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2010年11月24日 平成22年11月24日 薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会議事録

医薬食品局

○日時

平成22年11月24日(水)10:00~


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

出席委員(12名):五十音順 敬省略

 阿 曽 幸 男、  岩 月   進、 生 出 泉太郎、 小 澤   明、

 木 内 文 之、  鈴 木 邦 彦、 宗 林 さおり、 橋 田   充、

 藤 原 英 憲、  村 島 温 子、◎望 月 正 隆、 吉 山 友 二

(注) ◎部会長

欠席委員(4名):五十音順 敬省略

 西 澤 良 記、  廣 江 道 昭、 福 島 紀 子、 山 元   弘

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 成 田 昌 稔 (審査管理課長)

 内 海 英 雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 重 藤 和 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、只今から一般用医薬品部会を開催させていただきます。
 現時点で、委員16名のうち11名が御出席であり、定足数に達しております。委員の先
生方におかれましては、大変お忙しい中御出席いただき、誠にありがとうございます。
 なお、西澤委員、廣江委員、福島委員、山元委員より欠席の連絡をいただいております。
宗林委員は少し遅れて来られます。
 それでは、望月部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。 
○望月部会長 それでは、本日の議題に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と、
審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いします。 
○事務局 資料の確認をさせていただきます。当日配付資料として、議事次第、座席表、
委員名簿、競合品目・競合企業リストになります。
 その後に、1枚紙で平成19年3月22日の審査管理課長通知、「外国において一般用医
薬品として汎用されている生薬製剤を一般用医薬品として製造販売承認申請する際の取
扱いについて」です。こちらは、議題1のアンチスタックスに関連するものです。
 資料1~4については、事前にお送りしております。過不足等がございましたら、お知
らせいただければと思います。
 続きまして、本日の審議品目に係る競合品目・競合企業リストを御覧ください。各品目
について、競合品目、競合企業及びその選定理由について御説明させていただきます。
 議題1のアンチスタックスでは、軽度の静脈還流障害による足のむくみ等の改善を効能
・効果とする赤ブドウ葉乾燥エキス混合物製剤です。一般用医薬品のうち、同様に「むく
み」を効能・効果とする製剤につきまして、資料に掲げますとおり競合品目として選定さ
れております。
 議題2のエパデールT及びエパアルテは、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□」を効能・効果とし、有効成分は「イコサペント酸エチル」です。本剤と同
様の効能・効果等をもつ一般用医薬品はなく、競合品目の該当はございません。
 議題3のエンペシドL及びエンペシドレディは、腟カンジダの再発を効能・効果とし、
有効成分はクロトリマゾールです。一般用医薬品のうち本剤と同様の効能・効果をもつ腟
坐剤につき、資料に掲げますとおり競合品目として選定されております。以上でございま
す。
○望月部会長 只今の事務局からの説明について、御意見はございますか。よろしいでし
ょうか。
 それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの
了解を得たものとします。それでは、各委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 各委員からの申出状況について報告させていただきます。
 議題1については、退室委員はいらっしゃいません。議決に参加できない委員は、小澤
委員でございます。
 議題2については、退室委員、議決に参加できない委員はいらっしゃいません。
 議題3については、退室委員はいらっしゃいません。議決に参加できない委員は、小澤
委員でございます。以上でございます。
○望月部会長 ありがとうございました。それでは、早速議題に入りたいと思います。審
議事項、議題1の「医薬品アンチスタックスの製造販売承認の可否について」機構より説
明をお願いいたします。
○機構 それでは、議題1、資料1「医薬品アンチスタックスの製造販売承認の可否につ
いて」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。審査報告書は2ページを御覧くだ
さい。本品目は、「赤ブドウ葉乾燥エキス混合物」を有効成分とする新有効成分含有医薬
品、いわゆるダイレクトOTCです。日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社による申
請で、欧米諸国を中心に、一般用医薬品として承認されている「Antistax」と同一の製剤
でございます。成分・分量は、1日量として赤ブドウ葉乾燥エキス混合物450mgを含み、
効能・効果は、軽度の静脈還流障害(静脈の血流が滞ること)による次の諸症状の改善:足
(ふくらはぎ、足首など)のむくみ、むくみに伴う足のだるさ・重さ・疲れ・つっぱり感・
痛みとされており、用法・用量は成人(20歳以上)1回2カプセルを1日1回、朝服用す
るとされております。
 審査報告書は3ページの最終行を御覧ください。いわゆる西洋ハーブを一般用医薬品と
することに関して、お手元の資料にございますように平成19年に厚生労働省通知により
必要な添付資料が示され、国外での承認申請資料が入手可能な場合は、「日本人における
安全性の確認を主たる目的とした臨床試験成績を提出することで承認の可否の判断が可
能である」とされました。海外での承認状況につきましては、1969年にドイツにて他成
分との配合剤が登録、販売され、その後、単味製剤が1999年に別途登録され、現在まで
に20数か国で同一の製剤が承認されております。各項目の添付資料は、品質、薬理、毒
性については、提出された資料に大きな問題はないと判断いたしました。
 審査報告書は13ページを御覧ください。臨床試験は海外の二重盲検比較試験と国内一
般臨床試験の結果が提出されております。有効性につきましては、ドイツで行われた二重
盲検比較試験において、投与12週後の水置換後の重量による下腿容積変化を比較した結
果、本剤群はプラセボ群に対して有意な減少を示しました。また、国内一般臨床試験では、
審査報告書は15ページになりますが、全般改善における「中等度改善」以上の改善率が
81.0%でございました。
 安全性につきまして、国内臨床試験での副作用は、180例中12例、6.7%にみられまし
たが、すべて軽度でありました。また、海外での副作用発現状況は、審査報告書は2ペー
ジに戻りますが、発売後約10年間で重篤な副作用が19件報告され、肝炎の1例のみが「本
剤と関連あり」とされましたが、他のハーブ製剤及びアセトアミノフェンとの併用時に発
現後回復し、過去に本剤のみを服用した際には、副作用は発現していないことが確認され
ております。また、全体として、副作用の発現時期やその内容に特定の傾向は認められて
いないことから、安全性に大きな問題はないと考察されております。
 審査における主な論点として、審査報告書は5ページを御覧ください。機構は、下肢の
むくみを伴う原疾患は多岐にわたることから、むくみを呈する重篤な内科的疾患に使用さ
れないような方策の検討を求めました。申請者は、肝、腎、心、内分泌系疾患の患者、足
以外又は全身性浮腫がある場合には禁忌とし、これらの疾患を示唆する症状がある場合に
は、医師又は薬剤師に相談することとすると回答し、機構は了承いたしました。
 また、本剤の対象である静脈還流障害を一般の使用者が自己判断可能であるのかについ
ての説明を求めました。申請者は、「静脈の流れが滞る」ということを効能・効果中に明
記すると共に、薬局・販売店及び使用者向けに解説書を作成し、より詳細な説明を記載す
ると回答しました。その他、申請当初に「予防」の効能を設定していた根拠につき照会し
たところ、効果を示唆する明確な資料が存在しないことから削除されました。なお、他の
照会に対する回答も了承しています。
 最後に、本剤の毒薬・劇薬指定の可否について資料概要の最終ページにまとめられてお
ります。毒性及び副作用の内容から、赤ブドウ葉乾燥エキス混合物及びその製剤は毒薬・
劇薬には該当しないと判断しております。
 審査報告書は19ページの総合評価に移ります。以上により、総合機構は本品目につい
て、この効能・効果、用法・用量の下で一般用医薬品として承認して差し支えないと判断
し、本日の部会において審議されることが適当であると判断いたしました。
 なお、本剤は新有効成分含有医薬品に該当することから、再審査期間は8年とすること
が適当であり、原体及び製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特
定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。御審議のほど、よろしくお
願いいたします。
○望月部会長 只今の内容に関し、御質問、御意見ございましたらお願いします。
○生出委員 製品そのものについて、安易にサプリメントとして販売されがちな成分だと
思います。エビデンスに基づいて薬剤師による情報提供、相談応需ができるということか
ら、一般用医薬品として差し支えないと思います。
 よく見てみますと、少し不明なところがあります。恐らく1か月を超えないとは思いま
