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2011年12月19日 第97回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成23年12月19日(月)
17:00〜19:00


○場所

中央合同庁舎5号館17階 専用第21会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

【公益代表委員】

荒木委員、岩村委員、権丈委員、田島委員、村中委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】

工藤委員、新谷委員、?松委員、中島委員、宮本委員、安永委員

【使用者代表委員】

池田委員、伊丹委員、伊藤委員、田中委員、三浦委員、宮地委員、輪島委員

【事務局】

金子労働基準局長、熊谷審議官、前田総務課長、田中労働条件政策課長、青山労働条件政策課調査官

○議題

1 有期労働契約について
2 その他

○議事

○岩村分科会長 それでは、ちょっと早いですが、委員の皆様全員おそろいでございますので、ただいまから第97回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催することにいたします。
本日は、労働者代表の島田委員が御欠席ということでございます。
 では、議事に入ります前に、定足数につきまして事務局の方から御報告をいただきたいと思います。お願いいたします。
○青山調査官 定足数について御報告いたします。
労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと存じます。手元の議事次第に従って進めてまいりたいと思います。議題は「有期労働契約について」ということでございます。
 前回の分科会では、「有期労働契約の在り方に関する論点(改訂)」というペーパーをお出ししまして、それを基に御議論をいただき、さまざまな御意見をちょうだいしました。その際、委員の皆様からは持ち帰って検討したいという御発言もございました。そこで、今日は、まず労使それぞれの側から改めて御意見がありましたらお伺いしたいと存じます。いかがでございましょうか。
では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今、分科会長の方から前回の論点ペーパーに対する意見をということでございます。前回は6つの論点についてお示しをいただきましたので、そのうち私どもとして意見を何点か申し上げたいと思っております。
まず、1点目の「有期労働契約の締結への対応」ということで、入り口規制の部分であります。ここについては、「慎重な検討が必要」という最後の締めでございますけれども、前回申し上げましたとおり、今後の検討課題として課題は残っているということで、引き続きの検討課題としていただくような書きぶりに是非御検討いただきたいということでございます。
2点目の「有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応」ということで、いわゆる出口規制であります。これについては、「有期労働契約が一定年数を超えて反復更新された場合には、労働者からの申出により、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み」ということで、上限規制の導入について提案をいただいています。御承知のとおり、我が国はこれまで有期労働契約に対する直接的な規制というものがほとんどなかった現状から言えば、今日問題となっております有期労働契約の雇用の不安定とともに、非常に数が増えてしまっているということに対して、今回のこの上限規制というものは有期労働契約に対して無期化を促す法政策であって、雇用の不安定が問題になっている有期労働契約をより安定的な期間の定めのない契約に誘導するという点で、雇用の安定に向けた大きな一歩であり、更にこの内容について検討を深めるべきと思っています。勿論、これは前々から申し上げておりますように副作用の懸念がありますので、副作用の懸念をどのように乗り越えるかという点はございますが、この出口規制について更に検討を深めていくべきと思っています。
一方で、前回も論点に出ておりましたけれども、利用可能期間を何年とするのかという、規制の年数の長短については、無期に転換する割合でありますとか、副作用等々の問題とも直結いたしますので、この年数をいかほどにするのかということについては、やはり慎重な検討が必要ではないかと思っております。韓国は2007年に2年という上限規制を導入したわけでありまして、無期雇用の促進という意味では一定の効果があったということでありますが、約5割が雇用が終了しているという現状等々もありますので、ここの年数については非常に見きわめが難しく、慎重に検討する必要があると思っております。
それと、日本で初めてこういう上限規制をかけるわけでありますので、この上限規制が導入された後、雇止めの状況であるとか無期転換の割合等々、施行後の状況をきちんと調査する必要があると思っておりまして、今回の規制が有期の就業形態にどのような影響を与えるのかということについて、実態を踏まえつつ再検討、見直しをする措置についてもこの検討の中に盛り込んでおくことがふさわしいのではないかと考えています。
3点目の「不合理な『雇止め』への対応」です。これについても既に定着しております2つの最高裁判例、東芝柳町工場事件と日立メディコ事件、この2つの最高裁の判決を法律として制定法化するということは非常に前向きにとらえたいと思っております。ただ、前々から申し上げておりますように、東芝柳町工場事件の実質無期タイプという、世の中一般に広まっているとらえ方が、手続のずさんさのみがクローズアップされて、更新手続さえ踏んでおれば何回更新しても実質無期にならないといった単純な図式でとらえられている、そういう現実があるということを留意する必要があると思っております。今後の制定法化の検討に当たっては、やはり実質無期といった場合の使用者の言動であるとか、合意に至る経緯、態様、合意の内容等々を広くとらえるという意味での本来の読まれ方といいますか、東芝柳町工場事件で示された判旨に従って制定法化をすることを望みたいと思っております。
4点目の「『期間の定め』を理由とする不合理な処遇の解消」についてであります。これについては、私ども、前々から法制定が必要と考えていた部分でありまして、民事的効果を持った規定としてこの規定が入るということについては非常に大きな意義があると思っておりますので、これについても検討を進めるべきだと思っております。
最後に、5のところに示されております雇止め予告と予告手当、それと有期を理由とする理由の明示については、「その必要性が相当程度高いものとはいえないのではないか」という締めになっておりますけれども、これについても引き続きの検討課題とつながるような書きぶりに是非御検討いただければと思ってございます。
長くなりましたが、以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
前回12月14日に、本日配られております資料?1、論点(改訂)について、お預かりして私どもも検討させていただくということで持ち帰ったわけでございます。その検討の結果を申し上げたいということであります。特に私どもの方は論点2の件について申し上げてみたいと思います。
まず、検討の結果でございますけれども、論点2におきます利用可能期間の制限を設けるということについては反対です。以下、6つほどその理由について述べたいと思っております。
