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2013年1月9日 第1回 職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会議事録

○日時

平成25年1月9日
18:00〜20:00


○場所

厚生労働省17階専用第21会議室
(千代田区霞ヶ関1−2−2)


○議題

(1)業務上腰痛発生と予防対策の現状
(2)各業界・作業における取組事例報告
(3)改訂の方向についてフリーディスカッション

○議事

○調査官(毛利)
 本日は大変お忙しい中、お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただ今から第1回職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会を開催いたします。私は、事務局を務めます労働衛生課の毛利と申します。座長選出までの間、進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、検討会の委員の方を五十音順でご紹介をいたします。資料1の2ページ、参集者名簿をご覧ください。ご紹介いたしますので、お立ちになり、簡単に自己紹介をお願いいたします。日通総合研究所の安藤弘一委員です。
○安藤委員(日通総研)
 日通総合研究所の安藤と申します。よろしくお願いいたします。もともと日本通運におりまして、今、日通総合研究所で安全コンサルティング部などを管理しております。主に、運送業、ドライバーなどの腰痛予防等についての話をさせていただきたいと思います。
○調査官
 労働安全衛生総合研究所の岩切一幸委員です。
○岩切委員(安衛研)
 岩切と申します。よろしくお願いします。私の専門は人間工学で、現在は介護施設などに入り、介護者の腰痛予防対策などに取り組んでいます。また、介護者に限らず、労働者の腰痛予防対策に取り組んできましたので、全般的な改正に関わり、取り組んでいきたいと思っています。
○調査官
 社会福祉法人中心会の浦野正男委員です。
○浦野委員(中心会)
 浦野です。神奈川県海老名市にあります社会福祉法人中心会という組織の理事長です。同時に、全国社会福祉施設経営者協議会の役員を務めさせていただいています。自分の法人では、特別養護老人ホーム等を経営しています。施設を経営する立場から、従事者の健康管理、安全管理について勉強しながら、この会に参加させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○調査官
 滋賀医科大学の北原照代委員です。
○北原委員(滋賀医科大)
 滋賀医科大学社会医学講座衛生学部門の講師をしております、北原と申します。よろしくお願いします。私の専門は労働衛生で、特に筋・骨格系、頸肩腕障害、腰痛予防の研究に取り組んでまいりました。また、産業医として老健施設の産業医、医療機関の産業医などをしています。今回、このような検討会に参加できたことを非常に光栄に存じます。精一杯頑張っていきますので、よろしくお願いします。
○調査官
 日本予防医学協会の神代雅晴委員です。
○神代委員(予防医学協会)
 神代と申します。現在、財団法人日本予防医学協会の理事長を務めています。そして、産業医科大学名誉教授です。よろしくお願いします。
○調査官
 労働安全衛生総合研究所の甲田茂樹委員です。
○甲田委員(安衛研)
 甲田と申します。研究所では、健康障害予防研究グループに籍を置いています。昨年までは研究企画調整部で、様々な研究所で行われている労働衛生の研究、事業等をしてきていますが、今年からは労働衛生や健康の予防対策ので研究を行っていきたいと思います。私は、この研究所に来たのは7年前ですが、それまでは大学におりまして、先ほど出ましたように労働衛生、産業医学に取り組んでまいりました。筋・骨格系疾患、腰痛等でも産業医等をしていまして、フィールドでの研究をしていましたので、ここでは皆様のご意見を聞きながら、より良い改訂指針に携わらせていただければと思います。よろしくお願いします。
○調査官
 目黒区立特別養護労人ホーム東山の萩尾映子委員です。
○萩尾委員(目黒区立特養)
 萩尾です。よろしくお願いします。私は、現在は、特養ホームの施設長ですが、以前は、介護職員として、自ら高齢者を介護していた経験から、そして今は非常に人材確保が難しい高齢介護部門ですので、腰痛で1人でも職員が辞めることのないような現場にしたいので、現場の声をこの検討会で言えればと思っています。
○調査官
 テクノエイド協会の本村光節委員です。
○本村委員(テクノエイド)
 テクノエイド協会の本村です。私どもの協会では、福祉用具の開発と普及をメインのテーマとして推進をしています。今回の検討会では、福祉用具を活用して腰痛予防対策を推進していったらいいのではないかという立場で参加させていただきます。よろしくお願いします。
○調査官
 次に、厚生労働省の関係部局からのオブザーバーをご紹介いたします。社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室の村橋介護福祉専門官です。
○介護福祉専門官(村橋)
 本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。村橋です。よろしくお願いします。
○調査官
 老健局振興課の鈴木人材研修係長です。
○人材研修係長(鈴木)
 鈴木と申します。よろしくお願いします。
○調査官
 職業安定局雇用政策課介護労働対策室の小松室長補佐です。
○室長補佐(小松)
 小松と申します。よろしくお願いします。
○調査官
 以上、ご出席をいただいております。事務局ですが、労働安全部長の宮野です。
○安全衛生部長(宮野)
 宮野です。よろしくお願いします。
○調査官
 労働衛生課長の椎葉です。
○労働衛生課長(椎葉)
 椎葉です。よろしくお願いします。
○調査官
 業務第4係長の吉岡です。
○業務第4係長(吉岡)
 吉岡です。よろしくお願いします。
○調査官
 撮影は、ここまでとさせていただきます。以後の撮影はご遠慮くださいますよう、よろしくお願いします。開催に当たりまして、安全衛生部長の宮野からご挨拶を申し上げます。
○安全衛生部長
 第1回の会合の開催ですので、一言、冒頭のご挨拶をさせていただきたいと思います。こうした形で委員の先生方にお集まりをいただいた趣旨について、簡単にお話をさせていただきたいと思います。その前に、年明け早々、遅い時間からお集まりいただきまして、またお忙しい中、この委員をお引き受けをいただいたことについて、改めて御礼を申し上げたいと思います。
 この会議のテーマになっております腰痛の問題ですが、休業4日以上の腰痛が平成23年で約4,800件発生しています。これは職業性疾病のうちの約6割、10年前と比べても1割増えている状況です。また、業種別に見てみますと、社会福祉施設が約2割を占めていて、かつ、この10年間で件数が2.7倍に増えています。これは働いている方も当然ながら増えていらっしゃるのですが、働いている雇用者のペース以上に、この腰痛の件数が増えている状況です。更に、運輸交通業、あるいは小売業などで腰痛の発生が非常に増えている状況です。
 労働災害全体を見ましても、長期的にほぼ30年間ずっと一貫して減少傾向にあったものが、ここ2年間増加に転じ、平成24年もまだ完全に分かりませんが、恐らく前年よりも増加をすると、3年連続労働災害が増加しているような状況にあります。
 一方、私ども労働安全衛生法では、5年ごとに労働災害防止計画の策定をすることになっています。ちょうど今、来年度、今年4月からの新しい計画を策定するための検討を行っています。その中での一つの最も大きなテーマは、やはり話に出ましたような特に第三次産業を中心として、労働災害が増えてきている傾向、あるいは陸上貨物運送業においても、全体としては減ってきていますが、やはり製造業や建設業については大きく下がっている一方で、今、申し上げたような業種についてはむしろ増加傾向にある、あるいは横ばい傾向にあります。その一つの大きな要因は、やはりこの腰痛の問題があると認識をしています。
 こうした、今、申し上げたような問題意識を持ちまして、今言及しました業種に重点をおいて、職場の腰痛の減少を図っていくことが、これから非常に大きな課題であると考えています。その一方で、職場におけるこれまでの腰痛予防防止対策のために、腰痛予防対策指針を示していました。これは、平成6年9月に策定をして以来、全く改訂をしていない状況にあります。その一方で、介護保険制度ができ、介護労働力が大きく増加をするというような状況変化、あるいはその後の腰痛予防対策の様々な新たな知見が出てきています。そのような様々な状況変化を踏まえて、この指針についても改訂する必要があると考えています。こうした状況を踏まえまして、有識者の方にお集まりいただき、この指針の改訂について検討をしようということになった次第です。
 今後のスケジュールですが、非常にタイトなスケジュールで大変申し訳ありませんが、できましたら3月までに一定の報告を取りまとめていただき、それを基に指針の改訂を行いたいと考えていますので、是非、ご協力をよろしくお願いしたいと思っています。最後に、この会議で活発な先生方のご議論をいただくことをお願いしまして、冒頭の挨拶とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○調査官
 次に、資料の確認をいたします。お手元の資料の確認をお願いします。1、2ページが本検討会の開催要綱と委員の名簿です。資料2−1が3ページ以降で、腰痛の発生状況についてです。15ページが資料2−2で、今回の改訂に関わる腰痛予防対策指針を付けています。45ページからは資料2−3で、対策のチェックリストです。
 本日は、各委員からのプレゼンテーションを予定しています。53ページが資料4で萩尾委員からのプレゼンの資料です。59ページからが資料5で神代委員からの発表資料です。71ページが資料6で北原委員からの説明資料です。資料7が75ページにありますが、見直しの論点ということでご用意しています。以上が大きな綴りの一つです。
