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2012年10月10日 第102回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成24年10月10日(水)10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館17階 専用第21会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

【公益代表委員】

荒木委員、岩村委員、田島委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】

工藤委員、島田委員、新谷委員、冨田委員、春木委員、宮本委員

【使用者代表委員】

池田委員、伊藤委員、小林委員、田中秀明委員、田中恭代委員、宮地委員、山中委員

【事務局】

中野労働基準局長、山越審議官、土田総務課長、村山労働条件政策課長、岡労働条件政策課調査官

○議題

1 「労働契約法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令案要綱」、「労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱」等について
2 個別労働紛争解決促進法の施行状況について(報告)
3 その他

○議事

○岩村分科会長 それでは、委員の皆様、予定された方は全員おそろいでございますので、ただいまから第102回「労働政策審議会労働条件分科会」を始めることにいたします。
 本日は、公益代表の権丈委員と村中委員、労働者代表の?松委員が御欠席でございます。
 議事に入ります前に、委員の異動があったということでございますので、定足数とあわせまして、事務局のほうから報告をいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○岡調査官 前回分科会以降、新たに就任された委員を御紹介させていただきます。なお、資料No.1として委員名簿をお配りしておりますので、御参照願います。
 労働者代表の委員が新たに1名就任されました。中島委員にかわり、自動車総連中央執行委員労働条件局局長の冨田珠代委員が就任されました。
○冨田委員 冨田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○岡調査官 次に、定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または、公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。お手元の議事次第に沿って進めてまいります。
 本日の議題といたしましては、まず「『労働契約法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令案要綱』、『労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱』等について」であります。
 前回の分科会ではこれらの要綱につきまして、厚生労働大臣から諮問を受け、議論をいただいたところでございます。本日も引き続き、この要綱について御議論をいただきたいと考えております。
 御意見あるいは御質問がありましたらお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。
 よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
 それでは、当分科会といたしましては、「労働契約法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令案要綱」、「労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱」などにつきましては、妥当と認めて労働政策審議会の本審に報告をし、さらに厚生労働大臣に答申をしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岩村分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきたいと思います。
 では、事務局のほうで答申案を配っていただき、読み上げていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岡調査官 それでは、読み上げさせていただきます。今、お手元に2枚ございますが、2枚目の労働条件分科会長から労働政策審議会会長への報告について読み上げさせていただきます。

(案)

(別紙)
平成24年10月10日

労働政策審議会
  会長  諏訪 康雄殿

                    労働条件分科会
                     分科会長  岩村 正彦

 「労働契約法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令案要綱」、「労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱」等について


 平成24年9月19日付け厚生労働省発基0919第1号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本分科会は、下記のとおり報告する。



