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2012年11月19日 第2回 厚生年金基金制度に関する専門委員会 議事録

年金局

○日時

平成24年11月19日(月) 10:00〜12:00


○場所

全国都市会館3階第1会議室


○議題

(1)特例解散制度の見直しによる「代行割れ問題」への対応
(2)その他

○議事

○神野委員長 それでは、定刻でございますので、これより第2回社会保障制度審議会年金部会「厚生年金基金制度に関する専門委員会」を開催したいと思います。毎々のことでございますけれども、委員の皆様方にはお忙しいところを御参集いただきまして本当にありがとうございます。心より御礼申し上げる次第でございます。
 本日は、第1回の委員会を御欠席されておりました森戸委員に出席していただいておりますので、御紹介させていただきます。慶應義塾大学大学院法務研究科教授でいらっしゃいます。
○森戸委員 よろしくお願いいたします。
○神野委員長 また、本日は、山本委員から御欠席との御連絡を頂戴しております。御欠席の山本委員の代理として、杤原参考人に御出席いただけるということでございますので、御出席を御承認いただければと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○神野委員長 それでは、御承認いただいたことにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入らせていただきますので、恐縮でございます、カメラの方はここで御退室いただきたいのですが、大丈夫ですね。ありがとうございます。
 前回、この委員会で御了承いただきましたように、議事の進行につきましては、試案に示された、代行割れ問題、維持可能性を高めていくための施策の推進、代行制度の見直しという3つの論点について、個々の論点ごとに議事を進めさせていただければということで御了承いただいております。
 そこで、本日は、試案の論点の第1の特例解散制度の見直しによる「代行割れ問題」への対応ということを議題にして進めていきたいと思っております。そこで、議論を生産的に行うために、事務局のほうから資料を準備していただいております。それについて御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 それでは、まず資料の確認をさせていただきたいと思います。本日は、横置きの資料で資料1から4まで御用意しております。
 資料1が、現行の特例解散制度の概要及び適用状況について。
 資料2が、過去に特例解散を行った基金及び現在の代行割れ基金の状況。
 資料3が、特例解散制度の見直しについて。
 資料4が、委員からお求めのあった資料。
 なお、参考資料としまして、前回のときにもお配りいたしました厚生年金基金制度の見直しについての試案と、その参考資料を、参考資料1、2でつけさせていただいております。
 もし落丁等ございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思います。
 それでは、事務局のほうから一括して資料1から4まで御説明させていただきたいと思います。本日は、先ほど委員長からもお話ございましたように、試案の中の論点1、特例解散制度の見直しによる「代行割れ問題」への対応ということでございますので、これに関連した現状のデータ等を御用意させていただいております。
 まず、資料1をごらんいただければと思います。
 1枚おめくりいただきまして、そもそも現在の特例解散制度というものがどういったものかということを2ページに簡単にお示ししております。
 通常、厚生年金基金が解散する場合には、厚生年金保険法の中で、代行給付の支給に要する費用、最低責任準備金と言っておりますが、これを一括して返還するというのが法律上の原則でございます。ただ、この特例解散のもとにおきましては、いわゆる代行割れ基金につきまして、返還額の分割納付ということ、それから返還額の計算に関する特例という2つの特例が認められております。
 この特例解散制度は、実はこれまでも時限立法で一度導入したことがございます。そこにございますように、国民年金法等の一部を改正する法律で、平成17年4月から3年間、時限措置として設けられておりました。このときには、分割納付期間は最長10年まで。
 また、返還額の特例としましては、通常、最低責任準備金を計算するときには、平成11年10月以降、いわゆる過去法という方法で、厚年本体の実績運用利回りで計算することになっておりますが、この厚年本体の実績運用利回りで行う計算を、その基金の設立時にさかのぼって計算して、そちらのほうが低い場合にはその額で返還することが可能であるという特例を設けておりました。
 後で申し上げますが、前回の特例解散制度で解散した基金は11基金でございまして、そのうち9基金は既に返済を終えておりまして、2基金は現在、分割納付中でございます。
 これと同じ仕組みのものを、昨年の年金確保支援法の中で復活させまして、去年の8月10日公布でございますが、ここから5年間の時限措置ということで、今、特例解散制度を行っております。前回と違いますところは、分割納付期間を最長15年としたことでございまして、返還額に関する特例は同じでございます。昨年の8月でございますので、1年強でございますけれども、この新しい特例解散制度のもとで2基金の解散を認可して、現在、清算手続中という状況でございます。
 次の3ページでございますが、この特例解散制度を適用するに当たりましては、当然、適用条件というものがございます。
 返済額に関する特例につきましては、法律の中で、申請の日までに相当の運営努力をしてきたこと、あるいは事業が継続困難であることがうたわれております。
 これに基づきまして、政令や規則の中で、例えば運営努力ということで、掛金で言えば、申請前の2年間に適切な年金数理に基づいて算定された掛金を徴収している、あるいは、上乗せ部分の掛金率が基金規則で定める率、具体的には、これは全基金の平均的な率でございますが、これを上回っていること。あるいは、給付についても、給付抑制のための措置を講じていること。これは、具体的には、局長通達で、給付水準の引き下げを行っているとか、選択一時金の停止をしているとか、上乗せ部分についても在職老齢年金等の支給停止措置を講じているといったことが、それぞれ法律、政令、規則で、適用条件で定められている状況でございます。
 実際の事務的な手続としましては、この特例解散を行いたいという場合には、こういった適用条件に合致しているかどうかというものを、あらかじめ事前協議をしていただきまして、私ども企業年金課のほうでそれを審査するという形で進めてきているという状況でございます。
 次の4ページは、前回の3年間の時限措置で解散した11基金の状況でございます。
 左のほうに、基金名は載せてございませんけれども、特例措置としては、額特例措置を使ったのが11基金中9基金、それからいわゆる納付猶予、分割納付を使ったところが5基金ということで、分割期間は10カ月から15年間まで様々です。先ほど申しましたように、2基金につきましては、まだ分割納付の返済中ということでございます。
 それから、先ほど申しました額特例によりまして、本来のルールで計算した最低責任準備金、それから特例を適用して計算したもの。こちらのほうが低ければ、低い額での返還というものを今も認めているわけですが、その本来の責任準備金といわば特例減額したものとの差額というのは、トータルで見ますと、一番右下のところでございますが、この11基金で申しますと144.8億円でございました。
 次の5ページは、これは試案の中で御提案していることと関連しますので、申し上げますと、分割納付時に、1つの事業所であればさほど問題はないのですが、複数の事業所が総合型基金などで分割納付をしている場合に、その中の1社が例えば分割納付中に倒産する場合があります。そういう場合でも、今のルールはあくまでも基金が国に対して返還責任を負うということになりますので、1つの事業所が倒れても基金としての債務は残ることになります。したがいまして、それは残っている他の事業所間での連帯債務になります。
 事業所間でどうやって負担していくかということは、基本的には各基金の規約で定めるということになってございますが、この規約を認可する際のルールを、今回の23年の新しい特例解散の導入時に見直しをしております。具体的には、左のほうにございますように、前回のルールでは、例えば分割納付をしている最中に倒産社が出た場合に、既に自社分を払って、先に一括返済をしてしまった事業所は負担しないで、残っている分割事業所だけで負担するというルールを定めることも、可能としておりました。
