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2013年5月30日 第2回年金個人情報の適正な管理のあり方に関する専門委員会議事録

○日時

平成25年5月30日(木)16:00~18:00


○場所

厚生労働省12階 専用第12会議室 
東京都千代田霞ヶ関1-2-2


○出席者

岩村委員長、池田委員、斎藤委員、首藤委員、鈴木委員、諸星委員

○議題

各委員からのご報告と関係者からのヒアリング

○議事

○岩村委員長
 それでは、出席を予定されている方が皆様おそろいということでございますので、ただいまから第2回「年金個人情報の適正な管理のあり方に関する専門委員会」を開催することにいたします。
 皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の委員の出欠状況でございますけれども、大橋委員、菊池委員、山本委員からそれぞれ御欠席という御連絡を頂戴しております。
 また、事務局からの出席者ですけれども、お手元にございます座席図のとおりということですので、紹介にかえさせていただきたいと思います。
 それでは、早速本日の議事に入りたいと思います。お手元の議事次第に沿って進めてまいります。
 では最初に、本日配付の資料についての確認をお願いしたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。

○事業企画課長
 事務局です。
 お手元の資料1から4まで、
 資料1:諸星委員報告資料
 資料2:首藤委員報告資料
 資料3:総務省説明資料
 資料4:鈴木委員報告資料
4つでございます。
 皆様、お手元にございますでしょうか。

○岩村委員長
 よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
 それでは、カメラのほうはここまでということにさせていただきたいと思います。

(カメラ退室)

○岩村委員長
 本日は、お手元の議事次第にありますように、内容といたしましては、各委員の皆様からの御報告と、関係者の方からのヒアリングということでございます。
 なお、質疑応答でございますけれども、これにつきましては、基本的には委員の皆様からの御報告がすべて終わった後に、まとめて行うということにさせていただきたいと思います。
 それでは、まず最初に諸星委員から、「事業主の届出等の現状について」ということで御報告をいただくことになっております。
 諸星委員、どうぞよろしくお願いをいたします。

○諸星委員
 トップバッターを仰せつけられましたけれども、お手元にあります資料のようにまとめさせていただきました。
 今回のまとめた内容は、私が経験した手続の現場、そして社会保険審査会で、あっせん後なお不服というものが来ている案件が多かったのですが、その中で見た届出誤り及び届出漏れということで、先日、第1回目のときの第三者委員会の報告とダブるところも多々あるのですが、現実的にこういうことが起きているということで一応御報告申し上げたいと思います。
 ただ一点、数字的根拠。私の扱ったケースの中でということなので、数字的に、例えば具体的に何件あったのかというのが全くわかりません。できれば今後議論を進める上で、日本年金機構のほうで多分窓口とか、あるいは調査の結果ですね。こういうものがあるという事実関係があると思いますので、もしそういうデータがあれば今後出していただければと思っております。
 それでは、早速中身に移らせていただきたいと思いますが、2ページ目の「事業主による被保険者に係る標準報酬月額の届出」、これについて若干御説明を申し上げたいと思います。
 まず、被保険者の報酬月額というのは、基本的に報酬、給料、賞与等の名称にかかわらず、労働の対象として受ける全てのものという法律上定めがされております。ですので、お給料というものがイコール標準報酬というものになるのですが、実はその額がそのままではなくて、御存じの方も多いかと思いますが、等級区分というのがございます。健康保険では1~47等級、厚生年金は1~30等級とありますが、この届出に関して、下にありますように大きく1から4までの4つの標準報酬の届出の義務が事業主にあるということになっております。
 まず1番目は、「被保険者の資格取得届に基づく」。具体的には、会社に入社したときに届出ます。大抵新入社員であれば、新卒の場合、20万とか21万とかあればその金額を出にプラス通勤手当で出します。後ほどこれはまた詳しく御説明をします。
 2番目には、4月、5月、6月の給与の平均額に基づく、いわゆる定時決定です。ちょうど今の時期ですけれども、7月にその報告を出さなければいけない。これは、その年の9月から翌年8月まで、保険料を決定するために届出るというものでございまして、これが届出の2番目にあります。
 そして3番目には、「毎月定額で支払われる手当等の大幅な増減があったとき」。具体的には、先ほど等級区分という御説明をしたのですが、これが2等級以上の差が出た場合に、例えば従前30万だった方が34万になると、今ここのお手元にはないのですが2等級の差が出てきます。そうしますと届出をしなければいけないという、この3番目の届出があります。
 そして最後、数字をちょっと間違えて申しわけありません、4です。賞与の支給が年3回まであったとき標準賞与額の届出があるということで、それぞれここのある条文に決められています。 これらについては、全て事業主が届出て、厚生労働大臣等の決定を受けて事業主へ通知をされます。そうしたら、本来ここの下にありますように、事業主から被保険者(社員)への通知をしなければいけないのですが、通知を出していない中小事業主が非常に多いということがあります。被保険者の資格のとき、つまり1番目のときは保険証が手元に来るので、自分は健康保険に入ったな、ただ、保険料は幾らというのはわかりません。
 それから、2番目の算定に決定があった場合について、保険料がこう変わりますよという通知も本来しなければいけないのですが、中小企業ではそこまで通知をしていないというのが現状でございます。
 次に3ページ以降が、今の4つの大きな流れそれぞれの具体的な事例と、多分要因として考えられるものはこういうものではないかということをまとめたものです。
 まず、3ページ目の「資格取得時について」は、実例としてはやはり標準報酬月額。先ほど労働の対価として支払われる額ですよということを言ってありますが、通勤手当を労働の対価とみなさないというような間違った認識があって、社会保険上は入れなければいけないのですけれども、労働保険も同じですが、その範囲を間違えられて通勤手当を未参入してしまう。
 それから、残業手当のみなし額の未参入。具体的に言うと、入社の届出の際に、本来入社する会社の同じような部署に残業が恒常的にありますよと言ったら、みなしの残業を入れてくださいという形になっているのです。ところが、残業は、まだ入ったばかりではわからない、させないよねということで入れていない場合もあります。
 通勤手当の要因としては、先ほど御説明したように通勤手当の項目を賃金台帳、あと給与明細を不記載ということが実はあるのです。給与明細の中に、本来は非課税項目ということで通勤手当を入れなければいけないのですが、中小企業の中には賃金明細の中に通勤手当を入れないで、後で現実実費払いみたいな形をとってしまっているうとか、帳簿上、通勤手当を別項目にして立てているといった場合、ついつい届出について漏れてしまうということが散見されました。
 先ほどの残業手当のみなし額で言えば、実際に残業が入社した後意外と多かったといってもそのままとであることが多い。実は残業などが多かった場合、標準報酬の最初の届出を、余りにも上がった場合などは取得時訂正という形の届出ができるのです。ところが、そこまではやらない。でも御本人にとっては、これだけ給料が高くもらっていたはずなのに何でということが後でわかるときにおかしいではないかと、、こういった要因があると思います。
 2番目には「資格取得時期の間違い」ということで、本採用時に届出を行うという事例が非常に多いです。要因としては、右側にありますように、試用期間中は加入しなくてもいいと思っているところが多いということ。それと、中小企業はなかなか社員の定着がつかず、非常に短期間でやめてしまう。せっかく入っても次から次へとやめてしまったり、出たり入ったりが頻繁であり、ひどい場合は、入って数日のうちにやめてしまう。このように手続をして保険料をおさめてしまった後なのに、事業主さんには、まるで全く自分の会社に貢献がないのに保険料だけ取られたみたいな言い方をされる方もいらっしゃって、入社してもすぐ手続きはあいないといったものもございます。
 「意図的なもの?」というのは、私はあえて「意図的」とは余り言いたくないということで書いてありますけれども、もしかしたらわかっていて意図的なものもあるかもしれない。ただ、事業主さんにその話をしても、いや、知らなかった、わからなかったと言われてしまえばそれまででございますので、あくまでもそういった形で表現をさせていただいております。
 今の2番目の項目に関連するのものとして、資格取得時期を間違えると、被保険者期間にかかわって年金の加入年数とか受給資格の額にも影響するということで記載してあります。同じように実は意外と多いのが、被保険者資格が最初からないと誤解されているもので、試用期間だけではなくて、パート、アルバイトは入れなくていいんだよねというような感覚がやはり現場ではまだまだあるということです。パート、アルバイトさんも、例えば今ですと4分の3、大抵30時間以上ある方は入れなければいけないという認識が事業主さんにないことが多かったです。
 それから、資格喪失時における月末退職では翌日喪失という届出をしますので、その前の月までは丸々期間としてカウントできるのですが、例えば5月20日でやめてしまったら5月分の厚生年金の期間はカウントされないことになります。それを被保険者の方々が、自分は5月にやめたから5月まで期間があるのだと誤解をされてしまうことも非常に多いということでございます。
 次に4ページ目が、算定と月額変更届については同じような内容なので、一緒に御説明したいと思います。
