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2011年6月27日 第89回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成23年6月27日(月)
17時00分〜19時00分


○場所

中央合同庁舎5号館12階 専用第12会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○議題

平成23年6月27日 第89回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

・日時
平成23年6月27日(月)17時00分〜19時00分

・場所
厚生労働省専用第12会議室(12階)

・出席者
【公益代表委員】
 荒木委員、岩村委員、権丈委員、田島委員、村中委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】
 松浦委員代理、新谷委員、?松委員、中島委員、宮本委員、安永委員

【使用者代表委員】
 池田委員、伊丹委員、伊藤委員、三浦委員、宮地委員、輪島委員

【事務局】
 金子労働基準局長、渡延審議官、前田総務課長、田中労働条件政策課長、
青山労働条件政策課調査官

・議題
 1 有期労働契約について
 2 その他


○岩村分科会長 定刻よりちょっと早いんですが、委員の皆様がおそろいでございますので「第89回労働政策審議会労働条件分科会」を開催させていただきます。
 本日は、労働者代表の工藤委員、使用者代表の田中委員が御欠席でございます。
 また、労働者代表の島田委員の代理としまして、UIゼンセン同盟書記長の松浦さんに御出席をいただいております。よろしくお願いをいたします。
 では、議事に入ります前に、定足数につきまして事務局から御報告いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○青山調査官 定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、本日はいずれの数も上回っております。定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 以上です。
○岩村分科会長 それでは、早速、議事に入りたいと存じます。お手元の議事次第に沿って進めてまいります。
 本日の議題でございますが、前回に引き続きまして「有期労働契約について」でございます。前回は各論の2番目の論点であります「契約期間中の処遇や雇用管理等に関する論点」を終えたことになっております。本日は「その他」という論点でございまして、「有期労働契約の1回の契約期間の上限」という問題のほか、これまでの各論で取り上げた論点以外で検討すべき課題があれば、適宜御発言をいただいて、それについても議論をしていきたいと考えております。
 そこで、まず、事務局に本日の論点につきまして資料を用意していただいていますので、冒頭、事務局から、それについての説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 それでは、本日お配りしている資料1〜資料5につきまして、一括して御説明をいたします。
 資料1につきましては、従来からお示しさせていただいております「各論の検討項目」でございます。本日は四角の中の「3 その他」の「(1)1回の契約期間の上限等について」及び「(2)その他」について御議論をいただきます。
 次に、資料2でございます。本日の論点につきまして、従来と同様、事務局で考え方についてまとめをさせていただいております。議論の素材にしていただきたいと存じます。御説明申し上げます。
 まず「1回の契約期間の上限について」でございます。少し長めに説明を書かせていただいた上で、考え方を3つほど整理をさせていただいています。
 まず、説明の部分について御説明をします。1段落目でございますけれども、労働基準法第14条第1項におきましては、長期の労働契約による人身拘束の弊害を排除するため、契約期間の最長期間を制限をしております。平成15年に労働基準法を改正いたしまして、最長期間を原則1年から3年に延長しております。その際、暫定措置として、1年を超える期間の労働契約を締結した労働者についても、契約期間の初日から1年を経過した日以後においてはいつでも退職することができるという附則第137条が置かれております。
 一方で、労働契約期間につきましては、労働契約法第17条第1項によりまして、契約期間中はやむを得ない事由がある場合でなければ解雇できないとされておりまして、通常の無期契約の解雇に関する規定でございます労働契約法第16条よりも強い雇用の保障がされていると解されております。
 このように、労働契約の期間には、その上限を制限することによって、主として人身拘束の弊害から労働者を保護する機能と、契約期間中の雇用を保障する機能との両面がありまして、今回の論点については、そのうち人身拘束の弊害を排除する趣旨で規制されている1回の契約期間の上限について、どのように考えるかということが課題でございます。
 その点につきまして、3つほど考え方を整理をさせていただいております。
 1つ目の黒ポツですが、現在においても長期間の有期労働契約による人身拘束の弊害がないとは言えないことから、契約期間の上限を平成15年労基法改正前の原則1年に短縮すべきという考え方でございます。この場合には、附則第137条の暫定措置は不要となります。
 2番目の黒ポツは、長期間の有期労働契約が人身拘束の手段として利用される恐れは現在では減少しているという認識の下に、業務の実態に応じて契約期間を定められるように暫定措置を廃止し、原則どおり労使双方を契約に拘束する期間の上限を3年とすべきとの考え方でございます。附則第137条の規定を廃止することによって、原則の第14条第1項の規定に統一するという考え方でございます。
 もう一点は、3番目の黒ポツですけれども、現行のルールで特に問題は生じておらず、契約期間の上限を直ちに見直す必要はない。引き続き第137条の暫定措置も存置するという考え方でございます。
 こうした形で契約の上限については整理をさせていただきました。
 「(2)その他」につきましては、アとして、これまでに取り上げた論点のほかに、有期労働契約に関し検討すべき論点はあるかということ。イとして、契約の締結及び終了、契約期間中の処遇や雇用管理等に関する論点を含め、全体を通じて、各論点の相互の関係、組み合わせについて、どのように考えるかということで整理をさせていただいております。
 そこで、資料?3にまいります。先ほどの1回の契約期間の上限などの関係につきまして、関係条文をとりまとめさせていただいているものでございます。
 まず、労働基準法の契約期間等について定めました第14条でございます。第14条第1項を見ていただきますと「労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える期間について締結してはならない。」とされています。
 3年の後の括弧書きですけれども、「次の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年」ということで、一定の例外については5年を上限とする労働契約が認められることとされております。
 例外の1つ目は、第一号で書かれているところですが、「専門的な知識、技術又は経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約」でございます。この具体的な厚生労働大臣が定める基準は次ページ以降に掲げさせていただいておりますので、後ほどごらんいただきます。
 次の第二号ですが、「満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約」についても、5年という特例の上限が適用されるということでございます。
 そこで、原則3年の部分の例外として、その下にあります附則第137条が規定されております。「期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者は、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。」という規定でございます。3年の労働契約を締結していても、労働者の方は、1年を経過した日以後、使用者に申し出て退職できるという規定でございます。
 この暫定措置がいつまでかということについては、同じ条文の真ん中辺りに「労働基準法の一部を改正する法律(平成15年改正法)附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間」となっています。その附則第3条においては、次の○にあるとおり、「政府は、この法律の施行後3年を経過した場合において、この法律による改正後の労働基準法第14条の規定について、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とされています。この点は、この分科会の有期に関する検討を始める際にも御説明をいたしましたけれども、この規定によって、現在、検討を必要とする状況になっていると考えております。
 次の労働契約法の条文は先ほど御説明したとおりでございます。
 それから、附則第137条の中に民法628条という条文が出てきます。「民法第628条の規定にかかわらず」というところで、次の6ページに民法の関係の規定を掲げておきました。第626条「期間の定めのある雇用の解除」及び第627条「期間の定めのない雇用の解約の申入れ」の規定があった後、第628条「やむを得ない事由による雇用の解除」という規定がありまして、「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。」とされています。民法の原則ですと、雇用契約の期間中であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は直ちに契約の解除をすることができるわけですけれども、これにかかわらず附則第137条の規定により、労働者の側からは、やむを得ない事由がない場合であっても、1年を経過した日以後においては退職をすることができることになります。
 次の労働基準法の厚生労働省が定める基準につきましては、先ほど第14条第1項の例外規定のうち、専門的な知識、技術、経験を有する者の具体的な規定でございます。第一号は博士の学位を有する者。第二号は、公認会計士以下、種々の資格者。第三号については、情報処理関係の資格等々、高度の技能を有する者が具体的に規定されているところでございます。
 次の資料?4ですけれども、これは、労働基準法が制定されて以来、1回の契約期間の上限等の改正経過についてとりまとめたものでございます。
 昭和22年の法制定時は、原則が1年とされ、例外は一定の事業の完了に必要な期間を定める場合のみでございました。
 それが平成10年の改正によりまして、原則は1年と変わりませんが、3年とする例外として、?がつけ加わっております。イとロは現在の高度の専門的知識・技術等を有する者についての例外の原型になったものですけれども、「新商品・新役務・新技術の開発等について高度の専門的知識等を有する労働者」、ロとして「事業の開始、転換、拡大、縮小、廃止の業務で、一定期間内に完了する予定のものについて高度の専門的知識等を有する労働者」が加わり、更にハとして「満60歳以上の労働者」が加わっております。