 これは、それほど倒産というものが出ないだろうという前提もあったということでございますが、現実には、後でも申し上げますようなかなり厳しい状況にあるところもございまして、今回の23年の改正法におきましては、できるだけ1社に負担が集中しないようにということで、倒産社が出た場合につきましては、解散時にいた事業所ということで、基金を構成した事業所という意味では、一括返済事業所も含めて連帯責任を負うという規約にすることを、規約の認可ルールでそういう形に見直しを行ったということでございます。
 ただ、逆に言うと、これがあるために事業所間での責任分担がうまくまとめられずに、特例解散が進んでいないというところもあるわけでございます。
 次の6ページでございますが、分割納付をした場合の利子、これも試案の中で提案している事項と関係いたしますので、御説明いたします。
 現在、分割納付をした場合、延滞していきますので、それに利子がかかっていくわけですが、これにつきましては厚生年金本体の実績運用利回りを使用しています。これは変動金利になりますので、例えば本体の実績がマイナスのときには、そこはゼロとして、次年度以降のプラスのときの利回りと相殺するという形で、近年は非常に厳しい状況も続いておるということで、実際には告示利率、本体の実績をもとに課す分割納付の利子はゼロ%が続いているという状況でございます。
 ちなみに、一番下のコメ印のところで、厚年本体の平均利回りというのは、平成14年から23年度の平均で約1.59%。この間の例えば10年国債の応募者利回りで見ますと1.38、20年国債で見ますと2.02でございまして、何を指標とするかというところは御議論があると思いますが、母体企業にとって、利子が、ある年は7%になり、ある年はゼロ%になるというのは非常に不安定でございますので、試案の中では、解散時、何らかの指標で固定金利にするということを提案させていただいているということでございます。
 以上が資料1でございます。
 続きまして、資料2でございますが、今、申し上げました過去に特例解散を行った11基金と現在の代行割れ基金の状況について、データを少し整理しております。
 2ページに、過去に特例解散を行った基金の成熟度とか掛金の状況等を整理しております。
 適用された特例措置は、先ほど御説明したとおりです。
 それから、人数ベースの成熟度ということで見ますと、11基金の半分以上、6基金が2を超える水準でございました。
 また、積立不足に充てる特別掛金などの状況でございますが、今、平均的には1.5〜1.6%ぐらいでございますが、この11基金の半分以上の6基金が4%を超えている状況であったということでございます。
 それから、給付水準の状況で見ますと、引き下げを行っていた基金は5基金。上乗せ給付の水準で見ますと、かつては基金を設立するときのプラスアルファは3割以上でございましたが、この3割を下回っているところが9基金でございました。
 また、解散時の不足が生じたところの不足額を単純に加入員1人当たりで割り返しますと、100万円未満が4基金、200万円までの間が1基金で、300万円を超えているところも1基金あったという状況で、全体としては成熟度が高く、給付水準はかなり低くなっている一方、掛金水準は高目という状況であったということでございます。
 そういった観点から、現在の代行割れ基金、現存する285基金の状況が次の3ページ目でございます。
 これは、グラフそのものは代行割れしていない基金も全て含んでおりますけれども、先ほどの例えば成熟度2を超えるところで見ますと、全体としては14基金。そのうち代行割れしている基金は13基金という状況でございます。
 次の4ページは、掛金の水準ということで、左側は免除保険料を除く、いわゆる基金の上乗せ部分の掛金総額が給与総額に占める割合。右のほうは、特別掛金と特例掛金と言っておりまして、いわゆる積立不足を事前にあるいは事後に埋めるための掛金でございます。こういった特別掛金等の水準が、先ほどの11基金では4%を超えているところが半分ぐらいであったと申し上げましたけれども、この代行割れ基金の状況で見ますと、右のほうでございますけれども、5%を超えているところは全体としては25基金、このうち代行割れしている基金は12基金という状況でございます。
 次の5ページは、上乗せ部分の給付水準でございますが、左のほうは将来期間分、受給者とか加入者の過去期間分を含まないものでございます。これで見ますと、全体としてはかなり低くなっておりまして、代行割れ基金の約半数、47%ぐらいのところは、代行給付に対する上乗せ給付の割合が2割以下でございます。
 一方、受給者の支給年金額ということで見ますと、2割を下回っている基金は80から90基金ぐらいという状況でございます。
 次の6ページは、現在の代行割れの状況を、単純に加入者1人当たりの形で割り戻してみるとどうなるかということでございます。
 この額が200万円以上となっているところは7基金、それから先ほど既に解散した11基金で300万円以上は1基金と申し上げましたが、現在の代行割れ基金の中でも、単純に割り戻した場合、1人当たりの不足額が300万円以上となるところも2基金あるという状況でございます。
 続きまして、資料3でございます。前回、試案でこの特例解散制度の見直しについて御説明いたしましたが、若干わかりにくいところもありましたので、2ページで解散プロセスのイメージを図式化しております。
 縦軸は代行割れの度合いということで、下に行くほど代行割れの度合いが大きいところでございます。前回の試案でも御説明しましたように、代行割れの基金がみずから認可申請するという自主解散が基本であるということでございます。ですから、自主解散の要件に合致するようなところについては、できるだけこの5年の間に手を挙げていただいて認可する形で解散していただくということでございます。
 ただ、こういった自主解散の要件に合致していながら、なかなか手続が進まないところで、かつ非常に財政状況が悪いところ、キャッシュアウトなどが進んで、場合によっては枯渇のおそれもあるところにつきましては、これは前回も御説明しましたように、第三者委員会の意見を聞きまして厚生労働大臣が指定しまして、そして一定期間内に解散するという清算型解散というものを今回の試案では新たに提案しています。ただ、この図でもございますように、基本的には自主解散が主であるということでございます。
 さらに、こういった自主解散といいますか、特例解散の要件に合致しないところには、できるだけ特例解散要件に合致するように運営努力を促していくという行政指導をいたしますが、最終的には、たしか前回も花井委員から御質問があったと思いますが、これは5年目の段階で、どうしてもそこが進まない場合には解散命令が最後に出るということでございます。
 ただし、この解散命令による解散の場合は、さまざまな特例の適用はないということでございますので、その意味では、できるだけこの特例解散による自主的解散を促していくことが趣旨でございます。
 次の3ページ目は、先ほど資料1でも御説明いたしました、分割納付に関してでございます。
 現行制度は、先ほども御説明しましたように、あくまでも基金が政府に対して債務を負っている形ですので、それを構成している事業主が1つ倒れた場合でも、残りのところが連帯債務を負うのが今の法律上の構成でございます。今回の試案の中では、解散時点でそれぞれの事業所の債務を確定しまして、厚生年金本体と各事業主の債権債務関係という形に見直す。したがって、A事業所が倒れた場合でも、そこはB事業所、C事業所が負わない。連帯債務を外すということを提案しております。
 次の4ページは、前回の試案の中では、こうした分割納付の見直しのような、現行の特例の見直しということとあわせまして、新特例をA案、B案ということで提案させていただいております。
 まず、先ほど申し上げましたように、代行割れ基金については、現在でも特例の適用条件というものがあるわけでございまして、これに該当すれば現行特例は必ず適用されます。今回は、さらに新特例の適用条件という、いわば上乗せの条件を課しまして、そこに合致したものだけが現行特例あるいは新特例、いずれかその基金にとって有利なほうをとれる形にするということでございまして、そこに合致しなければ現行特例になるということで、いわば二段重ねのような形での適用を考えているということでございます。
 具体的に5ページでございますが、試案の中でも2段目の新特例の適用につきましては、これまで解散した基金との公平性とか、今後、解散や代行返上を行う基金との公平性を考えながら、かなり限定した形で絞っていくということを、前回の試案のところでも御説明申し上げました。今回、その適用条件として、これまで先ほど御説明しましたような特例解散をした基金の状況とか、それと比較しての現在の代行割れ基金の状況等を踏まえて、例えば次のようなことを考えてはどうかということで、これはまた御議論いただきたいと思います。
