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2012年12月25日 第2回陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策検討会議事録

労働基準局安全衛生部安全課

○日時

平成24年12月25日14:00~16:00


○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)


○出席者

(委員:五十音順、敬称略)

大幢勝利、岡本浩志、苦瀬博仁、小林繁男(代理:堀野弘志)、齋藤直也、三瓶宏一、津留邦彦、水野功

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
半田有通 (安全課長)
一瀬壽幸 (安全対策指導業務分析官)
野澤英児 (主任中央産業安全専門官)
高橋洋 (副主任中央産業安全専門官)
吉岡生博 (労働衛生課係長)
小沼宏治 (副主任中央産業安全専門官)
中島賢一 (中央産業安全専門官)

○議題

(1)陸上貨物運送事業における荷役災害の防止方策について
(2)報告書骨子(案)について
(3)その他

○議事

○苦瀬座長 それでは、定刻より少し前ですけれども、皆様方お集まりになりましたので始めさせていただきたいと思います。第2回「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策検討会」でございます。
 本日の出席状況ですが、陸上貨物運送事業労働災害防止協会の小林委員が欠席でございまして、代理で同協会の堀野安全管理士が出席しておられます。
 それでは、事務局より最初に資料の確認をお願いいたします。
○小沼副主任 資料の確認をさせていただきます。
 お手元の第2回の安全対策検討会の次第でございます。
 最初の1枚目が次第でございます。
 おめくりいただきますと資料1ということで、星取表のようなものが入ってございます。
 資料2は資料2-1と資料2-2に分かれてございまして、資料2-1でごく簡単な対策の内容のようなもの1枚紙がございます。その後、ホチキスどめで14ページほどございます、厚めのものが資料2-2ということで入ってございます。
 資料3は横長の表のようなものでございます。
 資料4は1枚紙で表裏でございますけれども、報告書の骨子(案)が入ってございます。
 あとは参考ということで、参考1「陸上貨物運送事業における荷役作業時の死傷労働災害発生状況」。こちらは前回の資料10と全く同じものでございます。御参考として付けてございます。
 参考2「陸上貨物運送事業における月別の死傷災害発生状況(平成23年)」。事前に委員さんのほうにお願いなり御相談に上がりましたときに、月別の状況くらいはないのかという御指摘がございまして、簡単でございますが、まとめております。こちらは交通事故なんかも入ってしまっておりますので、そういう意味では数字が荷役災害だけというわけではございません。
注意点でございますが、これは23年のデータでございまして、3月の部分が数字が大きくなっておるのですけれども、これは東日本大震災で直接津波とか地震の関係でお怪我をされたり、あるいはお亡くなりになったような方が入っておりまして、3月の部分は実際は震災分を除きますと1,175名でございまして、3月だ怪我突出しているわけではないということでございます。
 参考3といたしまして、前回ガイドラインだけお示ししましたけれども、交通労働災害防止対策のガイドラインを作ったときの検討会の報告書でございます。報告書のイメージを考えていただく上で御参考までにつけております。ただ、交通ガイドラインは既に平成6年くらいに作っておったものを、平成20年の検討会でバージョンアップしたような形になっておりますので、一から作った報告書とは違うのですけれども、一応、報告書としてこんなような感じのものが付いているということで、御参考に付けさせていただきました。
 それから、机上に小さな冊子で緑とピンク色のもの、これはトラック協会の齋藤常務さんからいただいたもので、トラック協会としてこのような対策に取り組んでおられるという小さな冊子が2つございます。
 陸上貨物輸送事業労働災害防止協会さんから、参考資料1~参考資料6でクリップどめのものがございます。堀野管理士から御説明になるときにお使いいただくということで、別途提出いただいております。
 資料は以上でございますが、抜け等はございませんでしょうか。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 それでは、議題(1)「陸上貨物運送事業における荷役災害の防止方策について」から始めたいと思います。
 前回の会議で私が十分理解していなくて御迷惑かけましたけれども、今までの検討、今までどんなことをやられてきたのかということを整理して、議論したほうがいいのではないかという話になりましたので、最初にそのあたりから進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小沼副主任 資料1から御説明をしていきたいと思います。
 ただいま座長から御説明ございましたとおり、前回のこの会議で既に行われております対策をきちんと整理して、それから議論をしましょうというお話がございました。こういった御意見を踏まえまして作成いたしたものが資料1~資料3でございます。
 資料1につきましては前回御説明しました荷役作業の災害の分析結果から、災害が多く発生しておりますキーワードごとに陸上貨物運送事業者と荷主先に分けまして、それぞれまた法令とか通達とかパンフレットごとの対策の有無を星取表でつくったものでございます。
 ご覧いただきますとわかりますように、墜落とか転落、フォークリフト、クレーンといったものにつきましては、他の業種を含めまして災害が多いこともございまして、法令とか通達でいろいろな対策が決められております。その一方でロールボックスパレットなどの人力のものでありますとか、転倒災害でありますとか、動作の反動といったものにつきましては、既存の対策が余りになされていないことがわかるわけでございます。
 資料2につきましては資料2-1と資料2-2があるわけでございますが、基本的には資料1の星取表の星の部分について、具体的に何をしているのかということを書いたものでございます。資料2-1につきましては、この後また御議論いただくときに余り細かいものを読んでいるとなかなか大変でございますので、現在やっている星の中身を本当にごく簡単に書いてございます。例えば墜落、転落であれば作業計画を作りなさいとか、作業指揮者を選任しなさいとか、はい作業主任者を選任しなさいということが法令で決まっていますということがざっと書いてございます。
 資料2-2は資料2-1の内容をさらに細かくというか、具体的にどういうことをやっているのかわかりにくいところは、資料2-2を見ていただくとわかるということでございます。
ただ、1点だけ私どものほうでよくなかったのですが、資料2-1では一番上がいきなり墜落、転落になっておりますけれども、資料2-2では共通事項が一番上に来ております。具体的に墜落、転落とかフォークリフト、コンベヤーの前に全体的な共通事項として安全管理者を選任してくださいといったような安全管理体制でありますとか、雇い入れ時の教育をやってくださいという教育の話でありますとか、施設設備の関係でもこういうことをやってくださいという全体にかかってくるようなものがございますので、全体にかかってくるものを資料2-2では共通事項ということで、一番最初のほうで3ページ目の下のほうまでずっと書いてございます。
 3ページ以下はそれぞれまた先ほどの墜落、転落などの資料2-1と同じことが詳しく書いてあるというイメージでございます。
 大変恐縮でございますけれども、この辺はなかなか一個一個説明いたしておりましても、非常にボリュームもございまして、お時間もかかってしまうものですから、先生方お忙しいところ申しわけないのですが、事前にお送りさせていただいてお目通しをお願いしてございますので、具体的に説明は余りいたしませんけれども、今日はこの項目に沿って御議論をお願いしたいと思っております。
 それから、このお願いに併せまして具体的な荷役対策として、何か新しいことをやっていくようなイメージのようなものがもしあれば、議論の参考といたしまして事前にお出しいただけないでしょうかということをお願いいたしましたところ、何名かの先生からいただいております。それが資料3でございます。
資料3につきましては共通事項からずっと始まっておりまして、ざっと作ってございます。それぞれどんなことをやるか陸運事業者側と荷主さん側で分けてございまして、御意見というかアイデアをお出しいただいた先生のお名前なんかも記載をさせていただいたという感じでございます。これが議論用の資料3でございます。
 こういった資料1~資料3の資料をご覧いただきながら、先ほどの星取表ではございませんけれども、既に対策がある項目につきましてはこのままでよいのか、それともさらに追加していくべきものがあるのかどうかという観点、それから、現状対策がない、星取表が空欄になっているようなものにつきましては、災害の発生件数なんかも考えながら、このままでよいのか、それとも何か新しいことをやっていくべきなのかといった観点。こういった2つの観点でそれぞれの項目につきまして、順番に共通事項から御議論をしていただければどうかと考えて資料を作ってございます。