まず第1点は、検討の時間が余りにも短いということを申し上げておきたいと思います。私は個人の資格でこの分科会に参加をしているわけではありませんので、持ち帰った結果、私どもの中の組織で関係する業界、個別の企業、さまざまな方に御相談を申し上げなければいけない。それを踏まえて議論をしているつもりでございます。12月14日に持ち帰って、資料?1に示されていること、14日に当審議会で議論したことや、お聞きしたこと、これをすべて書き取って、それで組織内で御説明をするということの努力をさせていただきましたけれども、余りにも時間が短いということで、今日までにその結論を出すということまでは至らなかったということでございます。その点で言うと、今後の議事運営についても、少なくとも数か月前にこういう具体的な論点を審議会に示していただいて、中で議論をする時間を十分とっていただきたいと思っているところでございます。
 第2点目、これは新谷委員も御指摘になった点でありますけれども、ここにあります利用可能期間を何年とするのかとか、クーリング期間をそもそもここの表現では設けるのか、設けないのかもわからないわけであります。そういう意味で全体像が12月14日でお聞きした中では必ずしもはっきりしないということでございます。
 こういう状況では賛成というようなことは特に言えないわけでありまして、その点で、利用可能期間、クーリング、雇止め防止策、これはすべてパッケージでありますので、その組み合わせによって政策的な効果はおのずと違いが出てくると思いますので、それが明確でない中では反対と言わざるを得ないのではないかと思っているところでございます。
第3点、特に雇止め防止策ということについては大変重要なポイントだと考えております。これまでの議論でも、また中間的な整理でも、使用者側からは何度も何度も雇止めの防止が重要だということを指摘させていただいたと考えております。利用可能期間の制限を導入すれば、必ずその上限手前での雇止めということが誘発をされるということになります。仮に導入するのであれば、有効な防止策を事前に準備をしておかなければ労働市場に非常に大きな影響を及ぼすのではないか、禍根を残すのではないかと考えているところでございます。
第4点、今回の規制が一律に導入されるということは大変危険なことなのではないかと考えております。これは企業側には非常に規制の強化となるわけですけれども、立場を変えて有期の契約で働いている労働者の方々にとってもこれがいいことなのか、一体だれのための改正なのかということを考えざるを得ないと思うわけであります。
これも従来から申し上げてきたとおり、有期の不合理・不適正な利用を防止するという観点が今回の議論では非常に重要だと何度か申し上げてきたわけですが、資料1、論点(改訂)に「濫用的利用の抑制」と書いてありますけれども、それがそもそも何に当たるのかということも不明確なのではないかと考えているところであります。単に反復更新して結果として長くなっただけというような有期労働契約者に論点2のような規制を本当に入れる意味があるのだろうかということを考えているわけです。特に「主婦パート」と呼ばれている、自分の時間を有効に活用したり、または社会とのつながりを求めているというような働き方をしている方は現に多くいらっしゃいますし、そういう有期契約労働者にとって今度の一律的なルールの設定が大変混乱を招くのではないかと思っております。
一方で、不合理・不適正な利用という観点で、若年者、特に主たる生計者であるとか、そういう有期労働契約で働いている人たちが持っている課題というものをもう少し深く議論をする必要があるのではないかと考えております。
それから、第5でありますけれども、技術革新、イノベーションということで、職場の状況というのは現状ではかなり変わってきているのではないか。そのことがどうも議論の中に含まれていないのではないかと考えております。職場では一人ひとりパソコンを持って仕事をしているわけでありまして、決まり切った仕事というのはどんどん人からパソコン、コンピュータに変わっているのではないか。企業の現場に今、残っているのはコンピュータにできない仕事、またはコンピュータにさせるととてもコストがかかる仕事、そういうような仕事があって、それは機械化するとお金がかかるか多くの人ができる仕事で、こうした賃金は相対的に低くなる、そういうふうに職場が変わっているのではないかと思います。
一方で、コンピュータにできない仕事というのは、判断であったり、企画であったり、人とのコミュニケーションを大切にする仕事、そういう仕事は高度な技能を必要とする仕事で、そういう仕事ができる人というのが相対的には少なくなっていて、こうした仕事は賃金が高くなっている。技術革新の影響によって大きく職場の状況が変わっている。企業活動の結果生じる雇用というものについてこのような変化が生じているにもかかわらず、単純に雇用の原則というものが直接雇用であるとか無期である必要があるということによって利用可能期間の制限とされるというのは本当に大事なことなのかどうかという議論をもう少し更にする必要があるのではないか。
特に論点1のところに「雇用機会の減少の懸念」という記述がありますけれども、これは同じように論点2の利用可能期間の制限を入れることによっても十分起こり得るのではないかと思っております。何度も申し上げているように、有期に対する規制の強化ということについては、行き過ぎれば問題の本質を何も解決しない、状況を改善しないのではないかと思っているところであります。
最後、第6でありますけれども、そもそも現在、こういうような議論をするタイミングなのかどうかということについて疑問なしとしないと考えております。
現状では我が国の経済状況、特に少子高齢化の進展であるとか、深刻な財政状況、行き過ぎた円高の状況、重い法人税と過度な温暖化対策、日本経済を成長させる上でのさまざまな困難を抱えている。更に、東日本の大震災、それに伴う電力の供給不足、そして昨今のEUの経済的な財政不安というものが加わって企業経営上の経済の見通しというのは大変不透明になっている状況です。このような状況の中で有期労働契約の在り方というのを検討しているわけでありますけれども、利用可能期間の上限の設定というのがそもそも企業活動のマインドを冷やすということになりはしないか。我が国経済の先行きに暗雲をもたらすものであってはならないと考えております。雇用の維持・創出の観点から経済成長や企業活動の更なる阻害要因になることのないようにするべきだと考えております。
以上、6点申し上げましたが、そういうことから考えますと、利用可能期間の制限を導入するということについては、使用者側としては反対と申し上げておきたいと思っております。
以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 労使からそれぞれ御意見をいただきました。それを受けてこの後どう進めるかということになります。前回、私の方からは、この分科会としての報告書の素案を事務局に作成していただいて、今日の分科会ではそれをベースに更に議論を進めたいと申し上げました。今、労使双方から御意見がございましたので、それを受けて、この後の進め方につきまして、少し時間をいただいて私と事務局の方で打ち合わせをさせていただきたいと存じます。ですので、暫時休憩ということにいたしまして、5時半ちょっと前になりますけれども、10分後にお席にお戻りいただきたいと思います。
それでは、暫時休憩ということにさせていただきます。
(休 憩)
○岩村分科会長 お待たせいたしました。それでは、議事を再開したいと存じます。
 休憩前の議論におきまして労使各側から御意見をちょうだいしたところでございますが、それも踏まえる形で事務局の方で有期労働契約の在り方について、報告の案を用意していただきました。
それでは、事務局の方で各委員にこの資料を配付していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(資料配付)
○岩村分科会長 それでは、お配りした報告の案につきまして、事務局の方から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○渋谷労働条件政策課長補佐 それでは、まず読み上げさせていただきます。