 1つは成熟度ということで、これは基本的な考え方としては、存続の困難さというものをあらわす指標であると思います。これが2を超えて推移してきたこと。
 それから、掛金につきましては、先ほど申し上げました積立不足償却のための掛金が、対総報酬で見て4%を超える掛金を徴収してきたこと。
 それから、給付抑制努力としましては、これまで実際に給付水準の引き下げを行ってきて、上乗せの水準が代行給付の2割を下回っている。一時金選択の停止等によって、資産の一時的な流出の防止、在職老齢年金の支給停止等の措置を行ってきている。それから、受給者の引下げを行ってきている。あるいは、受給者の申し出による支給停止を行ってきている。そういう意味では、現行の特例の給付抑制努力よりは、もう一段、実際の成果としての現状を見るということを提案しております。
 そのほか、事務コストの抑制努力をしている。こういったことにつきましては、モラルハザード防止の観点から、施行前の何年間かの状況を見る形で対象を絞っていくことを考えてはどうかということでございます。
 次の6ページは、前回の試案で御説明しましたけれども、もう一度簡単におさらいをしておきますと、仮に今のような条件で絞っていった場合に、そういった基金に対して適用される新特例でございます。
 A案は、納付期間の延長ということ。これは、納付額そのものは現行特例と同じですが、分割納付期間を現行の最長15年を延ばすということ。
 それから、B案というのは、期間は同じで、納付額の新特例ということで、今、申し上げたような条件を満たす基金に限って、負担に一定の上限を設けるということでございます。上限額の考え方としましては、その基金の給与総額に基金全体の平均的な上乗せの掛金、いわば上乗せ掛金額をある程度の年数、引き続き払い続けるという観点のもとで、一定のところで上限を打つという考え方で負担上限額を設けてはどうかということでございます。
 これについては、前回もいろいろ御議論がございましたが、次の7ページで、仮にこのB案の形で、先ほど申し上げましたような適用条件、それから負担上限額を一定の年数を10年、15年という形で仮置きをして、どのぐらい実際に厚年本体への財政影響があるかをごく粗く試算したものでございます。
 まず、対象基金数の見込みでございますが、平成23年度の決算ベースの推計値で見た場合、成熟度が2を超えている基金は14基金でございます。このうち、最低責任準備金につきまして、前回の試案で提案しております0.875、それから期ずれの調整を行った後の最低責任準備金で見ますと、このうち代行割れとなっている基金は12基金ということでございます。この12基金の全てが先ほど申し上げたような努力を行ってきたと仮定しまして計算してみると、この負担上限額を適用した場合、影響額がどうなるかということでございます。
 α=10年とした場合は、対象が8基金で影響額は140から150億円程度。この8基金と12基金の差額というのは、新特例額で計算した額のほうが今の最低責任準備金より大きくなってしまう場合で、特例額を適用しないということでございます。仮にα=15年とした場合には、対象基金が6基金ぐらいに減りまして、影響額としては七、八十億円ということで、100億円前後ぐらいのところということでございます。先ほど、11基金でこれまで145億円と申し上げましたが、今のような適用条件で仮に見た場合、大体それと同じぐらいということでございます。
 以上が資料3でございます。
 最後に、資料4は、前回の御議論の中で委員からお求めのあった資料のうち、特に今回の議論で関係のあるものを2つ挙げております。それ以外にもお求めのあった資料がございましたが、きょうのテーマと関連しないところにつきましては、次回以降、御用意させていただければと思っております。
 まず、駒村委員のほうから、総合型基金のガバナンスという非常に広い御指摘がございました。労使関係とか個別のところまで見るのはなかなか難しいところがございますが、例えばマクロベースでよく言われますこととして、総合型の場合、複数事業主が集まっておりますので、意思決定等がなかなか難しい、時間がかかるところがございます。もちろん、そういった中でも努力されているところもあるわけですが、総体として見ると、対応としてはおくれがちになるというところがあるのではないか。
 具体的に2ページから、過去、平成9年から給付水準の引き下げということで、財政健全化への取り組みということを単・連と総合で比べてみますと、単独型・連合型基金では、平成12年から15年ぐらいにかけて、給付引き下げをした基金の割合がかなり増加した。総合型の場合は、その後、15年ぐらいからかなりふえてきているところでございます。
 次の3ページは、掛金の引き上げ、積立不足に充てるための掛金等が全体の掛金に占める割合ということでございます。単独型・連合型では、平成12年ごろから継続的に四、五割程度で推移してきておりますが、総合型基金は当初はかなり低かったわけですが、最近は掛金の引き上げもかなり進んできておりまして、今、単・連に追いつくぐらいの四、五割程度に達している状況でございます。
 次の4ページ目は、上乗せ部分の予定利率でございます。代行部分につきましては、先般御説明しましたように、基本的には厚年本体と同じ実績で回すということですので、予定利率という概念があるのはこの上乗せ部分でございます。これも基本部分、加算部分、それぞれで見ますと、単独型・連合型の場合は比較的早期に予定利率の引き下げが進んできている中で、相対的に総合の場合は引き下げた基金の割合が低くなっているところでございます。
 次に6ページ、前回、山口委員のほうから、私どもの試案の中では負担上限額という形でお示ししておりますが、そういう形ではなくて、そもそも最低責任準備金に付利している利率を仮に軽減するとした、いわば元本は返して利子を少し減額するような考え方で整理ができないだろうかという御指摘がございました。
 先ほどこちらが試算に使いました新特例の対象となり得る、この12基金につきまして、機械的な計算ではございますけれども、平成11年10月以降の利率を0.5%あるいは1%減じた場合の財政影響ということで見ますと、0.5%の場合は約160億円、1%の場合は約250億円ということでございました。これは、いろいろな試算が成り立つと思いますけれども、仮にということで整理させていただきました。
 以上、簡単でございますが、事務局からの御説明でございました。
○神野委員長 どうもありがとうございました。きょうのテーマにかかわる特例解散制度の現状、それから代行割れ問題にかかわる現状の状況を説明していただく資料、それから前回御提案いただきました試案について、補足及び補強的な御説明をしていただいた後、前回、2委員から御照会のありました資料について、今回のテーマにかかわる範囲内で御説明をいただきました。
 繰り返すようでございますけれども、今回は特例解散制度の見直しによる代行割れ問題というアジェンダで御議論していただきたいと思いますが、第2の論点、持続可能性を高める施策や、第3の論点、代行制度の見直しなどと、どうしても相互に関連するかと思いますので、代行割れ問題にかかわる範囲内においてお触れいただくということは構いませんけれども、せっかく論点を分けながら効率的に議論しようとしておりますので、あくまでも、論点はこの特例解散制度の見直しによる代行割れ問題に絞って御議論をちょうだいできればと考えております。
 それでは、今、御説明いただいた資料への御質問を含めて御議論していただければと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○森戸委員 幾つか質問です。
 まず、今回、新特例をどういうふうに認めるかという話ですので、現行の前の時限立法も含めて特例解散の御説明をいただいたのですけれども、そもそもこれまでの平成17年と23年の特例解散を認めた趣旨というのを、今さらなのかもしれませんけれども、説明がなかったと思います。要するに、本来はこういうふうにしないと解散できないのに、特例解散を認めたという趣旨は、それぞれ17年、23年のときはどういう趣旨で、こういう理由でこういう特例を認めますという、どういう説明をされていたのかということを確認したいのです。できれば、公式なものと本音の両方聞きたいのが1点目です。
 細かく幾つかあるのですけれども、2点目は、特例解散制度によって、資料1の4ページですが、いろいろな基金が特例解散をして、こういう状況になりましたというのがあります。これは、返済中はありますが、分割のものもあるから完済となっているし、特例解散制度がきちんと機能したと評価しているということなのか、そういうふうに評価していいのかということが2点目です。