 本日の進め方の考え方と資料1~資料3につきましては、以上のようなことでございます。よろしくお願いいたします。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 この1番目の議題については復習しますと資料1~資料3ということで、資料1のマトリックスになっている星取表の○のところが、資料2-1で少し詳しく書いてありますよと。その資料2-1を荷役作業の墜落、転落、フォークリフト、クレーンという順に並べているのですが、その前に共通事項というものが資料2-2で3ページほどあります。その後は荷役、フォークリフト、クレーンの具体的な中身が書いてあるということですね。ありがとうございました。
 ということで、今までこんなことがやられてきている、体制があるということを整理していただいているわけでございます。資料1と資料2-1、資料2-2に関して何か御質問、御意見ございますか。御意見は3で具体的に1個ずつまた聞きますけれども、よろしいですか。
 では、ありがとうございました。それでは、今、具体的に御提案がありましたように資料1、資料2-1、資料2-2をベースに、資料3で事前に各委員からいろいろ御意見をいただいているところですので、この順番に従ってまず共通事項のところから新たに検討した方がいいということから順番にいきましょうか。具体的には資料2-2の3ページ目の下のほうまででございますが、そこからいきましょうか。
 資料3を拝見いたしますと齋藤委員、津留委員、堀野代理から意見を出していただいているということで、御説明いただけますか。
○齋藤委員 私は共通事項としまして、作業環境に合致した服装など、装備ですとかそういった最低限の準備をということで、こちらのほうに記入したのですが、新たに検討すべきものという観点で申し上げますと、既にパンフレットなどにも作業マニュアルの中に当然必要な装備については触れておられるのだろうなと、今そういうふうに思ったのですが、私も今回、この資料を回答させていただくに当たって若干考えておりましたことがございますので、そちらを先に申し上げさせていただいてもよろしいでしょうか。
 確かにマニュアルとかこういったものは、御用意いただいているものが数多くございます。特に私がきょうお持ちした、実は全日本トラック協会で過去に作成しておりますマニュアル類、例えばこれはトラックドライバーの積卸し、シートがけ、固縛のマニュアルということで、過去にこういったものも作成して会員事業者さんにお配りしてございますし、荷役作業の安全マニュアルということで、こちらのような冊子も過去にお配りしてございます。
 各事業者さんにおきましても、さまざまな取り組みが行われていることを前提にした上で、なぜまた同じような労働災害が発生しているのかと、逆にそちらのほうにスポット当てて漏れを埋めるというよりも、なぜせっかくこういうものがあるにもかかわらず、減らないのかといったことにスポットを当てて検討していただければ、そのほうがよろしいのではないかというスタンスで書いたものですから、恐らく既にあるものと重複しているのではないかと思っております。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございます。
 津留委員、共通事項に関して何かございますでしょうか。
○津留委員 日本通運の津留と申します。よろしくお願いします。
 私のほうから共通事項ということで書かせていただいたのは、雇入れ時教育もしくは作業変更時の教育という、教育の部分ということで共通化できるかなと考えました。
 安衛法等できちんとした規定等はあるのですけれども、やはりそれが不十分もしくは教育が不十分なために、発生している災害も否めないと考えております。ですから、ある程度標準的な部分はいろんな部分で示されているのですが、今回この検討会の中で出た内容をもう一度標準的なカリキュラムの中に入れ込むことを検討されたらどうかと考えまして、共通事項ということで記載をさせていただきました。
 やはりポイントとなるのは小零細企業の方々でも同じような形で教育ができれば、労働災害の部分はある程度減少に転じるのではないかと考えております。ですから、もう一度この教育の部分、ただやればいいということではなくて、きちんとした何かこういうふうな標準的な部分があるんだということを知らしめるというところでどうと思いまして、記載をさせていただきました。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございます。
 では、堀野さん、よろしいですか。
○堀野安全管理士 陸災防の堀野でございます。
 私が書きましたのは津留委員と似たような感じなのですけれども、荷役作業者の教育ということで、災害事例をいろいろ見ますと、どうも基本を忘れているというか、基本を知らないといいますか、そういう災害が非常に多い。要するに滑って転んだとか、足を踏み外したとか、バランスを崩したということで、見ますとまず管理者がいないところで1人で不安全な行動をとっているパターンが多いのではないかということで、複数ですとまず作業指揮者をつけて、その監視のもとにということなのですけれども、ドライバー1人でみずからの上司とか管理者がいない中で、そういった不安全な行動をとっているということで、多分この雇入れ時の教育も十分にされていないか、あるいはされていても既に忘れていてショートカットをしているとか、そういったことが多いのではないか。
 それと資料3の5ページの提言等の5番で書いておるのですけれども、ここを読ませていただきますと、元来、貨物自動車運転者にとって荷役作業は専門外の作業でした。近年は運転業務の附帯作業として常態化している。しかしながら、もともと荷役作業のプロフェッショナルではないので、荷役作業についての教育訓練が不十分であろう。また、1人作業の場合は作業指揮者の選任も不要のため、作業指揮者教育も受講していないケースがほとんどであろうということで、したがいまして、貨物自動車運転者が単独で、あるいは荷主等と混在で荷役作業を実施する場合を想定したような荷役作業教育、ドライバー対象のものが必要であるのではないかということで、共通事項として書いた次第です。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 それでは、どういうふうに進めましょうか。その後も御説明いただきますか。
 多分、共通事項でいろいろな意見が出てくるのだと思うのですが、それは個別の御意見を聞いてから元に戻りましょうか。
 荷役のほうに行きましょう。大幢委員、お願いできますか。
○大幢委員 ここに記載してありますのは、以前、私どもの研究所でいろいろ荷役作業の墜落、転落を防止するための機材を開発したものであります。左側が陸上貨物運送事業者さんの対策で、右側は荷主さんの対策となっているのですが、まずは陸上貨物運送業さん、トラックの運転手さん側の対策としましては、基本的には余り高所作業をやらないことが前提なのですが、どうしても必要な場合におきましては、できるだけ墜落をするリスクを減らすということで、あおりに取りつける簡易作業床を開発しましたので、こういったものを普及すべきではないか。
 タンクローリーなんかも、なかなか安全帯、取付設備がないので、こういったことについても安全帯使用を推奨する。工場というか製油所なんかですと最初から安全帯取付設備が付いていて、安全帯を使って作業ができるのですが、出先のガソリンスタンドとかああいうところですとないという状況ですので、それも検討する必要があると思います。
 右側の荷主さん側の対策としましては、これは既に実践されているところも多いのですが、例えば荷台の横にプラットホームがおりてきて、そこで作業をする。あるいは移動式のものを私どもの研究所で検討したのですが、移動式のネットとか柵みたいなものを荷台の横に持ってきて、墜落防止をするというようなものです。そこにもタンクローリー給油設備からの墜落防止のための安全帯取付設備の設置とありますが、これは大手の製油所さんではやられているようです。
 以上です。
○苦瀬座長 齋藤委員、お願いします。
○齋藤委員 こちらの貨物運送事業者の場合、先ほど申し上げましたようにせっかくこういった、私が先ほどお示ししたようなマニュアルがございますけれども、こうしたものを使いましてドライバーに対する安全作業手順の教育を徹底する。まずは事業者として最低このぐらいはやるべきではないかということでございます。
○苦瀬座長 ありがとうございます。
 津留委員、いかがですか。
○津留委員 これに関しましては墜落、転落ということですが、当社の中でも車両を担当している部門と話をしたところ、車体メーカーさんとか自動車メーカーさんにも安全という部分で、荷役作業で改善を要請することも1つの有効な方法ではないかと。車体メーカーさんなどで積極的に今後は安全という切り口で墜落、転落の部分を検討してみたいというお話も聞いております。この検討会の中で出た意見を車体メーカーさんの団体等に提言するというのはどうかと思いまして、検討すべき内容と思いましたので記載をさせていただきました。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 そうすると次めくっていただきますとフォークリフト、クレーン、コンベヤー。この変はまとめましょうか。一個一個やっていったら時間がかかりそうですから、フォークリフトとクレーンとコンベヤー、大幢委員からいかがでしょうか。
○大幢委員 まずフォークリフトですが、フォークリフトについては用途外使用、すなわちフォークリフトのつめの部分に労働者が乗って昇降するということについては、例外的に認められていることもあるようなのですが、以前、私どもの研究所でいろいろ検討したところ、余りそういった事例、例えば手すりをつけるとか、そういった製品もないようですので、既に陸上貨物運送事業労働災害防止協会では禁止しているようなので、中途半端な状態で認めるのではなくて、禁止してしまってはどうか。