有期労働契約の在り方について(報告)(案)
有期労働契約の在り方について、労働政策審議会労働条件分科会において平成22年10月26日以後、合わせて○回にわたり検討を行い、精力的に議論を深めてきたところである。
労働契約の期間の定めは、パート労働、派遣労働などを含め、いわゆる正社員以外の多くの労働形態に関わる労働契約の要素であるが、労働市場における非正規労働者の割合が増大している中で、有期労働契約の利用に関する明確なルールがないことによる問題として、有期契約労働者の立場からは雇止めへの不安や処遇に対する不満が多く指摘されている。
また、有期労働契約が雇用機会の確保や業務量の変動への対応に一定の役割を果たす一方で、労働者の継続的な能力形成や処遇の改善における課題も指摘されている。
こうした有期労働契約の利用に関する課題に対処するためには、有期労働契約の適正な利用のためのルールを明確化していく必要が高まっていると考えられる。
このような考え方に基づき当分科会において検討した結果、有期労働契約の締結、更新、終了等に関するルールについて、下記のとおりの結論に達したので、報告する。
この報告を受けて、厚生労働省において、次期通常国会に労働契約法の改正をはじめ所要の措置を講ずることが適当である。


1 有期労働契約の締結への対応
有期労働契約は、合理的な理由がない場合(例外事由に該当しない場合)には締結できないような仕組みとすることについては、例外業務の範囲をめぐる紛争多発への懸念や、雇用機会の減少の懸念等を踏まえ、措置を講ずべきとの結論には至らなかった。
2 有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応
有期契約労働者の雇用の安定や有期労働契約の濫用的利用の抑制のため、有期労働契約が、同一の労働者と使用者との間で一定年数(X年)(P)を超えて反復更新された場合には、労働者の申出により、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み(転換に際し期間の定めを除く労働条件は従前と同一とする。)を導入することが適当である。
この場合、同一の労働者と無期転換の対象とならない有期労働契約を再度締結できるようになるための期間を設けることとし、その期間はX年の反復継続に対してY(P)を基本とすることが適当である。
また、制度の運用にあたり、利用可能期間到達前の雇止めの抑制策の在り方については労使を含め十分に検討することが望まれる。
さらに、制度導入後に締結又は更新された有期労働契約から、利用可能期間の算定を行うこととすることが適当である。
なお、この仕組みによる期間の定めのない労働契約への転換が初めて生じ得る時期から3年を経過した場合において、利用可能期間の上限満了前の雇止めが懸念された議論の過程を踏まえ、施行の状況を勘案し、利用可能期間の上限の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとすることが適当である。
3 「雇止め法理」の法定化
有期労働契約があたかも無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、又は労働者においてその期間満了後も雇用関係が継続されるものと期待することに合理性が認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない雇止めについては、当該契約が更新されたものとして扱うものとした判定法理(いわゆる「雇止め法理」)について、これを、より認識可能性の高いルールとすることにより、紛争を防止するため、その内容を制定法化し、明確化を図ることが適当である。
4 期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消
有期契約労働者の公正な処遇の実現に資するため、有期労働契約の内容である労働条件については、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならないこととすることが適当である。
5 契約更新の判断基準
有期労働契約の継続・終了に係る予測可能性と納得性を高め、もって紛争の防止に資するため、契約更新の判断基準は、労働基準法第15条第1項後段の規定による明示をすることとすることが適当である。
6 1回の契約期間の上限等
労働基準法第14条の1回の契約期間の上限については、現行の規制の見直しの有無について引き続き検討することが適当である。
7 その他
雇止め予告を法律上の義務とすること及び有期労働契約締結時に「有期労働契約を締結する理由」を明示させることについては、措置を講ずべきとの結論には至らなかった。
以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、これから今、お示ししましたこの報告の案につきまして議論を進めてまいりたいと存じます。御意見があれば伺いたいと思いますが、一応、議論の整理のために、申し訳ありませんけれども、今日の報告(案)にある1〜7までの順序で御意見を伺っていきたいと思います。
まず、1の「有期労働契約の締結への対応」のところはいかがでしょうか。
では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 これは先ほどの私どもの主張を踏まえていただきまして引き続きの検討課題と読めると私は理解しておりますけれども、書いていただきましたことに感謝申し上げたいと存じます。
以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 伊丹委員、どうぞ。
○伊丹委員 今の新谷委員の言葉はちょっとよくわからなかったのですが、この記載は、引き続き検討するということがどこに書かれていると理解したらよろしいのでしょうか。
○岩村分科会長 では、事務局の方で説明をお願いします。
○田中労働条件政策課長 この記載につきましては、今回の議論において措置を講ずべきとの結論には至らなかったという事実を記載させていただいているということでございます。
○岩村分科会長 労側としてはこういうふうに理解する、そういう御意向を示されたということだと理解いたします。
○伊丹委員 わかりました。
○岩村分科会長 論点1はよろしゅうございましょうか。
 それでは、論点2、「有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応」というところでございます。いかがでございましょう。
 宮本委員、どうぞ。
○宮本委員 ありがとうございます。
この部分は前回の分科会で労側の島田委員も発言をしたと思っておりますが、労側としては繰り返し発言をしていますように、労働側としては、雇用の原則というのは期間の定めのないものであると考えております。とすると、この点、有期労働契約の利用可能期間に上限規制をかけるということは、有期雇用は上限まで期間中に限って例外的に認められるものであるということを法制上位置づけるということであると思っています。とすると、やはり雇用の原則は無期であるという趣旨に基づくものと考えられますので、その趣旨からすると、前回、島田委員が申し上げたように、労働者の申し出があった場合は、この部分で言うと、「期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み」となっていますけれども、そうではなくて、上限規制導入の趣旨からすると、「例外的に有期労働契約を締結することができる」とするのが妥当ではないかと思うわけであります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 御意見の表明ということでよろしいでしょうか。
○宮本委員 結構です。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今の点なのですけれども、今回の規制の導入によって従来以上に紛争が生じてはいけないということを思っておりまして、紛争の防止ということで考えた場合に、今回のこの仕組みですと、労働者からの申し出によって無期に転換させるという仕組みでありますが、まず、「無期労働契約を締結したものとみなす」とした上で、「労働者の申し出によって有期労働契約を締結とする」とした方が、私どもしては紛争が生じないのではないかと考えております。その意図は、「労働者の申し出によって」ということについては、今の労働契約の実際上の力関係の非対称性といいますか、やはり使用者側の地位が優越するという現状から言えば、労働者の申し出が抑制されたり、あるいは規定のされ方によっては事前に申し出ることを放棄させるということが生じかねないという懸念を持っておりまして、その点がまず1点懸念されるところであります。
もう一つは、申し出の様式といいますか、これは労働契約法ですから、雇用管理法と違って、その様式については要物性というのは多分ないと思いますので、口頭での申し出といったときに、仮にその使用者がそれをそのまま放置し、いつまでも無期化をしないということが起こったときに、言った言わないではないですけれども、申し出の有無について紛争が起こって、「あのとき言ったでしょ」「どこに記録があるんですか」ということになったとき、労働者側からの立証が極めて困難になるのではないかと思います。勿論、そういうときには、労働者の意思表示について、外形的な証明となるようなものを今後どのように定めておくのかということが重要になると思いますが、一方で、労働者側からの申し出によって有期労働契約とするといった場合は、使用者側は、紛争回避の観点から、労働者からの申し出に対して、それを書面にして保管するといったような労務管理を今後されるのではないかと思います。そういった面から言っても今の組み立ての順序を逆にして、一旦無期とみなしたものとしておいて、労働者の申し出によって有期労働契約とするという仕組みの方が多分紛争が少ないのではないかと考えております。
とりあえず以上であります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 事務局の方、今の労側の意見について何かありますでしょうか。