 まず、算定届については、実例はここにございますように、先ほどお話した通勤手当や残業手当、それから、差引支給額の転記をしてしまうという場合が非常に多くありました。この要因としては何があるかと言いますと、まず中小企業では賃金台帳の未整備。実は賃金台帳は、労働基準法108条で賃金台帳を整備しなければいけないと決められています。ところが、所得税源泉徴収簿、これは源泉の徴収事務の便宜を図るために法律上つくられたものではないのですが、源泉徴収簿を賃金台帳のかわりにしている事業所さんが非常に多かったのです。そうすると、通勤手当はそこには明記されていますけれども、右側の差引支給額だけ入れ込んでしまうという間違いが実際ございました。
 あとは「意図的なもの?」と、先ほどと同じ趣旨で一応書いてございます。ですので、手取り額を書いてしまったものが算定届の中にはあったということです。
 月額変更届に関しては、そもそも月額変更届の提出を知らないということも多かったです。算定届は毎年提出を義務づけられていますので、例えば年金事務所から書類が送られてきます。そういったことで届出をしなければいけないのですが、月額変更届は事業主がみずから届出をしなければいけないということになりますので、その届出がされていなかったということです。
 それと、やはり中小企業では頻繁にお給料を変動させている場合があるのです。ある月はこの方についてはこの金額だけれども、翌月、余り実績がないからといって定額賃金を下げてしまったり、急に上げてしまったり。本来そういったものは、労基法から言うと不利益変更につながったりするのですが、そういった賃金の変動を容易にしてしまうことがあります。ですから、変動に合わせて正しい法律上に基づいた届出が必要なのですが、なかなか実際はできないということです。
 変動でいえば意外と多いのが住所変更です。社員が住所を変更して、通勤手当の変動を、先ほどから言っているように通勤手当を参入しませんから、変動の対象と考えていないということです。案外、通勤手当の変動で等級が変わる場合もございます。
 それから、定額の昇給額がすごく微増のとき。例えば、1,000円とか2,000円のときは対象とならないと思われていて、残業がたまたま多く、その昇給月から上がってしまった場合については、実際は月額変更の届出をしなければいけないときでもそういった届出がなされていないということがございます。要因としては、標準報酬月額の改定というのは非常に難しく、17日以上給与の支払いがなければいけないとか、先ほど言いましたように微増な低昇給額、あるいは降給でもあっても月額変更の届出が必要であるというものがなかなか理解されていない。
 それから、保険料が変更になる月について、誤った理解があるのです。先ほど、お給料の定額の変動をした場合に、月額変更届というのは3カ月待って届出をして、4カ月目に保険料が下がったり上がったりするのですが、それをお給料が上がった、下がった時点で即保険料を下げてしまう、先ほどの等級区分に合わせてしまうということで、社員はそういった知識もそもそもないことが多く、その時点ではそれが当然だと思ってしまっているということがあります。
 それから、保険料負担が定時決定の9月以外にふえることが、やはり事業主、被保険者ともに手取りが減るということで望まない傾向もあるのかなということが要因として考えられます。
 最後に、賞与支払時についてでございますが、実例としてはやはり標準賞与額という形になっておりますので、賞与の範囲の間違いをしていることがあるかと思います。一定額の未参入で、例えば標準賞与額と言いましたら、基本賞与のみだけ該当するのかなと思ってしまうわけです。先ほど、普通のお給料に関しては定時決定なり月額変更の決定において保険料が変わるのですが、賞与に関しては率で保険料が計算されます。その支給額に対して1,000分、今年の厚生年金であれば167.66を折半するという形ですが、この率は現在、毎年9月に保険料が上がっております。ですので、その率に合わせて保険料を控除するのですが、例えば7月に出したときと12月に出したとき、率が変わっていたりするのがうっかりして変わっていなかったりとか、いろいろそういった問題もございますけれども、正しい理解がされていないということがございます。
 それから、意外と多いのが賞与の届出の間違いです。賞与もやはり届出が必要なのですが、報酬額の桁間違いというものがございまして、この要因の右側を見ていただければわかるのですが、実は届出様式は千円未満は切り捨てになっております。そうしますと、仮に50万の賞与を払った場合、記載するのは千円未満切り捨てですので「500」と書くのです。それをうっかり「50」と書いてしまうという事例が結構あります。実数字の記載欄は賞与支給届のところにあるのですが、つい転記ミスをしてしまうというものも実際ございます。
 それから、例えば中小企業であれば1万円、2万円、5,000円、そういった少額のものに関して、そこまで本人から保険料を引くのは心もとないみたいな形で届出をしない場合もあるやに聞いております。あるいは、届出しなくてよかったと思っていたということもございます。
 それと、賞与の支払い届けに関しては大体年2回というものが多いのですけれども、毎年大抵出されるときであれば、算定と同じように書類が送られてきます。書類が送られてきますと届出を必ずしなければいけない。ゼロであっても届出をするという形なのですが、実は決算賞与などで、今年はすごく売り上げが良かった、従業員たちに還元しようといったときに、決算賞与を出すときにその届出が送られてくるわけではないので、ついつい届出をしていなかったということもございます。
 最後にあります「年金受給者に係る届出をしない」というのが、実際に年金をいただいている方々に関しては前年度、具体的には直近1年間の賞与の額に応じて、年金の支給停止額が変わるのです。前年に、例えばたまたま賞与が多かった場合、自分がもらえる年金の支給停止がふえてしまう、要はもらう年金額が少なくなってしまう。そういったこともありまして、できれば届出はしてほしくないと本人からの要請もあったり、あるいは、もう年金をもらっている方はいいだろう、引く必要もないだろうということで出さないという事例も多々ありました。
 最後に、今までの事例は、概ね第三者委員会の内容ともかぶるかと思いますけれども、今までの事例から見て私の提案としてということでございますが、法律・政省令において、先日、確認請求というのは資格取得だけが実際法律上あると。標準報酬月額に係る確認請求など、標準報酬月額がそのまま確認請求として位置づけていいのかどうかというのはまたちょっと別なのですけれども、被保険者側から少なくとも何か言える仕組みをつくることが必要でないかと思い記載してございます。
 平成19年7月にできた時効特例法がございますが、その条文の中には、資格取得と喪失、標準報酬月額、標準賞与額の改定もしくは決定についてもあっせんという形で明記されています。それらをまとめて「確認等」という括りをされているのですけれども、こういったものもありますので、何らかの根拠が必要になるのではないかと考えております。
 次に、二次的には「事業主に対する周知・指導方法の見直し」ということなのですが、従来からいろいろと調査とかやっていらっしゃると思います。ただ、従来の方法では、先日ありましたように7,000件の厚生年金の事案でもあるということもあり、改善されないのではないかと私は思っております。
 具体的には、被保険者期間や標準報酬月額、標準賞与額が将来の年金額や受給する権利を侵害するという視点で指導を行うべきでないかと思います。といいますのは、調査とかそういうもののときによく中小企業さんがおっしゃるのですけれども、年金機構さんも含め、皆さん「法律で決まっているから」という言い方で指導をされるそうなのです。それはもうわかっているのです。わかっているのだけれども、法律で決まっているからではなくて、やはりこういう侵害をすることに関して、将来、従業員にとって不利、あるいは時効特例法の中では、会社が存続しないところであっても役員に対して後まで追いかけるという規定もございますので将来的にリスクがあるかもしれないという視点で御指導していただくべきではないかと思っております。
 それと、身内だからではないのですが、社会保険手続の唯一専門国家資格を持つ社会保険労務士の活用をして頂ければと。、現在も委託を受けた年金相談センターでFace to Face、やはり面と向かってお話し、しっかり御説明をする、そういったこともやることが必要ではないか。
 それと、中小企業でも今、結構社会保険労務士がおりますので、顧問先についてはそういう御指導もさせていただいていますが、社会保険労務士が関与していない事業主に対する周知及び協力を求めて正しい届出を広げるということで、例えば周知月間やそういう相談窓口を設ける等をされたほうがいいのかなと思います。
 なぜかと言いますと、実は中小企業は社会保険労務士への認知度が非常にまだ低くて、それほど関与できていないところもあります。そうすると、実際は、先ほど源泉簿のお話をいたしましたが、会計事務所や税理士事務所さんがサービスの一環としてどうも従来届出をしていたケースがありまして、中には正しく出されている方もいらっしゃれば、ちょっと誤った認識で出されている場合もございましたので、やはりそういったことをよくわかっている士業をぜひ使って周知を広げていただきたいと思っております。
 被保険者に対する教育・周知方法の見直しとしては、実給与額と標準報酬月額、等級区分があるということなど実際の額とは異なっているということも含め知らず、皆さん大体被保険者の方に聞きますと、給料明細をもらってこんなに引かれるのだとわかったとかいうことをおっしゃいまして、社会保険料が控除されることの中身はこういうことなのだということを、正しい理解は事業主だけに対してだけではなく被保険者側に対しても、理解をしてもらうべきだと思います。
 標準報酬月額は将来の年金額に影響することを理解していただくことが必要だと思いますが、実は、被保険者側は今の手取り額が減るのが嫌だ、今の生活が大事だという方が多いのですけれども、これを進めていく上ではその両方の視点を持って、「法律だから」ではなく、それぞれの立場に応じての御説明をしたほうがいいのではないかと思いました。
 以上、私からの報告でございました。ありがとうございました。