 資料3−1、3−2が机上に配布してあると思いますが、恐縮ですが冊子ですのでページ数が多くなりますので、メインテーブルに限らせていただいています。オレンジ色のものが資料3−1「介護業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ」です。資料3−2は運送業務の同様のものになっています。それから、机上配布資料が2点あります。「運送業務における腰痛防止対策取組例」が机上配布資料1で、日通体操の資料が1点、それから「介護労働者の雇用管理の改善を図った事業主に対する奨励金」という職業安定局からの資料が机上配布資料2です。もう1点も冊子ですので机上配布にしていますが、テクノエイド協会から「腰を痛めない介護、看護、質の高いケアのために」というパンフレットを置いています。以上ですが、不足、落丁等ありますか。よろしいでしょうか。
 それでは、資料1の開催要綱に基づいて、本検討会の座長の選出をお願いしたいと思います。事務局としては、労働安全衛生総合研究所の甲田委員にお願いしたいのですが、委員の皆様方、いかがでしょうか。
                (異議なし)
○調査官
 ありがとうございます。それでは、以降の進行を甲田座長にお願いしたいと思います。
○座長(甲田)
 労働安全総合研究所の甲田です。非常にタイトな仕事でもありますし、私はそんなに力がある者ではないのですが、先生方のお力をいただいて、なるべく現場で役に立つような指針に改訂していきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いします。
 今回議題になるのは、先ほどもご紹介がありました腰痛予防対策指針で、平成6年の指針ですので、今年は平成25年ですので19年ぐらい経っています。先ほど言いましたように、非常に時間が経っているだけではなく、世の中も変わってきています。多分、本日来られている介護、運輸などで腰痛対策をされてこられた委員の方々、是非お知恵をいただきながら良いものに仕上げたいと思っていますので、ご協力をお願いしたいと思います。
 3回ぐらいの委員会でということですので、本日第1回目に関していいますと、事務局からもご紹介がありましたように、委員の方々から取組事例や資料の解説をしていただきながら、今後の指針の改訂に向けて我々もブレインストーミングをしていきたいと思いますので、非常に限られた時間ではありますが、有効に使いながらご紹介していただき、議論をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、議事に入ります。内容の議論に先立ちまして、職場における腰痛とその防止に関する理解を共有するために、行政と各参集者の方からいろいろな資料がありますので、それをご説明していただきたいと思います。まず、議題(1)の業務上腰痛発生と予防対策の現状について、事務局からよろしくお願いします。
○調査官
 腰痛の発生状況について、資料2−1で説明をいたします。3ページにありますものは、労働者死傷病報告が休業4日以上の災害については報告の義務がありまして、それを集計したものです。業種は、製造業、非製造業、その他の事業となっています。この資料については、今回特に運輸交通、商業、保健衛生が中分類といわれる業種ですが、更に細分類の、運輸交通であれば道路貨物がいくつなのか、商業であれば小売がいくつなのか、保健衛生であれば社会福祉施設がいくつなのかというようなことが分かるように、細分類の業種の件数、割合を見るために再集計をしたものです。したがって、いわゆるこれまで平成23年の労働災害ということで公表しているものとは、その後の報告なども含んでいますので、件数が異なっています。
 全体の業種を見ていただきますと、製造業が15.9%を占めています。次に、道路貨物運送業が10.7%、小売業が12.1%、社会福祉施設が18.8%を占めています。これは、母数は上のほうにnと書いてありますが、災害性腰痛、非災害性腰痛の二つを足した5,300件余りに対する割合になるわけです。非常に多発している業種がかなり明らかになっています。
 4ページ以降ですが、運輸交通業、商業、保健衛生業など、非常に多発している業種について、過去10年の推移を見た資料です。4ページが「運輸交通業」ですが、一番上にありますのが「道路貨物運送業」で、平成23年は569件です。この10年間で18%減少しています。平成24年の数字は、12月28日時点の暫定値と書いてありますが、3月まで報告を受けつけて集計をしていますので、今後出てくる分がまだ増えるということです。
 「商業」については、「小売業」が平成23年で642件です。これは、この10年で増えた時期もありましたが、現在は10年前と同じような水準となっています。
 6ページが「保健衛生業」ですが、一番上の「社会福祉施設」は平成23年は1,002件で、この10年で176%の増加、つまり2.7倍になっており非常に顕著に増加が見られます。先ほど部長からもありましたが、同じ時期の介護職員の増加が、2000年に介護保険制度ができて以降、こちらも増加をしているのですが、それが1.7倍程度であることに比べますと、その増加をかなり上回って腰痛が発生しているのが現状です。
 次に7ページ以降の資料ですが、これは少し古いデータにはなりますが、腰痛の発生状況を分析して、事務連絡の形で周知をしたものです。平成16年に発生した休業4日以上の腰痛4,008件を分析したということで、実際にはもっとたくさんあるのですが、特筆すべきものだけを抜き出しています。
 第1表は、曜日別に腰痛が発生したのが何曜日に多いかを見たものです。一番左の欄、月曜日が全産業で20.9%となっていまして、どの曜日よりも多いということですので、週の初めに多発する傾向が認められるということです。この辺りは、製造業、運送業に比べますと、介護を含みます保健衛生や商業については、日曜も稼働することが多いためか、その傾向は弱いということになっています。
 8ページの第2表ですが、これは発生の時間帯について見たものです。細かい数字ですが、8時から9時、9時1分から10時、10時1分から11時の3時間で全体の40.5%を占めています。9時から10時が15%で一番多い結果になっています。
 9ページの第3表は、休業見込日数別に調べたものです。これを見ますと、一番下の29日以上休業している腰痛が35%を占めています。非常に休業期間が長期化するのが腰痛の特徴であるといえるかと思います。
 10ページの第4表ですが、これは腰痛発生時の作業で、どのようなものを扱っていたかです。取扱い対象を人と荷に分けていることと、荷については移動の方向も分析しているものです。例えば人では、保健衛生が非常に多くなっていることが見て取れますし、運輸、商業は荷の取扱い、中でも、荷を上から下へ移動する動作中に腰痛が多発している状況が見て取れるわけです。
 この平成20年の分析では、社会福祉施設について更に詳しく分析を行っていまして、それを11ページ以降に付けています。これは、先ほどからありました保健衛生697件のうち、社会福祉施設の407件について分析をしたものです。第5表は、その中でも人を対象とする動作の344件について分析をしたものです。これを見ますと、事業場の中で発生したものが79.9%あります。この中では、その他に分類されるものを除きますと、入浴の介護中に最も多く発生しています。特に、36件が移乗で14件が移乗以外ですので、多くが移乗の作業中に起こっていることが見て取れるわけです。
 12ページは、この移乗について第7表で見ています。ベッドから車椅子への移乗、それから車椅子からベッドへの移乗で腰痛が多発をしていることが読み取れます。第8表は、このベッドから車椅子の中では、正面から要介護者の背中に手を回すような方法が最も多く取られていることが読み取れるわけです。非常に駆足で申し訳ございませんが、このような分析結果がありますのでご紹介をしました。
 次に、15ページから厚生労働省で腰痛予防の対策として「職場における腰痛予防対策指針」を示していますので、それを付けています。これが、今回改訂の対象になるものです。平成6年9月労働基準局長通達と書いてありますが、この文章により、事業場で腰痛予防のために実施していただきたい、そのような望ましい事項を示しています。労働基準監督署などでは、これに基づいて事業場に対して指導しています。これは行政指導という位置づけですので、法令で何か罰則がかかるというものではありません。
 内容については、時間の関係もありますのでごく簡単にしたいと思います。最初に、全業種、全事業に共通する実施事項として、2「作業管理」として作業姿勢や作業標準を作るということが書いてあります。16ページ以降で、3「作業環境管理」について温度、照明、作業空間はこのようにするのが望ましいと。4「健康管理」として健康診断や作業前体操などの健康管理について述べてあります。18ページが5「労働衛生教育」についてです。
 以上の全体論のあとに、19ページから「作業態様別の対策」を示しています。ここには、五つ挙げてあります。19ページの?は「重量物取扱い作業」です。20ページは、?「重症心身障害児施設における介護作業」です。22ページは、?「腰部に過度の負担のかかる立ち作業」です。23ページは、?「腰部に過度の負担のかかる腰掛け作業・座作業」です。24ページは、?「長時間の車両運転等の作業」です。これらそれぞれの作業について、実施事項を書いてあります。
 25ページも実は同じ通達内の文章ですが、この指針に解説を加えています。指針は最小限にしてあるわけですが、それぞれについての注意点や、健診の問診票をこのようにしたほうがいい、あるいは腰痛体操をこのようにしたらいいということを図入りで説明をしている解説を付けています。指針の本文に書くよりも、少し細かいことをこのような文章で補っていますので、この指針と解説と合わせて今回改訂をしたいということです。
 資料2−3は、平成21年4月にやはり労働衛生主務課長名で出しています「介護作業者の腰痛予防対策のチェックリスト」を付けています。私からは以上です。
○座長
 質問は後ほど、各人の説明が終わってからまとめてお受けします。次に、議題(2)各業界・作業における取組事例報告ということで、委員の方から、これまでの腰痛予防の組取等について、説明をお願いしたいと思います。プレゼンをお願いしている委員の方々には、長くとも10分ぐらいで説明をお願いしたいと考えています。
 私からということになりますが、資料3−1、3−2、主には3−1になると思いますが、それについて説明したいと思います。資料は机上配付されている冊子になります。