 それから、あちこち行って申しわけないのですけれども、資料3の2ページで「代行割れ」基金の解散プロセスのイメージ。徐々に5年目に向けて、こういうふうにやっていきますよというのはよくわかったのですが。今のところ基準を満たしていない基金が、基準を満たすように毎年努力していくようなイメージはわかるのですけれども、努力していくインセンティブというか、メリットはどこにあるのかということなのです。
 確かに今は満たさないけれども、来年、こういうふうに頑張れば満たすというのだったらわかるのですけれども、5年目、近づいてくると、間に合わないと5年でもう特例なしだけれども、変に頑張っても5年でここまで行けないから無理だとなってしまうことはないのかというのが、疑問というか、うまいこと5年目までにきれいにみんなが努力して、毎年、はけていくというイメージが本当にそういうふうになるのか。そういうふうになるような制度をつくるということだと思うのですが、ちょっとあいまいな質問ですけれども、その点が3点目です。
 もう一点は、これは質問と言うかどうかわからないのですが、新特例でA案、B案は前回示されて、どっちがいいでしょうという話だと思うのですけれども、私、正直、どっちがいいか、よくわからない面もあるのです。要するに、各基金ごとにそれぞれの債務整理返済計画を立てるという話だと思うのですね。
 そうすると、誰か個人の借金が多くなってしまって、いっぱい借り過ぎて、あちこちから借りているのを整理して立て直していこうというときは、それぞれ事情があるので、どうやって返していきましょうという計画は、個人個人、その人がこれからどういう生活をしていくかとか、どういうお金が入ってくる見込みがあるかによって違うと思うのですね。
 ですので、結局、A案とB案でどっちがちゃんとより返してもらえそうかというのは、基金によって違うのではないか。機械的にAがいい、Bがいいとか、決められるものなのかなというのが、どんといっぱい解散になるかもしれないのに、一つ一つ丁寧な債務整理計画を立てるのは無理なのかもしれませんが、それぞれの基金の事情もあるので、うちの基金はこういうふうにやったらうまく返せそうですとか、うちの基金は15年ぐらいかけると返そうな計画が立てられますということもあるのかなと思って、そういう考え方はないのかなというのが、これは質問というか、疑問なのですけれども、そういうことを思いました。
 済みません、あちこちに行ってしまったのですけれども、4つほどコメントさせていただきました。
○神野委員長 1は、当時の特例解散制度を導入したときの趣旨。2番目は、実績に対する厚生労働省としての評価ですね。3番目と4番目は、あるべき姿に入ってきますが、インセンティブが逆に働かなくする必要はないのかという話ですね。
○森戸委員 それがうまくイメージどおり行くのかなという話なのです。
○神野委員長 それから、A案、B案どちらかと画一的にやるものではなく、多様な選択肢を設けることが考えられないかということですね。
○森戸委員 はい。
○神野委員長 よろしいですか。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 まず、特例解散制度を設けた趣旨ということでございますが、法案の提案理由説明ベースとしては、基金財政がかなり悪化してきて、いわゆる代行割れ基金がふえているということが一つの背景にあって、それをできるだけ早期に解決する。これも、そういう意味では今回も同じでございます。
 ただ、その背景にありますのは、そもそもこれは第1回目に御説明しましたように、代行制度というものが最終的には厚生年金本体が給付責任を負う。ですから、代行割れであったとしても、最終的には法律上は代行給付が減らされることはない。そういう意味で、代行割れについては、もちろん一括で埋めてもらう、それから最低責任準備金を返すというのが大原則であるわけですが、それを放置しておくことによる厚生年金本体への財政リスクもありますし、また分割納付等を認めた背景には、それを返していく母体企業への資金面への配慮というものもあるということだと思います。
 その点は、今回のこの特例解散制度の見直しでも、そこのバランスをいかに図っていくかというところが難しい論点でもございますが、基本的なポイントであると思っております。
 それから、最初の平成16年法で入れました特例解散が機能したのかどうかということでございます。実際、11基金という状況でございますので、これをもって全てを判断するのがどうかというところはございますが、9基金はきちんと完済して、分割納付中の1基金もほぼ完済の見込みではございます。
 ただ、1つだけ資料1で申し上げますと、4ページ目のD基金は、解散当初は50社近いところがあって、一括納付で返したところもあるのですが、その後、各社、かなり倒産が相次ぎまして、このD基金は、先ほど連帯債務のところで申し上げました、規約が倒産社分を残った分割納付社が負担していくこととなっていましたので、かなり厳しい状況にございます。
 そういったこともありまして、去年、年金確保支援法で再導入いたしましたときに、分割納付10年を15年にしたというのは、前回の特例解散ではなかなか難しい状況にある基金が出てきたということも、背景に1つあるということでございます。
 今回、その連帯債務の見直しということを提案しておりますのも、現実に今、納付している基金の状況等も勘案しております。それぞれ施行して、課題もいろいろ生じてきている。そういうものの手直しをしながら、これまで進めてきている状況でございます。
 プロセスがこのとおりうまくいくかということ。そこは、逆にいろいろ御意見もいただきたいところでございます。今、私どものほうで指定基金と言いまして、代行割れが非常に厳しいところについては、個別に指定して指導するということで、その中には事実上の解散指導に向かっているところもございます。そこで、さっき言いました連帯債務の問題があるので、ここがなかなか解散の合意をとる場合のネックになっているというお声をよく聞きます。
 その意味では、それだけで済むとは言えないと思いますが、今回、分割納付で連帯債務を外すことを提案しておりますので、仮にここがそのとおりに行けば、自主解散に向かうところもそれなりに出てくるのではないかと思っております。
 最後のA案、B案のところでございますが、確かに額を下げて一括で返したほうがいいのか、それとも少しゆっくり返したほうがいいのか、そこはそれぞれの基金の事情はあると思っております。それは、先ほどごらんいただいた11基金でも、あえて分割納付をとらずに一括で返したところもかなりございます。その意味では、現行特例が既に額特例をとるか、分割納付をとるか、あるいは両方とるかというオプションがある。今回、提案しております新特例は、さらにそれに加えて、例えば分割の期間をもうちょっと延ばすとか、あるいは額をもう一段、上限を設けるというところをどこまで認めるかということです。
 その意味では、厚生年金本体との財政という関係で言えば、2番目のオプションとしては、どちらかに限定するほうがいいのではないかということで、試案ではいずれかということで提案させていただいておりますが、そこもまたいろいろ御議論いただければと思っております。
○神野委員長 よろしいですか。
○森戸委員 はい。
○神野委員長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 前回お願いした資料をつけていただきまして、ありがとうございました。
 この試算を拝見しておりまして、確かに金額の多寡ということが本体財政に与える影響という面で重要ですけれども、その面だけで判断してよいのだろうか。本体側の被保険者の納得性といった観点も踏まえて、もう少し幅広く考える必要もあるのではないかと思っております。
 それから、今回の新特例がこれまでの特例と少し違う状況というのは、基金制度全体を廃止していくといった新しいステージに入っているわけでありますので、どちらかといえば、今、森戸先生からもお話ありましたように、解散を促進していくためのベースを構築していくといった要素が非常に大事ではないかと思っております。そういう意味では、既に現行の特例基準も非常に厳しい条件になっているわけでありますので、それを前提に用いてできるだけ幅広く適用されるような考え方で解散に向けた環境整備を進めていくことが必要じゃないかと考えております。
 前回、ご提案のあった上限方式について少し意見を申し上げたわけでありますけれども、上限方式というのは、そういう観点から考えた場合、特定の基金が一部返済を免除されるイメージになってしまいますので、そういったやり方ではなくて、私が申し上げたことにこだわるわけではないのですけれども、あくまでも免除されるということではなくて、計算の前提が変わったということで、元本、利息もきちんと返しているといった作りつけのほうが、本体の被保険者の納得性も高いのではないか。