すが、どのような包装用量になるのかを教えてください。
○望月部会長 いかがでしょうか。只今の質問にお答えください。
○機構 申請者に確認したところ、まだ確定ではありませんが、この製剤は「相談するこ
と」の項で、3か月以上服用する場合には、医師又は薬剤師に相談するとされていること
から、少なくとも3か月以内の用量にするということでした。ただ、価格が上がることも
予想されることからそれほど大用量となることはないものと思われます。
○望月部会長 よろしいですか。
○生出委員 恐らく20日分、若しくは30日分あたりが、一般的には望ましいのかと思い
ます。
○望月部会長 これは、いくつ入っていますか。
○生出委員 2カプセルです。
○機構 このサンプルの包装が、実際に販売される用量になるとは限りません。
○望月部会長 これはサンプルのサンプルですか。
○機構 そうです。あくまでサンプルなので、1シートが入っていると思います。
○望月部会長 宗林委員、お願いします。
○宗林委員 すみません、少し遅れました。始まりを聞き逃したかもしれませんが、質問
があります。まず最初に、既にこのような商品は市場にあるのかということをお聞きした
いと思います。「ある一定の原料を使って、ある一定の製造方法により、エキスが何mg
入っている」といった製剤が、医薬品として承認された前例はあるのでしょうか。日本は、
成分承認という形をとっていたような気がします。例えばドイツ等のコミッションEのよ
うな形で、一定の原材料から一定の抽出方法で作ったエキスに対しては、効能・効果があ
るということで認められています。日本では、今まで認めてこなかったと記憶しています。
もし、その事実関係があれば、教えてください。
 この承認資料の中を見てみると、原材料中も製品中も天然物からということで、この機
能性の主成分について、かなり幅を持った形での原料規格です。また、製品中でも承認申
請書の33ページにアンチスタックスの規格及び試験方法という含量規格に□□□□□□
の規格の含量規格があります。□□□□□□ということで、□□□□幅を持った形での含
量規格になっています。そのため、「エキスとして何mg」という表現となっているので、
極めて分かりにくいと思います。可能であれば、成分として「何をどのくらい含む」とい
う表示は必要だと思います。
 現在は、健康食品とほぼ同じ表現になっています。医薬品なので、有効エビデンスをし
っかりととっているため、これが分かるようにも成分表示をお願いします。
○望月部会長 3点の質問があったと思います。順番にお答えいただけますか。
○機構 最初の御質問のエキスについてお答えします。先ほど説明したように、西洋ハー
ブを医薬品にするのは、これが初めてです。お手元に平成19年の通知があります。それ
に従い申請された品目で、初めて今回当部会にて御審議いただきます。日本においては、
漢方処方や生薬製剤というものがあり、承認書には「収量」という形でエキス量が書いて
あります。日本の場合、原生薬で規定をし、収量がどれくらいで、エキス量はどの程度入
っているのかということが分かります。これは外国のものなので、従ってエキスだけで区
切るのは初めてです。海外と日本の規格の定め方は少し違います。けれども、原生薬では
なく基本的には類似していると考えています。
 次の御質問は、規格幅の件と思います。生薬製剤、天然物由来のものは、規格幅がまち
まちになっており、ある程度は仕方がないことです。特に日本の漢方については、指標成
分というようにある成分の規格幅を決めています。局方に載っているものの大体3倍幅ぐ
らいであり、本品目が特に広いわけではありません。基本的に生薬製剤は、これぐらいの
幅で決めて良いと考えています。ドイツで承認されましたが、ドイツの幅とほぼ同じで、
むしろ、こちらの方が少し狭めた形となっているので、問題はないと考えています。
 3点目の表示に関する件は、恐らく定まったものや表示をする決まりはないと思いま
す。申請者に指摘したいと思います。
○望月部会長 「健康食品と医薬品との考え方について」という質問があったと思います。
それについて、いかがでしょうか。
○宗林委員 今のお答えで大体良いと思います。生薬はもちろん、かなり前からそのよう
な形で局方に原料基準があり、今現在もそれが残っていると承知しています。しかし、新
たに成分承認ではなくハーブ類の承認の1号として、一定の原料、一定の製造方法のエキ
スで承認するということは、大きな判断であると思います。
 しかし、エキスの中で□□□□□等で換算され、既に定量できているものも、□□□□
□□□□極わずかな部分でしか成分が分かっていません。この状態での承認になるので、
有効成分であるものをできるだけ明確に表現して欲しいと思います。
 事務局側にもお聞きしたいのですが、生薬が承認されてきたことは知っていますが、今
後はこのようにハーブ等も承認されるのでしょうか。これまで健康食品から医薬品への切
り換えが認められなかったもので、ドイツから入ってきているものも数多くあります。そ
の辺りの状況を聞かせてください。
 最後にもう1点あります。表示についてお話いただきましたが、できるだけ製品管理を
きちんと行い、この幅が一定内に入ること、第三者が入りチェック又は検査があることも
視野に入れて表示して欲しいです。
○望月部会長 ありがとうございます。藤原委員、お願いします。
○藤原委員 このような製品は今まで少なく、現場でかなり期待されると思います。生出
委員の20~30日分の量が望ましいとのお話もありましたが、この医薬品自体は長期的に
使わなければ、効果が出づらいという考え方を持つ必要があります。結果を見ると、1~
2日では効果は出ないと受け止め、3週間目ぐらいから効果が出始めたという感覚かと思
います。
 添付文書(案)の1ページに「2.本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も服用
しないでください」という記載があります。血小板への作用ということから、かぜ薬、解
熱鎮痛剤という名目で載っています。消費者が見ると理解しづらく、かぜ薬のどんな成分
かということをきちんと明記するべきだと思いました。
○望月部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。機構からお答えいただけます
か。かぜ薬という広い幅で「服用しないでください」と言って良いのでしょうか。
○機構 添付文書(案)は、ほかのものも含めて、このように書いてあります。先生の御指
摘は理解いたしました。薬剤師向け、あるいは使用者向けの説明書には、記載するように
申し伝えます。
○望月部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。木内委員お願いします。
○木内委員 この生薬製剤のようなものが、きちんと管理されて医薬品として利用できる
ようになることは、非常に良いことだと思います。質問も2点ほどあります。
 1点目は、審査報告書の5ページの規格についてです。製剤、葉、エキスに各々規格設
定がされており、試験法が出ています。確認試験を見ると、各々で食い違いがあります。
この辺は整理をした方が良いと思います。
 例えばエキスの確認試験は、TLC□□□□で行っています。□□ほど展開し、Rf値
が□□となっています。葉は、□□展開し、Rf値は□□でした。製剤は、□□展開し、
Rf値は□□ということでした。こちらは、オリジナルのものを日局に合わせるような形
で変更したような感じがします。その辺も含め、特にエキスでは「□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□」と注が出ています。これは、日局では□□□□□□□□□□□□
□□ことになっています。Rf値が、かなり違ってくると思うので、少し整備をお願いし
た方が良いと思います。
 もう1点あります。承認申請書の17ページに、□□□□□の□□□□□□□というこ
とで、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□」との記載があります。この□□□□は、具体的にはどこ
の□□□□なのでしょうか。
○望月部会長 2点ありましたが、いかがでしょうか。最初の確認試験のTLCの条件、
それから今の質問についてお答えください。
○機構 TLCについては、確かにドイツでの承認ですが、ドイツと日本のやり方は多少
違うようです。例えば、スポットの打ち方等も、ドイツであれば横長にし、日本であれば
丸にするといったように多少違いがあります。御指摘のとおり、整理するべきだと思いま
す。申請者に検討するように申し伝えたいと思います。
 □□□□については、恐らくドイツのものだと思います。今、確認ができないので、確
認し次第、委員に御連絡を差し上げたいと思います。よろしくお願いします。
○望月部会長 ありがとうございます。ほかには、どなたかございますか。よろしいです
か。岩月委員、お願いします。
○岩月委員 認められて実際に商品になった時に、苛酷試験を行わず、吸湿性の問題が発
生する可能性も考えられ、メーカーに確認を取るという記載もありました。今日のような
PTPシートの上にアルミの被膜があるものは、開けてしまえばアルミが無くなったもの
と同じです。分かっているのならば、チャックを付ける等の工夫が必要ではないかと思い
ます。そのような容器にすることにより、消費者に注意喚起をすることにもなると思いま
す。是非、御検討いただければと思います。
○望月部会長 ありがとうございました。先生方、ほかに御質問、御意見はございますか。
包装の工夫を業者の方にお伝えください。この審議品目については、先生方からいただい
た意見に従い、業者の方に伝えるということを前提として、議決に入りたいと思います。
 小澤委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御
遠慮いただくことになります。
 議題1「アンチスタックス」について、本剤は条件付きで承認して差し支えないとして
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、これらにつきまして、薬事分科会にその旨を報告させていただきます。どう