 これから説明するのは、「介護業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ」です。これは私だけではなくて、実はここにいらっしゃる岩切委員、北原委員が一緒にですが、中央労働災害防止協会で2年前に、介護事業・運輸事業における腰痛予防のためのテキストを作ろうということで、実際にやった仕事の成果物です。
 流れ的に申しますと、その1年前になりますが、「社会福祉施設における安全衛生対策マニュアル」も、中央労働災害防止協会並びに厚生労働省がやられたときの事業として、我々が手がけてきた経緯があります。実は、今日参加していた本村委員にもこのときには大変お世話になり、いい成果物ができたと思っていますが、そういう経緯があります。
 その社会福祉施設は、先ほどから出ているように安全衛生を行うときに怪我とかということもありますが、腰痛は非常に大きな問題ですので、腰痛をターゲットにした対策のマニュアルを作ろうと。特にこのときには腰痛対策とKY活動だったのですが、今日お示ししているのは、腰痛予防のためのポイントを分かりやすく解説して、それに併せてエクササイズ、腰痛に関しては予防としての体操を併せて指導しようということでまとめたものです。
 その中身を解説したいと思います。開けていただくと、10、11ページ、ここに「腰痛の予防対策の進め方」という冊子を作るに当たっての基本的なスタンス、考え方をまとめてあります。最初に、先ほど基本的な通達があったのですが、その通達にあるように、五つの作業、重量物の取扱い、重症心身障害児施設、過度の負担のかかる立ち作業、腰掛け作業・座作業、長時間の車両運転が指針の中で取り上げられているので、それをにらむと、最近の腰痛の発生状況からいうと介護と運輸が多発職種だということで、この二つの冊子の作成に多分つながるのだと思っています。
 その中で介護に関しては、進め方としては、ここにあるように、(1)介護時の作業姿勢と動作が非常に重要なポイントになってくるのではないかということで、まずそこに着目して解説が進んでいっています。指針の中でも解説されていますが、作業指針が予防するために非常に重要になってくるため、その作業指針の考え方、作り方が非常に重要ではないかという形で、このマニュアルの中ではずっと解説をしています。
 特に2番目、11ページになりますが、「労働衛生管理のポイント」としてこの冊子を考えるに当たっては、先ほど出たように労働衛生管理体制、例えば衛生管理者、安全管理者、安全衛生推進者、産業医の方々の取組み、委員会での活動を指すわけですが、そういうものに加えること、労働衛生の中でいうと、基本的に重要な3管理といわれるもの、作業管理、作業環境管理、健康管理、更には教育、労働衛生教育というものを総合的にやっていくことが、腰痛の予防を考える上で非常に重要になってくることを解説しています。
 あともう一つ、今日、多分議論になってくるのだと思いますが、ここ数年、厚生労働省のいろいろな資料を見てもそういう考え方が打ち出されていますが、リスクアセスメント、労働安全衛生マネジメントシステムを、疾病の予防対策を進めるに当たって考え方の基本としていこうという形でこの冊子が作られており、又は腰痛の予防をするため、非常にポイントになるのだという形で解説をしています。
 12ページ以降を見ていただきますと、具体的に、例えば作業管理のキーワードとなるポイントです。これは(1)でいうと、福祉機器や補助具等の利用・活用を挙げています。先ほども少し出ましたが、様々な場面で腰痛を引き起こすわけですが、それのときに常に付いて回るのが、福祉機器や補助具をどう活用していたのか、又はその活用が適切だったのかということです。そういうものを作業者はよく熟知していたのかも含めてになると思いますが、そういうことです。
 そういうもので、例えばここにイラストがありますが、設置式のリフト、吊り具シート、いろいろありますが、こういうものは腰痛予防のために、こういう活用の仕方をすると非常に効果的に腰痛の予防につながるのではないかと。そのときにいろいろと参集された委員の方々のお知恵を借りて、こういう形でまとめています。
 それ以降、例えば13ページに行きますと、(2)作業姿勢と動作の問題です。先ほどから出ましたが、利用者を持ち上げたりするとき、また移乗させたりするとき、そのときの姿勢が不良であったり、非常に移乗の仕方が悪かったりすると、俗にいうぎっくり腰とかを起こしたりするので、そのときの姿勢の善し悪し、「×」とか「○」と書いてありますが、そういう形で解説しています。
 さらに、14ページ以降、(3)作業標準の策定、(4)休憩、小休止・休息、睡眠。介護の職場だと24時間対応しなくてはいけないということであるので、常に非常に夜勤労働が入ってまいります。さらには、利用者の状況によっては休憩がなかなか取れなかったりとかいうこと。一連続の作業又はそういうものが長くなったりすることが、介護者の健康管理、特に腰痛に影響する形で、どういう形で休憩を取ったらいいのか、小休止を取ったらいいのかで、解説をしています。
 15ページ以降に、もう一つ大きな話題として取り上げておいたほうがいいということで、ここでは2「作業環境管理」の話題を解説しています。腰痛に関連する作業環境管理、作業環境要因としては、そこに挙げているように、温度、照明、作業面の床の状態、作業空間や設備の配置など、俗にレイアウトとよく言いますが、この四つを今回ここでは取り上げています。皆さんもこういう経験があると思いますが、冬になると腰が痛くなってくるのは、寒冷という一つの要素が働いているからだと思うし、照明なども明るければ安全に働けるのですが、暗くなると足元が非常に不安定になってくる、不如意になってくる、そういうものが踏み外しとか、そういう危険な要因を引き起こす形で言われています。ですから、そういう環境的な要素ももう一度認識していただく意味合いで、ここでは解説しています。
 3「健康管理」です。3管理の中でもう一つよく出てくるのは、健康管理になります。健康関連は、腰痛は当然腰が痛いことですから、作業者が訴えるのが一つの起点になるわけですが、腰痛にならないようにするためにはということで、労働衛生の分野ではよく健康診断を活用しましょうと。健康診断をして、健康障害を早いうちに発見して、早期に対応できればということで導入されている健康診断、これは各種あります。それは事前だろうが事後だろうがいろいろな形がありますが、そういう健康診断のやり方です。もう一つ、もっと積極的、ポジティブに腰痛にならないような体力づくりというか、そういうものをするための作業の前の体操、腰痛体操とでも言いますか、そういうものを解説しています。
 (4)、(5)が、多分先ほど平成6年に出た指針よりは少し踏み込んだところかもしれませんが、実際にぎっくり腰になった場合とか、いろいろタイプ別で、ここには特異的腰痛と非特異的腰痛という形で分けていますが、もしそういう腰痛を訴えた場合にどういう対応をしたらいいのか。それは介護者の個人レベル、作業者間レベルの話、プラス事業所の中で、例えば施設長又は衛生管理者、相談を受けた産業医の方々は、どういうところに注意をしてアドバイスをしたらいいのかの対応も書いていたり、ないしはこれをすることによって、腰痛を訴える方がなるべく重症化させないというか長引かせないというか、そういう助けになればという形で知見を一応まとめています。
 19ページ、「労働衛生教育のポイント」です。衛生教育は、腰痛の発生する場面で考えると、非常に重要なものだと私どもは考えているので、そこにまとめている腰痛に関する基礎的な知識、先ほど言った環境の要因、姿勢の要因などを含めて作業標準を作っていこうという話です。それから、機器、道具、活用の仕方です。ここにはスライディングシートと福祉機器とか、そういうものが書いてありますが、そういうものの適切な活用の仕方です。更には体操、どのような種類の体操があって、効果的かという解説等をまとめています。
 そういう形で、平成6年の指針の中で指摘されたものを、なるべく介護作業に焼き直す形でまとめたのが、この冊子になるのだと思います。ただ、議論をしていく中で、腰痛を予防するためには、最近もっといろいろな知識というかいろいろな知見が出てきているので、20ページ以降に書いてあります。具体的には、もう少し作業別又は介護作業の種類とかいうことも含めて、どういう形で腰痛対策を進めていったらいいのか、その考え方なども紹介しています。
 20ページを見ていただければ、そこには「作業管理に関する負担軽減のポイント」とありますが、これはある意味、腰痛予防の考え方、腰痛予防対策の考え方を我々は端的に示しているものだということで解説してあります。
 そこにあるように、?リスクを適切に評価する。先ほどのリスクアセスメントの話、マネジメントシステムの話がありましたが、職場の中で腰痛に関連するリスクをまず評価しようと。評価することによって、では、こういうことが危ないのだということを認識することからスタートしていく。?評価結果に基づいて、適切な介助方法を選ぶこと。要するに、そういう作業をしても腰痛にならない対策を作業者の頭に入れていこうと。さらにもう少し一般的に言うと、先ほどでいうと環境要因などがそれに入ってくるのですが、全般的なリスクの低減を図れればいいという形で?を述べています。ですから、???と腰痛を引き起こすリスクが何なのか、特にこの作業でどういう動作、どういう内容が腰痛を引き起こすのかを理解した上で対応をとるということです。
 それをもう少しマニュアル化していこうという話になってくるときに、作業標準は非常に有用な部分があるので、作業標準を作成して、更にそれを労働者が周知することによって腰痛を減らすことができるのではないかと。これは最近、マネジメントシステムとかいろいろなところで語られている考え方を、職場の人間工学、筋・骨格系の予防を考える上で提供させたということになりますが、そのような形での予防対策の進め方、ポイントになります。
 今までお話したのは総論ですので、それ以降のページは各論です。具体的に、先ほど少し腰痛で出ましたが、24ページには移乗介助、28ページの入浴介助、30ページにはトイレ介助という形で、各論に関して具体的にこういうリスクを見つけて、こういう対応をしたらどうでしょうかということを、なるべく分かりやすくというか、そういう形でまとめたのがこの冊子です。