 クレーンに関しては建設業とか他の産業でかなり対策がされているのではないかと思いますので、そういったところも参考にしてはどうかと思います。
 以上です。
○苦瀬座長 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 貨物運送事業者は全てドライバーに対する教育ということで、フォークリフトにつきましても、クレーンに関しましても共通でございます。
 荷主さんに対するというところで、先ほど共通事項のところで飛ばしてしまったのですが、フォークリフトに関しましては、まず荷主さんのオペレーターさんに対する安全教育というのが実際にきちんとやられているのかどうか。それを徹底していただきたいということでございます。これは私の経験則でございまして、以前、私が勤務しておりました運送会社のドライバーがお客様のところに集配に伺いまして、たまたまそこでフォークリフトオペレーターさんの積み込みの際に、リフトで足をひかれるという労災事故が発生しまして、そのオペレーターの皆さんが何人かそこで勤務されている方がいらっしゃいまして、お客様からぜひオペレーターについて教育をしていただけませんかという御要請があったものですから、私どもが勤務していた運送会社におきましては、フォークリフトのオペレーター指導員という人間がおりまして、常時そういった社員教育をやっていたのです。
そういう中で私どもが社員教育でやっておりましたカリキュラムに基づきまして、その荷主さんのオペレーターを教育したりしましたところ、受講記録をいただいて見ましたら、私は勤務して何十年経つけれども、初めてこういう教育を受けましたというお話があって、それでは私どものドライバーがひかれるのも無理はないなと感じまして、いろんな業界でフォークリフトをお使いになっていらっしゃると思うのですが、どこまで個々の業界でそういった教育をなさっているのかわからないところがあります。この辺は声を上げていかなくてはいけないのではないかと思いました。
 2つ目は、荷主さんの構内というのは当然いろんなルールがあろうかと思いますけれども、ドライバーは初めてそういった荷主さんの構内に入ったケースもございますし、そうした場合に訳わからないうちに事故に巻き込まれることもあるのではないか。ですから、その辺はわかりやすくドライバーに対して表示していただくとか、なかなか事前教育というところまではいかないと思いますけれども、何かそういった工夫をしていただけないか。こんなことを考えておりましたものですから、まとめさせていただきました。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 津留委員、お願いします。
○津留委員 フォークリフトに関しましては、安衛法で決まっています作業計画の部分ですけれども、現実は標準的な様式とか、そこまでは決められていなくて、各社独自性を持ってやっていると思います。ですから、必要な項目に対して路面の状況とか、荷の数量とか荷姿等に関しての指示をやったとしても、立ち入り禁止措置等、作業指揮命令等の部分などをどのようにするとかいうアイデア的な部分、標準的な部分を示すことができれば、その中で先ほどから言っている教育の部分で使えると。
 また、作業の開始前ごとの作業指示、作業開始前ミーティングのときも、必ずこの作業計画を使って説明するんだということが業界及び荷主様のほうにも周知できてくると、少し作業環境が変わってくると思います。
 この作業計画に関しても、知らないとかわからないというのがたくさんあると思われますので、もう一度、法律で決まっている部分を周知するためにも、この検討会である程度の提言ができればと考えております。
 コンベヤーに関しては、緊急停止措置を作業方法もしくは標準的な安全作業手順書の中に万が一の時は緊急停止装置を使い必ず止めろというような部分を記載することを提言できればと考えて記載させていただきました。
 以上です。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 堀野さん、いかがですか。
○堀野安全管理士 まずフォークリフトですけれども、荷主側で3番とか、フォークリフト通路と人の通路の区分けは施設管理者しかできないので、当然、荷主側だろうということで、こちらで対策をとっていただく。やはりフォークリフトという非常に危険なものと人が混在しているという危険な状態はなくすべきだろうということです。
 輸送側の4~7番なのですが、これは荷主側も共通ということで見ていただければと思います。
 まず荷崩れ防止措置の義務化。やはりマストとヘッドガードに挟まれるというパターンをいろいろ見ますと、荷崩れを起こして思わず手を出す、体を乗り出すといった場合が非常に多い。なぜそういうことをするのかというと、荷を壊すと大体輸送業者がそれを弁済しないといけないということで、非常に気をつかうところということで、思わず手が出てしまうということなので、そもそも荷崩れしないように、倉庫でパレット類を運ぶときは荷崩れ防止、ラッピングとか少なくともネットをかけるとか、そういうことで安くもできると思うので、そういうことはある意味義務化するぐらいの必要があるのではないかという提言です。
 それと、やはりフォークリフトで転倒したときに下敷きになるパターンはほとんど投げ出されているということで、シートベルトをしていないということです。今、新しいフォークはほとんどシートベルトが付いているのですけれども、多分、古いものは付いていないということで義務化になっていないということなのだと思いますが、そろそろ義務化してもいいのではないか。シートベルトの付いていないものは付けなさい、あるいは転落しないように手すりを付けなさいとか、そういったことが必要なのではないかということです。
 リーチフォークの場合は体がはみ出す、そこがぶつかるということが非常に多いということで、例えば先日も物流展なんか行きますと、ひじが出ないようにアームガードを付けていたりとか、後ろの開口部に足が出ていて、そこがバックしたときに当たってしまうということがあるので、その辺のガードが必要なのではないかということです。
 やはり挟まれで一番多いのは、エンジンをかけたまま荷役装置に行ってしまう、要するにマストのほうに行ってしまうということです。もう一つが逸走してしまうということで、これを防ぐには着座連動型のインターロックです。席を立てば駆動も荷役装置も動かないという形のインターロックを強力に推進していくべきではないかということで、ここに挙げております。
 次にクレーンなのですけれども、クレーンで一番多いのは車両積載型トラッククレーンです。これが5トン未満ということで免許ではなくて技能講習ということで、そういう教育を受けて訓練して資格をとっているわけですけれども、どうも事故を見ますとそもそもアウトリガをいっぱいに張らないで平気で作業をしているだとか、大体転倒が多いわけですけれども、そのほとんどが定格荷重を超えている。それは要するにブームの長さ、作業半径の関係と定格荷重との関係がわかっているのかわかっていないのか、あるいは無視しているのかということで、基本的なことがわかっていない事故が多いということで、フォークリフトなどは概ね5年ごとに能力向上教育を受けなさいということになっているのですが、この小型クレーンに関してはそういうものがないということで、フォークと同じような扱いで能力向上教育で教育をし直したらいいのではないかという形でやっております。
 一方、荷主のほうは車両積載型トラッククレーンあるいはラフテレーンクレーンなんかもそうなのですけれども、多いのが転倒です。その場合にクレーンを設置する場所を荷主もちゃんとわかっておらなければいけない。これは輸送会社が行ってもその時点ではわからないわけです。ですからクレーンを設置する場所の地耐力、要するにアウトリガの反力に耐え得る地耐力をまず荷主がわかっておらないといけないし、ここにしなさいということで指示しなければいけない。傾斜なんかにも設置させない。あればそれを修正するといったこと。それと車両積載型トラッククレーンのアウトリガといったら非常に小さいのです。座布団といいますか、アウトリガのパットは持っていくのでしょうけれども、それでもたない場合が非常に多いということで、敷き鉄板あたりは車両積載型トラッククレーンだと、それを持っていけば積載能力が下がってしまうということがあるので、そういう鉄板は荷主のほうで用意しておけばどうかなということで、こちらに書いております。
 もう一つ、輸送側が全くわからないのが設置場所の地面の下にある暗渠、埋設物です。そういったものをちゃんと明示しておかないと、間違ったところに設置してしまう。そういったところで思わず沈み込んでしまう事故が多いということで、そういったものを明示するようにということで書かせていただいております。
○苦瀬座長 ありがとうございます。
 これに関しては事務局から出ておりますけれども、何かありますか。
○一瀬分析官 事務局で出させていただいておりますのは、主に災害の発生状況から考えて重要と思われる点について記載させ.ていただいております。
 まず、停止中のフォークリフトの逸走防止は規則にも記載されているところでございますが、フォークリフトというよりも貨物自動車も多いのですけれども、停止中のフォークリフトが動き始めることがあります。中で動き出したものを止めようとするとか、運転席に乗り込もうとするというケースが多いので、その辺は強調すべきだろうと考えています。