 そういう状況を設けて、先ほど申し上げましたようなスムーズな解散を促進することが必要で、ひいては時間を遅らせることによって、本体財政に与える影響が大きくなってしまうといった問題に対する、大きな意味での対応策になるという見方をしております。ちょっと繰り返しになって恐縮なのですが、方法にこだわっているわけではないのですけれども、そういったスムーズな促進、解散ができやすい環境づくりといったものをもう少しやっていただくほうがよろしいのではないか。
 今日いただいた資料ですと、私がイメージしておりました対象基金数とは大分違っておりまして、ごく一部の少数のところだけが新特例の対象になる感じですので、それだと、せっかく新基準をお作りになっても効果のほどが余り大したことがないことになりますので、できるだけそういう面を御配慮いただければありがたいなと感じている次第でございます。
○神野委員長 御提案なので、コメントがあればしていただくし、山口委員のほうからもう少し踏み込んで、例えば環境整備の具体的なお考えがあれば。
○山口委員 前回と全く同じ基準というのではまずいのかもしれないのですが、どちらかといえば、既に今の特例基準というのは、きょうの資料1の3ページでもかなり厳しいハードルになっていますので、これをベースに若干追加する程度で範囲を広げるようなことができないだろうかといった趣旨でございます。
○神野委員長 ありがとうございます。
 事務局のコメントがなければ、次に移りますが。はい、どうぞ。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 1つだけ、資料1の3ページにあります現行特例の適用条件でございます。
 先ほど私、御説明したように、いろいろ条件を課してございますけれども、この適用条件ではねられるものはそれほど多くない。現行の特例条件で代行割れ基金から申請が上がってきた場合は合致するところは、現場で実務をやっている限りは、比較的多いということだと思います。
 それから、現行では、3ページにありますように、④の母体企業の経営状況が悪化していることということも適用条件にしてございますけれども、今回の見直しの中では、第1ハードルであります現行の特例解散の適用に当たっては、こういった④のような状況は外そうと考えております。そういう意味では、現行特例そのものの適用条件の見直しということも、いろいろ御議論いただければと思います。
○神野委員長 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょう。菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 私も山口委員と同じように、前回の議論ですと、新特例がどれぐらい膨らむのだろう。それでモラルハザード等の問題が出るのではないかという御議論が多かったように記憶しておりますので、その意味では非常に限定的な取り扱いというイメージを持ちました。私は、A案、B案、どちらか、現時点で結論が出ておりません。ただ、30年、50年という長期まで行くのはどうかと思いますけれども、いずれにせよ限定的な取り扱いであるということを前提にすると、今、課長からお話がありましたように、現行特例の修正の中身が非常に重要になってくるのかなと思います。
 アとイがありますが、連帯債務の見直しのほうは2007年の納付特例法ですか、あれで国が損害賠償請求権を取得して、各事業主に対して損害賠償を行うというスキームを既につくっていますので、こういう形のやり方というのはあり得るのかなと思います。ですから、そういう既存のスキームを使って、さらに解散を促していくということは十分あり得るのではないかと思います。
 そこで、先ほどD基金が、解散があって支障を来しているというお話がありましたが、ほかにもそういうケースが、既に完済したところも含めてあったかどうか、もしあればお聞きしたいのが1つ。
 もう一つは、利息の見直し、私はどの指標を使えばいいのかというのは判断能力がありませんけれども、多くの代行割れ基金が、むしろこちらの現行特例を使っていくとすると、幾つか利率をどうするかという指針はあり得ると思いますが、大体どのぐらい本体部分が、現行の基準よりも納付額と差異が出てくるのか、そういう試算みたいなものはできないのかなというのをお聞きしたい。
 別にその額が大きくなるから反対というわけではなくて、前回申し上げたように、基本的には私はこの基金制度は廃止せざるを得ないと思っていますので、試算としてそういうことが可能なのかどうかというのを、ちょっとお聞きしておきたいなと思います。
 以上です。
○神野委員長 あとの2点、現行特例にかかわるような問題について、御説明、よろしいですか。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 まず、分割納付の状況ということでございますが、基本的に前回解散した11基金の中でかなり厳しい状況になっているというのは、先ほど御紹介したD基金だけでございます。ほかは、分割納付のところも基本的には返している。D基金のほうも、自社分についてはきちんと返してきているのですが、先ほど申し上げたように倒産がかなりあったということで、今、実は分割納付をしているのですが、残り2事業所という状況で、倒産した部分の返済がまだできていない。先ほどの連帯債務がかなり重くのしかかっている例でございます。
 それから、利子のほうは資料1の6ページ目にございますが、基金によって、いつ、どのぐらいの期間で返すかというのが違うので、単純に比較はできないところがございます。例えば、6ページの下のところ、これは過去で見たものですので、今後もどうかというのはありますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、平成14年から23年度の平均で見ますと、厚生年金本体をならすと約1.59%ということでございます。
 これとの比較ということで言いますと、先ほど申し上げました、例えば市場の一つの指標という意味では、10年国債の応募者利回りで見ますと、同じ期間で平均1.38%。ですから、仮にこの期間を全て使って返すという前提で固定した場合は、10年国債の場合は、こちらのほうが低くなりますし、逆に20年国債で見ますと、14年から23年平均で2.02%です。これは過去の数字でございますけれども、実際の本体の平均利回りは、10年国債と20年国債の間ぐらいです。
○神野委員長 菊池委員、よろしいですか。
○菊池委員 はい。
○神野委員長 では、宮本委員。
○宮本委員 ありがとうございます。
 前回、私は中小零細の母体企業の労使の立場で発言させていただきましたが、試案の基本原則についてもう一度お聞きします。現行の特例解散を見直すことによって、施行から5年以内に申請あるいは解散を求めていくことにしておりますが、①にあるように、代行割れの部分は母体企業が責任を持って負担していく。これは前提であると思っております。そうでなければ、厚生年金加入者の理解は得られないと思います。
 一方で、今、業種を問わず、中小零細企業の経営状態というのは極めて厳しいということは、経済指標、各指標に示すとおりでありますし、現状でも厳しい経営環境に加えて、例えば来年3月末には金融円滑化法が切れて、金融支援、例えば金融機関から貸し渋りとか貸しはがしも予想されています。あるいは、1年4カ月後には消費増税が予定されており、元請け企業から下請け企業が受注を確保したいために、消費税増税分の価格転嫁もできないということも、既に当該労使のほうからも出ているわけです。
 そんな環境の中で、自らが加入していた基金から基金運営の正確な情報も得てこなかったところもたくさんあり、そういう中小零細企業の経営者あるいは従業員も大変多く、中小零細企業では、生き残るために全ての経営資源を投入している。こんな状況を、我々はぜひ理解しなくてはいけません。
 そこで、基本原則の②に記載されております母体企業の経営破綻による地域経済、雇用への影響を回避する仕組み、あるいは関係省庁と連携を図ると記載されておりますが、具体的にどのような施策を考えているのか。私はこの際、中小零細を倒産させないためにどうするのか。金融庁や中小企業庁だけでなくて、例えば公正取引委員会、社労士会、税理士会等々の支援制度も含めて、総合的な中小零細企業支援政策というものが必要だと思っております。
 また、同じ試案5ページの②の現行特例の適用の分割納付についてお聞きしたいのですが、基金解散時に母体企業の債務を確定することについては、分割納付の利息を固定金利にすること。自主解散を誘導するということについてはいいと思います。