 腰痛予防に関しては、全業種で非常に多いのは腰痛になりますが、個別で見ると多発職種が当然ありますので、その多発職種はそれなりの理屈、理由があるということに立って、その多発職種における腰痛のリスクを評価して、腰痛のリスクに対する対応をすることが、多発職種の腰痛を減らす上では非常に効果的だろうと、そういう観点に立ってまとめたのがこの冊子になります。
 最後に、エクササイズです。体操も最近はいろいろなタイプの体操が提案されてきていますので、その辺でこの冊子でいうと後半になりますが、このようなタイプの体操はどうか、ないしはそれを職場でやるときにこうやったらどうかということの提案なども、一冊の冊子でまとめているのが我々が作ったこの資料になります。若干長くなりましたが、資料3−1と3−2に関して、介護業務を中心に解説をしました。
 次になりますが、萩尾委員から、介護施設における腰痛予防の取組と、成果として資料4についてご説明をお願いできますか。お願いします。
○萩尾委員
 簡単な資料を付けていますので説明をします。東山ホームは、区立の特別養護老人ホームですが、プロフィールと特徴は、資料の55ページにあります。特徴の1つは、開設時期が平成12年4月1日で介護保険がスタートした時期に開設したことです。140床の大規模な従来型特養ホームです。ユニットケアの施設ではないのは、平成12年当時は、従来型も新設が可能でしたので、待機者を減らすことを優先させるために従来型特養の新設ということでした。
 特徴がもう一つ、(6)の「居室数」の4人部屋の21室に、天井走行リフトを全て設置しているところです。そのことから、腰痛予防に取り組んでいるということで私がこの委員に選ばれたのではないかと思います。リフトをこれだけ付けて活用している特養は少ないのです。入所者の年齢構成とか介護度は、資料を見ていただければいいかと思います。
 もう一つ(8)の要介護度は、要介護度という概念は介護保険のときにできました。その前の措置制度のときは軽い人、本当に歩けて自立の人もたくさんいましたが、介護保険のスタートのときは、要介護度1〜5の人が特養ホームの利用対象者でした。スタートしてみて、やはり介護度1の軽い人と介護度3、4の重度の方が同じ条件で特養ホームに入所するのでなく在宅の重度の人達の介護を軽減する方向にシフトし、平成15年ぐらいから重い方ばかり入るという方向に変わり、介護度が非常に重くなっています。現在、平均介護度が4.2度になってきているということです。プロフィールの特徴は、そのように見ていただければいいかと思います。
 特養ホームの介護職員の腰痛の状況は、57ページの4「職員の腰痛の状況」ということで、毎年職員からアンケートを実施しています。アンケート実施の目的が、腰痛予防というか腰痛予防の意識を職員に持ってもらいたいことと、衛生委員会や衛生責任者、施設長が腰痛の状況がどうかを把握することがあります。この資料は、介護職員だけのデータをここに記載しています。
 腰痛のアンケートの(1)を見ていただくと、平成22年、23年、24年で腰痛がある人がどんどん増えていっています。この腰痛の内容については、どこが痛いとか、どういう痛みか等、本当にアバウトな聞き方で、回答も腰が重いとか、そういう書き方です。ここには書いていませんが、そういう本当に大まかな、目的が腰痛を意識をしてもらうことと腰痛を把握するというところですので、そういったアンケートになっています。実際には、腰痛は非常に感じている人たちが増えているということで、ここのデータでいくと、平成24年は70%の介護職員が感じているということです。
 (2)は、どの様な時に痛みを感じるかということです。先ほどの説明があった中では、入浴介助と移乗介助が非常に腰痛を感じるということでしたが、うちの施設ではおむつ交換が非常に痛みを感じるとなっています。これはなぜかというと、先ほど言いましたように、移乗介助とか風呂の移乗は全てリフトを導入していて、それを非常に活用しているので、そこのところの腰痛よりもおむつ交換となっているのです。それは重度化が非常に進んでいて、介護度が重くなるということは、日常生活動作能力もどんどん落ちていきますので、東山ホームでおむつ交換の人が現在118人いて、そういう多くの人達を介助するということで、おむつ交換が一番腰痛を感じるというデータになっています。
 もう一つ、レジュメの2番「介護職員の腰痛の原因」は何だろうというところです。一応私なりに考察をしたり、職員のみんなからも聴取りをした中で、利用者の重度化が非常に顕著になってきているということです。それが56ページに書いてあるように、平成12年の介護度は経年変化を見ていただくと、平成12年度にオープンしたときは3.4度だったのが、平成23年度は4.2度ということで、介護度が年々高くなってきています。それは介護保険制度がそういう方向なわけです。
 それに伴ってADLの変化ということで(2)を見ていただくと、歩行者は、自立歩行できた人が、データは、平成14年からしかないですが、23人自立歩行できたのに、平成23年では2人しかいないということで、ほぼ車椅子か介助歩行の方になっているということです。そういうふうに、非常に介護の量が増えてきているということです。
 次の(2)の?、移乗能力の経年変化も非常に変化しています。移乗できるということは、立位が少しでもとれるということになるかと思いますが、自立の人がどんどん減っていって介助の人が増えています。リフトはベッドと車椅子の移乗のリフト使用人数ですが、これは余り大きく変化はありません。開設当初から、4人部屋全てにリフトを付けているためで、リフトの活用は84人分ぐらいリフトは使えるようになっています。ただ、リフトは非常に効果的ですが、使えない方々もいるということと、非常に抵抗が強い方もいるということがあり、この人数ということになっています。
 開設当初、他の施設から異動してきた職員達は、介護を時間でこなすという概念がすごくありましたから、リフトを使うことに非常に抵抗がありました。、しかし、使っていく中で、今ではほとんどの職員がリフトがないとやっていけないと言っており、他の施設から異動してきた職員などもそういうことを言うようになっています。あと、うちの法人が運営している区立特養が3施設ありますが、後付けでリフトを設置しています。ということで、腰痛の原因としては重度化による介護量の増加であるだろうと考えています。
 レジュメに戻って(2)。介護保険になって、利用者の事故防止対策がすごく求められるようになりました。複数の施設で訴訟が起こるということが、介護保険がスタートしてしばらくしてありました。身体拘束の廃止も含めて、事故防止対策が介護保険できちっと位置づけられたということです。そういう意味では、ベッドからの転落防止というようなことから、マットや畳を敷いてという対応が必要になり、床から持ち上げることも出てきたことも要因としてはあるかと思います。
 (3)に持ち上げる介助や同じ姿勢の介助が増えたと。量が増えた分、夜間は20人以上の利用者のおむつ交換を1人でしますが、それをずっと繰り返すと、非常に腰に負担がかかることがあります。
 介護量が増えたけれども、職員配置は余り変わってないのです。それが57ページの上のほうにあります。最低基準は看護と介護と合わせて3対1ですが、うちの法人では、それではとてもできないということで加配置していますが、それでも現在の重度化に対応するとなると、職員の負担がかなり重くなったということはあります。
 3の「腰痛防止の取り組み」ということですが、私自身は特養に勤めて30年ぐらいになります。最初は他業種から特養の介護職として入りましたが、そのときに入って間もなくぎっくり腰をやったのです。それはどういうことかというと、腰痛予防のことは誰も教えてくれなかったです。見て習え、持ち上げるのが当たり前ということで、機器などはほとんどない時代でした。
 現在も機器導入については、現場は余り変わってないのではないかと思います。うちの施設はリフト導入等はかなり頑張っているけれども、まだまだです。腰痛予防については、全体を見たら、本当に取り組んでいる施設はそれほど多くないのではないかと思います。そういったところで介護の仕事に就く一番最初のときに、こういった動作は腰痛の原因になるという腰痛教育がなかったので、自分で防げなかったということもありました。職員が腰痛になって、欠けてしまうと現場は非常に大変な状況になるわけです。ぎりぎりの中でやっていて、休んでしまうと、ほかの職員に負担がかかっていくという状況があるので、腰痛防止は本当に重要な位置づけでやっています。
 腰痛防止はどのようなことをしているかと言うと、腰痛検診が年2回です。東京都の指導の中でもやりなさいという行政指導が入っているので、これは年2回。他には腰痛者に対する産業医のカウンセリングを行っている。腰痛アンケートの実施は毎年やっている。それをフィードバックしています。腰痛予防教育ということで、採用時に理学療法士が腰痛の研修をしている。腰痛予防委員会の設置ということで、これはどこかで中心的に腰痛予防対策をやらないと、なかなか進んでいかないだろうということで、設置した。
 福祉機器の活用、これは天井走行リフトを最初に設置したということが、介護保険導入のときに介護度が重い人がたくさん来るだろうということから設置した訳ですが、それが効を奏しているということです。昇降式ベッドの活用。スライディングシートの活用、これは浴室の横の移乗に使っています。多種類の車椅子の整備。
 リフトのない個室なども必要になっています。しかし、立位ができないが個室から移りたくない方もいらっしゃいます。ただ、そういったときにも、それでも特養は起きて夜寝るというサービスが基本になっていますので、離床するために移乗介助をしますので、2人の職員での介助ということをしますが、この人数が増えてくると非常に厳しいということもあります。腰痛ベルトの整備、これは施設のほうでいつでも使えるように整備をしています。介護技術の向上ということで、介護技術の研修等を実施しています。
 それの成果としては何があるかと考えたときに、腰痛が原因での退職者は非常に少なくなっている。私は措置制度のときからいますので、そのときは腰痛で辞める職員は、居ましたので、そういう意味では少なくなっているかと思っています。また、職員が非常に腰痛予防を意識するようになっている。リフトの活用を職員が非常に積極的になっていることがあります。