もありがとうございました。
 続きまして、議題2に入りたいと思います。審議事項、議題2の「医薬品エパデールT、
エパアルテの製造販売承認の可否について」機構より説明をお願いいたします。
○機構 議題2、資料2「医薬品エパデールT、エパアルテの製造販売承認の可否につい
て」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。販売名は、「エパデールT、エパア
ルテ」、申請者は持田製薬株式会社となっております。審査報告書は3ページを御覧くだ
さい。本剤は医療用医薬品「エパデールS600」を同一の成分・分量にて新一般用医薬品
とするものです。有効成分であるイコサペント酸エチルは、平成2年に「閉塞性動脈硬化
症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善」、平成6年に「高脂血症」を効能・効果として医療
用医薬品としての承認を取得しております。
 3ページの下を御覧ください。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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 機構は、本剤が販売された場合、実際に一般用医薬品としてどのように使用されるか及
び販売時に薬剤師がどう関与すべきかを明確にする必要があると考え、申請者の見解を求
めました。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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 服用対象者の選択の基準や薬剤師に求められる業務、血液検査の必要性等具体的な事項
は、審査報告書の4~5ページに記載しているとおりです。
 機構は、申請者から示されたこれらの具体的な方策を了承しましたが、本剤のように自
覚症状のない疾患を対象として、長期服用が必要となる一般用医薬品はこれまでに類似の
例がなく、市販後の状況を踏まえ、さらなる改善の余地がないか検証することが必要と考
え、申請者に対して、本剤の販売開始後の一定期間における使用実態について調査を実施
することを求めました。この詳細については、後に説明させていただきます。
 品質、薬理、薬物動態、毒性については、医療用医薬品申請時の試験成績がまとめられ
ており、□□□□□□□□□□□□□□□□□
 審査報告書は6ページの「臨床試験に関する資料」を御覧ください。本項については、
医療用医薬品申請時の臨床試験成績、市販後調査結果及び薬剤疫学的な調査結果がまとめ
られております。医療用申請時には、プラセボ又は対照薬を用いた二重盲検比較試験、臨
床薬理学的検討、用量比較試験及び長期投与を行った一般臨床試験が実施されておりま
す。これらを再解析した結果、本剤による血清脂質改善度を評価した全般改善度における
「改善」以上の割合は、二重盲検比較試験において42%、一般臨床試験では47%であり、
中性脂肪値の投与前値別に再度解析を行った場合も、本剤の対象となる軽症の例では同程
度の割合となりました。
 安全性については、すべての評価症例のうち、副作用の発現が認められた症例は6.0%
で、主な症状は消化器症状、浮腫、発疹等でいずれも中等度から軽度なものでした。
 機構は本剤の長期服用による脂質全般の変動傾向を示し、安全性について考察するよう
求めました。申請者は長期投与試験における血清脂質推移の検討結果を示し、中性脂肪及
び総コレステロールは投与前に異常値を示した群では低下作用を示しますが、過度の低下
を来さず、投与前に正常値を示した群では、それ以上の低下を示さなかったこと、HDL
-コレステロール等の他の脂質は本剤による大きな変動はないこと、これまでに副作用や
検査異常値として中性脂肪値や総コレステロール値の異常な低下が報告された例はない
ことを説明し、本剤の長期服用による安全性に問題はないとされ、機構はこれを了承しま
した。
 審査報告書は7ページを御覧ください。申請時には効能・効果は、「□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」及び「□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□」とされていました。
 機構は、「□□□」という語句について、「□□□□」とは正常値との境界であり、一
般の使用者が混乱を来す可能性があると考え、削除することを求めたところ、申請者は対
応されました。また、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□を一般の使
用者が判断することは困難と考え、検討するよう求めたところ、□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□と回答しました。
 用法・用量について、申請時には「成人(15歳以上)、1回1包、1日3回、食後すぐ
に服用」とされていましたが、機構は若年層の高脂血症は医療機関で受診する必要がある
ことを踏まえ、対象年齢を適切に設定することを求めました。□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と回答し、機構はこれを了承しまし
た。
 機構は、本剤の服用期間についても照会しました。□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□機構は、本剤の□□□間の服用は安全性上の問題は
ないと考えましたが、服用後□□□程度を目安に効果を確認するための血液検査を推奨す
ることや生活習慣改善の取組について、添付文書や使用者向け資料に記載することを求
め、これに対応されました。
 審査報告書は8ページの「3.総合評価」を御覧ください。以上のような検討を行った
結果、機構は以下の効能・効果、用法・用量において、本剤を承認して差し支えないと判
断いたしました。
 なお、イ項でも述べたように、本剤の使用に際しては薬剤師の関わりが特に重要となる
ため、通常の製造販売後調査とは別に、その点に着目した使用実態に関する調査を行い、
必要に応じ適正使用のための措置を改善することは、大きな意義があると思われました。
そこで、本剤の発売後の一定期間、その調査を行うことを申請者に求めたところ、
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 
機構は示された計画を了承すると共に、本調査を承認条件とすることが適切と考え、本剤
の承認条件として、「1.承認後、少なくとも3年間の安全性に関する製造販売後調査を
実施すること」、「2.承認後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、□
□□□□□□□□□を実施することにより、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」
との条件を付すことが適当であると判断しています。説明は以上になります。御審議のほ
ど、よろしくお願いいたします。
○望月部会長 只今の内容に関し、御質問、御意見ございましたらお願いします。
○鈴木委員 この薬は医科用の医薬品として、かなり長く発売されており、それなりに使
われています。効能・効果の説明にもありますが、対象は閉塞性動脈硬化症として発売さ
れ、後から高脂血症が追加されたというように理解しています。有効性は確認されている
薬ですが、今回一般用医薬品とするに当たって、効能・効果は「□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□」とあります。これまで医科用のものを一般用にする場合、
ある程度自覚症状があり、個人で効果が判断できるようなものが多かったと思います。こ
の程度の高脂血症に自覚症状は全くないので、そういった方に安易にこのような薬の服用
を勧めることは、いろいろな意味で問題があります。
 また、1人の人が□□□□を年間にどの程度受けるのかを考えてみると、一度や二度で
はないかと思います。あり得ないと思いますが、□□□以内に二度受けるということです
か。そういった状況の中、二度続けて数値の高い方に投与し、さらに□□□以内にもう一
度採血をする必要があります。すると半年以内に□□□□□□を受けることになります。
これは非現実的な話だと思います。日本はアクセスの良い医療制度の国なので、きちんと
医療機関を受診して数値を診断していただきたいと思います。
 また、よく健康診断の案内に、「空腹で来てください」等が書いてあります。しかし、
食事を済ませて来たり、食事からの時間がまちまちであったりします。中性脂肪は、少し
の食事のタイミングや時間により上下します。そのため、年に二度受けたとしても、□□
□は開いているので、条件が一定とも言えません。さらに、□□□□で安易にこのような
薬を服用すると問題があります。そして、高脂血症だからといって、簡単に薬を出せば良
いということではなく、食事の療法という手段もあります。
 薬剤師が行うと言われていますが、その基になるものが□□□□のデータであれば、問
題があると思います。経過観察をしながら投与するので、月に一度医療機関で行うもので
あり、薬剤師が薬局で行うようなものではないと思います。
 高脂血症の方には、糖尿病や脂肪肝といった疾病が隠されている場合もあります。そち
らの早期発見を妨げるということにもつながりかねません。そういった観点から、自覚症
状のない方に、□□□□という理由で投与してしまうことは、逆に問題があると思います。
不必要に長期投与される可能性もあります。こういった薬は、医療機関で食事管理も含め
た管理栄養士や医師の指導を受けて、きちんと条件を設定した後に再検査を行い、合併症
の有無等を調べてから使うべきです。一般用として安易にこのような薬を漫然と使うべき
ではないと思います。
○望月部会長 ありがとうございました。機構として、只今の御意見に何かお答えするこ
とはありませんか。
○機構 □□□□についてですが、条件として□□□□と記載していますが、□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□を
