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2012年7月23日 第62回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成24年7月23日(月)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館9階)


○出席者

委員:五十音順、敬称略

相澤好治、明石祐二、浅井紀子、犬飼米男、小野真理子、小畑明、日下部治、新谷信幸、瀬戸実、高橋信雄、角田透、冨高裕子、中村聡子、縄野徳弘、春山豊、古市良洋、三浦武男、三柴丈典

宮野甚一 (安全衛生部長)
高崎真一 (計画課長)
田中正晴 (安全課長)
椎葉茂樹 (労働衛生課長)
半田有通 (化学物質対策課長)
木口昌子 (調査官)

○議題

(1)第12次労働災害防止計画について
(2)その他

○議事

○分科会長 皆さん、こんにちは。少し時間前ですけれども、御出席の予定の委員の方々はお見えでございますので、「第62回労働政策審議会安全衛生分科会」を開かせていただきます。本日は、お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 公益代表委員では土橋委員、労働者代表委員では谷口委員、使用者代表委員では大山委員が本会では欠席されておられます。
 また、使用者代表委員の瀬戸委員が少し遅れるという報告がございました。
また、労働者代表委員の古市委員が、所用のため、45分ぐらい経過いたしましたら御退席される予定でございます。それまでよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に移らせていただきますが、本日の議題は「第12次労働災害防止計画について」でございます。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○??計画課長 御説明いたします。労働災害防止計画につきましては、現在、第11次防が計画期間中ということですけれども、本年度末をもって終わるということで、12次防を策定していただかなければならないということでございます。前回、この分科会で11次防の評価といいますか、検証をいただくとともに、次の災防計画に向けての御意見をいただいたところでございます。その際、分科会長から、次回は事務局で論点を整理したものを出してもらいたい、それで議論したいということでございましたので、私ども事務局で、お手元にお配りしておりますように整理をさせていただいたということでございます。
 前回も申し上げましたけれども、労働災害防止計画というのは非常に中身も多うございます。論点も非常に多いということでございます。これにつきましては、事務局の希望としますれば、年内の策定に向けて、今後、数度にわたって御議論していただきたいと思っているわけでございますが、本日はそのキックオフということで、現状と課題について総ざらいをしていただくという観点から、私ども事務局で用意しました論点について、まず全体を御説明した後に御議論に入っていただくという形になりますけれども、まとめてと言いましても、論点が拡散してしまいますので、お配りしました論点資料の1枚目の下の方に5つの柱というものを、今回、案ですけれども、御用意させていただいております。まず、?のテーマは非常に大きいものでございますので、これについて御議論いただき、その次に、?〜?のテーマについて、これはまとめて御議論していただき、最後に、ちょっと質が違うものでございます?のテーマについて御議論していただくということで考えていただければと思います。別に今日で議論が終わるということではございません。あくまで総ざらいの御議論ということでございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、担当調査官から説明をさせていただきます。
○木口調査官 それでは、資料に基づきまして「第12次労働災害防止計画の策定に向けた論点」のポイントについて御説明をいたします。
 まず「労働災害をめぐる現状」でございます。労働災害の発生件数につきましては、33年ぶりに2年連続増加という状況でございまして、業種別で見ますと、建設業や製造業など、これまで重点的に取り組んできた業種は件数が減っておりますけれども、第三次産業や陸上貨物運送業などでは減少が見られておりません。
 業務上疾病につきましては、依然としてメンタル不調や過重労働による健康障害が深刻な状況にありますとともに、高齢化による介護分野のニーズが高まる中、腰痛の予防が喫緊の課題となっております。これらに加えまして、未規制化学物質対策、福島第一原子力発電所事故の復旧作業対策、熱中症対策、受動喫煙対策など、対応すべき課題が多いという認識でございます。
 それから、社会環境に伴う課題といたしまして、1つは高齢労働者による労働災害の増加、もう一点は、非正規労働者の割合の増加による安全衛生管理の複雑化という課題を掲げております。
 4点目といたしまして、労働災害の増加傾向に歯止めをかけるために、選択と集中によるメリハリのある重点化を進めることが必要と認識をしております。このためには、行政、労働災害防止団体、業界団体などが連携し合い、協働して取り組んでいくことが必要という認識をしております。
 5点目といたしまして、機械の構造上の問題に起因する災害、それから、重層下請け構造の中で発生する労働災害など、ユーザーや請負業者である事業者だけでは効果的な対策を講じることが難しいもの、あるいは行動災害のように、労働者自身の意識や取組みがないと防止が難しいものなど、事業者責任だけでは対応の困難な課題が増加しているという認識がございます。
 6点目といたしましては、日々新たな技術などが開発されております中で、常に最新の科学的知見や諸外国の規制動向を把握していることが重要であるという認識でございます。
 このような現状認識を踏まえまして、次期労働災害防止計画においては5つの柱を案として考えております。
 まず1点目は、労働災害・業務上疾病の発生状況の変化に合わせた対策の重点化でございます。
2点目は、行政、労働災害防止団体、業界団体等の連携・協働による労働災害防止の取組みでございます。
3点目は、社会・企業・労働者の安全に対する意識変革の促進でございます。
4点目は、科学的エビデンス、国際動向を踏まえた施策の推進でございます。
最後に5点目は、発注者、製造者、施設等の管理者による取組強化でございます。
 次のページから、それぞれの柱について、細かい論点について御説明をいたしたいと思います。
 まず、2ページ目でございますが、柱の1本目「労働災害・業務上疾病の発生状況の変化に合わせた対策の重点化」でございますが、こちらは大きな論点として3つ挙げております。
まず、1つ目が「災害多発業種対策」でございまして、こちらといたしましては、災害が減少していない第三次産業と陸上貨物運送事業を重点として取り組む必要があるのではないかとしております。
まず「第三次産業対策」でございますが、第三次産業といいましても範囲が大変広うございますが、このうち、災害の多い小売業や社会福祉施設を重点として取組みを講じていけるのではないかということで、5点ポイントを挙げております。
まず1点目は、小売業や社会福祉施設などにおける安全衛生管理体制の強化でございます。
2点目は、この業界はパートとかアルバイトといった非正規労働者の割合が高いということでございますので、雇入れ時の安全衛生教育の徹底や現場の安全活動の促進でございます。
3点目は、小売業の中でも多店舗展開、チェーン展開をしているような大規模小売業を重点といたしまして、企業のトップや本社に対する意識啓発、体制の整備、雇入れ時の教育などの徹底を図る必要があるのではないかということでございます。
4点目といたしましては、特に小売業などでリスクが高いと思われますバックヤードの安全対策に着目した対策の推進が必要ではないかということでございまして、例えば、在庫管理の効率化も含めて4Sの普及、危険箇所の見える化、リスクアセスメント、KY活動などを考えております。
5点目といたしまして、第三次産業における労働災害で一番多い行動災害を防止するために、労働者に対する意識啓発をやっていく必要があるのではないかということを挙げております。
次のページでございますが、2つ目が「陸上貨物運送事業対策」でございます。陸上貨物運送事業におきましては、これまで交通労働災害防止などに力を入れておりましたが、労働災害の7割が荷役作業時に発生しているという状況でございますので、考えられる取組みとして、以下の4点を挙げております。
まず1点目は、トラックの荷役作業について、安全ガイドラインの作成と普及でございます。
2点目といたしましては、ハード面の対策なのですが、荷台からの墜落防止措置を装備したトラックを普及するための支援措置を検討してはどうかという論点でございます。
3点目は、トラックの運転者が客先でそのまま荷の積み下ろし作業などを行うケースが多いということでございますので、運転者に対する墜落・転落防止対策を含む安全衛生対策の充実・強化が必要ではないかという論点でございます。
4点目といたしまして、荷の積み下ろし作業をトラックの運転手側がやるのか、荷主側がやるのか、そこのところが役割分担があいまいであるケースがあるということで、モデル運送契約書などにより、役割分担を明確化する必要があるのではないかということを論点として挙げております。
次に、もう一つ、「重篤度が高い災害が多発している業種対策」として、建設業を掲げております。建設業におきましては、長期的には災害が減少傾向を示しておりますが、死亡災害の3割が発生するなど、災害の重篤度が高いことに加えまして、東日本大震災の復興工事の本格化に伴いまして、被災地だけではなくて、被災地に技能労働者が集中することによって全国的に人材不足により災害発生のリスクが高まっているという状況でございます。このため、この6点の取組みが考えられるのではないかということでまとめております。
まず1点目は、国土交通省と連携をいたしまして、建設工事の発注者に対して、安全衛生に必要な経費を計上するように要請するということでございます。
2点目といたしまして、足場以外の場所、例えば、屋根ですとか、開口部ですとか、そういったところからの墜落・転落防止のための機材・手法の開発、普及でございます。
3点目といたしましては、墜落したときの身体的なダメージのより少ないハーネスの使用などを普及させるということでございます。
4点目といたしましては、建物の解体・改修工事におけるアスベストのばく露防止の徹底でございます。
5点目といたしましては、解体・改修工事における安全対策のガイドラインをつくって、災害未然防止に努めるということでございます。
6点目は、震災からの復興工事はもとよりなのですが、最近、大雨・大雪・台風といった自然災害による復旧・復興工事も多く起こっておりますので、こういったときにおける労働災害防止対策の徹底を挙げております。
次に、論点(2)といたしまして「健康確保対策」について御説明いたします。4ページでございます。健康確保対策につきましては、まず「メンタルヘルス対策」でございます。メンタルヘルス対策といたしましては、1点目に掲げておりますのは、メンタルヘルス不調を予防する観点からの職場環境の改善・快適化、いわゆる一次予防という観点からの対策を進めるということで、例えば、リスクアセスメントの手法をメンタルヘルス対策に取り入れることを検討してはどうかという問題意識でございます。
2点目といたしましては、現在、法案の審議待ちの状況でございますが、ストレスチェック制度、あるいは面接指導の実施の徹底でございます。
それから、このような取組みに小規模事業所が取り組めるような支援措置の充実でございます。
次が職場復帰支援でございますけれども、この職場復帰支援につきましては、いろいろな事例を収集をして、事業所の規模などに対応したモデルプログラムを作成をして、復帰対策の促進を図ってはどうかということでございます。
それから、そういった職場復帰支援に事業者が積極的に取り組めますように、何らかの支援措置を検討して充実を図っていったらどうかということでございます。