 厚生労働省案は妥当と考える。

以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 労働政策審議会令第6条第9項及び労働政策審議会運営規定第9条の規定によりまして、「分科会の議決をもって労働政策審議会の議決とすることができる」と定められております。
 したがいまして、ただいま配付いたしました内容で会長に報告をし、この報告のとおり厚生労働大臣宛てで答申を行うことにしたいと考えますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岩村分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように取り計らいたいと存じます。
 委員の皆様の御協力に心から感謝を申し上げます。
 ここで労働基準局長から御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中野局長 ただいま政令案、省令案などにつきまして妥当と認める旨の御報告を取りまとめていただきましたことにつきまして、感謝を申し上げます。
 これを踏まえまして速やかに政省令の改正作業を行い、また、積極的な周知を行いながら、その円滑な施行に努めてまいります。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
○岩村分科会長 それでは、続きまして、議題の2番目に移りたいと思います。「個別労働紛争解決促進法の施行状況について(報告)」ということでございます。
 事務局のほうで資料を用意していただいておりますので、それにつきまして御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中大臣官房地方課労働紛争処理業務室長 労働紛争処理業務室長の田中と申します。よろしくお願いいたします。
 資料No.5に基づきまして、個別労働紛争解決促進法の施行状況につきまして御報告を申し上げたいと思います。
 恐縮でございますが、座らせていただきまして御報告申し上げます。
 この法律でございますが、平成13年の10月から施行されております。今年で11年という制度でございます。
 ページをおめくりいただきまして、法律の概要、それから3ページ目にシステムの概要につきまして図示したものがございます。
 3ページ目を使って若干御説明を申し上げたいと思います。
 この法律がつくられました背景としましては、個々の労働者と事業主の方の紛争、これを簡易、迅速に解決する。裁判制度によって解決するということも、もちろん、従来あったわけですけれども非常に時間がかかる。これを簡易、迅速に解決するための手段として創設をしたということでございます。
 仕組みについて3ページを使って申し上げますと、まず、さまざまな紛争についての相談案件が都道府県労働局の総合労働相談コーナーというところに持ち込まれるということでございます。この中には単に、制度の概要はどうなっているのか、仕組みはどうなっているのか、このような問い合わせから、労働基準法違反に当たるのではないかという問い合わせまで、さまざまなものがございます。このようなものの中で民事的な紛争問題について取り扱っていくというのが、この制度でございます。
 その中でツールとしては2つありまして、都道府県労働局長による助言・指導というものがツールとしてございます。それから、もう1つございますのが紛争調整委員会、これは学識経験者の方々を初めとするあっせん委員の方で構成されているわけですけれども、その紛争調整委員会によるあっせんです。あっせんまたは助言・指導、この2つのツールを使って解決を図っていくということでございます。
 ページをおめくりいただきますと、助言・指導、あっせんはどういうものかということと、簡単な事例を掲載させていただいております。
 助言・指導につきましては、事実関係を調査・整理した上で法令、判例等に基づき紛争当事者に対して問題点を指摘する。例えば、これは判例法理に照らすとちょっと問題があるかもしれません、こういう問題点を指摘して解決の方向性を示唆する。そのことによって自主的に紛争を解決するというのが助言・指導でございます。
 あっせんにつきましては、あっせん委員の方々が紛争当事者の双方から事情聴取して、主張の要点を確かめて話し合いを進めていく。その中であっせん案を作成していく。こういったことでございます。
 非常に簡単な例ですが、5ページに例を載せております。
 例えば「いじめ・嫌がらせに係る助言・指導」ということでございますけれども、いじめ・嫌がらせの事案について、やめてほしいということと適切な勤務シフトを組んでほしい、こういう助言・指導を申し出た案件でございますけれども、これについては当事者によって話し合って解決を図る。簡単に書いておりますけれども、恐らく裁判事例でありますとか、そういったものも示しながら話し合いによる解決を促すというものでございます。