 あと、マストとヘッドガードに挟まれる。これも運転席から離れるときには原動機を止めるというのは規則にもあることでございますけれども、先ほど堀野代理からもお話がありましたように、運転席から乗り出すということがあります。
 運転席が上昇するフォークリフトがございますが、そこからの墜落という災害も多いということでございます。
 急停止、急旋回の禁止。そういった点について原因とする災害が多いということで記載すべき、強調すべきかと考えております。
 以上です。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 そうしたら、最後に荷役機械からは堀野さんと事務局でしょうか。一通りやってから、今度は全体について他の委員の御意見も賜りたいと思います。よろしくお願いします。
○堀野安全管理士 人力荷役機械、主にロールボックスパレットなのですけれども、これの取り扱いということで細々入れておるのですが、参考資料がございます。これは実は作業指揮者のテキストなのですけれども、これの12ページにロールボックスパレットの積卸し作業ということでテキストに書いてあることなのですが、これを説明しておるわけです。
 ロールボックスパレットを動かすときは方向変更車輪側の外側の支柱を握る。ほぼ胸の高さで前方に押して移動するとか、こういう取り扱い方法などをここで記載しております。こういったことの基本的な教育が必要なのではないかということで、いろんな細かいことをここに入れております。全て説明するのもあれですので、こういった形でやっておる。漫画にも描いていますように、こんな絵のような感じだということでございます。
○苦瀬座長 ありがとうございます。
 事務局からは何かございますか。
○一瀬分析官 まず人力荷役機械のロールボックスパレット関係の右側でございますが、共通事項にもありましたけれども、作業場の凹凸でありますとか、傾斜をなくす。これはロールボックスパレットの災害ではそういったことを原因とする災害が多く発生しておりまして、これは荷主のほうにもお願いしなければいけないことだと考えます。
 4ページ目でございますが、その他のところでございますけれども、荷役作業中の挟まれ災害とかで、必ずしもフォークリフトとかクレーンなどが関係していないような災害も発生しております。
 1点目のロープ解きの作業とかシート外しのときに荷物が落下して挟まれることがございまして、これについては規則でも作業指揮者の職務として記載されておりますが、一般的にこの辺が重要なことであろうと考えます。
 あおりをおろすときに荷物を十分確認しないでおろして挟まれるという事故も発生しております。
あと、鋼管とか丸太など、主に円筒状のものとか長尺物でございますが、それに挟まれるといった災害。
 4番目は先ほどフォークリフトのところでもありましたけれども、停止中の貨物自動車が動き始めるということが多いので、記載をしております。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 それでは、最後に5ページに行っていいでしょうか。提言ということで大幢委員、齋藤委員、津留委員、堀野さんにお話をいただいて、その後、他の委員にも御意見をいただきたいと思います。
 大幢委員、いかがでしょうか。
○大幢委員 提言ということで先ほども言いましたが、あおり板に設置する作業床といったものを普及させてはどうかと考えています。
○苦瀬座長 齋藤委員、いかがでしょうか。
○齋藤委員 今回の事故事例を見ましても、荷主さんの規模も大きな荷主さんから中小零細の荷主さんもあろうかと思いますし、積卸し先としても工場ですとか配送センターから倉庫、店舗、農家の庭先、個人宅など、これも様々であろう。積み荷の形態からしましても一般的に段ボールもあれば機械類とか鋼材、ドラム缶、石材といったものもあるのではないか。また、私どもの提供させていただいている車両も平ボディー車があったりウイング車、箱車、クレーンの先ほどの搭載型の車両、タンクローリー等々、これも様々だと思いますので、本当にこれを個々にケース・バイ・ケースでやっていたら大変切りがないと思うのですが、できれば対策についてはある程度汎用的なものを共通項でくくって教育ができるもの、基本的なものをまとめていってはどうかなと考えたところでございます。
○苦瀬座長 ありがとうございます。
 津留委員、いかがでしょうか。
○津留委員 提言ということですけれども、一番はやはりハード部分をどうするかということが労働災害を防止するために一番と思いますが、いろんな条件があるので、これも一長一短ですぐできないと思いますと、ソフトの部分、教育の部分の充実が必要と思います。
 今、陸上貨物運送事業を営んでいるところに関しては、小零細企業が大多数を占める業界としては、危険予知活動等をやっておりますけれども、それがどこまで浸透しているか。現実はちょっと難しい部分もたくさんあると。積極的にやられている部分もありますが、教育とかできる人材がたくさんいる業者だったらいいのですけれども、教育できる人材が少ない事業者では精いっぱいの事業者もたくさんいらっしゃると思いますので、そういうところに関しては危険な部分は危険だというような部分を知らしめるための危険予知活動等を、積極的に自分たちで取り組めるような土壌が必要と思います。
そのためには安全教育がきちんとできている会社とか、社内制度がきちんとできて労働災害を撲滅するためにこういう取り組みをしている。国土交通省でやっています運輸安全マネジメントを見ていきますと、優良な事例をホームページにアップしています。それを見て、そこからヒントを得ているという部分がありますので、労働災害に関しましても厚生労働省様のホームページ等でいろんな優良事例等が参考事例としてアップできれば、それを見て自分の会社でも取り組もう、もしくはそれを見て真似しようという部分で、少しずつ底辺が広がるのではないかと考えましたので、記載をさせていただきました。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございます。
 では、堀野さん、お願いします。
○堀野安全管理士 その他の前に、転倒と動作を先ほど説明しませんでしたので、それを説明させていただきます。
 まず転倒に関しましては、参考資料4に1枚物であるのですけれども、まず輸送側としては転倒防止のための教育の実施ということで、まずはけつまずかない整理、整頓、靴の工夫。耐滑性、屈曲性ということ。それから、そもそも両手で物を持たないという感じで台車をできるだけ利用するということです。
そして、資料にもありますように、転倒リスクを認識した上でKYT自問自答をやる。それから、行動のしつけです。今なかなかわかっていないというところで手すりの持ち方だとか、走らない、石ころや空き缶を見つけたら拾うとか、手抜き・省略をしない、作業前に必ず準備体操をするといった、こういう今さらでもないようなことを教育し直さなければいけないのではないか。
 荷主側には設備改善ということで、まずは段差をなくす、手すりを設ける、床面を滑らないように処理するということです。これは裏側に中災防の『転びの予防と簡単エクササイズ』という本があるのですけれども、そういったところにも詳しくあるので、そういったことで教育あるいは対策をとればどうかということです。
 動作の反動は主に腰痛なのですが、これは古くて新しい災害ということで非常に多いということで、これにつきましても参考資料5に腰痛予防研修会のレジュメをつけておりますけれども、こんな形でまず人力作業をできるだけやめる。機械、道具を使うということ。要するに重いものを持ったり運んだりしないということです。これは意外と日本人はやってしまうわけですけれども、欧米などを見るとまず彼らは道具がないとそういうものを運ばない。そういう安全文化があります。日本はその点がまだやってしまうという、効率を優先するような気風があるということかと思います。
 そういったことで、ここにつけていますEUの指令だとか、この辺は第12次災防の資料から持ってきているのですけれども、こういったことで国際的なやり方と整合性をとるということと、科学的なアクセスといいますか、そういったことをやっていけばいいのではないかということで、ここに挙げさせていただいております。
 最後に提言のところで教育なのですけれども、なかなかドライバーの荷役作業教育となると、どのレベルがいいのかということでいろいろ考えてみたのですが、1つは雇入れ時の教育、作業指揮者教育ということもあるのですけれども、やはりドライバーを教育するとなるとなかなか集めにくい、短時間でないとなかなか来られないだろうということで、実施面を考えると短時間で簡単にわかるようなということで、参考資料2に漫画で学ぶ実例危険予知訓練というものを付けております。
これは非常に古いテキストでして、もうないのです。一部だけ残っていたので、この中から少し抜粋して1つだけ挙げているのですけれども、まず実例7ということでテールゲートリフターで積卸し中にどんなことがありますかということで問題提起する、対策を検討させる。次にその回答版ということでこういうことがありましたよねということで、これは実例ですので、こういったことでやっていく。最後にテストということで穴埋め問題をつけてどうなのかということで理解度を確認するという、こういう3段階でやっているようなテキストがありました。こういったものを作り直してうまくやれば、ドライバーも簡単に理解できるのではないか。これぐらいのレベルがいいのではないかということで参考に付けさせていただいております。
 以上でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 それでは、一応資料3の皆様方の意見を頂戴したので、ここでそれ以外の委員の方たちから御意見が何かございましたら。
