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2010年11月29日 第83回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成22年11月29日(月)
16時00分〜18時00分


○場所

中央合同庁舎第5号館
厚生労働省専用第12会議室(12階)


○議題

2010年11月29日 第83回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

・日時
 平成22年11月29日(月)16時00分〜18時00分

・場所
 厚生労働省専用第12会議室(12階)

・出席者
【公益代表委員】
 荒木委員、岩村委員、廣見委員、村中委員、守島委員

【労働者代表委員】
 島田委員、新谷委員、中島委員、八野委員、宮本委員、安永委員

【使用者代表委員】
 伊丹委員、高尾委員、田中委員、三浦委員、宮地委員、輪島委員、平澤委員代理

【事務局】
 金子労働基準局長、渡延審議官、前田総務課長、田中労働条件政策課長、
青山労働条件政策課調査官

・議題
 1 有期労働契約について
 2 その他

○岩村会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第83回労働政策審議会労働条件分科会を始めることにいたします。
 本日は、公益代表の大沢委員、労働者代表の工藤委員が御欠席ということでございます。
 また、使用者代表の渡邊委員の代理ということで、平澤様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 あと、まだお二方お見えになっていませんが、間もなくいらっしゃるだろうと思いますので、このまま始めることにいたします。
 本日の議事に入ります前に、前回の分科会の開催後に委員の改選がありました。そこで、定足数の報告と併せて事務局から御報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 新しく委員に就任された方を御紹介させていただきます。なお、資料No.1として委員名簿をお配りしておりますので御参照願います。
 使用者代表として、近藤さつき委員に代わり、株式会社大丸松坂屋百貨店本社業務本部人事部スタッフの宮地知英委員です。
 次に、定足数の確認です。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、本日はいずれの数も上回っております。定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 なお、机上にドッチファイルを置かせていただいております。今後は、このファイルに使用した資料を順次差し込んで各回の分科会で御参照いただくことにしておりますので、よろしくお願いいたします。
○岩村会長 それでは、議事に入ることにいたします。お手元の議事次第に沿いつつ、進めさせていただきます。
 本日の議題は、有期労働契約についてということでございます。有期労働契約の検討につきましては、前回の分科会におきまして検討スケジュールについて大まかな御了承をいただいたところでございます。それに沿いつつ、今回から順次議論を進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、有期労働契約の現状など総論ということで御議論をちょうだいしたいと思います。そこで、有期労働契約の実態、諸外国の有期労働契約法制などについて事務局で資料を作成していただいております。そこで、配付資料につきまして、まず、事務局から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 それでは、資料No.2に基づきまして、御説明いたします。通し番号で次ページから番号を振っております。最後100ページまでありますので、以後は通し番号で申し上げさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、資料No.2の目次がございますが、これが本日御説明する資料の全体像でございますけれども、?T〜?Wまでが本日の資料の目次となっておりまして、?Xと?Yについては次回に御説明させていただく予定で準備を進めているものでございます。
 上から順に、?Tは非正規雇用の中で有期労働契約がどのように位置付けられているかについて、幾つかの統計資料を基にまとめさせていただいております。
 ?Uは、我が国における有期労働契約の実態に関する資料でして、昨年7月に厚生労働省で実施した調査結果の概要などを中心にまとめたものでございます。
 ?Vは、有期労働契約に関する我が国の現行法制の概要です。
 ?Wは、有期労働契約に係る諸外国の法制度などに関する資料です。
 以上が、本日御説明予定の資料ですが、次回に向けて準備中の資料につきましては、?Xとして有期労働契約の実態、具体的には国内の企業における利用状況について、個別企業のヒアリング調査結果などを中心に御説明したいと考えているのと、有期労働契約に関する法的な紛争の状況についても御説明したいと考えております。更に?Yとして、関連諸制度に関する資料を御説明できればと思っております。
 それでは、資料?T〜?Wまで御説明させていただきます。できるだけ簡潔に御説明させていただきますが、およそ45分ほどかかりますので、よろしくお願いします。
 資料?T−(1)は、労働力調査による雇用者のうち、正規と非正規の構成比を示すものでございます。近年、非正規の比率が3割を超える状態が継続しております。非正規の形態別の内訳は下の表のとおりであり、パート・アルバイトが合わせて1,253万人、派遣社員が108万人、契約社員・その他が合わせて460万人となっております。
 資料?T−(2)でございますが、非正規労働者の中に有期契約労働者がどの程度いるかを見るために、雇用者数に占める1年以内の契約期間で雇われている者の割合の推移を示したものです。近年14%前後で推移しておりまして、実数では平成21年が751万人となっております。有期契約労働者の全体数を示すには、これに1年を超える契約期間で雇われている者を加える必要がありますが、その数は統計的に必ずしも明らかではございません。この点については、後ほど改めて御説明いたします。
 資料?T−(3)ですが、年齢別に見た非正規の割合の推移でございます。各年齢層ともに増加傾向にありますけれども、直近では25〜44歳層、55〜64歳層が伸びてきております。
 資料?T−(4)ですが、就業形態別の賃金カーブです。正規社員の賃金カーブが一定年齢までは年功的に上昇しているのに対しまして、非正規社員のカーブは年齢に対し比較的フラットになっております。
 資料?T−(5)は、就業形態別に企業が行う教育訓練の実施状況です。非正規社員は正規社員に比べ教育訓練機会に乏しい状況が見えますが、OJTやOFF−JTの中でも現在の職務に必要とされるような訓練については、非正規社員に対してもある程度実施されているという状況が見てとれます。
 資料?T−(6)は、非正規労働者のうち正社員になりたい者の割合に関する就業形態別の経年推移です。全体的に割合が増加しているわけですが、契約社員と派遣労働者の部分で大きく伸びております。
 資料?T−(7)は、これから議論の対象となる有期契約労働者が全体の雇用者の中でどのような位置付けにあるかを概念的に示した図でございます。点線で示しているのは、統計的な数字で表すことが難しいという意味も込めております。
 資料?T−(8)をごらんいただきますと、有期契約労働者の数的なボリュームをもう少しイメージできる材料を並べてみました。?Tの労働力調査は基本集計ですが、パートや派遣といった雇用形態の呼び名での集計がとれませんで、契約期間1年以内の有期契約労働者数としてのみ把握できております。右上の751万人でございます。
 ?Uは数字の精度は少し落ちますけれども、労働力調査の詳細集計を用いまして、非農林業の雇用者総数の中での就業形態の内訳を示しております。この集計では1年以内の有期雇用労働者が757万人に対しまして、契約期間1年を超える非正規労働者と、契約期間の定めのない非正規労働者の合計数が959万人いるということがわかります。したがって、有期雇用労働者の数は757万人から1,696万人の間に存在するということになりますけれども、労働力調査ではこれ以上解明できないということになっております。
 そこで、?Vでは昨年、有期労働契約研究会の資料とするために厚生労働省で行った事業所調査、これは6,000事業所から回答を得た調査ですけれども、常用労働者に占める有期契約労働者の割合が22.2%でしたので、これを一番上の雇用者総数5,460万人に単純に掛けてみたところ、1,212万人という答えが出てきます。この数字は統計的には必ずしも十分意味のある数字ではないんですが、有期契約労働者数のボリューム感を得るには参考になると考えているところでございます。
 以上が資料?T関係です。
 次に、資料?Uです。資料?U−(1)〜(5)までは、有期労働契約研究会の検討に資するために、昨年7月に厚生労働省において実施した、有期契約労働者の就業状況に関する調査資料でございまして、事業所調査と個人調査の2種類の調査を実施しております。
 資料?U−(1)の資料は、これら調査の実施概要でございます。
 まず、「1 事業所調査」については、常用5人以上の民営事業所約1万事業所に対する郵送調査で、回答率は60%でございました。この事業所調査では、有期契約労働者の多様性を念頭に置きつつ、正社員との対比によって幾つかの職務タイプに分けて就業実態を調査しております。具体的には、10ページの冒頭に?Bということで記載しております。ア、イ、ウ、エの4つのタイプでございます。アは正社員と同様の職務に従事する「正社員同様職務型」、イは正社員よりも高度な内容の職務に従事する「高度技能活用型」、ウは正社員と別職務であるけれども、同水準の業務に従事する「別職務・同水準型」、エは正社員よりも軽易な職務に従事する「軽易職務型」という4分類です。
 なお、本事業所調査では雇止めの状況についても調査をしておりますが、雇止めの定義については?Cにありますように、「使用者が期間満了後、有期労働契約を更新しないこと」として事業所に回答を求めております。
 次に「2 個人調査」につきましては、15歳以上の有期契約労働者5,000人を民間調査機関のインターネット調査アクセスパネルから抽出し、調査対象としました。こうした調査方法を選択した理由は、事業所を通じないで労働者に直接アクセスする形で調査することで、より実態を正確に把握しようとしたものでございます。
 なお、以下御説明する調査結果のうち、事業所調査につきましては標本調査という形で行っておりまして、そのために数字については母集団への復元後の数値で表示しております。
