える必要があるかと思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。分けるとすると、例えば厚生年金保険であれば、もとの事業主で現に存在しているというのであれば調査について義務を課して、応じなければ制裁をかけることも考えられるだろうという気がしますが、自治会の役員とか、その人に応じないと制裁をかけるというのはこれは無理な話でとか、当然そういう差は存在するのだと思いますし、官公庁であれば、これは、ものとする規定かなんかを置いておけばそれでいいだろうというようなことかなと思います。ほかにいかがでしょうか。
 それでは、次に行きまして、今度は2の「国民の立場に立った調査審議」の次の(2)ということで、調査審議に必要な判断基準についてどう考えるのかということです。これも先ほど御説明がありましたとおりで、第三者委員会のほうは、「明らかに不合理ではなく、一応確からしいこと」、そういう基準で調査審議をしているということですけれども、もし新しい制度を考えると、年金制度の中にビルトインするというようなことをもし考えるとしたときに、その場合にどうしましょうかということだと思います。
 基本は、今、山本委員がおっしゃっていただいたように、行政機関のほうがきちんと調べるということであるということだと思いますが、一番厄介なのは、調べてみたけれども、どちらかわからないときがどうなのか。レアケースだとは思いますが、ぎりぎり詰めていくと、正直わかりませんというケースというのがあると思うので、そのときにわかりませんということだったら、ないというほうに行くのか、わかりませんというのでもやはりあるというほうに持っていくのか、そういう話とも関係しますが、その辺のところはどうでしょうかということだと思います。どうぞ、諸星委員。

○諸星委員
 第三者委員会、鈴木委員がお入りになっていらっしゃいましたけれども、私、後で出てくる社会保険審査会の委員を3年やっていまして、ちょうど審査委員になったのが平成20年なんですね。その当時は、19年の特例法の後でしたので、結構あっせんの事案がたくさん出てきていました。その内容を見ますと、非常にきめ細やかに調べていただいて、先ほどの参考資料1がございますけれども、これに合わせていろいろ細かいことを決めていただいて、資料がそろっていました。もちろん御本人側から出していただくのが大前提ではありますが、先ほど山本委員がおっしゃったようにこちら側も調査をすることが大前提だと思います。
 その中で見ていて、今回ここの8ページにございますように、「明らかに不合理ではなく、一応確からしいこと」ということというのは審査会の中では非常にあいまいな基準に見ていまして、当初は非常によく整理をされて、なるほどな、これはそうだね、というケースだったものが、だんだん先ほど委員長がおっしゃったように証拠の見つからない事案も結構出てきたことがありました。その後にも国民の声とかいろんなことがあって、不確かではあるけれども、ここは見てあげようという事案も出てきていて、逆に次に事業主からの不服が非常に増えてきたという結果が出てきておりました。もし、これからこういうものを整理するのであれば、第三者委員会の流れの仕組みをつくるにしても、ここのあたりの基準、そういったものはさらに明確にしなければいけないのではないかという印象もございます。
 それと、私が実際現場の社労士として戻ったときに、この記録はおかしいといったときに、よく確認すると皆様勘違いしていたりとか、思い違いしているとか、そういった事例も多々あったんですね。ですから、御本人の申立てはもちろん酌むのだけれども、ここをもし認めるのだったら証拠、それぞれ御本人の証拠、そして行政側が証拠を確認して、それがマッチングしたものを認めるというふうに整理をしていかないと、これは大変な問題になるかなと思っています。もし、それでどうしても不服があれば、流れがどうなるかわかりませんけれども、訴訟とか、そういったものに行くということが私はいいのかなと思っております。
以上です。