 では、水野委員、お願いします。
○水野委員 水野です。
 実はこの資料をいただいて私も何か書こうかなと思ったのですけれども、余りにも既にいろいろなことがあって、これ以上足して、する人たちが今後本当に理解できるのかということで、今お聞きしていても教育ということなのですが、どう末端に一人一人担保されるかという議論をしていかないと、先に行かないのではないか。
こういうマニュアルはかなりいろいろなところであって、例えば我々の業界でキャリアカーというものがありますけれども、キャリアカーは新車を運びますので、このドライバーさんには3カ月ぐらい教育をかけて、その上で本チャンにさせるという仕組みになっています。もちろん系列外はその担保はできないわけですが、今、業界をあげてそこを担保させるように教育認定制度を今スタートさせているのですけれども、そうしますとキャリアカーを運転するドライバーが全員そういう教育を受けたということの担保になるわけで、そこの末端に一人一人どう担保していくかという議論が1つ要るのではないかと感じております。
 もう一点はこの前、小沼さんにもお話したのですが、キャリアカーで昔、路上で積卸しをしなければいけないということで、死亡災害が何件か出ました。これは自販連さんと我々の業界と自動車総連も入りましてワーキンググループを作って、各々ができることをやりましょうということで、例えば新車のディーラーですと、今度作るときはキャリアカーがちゃんと入れる販売店を作りましょうとか、それができない場合には販売店側が誘導員を出して単独作業をさせないとか、そういう取り組みをした実績があり、事故も確実に減ってきております。そういった荷主とのコラボが結構必要なのではないかと強く感じておりますし、トヨタさんの例で言いますと荷役作業と運搬作業と完全に分けて、トラックの運転手さんは工場内に入ったら荷役をやらせない。フォークリフトは全て工場側の人間がやるという取り組みも始まっていますし、自動車業界の中にはそれに追随するところも出てきていまして、そういう好事例が幾つも私はあると思うので、先ほど津留さんがホームページとおっしゃっていましたけれども、荷主さんに対してこういうことで改善して事故が減ったというアピールを、もっとしていく必要があるのではないかということを感じております。
 もう一点だけ申し上げますと、今はこれをしたほうがいいよということの議論がすごく多いわけですが、これをやって事故が減ったら何かインセンティブが働くような、例えば今度ローソンさんが健康保険の何かでインセンティブが働くようなものがありましたが、例えば労災が減ったらこうなりますよとか、何かやっていくことに対してのインセンティブが働くような仕掛けづくりがあると、各企業が前向きに取り組むのではないかと感じております。
 以上です。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 それでは、 三瓶委員。
○三瓶委員 三瓶でございます。
 前回も申し上げましたとおり、教育が大切だなと実感しております。特に現場にいた人間でありますので、教育が大切だと思いますし、皆さんの意見を聞いておりますと、やはり教育だなと実感しております。
 ただ、その方法、中身については千差万別、ばらばらでありまして、確かに大手と言われるところの運送会社さんはかなり教育に力を入れて、お金をかけてやっていらっしゃると思います。しかし、5名以上10人未満という中小零細になりますと、ほとんどやられていないというのが実態ではないかと考えております。
 そのために何をすればいいのかということを考えるのがいいのかなと思いまして、今ちょっと頭の中で考えさせていただいたのは、トラックドライバーになるときに自動車事故訓練センターで技能試験を必ず受けなければいけないという仕組みを作らせていただいております。そういうようなところで、これは可能かどうかわかりませんけれども、厚生労働省さんが主体となってこういった事故を撲滅するための教育、例えば半日講習だとか1日講習だとか、それを受けなければ営業ナンバーのついたトラックには乗れないというものを作っていったら、100%になるのかなという感じはしております。
 ただ、いかんせん運転手というのは外に出てしまうと1人になりますので、そこへの注意喚起というのは継続的に続けなければいけないと思いますけれども、そういったようなことを考えてみたらどうかなと思っております。
 荷主様の考え方ですけれども、荷主さんのほうには平らにしてくれとか掃除してくれとか、一生懸命お願いをしても、なかなかこれは難しい問題でありまして、確かに運転手さんが現場に行って断れるかというと、断れないのが現状ではないかと思っております。これやってと言われたら、嫌だと言えない現状になっているのではないかと思っています。
 確かに30キロ以上のものはフォークリフトもしくは台車で運べばいいのでしょうけれども、そういう設備がない、もしくはフォークリフトの作業資格を持っていないものが集荷に行った場合にはどうすればいいのかとか、いろいろな問題が出てくるので、それはケース・バイ・ケースで考えなければいけないと思っていますので、その点についてはもう少し議論したほうがいいのかなと思っています。
 以上が私の意見でございます。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 それでは、岡本委員お願いします。
○岡本委員 先ほど水野委員からコメントがあったので、一部重複するのですけれども、資料2-2にまとめていただいています共通事項の荷の積卸し場所の管理者の実施事項ということで、通達に基づく措置で連絡調整が行える体制の整備とか、役割分担の明確化とありますが、トヨタさんがトラック運送業者には作業をさせないとおっしゃっていましたけれども、うちも基本はトラック渡しで、不特定多数のトラック業者さんが弊社の製鉄所に来ると、製鉄所のルールも存じ上げていないし、フォークリフトとかクレーンの配置もわからないので、運転手さんはトラックを運転するだけ。固縛をほどくことは契約上ありますけれども、荷を卸すのは全部弊社の社員がやるということで、出荷するときも同じで、トラックの荷台に荷を入れるのは全部弊社の社員がやって、トラックの運転手は運転するだけ、本来業務に専念する。それが一番シンプルな形ではないかと思っています。
ただ、それは中小のところはできないのも承知していて、うちのグループ会社なんかには、文書で運転手がやるべきことと自分の会社がやるべきことを事前に守衛さんのところで渡して、やるべきことを明確にしてから作業に着手しろと言っているのですけれども、いかにここを徹底するかです。それをすれば大分解決するのではないか。そこが難しくて、先ほど言いましたけれども、インセンティブとかペナルティとか両方ある。社名公表するのがいいのかどうかは別として、何か考えないと通達しただけだと多分いけないかなと。そこの知恵がないので申しわけないのですけれども、そう思います。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 資料2-2に基づいて資料3で皆様方の意見をいただいたわけですけれども、ここで少し議論しましょうか。
 資料3の構成の仕方は、左側に運送事業者さんで、右側に主として荷主と書いてあるのですけれども、これはもう少し分かれるのでしょうか。というのは、運転手さんそのものが何かしなければいけないのと、運送事業者さんがちゃんと考えないといけないのと、荷主さんの話とメーカーの話もあるのかなと思ったのですが、その辺は事務局でお考えはありますか。これは分けるのはきついですか。
○小沼副主任 まず運送事業者さんの場合には、ドライバーさんが要するにどこか荷主さんのところに行って、作業するときの安全を考えるときにどうすればいいかという項目を作る。それから、運送業者さんの倉庫とか配送センターで何かをされるときにフォークリフトなどどうすればいいか、そういう観点で分ければいいということでしょうか。
○苦瀬座長 例えば資料3の1枚目を見たときに、荷役作業者教育というのが共通事項の3にあります。これは運送事業者さんがやらなければだめということです。ところが、安全帯を使用しろというのは御本人ですね。そういう差がどこかにあるのかなと思ったりもしたのです。
 それから、荷主のほうもあるのですけれども、安全ナットの用意だとか云々というのは実はメーカー側というか、ステップがないという話が前にありましたね。もう少し分けてもいいのかなと感じたのですが、その辺は事務局で何かお考えはあるのかどうか。
○小沼副主任 なかなか分類の仕方というか、分け方が難しいところで、先生のおっしゃることはすごくよくわかるのですが、教育ということであれば教育の実施の責任は事業者さんになると思うので、基本的には運送業者さんが誰を対象にということになるので、ドライバーさんを対象に教育をやっていただく。安全帯なんかも安全帯そのものとして用意するのは事業者さんで、それを使うように物を渡して使い方を教育するというのは、事業者さんがドライバーさんにやっていただく話になってくると思うのです。なかなかうまく切り分けるのは難しいかもしれません。
○苦瀬座長 今、幾つかお話が津留委員と水野委員だったかと思うのですが、優良事例というかベストプラクティスとか、そういうものは集める可能性はあるのでしょうか。