 そこで、アやイの施策を実施する場合に、既に代行返上している、あるいは返済しているところの基金は、この特例措置を使えるのかどうなのか教えていただきたい。
 以上です。
○神野委員長 後者の問題をお答えいただいて、前者の問題はかなり総合的に関連しますので、お答えできる範囲内でコメントいただければと思います。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 まず、前者のほうからお答えいたしますと、確かに、今の御指摘は年金問題ということに限らず、多分、中小企業対策全体ということなので、その意味では関係省庁も大変多く、今の時点で何か私どものほうから具体的にこうだと申し上げられる状況にはございません。
小さなことではございますが、これまでの一つの協力として、夏の有識者会議のヒアリングのときに御指摘された事項として、基金が解散するときに、母体企業のバランスシートに年金債務が一気に載る。それによって債務者区分が変わってしまって、金融機関からの融資が非常に難しくなるということで、これにつきましては、その後、金融庁のほうでもいろいろと御検討いただきました。
 もちろん、母体企業のバランスシートに債務を載せないということは、会計上、できないのですけれども、実際の母体の資金繰りがきちんと回っていて、ただ年金の解散という一つのイシューだけでバランスシートが変わるときには、ある程度債務者区分の変更については、柔軟に考えるという通知を金融庁のほうでも出していただきました。先般も私どものほうで金融庁と国税庁と協力をいたしまして、こういう解散時の会計財務の扱いについて整理して、ホームページに載せたところでございます。
 実務的な話ですけれども、そういうところでできることは少し取り組んでおりますが、宮本委員の御指摘はもう少し大きな意味での枠組みということだと思いますので、そこはこれからいろいろな面で考えていかなければいけないと思っております。
 今回のいわゆる現行の特例の見直しを、今、返しているところに遡及適用するかどうかということでございます。ここは、まさに判断だと思っております。政策判断ということですので、ここでのいろいろな御議論を参考にしながら、遡及させるということであれば、そこはそういう形での法的な整備も必要かと思っております。
○神野委員長 どうもありがとうございます。
 いかがでございますか。花井委員。
○花井委員 2点、意見を述べたいと思います。
 1つは、資料3の3ページ、連帯債務を外すというところですが、、そうしますと、倒産したときに債務は、当然、直接厚生年金で埋めていくことになると思うのですが、この図で言うと、厚生年金基金側の責任は、どのように生じるのかというのが疑問としてあります。
 また、今後の話であろうと思いますが、第三者委員会で審査するとなっておりますので、今後、この審査に関与していくにあたり、審査基準をきちんと明確につくる必要があるのではないかということを述べておきたいと思います。
 それから、新特例について、今、判断がつかないのですが、A案にしてもB案にしても、例えば15年をさらに延ばしていく、20年、30年にするのか、まだわかりませんが、今、企業がそこまで存続する可能性はあるのだろうかという疑問もあり返済のリスクが非常に高まるのではないでしょうか。
 上限を設けることについては、今日の資料に試算が出されていて、さほどではないという話もありましたが、さほどではないと見るのか、150億円もと見るのか、いろいろな見方があると思います。いずれにしても、新特例を新たに設ける必要性があるのか。解散を促進していく環境づくりというのは理解できるのですが、本当にこれが必要なのかという疑問を持っています。どうしてもこれを進めていくために、さまざまな努力と言ったときに、受給者の給付引き下げが前提とされているわけです。
 それは当然だという言い方もあるかもしれませんが、受給者にとってみれば、青天の霹靂でしょう。受給者の立場も見なければいけないし、それから基金に入っていないところも見なければいけない。そういう全体のバランスの中で、どこまで解散を促進していくための環境というものをつくっていくのかについて、もう少し慎重に検討する必要があるのではないかと思います。
 それから、3点目として、連帯債務がかかっていたときに、偽装倒産というものが現実にあったと聞いております。かつて社会保険を脱退するために偽装倒産する中小零細企業が相当あった時期もありまして、実際、偽装倒産された労働者から連合に相談があって、それは確認したら操業していたということがありました。社会保険の場合は、5人以上が強制適用なので、そこに対して強制的に保険料、再加入させることができる法的な根拠があったと思うのですが、この基金の問題で偽装倒産した場合、引き続き責任を追及していくような、何かそういう法的な措置は検討できないものなのか。
 先ほど渡辺課長の説明で、当初50社あったのが、今2社になり、相当な負担を負っているという説明がありましたが、その中に本当に偽装倒産がなかったのかどうか。公的なものに対して、それだけの損害を与えるような偽装倒産が許されるのかという観点から、そのような仕組みの検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○神野委員長 1点目の連帯債務問題や新特例の問題については、むしろ委員の皆様方から多く意見をいただいたほうがいい論点だと思います。
 3点目の問題について、コメントがあれば事務局のほうからお願いできますか。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 何をもって偽装倒産と言うかというのは、非常に難しいところがあるのですが、先ほど御紹介したD基金は、偽装倒産という言葉を仮に使わせていただくとすると、そういうおそれのある事業所に対して、基金として訴訟も起こしております。ただ、我々が聞いておる範囲では、一審では敗訴だったと聞いております。基金側としてもそういう努力もしているということでございます。
○神野委員長 柿木委員。
○柿木委員 それでは、私のほうから2つほど意見を言わせていただきます。
 まず、新特例基準につきまして、先ほど花井委員からお話がありましたけれども、本当にこれが必要なのかどうかということが1点でございます。特に、前回、山口委員から、特例基準B案については、過去と現在と将来に関する公平感というお話がありましたけれども、我々の中でも、過去に解散、代行返上したところが今、必死にお金を返している。こういうところと、今回、特例を認められるところの公平性はどうなのかという問題があります。
 それから、この制度を入れますと、一部は上限規定で金額が免除になって、もう一つは免除にならずに全部返す。この線引きはどこになるのか。この点も公平性の観点から問題になってくると思います。更に非常に限定的な新特例基準であれば、本当にこれを考える必要があるのかという点も問題点として指摘したい。私どもは15年を20年に延ばして、それで返していただけるような形になるのであれば、あくまでも意味がある制度ではないかと思います。
 ただ、現行特例の見直しの中で、分割納付について解散時に各事業所の債務を確定することで、連帯債務を見直すという提案につきましては、我々企業側から見ますと、連鎖倒産等の懸念も考慮すれば、これはやむを得ないというか、取り入れていただきたいことかなと思います。
 それと、これは繰り返しになりますけれども、先ほど宮本委員からお話がありました、試案の3ページ、母体企業の資金調達の問題に関しては、関係省庁と連携を図っていくという書き方になっているのですが、具体的に今の段階で、先ほど委員長からもお話がありましたように、何をしてくれということも言えませんが、特に金融庁、中小企業庁といったところと連携した対応をぜひともお願いしたいなと思っております。
 ただ、全体としましては、この試案に関しては我々も議論しましたが、厚生年金基金も企業年金の一つであるということから、労使の合意に基づく自己責任原則のもとで運営されることが非常に重要だということで、母体企業の労使を中心に制度運営面で最大限の対応をすべきだと思っております。この試案に掲げられた基金自身の運営努力を求めることを、母体企業への経営の影響に配慮するといった基本原則については、我々は理解したいと思っております。
 最後に、各基金の運営に対する厚生労働省、地方厚生局の監督責任に関して疑問を感じる企業が多いということを御紹介します。
 以上でございます。
○神野委員長 どうもありがとうございました。建設的に御発言、御提案いただきましてありがとうございます。
 監督責任等々、何かコメントが事務局であれば。
○神野委員長 駒村委員、どうぞ。