次に「過重労働対策」でございます。過重労働対策につきましては、健康診断及び事後措置等の健康管理の徹底による健康障害リスクの低減、それから、時間外労働の削減の推進を挙げております。
次に「化学物質による健康障害防止対策」でございます。化学物質による健康障害防止対策につきましては、有害性が明らかになっていない化学物質について、発がん性に重点を置いて、必要な規制を迅速に行う仕組みを構築する必要があるのではないかと考えております。
その中には、まずは民間が保有する化学物質有害性情報を広く収集・蓄積・共有する仕組みの構築でございます。
それから、まだ特別則による規制のない化学物質につきましても、化学物質の発がん性の可能性を評価するという、この評価のスピードアップを図るということを書いております。
それから、もし発がん性を有すると評価された場合には、労働者のばく露の状態を把握してリスク評価を行い、規制の要否の判定を行っていくということでございます。
次のページでございますが、発がん性の調査は時間も費用もかなりかかるということでございますので、その前の段階で強い変異原性が確認された時点で、労働者への健康障害のリスクが考えられる物質については、技術指針を作成し、それに基づいて健康障害防止措置を図っていくということを書いております。
それから、作業環境中の濃度測定方法が未確立の化学物質につきましても、化学物質の性状や取扱量の情報から、作業環境中の濃度が推定できる手法などを活用して、健康障害防止の一層の普及を図るということを書いております。
それから、現在、化学物質の職場における濃度は、場の管理ということで作業環境測定をやっておりますけれども、これに合わせ、個人サンプラーによる測定の導入も検討してはどうかということをやっております。
それから、化学物質の製造、輸入から使用に至る一連の流通経路を通じた化学物質の危険有害性情報の伝達・提供ということで、関係省庁と連携をいたしまして、合理的な化学物質管理体制の構築をするということを考えております。
次に「腰痛予防対策」でございます。腰痛予防対策につきましては、まず、重量物取扱業務に関しまして、腰痛予防に資する何らかの規制の導入を検討できないかということを考えております。
それから、腰痛が懸念される業種を重点といたしまして、雇入れ時教育に腰痛予防対策を盛り込むですとか、あるいは現在ございます腰痛予防指針の改正をして対策を強化することを考えております。
また、腰痛が社会福祉施設を初めといたします介護分野でかなり多発しているということもございますので、県や市町村と連携をして、こういった安全衛生対策に取り組みますとともに、身体への負荷を軽減させるという考えから、介護機器の導入、あるいは腰痛を起こさない移動・移乗介助法の活用の促進を図ってまいる必要があると考えております。
次に「熱中症対策」でございます。熱中症対策につきましては、WBGTによる測定に私どもはかなり取り組んでおりますけれども、こういった測定及び測定結果に基づいて、ある一定以上の環境の屋外作業につきましては、必要な措置を義務づけるということをそろそろ検討してもよいのではないかと考えております。
また、熱中症対策としていろいろな製品が使われておりますけれども、こちらにつきましても、身体負荷をきちんと下げる効果がある適切な製品が選択できますように注意喚起を行っていくということを考えております。
次に「放射線障害防止対策」でございます。まず、福島原子力発電所の事故の教訓を踏まえまして、事故時の被ばく管理を適切に実施できるための準備の実施状況を定期的に確認することを考えております。
また、事故の復旧作業や除染作業における被ばく防止・健康管理の着実な実施を掲げております。
次に「受動喫煙防止対策」でございます。受動喫煙につきましては、受動喫煙の有害性に関する教育啓発、事業者の支援、それから、禁煙、空間分煙の実施の徹底を掲げております。
次に、6ページ目でございます。論点(3)といたしまして「業種横断的な取組」と挙げてございますけれども、これはリスクアセスメントと労働安全衛生マネジメントシステムについて挙げております。
リスクアセスメントにつきましては、中小規模事業所への取組みが遅れているということでございますので、こちらの普及を進めますとともに、安全や化学物質に比べまして、労働衛生分野でリスクアセスメントの実施ということ、これからの状況でございますので、こちらもできるところからマニュアル等の整備を進めていくということを考えております。
それから、マネジメントシステムの導入につきましては、中小規模事業所でも取り組みやすい労働安全衛生マネジメントシステムの導入マニュアルをつくって普及を図ってまいりたいと考えています。
次に、7ページ目でございます。5本の柱の2本目でございますが、「行政、労働災害防止団体、業界団体等の連携・協働による労働災害防止の取組み」でございます。
まず、労働災害防止の「専門家及び労働災害防止団体の活用」ということでございまして、労働安全衛生コンサルタントを初めとする、高度な専門性を有する専門家が一層活用されるような仕組みを検討する必要があるのではないかということでございます。
また、コンサルタントの資格を持っておられなくても、さまざまな業界、企業で安全衛生活動に携わってきた方々が業種を超えて、例えば、製造業でのノウハウをお持ちの方が第三次産業での安全衛生水準の向上という面で御活躍いただくといった形での安全衛生水準を高めていく方策についても検討する必要があるかと思っております。
それから、労働災害防止団体が最も専門的なノウハウを有する団体ということでございますので、この役割を明確化し、強化する必要があると考えております。
2点目といたしまして「業界団体との協働」ということで、業界団体との協調的な取組みということで、これまで協調的にやってきた業界は勿論ですけれども、今まで余り接点のなかった第三次産業も含めて、業界団体との協働を強めてまいりたいと考えております。
また、その業界団体や労働組合などが自ら行う安全衛生分野の調査研究につきましても支援をしていくということを考えております。
3点目が「安全衛生管理に関する外部専門機関の育成と活用」ということでございまして、特に中小規模事業所における安全衛生活動を活性化するという意味では、良質な産業保健機関、あるいは安全衛生機関の育成をいたしまして、そういったところを中小企業が利用しやすいような制度・環境の整備が必要かと考えております。
次に、8ページ目でございます。柱の3本目で「社会・企業・労働者の安全に関する意識変革の促進」でございます。こちらは、安全衛生対策の見える化ということで、3つの柱を掲げております。
まず、1点目は「各業界・個別企業の労働環境水準の指標化・公表」ということで、安全衛生に対するいろいろな取組みについて、それを客観的に評価する指標を開発して普及させる。それでもってよい評価を得た企業について積極的にホームページで公表するなどによって、対外的に安全衛生にきちっと取り組んでいる企業が評価されるような仕組みをつくってはどうかということでございます。
それから、2点目は「悪質な労働災害発生企業名の公表」ということで、これはその逆なのですけれども、労働災害を繰り返し発生させて、改善が見られないような企業など、これも一定の基準を設けて公表するといった制度を設けてはどうかということでございます。
3点目は「労働災害防止に向けた国民全体の安全意識の高揚、危険感受性の向上」ということでございまして、まず、不安全行動を誘発するリスクなどにつきまして、労働者に直接浸透する何らかの手法で労働者一人ひとりの意識を高めていくという取組みが必要ではないかということでございます。
それから、個々の労働者の危険感受性を高めるということで、例えば、普及しておりますIT端末などを用いて簡単に利用できるような教材の開発が進められないかということを書いております。
それから、体調不良が重篤な災害につながりやすい建設作業につきましては、作業開始前の健康状態のチェック、また、その結果に基づく適切な作業配置を促進する必要があるのではないかと考えております。
それから、基礎疾患などの健康障害を持つ労働者につきましては、本人の申告に基づいてその健康状態を把握をして、労働災害につながるような状態で作業に従事しないように注意喚起をする必要があろうかと考えております。
それから、高齢者対策につきましては、段差の解消や手すりの設置など、職場における残存リスクの低減の促進が必要と考えております。
それから、定期健康診断結果に基づく保健指導や事後措置におきまして、基礎疾患を持つ方に関しましては、その方自身の健康管理という観点だけではなく、基礎疾患を誘発し得る労働災害を防止するという観点からも、適切な指導・対応を行うように周知徹底するということで、これは産業医とか地域産業保健センターなどを通じた周知徹底を図ってまいりたいということでございます。
それから、国民全体の危険に対する感受性を高め、安全を確保するルールを守ることにつきまして、これも地域だけではなく、地域、職域、学校などが連携して取り組むということを掲げております。
次に、9ページ目でございます。4本目の柱の「科学的エビデンス、国際動向を踏まえた施策の推進」でございます。これは言うまでもないことでございますが、労働安全衛生総合研究所の調査研究などとの一体性、連携を強化いたしまして、科学的エビデンスに基づいた施策を推進してまいるということと、労働安全衛生研究の振興のための予算やリソースの確保に努めるということを挙げております。
それから「国際動向を踏まえた施策の推進」といたしまして、いろいろなつながりとか交流を通じまして、諸外国の最新の知見や動向を把握して、施策や規制の国際的整合性を担保するように努めるということを挙げております。
次に、10ページ目でございます。5点目に「発注者、製造者、施設等の管理者による取組強化」ということでございます。これは、幅広い業種でアウトソーシングが進みまして、請負構造が重層化、複雑化しているということでございますので、建設業や造船業で現在、元方責任制度などを導入しておりますが、こういったことを参考にして、発注者による安全衛生の取組みの強化ということを建設業以外に対してもやっていってはどうかということでございます。
それから、自らが管理する施設等の危険性、有害性ということで、例えば、客先の施設でもって作業するような場合には、必ずしも事業主だけでリスクの低減など、対策が取り切れない場合もございますので、そういった場合には、施設を管理する方が、使用する第三者に与える影響の除去とか、管理に係る新たな責任の在り方について検討を始める必要があるのではないかということでございます。
次に「製造段階における機械の安全対策の強化」でございますけれども、設計・製造段階における機械のリスクアセスメントは現在もやっておりますが、こういったものの措置の強化を図るということ。
それから、一定水準の安全水準が確保された機械の使用を推奨するために安全衛生を評価する仕組みを検討する必要があるのではないかということでございます。
また、機械による災害の情報につきましても、ユーザーからメーカーに伝達をされて、その機械の安全化に資するような仕組みをつくりますとともに、メーカーから監督署を経て、災害情報が集約されるような仕組みが必要ではないかということを挙げております。
それから、機械の重大な欠陥によって重篤な災害などが発生した場合には、一般消費者向けの機械に関するリコール制度のような感じで、機械の製造者の公表、あるいは機械の回収を図れるような制度を検討してはどうかということを考えております。
また、逆に、ユーザーの使用方法に明らかに問題があって災害が発生したというような事案がありました場合には、そのような事案を具体的に公表して、同じような誤った使い方がされないように広く周知を図ることも必要かと考えております。
それから、技術の進歩が著しい中で、JIS規格などを積極的に引用して、機械等の技術基準に関する安全衛生、関係法令をタイムリーに見直していくということを挙げております。