○小沼副主任 まさに水野先生にも事前に御相談に行ったときに、先ほどのキャリアカーのお話がございましたし、コンビニエンスストアなんかの配送時間が非常に限定的に決まっていて、早く着いてもだめだし、遅く着いてもだめということで、ドライバーさんの負担が大きい。そういったこともショートカットにつながるのではないかとか、そういうものを最近は一部のコンビニエンスストアでは多少柔軟化するようなこともやっているという好事例も伺っておりますので、そういう好事例は好事例でお出しいただいて、報告書のどこかに書き込んでいくことは必要かなと思っています。それはまさに先生方からこういう事例があるよということで教えていただければ書いていって、例えばどこかに業界にお願いをすれば進むということであれば、お願いすることもあり得ますし、その辺は物によりけりだと思います。
○苦瀬座長 わかりました。
 ということでございますが、他にいかがですか。
 関連して私から意見いいですか。実は午前中に国交省のトラック産業の将来ビジョンという委員会をやっていたのです。そこで議論になったのは書面の契約をちゃんとやろうという話なのです。それはそれでやらなければいけないという話なのですが、私がその委員会で申し上げたのは、荷主さんって本当に仕事の実態を知っているのかということを、荷主さんのいる前で言ったのです。
 実は荷主さんは、実際に自分のところで頼んでいるものがどう運ばれているかを知らないという話をきょう午前中したのです。それで本当に大丈夫なのだろうか。こんなところで愚痴を言っていてもしようがないのだけれども、そういうことを思っているのです。だから実は何を言いたいかというと、運転手さんにこういう教育をして、こういうふうにしましょうとか、事業者さんにこういうふうにやらなければいけませんよとか、荷主さんにお願いしますよと言っているのだけれども、実は荷主さん側のもっと裏に隠れた無知なことがいっぱいあるのではないか。
 例えばきょうの議論にもありましたが、年度末になると私のところはいつもより5倍運んでくれと。車両はどこ見たって5倍ないですね。あるわけないのに平気でそんなこと言います。そういう荷主の感覚というのが根本的におかしいのではないかと私はいつも思っているのですが、皆さん方言いづらいかもしれないので私が言えば大丈夫だと思うので、そういうことをもう少しきつく言わないと、これで十分きつく書いてあるとなればそれでいいのですけれども、私は普段から何となくそんなことを思っております。
 以上、意見であります。
 ということで、あと何か皆さん方で御意見がございましたら、フリーディスカッションでしばらくやりたいと思います。いかがでしょうか。
○小沼副主任 私どもの進め方も余りよくなかったですが、実は資料4を見ていただくと、報告書のイメージを最初に骨子みたいなものを書いてございまして、今、先生方からいろいろと事前にお出しいただいて、あるいは御意見を頂戴したものにつきましては、大雑把に言いますと?(2)あたりが大体メインなのです。ということでいきますと、例えば今まさに出ました荷主さん側との役割分担ですとか、そういったものが後のほうに出てまいりますので、大体こういうことで網羅しているのではないかという感じで作ってありますので、この辺についてもあわせて御意見を頂戴してしまえば、大体座長とかおっしゃったようなことも含めて少し御意見を頂戴できるのかなと。
○苦瀬座長 わかりました。では、議題(2)の資料4を御説明いただいて、その後、もう一回戻って全体で議論いたしましょうか。では、よろしくお願いいたします。
○小沼副主任 資料4につきましては、ただいま御説明いたしましたように報告書のイメージとして作ってございます。
 目次のようなものでございますけれども、?につきましては通常の検討会の設置目的とか、前回の資料で設置要綱というものがございましたが、その設置要綱に書いているようなことを書かせていただく。検討の経緯というのは何回ぐらいやって、どんな議題で議論しましたということを書くということです。
 ?はその事実関係でございますので、前回御説明しました陸運業における労働災害の現状でありますとか、抽出調査の結果などを踏まえまして、どういう問題があるという、その後の対策につなげる現状把握ということで?を書くというイメージであります。
 ?でございますけれども、労働災害防止対策ということで災害の現状を踏まえてどういうことを検討していきましょうかということを書きたい。
 2番目の検討結果ということで、まさに先生方にいろいろと御議論いただいた結果をまとめていくイメージを考えておりまして、(1)では安全管理体制ということで、これも割と定型的ではございますけれども、安全管理者ですとか作業指揮者の選任をどうしていくのかとか、安全衛生方針の表明は大体どのガイドラインにもよく書いてあったりするのですが、経営される方が安全第一でやっていきますみたいな、そういう方針の表明でありますとか、個々の企業の中で目標を設定して災害を少し減らしましょうという目標を作っていくとか、計画を作るといったことであります。
 ウは安全衛生委員会において、調査審議なんかをきちんとしていただきたいということでございます。
 (2)はただいま御説明いただいたような個別具体的な対策として、墜落、転落としてはどんなことが考えられるとか、フォークリフト災害の防止対策としてどんなことが考えられるかという形で、ずっと書いていくことを考えてございます。
 (3)は安全衛生教育。教育ということで少し具体的な対策を書くだけではなくて、その対策をむしろどう実行していくかという、一番ソフト的なところが大事だというお話でございますので、そういった意味で安全衛生教育をどういうふうにやっていくのかということについて、何か書いていくということで考えています。
 (4)(5)は荷主さんとの連絡調整のあり方でありますとか、協議組織でありますとか、施設設備をどう荷主さん側にお願いしていくのかとか、手待ち時間の短縮なども書いていますが、要は余り荷主さん側はトラックの運転手さん、ドライバーが改善基準なんかによりまして非常に時間の制約があることを余り存じていないのではないかということもありますので、そういったことも含めてきちんと理解をしてもらった上で、荷役作業の安全について御協力いただくことも含めて書いていったらどうかなというイメージでございます。
 (6)はドライバーさんに荷役作業を行わせる場合の措置ということで、これは要は余り書くことはないと言えばないのですけれども、荷役作業をもしやってもらうのだったら十分の休憩を与えてください、それから、休憩時間なんかも十分確保してくださいと。とにかく積んだらすぐ運んでくれということではなくてということで、そういうことを書きたいと思っています。
 (7)は陸運業者さんの間同士での業務の請負において、少し元請さんが下請さんといいますか、請け負っていただくほうの陸運業者さんに対して少し御協力いただきたいということで整理してはどうかなということです。
 3といたしまして最後に提言ということで、先ほどの貨物自動車の構造でありますとか、荷主への改善基準告示の周知でありますとか、そういった少し大きいことを書いたり、墜落防止措置なんかにつきましても、多分そういう保安用品のメーカーに働きかけるようなことをしていかないと、物がないということがありますので、そういったことも含めて書いていったらどうか。
 あとはここに書いてございませんけれども、まさに好事例みたいなものが幾つか出てくるのであれば、そういったものも報告書としては資料のような形でつけておいて、その後、どのように使っていくかということも考えておりまして、そこに書いてあるようなことを少し事前にお出しいただいたことはもとよりなのですが、ここに書いてきたようなことを少し幅広に御議論いただいて、御意見を頂戴できるとありがたいなというのが私どもの考えでございます。
○苦瀬座長 いかがでございましょうか。
 私から質問いいですか。余り詳しくないので教えてほしいのですが、例えば荷主さんのところに行って運転手さんが何かの荷分け作業をやっているときに怪我をなさった。その原因が実は荷主さん側の置き方とか労働管理がおかしいとか、そういうことで怪我をした場合というのは労災としては荷主を追及できるのですか。
○小沼副主任 基本的には怪我をされた会社のほうがトラック会社になりますので、どちらを使うかというと、多分一般的には陸運会社さん側を使うことになると思います。ただ、三者行為災害というのが労災保険制度の中にございまして、明らかに怪我をされた労働者の方と関係のない第三者の方に瑕疵があるような場合で、怪我をされたときには労災を求償することはあり得ますけれども、なかなか倉庫内とか企業の中でやっているときにどこまでできるかというのは、事案によるのだと思います。
○苦瀬座長 経産省の改正省エネルギー法は、もともとCO2を出すのは運送事業者さんだから、運送事業者さんけしからん、CO2を減らしなさいと言っていたのだけれども、そんなこと言っていたらおかしいではないか。運べと言っている人がいるじゃないか。その人が責任をとるべきだと言って荷主側の責任を追及することの法律に改正したわけです。
だから例えば荷主のほうの、全く素人ごめんなさい。とんちんかんなことを言っていたらごめんなさい。要するに自分の工場で運送事業者さんが怪我をしたとしたら、ペナルティはその荷主に行く。そうしたら真剣に取り組みますね。でも、怪我をしてもそれは事業者さんのせいだから、俺たちは知らないと言ったら改善しないのではないですか。どうですか。要するに、幾らお願いしても自分のところにペナルティがなくて責任を問われないのだとしたら、それは責任は向こう側だよと言って終わってしまわないかという心配をしているのですが、どんなものですか。