 あっせんの例ですが「整理解雇に係るあっせん」ということでございます。これは整理解雇に遭ったということですけれども、その補償金として半年分の給料を求めたい、こういうあっせんの申し出があったという事例でございますけれども、双方の主張を聞いて当事者間の調整を図ったところ、解決金として25万円を支払うことで合意、解決に至ったという事例でございます。
 簡単な事例ですけれども、このようなものでございます。
 ページをおめくりいただきまして6ページでございますが、昨年度の相談、助言・指導、あっせんの件数の概要でございます。
 先ほど申し上げました総合労働相談コーナーには、110万件以上の相談が寄せられております。この中で民事上の個別労働紛争の関係の相談件数、これは25万6,000件ということでございます。その中で助言・指導あるいはあっせんを申し出てきた件数というのが9.590件、6,510件ということでございます。
 特徴といたしましては、助言・指導の申し出件数はどんどん伸びているというような状況でございます。また紛争の内容も非常に多様化しておりまして、従来、非常に多かった「解雇」の事案というのが、相対的にですけれども減っている。件数が激減しているというわけではなくて、相対的に占める割合が減っているということでございます。かわりに「いじめ・嫌がらせ」これはパワハラも含めてですけれども、その件数が増加をしているというような状況でございます。
 それから、簡易、迅速な制度ですので早く解決を図る。そういう意味では1カ月以内に助言・指導を処理しているものが96.8%。それから、あっせんについては2カ月以内に処理できているものが94.5%ということでございます。
 8ページをごらんいただきたいと思います。先ほど申し上げましたように「解雇」の関係の相談件数が相対的に減っている、あるいは「いじめ・嫌がらせ」が徐々に上がっている、こういうことを示しているものでございます。
 詳しいものについては9ページに掲げております。ちょっと見にくい棒グラフですけれども、下のほうが解雇の事案ですが、徐々にパーセンテージが減っている。かわりに、上から2番目がいじめ・嫌がらせですけれども、だんだんふえている、こういうことが言えるかと思います。
 続きまして、10ページでございますけれども、就労形態別の相談者数、相談割合ということです。正社員の割合が最も高いわけですが、ここはまだ不明の部分もありますけれども、やや非正規労働者のほうが実際の労働者数に比べると高くなっているのかなということが言えるかと思います。
 11ページでございます。先ほど申し上げました解決の手段、助言・指導とあっせんがあるわけですけれども、その状況でございます。先ほど申し上げましたように、前年度に比べて助言・指導件数が大幅に増加をしている。これは恐らく、早く解決を望むもの、すぐに解決をしてほしい、こういうものがふえているのではないかというふうに思っております。
 あっせんの件数については、リーマンショックのころに非常にふえたわけですけれども、そこから少し22年度下がりまして、23年度はやや増加しているという状況でございます。
 12ページでございます。助言・指導の内訳でございますけれども「解雇」に関するものが最も多いわけですが、先ほども申し上げましたようにパーセンテージとしては徐々に下がっている。かわりに「いじめ・嫌がらせ」でありますとかがふえているということでございます。あと「労働条件の引下げ」も多いという状況でございます。
 13ページでございます。あっせんにつきましても「解雇」に関するものが徐々に減ってはおりまして35.2%ということでございます。「いじめ・嫌がらせ」案件が徐々にふえているという状況でございます。
 14ページ、15ページが、どのような労働者の方が申し出てきたかということでございます。「正社員」が割合としてはもちろん多いのですが、やはり実労働者数のその割合から考えると非正規の方が多いのかなということが言えるかと思います。これはあっせんについても同じです。
 最後に16ページでございますが、簡易・迅速を旨としておりますので、どれぐらいのスピードでやっているかということでございます。1カ月以内に終わらせるというのが努力目標なのですが、23年度は96.8%。ほとんどのものが1カ月以内に終わっているということでございます。9,580件処理したうち、9,325件について助言・指導を実施している。取り下げられたものでありますとか、あるいは、例えば申し出た事案が事実と異なるということで打ち切られたものが多少ありますけれども、ほとんどのものについて助言・指導を実施しているということでございます。
 あっせんにつきましては、手続を終了したものは23年度は6,362件でございます。このうち合意が成立したものが2,438件ということでございます。あと、取り下げられたものが361件、それから、紛争当事者の一方が手続に参加しないなどの理由で打ち切られたものが3,550件、55.8%となっております。3,550件のうち3分の2がいわゆる不参加、一方が参加しなかったという理由でございます。3,550件のうちの3分の1が両者が折り合わないということで、これはもう打ち切った方がいいという判断で打ち切ったものということでございます。全体で2カ月以内が94.5%ということですので、これもほとんどのものについて2カ月以内に手続を終了している、こういう状況でございます。