○岩村委員長
 ありがとうございます。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 要するにどうしても証拠が見つからないというケースが、あるか、ないかわからないという状態の事案というのを私は経験したことがなかったので、特に厚生年金の場合には、勤めていたから厚生年金に入ったわけではなく、そこに幾ら給料をもらっていて、そこから保険料、要するに厚生年金保険料として控除されていたというところまで認められないといけないのですけれども、それが、また引いていたか、引いてないかわからない場合には、引いていたというふうに認定するほうにはいかないのではないか、幾ら疎明であっても。これは保険料が幾ら引かれていたのか、引かれてなかったのか、どちらにも解釈できる事案というのが、私もイメージがちょっとできなかったので、どうするかということに対して答えが見出せないのですけれども、私がやっていた中では、証拠が見つからない事案というのは証拠がほとんどない、全くない。もしくははっきりとしたマイナスの証拠があるという事案が割と多かったです。ぎりぎりの事案、要するに保険料を控除されていたのか、されてないのかというぎりぎりの事案はまずなくて、お給料が振り込まれているのだけれども、どうも端数のもとの給料から逆算すると、保険料とマッチングしないので、どうも難しいねという事案は確かにありました。でも何が引かれているか、まずわからないわけです。厚生年金保険料だけ引いているというわけではなくて、雇用保険なのか、源泉徴収税なのか、厚生年金なのか、それともほかのものなのか、引かれているのかというのが定かでないという事案はあったのですが、それを、これは厚生年金保険料ですというふうに認めるにしては金額が違い過ぎるということはあったんです。それはマイナスのほうに評価するというふうにしていましたので、こういうケースがイメージできないのですが、具体的にどんな事案がぎりぎりだったのか、ちょっと教えていただければと思います。諸星先生に。

○岩村委員長
 守秘義務にかからない範囲で。

○鈴木委員
 大ざっぱで構わないです。

○諸星委員
 基本的には証拠がないという感じなんですね。社労士の立場としては雇用保険の履歴がどうだったとか、いろんな調査をされていて、確かに雇用保険も入っているし、あと同僚の意見もほぼ一緒だしというものについてはやはり認めるべきと思いますが、中にはどう見てもほとんど証拠がないんだけれども、御本人が言っている内容も短い時間の勤務、要は社会保険とか厚生年金に入れるような働き方をしてなかったのではないかと思えるようなものもあるんですね。そういった場合も、一応同僚の証言があって、一緒にやっていたよということだけで認めてしまって、通常時間を働いていたという何も証拠がないんですね。そうすると事業主が納得できない、それは違うと。でも事業主側にも資料がないんですね。何にもないんですよ。何もないんだけれども、御本人のそういったことを酌み取ってやりましょうということの事案が幾つかあったかなと。
 そうすると、事業主さんに過去の保険料を請求されますから、それに対しての不服が非常に多かったということでございます。

○岩村委員長
 ありがとうございます。非常にぎりぎり考えていくと迷路に入るのですが、今、伺った限りでは、結局のところ、最終的に記録を訂正するような、証拠がなければ、これは訂正できませんねというのが今までの第三者委員会での実務なのかという印象を持ちました。山本委員、どうぞ。

○山本委員
 私も正面から、何も証拠がなくてよくわからないというときに、訂正をすべきであるというのは理屈を立てるのがなかなか難しいだろうと思います。ただ、行政が記録を十分残していなかったというような状況であるとすると、本来、残すべき記録を残さなかったという、いわば義務・責任違反があることから、特別に考える余地があるかと思いますが、仮に今後は十分いろいろな記録を確実に保存しておく、それから、被保険者にも頻繁にいろいろ注意を促していくというような体制ができたという前提であれば、証拠がないときに訂正をするというような方針をとらなくてもよろしいのではないかと思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。
それでは、もしよろしければ、次のページの9ページでございまして、調査審議のあり方ということで、民間有識者の会議による審議を経た仕組みにするかどうかということをどう考えるかということです。先ほど来、話題になっているように、現在は総務省のところで第三者委員会というのがあるということなので、それを仮に今度は年金制度のほうでビルトインするとしたときに、民間有識者の会議による審議というものをかませるかどうかということでございます。ここについてはいかがでございましょうか。
 一般論として、むしろ行政法の先生に伺ったほうがいいのかもしれませんが、行政が一定の判断を下す際に当たって、政策的な決定ではなく、一定の法的な意味を持った決定をするというようなときに、第三者の会議の判断をかませる必要があると。そう考える場合の理由というのが、どういうふうに普通説明されるのかというのが、もし可能であれば御説明いただけると考えるヒントにはなるかと思うんですけれども、いかがでしょうか。済みません、山本委員。