○駒村委員 これまで議論がありましたように、解散インセンティブを高める一方で、本体への影響を最小化しなければいけない。モラルハザードを侵さないとか、公平性とか、母体企業を倒産させないとか、いろいろ制約条件があって、その中で現行の特例解散の見直しか新特例か。新特例は、私も今の議論があって、まだ必要かどうかは迷っているところであります。
 それで、特例解散のほうの見直しのところで、分割納付の見直し。新分割というか、資料3の3ページにあるわけですね。これを見ると、従来の連帯債務、ある種母体企業同士が相互に連帯保証人になっている状態から、これを外してあげて債務を払いやすくする一方で、今度は、下の絵になれば、政府・厚生年金本体が保証人になる。連帯がなくなったかわりに、厚生年金本体がリスクを最終的にはヘッジしなければいけなくなってくる。そこで出てくるのが、第三者委員会ということになってくる。
 この組織は、厚生年金本体へのリスクが特例解散をやってよいのかジャッジするところだと思いますので、逆に言うと、ここでそういうリスクに対して厚生年金側のガバナンスが代表されていなければいけない。こういう考え方になってくるのかなと思いますけれども、厚生年金のガバナンスというのはどう考えるかというのは、また議論はあるかもしれませんけれども、ここが重要になってくるだろうと思います。
 質問は、仮に新特例が入った場合は、次の4ページの全てを第三者委員会がジャッジするという理解になるのでしょうか、そこが質問であります。
○神野委員長 今の点、事務局のほうはよろしいでしょうか。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 もちろん、それぞれの適用条件についての客観的な基準というものは定めますけれども、それに対して適切かどうかというのは、第三者委員会に判断していただく。
○駒村委員 全部の判断をやる。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 はい。
○神野委員長 ありがとうございます。
 あと、杤原参考人、何かございましたら、どうぞ御発言ください。
○杤原参考人 発言の機会をありがとうございます。
 私も宮本委員の御発言の繰り返しになりますけれども、前回もお願いいたしましたが、そもそも今回のこの議論の発端が、新しい制度をつくるというものではなく、まさに倒産に直面して雇用を失いかけている地域の中小企業の問題をどうするかというところに視点があると思っております。いわゆる厚生年金基金倒産、それに伴って雇用が失われる。このことを何とか回避していただきたいというのが経済団体である商工会議所のお願いでもありますし、また地域の中小事業者の皆さんのお願いでもございます。これを厚労省のほうで受け止めていただいたと理解しております。
 言葉を変えますと、本業で倒産するならばやむを得ないと思いますけれども、本業以外のところで福利厚生費の負担が重くなって倒産するということは、何とか避ける道がないものかということでございます。企業の方にお尋ねしたところ、債務を確定さえしていただければ払える余地がある、経営計画も立つ、その中で将来の設備投資の計画も立つということでございます。将来の見通しが立たないところに非常に大きな問題があるということでございますので、その中で連帯債務の部分を切り離して確定していただけるという考えについては、何とか実現していただけないものかと願っております。そこが確定されれば、一つの問題はクリアされるのではないかと思います。
 企業が残らないと、雇用や残すべき技術も失われてしまいますので、こういった制度でいいのかどうかは政治の御判断になると思います。
 それから、現在頑張っておられる返済中の企業さんに遡及して適用するのかどうかですが、先ほど来、委員の先生から御発言が出ておりますけれども、まさにここは政治的な御判断になるのではないかと思っております。
 また、幾つかのちまたの声ということなのですけれども、過去の分の金利計算で額を確定していただいて、低い金利で返済させていただきたいという声と、将来にわたって、こういった新特例ではなくて、現在の制度で続けていきたいのだというお声も聞きます。後者になりますと、将来の債務が確定できない。将来の金利を見込んで返済を続けていくことになりますと、債務を確定する形でこの問題を解決したいと願う人たちは救済されないことになりますので、ここはどちらがいいのかというのは、まさに専門家の皆様方の意見を拝聴したいと思っております。
 現在、商工会議所として、こういう形に最終的に仕上げていただきたいというのは、実はございません。まだまだ議論が足りないかなと思っておりますので、過去分の確定、それから将来の分を確定するのか、運用に合わせていくのか。もし運用に合わせていくとすれば、将来続けていくという前提になってしまうと思いますので、そこは制度のあり方にも関係してくると思っております。ただ、実は宮本委員の御意見が、まさに今の状況をあらわしていると共感しておりますので、ぜひ心にとめていただきたいと思っております。
○神野委員長 ありがとうございます。
 駒村委員、どうぞ。
○駒村委員 先ほどの第三者委員会の話の続きになるのですけれども、新特例ができるかどうかはともかくとして、見直された特例の判断もこの第三者委員会が重要になるということであって、厚生年金自身のガバナンスとなると、公的年金である厚生年金ではこの年金部会がガバナンスというか、政策・制度を議論する場であると思います。この審査会というのは常設なのですか、それとも該当する基金があればその場その場でつくるのですか。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 基本的には常設です。
○駒村委員 そうすると、その人選も含めて年金部会がしかるべきかかわりを持っていかなければいけないのではないかなと思います。
○神野委員長 あと、いかがでございましょう。まだ時間は十分ございますので。どうぞ。
○森戸委員 済みません、また質問なのですけれども、きょうの参考資料1の見直し試案の3ページ、特例解散制度の見直しによる「代行割れ問題」への対応の(1)の①の2段落目、また、受給者にも一定のルールの下に負担を求めるとともにの後ですが、モラルハザード防止の観点から、基金全体の平均的なポートフォリオを外れた運用を行った不足分は、母体企業の負担とする。これは、具体的には同じ試案の6ページの新特例のモラルハザード防止措置というところにある話に対応していると考えていいのですか。ほかのところには関係ないという理解でいいでしょうか。それがちょっと質問です。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 御指摘のとおりでありまして、今も負担上限額そのものについていろいろ議論がございましたが、仮に設けるとしても、負担上限額を設ける範囲というのを絞ろうという考え方でございます。
○森戸委員 例えば、AIJでも何でもいいのですけれども、何かそういうもので損した分は別だよということだと考えていいですか。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 そのプロセスはいろいろあると思います。結果としてということです。
○森戸委員 ありがとうございます。
○神野委員長 あと、いかがでしょう。まだ時間はございますので、山口委員、どうですか。全体の御議論を。
○山口委員 この専門委員会が設けられて、まさに今、厚生年金基金をどうするかという議論を行なっているわけですが、従来から代行割れ問題はあったわけです。この代行割れという事態にどのように対処していくのか、これまでもいろいろ工夫されて特例基準などをつくってこられたわけです。ですから、新たな方法が何も要らなくて、今までどおりの方法で対応することでいいというのであれば、新しいステージに入った今、制度自体を廃止していくという流れを促進する動きに資することになるのかどうか、私の見方としてはもう一歩踏み込んでいく必要があるのではないかと思っています。
 そういう意味では、新しい特例基準といったものも考えて、これは繰り返しになるのですが、我々は厚生年金基金の問題について、新たなステージに立っているという認識の下で、もう一度考えていく。そのときに、従来からもいろいろ努力をされた上で、最終的に解散したいという方針を出された基金もたくさんあったわけです。
 その流れの中で、一方で先ほど御指摘がございましたように、むしろ役所のほうが解散しないほうがいいという観点からの指導もあったのかもしれませんし、事業主のほうでも追加の負担が大きいということで、実現できなかったという面もあったということが実情だったと思いますので、私はこの機会に代行割れ基金ができるだけ早く解散できるような仕掛けを導入して、事業主の負担が余り大きくならないような仕組みを考えていかなければならないと思っているわけです。