 ただ、腰痛については、特養等の介護施設全体の課題は大きいということ。うちの施設でこれだけ対策をしていても、腰痛は増えているということです。それは人材の確保を困難にしていくということで、今、介護人材の確保は、非常に厳しいです。若い人たちが少なくなって、ハローワークを通じて40代、50代の方が入ってくるようになったときに、腰痛は非常に増えていくのかと思います。
 重度化に応じた適性配置も必要ではないか。介護機器の活用は進んでいますが、やはり使いにくいと。使いやすい機器の導入が必要ではないだろうか。非常に重度になっているから、時間に追われて仕事をしていますので、例えばリフトの速さとか、ベッドの昇降の速さとか、その辺は安全な範囲での変更とかは必要かと思います。あとは、持ち上げる場合の重量制限が先ほど指針にもありましたが、その辺は余り介護現場では意識はしていないのではないかと思っているので、そういったことも前面に、指針に分かりやすく書かれ、現場に浸透したらいいとは思います。腰痛予防教育の徹底、産業医の活用とか腰痛予防検討会等が入るといいということで終わります。
○座長
 時間的に制約がありストップを掛けましたが、10分程度で終わらせていただいて、後ほど論点整理もあるので、そこで最後強調していただければと思います。進行にご協力をよろしくお願いしたいと思います。それでは、神代先生、よろしくお願いします。
○神代委員
 最初にお詫びをしなければいけないのですが、事務局からのメールをいただいたにもかかわらず7日、8日とメールをチェックする時間がございませんでした。昨晩11時にメールをチェックして、私に宿題があることが分かり、宿題をお送りしました。残念ながら私の言いたかったメインの資料が抜けています。メインは事務局から添付していただいた腰痛予防対策指針に、こういうところを強調したいとか、詳細にした方がいいのではないかという件を、私が長い間、腰痛に関する調査研究をした結果から感じたことを赤字で入れていったわけです。
 それに基づいて、まず指針のところでかなり強調していただきたいのが、過去の経験から、不良作業姿勢の是正をきちんとしていく必要があるのではないかと考えたわけです。そういう意味で挿入した分掌は、ある一定時間の同一作業姿勢の保持です。
 資料5の64ページのに掲げてある写真は自動車の製造ラインです。実は、重量物取扱いなどでは、いわゆる4、5番の椎間板にかかってくる圧迫力が3,600N以上のときに災害性腰痛を起こすといわれています。アメリカのNIOSHのデータから、いろいろな取扱い重量の基準が示されていますけれども、ここに掲げてあるような姿勢はそんなに大きな変化のあるような姿勢ではなくて、現実にバイオメカニクスで推定すると、右下に書かれているように3,600Nにはほど遠い1,700〜800Nぐらいです。
 ところが、私が多数の自動車メーカーに対して調べた結果、1,700〜1,800Nでも姿勢の保持時間が30秒続くと腰痛が起きてくることが分かってきました。そうするとこのような2)から6)のような姿勢が非常に危ないということで、是非、ある一定時間の同一作業姿勢の保持に注意していただきたいと思ったわけです。
 それからもう一つは、60ページです。指針でもいろいろな作業台の高さを適正にするとか、机をどうとか言われていますが、産業保健人間工学の世界では、「アームの法則」とか「エルボールール」といって、肘の曲げ角度を90度から100度ぐらいにもっていくのが、あらゆる立位作業、あらゆる座位作業に対して、適正な姿勢を保たせるキーワードとなります。例えば立位作業、椅座位作業にかかわらず、腕の曲げ角度が60度から最大100度の範囲に納まっている、というような指導方法が指示できたらいいなと考えております。ILOも指導するときには、「エルボールール」などの言葉を使っているのですが、残念ながら教科書等にはこういう言葉は出てきません。
 作業管理の作業標準等でも、作業時間という響きは、一連続作業時間をイメージします。一連続作業時間も非常に大事ですけれども、実は製造業などで大事になってくるのは、一単位当たりの作業時間「サイクルタイム」というのが非常に大きな影響を及ぼしてきますので、やはりサイクルタイムがこういう腰痛にも影響をする、ということを明示したらどうかと思います。
 もう一つ、「その他」のところでハイヒール等の問題が指示されています。これは実際に重要です。私が産業保健推進センターの相談窓口をしていると、ヒールと腰痛の相談がきたことがあります。これに対する対策は整形外科でも人間工学でも分かっている事実なので、どうしてもヒールが付いた靴をはくような場合は3?以内にすべきとか、そういうきちんとした数字を表示すべきではないかと思います。
 それから、ここではあまり触れられていないのですけれども、靴と同じように作業服が非常に大事になってきます。これはあるホテルでの出来事なのですが、ベルキャプテン等は一流デザイナーによるホテルの制服を着ていました。ところが荷物を運ぶときにはこの指針の解説にもあるように、荷物を自分の体に近づけて持ち上げます。自分の経験から腰痛を防ごうとしているわけですね。そうすると洋服が汚れてきて、フロントマネージャーなどに怒られるわけです。制服を汚さない持ち上げ作業によって腰痛が増えてきたのですね。そのような事例があるように、作業現場では屈伸がうまくできるような作業服とか、作業服の指示がある意味では重要になってくるのではないかと思います。
 体操の導入に関する課題です。いろいろな作業に関してやるとこれは煩雑になってきますので、例えば立位を中心とするような作業の場合には、休止時間とかに屈曲筋を中心としたストレッチを入れなさいとか。逆に座位作業のオフィースワーカーなどに対しては、伸展筋のストレッチを導入させるとか。資料のパワーポイントには写真も入れていますけれども、これはある新聞社の例です。強制的に出前ストレッチという制度を取り入れ、腰痛を少なくさせてきました。そのストレッチというのが新聞社の場合でも記事を整理するような人たちは座り、実際に恒常的に働いている人は立っていますから、当然ストレッチの部分が変わってくる、このようなことがあるわけです。
 最後のほうに入れさせてもらったのは、必ずしも腰痛防止のチェックリストではないのですが、職場の作業改善チェックリストの紹介です。これはアクション型チェックリストですので、この表示が理想の形です。このアクション型チェックリストを利用したことによって中小規模の企業でかなり成果を上げたという実績もあります。
 以上のようなところを中心として、予防指針の中に赤い字で追加文章を入れさせていただきました。
○座長
 ありがとうございました。また論点の整理のときにいろいろと教えていただければと思います。
 それでは、安藤委員の方から運送業における取組について、ご説明をよろしくお願いいたします。
○安藤委員
 私の方は簡単なレジメを作りました。運送業では各社とも体操はよくやっているのですが、日本通運の場合は運送業そのものが非常に労働集約作業というか、機械化が進んでいない時代から体操を入れており、日通では四つの体操を持っています。第一体操から第四体操まであります。第一体操と第二体操はそれぞれ、いわゆる作業をする技能系社員と、第二体操は事務系、デスクワークをする人間用ということです。これは昭和29年に制定をいたしました。その後、昭和37年に安全衛生規定を会社で整備したときに、励行義務を成文化して、昭和45年に体操の指導員制度を作って、今、定期的に支店でその体操の指導をやっています。昭和53年に実は第三体操を、これが腰痛と頸肩腕症候群の予防用ということで、順天堂大学の先生に作っていただいたものを制定しています。私は昭和54年に日通に入りましたので、その前にこういう第一から第三までの体操ができております。
 体操する場合、事務員は第二と第三体操で5分間。技能系の作業員は第一と第三体操で5分間と決められています。その後、平成7年に第四体操として、ドライバー用の体操を作りました。これは運転席で座ったままできるというものと、作業に入る前に車外で簡単にできるという趣旨で作りました。「目的」はそこに書いてありますように、健康の増進からいろいろとあります。
 次のページの、3「実施」というように書いてありますが、これは全社で決めてあり、朝一度始業時にやるもので、就業時間中にやるということで労働時間内に入っています。ちなみに本社では9時からやります。もう1回、午後3時に一斉にやり、1日に2回やるのが義務づけられています。作業をしたり、営業で外へ出て行ったりすると、午後の部分ができない場合もありますけれども、これを必ずやるように義務づけています。また、現場によっては24時間3交代のところもあったり、始業時間が8時とか7時半とかまちまちのところは、その都度都度やるというようになっています。
 簡単な図解を付けておりますけれども、これが第三体操で、「腰痛・頸肩腕症候群予防用」ということで今やっているものです。
 運送業の場合は作業における腰痛が以前は非常に多くて問題になっていたのですが、フォークリフトの導入とか、一つひとつの荷物の重さも余り重い物だと人間が1人で運べないとか、重いとかえって落としてしまったり投げてしまったりして、荷物にダメージを与えるということで、一つひとつの重量が軽くなっています。そういうことで作業における腰痛よりは、今はやはり運転中の職業病といいますか、振動等で腰に負担がかかって、次に作業に入ったときに腰痛を起こすというような傾向が多い気がします。私のほうから、簡単ですけれども。
○座長
 ありがとうございます。次に北原委員のほうから、資料6のISOの標準、Ergonomicsの概要について、ご説明をお願いいたします。
○北原委員
 国際標準化機構で、特に人の手による介護に関して、腰痛予防を目的とした指針が出ています。先般まとめられて公開されておりますので、それをご紹介したいと思います。用語の説明は最初に書かせていただきました。大まかに規格の内容を申し上げます。
ISOの中に「人間工学に関する専門委員会」、ISO/TC159というのがありますが、その中の「人体測定と生体力学」のWG4、「筋力:手作業と許容限度」の中でまとめられたものです。
 病院や介護施設において、患者、障害者、高齢者等を介助し、移動させる際の担当者のご負担を軽減し、腰痛等の傷害を予防するためのガイドラインとして策定されています。今のところ訪問介護の部分は外し、施設介護あるいは病院などがターゲットになっていますが、これについてはまだ議論があるところで、「訪問介護も入れるべきである」という意見も多いと聞いています。