○岩村委員長
 諸星委員、ありがとうございました。ほとんど時間ぴったりでやっていただいて大変ありがとうございます。
 それでは、次に首藤委員から「年金個人情報の活用の推進について」ということで御報告をいただくことになっております。
 首藤委員、それでは、よろしくお願いいたします。

○首藤委員
 首藤でございます。
 順次、資料に従って御報告しますけれども、狙いとしては、私、第1回目で申し上げましたように、この年金個人情報の開示制度はあってはならない記録問題が発端となっておりますから、誤りがあった場合に、どういうふうに迅速に誤りを訂正するのかが大事であることは重々承知しておりますけれども、その誤りの反対側には、6千万人以上の誤りがないと見られる年金記録が積み重ねられた人々がいるわけでありまして、せっかくこういう個人の年金情報を開示していくに当たりましては、その圧倒的多数派の6千万人以上の人にも、この年金個人情報を十分、利用、活用していく方策を考えていくべきではなかろうか。幸いと申しましょうか、記録問題が新たな発生という面では落ちついてきている中、まさにそういう視点も必要ではないかと思いまして、その視点で、主に「ねんきん定期便」と「ねんきんネット」になるかと思いますが、それについての私の思っているところを述べていきたいと思います。
 いわば一般人の目線でこの年金開示制度がどう見えるか、あるいは、こうすればもっと一般の人にわかりやすくなるのではないかと思うことがございますので、そういう視点で御報告申し上げていきたいと思います。
 まず1点目、これまでの状況なのですが、概要とかポイントは、第1回目に事務局が出した資料がありますのでそれを参照していただくとして、「ねんきん定期便」で言いますと、5年目に入っておりまして、制度の変遷をちょっと確認しておきたいと思います。
 初年度、最初は物すごく大変なことが起きたということで、こういうA4の封筒、これはちょっと使い回してしまってぼろぼろになっていますけれども、A4の封筒になってそれぞれの家庭に送られてまいりました。2年目と3年目は、こういう横長の封筒にA4が3つ折りにされる形で届きました。昨年度からははがき形式に変わりまして、よくあるこういう剥がすタイプですね、こういう感じで来るように変わりました。制度の定着につれて簡素化する傾向にあるのではないかと思っております。
 費用も、第1回目で質問したのですが、こういうふうに減ってきております。長形3号の23年度の90億円と、はがきの初年度75億円、そんなに変わらないのはなぜなのだろうと思いましたけれども、とりあえず「ねんきんネット」と合わせる約90~100億くらいの予算でやっておられるようでございます。
 年々簡素化の傾向にはあるのですけれども、内容はほとんど変わっておりません。そこに書いたとおりでありまして、とりわけ一般の人の関心が深い年金額については、50歳未満と50歳以上と分かれておりまして、50歳未満については「これまでの加入実績に応じた年金額」、50歳以上については「老齢年金の見込み額」ということで、個人情報が開示されています。
 以上が定期便なのですけれども、「ねんきんネット」は23年度から始まった制度なのですが、当然でありますけれども、23年度の「ねんきん定期便」から「ねんきんネット」を利用してほしいという記述が目立つ形で記載されております。はがき方式に変わってからも、ほぼ一面を使って「ねんきんネット」へのアクセスを進めております。ネットの時代ですから当然だと思いますけれども、第1回目でも申し上げましたがそのわりには利用が余り進んでおりませんで、23年2月にサービス開始になって、そこに書いてあるような経過をたどりまして、昨年度末は166万件IDを発行している。毎月10万件のペースでふえていると年金機構の方がおっしゃっていましたけれども、それで計算しますと、1千万件突破まで7年かかる。半数になる3千万件まで23年、四半世紀ぐらいかかってしまう。ほぼ全員に普及するには、50年近い年月がかかる計算、あくまで計算ですけれどもなるわけでありまして、もうちょっとペースを早めたい。そのためにはどうすればいいのかというのが問題なのですけれども、そういうふうに、まだ利用率が「ねんきん定期便」送付件数に比較しますと2.5%になっておりまして、もう少しペースを早める方策を考えていくべきであろうと考えます。
 制度の変遷につれてちょっと変わる面があるのですが、そこで一般人からの目線で見ると若干不便になったような点がありまして、それが、次の改善が考えられないかというところに帰着しました。しかし、この解決策がなかなか難しくて、解決策を提言できるまでには至っていないのですけれども、まず一つ目は、はがきサイズに変わったときに、50歳未満の人に年金見込み額を試算していただくコーナーと言いますか、それがなくなりました。下に書いてあるのはたしか初年度の厚生年金の計算例なのですけれども、23年の定期便を見ますと、A4の一面を使いまして老齢基礎年金、老齢厚生年金、数字を入れれば将来もらえる金額がある程度わかるような式が載せられておりました。これがなくなると、例えば50歳未満の人は、これまでの加入実績に応じた年金額はわかるのですけれども、受給資格期間を満たしていない人は、非常にバーチャルな数字でありまして、またそれがどういう根拠で出てきているのかというのが、受け手側から見ると一切わからなくなってしまっています。この試算コーナーがあると、これまでの加入実績に応じた年金額と、今後のかかわり方、加入期間による金額の計算式が分かれておりまして、「ねんきん定期便」に載ってくる加入実績に応じた年金額の根拠を知ることができるとともに、自分の今後の条件を入れるとある程度ざっくりとしたもらえる年金額が試算できるようになっていまして、若い人は先のことなので余り計算しないと思うのですけれども、ある種40代以上のリタイア後の生活が気になる世代の人にとってみると、試算をする根拠というか、できなくなってしまってイメージが湧きにくくなっている状況にあるように思います。
 もちろん「ねんきんネット」に加入すれば、条件をどんどん入れていくと、ちょっと難しいというのもあるのですけれども年金見込み額が試算できるのですが、その「ねんきんネット」が、先ほど申し上げましたように余り利用されていない状況ですので、何とか40代の人に試算をできるヒントみたいなものを開示制度の中でできないものかなと思っているのですけれども、何しろはがきサイズ。宛先を除くと5面しかございませんので、どうすればいいのだろうと考えてしまいますが、「ねんきんネット」を半分にしてその上にやればいいのかななど、いや、そんなスペースでは足りないかなとかいろいろ考えたのですけれども、ちょっと糸口がわからないので改善策は書きませんでした。
 それともう一つ、「ねんきんネット」に絡むのですが、それまでは「ねんきん定期」に基礎年金番号がたしか書いてあったと思うのですけれども、「ねんきんネット」ができた23年度の「ねんきん定期便」からは、基礎年金番号が書かれておりません。そのかわりに12桁の照会番号が登場いたしました。
 「ねんきんネット」は、「ねんきん定期便」に書かれてくるアクセスキー、十何桁以上の長い数字と基礎年金番号があれば、年金機構のホームページから、それを打ち込めばすぐ利用できるようになると思いましたけれども、アクセスキーと年金番号が同じところに書いてありますと、たまさか人の「ねんきん定期便」を見たら誰でも入れてしまうとかいうのを多分避けたのではないかと思うのですが、そういうことで、「ねんきん定期便」だけでは「ねんきんネット」にすぐには加入できない体制になっています。
 基礎年金番号を覚えている人、メモしている人は多いのかもしれませんが、そんなに多くないと私は思っていますけれども、むしろ「ねんきんネット」を利用してほしいのは、基礎年金番号などをメモしていない人こそ「ねんきんネット」の利用をふやしていかなければならないはずでして、どういうふうにこの加入をふやしていくのかというところが、これも非常に個人情報の保護とかいろいろな問題が絡んできますのでなかなか解が見つけられないのですけれども、PR策を含めて、何とかもう少し「ねんきんネット」に入りやすい環境を整えられないかなと私からは見えております。
 そして次の「ここを変えれば、『もっと使える!』」という、日ごろ商業出版をやっておりますのでどうしてもこういう表現になってしまうのですけれども、少し変えれば、よりわかりやすい開示制度になりそうだなと私が今考えていることを2、3点書き込んでみました。
 まず1つ目は、50歳以上の老齢年金の見込み額が空欄の人には目立つような注意喚起をしてはどうか。加入記録が今の受給資格期間に達していない場合は、空欄になってちょぼちょぼちょぼというのが出てくるのですけれども、その下に今小さく、ここに表示されていない場合は300月に達していないので年金事務所に行ってくださいという注意書きがあるのですが、それが小さくてなかなか気づきにくい人が多いのではないかと思います。
 そこで、普通に年金制度にかかわっていれば、50を越えればここの欄が空白になるのは少ないと思いますので、記録の誤りのときにあった空白期間がありますとか、そういうある種警告みたいなものをもう少し目立つ形で出せたらいいのではないか。要するに、本人に気づきを与えることが大切なわけでありますから、その気づきを与えるきっかけを「ねんきん定期便」、はがきサイズでももう少し目立つ形でできないかと考えました。
 それと「ねんきんネット」の年金額試算コーナー。私も何回か利用して自分でやっているのですけれども、実際挑戦してみると、いろいろな条件を入力する場合に何回もスクロールして、パソコンの操作がかなり煩雑な気がします。特に、最初のなれないうちほどそう感じました。なれてくると、何回も条件を変えて私のほうでやってみるのですが、最初は本当、半ば途中でやめてしまいたいと思うこともありましたので、年金になじみがない人ほど、パソコン操作になれていない人ほどそう思いがちなわけでありまして、むしろここでもそういう人にこそ試算コーナーを使ってほしいと思うわけでして、そういう人に向けて何か、正確性を重視しているのが今の試算コーナーだと思うのですけれども、もうちょっとざっくりタイプという、簡易版と言いますか、そういうのができないのかなと、私から見るとそういうふうに見えます。
 そして3つ目は、標準報酬月額の記録。第1回目のときは加入したときから今までの記録が全部来ましたし、「ねんきんネット」ではいつも自分の記録を全部見ることができるのですけれども、私の視点で言いますと、これはもちろん月給そのものではないのですが、ニアイコール、月給に近いものだろうと捉えていまして、それが若いころからのものが一覧できる。入社してからの給与明細を全部持っている人はほどんどいないと思うのですが、かつて一人だけいらっしゃいました。銀行の元支店長だった人なのですが、それ以外の人は持っていません。ところが「ねんきんネット」を見ると自分の月給の歴史がある程度わかるわけでありまして、それを何とか、これはまさに年金とは全く関係のない世界ですけれども、自分とマネーのかかわりの中に生かせないかなということをいつも私は考えています。人の記録は見られないから、自分の記録を眺めているだけでは、ああ、懐かしいねというぐらいのことになってしまうのですけれども、そうではなくて、何か比べるべき対象があればまた見方が変わってくると思うのです。
 それで考えてみると、厚労省さんはモデル世帯の年金額を毎年出していらっしゃいますので、そのうちの厚生年金分の計算の仕方は知りませんけれども、仮に標準報酬月額を決めて再評価して、それを計算式に当てはめて計算しているのならば、その標準報酬月額の記録を出してもらうと大変役に立つという気がいたします。これは勝手なお願いですけれども、もし出せるものがあるのならば出していただければ、我々一般人にとっては参考になる情報になるような気がしております。
 では、どういうふうに個人年金情報を利用すればいいのか。私が一般の人に勧めているのは次の2点でありまして、全然年金に興味のない方については1つ目の、紙で見て、ついでにネットでも確認してねと。毎年誕生月に「ねんきん定期便」が届くわけですから、そこで自分の年金個人情報を確認する。年金見込み額がふえていますか、1年間の記録は間違いありませんねというのを確かめた上で、自分のパソコンでもう一回「ねんきんネット」にアクセスして、ネット上でも同じ情報なのですけれども、年金個人情報を確認する。こうすれば、年に1回は必ず年金個人情報に接することができるわけでありまして、いわゆる気づき。これも気づきなのですけれども、個人に対する気づきを与える必要がある。
 これは言ってみると、「ねんきんネット」の利用がふえるに越したことはないのですけれども、「ねんきんネット」は自分が入らないと、自分から取りにいかないと情報は取れませんから、やはり「ねんきん定期便」をある程度これからも続けていただいて、紙とネットの相乗効果と申しますか、そういうもので年金個人情報に親しめるような環境づくりを普通の人はやってくださいということを勧めています。
 もう一つ、50歳以上になると老齢年金の見込み額ということで、非常に超リアルな数字が出てまいりますので、そういう場合はぜひ御夫婦の年金額を合算して、60歳以上の世帯収入を計算してみてはどうですかというのをお勧めしています。この年金太郎さんというのは私がつくり上げた人なのですけれども、加給年金とか振替加算は定期便ではわかりませんが、基礎年金と厚生年金はそれぞれ時間差があると思います。その時間差を考慮に入れながら、60歳代のマネープランの基礎になるような資料が「ねんきん定期便」をもとにすれば簡単につくれてしまうので、ぜひ世帯の、夫婦の年金の形をつくってくださいというのを、私はいつも皆さんに申し上げています。
 そして最後のページなのですけれども、一般人の目線で見ますと、ぜひ年金個人情報を開示する側の人は「年金脳」を追放してほしいと私は思っております。
 私もこのレポートをまとめるに当たりまして、私自身も年金脳になっていたなと思うことが一つございました。それが例えばのところで書いたことなのですけれども、「ねんきん定期便」で詳しい年金個人情報が送付されるのは、御承知の35歳、45歳、昨年度までは58歳だったのですが、今年からは59歳を「節目の年齢」と呼んでいるわけです。年金を知っている人だったら、そこに書いてありますように25年の受給資格期間がありますから、そこからおさめていけば間に合うということで、その気づきを与えるための制度なので確かに節目だというふうになるのですけれども、一般人の目線。いつも我々が生活で使っている節目というのは何かというので見ていきますと、やはり35、45ではなくて、30歳、40歳、50歳だと思うわけでありまして、ではなぜ「ねんきん定期便」においては35歳、45歳が節目と言えるのかということも何らかの説明が必要かなと改めて思いました。自分自身で、若干今まで何ら疑問に思うことなくも節目の年齢というふうに使ってきたものですから、改めて、普通の人にはわからないよねということで。
 それは一例なのですけれども、ほかにも年金情報を開示する際に同様のことが、年金をやっている人には当たり前なのですが、そうではない人にとってはそうでもないということがある可能性もありますので、ぜひ一般人の目線に立って、年金脳ではない脳を利用して、年金個人情報の開示を考えていくべきではないかと考えております。
 以上をもちまして、私の御報告といたします。ありがとうございました。