 平成15年の改正によりまして、原則1年が原則3年と、原則の1回の契約期間の上限が法制定以来、初めて3年に延長になりました。それと併せて、例外の部分については、?については変わりませんが、?の部分については、一定の整理をした上で5年とされております。イとして、先ほどの第14条第1項第一号の規定、ロとして第14条第1項第二号の規定が平成16年から施行されているということでございます。それから、これと同時に、有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準、これは既に御紹介し、御議論いただいたところでございますけれども、この根拠規定がこのときに盛り込まれているということでございます。
 次に、資料?5でございます。有期労働契約の1回の契約期間の上限に関連する実態を示すものとして、厚生労働省で行いました平成21年の有期労働契約に関する実態調査の結果について御紹介をいたします。
 通し番号の14ページ以下、まずは事業所調査の結果についてでございます。まず、14ページの一番上の数字のラインで総数のところをごらんいただきますと、1回当たりの契約期間の状況が示されております。最も多い区分は真ん中当たりの6か月超、1年以内で54.2%、半数を超えております。それから、1年を超える区分につきましては、1年超〜2年以内、2年超〜3年以内、3年超ということで3つの区分に分かれておりますが、これを足しますと14%、1割強の事業所で1回当たりの契約期間が1年超となっております。
 それから、15ページでございますけれども、こちらは1回の契約期間ではなくて、何回か契約期間を繰り返すにしても、勤続年数の上限が定められている場合がありまして、そういう定めの状況について調査したものでございます。勤続年数の上限を設けているとする企業は、一番上の総数にありますように、有期契約労働者を雇用している事業所の8.5%でございます。上限年数として具体的に回答いただきましたものの中で一番多かったのが、3年超〜5年以内が55.6%と半数を超えております。それから、「設けている」の8.5%の下の方の事業所規模のところを見ていただきますと、1,000人以上では36.7%、300〜999人で16.8%というふうに、規模が大きくなるほど勤続年数の上限を設けている割合が高くなっているのがわかります。
 次の16ページ、17ページは、第14条第1項第一号、第二号でそれぞれ例外として認められている部分についての実態でございます。有期契約労働者を雇用している事業所の中で、まず、第14条第1項第一号に該当する高度で専門的な知識を有する労働者について、3年を超える契約をしている労働者がいる事業所がどれぐらいあるかということで調べたものですが、3.3%でございまして、この3.3%をどう見るかということでありますけれども、比較的少ない数が出ております。その中でどれぐらいの期間を定めているかという区分を6か月ごとに取ってみますと、一番多いのは3年1か月〜3年6か月で9.1%となっております。ただ、不明が68%という高い割合になっております。回答がなかったと承知しておりますけれども、そういった回答がないという状況も大きいところでございます。それから、平均期間を取ってみますと、52か月ということですので、約4年4か月となっております。
 それから、17ページの方ですけれども、3年を超える契約のうちで満60歳以上の労働者として特例的な契約期間を結んでいる者がいる事業所については、全体の中で5%存在します。契約期間が最も長い区分を見てみますと、23.9%で、これは60〜65歳の間の雇用の確保という趣旨で用いている例が多いからではないかと推測されます。平均契約期間は48か月で、約4年でございます。
 次の18ページにつきましては、契約期間の途中での退職申出の有無について調べておりまして、途中での退職申出があったとする企業が56.4%と半数を超えております。その中で、途中退職申出をした労働者に対して損害賠償請求をしたかどうかについて聞きましたところ、損害賠償を求めたことがあるとする企業は0.7%となっておりまして、非常に少ない。大部分は求めていないことになっております。
 それから、19ページにつきましては、契約途中での退職申出の時期でございます。これは事業者側から取ったものですが、契約期間の始期から1〜6か月以内に退職申出があったとする事業主が非常に多く、45.5%でございます。
 それから、次の個人調査でございますが、21ページ、事業所調査と同様に、契約期間の分布を取っております。個人調査につきましても、契約期間で最も多いのが6か月超〜1年以内で40%。それから、1年以上の区分を合計しますと11.2%で、個人調査においても1年以上が1割を超えている状況でございます。
 それから、22ページですけれども、勤続年数の上限を個人調査でも取っております。上限があるとする労働者が7.7%おり、その中で具体的な上限については、1年超〜3年以内が最も多く、54.7%となっております。ただ、下の5列ほどを見ていただきますと、派遣労働者であるか、派遣労働者でないかということで分けて取っておりますが、派遣労働者である場合の勤続年数の上限は約8割方が3年以内となっておりますが、派遣労働者でない場合については1〜3年以内がやや少なくなり、3〜5年以内がやや多くなる傾向がございます。
 それから、23ページについては、契約期間途中の退職申出の状況と、それに対する損害賠償要求の有無について、労働者側から取っております。この数字は、一番左にありますように、以前に有期契約労働者であった有期契約労働者ということで、現在有期労働契約で働いている方について、それより前の有期労働契約について、退職を申し出たことがあるかどうかという2段で聞いていますので、母数自体が全体の有期労働契約者の19.8%、一番左端の括弧内になります。19.8%がそういう経験があるということで、そういう方を母数にして聞いたものでございますが、退職を申し出たことがあるという方が29.4%であります。その際に、事業主から損害賠償を要求されたことがあると答えたのが4%となっております。
 最後の24ページですけれども、退職を申し出た時期についてでございます。総数について見ますと、各区分について、かなり満遍なく退職を申し出た時期が散らばっているのがわかります。これを一番下の派遣労働者かどうかで見ますと、やや傾向が出てまいりますが、派遣労働者である方の場合につきましては、契約期間の開始から1〜3か月以内の退職申出が一番多くなっております。派遣労働者でない者につきましては、3か月超〜6か月以内及び6か月超〜1年以内が18%と最も多くなっております。
 以上、実態についての資料でございます。以上で資料の説明を終わります。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、今、資料も御説明いただきましたが、先ほど申し上げました「その他」の論点ということで、有期労働契約の1回の契約期間の上限ほかを取り上げるということでございます。御意見、あるいは御質問等がありましたら、お願いしたいと思います。
 それでは、新谷委員、お願いします。
○新谷委員 今日の論点は、1回の契約期間の上限についてということでございますので、まず労側から、これについての考え方を申し述べたいと思います。
 労側は、これまでもたびたび主張してまいりましたように、雇用の原則というものについて、期間の定めのない直接雇用を基本とするべきであると考えております。そういった観点から言えば、有期労働契約については、その原則に対する例外ということで考えておりまして、これも申し上げておりますように、入口の規制を行うことであるとか、契約期間の上限についても、限定されるべきと考えております。仮に有期労働契約の上限を現行の3年のまま置いておくとした場合についても、人身拘束の弊害というのは依然存在するわけであります。先ほどの調査にも、わずかではありますけれども、その数字が出ておりますので、附則第137条については残すべきであると考えております。
 平成15年の労基法の改正の際に、この審議会においても、有期労働契約の上限の延長について、さまざまな論議があったと聞いております。労側の主張の中でも、いわゆる若年定年制、たとえば、22歳で採用されて3年経過した25歳で雇用が終了するなど、非常に短い定年で終わってしまうのではないかという指摘や、転職を阻害するのではないかとか、3年も人身拘束をしてもよいのかといった意見を労側の意見として申し述べてきております。そのような論議も踏まえまして、国会で法案が修正されたのが附則第137条の条文です。
 以上の経過を踏まえて、十分な論議をするべきではないかと考えておりますので、まず冒頭に労側としての意見を申し上げたいと思います。
 以上であります。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、いかがでしょうか。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 事前に事務局に御質問をさせていただきたいと思います。平成15年の附則第137条が盛り込まれた経緯というか、審議会での議論ではなくて、国会の修正だったと思うのですけれども、具体的にどういう議論があって、どういうふうに整理をされたのかということを御説明をいただきたいと思います。
 2点目は、人身拘束の件ですけれども、例えば、判決であるとか、労働局からの個別の企業への指導、件数であるとか、内容であるとか、個別の事例で相談を受けているのが具体的にどの程度あるのか。人身拘束の弊害が現状でどうなっているのかというのを教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 まず、第1点の附則第137条の経緯でございますけれども、これはもともと労働基準法の一部を改正する法律案として政府が提出した法案には存在をしなかったものですけれども、国会審議の過程におきまして、修正案が衆議院で出されました。それが可決されて、参議院でもそれが可決されたということでございます。この趣旨につきましては、参議院で一定の議論がございました。衆議院での修正提案者から次のような答弁がございました。
 「契約期間の上限延長に伴い、契約期間中の退職の自由がかなり拘束され、転職の機会が更に狭められることとなるため、契約期間中などであっても労働者には退職の自由が認められるべきであるとの強い意見があったというところが一番大きな問題点として論議されたところではございます。」と。
 それから、もう一つ、修正提案者からの答弁がございます。
「3年に延長することになりますと、現在、1年間だけしか拘束をされない方々が3年間拘束されることになりますので、これはいかなることになるだろうかという御心配もありました。そういうことで、この見直しの措置が講ぜられるまでの間暫定的に、1年から3年になった方については、契約期間中であっても、1年を超えた後は退職の自由を認めるという修正を加えたわけでございます。」と。これ以上の議論はなかったと承知しております。