 2008年に提案されたということですが、北欧では、既にかなり早い時期から人の手による抱え上げの介助について基準があって、「原則として持ち上げない」ことが言われています。できる限り人の手で持ち上げない。持ち上げるのが必要なときには適切な機械等、補助具やリフトなどを使うよう基準が定められています。そうした基準をもとに、ISOでも検討されました。
 2011年の終わりにTechnical Reportのドラフト投票が行われ、賛成が13か国で、日本もコメント付き賛成ということで、ブラッシュアップされてから、去年6月にTechnical Reportとして発行されています。
 検討委員会の中に日本の研究者も入っているわけですが、「日本にとっては、非常に新しい画期的なものなので、介護や看護の分野にこの内容を紹介していきたい」と書かれています。今後、各国でいろいろと紹介などがされて、特に修正意見がなければ5年後ぐらいに、これがベースとなって規格が出される、と聞いています。取りあえずこの5年間、各国で検討がなされていくだろうということです。
 Technical Reportの本文は英文で、著作権がありコピーができないので、簡単に概略だけ説明させていただきます。対象者の職種を限定していないことは、一つの特徴だと思います。看護師や介護士という言葉は使わず、「移動に何らかの介助が必要な人」を介助するときのガイドラインとして定めています。ですから、対象は基本的には施設介護・看護ですけれども、病院や施設での患者あるいは利用者、子どもも大人も、障害のある人もない人もということで、その介護・看護が対象となっています。欧州などで既に定められている基準、先ほど言いましたように、ノーリフティング、「原則としてできるだけ人の手では抱え上げない」ということがベースになっていますので、福祉用具、介助補助具のことがかなり紹介されています。
 Technical Reportの一番根幹となっているのが、甲田先生から話がありましたリスクアセスメントとリスクマネジメントの考え方で、その必要性が非常に強調されています。腰痛の発症要因はマルチファクターなので、いろいろな要因、リスクを評価して、それらを減らしていくという考え方で腰痛を予防することが強調されているのが特徴で、付属資料では、チェックリストや文献などが豊富に紹介されています。もう一つは健康教育です。労働者の人たちに、どのようなものが腰痛のリスクであるかの教育をすることの重要性も書かれています。
 リスクアセスメントとマネジメントについては、資料の74ページに大きな図を載せています。基本的なリスクアセスメントのモデルということで、まずリスクを同定する。危険がない場合は経過観察でいいのですが、何らかのリスクがある場合には、どんなリスクがあって、それがどんな影響を及ぼすかという予測と評価をする。
 多少リスクはあるけれども許容範囲であるという場合は、色分けでグリーン。リスクありは、イエロー、レッド。イエローは少し改善が必要、レッドは許容できないぐらいのリスクがある。そうした3段階に分けて、イエロー・レッドの対象になったものをマネジメントする。組織面から、あるいは道具、環境、労働者トレーニングという点からマネジメントをしていく、と書かれています。
 その上で効果を検証して、効果があればOK、ない場合はもう一度リスクの予測を仕直す。OSHMSの考え方に適応していると思うのですが、こういうリスクアセスメント・マネジメントの考え方がベースになっています。
 そのリスクアセスメントの中身、危険や問題の同定という点でいうと、73ページに7つの要因を挙げています。作業内容、組織、姿勢と力の発揮、補助具、環境。6)と7)は、ヒューマンサービス労働で、人を相手にする仕事ですから、介助者側の要因と患者・利用者側の要因を適切に評価しましょう、ということです。特に患者側の要因というのは、日々刻々と変わっていくものですので、見直しながらやっていくことも書かれています。
 グリーン・イエロー・レッドの評価基準とか、リスクをどうやって低減するのかについては、スタッフ人数の問題、適切な機能と質が確保された装置・補助具が必要なだけ用意されていること、教育をしっかり行うことなどがかかれています。
 日本では「ボディーメカニクス」が非常に重要視されています。「ボディーメカニクス」は造語で、バイオメカニクス的な理論による介助技術のことで、日本では腰痛予防に非常に重要と言われています。しかし、ここで、いろいろな文献をレビューしても、バイオメカニクスの理論だけで腰痛は防げないことがはっきり書かれています。つまり、テクニック、技も必要だけれども、併せて適切な補助具やリフトなどを使っていくことがかなり強調されているように思います。あと、組織として明確に方針を持つことも、柱として書かれていることが特徴的な点だと思います。以上です。
○座長
 ありがとうございます。ISOですので、非常に広範にいろいろなものを拾って議論の筋道を立てていただいて、もちろん考え方になるのですが、今日の会議の後半の論点の整理、議論のところではかなり重要なポイントになるのではないかと思っておりますので、後ほど議論をよろしくお願いしたいと思います。
 本村委員の方から配布資料がありますので、これに関してコメントをいただければと思います。
○本村委員
 簡単にご説明させていただきます。私どもの協会で毎年福祉用具シリーズということで、福祉用具の使い方、選び方を分かりやすく解説した冊子を、都道府県庁、介護実習・普及センター、関係団体に配布をしておりまして、この「腰を痛めない介護・看護」については一昨年作成したものです。
 次のページの「はじめに」、腰痛対策は緊急を要する課題ですので、福祉用具のみならず様々な介助場面を想定したトータルな対策が求められるとして、この冊子においては腰痛を起こす原因と、腰痛を起こさないための福祉用具の導入、この二つの視点でまとめてあります。
 めくっていただきますと、イラストで挙げております。「次の介助場面は普段見られる場面です。どこが不適切でしょうか」と。例えば車椅子への移乗で見ますと、利用者、患者を抱え上げようとしています。それから車椅子に落ち込むように座る格好になってしまい、介助者は利用者の重さに引っ張られて前屈みになっていると。これをどうしたらよろしいかということで、対応例を示しています。自身の体重移動が不可能な利用者に対しては、スタンディングリフトなどの機器を使用するか、ほかの移乗法を選択した方がいいでしょうと勧めています。
 次の右側は、車椅子への移乗、全介助です。これは逆の場合もあるわけですけれども、不適切なところは、利用者を抱え上げようとしていること、ベッドが低くて介助者が前屈みになっていること、腰をねじって抱えていることです。こういう場合には安全のために持上げ介助以外の方法を行ったほうがいいのではないか。例えば、アームサポートが外れるタイプの車椅子と、スライディングボートを用意するというようなことがいいのです。
 次のページの起上がり、これもベッドが低くなって前屈みになっていること。次にベッドの移送とか、車椅子の移動についても腰を曲げて作業をしていること。これが腰痛の原因になります。
 次に?のトイレでのおむつ等の着脱もよく見かける場面ですが、これについてはスタンディングリフト、起立補助具、こういったものを使った方がいいのではないか。右の方のおむつ交換も、ベッドが低いために前屈みになって、腰痛の原因になる作業をしています。
 次のページの第2章では、「腰痛を起こさないために」。介助の現状のアセスメントが非常に大事ということで、介助者同士で改善点を見つけていくこと。このアセスメントツールとして、4年ほど前に作られたチェックリストの活用を勧めています。
 2番目、腰痛予防対策として介助姿勢の改善、福祉用具の導入・活用、十分な作業スペースの確保。右側の、施設長、管理者の協力、理解と協力が大事です。特にリフトなどの導入については高額な費用がかかるので、施設長、管理者等と相談しながら導入したほうがいいこと。福祉用具の導入・活用では、具体的にリフトやスタンディングリフト、スライディングボード、スライディングシートといった用具を、介助者の身長に合わせて調節できるような導入・活用を検討する必要があるということを示しています。
 次の5番目は福祉用具の利用方法の研修で、福祉用具を活用していくためにはこういう機会を設けることが大事です。次に、施設長、管理者の理解と協力が非常に重要になってきます。先ほどもありましたが、介助者の人員の適正配置、作業前体操の実施、腰痛予防検診の実施が大事です。
 次に、第3章「腰痛のメカニズム」です。上肢を使って持ち上げる場合には脊柱にとても大きな力が加わってしまいます。前屈みを繰り返すことが腰痛を起こす原因になるということをイラストで分かりやすく掲げています。一番下の、人の手による持上げの重さ基準はISOの基準では質量3kg以上25kg以下で、それ以上はリフトを使いなさいとなっているようです。
 めくっていただきまして、17ページの第4章で「適切な移乗介助方法の選択」として、身体状況にそれぞれ合わせたスライディングボードやリフトといった用具を活用して、介助方法を選択していくことが大事ですということを解説しています。
 次に20ページの右側の、ベッドから肘掛け着脱式車椅子の自力での移乗は、なるべく自分でできる部分は自分でやっていただくための用具の活用が大事です。電動スタンディングリフトを活用してのトイレの介助、この場合にも介助者は膝をついて、適切な姿勢で介助をしているということです。
 次に、第5章は「オーストラリアでの腰痛予防対策の取り組み」の紹介です。イギリスやオーストラリアでは、ノーリフティングポリシーを実施しています。特にオーストラリア看護連盟ビクトリア州支部が、1998年に「押さない・引かない・持ち上げない・ねじらない・運ばない」という原則を発表し、介助する場合は福祉用具を利用して、人力のみでの移乗介助をしないということを決めて、2002年にはこのノーリフトプログラムが実施されたことによって、調査した施設では負傷が48%減少し、損傷によって失われるお金も74%減少し、労働災害の件数が非常に減少したという実績があり、10年ぐらいかけてノーリフトポリシーを実現したようです。
 資料編としては、先ほどの予防対策チェックリストを掲載して参考にしており、一番最後の「あと書き」の真ん中辺りに、正しい福祉用具を利用していただくために大阪で移乗介助の研究を先駆的に行っている「移乗移動に伴う福祉用具と介助研究会」の明石圭司さん、上田さん方にこのテキストの作成委員会を組織して作っていただいています。それから、ノーリフティングポリシーの重要性を掲げる活動をしている保田淳子さんのような方の知見をこの検討委員会でも臨時委員なり、オブザーバーとかでお聞きいただければ、参考になる意見が聞けるのではないかと思っています。以上です。