 一方、個人調査については標本調査ではないため、現数値のままで表示しておりますので、就業形態別や年齢階級別の構成比に十分留意して数字を見ていく必要がございます。例えば、労働力調査で資料?Tで見ていただきました派遣労働者の割合は6.3%でございましたが、この個人調査では回答者の34.6%が派遣労働者で占められております。また、個人調査の回答者は、回答時点で有期契約労働者として雇用されている者でございまして、失業者を含まない集団となっております。
 資料?U−(2)は、事業所調査と個人調査の結果に基づきまして、有期契約労働者の職務タイプ別の位置付けを正社員との職務の違いや正社員への転換状況の違いにより模式的に表したものです。本図の中では事業所調査の結果に基づく数字を「事」と、個人調査の結果に基づく数字を「個」と表して区別しております。
 この図では、本調査で用いた4つの職務タイプのうち、同様職務型と別職務・同水準型をまとめて正社員の下に置き、その下に軽易職務型を置いております。事業所調査及び個人調査で数字にやや違いはありますけれども、同様職務型と別職務・同水準型の合計で有期契約労働者全体の約4割ないし5割を占め、また、軽易職務型についても5割ないし4割を占めております。
 もう一つのタイプであります高度技能活用型につきましては、正社員の左側にあるように1ないし4%とわずかな構成比となっております。
 なお、これらの区分は個々の労働者ベースでは必ずしも固定的なものではなく、正社員への転換の動きが見られますが、タイプ別で差異が見られます。正社員と同様職務または同水準の職務を行うタイプでは、転換制度がある事業所の中で転換の実績がある程度出ている事業所が約6割ということになりますが、軽易職務型ではその割合は4割程度まで落ちてしまいます。
 高度技能活用型では、職務の水準が正社員と同じかそれ以上でありますが、正社員への転換実績は低調という結果が出ています。
 本図には、正社員との比較のために異動・転勤や昇進があるかどうかについても記載せさていただいているところでございます。
 次に、各調査の集計結果についての資料が13〜60ページまでございます。このうち13〜30ページまでが事業所調査の結果でございます。31ページ以降が個人調査の結果です。個人調査結果は31〜45ページまでに主に職務タイプ別の分類による集計結果をまとめております。47ページ以降では追加集計ということで、年齢、就業形態、勤続年数別の集計結果をお示ししております。以下、主な内容を御説明いたします。
 まず、事業所調査の結果です。16ページをお開きください。有期契約労働者を雇用している事業所の割合でございまして、平均35.9%となっています。事業所規模別に見ると、規模が大きいほど有期契約労働者を雇用している事業所の割合が高まります。表の下の部分でございます。
 次に17ページは、常用労働者全体に占める有期契約労働者数の割合で22.2%となっております。産業別では、ほかに分類されないサービス業が38.5%、宿泊業・飲食サービス業が35.9%といった順に高くなっており、一方、製造業や情報通信業は平均の約半分の割合、建設業は更に低く、6.6%となっております。事業所規模別での差はそれほど大きくないという状況でございます。
 18ページは、第3表が有期契約労働者を雇用しない理由、第4表が有期契約労働者を雇用している理由となっています。雇用しない理由では、正社員でないと技術水準や品質維持に不安があるとの回答が多くなっています。逆に雇用している理由では、業務量の変化に対応するため、及び人件費を低く抑えるためとする回答が多くなっておりまして、この傾向は高度技能活用型を除く職務タイプで共通して見られます。
 19ページの第5表では、有期契約労働者を雇用できなくなった場合の影響を聞いております。事業が成り立たないとする回答が半数を占めており、その理由は、有期契約労働者を雇用している理由とほぼ共通しています。
 残り半数の事業所は対応が可能としていますが、その理由は正社員だけで対応できるとする回答が7割弱です。
 20ページでは、第7表が1回当たりの契約期間で事業所ごとに最も多いものの状況です。どの職務タイプを見ても3か月から1年以内の範囲に7割以上が集中しています。
 第8表では、契約の更新回数で事業所ごとに最も多いものを答えてもらっています。いずれの職務タイプも3〜5回の部分が最も多くなっておりますけれども、6回以上をまとめてみますと、35.6%となり、3〜5回に匹敵する割合となります。
 タイプ別に見ますと、別職務・同水準型と軽易職務型では6回以上の更新回数となっている事業所が、ほかのタイプに比べかなり多い。3〜5回の更新回数の事業所よりも比率的に多くなっているということがわかります。
 21ページは、有期契約労働者の実際の勤続年数の状況です。事業所で最も多い勤続年数の区分を回答してもらっていますが、1年以内が最も多いとする事業者は1割強であり、1〜5年以内が6割弱です。5年以上の有期契約労働者が最も多いとする事業所も、約3割に上ります。
 22ページは、有期労働契約締結時の契約期間などの明示状況です。3表ありますが、契約期間の明示については一番上で9割、真ん中の契約更新の有無に関する明示については8割、下の更新の判断基準の明示が6割となっております。
 23ページ、契約更新の際の手続ですが、更新後の契約内容について詳しく説明している事業所は約半数にとどまっております。
 第12〜第18表までは、正社員と比較した有期契約労働者の待遇についてですが、時間の関係で説明は省略したいと思います。
 27ページの第19表は、正社員への転換について聞いたものです。正社員転換制度を有する事業所が半数に上ります。職務タイプ別の転換状況については、冒頭の図で御説明したとおりでございます。
 第20表では、転換制度を有する事業所における正社員転換上の支障の有無について聞いております。半数は特に支障なしとしており、支障のある場合の最も多い理由は、正社員のポスト不足となっております。
 28ページは雇止めの状況です。第21表では、過去3年間に雇止めを行ったことがないとする事業所が7割、雇止めを行ったことがあるとする事業所が3割となっています。雇止めの理由として最も多いのは、業務量の減少となっています。
 雇止めに対する事業主の考え方については第22表で、雇止めをするつもりがない及びやむを得ない場合に限りとする事業所が65%程度を占めております。
 更に、雇止めの手続については第23表で、雇止めを口頭で伝えたとする回答が書面で伝えたとする回答を上回っています。
 29ページの第25表は、3年を超える労働契約が労働基準法で認められている部分に関する契約期間の実態を聞いたものですが、高度専門知識を有する労働者についての状況が上の表であり、3年を超える当該労働者がいる事業所の割合は3.3%にとどまっております。
 満60歳以上の労働者についての状況が下の表でして、3年を超える労働者がいる事業所の割合は5.0%となっております。
 事業所調査の最後ですが、30ページの第26表は有期契約労働者が契約期間の中途で退職を申し出た場合の状況です。契約期間の途中での労働者側からの退職申し出を受けた経験のある事業所が56%に上る中で、その申し出をした労働者に損害賠償請求をしたことのある事業所は0.7%と、ほとんどない状況でございます。
 引き続き31ページ以降、個人調査の結果について御説明します。
 31〜34ページの第4表までは、個人調査の回答者の属性です。
 34ページの第2表は、回答者の就業形態別の構成比となっております。上の欄の左から3つ、契約社員、期間工、嘱託社員がいわゆる直接雇用のフルタイムでして、構成比は合計で34.1%、パートタイマーは2つ合計で29.6%、派遣労働者が34.6%でございます。資料?T−(1)で見ました労働力調査での就業形態別の構成比と比べ、パートタイマーがかなり少なく、派遣労働者がかなり多くなっております。
 第3表は回答者の年齢構成です。労働力調査で見ると、非正規労働者の年齢構成は20〜50代までは比較的フラットな年齢構成になっておりますけれども、本調査の回答者につきましては、30代をピークに山形の年齢構成となっておりまして、結果として若年層への偏りが見られます。
 35ページですが、第5表、回答者の年収分布です。100〜200万円の区分が最も多くなっておりまして、次が200〜300万円の区分です。
 第6表で、その年収が生活を賄う主な収入であるかどうかについて聞いておりますが、約6割の方がその収入を主な収入源として生活していると回答しております。
 第7表以降は、有期契約労働者の就業や契約更新の状況に関する事項でございます。第7表では、有期契約労働者として働いている理由を聞いています。3つまでの複数回答ですが、最も多いのが正社員としての働き口がなかったからで約4割、勤務時間などが希望に合うが3割、仕事内容や責任が希望に合うが3割という状況でした。職務タイプ別に見ますと、軽易職務型の場合に勤務時間などが希望に合うとの回答がやや多くなっております。
 第8表ですが、契約期間の状況です。全体の約半数が6か月以内の契約となっております。6か月を超え1年以内の契約が約4割、1年を超える契約が約1割となっております。
 第9表は、契約期間満了後の労働者の希望です。引き続き同じ職場で働きたいとする者が約7割となっており、うち2割は正社員として働きたいとしています。このほか別会社で正社員として働きたい者が15%おりまして、正社員を志向する者は全体の約3割強となっています。職務タイプ別では、軽易職務型の場合、正社員志向がやや弱いと言えます。
 第10−1表は契約更新回数の上限についてですが、95%以上が更新回数の制限がないと回答しています。更新回数の制限がある場合の具体的な上限回数については、2回と5回がやや多くなっているという状況です。
 第10−2表は勤続年数の上限についてですが、92%が上限なしと回答。上限がある場合の具体的な上限年数は3年以内とするものが約3分の2に達しています。
 第11表、第12表は、実際の契約更新回数や勤続年数を聞いたものですが、第11表の更新回数では5回以内が約3分の2を占め、6〜10回までが約2割、11回以上も1割強存在します。
 第12表の通算勤続年数では、1年以内が3割強、1〜3年が3割、3〜10年が3割弱となっており、10年超も1割弱いるという状況です。
 第13−1〜13−3表、契約内容の明示状況ですが、契約期間の明示が95%、更新の有無の明示が87%、更新の判断基準の明示が62%となっておりまして、これらの比率は事業所調査の結果とほぼ整合しております。
 第14−1〜14−3表までは、仕事に対する満足・不満足の状況です。満足と不満足が半々といったところですが、その内容を見ますと、満足している理由としては失業の心配が当面なく、労働時間が自分に合っており、職場の人間関係も良好といったところが多くなっております。
 一方、不満な理由としては、主には、いつ解雇・雇止めされるかわからず、賃金水準も低く、頑張って働いても将来ステップアップが見込めないといったところが不満の多いところです。