目安にということです。
○鈴木委員 すると、□□□□が半年に1回の人は1年間、年に1回の人は2年間という
ことですね。それならば、条件が全く同一かどうかも分からず、この程度の高脂血症であ
れば、前日の食事によってかなり変わるので、当てにならないと思います。
○村島委員 私も内科医の立場で意見を述べさせていただきます。鈴木委員と全く同じ意
見です。直近の食事内容や採血時間で変化します。中性脂肪が高いということだけが独り
歩きしてしまい、不安をあおるでしょう。私は、医療機関にかかっていて、努力をしても
ボーダーラインにいる方が、薬局で買って自分で飲むという流れであれば良いと思いま
す。世の中には中性脂肪が多い方が沢山いるので、これをプライマリーにというのは、内
科医として余り賛成はできません。
○望月部会長 ありがとうございました。只今の点については、何か御意見はございます
か。
○鈴木委員 脂質関係の学会があると思いますが、その学会へはお聞きになったのでしょ
うか。例えばコレステロールですが、ある学会が「高い人ほど長生きする」と言えば、ほ
かの学会は「違う」と言います。一般の常識としては、高いことは余り良くないというこ
とですが、学会によっても見解が異なるようです。脂質関係の学会も多くありますが、そ
ういった学会の見解というのは確認されたのでしょうか。
○事務局 本剤については、平成19年にこの部会で御了承いただいたスイッチOTCへ
の転用の候補成分を選定するというスキームに載り、第1回目の選定の中にこのイコサペ
ント酸エチルが含まれたものです。手続きについては、最初に日本薬学会の方に転用可能
と思われる候補成分を挙げていただき、その挙げた内容については、医学関係学会、当時
は107団体に報告書をそのまま送らせていただき、御意見を伺いました。その中で、特に
このイコサペント酸エチルをOTCにするということについては、関係学会の方からは反
論、意見、その他はございませんでした。そして、その結果を基に、平成20年の8月の
一般用医薬品部会で御審議いただきまして、一般用医薬品に転用するという候補成分とし
て適当であるということで御了承いただいたという経緯です。
○鈴木委員 聞き方によっても、回答の仕方は十分変化します。一度聞いただけで良いと
は言えません。今回の条件でもう一度、医学関係学会でお聞きになってもらう必要がある
と思います。私も内科医ですが、高脂血症の専門医に確認したところ、現在のままでは非
常に問題があるとお話していました。
○一般薬等審査部長 いくつかコメントさせていただきます。1点目は、検査の御指摘に
ついてです。委員の方から、測定の条件によってばらつきがあるのではないかとの御指摘
ですが、基本的にどのような検査を用いるのかということであると思います。これについ
ては、企業等が行う□□□□を一つの方法として想定しています。そのような□□□□で
あれば、前日何時までに食事を済ませ、それ以降は食事を摂らないという一定の状件の下
に検査が行われ、それを活用することにより、検査の信頼性を確保できるのではないかと
考えています。
 2点目は、薬だけではなく食事療法、運動療法といったものと併せた形で使うべきであ
るということです。その御指摘も非常によく分かります。この点については、きちんとト
レーニングを受け、運動療法や食事療法についても十分な知識があり、来られた患者さん
に対して、正確に情報提供ができる薬剤師に販売をしていただくということを考えており
ます。そういった情報提供等を通じて、本剤の適正使用に資するのではないかと考えてい
ます。
○鈴木委員 企業の□□等を想定すると、きちんと時間等守られて行われると思うかもし
れません。しかし、私は□□□□に産業医として立ち合っていますが、実際には時間がま
ちまちで、守られていないこともあります。そのため、医療機関で再度測定すると、正常
値ということが結構あります。そのような実態を踏まえ、医療機関を経ないで治療に安易
に結びつけるということは、非常に問題があると思います。
 外国にはアクセスの悪い国もあり、イギリスのような国であればセルフメディケーショ
ンしかないのかもしれません。しかし、我が国は非常にアクセスが良い国です。低コスト
で充実した医療が提供できているので、このようなことを行わなくても治療ができます。
逆に、不必要な人に薬を延々と投与させる危険性も考えられ、我が国の医療制度にはこの
ような仕組みは合わず、この薬を認める必要はないと考えています。
○生出委員 そもそもこの話が出たのは、平成14年の一般用医薬品承認審査の合理化等
検討会の中でした。OTCの今後加わる新たな役割として、生活習慣病等の疾病に伴う症
状発現の予防から、初めてスイッチOTCの案件として出されたものという認識をしてい
ます。平成18年からは、薬局が医療提供施設となり、薬剤師が未病から病気への段階の
方に対して気軽に相談し、購入ができるという体制の方が良いということで、今回のよう
な話になったのだと思います。
 そのため、いろいろな規則があります。血液検査を行い、値も軽度な□□□□mg/dLで
あり、併せて糖尿病や高血圧等の合併症がない方といったように、かなり絞られた方にの
み医薬品として出されると思います。対象の患者さんの数もかなり絞られ、薬局でスイッ
チOTC化されたとしても、気軽に販売できる体制にはならないと思います。是非、薬剤
師として国民の医療費等々にも貢献していきたいと思っているので、スイッチOTC化が
増えていくことを期待しています。
○藤原委員 私も同じような考えです。内科の先生方は本当に専門的なことをされている
ので、危惧する部分もあると思います。先ほどの村島委員の御意見も含め、EPAは健康
食品で大量のものが飲まれているという実態があります。しっかりと潜在したものも含め
て薬局で拾い、それを病院又は診療所に紹介していくシステムを作らなければ、日本の医
療保険自体が崩壊するのではないかという心配もあります。
 そのような意味から、ドクターから受診した情報提供書を薬局に送っているという実態
が多くあります。電話で「このような結果であったので、このようにしてください」と連
絡を取ったり、医と薬が上手く連携し、良い医療ができていくという新しい道筋ができる
のではないかと思います。是非、御理解して欲しいと思います。
○宗林委員 2点ほど、意見があります。1点目は、藤原委員もおっしゃっていましたが、
市場にはEPA、DHAはゼラチンカプセルの中に入って、健康食品として市販されてい
ることについてです。内容物もビタミンEとのバランスを含め、市場にあふれています。
そして、多くの方がそれを自由に使っているという実状があります。それを看過しながら、
今後どのようにしていくのかということで、バランスを考えていただきたいと思います。
 2点目は、医療用医薬品をスイッチ化するということについてです。今回、最後の方で
議題になっていると思います。比較的多くの方に飲まれた経験があると思います。そのほ
かのものも含め、生活習慣病にOTC薬が対応していくことについて、どのような仕組み
で進めていくのかを考えると、最初の診断と薬の選択まで医師が関わるように構築してい
く必要があると思います。
 後半に意見として出すつもりでしたが、医師の診断の下で医薬品が選択され、長期間薬
を飲むことになった時、病院に通い続けなくてもOTCで対応ができるというような仕組
みをつくれば、生活習慣病に対応した薬も市販され、利用することができます。例えば特
保の中で、血圧と血糖値の高い方に同じ仕組みのものが入っているところを整理する上で
も、そのような考え方も取り入れることが必要です。こういったものを消費者が上手く利
用していけるような仕組みづくりをお願いしたいと思います。最終的には、しっかりとし
た仕組みがあることを前提に、私はスイッチ化を進めていくことに賛成します。
○岩月委員 いろいろと御懸念があるということでしたが、EPA製剤が医療用医薬品と
して出る前から、健康食品で開発のパートナーである日本水産株式会社が健康食品扱いで
先に上市しています。その後、エパデールが医療用医薬品で出てきたという経緯がありま
す。現場では医療用医薬品と健康食品はありますが、真ん中の一般用医薬品というものは
ありません。管理をする人がいないという状況が生まれてしまい、藤原委員や宗林委員か
らお話があったとおりなのです。そのような意味から、きちんとルールに則って、プロの
目で管理するといった状況を作ることは、決して乱用を助長することにはならないと思い
ます。
 一般用医薬品は10割負担であり、医療保険は3割負担でしかありません。3割をあき
らめて、10割のお金を出す人は、納得するなり、自分なりの意識を持ったカスタマーが
多いということは御理解をいただきたいと思います。そのようなことから、受診勧奨につ
なげるような努力は現場でも行っています。是非、御理解をいただきたいと思います。
 もう1点は、今後このような薬が出てきた時、どのような枠組みを作り、医師と連携し
ていくのかということです。こちらで行うことなのかは分かりませんが、このようなケー
スを踏まえ、そういったことを見守っていくことが必要になると思います。
○鈴木委員 いろいろな御意見を聞かせていただきましたが、恐らくですが薬剤師は、高
脂血症でこういった薬が認められれば、大々的にお売りになりたいと思うと思います。株
式会社等も多いので、営利企業として売上げを気にすると思います。しかし、日本の医療
は非営利なので、きちんとした医師の診断の下、適切な治療をして薬を使う必要がなけれ
ば使わずに、食事療法や運動療法をお勧めして欲しいのです。また、採血も外国と違い、
日本の場合、必要な時に気軽にできるので、そういった医師の管理の下で使うべきだろう
と思います。
 医療用の医薬品と同一の成分、用量をそのままOTCへというのは、いかがなものかと
思います。こういった仕組みは、初めてのようですが、軽度の高脂血症や中性脂肪の高値
の改善ということに医師が関わらず、薬剤師の下で薬を処方ということは、我が国の医療
制度の下においては無理があると思います。
○村島委員 宗林委員が、私の言いたいことをお話してくれました。流れからするとよく
分かりますが、一番の問題は市販薬と医療薬の垣根は余りにも高いことです。先ほどの静