○山本委員
 いろいろあるとは思うのですけれども、専門知識が必要であるとか、あるいは利害関係者の意見を入れる必要があるとか、あるいはまた、行政庁が自分で全部判断したのでは信頼が置けない、例えば先ほどの個人情報保護・情報公開のケースなどは、行政庁が自分で判断をしただけであると、十分国民が信頼できる決定にならない、といった事情が考えられます。
 今回の場合を考えますと、前の【現状等】のところにもありますけれども、いきさつもあるところですので、決定に信頼性を持たせるという意味で、第三者機関を介在させる考え方が私は適切なのでないかと思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。大橋委員、どうぞ。

○大橋委員
 今、山本委員がおっしゃられましたけれども、第三者を関与させるということで、一番の目的は信頼性と判断の公正中立性を確保することだと思うんですね。例えば不服審査などについては、事案のまさに当事者である立法当事者が判断を下したのでは、もう片一方の当事者は納得しないであろうという、いわゆる裁判とは違う手続の手落ちの部分を第三者をかませることによって補っていくということが第三者の役割として求められていると思います。そういう意味では、今、山本委員がいきさつがあるということをちょっとおっしゃられましたけれども、この年金の記録に関しては、ある意味、当事者であるところだけの決定だとなかなか制度に対する信頼を広く得ていくことは難しいのかなという気がします。ここをぜひ利用したいと国民が思えるような制度にはなかなかなりにくいのかなという気がしますので、やはり第三者をかませる必要はあろうかなと思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか、池田委員、どうぞ。

○池田委員
 私もこの第三者制というのは大変大きいと思っていまして、国民の立場にいて、ここでも書いていただいているのですけれども、そういった形としてきちんと示すということがとても大事ではないかと思います。例えば東京の23区など、区の決定への苦情を審議する苦情審査会などで、私も委員をやらせていただいているのですが、第三者の会議体にしていることで、内部職員だけでやっているのではない、有識者による中立性・公平性・公正性を維持しているのだという形にしていくというのがとても大事で、1つの担保になると思っています。

○岩村委員長
 ありがとうございます。各委員おっしゃること、私ももっともだと思いますし、とりわけ公的年金制度の関係で言うと、いかに信頼を回復・確保するかというのが非常に重要な政策課題だと私も思っていまして、その点でも、制度設計を考える際には、そういう信頼性を確保・回復するのに、逆方向に行くような制度設計にするのはまずいだろうというふうには思うところです。
 ありがとうございます。ほかに特になければ、次に3番目の大きな検討課題、論点ということで、「司法手続きへの移行も考慮した確認訂正手続き」ということでございます。1つ目、(1)としては、確認訂正の処分性を持たせるかということが挙がっています。具体的な論点としては、要するに当事者、申立てした人が必ずしも満足が得られないような結果になったときに、不服申立てをどう考えるかということで、その前提としては、ここでは行政庁の回答に対して処分性を認めて不服申立て等が可能になるようにするかという形での論点が提示されているところであります。これについて、御意見、御質問があればお願いしたいと思います。
 実は、11ページの(2)の論点もまとめてやってしまったほうが多分話が早いので、ばらばらにやっても余り意味がないと思いますので、2つまとめてと思います。仮に処分とした場合の不服申立てをどうするかということではありますが、不服申立ての申立先をどこに持っていくかということで、現在ある社会保険審査官あるいは審査会というふうに持っていくのか、あるいはもう一つ別建ての不服申立てというものを考えるのかというのもあわせてということになります。処分性を持たせればどうするかという話と、処分性を持たせるかどうかということとの関係だと思います。先ほど事務局から説明がありましたように、そもそも不服申立てかませないで、最初から裁判所へ持って行ってしまえというのももう一つ、考え方としてはあると思います。
 それでは、済みません、諸星委員、お願いします。