 職務タイプ別に見ますと、軽易職務型の満足の理由として、正社員に比べ責任が軽い、残業が少ないという項目の回答が、ほかのタイプに比べ多くなっている点が特徴的です。
 この2つの表を見ますと、失業の心配がないから満足という回答と、いつ雇止めされるかわからないから不満という回答が、いずれも多くなっていることがわかりますが、その要因としては、第15表に見られるように、契約更新についての説明の状況が異なっているためとも考えられます。特段の事情がなければ、自動更新すると説明されている者、期間満了時に更新の可否を判断すると説明されている者、特に説明を受けていない者がそれぞれ約3割ずつおりまして、説明の内容の違いによって雇用の継続に対する期待あるいは不安感の程度が異なってくるということもあるのではないかと思われます。
 第16表〜第23表までは、正社員と比較した有期契約労働者の待遇ですが、これも時間の関係で説明は省略します。
 44ページ、第24表は、現在の労働契約について最も改善してほしい点を回答してもらったものですが、賃金などの改善が最も高く24%、次に、正社員として雇用してほしいという回答と、現在の有期契約を更新して長期間働きたいとする回答が20%程度で拮抗しています。職務タイプ別では、正社員同様職務型で正社員志向がより強く出ています。
 第25表は解雇・雇止めの経験の有無についてです。現在、有期労働契約のもとで在職している労働者に聞いていますので、現在の職場ではなく、それより前の職場での経験によってお答えいただいていることになりますが、約2割の者が自分について解雇・雇止めの経験ありとし、約8割の者が自らについては経験なしと答えています。
 第26表は、自分か同僚のいずれかに解雇・雇止めがあったとする労働者に、雇止めの際に事業主から示された理由を3つまでの複数回答で聞いています。景気要因や経営状況を理由とするものが多くなっておりますが、単に契約期間の満了という理由の提示による雇止めも比較的多くなっております。
 第27表ですが、雇止めを行うに際しての事業主のからの通告の対応及び時期についてですが、通告の方法は事業所の調査の場合と同様、書面よりも口頭による場合がかなり多くなっています。通告の時期については、契約満了の30日以上前にされていることが多いと言えます。
 第28表で、雇止めの際のトラブルがあったとするものが、雇止め経験者の約4割に上っておりまして、その主な理由は雇止めの理由に納得ができなかったとなっております。
 個人調査の職務タイプ別の最後ですけれども、第29表、有期契約労働者が契約期間の中途で退職を申し出た場合の状況です。契約期間での途中での退職申し出をしたことのある労働者で、退職申し出の際に事業主から損害賠償を求められたことがある労働者はほとんどいないという状況がわかります。
 資料?U−(5)追加集計について説明します。
 この追加集計では、表側に年齢、就業形態、勤続年数をとって、幾つかの集計を試みております。飛ばし飛ばしの御紹介になりますけれども、主な特徴について御説明いたします。
 年齢別の追加集計が48〜53ページにございます。年齢別集計で契約期間満了後の希望を見ますと、51ページの?T−8の表ですが、20〜30代前半の若年層に比較的正社員志向が強く、40代後半以降は、引き続き同じ職場で有期契約労働者として働きたいという志向が強まってくることがわかります。左の2つ欄を比較いただけるとわかると思います。
 現在の仕事に対する不満の理由については、52ページの?T−11の表です。解雇・雇止めの不安は30代後半から40代にかけて最も強いということ。それから、賃金水準に対する不満は逆に、若年層と50代以上の高年齢層に強く見られます。
 その他の左側ですけれども、ステップアップできないという不満は、年齢別に見ても各区分で比較的強くなっておりますが、20代後半から30代にかけて、また、55〜59歳でより強く出てきております。
 53ページの?T−13の表ですが、現在の労働契約に対する改善ニーズを見ています。若年層の正社員志向が強く、高年齢層では賃金改善への要求が強まることがここでもわかります。
 他方、会社の職業訓練の充実ニーズについては、各年齢層とも要求レベルは低くなっております。
 次に、就業形態別の追加集計が54〜58ページにかけてでございます。54ページの?U−1の表で就業形態別の契約期間の長さを見ますと、契約社員、嘱託社員が比較的長いのに対し、期間工、短時間パート、派遣社員では6か月以内の契約期間で働く者が半数を超えています。有期契約労働者になった理由を見ますと、55ページの?U−5の表になりますが、契約社員や期間工、派遣労働者では、正社員として働き口がなかったとする回答が多い。短時間パートでは、勤務時間等が自分に合っていたとする者が多いという状況です。
 正社員志向を見ると、56ページの?U−7の表ですが、正社員志向が強いのが契約社員、期間工、派遣労働者でございます。このうち期間工につきましては、現在の職場で正社員として働きたいという希望が強くなっております。
 57ページの?U−12の表を見ますと、現在の仕事に対する不満の理由のうち、解雇・雇止めの不安については派遣労働者、契約社員、期間工の順に強く感じていることがわかります。また、ステップアップが見込めないことに対する不満は、すべての就業形態に共通しています。
 58ページの?U−16の表ですが、解雇・雇止めの経験ありの比率を就業形態別に見ておりますが、期間工及び派遣労働者において比較的高いことがわかります。
 次に、勤続年数別の集計が59〜60ページにございます。59ページの一番上の表は、横軸に1回当たりの契約期間をとりまして、縦軸に通算勤続年数をとってクロスさせたものです。1回当たりの契約期間が6か月以内のように短い場合でも、3年を超えるような勤続年数となっているものが1割ないし3割見られます。
 60ページの?V−5の表でございますけれども、ステップアップが見込めないという不満が、勤続年数が長期化するほど増す傾向にあることがわかります。
 ?V−6の表では、正社員志向が勤続年数1〜3年の階層で最も高いことがわかります。
 長くなりましたが、以上が事業所調査・個人調査の結果について御説明となります。
 次に、資料?U−(6)でございます。これは、昨年5月と6月に有期労働契約研究会で労使などからヒアリングを行った結果の概要でございます。
 製造業の事業主からは、需要変動などに対応するために有期労働契約が必要であること、契約更新回数の上限を設けていること、契約期間満了時に退職金のようなものを一定額支給していること、正社員登用を行っており、かなりの者が登用されていることなどが述べられています。
 流通業の事業主からは、業務の繁閑などに応じた弾力的な労働契約の締結が必要であること、契約期間の更新は労働者の育児・介護などの状況に応じた労働条件の見直しの契機として機能していること、特段の事情がなければ原則65歳までの反復更新が可能であること、正社員登用制度への応募が思ったより少ないことなどが述べられています。
 人材派遣業からは、派遣先と労働者双方のニーズを満たすため、有期労働契約が必要であることなどが述べられています。
 中小企業からは、有期契約労働者には正社員と同様の役割を期待すること、有期労働契約については締結時に時間をかけて契約内容を確認することで納得性を高めていることなどが述べられています。
 製造業関係の労働組合からは、賃金や諸手当などで正社員との格差が存在していること、6か月の契約を20回程度更新し、平均勤続年数が約10年という実態にあること、雇止めは行われていないものの、常に雇止めの不安を抱えていることなどが述べられています。
 流通業関係の労働組合からは、8割程度が有期契約労働者となっており、基幹労働力としての役割が期待されていること、契約を原則として反復更新しているので雇止めのトラブルは生じていないことなどが述べられています。
 非正規労働者を組織している組合からは、20年近く働いても簡単に契約を拒絶されてしまうのが現状であること、先が見えない不安から働く意欲や会社に対する貢献意欲も低下していること、労働契約の上限3年については、それが勤続年数の上限であるかのように受け取られていることなどが述べられています。
 最後に、労働相談の担当者からは、有期労働契約の利用には雇用調整弁及び試用期間の機能という会社側の都合があること、契約期間中の解雇について特段の事情がないと困難であることについての認識が乏しいことなどが述べられています。
 次に、資料?Vの現行法制について御説明いたします。
 資料?V−(1)は、我が国の有期労働契約の現行法制につき、有期労働契約の締結及び更新、契約期間中並びに契約終了時の3つの場面に分けて整理したものです。
 ?@契約締結時・更新時ですけれども、ここには1回の契約期間の上限規制、契約条件の明示に関する規定、契約期間についての配慮規定及び黙示の更新に係る規定が存在します。
 ?A契約期間中につきましては、契約期間中の解雇・解除に関するルール及び均等待遇などに関する規定が存在しております。
 ?B契約終了時につきましては、雇止め予告に係る規定が存在します。また、雇止めルールとして解雇権濫用法理の類推適用による判例法理がが確立しております。根拠法令等は末尾にそれぞれ書かせていただいておりますが、具体的な条文等は資料?V−(2)で整理しておりますので、御参照願います。細かな説明は省略させていただきます。
 以上が資料?Vです。
 資料?Wについて御説明します。まず、資料?W−(1)ですけれども、有期労働契約法制に関する我が国と諸外国の比較です。横表になっておりますが、1ページ目は、いわゆる入り口と出口に係る実体的なルールについてまとめています。アメリカはこの部分では特段の規制がありません。イギリス、ドイツ、フランスについては、後ほど見るEU指令を踏まえ、各国において一定の規制を置いておりますが、イギリスは締結理由制限を設けず、4年間までの期間制限を置いております。ドイツは、締結理由制限を置いておりますが、原則として当初2年間は適用せず、2年経過時点で判断する仕組みです。
 フランスは、有期雇用契約の当初から契約事由を規制しており、例外事由に該当する場合も原則18か月までとなっています。労働法典においても、期間の定めのない労働契約は労働関係の通常かつ一般的形態であると規定しております。ただし、フランスにおきましても、雇用対策の観点から例外を拡大している部分がございます。また、フランス特有の仕組みとして、有期雇用契約の契約期間満了時に、使用者が契約終了手当を支払う仕組みが設けられております。
 なお、韓国につきましては、2007年に2年間の勤続年数制限を法制化しております。
 2ページ目は手続的な規制、均等待遇・差別的取扱いの禁止、正社員などへの転換推進に関する規定です。各国とも締結時の書面明示などの手続的規制を有しております。
 均等待遇等につきましては、アメリカはなく、イギリス、ドイツ、フランスはEUの有期労働指令に基づき、差別的取扱いの禁止がなされています。
 無期契約転換推進措置もEU指令を踏まえて整備されております。
 韓国の有期法制におきましても、EUと同様の規定が存在しております。