 それから、2番目の人身拘束的な意味での契約期間についての相談については、特にデータを取っておるわけではございません。ただ、これは印象なんですけれども、むしろ早めに雇用を切るという相談の方が圧倒的に多いという状況であることは少なくとも言えると思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 労働側にもお伺いしたいんですが、人身拘束の関係で、相談とか、深刻な事例とか、そういうのは、何か具体的にはあるんでしょうか。
○岩村分科会長 いかがでしょうか。
○新谷委員 我々も全国で労働相談を行っておりまして、有期契約で働く皆さんからさまざまな相談をいただくわけであります。特に人身拘束だけで統計を取っているわけではありませんけれども、例えば、有期労働契約で入られた方で、採用された後に資格取得のための費用を使用者側が負担した。ところが、契約期間中に辞めようとしたところ、使用者から費用について請求されたというケースは聞いております。詳細にどのような相談が何件あったかということは統計を取っておりませんけれども、例としては、そのような話があったということはお伝えしたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
○輪島委員 それは、運転免許とか何とかというような感じのものですか。そのことで人身拘束とか何とかという話ではなくて、一般的には労務管理上、資格を取って何年以内に辞めたら返すとか、返さないとかというようになるのではないかと思うんですが、その点で、甚だしい人身拘束という状況になるんでしょうか。
○岩村分科会長 どうぞ、新谷委員。
○新谷委員 附則第137条の適用外になる1年以内の契約期間中の契約解除については、使用者側からどんな請求がされるかわからないという状況にあろうかと思います。そのことが契約解除に踏み切れない、本当は辞めたいんだけれども、契約に縛られてしまうというケースがあるのではないかと思います。
○岩村分科会長 多分、資格取得の場合に使用者かお金を出しているというケースは、有期に限らず、期間の定めのない契約の場合にもあるので、有期特有の問題として議論するのは難しいかなという気はいたします。
 あと、途中で辞めたときに、損害として具体的に何があるかというのは、実は使用者側も立証はそう簡単ではないケースが多いかなという気は、法律論としてはします。実態がどうかというのはまた別ですけれども。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 私どもで統計で見たりすると、金融業とか、そういうところに数字がちょっと上がっていて、特に高度技能者のところでの、契約ベースでそれほど技能が発揮できなかったとか、結果が発揮できなかったとかいうところでの損害賠償みたいなものは、多少事例としては聞くのですけれども、人身拘束という観点で、今も更に、いわゆる暫定措置ということで残しておくだけの有意な理由があるのかどうかというのは、事例としてあるんであれば必要なんだろうとは思うんですけれども、その観点で言うと、現時点では、機能としては、暫定措置というような観点から言えば、廃止をするべきなのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○岩村分科会長 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 さっき申し上げたように、我々として、人身拘束に関する調査ということを行ったわけではありません。ただ、考えられるとすれば、例えば、有期労働契約の方を採用するときに、スペースが足りなくてオフィスの借り増しをしたとか、生産手段としての設備投資をした場合の費用が契約中の解除によって請求される可能性もあるということは否定できないと思いますので、人身拘束の可能性は否定できないと我々は考えております。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 事務局にお伺いしますけれども、今の場合も該当するのかどうかと、そういうことが実際に起きた場合にはどういうふうに指導するのかという観点があるんでしょうか。
○岩村分科会長 事務局、いかがでしょうか。
○田中労働条件政策課長 実際上、辞めたこと自体による損害というのは、先ほど分科会長もおっしゃったように、どの範囲になるのかという議論をしないといけない部分があるとは思っております。それ以外の行為による損害賠償の請求も当然あり得ると思いますが、具体的事案が余りない中で、一般論としてなかなか申し上げられない部分かと思います。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 人身拘束の話について、数字のことで確認したいのですが、先ほど御説明いただいた23ページに個人調査の中で損害賠償請求の有無という項目があって、求められたことがあるという回答は4%です。その裏のページに、退職を申し出た時期というのがあります。実はさっきから引っかかっているのは、総数の4%で見れば少ないと見えかねないんですけれども、退職を申し出た時期とのクロスをかけると、要するに、1年未満しか基本的に損害賠償の請求ができないわけですから、対象となる労働者の数から言えば、4%ではなくて、もう少し高い数値で請求されている可能性があるのではないかというのが1点です。
 もう一点、これも事務局、あるいは公益の先生に教えていただければと思うのですが、本日の資料の6ページに、民法第628条の条文がございます。たまたま債権法の改正などに関わっているので目につくのですけれども、よく読むと、第628条の「直ちに契約の解除をすることができる。」という条文の後に「この場合において、その事由が一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」というのがあります。これをどういうふうに読むのか。多分、契約期間中の解除なので、債務不履行に基づく損害賠償、あるいは不法行為による損害賠償という構成になるのではないかと思っていたのですけれども、この後段の「この場合において、」というところの「一方の過失」という条文はどういうふうに読めばいいのか。急な質問で申し訳ないのですけれども、おわかりになれば教えていただきたいと思います。2点です。
○岩村分科会長 では、事務局でまずお答えいただければと思います。
○田中労働条件政策課長 まず、1点目は私からお答えいたします。損害賠償を求められたことがあるというのが個人調査で4%いらっしゃるということでありますけれども、これは実数にすると10人です。このうち1年以内で辞めて損害賠償を求められたと答えた方が4名いまして、1年以上で辞めて求められた方が6名いらっしゃいました。実数が非常に少ない中で、1名とか2名変わると大きく違う数値になるので、これ以上の解説を加えるのは適切でないとは思っておりますが、1年以上で損害賠償を求められたというのは、そういう仕組みを知らないで損害賠償を求めたという場合があるでしょうし、何らかの不当な行為があったとか、そういうことを理由に求めた場合もあろうかと思います。
○岩村分科会長 続けて、事務局でお願いします。
○青山調査官 続けて、民法第628条の件ですが、当方も勉強不足で不十分な御回答にしかなりませんけれども、第628条後段は、当事者の一方の過失によって生じたやむを得ない事由の場合の解除のときには、相手方に対して賠償責任ということですので、解除の理由となったやむを得ない事由がどちらかの過失によって生じた場合には、他方の当事者が損害賠償できるということです。これは、契約の解除はするので、契約はなかったことになるんだけれども、同時に損害賠償の請求もできるということを言った規定ととらえております。それで、損害賠償請求責務を過失があった方に負わせているという趣旨と解しております。
○岩村分科会長 多分、整理すれば、またほかの公益委員の先生に加えていただければいいんですが、要するに、有期契約の場合は、やむを得ない事由があれば、どちらも適法に解約できる。しかし、仮にやむを得ない事由があって解約した場合、したがって、それが適法であっても、やむを得ない事由の発生に当事者の一方の過失が関与しているときには損害賠償が請求できる。したがって、逆に、やむを得ない事由がないのに契約の解除をすれば、これは解除そのものが適法ではないので、したがって、債務不履行責任を追及できるという構造だと思いますが、よろしいでしょうか。
 ほかにいかがでございましょう。では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 新谷委員に御質問ですけれども、先ほど暫定措置の関係で、限定すべきとおっしゃったのかと思うんですけれども、それの意味はどういうふうに理解すればよろしいんでしょうか。
○岩村分科会長 どうぞ、新谷委員。
○新谷委員 申し上げたとおりでありますので、どのように理解と言われても困るんですけれども、我々は、労働契約の基本というのは、期間の定めのない直接雇用であるべきという大原則を考えております。そういった考え方からすると、有期労働契約というのは原則ではありませんので、これは例外的に処理するべきものであろうと考えております。ですから、有期労働契約を締結する際には、合理的理由などの入口の規制を設けるべきだということを主張しておりますし、1回の契約期間の上限についても、現在よりも短いものとして扱うべきではないかということを申し上げているわけであります。
○岩村分科会長 そうしますと、確認ですが、今は附則の第137条を前提にしながら若干議論していたんですけれども、労側の御趣旨としては、原則が今、3年になっていますけれども、それよりも短くすべきだ、限定すべきだということだと理解してよろしいでしょうか。
 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 そういう意味で理解すればいいということがよくわからなかったので、済みません。
 人身拘束の議論から外れてもいいですか。
○岩村分科会長 今の問題で一渡り議論はしたかなという気はするんですが、何かまだつけ加えられることがあれば、御発言いただいた上で次のところに移ろうと思いますが、では、中島委員、どうぞ。
○中島委員 ありがとうございます。
 先ほど附則がなくてもいいのではないかというような使用者側からの御発言があったかと思うのですけれども、労働者というのは使用者に比べて弱い立場に立たされていることは皆さん御理解の下かと思うんです。そして、雇用契約というのは普通の商品とは違って、生身の人間との契約という特徴があると思いますので、附則はしっかり残して、労働者保護という観点でしっかり対応すべきではないかと思います。民法の原則を修正して労働法が存在しているという意義もありますので、この点はしっかり議論を踏まえて残していくべきではないかと思っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでございましょうか。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 今の中島委員の御主張は、資料2の3つのポツのうちの3ポツだということですね。