脈還流異常の薬もそうなのですが、医師が、患者さんは静脈還流障害であると判断し、こ
の薬を処方するという流れで服用するには良いお薬だと思います。エパデールに関して
も、努力しても境界域にいる患者さんに対し、「医療費を使って飲むほどではないので、
自分で買って飲んでみてください」という流れが一番健全かと思います。しかし、具体的
にそれは難しいと思います。
○望月部会長 ありがとうございます。審査報告書の8ページにありますが、使用上の注
意ではっきり対象から除外するべき状態をここで定義しており、総合評価の中にも、市販
直後に□□□□、以下主な項目として薬剤師に調査を実施していただくということが計画
されています。さらに、販売店用の資料が一番後ろに付いていますが、こちらを薬剤師が
理解した上で、患者さんの指導をするということが前提となり、この薬が出て行くと思い
ます。こちらに関しては、いかがでしょうか。その点が不十分であれば、申請者に指摘す
ることができると思います。
○鈴木委員 私の話を聞いていただくとお分かりのように不十分だと思います。
○望月部会長 医師に受診をして、その後ならば良いということですか。
○鈴木委員 そうです。最初に医師の受診が前提にあり、その上で医師の管理下で「薬を
飲むほどではないが、希望されるならば、このような一般薬もあります。」という形でお
勧めするのであれば、そのような手段はあるかと思います。いきなり自覚症状がないもの
に安易に不安をあおって、高価な薬の長期投与を助長させるようなことは、してはいけな
いことだと思います。
○藤原委員 鈴木委員のお話はごもっともです。しかし、実際に薬局に中性脂肪等で相談
に来る方は、一度病院や診療所でそのような話を受けた方です。そこで私たち薬剤師が、
できる範囲で対応します。その中で、この治療では不十分ということであれば、診療所や
病院へ行っていただくという流れになります。実際に現場に居ると分かると思いますが、
スーパーマーケットのように薬を積み上げているイメージが強くあると思いますが、間違
っています。その辺も心配をしているところです。やはり一般の薬局では、そのような相
談応需は医療機関を受診した後に来ているということで対応しています。御理解をお願い
したいと思います。
○生出委員 今、藤原委員がおっしゃいましたが、この薬がスイッチされれば、第一類医
薬品ということで、薬剤師しか情報提供ができません。第一類医薬品には、陳列区画があ
り、お客様の手に触れない場所や届かない場所に置かれます。我々としては、いつも一般
用医薬品のトリアージ業務を行っているのですが、薬を飲まなくても良い状況、受診勧奨
をすべき状況があり、結果として一般用医薬品の販売があると考えているので、薬剤師の
役割を少し理解していただければと思います。
○村島委員 その際に、恐らく製薬会社は大々的に宣伝すると思います。今の状況と発売
されてからの状況は変わると思います。製薬会社は、その辺をしっかりとわきまえて行動
するという指導を行ってください。
○宗林委員 今日のおくすり手帳や処方箋の指示書は、細かく記載がなされています。そ
のため、医療機関でどのような治療を受けて、EPAが処方されているのかが分かります。
ヘルペスの薬では、その証明となるものを持ってきている人に対し、再発を確認した人へ
第一類として薬剤師が直接出すという話もありました。そのような縛りをかけるのはいか
がでしょうか。
○岩月委員 話が少し違うと思います。確定診断が付いて治療が必要ならば、医療機関が
薬を出すべきです。そうではない方が、健康維持や今の状態を維持するために必要な一般
用医薬品の範囲の中で、薬剤師はどのような役割があるのかという議論から、この薬はそ
のスキームに則って出てきているはずです。確定診断が付いた人は、医療機関にかかるべ
きだと思います。さらに、私たちもそのように受診勧奨はしているつもりです。
○宗林委員 エパデールは医療用医薬品と同じ用量でそのまま出ているので、今までのも
のとは違います。医療用医薬品で処方されている人が、同じものをOTCでというものだ
と思います。そのため、長期にわたってエパデールを服用している人に対して、それをO
TCで買うことができるシステムがあっても良いのではないかという話をしています。
○小澤委員 私の専門とは余り関係のない薬ですが、先ほど鈴木委員や皆さんがおっしゃ
っていたスイッチOTCの話をします。医師は、いろいろな病気が含まれている状態を勝
手に治療してしまうことが心配なのです。薬局の先生方は、少しでも病気の手前の未病を
治そうと考えています。しかし、先ほど機構から説明がありましたが、私たちは健康診断
の結果により病院へ行きます。その時は、「薬局へ行ってください」という記載はありま
せん。必ず「精査をしてください」と記載があり、クエスチョンマーク等が記されていた
り、医師に御相談くださいといった表現があります。これをきちんと守れば、鈴木委員や
皆さんがおっしゃるように、まず病院へ行きます。医師が、「現在は大丈夫です。しかし、
用心のために服用してください。」といって処方する場合は良いと思います。委員の方々
は、やはり高脂血症の中にはいろいろなものが隠れているということを心配しています。
 最後の議案で発言したいと思いますが、皆さんは凄く勘違いをしていると思います。こ
れはディスカッションしても、仕方がないことだと思います。
○鈴木委員 私は最近まで企業の産業医をしていました。問題があれば、まず医療機関を
受診して欲しいのです。このお話は、いきなり薬局へ行きなさいと言っているようなもの
です。医療用と全く同じ成分の薬が、薬局で手に入るということに対して疑問に思います。
少なくとも、アクセスの悪い国はそのような流れにすることも考えられますが、日本は医
療機関のアクセスの良い国です。そのため、薬局よりも病院や診療所へ行けば良いと思い
ます。病院で診察した後に、薬が処方されるという流れは、今の国民が利益を最も享受し
ている医療の仕組みです。それを変えることは、理解できません。
○宗林委員 先ほどの話の続きになるかもしれません。健康診断を受けた時、「要精密検
査」ということで「医療機関を受診してください」と記載があり、医療機関にかかって、
適当な薬が処方されるということでした。その際にエパデールが処方された方は、次はO
TCでも入手できるという仕組みであれば良いと思います。
 同じ用量なので、どの時点でOTCに切り換えるべきなのかは、医師との相談になる可
能性があります。医療機関でほかの疾病等を見ながら、エパデールが良いと診断され、そ
こで医薬品が選択されます。その方々に対して、OTCで後々長期間に利用することがで
きる形で運用すれば良いと思います。そこを証明する手段としては、処方箋や指示書、お
くすり手帳等が使えると思います。
○一般薬等審査部長 服用対象者の選択については、ガイドラインというのが一つの考え
方になってくると思います。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
 □□mg/dL以上の医師における積極的な治療を行うところまで、一般用医薬品を対象に
するという考え方ではありません。医師の積極的な治療が必要なところについて、受診勧
奨を適切にしていただき、そこの領域に至る前の脂質異常症に対しては、このお薬を使用
し、医療用と一般用との役割分担を考えています。
○鈴木委員 医師ではない方に何度言っても分からないと思いますが、「夜は、何時以降
食事をとらないで来てください」と言っても、「食事をとってしまった」、「水は駄目だ
けれども、牛乳は良いと思って飲んでしまった」、「ご飯は食べなかったが、パンを食べ
た」等の話はよくあります。それらを前提として、□□□□mg/dLの間になることは、砂
上の楼閣のような議論だと思います。□□□□mg/dLにこだわるのであれば、検査前の食
事の時間を守ることが大事です。現実的に考えて、すべて正確なデータとは限りません。
 少し高い方に検査前に食事をしないように指導を行い再度測定すると、数値が下がる人
は沢山います。ほぼすべてがそのような感じになると言っても良いくらいです。その方に
対して、高価な薬を延々と自己負担で飲ませ続けることは、私的な医療費になるかもしれ
ませんが、医療費の無駄だと思います。絶対にこのようなことは、すべきではありません。
○岩月委員 医療機関と薬局は敵対する関係ではありません。薬局で薬を買ったために、
医者には絶対行かないということにはなりません。逆に、医者にかかって、薬局に行かな
いという方もいないと思います。
 今のお話の中で、売りつけるというような話がありました。これは違うと思います。保
険の話から、診断名が付いて治療が必要であれば、医師は投薬するのが義務です。そのこ
とから、この状況を覆してまで、薬局でこの医薬品を販売するほどではないと御確認いた
だきたいと思います。その上で、今お話にあったように、そういったことが気になる消費
者が自発的な意思を持ち、薬局に相談に訪れた場合、それに対応するのが私どもの仕事で
す。患者さんを捕まえて、無理矢理薬を飲ませているわけではありません。そこは是非、
御理解をいただきたいと思います。
○望月部会長 お互いに表現が少しきつくなってきたので、少し抑えてください。
○鈴木委員 薬物を投与することだけが、医師の仕事ではありません。食事療法や運動療
法、その前提も全部医療の中に含まれております。病院であれば、医師も薬剤師も管理栄
養士もいます。そういった方々が共同で治療をします。その延長線上に、このような話が
出てくるのならば、理解ができないこともありません。しかし、数値によって服用するこ
とが決まるものに関して、いきなり薬局へということは、非常に問題があると思います。
何度言われても考えを変えることはできません。我が国の医療制度を守らなければいけな
いという責任があると考えています。
○望月部会長 審査センター長、若しくは審査管理課長よりコメントがあればいただきた
いと思います。その前に藤原委員、お願いします。
○藤原委員 今長い間、聞いていましたが、鈴木委員が心配な部分については、可能であ
れば受診をして、数値に該当する中で薬を使っても良い方と判断した場合、必要に応じて
自分の意志で薬が購入できるという形にして、情報提供を行えば問題ないと思います。