 資料?W−(2)にまいります。これは、有期労働契約に係るEU指令でして、EU各国はこれに基づく国内法の整備を進めています。EU指令の規制目的は、78ページの第1条にあるとおり、非差別原則の適用と有期契約の反復継続的利用から生ずる濫用の防止でございます。
 79ページの第4条が非差別原則に関する規定でして、第5条が濫用防止措置に関する規定です。第5条では、契約理由の制限、勤続期間の制限、または、更新回数の制限、(a)(b)(c)と書かれている部分ですが、これらの規制のうち1つ以上の措置を各国が導入すべきものとされています。
 次に、資料?W−(3)ですが、諸外国の労働契約法制の概要でございます。有期労働契約に係る法制のみならず、労働契約法制全般を踏まえた議論が必要との御趣旨の御発言も前回いただきましたので、2005年のJILPTの報告書から抜粋して資料化させていただいたものです。細かく御説明している時間的余裕はないのですが、84ページの「雇用の終了(解雇)」に関する規定の中で、いわゆる経済的理由に基づく解雇の規制の状況がどうなっているかが書かれておりますけれども、概略を申しますと、経済的理由による解雇については、ドイツ、フランスについては比較的厳格な正当理由を要求されます。イギリスにつきましては、ドイツ、フランスに比べて要求される正当理由がやや緩やかになっています。アメリカにつきましては、経済的理由による解雇は規制されていないという状況でございます。
 この資料につきましては、今後の議論において御参照いただければありがたいと存じます。
 次に、資料?W−(4)は、諸外国法制の運用実態や制度の変遷について、前回御説明しました有期労働契約研究会報告書において言及されている部分を抜粋したものでございます。これについても前回御説明させていただいておりますので、説明は省略させていただきます。
 資料?W−(5)は、各国の失業率の比較でございます。この資料はごらんいただければと思います。
 資料?W−(6)は、各国のテンポラリー労働者の割合の比較です。日本の2008年13.6%という数字がございますが、1年以内の有期契約労働者の割合で表示されております。各国の数字を見比べてみますと、有期労働契約を規制しているヨーロッパ諸国を見ましても、比較的テンポラリーの比率が高いことがわかります。
 最後に、?W−(7)です。韓国の有期労働法制の運用状況を示す資料でございます。95ページの表の一番下の6月の欄が今年の6月で最新の状況です。有期労働契約の継続期間が法律で2年に制限されている中で、1年6か月以上の勤続年数で契約期間を満了した者について、どのような帰結になったかを示しています。この表では全体の約3割が契約終了になり、残りの7割が正規職に転換したか、あるいは継続雇用されて無期雇用と見なされたことになっております。
 それ以降は各種の分類での資料になっておりますけれども、98ページは韓国の法制で法適用除外のラインナップがございまして、その人数についても記載がございます。御参照いただければと思います。
 以上、資料の説明といたします。よろしくお願いします。
○岩村会長 ありがとうございました。
 それでは、この後、今、御説明いただいた資料を参照しつつ、意見を交換していただきたいと思います。
 なお、公益の守島委員が5時ごろ御退席ということなので、よろしければ御意見なりコメントなりを今の段階でちょうだいできればと思います。
○守島委員 守島でございます。大体読ませていただいて感想になってしまうんですけれども、やはり産業別というか業種別に見た場合に、有期の使い方というか、有期労働者の全労働力の中における位置付けというのが、かなり多様化しているのかなと。例えば、流通業であれば、比較的需要変動にきちんと対応するための有期労働者だし、製造業であれば、ある意味でスクリーニング的な意味も含めて正社員に少しずつ持っていくような、そういうタイプの有期の位置付けも結構あるようなので、そういう意味では、この分科会でも多少産業別というか業種別の部分をどう扱っていくかというところが比較的大きな問題になるのではないかと。つまり、使用者側から見ると、そういう意味で言うと、ある1パターンの規制がうまくいくかどうかということが、企業経営からするとちょっと難しい部分があるんじゃないかという感想を持ちました。
 簡単な感想ですけれども。
○岩村会長 ありがとうございました。
 守島委員も勿論、御在席中は御発言いただいて結構でございますが、そのほかの委員から御意見や御質問をいただきたいと思います。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 大変有意義な資料を提出していただいてありがたいと思いますけれども、実質、審議の時間が1時間くらいしかなくなってしまいますので、その点は気をつけながらと思いますが、前回は入り口の話で、今日から総論ということなので、それに当たって分科会長にお願いと、事務局へ2つぐらい質問をしたいと思います。
 まず1点目は、前回の審議会での双方のコンセンサスだと思うのですけれども、共通認識をつくりましょうということがキーワードだったと思います。それで、労働条件分科会の議論というのは、かなり労使が対立する構図で、私どもも事務方だと検討項目について労使の対立ポイントを整理して、こう言っているよなということを中でも議論するわけですけれども、できれば、私どももそれぞれかなり頭に血が上って発言しておりますので、労側とどれくらい寄っているのかとか、どこが違うのかがよくわからない点もあるので、できれば分科会長の御指導のもとに、どこが寄っているのか、共通認識はどこになっているのかということを少し指摘していただいて議論を深めるという議事進行をお願いできないかというところでございます。
 それから、2つ目ですけれども、従来、公益の先生は割と行司役で御発言が少ない傾向があるかと思いますが、せっかくそれぞれの専門分野の第一人者の方ですので、できればこういう見方があるんだという点で、それぞれ解説を適宜していただければありがたいなというのがお願いです。
 それから、事務局へ2つ御質問させていただきたいと思います。
 第1点目は、前回の資料2−2、平成18年12月27日の労働条件分科会での答申文で、中段の「また」書きのところですが、「就業構造全体に及ぼす影響も考慮し、有期労働契約が良好な雇用形態として活用されるようにするという視点」というところが、平成18年の分科会のまとめだと思いますけれども、どうも有期研の報告書というのは、良好な雇用形態として活用されるという視点がほぼ入っていないのではないかと思うぐらいに私どもとしては感じるのですけれども、その点、前回の御説明ではこういう指摘があって引き続き検討ということになっているので、今度の分科会でも議論するという点ですが、その点が残っているのかどうかを伺ってみたいなというところでございます。
 2点目は、これを労働基準局にお聞きすることは酷なのかもしれませんが、労働条件分科会だけでなく、労働政策審議会全体のことを考えると、職業安定分科会では派遣法の改正をまとめて今、国会に上程していると、継続審議扱いになっておりますけれども、ある意味で派遣という働き方、雇用機会を少なくしてしまうのではないかという改正ではないかと思います。
 それから、来年、職業安定分科会で恐らく高年齢者雇用安定法の見直しの議論ということで、これも高齢者雇用としては非常に大きな議論です。
 それから、雇用均等分科会では、パート法の3年後の見直しの改正が恐らく4月以降から議論されるのではないかと。その点は、恐らく均衡とか均等という話になるのではないかと。
 それから、そのほか若年者の問題、新卒の採用の問題とか、そういうような労働政策全体が非常に大きな議論を来年するのだろうと思っているところですけれども、全体に見ると、過大な期待が企業側にかけられているのではないかと。特に、雇用の量や雇用の質を考えると、非常に難しい議論が来年1年間の議論なのではないかと思いますが、それぞれの分科会での議論というのは、最適を目指して議論をするわけですが、労働政策全体または日本の国の労働市場全体から見ると、最適な方向に行くのか、行かないのかというのが、むしろそうではないのではないかと。企業側にとっては非常に大きな不安を抱える要素になっている。それぞれの審議会でも、なかなか踏み込んで議論ができるような状況ではないのではないかという気がするんですが、その点、勿論労働条件分科会での有期の話も、ある意味では雇用の機会の量と質の話をどうバランスさせるのかという議論だと思うのですけれども、何となく雇用の量的なものに非常に大きな規制をかけるような気もしますが、その点、全体としての労働政策の方向性をどういう感じで考えていらっしゃるのかをお伺いした上で、個別の資料の議論に入っていきたいということで御回答いただければありがたいなと。
○岩村会長 最初の分科会長、私へのお願いということでおっしゃったことについては、労側がどうお考えかも一応お伺いしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○新谷委員 輪島さんの発言の最初の件というのは、議論の中で労使の対立点を明らかにするということでしょうか。
○岩村会長 対立点というよりは、むしろどこで意見が一致して、どこが違っているのかを適宜分科会の中で整理して議論するということがよいのではないかという御提案だったように私は受け止めましたけれども。
○新谷委員 このテーマは重要なテーマだと思っておりますし、労使で多分大きな見解の差が出てくる話になると思います。そういった意味では、労使の共通認識なりあるいは対立する点をそれぞれに明らかにしつつ、論議を進めることについては、特に異論はございません。
○岩村会長 わかりました。
 輪島委員に1つこちらからお聞きしたいのは、共通認識なり何なりをはっきりさせないと次にはいかないという御趣旨ではありませんよね。
○輪島委員 だんだんそういうふうにして寄っていかれるものだと思っていますので、1回1回なのか、まとめていくということでもないのかもしれませんが、分科会長のところでコメントしていただくと、私どももテークノートできますので、こういう面は合意しているのかなと。だけれども、ここは少し違っていたよねということで気付いて、次の議論に進めるように誘導していただければありがたいという趣旨です。
○岩村会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今日は実態の論議ということになりますけれども、年が明ければこれから各論の論議に入ってくると思います。各論については、多分それぞれの論点において労使で共通点、異なる点がかなりあると思います。それは毎回ここまで整理できたという整理はいいんですけれども、論点の整理が確認できないと次に進めないというプロセスではちょっと困ると思います。お互いに言いっ放しというところが出てくると思いますが、それはその次にまた申し送りをして、どのような着地点を見つけるかということは、この審議会の中で十分論議していけばいいと思っております。