次に「周辺への影響も視野に入れた対策の検討」ということでございまして、安全衛生対策におきましては、基本的には労働者を守るという考え方でございますが、例えば、クレーンが倒れて近隣の家屋を壊してしまったり、足場が倒れて通行している方にけがを負わせたりといった、産業現場で発生する事故によって、労働者以外も含む人的・社会的な被害を防ぐという観点も考慮していく必要があるのではないかということで、これは他省庁の施策との一層の連携を図っていく必要があろうかと考えております。
最後に11ページ目でございます。「計画の目標」につきましてですけれども、現在、新成長戦略に基づきまして、2020年までに労働災害の発生件数を3割減少させるという目標を掲げております。この目標との兼ね合いがございまして、労働災害防止計画の目標として、どのような目標を設定すべきかということも御議論いただきたいと思っております。
また、件数の目標につきましても、死亡災害や労働災害の件数の目標に加えまして、例えば「強度率」のような、災害の重篤度に着目した目標を設定すべきかどうか、こちらについても議論いただければと思います。
資料の御説明は以上でございます。ありがとうございました。
○分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、これからフリーディスカッションに入りますけれども、まず、先ほども課長からお話ありましたけれども、1ページ目の2の?について、それから、?〜?とまとめて次にお願いして、それから、?のディスカッションをしたいと思います。
 最初に「?労働災害・業務上疾病の発生状況の変化に合わせた対策の重点化」というところで御議論をいただければありがたいと思いますけれども、いかがでしょうか。古市委員からお願いいたします。
○古市委員 ありがとうございます。?のところを議論させていただくのでありますが、1の5番目に発注者のことを取り上げていただいておりまして、1ページの中ほどに、重層下請け構造の中で発生する労働災害、請負業者である事業者だけでは効果的な対策を講じることが難しいもの、事業者の責任だけでは対応の困難な課題が増加をしているので、発注者の取組みが非常に大切だという項をおこしていただいておりまして、誠に適切な提案だと思っております。
それで、もしかしたら分科会長が指定したとおりにならないかもしれませんが、そのことに関係して、3ページに、建設業を特に重視して取組みを書いていただいている中に、国土交通省と連携をして、建設工事の発注者に対して、施工時の安全衛生を確保するための必要経費を計上するように要請をするという項目があります。このこと自体はそのとおりだと思うのでありますが、多分、国交省の事業及び公的な団体の発注者の見積もり等には必要な経費をちゃんと盛り込んでいますというふうに必ず答えると思います。建設業は、正しく指摘しているように、アウトソーシングが極端にまで進んでおります。要するに、見積もられた安全経費が実際に工事現場で働く労働者の場所まで下りてくるということが一番肝心なことでして、途中で消えてしまって、実際の現場では安全経費がなくて、必要な措置が取られないということは往々にしてあることでありまして、そういったことで建設業に重大災害が非常に多い、こういうことにつながりますので、その辺、もう一踏ん張りしていただければありがたいなと、こういうのが1つ。
 それから、もう一つ、外注化が進んでいるということが書いてありまして、建設業は、その外注化が極端に進行をしておりまして、普通の産業、製造業などでは、非正規労働者という概念の労働者が非常に多くなっていますが、建設業では、労働基準法や労災保険法で労働者と認められない働き方の就業者が非常に増えている。前回も同じ発言をしまして、一人親方の労災保険の特別加入者が激増しているということで、担当の田中課長から数字もいただきましたが、そこが非常に進んでおります。
働いている労働者が、自分自身が労働者なのか、事業者なのか、わからないまま就労しているというのが実態でありまして、極端な例で言いますと、事故が起こって、調べてみたら、11次下請けの事業者であることがわかって、労災保険の特別加入をしていないと労災事故にならないと、こういうことであります。
ここでは、建設業の労災事故は減っていると書いてあります。だけれども、重大な事故が多いので、特別な手当が必要だと、このことはそのとおりなのでありますが、私どもの実感からすると、統計で言う労働災害はそのとおり減っているのだと思いますが、就労者は労働者ではなくて、一人親方であったり、請負の事業者としてカウントされるという就労形態にどんどん移行しているものですから、結果として労働者の労働災害は減っているように見える、こういうことがあるのではないかということを非常に強く疑っておりまして、私どもの組合員で、労働者である人の事故と、労働者でない人の事故と比べてみると、必ずしも労働者の事故が割合として一番多いというふうにあまりなりませんので、私たちの組合のレベルで言うと、労災保険上は相当たくさんの事業者として扱われる零細な事業主であったり、一人親方であったり、そういった人たちの事故が多くて、そちらの方にカウントされる傾向が非常に強くあるので、そういったことも意識した対策を行っていただけたらうれしいな、こういうふうに思います。
○分科会長 ありがとうございます。
 何かお答え、安全課長、お願いいたします。
○田中安全課長 まず、1点目の安全経費がちゃんと確保されて、末端の下請けまで取られるようにという話でございます。公的な発注の場合でしたら、安全経費を見積もりつつ、その積算の内訳に入っておりますが、実際に工事が始まると、それが紛れ込んでしまうというようなことがあって、現場における安全経費はどこが担保されているのかというのは、疑問視される点は確かにあろうかと思います。確かにそういう点もありまして、私どもも建災防と一緒に研究を若干している部分もあります。先ほど御提案もございましたけれども、安全経費を別枠で確保して、現場で確保できないかと。簡単にいくかどうか、まだ研究段階でございまして、お約束できませんが、別枠的な方向で安全経費を確保することによって、現場における安全対策のコストが確保できるようにということについては、今後とも研究していきたいと思っているところでございます。
 もう一点の一人親方の点でございます。参考資料の33ページ、9−?にございますが、確かに特別加入されている数が増えております。一方で、千人率という形で見ますと、確かに22年は若干上がっていますが、大きなトレンドといたしましては、千人率も落ちている傾向で来ているところでございます。
ただ、いずれにしましても、建設業におきます労働災害防止の取組みということにつきまして、その場で働くのは労働者でもあり、仮に一人親方であるとしても、場としては一緒であると思いますので、労働者への安全対策を確実にしていただければ、それは担保できるということも考えておりますので、今後とも引き続き建設業におきます労働災害の防止措置の遵守を強く進めていきたいと思っているところでございます。
 もう一つ、一人親方をどうするのだという話についてでございますけれども、なかなかこの辺は難しい点は確かにございます。業を所管する立場からすれば、国土交通省でございます。向こうも問題意識を持っていると認識しておりますので、私どもも情報提供しながら、国土交通省の検討に対して支援していきたいと考えるところでございます。
 以上でございます。
○分科会長 よろしいですか。それでは、犬飼委員、手を挙げられていましたね。お願いします。
○犬飼委員 全体に係るのですけれども、労働災害防止計画の5つの柱が掲げられております。現状の中でも触れられておりますけれども、東日本大震災から1年以上経過した現在、震災からの復旧・復興作業は延々と続いておりまして、例えば、被災地域における多くの公共事業だとか建築工事に未熟練労働者が従事することが想定されていて、こうした方々の労働災害防止に全力を挙げる必要がまずあるのではないかと思っております。
加えて、福島第一原発事故の収束に向けた作業も続けられておりまして、周辺地域の除染作業、生活基盤の復旧作業、また廃炉に向けた作業などが非常に長期化する傾向にあると思っております。これらに従事する労働者の労働災害防止と、放射線障害予防としての健康保持・増進、長期的な健康管理、これは重点的に取り組むべきであると考えておりまして、昨今のニュースですと、線量計が確実に使われていたかどうかという問題、この分科会でも議論しましたけれども、長期化した場合、人材の育成、教育はどうなるのか、不足するのではないかということも申し上げました。特に7月11日に開催された第7回の国家戦略会議において、日本再生戦略案というものが示され、その大きな柱の1つとして、原発事故からの復活というのが掲げられておりまして、福島第一原発事故への対応については、「福島の再生なくして日本の再生なし」という考え方が改めて明示されております。
第12次労働災害防止計画の策定に向けた論点の中で、東日本大震災からの復旧・復興については、項目ごとに散りばめて記載されています。業種対策として、建設業について、復興工事の本格化に伴う全国的な人材不足による労働災害の増加への対策など、さまざまな対策がなされることになりますが、復旧・復興と福島第一原発の収束に向けた労働安全衛生対策というのは、12次防の中では避けて通れない大きな柱だと思っております。5つにきちんと整理されていますので座りがいいのですけれども、こうして掲げられた東日本大震災からの復旧・復興、あるいは福島第一原発事故が全国的に影響を及ぼしているということも含めて、柱として私は取り扱うべきではないかと考えるのですが、事務局の考えがあれば、是非、教えてほしいと思います。
○分科会長 どうぞ。
○??計画課長 今日お配りしましたのは、あくまで事務局で用意しました論点ですので、今、そういう御意見をいただきましたし、それについて御議論をいただくなりして、そちらの方がわかりやすい、いいだろうということであれば、そういうふうな形で整理をつけていくということだろうと思います。
○分科会長 ありがとうございます。
 ほかの委員ではいかがでしょうか。今、新たな柱の提案が出ましたけれども、よろしいですか。
 それでは、ほかの御意見について、いかがでしょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 それでは、2ページの具体的論点の?について申し上げます。ここに「第三次産業対策」というのが論点として掲げられております。確かに第三次産業は災害の発生件数が微減ということで、あまり減っていない業種となっておりまして、ここの対策を打つということは非常に大事だと思っております。この中で、最初の○のところに「安全管理者の選任や安全衛生委員会の設置義務を小売業や社会福祉施設にも広げることを検討する」という記載があります。御承知のとおり、選任の要件なり、設置の要件が、人数であるとか、業種によって定められているわけで、その対象を広げることを検討すると書かれているわけでありますけれども、ここはこの要件について緩和をする形で検討するという理解でいいのかどうか、ここで意図しているところは一体何なのかというところをもう少し教えていただきたいというのが1点です。
以上、とりあえずお聞きします。
○分科会長 どうぞ、計画課長。
○??計画課長 結論から言いますと、そういうことです。私ども、12次防がどうであるかとは別に、第三次産業の労働災害が増えている、あるいは減らないということを非常に危機的にとらえておりまして、本年度もやれる範囲内でということで、第三者産業の労働災害防止対策に取り組んでいるのですけれども、地方から聞こえてきますのは、局なり署の職員が行って、普通であれば、当然、安全担当の方、お願いしますとか、そういう話で訪ねていくのですけれども、行ってもいないのですね。安全担当がいませんというような回答が返ってくるわけでして、要は選任義務がかかっていないと、安衛法で言うところの安全衛生管理体制がとられていなくても違法ではないわけで、現実、そういう問題意識を持った専門の人がいないという状況でありまして、そういうことからしますと、何をお願いするにしても、担当が決まらない、では、社長ですかという話になった場合に、それも少し違うのだろうと思いまして、やはりまずは、中身はともかく体制を取っていただくということは、別に新しい人を雇えというわけではないわけで、いる人の中で役割をきちっと位置づけていただいて、必要な知識は付与していただく必要があろうかと思いますけれども、きちっと選んでいただいて、そこを窓口にして、私ども行政がいろいろ働きかけていくなり、周知していくなり、干渉していくなりということをしていきたいという、そういう問題意識でありまして、ちょっとくどくなりましたけれども、私どもが検討したらどうかというふうに提案申し上げているのは、安衛法における、何をどうするかはともかく、安全衛生管理体制に関する設置基準なり選任基準を広げようと、特に問題が多いであろう小売とか社会教育施設については、そこを広げていったらどうかという御提案をしているところです。