○望月部会長 本薬の扱いについて、一般薬であることがいけないと言えば話は進みませ
んが、OTCとしてどのような形で出して、使っていただくことが一番良いかということ
を議論したいと思います。審査管理課長から、何かございますか。
○審査管理課長 これは市場に出るに当たり、いろいろな御意見が出されています。今ま
での御意見を整理し、改めて御議論をいただきたいと思います。
 どちらにしても、今御意見をいただきましたが、その物自体の安全性については、一般
的に問題ないと思います。使い方の問題かと思われます。そのため、どのような形にする
べきなのか整理をし、再度御意見を伺わせていただきたいと思います。一般用医薬品も、
医療用医薬品も、一般の方々や患者さんたちの健康状態をいかに維持していくか、上手く
使ってもらえるかの問題です。
 また、医療用医薬品と同じ用量ということに関してですが、本薬は基本的に安全性上は
ほとんど問題がないと思います。医療用医薬品であれば、基本的に医療用医薬品で使った
時の安全性データ、有効性データが豊富にあります。考え方としては、そのものとして使
うのが一番良いと御理解いただければと思います。こちらも整理をし、改めて御議論をい
ただければと思います。いかがでしょうか。
○望月部会長 そのような形で、事務局と申請者を交えて一度整理し、どのように扱うか、
又、次回の委員会にかけるのか、あるいはその前に各委員に私からメールやその他を送り、
検討するという形でこの場は納めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木委員 これだけもめているので、もちろんこの場で決めることはできません。もう
一度、会議を開くべきだと思います。
○望月部会長 そのようなことで、よろしいですか。
○審査管理課長 いずれにしても、会議を開かせていただきますが、各委員の御意見を事
前に伺わせていただくこともあると思います。その際は、よろしくお願いします。
○望月部会長 これは、高脂血症薬全般という問題ではなく、エパデールTの薬に関して
の議論ということです。上手く集中していかないと話が広くなり、一般薬はどうあるべき
かという問題まで進んでしまい、非常に遡った話になってしまいます。御理解をいただき
たいと思います。
 それでは、こちらの審議品目につきましては、さらに検討をさせていただくということ
で、この場は御了解をいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 続きまして、議題事項、議題3に入りたいと思います。審議事項、議題3の「医薬品エ
ンペシドL、エンペシドレディの製造販売承認の可否について」機構より説明をお願いいた
します。
○機構 それでは、議題3、資料3「医薬品エンペシドL、エンペシドレディの製造販売
承認の可否について」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。審査報告書は2ペー
ジを御覧ください。本品目は佐藤製薬株式会社による申請で、抗真菌成分のクロトリマゾ
ールを有効成分とする医療用医薬品「エンペシド腟錠100mg」と同一の製剤です。本成分
は一般用として水虫薬での使用実績はありますが、腟内への適用が初めてのため、新一般
用投与経路医薬品として申請されたものです。
 成分・分量として1日量1錠中クロトリマゾール100mgを含み、効能・効果は腟カンジ
タの再発(過去に医師の診断・治療を受けた方に限る)であり、用法・用量はこちらに記載
されているとおりです。
 一般用腟カンジダ治療薬としましては、既に3成分が承認されておりまして、本品の効
能・効果、用法・用量等は、それらと同様とされております。
 本剤は我が国では医療用医薬品として昭和50年に「エンペシド腟錠」の販売名で承認
されました。この経緯等につきましては、審査報告書は3~4ページに記載されておりま
すが、海外ではアメリカをはじめ30か国以上で一般用医薬品として販売されております。
 各項目の添付資料は、品質について新たに提出されておりますが、問題点は認められま
せんでした。毒性、薬理、吸排等につきましても、既に医療用製剤として承認されており
ますことから、新たな資料は提出されておらず、特段の問題はないと判断いたしておりま
す。
 臨床試験結果につきましても、審査報告書は5ページになりますが、医療用医薬品申請
時、及び市販後の使用成績調査等の資料を中心に検証されております。まず、有効性につ
きまして、各試験成績は資料にお示しするとおりですが、例えば、5ページ後半のピマシ
リンを対照とした二重盲検比較試験において、6日間投薬後の真菌消失率が本剤群92.3
%で、対照群と比較して有意に高い値を示しております。これらの試験成績を踏まえて、
有効性に問題はないと判断いたしました。
 安全性につきましては、審査報告書は6ページになります。医療用承認時及び承認時以
降の調査における副作用発現率が5,771例中64例、1.11%であり、主なものは熱感等で、
重篤なものは認められませんでした。
 審査報告書は7ページですが、機構は適正使用を徹底するために、使用上の注意以外に
も具体的な対策の提示を求めましたところ、申請者から薬局・販売店向け及び使用者向け
の解説書及びチェックシートが提出され、機構はその内容を了承いたしました。なお、他
の照会に対する回答につきましても了承いたしております。
 7ページの「3.総合評価」を御覧ください。以上より、機構は本品目について、この
効能・効果、用法・用量のもとで、一般用医薬品として承認して差し支えないと判断いた
しました。なお、承認条件として、承認後、少なくとも3年間の安全性に関する製造販売
後調査を実施することとの条件を付すことが適当であると判断しております。説明は以上
になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○望月部会長 只今の内容に関し、御質問、御意見ございましたらお願いします。では、
小澤委員どうぞ。
○小澤委員 2点あります。1点目は、以前にもこのような薬が出てきた時に、上限が
60歳となっていました。その際も意見を出しましたが、疫学的にカンジダ症は60歳以上
の人の方が多いのではないでしょうか。恐らく、最初の医薬品としての臨床試験を行った
時のプロトコール上で、60歳以上の人は行わなかったことだけが原因であると思います。
現場で働いているのでよく分かりますが、カンジダのお年寄りは沢山います。60歳以上
が危険であるという根拠は、どこにあるのでしょうか。
 2点目です。「飲まないこと」と分かりやすく記載がされていることは、とても良いこ
とだと思います。さらに、文字を赤色にしたらどうでしょうか。1クール、6回分という
意味だと思います。とても良いことなので、赤でしっかりと書いて欲しいです。年を取っ
てくると、一番上のエンペシドは字が小さくて読めないので、目立つ方が良いと思いまし
た。そして、なぜ実際にクリニカルユースである60歳以上の方が使えないのかを教えて
ください。
○望月部会長 機構からお答えいただけますか。
○機構 こちらは、OTCとして四成分目になりますが、以前も小澤委員に御指摘をいた
だきました。その時も同じようなことを申し上げまして、繰り返しになってしまいますが、
専門協議に皮膚科の先生に入っていただいており、60歳以上であると合併症を起こしや
すいため、避けた方が良いとのことでした。そのことから、60歳以下の方が良いという
ことで、このように限定しました。
○小澤委員 これを延々と使うのであれば、合併症等も考えられますが、6日間の使用に
なります。機構には、きちんと考え直して欲しいです。
○望月部会長 そのような意見を参考にしていただきたいと思います。「飲まないこと」
の文字は、赤い色の方が良いということでした。申請者の方にそのような御意見があった
と伝えてください。藤原委員、どうぞお話しください。
○藤原委員 意見ではありませんが、この薬は実際に店頭に立つと分かりますが、対象者
が少ないことが現実です。チェックを行い、再発もきちんと薬で治していけば、受診対象
は半分強くらいです。少ないのですが、薬局に来る方がいる実態もあります。
 もう1点は、腟錠をクリームと一緒に併売していた事例があると思います。折角なので、
両方売るのはどうでしょうか。
○望月部会長 ありがとうございます。参考にしていただきたいと思います。ほかには、
よろしいでしょうか。
 それでは、審議品目につきまして議決に入りたいと思います。ただ今の御意見等を申請
者の元に伝えるということを前提とします。
 小澤委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御
遠慮いただくことになります。
 議題3「エンペシドL及びエンペシドレディ」について、本剤は条件付きで承認して差
し支えないとしてよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、これらにつきまして、薬事分科会にその旨を報告
させていただきます。どうもありがとうございました。
 続きまして、その他、議題1「医療用医薬品の有効成分のうち一般用医薬品としての利
用も可能と考えられる候補成分について」を事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 その他、議題1「医療用医薬品の有効成分のうち一般用医薬品としての利用も
可能と考えられる候補成分について(案)」事務局より御説明させていただきます。
 お手元の資料4を御覧ください。スイッチOTC医薬品候補成分の選定についてです。
本年3月に別紙1のとおり、日本薬学会から19候補成分について報告がなされました。
その報告書の内容につきまして、医学関係学会108団体に意見を伺いまして、別紙2のと
おり9団体から回答をいただいております。
 その回答が水色のタグが付いている用紙の下から2番目のところですので、そちらを参
照しながら御覧いただければと思います。薬学会の方から候補成分のそれぞれについて御
意見を紹介しながら進めたいと思います。
 一番最初の糖吸収抑制薬である「ボグリボース」「アカルボース」につきましては、薬