○岩村会長 ありがとうございます。
 それでは、このようにさせていただければと思います。毎回ということではなく、適宜議論が深まったようなところについては、その回か、あるいはその次の回などに、こういう点で前回議論があって、この辺は労使で意見の一致があったようだけれども、この点はむしろかなり違っていたというような形でタイミングを見つつ、少し私の方でそういう議論の整理をさせていただくということでいかがでしょうか。
○輪島委員 ありがとうございます。それで結構です。
 次からの資料のときに、私だけが感じているのかもしれませんが、富士山をどっち側から眺めるかという話で、静岡県側から眺めても、山梨県側から眺めてもどっちでもきれいだと思うんですよね。どっちがきれいだという話をしていてもしようがないなという気もしますし、自分の方が正しいとお互いに言い合っても、それも余り生産的でないかなと思っています。先ほど守島先生から御指摘いただいたように、多分私たちは見ているところが業種・業態とか、そこで全然違うところの議論をしているのだろうと。そこの観点から言うと、それ以外のことは余り知りませんので、そういうふうに感じないので何か変だねと思ってしまうのですけれども、雇用の実態が千差万別でさまざま過ぎるので、どうも合わないなという感じがするんです。なので、そこが私どもの問題意識だということだけ是非御理解いただいて、適切な議事運営をお願いできればと思っております。
○岩村会長 努力したいと思います。
 あと、公益の先生方への御要望もありましたが、それはまた、公益の先生方それぞれで受け止めていただいて、適当なところで御発言いただければと思います。
 あと、輪島委員から御質問ということで2ついただいていますので、後者はなかなか難しいかもしませんが、お願いします。
○島田委員 同じ点についての質問なので、追加してよろしいでしょうか。
 今、輪島委員から発言がありましたように、いろいろな審議会において議論されている部分があると思うんですけれども、今回、我々が議論する有期契約の関係というのは、本当に高齢者雇用安定法やパート労働法、労働契約法などにかかわっているような気がして仕方がないのです。この審議会で結論を出したことを法文化する場合に、他の法律も書き直していかなければいけないというようなことが起こるのでしょうか。我々が今から議論する部分と現行法とのつながり・かかわりがいまだに理解できていないので、今回の審議会がどこまで議論して、どこの法律を変えるためにやっているのか、そこがいまだに自分で腑に落ちていません。どこの法律の何を変えるために審議しているかということについて自分自身が納得できていないので、輪島さんのご発言に関連して御質問させていただきたいと思います。
○岩村会長 ありがとうございます。
 それでは、今の輪島委員と島田委員の御質問について、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 まず、輪島委員から前回の資料No.2−2の部分と、有期労働契約研究会の内容について御質問がございましたけれども、これは前回もお答えさせていただいたんですが、研究会の報告書は締約事由規制や更新回数、利用可能期間に係るルール等々、有期労働契約の締結から終了にわたる幅広い論点について有識者の方に整理いただいたということでございまして、あくまでこの分科会における議論の参考としていただくということでございまして、その限度で御活用いただければと考えております。
 資料2の御指摘の「また」書きについては、これも前回御説明で申し上げたとおり、労働政策審議会で検討すべき事項として有期労働契約に係る問題が継続しているということ、それから、さまざまな経緯はあったんですけれども、その議論を再開する時期に来ているのではないかということで、検討スケジュールを御提案して御了解いただいたと理解しておりますので、それ以上のことは今後の審議の中で具体的に御議論いただければありがたいと考えております。
 それから、有期労働契約の関係について、どのような法令が問題になるかということでございますが、これも今後の議論によりますけれども、先ほど我が国の現行法制の中で見ました労働基準法、労働契約法などは非常に関連が深いものと考えております。
 それから、有期労働契約者につきましては、一面では他の種類の非正規労働形態、パートであったり、派遣であったりというような種類の表現もありまして、法規制については重なる部分も出てくると思います。その部分につきましては調整が必要になってくる可能性がございます。これは有期の側でどのような考え方でどういうルールをつくるかによって、かなりバリエーションが出てくるものと考えておりますので、周辺部分の調整については今後の課題とさせていただきたいと思っております。
○岩村会長 では、審議官、お願いします。
○渡延審議官 今、輪島委員から、事務局としての労働基準局で答えるのはなかなか難しいだろうというお話があったんですけれども、まさに今の審議会の検討に当たっては、労働政策審議会の本審のもとに調査審議事項を分けて幾つかの分科会がぶら下がるという形になっています。当分科会で言えば分科会長は本審の委員でもあられるわけでありまして、職業安定分科会あるいは雇用均等関係の分科会については、最終的には労働政策審議会の本審のもとで調査審議事項の相互関係なり、方向性なり、タイミングの調整がなされるものと考えております。それはつなぎ役としては公益委員であり分科会長である先生にお願いすることになってくるわけでございますが、今後も御指摘がありますところの相互に関係する調査審議事項の調整については、勿論、私ども内部補助する事務局として相互に関係局とお話をするのと併せて、本審において必要な調整を図っていただけたらと考えておりまして、これはまた分科会長とも十分に御相談してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、調査審議事項の中身としては結局、縦横いろいろ関係が絡んでまいります。高齢者の場合にしても、勿論、労働契約という目で眺めれば契約の始まりから出口まで基準的なものはあるわけですけれども、それについてそれぞれの分科会の所掌観点の議論というのは当然あるわけでして、そこは縦横で錯綜してくるのは両委員からの御指摘があったとおりでございます。なお、そういった関係にあるものですから、全体像については既に雇用政策研究会のレポートが出まして、これについては職業安定分科会には提出されていると思いますけれども、我が国の労働市場全体を通覧しての雇用対策の在り方については学者の先生にお願いしたレポートが既に提出してあろうかと思います。その中には有期の問題の指摘も一部ございましたし、そういったものを参考にしつつ、労働政策審議会の本審段階での必要な調整がさなれるものと現時点ではそのように考えております。
○岩村会長 輪島委員どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。もう少し聞きたいというか、全体に労働政策の方向性が変わったのかどうかというところをお伺いしたいんですが、いわゆる風が変わったのかどうか、いわゆる規制的なものを非常に多く取り入れるようなことに替わっているのかどうか。
 2つ目は、雇用政策研究会の取りまとめ、それが本審に報告されているということですけれども、それは専門家の先生方の取りまとめであって、それがダイレクトに労働政策を縛るという位置付けにはなっていないはずなので、それはそういうことだろうなと思います。
 それから、その前の良好な雇用形態として活用されるという意味合いでのお答えではなかったように課長の答弁は思うので、もう少しお聞かせ願えればなと思います。
○渡延審議官 雇用政策研究会の報告は、勿論御指摘のとおり三者構成のものではございませんが、学識経験者の会から出たものでございます。先ほど一つの参考資料にと申し上げましたけれども、勿論、公労使の合意で出たものではございません。ただ、そこは当代のまさに専門家の先生方に御検討いただいたものでございますので、十分参考にして公労使の議論に当たっても参考資料としては活用いただけるものだと考えているところでございます。
 なお、風が変わったかどうかは非常に難しいところでございまして、あるものをとらえても規制なのか、有効に労働力を使い生き生きと働くためのルールなのか、これこそまさにさっきの富士山をどちら側から見るかにも相通ずるものでございます。一概に規制に何かが変わったとか、そういうものではないのではないかと。恐らく、戦後の労働政策を通じても必要なルールをつくるということについては、一貫してこの国がとってきた方針でございます。その基本のところに、それこそ大げさなことを言えば、日本国憲法に基づいてどういうルールをつくっていくかというところについては一貫して変わらないものだと、労働基準局としては考えております。
 それから、資料No.2−2で、先ほどの御指摘の趣旨は、有期労働契約は良好な雇用形態として活用されるようにするというところが、有期研の報告の中でどのように検討されたか、あるいはそれが重視されたかというお尋ねでしょうか。
○輪島委員 それと、今回の資料の中にも「良好な雇用形態として」というような意味合いでとれるものが余りないような気もするので、その点はどうなのかという質問です。
○渡延審議官 有期研の事務局としての立場で申し上げれば、勿論12月27日の答申は立上げのところでの参考資料として御説明いたしました。これを念頭に置いて先生方に御検討いただいたわけでございまして、その結果出てきました有期研の報告書については前回御説明を申し上げたところでございますが、総論的事項から始まって、第2、第3、第4と各論的な項目、実態あるいは手続に踏み込んで今後のルールづくりの方向を示したものと、選択肢の一つと、その相互関係を示したものと考えておりますが、これを示すに当たって、良好な雇用機会として有期労働契約をつくっていくという考え方は、この全体を貫いている背景として持っているとお考えいただきたいと思います。それが12月27日のものを直撃で引くような書きぶりにはなっていないかもしれませんけれども、それぞれの総論・各論で提起した項目が、まさに良好な雇用形態として労働市場において活用されるものとして位置付けていくという考え方に立ってのルールづくりの提言とお受け止めいただきたいと考えております。
○輪島委員 底流にあるということで理解します。ありがとうございました。
○岩村会長 それでは、そのほかにいかがでございましょうか。
 八野委員どうぞ。
○八野委員 いろいろ資料を用意していただきまして、ありがとうございました。また、御説明いただきまして、ありがとうございました。今の議論の中で少し触れさせていただきたいところと、この統計からの質問をさせていただきたいと思っています。やはり雇用の安定と雇用の質の向上というのが非常に重要なものであり、それがある意味、企業の競争力の強化につながると認識しています。やはり今、労働環境が悪化していると言っていいのではないかと認識しています。そういう状況において、労働基準の見直しが必要でありますし、お互いに課題を確認する、共通認識を持つということが重要だと思っています。