○小沼副主任 やはり仕事をする以上は、その仕事をどの事業主さんが責任を持ってやるかということだと思うのです。そういう意味でも先ほど先生おっしゃっておられましたけれども、私どものほうも国交省にまさに契約の中で荷の積卸しという附帯業務を、輸送業務に附帯業務として明確に契約書の中に入れるのか入れないのか。そこをはっきりしてもらって、例えばそれは陸運業者さんがやる仕事なんだということできちんと契約の中で書いていただくなら書いていただく。そうではない、書いていないというのであれば、それは荷主さん側がきちんと責任を持って車上渡しにする。そこの部分をやれば、どちらがやるのかということが非常にはっきりするということで、そこをまずやりましょうということで、先ほどお話がありましたように国交省に私どもからもお願いをしている状況でございます。
○苦瀬座長 同時に、例えば敷地が荷主の敷地だったら、その敷地内で起きたのは全て荷主の責任だと。例えば道路の上を走っていたら運送事業者さんに責任があるだろうけれども、一たん入ったら何にぶつかろうと、運転手の不注意であろうと、その荷主側に問題があるのではないかという議論はしなくていいのですか。
 要するに私なんかは非常に素人なのでわからないのですけれども、そういうことはあってもいいのではないか。例えば省エネ法はそういう思想です。
○小沼副主任 あくまでも労働安全衛生法という法律で、この前も先生にお話いたしましたけれども、労働安全衛生法ということで事業主責任という、事業主さんにきちんとやっていただくという部分がありますので、そういう意味では先ほど言いましたように契約の中でどの事業主さんが責任を持ってやる仕事なのか。その仕事によって発生したということは、その事業主さんの責任ということで整理をしていく。
○苦瀬座長 では荷主は大丈夫なのですね。逃げられてしまう。
○宮野安全衛生部長 今の御指摘の点は非常に難しい問題だと思うのです。
 一般的には労災保険そのものは労働者保護という観点から法律上、無過失責任ということで使用者なら使用者に責任があったとしても、誰に責任があるかとは全く関係ない形で労災保険に関しては給付を支給する。その労災保険の財源そのものは事業主負担100%で全ての事業主さんから徴収した保険料をもって充てることが大原則になっている。ですから誰に責任があるかとは別に、とにかく労働者に対してのきちんとした給付をする。
そこで基本的には終わりなのですけれども、ただ、第三者に非常に大きな瑕疵がある場合については、先ほどの話のとおりそこへ請求できる。例えば一番典型的なケースで言えば労災で交通事故もありますけれども、それで例えば第三者が交通事故の原因である場合については、その分の労災保険の給付については第三者に求償することができるという形もあり得ます。ただ、給付そのものは今、申し上げたとおり基本的に誰に責任があるかどうかは別にして、とにかく国の仕組みとしての公的保険から給付をすることになります。
 あとは誰に責任があるかということに関して言うと、確かにまさに第三者の施設でいろいろな作業が行われることが非常に特殊要因なので、安全衛生法そのものとしては今ありましたとおり、基本的には労働者を雇用している事業主がさまざまな対策をとらなければならない形になるのですけれども、その範疇にはまらないようなものが今回の問題である。これは一部安全衛生法の中にも、例えば施設の管理者としての一定の責務を求めている部分、あるいはこれも日本に典型的な形としてありますけれども、請負が多重の下請け構造の中での業務、建設業のようなものが典型的にありますが、そういった中では元方の事業主にこれまた一定の責務を負わせているという仕組みもあります。
ですから1つの考え方とすれば、今、御議論いただいているような部分について言えば、施設の管理者としての責任という部分も確かに検討の余地はあると思います。ですから、そこは別途私どもとしても、そういった施設の管理者としてどこまでの責務を負わせることがあり得るのかどうかというところは、これはまた別途の問題としては非常に法律論から言うと難しい問題だと思いますけれども、検討はしなければいけない問題だと思っております。
○苦瀬座長 ありがとうございました。では、是非検討してください。公園なんかで怪我すると施設管理者というのがありますからね。溺れたりしたら全部そうですね。ですから、それをなぜこういう事故が起きるときに施設側で追及されないのかというのは、私なんかは素人からすると非常に不思議に思っているので、それが実は荷主が言い逃れる理由なのではないかと心配しているので、お願いします。
 他にいかがでしょうか。水野委員、どうぞ。
○水野委員 先ほどの議論に戻るのですけれども、先ほど座長が荷主さんと我々事業者の他に何か分けられる分類がないかということなのですが、今のお話を聞いていて、先ほども思っていたのですけれども、施設とか設備に対する責任が非常に曖昧なのです。
 例えば我々もたまにあるのですが、パレットを我々はフォークでよく移送するのですけれども、荷物が崩れてしまったといったときに、荷主さんのパレットが傷んでいたとか、壊れていたというのがたまにあるのです。でもこれも我々の責任になるのですけれども、それは見て確認できなかったのかという議論にすぐなるのですが、実際にはパレットをどういう周期で変えているのかとか、あるいはロールボックスもタイヤをとめているところがおかしかったり、そういうこともあろうかと思うのですけれども、そこのところの議論というのは余りなくて、もし分けるとしたら設備、施設というところで1つ項目としてはくくれるのではないかと先ほど思っていました。そういうふうにすると、先ほどの部長のおっしゃったように、責任もある程度はっきりするのではないかと感じております。
○苦瀬座長 ありがとうございました。
 他にいかがでございましょうか。齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 私は資料3の中で荷主さんにお願いすべきものということで、その表現を見ていただきますとおわかりになるかと思うのですけれども、何々していただきたいとか、何々をお願いするとか、非常に運送事業者というのはお客様に対して非常に気をつかいながら物を申し上げなければいけないようなところがございまして、ここまで言ったら仕事がなくなってしまうのではないかと、逆に言うとそんな気遣いをしながら、ですからお客様に対して、荷主さんに対して物を申すというのは、それなりの覚悟を持ってお話をする。そうお話をする以上、我々に何か責があるようなことで事故が起きているにもかかわらず、何で荷主さんに言うんだと、そんなようなことがないように当然我々もドライバーに対しては十分な教育をした上でお客さんに対して物を申す。そんなぐらいの気持ちがないとなかなか進まない。
 でも、お客様に対して本当にこれを言ったから、お客様がどう判断してやっていただけるか。この辺が永遠の課題なのかなと。こちらでこういうふうにしていただきたいと思っても、なかなかお客様は動いていただけない。
これは聞いたお話なのでうそかもしれませんが、例えばお客様の構内である運送会社が事故を起こしてしまったとなると、その運送会社はその事故をなかったことに、ドライバーに対してそういう報告はするなとか、そうすると荷主さんに迷惑がかかると。これはどこであったのか知りませんけれども、そのぐらい、本来あってはいけないのですが、そんなようなことを勘違いしてドライバーに対して指示をしているようなことも、以前、耳にしたこともございまして、本来あってはいけないことなのですけれども、ですから本当に荷主さんに対してどういうふうに求めていったら荷主さんがそれを聞いて動いていただけるのか。その辺もなかなか知恵が出てこないところではあるのですが、この検討委員会でその辺まで立ち入れると、実際に事業者さんも喜ぶのではないかと思いますので、ぜひそういった観点での取りまとめもお願いしたいと思います。
○苦瀬座長 どうぞ。
○半田安全課長 そういう意味でも、ガイドラインのもととなる報告書をいただくわけでございますが、そういった御報告をいただければ、荷主としてはこういうことに努めていただかなければならないということをきちんとガイドラインに書くことができます。そういうことが、ガイドライン、あるいはそれ以上のところでお示しできれば、「それはここに定められてございますので、荷主の方でもぜひお取り組みをお願いしたい。」ということがはっきり申し上げられるようになるのではないかと思うのです。
 法律で義務を課すというところまでは、いろいろまだ紆余曲折あろうかと思いますが、そういう意味でも今回ガイドラインの基礎となるような御議論をお願いするということは、非常に意味のあることだと思いますので、まさに荷主にはこういうことをお願いしたいということを整理していただければありがたいと存じます。
○苦瀬座長 ありがとうございます。
 他にいかがですか。
もう一つ別の話題で委員の皆さん方にお聞きしたいのですけれども、報告書としてこういうふうにしておいたらいいよということはいっぱい書けると思うのですが、現実的にできる話と、やれと言って、言ったことは正しいのだけれども、現実にそこまでうまくいくかねという話ってありますね。その辺はどの辺の瀬踏みをして書けばいいのですか。
極端に言えば、実際の事業者さんたちはそんな余裕がなかろうと、そんなことは知らないと。要するに厚労省として書くべきものを書いておけば、あとは運送事業者の責任になるからそれでいいよという、非常に極端な言い方もあるだろうし、そうではなくて、本当に彼らができることをちゃんと押さえておいてあげようという話もあるだろうけれども、その辺はどんなところがいいのですか。