学会の方から販売実践ガイダンスが示され、定期的健康診断等において、血糖値が境界領
域と指摘された人であることの確認や禁忌の方は除外し、かかりつけ医の受診を勧める具
体的な方法等が提案されましたが、日本糖尿病学会等から御意見をいただいております。
 日本糖尿病学会の御意見は別紙2は11ページを御覧ください。こちらはいただいた御
意見ですが、実際に糖代謝異常が認められる場合には、その病態に応じて食事療法や運動
療法及び薬物療法を含めた最も適切な治療がなされるべきであり、病態の判断や治療法の
選択は医師が指導すべきものと考えるため、候補成分から除外という御回答でした。
 「カプトプリル」等、ACE阻害薬についてですが、薬学会の方からは、対象者の要件
を「原則40~70歳で健診にて他にリスク因子のないI度の高血圧と判定され、3か月以
上の生活習慣改善を行っても高血圧が改善しないもの」とする提案がなされていました。
こちらにつきましては、別紙2は5ページに、日本高血圧学会からの御意見が記載されて
おります。主な御意見を紹介させていただきます。特定検診では、クレアチニン、腹部X
線、心電図は必須ではなく、眼底検査も行われていないことから、高血圧性の脳、心、腎
合併症の把握は困難である等の理由により、候補成分から除外という回答をいただいてお
りました。
 コレステロール吸収抑制薬の「コレスチミド」につきましては、日本循環器学会等から
御意見をいただいております。例えば15ページ、日本循環器学会からの御意見は、禁忌
の項目として、胆道完全閉塞や過敏症既往、腸閉塞等が挙げられており、妊婦への慎重投
与や高齢者の便秘からくる脳血管障害破綻のおそれもあることから、医師の管理の下で処
方されることが妥当であるという御回答でした。
 これらの御意見を踏まえ、事務局の方で候補成分案の形で、別紙3の表にまとめさせて
いただきました。各学会からの御意見を参考に、4成分が挙げられています。1点目の「ド
ンペリドン」につきましては、日本救急医学会からは、「常用される方では重篤な副作用
の報告がある」という御意見でした。日本体力医学会からは、「頓服や短期間の服用であ
ればOTC化しても良い」という御意見でした。日本小児科学会からは、「小児の過量投
与に対する注意喚起が必要で、小児領域での使用においては十分な注意をする等、慎重な
対応が望まれる」という御意見でした。したがって、留意事項として、短期間の投与で頓
用し、小児への投与には十分に注意するということといたしました。
 2~4の「ベポタスチンベシル酸塩」、「オロパタジン塩酸塩」「セチリジン塩酸塩」
につきましては、いずれも抗アレルギー作用を有する内服薬です。医療用ではアレルギー
性鼻炎のほか、蕁麻疹等の効能があります。これにつきましては、日本皮膚科学会から御
意見がありまして、湿疹、皮膚炎や急性蕁麻疹は、専門家以外では診断を誤まる可能性が
あるため、効能から除外すべきであるということでした。したがいまして、留意事項とし
て、効能・効果はアレルギー性鼻炎に限るということといたしました。
 この案について御検討をいただければと思います。また、本日この場にて了承をいただ
いた成分については、本日付けの通知によって、各製薬団体に周知すると共に、スイッチ
OTC医薬品の承認申請を促し、開発状況について今後は調査することといたします。来
年度の候補成分の選定につきましても、これまでと同様に進めていくということとしてお
ります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○望月部会長 只今の内容に関し、御質問、御意見ございましたらお願いします。
○宗林委員 先ほど予想外にお話をしてしまったのですが、例えば血圧の薬についても、
特保の方で同じような仕組みを持ったものがあります。今回は、血圧値を5mmHgぐらい
下げることを目処として元々の書類が出ています。特保のものは、さらに下がるというデ
ータに基づき、境界域を対象に「血圧が高めの方に」という商品が多く出ている現状があ
ります。
 「血糖値が高い方に」というものもあります。医療費をどのように考えていくのか、あ
るいは医療現場の混乱、混雑も含め、消費者側の利便性、あるいは治療をしない人に対し
て少しでも治療を進めていくということも考え、スイッチ化のものについては慎重に検討
して欲しいです。一つ一つの医薬品を捉えれば、賛成の意見も反対の意見も、どちらも納
得できるお話であると思います。先ほどお話したように、「診断と医薬品の選択、用量の
指示」まで、医師に関わってもらう必要があると思います。そして、毎月医療機関を受診
して医療用医薬品を取りに行くのではなく、例えば半年ごとに定期的に受診し、数値が落
ち着いた後に経過観察という仕組みを取り入れることにより、OTC薬を上手く活用して
いける道もあると考えています。
 そのため、個々の医薬品をOTCとして出すことになれば、鈴木委員がEPAの時にお
っしゃられたようなことになります。反対の学会からの御意見を聞くと、そのとおりだと
思います。もう少し大局的に医療機関とのネットワーク、連携の中で、OTCを上手く活
用していくことが必要です。消費者が100%負担をしてでも、薬の診断の選定まで終われ
ば、6か月間はそれを利用していくという仕組みも大局的には考えて欲しいと思います。
そういった形の考え方をお願いしたいと思っています。
○生出委員 今、宗林委員がおっしゃったことに賛同します。国民の医療費を堅持する等、
保険制度を皆維持するという中、国民のセルフメディケーションの意識を高めることに必
要なツールということで、スキーム化されて出てきていると思います。議論を聞いている
と、地域で医師と薬剤師のコラボレーションが余りとれていないため、そのようなことに
なるのかもしれません。医師の役割、薬剤師の役割をきちんと果たし、1人の患者さんに
対して、共同して治療していくという姿勢であれば、スキーム化が進むのではないかと感
じました。今回は4成分しか残りませんが、ボグリボースのあり方や薬剤師の役割からガ
イダンスまで、すべて記入してあります。こちらを守ることができれば、薬剤師の手から
セルフメディケーションができるスキームが出来上がっていくことを期待しています。
○鈴木委員 最終的に、このような結果がまとまったことは、妥当だと思います。やはり、
医師の診断を経ない場合、症状が出てから薬を飲んで比較的短期間で改善し、御本人も良
くなったことが分かる形であれば、お使いいただくことは可能だと思います。それでも良
くならなければ、医療機関を受診するということになると思います。
 最初に出てきた糖尿病や高血圧症は、糖尿病であれば血糖の管理、コントロールが必要
であり、高血圧症であれば血圧の管理が必要です。こういったものは、基本的には医療機
関で管理を受け、御本人の希望によってはOTCでということが先々はあるかもしれませ
ん。我が国の医療制度では、そういった形で治療をされるのが、一番安全で有効だと思い
ます。先ほどの話を蒸し返すつもりはありませんが、検査結果の数値により服用が決めら
れるものをOTCとすることは難しいと思います。
 言われたことを守る方であれば良いのですが、現場ではいろいろな方がいらっしゃいま
す。医師だけでなく、薬剤師や管理栄養士の方も日本の医療制度の特質から言えば、医療
機関のアクセスが悪い国の制度を取り込んで医療費を抑制することは、本末転倒ではない
かと思います。
○小澤委員 抗アレルギー剤の3剤が利用可能となれば、反論するつもりでした。先ほど
から先生がおっしゃっているように、私たちが一番心配していることは、診断が正しいか
どうかということです。それは医師の責任であり、薬剤師に押しつけるとは何事かと思い
ます。
 皮膚科学会でこれを読んだ方は分かると思いますが、関係していない方は、我々が何を
言っているのか意味が分からないと思います。驚いたことがありますが、皮膚掻痒、痒み
のある病気に、この薬を使用して良いと記載がありました。例えば、水虫に水虫の薬を使
わずに、痒み止めを使用したり、かぶれにかぶれの薬ではなく、痒み止めを使用するとい
うことは、皮膚科の治療として間違っています。痒み止めは、対症療法として使っている
だけなので非常に危険です。
 内科の先生は、蕁麻疹なのでこれで良いとおっしゃいますが、体が痒くなる病気で一番
怖いものは、糖尿病、肝臓病、腎臓、癌、リンフォーマです。これらが一番体が痒くなり
ます。また、ここにいらっしゃる方の半分以上は40歳を過ぎているので、老化による皮
脂欠乏症で体が痒いと思います。痒いことにも様々な原因があるので、ただ皮膚が痒いこ
とで痒み止めを服用しても意味がありません。それを今回汲んでくださったと理解しま
す。これからは、診断をしっかりと担保することが、スイッチOTC化の一番の問題であ
ると思います。さらに、その後どのように使うかということを薬剤師と相談することが大
切です。
 是非、機構も様々なことに関して各専門家に聞いてください。先ほど先生もおっしゃっ
ていましたが、機構に「専門家に聞きましたか」と聞くと、「聞きました」と必ず答えま
す。アレルギー剤の件ですが、108の団体のうちアレルギー剤に関して文句を言う団体は、
自分の関係した所のみだと思います。黙っているのでオーケーというのは、厚生労働省の
やり方です。関係する団体から、きちんと返事をもらう等の担保はしても良いのではない
かと思います。
○望月部会長 ありがとうございました。先生方、ほかに御質問、御意見はございますで
しょうか。
 注意にも記載がありますが、個々の品目の承認に当たり、実際に品目が出た後で十分に
再度議論を尽くしたいと思います。差し当たりまして、この4品目が今日の議題にあるよ
うに、一般用医薬品としての利用も可能と考え得る候補成分が議題に上がっていますが、
こちらについての御意見はございますか。
 それでは、いただいた御意見を踏まえて、事務局で進めてください。きちんと終わった
とは言えない議題も、一つ出てしまいました。
その他について、事務局から何かありますか。
○事務局 特にありません。
○望月部会長 時間がまだあります。コメントがありましたら、どうぞお話ください。
○村島委員 以前、ドンペリドンについての意見を述べたことがありました。余り賛同し
ない御意見を出したので、対象にはなっていないと思っていました。しかし、最後のペー