お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 まず、この文章なのですけれども、2の第3行目の「労働者の申出により、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み」というのは、労働者が申し出た場合に無期の契約に転換させるということで、申し出がない場合には無期転換の効果がないという仕組みを念頭にここに書かせていただいております。前回も申し上げましたように、申し出に係らしめている理由につきましては、契約の自由が原則として労働契約法にもある中で、一方的に無期への転換を行うということで労働者の意思に係らしめる必要があるということであります。そういう趣旨でここに書かせていただいているということでございます。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 では、田中委員、どうぞ。
○田中委員 ありがとうございます。
事務局にお尋ねさせていただきたいのですが、2番について、2つのほかの法律との関係についてどうなっているのでしょうか。1つは60歳超の雇用の問題。これは別の高齢者の法律があるかと思いますが、定年延長を選ばない会社の場合は、有期契約の反復更新で65歳までの雇用を確保するというケースが今、非常に多くなっていると思います。前回の御説明では、こういった雇用もこの法律が包括をすると御説明をいただいたと理解しておりますが、この問題との整合性をどうするのか。
もう一つは前回でも質問させていただいた派遣社員の働き方との関係ですけれども、派遣先というよりも派遣元として考えると、多くの派遣社員の方は、1つの派遣元だけでなく複数の派遣元に籍を置かれながら複数の派遣先で仕事を得られているというケースが多くありますが、派遣元にとっては、今の案が法制化されていけばこういった方も当然対象となってくるという御説明をいただいていたと思いますが、「記」の上に書いてある次期通常国会にこの法改正を提示するということになりますと、派遣法との関係、あるいは高齢者の雇用に関する法律との関係、この辺の整合性をとる必要があるのではないでしょうか。どのような形で整合性をとることをスケジュール的にお考えなのか。あるいは同時にみんなこの国会にかかっていくような形になるのか。特に2番が派遣会社あるいは派遣で働く方にとっては非常に大きな問題となること、高齢者の方の雇用という意味でも非常に大きな意味を持つことになるのではないかと思いますので、その辺りについてお尋ねさせていただきたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 2点お尋ねいただきました。
まず、60歳超えの雇用と2番のルールとの関係ですけれども、2番のルールにつきましては、年齢によって適用を除外したり、あるいは特別な適用の仕方を考えるということを念頭に置いて書いてはおりません。今、考えていますのは労働契約で有期労働契約を使う場合のルールということで、どの雇用形態にもどの年齢にも適用できる必要なルールを定めていただく、こういう前提で御議論をいただいているという理解をいたしておりますので、この部分の特別な取扱いについては考えていない。
 したがいまして、第2点の派遣労働者につきましても、三者関係という特別の状況はありますけれども、派遣元と派遣労働者の関係において労働契約が成立しております。その労働契約に関するルールについては同様に適用されることを前提に御議論をいただきたいと考えております。
以上です。
○岩村分科会長 田中委員、どうぞ。
○田中委員 ありがとうございます。
その前提は理解をしているのですが、具体的な法律を決めていくときのスケジュール感とか、具体的に実行に移していくイメージとして、次期通常国会で派遣法あるいは高齢者の方もかなり影響を受けるのではないかと思いますので、その辺の整理がどうなっているのかなとちょっと気になったのが1点なのです。
 もう一点は、2番は、そもそも濫用抑制という視点で議論させていただいてきたと思います。特に高齢者のところについて、濫用抑制という趣旨で考えるとこの視点を入れることの意味というのは、またちょっと違ってくるのではないかなと思います。今、60歳超の方の雇用をいかに延ばしていくかということを議論し検討している段階ではないかと思いますが、濫用抑制という観点からこれがかぶさることはかえって高齢者の方の雇用の可能性を狭めることにもつながる懸念があるのではないでしょうか。ここは深く議論をさせていただいていないので、これ以上は申し上げませんが、全部を包括する割にはスタートが濫用抑制ということなので、まだ成熟していない分野も含めることにつき違和感を感じざるを得ません。これは意見として聞いていただければ結構です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほど宮本委員と私が申し上げた上限期間経過後の仕組みとして、労働者の申し出によって無期に転換するという仕組みと、上限期間経過後は一旦無期とみなして、労働者の申し出によって有期労働契約をそのまま存続させるという枠組みの話を申し上げて、そのときの事務局答弁として、それはそこに労働者の意思を介在させる必要があるという御答弁をいただいたのですけれども、どちらがいいのかということで、意思が介在しているのはどちらも同じであって、原則がどちらかという、入れかえの話をしていると思います。どちらも労働者の意思は介在しているのですが、なぜ一定期間経過後は無期とみなすということがだめで、こちらの方がいいのかということです。私は先ほど紛争防止という観点で申し上げたのですけれども、そこの分をお答えいただいていないと思いますので、事務局の方の改めての答弁を求めたいと思います。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 まず、論点2の部分が問題になるのは、初め同一の使用者と労働者の間で有期労働契約が結ばれている事案であるということでございます。ですので、労使の合意は、まずは有期でございます。それを法律で効果を定めて無期に転換するということでありますので、この点につきましては契約自由の例外ということになります。使用者の意思を排除するという中で、労働者の意思については、積極的に無期に転換するという意思表示があったことをとらえて無期転換の効力を与えようということでございます。
御指摘の紛争防止については、ある意味では申し出手続の問題、申し出たかどうかの事実確認の問題、その記録保存の問題、さまざまな問題でございます。これは申し出という意思表示の手続を絡ませる限り労使の間で起こり得る問題であります。その手続につきましては具体的に明確化されるように、その結果が労使の間で共有され、紛争防止になるような手続を検討していきたいと考えております。
○岩村分科会長 ほかにいかがでございましょう。
では、まず宮地委員、それから池田委員ということでお願いいたします。
○宮地委員 事務局に質問ですけれども、先ほどの高齢者雇用と有期との関係の部分ですが、有期の方で60歳を超えて継続雇用になった時点での処遇、給与も含めたところですが、4の不合理な処遇の解消と併せて60歳時点での処遇の対応というのはどのように考えたらよいのでしょうか。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 60歳の定年後、有期契約で継続雇用の措置がとられることはかなり多いと認識しております。その際に60歳までの処遇と比べて低い処遇が60歳以降の有期労働契約の処遇になっているということもかなり一般化をしており、かつ、それについては社会的にも相当なものと受け入れられている部分があると思います。勿論、60歳までの仕事の内容、責任、それから配置といったものも60歳以降は随分変わるというようなこともあり、さまざまな事情を総合すれば、それは一般的には合理的なものと考えられるのではないかと思います。ただし、そうでないという場合も存在すると思いますので、最終的には合理的な範囲で決められているかどうかということの問題になりますけれども、一般論としてはそういった差異は社会的に相当なものと認められており、この法律を仮に制定したとしてもその考え方が変わるものではないと認識しております。
○岩村分科会長 宮地委員、よろしいでしょうか。
○宮地委員 確認ですが、従前が有期であった方の60歳前後の関係もそのように考えてよろしいでしょうか。
○岩村分科会長 事務局、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 その部分は、有期である人がいて、その方の労働条件を60歳までと60歳以降で変えるかどうかは個々の労働契約の問題になります。
それから、会社に60歳以前の方と60歳以後の方がいずれも有期で存在していて、その比較という問題があると思いますけれども、今回の場合は、ここに書いてありますように、期間の定めを理由とする差異を不合理かどうかということを考えるので、少なくとも項目4のルールは、年齢の違う有期の方同士を比べてどうこうということを処理するものではないということでございます。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
○宮地委員 はい。
○岩村分科会長 それでは、お待たせしました。池田委員、どうぞ。
○池田委員 まず、基本的に前段の問題で、ここに書いてあります「明確なルールがない」以下のところで「雇止めへの不安、処遇に不満が多く指摘されている」とあるのですが、たしか前、半数近くの方たちが現状に満足しているというデータが出ているわけです。70〜80%あれば「多く」なのではないかと思うのだけれども、半数以上の方が現状の雇用形態に満足しているところで、「多く」という表現でいいのかなと。
 もう一つは、非正規労働者が増大しているというのは、前にも申し上げたように、高齢者の方と若者の方たちのどの部分が増大しているのかということをある程度指摘され、根本的にこの法律改正の問題点がどこにあるのかということをもう少し明確にされて、そのための解決方法なのだということをされないと、大枠の中でこういう表現でやられると、今の高齢者の問題もありますし、十把一からげでこういう改正でいいのかなということに非常に疑問を持ちます。