 我々としても、量的に非常に紛争案件はふえておりますけれども、しっかり迅速に処理をしていくということが重要ですけれども、質の確保というものに、今後、努めていきたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。よろしくお願いします。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 ただいまの「個別労働紛争解決促進法の施行状況について」の報告につきまして、御意見あるいは御質問がありましたらお願いをしたいと思います。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今、御報告をいただいた内容は、非常に時宜を得た内容であると思います。私たちも1カ月ほど前に、一般の方も対象とする個別労働紛争に関するシンポジウムを開催いたしましたが、ちょうど労働審判制度が導入されて6年、あるいは、本日御報告いただいた個紛法が施行されて10年強が経過いたしました。個別労働紛争解決のためのシステムが整備をされてきている中で、さまざまなシステムをどう調整するかとかいうことも見直しの時期に来ているのではないかと思っております。また、山川先生も『労働紛争処理法』という御著書を刊行されて、非常に高い評価を得られておりますように、今、この個別労働紛争は労働関係では重要なテーマになっていると考えます。その上で何点か質問と意見を申し上げたいと思います。
 まず1点目は、各システムが走っている中で、紛争内容によって、どのシステムに振り分けていくのかという、振り分けの機能についてです。
 全国の総合労働相談窓口に110万件、4年連続で100万件を超える相談がよせられ、そのうち民事上の紛争も4年連続で20万件を超えるという状況が続いています。このほかにも労働審判は年間3,500件、都道府県労働委員会での個別労働紛争のあっせんが年間約500件、また、都道府県の知事部局でもあっせん、相談等を行っています。その中で、労働に関する相談窓口として1番拠点が多いのが個紛法の総合労働相談窓口であり、総合労働相談コーナーが全国で380カ所ほど設けられています。今後は、紛争の内容によってシステムに向き・不向きもあるため、適切な手続選択のためにも、それぞれのシステムの特徴を生かした振り分けを、どの機関が担うのかということを考えていく必要があると思います。
 2点目は、380カ所ほどある総合労働相談コーナーに、700名を超える方が総合労働相談員として配置をされており、その構成を見てみると、社労士の方が約6割、企業の人事関係経験者の方が約2割ぐらいおられるとお聞きしています。その中で労働組合の役員やOBが非常に少ないというのは少し気になるところですが、いずれにしても全国に張りめぐらせたネットワークで国としてサービス体制を整えていただく中で、相談員の方の質と量のあり方についても考える必要があると思います。特に社労士の方を中心に総合労働相談を担っていただいているわけですが、たしか社労士試験の中には、取締法規である基準法や労働保険等の科目はあっても、民事上の紛争を専門に勉強する科目はなかったかと記憶しております。追い返し屋と呼ばれたり、相談に来たらみんな追い返してしまうというような対応をされている方も中にはいると漏れ聞くところもあります。相談員採用における質の維持とその後の育成をどのように行っているのか、聞かせていただきたいと思います。
 3点目は、本日御報告いただいた資料に、紛争調整委員会であっせん申請を受理した事件について、紛争当事者の一方が手続に参加しないなどの理由で、あっせんが打ち切られたケースが55.8%あると書かれています。
 このあっせん手続に当事者を参加させ実効性をあげるためには、例えば労働審判制度の出頭命令のような権限を付与するとか、何らかの工夫が必要であると思っております。せっかくあるシステムがもったいない気がいたしますので、あっせんの実効性を上げるための確保策というのをどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
 最後に、冒頭の繰り替えしとなりますが個紛法の施行以降、個別労働紛争の解決促進のためのシステムがかなり充実をしてきております。これは個紛法が施行されて10年経過し、労働審判も制度の導入から6年たつわけですので、個紛法も見直しの時期に来ているのではないかと考えております。個紛法制定にあたっては、労政審に特別の部会を設置したようですが、この見直しの検討体制については今後どのようにお考えになるのか、労政審のどの部会で受けるのかも含め、厚労省としてのお考えがあったら、聞かせていただきたいと思います。
 長くなりましたが以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局お願いいたします。