○分科会長 いいですか。どうぞ。
○新谷委員 私どもとしては、それは非常にいいことだと思っておりまして、全ての職場において安全衛生管理の体制を強化していくということは、やはり目指すべき方向ではないかと考えております。是非この方向で進めていただきたいのですけれども、ただ、なぜ三次産業の小売と社会福祉施設だけなのかというところが逆に疑問として残るわけでございます。例えば、手始めにということでは、衛生委員会の設置基準は50人以上となっているわけですけれども、全ての産業において、そこの基準を段階的に広げていくといったことも考えられるのではないか。せっかくいい着目点が、小売業と社会福祉施設だけで閉じているということではなくて、もう少し広げていく方向で、是非検討していただきたいということが1点でございます。
 それと、第三次産業対策といった中に、例えば、派遣とか請負のような、対事業所サービスの産業の人材ビジネスが非常に増えているわけですけれども、第三次産業の中にこれは含まれてくるのではないかと思います。例えば、今回の労働者派遣法改正においても、製造派遣の禁止の項目が削除されて、製造派遣がまだ残るわけでありますけれども、派遣労働者とか請負労働者の安全確保といったときに、安全衛生管理体制の強化に限らず、その設置の要件の緩和だけではなくて、同じ事業所の中に別の事業主が入ってきたときの安全衛生管理体制の在り方、これは2006年のときの安衛法の改正で一部改正をされていますけれども、例えば、合同安全衛生委員会の創設であるとかいったところも是非検討していただければいいのではないかと思います。
 それと、これに関連して、3つ目の○に「パート、アルバイトを含む非正規労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育の徹底」とあるのです。実は、1ページの「1.労働災害をめぐる現状」の中にも、3つ目の○のところに社会環境の変化として非正規労働者の割合の増加に伴う安全衛生管理の複雑化が課題と記載されています。非正規労働者の増加は第三次産業だけではないと思っておりますが、2ページの見出しにあるように、災害の多い小売業と社会福祉施設を重点的に取り組む必要があると考えられる論点として、非常に特定された中身で非正規の扱いが書かれております。先ほども論点で新たに東日本大震災の点を追加してはどうかと申し上げましたけれども、非正規の問題というのは、今後の安全衛生対策を考えるときに非常に重要な論点だと思いますので、この扱いについて、第三次産業に限定した形ではなくて、もっと全体に係る形で整理をし直すべきではないかと思っておりますので、事務局で何かお考えがあれば、お聞かせをいただきたいと思っております。
 以上です。
○分科会長 いかがでしょうか。計画課長、お願いします。
○??計画課長 非正規対策をどういうふうに位置づけるかということについても、この場で御議論いただいて、そちらの方がいいだろうということであれば、行政として、どうしてもこうでなければいけないという意思があるわけではありませんので、労働災害防止計画というのは、それを広く国民に周知することによって協力を得ていこうということですから、その趣旨に沿って、いい方にまとめていただければということであります。
 あと、対象について限定せずにとか、そういう御意見もいただいておりますし、そのこと自体、否定するものでもありません。ただ、1点、私が申し上げたいのは、資料の53ページを見ていただければと思いますけれども、確かに、やらなければならない課題もありますし、どれも重要なことばかりですし、そうだと思うのですね。ただ、そうは言っても、結局、機械でやっているわけではなくて、私ども生身の人間が安全衛生対策を担っているということでして、では、どれだけの人間がいるかというと、これは連合の方からたっての御要請がありましたので、今回、資料としてお配りしてございますけれども、団体なり専門家はともかく、一番上の行政のところを見ていただければと思いますけれども、あえて一つひとつ申し上げませんけれども、それだけの体制でやっているということなのですね。
ですので、いろいろなことは勿論あるのですけれども、やると掲げていても、できなければ、何をやっているのだという話にもなります。だとしますと、おおよそプライオリティというか、優先順位をつけて取り組んで、きっちり成果を上げていかないといけないということで、正直、もっとできればという部分もありますけれども、そういう部分もありますので、勿論、すべてできれば、それにこしたことはないと思いますけれども、他方で、行政の人的なリソースという問題も横目で見ながら、それに制約されるとまでは申しませんけれども、やはりそこは実現可能性というか、実施可能性ということもある程度考えていかないと、全てやるのだと言われても、行政として責任を持って回せるものを優先順位をつけて労働災害防止計画の中にしっかり位置づけていくというプロセスも大事なのではないかと思っております。だからどうということではありませんけれども。
○分科会長 どうぞ。
○新谷委員 参考資料の53ページの資料を示していただいたので、それに関連することを先に申し上げたいと思います。別に連合としてたっての希望で申し上げたわけではなくて、こういう資料があったらどうでしょうかということで申し上げて、今日、資料を出していただいたのが53ページであります。全てはできないとおっしゃるわけでありますけれども、行政のリソースは定員管理されていて、全体的な定員管理の中で、厚労省だけ、あるいは安全衛生だけ増員を認めるというのは確かに難しいのかもしれませんが、第12次労働災害防止計画の策定に向けた論点の7ページに論点が出ておりますけれども、専門家とか、労働災害防止団体の活用をするということで、労働安全衛生コンサルタントの数について、参考資料53ページには8,700という数字も出ております。
私が申し上げたいのは、人的なリソースを今後の12次防の中で、どこをどのように増やして、何をどのような役割で担っていただくかという役割の分担を明確にしていって、全てはできないとおっしゃるのですけれども、どの役割の方がどんなことを担っていただく、そのために必要な人員はどのくらいだといった、リソースの管理の計画をきちんと立ててはどうか。そのための資料として、今回、この53ページを出していただいたわけです。別に連合のたっての希望ということではなくて、今後の12次防を推進するに当たって、推進するための母体のリソースの状況を、この場でもきちんと共通認識として持っておくことが必要だと思っております。今後の検討に当たっては、申し上げたように、行政のコアになる監督署、あるいは技官等の数、あるいは民間で活用される労働安全衛生コンサルタントの数、それと災防団体の数、こういったものを全体のバランスの中でどう伸ばしていくのかということを、是非論議をするべきだと思っております。
 以上であります。
○分科会長 どうもありがとうございました。
 いかがでしょうか、?について。どうぞ、小畑委員、お願いします。
○小畑委員 3ページの陸上貨物運送事業対策について何点か申し上げたいと思っています。
 まず、1点目ですが、1つ目の○です。「トラックの荷役作業について、安全ガイドラインを作成し、普及する。」とあるのですが、一口に荷役作業といっても、手積みもあれば、フォークリフトによるボックス積みもあります。要は、手積みなのか、荷役なのか、あるいは宅配なのかによって、作業内容が非常に多岐にわたるものです。したがって、この作業の実態をしっかりと把握をした上で作成し、普及する必要があると考えております。
私の感覚で申し上げますと、特に宅配の場合は、転落・落下というのはほとんどありません。どちらかというとプラットフォームで、ボックスパレットを引っ張っているときに、自分が引っ張っているパレットで自分の足をひくといった事故などが非常に多いのです。それは多分、参考資料のデータ集の5ページや13ページの挟まれとか巻き込まれの部分に入っているのだろうと思うのですが、これが数的には第2位にあるという部分がありますので、その辺のところを少し申し上げておきたいと思います。
 2つ目が、墜落防止装置のトラックへの装備についてですけれども、これについては、どのような整備をだれのコスト負担で行うのか、更に国土交通省との連携が求められる等、多くの課題があると思われますので、その辺のところをどう考えるのか、事務局の考えを伺いたい。
 それから、3点目ですけれども、3ページの4つ目の○のモデル運送契約書は是非進めていただきたい。ここの文章の書き出しにもあるのですけれども、荷物の積み下ろしは一体だれがやるのか。これは実態としてはほとんど運送事業者がやるという契約にはなっていないのですけれども、サービスとしてその作業を強要されるというケースが余りにも多いものですから、その辺のところを含めると、是非、このモデル運送契約書というのは進めてほしいと思います。
 以上です。
○分科会長 ありがとうございました。
 どうぞ、田中課長。
○田中安全課長 まず、荷積み・荷卸しの作業の実態に応じてやるべきではないかというお話でございます。確かにおっしゃるように、いろいろな形、例えば平荷台とか、宅急便の箱型荷台とか、ダンプカー、タンクローリーとあるわけでございまして、トラックの型式というか、作業の実態に応じた形での災害の発生状況を把握して、そのガイドラインに向けて整備していきたいと考えているところでございます。
 2つ目と3つ目は関連すると思うのですけれども、要するに、荷主さんの先で、どちらが荷卸しするのかという、役割の分担が明確でないというところから、どちらが安全措置を講ずるかということになってくるところでございまして、そういうことからすれば、モデル運送契約書を明確にすることによりまして、その辺の責任分担がはっきりすれば、どちらが責任持って措置するかという辺りもはっきりしてくると思います。私どもといたしましては、モデル運送契約書などを国交省と連携しながら、いろいろ工夫していきたいというところでございます。
 以上でございます。
○分科会長 どうぞ。
○??計画課長 ちょっと補足しますけれども、支援措置の関係につきましては、今回御議論いただきますのは、あくまで多年度にわたる災防計画ということでございまして、個々のものを詳細に詰めるということになりますと、なったらなったで、ものによって予算の裏づけがなければならないものについては書けないという話、財務当局の了解が必要になります。予算編成の最終的な権限があります。そういうことになりますので、お気持ちはわかりますし、そういうことを知りたいというのはあるのでしょうけれども、まずは、こういう施策はどうですかとか、個体のこういう予算はどうですかという個別の提案ではなくて、この計画年のうちに、こういう支援措置を検討してみてはどうかという提案でして、中身は、そういう意味では、了解いただければ、それで書いていくというのはありますけれども、そこは計画としての性格がありまして、いわば書けば書くほど抵抗は大きくなるという、こういう話でありまして、変な話ですけれども、ここで了解いただける範囲内でまとめて、具体化については、その都度、予算で言えば年度主義ですし、法令的な手当てが必要なものについては、改めて別途、この分科会に諮問するなり何なりしていくという手続になりますので、この段階で全てを詰め切るという性格のものではない部分もあるということで御理解いただけると思います。今回の提案は、こういうことを支援、支援という意味は、国が援助するということですね。そういうことはいかがかと、こういうことでございます。
○分科会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。冨高委員、どうぞ。