 確かに、富士山をどちらから見るのかというところはあると思いますが、労働条件分科会の中では富士山を世界遺産にする、どっちから見るのがいいのかということではなくて、1つの山としてきちんとした有期労働契約の在り方を見ていく必要があるのではないかと思います。
 ただ、まず実態として有期労働契約に関する認識が共通のものになっているのかどうかという辺りに課題があるのではないかと思います。有期労働契約の実態は、業種・業態ということだけでなく、雇用・就労形態によってもかなり違いがあると認識しています。
 そういう中で、例えば、今日いただいた資料?V−(1)で、我が国の有期労働契約の現行法制が示されています。そこにパート労働法の第8条から第13条が記載されていますが、パート労働法は対象が期間の定めの有無にかかわらず、短時間で働く労働者ということではないでしょうか。これを有期労働契約に関する現行法制の一つとして記載することが適切なのかどうか。例えば、資料?V−(2)にも出ておりますし、資料?W−(1)の諸外国の法制の比較の資料においても、均等・均衡であるとか、正社員・無期への転換推進という項目でパートタイム労働法が書かれています。こういう部分について整理が必要なのではないかと思っています。
 富士山の片側から見た意見となるのかもしれませんが、資料?T−(6)で非正規社員の労働者のうち正社員になりたい者の割合が出ています。資料?U−(4)では、契約期間を定めて就業している理由として、「正社員として働き口がなかったから」と回答した方が最も多く38.7%います。また、先ほどのご説明の中では、勤続年数も非常に長くなってきているというようなことがありました。資料?U−(3)では、勤続年数が1年超5年以内とする回答が56.8%となっています。特に、契約社員、派遣社員の中では、正社員を望む者も4割近くなっておりますし、主たる生計者である有期契約労働者も増加しているというのが先ほどの資料の中にあったと思います。このような資料を見ると、私は、安定的な働き方をかなり望む人たちが、非常に増えてきているのではないかと思います。やはり安定的な雇用を望むようになってきているように見受けられるのですが、この辺を事務局としてはどのようにとらえられているのか、ということについて回答いただければ大変ありがたいなと思います。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございました。
 八野委員の意見にわたる部分について、何か違う方でコメントなり御意見ございますか。
○輪島委員 資料?T−(7)ですけれども、先ほどの島田委員の御指摘も含めて、どういうカバレッジになるのかというところだと思いますが、正社員と非正社員、それから、下に各雇用形態別に並んでいて、真ん中のパート・アルバイトというところがパートタイム労働法の所掌範囲、派遣社員のところは派遣法の範囲だと思いますけれども、その点で言うと、左側の契約社員・嘱託社員についてどうスポットを当てて議論するのかがあるのかどうかと、右側のその他というのは多分、日雇いとかそういうところだと思いますが、その点。有期というところで波線でカバーしているんですが、法制がかかっていたり、かかっていなかったりするところがどうなのかが見えにくいということなのだろうなと思います。
 もう一点、非常に些細なことですが、派遣社員の108万というのは、常用型が半分ぐらいいると本当に108万なのかどうかというのは半分ぐらいは。そうじゃないですか、では、取り消します。
○岩村会長 ありがとうございます。
 今、輪島委員から指摘いただいた資料?T−(7)の有期契約の労働者というくくりで、今の八野委員の御説明との関係は、確かに難しいところではあるんですが、少なくとも私の理解では、パートやアルバイトで働いている方々の中には、当然、有期契約で働いている方々が結構多くいらっしゃる。そうすると、有期契約を議論することになると、パートは除いて、ほかの有期契約だけを議論しましょうということにはなりにくいのではないか。そういう意味では、先ほどの島田委員の御質問とも関係しますが、有期契約に関する通則的な部分というのはどうしてもあるので、それは派遣はやや微妙ですが、パートというカテゴリーとはちょっと切り離せないというか、パートとはちょっと違った観点から通則的に考える部分がどうしてもあるかなと思います。
 あと、これはむしろ事務局に答えていただいた方がいいのかもしれませんが、私の推測では例えば、パート法の中の均等処遇というのは、恐らく今回の有期研の報告書でも検討されていたように、やはり有期契約の人と無期契約の人との均等処遇の問題というのがあるので、それとの関係で取り上げられているのではないかと推測はしますけれども、そこは今の点も含めて事務局に答えていただければと思います。
○田中労働条件政策課長 まず、八野委員の資料?V−(1)ですけれども、短時間労働者のみに適用される規制ですので、少しそれを明確にするために「※」をつけ、下線をつけて一応区別はさせていただきました。勿論、短時間労働者であって有期契約労働者が今、我々のターゲットになっておりますので、そういった意味で含まれるもの、含まれないものが出てきますので、その辺はもう少しわかりやすい書き方があるかどうか検討してみたいと思います。
 それから、安定的な働き方を望む人たちがどういう状況にあるのか、増えているのではないかということですけれども、資料?T−(6)につきましては時系列で見られます。それから、資料?Vについては一時点のものなので、どういう推移かというのはわかりませんが、?T−(6)でいきますと、契約社員、派遣労働者が比較的増えております。これは抽象論ですが、若い方であれば正社員になりたいけれどもなれなかった方が多くなってくるでしょうし、もう少し年齢層を上げていけば、正社員から落ちてきた方で、もう一回正社員に戻るべく努力している方もいらっしゃると思います。そういったキャリアや経験、持っている能力もさまざまな方がいらっしゃるということなので、一概に正社員になりたいと言っても、中身はいろいろとあるのではないかと思いまして、もう少しそういったところも細かく考えていく必要があるのかなとは思っております。
○岩村会長 八野委員、よろしゅうございますか。
○八野委員 前段のところなのですけれども、パートタイマーが今回の有期契約労働に関する話し合いの中で重要な位置を占めているということは認識しているつもりです。ただ、均等・均衡処遇のところにパートタイム労働法が入ったりしているのですが、本当に有期労働契約を考えるときにそれでいいのだろうかと思います。やはり一度、その点は整理をしておく必要があるのではないかと思うのです。そこの整理をきちんとしておかないといけないのではないかという指摘ですので、今のお答えでわかりました。
○岩村会長 ありがとうございます。
 新谷委員どうぞ。
○新谷委員 冒頭に輪島委員から今後の進め方について、かなり御懸念の点を表明いただいたのですが、それほどにこの課題は大きな問題だととらえております。と申しますのも、日本の雇用労働者数5,500万人のうち1,700万人が非正規の方々で、そのうち有期契約で働く方々が何人おられるかといったときに、資料?T−(7)の統計ですと1,200万人と出ています。しかし、実感からいくとこの数値は大分違うんじゃないかという気がしています。非正規労働者1,700万人に、かなり近い数字の方々が有期労働契約で働いておられるのではないかと感じております。
 先ほど来指摘されている資料?T−(6)の数字であるとか、資料?T−(7)もそうですけれども、もともと労働力調査は御承知のとおり4万世帯に対して10万人の抽出調査であり、それを復元した数ですので、誤差がもともとあります。標本誤差はそれほどないとは言われていますけれども、誤差があるということでもありますし、また、調査の取り方も、アルバイト・パート、あるいは契約社員というのも、勤め先でどう呼ばれているかという呼称でしかないので、パートで働いているとおっしゃった回答の中でも、実際にはフルタイムで働いている方もかなりおられるということがあると思います。そのため、この辺は、あくまでも参考として見る数字なのではないかと思っております。
 資料?T−(8)の数字で、一番下に1,200万人が有期労働契約の方々だという推計をされています。この数字が新聞等にも出ておりました。有期研の中間取りまとめのときに751万人という、まさしく1年未満の方々の数字が出ていて、これも低いなと思ったんですけれども、今度出されている1,200万人という数字もえらく少ないなという感じです。この数字を前提に、非正規労働者1,700万人のうち残りの500万人は無期、つまり期間の定めのない雇用なのかと内訳を見てみますと、資料?T−(8)の500万人のうち期間の定めのない雇用に当たる人はどこにあるのだろうと思います。例えば、パート・アルバイトで期間の定めのない契約の人が500万人もいるのか、派遣労働者のうち期間の定めのない契約で働いている方は一体何人いるのでしょう。契約社員はほとんどが有期の方でしょうから、そうすると、1,200万人の残りの500万人が期間の定めのない雇用というのは、どうひねり出しても出てこないという感じがしているわけです。ですから、そういった意味では、1,700万人の非正規の方々のうちのかなり多くの方々が有期労働契約で働いておられる方ではないかと思います。この数字も単独で独り歩きして出ていくと、1,200万人というかなり少ない数字で見積もられる可能性がありますので、その辺は注意が必要ではないかと思います。我々は、今後、有期契約労働の実態をとらえていくに当たっては、こんな少ない数字ではないということを、まず確認しておく必要があるんじゃないかということが1点です。
 それに関連して、諸外国との比較について、94ページに各国のテンポラリー労働者の割合が出ています。日本が13.6%という数字で、これは諸外国と比べてそんなに高くないという数字なのですが、ここでテンポラリー労働者とされているのは1年以内の有期労働契約の方だけで、要するに751万人だけを対象として5,500万人に占める比率を出しているので、こんなに低い数字になっています。さきほど申し上げたように、1,200万人以上で、多分1,700万人に近い方々がテンポラリーで働いておられると思います。そうすると、この率はかなり高い数字で本当は計算されるべきではないかという感じがいたします。韓国ほどになるのかどうかわかりませんけれども、こういう低い数字で諸外国との比較をすべきではないという感じもしておりますので、その点も申し上げておきたいと思います。