○田中大臣官房地方課労働紛争処理業務室長 4点の御質問をいただいたわけなのですが、まず1点目でございますけれども、いわゆる振り分けの問題でございます。
 確かに総合労働相談コーナーにたくさん相談が来まして、その中で多種多様な相談があるわけでございます。都道府県労働局で取り扱ったほうがいいもの、あるいは、これはもう裁判でないと無理ではないかというようなもの、あるいは、労働審判のほうが向くようなもの、多分あるとは思うのですけれども、なかなか相談を聞いただけでそれを即座に判断するのはちょっと難しいかなというふうに思っております。ただ、我々も相談コーナーで相談の機会にどうしろとは言えないのですけれども、ただ、ほかの制度でこういう制度はありますよと。例えば、労働審判はこういう制度です、それから、労働委員会でもこのようなあっせんの制度をやっています、さらに、裁判制度はこういうものがありますというような、他制度についても聞かれたらしっかり説明をするようにと、こういうふうなことを指示しておりまして、その中で振り分けということではないですけれども紛争当事者の方々が御判断をして、これは労働局にこのまま行こうという方がいらっしゃったり、あるいは、これは労働審判に行ってしまおう、そういう選択はできるように、今までもやっておりますけれども、しっかりと他制度についても周知をしていきたいと思っております。
 それから、2番目の労働相談コーナーで相談を受けています相談員の採用、研修についての御質問でございますけれども、採用につきましては、いろんな相談を受けて、これは労働基準法違反なのかとか、あるいは、解雇の判例法理についてちゃんと説明しなくてはいけないとか、これは別の労働関係の制度の説明をしなくてはいけないのかと、さまざまな振り分けをしなくてはいけませんので、そのための専門知識として労働関係の法令に対する知識は一定程度ある方、こういう基準で選んでおります。ただ、これは試験をする場合とそうでない場合があると聞いております。実態としては、簡単な試験をして選んでいる場合と、そうではなくて、履歴書等々で判断をしているという場合があるというふうに聞いております。
 研修につきましては、相談員として採用した後に、我々のほうでつくっておりますマニュアルが何種類かございまして、その相談マニュアル、それから取扱要領等についてしっかり研修をする。あるいは、我々が地方局に情報提供をしております好事例について順次研修をする。さらに、今年は本省に集めて、例えばいじめ困難事案といいますか、パワハラの事案でありますとか、そういう難しい事案について集合研修しまして、伝達研修する。こういう逐次研修をしていくという体制をとっているところでございます。
 3番目でございますが、これはあっせんの参加率向上のための確保策ということなのですけれども、我々も参加率の向上を図るというのは課題であろうというふうに思っております。
 例えば、全部の労働局でやっているわけではありませんけれども、参加しないと当事者が言った場合に、いや参加したほうが裁判に行くよりも簡易・迅速に済みますよと、こういうメリットを説明して参加率を向上させる。こういう取り組みをやっている労働局もありますので、そういう運用上の改善というのを図っていければなと考えているところでございます。そういう好事例をしっかり周知をしていきたいなと思っております。
 それから、4点目でございますが、個紛法の見直しをということなのですけれども、今回報告はさせていただきましたけれども、我々もしっかり実態をつかみ切れていないという状況なのかなと思っておりますので、今はこの制度のどういうところが課題かということもしっかり中で勉強していきたいというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 新谷委員、いかがでしょうか。どうぞ。
○新谷委員 個紛法は、もともと労働行政の中で、労政審で検討して成立してきた流れがあり、一方、司法制度改革の流れの中で成立してきた労働審判制度があります。個別労働紛争がここまで増加し、それぞれのシステムがばらばらに動いている中で、個別労働紛争システム全体の最適解を求めていくには、どこかが音頭をとって検討をする必要があり、ここは労働行政に全体をコーディネートしていただきたいと考えます。
 今、田中室長から、勉強していきたいという答弁がありましたが、例えば研究会を立ち上げて学識経験者のお知恵をかりるなど、もう少し検討体制を充実させ、法施行10年経過後の検証を進めるべきと考えます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、山川委員、お願いします。
○山川委員 今、御指摘のありました紛争の中身等に応じた適切なシステム、手続の選択はやはり重要だと思います。一方で、紛争の性質とか手続の性質を考えるとともに、他方で当事者の方々がどういう意向を持っているのかということも必要ですので、それらを総合することになろうかと思います。それぞれのシステムの中での検討のほかに、現在、たしか私の記憶では労働局と労働委員会と裁判所も含めて、全ての都道府県かどうかわかりませんけれども、連絡協議会があったと思いますので、そういうところで横断的な連携とか情報交換を進めていくというのも一つの手かなと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、田中委員、どうぞ。