○岩村委員長
 首藤委員、ありがとうございました。
 それでは、続きまして「年金記録確認の現状について」ということをテーマとしまして、総務省の「年金記録確認東京第三者委員会」で、調査審議に参加されていた鈴木委員から御報告をいただくことになっていますが、それに先立ちまして「年金記録第三者委員会」の仕組みなどにつきまして、総務省の事務局から説明をいただこうと思います。
 総務省から御説明をいただいた後に、鈴委員から御報告を頂戴するということにさせていただきたいと思います。もし、鈴木委員からの報告の後に補足などがありましたら、総務省から適宜説明をいただくということでお願いをしたいと思います。
 それでは、まず総務省のほうから御説明をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○総務省
 私、総務省行政評価局年金記録確認中央第三者委員会事務室主席主任調査員の坂本と申します。漢字32文字の肩書きになっておりますが、よろしくお願いいたします。
 今、委員長からもありましたとおり、本日、まず事務室のほうから三者委の概要でありますとか、事案処理をするに当っての判断基準といったようなもの、あるいは事案処理の流れといったことについて一般的な御説明をさせていただいた後、鈴木委員から、事案処理を実際に御担当されたお立場から具体的な流れでありますとか、具体的な事案の例といったことについての御発言をいただきまして、その後事務室から補足説明という形で、三者委のこれまでの活動実績でありますとか、最近の申立事案動向といったようなものについて御説明するという流れにさせていただきたいと思います。
 資料についてでございますが、3-1から3-5までございます。このうち、3-5は前回のこの委員会で配られた厚労省作成のものでございまして、きょうの説明、重複する面もあろうかと思いますけれども、順に説明したいと思います。
 まず、資料3-1の1ページをごらんいただきたいと思います。上の囲みですが、「年金記録確認第三者委員会」というのは「年金記録問題への対応の一つとして、年金記録の訂正の申立てについて国民の立場に立って公正な判断を示すことを任務とし、平成19年6月、総務省に臨時の機関として緊急に設置された審議会」ということになっております。
 下に流れ図がありますけれども、これが仕組みでございますが、「○1年金記録の確認依頼」から始まって、記録がないという回答になってくると○3のほうから三者委への申立てをして、それを年金事務所が受け付けて、三者委に転送されて、審議、結論、「総務大臣のあっせん」というところまできて、○8の「記録の訂正」ということになっております。
 なお、上の囲みの※がございますけれども、今月の16日に地方委員会が、都道府県単位の50カ所からブロック単位の9カ所に集約はされたのですが、三者委への申立ての窓口は全国に312カ所ある年金事務所にあるという点については、何ら変わりはございません。
 この資料の2ページ以降につきましては、後ほどまた御説明をいたしたいと思います。
 続いて、今の流れ図の中で、三者委が特に関連するのは○5の「審議」と○6の「結論」の部分ということになりますが、この部分についてよりどころになるのが「基本方針」というものでございます。資料3-2をごらんいただきたいと思います。
 正式名称は「年金記録に係る申立てに対するあっせんに当たっての基本方針」ということになっております。これまでに3回改正しておりますけれども、平成21年6月25日の改正が最も大幅な改正内容ということになっています。
 全体の構成としては、本文と3つの別表という形になっています。
 まず初めに、本文の「はじめに」の部分ですが、これは憲法で言えば前文のようなものでございまして、2番目のパラグラフですけれども、「事案に即した柔軟な判断」でありますとか、「誠実に保険料を納付した方々の権利の実現」といったようなことが書かれております。
 次に「第1 基本的考え方」というところですけれども、1番目の1)では、年金記録を管理・運営する旧社会保険庁等の管理に起因する問題であることということなので、三者委は国民の立場に立って対応するということが書いてあります。
 2番目でございますけれども、三者委は、国側に記録がなくて、しかも領収証といった直接的な証拠も持たない方々というのを念頭に置いて、誠実に責任を果たしていくということでございます。
 3)でございますが、申立人の申立てを十分に汲み取って、公正な判断を示すということになっております。
 次、第2の「運営の考え方及び手続き」でございますけれども、まず1)でございますが、申立ての受付から始まって最後はあっせん案の作成というところまで行くわけですが、そういうあっせんの手続全般について、今、申し上げた第1の「基本的な考え方」というのを踏まえるということでございます。
 2)でございますけれども、申立内容の調査・検討に当たっては、後で別表は説明いたしますが、別表1にあるような調査事項を踏まえながら、申立人の協力を得て、関連資料でありますとか周辺事情といったようなものを幅広く集めるということでございます。また、必要に応じて関係行政機関などから資料提供を求めたり、あるいは直接申立人から聞き取りを行ったりもするということでございます。
 その結果、判断、あるいはあっせん案の作成という段階になりましたら、すぐ下にあります「第3 判断の基準」というのを踏まえて、結果については速やかに通知するということでございます。
 そのほか、申立ての受付、申立内容の調査検討云々、そういう一連の手続につきましては、全国で統一的な運用がなされるように努めるということでございます。このあたりが、我々中央委員会の主な任務ということになるかと思います。
 次、第3の「判断の基準」というところでございますけれども、1)でございますが、「判断の基準は、申立ての内容が、社会通念に照らし『明らかに不合理ではなく、一応確からしいこと』」となっています。これがいわゆる疎明基準ということでございますけれども、先ほど第1の「基本的な考え方」の2)のところで、国側に記録がなくて、直接的な証拠もない方というのが念頭というふうに申し上げましたが、こういう方々をどうやって救済するのかという観点に立ったときに、通常ですと証明と言うのですか、通常の人が合理的な疑いを挟まない程度に確実というところのレベルになるのでしょうが、国に記録がなくて領収証もないような方々にそういうレベルを求めるのは、非常に酷なことにもなりかねないということもございますので、明らかに不合理ではなく一応確からしいという、疎明基準ということになっております。
 2)ですが、そういう判断を行うに当たっては、別表2に肯定的な関連資料及び周辺事情と書いてありますけれども、要は、申立人の申立てを認める方向に作用するような要素というのがあるわけですが、そういったものが別表2に並べておりますけれども、それに基づいて検討するということになっております。
 別表3というのがまたあるのですけれども、別表2の中でも特に肯定的な作用が強くなるような要素が認められる場合には、基本的に申立てを認める方向で検討するといった形になっております。
 次、3)ですけれども、そういう肯定的な関連資料や周辺事情がない場合も、もちろんあるわけでございますが、そういった場合でも、申立人の申立内容等に基づいて、総合的に判断していくということになっております。
 次、第4の「その他」でございますけれども、まず1)でございますが、これは後でも触れますけれども、厚生年金特例法というものに関係するものでございます。これは後で説明いたします。
 2)は、別表については、今後とも必要に応じて見直しをするということでございます。
 次に別表ですけれども、まず別表の1でございます。どういう方を調査の対象として、どういう調査事項とするのかということについて、例示してあるものでございます。一番上に2行書いてございますが、これは一般的な調査事項であるということで、個別事案に応じて、ここに掲げられている以外でも調査が必要な場合とか、あるいは一部省略できる場合もあるということでございます。
 「国民年金」を例にとりますと、調査対象としては申立人本人、配偶者、親族、知人等、集金人、自治会の役員といったものとか、市町村、事務センター、第三者委員会の先例といったようなものも調査対象として、それぞれ調査事項が掲げられております。
 これについて「厚生年金(脱退手当金を除く。)」「脱退手当金」というのがそれぞれ後のページにありますけれども、同じようになっております。
 次に、別表の2です。これも例示でございますが、先ほど申し上げましたけれども、ここに掲げられているような事情がわかってくると、肯定的、つまり申立人の申立てを認める方向に作用するような要素が掲げられております。
 肯定的な関連資料と肯定的な周辺事情といったようなものが書いてございますけれども、例えば関連資料ですと、一番上のポツを例にとりますと、申立期間中も、納付済期間と同様に、保険料に相当する金額の口座引き落としがあるといったようなことがわかるような預貯金口座、預貯金通帳とかそんなような資料があったりすると肯定的に働くとか、あるいは周辺事情のほうで見ますと、申立期間の回数と言いますか、個数が少数にとどまるとか、申立期間が短期間であるとか、申立期間以外の残りの期間は納付しているとかいったような事情が認められるのであれば、どちらかというと申立てを認める方向に作用するというようなことが並べられているわけであります。
 これにつきましても、後ろに厚生年金と脱退手当金というのがございますけれども、同じようなつくりになっております。
 次に12ページ、別表3でございますが、これは別表2の中で掲げられているものの中でも特に肯定的な要素と言いますか、そういうものが強いと認められるようなものを掲げております。
 「国民年金」の「保険料納付の有無」という欄を例にとりますと、白丸で「申立期間の保険料を納付していたものと認める方向で検討するもの」となっておりまして、その下に「別表2に掲げる肯定的な関連資料又は周辺事情を有するもののうち、次のいずれかに該当するもの」といったようなことで並べられております。
 ただ一つ注意すべきは、上の白丸の2行目から括弧書きがございますが、「制度上納付が困難な事情があるもの、申立期間の全部若しくは一部が平成9年1月以降であるもの」云々といったような「を除く」という記述がありますけれども、ここの括弧書きに当たるようなことになりますと、これはいわば除外要件と呼んでおりますが、基本的にあっせんと認める方向にはならないということになりまして、いわばニュートラルなスタンスに立って総合的に判断していくことになります。
 今、国民年金を例にとりましたけれども、厚生年金、脱退手当金、それぞれについて記述がなされておるということになっております。
 次に、資料3-3をごらんいただきたいと思います。
 資料3-3は、調査審議の流れ、フローチャートになっておるわけですけれども、この後御発言いただく鈴木委員が厚生年金を担当されていたということもございますので、「厚生年金事案の調査審議の流れ」ということで御説明したいと思います。
 まず、申立てが年金事務所に対してありましたら、年金事務所はその申立ての受付、あるいは申立概要を聴取して、関連資料をいろいろな方面から収集することになります。
 それで、第三者委員会のほうに送付することになるわけですけれども、送付を受けたら、まず第三者委員会の事務室で調査をいたします。その申立てに対する聴取ですとか、同僚・上司に対する聴取、あるいは事業主に対する調査、必要に応じて関連資料の収集といったようなことをやることになっております。
 事務室で調査が十分になったと判断したら、委員会に付議をすることになります。もちろん、委員会のほうで調査が不十分だという判断になってしまうと、再調査が指示されるということもございます。
 委員会に付議された場合、どういう流れで審議がなされるかと言いますと、○1○2○3とございますが、まず事業主による届出などがあったかどうかを議論いたします。これは、次のページに参照条文をつけておりますけれども、厚生年金保険法75条というのがございます。保険者たる国が保険料を徴収する権利、裏返して言えば、事業主が保険料を納付する義務が時効によって消滅したときは、その保険料に係る被保険者であった期間に基づく保険給付は行わないという、これが大原則でございます。
 ただ、時効で消滅してしまう前に、事業主のほうが、従業員の被保険者資格を取得したことについて届出をしたというような場合にはこの限りではないという条文になっております。ですので、事業主による届出があったかなかったかというのは、まず非常に重要になってくるわけでございます。
 流れ図に戻っていただきたいのですが、納付があったと認められれば、そのまま標準報酬月額を特定して、厚生年金保険法によるあっせんということになります。
 逆に、届出があったとは認められないということになりますと、次に何を検討するかと言いますと、保険料の天引きがあったかどうかを見ます。こちらが厚生年金特例法というものになってきます。もう一度参照条文、先ほどごらんいただいたほうの下の条文になりますけれども、少し長い条文になっておりますが、要は実務的に読みますと、第三者委員会の調査審議の結果として、事業主がその従業員が負担するべき保険料を天引きした事実があるにもかかわらず、その従業員に係る保険料を納付する義務を果たしたかどうか明らかではない場合に該当するという意見があった場合に、厚生労働大臣は云々という条文になっているわけです。ですので、まず保険料の控除、天引きがあったかなかったかというところが次の論点になるわけでございます。
 保険料の天引きがあったと認められるということになりましたら、標準報酬月額を特定の上、事業主による保険料納付の義務の履行が不明であるという場合と、事業主による保険料納付の義務がなかったという、2つの場合に分かれます。どちらの場合も、特例法によるあっせんということについては同じであります。ただ、納付不明であるか納付なしであるかによって、その後の厚生労働大臣がとる手続にちょっと違いが出てくるということにはなります。
 そういうようなことになっておりまして、逆に、保険料控除があったと認められないということになってしまいますと、これはもうあっせんではなくて記録訂正不要、いわゆる非あっせんということになります。
 以上が調査審議の流れになります。
 次に、資料3-4でございますけれども、年金事務所における職権訂正基準といったものについても、簡単に触れさせていただきます。
 資料に入る前に、こういう基準が定められるようになった経緯を簡単に申し上げますと、平成20年1月に「年金記録確認関係閣僚会議」というもので、20年4月以降に申し立てられる事案については、三者委送付前の社会保険事務所段階における処理促進等を講じることにより、迅速な処理を進めるといったようなことになっております。これに基づきまして、平成20年4月にまず最初の国民年金についてこういう基準ができたのを皮切りに、順次定められてきておるものでございます。
 資料3-4ですけれども、まず基準の設定の基本的な考え方ということでございますが、ポイントは、年金事務所段階で申立人の年金記録の早期回復を図ることが目的だということと、「基本要件」と「除外要件」を定めた基準であるということでございます。
 基準の概要でございますけれども、基準の詳細な内容を網羅的に書くと相当複雑になってしまいますので、ここではあくまで概要ということでして、基準に該当する場合の類型について主なものを例示しているということでございます。
 時間の関係で、(1)の「国民年金」を例にとって御説明をいたします。
 大きく分けて2つの場合がございます。
 1つが、「申立内容に対応する以下のような関連資料がある場合」。例えば確定申告書の控えでありますとか、家計簿、あるいは口座振替記録がある預貯金通帳や金融機関の出金記録といったものがある場合というのが1つです。
 2つ目は、「短期間の未納期間に関する申立ての場合」ということでございまして、一番上の黒丸で言いますと、申立期間が1年以下であって、これは「現年度納付に限る」となっていますが、ほかに未納がなく、かつ配偶者等が納付済みであるなどの事情がある場合というような、例えばこういうものでございます。
 ただ、除外要件というのがございまして、※ですが、いずれの場合も、基礎年金番号制度が導入された平成9年1月以降の納付についての申立ての場合など。こういったようなものを除くことになっております。
 厚生年金につきましては(2)と(3)、脱退手当金につきましては(4)に書かせていただいてあるとおりでございまして、説明は省略させていただきます。
 駆け足になってしまって恐縮でございますけれども、ここでひとまず私からの説明を中断して、鈴木委員にバトンタッチをさせていただきたいと思います。