 それと同時に、労契法というのは、本来、経営者と労働者、雇う方と雇われる方が対等な立場でやるよということを基本原則にしているのではないか。雇われる方と雇う方それぞれが自由な労働市場でそれぞれの経済状況に合わせながら、雇っていく方と雇われる方が対等な立場でそういう契約をしていくというのが基本原則であるのではないかと思うのです。労働者の申し出というのも、この間も申し上げたように、経営者の方は、契約期間が終わったら一方的に全員無条件で無期にしていいのですかと。若い人の中には、「いや、嫌だ。もう少し様子を見たい」ということが必ず出てくるでしょうし、高齢者の方も、「自動的にやるのは嫌だ」ということがあるでしょう。そこは双方が対等な立場で、この期間を過ぎたら有期にするか、無期にするかという条件をきちっと最初から申し上げてやる形にしないと、そこに非常に不公平感が出る法律改正というのは問題があるのではないかというところをちょっと申し上げておきます。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
一番最初の導入というか、そこの部分については最後に御意見をちょうだいしようと思っていたのですが、輪島委員、それに関連ではなくて、2の件ですか。
そしたら、今、池田委員から前段の部分、前書きの導入の部分について御意見をいただきましたので、これは最後に事務局の方からお答えいただくということにしたいと思います。
 では、論点2に関してということで、伊丹委員にお願いいたします。
○伊丹委員 全体の議論に絡んでしまうかもしれませんが、先ほど宮本委員なり新谷委員がおっしゃったのであえて申し上げたいのですが、特に論点2について、仮にこういう上限規制を入れる場合についても、物の考え方として、有期労働契約は良くないもの、例外的なものであって、無期にすることが原則であると解釈されてしまうような仕組みというのは、私は良くないと思います。やはり有期に関する法制化については、いろいろと良い有期があり得るという前提のもとに、有期を労使で改善していくことを促すものでなくてはならないといけない。その点は労使で今、考え方が違うと言えばそれまでなのですが、だからこそ慎重に議論しないと同床異夢になってしまうのではないかと思います。
○岩村分科会長 それでは、伊藤委員もお手を挙げましたね。
 では、伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
意見と質問ということでお願いをしたいのですけれども、雇用不安の大きな要因ということで、派遣も含めたフルタイマー雇用の不安がございました。優先順位をつけたときに、本来であればフルタイマーについての無期というものを中心的に論議すべきことであろうと私は思っております。すべて一律的ということはかえって働く側にとって不合理、不適正ではないのだろうか。
我々の業界で考えますと、更新何回をもって終了というような契約が当然おのずと増えてくるでしょう。就業規則上もそういうことが出てくるのではないかという危惧を持ちます。その上で契約自由ということで、紛争が起こらないような基準あるいは評価、いろんなことを組み立てながら無期というものが入ってくるのかなという気もいたしますが、いずれにしろ、複雑化をするということと、新しい形の紛争といったものが増えて、請負とかほかのところが増えてくるのではないかということの不安を持ちます。
あと、勤続年数ということで有期、無期という区別をされるわけですが、その契約を終了するときの基準といいますか、これも1つの労働条件なのかとも思います。それは同一なのかどうか。弊社の場合ですと、お店を閉店して雇用を解消するケースがございますが、そうした場合に無期の方と有期の方が同じ仕事の価値でいらっしゃるというようなことは当然出てくるわけでございまして、恐らくこういうことは細部の、これから議論を明確化していくことではないかと思いますが、その辺についての考え方など、何かございましたら教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 御意見と御質問ということで、質問の部分について、事務局の方でお願いします。
○田中労働条件政策課長 更新何回をもって終了あるいは何年をもって終了ということ、すなわち、契約の中で有期の上限を決めるということは、現在、契約としては認められているということでございます。一定の上限を決めた場合には、それを超えて無期になる方と、それを超えられずにその前に終了される方が当然出てくるわけで、終了される方について、どういうふうに終了するか。個人の理由のみで終了させるのか、あるいは事業主の評価とか選別とか、そういったものが入るのかということは、今後よく労使で議論をいただかないといけない部分なのかなと思っています。
いずれにしても、御指摘のように、一定の割合で無期というものが出てまいりますから、その際に無期労働の中での処遇の問題、労働条件の問題といったものはさまざまな考え方で労使で決めていただかないといけないということであります。雇用の終了の問題についてもそういう問題の1つとして出てくるものと理解をしております。
○岩村分科会長 伊藤委員、よろしいでしょうか。
では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
論点2についての意見は先ほど申しましたので、質問だけですけれども、先ほど宮地委員のおっしゃった点でそうだなと思ったので確認的に教えていただきたいのですが、2に書いてある「労働条件は従前と同一とする」というところの「従前」というのは何を直接的に意味するのか。直前の契約というか、最終のものなのか、それとも利用可能期間全体の平均とかそういうのがあり得るのかどうかわかりませんが、それが何を指しているのか。
 労働者派遣制度のところで言うと、労働条件の多くは派遣先に引っ張られるのだと思うので、利用可能期間制限が来たときに派遣先の労働条件を、しかも派遣先が変わる可能性がたくさんあるのに、派遣元で「従前の労働条件」と言ったときに、何を同一にするのでしょうか。2点御説明をいただきたい。
以上です。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 この括弧書きについては、従前から御説明しているように、この論点2の部分の効果というのが労働契約期間を有期から無期にするということで、それ以外については影響を与えないということを基本に考え方を整理してきているということでございます。そのときに、今おっしゃったのは、まさに上限到達前に何回か労働契約を繰り返しているという状況。派遣の場合はいろんなところに派遣をされているような状況、こういったものがあると思います。そうすると、1回ごとに労働条件が変わるということです。一番オーソドックスな考え方は、有期から無期に変わるときに無期の労働契約を労働者の一方的な申し出によって成立させるわけですから、その成立させた労働条件をどうするかというのは直前の労働条件で考えるということがオーソドックスではないかと思いますが、いろんなパターンがございまして、不都合が出ることも予想されます。そういった場合には、有期から無期に転換した際の労働条件についてあらかじめ労使で話し合っておく、あるいは就業規則で定めておく、こういったことで個別の具体的解決が図られるのではないかと考えております。
○岩村分科会長 よろしゅうございましょうか。
できれば論点3に移りたいのですが、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 2です。いいですか。
○岩村分科会長 どうぞ。
○新谷委員 中身の問題でよくわからないところがありまして、前回もちょっと御質問をしたのですけれども、労働者の申し出の「申し出」という言葉ですが、これは法律的には意思表示に当たるのか、当たらないのか。余り見ないというか、『六法』に載っていない言葉だと思いますので、ここの意味はどういう意味なのかというのを教えていただきたいなと思うのが1点です。
それと、申し出をしたときの法的な効果を細かくもう少し分析をした方がいいかと思っていまして、申し出を行ったときに、先ほどの労働条件の取扱いのところもそうですけれども、当初の有期の契約があって、その契約の中の期間の定めに関する部分について、それは契約の合意原則ですから、当初の契約が有期で合意されたものが、この申し出によって期間の部分が無効となって、改めて労働契約の期間の部分を無期とすることについて労使の合意があったというみなしがあったのかどうかという組み立てにするのか、あるいは労働者の申し出に対して使用者が承諾したとみなすのか。ここに「転換」と書いてあるのですが、申し出から転換に至るまでの法的な構成のプロセスをもう少し詳細に教えていただきたいというのが1点です。
前回もこの申し出というのは形成権的な効果を与えるということを言われていたと思いますので、先ほどの池田委員の御質問とも関連しますけれども、労働者側が申し出をしたときに、使用者側は労働者の申し出に対して拒絶ができないという扱いになると前回、説明を聞いて思ったのですが、では、拒絶をしたときには、労働契約法の16条の適用によって解雇権濫用法理が適用されるのかどうか、そういう効果を発生させるのかどうかということを確認したい。
あと2つあります。先ほど申し上げた紛争とも関係しますけれども、上限期間が過ぎた後に申し出る権利がもう生じているということを本人が知らずに使用者側が雇止めを行った場合、これは前後関係といいますか、順序としてはどういうことになるのか。「雇止め」と言われたときに、「いや、もう上限期間を超えていて申し出ができるので、私は無期化の申し出をします」と言ったときの取扱いは一体どういうふうになるのかというのを教えていただきたいと思います。
最後、形成権的な効果と言われたときに、利用可能期間の上限を超えた後、いつまで申し出ができるのか。要するに、形成権というのはたしか時効がないというふうに昔、習ったのですけれども、除斥の20年まで行けるのかどうかとか、一体どこまでで区切るのか、この辺もよくわからないなと思っておりますので、質問したいと思います。