○諸星委員
 まさに私がおりました社会保険審査会なのですが、実は社会保険審査会、今6人でして、委員長が1人で5名が委員なんですね。この6人体制になったのが、ちょうど国民年金が36年の4月からですから、35年の11月に6名体制になりました。その当時と比べて、やはり消えた年金の問題もありましたし、非常に審査会、審査官に対する不服申請の件数が、ある意味、うなぎのぼりといいますか、とても6人の体制ではこなしきれない数となっています。逆に言うと、国民の利便性ということを考えたら、審査官の決定、審査会の裁決に至るまで、3か月で出せればいいんですけれども、まず無理です。3か月以内に裁決が出なければ裁判に移行するという形になっているのですけれども、実際は私がいたころでも、案件によっては1年、1年半かかるような事案がありまして、例えば先ほどのように証拠が何もないといったところで調べて、例えば御本人から来ました、あるいは保険者のほうに確認してくださいとした場合にはかなり時間かかるわけですね。
 これだけの件数で6名の体制で、一応厚生労働省のホームページからが出してきましたが、19年の問題になる前で今から約10年前で、受付件数が504件です。ところが昨年度、それが1,974件、実に約4倍なんですね。これを今までと同じような6人の体制で、すべて案件を見て、しかも審査会は、多分御存じの方もいらっしゃいますけれども、週2回の審理が開催されるのですけれども、国年と厚生年金とそれぞれ分けて行います。審理では不服を申し立てる請求人も出席ができて、いわゆる裁判みたいな形となっており、その後には裁決までを書かなければいけない。
 そういったことを考えたら、先ほどの最初の重い、軽いという言い方は語弊があると思いますけれども、処分性を持たせるにしても、やはり審査官、審査会を通すようなやり方ではない方法を考えていただかないと無理ではないかと思います。あるいは審査会の委員の数を例えば倍にするとか、そのくらいの予算を組んで、社会保険審査官、審査会法も変えて頂く。法律まで変えて、予算を組んでいただくなら納得もできますけれども、今の現状ではとてもそれができないということですので、実際は標準報酬の決定も、資格確認と同時にやっていますから、その範囲の中で、それ以外のものについて、明らかに訂正が職権でできるというものまでについて、こちらに上げる必要はないのかというふうに思っております。
 以上でございます。


○岩村委員長
 ありがとうございます。もう一つの論点としては、先ほど第三者委員会をかませるという話がありましたが、仮に処分性を与えて不服申立てをすると。社会保険審査官、審査会ルートではなくて、別ルートを考えるということになったときに、不服申立てのところにももう一回、第三者委員会をかませるのかという実は論点というのも存在するのですが、それはいかがでしょうかということ。あと、直接裁判に持っていっちゃえというのもあるのですが、山本委員、どうぞ。

○山本委員
 まず、処分性を持たせるという点ですけれども、論理的に考えれば、処分性を持たせずに裁判、訴訟を認める制度も考えられます。ただ、現在、もう既に個人情報保護法等でこういう仕組みができていますので、処分の仕組みのほうがわかりやすいであろうと。例えば処分だと認めても、新たに後からまた証拠が出てくれば、もう一回申請をして、また争うことも認めますということであれば、それほど問題ないのではないかと思います。
 後のほうの不服申立てとの関係で申しますと、第三者機関をあらかじめ介在させるとした場合に、もちろんもう一度、介在させることも考えられますけれども、ただ、同じ機関がもう一回決定手続に登場しても、余りそれによって信頼性は高まらないところがございますので、そこまでの必要はないのではないかと思います。
 さらに、不服申立てを必ず介在させないと訴訟に行けない仕組みにするかどうかということですけれども、今、一般的に、不服申立てを前置して必ずやらないと訴訟に行けないという制度に対しては、見直しの動きもありますので、新たにこれをつくるのはかなり難しいのではないか。特にあらかじめ第三者機関を介在させるとなると、もう一回、厚生労働大臣に持っていかなくてはいけないという理由もなかなか立たないと思いますので、もし考えるとすると、不服申立てももちろんできますけれども、やらなくても訴訟に持っていってよいということになるのではないかと思います。
 その後、社会保険審査会を不服審査機関にするかということですけれども、これですと現在の仕組み上は必ずここに持っていかないと訴訟に行けないということになりますし、それから、11ページの「※」のところにもありますように、もちろん重なるところはあると思うのですけれども、少し扱っている案件の種類も違うと思いますので、そうだとすると、現在の社会保険審査官、審査会の仕組みを通さないという考え方があるのではないかと思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。なかなか不服申立て前置にするというのは、今の行政法というか、総務省を中心にした一般的な議論の方向からするとなかなか難しいだろうというのは私もわかります。もともと行政不服審査法自体が、訴訟でも行けるし、不服申立てもできるという仕組みですし。