○岩村委員長
 それでは、鈴木委員、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員
 委員の鈴木と申します。
 私は年金記録確認の第三者委員会の厚生年金部会に所属しておりました関係で、外的には「厚生年金部会」「国民年金部会」という呼び方をしますけれども、その部会の構成であったりとか審議の流れ、特に調査の内容であったりとか事案の例等を参考に、今後の手続に関して意見と感想とを述べさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、年金記録確認第三者委員会における部会の構成、審議の流れ等について、具体的に携わった関係で述べさせていただきたいと思います。
 私の場合は、最初は厚生年金部会の17部会というところに所属しておりまして、後に部会の編成等がありまして、第9部会ということで、最終的には部会長を務めさせていただきました。
 部会については、(1)ですけれども、原則として週1回開催することになっておりましたが、案件が少なくなってまいりますと、毎週開催する案件があったりなかったりということになってまいりましたので、最終的には、案件が少なくなってからは隔週開催しておりました。
 私の部会は、午前9時15分から12時までという部会でございまして、案件が多いときには8件、もしくは9件最大ありましたが、隔週開催になってからは多くても5件。大体時間内に全て処理できるぐらいにはなっておりました。
 部会の委員については、部会長、副部会長、委員2名の4名で構成されておりまして、1名欠席しても、3名そろえば開催できるという流れになっています。
 案件1件につき、原則として調査員は1名と書いておりますけれども、1件につき複数名の調査員がいるという案件は1件もございませんでしたので、恐らく1件につき調査員は1名だったのであろうと思います。
 審議の流れについては、まず担当の調査員が、それまで収集された調査資料をもとに、事案の報告と審議のポイントを委員に報告いたします。その際に、個票と呼ばれる簡単にポイントをまとめたようなものを配りまして、それに沿って説明してまいります。一通り説明が終わった後、委員の間で、この案件はあっせん相当かどうかを検討、議論して、必要があれば再調査の指示を出すということにはなりますけれども、調査が不十分と判断される事案は、かなりもめた後に、やはり再調査をしなければいけないですね、具体的にこの点とこの点を再調査してみてくださいということで指示を出すことが多いです。その場合は継続審議となって、次回以降、また調査が終わった段階で審議になるということになります。
 審議は、事案の審議のほかに、いわゆるあっせん分、あと、訂正不要分という文書があるのですけれども、その案文が適切かどうかも検討いたします。それで問題があればここを直してくださいとかいうことを言いまして、その案文でお願いしますということになりますと、一旦中央委員会で検討していただいて、最終的には申立人にその文書で通知されます。ただ、実際には調査員の方が、調査がある程度終了した段階で、こういう調査を行ったのだけれども、もしかしたらこういう結論になるかもしれないということで一通り説明をして、最終的に御納得いただけるように努力されている案件が多いです。
 その段階で、要するに申立人のほうでいわゆる口頭意見陳述という手続がありまして、調査、審議が終了した後に、申立人のほうで部会に出頭いたしまして、意見陳述を行いたいという御希望があれば口頭意見陳述の申立てを行っていただきまして、出頭していただきまして、各委員が申立人に質問をして、その回答をもってあっせんするかどうかをまた検討することもあります。
 この場合、出頭する場合もあるのですけれども、まれというか例外なのですが、電話会議を行ったことは一度あります。ちょうど震災の後でちょっと出頭は困難という事情がありまして、やむを得ず電話会議を行ったことが1件だけありました。
 このような流れで、最終的にあっせん、非あっせんというか、記録訂正不要という結論
を出していくわけですけれども、その結論を出す過程で、非常に重要なのが調査と調査資料になっていますので、次に調査員による調査。これは、年金事務所のほうで収集する資料も込みということで説明させていただきたいと思います。
 まず、調査範囲・方法なのですけれども、先ほど説明のありました「年金記録に係る申立てに対するあっせんに当たっての基本方針」の別表1「厚生年金(脱退手当金を除く)」に記載されている調査対象及び調査事項について、かなり広範囲というか詳細に網羅的に行われているのが実際でして、資料を集めるのに当たりまして、やはり申立人の申立ての内容を十分しんしゃくというか検討しまして、例えばちょっと難しい、厚生年金の場合には保険料を控除していたかとか事業主が見つからないとか、いろいろ困難な事案もあるのですけれども、ここら辺で働いていたという申立てがありますと、場合によっては当時の電話帳などを調べて実際にこの事業所があったかどうかとか、あるいは地図などを見まして、どうも事業所があったのは確かで働いてはいたのだろうけれども、最終的にはお給料を幾らもらっていて、保険料を幾ら引いていたかというのは全くわかりませんでしたという結論になるケースもありますが、そういうふうにきちんと本人の申立ての内容に従って調査されているという印象がありました。
 具体的に、私が担当した事案の中で調査内容というのがあるのですけれども、どういう対象にどういう調査を実際に行っていてどういう資料が出てきたかというのを簡単に例として(2)で挙げているのですが、まず御本人が申立人なのですけれども、大体申立てのときに、お給料明細とかそういう客観的な証拠書類はないことが多いです。例えば、勤務の期間、申立て期間もかなりアバウトだったりすることもありまして、申立人の申立ての段階で、きちんとした資料がくっついてくることはわりと少ないのかなと思います。どちらかというと、申立てがあった後に、調査員が申立人に対して、どういった方が同僚でいらっしゃいましたかとか経理担当者はどなたでしたかとかいうことで聴取されて、それをもとに調べる形が多かったように思います。
 申立人に対しては、例えば病気になって病院にかかったことがあるかというようなことも聞いたりとか。これは、要するに社会保険に入っていたかどうかを確認するためのものなのです。あとは家族構成です。例えば独身だったのかとか結婚していたのか、子供が生まれたのか。そのときに保険証がないと困るのではないのみたいなこともあったりして、御本人に聞いたり、戸籍謄本や住民票を取り寄せたりして、その当時の家族構成なども確認していたと思います。
 厚生年金の場合には、次に「事業主」とあるのですけれども、事業主に対する聴取であったりとか資料収集は結構重要なのですが、破産していたりとかかなり昔の記録であったりする場合は、事業主というか、当時の社長であったり役員であったりという方は連絡が非常にとりにくいこともございます。調査ができる会社とか事業主の場合には、現在の事業主であったり、当時の事業主というか社長であったりとか、実際に担当していた経理担当者とか社会保険関係を担当していた担当者に聴取できるのであれば聴取をして、その当時の給与管理がどうであったか。例えば入社して、これは本当はいけないのですけれども、試用期間があってそれを入れていないケースは結構あるのですが、試用期間がどのぐらい設けられていて、そのときは入れていたのか入れていなかったのか、保険料を引いていたのか引いていなかったのかということを聞いて確認します。人事記録や賃金台帳などがあるケースはそれを提供してもらって、あっせんにつながるような資料を探すということにはなります。
 次に「同僚等への照会」とあるのですけれども、こちらも重要でして、申立人から当時の同僚がどんな同僚でどんな方がいらっしゃいましたかということを聞くほかに、被保険者名簿で申立人と資格取得日が近い者を前後何人かピックアップしまして、文書を送って、こういう方が働いていましたかとか、給料から保険料は控除されていましたかとか、経理担当者は誰ですかとか、社会保険関係を担当したのは誰ですかということを照会しまして、回答を得て、電話可能な方については直接お電話したりして確認しています。ここで同僚の方の給与明細であったりとか税務資料などが出てきまして、同僚が保険料を控除されていたのだったら御本人もされていたのではないかということにつながることもあります。
 それは次と絡むのですけれども「保険料控除の事実」。控除された保険料の額、あるいは、例えばいわゆる転勤のときに1日、2日あいてしまうという転勤空白の事案があるのですけれども、同じような事業、転勤経路をたどっている方の資料などが出てきたりしてあっせんできるケースもありますし、同期入社の同僚で同じような昇進過程をたどっている方の標準報酬月額から推定して、申立人のあっせんにつなげるケースもございます。
 次に、後で申し上げるのですけれども「再申立事案」。再申立ての場合は、例えば新たな事情があったら再申立てできるという建てつけなのですけれども、一応申立人が再申立てした場合には、既に調査した事項に加えて、再度かなり網羅的に調査対象に対して調査を行っているのが実態です。申立人が新たな事情を申し立てない場合でも、一通り同じような対象者に再度行って、そこで資料が出てくることもありますし、プラスの資料もマイナスの資料も出てくることがあります。何度やっても同じように毎回調査しますので、本人が、例えば証拠を見つけてきて再申立てするわけではございません。そういう意味では、申立人に対しては非常に優しい制度ではないかと思います。極端な話、申立書を書いて、特に証拠等を添付しなくても全部調査は行ってくれるということに、実際にはそのように本人目線で行われているという印象がありました。