○田中秀明委員 今、山川先生のおっしゃるとおりではないかと思っています。新谷委員の問題意識はわかるのですが、中央集権的に巨大なシステムというイメージではなくて、今のいろんなシステムもばらばらになってはいるのですが、それぞれが競合しつつ民主的に、それぞれが選択していくというような感じでよろしいのではないかと思っております。
 それに、そもそも今、御説明があった個紛法による解決は、今の時点ではある意味、迅速な解決が進んでいるというふうに評価していますので、事務局がおっしゃっているように、まず、制度の運用実態等を勉強していただきたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 使用者側はこれでいいと言われましたが、労働側はそのようには思っておりません。先ほど申し上げたように、あっせんが6,500件あったうち55%が一方当事者が不参加によって手続が進まない現状をどう見るかだと思うのです。これをもってよしとするのは、いかがなものかと考えますし、それぞれのシステムがばらばらに動いていて良いのかというところにも問題意識を持っております。個紛法の見直しの検討体制の構築については、学識の方々も含めてぜひ検討を進めていただきたいと考えます。
 それと、山川先生からご発言いただいた、労働局と労働委員会と裁判所も含めた横断的な連携や情報交換については、私たちも聞き及んでおります。ただ、私たち労働団体も地方連合会等で、労働相談を行っており、年間で1万6,000件から7,000件ぐらい相談を受け付けているのですが、地方連合会によっては、その連絡協議会へ参画できないところも一部出ております。それは使用者側が出てこないことが理由のようでして、使用者側も経協で労働相談をやっておられるところがあり、そこが出てこないと労使一体の原則から、労側だけ出ることはできないということのようです。ぜひそこは使用者側も一体となっていただいて、この制度の改善に向けて労使で取り組んで行くことを、改めて提起させていただきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 新谷委員、続けてどうぞ。御遠慮なく。
○新谷委員 本題のほうが早く終わったものですから、もう1点、別件で申し上げたいのですがいいですか。
○岩村分科会長 別件に移られますか。では、とりあえず、この件についてはほかに御意見がないということでよろしいでしょうか。
 それでは、多分、議題としてはこれで2番目のものは終わったということにさせていただきまして、あとは「その他」ということですが、こちらのほうでは特にその他というものを用意しておりませんけれども、いかがでしょうか。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 その他ということで、法制審と労政審の関係について、厚労省のお考えをお聞きしたいと思います。
 現在、法務省で民法の債権法の改正の審議が3年近く進んでおりまして、今、2巡目の論議のちょうど雇用のところまで審議が進んでおります。
 債権法の改正によって、労働分野にも大変大きな影響が及ぶことが懸念されますが、その法決定のプロセスを労政審としてどう捉えるか確認させていただきたいと思います。
 先週の10月2日の法制審議会債権法部会で、民法の629条第1項のいわゆる有期労働契約における黙示の更新の論点について審議がなされました。民法629条は「雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する」とし、1項の後段で、無期の労働契約の解除の手続を定めた「627条の規定により解約の申入れをすることができる」と規定しています。
 この629条の黙示の更新の審議における法決定のプロセスをどうするかについては、法制審議会の1巡目の議論の際、「この論点は非常に労働に関係深い分野であるので、公労使三者構成による労働政策審議会において審議をするべきである」ということを、当時委員であった私から発言し、また厚労省からも同じ趣旨の発言があったと記憶しております。
 その後、当分科会でも2011年5月31日の第87回会議において、有期労働契約の黙示の更新の審議がなされたわけですが、厚労省の事務局からは、当時、非常に労働契約法の有期法制の論議が白熱した時期でありましたので、「公労使で議論できる状況にまだ整理できていない」と答弁をされ、結局この労政審の検討の場では結論を見出すことができませんでした。