ジで対象ということが分かりました。ドンペリドンの医療品の添付文書を見ると、妊婦さ
んに対しては禁忌薬となっていますので、妊婦さんは市販薬でも禁忌になると思います。
けれども、近い将来ドンペリドンは、有益性投与になるべき薬の候補だと思います。その
ことから、立ち位置が難しく一般薬に余り適していないと思います。
 ドンペリドンは、内科でよく使う機会があります。市販しなければいけないような薬で
あるのかと疑問に思います。吐き気止めや腸管を動かす等で使用しますが、市販で使うよ
うな緊急性があるものと言えば、大半が吐き気の症状であると思います。しかし、このよ
うな状況で本剤が有効か疑問もあり、OTCに急いで切り替えなくても良いと思います。
こちらは消化器系の先生、学会には聞きましたか。これは、オーケーなのでしょうか。
○小澤委員 オーケーではなく、何も返事が来ないのです。
○村島委員 失礼しました。ドンペリドンは、私のような妊娠と薬を専門としている者か
らすると、難しい立ち位置にある薬です。現在、添付文書上の妊婦の項の在り方が変わっ
ていく途上でもあり、市販薬にするには再度議論が必要であると思います。
○望月部会長 禁忌であることは、そのまま引き継がれていくのですか。
○村島委員 禁忌であることを引き継ぐということは、良いことでもあり、悪いことでも
あります。市販薬なので、悪阻と知らずに薬局で買い、後から妊娠の悪阻であったと分か
った時、禁忌薬を服用してしまったと混乱を起こすと思います。むしろ、そちらが問題だ
と思います。
 ドンペリドンで、私のところに相談に来る事例はかなり多いです。禁忌にしているので、
安全、安心ということではなく、禁忌だからこそ逆に混乱を招くこともあります。実際は
禁忌にする必要のない薬剤ですが、添付文書で禁忌になっているばかりに、女性を不安に
し、それが現に中絶につながること等が起きています。問題点が大きい薬だと思います。
○望月部会長 その点については、薬剤師の指導に関わると思います。
○村島委員 以前の部会で意見を述べさせていただいたので、まさかこれが対象になって
いるとは思っていませんでした。
○鈴木委員 ドンペリドンは、妊娠の問題もあり、長期投与では神経系の副作用等もあり
ます。私は元々消化器の専門ですが、専門となっていても慎重に投与している薬です。短
期間ということなので良いと思いますが、医療用で使われているものをOTCとする場
合、多くの問題があります。その都度、私は関係の学会に確認しなければいけないと思い
ます。一覧表のようなもので渡されても、どのような方が見ているのか分かりません。返
事がなければ「良い」と判断してしまうのは、とても危険だと思います。きちんと関連の
学会から合意を得ることが必要だと思います。後で大きな問題が起きてからでは済まされ
ません。
○生出委員 資料4の111ページの「1.(2)転用の条件」として、販売に当たる薬剤師
の研修が必須となっており、販売実践ガイダンスに基づいて販売することが条件とされて
います。鈴木委員がおっしゃったように、資料4の114ページには、過量服用を防ぐため
にも、包装量の上限を3日分とすることが定められています。これを守ることによって、
第一類医薬品としての候補薬としては問題ないと思っています。
○村島委員 ナウゼリンについては、医師も悪阻だと知らずに処方し、トラブルが現に頻
発しています。薬剤師が「しっかりと問診をするので大丈夫」という問題ではないと思い
ます。ナウゼリンは、とにかく慎重に処方して欲しいと思います。
○小澤委員 妊娠していたことを知らずに、皮膚科によく来られる方もいます。薬疹かど
うかを判断してくださいと言われますが、「分かりません」と言うしかありません。やは
り、最終的には御本人が選ぶしかないのです。この話は、とても大事なことです。例えば、
「何か月の時は、影響する可能性はありません」と書けば良いと思います。「『可能性』
なので、御自分で判断してください」という形をとらなければ、受診された時に困ってし
まいます。きちんとそのことを患者さんに話します。奇形児が生まれたり、何かが起こっ
てしまった時には、誰が責任をとるのかという話になってしまいます。薬剤師がとってく
ださるのなら良いですが、訴えられてしまうこともあります。
○村島委員 まとめると、なぜナウゼリンがOTCとして問題かと言えば、医療品の薬で
禁忌になっているからです。それが一般薬でも、禁忌になることは当然だと思います。妊
婦さんがドンペリドンを服用し、妊娠と分かった時、ネット等で調べると妊婦に禁忌とい
うことが分かると思います。すると、禁忌というイメージが余りにも強く、不安になり中
絶に繋がるということがよくあります。
 このことから、やはり時期尚早であると思います。医療用医薬品として添付文書上、有
益性投与の形になった時点で、初めて市販薬の対象にしても良い薬剤だと思います。
○望月部会長 ありがとうございました。先生方、ほかに御質問、御意見はございますで
しょうか。藤原委員、どうぞお話ください。
○藤原委員 禁忌ということが問題を醸し出すということであれば、下剤も禁忌になりま
す。その辺は、厚生労働省がしっかりと内容を確認して、禁忌の考え方を整理すべきだと
思います。禁忌になるものが、非常に危険なものと扱われているというのであれば、様々
な薬が当てはまると思います。例えば、マレイン酸トリメブチンという商品でも、既に吐
き気が出ているとの実態もあります。それらを踏まえて、慎重な対応をとる必要があると
思います。私は、このような商品があれば、現場では助かると思います。
○望月部会長 ありがとうございました。ほかには、ございませんか。
○岩月委員 村島委員がおっしゃる禁忌の話は、私もよく分かります。このようなことで
議論になった時、禁忌をどう捉えるのか、あるいは市販薬になった場合、消費者にどのよ
うに周知するのかということも考える必要があります。良くないと意見を出したり、スト
ップをかけるのも審議会の役割であると思います。したがって、きちんと担保できる仕組
みを申請者や我々も考え、禁忌等があればそれを知らせた上で判断ができるようにするこ
とも必要です。是非、考えていかなければいけないと思いました。先ほどとは雰囲気が違
いましたので、一言申し添えさせていただきました。
○鈴木委員 効能書を見ましたが、薬はほとんど出せなくなるくらい多くのことが書かれ
ています。禁忌も多く記載されています。医療用の場合、医師が調べることを前提に記載
されており、実際にその中を見ながら状況に応じたり、「ベネフィットの方が多いので使
う」といったように判断しながら使っています。それをOTCに切り替えると必ず村島委
員もおっしゃったようなリスクがあります。そこが医師の判断が必要だと思う理由です。 
 今後そのような形でOTCにするのであれば、再度精査して外すことができるものを外
していき、禁忌を改正するべきです。その際、医療用医薬品だけ禁忌となっている状況は
おかしいので、そのようなことも含めて議論しなければいけないと思います。これだけ禁
忌、使用を慎重にとの記載が沢山あるので、患者さんはそれに驚いて医療機関を受診しま
す。医師の関わりがない中で服用される場合は、調剤で慎重に処方して欲しいと思ってい
ます。
○望月部会長 ありがとうございました。薬剤師の役割というのは非常に重要です。薬局
に行って処方してもらっていた時代から、薬剤師に相談して、第一類の医薬品は薬剤師の
責任の下に出していただくという時代になりました。やはり、少しずつ世の中、医療の中
も体制が変化していきます。今では、薬剤師は少なくとも6年制の教育を受けています。
それに伴い、既に免許をお持ちの薬剤師も、一生懸命に勉強されているということです。
心配は全くないとは言いませんが、ある程度薬剤師の力も信じていただきたいというの
が、個人的な感想です。ほかには、何かございますか。
○審査管理課長 ドンペリドンについては、御指摘をいただいております。留意事項の中
に、妊婦さんと妊娠している可能性のある方の投与について留意する旨を記載するという
ことでよろしいでしょうか。
○村島委員 現に医療用医薬品でも、禁忌になっています。医師は、禁忌に当てはまる方
には、出さないように気を付けています。しかし、相談事例があるということは、後から
妊娠が分かるという問題が発生していることになります。注意をすれば良いということで
はありません。本人の自己責任とも言えますが、国民の健康を預かる立場からすると、不
必要な不安を募らせてしまいます。リスクが高いというのであれば、OTCへの移行を急
ぐ必要はないと思います。
 医学的にドンペリドンは催奇形性はないと考えられます。そのため、状況が整えば市販
薬になっても良いと思います。しかし、今の段階では、やめた方が良いというのが私の意
見です。
○望月部会長 将来こちらを申請される業者がいた場合、本日の議論をきちんと伝えてい
ただき、そのような形で審査されることを理解して欲しいと思います。
 4品目は、この場ではそのようなことを条件として、候補成分と認めるということでよ
ろしいですか。その点は、審査管理課、機構の方も、是非留意していただきたいと思いま
す。ほかにはございますか。宗林委員、最後に一言どうぞ。
○宗林委員 今回はこのようになりましたが、「再発性のものであれば良い」という条件
付きで採択されるようなOTCも出てきました。今後検討される時、医師の診断、選択の
下、OTCに「何か月間の間」と期間を定めたりすることも勘案して検討していただきた
いと思います。
○望月部会長 本日は長い時間、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の一般用医薬品部会をこれにて終了し、閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 美上(内線2737)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(要指導・一般用医薬品部会)> 平成22年11月24日薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会議事録

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