○岩村分科会長 労側の議論が若干複雑なので、1段目としては3年を短くすべきだと。短くしたとして、1年まで戻せば第137条は要らなくなるんですが、1年までもし戻さないとすると、附則第137条は必要だと、恐らくそういう議論の組立てではないかと思われます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 理解を助けていただいてありがとうございます。
 人身拘束について本当に問題があれば、重大な案件ですし、労働者保護という観点で重要なアイテムだと思うので、その点について御説明があれば、それなりに考えるということだと思うんですけれども、基本的には多くの課題がないのではないかという観点からすれば、暫定措置としてのものは廃止をするべきではないかと思っているところです。
○岩村分科会長 人身拘束はよろしいでしょうか。松浦委員代理、お願いいたします。
○松浦代理 私はUIゼンセン同盟というところにおりますので、いわゆる流通小売、スーパーマーケットで働くパートタイマーが50万人ぐらいいるのですが、パートタイマーで働く皆さんは、データを取ったわけではありませんが、仕事を辞めるというのは大体、配偶者の転勤なんです。配偶者の転勤ということは、当然、3年前にわかる転勤はほとんどないわけで、そういう意味で言うと、今の議論は、別に労側も1年のものをゼロにしろと言っているわけではなく、1年を3年に延ばしていいかどうかということを考えるならば、やはりパートで働いている皆さんの実感からすると、3年後のことはだれもわからない。しかも、これはやむを得ない事情ということで、間違いなく損害賠償みたいな話にならないんであればというところはありますけれども、やはり3年の契約というのは、現実に今、小売業で働くパートの皆さんからすれば、きつい話だなという実感があります。そういう意味では、今の1年を延ばすということは、やはり拘束されるものとしてとらえる側面があるのではないかと思っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 使用者側委員は第137条を廃止するべきだとおっしゃっておりますが、今、松浦代理が申し上げたように、もし仮にこの3年の期間を残すということであれば、これはセットで現状のまま残していただくというのを、我々の主張としては当然、申し上げたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 1点だけ、私から使側に御質問なんですが、今、第137条について生じる弊害ということで議論されていたんですが、逆に第137条が存在することによって、使側が困るということが現にあるのかということも併せてお聞きしておきたいんですけれども、そこはいかがでございましょうか。
 輪島委員、お願いします。
○輪島委員 特に困るものはないのではないかと思うのですが、私ども、第137条を直截に廃止するべきだと申し上げているわけではなくて、人身拘束の関係で課題があれば、おっしゃっていただいて、それについて、そうだねというんであれば、残すという議論になるとは思うんですけれども、特に大きな弊害がないということであれば、小さな弊害があるからだめということもあるのかもしれないんですけれども、基本的には、今の暫定措置として、使側としての阻害要因はないのではないかと思っているところです。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 2003年に有期の上限を1年から3年に上げるときにどういう議論がなされたかというのを少し確認しておきたいんですけれども、労側は、細切れの雇用というのは非常に不安定でよくないという議論は常にありました。
 他方で、1年から3年に延ばすことに何かメリットがあるかというときに議論されたのは、1年の細切れであった場合には、使用者としても1年を過ぎたらいなくなる方ということであれば、教育訓練投資をしようというインセンティブは湧かない。しかし、3年間いてくださる方であれば、それなりの教育訓練もするし、より質の高い労働力として処遇するようになるんではないかという議論がありました。
 そして、先ほど松浦代理がおっしゃったように、労使ともに1年の方がいいという場合には、これを3年にしろということではなく、3年まで結んでよろしいということですから、労使ともにニーズがあって、その方がよいという場合には3年の契約を結ぶことを当時は禁止していましたが、これを禁止までは必要ないんではないかという形で3年に延びたということはありました。
 当時の議論では、有期契約1年上限だと短期雇用になる。そうすると、どうしても良質の雇用にはなっていないんではないか。そうではなくて、もっと中期雇用という形で、質の高い、とりわけ技能の高い方を遇するために、そういう有期契約を利用する機会を禁止するんではなくて、許容してもいいんではないかという中でできてきたのが2003年改正だったと思います。
 したがって、先ほどの分科会長からの御質問は、特に使用者として、そういう中期雇用といいますか、3年いてくださるんであったら、それなりの処遇をして活用したいと、そういうニーズがあるのか、ないのかということの御質問だったかという気がいたしますので、もしその点、何か補足があればお聞きしたいという気がしました。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 その点ですが、統計で言うと、14%が1年超えの契約になっている。想定をするところからすれば、それほど多くないのかもしれません。しかしながら、今後の高齢者雇用とか、いろんなことを、高齢者は5年で例外なのかもしれませんが、その観点から言えば、3年、5年という契約期間の上限というのはもっと促進されていいのではないかと思っています。むしろ、もっと長くした方がいいのではないかと思うのですけれども、そういう議論は余りないので、残念だと個人的には思っているのですけれども、実は、そういうふうにして長く活用するという観点では必要なのではないかと思っております。
○岩村分科会長 それでは、宮本委員、どうぞ。
○宮本委員 先ほど荒木委員もおっしゃった2003年の改正議論のときの議論経過もありますけれども、確かに先ほどの調査の結果を見ても、1年を超える契約は14%で、そんなに多くはありません。有期労働契約の上限が3年に延びたにもかかわらず、1年を超える契約がそんなに多くないということを考えてみますと、そもそも双方当事者にそれほどニーズがなかったのではないかという気もします。もう一つは、労働契約法第17条第1項に規定されているような、民法第628条にも規定されていますが、やむを得ない事由がある場合でなければ中途解約ができないということがありますけれども、そういったことも微妙に影響されて、こういう調査結果になっているのではないかと思います。
○岩村分科会長 では、荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 3年に延ばすときの議論は、3年について、労使ともに拘束される。したがって、使用者もやむを得ない事由がなければ途中で切れない。でも、労働者も3年間はいてくださるということで活用がされるんではないかという議論をしたと思います。ところが、国会修正で、労働者は1年を過ぎたらいつでも退職できるということになりましたから、1年を超える契約を結ぶというのは、使用者は3年間雇い続けると約束しますけれども、労働者は1年を超えたらいつでも辞めていただけると、そういう中で3年までの有期契約を使用者が活用しようとは思わなかったというのが、この14%にあらわれている可能性もあるんではないかと見ております。
○岩村分科会長 一渡りこの議論はなされたかなという気がしますので、先ほど輪島委員が別の論点をとおっしゃっていましたので、もしよろしければ、輪島委員、お願いします。
○輪島委員 今度は、今の原則3年、5年を1年にすると。今、宮本委員がおっしゃったところに答えがあるのかもしれませんが、どうして現状の14%ぐらい実際に増えてきているものをなくしてしまって1年に短くするのかというところをもう一度お伺いをしたいということです。
 それから、事務局に伺った方がいいのかもしれませんが、実際に今、超えている、3年とか、契約をしている人たちがいて、新しく制度改正が行われた後に1年に短縮をするということになったときに、具体的に長くなっている人たちをどういうふうな対応をするのかということをお伺いしたいと思います。
○岩村分科会長 では、労側、新谷委員。
○新谷委員 今、御質問いただいた中で、1年超えが14%で増えてきているという御発言があったのですけれども、これは増えているということで認識はよろしいんでしょうか。過去の何かの調査との比較において、同じ設問で調査した結果と比べて、1年超えの契約の比率はやはり増えていたという評価が下されるかどうかをまず確認をしたいというのが1点です。
○岩村分科会長 そこのところ、データわかりますか、事務局の方は。
○青山調査官 すみません、にわかにはわかりません。
○岩村分科会長 傾向はわかりませんね。いずれにしろ、増えているかどうかというよりも、現に14.5%存在するということで、今日のところは議論していただければと思います。
○新谷委員 なぜ短くするべきかということは、さっきから申し上げております。原則と例外の関係で言えば、これは例外なのだから、現行よりも短くするべきだというのが我々の考え方であります。それを何年にするかというのは、引き続き実態を踏まえて論議をしていきたいと思っております。ただ、平成15年の改正というのは1つのポイントになるわけでありますので、これも十分考慮しながら、一体何年がふさわしいのかというのはこれから論議をしていきたいと思います。
 今の14%という数字をどう見るかということなのですけれども、今回のアンケートでよくわからないところは、労基法の第14条第1項第一号に規定する高度専門職のケースが、1年未満にも、3年未満の数値にも入っているはずで、労基法の第14条の適用が一体どのようになっているのかということです。3年を超える部分については、第14条に該当するのでしょうけれども、3年未満のところについてはよくわからないので、法改正も含めての評価は、このアンケートからは難しいのではないかと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
○安永委員 関連していいですか。
○岩村分科会長 では、安永委員、どうぞ。
○安永委員 今の議論に関連して、途中で辞める場合の相談や事例が少ないのは、今の経済状況などが反映されていて、ほかに行くところがないから中途では辞められないということもあるのではないかという感想を持ちました。
 また、労側が短い方がいいということの1つに、今、有期で働いている人のうち、多くの人ができれば正社員で働きたいと思っていて、少しでも状況がよくなれば正社員にチャレンジをしたいという思いがあり、長い契約期間よりも、再チャレンジの可能性を残しておきたいということもあると考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 先ほどの輪島委員の2番目の御質問は事務局あてだったので、済みません。