 次に「具体的な事案の例」で、どういうものをあっせんしていたかということで簡単に。余り詳しく書きますと個人情報との絡みがありますので、コンパクトというかあっさりとさせていただいているので、先ほどの総務省さんの報告とちょっと重なりますけれども、(1)と(2)で、(1)はいわゆる厚生年金法の現行法であっせんされるケース、(2)はいわゆる特例法であっせんされるケースということになります。
 (1)のケースは、「事業主が適切な届出・保険料納付をしていたか」というのがあるのですが、いわゆる遡及訂正、さかのぼって事業所の新規適用日、従業員の資格喪失日等、多いのは標準報酬月額の記録ですね。これをさかのぼって減額したりとか喪失させてしまったりとかいう、旧社会保険事務所のほうで処理が不適切だったいわゆる遡及訂正の事案。現行法の場合には、これが大体大半です。保険料を納付していたかというのもあるのですけれども、実際、遡及訂正されている事案は、保険料を滞納しているケースで遡及訂正が行われているということにはなります。
 次の、国の記録にそもそも誤りのある場合。これは私がやっている間の案件ですと数はそんなに多くなかったのですが、紙台帳からコンピューターに移行するときに氏名、特に振り仮名が誤って記録されている、それで宙に浮いてしまっているというか二分割になってしまっている事案であったりとか、過去の未統合の浮いた記録が発見されたような事案がありました。誤って紙台帳からコンピュータに移行されたケースで見つけるのに非常に苦労したのは、生年月日が誤って記録されてしまってなかなか見つからなかったということがありました。これはかなりまれですけれども、よくあるのは、読み仮名で間違ってしまうということはありました。
 (2)の特例法ですけれども、厚生年金の案件ですと、こちらの特例法によるあっせんの事案のほうがどちらかというと多いし、申立てについても、例えば自分は勤務していた、間違いなく働いていたのだから厚生年金に入っていたはずだという申立てが多いので、こちらに上がってくる事案が多いです。
 こちらの事案で証拠としてかなりはっきりとわかるのは、「賞与等の届出漏れ、報酬額の誤り」で、会社のほうがミスでしたということを認めているケース。これは、要するに賃金台帳も出てきますしかなり客観的な資料が出てくるので、わりとすぐ認められるケースが多いです。場合によっては、会社というか事業主のほうで一括で代理人になって多数申立てを行っているケースもありますので、わりと認められやすいケースではあります。
 次に「転勤、出向等で資格喪失日と資格取得日に空白が生じる事案」という、これは「転勤空白」と呼んでいるのですけれども、要するに、本当は記録は継続しなければいけないところを、月末にある支店からある支店に転勤した場合に担当者が日付を間違えてしまって、1日、2日あけて届出をしてしまったために1カ月分あいてしまっているというケースがあります。これは結構ちらほら見られるのですけれども、大きな会社でもかなり出てきますので、これからもなくならないのかなとは思います。これもかなりはっきりと、例えば会社のほうでも認めていたりとか、人事記録でも継続的に勤めておられて辞令を何日に出したとかいうのが出てきますので、証拠はわりとはっきりとしたケースかなと思います。
 次にある2つの事案ですけれども、要するに、標準報酬月額の届出が実際の給与より低く届出されているのに、実際の給与だったり賞与を基準に保険料が控除されている事案であったりとか、資格取得の届出をしていないのにもかかわらず保険料だけ控除されているという事案が実際にありました。
 低く届出されたケースの場合は、会社の単純なミスの場合と、従業員の手取りをふやしたいというのである意味意図的にされているような案件と、両方ございます。手取りをふやすというよりは、手取りをふやすのだったら控除の保険料は少ないのですけれども、そうではなくて、実際に低く届出られているのに控除だけはされているという事案もありました。ちょっとその訂正させていただきたいのですが。
 資格の取得の届出をしていないケースというのは、同じ事業主なのですけれども、A事業所を廃止してB事業所に移ったときに、その間が、かなり資格取得が遅れているにもかかわらず継続的に雇用しているものだから保険料が引き続き控除されていたという事案はありました。実際に新規適用というか、最初に入社しまして、資格取得の届出をしないままずっと保険料が控除されていたという事案はまれだったように思います。
 あとは、資格喪失の届出を早めにしてしまって、保険料が控除されてしまっている事案もありました。
 ここに出ているのはあっせん事案ということなのですけれども、非あっせんになっているケースで多いのは、そもそも勤務実態、勤務実態という言い方はあれなのですけれども、要するにお勤めされていたかどうかを確認できないケースもございますし、どうも働いてはいるのだけれども、保険料の控除自体はどうしても確認ができないという事案もございます。そうしますと、やむなく非あっせんということで御本人に説明して納得していただくことにはなるのですけれども、厚生年金の場合は働いていたからイコール保険料が引かれていたということにはならないので、なかなか御本人に説明するのも大変なのかなという印象はありました。
 以上が具体的な事案の例です。
 次に、4の「その他~年金記録確認調査審議の現状と年金記録の訂正手続」とあるのですが、要するに、第三者委員会における調査の実態を踏まえまして、今後、年金記録の訂正手続を検討するに当たりましてどういった点が問題になるのかということで何点か申し上げたいと思います。
 現状としては、調査員ないし年金事務所が積極的に、かなりの範囲で詳細に資料を集めています。御本人にこれをやれと言っても恐らく完全に不可能であろうと思われます。実際に手持ちの資料で本人が立証しろというのはかなり困難であろうと。私も弁護士という立場で訴訟等をやりますけれども、証拠の収集が、証拠の収集というのは言い方が変ですけれども、証拠を見つけることは非常に大変なのです。そこで大体挫折してしまう、証拠がないからしようがないとなることがわりとあったりします。もちろん、領収証がありますかとかいうような話からあるのですけれども、そういう経験からしますと、現在の調査員における調査は、非常に申立人にとってはありがたいのかなと。かなり詳しく事情も聞いていただけますし、普通だったら取れないような資料、公的な資料なども集めるわけですから、証拠資料としてはかなり集めているのかなと思います。
 これを新しい、新しいというか年金記録の訂正手続に処分性を持たせる、例えば決定とか裁定とか最終的に訴訟ということになった場合、現状行っているこの調査と資料の収集をどういう形でやるのかというのは、私のほうでも気になっている点ではあります。
 また、その調査自体は行政が行うにしても、集めた書類、資料に従って、例えば今はあっせん、非あっせんですけれども、訂正するとか訂正しないとかいうことで決定なり裁定なりを行なった場合に、本人が当然不服があるケースもありますけれども、不服がある場合に、例えば訴訟にいくのか不服申立手続、何らかの、再申立てではないですけれどもそういったものをするにしても、そのときにさらに調査をするのは誰かということも検討する必要があるのかなと。
 また、最終的に訴訟を御本人が選択するにしても、そのときに、その過程で調査で得られた資料を訴訟手続につなげないといけないわけですが、それを本人が全部謄写して訴状を作成して出すのか、訴状を出したときに送付嘱託なり何なりで全部直接裁判所に提示するとか送るとかする形にするのか、それは検討の必要があるのかなと思います。
 現状は、再申立ての場合であっても、調査員が調査を再度行う、資料を集めるということになるのですが、これはちょっと不服申立てなり、まあ訴訟の場合は実際構造上無理だとは思うのですけれども、現在の再申立ての調査と比較しますと、例えば訴訟を提起した場合にはやはり証拠は自分で探すなり、大体どこにあるかわかりませんので、しないといけなくなるのではないかとは思うのですが、そのバランスですね。そこは検討する必要があるのかなと。
 通常の不服申立手続の場合には、再調査してもらえる方法があるのかちょっとあれですけれども、現在は再申立て自体も回数制限はありませんし、申立てを行うたびにきちんと調査していて、新しい資料が出てこないこともあるのですけれども、同僚なり事業主に聴取していますので、新しい追加の資料なり何かしらは出てくるわけなので、それとのバランスとしてどのように生かすのかというのは、私のほうではちょっと気になっています。
 特に訴訟になった場合には、行政が調査するのは構造上なかなか無理なのだろうと思うので、現状の本人目線でやられている調査なり証拠資料の収集であったりとかいうのを、どういうふうにバランスを、収集なり生かすのかというのは私のほうでは気になっていまして、それは検討課題なのかと思います。
 私のほうでは大体以上になりますので、よろしくお願いします。