以上です。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 ここら辺は、こういう制度をつくるというふうに仮に御了解いただいた後、法制的には細かく決めるべき事項と考えておりますが、勿論、それは法制的に詰めて微妙な調整が必要かもしれませんけれども、今のところ、考えているところを申し上げます。
申し出については、有期契約労働者で一定年数を経過するという要件を満たした場合に申し出ることができるような状況になります。申し出を行うということは、使用者に対して申し出を行うということと考えておりますが、使用者に申し出をするということは、期間の定めのない労働契約を締結するという意思表示を行うということでございます。この意思表示を行ったときには使用者との間で無期の労働契約が成立するということを考えております。成立する時点については、いろいろと考え方はあると思いますけれども、今のところ、現在の有期労働契約の終了時点で新たに無期の労働契約が成立するということを考えております。それが申し出、そういう意思表示の効果ということになります。形成的効果ですので、事業主の意思によらずにそういった無期の労働契約が発生するわけですから、それを消滅させようということになりますと、基本的に無期の労働契約を終了させる労働契約法16条の解雇の意思表示が必要なものと理解をしております。
それから、申し出る権利が生じた後、御本人が知らずに契約終了になる場合ということが考えられます。この場合には本人が権利を有するということをちゃんと理解できるような仕組みを考えなければならないと考えております。権利の存在を知らないで雇止めになるということをできるだけ避ける方法が必要だろうと思います。雇止め自体は特に使用者の意思表示が必要ありませんので、雇止め予告という制度が告示の中にあり、予告がない場合告示違反という効果は勿論あるのですが、雇止めは成立してしまうということなので、その前にお知らせするような仕組みが何か考えられるのではないかと。これは今のところ考えております。
それから、上限を超えた後というのは、前回申し上げましたように、契約期間単位でこの権利が生じると考えておりまして、したがって、一定年数を超えた後の申し出権が生じた契約の存続期間中に基本的に申し出ることができるというふうに整理をしつつ、さまざまな実務的、手続的な要素も勘案しながら申し出の時期等の在り方を検討すべきだと考えております。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、まず、新谷委員、お願いいたします。
○新谷委員 細部はこの後、法的な構成についてもう少し詰めるということですので、先ほど申し上げたような懸念について、やはり十分に乗り越えていくようなものをつくっていく必要があると思っております。
その上で、ちょっと別のことを申し上げていいですか。
○岩村分科会長 どうしましょうか。
輪島委員、先にされますか。今の関連であれば、むしろ今、やっていただいた方がいいと思います。
それでは、輪島委員、お願いします。
○輪島委員 ありがとうございます。
まず、意見ですけれども、これを了解した後に詳細を示すというのは、さすがにちょっとつらいので、詳細を示していただいて議論をするということが筋だと思いますので、その点は事務局にお願いをしたいと思います。
新谷委員が質問されたことにお答えが1個なかったのは、申し出権はいつまで留保されるのか。その点を御説明いただきたい。
以上です。
○岩村分科会長 では。
○田中労働条件政策課長 これは最後で御説明したつもりなのですけれども、1つの契約について一定期間経過で申し出権が発生したということになれば、その契約の終了までに申し出ることができるということで、終了までが存続期間だということが基本になると思います。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 別の件で、これも重要な論点なのですけれども、利用可能期間のところが今回、「(X年)(P)」と書かれてあります。ここが先ほど申し上げたように、制度設計上、利用可能期間が一体何年なのかによって上限規制の在り方というのはかなり性格が変わってくるのではないかと思います。いずれにしましても、こういう人工的な規制を入れるというのは我が国にとって初めての試みということになりますので、軽々に「これがいい」という根拠がなかなか見出しがたいというところが率直なところです。ただ、私どもとしては、労働基準法の第14条に原則3年というものがあるわけでございまして、この3年というのは1回の利用可能期間の上限ではありますが、世の中的にはかなり定着したといいますか、受け入れられている数字だと思いますので、上限規制の親和性という意味ではここは1つの参考の数字になるのではないかと思います。
それと、先ほども申し上げたのですけれども、こういった人工的な規制はどういうふうに効くのか、作用、副作用がどういうふうに出てくるのかわからないところがありますので、この規制が雇用形態の在り方にもかなり影響を与えると思いますし、我が国の有期労働契約、あるいは無期も含めた就業構造に大きな影響を与えると思いますので、制度化をした後に、ここに「3年」という数字が今、入っておりますが、必要な措置を講ずるということについては是非セットで取り組んでいくべきだと考えております。
以上であります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
池田委員、どうぞ。
○池田委員 1つわからないのですけれども、「反復更新された場合」ということは、一定期間が終わった後、更新されているのですね。更新された後に申し出をするのですか。これは、更新する場合というならわかるのだけれども、更新されてしまった後に、私はもう更新されていると。そのときは有期で更新されているのです。有期の期間が終わって更新されているということは、更新される前に有期であるか無期であるかを決めなければいけないのです。「された場合」というのは、更新されてしまった後に、もう突入している期間が有期なのか無期なのか、雇われている方が「さかのぼって無期にしてください」ということを申し出るのですか。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 これは、1回だけ有期労働契約を結んで、そこで終了するというような場合にはこのルールは適用しないということで、複数回以上有期労働契約を反復していて一定年数を超えているような場合にこのルールを適用してはどうかという御提案でございます。
○岩村分科会長 多分池田委員の御質問は、上限年数を超えて反復更新された場合となっているので、そうすると、上限年数を超えて反復更新に入った後に申し出があったときに、さかのぼって無期になるのかというお尋ねだったかと思うのです。
お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 例えば、申し出ることができる状態で有期の契約に今、なっているという方がいたとして、そこで申し出た場合には、さかのぼってではなくて、その有期の契約が終わった時点で、それに引き続いて無期の契約が成立して雇用が続くと考えております。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 では、工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 ありがとうございます。
これは、端的に言いますと、クーリング期間を設定するということだと思いますが、前回も相当質疑があったところでありますが、改めてクーリングの期間の考え方として、これをどのような期間として位置づけるのかというところ、再度定義を確認させてください。
あと、XとPとYという3つの記号があるのですが、Xは「X年」と書いているのですが、Pは年なのか日なのか、その考え方と、Yの考え方についても教えてください。
以上です。
○岩村分科会長 Pは「ペンディング」という意味です。
 では、あと2つ御質問だと思いますので、お願いします。
○田中労働条件政策課長 クーリングというのは、一定年数を超えて一旦申し出権が生じたとしても無期にならないまま終了し、その後、再度同じ労働者と使用者の間で雇用契約を結ぶ場合に、それが無期転換の申し出権を伴うものかどうかということを判断する際に、どの程度の期間があいていれば無期の転換権を伴わない有期労働契約を結ぶことができるかということ、その期間を議論していただきたいという趣旨でございます。その長さというものをYということであらわしております。Yにつきましては、年単位なのか、月単位なのか、日単位なのか、単位はまだ十分御議論をいただいていないと思いましたので、単純にYということでありますが、これは期間を示すYでございます。Xの方は一応、一定年数ということになっておりますので、「X年」と表示させていただいておりまして、Pについては、「ペンディング」の意味でございます。
○岩村分科会長 工藤委員、よろしいでしょうか。
○工藤委員 はい。
○岩村分科会長 安永委員、どうぞ。
○安永委員 かなり時間を経過しておりますので簡単に言います。前回も言ったことと重なるのですが、今のYのところです。クーリング期間を設定するとしても、少なくとも、雇用保険の悪用といいますか、とりあえず雇用保険をもらって休んでおいてくれというようなことのないように、雇用保険の受給可能期間よりは長くすべきだと思っておりますので、その辺も考慮をよろしくお願いいたします。意見です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 確認という意味でございますが、私ども、1年単位で契約を更新しておりまして、その際に、労働時間ですとか、休日の曜日ですとか、時間給ですとか、これを見直しますが、無期と有期の違いは、無期でもそういう単位で当然ながら見直しができるということが従前の労働条件であると解していいのかどうかということ。