 もう一点は、実態調査を先ほど御報告いただいたのですが、34ページに就業形態別の5,000件の個人調査のデータが出ております。就業形態別に見ると、派遣労働者が34.6%という高い数字が出ていて、パートタイマーが低いという数字が出ています。これは先ほどの労働力調査の数字で見ていただいても、かなりバイアスがかかっているのが見てとれます。要するに、インターネット調査で5,000件のサンプルを集めていますので、ITデバイドではないですけれども、インターネットにアクセスできない方々のデータは入っていませんので、その辺を見込んで集計なり分析をしておかないと、かなりバイアスがかかっているデータになってしまうと見ています。その点の注意も必要ではないかと思っております。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございます。
 では、事務局からお願いします。
○田中労働条件政策課長 1,212万人の数字については、先ほど留保させていただいたとおり、労働力調査の限界の中で一定の参考となる数字が示せないかということで事務局なりに努力した数字ですが、おっしゃるとおり、誤差があり得るという前提で見ていただきたいと思います。
 それから、テンポラリーワーカーの比率についても751万人という1年以内をベースにした数字がOECDの資料には載っているということで、これもその旨、留意しつつ使っていく必要があるだろうと思います。
 それから、就業形態別の比率については合計しますと、勿論、派遣労働者の割合が多く、パートの割合が少ないということで全体のバイアスがかかる部分もございます。そのために追加集計の中で就業形態できっちり分けてみる部分もつけておりますので、そういった部分と縦横勘案しながら一定の労働者像をイメージしながら議論していくということが必要と事務局としても考えております。
○岩村会長 ありがとうございます。
 輪島委員どうぞ。
○輪島委員 1,200万人なのか1,700万人なのか、肌感覚で1,700万人と言われて「そうですね」と言う材料も実は余りないので、実はどれくらいいるのか全くわからないのに、それについてのルールを決めるというのはなかなか難しいのですけれども、現時点では統計的には限界値なのかどうかということと、先ほど新谷委員がおっしゃった2つ目の個人調査は確かにバイアスがかかっている、特に派遣のところが多いとなると、いわゆる調査時点が平成21年の秋ですから、リーマンショックから1年ちょっとぐらいのところなので、非常に派遣のところで大きく波がかぶっているところも非常に大きなバイアスだろうと思いますので、審議会でもう一度実態調査をするというのは難しいのかもしれませんが、もう少し実態がわかるようなものがないと、どうもなという感じがしないでもないというのは、私もそう思います。
○岩村会長 1点目の統計的にこれ以上詰められないのかという、新谷委員も輪島委員も、とどのつまりそういうことなのではないかという気がしますが、それは事務局でいかがでしょうか。
○田中労働条件政策課長 まさに、雇用形態別でそういう目的でしっかり統計をとったものということで考えますと、今、提出させていただいているものが限界ということになります。他の目的でとった資料の中で参考になるような数字がとれるものも若干あるやに聞いておりますので、これもまた出しますといろいろと問題もあるし、不正確な部分がより不正確さが増すという可能性もありますので、努力はしてみますけれども、かなり限界に近いところにあると申し上げておきたいと思います。
○岩村会長 あと、個人調査ですが、派遣というのは法制上の派遣と正しく理解されたのか、それとも例えば、業務処理請負のようなものも御本人は派遣と理解している可能性があって、そこはどうでしょうか。
○青山調査官 これはあくまでも有期契約労働者に対する質問の中で、あなたは就業形態で言うとどれに当たりますかという設問を設けて答えてもらっているだけですので、そこでは派遣労働者という言葉に自分は当てはまると答えたものでとっていると思います。
○岩村会長 それ以上は解明のしようがないと思いますけれども、御本人が要するに派遣だと思っていると派遣だと答えたということですね。
 島田委員どうぞ。
○島田委員 質問というより解釈の仕方をお聞きしたいんですけれども、まず22ページに契約締結時の書面による契約更新の有無についての明示の実施状況についてのデータがあります。8割とか7割程度、実施しているという結果になっています。法律上は、契約期間については書面でしなければいけないという労基法の規定があるけれども、更新の有無などは大臣告示の中でなるべく書面で明示してくださいという話になっているわけですね。そうすると、告示が一般化したので、法律にした方がいいですよという感覚になる数字なのかどうか。一方で、資料の29ページを見ると、60歳以上で3年を超える契約はあまりなされていないわけですよね。高年齢者の雇用確保の対象年齢も1歳ずつ伸びたから1年ずつ契約更新していった方がいいよという感覚があるのかもしれません。2013年以降は65歳までの雇用確保が必要となり、5年間やらなければいけないとか、伸ばさなければいけないということがあるけれども、余り実施されていないから、これが本当に法律としてよかったのかという感覚になるのでしょうか。一定の割合以上実施されていれば、たとえば6割とか7割とか実施されていれば、一般化したから、これは法制化しても混乱は起きないなとか、そういう見方や数字の範囲はあるのでしょうか。
○田中労働条件政策課長 ちょっと難しいですけれども、結局、一般化したから規制に移すというような形で規制を強化する場合もあるでしょうし、まだまだ一般化していないけれども早く一般化させないといけないという場面で強い規制をかける場合もあると思いますし、規制の目的の内容によって、また、その他の事業主や労働者の負担といったものを総合的に勘案して規制の内容は決められますので、一概に1つの項目についてどれくらい水準があるから規制がどうあるべきという1対1の関係にはなかなかならないと思います。
○岩村会長 なかなか一般論としては難しいと思います。例えば、労働基準法ができたときのことを考えると、では、アンケートをとったときにどうかという当初の記録を読むと、ほとんど基準法が定めていたものと全く正反対の慣行が一般的だったということもあるわけですし、要は、対象とする行為の中身と性質によって、ある程度一般的に皆さんやっているからやりましょうねという方向になるときと、行為と中身の性質によっては、そうでなくてもやらなければいけないということもあるでしょうし、そこは一般論としては、事務局としても私としても非常にお答えが難しいかなと思います。
 安永委員どうぞ。
○安永委員 19ページの第5表に関連するのですが、先ほど守島先生から業種別に有期契約労働の位置付けが多様化しているというお話がございました。特に第5表の有期労働契約を雇用できなかった場合の影響及び理由別事業所の割合などについては、業種別に差があるのではないかという気もいたします。そういう形で、もし、ほかの設問も含めて業種別に特徴があれば是非お示しいただければ、参考にさせていただきたいと思います。
 せっかく第5表のことについて述べたので、ついでに申し上げますと、その中で余り影響はないという理由の中に、派遣労働者、業務請負を活用するからとの回答が26.9%になっております。第3表の有期契約労働者を雇用しない理由の中にも、請負、委託など、労働契約でない形態活用しているためという回答が11.5%という形で出ております。前回の分科会においても、ソフトウェア開発の労働者などが、独立しないかという甘い言葉にそそのかされて個人請負という形になっているという事例についても話もさせていただきましたけれども、今回さまざまな議論をする中で、結果的に個人請負が増えていくということがないような議論をしたいと思います。
 もう一つ、27ページの第19表、正社員転換制度及び転換実績の有無別事業所の割合ということですが、これで特徴はよくわかって、職務タイプ別の傾向はよく見えるのですが、制度がなくても雇用している実績もあるのではないかと思われます。私どもの業種でも事例があるようですが、いわゆる一本釣りというような形であるとすれば、ご説明をいただきたいと思います。
 また、正社員への転換制度で企業における好事例などがありましたら、それも紹介していただけると、論議しやすいかなと思います。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございました。
 1点目は御意見ということだと思いますが、あとは、特に今日の統計についての追加的なクロス集計というのが可能かとか、その他もう少し事例の紹介等はできるかということだと思います。
○田中労働条件政策課長 まず、業種別については、業種別で分析できる部分もありますので、分析してみまして特徴的なものがあれば次回にでも御紹介するようにしたいと思います。
 また、転換制度がないにもかかわらず正社員になっている実態は、この調査では対応できていないと思いますので、事例ベースで何かあれば御紹介していきたいと思っております。
○岩村会長 よろしいでしょうか。
 そのほかいかがでしょうか。田中委員と代理の平澤委員、お願いします。
○田中委員 2点なんですが、1つは今御指摘がありました19ページの第5表の有期契約労働者を雇用できなくなった場合の影響の御指摘がございましたけれども、第3表、第4表、第5表は、1つは雇用する側のある状況を分析されたアンケート結果かと思います。これから議論させていただく中で、例えば有期契約の在り方を変えたときに、雇用の数がどう変化していくのか。具体的には例えば、今、新卒の方の就職が非常難しいという話がいろいろなところで取りざたされておりますけれども、有期契約という形態があるゆえに、雇用の数という意味で雇用の場が確保されているものは、やはり業種別にあるのではないかと思います。それを具体的に第5表あるいは第4表の、なぜ有期契約労働者を雇用しているかという事由等を見ると、雇用力の問題が出てまいりますので、経済的なものもありますし、雇用主側の魅力みたいな雇用力の問題というものも当然ございますので、こういったものとの相関を押さえておかないと、確かに有期契約の方にとってはいい労働条件になるかもしれないけれども、雇用の場が減ったのでは元も子もないという印象を私自身は抱いております。ですから、このアンケートのベース資料からそういうものが出るかどうかというのはわからないんですが、議論を進める中で、そういうシミュレーションは念頭に置いていただきながら、我々は議論をしていくべきではないかと。
 前回も申し上げたんですけれども、雇用の場というのは日本に限らず相当外へ広がっておりますので、日本の中での雇用力あるいは雇用の場をきちんと確保するという視点が、この有期契約の議論と相反する形になっては問題があるのではないかということを感じております。これは意見でございます。