○座長
 ありがとうございます。これで委員の説明は一応全部終わりましたが、私の進行の不手際があり時間も過ぎております。今、発表がありました行政からいろいろな説明、各委員からのご説明に関して、何か質問はございますか。もしありましたら事務局のほうへ送っていただければ、そこで整理し各委員に伝え、コミュニケーションができるような形になるとは思いますが、よろしいでしょうか。まだ議論をしなければいけないところ、これから本題になりますので、少し急ぎます。
 次に議題(3)に移ります。これから改訂の方向に向かい、フリーディスカッションに移りたいと思います。今日の重要な資料7に関して、見直しの論点で事務局のほうから説明をお願いします。
○調査官
 それでは75ページ、資料7に見直しの論点を挙げております。腰痛予防対策指針の構成により、最初に業種・作業を問わない全体に関する労働衛生管理の進め方の部分がありますが、こうしたものについて修正すべき点、追加すべき点があるかということで、作業管理、作業環境管理、健康管理、これらは労働者の3管理と言われているものですが、それを挙げています。
 2から以降は、各論ということです。指針の中でも作業対応ごとの実施事項を挙げておりますので、その中のものを挙げております。2、介護作業について。3、車両運転作業について。4、それ以外の取扱い等について。修正すべき点、追加すべき点があるかということでご議論をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○座長
 ありがとうございます。これから資料7、さらにまた発表していただいた話題等をめぐり、指針の改訂等について議論していきたいと思います。指針をこういう形で変えたほうがいいということも含め、いろいろご発言をいただければと思います。いかがでしょうか。
○岩切委員
 平成6年の腰痛予防対策指針には、腰痛をどのように防いだら良いのかという対策が書かれています。これらは有用な対策ですが、一緒にいいことが書いてあります。どのようにその対策を進めていけばよいのか、指針を読んでもなかなか分かりづらいのが現状です。実際、職場で働く方に指針の使いがってを聞いてみると、書いていることはわかるのだが、それをどのように進めていけばよいのかが分からないということがばよく聞かれます。
 これまでいろいろな先生方がリスクアセスメント、リスクマネジメントの話をされてきておりますので、3管理1教育と言われている作業管理、作業環境管理等を進める一つの方法として、リスクアセスメント、マネジメントのやり方をこの指針の中に入れ込むのが、指針を活用しやすくする手段になるのではないかと思います。もに、そのような方向で改訂するのであれば、例えば作業態様別対策等ではリスクアセスメント、マネジメントに対応した内容にするのが良いと思います。今回は3か月と期間が限られていることから、実際どこまで改訂分かりませんが、マネジメントの部分をより具体的に提案できれば、労働者にとって分かりやすい内容に改訂できるのではないかと思います。
○座長
 ありがとうございます。先ほどの北原委員のほうからISOのご提案を例にして、実際、日本でいったら介護作業なのですが、欧米だとヘルス・ケア・ワーカーという、高齢者介護だけではなく全てのヘルス・ケア・ワーカー、介護とかそういうものを含めてということになるのでしょうけれども、そういうものを例に取り、今ちょっと話題に出ましたリスクの同定から始まってリスクの管理、マネジメントしていくプロトコールというか、そのステップをかなり示していくことがやはり重要ではないか。ある意味では、多分ISOの考え方だったのではないかと思います。
 萩尾委員のほうからも、基本的にはリスクを認識することというのは非常に重要ですし、そのリスクの関わり具合というか、腰痛に関与する度合、その辺はやはり認識することが非常に多分重要だというのが、介護作業と申しますか、私どもがやった介護のマニュアルなんかもそうですが、そこからスタートしようという形だったと思います。その辺に関しては、やはり、そういう手続というかプロトコールで腰痛の予防対策を進めていくというのがかなり有効的だ、という形で考えてよろしいでしょうか。
○北原委員
 ISOで示されたガイドラインが、多分、これから国際標準になっていくのだろうと思います。リスクアセスメントをして、マネジメントをして、リスクを減らしていくという、この一定の手順というのがISOで示された、しかも介護・看護労働の分野で示されたことは、非常に画期的だと思います。既に実践している諸外国がありますが、ISOで議論されたということは、国際標準になっていくでしょうから、日本もそれに立ち遅れないような方向で、既にあるガイドラインを変えていく必要性があるのではないか。ISOのレポートを見ながら、私どもは強くそのように認識をしております。
 もう一つは、先ほど話がありました職種について。指針の中で「重度心身障害児施設等」と書かれてありますが、これは、当時、腰痛が多発したということが背景にあって出てきたものだと思います。その中に高齢者介護も含むと書かれてあります。実際、「重度心身障害児施設」も、今は「重度心身障害児・者施設」にほとんどなっています。重症化と入所者の高齢化、なかなか家庭に戻れない状況もある、中で、介護と看護というのが切り離せない状況になっているのも実態ではないかと思います。介護・看護、あるいは人を相手にする仕事、保育あるいは障害児教育を含む大きな枠の中で新しい指針が示せればよりいいのではないか、と個人的には思っております。
○座長
 ありがとうございます。関連して言いますと、先ほど神代先生のほうから紹介がありましたが、自動車製造業は業種が全く違いますが、腰痛予防対策の進め方という意味で、かなり共通するのではないかと伺っていたのですが。そういう考え方、進め方はいかがでしょうか。
○神代委員
 今、各委員の先生方が言われた全くそのとおりかと思います。もう一つは、リスクアセスメント、リスクマネジメントもそうですが、私、場面は違いますが、高齢労働対策を主力でやっていますが、その席で私は第一段階から第四段階というやり方をしていて、個人でどう対応をしてくるのか、職場でどう対応するのか、第三段階で企業としてどう対応するのか、第四段階で行政はどう対応をするのか。こういう順番でいくと、ここのISOもリスクマネジメントというのは企業として対応する問題だから、もう一つ手前で、職場として対応するものを示してあげると、現場はやりやすいのではないかなと思います。
○座長
 今言われた高齢者というのは、働く側の高齢者ということですね。
○安藤委員
 そうですね。
○座長
 もちろん対応する側、利用者ではなくて。やはり日本も、労働市場自身が成熟してきておりますので、介護するほうも介護されるほうも、非常にそういうリスクを背負っているということなんだろうと思います。
 安藤委員のほうから先ほどお話しになったように、私も運輸業などで何回か見たことがありますが、取扱い重量物が規格化されており、そういう形でリスクをまずコトロールしよう。当然、重い物を持つから腰痛になるという発想からスタートするという形で、それでかなり先ほどの話を伺っていると腰痛のリスクは減ってきているし、腰痛で悩む人も大分減ってきている。そうすると逆に今度残っている問題がに鮮明に見えてきて、それが今度は新たなリスクとなって、そこがターゲットとなり、そこを対応しようと、そんな話をされたような気がしますが、そういう理解でよろしいですか。
○安藤委員
 そうですね。今回指針の中で、今日のお話だと介護の方の問題のほうが非常に深刻だと思うので。我々運輸業の感覚から言うと、指針の中でいえばいくつかあります。一つは、重量物の制限が55キロとかありましたが、今、宅配で最重量は30キロなのです。55キロというのがどこから出てきたのかは、私もよく分からないのですが、これは一つ見直しをしてもいいのではないか。これだけ車がいろいろ発達し技術がきているのに、シートの改善が、自動車メーカーは乗心地ということは言いますが、腰痛予防という観点から、例えばハンドルだとかいろいろな機能、操作するときの位置の関係とか、そういう人間工学的な発想がまだないのです。そういったものを取り入れられたらいいのではないかなと思っております。
○座長
 先ほどご提示になった資料7でいうと3番で、委員からもご指摘がありましたように、長時間運転作業に就いている人たちが、先ほどの宅配便でも典型的なのかもしれないけれども、いざ目的地まで行って下りて荷物を運ぼう、運転から重量物運搬という切替えです。そういうときはかなりリスキーだというか、負担が大きいという認識ですか。
○安藤委員
 そうですね。それはかなりあると思います。ただ、これは標準化がなかなか難しくて、配達する現場、作業する現場、みんなそれぞれ違いますし、なかなか一つの形に決められないので、そこはやはり私ども日通なんかでやっている体操とか、そういった合間、合間にストレッチをして腰を伸ばすとか、運転を続けて凝り固まった部分を伸ばしてから次の仕事に入ることを、徹底していくということが大事だろうと思います。
○座長
 この資料でいうと、例えば先ほど出ていた小休止・休憩という時間をいかに上手く使っていくか。
○安藤委員
 そうですね。
○座長
 先ほどの言った腰の張りを取って行くからとか、そんなものも有効なんだという認識でよろしいでしょうか。
○安藤委員
 そうですね。国土交通省でドライバーに対しての基準を決めているのですが、その中で連続ハンドル時間、運転時間、拘束時間というのは、国土交通省が改善告示という形で見ていますが、それをきちんと守らせることがまず一つあると思います。なかなか今そこのところも、例えば連続ハンドル時間4時間とか言っていますが、4時間以上の運転をやっているというのはかなりあると思います。その辺りをお客様との約束事の中で守らせる。お客様も、そういう無理なハンドル時間とかを強要しないルールづくりとかが必要になるのではないかと思います。
○座長
 もう少し教えてください。この委員は先ほどから出ている介護の話がかなり多くて、安藤委員みたいに運輸関係の委員の方というのは余り多くはないのですが、是非、ご経験の中で先ほど出ました小休止の話が出ましたが、構内レイアウトの改善だとか、もう少し広い視野に立った対応、先ほど後半、体操の話が大分、強調されていましたが、その辺のところはいかがでしょうか。