○岩村委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと時間の関係もありますので、簡潔に総務省から年金記録確認の現状ということで御説明をいただきたいと思います。

○総務省
 それでは、資料3-1の2ページ以降をごらんいただきたいと思います。
 これは、25年3月31日現在の速報値でございますけれども、まず2ページ目ですが「委員会発足以降の申立ての処理状況」ということでして、累計ですと26万6,314件を受け付けて、26万1,977件、98.4%の処理率となっております。
 このうち、年金記録の回復が図られたものは、12万3,555件、51.5%ということになっております。三者委による記録訂正が10万5,000ちょっと、機構段階ですと1万7,700件ということになっております。
 次、3ページですけれども、24年度の申立ての受付、処理状況でございますが、24年度の受付数は1万7,863件。前年度から見ると35%減少、一番多かった21年度と比べますと3割以下になっております。
 「月ごとの申立て受付件数推移」ということで折れ線グラフをつけておりますけれども、こういったような状況になっております。
 次に4ページ目でございますけれども、24年度に受け付けた1万7,863件のうち、76%の処理が終了ということになっております。
 点線の括弧の中でございますが、24年度には、23年度以前の受付分を含めて2万623件を処理でございますが、三者委員会の処理が1万1,500件、機構段階が9,100件ということで、大分拮抗してきております。
 このうち、記録の回復が図られたものが1万3,600件でございますが、三者委の調査審議で記録訂正が5,454件、機構段階の記録回復が8,146件で、24年度はもう機構段階の記録回復のほうが多くなっているという状況になっております。
 「要処理」、処理が必要になる残っている数、在庫のようなものですけれども、4,337件まで減少ということでございまして、19年度末と比べますと約10%とということになっておりまして、いわゆる処理の着手待ちというような事案はほぼなくなっている状態になっております。
 最後のページでございますが、「最近の申立事案の状況」ということでございます。
 まず、上の丸ですけれども、委員会の設置当初は古い時期、古い時期、新しいというのをどこで線を引くかというのがございますけれども、基礎年金番号の制度が導入された平成9年1月を境にいたしまして古い、新しいとしますと、設置当初は古い時期のほうが多かったのですけれども、最近は新しい時期の年金記録も増加しているということでございます。
 20年と23年を比べますと、20年のころは平成8年以前というのが92%でございましたが、23年のほうを見てみますと、平成8年以前の申立ては大体6割ぐらいで、平成9年以降の申立てが4割という状況になってきております。
 次の丸ですが、最近の申立ては「ねんきん定期便」を契機としたものがどうも中心らしいということでございます。抽出調査をすると、大体4割ぐらいが「ねんきん定期便」が契機と回答しておるということです。
 それから、委員会設置当初の20年度は、年金を受給している方からの申立てが大半でございました。大体70%ぐらいはそうだったのですけれども、23年度で見ますと、今度は受給者が大体4割ぐらいで、現役世代の方の申立てが増加しているという状況になっております。
 非常に駆け足でございますが、こういうことでございます。

○岩村委員長
 鈴木委員、総務省の事務局の方、大変ありがとうございました。
 それでは、ただいまから質疑応答に入りたいと存じます。各委員からの御報告の内容につきまして、御質問などがございましたら、どなたでも結構ですのでお願いをしたいと思います。
 では、斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員
 質問ではなくてコメントです。諸星委員の御発表は、私の胸にずきずきと突き刺さるような、私が失敗したようなことを全部まとめていただいておりまして、中小企業のオーナーは大体そんなものだというのは、本当に全くそのとおりだと思います。特に、独立して会社をつくり始めたときは一人でいろいろやっていますので、なかなか年金の勉強をするなどという余裕がありませんので、こんなものだろうという思い込みでやってしまいました。
 それから、中小企業でよくあるパターンだと思うのですけれども、ある程度回ってしまって、昔でしたら社保、今でしたら年金機構から特に何か言われないと、これが正しいものだと思い込んで、担当者がやめる、あるいは担当から外れるときに、次の人にこうやるのよと引き継ぎします。それが正しいものだと引き継ぎを受けた者が、間違ったものをまたずっとそのままやってしまっているというパターンはすごく多いと思います。それに気づくのはなかなか社内では難しいことなので、ここは年金機構の方にお願いするしかないかと思うのです。提出物はきちんとチェックをしていただけたらと思います。それから、わからないときにはよく電話で伺います。そうすると、間違った指示をいただくことがすごく多いのです。けさもわからないことがあってお電話をしましたら、結局3回か4回ほど電話で行ったり来たりがありまして、最後に、済みません、先ほどの係の者の申し上げたのは間違っていました、というようなことでおっしゃっていました。そうすると、一体何が正しかったのだろうと思ってしまいますので、年金機構の方の研修、教育をぜひ徹底していただきたいという、ちょっと他力本願のお願いで申しわけないのですけれども、そのようにお願いしたいと思いました。

○岩村委員長
 ありがとうございます。ほかにいかがでございましょうか。

○池田委員
 よろしいでしょうか。

○岩村委員長
 池田委員、どうぞ。

○池田委員
 私は首藤委員の御発表を、大変面白くと言ったら大変失礼ですけれども、委員の御本も読ませていただいているのですが、「年金脳」という言い方をしていらして、具体的にこのあたりはとてももっと興味を持つ、要するに年金を受ける側も、年金を掛けているほうがうれしい。年金をもらうこと自体は大変わくわくする、大変ありがたい、うれしい、楽しみなわけですけれども、枠組みが非常にわかりづらい。「ねんきんネット」については、やはり難しいという方もいらっしゃるのです。そこは私、同じ年代の方々に聞いてみると、「ねんきんネット」そのものがまだわかっていただいていないこともありますし、これは周知の問題だけではなくて、今の時点でもっと遊べるものと言いますか、楽しいものに変えていただくというあたりでの工夫を改めてお願いしたい。
 それともう一つ、今、諸星委員の一番最後の御発表のところで、改善への提案として、これもやはり年金をもらうほうなのですが、標準報酬月額に係る確認請求などが被保険者側から可能になること。このあたりは具体的に、ぜひ実現できないか考えていただくことがとても大事なのではないかなと思いました。
 よろしいでしょうか。

○岩村委員長
 ありがとうございます。
 諸星委員、どうぞ。

○諸星委員
 ありがとうございました。
 私のほうも首藤委員の「ねんきんネット」の件なのですが、私もすぐIDの登録をしまして、2週間ぐらいかかるかなと思ったらすぐIDの登録ができました。それで、一応専門家なのでやってみました。専門家の私ですらわからないところが多くて本当に、この質問はどういう意味だろう、これ入れたほうがいいのかなと悩みました。例えば、数字が本来2桁で数字的に年齢が出なければいけないのに一桁分しか出ないとか、そこで躊躇してしまうのです。
 それで、、先ほど首藤委員がおっしゃったように、もっとざっくりと、以前もそういったものがあったのですから何かわかりやすいシステムを考えて頂ければと。やはり行政の方々皆様非常に頭のいい方ばかりなので、いや、たぶん間違えたことを伝えてはいけないということですごく細かいことを言っていると思うのです。全ての通知に全て細かく、全てを網羅して書いてあるのです。でも誰もあんな細かい字は読めませんし、要はこうだからこうですよというやり方をやっていただくのが、本来の国民の立場に立ったやり方ではないかなと思います。
 素直な感想を述べさせていただきました。

○岩村委員長
 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。年金機構さんのほうは何かございますか。
 では、お願いします。

○日本年金機構事業企画部長
 事業企画部長をしております北波と申します。どうぞよろしくお願いします。
 「ねんきんネット」につきまして、幾つか御提言とかいただきまして、まず首藤先生にはいろいろと御指摘いただきまして本当にありがとうございます。
 日々私たちも年金脳にならないように頑張っているわけですけれども、そういう中でも、やはり制度を運営する立場からいろいろなことを考えているところがあります。首藤先生も初め発信力をお持ちの先生方に、ぜひこの「ねんきんネット」とか、今は再確認キャンペーンもやっておりますので、そこら辺のPRも工夫の点とかを教えていただければと思います。
 若干御指摘にもありましたが、まず少し「ねんきん定期便」等につきましての御指摘等ございました。私ども年金機構といたしまして、表現とかわかりやすさという面では、いろいろなところで気をつけているつもりでございます。
 若干補足をさせていただきますと、日本年金機構の中で文書モニターという制度がございまして、毎年都内におられる方を公募いたしまして、お客様にお送りするような文書につきましては、わかりやすさであるとかそういうものについて審査をいただくという仕組みをとっております。文書モニター会議というのを毎月1回やって、そこでかけていっております。当然ながら年金の定期便とかお知らせ便、そういうものにつきましても御審議をいただいていまして、例えば行間をもうちょっとあけないと見えにくいとか、フォントを上げろとか、そういう点での御指摘もいただいて、最大限それを反映させようという形でやっております。
 御指摘にもありましたように圧着はがきにしております。これはコストを下げろということで、まず最初の「ねんきん定期便」のところからの要請があって、いろいろと工夫をしてカラーからモノクロにしたり、いろいろな工夫をいたしました。そういう中で、限られたスペースの中でどれだけ盛り込めるかというチャレンジングな話がありますので、引き続きここら辺は検討していきたいと思っております。
 また、実際首藤先生から2回目からは何とかなったとおっしゃられたので少し安心をしていたのですが、試算のところがやはり、諸星先生からも言われるように難しいというところがあります。実際わからないというところをぼんぼん押していただいてすっ飛ばしていくというところもやりようによってはあるのですけれども、さらにそこら辺につきましては、何らかの改善ができないかというところはございます。ただ、余りざっくりしたものになりますと、今度はまた信頼性の問題がありますし、これはちょっと難しい点かなと思うので検討したいと思っております。
 また、今は第4次リリースというところで、順次「ねんきんネット」については改善をしておりまして、第4次はまさに今年の1月から始めました、未統合記録の検索システムというものを入れました。第5次につきましては、一つは届出書の作成支援でありますとか、モバイル対応でありますとか、まさに魅力ある「ねんきんネット」のつくりをしたいということで、何らかの企画をしてみたいとは思っております。クイズであるとかそういうものを入れられればいいなとは思っておりますので、そこら辺につきましても、いろいろなところで御意見いただければと思っております。
 私からは以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