○田中労働条件政策課長 これも想定というか、仮定の議論ですけれども、実際に3年を超えて契約をしている方がいる中で、例えば、3年という契約期間の上限を1年に短縮する法律改正を行い、それがある時点で施行になったとした場合に、施行日をまたがるような形で3年を超えて契約をされている方については、必要があれば、何らかの経過措置が想定されることになろうかと思います。この経過措置の内容とか範囲は、どういう趣旨で、どういう必要性に応じて上限の短縮をするのかという立法趣旨にも影響されるものと思います。そういう意味で、これ以上具体的なお答えはできないかと思います。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 仮定の質問で大変恐縮でしたけれども、ただ、労働市場としてはかなり混乱をするので、それはいかがなものかと思ったということだけコメントでつけておきたいと思います。
 それで、1年に短縮するべきという意味が、安永委員も短い方がいいとおっしゃるわけですけれども、3年なら3年という期間を、使用者側も労働者側も、長くなることによって雇用が安定をすると思うわけなのですけれども、それをあえて短い方がいいと、特に解雇からすると、普通の正社員の解雇よりも厳しい要件が有期労働者、特に長く結んでいれば、それで雇用の安定というような意味合いでは保護されるというふうな今の法律の立てつけになっているのに、あえて1年のように短くしたいとおっしゃるところが、どうも腑に落ちないというか、よくわからないので、是非教えていただきたいと思っています。
○岩村分科会長 安永委員、どうぞ。
○安永委員 その点は、最初に新谷委員が申し上げたように、そもそも有期労働契約については例外的なものとすべきだということとセットの話だと私は思っていて、そのことを前提に、有期の場合は1年だと申し上げているところです。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 これもたびたび申し上げておりますし、入口規制のときにも申し上げておりますように、入口規制も1回当たりの回数も我々は相互に連関する関係と考えております。入口規制として、有期契約の締結には合理的理由が必要とし、それがないものについては無期に転換すべきだということも申し上げてきたとおりであります。基本的には、労働契約というのは、期間の定めのない雇用を基本とするべきだと、こういう大原則を繰り返して申し上げておきたいと思っております。
 それと、もう一点、別の話題に行っていいですか。
○岩村分科会長 どうぞ、結構です。
○新谷委員 先ほど荒木先生から貴重な御示唆をいただいて、法改正の際の論議を御紹介いただきました。その中に、1年から3年に延ばせば使用者側も労働者に対する教育投資をするのではないかという論議があったという御紹介をいただいたのですが、実は、能開局で行っている調査によると、必ずしもそういう結果になっていないと思います。これは変化率で見ても、法改正があった平成15年から見ても、非正規労働者に対する教育投資がどんどん下がってきているという結果になっております。これも1年を超えて3年の方、あるいは3年を超えて5年の方に対する教育投資がどうなっているかというのは詳細な分析が必要だと思うのですけれども、多分、非正規雇用というのはほとんどが有期雇用の方でしょうから、有期契約の方に対する教育投資というのは決して増えていないのではないかという認識を持っております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 実は、今日、各論のいわば最後のとりまとめの議論もしたいものですから、そのための時間も確保したいので、この有期労働契約の1回の契約期間の上限について、なおまだ御発言があればお願いした上で、全体の関連に関することも議論したいと思います。
 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 3つほど御質問をしておきたいと思います。すぐに回答していただかなくても結構なんですが、是非、公益の先生に一度御教示をいただきたいと思います。
 まず、1点目は、労基法第14条の3年ということについて、有期研の報告書の中には、利用可能期間の規制と誤解をしてという指摘があります。その点について、本当に誤解なのか、それとも有期研の報告書の後に「いわゆるリスク回避的配慮」という言葉もあるのですけれども、誤解であれば、それは正していく必要があるわけですけれども、そのような実態になっていないということについてであれば、なぜなのかという議論が必要なのではないかという点であります。
 2点目は、同じく第14条には、3年を超えてはならない、例外が5年でというふうな上限規制があるわけですけれども、労働契約法第17条第2項については、下限規制というか、できるだけ長くしましょうと。要は、使用者側から法律を読むと、長くするな、短くするなというふうに読むわけですけれども、今のこの状況であれば、長くしろということが政策的な誘導であってしかるべきだと思うのですけれども、そこの立てつけをそのままにするのかどうかという点であります。
 3点目は、これは民法の関係ですけれども、民法に言う期間の定めのない雇用と、民法の後の労働法での修正、特に整理解雇の関係で、いわゆる解雇規制が入っているという観点と、高齢者雇用の関係で、60歳定年を入れることによって、労働法の世界では、期間の定めのない雇用と言っても、結局は60歳までの有期雇用というふうにも言えるわけで、その点と3年の上限との関係も何か整理が必要なのではないかと思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 その点については、とりあえず今の御質問を受けて事務局に整理してもらって、次回以降、可能であれば、事務局でお答えいただいた上で、更にコメントがあれば公益委員からコメントしていただくことにさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
                (「はい」と声あり)
○岩村分科会長 そのほか、今、議論している1回の契約期間の上限について、御発言ございますでしょうか。
 もしよろしければ、各施策の総合関係というようなことも、先ほど事務局から御紹介いただいた論点ペーパー、資料?2で挙げられているところであります各論の議論も大体一巡してきたということでもございますので、これまでの論点や全体に関わる補足意見などでも結構でございますので、また御意見、あるいは御質問などいただければと思います。
 安永委員、どうぞ。
○安永委員 ありがとうございます。
 有期契約労働に関連して、この議題が始まった最初のころの分科会で発言をさせていただきましたが、使用者側が労働者に対して、そろそろ独立しないかといったような甘い言葉で、請負契約でありますとか、業務委託契約に変更させるといったこととか、もっとひどいのは、いつの間にか書類上、請負契約にしてしまうということなども現場では起きております。就労実態に応じて労働者性の有無を判断することになろうかと思いますけれども、このように現実には、労働法でありますとか、社会保険等の適用逃れを目的とした、この種の事例も起こっておりますので、問題意識を共有させていただければと思っております。有期労働契約がそのような脱法的な行動に流れることに対する歯止めなどについて、そういうことも議論が必要だと思っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。伊丹委員、どうぞ。
○伊丹委員 有期労働契約に関する議論は、最初のときの問題提起でもあったわけですけれども、有期労働契約をどう生かしていくのかという視点なのか、どう制限していくべきなのかというところにまた関わるわけです。例えば、今、日本の雇用の環境は、経済情勢という観点から見て非常に厳しい状況にある。現実的に東日本大震災で有期だから大変な目に遭ったという事例もあったかもしれません。しかし、復興に向けてみんなで頑張っていこうという中で、有期の労働者だけが置き去りにされたという事例が、リーマンショックのときに比べ、今、現実的にどの程度起きていると認識しておくべきなのか。これは事務局に改めてお聞きしたいし、労側の方にもコメントがあればおっしゃっていただきたいと思います。また、直近、自動車会社が期間工を拡大するといった記事が随分出てきています。それは悪なのか、すなわちまた非正規での雇用かということなのか、それとも非常に雇用量が増えてよかったということなのか、この点について、労側の方はどう思っていらっしゃるのか。
 私としては、有期雇用の問題は、確かに非常に極端な事例も多々あって、社会的な問題になったというのは認めるところであるわけですが、現実的に価値観が多様化したり、世界の中で競争していくいろいろなやり方を考えたときに、一律の雇用形態というのは取り得ない。つまり、多様な雇用形態を取らざるを得ないというのは明らかであると思います。労側の方が無期原則を強くおっしゃるわけですが、有期はなくならないと思うわけです。なくならないのであれば、どう生かすかということを真剣に考えないといけない。
 そういう意味で、これは意見であるわけですけれども、改めて分科会のまとめをしていくときに、雇用をどう良質かつ量の多いものにしていくのかというところに常に戻りながら、各論についても議論しないといけない。このことを改めて強調したいと思います。分科会での議論が始まったときと比べて有期労働に関して何か変化しているところがあるのか事務局での認識、および労側の問題意識をお聞きしたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 震災後の、特に有期雇用の動きについて、何か厚労省で把握されていることがあれば、お願いできればと思います。
○田中労働条件政策課長 雇用の関係については、ハローワークや監督署の窓口でさまざまな相談を受け付けております。勿論、事業者自体が被災して、事業の継続がなくなってしまったところについては、正社員であろうが、非正規社員であろうが雇用が失われ、雇用保険その他のセーフティーネットによって、今、何とか生活保障をし、新しい雇用に向けての努力を支援するということになります。
 そういった被災の中心部以外のところについても雇用の影響は大きく、例えば、業務量が相当減ってしまったということで、パートとか、有期雇用の方々を解雇するというような事例は少なからず起こっておりますが、事業量自体が非常に減少している中で、やむを得ないものとして行われているものも多いと思います。先ほどおっしゃったように、今後の事業の再開を目指して努力をされている事業者の方が多いと思いますし、それに向けて、これまで一旦解雇したり、あるいは自宅待機、休業などさせていた方々について、職場復帰などの動きも出てくると思います。更にいろんな形の雇用関係の動きが出てくると思いますので、それについては十分注意しながら見ていきたいと思いますが、現状ではそのような状況でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 労側への投げかけもありましたが、その点、いかがでございましょうか。
○新谷委員 震災の関係について、我々も被災地に入って、関係する地方自治体の首長とも意見交換させていただいています。現地から言われているのは、復興に際して、一番のキーポイントは雇用だ、雇用なくて復興はあり得ないということを言われておりまして、これは一昨日にまとめられた復興構想会議の第1次報告の中にも大きな柱として書かれていたと思います。