○冨高委員 4ページと5ページの論点(2)の「健康確保対策」のところで、「メンタルヘルス対策」と「受動喫煙防止対策」について触れていただいております。これは前回もお伝えしたところなのですけれども、この2点につきましては、現在継続審議となっております労働安全衛生法の改正法案の中で、非常に大きな柱となっておりますので、この法改正によって、職場におけるメンタルヘルス対策や受動喫煙防止対策は進むと思いますので、是非、通常国会での早期成立に全力を尽くしていただきたいというところは、重ねて要望させていただきたいところでございます。
 その上で、一点伺いたいと思います。4ページにメンタルヘルス対策におけるリスクアセスメントの手法を取り入れることの検討ということが記載をされておるのですけれども、6ページに、そもそもリスクアセスメントの取組みというのが、中小規模の事業所の中では遅れていると記載されていることと、それから、参考資料50ページにありますけれども、全産業で見ても、平成17年と比較すればよくはなっているのですけれども、それでもリスクアセスメントを実施していない企業が全産業のうちの7割弱あるということ、また、その下の表を見ますと、更に中小の方が実施していない割合が多いというふうに、この資料を見ると、見て取れるというのが現状だと思っています。
そう考えますと、我々もメンタルヘルス対策として一次予防を強化していただくのは非常に重要なことだと思っているのですけれども、こういったリスクアセスメントの導入自体が進んでいないことの原因をまず的確に分析をしていただいて、中小企業を含めて、メンタルヘルス対策に取り入れやすい仕組みを検討すべきではないかと考えるところなのですが、その点につきまして、事務局で具体的にどのような方策を考えていらっしゃるか、お伺いできればと思います。
○分科会長 どうぞ。
○田中安全課長 まず、リスクアセスメントの状況でございますが、委員御指摘のように、特に中小・零細で導入の状況がよくないということでございます。それにつきましては、以前からも分科会において御指摘があるところでございましたので、我々といたしましては、中小・零細規模の事業所を対象としたリスクアセスメント導入のための委託事業という形で進めておりまして、グループとしてとらえまして、中小・零細におきますリスクアセスメントの導入を進めておるところでございます。特にノウハウがわからないというところがございますので、ノウハウをどうすればいいかというところも含めつつ、研修を含めつつ、リスクアセスメントの導入というものを中小・零細をグループ化した団体に対して進めておるという状況でございます。
○分科会長 どうぞ。
○椎葉労働衛生課長 追加でございますが、メンタルヘルス対策の中で、これまで一次予防として教育でありますとか、それから、二次予防といたしましてメンタルヘルス不調者の早期発見と早期の対応、今回、これは安衛法で実現するというふうに考えておりますが、それから、メンタルヘルス不調に陥った場合の復帰支援をきちんとしていくという、こういった三次予防でございますけれども、一次、二次、三次の総合的な対策が事業所で、しかも中小も含めた全ての事業所で進んでいくことが望ましいわけでございますが、そういった中で、今後、12防の中でメンタルヘルス対策をかなり推進していきたいというふうに考えているところでございます。そもそも一次予防としてリスクアセスメント手法を用いてメンタルヘルス対策をやっていけないかということで、これまでは先進的な企業とか、それから、海外でいろいろな取組みがあるようでございますので、そういったものを勉強しながら、我が国にふさわしい、そして中小にも実現可能な、そういったものを検討していきたいという意気込みを示したところでございます。
○分科会長 よろしいですか。どうもありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ、高橋委員。
○高橋委員 ありがとうございます。まず、1ページ目なのですけれども、ちょっとそこに言及させていただきまして、ここに「メリハリのある重点化を進める」ということで、こういう議論を十分にして、なるべく現場で実務的にやりやすい、あるいは問題化しているものを解決できると、そういったことにアプローチしていただくという意味では、この方向性は大変いいと思います。
 それから、その下に「労働者自身の意識や取組みがないと防止が難しいもの」、この点、行動災害を考えると、しばしばありまして、そこにまた経営が傾くのではないかという懸念がときどき指摘されますけれども、これも本人にきちんとした作業をしなさいという観点ではなくて、作業ができるような要件をどうやって醸成してあげるかと、こういう観点で考えるとよろしいと思います。
 それから、2ページ目に入りまして、?ですね。ここは大体出尽くしていますので、3ページに移ります。運送業の問題、あるいはトラックからの転落という問題が出ておりますけれども、これも小畑委員初め、いろいろな指摘が出ておりますので、言い尽くされていますが、業者によっては、工夫して、自分たちで何とかそれを防止しようと。確かに、準高所作業といいますか、2mは超えないけれども、それの上で、あおりを開いたまま作業する、そういうときにどういうふうにするのかということですね。例えば、そこに足場みたいなものを、ローリングタワーみたいなものを持ってきてみたり、あるいは親綱が張れるように別な装置をつくるとか、いろいろ工夫していることがあると思いますので、そういうのを先ほどのように、実際、実務に従事している方のヒアリングをしながら、好事例を示すと、こんな観点でやっていただけたら、効果的だと思います。
 それから、一番下のところで、自然災害からの復旧・復興工事は、東日本大震災、更に、それ以外のものも含めて、いろいろな課題がありますが、これも出尽くしていると思いますけれども、スポットでいろいろなところを渡っている方がいらっしゃいます。これが一人親方であったり、あるいは今まで経験していなかった人を人出不足から徴用してくると、こういうケースもありまして、資格とか、技能はどうなっているのかと、こういうことがしばしば問題になります。しかも多重構造になっていますから、それを発注者、あるいは元方は気がつかないと、こういうこともありますので、そういった重層下請けの本当の多重にわたる方をどういうふうにサポートするかと、こういう視点が大事だろうと思います。
 それから、4ページ以降のメンタルは、冨高委員が御指摘していただきました。この中で1つ追加したいのは、メンタルヘルスの問題というのは、特に不調者の対応、あるいは復帰時の対応といいますと、ほとんどが個別の問題になってくると思います。関係要因、背景が全く別に構成されていますので、一般的には個別対応になるのですが、そうは言っても、日本の産業界の中では、現実に対応しているという面がありますので、それを調査・研究といいますか、まとめますと、あるパターン化ができるのではないかと思うのです。これは関係の学会にも提案しているところなのですけれども、そういうことで、一般的な事例だったら、こういうことに気をつけていけば、おおむねよろしいのではないでしょうかと、本当に指導してもらえるようなまとめ方につなげてもらえたらと思います。
 それから、化学物質の問題ですね。5ページにわたりまして、上から4つ目の○です。関係省庁と連携して、化学物質の製造、輸入等について対策を講じると、こういうことですね。これは従来からも話が出ておりましたけれども、確かに日本の国内だけでも、関係省庁がいろいろな規制をしている。我々、受け皿としては、産業界の現場というのは1つですので、一体どちらを見たらということで、両方ともしばしばということです。そういう意味で、連携を進めていただくという動きを、もう既に始めていただいていると聞いておりますけれども、是非推進していただきたいと思います。ここには、1つ、例えば、EUで言っていますREACHですね、ああいうものの規制に対しても我々は対応していかないといけないということはありますので、そういったこととの整合性もうまく取れるような、ここに合理的なとありますけれども、合理的な制度を考案していただけたらと思います。
 それから、最後になりますけれども、6ページです。これも冨高委員が御指摘になりましたけれども、今までの安全衛生に関するリスクアセスメントも、現実に事業所をいろいろ見てみると、必ずしも最初に目論んだとおりの運用はされていないという部分があると思います。細か過ぎるとか、視点を整理するのが面倒くさいとか、また、文書で残さないといけないとかということで、実際に働く人から相当抵抗があると、こういう声も聞いております。したがって、平易に、やりやすい、要するに、危険を把握して、事前改善をどうやっていくのか、それをリサイクリックにどうやって進めるかが基本だと思いますので、そういう段階的な実施ということを心がけていただけてもよろしいのではないかと思います。
 済みません、ほとんど意見ですけれども、以上申し上げました。
○分科会長 大事な視点をたくさんいただきました。事務局から何かありますか。よろしいですか。
○田中安全課長 高橋委員からのお話で、現場の声を聞く等、ベストの対策を取るべきでないかという御指摘だったと思いますが、これにつきましては、我々の対応の1つの例でございますけれども、特に墜落・転落等につきましては、安全衛生総合研究所の研究を進めておりますが、研究の遂行の中で現場の声をいろいろ吸い上げて、より実用的で効果的なものとしていくことも1つの方法として行っているところでございます。これは御紹介でございます。
 次に、復旧・復興のところで、スポット的に、新規参入の労働者の教育などはどうなっているのかという話がございましたが、これはあくまでも復旧・復興工事の関係に限定した話ではございますが、私どもも復旧・復興工事支援事業という中で、新規参入者等の安全衛生教育というものを大きなテーマとして、課題として教育を進めているところでございまして、被災3県におきましては、結構実績を上げているところでございます。
 少し飛ばしまして、リスクアセスメントなり、マネジメントシステムのところでございますが、特に私どもも認識しておりますところが、おっしゃったように文書に偏り過ぎているといいますか、本来は災害防止であるところが、文書化とか、それに余りにも偏り過ぎているのではないかという話は、私ども、常々感じるところもございます。特に中小・零細におきまして、もう少しマネジメントシステム、本当に文書をぴったり作ったものがフルコースとすれば、そうでなくても、リスクアセスメントをコアとしつつも、もっと現場に即した、より現場で災害防止に効果的なやり方もあるのではないかということを考えております。これは災防計画と直接は関係ないのですけれども、現在、今年度の事業の中で好事例を集めまして、今後の中小・零細のリスクアセスメント、マネジメントシステムの導入展開を工夫していきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。
○分科会長 ありがとうございます。メンタルについてはいかがでしょうか。
○椎葉労働衛生課長 メンタルヘルスでございますが、資料の4ページのメンタルヘルス対策の4つ目の○でございますけれども、高橋委員から御指摘ございましたが、メンタルヘルス対策の取組みが進んでいない事業所はかなり多いわけでございますが、こういった事業所におきましても、容易に職場復帰支援に取り組むことができるような、職場復帰支援のいい事例を収集いたしまして、現場から集めまして、事例集としてとりまとめたい。それから、収集した事例の分析を行いまして、事業所の規模などに対応したモデルプログラムを作成して、インターネット、私ども、ポータルサイト「こころの耳」というのを出しておりまして、こちらに広く提供し、全くわからないという事業所がないように、少なくともここに解決策がある、そして、これに基づいてやれば、あと、メンタルヘルス対策支援センターもございますので、こういったところと連携しながら、うまく職場復帰対策が現場の声とともに進むように頑張りたいと思います。それから、学会とも連携をさせていただきたいということでございます。
 以上です。
○分科会長 ありがとうございます。化学物質についてはいかがでしょうか。