 先ほど申し上げたように、先週、法制審では本論点についての2巡目の審議が行われたわけですが、その時の法務省の資料の中には、労政審の有期労働法制の場では結論を見ずに先送りとなった経過を踏まえた記載がなされており、法制審でも深入りして検討しないという提案がなされております。ここで申し上げたいのは、せっかく法決定のプロセスを、法制審から三者構成である労政審に持ってきたのに、受け取った労政審のほうで十分論議をせずに、また法制審に返してしまうのか、ということです。
 雇用のルールの法決定のプロセスは三者構成主義にもとづく労働政策審議会によるべきとする論者からも「この論点について労政審にまかせると決着がつくまで何年かかるかわからない、法制審に議論が戻った今、法制審で結論を出すべきである」という意見が聞こえてきております。厚労省は、法務省から投げられたボールをぜひきちっと受けとめて、しかるべき時期に論議をしていただきたいと考えます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 事務局のほうは何かございますか。
 では、政策課長、お願いします。
○村山労働条件政策課長 御指摘いただいた点でございますけれども、昨年5月のやりとりについて、ただいま新谷委員から御紹介がありました。その後、選任された委員の先生もいらっしゃるので改めて繰り返しますと、経緯といたしましては、8月に取りまとめられました中間的な整理、これは有期労働契約をめぐるさまざまな論点に関しまして労使それぞれの御意見を整理いただいたものでございますけれども、その中でこの部分は各側一致の認識として、
 現在、法制審議会民法(債権関係)部会において民法(債権関係)の見直しについて議論が進められており、本論点に関連するものとして、有期雇用契約の黙示の更新について規定する民法第629条の規定等も検討課題となっているところ、当該課題は労働政策上の課題であり、労働政策審議会で議論をすべき課題であることとの認識は本分科会において共有されているが、今後の議論に際し留意する必要がある。
というお取りまとめをいただいております。この点について重く受けとめていく必要があると考えております。
 他方、先ほど新谷委員からも御紹介のありましたように、法制審における議論が進んでおりまして、御紹介のあった雇用関係のところについても逐次議論が行われている状況にあるというふうに考えており、私どもも関係官として参加させていただいておりますので、その点は全くおっしゃるとおりの状況と考えております。
 その過程におきましても、先ほど御指摘のうちの1点は、労働法制にかかわる内容の検討に当たっては三者構成の労働政策審議会で検討することが不可欠で、実質的な見直しにかかわる議論を行うのであれば、私どもの審議会の議論に委ねられるべきであるという姿勢は、もちろん堅持しておりますし、その点もまた労使とともにぶれのないものというふうに考えております。
 現在の法制審の検討状況は、確かに雇用の部分についての議論が一巡しているのは事実でございますが、他方で、中間的な整理における各論点に関してかなり幅広な、また、雇用に影響の及ぶような、より包括的な議論も一方では進行しているところでございまして、法制審のスケジュール感としては来年2月目途に取りまとめ予定の中間試案に向けて御議論を深めている段階と理解をしております。
 事務局といたしましては、先ほども御指摘がございましたけれども、今後も法制審における議論の状況は私どもも関係官として参加しておりますので、しっかりと注視し、また参画しながら、その民法改正に関する一定の方向がまとまる時期、具体的にはその中間試案が見えてくるような段階になれば、各側ともよく御相談した上で、どのような持ち方になるかわかりませんが、労働法制における対応について本分科会に御議論いただくことも含めて、よく分科会長とも御相談させていただきたいと考えております。現段階では、まだ法制審のほうも議論中な面もあるというふうに受けとめているので、本日のところはこういったことで御理解いただければありがたいと思っております。
 以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 新谷委員、よろしゅうございましょうか。
 ほかに今の点についてございますか。よろしいでしょうか。
 そうしますと、本日予定しておりました議題は以上ということになります。
 最後に事務局のほうから何かございますでしょうか。
○岡調査官 特にございません。
○岩村分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了させていただきます。
 なお、議事録の署名でございますが、労働者代表につきましては工藤委員に、使用者代表については池田委員に、それぞれお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。
 本日はどうもお忙しい中、ありがとうございました。これで閉会といたします。


(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

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