 この雇用の在り方については、フェーズが幾つかあると思っていまして、復旧のフェーズと本格的な復興のフェーズは違うのではないかと思っています。今はまだ復旧フェーズですので、瓦れきの撤去とか、仮設住宅の建設とか、臨時的な雇用しか生まれておりません。しかし、今後、復興計画が本格化していったときには、震災を受けた東北地方において、どんな産業をこれから育てていくのかということとも関連しますけれども、雇用の在り方は今とは異なり得ると思います。例えば、阪神・淡路大震災のときに、神戸市はフェニックスプランを打ち出し、医療で雇用を拡大するという計画を立てて、それに従って、企業誘致などをやってきて、今、あそこはかなり医療産業が発達しているわけです。ですから、今後、東北が地元の皆さんのニーズを生かしながら、どんな復興プランの中でどんな雇用を生んでいくのかということは非常に重要なポイントだと思っています。ただ、そこにある雇用は、復旧期のフェーズのような臨時的な雇用ではなくて、今後、あの地区で安定した復興計画を遂行するための安定した雇用によって担っていくべきだと考えております。それに必要な教育については、国としても資源を投下して復興を支えるべきではないかと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほど伊丹委員から期間工の話も出されたかと思います。期間工の問題は、我々も入口規制のときに、合理的な理由を必要とするということを申し上げたと思います。ですから、すべて労働契約が期間の定めのない雇用だけで、有期契約を全く認めないということを私どもは申し上げたつもりはありません。ですから、合理的な理由に当たるのかどうかというところを一緒に論議させていただいたらどうかと思います。ただ、雇用の量が増えたから、それは有期でもいいのではないかということについては必ずしも賛成はできないと思います。
 かつて日本の産業においては、伊丹委員の御出身の企業もそうでしょうけれども、期間工、臨時工の問題はかなり大きな問題としてあって、臨時工の本工化というのを、我々は労働運動でもやりましたし、経営側にも御理解いただいて、有期の方々を正規社員に登用してきた。しかも、そうして本工化した正規社員が企業の中核を担って産業発展を支えてきたという歴史があるわけです。ですから、2011年においても、かつて労使が知恵を絞って乗り越えてきた有期契約の無期化ということについては、先人の知恵を生かしながら、改めて今日において、どういう意味があるのかを一緒に考えていただければと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 今、新谷委員がおっしゃったところはよくわかるのですけれども、わからない点が、期間の定めのない雇用が雇用の原則というところでの、労使が知恵を出して、個別の産業、企業でそれに取り組むということはあるべき状況だと思うんですけれども、今、ここでは、労働基準法とか、労働契約法という法律で期間の定めのない雇用が雇用の原則ということを実現するというところに、違和感というんですかね、どうしてそこのところがそういうふうにずれるのかがよくわからないというのが本当の正直なところで、今だから言う感想というか、そこの点があるなというふうに思っているところです。
○岩村分科会長 なかなかそこは労使ともにお考えが違う場面でありますが、では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 伊丹委員から期間工についてどう思うかという御質問をいただいたものですから、期間工についてはこういう歴史がありますよね、だから、そのときの労使で十分話をした知恵をこの場でも生かしてはどうかということを申し上げているつもりであります。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 論点ということでよろしいですか。
○岩村分科会長 どうぞ、結構です。
○輪島委員 論点として、余り議論してこなかったなと、今日に当たって、全部の議事録をガーッと読んではきたんですけれども、その点で抜けていると思っているのが、2008年のリーマンショックのときに何を言われたのかということで言うと、日本では非正規雇用者の雇用調整が深刻化して社会問題になった。そこが非正規切りとか、派遣切りと言って、貧困問題と結びついて、社会問題となった。有期についても、審議会での宿題ではありましたけれども、その流れを組んで議論をしてきた。
 その点で言うと、そのことについて議論を否定するわけではないので、有期研の報告書を土台にして、これまでこの審議会で私どもも議論してきたところですが、その本質的な、要は、世帯主は、おっしゃるように、有期で時給1,000円で2,000時間働いても200万円なわけですから、その点について、貧困問題に陥らないように、有期労働者をどういうふうにするのかという議論をするのが重要だと思うのですが、全体にかけて、つまり、お手元にある83回の資料1の(7)の左側にある契約社員や、パート、アルバイト、派遣社員、その他というところで、事務局からの御説明は、すべて横軸に破線でくくっているところが有期労働契約で働いているので、そこのところで議論をするというふうにしてきたわけです。一渡り全般で議論はしてきたと思うんですが、なぜ、または今の状況で何を解決しなくてはならないのかというところの論点を、余りこの審議会では議論してこなかったのではないかと思いますので、その点を振り返って議論をする必要があるのではないかと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 恐らく、その点は、この後の中間とりまとめのところで、どういうふうにそこを表現できるかということで検討させていただければと思います。
 それでは、お2人手が挙がりましたので、高松委員、伊丹委員の順番でお願いをいたします。
○高松委員 前回議論したと思っていますが、均衡・均等処遇の関係についてでございます。前回も労働側からの発言として、合理的な理由のない場合の差別的な取扱い、あるいは不利益な取扱いの禁止を労働契約法に規定をしていただきたい、このことを申し上げたと思っています。ただ、その場合に課題になるのは、何が合理的な理由になるのか、あるいは何が不利益な取扱いになるのかということだろうと思っています。その辺については、今のところ明らかになっていませんから、最終的に問題が発生した場合については、司法の判断に委ねることになるとは考えています。ただ、いずれにしましても、判例法理の形成には時間もかかりますので、できれば労使のよりどころになるような事項を、労使によるガイドラインというもので示せれば、少しは課題の改善につながるのではないのかなと思っています。
 漠然とした考え方ですが、例えば、職務内容、あるいは責任度合いの違い、あるいは成果、あるいは職務遂行能力、そういったものの違いが合理的理由となり得る場合もあるとは思っていますが、そういった理由についても、処遇全般には該当しないのだろうと思っています。職務が異なっていても、福利厚生施設の利用や通勤手当等々については不利益に取り扱うべきではないとも思っております。以前、連合においても、合理的な理由や均等に処すべき処遇などの在り方について議論してきた経過があります。いずれにしても今後の法制化が図られた後で結構ですが、改めて議論する中で、労使のガイドライン等々に反映させることができればと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、伊丹委員、お待たせしました。
○伊丹委員 中間的なとりまとめをしていくに当たっての意見です。今回の分科会については、最初に検討の目的、あるいは実態認識を労使、および先生方も含めて共有化した上で議論を進めていこうということを確認したと思います。中間とりまとめではこれまでの議論でここまでは共有できたけれども、この部分では意見が異なるということを整理し、その上で残った課題について更に議論させていただくということになると思います。
 この分科会の内容は公開されて、日本のいろいろな方々に広く認識していただいています。大震災で国難と言われる状況に陥っている中で、有期労働契約の問題は非常に重要で難しいわけで、労使の主張がわかりやすく表現しようとするあまり、立場性の観点から対立点だけが強調され表現されると多くの人たちにかえって誤解を与えるのではないかと思います。この分科会で当初の問題意識がどのように深まり変容してきたかを明らかにし、労使および公益の先生方も含めて、何を認識として共有できたかを明らかにしていただきたい。
 同じことを言おうとしても、労使のものの言い方は違ってしまうかもしれませんが、可能な限り良質な雇用を増やしたいという思いは一致していると思いますので、少なくとも何が共有できたのかをよくまとめていただいた上で違いを明らかにしないと、いままで何の議論をしてきたのかということになりかねないので、まとめるにあたってはこうした観点からの工夫をお願いしたいと思います。
○岩村分科会長 貴重な御指摘ありがとうございます。
 1点、もし労側の御発言があればお伺いしたいんですけれども、先ほど輪島委員が、83回の資料1の(7)というところで、何を議論するのかという焦点の話があるという御発言があったので、今の状況で何を解決しなければならないのかということについて、もし労側で御発言があれば、ちょっと伺っておいた方が、いきなり中間まとめのところに投げるよりはいいかなという気もしますので、現段階でもしあればということでお伺いできればと思うんですが。新谷委員、お願いいたします。
○新谷委員 これは、有期労働契約の方々の現状をどう見るかというときに随分論議をさせていただいたと思っていまして、雇い止めによる雇用の不安定さなり、処遇の格差というのが現に有期労働契約の方々にはある。伊丹委員も問題なくはないとおっしゃっていただいたように、経営側の皆さんもそこはある程度認識いただいていると思うんです。こういった実態に対して、今後の法政策として、どこをどういうふうに扱っていくべきなのかということを論議をしているわけでありますので、我々としては、雇用の不安定さと処遇の低さに対して法的にきちっとした対応をとるべきではないかと考えております。ただ、有期と一口に言っても、パート労働法の話もありますし、また、直接雇用か間接雇用かという話もありますので、類型によってかなり違うと思いますが、雇用契約期間が無期ではない、有期の方を中心に、法政策はどうあるべきかということを論議するべきだと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 難しい質問をしまして申し訳ありません。ありがとうございました。