○半田化学物質対策課長 先ほど、化学物質関連に関しまして、各省と連携を深めつつ、また、REACHとの整合性にも配慮してという御指摘でございました。各省との連携に関しましては、既に御報告してございますように、今、環境省、経済産業省等々とも合同で検討会などを設けてございまして、その根底にございますのは、化学物質の危険性そのものは、行政の性格によらずに一定のものでございますので、この辺りは協働してやっていくべきであろうということで、合同で何かを考えていこうということが後もできるような仕組みになってございます。
 あと、1点、REACHもということでございましたが、REACHはEUのいろいろな歴史、経緯があってできた制度でございますので、それをそっくりそのまま日本に導入するのがいいのかなというのは、議論の分かれるところでございます。いずれにしましても、現行の制度の中でどういったことができるかということを、今、私どもで協議してございまして、その上で更に足らないところがあれば、それをどういうふうに補っていくか、そういうことを検討しているところでございますので、そういう状況であることを御報告させていただきます。
○分科会長 どうもありがとうございました。三柴先生どうぞ。
○三柴委員 まず、計画案について、非常に多面的で的確な御指摘が多いと、敬意を表させていただきます。その上で3点ほど申し上げたいと存じます。第1に、これは形式的なお話ですが、論点(2)の「健康確保対策」の用語法なのですけれども、内容的に職業性疾病予防対策も含まれていると思いますので、それを見出しに加えていただいてはいかがでしょうかというのが1点目です。
 それから、2点目ですが、論点(2)の中の「メンタルヘルス対策」ですけれども、これはにわかにということではなくて、今後の課題として御検討いただければという趣旨ですが、そもそもリスクアセスメントであっても、メンタル面含めて労働衛生全体に実施されていないという実態がありますけれども、諸外国の例などを見ておりますと、確かに個々の組織の特質や特徴に対応したリスク管理手法でうまくいったという例も多く報告されているのですが、個別的なリスク項目の洗い出しを前提とするリスクアセスメントの視点でうまくいかないという例も、これまた少なくありませんで、そういう意味では、例えば、組織内のコミュニケーションの促進とか、本質的な快適職場形成、こういう視点を打ち出すという方途があってもいいかなと思います。これはにわかにというよりも、問題提起としてという趣旨です。
 それから、今回の計画の中に、パワハラは和製英語で、本来はモラハラとか言われますけれども、この対策の強化を加えていただいてもよいのかなという気はいたします。特に嫌悪感に基づく暴言とか、差別的取扱いとか、無視といった問題は、労働局の相談などでもかなり件数も多いし、御案内のとおり、精神障害の労災認定の対象にもなっております。海外では刑罰で禁止している国も多くありますし、日本でも円卓会議の報告書が出たところでもございますので、そろそろ健康確保対策としての位置づけが検討されてもいいのかなと思いますが、ここはいろいろ御配慮のおありの点だと思いますので、御検討いただければと存じます。
 それから、化学物質対策ですけれども、3番目の○の表現が、恐縮なのですが、ちょっとわかりにくいといいますか、ちょっと読み取りにくい部分がございました。作業環境中の云々かんぬんというところなのですが、ここは表現について御検討いただければという点が1つ。
 それから、5番目の○なのですけれども、別の検討会で半田課長がまさにおっしゃっていた点を私が繰り返すというのもおかしいのですけれども、流通経路の中に使用後の廃棄を含めてはいかがかと存じます。要は、使用して終わるのではなくて、使用した後、廃棄して、その廃棄先で労災が起こるということもあるので、そこを視点に加えられてはいかがかという点でございます。
 最後に、目標設定について一言申し上げますと、中間指標を重視されてもいいかなと思うのです。つまり、実施が困難な対策とか、実施と結果の因果関係が未だ不明確な問題についての対策とか、効果の実現に時間を要する対策というのがあると思うのです。こういうものの場合は、体制づくりとか、調査、分析、対策の事業所ごとの実施状況とか、教育、研修とか、要するに、それ自体が結果ではないのだけれども、こういう取組みをしていますという中間指標が、現に取られていると思いますけれども、そこをもっと重視してもいいのではないか。例えば、メンタルヘルスだったら、縦横のコミュニケーションの取りやすさとか、海外でもそういう指標を持っていますし、そういうことをより重視されてもいいのではないかということを申し上げて終わりとさせていただきます。
○分科会長 ありがとうございました。
 どうしますか、事務局で何かありますか。衛生課長。
○椎葉労働衛生課長 衛生課でございます。
 メンタルヘルスに関連いたしまして、本質的な快適職場環境形成でありますとか、パワハラ対策といったことも含めて検討してはどうかということでございます。先生おっしゃったとおり、さまざまな外国の例などを調べますと、例えば、英国などでは、幾つかの要因の調査票などを用意しておりまして、適切な仕事の要求度、過大な仕事量はどうだとか、仕事の裁量権はあるかとか、職場のサポート、上司や同僚からの支援があるかとか、人間関係、いじめとか、そういったものがないかとか、仕事上の目標の明確化とか、いろいろなことがあるのですけれども、こういったことなどは、確かにパワハラとか、本質的な快適職場環境の視点も入っておりますので、そういったことを研究しながら、今後検討させていただきたいと思っております。
○分科会長 ありがとうございます。
 半田課長。
○半田化学物質対策課長 化学物質対策について申し上げます。3つ目の○の作業環境中の濃度測定法云々のところの表現、御指摘いただきました点につきましては、こちらの方で検討させていただきます。ただ、ここで申し上げたかったのは、本来、化学物質管理というのは、濃度をきちっと測りまして、それに応じてばく露防止対策をきちんと講じると、この辺が一体となってかっちり組み立てられているものなのですが、そういうものが組み立てられないようなものも多々ございます。そういった場合にどのようにやっていくかということで、そのばく露状態をある程度推定して、それに応じた対策が講じられるような仕組みを作っていけたらいいということを考えてございまして、こういう表現にしたところでございます。表現については再度検討させていただきます。
 それから、廃棄物のことについて御指摘がございましたけれども、労働安全衛生法でも、いわゆる「化学物質」というところでは、廃棄物は対象になってございません。ただ、三柴委員にも出ていただいています合同検討会でも発言してございますけれども、そこに労働者がいるのは間違いございませんので、この方々をどうやって守っていくか。そういうことはやはりやっていかなくてはいけないと思っていまして、これに当たりましては、いわゆる労働安全衛生法だけというよりも、むしろ環境省の廃棄物管理をやっておられる部局との連携が必要になってくると思ってございまして、そことのどういう連携をやっていくかということを少し腰を据えて検討していきたいと考えているところでございます。
 以上です。
○分科会長 ありがとうございます。どうぞ、木口調査官。
○木口調査官 本日お示ししたのは論点ということでまとめておりまして、若干舌足らずな部分もあろうかと思いますけれども、本日の御議論を踏まえまして、タイトルの扱いも含めて、骨子として書き下すに当たりまして、また改めて中で整理をいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○分科会長 ありがとうございます。?についてはよろしいですか。明石委員どうぞ。
○明石委員 幾つか質問をします。まず、データの問題ですけれども、「第三次産業対策」のところで、リスクの高いバックヤードと書かれているのですが、陸上運送を含めて、どこで起こったかというのは、データとしてはないのでしょうか。
 それから、4ページ目の「健康確保対策」で、背景事情のところの1行目、労災認定件数ですけれども、精神障害は確かにこの5年間で認定件数が増えていますけれども、脳・心臓疾患、俗に過労死と言われるものは、この5年間では2割ぐらい減っていますので、増加というこことは当てはまらないのではないかと思います。
 それから、2番目(サービス産業化の進展による対人業務の増加により、メンタル不調がさらに深刻化するおそれ)、3番目(業務が一部の労働者に集中することによる過重労働が発生している)の項目についても、巷間、そういうことが言われているのは耳にしていますけれども、本当にそうなのかなということはしっかりデータで示していただければと思います。
 それから「過重労働対策」の○の2番に、休日・休暇・休息というのがあるのですけれども、休息という言葉は労基法にはないと思うのですが、何を示すのでしょうか。
 それから、5ページ目の「腰痛予防対策」のところで、1行目に「重量物取扱業務について、腰痛予防に資する規制の導入を検討する。」と書いていますけれども、今も女性則などに規制があるわけですね。さらに規制を導入すると、これは二重規制にならないのですか。
 以上です。
○分科会長 4点ほど指摘がありました。いかがですか。
○木口調査官 まず、災害の発生場所についてでございますけれども、現在、定型統計としてまとめております項目に入っておりませんので、個別の災害データから、更に詳細に分析をいたしたいと思います。これは今後整理をいたしました上で、またお示しいたしたいと思います。
○分科会長 4ページでしたか、背景。
○木口調査官 下の根拠につきましても、本日間に合わなかった分につきましては、次回、骨子を御議論いただくときに、議論に足るデータとしてお出しできるように準備をいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○分科会長 過重労働対策の休息についてはいかがでしょうか。
○木口調査官 休息の付与につきましても、用語の確認をいたしました上で、また次回、御説明いたします。整理が悪くて申し訳ございません。
○分科会長 それから、腰痛対策の二重規制についてはいかがでしょうか。
○木口調査官 腰痛につきましては、年少者とか妊婦に対する重量の規制というのはあったかと思いますけれども、こちらにつきましても整理が不十分なところがありまして、大変申し訳ございません。こちらも整理の上、また次回、お示しいたしたいと思います。
○分科会長 それでは、次回、お願いいたします。他にはよろしいでしょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 何人かの方が言及されている「化学物質による健康障害防止対策」ですけれども、これに関して、新聞等でも報道されています胆管がんの発症事例が印刷会社で続いております。そういった意味で、この化学物質について、健康障害防止対策を取るということは非常に重要なことだということで言及いただいているので、結構なことだと思っておりますが、実は、この論点の中には、有害性が明らかになっていない化学物質についてということで書かれております。ところが、先日の厚労省による印刷会社の一斉立入検査の中でも、印刷事業所のずさんな安全衛生管理の実態が明らかになっているわけでありまして、既に有害性が明らかになっている物質については、特化則なり、有機則できちっとした対策を取ることになっているのですけれども、どうも実態はずさんなところが多いのではないかと思われます。先ほどの人的なリソースの問題はありますけれども、今後、有害な化学物質を取り扱う事業所に対する定期的な検査といった、現状の取組みの強化について、論点には記載されておりませんけれども、これについてはどのようにお考えになっているのか、事務局の考え方を確認させていただきたいと思います。
 以上です。
○分科会長 どうぞ、半田課長、お願いします。
○半田化学物質対策課長 新谷委員の御指摘は、そもそもの私どもの臨検監督でそういったものにもっとしっかり手をつけていくべきではないかということかと存じますが、その辺については、私の立場で簡単には申し上げられませんが、先ほど、この案の中でも御説明してございましたように、さまざまな外部資源なども活用してやっていくということにも取り組みたいと思います。