○安藤委員
 はい。構内レイアウトというのは、今、平面的にいうと一番戸口に近い所に一番出荷しやすいものを倉庫的にはレイアウトするとか、そういうものがあるのですが。余り出ないものは上だとか下に置いて、目線がちょうど届く所、腰を曲げたり伸ばしたりしなくてもいい所に、非常に取扱いが頻繁なものを置くとか。そういったことは経験則上やっているのですが、そういうのも明示していくということは必要だろうと。
○座長
 そうですね。そういうようなグットプラクティスというか、現場で使っていて、これは腰痛の軽減に効果的だというような知恵というか対策を共有するということも、かなり予防対策を考える上で重要になってくるというような理解でよろしいですか。
○安藤委員
 そうですね。
○座長
 ありがとうございます。まだもうちょっと時間がありますので、この論点整理を含めて、先ほど出ましたように施設の介護作業等、これもある意味大分出ているとは思いますが。
 先ほどは失礼しました。発言を途中でさえぎってしまいましたが、介護者の例えば適正配置だとか、いろいろなところ、作業標準だということで、萩尾委員のほうから何かご追加のご発言があれば。
○萩尾委員
 介護作業の指針の中に、その前の重量物取扱い作業のところには入っているのですが、この介護作業の中でずうっと見ていくと、自動化とか省力化がどこから読み取れるのかなというのが余りなかったです。リフトとか機器の導入というのがあるわけですが、ここは同じ介護作業でも、やはり自動化、省力化のある程度そういう方向をこの中に入れられないかなと思って私は見ました。それから取扱い重量も介護のほうには全くないですから。そういったものも、何かこの指針というのはやはり現場で活用できて、それぞれそういった腰痛予防のために活かすような指針であるとすると、そこら辺も何か入れたほうがいいと思ったりもしました。
○座長
 もう少し具体的に、例えば自動化、省力化というのはあるのはありますが、介護の例えば専門の立場で、また施設の立場で読むと、何を要求されているのかピントこないということでしょうか。
○萩尾委員
 例えば「作業態様別の対策」のほうに、介護作業のほうには、そういう自動化、省力化というものがないですよね、項目として。多分、この指針を見るときに、それぞれ職種別というか、私たちが見るとき介護の指針のところを見るのですが、そういったところにそういうものがあると、そこで、こういう方向でこういうことに取り組もうというのができるのですが。リフトとかを導入というものについて進めることについては、自動化、省力化ももっと今、介護ロボットとかいろいろ最近開発されていますが。
○座長
 そうですね。多分これは先ほど言ったように、平成6年の段階で作っているので、それほど自動化、省力化のツールがバラエティに富んでなかったということも多分あるだろうし、それは重量物取扱いをする上での自動化、省力化という、製造業の中での話なので。その辺はやはりイメージできるような形で書かれれば、事業者も活用しやすくなるというような形でよろしいでしょうか。
○萩尾委員
 はい、そう思います。
○座長
 ちょっと一言だけ、先ほどの話の中で、配置の話がありました。これはかなり影響はありますか。
○萩尾委員
 あると思います。非常に大きいと思います。先ほど説明したように、施設は重度化が進んでいるにもかかわらず、配置はあまり変わっていない分、職員1人にかかる負担は確実に大きくなっているというふうに、それは職員もそう思っているし、私たちから見てもそれは感じるところです。ただ、これは厚労省は最低基準は決めていますけれども、とにかく施設がどういうふうに経営する中でするかということだとは思うのですが、その辺はどうしたらいいのかなとは思います。最低基準は今は3対1と、看護も入れて3対1というふうになっているわけですが、それはそれでいいのかどうかということです。どうしても最低基準が基準になっていきます、ということはあるのではないかなと思います。
○座長
 すみません、ちょっといろいろと委員の方にご発言いただいていますが、浦野委員は何かご指摘はありませんか。
○浦野委員
 介護の世界でいうと、どう振れるかという振れ方は私も分かりませんが、これから在宅介護が非常に比重が多くなり、考え方としては施設でのやはり最後のところで極力在宅でという形になると、在宅での安全確保というのに何か視点が一つ必要ではないかなという気がしております。特に非常に条件が全く個別、家庭によってですから。そこをどういうふうに示せるか。示せるものなら、多少なりでも示してあげたいなという気がします。
○座長
 ありがとうございます。今、言われたようにかなり大きな話題だと思います。例えば施設の介護だけでも非常にやはりそれでもバラエティがあり、更に在宅だともっとバラエティがあるということになるのだと思います。先ほど萩尾委員が言われたように、定員の話だとか、もっと難しい重量物のどのぐらいの重さにしたらいいのか。かなりクリアする部分がかなりあるのかもしれません。
 当面はこの指針の改訂をより良くすることによって、なるべく現場で使っていただけるようなものを我々としては提供するというそういう視点の下に、今日、大分時間も過ぎておりますので、そろそろ意見のまとめに移りたいです。私の進行が非常にまずいために、意見をなかなか言っていない委員の方も多分いらっしゃると思います。それは誠にお詫びしたいと思います。その辺に関しては、事務局のほうからもあとで意見をいただきたいという形で言われておりましたので、そういう形で是非反映していきたいというふうに思っております。
 今後、今日は1回目、あと5分ちょっとになりましたので、事務局のほうにお返ししたいと思います。作業の予定としては、先ほどから何度も出ております指針、解説等に関してなるべくいいようなものにしていきたいということで、改訂の作業に実は入って行きたいと思います。とは言え、委員の方が全員集まってというのは非常に困難がありますので、作業部会のほうとして私も入りますが、岩切委員と北原委員のほうにお願いいたしまして、誠に恐縮ですが、次ぐらいまでに何かたたき台となる案を作って、もう一度検討するという形にしたいと思っております。
○神代委員
 今のご意見の中で一つ疑問が生じたのですが、この指針は職場における腰痛予防対策指針ですね。
○座長
 はい。
○神代委員
 それを在宅介護まで入れるのですか。そこの範囲をきちっとしていかないと。
○座長
 先ほどもちょっと言ったように、クリアできない問題がいくつかあり、実は中労災害防止協会のときにも在宅介護をどうするかという議論は実はありました。非常に難しすぎて、これに関して言うと、先送りではないですが、かなり難しいので入れられないという形で一応整理をさせていただきました。今回も3か月の時間ですので、多分ご期待にそえないかと思います。
○神代委員
 焦点がボケてくるから、集約化したほうがいいような気がするのですが。
○座長
 ありがとうございます。私の至らないところ、どうもフォローしていただきまして、非常にありがとうございます。ご多忙中いろいろと皆様にご参集いただきまして、非常にいろいろな我々にとって勉強になる、または非常にいいご提案をいただきまして感謝申し上げます。ありがとうございます。先ほど言いましたが次回までに案を作成して、もう一度皆様にご提示できればと思っております。それでは事務局のほうにお返しいたします。
○業務第4係長
 事務局です。指針に修正追加したほうが良い点について、意見がある場合は、1月16日までに事務局にメールをいただければ各委員の方に展開させていただきますので、よろしくお願いいたします。今日配布した資料で机上資料2ということで、職業安定局様から資料をいただいていますが、ご説明されますでしょうか。
○安定局雇用政策課室長補佐(小松)
 それでは簡単にご説明させていただきたいと思います。私ども介護労働対策室においては、介護労働者の雇用管理改善の一環として、「介護労働環境向上奨励金」とい奨励金を運用しているところです。内容は2本立になっており、一つは介護労働者の身心体的負担を軽減するための介護福祉機器等助成。もう一つは、雇用管理制度等助成です。今回のこの検討会においては、専ら介護労働者の身体的負担の軽減であろうと思っております。
 簡単にその助成金の内容を説明します。資料の「助成内容」のところをご覧下さい。助成対象は、介護福祉機器の導入等に要した費用であり、計画期間に購入した介護福祉機器の1/2助成、助成額の上限が300万円ということになっております。資料の裏面を見ていただくと対象となる介護福祉機器の範囲を示しておりますが、1から8まであり、これらの機器を導入していただいた場合に支給されることになっております。
 簡単にご説明しすぎてしまいまして、介護労働環境向上奨励金は、介護福祉機器の導入をすればお金が出るというものではないのですが、今回の検討会の観点からいえば、腰痛を含む身体的負担を軽減するためにこのような機器を導入していただき、結果として身体的負担が減ったということになればお金が出るのだと、簡単にご理解いただければよろしいかと思います。以上でございます。
○業務第4係長
 ということで、介護の機器の導入についてもある程度自由に書けるのかなと、補助も出るということでありますのでご参考までに。次回の検討会については、また調整して追ってご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○調査官
 それでは、時間内に収めていただいた座長に感謝をいたしたいと思います。繰り返しになりますが、今日のプレゼンに関する質問について十分お受けできませんでしたので、その点があれば事務局にいただきたいこと。論点の中でこのように指針を変えたらいいということについて、神代委員のほうから既に文書でいただいておりますが、そういう形でいただくことも結構ですので、よろしくお願いいたします。それではこれにて第1回の検討会を終わります。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部労働衛生課

調査官: 毛利 正
業務第4係長: 吉岡 生博
(代表)03(5253)1111(内線5498)

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