 あと、無期の場合は定年という問題が必然的に出てくるものでございますが、私どもの就業規則の場合、そういう表現をしていないわけですが、それは従前の労働条件とは当然異なる表現になろうかと思いますので、その点について。
あと、無期と有期では、普通解雇をする場合に、当然ながら今、正社員と非正規では条項としては違っている部分がございますが、そういったことの違いというのは当該労使で話し合えばいいとか、そういうことなのかどうか。細かいですけれども、見解を教えていただければと思います。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 有期の期間ごとに勤務シフト、労働時間、こういったものを変更されているということで、形式的には雇用契約期間におけるそれぞれの労働契約の内容ということになるわけでしょうけれども、これが仮に無期に転換されて、かつ、そういう定期的な労働条件の変更が必要ということであれば、それについては従前と同様に定期的に変更をすることができると考えます。勿論、就業規則などでその点を明確化しておくことが適当だと考えます。
それから、定年につきましても、単純に無期にしただけで就業規則の定年が適用されるという関係にあれば定年は適用されるのでしょうけれども、そういう関係にない場合には、果たして無期になった場合に定年があるのか、適用されないのかということを就業規則等で明確にしておく必要があると思います。
それから、解雇の問題ですけれども、これも契約の終了事由についてどう定めるかというのも労使の契約なり労働条件の内容であると思いますが、一般的に労働条件や雇用管理が正社員と大きく異なるようであれば、そういう雇用終了の問題あるいは解雇の問題についても当然には同じにはならないと考えております。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 では、荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 今回、「転換に際し期間の定めを除く労働条件は従前と同一とする」と書いてありますので、たくさんの御質問が出ているのだと思います。前回、事務局に私からお聞きしましたが、ここに書いてあることの趣旨は、期間の定めについては、これは期間の定めがなくなり無期となると。しかし、労働条件については、正確に言いますと、別段の合意がなされない限り従前と同一と推定するという趣旨というふうに前回の説明をお聞きしたところです。有期契約労働者が無期契約になった場合に定年がないという状態のまま維持されるかというと、就業規則等で無期契約社員についての定年制が定めてあれば、それは適用されるというのが合理的な解釈だと思いますので、そういう趣旨だと私は受け取って理解したいと考えております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
田中委員、どうぞ。
○田中委員 非常に実務的なところで恐縮なのですが、今の荒木委員の御発言も踏まえてなのですが、例えば60歳定年で有期契約に移られた方が、先ほどの新谷委員のおっしゃるような、例えば3年でX年が定まったときに、3回有期契約を更新した後に御本人の申し出によってもう一回無期に戻ると。無期については60歳という定年がある就業規則を結んでいた場合というのは、先ほどの事務局の御説明ですと、別途別の就業規則をつくると。無期の方が有期になって、これが包括的にかかるという御説明でしたので、今、ずっと御説明いただいているのはもう一回無期になるということですね。もともと無期には定年があると。定年を超えてから高齢者にもかかるとなると、60歳以降の定年をまた別途定めるというお考えで御説明いただいているのでしょうか。私、実務的に非常に難しい議論をしているような気がしてまいりましたので、その点だけ確認をさせていただきたいと思います。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 まず、定年をどういう方に適用しているかについては、無期全員に適用する場合と、要は、正社員という1つの区分に適用する場合と両方あると思います。ですので、もし60歳定年を定めているとすると、仮にそれまで無期の方にはすべて定年があったとして、その方が60歳で定年になって、それを有期の雇用に変えたということになる。そこから一定年数たてば、2のルールが適用になると無期に転換する申し出権が生じると。このルールを当てはめればそのようになります。
○岩村分科会長 多分理解としては、60歳のところで定年になって、継続雇用で有期に変わってというところで、その後、もし仮にまた無期に転換したときは、それはあくまでも有期から転換した無期なのであって、当然に60歳前の就業規則が適用されるものではないと合理的には解釈するのではないかなと思います。少なくとも定年の定めに関してはそういうことになるかなというようには思います。
 なかなか論点2の議論が収束しないのですが、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 済みません。先ほどの荒木先生の御説明の中でちょっとまたわからなくなってしまったのですけれども、「申し出によって、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み」というものは、これは労働契約法に入るということですから、期間の定め、今まで有期だったものを無期にさせるというのも強行規定的にそこの部分は効いてくると。それ以外の労働条件のところは推定するということですから、従前の労働条件がそのままになるのかなと思うのです。そのときに、それは労使の合意でやればいいということなのですけれども、例えば無期に転換することによって仮に労働条件を今までの時給から下げてしまったという場合に、それは従来の不利益変更法理が働くのかどうか。そこはもう任意の合意の世界なのだから自由に労働条件の設定をしてもいいということなのか。
これは何を懸念しているかというと、有期から無期に転換させるときに労働条件を下げることによって実質的に手が挙がらない状況をつくり出してしまわないかという懸念があって、そこのところは例えば今の判例法理の中でどういったことが考えられるのかということについて教えていただければと思います。
○岩村分科会長 荒木委員にお尋ねでしょうか。
 お願いできますか。
○荒木委員 現行法では、このように法律によって有期契約を無期契約に転換するとか、そういう制度がございませんので、現在の判例法理でどうなっているというのは、なかなかお答えが難しいと考えます。いずれにしましても、当事者が労働条件の引き下げに合意しなかった場合に、就業規則で「無期化した場合に労働条件をこういうふうに下げる」ということになってきますと、就業規則による本人の合意によらない労働条件の不利益変更として、それが合理的かということで審査されますので、それが不合理だということになれば労働者は拘束されないという結論になるのではないかと考えます。
○岩村分科会長 論点2についてはよろしいでしょうか。
 それでは、論点3、「『雇止め法理』の法定化」ということでございますが、ここについてはいかがでございましょうか。
 よろしゅうございましょうか。
続いて、論点4、「期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消」のところでございます。
では、?松委員、どうぞ。
○?松委員 1点、質問と意見ということになろうと思いますが、ここの文章表現で、「不合理なものと認められるものであってはならない」という表現になっています。この場合、不合理か否かの問題がまた残ってくると思うのですが、だれが立証責任といいますか、証明責任を負うのかということについて少し確認をしたいと思っています。この審議会でも従来から労働側としていろいろな場合の証明責任、とりわけ労働側に求められても大変難しいという懸念を申し上げてきております。今回の場合も、これが労働側に求められるということになりますと、なかなか難しいなという思いをしています。合理性の欠如の証明あるいは不存在の証明、そういうことになりますと、非常に立証が困難である。
これまでも申し上げてきましたとおり、職務の内容なり、あるいは配置の変更の範囲等々、そういったものの情報なり資料、そういったものは企業側が持たれている中身だろうと思いますから、そういう意味からも労働側がこれらの不合理性を証明することは大変困難ではないのかなという思いがしています。したがって、「不合理なものと認められるものであってはならない」という文章表現を、例えば「合理性を欠くものであってはならない」というような書きぶりにするということも考えられるのではないかなと思っております。したがって、その辺の証明責任を含めて労働者に過度な負担とならないような表現の在り方についても一考していただければと思っています。
以上です。
○岩村分科会長 事務局から答弁をさせますか。必要ですか。
○?松委員 どちらの責任、所在になるのかを。
○岩村分科会長 その点だけですね。わかりました。
 では、事務局の方、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 一般的に立証責任というのは、不合理なことを主張する側がそれを主張、立証しないといけないという原則がございます。ただ、実際の立証責任は、裁判実務上、その内容に応じて振り分けられているものと理解をしております。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 今日の資料?1、論点(改訂)と配られた報告(案)の4の表現ですけれども、微妙に違うように感じます。そもそも同じなのか、違うのかというのが私にはよくわからないので、この点について表現ぶりが変わっているのかどうかということと、それから、いわゆるパートタイム労働法8条の人材活用の仕組み等々が私どもの基本的な理解でありますので、そういう観点でこれを運用するのかどうかということについて解説をしていただきたいと思います。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 同じかどうかという質問に対しては、同じでございます。ワーディング、言葉の使い方として、前回の論点(改訂案)では、「『期間の定め」を理由とする差別的な(不利益な)取扱いと認められるものであってはならない」と書かせていただいております。今回の報告(案)では「期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならない」ということでございます。