○山本委員
 もともと法律上はそれが原則なのですけれども、例外がかなりふえてしまっているということがあります。先ほど例に出された個人情報保護・情報公開法に関しても、現実には不服申立ての段階で審査会が入るので、そこを利用しようとする人が多いという意味では、実態として、かなりそちらのほうに行くのですけれども、そこを通さなくてはいけないという仕組みにはやはりなってないので、こうした制度との関係もあろうかと思います。

○岩村委員長
 ほかにこの点について御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
 事務局のほうで、今、ちょうど11ページまで行って、論点の大きないわば第1のパートのところをひとわたり御議論をいただいたのですけれども、何か追加的にもしできればお聞きしておきたいというようなことがあればと思うんですが、いかがでしょうか。よろしいですか。

○政策企画官
 はい。

○岩村委員長
 そうしますと、時間的には余りないので、きょう12ページ以下に本格的に入ることはできないと思いますが、何か次回、検討するに当たって、こういう資料を出してほしいということが、今、もしお気づきのものがあればおっしゃっていただければと思いますが、いかがでしょうか。首藤委員。

○首藤委員
 意見みたいな感じになってしまうのですけれども、きょう本当に法律的な議論勉強になりました。ありがとうございました。それで、今、大変厳しい時代になったなというのを改めて実は実感しておりまして、記録問題は国のほうの誤りもあって、あってはならないことが起きて、それでこういう制度をつくっていこうという話になっていると思うんですけれども、制度ですから厳格につくらなければいけないというのは当たり前のことだと思うんですが、第1回目のたしか報告でもありましたように、今後、年金個人情報の誤りというのは、厚生年金のほうに出てくるだろうと。事業主関係のことが多くなってくるだろうと言われていまして、私はサラリーマン問題でも非常に興味持って、かつて取材したこともありまして、個人、サラリーマン一人ひとり、当然のことでありますけれども、事業主に対して非常に弱い存在でありまして、なかなか物も言えないような状況にあるわけでありまして、そして、この記録年金情報の絡みで言いますと、いわゆるブラック企業とか言われる企業が出てきていまして、そういうところとの被保険者からすると闘いになるといったこともありまして、より弱い立場になってきているのが現状だろうと認識しておりまして、その意味では、もちろん制度は厳格につくらなければいけないんですけれども、そういう弱い立場の人のためにある制度というふうな位置づけもぜひ考慮していただいて、制度設計を考えていただいたほうがいいのではないかと、きょう議論を通じて感じました。
 以上でございます。

○岩村委員長
 ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。
 それでは、2番目の大きな論点について、今のところないということであれば、あと、また個別的に次回に向けて、こういう資料を用意していただきたいというようなことをぜひ事務局のほうにございましたら、お願いをしていただければと思います。そうすれば、次回の議論がより充実したものになるかと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、きょう予定していた議事は以上ということになりますので、これで本日の審議は終了させていただきたいと思います。
次回の専門委員会につきまして、事務局から連絡がございますでしょうか。

○事業企画課長
 本委員会の次回の開催につき、また追って連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○岩村委員長
 ありがとうございました。事務局のほうから、また次回については連絡があるということでございますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、本日の審議はここまでとさせていただきたいと思います。お忙しい中、皆様お集まりをいただき、また熱心に御議論いただきまして、大変ありがとうございました。


(了)


※(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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