 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 端的に言うと、先ほどの表で言うと、パートのところはパートタイム労働法が労働者保護を図っておりますし、派遣法のところは、派遣労働者についてカバーをしていると思うわけですけれども、例えば、今の主婦パートのところでどう考えるのかであるとか、学生アルバイトで、本業が学生であって、生活費を稼ぐために働いているというところも期間の定めのない雇用が原則だというふうになるのか、確信的に自分がフリーターをやりたいと言っている人であるとか、先ほど話があった期間工もどうするのかとか、全体にかける話なのか、問題があって、そこをすくい上げるのに何をするのかというのとは少し議論の仕方が違うんではないかと思うので、後半戦には是非その点の御意見を開陳していただいて、何が課題になるのかというところに絞って議論をしたい。主婦パートのところで言えば、例えば、103万円の問題とか、130万円の問題をクリアにした上でないと、その後の期間の定めのない、または均衡とか均等というところをどういうふうにするのかという課題だってあるわけで、個別のものの組み合わせが必要で、今の論点である組み合わせは余り意味がないのではないかと思っているところです。
 済みません、もう一つ、追加で。議事録を読んだ感想があるんですが、島田委員が今日は御欠席ですけれども、ウィン・ウィンの関係をつくりたいというふうに議事録で残っておりました。伊丹委員がおっしゃったように、私どももそういうふうに思っていて、この労働条件分科会は、外側から見るとというか、伝統的には確かに労使対決の火花が散ると大変議事録で楽しいなというようなことがずっと行われていましたけれども、有期について何が問題なのかということを真摯に積み上げて適切な対応をするというのは、私どももそういうふうに思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 これも入口規制の論議のときに申し上げたと思っておりますけれども、一口に有期の方々といっても、さまざまな類型の方々がおられて、かつ非常に多い数がおられると思っております。例えば、60歳以降、定年されて再雇用されている方もおられれば、高度専門職の方もおられれば、先ほど触れられた家計補助的に働いておられる方もおられれば、アルバイトもおられる。類型を考えながらどうあるべきかというのは、これから論議をさせていただきたいと思っていまして、使用者側も、今、一番問題になっているところはどこなのかというところに焦点を当てて、ここをどうするべきかという論議に乗ってきていただきたい。これも後半戦の論議の中で是非こちらからもお願いしたいところだと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 そのほか、よろしいでしょうか。では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 雇い止め法理の件で振り返って申し上げたい点がございます。前回、輪島委員から、雇い止め法理の救済効果の見直しという観点で前向きにという発言もあったかと思うんですけれども、この点について、あたかも雇い止めの金銭解決といった方法につながるということについて、我々としては全く意図していないということを念のために申し上げておきたいと思っております。
 それと、この雇い止め法理については、使用者側から前向きにとらえる中に、予測可能性が低いから成文化するべきだという御意見もいただいたと思うんですけれども、労働契約法第16条の解雇権濫用法理についても、これは予測可能性という面では全く同じでありまして、裁判所に行かないと、個別事案ごとに有効か無効かはわからないという現状にあるわけであります。
 しかし、一方で、例えば、労働基準法の第18条の2が2003年に規定され、今、労働契約法に移りましたけれども、判例法理が成文化されたということの意味は非常に大きかったと思うんです。そういった意味では、この法制化について考えていくべきだとは思うんですが、法制化の際に、類推適用については最高裁の大きな判例が2つあったというのは、この分科会でも御紹介されていたとおりです。東芝柳町のケースと、日立メディコの事件があったと思うんですけれども、我々としては、東芝柳町事件の判決をベースに考えていくべきだと思います。また、成文化する際には、証明責任を使用者側が負うべきだと考えています。情報は使用者側が持っておりますので、それは労働者側に負わせるべきではないと考えておりますので、その点についても論議していきたいと思います。そのときに、変な要件を、判例にないような要件をいくつもつけるような法制化は絶対してほしくないと考えておりますので、これも併せて申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、よろしいでしょうか。時間の関係もありますが、論点「その他」について御発言があればと思います。
 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 済みません、1点だけ。途中で申し上げたんですけれども、有期の労働規制を高めるという方向性で議論があるわけですけれども、コインの表と裏というふうに申し上げて、議事録にも残っていると思うのですけれども、いわゆる正規の雇用の在り方についてのバランスというところも重要だろうと思いますので、論点として掲げていただきたいと思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今の輪島委員の発言の趣旨について、改めて確認させてほしいんですけれども、それは正社員の雇用保障について、何らか、この分科会で話をするということをおっしゃっているんでしょうか。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 そういう趣旨です。
○岩村分科会長 よろしいですか。
○新谷委員 いえ、よろしくないと思います。我々は、この分科会においては有期労働契約の在り方を検討しているわけでありますから、正社員の雇用の在り方について検討しているわけではありませんので、まず有期労働契約の在り方をきっちりと検討するべきではないかと思っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでございましょうか。
 これまで各論につきまして、今年の2月から順次テーマを選びつつ議論をしてきたところでございます。今日の検討項目が「その他」ということでありましたように、大体、検討すべき項目についての議論は一巡したかと思っております。本分科会で御了承いただきましたスケジュールによりますと、夏ごろに議論の中間的整理を行うということでございました。その点では、そろそろこの中間的整理ということを考えなければいけない時期になったと考えております。これまで労使それぞれの立場からいろいろな御意見をいただいたところでございます。そして、夏以後というか、俗に言う第2ラウンドの議論のためにも、それから、この分科会での議論の状況を社会一般にわかりやすくお伝えするということのためにも、これまでの御議論を論点ごとに、労使それぞれの立場を明確にするといったような配慮をしてわかりやすくまとめていきたいと考えております。
 まとめるに当たりましては、今の時点で1つの方向性で合意できるかというのは、今日の御議論にもありましたように、労使の隔たりの大きいところがございますので、わからないところではありますけれども、いずれにせよ夏以降の議論を実りあるものとするということも必要でございますので、そういった観点から、今後どのようなことに留意して議論したらいいかというような視点も、できれば併せて、この中間的整理の中で書き加えられないかと思っております。中間的整理のまとめ方につきましては、先ほど伊丹委員などから御意見もちょうだいしたところでございますけれども、そういった中間的整理のまとめ方も含めて、御議論、労使それぞれからいただければと思います。いかがでございましょうか。
 では、労側で、新谷委員、お願いいたします。
○新谷委員 ありがとうございます。
 今、分科会長より中間的整理のまとめ方について御示唆をいただいたわけでございますが、労側としては3点意見を申し上げておきたいと思います。
 まず、この中間的整理の位置づけ、意味合いについてであります。この分科会においては、2月以降、本日まで5回にわたりまして有期労働契約に関する総論的な事項を論議してまいりましたし、各論の論議も本日終わるということでございます。伊丹委員からも御発言いただきましたように、これまでの論議の中で労使で一致した部分も多々ありますが、それでもやはり、当然ではありますけれども、労使で一致していない部分も多々あるわけでございます。そういった意味では、この中間的整理というのは、これまでの分科会の論議を整理するものという位置づけにしていただきたいと思っておりまして、労使各側の主張を過不足なく整理いただくことを目的としていただきたいと思います。必要によっては別紙で労使各側の主張を整理するといった方法も考えられるんではないかと思っております。
 2点目は、論点ごとに論点の解説なり、労使各側の意見なり、今後検討に当たっての留意事項等々を整理いただくと思うんですが、事務局が原案を作成されるのであれば、論点の解説といった部分は、現行法の説明など必要最小限のものにとどめていただきたいと思っております。また、今後の検討に当たっての留意事項なども、もし書くということであれば、一般的には評価を含むものとならざるを得ないと考えております。今回のテーマにおいて、客観的・中立的な観点からの、留意事項が存在するのかどうかというのは非常に疑問でございます。ですから、今後の検討に当たっての留意事項みたいなものをおまとめになるのであれば、技術的な点に限定をして記述をいただきたいと思っております。
 最後に、論点についてでありますけれども、中間的整理は秋以降の議論につながるものと認識しております。ですから、当初、事務局で用意していただきました論点だけではなくて、これは冒頭に議論してきたように、有期労働契約の実態及び問題点といった論点であるとか、法整備の基本的方向性であるとか、どのような法律を考えるべきなのかとか、あと、履行確保の在り方をどうするべきなのかなど、有期労働契約の法整備に関する項目についても論点として組み入れていただければと思っております。
 冒頭に当たって、以上3点申し上げたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 どういうイメージができるのか、よくわからないので、分科会長のおまとめに従いますけれども、2点だけ申し上げておきたいと思います。
 1点目は、非正規労働者、全体で3分の1となっているわけですけれども、その在り方について検討する、特に有期労働契約で働いている人たちの実態をこの審議会で議論することについて、一定の理解をしていると思っております。しかしながら、実態を無視した形での法整備をすると、結果としては労働市場の混乱を招きますし、企業活動の阻害要因となると思っておりますので、その点で、企業に限らず、働く人たちのためも含めて、現実を踏まえた冷静な議論をしていきたい、そういうようなまとめにしていただきたいと思っています。
 2点目は、有期研での指摘でありますけれども、不合理、不適正な利用、活用というものは何なのかという点は、先ほど来申し上げているとおり、それについての合意は労使でないのではないかと思いますので、その点を更に議論をしていくという、手がかりになるようなおまとめをしていただければと思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 何か追加的にございますか。よろしいですか。