この不合理というのは、有期契約労働者を無期の労働者と比較して不利益に取り扱っている場合を念頭に置いていまして、有利に取り扱っている場合は禁止の対象にならないと考えておりまして、それは前回のワーディングでいくと、「差別的」というよりも「不利益な」に近いと考えます。実質的には同じ言葉なのですけれども、こういう労働契約の内容を一定の要素を考慮して不合理かどうかを勘案するときの前例としては、不合理なものと認められるかどうかということでワーディングを行うことが適当ということを今考えておりまして、現段階ではこの言葉を使いたいと考えております。実質的には中身は変わらないということでございます。
 パート法8条の話がございました。真ん中の2行目ほどに「職務の内容や配置の変更の範囲」と書かれております。ここのワーディングは、パート法8条に「職務の内容」というものが定義されております。「職務の内容」というのは、詳しくは「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度」ということになっております。こういうパート法に掲げられている要素も考慮しながら不合理かどうかを判断するという形になっております。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 そのほか論点4についてございますか。
 中島委員、どうぞ。
○中島委員 私からも事務局の方に少しお伺いをしたいのですけれども、「あってはならない」という表現の部分ですが、これは民事的効果を持つ条文として表現が適当なのかどうか。法的効果がどうなるのかということなのですが、努力義務に読めるような懸念があるのではないかと考えています。併せて、不合理であると認められた場合に、その際の労働条件というのは無効になると考えていいのか。無効とされた場合には、その労働条件にかわる労働条件というのをどういうふうに考えたらいいのか。あと、使用者は不合理であることによって生じた損害賠償義務を負うのかどうかというところまで教えていただけたらと思います。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 「認められるものであってはならない」というものも1つの前例でありまして、特許法などにあるものでございます。勿論、特許法も民事効がございますので、これは努力義務ではなく民事的効力があるという前例であると考えております。
 無効になるかどうかというのは、例えば通勤手当を有期については支払わない、無期については支払うというような規定があったとしたら、「有期については支払わない」というところがこの条文においては無効になってくる、労働条件にならないということになりますので、その部分については無期と同様に支払っていただく必要が将来的には生じますし、過去の分についても、時効とかの問題はありますけれども、過去にさかのぼって支払っていただくということがあります。無効にしただけで解決しない場合に、場合によっては損害賠償などの問題にもなろうかと思います。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 山川委員、どうぞ。
○山川委員 4について、前回、途中で退席してしまったので確認したいと思うのですが、「不合理な」という点で先ほど議論がございましたけれども、前回も「差別的な」ないし「不利益な」という部分があって、この表現の趣旨は言わば規範的な概念として考える。今回も「不合理」という言葉が使われていて、これも言わば規範的な概念として使われる。そうしますと、以前、立証責任のところで申しましたように、裁判で立証責任が問題になるときは、規範的なものというのはどちらかというと評価の問題になりますから、具体的な事実については、その解釈上、先ほどちょっとお話があったかもしれませんが、分担が考えられていく。その際の考慮要素として今、いろいろ示されているという理解でよろしいか。つまり、お聞きしたいことは、「不合理な」というのは、従前の論点ペーパーと同じく規範的概念と理解してよろしいかということです。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 山川先生がおっしゃるとおり規範的概念であり、考慮要素を具体的に例示させていただいているということでございます。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、論点5に移りたいと思います。「契約更新の判断基準」の点でございますが、御意見あるいは御質問ございますでしょうか。
よろしゅうございましょうか。
 続いて論点6、「1回の契約期間の上限等」でございますが、ここについてはいかがでございましょう。
よろしゅうございますか。
 では、「その他」のところはいかがでございましょうか。
これもよろしいでしょうか。
それでは、先ほど申し上げましたが、最初に戻りまして、導入のところについて、既に先ほど池田委員から御意見あるいは御質問ということでいただいていますが、そのほかいかがでございましょうか。
よろしいようでしたら、池田委員が先ほどおっしゃられた点について、事務局の方からお答えをいただきたいと思います。
○田中労働条件政策課長 ここの第2段落の一番最後、「雇止めへの不安や処遇に対する不満が多く指摘されている」というところ、それから、「非正規労働者の割合が増大している中で」という部分、いずれも客観的な数字なり状況をどう理解して表現するかということでございますけれども、私どもとしては勿論、どの部分で増大しているかどうかということがございまして、その部分も含めて最終的に「記」の内容について結論をいただきたいと思うわけですが、非正規労働者の割合が全体として増大しているということは事実でございますので、その点を指摘させていただいておるところでございまして、より細かくという御意見だったと思うのですけれども、更に必要かどうかは御議論いただきたいと思います。
それから、「多く指摘されている」というのは、確かに全体としての不満というのは、約半数が満足で、不満であります。今回の場合、満足されている方についてどうこうということではなくて、有期の中で、ステップアップの不満とか、処遇の不満とか、正社員になれないとか、そういったさまざまな不満があるわけですけれども、そういったものも具体的にとらえながら不合理・不適正な利用といったものと結びつけて議論をしてきたと思います。その意味で、半分が多いか少ないかというよりは、そういった内容も含めてさまざまな不安、不満が指摘されているというところで、「多く」という言葉を使わせていただいていると理解しております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 そのほか、導入部分についてはいかがでございましょうか。
 よろしゅうございましょうか。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 導入部ではないのですが、1点だけ簡単な質問を簡潔にさせていただきたい。
論点2のところなのですが、前回の論点を整理いただいたペーパーでは幾つかの今後議論をしていく論点が示されていて、その中で適用除外についてどうすべきかというポツがあったと思うのですが、今回の2番の記述の中には、ほかのポツはすべて、いい悪い、検討する、しない等々の論点が示されていると思うのですが、適用除外を検討することが適当であるともないとも、これについて何も記載されていないのですが、どのような意図でこの論点を外されたのか教えていただきたい。今後の議論のときにこの論点は出てくるのかこないのか、そこを教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 先ほどお答えいたした続きになるのですけれども、私どもとしては、適用除外を設けることとしないという形で2のところを御提案させていただいているつもりでありまして、適用除外という具体的項目が想定されないので言及をしていないという意味でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、今日の分科会はここまでとさせていただきたいと思います。
今日いただきました御議論というものを踏まえまして、次回は、今日提出された報告(案)につきまして事務局の方で必要な修正があればそれを行い、改めて提出をいただくことにして、その上で最終的なとりまとめに向けた議論をいただきたいと考えております。
 では、最後に事務局の方、何かございますでしょうか。
お願いいたします。
○青山調査官 次回の労働条件分科会につきましては、12月26日月曜日16時、すなわち午後4時からこの同じ場所、すなわち本庁舎17階の専用21会議室で開催する予定としておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、次回は12月26日の午後4時からということでございますので、よろしくお願いいたします。
 本日の分科会はこれで終了とさせていただきます。
最後に、いつもお願いしておりますが、議事録の署名を労働者代表につきましては中島委員に、使用者代表につきましては伊藤委員にそれぞれお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、今日はどうもお忙しい中、ありがとうございました。これで終了といたします。


(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

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