○小沼副主任 座長おっしゃるとおり、全然実効性の上がらないものをつくってもいけませんので、ただ、今回は検討会でございますので、報告書としては好事例とかいろんなものも含めて幅広に御議論いただいたものをまとめていく。その後、実際にガイドライン、ポイント的には陸運業者さんだけではなくて、荷主さん側にもいろいろとお願いする内容になってくると思いますけれども、その辺につきましてはまさに関係する先生方、特にトラック業界なども関係してまいりますのでトラック業界さんとか、そういったところの御意見も聞きながら、本当に実効が上がるかということも考えながら、ガイドラインのようなものは作っていきたいと思っています。全然できないものをお願いしても、それは無理なことを言っているねという話になってしまうだけですので。
○苦瀬座長 わかりました。ありがとうございます。
 関連して何か御意見ございますか。
 それでは、次に資料4の骨子案というのは、これで作るということですね。これでまとめていきますよということで、次に1月に骨子案を作っていきますよということですか。
○小沼副主任 報告書の定型的なパターンとしてこういう感じでございますので、最初の序論みたいなものがあって、現状があって、対策みたいなものがあって、最後にその他があるような、一般的にはそういう形で報告書を作っておりますので、そこに個々の項目を当てはめたものでございます。今日まだ少しお時間がございますけれども、先生方にいろいろと御議論いただいたことなども含めまして、このような骨子に肉づけをいたしまして、報告書のイメージのようなものを次回1月25日でございますが、そのときまでに私どものほうで整理して作らせていただきまして、次回それを少し確認していただきながら御議論いただくという感じでございます。
 ただ、いきなりその場でというのはあれですので、今回と同じようにイメージというか素案のようなものを先生方にお送りして、見ていただくようにはしたいと思っておりますけれども、そういう感じで進めたいなと思っているのですが。
○苦瀬座長 いかがでしょう。この目次立てに関して何か御意見ございますでしょうか。
 ないようでしたら、私から1ついいですか。資料4の?「2 検討結果(陸上貨物運送事業者と荷主先等のそれぞれの実施事項を書き分ける)」というのは、資料3の分類に合せてという理解でいいですね。そうすると、その裏に書いてある「その他(提言等)」の扱いはどんなふうになるのでしょうか。つまり、提言というのも運送事業者、荷主、自動車メーカーさんあるかもしれないのですが。
○小沼副主任 もちろんこちらのほうも、例えば貨物自動車の話であれば自動車メーカーとか自動車の工業団体とか、そちらに書くということで書き分けていけばいいと思っております。
○苦瀬座長 ごめんなさい、私の質問がよくなかったです。要するに、その他の提言というのは貨物自動車の構造と荷主へのことを言うのであって、陸上貨物運送事業者さんには提言はないということでいいですか。そうではないですね。
○小沼副主任 まさに議論いただくということでございます。
○苦瀬座長 そうすると、だからその他のところも陸上貨物運送事業者さんが入るんだという理解でいいですか。ここには今、提言にはないけれども。
○小沼副主任 はい、提言することがあればもちろん入るということでございます。
○苦瀬座長 あれば入る。今はない。
○小沼副主任 ただいま御議論したところの中で。
○半田安全課長 そういう難しいお話ではございませんで、要するに荷主あるいは荷役作業をする事業者側でやるべきことは基本的に?の1、2に書いていくのですけれども、ここにうまく整理ができないとか、うまく当てはまらないといったものは、「3 その他」に書くと。でいろいろ御提言いただいたけれど、ここにはまらないから載せないということではなくて、大き過ぎてここには書き切れないとか、これはどうかわからないというようなもの、一例として自動車の構造改善なんかも挙げているわけですが、そういったものが出るようであれば、「3 その他」のところで書けばよろしいでしょうということをお示ししているだけですので、余り難しくお考えいただく必要はないかと思います。
○苦瀬座長 わかりました。その辺はそれぞれに検討結果も書くし、それぞれに提言もあるということでいいですね。わかりました。
 他にいかがでございましょうか。
○岡本委員 先ほどありました荷主さんがやるべきことというのは(5)の荷主等が実施すべき事項。先ほど先生が極端な話ということで敷地の中で怪我した場合は、荷主さんというのは「(5)荷主等が実施すべき事項」あたりに。
○苦瀬座長 私の質問は、検討結果を貨物運送事業者と荷主等に分けて、それぞれを書き分けると言っていたから(1)(2)から(7)までは2つに分けるのかなと思っていたのだけれども、(5)とか(7)になると荷主等になってしまったりしているので、その整理がよくわからなくて、さらに提言になったら貨物自動車と荷主だけになってしまったから、その整理がよくわからなかったということなのです。それはこれから整理してくださるということですね。そういうことでいいですか。
○岡本委員 わかりました。
○苦瀬座長 他にいかがでございましょうか。
 そうしたら、御意見が大体出尽くしたような気がしているので、資料4のその辺の検討結果の後、?はうまく項目が入れ子になっているところを整理していただければありがたいと思います。
 それ以外に議論すべきことはありますか。皆様いかがでございましょうか。せっかくですから、これから骨子を固めるときにこういうことに気をつけたらという御提案でもあれば。よろしいですか。
○小沼副主任 とりあえず次回に向けて先生方から頂戴した御意見を踏まえて肉づけをいたしてみます。それから、なかなかこの場で議論し切れていないようなこともございますので、そういうものは適宜メールとか先生方にお伺いして、またいろいろとお教えいただきながら少し肉づけをして、次回もう少し議論しやすいものを1回つくりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○苦瀬座長 よろしいですか。
 では、式次第の議題に戻りますと(1)と(2)が終わって、今度は(3)ですか。
○小沼副主任 特にはありません。その他ということで先生方から何かあればということでございます。
○苦瀬座長 よろしいでしょうか。
○三瓶委員 済みません、最後に確認ですけれども、先ほどから議論されている場合の自動車運転手に荷役作業をさせないという方向で書かれるのか、そこは大体入り口が違ってきてしまう気がするので、自動車運転手は運転職だけをさせるという方向で議論させていくのか、それともこれまでどおり荷主に対してもそうだけれども、荷役作業もさせるんだというスタンスでいくのか、これは文章的に見ると自動車運転手に荷役作業を行わせる場合の措置とか、(6)と書いてあるので、文章的というか中身的におかしくなってしまうのではないかという気がしたので、確認だけさせていただければと思います。そういうスタンスなのかだけで結構です。
○小沼副主任 別にトラックのドライバーの方に荷役作業をしてもらわないというつもりは全くなくて、現実問題としてしないといけないということがあるわけで、当然、荷役作業をドライバーの方にやっていただくのであれば、こういうことをやっていただかないといけないということでしょうし、そのときに荷主さん側としてやらなければいけないことは何なのかという部分を書いていくということだと考えております。
○三瓶委員 荷役作業を行わせる場合の措置というところが文章的に引っかかったものですから。
○小沼副主任 そこのところは行わせる場合ということで。
○三瓶委員 確認だけさせていただきました。
○苦瀬座長 要は通常の荷物だったら、通常どおり荷役もやっていただくのだけれども、特殊な貨物だとか、物すごい重量物であるとか、いろんなことが起きた場合には別にすることもあるということでいいのですか。そういう意味ではないのですか。
○三瓶委員 いろんな職種がありますし、当然宅配業から重量物までありますので、一緒くたには難しいのかなという気もするし、業態、業種によって全部違ってきてしまうので、そういう気がしたのです。
先ほど一例としておっしゃられたのは、重量物の関係についてはこうですよということはありますけれども、ただ、宅配をやっている業者さんはそんなことできませんので、だから文章を作り込むときにその辺をきっちり作り込まないと、それが指針というかガイドラインの元として作られてしまうと、お前ら何考えているのと言われるかなと思ったものですから。
○小沼副主任 様々なものがあるということですね。多分、その全部はとても書き切れませんので、まさに共通的なことで作っていくしかないと思いますので、それはまた御相談をしながらでないとなかなか難しいかなと私も。
○苦瀬座長 趣旨は通常のイメージするものに関しては、通常、運転手さんも荷役するから、荷役する場合はと言うとたまたまやっているように見えてしまうということですね。その辺は言葉の使い勝手を気をつけましょう。
 他にございますでしょうか。よろしいですか。それでは、このように次回までにまた骨子を作っていただくということでございまして、あとは次回の日程の確認でございますが、お願いします。
○小沼副主任 別途また御通知をさせていただきますけれども、1月25日の金曜日でございます。午前10時からお願いしたいと思います。会場は今回とまた違いまして、この建物の16階に労働基準局会議室というものがございますので、また別途通知いたしますが、1月25日の午前10時からということでお願いしたいと思っております。
○苦瀬座長 では、少し時間前でございますけれども、これで検討会を終わりにしたいと思います。年末の御多忙のところ、どうも御参加いただきましてありがとうございました。お疲れ様でございました。


(了)

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