 もう一つ申し上げておきたいのは、規制物質についてもきちんとやっていないではないかという御指摘に極めて重要なポイントがあるのは、危険性情報が十分に周知されていないということにあると思うのですね。アスベストのときにも話題になってございましたけれども、アスベストが本当に発がん性があるものだということがわかって、それがきちっと表示されていれば、作業員の皆さんだって無防備に使用するということはぐっと減ったと思うのですね。今回の胆管がんの件でも、まだ原因は究明中でございますので、詳しいことはわかりませんけれども、規制されている物質で、大量に吸えば、こういう危険があるのだということが知られておれば、その辺りもまた違った行動があったのではなかろうかと考えております。
 そういう趣旨から、昨年、この危険有害性をきちんと周知するための方法といたしまして、GHSに基づいた情報伝達のルールを確立して導入していこうとしたわけでございますが、まさにこの部分をしっかりとやっていきたい。これが行われるようになりますと、事業所から事業所への化学物質製品の授受、それから、受け取った事業所において使う際の事業所内部での事業所内表示がきちんと行われるようになるわけでございまして、MSDSという、しっかりした、情報の密に詰まった文書もございますが、そのほかに、作業員の皆さんがわかりやすいようにラベルで表示をするということを併せて求めているところでございますので、この仕組みを更に推進していきたいと、このように考えてございます。
○分科会長 よろしいですか。それでは、簡単にお願いします。
○春山委員 日化協の春山でございますけれども、4ページ目の化学物質のところで「民間が保有する有害情報を広く収集・蓄積・共有する仕組みを構築」、これは非常に大切なことで、我々民間側でも思っているのですけれども、今、問題になっている情報というのは非常に複雑になってきていまして、難しい情報もあります。特に、発がん性のデータだとかは非常に難しいので、そういうデータを中小の企業に求めるのは、マンアワーと費用の問題で難しい点があると思うのですね。ですから、企業全体でカバーするのは勿論のことですけれども、もう一つは、アカデミアというのですか、あるいは行政所管の連携が必要になってくると思います。それを情報として開示できるというのですか、広く見えるようにする、可視化するという仕組みが非常に重要になってくると思いますので、その辺、民間だけではなくて、全体でカバーするという配慮を是非お願いしたいなと思います。これは化学会社でもそうですね。中小の企業をどうフォローしていくかというのは非常に重要になってくるかと思いますので、この辺の配慮を是非お願いをしたいと思っています。
○分科会長 どうぞ。
○半田化学物質対策課長 御指摘のとおりだと思いますので、そのように心がけてまいりますが、アカデミアという方ではないのですけれども、我々行政自身が持っている情報、例えば、私ども、あるいは環境省、経産省、それぞれいろいろな情報を持ってございますので、こういったものを共有化して、できるだけ一元的なデータベースに仕上げていくようなことができないだろうかということを、今、関係省庁で議論してございまして、そういったことも進めていきたいと考えておるところでございます。御指摘ありがとうございました。
○分科会長 大変な熱心な御議論をいただきまして、ありがとうございました。大分時間が超過いたしました。あと25分でございますので、最初の予定では3つに分けていましたが、一応、全部網羅したいと思いますので、次の「?行政、労働災害防止団体等の連携・協働による労働災害防止の取組み」「?社会・企業・労働者の安全に対する意識改革の促進」「?科学的エビデンス、国際動向を踏まえた施策推進」、それから「?発注者、製造者、施設等の管理者による取組強化」、?〜?までを一緒に御議論いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。御意見ございませんでしょうか。では、小畑委員、どうぞ。
○小畑委員 7ページの業界団体との協働のところで申し上げます。11次防におきましては、労使による労災防止活動を推進するという観点から、労災防止指導員を効果的に活用することが含まれておりました。現在は、この労災防止指導員に代わって、都道府県労働局安全衛生労使専門家会議が設置をされておりますが、今回の12次防の論点には、これに関する記述がありません。この安全衛生労使専門家会議が設置されて2年目になりますけれども、これは単なる会議体ではなくて、実質的に労災防止に資するものとなるように、労使の安全衛生委員が、専門上の査察、あるいは現場指導、そういったことが実施できる権限を付与することなど、今ある仕組みの機動性を高めることも必要であると考えているのですが、そのことについて、事務局が具体的に検討されているのかどうか、お伺いしたいと思います。
 以上です。
○分科会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。どうぞ、木口調査官。
○木口調査官 労働災害防止指導員を廃止いたしまして、23年度から労使専門家会議ということで走り出しました。今年2年目ということで、有効に機能し始めているということは認識しております。今、論点をまとめるに当たりまして、どのような位置づけにするかということで、事務局でうまくまとめ切れなくて入っていないという状況ではあるのですけれども、今後、それぞれの活動状況なども具体的に把握をいたしました上で、どのように位置づけていくかということをまた検討してまいりたいと思っております。御指摘ありがとうございました。
○分科会長 よろしいですか。犬飼委員、どうぞ。
○犬飼委員 その関連なのですけれども、労災防止指導員は廃止になったと。行政と労働災害防止団体の連携強化、協働ですけれども、ときの政権が行政仕分けをやって、災防団体の規模・支援の縮小ということもあって、逆方向に動いたのです。厚生労働省には、労働安全衛生の施策について、それは死守していただきたかったというのが本当のところでありまして、今の労災防止指導員制度は、何十年もあったものが廃止されてしまって、違う組織が出てくる、そしてまた考えられているのは、労災防止指導団体と連携・協働・強化が必要ですと言われても、一回下がったものをもう一回上げるためには、厚労省の立場として、絶対に落とさないという意思で向かっていただきたいということで、これは大きな反省に立って、労災防止という観点から進めていってほしいと思いますので、今更取り返しはつきませんので、是非そういった観点で進めてほしいと思います。
○分科会長 どうぞ、部長。
○宮野安全衛生部長 災害防止団体の在り方については、一連の政府の取組みの中でいろいろな御指摘をいただいて、見直しを進めているところであります。確かに運営の在り方として一部問題があったというところも事実でありますし、そういったところについては、この分科会の下に設置をされました専門家の委員会で、昨年の12月に災防団体の在り方についての提言をおまとめをいただきまして、各災防団体は、それを踏まえて、今、取組みを進めていただいているところであります。その提言の中でも、今の事業主の団体としての災防団体が自主的な取組みを行うということの必要性については、改めて確認をしていただいているところであります。したがいまして、私どもとしても、運営上、見直すべきところは見直していただいて、かつ、こうした厳しい状況の中ですので、当然、いろいろな形で、運営の状況については、我々としてもウオッチングをしていかなければならないと思いますが、その中で、今の労働災害の防止を更に進めるためには、必要なところについては、災防団体にこれまで以上に活躍をしていただくところについては、我々の支援というものも含めて、更に拡充すべきところはしていかなければならないと思っています。いずれにしても、そういった点も含めて、またこの分科会でも、12次防の御議論の中でも御議論していただければと考えております。
○分科会長 よろしいですか。ほかにはいかがですか。瀬戸委員、どうぞ。
○瀬戸委員 本日は遅れて来て申し訳ありませんでした。
 7ページに「業界団体との協働」という項目がございますが、大変勉強不足で申し訳ないのですが、11次防の中にもこの項目はあるのか、ないのか。あるとするならば、11次防において、業界団体との協働といいますか、具体的なものはどのようなことを行ったのかをちょっと教えていただきたいと思います。
○木口調査官 11次の労働災害防止計画におきましては、関係機関との連携等ということで、労働災害防止団体との連携、それから、関係行政機関との連携という項目が掲げてございますが、いわゆる業界団体との連携という形での頭出しはしておりません。
○分科会長 よろしいですか。ありがとうございます。
 ほかには。縄野委員、どうぞ。
○縄野委員 7ページの「安全衛生管理に関する外部専門機関の育成と活用」についてでありますが、メンタルヘルス対策を初めとして、職場における産業医、産業保健スタッフの役割は年々高まってきております。そういった中で、7ページに記載をされております良質な産業保健機関の育成、更には、産業保健機関の活用を促進をしていくと、これは是非進めていただきたいわけでありますが、こういったものを推進するに当たって、産業医、あるいは産業保健スタッフ、こういった人材をいかに確保していくのか、これが1つ課題ではないかと考えるわけでありますが、この点について、もしお考えがあれば、お聞かせをいただきたい。
 それから、産業医でありますれば、産業医科大学というのがあるわけでありますが、この卒業者のうち、産業医経験者がどの程度いらっしゃるのか。もし数字を把握をしていらっしゃるのであれば、次回で結構でありますので、お教えいただきたい。
 以上であります。
○分科会長 産業保健スタッフの確保ですね。課長、どうぞ。
○椎葉労働衛生課長 産業医、それから、産業保健スタッフの人材育成に関する御指摘と思っております。
 まず、産業医でございますけれども、産業医につきましては、単なるお医者さんではだめでございまして、その医師に一定以上の研修をしていただくことになりまして、それにつきましては、産業医大と、それから、日本医師会で研修をしておりまして、医師会の方の研修修了者が8万2,000人ほどでございます。それから、産業医大の方が2,000人ほどでございまして、そういった体制で今、やっているところでございます。これにつきましては、研修を一回受けて終わりではなくて、更新にしておりまして、その中で必要な研修を行っております。
 それから、スタッフでございますが、特に、今、メンタルヘルス関係がかなり重要でございますけれども、そういったスタッフにつきましては、産業保健師、保健師の役割がかなり強いところでございまして、産業医や保健師に対する研修を今、実施しているところでございます。今後ともこういった人材育成につきましては大事だと思いますので、強化していきたいと考えているところでございます。
 その延長線上でございますが、外部専門機関がございます。これは今まで、産業医一人でやっていくのはなかなか難しいであろうということで、良質の、いろいろなスタッフがそろった機関をつくって、そういったところにいろいろな産業保健サービスをやっていただくということで、これは今後の12次防の中でも1つの大きなうねりになると考えておりまして、そちらの方もいろいろ研究して進めていきたいと考えております。
 以上です。
○分科会長 産業医大の卒業生の産業医は、次回まででよろしいですかね、データをいただいて。
○椎葉労働衛生課長 手元に資料がございます。産業医大の卒業生がこれまで2,315名でございますが、そのうち産業医の経験者が1,082名でございまして、産業医の経験率が46.7%でございます。
もう一つ、産業医だけではなくて、産業医等の職務経験者、例えば、大学の産業保健関係の講座にいる方だとか、いろいろなことを含めますと、卒業者が2,315名ですけれども、産業医等の職務経験者が1,850名で、これでありますと79.9%ということで、産業医そのものの経験者が46.7%でございますが、産業医関係業務を含めますと79.9%というところでございます。