 つまり、2つの相矛盾することを言っているわけですね。本体のほうにも迷惑をかけず、かつ事業主が解散しやすいようにということを申し上げているわけですので、普通に考えればなかなか解決がつかないわけです。このため、繰り返しになって恐縮ですが、本体側に同意いただくプライオリティとしては負担することになる金額の多寡もさることながら、元利金がきちんと返済されたかどうかという納得性の観点が満たされることがたいへん大事だと思っているわけです。そういう意味で、一部の事業所について、納付金額の免除をしたという印象は、私は非常によくないと考えておりまして、国民の納得性という観点からは、きっちり耳をそろえて借りたお金は返していただいたという建てつけは維持すべきではないかと思っております。
 そしてその具体的な方法として、計算方法は同じなのだけれども、計算の前提で用いる数字をきちんと見直した結果、結果的に金額の引き下げになったりするわけです。それをルールどおりにきちっと耳をそろえて返していただくのだけれども、計算の前提が変わったために解散事業所にとっても解散しやすい状況が生まれるといったことが矛盾を解決するための方法としてできないだろうかということを申しておりまして、その辺の考え方についての補足の説明をさせていただいたということでございます。
○神野委員長 ありがとうございます。
 あとは、森戸委員、何かありますか。
○森戸委員 今の山口委員の話にかかわるのですけれども、きょうは特例解散なりのあり方の話をしていますが、私、前回いなかったのですけれども、山口委員おっしゃるように、解散しやすいようにしないと乗ってこないよというのは、そうですが、他方で、前の特例解散と違うのは、第3のテーマにかかわってしまうのですけれども、厚生年金基金がもうなくなりますよ、代行制度がなくなりますよというのが、私、そこは実は意見がいろいろあるのですが、そこは置いておいて、もしそれが決まっているのならば、逆にそんなおまけをしなくても、どうせなくなるのだから早いうちやめておいたほうがいいねとなるかもしれないですね。
 ただ、後ろがわからない、厚生年金基金なり代行制度がどうなるかわからないのであれば、おまけをつけないと、あえて解散という面倒くさい話に行かないということもあると思うので、第1の議題を議論していますけれども、結局、基金は廃止なのですね、いずれなくなってしまうのですねという方向が決まっているかどうかに、話はかかわるのかなと思います。
 山口委員のほうも、もう廃止の方向ですから新たなステージとおっしゃっているので、逆に言うと、新たなステージなのだから、各基金なり企業は、放っておいても何かしなきゃいけないのだから、新特例でそんなにおまけがなくても、特例のレベルでも解散の方向に向けて動くしかないでしょうという見方もあると思うのですけれども、そうはいかないというのが山口委員の御意見なのですかね。
○山口委員 そこのところは、どちらが効果的かよくわからないのですけれども、今後5年間の間にいろいろ努力して条件をクリアすれば、結果的に基金にとっては解散しやすくなる選択肢があるということが、おそらくインセンティブとして働くだろうと見ているのですけれども、おっしゃるように、全体として方向が決まってしまったら、例えば10年ということがはっきり決まれば、結果的に早いか遅いかだけの問題だから、特にインセンティブを設ける必要はないじゃないかという見方もあると思います。
 ただ、私はもう一つ、これまでも時期が来れば運用環境が改善して、それで問題がなくなるのだといった考え方、相場任せの発想が背景にあって、ずるずると先送りする結果になってきたといった現象が見られますので、そういった意味ではきちんと早目に前倒しで処理が進むというほうがいいのではないか、そのためのサポートが必要と考えております。
 適格年金の廃止のときもそうでしたけれども、土壇場になって大慌てで、移行や廃止をするということがありましたので、できるだけ計画的に、基金の解散は適格年金よりはるかに大変ですので、そういうものが前倒しで進むようなインセンティブがあるほうが望ましいのではないかと、私は考えているということでございます。
○神野委員長 ほか、いかがでしょうか。花井委員、どうぞ。
○花井委員 私は、山口先生がおっしゃった、新しいステージであるということと、解散を促す環境が必要なのだということもよく理解しております。先ほど、新特例を設ける必要があるのかわからないと申し上げましたのは、私どもの加盟組合の母体企業が加盟する総合型の基金にも、代行割れしているところが結構あり、組織の中で何回か会議を開いてヒアリングを行いましたところ、
 試案の5ページ、新特例の②の連帯債務を外すということと固定金利にするということで、ほぼ対応できるのではないかという意見がありましたので、そういう意見を受けまして、③の新特例まで果たして必要かどうか、今の段階ではちょっと疑問だと述べさせていただいたということです。
○神野委員長 ありがとうございます。
 菊池委員、もういいですか。
○菊池委員 はい。
○神野委員長 続いて発言をいただきたいと思います。柿木委員、何かありましたらどうぞ。
○柿木委員 今回の議題に直接関連しないのですけれども、この試案が出ましてから、私ども経団連の中でも、各企業の年金関係者と今回の試案について、いろいろ議論しました。各委員の中からも、試案についていろいろ確認したい事項があるということで、内容が多岐にわたりますので、事務局のほうには別途資料をお渡ししました。今回、間に合わないと思うのですけれども、この委員会で建設的な議論を進めるためにも、次回以降で結構ですので、私どもの出した各企業の年金関係者の質問というか、疑問についての御説明をぜひお願いいたします。
○神野委員長 ありがとうございます。運営上、ちょっと考えさせていただきますが、いずれにしても対応させていただければと思います。
 あと、いかがでございますか。駒村委員、いいですか。
○駒村委員 はい。
○神野委員長 それでは、委員の皆様から一わたり、今回のテーマにつきまして御議論を頂戴したと思いますので、本日の議論はこれで終了させていただければと思っております。
 一般的に言うと、政策はそうなのですが、政策の下にあるさまざまな小さな諸課題というか、小目的というのは、いつも矛盾し、対立する場合が運命づけられていて、きょうの御議論でも、基本的には、例えば解散を推進していくような環境づくりの政策を打てば、一方で公的年金の存在を否定しかねないような公平性の問題とか、矛盾が出てくるわけです。
 いずれにしても、政策はそうした諸矛盾をいかに和解させるかというところで立案せざるを得ないわけですから、先ほどの経済的な状況下における母体企業の経営政策などを含めて、次のまとめるような段階では、少しそれらを和解するような方向が模索できればと考えております。
 したがいまして、本日のこの課題については、これで終了させていただきますが、よろしいでしょうか。
余計なことを言うようですが、政治状況がいろいろ混乱しておりますが、予定どおり年内につきましては3つのテーマ及びヒアリング等々について進めさせていただいて、年が明けてからまとめの段階。まとめの段階は、右を見たり、左を見たり、あるいはさまざまな施政方針とかか予算の方針とかが出そろってくるだろうと思います。
 ここについても、さまざまな課題を検討する上での材料も出てくるだろうと思いますから、その段階で、やることは同じことなのですが、まとめの段階に入らせていただきたい。そのときに考慮させていただきたいと思います。
 事務局のほうから何かございましたら、どうぞ。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 今、柿木委員のほうからもございましたけれども、事務局のほうにこういう資料ということがございましたら、いただければ、また可能な範囲で御用意させていただきたいと思います。また、委員としての御提出資料等がございましたら、お申しつけいただければと思っております。
 次回は、11月27日火曜日16時からを予定しております。場所等の詳細は、追って御連絡させていただきます。
○駒村委員 ヒアリングはいつやるのでしたか。
○神野委員長 どうぞ。
○渡辺企業年金国民年金基金課長 次回は、まだ引き続き論点ということで、その次の回ということで、今、調整しております。ヒアリングも1回と思っておりますが、場合によっては何回かに分けていくこともあり得るかと思っております。
○神野委員長 よろしいですか。
 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。議事運営に御協力いただきまして、時間を余して会議を終えることになりました。本当にどうもありがとうございました。


(了)

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