 そのほか、いかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、今日の論点についての御議論、それから、今、それぞれ労使の立場からの御意見といったものもございましたので、そうしたものを踏まえながら、論点の内容、それから、労使各側の意見、今後の検討の留意点といったものを整理しまして、それを議論の中間的整理ということでまとめていきたいと私としては考えております。そこで、事務局では、この中間的整理の原案を作成していただいて、その原案につきまして、次回、議論をしたいと考えておりますけれども、よろしゅうございましょうか。
                (「はい」と声あり)
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、この後、そのように進めさせていただきたいと思います。
 予定していた議事は以上でございますが、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 済みません。先ほどは中間的整理の在り方の部分だけ意見を申し上げればよかったのかと思って、その部分しか申し上げておりません。今後、分科会長と事務局で中間的整理をおまとめをいただくに際しまして、これまで論議してきた内容についての総括的な意見を申し上げさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○岩村分科会長 どうぞ。
○新谷委員 今年の1月からこの分科会で論議をしてまいりましたが、3点申し上げておきたいと思います。
 随分論議を重ねてきて、先ほど申し上げましたように、一致した点と、隔たりが非常に大きい部分、それぞれございます。今日に至っても隔たりが非常に大きい部分があるということは、私どもとしては残念だと思っております。有期労働契約の方々をどういうふうにとらえるかという、まさしく入口の論議とも関連してくるんですけれども、今、日本に雇用労働者が5,500〜5,400万人おられて、非正規といわれる方が1,700万人、3分の1を超える状況でおられるわけであります。
 有期で働く労働者の人数は何人なのかというのは入口のときに大分論議をさせていただきましたけれども、多分、非正規労働者のうちの多くの方々が有期労働契約の方々だと思いますし、雇用不安とか処遇格差、これも申し上げてきたとおりでありまして、雇用不安、処遇格差の労働者が日本の中に非常に増えてしまった。日本の雇用社会の風景をどういうふうに見ていくのかということを考えないといけないと思いますし、この有期労働契約という契約形態は本当に大きな影響を及ぼしてきたのではないかと思います。失われた20年と言われていますけれども、この先20年後の日本の雇用社会をどのように考えていくのかという長期的な視点で、有期労働契約法制の在り方について考える必要があると思っております。
 有期労働契約は、実態で見ても、更新回数15回とか、非常に更新を重ねて、勤続年数も長期化している方がおられますし、産業によっては、有期労働契約の方々がおられないと産業が成り立たないといったような基幹的な労働力として働かれているところもあります。使用者側の委員からは、そのことをもって、有期労働契約は雇用が安定しているんだという御発言もありましたけれども、我々としては理解しがたい認識であると思っております。労働側が繰り返し述べておりますように、長期に必要な労働力であれば、なぜ期間の定めのない雇用にしないのかという問いには、今日に至ってもまだ明確な回答をいただいていないのではないかと考えております。有期契約とするような業務上の必要性がないにもかかわらず、有期契約として反復更新をするという実態は、企業として契約を打ち切るフリーハンドを確保して、処遇格差を正当化する、そのために有期契約を活用しているとしか私どもには考えられないと思っております。
 この有期・非正規の方々の問題として、雇用が安定していない、あるいは処遇が低いということから、結婚できないという若い非正規労働者の声が聞かれておりますし、これも実例を申し上げたように、新規の学卒向けの求人においても、1年契約で更新は上限3年までといったような、これから社会に出ていく方々の雇用契約においても、こういう状況になってきているわけであります。学校を卒業して安定した職に就いて、長期雇用の中で、仕事を通じて能力を高めていく、これが日本の雇用の特徴であったわけでありますし、これが日本の経済発展を支えてきたと考えております。
 今後20年、30年先の雇用社会を考えるときに、雇用社会の風景をこのまま塗り替えていっていいのかという視点から、この有期の問題を考えていっていただきたいと思っております。
 有期の方々は、賃金格差は非常にありまして、非正規雇用が増えたことによって、平均賃金の低下であるとか、格差の拡大によって、これが今日のデフレの原因の一因にもなっているんではないかということが昨年の労働経済白書の中でも指摘もされているところであります。こういった労働経済白書の指摘も踏まえて、秋口以降の論議においては、もっと大きな視点で是非、御論議に加わっていただきたいと思いますし、我々としても、そういう視点で論議をしていきたいと思っております。
 次に、法規制の在り方についてであります。労側が繰り返し申し上げておりますように、雇用の在り方というのは期間の定めのない雇用が基本である、その例外として有期雇用を位置づけるということを申し上げております。また、有期雇用の締結には合理的な理由が必要であること、あるいは1回の契約期間の上限であるとか、更新回数の上限についても申し上げておりますし、その上限を超えた場合には期間の定めのない雇用とするべきであることとか、合理的な理由のない差別、または不利益の取扱いを禁止するといったことを今まで求めてきております。こうした規律を求めてきておりますが、今後の法規制の在り方を考える際には、行政指導であるとか、行政の監督といったことで履行を確保するという法律ではなくて、労働契約上の権利義務の要件と効果をきちっと定めた民事的な効果、民事効を持った法律に盛り込むべきだと考えております。
 前回もパートタイム労働法の第8条であるとか、高齢者雇用安定法の第9条の問題を指摘いたしまして、労働者救済の観点から言えば、私法上の効果が明確でないと労働者は救済されないということを申し上げた点であります。是非、私法上の効果ということを労働契約法の中に盛り込んでいただきたいと思います。労働契約法の中には、期間の定めのある労働契約という章が第4章にありますけれども、今、第17条一か条しかございません。労働契約法の中に有期労働契約に関する規律をきちっと書き込んでいくということで法規制の在り方とするべきではないかと考えております。
 最後に、長くなって恐縮ですが、関連領域の問題についても申し上げておきたいと思います。先ほど輪島委員も御指摘がありましたけれども、非正規といっても、ほかの法律とかなりかぶる部分があります。パートタイム労働法であるとか、労働者派遣法等々、かぶるわけでありますけれども、これはそれぞれ法的に抱える問題は別であります。法的には有期については期間の定めがあるかないか、パートタイム労働法については労働時間がフルタイムなのか短いのか、派遣労働については直接雇用なのか間接雇用なのかということでありますので、それぞれについて、これは検討するべきでないかと思っております。
 懸念されるのは労働者派遣法でございます。昨年の国会に提出をされた以降もずっと継続審議扱いとなっておりまして、現在も継続審議扱いでございます。実は、現行法は2003年に改正されて以来、ずっと改正されておりませんので、問題がずっと残されたままということでございます。派遣労働者の問題は、かなり社会問題化した後、最近、マスコミでも報道されることは少なくなりましたけれども、やはり間接雇用というのは使用者責任があいまいでありますので、非常に問題であると思っておりますし、集団的労使関係の枠組みで解決しにくいという問題もありますので、間接雇用について放置しておくことはできないと思っております。これは立法府の問題でもありますけれども、有期労働契約の検討に際しては、労働者派遣法についても非常に重要な関連があると思っておりますので、労働者派遣法について、政府としても早期成立に向けてやっていただきたいと思いますし、一言、派遣法との関連についても言及をしておきたいと思います。
 ちょっと長くなって恐縮です。以上です。
○岩村分科会長 どうもありがとうございました。多岐にわたる御意見だったと思います。
 輪島委員なり、使側は何かございますか。無理にということではございませんが、どうぞよろしくお願いします。
○輪島委員 ありがとうございます。
 先ほどの発言の中で、2008年以降の状況を私どもの理解ということでお話しをしましたけれども、振り返って考えると、1990年代半ばまで、非正規雇用の中心がいわゆる既婚の女性の労働力ということで、生計を主として担う存在ではなかったというところから、世帯主が多くは正規で働いて、非正規として家計補助的な働き方をするということがモデルとして定着をしている。
 法制的に見ても、解雇法制の場合ということでしょうけれども、企業が雇用調整する場合も、深刻さが比較的軽度であるということで、いわゆる非正規の雇い止めから先行して行われていて、それについての判決については、多くの場合、認められてきていると思っているところです。
 ですから、先ほども申しましたけれども、非正規雇用、特に有期の雇用の在り方の規制について議論をするのであれば、一方の正規雇用についての関係で言うと、正規解雇に関する判決とかもいろいろ見てみても、非正規雇用の雇い止めを先行して行うことが正規の解雇への正当事由になるということがセット、ビルトインになっているわけですから、その観点から、具体的な議論が必要なのではないかと思っているところです。
 日本企業は、日本経済や国民生活の維持基盤に非常に強力に、欠かすことのできない存在となっているわけですから、我が国の経済の更なる発展、企業競争力の維持・向上がこれまで以上に求められているわけでありまして、その観点で労働市場への非常に過度な規制というものを導入をすることについては慎重であるべきだろうと思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、ほぼ今日の議論は出尽くしたと思いますので、これで終了とさせていただきたいと存じます。
 最後に、事務局から何かございますでしょうか。
○青山調査官 次回の労働条件分科会の日程につきましては、調整の上、委員の皆様にお知らせしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○岩村分科会長 それでは、次回についてはまた後日、事務局から連絡があるということでございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の分科会はこれで終了させていただきたいと思います。
 そこで、事務局の署名でございますけれども、労働者代表委員の高松委員、それから、使用者代表の伊丹委員にそれぞれお願いをいたします。
 本日はお忙しいところ、遅くまでありがとうございました。

(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

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