○分科会長 よろしいですか。ほかには。どうぞ、新谷委員。
○新谷委員 8ページの2つ目の項目で「悪質な労働災害発生企業名の公表」というのが入っておりまして、私、これは非常にいいことだと思っております。実は、6月に政府で若者雇用戦略が国家戦略として確認をされた中でも、若者が働き続けられること、そのためにはどうするべきかという論議を大分しました。長時間労働が横行して、過重労働による健康障害ということでいくと、一部上場企業で、皆さん名前を知っている有名な企業で、過労自殺、過労死が続いておりまして、企業選択をする際に、そこの社長はかなり有名な方だったのですけれども、社長の社会的な信念にひかれて入った若い女性の新入社員が過重労働が原因で2か月で飛び下り自殺してしまったというケースもあったわけでございます。
若者が企業を選ぶ際に、いわゆるブラック企業といいますか、名前は通っているのだけれども、実際はかなりブラックといったものが、基準はどういうふうに設けるかというのは非常に気になるところでありますけれども、国として、労災に関して、悪質な企業名を公表するというのは第一歩を踏み出したのではないかということで、是非これは実現するように検討を続けていただきたいと思っております。意見であります。
 もう一点は、10ページです。古市委員が冒頭に「発注者による安全衛生への取組強化」に関して、建設業のところでおっしゃったのですけれども、ここの最初の○は「建設業以外についても、発注者による取組を強化する。」と書かれてあって、これも非常に重要な視点だと思っております。特に外注化によって、一人親方のような、建設業だけではなくて、ITサービスのようなところでも、あなたのスキルがあるのだったら独立をされたらどうでしょうかといった言葉で、それまでの雇用契約から、いわゆる独立事業者として切り換えていく。それによって実際は、社会保険料の負担とかは全部移し替えるわけでして、それによってここに書いてあるような安全衛生上の配慮義務とか責任が転嫁されるといったことが実際にかなり起こってきております。
それに対して、ここも指摘がされておりますように、非常に重要な着目点ではあるのですけれども、現実の契約関係を見たときに、民事上の相対の契約関係になってきますので、例えば、指揮命令等々があって、実態上は労基法上の労働者であるということを認定されれば、それは問題ないのですけれども、ここに書いてある「発注者による取組を強化する。」というところをどのように具体的には取組みをされるのか。非常に重要なポイントだと思いますけれども、具体的にはどのようにお考えになっているのかがわかれば教えていただきたいと思います。
 以上です。
○分科会長 ありがとうございます。
 それでは、特に発注者の2番目のことについて。
○木口調査官 企業名の公表につきましては、いろいろな基準もあろうかと思いますが、慎重に検討をいたしていきたいと思っております。
 それから、今、御指摘がございました発注者に対する取組みの強化につきましても、具体的にどのような形での請負構造になっているか、もう少し実態を把握した上で、それに即して考えてまいりたいと考えております。今のところ、建設業で導入されている元方責任制度しか頭にはないのですけれども、実態を踏まえた上で検討していくべき課題と考えております。すぐにお答えできなくて申し訳ございません。
○分科会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょう。明石委員、どうぞ。
○明石委員 今の企業名公表の件ですが、ここに悪質なと書いてあるので、それはある程度わかるのですが、企業名公表ありきでこういう検討をすることには疑義を覚えます。というのは、それまでにいろいろなマスコミ報道等によって、イメージダウンになったり、企業はダメージを受けていると思います。既にさまざまな罰則を受けていることもあるうえに、企業名公表のために検討をするというのには問題があるのではないか。企業名公表を最終的な手段として考えるのであれば、まだ検討の余地はありますが、最初から企業名を出す目的で検討しようというのは、違うのではないかと思います。
○分科会長 これについては大分議論がありそうですが、実態等はこれから検討されるわけですね。
○木口調査官 この点は、骨子案にまとめるに際しまして、また御相談をさせていただきたいと思います。
○分科会長 どうぞ。
○明石委員 もう一点、8ページの一番上の「各業界・個別企業の労働環境水準の指標化・公表」の最初の○の「労働災害の発生状況や取組に加え」というところなのですけれども、意味があまりよくわかりません。少し丁寧に説明していただけないでしょうか。
○木口調査官 これは、安全衛生労働環境水準ということで、いわゆる労働災害の発生件数という一面的な視点だけではなくて、労働者に健康影響を及ぼすと思われる項目も含めて、できるだけ多面的に評価をしていける指標を開発したいという趣旨でございまして、具体的にこういう項目を考えているということが、まだ全て列挙できる段階ではございませんけれども、一面的な評価ではなく、多面的な評価をしていきたいという趣旨で書いてございます。
○明石委員 時間外労働をすること自体が健康に影響があって悪いというわけではないわけですね。
○木口調査官 はい。
○明石委員 わかりました。
○分科会長 犬飼委員、どうぞ。
○犬飼委員 これは意見なのですけれども、8ページの意識改革の促進なのですが、これは非常に重要なことであると思っていまして、先ほどの悪質な企業名の公表の前に、よい評価を得た企業についてのHPの公表ということがあるのですけれども、もう一つ、その前に、先回の分科会で三柴委員が非常にいいことをおっしゃっていたと思うのですね。
リスクアセスメントがなかなか進まないというところで、事業主といいますか、経営者は、環境と品質管理と安全性、安全性は広い意味で経営問題と表裏一体である、セットしてブランド化してPRをと、三柴委員はおっしゃった。まさにそのとおりであって、先ほど重層構造で下請けになっているから安全対策を取りにくいと言いましたけれども、それではもう事業主の権利がないのです。安全配慮義務も果たせないような事業主は、1人であろうと、3人であろうと、5人であろうと、労働者を使う権利がないわけです。その事業主に対して、三柴委員がおっしゃるように、安全性が経営問題と表裏一体ということをもう少しPRして、安全に配慮すれば先々もうかるという経営問題も含めて、そこを手落ちにした経営者は経営者でないのだというところをPRすべきだと思うのです。
先ほど、高?課長は、これぐらいの体制、人的リソースとおっしゃいましたけれども、それをカバーするのはここだと思うのです。指導する側を増やすということも大事でしょうが、意識改革で意識が上がれば、安全対策というのはかなり上がると思いますので、意識変革のところは、三柴委員が言われたようなPRといいますか、前向きな意識改革を是非PRしていくのだ、そういう事業主、経営者を増やすのだ、労働者もそういう人を増やすのだというような、そういう点で、是非提起をお願いしたいという意見でございます。
○分科会長 大変重要な指摘だと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ、角田委員。
○角田委員 時間も少ないので、私から1つだけお願い申し上げたいと存じます。第12次労働災害防止計画については、多数の分野・項目について、いろいろな意見が出て議論されますが、最近の行政施策では目標設定がなされる場合が多いように感じます。ですから、この計画においてもエビデンスに基づいての方向性を示した上で、ある程度の達成目標を織り込んで頂くと大変よろしいのではないかと思います。11ページでは計画の目標にふれてらっしゃるのでそのあたりが重要ではないかと思っています。新成長戦略では2020年までに労働災害を3割減との目標でした。それがエビデンスに基づいた的確な指標かどうかの検討は必要かもしれませんが、このように明確な数字が出ていると大変わかりやすく感じます。簡単ではないと理解していますが、これだけたくさんの項目がありますので、それぞれの項目で、ここら辺りを目標にしたい、ということを是非組み込んで頂ければ使いやすいのではないかと思います。
 以上です。これは希望ですから、特にお答えは要りません。
○分科会長 ありがとうございます。
 どうぞ、瀬戸さん。
○瀬戸委員 この場で言うべきことではないかもしれないのですけれども、立派な計画ができたとしても、実行が伴わなければ何もならないということだと思います。先ほどもメンタルヘルスのところで、その取組みの好事例を報告書にまとめてホームページに掲載し、あるいはウェブに掲載しみたいなことでも御発言があったのですけれども、中小・零細事業者が、こんなことを言っては大変口はばったいのですけれども、厚労省のホームページに関心を持っている人がどの程度いるかということが現実問題としてあるのだと思って、ホームページに載せたら、それでよしとするのではなくて、もう少しきめ細かな普及徹底策的なものをお考えいただければという、これは要望でございます。
○分科会長 ありがとうございます。
 高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 あと少しありますので、2点だけ申し上げます。
 8ページの下の「労働災害防止に向けた国民全体の安全意識の高揚、危険感受性の向上」なのですけれども、労働者に直接浸透する手法を用いて啓発をするというのが○の1つ目にありますが、実は、メンタルも含めた、あるいは産業保健、ましては産業安全の関係というのは、学校教育ではほとんど触れられていないというのが実態です。これを厚労省にお願いするのはいかがなものかと思うのですけれども、例えば、私どもの新入社員に聞いてみますと、メンタルの教育などというのは一切されていないと、こういう実態なのですね。それで世の中でこれだけ大問題だと言っているのですけれども、そういうことをうまくほかの省庁にも働きかけてやっていけるようにしていただけたらと思います。
 それから、○の4つ目は大変重要な命題だと思います。基礎疾患や健康障害のリスクを有する労働者に関する対応ということですね。本人の申告に基づいてとあります。確かに守秘義務の問題ですとか、あるいは事業者でなければ健康診断の情報は入手できないとか、いろいろな制約がありますから、御本人が言っていただくというのが一番よろしいわけですけれども、この本人が申告ができるような、そこにドライブするといいますか、うまく善導できるような仕組みも考えていただけたらと思います。例えば、産業医に、あなたのためなので、ここまでは開示して、こう考えましょうという調整役をお願いするとか、あるいは御本人に一般教育の中でそういうことを普段からお話ししておくとか。それが不利な扱いになるということではなくて、あくまでも前向きな対応をするための要件として考えていただければと思います。
 以上です。
○分科会長 大変大事な御指摘をありがとうございました。御提言ということでよろしいですかね。
 ほかにはいかがですか。時間が1分過ぎましたけれども、よろしいですか。大変熱心な御議論をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、一応、?〜?まで終了したということで、事務局から連絡事項をお願いいたします。
○木口調査官 本日はいろいろと御意見をいただきまして、ありがとうございました。本日いただきました御意見等踏まえまして、当方で第12次労働災害防止計画の骨子のたたき台をつくりまして、次回の分科会以降、数回に分けて御議論いただきたいと考えております。
 次回の日程につきましては、追って御連絡をさせていただきます。
 本日はありがとうございました。
○分科会長 ありがとうございます。
 それでは、本日の分科会はこれで終了いたしますが、議事録の署名につきましては、労働者代表委員としまして冨高委員にお願いできますか。それから、使用者代表委員は春山委員にお願いいたします。
 それでは、本日は、お忙しい中、ありがとうございました。これで終了いたします。


(了)

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