○岩村委員長
 ありがとうございました。今の年金機構さんの発言についてでも結構ですが、何かございますか。
 斎藤委員が先にお手を挙げられましたので、どうぞ。

○斎藤委員
  「ねんきんネット」はその割には利用が進まないというところ、これはちょっと悲観的に過ぎるのではないかなとまず思いました。今の若い世代は、何かわからないことがあるととりあえずネットで調べる習慣がついていますので、大分これからは変わってくる可能性が高いと思っております。
 それと、わかりづらいという点ですけれども、専門家がつくるとどうしてもわかりづらいものになってしまいます。こういう公共性の高いものでどこまで許すかというのは難しいかと思うのですけれども、ウィキペディアで「年金ウィキ」みたいなものをどなたかボランティアでつくっていただいて、ここがわからぬと言うと誰かが書いてくれたりというような形で、わかりやすいものを、普通の人と言ったら語弊があるかもしれませんけれども、一般の方にも御協力いただくようなものがあるといいのかなと思います。ウィキペディアの利用の方法はいろいろな本が出てきていて、利用の方法によっては、きちんとした正確なものを補完するものになり得るのではないかと思いますので、「ねんきんネット」だけで存在させる、運営するだけではなくて、ほかの支援ツールというのもお考えいただいていいのではないかなと思います。

○岩村委員長
 ありがとうございます。
 それでは、首藤委員。

○首藤委員
 まさに、わかりやすさというのが求められているなと思うのですけれども、ある種公的機関ですから、そこは限界みたいなものも多分あるのもわかるのですが、例えば、私はファイナンシャルプランナーなのですけれども、ある種公的機関と一般の人との間に立つようなものでありまして、その意味では公的機関のお出しになるものを翻訳しなければならないという役割もあると思っているのですが、そのためにも情報というか、先ほどちらっと標準報酬月額のことを申しましたけれども、いろいろな情報を出していただくと我々翻訳家のほうも発展を考えることもできますので、ぜひその点でもお願いしたいと思います。
 それと、余談ですけれども、先ほど文書モニターというのが年金機構にあるということを初めて知りましたので、私も応募を検討してみたいかなと思っております。
 ありがとうございました。

○岩村委員長
 ありがとうございます。
 年金機構という公的な機関が、ざっくりとしたものを出すというのは非常に難しいですね。やはりどうしても正確性をおろそかにはできず、うっかりざっくりしたものを出すと、かえってそれによって混乱とトラブルが発生することもありますので、そこは常に大きな悩みの点だろうとは思います。
 ほかにいかがでございましょうか。
 では、諸星委員、どうぞ

○諸星委員
 「ねんきんネット」なのですけれども、今、登録者数がふえていることはいいのですが、要はリピーター率。アクセスする、その率が上がるかどうかなのです。アクセスキーはもらったから数字的には上がったよと、だけれども実際利用しているのがどのくらいいるのかをやはりこれから追うべきだと思います。
 それから、先ほどちょっと文書モニターの話がありましたけれども、実は審査会のときに非常にわかりづらい決定通知書がいっぱい来ていまして、その後で文書モニター会議を開いて、大分文書がわかりやすくなっています。それでもまだまだちょっと、もう一歩努力をしていただくような何か、それこそ首藤委員が立候補してくださって、そういったものを進めていただくということもありかなと思います。
 済みません。以上です。

○岩村委員長
 ありがとうございます。
 では、年金機構、お願いします。

○日本年金機構事業企画部長
 御参考にだけちょっと申し上げたいと思います。
 残念ながら、25年度の文書モニターの募集は終わりましたので、26年からよろしくお願いいたします。
 「ねんきんネット」の利用状況につきまして、3月に一回アンケート調査をいたしました。これはネットでの調査で、5月に公表しております。反応率が、メールの配信対象者92万人全員にアンケートメールを送ったのですが、有効回答数が4%で3万6千人ということで返ってまいりました。
 実は、リピートされている方というのはありまして、どのぐらいの頻度で見ているかを全体から言いますと、月に1回以上という方が25%程度おられます。半年に1回程度というのが大体6割ぐらいという形になります。1年に1回程度が10%ちょっと、残りの数パーセントが1年に1回未満ということで、意外と半年に1回ぐらいは見ておられたり、月に1回は見ておられる方がいるのかなと。これを見ますと、実はちょっと残念なのですけれども、若い方よりもむしろ年金を受給されている方であるとか、50歳以上の方が割とたくさん見ておられていることはございます。
 私たちも、今後どのぐらいの頻度で見ておられるかとかどこを見ておられるかというのも分析をしながら、改善に努めていきたいと思っております。

○岩村委員長
 多分悩みの点は、一番見てほしい若い人は年金に興味がない、かつ、パソコンとかモバイルが使えるにもかかわらず年金に興味がないので「ねんきんネット」は使わない。他方で、一番関心を持っている高年齢層の方々はモバイルとかパソコンがそれほどお得意ではないというのが、推測にとどまりますけれども一番難しい、今、直面している問題かなという気はいたします。
 ほかにいかがでございましょうか。
 では、事業企画課長、お願いします。

○事業企画課長
 済みません。事業企画課長です。
 事務局から質問をさせていただいて恐縮なのですが、一つ、諸星委員の資料の最後のページの「改善への提案」というところで、法律・政省令において、標準報酬月額に係る確認請求などが可能になることが必要という御提案をいただいています。標準報酬月額は、今、話がありました「ねんきんネット」などでも、使い勝手は悪いかもしれませんが確認はできますので、ここで書かれている確認請求というのは、調べるという、教えてくれるということではなくて、むしろ訂正を求める訂正請求というような意味と考えてよろしいですか。

○諸星委員
 そうです。

○事業企画課長
 わかりました。それが一点です。
 もう一点、鈴木委員の御報告の中で、3ページの最後の「その他」のところで、処分性をとの関係で御説明があって、処分性を持たせるような場合には、資料収集、調査を行政側が行うということは少し気になるというようなお話があったかと思うのですが、そのあたりをもう少し教えていただければと思います。というのは、やはり処分性を持たせるということは、対立する片方がもう片方の調査をするのはよくないのではないかというような御趣旨なのでしょうか、ちょっとそのあたりを少し教えていただけれありがたく存じます。

○鈴木委員
 私のちょっと気になったは、説明が曖昧で申しわけなかったのですけれども、要するに、最終的に処分性を持たせる場合であっても、基本的に訴訟とかは多分処分性を持たせるケースだと対立構造というのが根本にあるのかもしれないのですが、年金の記録の訂正にかかわる資料は、御本人が積極的に集めるのは非常に難しいし、どこにどういったものがあるのかというのを探すとか、手持ちの資料も乏しい状況で難しいと思うので、たとえ処分性を持たせるような、例えば対立構造のように思えたとしても、現状の第三者委員会でやられている調査の実態を生かすような形で行ったほうがいいのではないかということで気になるということで、対立構造を原則として証拠を、訴訟で言ったら弁論主義ではないですけれども、証拠は自分で見つけてこいと。できるとしても、例えば国だったら国を相手に、こういうものは持っていないのかということで調査嘱託したりとか、文書の送付嘱託という制度は訴訟にはありますけれども、そういったことでやってもなかなか難しいので、やはり調査であったり資料収集については、行政が主体になってやっている今のスタイルをなるべく維持して行なったほうがいいのではないかということで申し上げた次第です。
 再申立制度でも同じような調査が行われているので、それとのバランスをどうするかということも同じ観点から申し上げたということで、私のほうではそのように申し上げたつもりだったのですけれども、説明が足りなくて申しわけないです。

○岩村委員長
 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 済みません。委員長が余り聞くのもいかがかということはあるのですが、1点、鈴木委員にお伺いしたいのですけれども、今までの第三者委員会の場合は、一度に非常に大量の事案が発生して、ある意味ではきょう御説明いただいた中にもありましたように、緊急の対応という形で制度を設けて、その中でいわゆる疎明基準という形でやってきたところがあったと思います。それで、きょうお話を伺っていますと、仮に平常状態に行ったときに、今後もその疎明基準のままでやるのがいいのかどうかというところがやや気になっています。
 もちろん、そもそもの始まりは年金記録がいい加減であったというところから始まっているので、従来はそういう形で議論を組み立てることが可能だったのだと思いますが、きょうの総務省の御説明にもあったように、かなり事案の性質が変わってきている中で、従来のような形での疎明基準というもので、今後もこの問題を扱っていけるのかどうかがちょっと気になるのですが、そこの点は何か、確たる意見でどう思うということではなく、コメントでも感想でも結構ですけれども、もしお持ちであればいただければと思います。

○鈴木委員
 私は厚生年金のほうを担当しておりましたけれども、一応確からしいと、疎明基準でお願いしますとは言われたのですが、厚生年金の事案に限って言いますと、本人の申立てだけで認められるケースはほとんどないです。なぜかというと、まず事業主が給料を払うところで控除しますので必ず事業主の行為がかむので、認める、あっせんするにしても必ず周辺事情が上がってきますので、恐らく疎明とは言っても、厚生年金の場合にはほとんど証明に近いような形であっせん、非あっせんというのをやっていた印象ではあります。
 ですので、厚生年金に限って言うと、例えばいわゆる証明ということでも持っていったとしても、出てくる資料から例えば心証を得るときに、同僚の方がこれだけの給料をもらって控除されているのだったら申立人のほうも推認できるだろうというのは、いわゆる心証としては証明のレベルなのかなと思いましたので、厚生年金に限ってということで言わせていただくと、余りそこは気にしなくていいのかなと。どちらかというと証拠を集める、証拠をそろえるほうがむしろ重要。そのそろえるのを今、行政側で積極的にやっていて、かなり網羅的に、先ほど申し上げたように電話帳まで調べているということでもあります。だから、そこの部分をどうするかということのほうが重要なのかなとは思いました。

○岩村委員長
 ありがとうございました。ほかにはいかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、ほぼ予定している時間でもございますので、本日の審議はここまでということにさせていただきたいと思います。
 次回の専門委員会につきまして、事務局から連絡はございますでしょうか。

○事業企画課長
 本委員会の次回の開催日時は、また追って連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○岩村委員長
 ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして本日の審議を終了とさせていただきます。お忙しい中、お集まりをいただきまして、どうもありがとうございました。
 特に、御報告をいただいた皆様、本当にありがとうございました。


(了)

(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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