 もう一つ、先ほど来に戻ってしまって恐縮なんですが、例の資料?T−(7)の表を拝見しておりまして、これは実務的な話になりますけれども、例えば、60歳超を再雇用で実際に雇用契約を結んでいるときに、1年だけの有期契約という形で決めていても、例えば、15分とか20分でも時間が短ければパートタイム労働法の適用になりますよね。そうすると、基本は一緒なんですけれども、微妙に契約書の書き方とか、求められる条項が少し違いがあったりしまして、実際、均等室等から指導をいただいたりするケースがございました。基本の法律は確かにパートタイム労働法、派遣法、契約法とそれぞれ別々なんですが、島田委員の最初の御質問に近いところがあるんですけれども、実態に落としていきますと、通達なり指針なり、あるいはマニュアル等で実際にこういうことを求められるという細部が決められてまいります。そうすると、それぞれ独立した現行法の中で決められているものがクロスになったときに、実務の中できちんと落ちていくんだろうかという懸念を非常に持っております。横軸の有期契約労働者ということで今回くくると、ここを議論するというのは大事なことだと思うんですが、それが現行法制とどうリンクしていくのか、あるいは島田委員が一番最初にお聞きになられた、これを変えるのかと。我々がここを決めたら皆さん変える議論をしてくださるのかというようなポジションが、実際に最後に全部の議論が終わった段階で、労働者側も自分はどの法律で守られるかがよくわからない、使用者側もどの法律を適用していけばいいか非常に複雑になるということでは、何となく雇用の活力をそぐような気がしております。
 ここのマトリックスは非常に難しい問題であるということは重々承知しているんですけれども、やはり冒頭の御質問をもう一回確認した上で進めていかないと、せっかく富士山が世界遺産になったとしても、それが実務に落ちていったときに非常に複雑、わかりづらいということですと非常に残念なのではないかと。これは実務側の意見としてお聞きいただければ。もし、これに対してコメントなりございましたら、御教示いただきたいと思います。
○岩村会長 では、事務局からお願いします。
○田中労働条件政策課長 非正規労働に取り組むときに、やはりパート、派遣、高齢者の部分、若年など、今、労使双方から御指摘いただいたような各種の形態がございまして、その形態ごとにルールの必要性も微妙に違ってくる部分があります。独立して議論できるものもあれば、お互いに調整しなければ現場が混乱する部分もあると思いますので、それをしっかり整理していくことが大事だと考えます。それは法制レベルの話も一つありますし、それから、現場にそのルールを周知したり、徹底したりする場面でのわかりやすさも必要だと思いますので、両面からしっかりと守りやすいルールという観点からも十分意識しないといけないのではないかと考えております。
○田中委員 そういう意味では、やはり我々がこれから議論していくものは、ほかの法制にある影響を与えていくという認識で議論を進めさせていただくということでよろしいのでしょうか。
○田中労働条件政策課長 勿論、有期とパート、有期と高齢者、重なる部分がございますので、ルールのつくり方によって、他の制度に影響することは十分にあり得ると考えます。そのときには調整が必要になる場面が出てくると考えております。
○岩村会長 私の方もその点は留意しながら、議事の進行なり、整理なりをさせていただければと思っております。
 では、平澤委員、お願いします。
○渡邉委員(代理:平澤氏) 先ほどのお話に少し戻るんですが、資料?T−(8)の有期労働契約者の数ですけれども、実際のところは不明と伺っておりますが、やはり業種別とか規模別あるいは契約の形態別の分布の状況みたいなものは、しっかりと調査をする必要があるのではないかと考えております。経営基盤は中小企業は非常に弱いところがございますので、有期労働契約のルールの見直しが場合によりましては経営上に大きな影響を与える場合がございます。ルールの見直しによりまして、どういう影響がどのくらいの規模で起こり得るのか、そういったものをしっかりと推し量る上でも、データに基づいてきちんと検証する必要があると考えておりますので、その点をお願いしたいと思っております。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございます。
 では、事務局からお願いします。
○田中労働条件政策課長 繰り返しになりますが、業種別のデータで特徴的なものがあるという部分については、次回に必要な分析をしてお示ししたいと思っております。
○岩村会長 では、伊丹委員どうぞ。
○伊丹委員 今の業種別の話につながるんですけれども、この議論を深めていこうとすると、やはり労働の実態についての議論を各委員念頭に置きながら議論されることになると思うので、では、どういう労働実態を念頭に置いて議論されているのかというところを明らかにしなければいけない。それは、またまた私ども一定の業界に身を置いて代表性を持っているところもないではないんですが、統計的に見ると、全部100%を前提とした比率だけの議論で語られていますけれども、絶対数、これは先ほどから御説明があるように、確かに正確な数字はわかりませんし、相当類推されるところもあるとは思うんですが、それを恐れることなく大きい意味での、より多数を占めている労働者はどの辺にいるのかというのを業態別あるいは形態別に見てみるという作業が必要なのではないかと思います。
 実は個人的には、例えば17ページに産業別の規模の比率だけ書いてありますが、数的にはいろいろあいまいな部分があると思いますが、総務省の労働力調査の絶対数をこれに掛けてみると、何万人ぐらいがどこの分野にいるかというのはおおよそ検討がつくわけです。それと、33ページの?Uの方で個人調査、これはインターネットですからいろいろな見方があるので、これから類推するというのは相当乱暴かもしれませんが、この辺とぶつけてみるとどの辺に認識の差があるのかというのも、単に比率ではなくて絶対値として実感できるところもあるんです。ということで、非常にあいまいな部分があるので、なかなか公式的に使えるものになりにくいとは思うんですが、思う、思わないの議論よりは多少共有化できるのではないかということで、事務局には少し誤解を恐れずに、こう解釈してみたら、こう見えるというようなこともお出しいただいていいんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○岩村会長 では、事務局からお願いします。
○田中労働条件政策課長 実数については標本調査で復元を事業所調査はしておりますので、実数ベースで今おっしゃったような数を出すことは可能だと思います。個人調査と比較するときには、今回の場合非常に難しい部分がありますので、それは留意しながら考えていきたいと思います。
○岩村会長 あとお一方、労側の方からと思っていたんですが、お二方から手が挙がりましたので、まず、レディーファーストで中島委員から。
○中島委員 お時間いただきましてありがとうございました。
 まず前回、私が海外の法制などについては制度の全体像や周辺もわかるようなボリュームをつけて資料を示してほしいとお願いしたところ、そのような形で今回ご提示いただきましてありがとうございました。
本日ご説明いただいたアンケート調査結果を見ていまして、働く者の立場から、少しこういうことが書き切れなかったのではないかという点について、2か所御指摘させていただきたいと思います。
 まず、36ページの個人調査ですけれども、第9表、職務タイプ、契約期間満了後の希望について、この中で、引き続き今の職場で有期契約か、または正社員として働きたいかということで、有期かそれとも正社員かという聞き方をしています。しかし、有期契約か正社員かという選択肢ではなく、どちらかというと正社員には転勤のようなものが伴うので、正社員ではないけれども期間の定めのない働き方をしたいという声も多いのではないかとも思われます。そのような声もデータとしてつかめたらよかったのではないか、ということが1点です。
 また、30ページの第26表で、契約期間の途中で退職の申し出をした人がいるか、いないかというデータがありますが、「ある」という回答の中に数字では出ていませんが、本人が健康上の理由や転居など、労働者の自分の都合によるもので退職を申し出ている場合だけではなく、中には女性の労働者の中で、妊娠したと申し出たときに、やむを得ず退社せざるを得ないような状態になってしまったという事例もあると思います。そのようなデータではとらえ切れていない隠れた声も、少し議論しながら伝えていけたらと思いますし、データとしてまだあれば、また順次出していただければと思いますので、意見として申し上げました。
○岩村会長 ありがとうございます。では、御意見ということで、事務局で可能なものは探していただくということでお願いしたいと思います。
 では、お待たせいたしました、宮本委員どうぞ。
○宮本委員 私は意見として申し上げたいと思いますが、先ほど田中委員がおっしゃった第4表、第5表でございますけれども、確かに雇用の機会を与えるということはデータを見ると確かにあるのだろうとは思います。しかし、雇用があればそれでいいのかということを考えると、こういう調査結果はどこから見るかということで随分見方も変わってくるのかもしれませんけれども、例えば、第4表だとかあるいは第5表、あるいは第9表から推測してみると、やはり正規労働者の代替として安い人件費で活用していると、この数字などからも思われます。したがって、そういう見方もあるということで是非、意見として申し上げたいと思うわけです。
 それから、個人調査の方も、例えば、第26表等でも先ほどヒアリング結果も出ていましたけれども、雇止めのところでございますが、契約期間の満了が26.7%、あるいは業務量の減少、経営状況の悪化という理由が多いと出ております。更新回数も重ねて、あるいは勤続年数も非常に長いというようなことが透けて見えるということを考えると、実質的には無期に近い実態にある有期労働者が結構多いのではないかと見えます。そんなことも含めて意見として申し上げたいと思います。
○岩村会長 ありがとうございます。
 まだ議論は尽きないのだろうと思いますけれども、予定していた時間に達しておりますので、今日はこの程度にさせていただきたいと思います。
 前回御紹介いただきました検討スケジュールでは、年明けにもう一度総論を議論するということでございますので、可能なものについては事務局の方でまた資料を御用意いただいた上で、今日の議論を継続することにいたします。
 あと、個別に検討する項目について来年1月の分科会でも検討するということでございますので、その点もまたよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、事務局の方からお願いします。
○田中労働条件政策課長 次回の労働条件分科会の日程につきましては、調整の上、委員の皆様にお知らせしたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
 以上です。
○輪島委員 すみません、今回の資料はもう使わないんですか。未消化な部分が大分あるので、引き続き今日の資料も使って議論ということは可能なのかどうか。
○田中労働条件政策課長 冒頭申し上げましたように、すべてこのファイルにとじて、そのファイルの内容について適宜参照しながら議論いただけるようにしたいと思っています。
○岩村会長 いずれにしても、次回もう一回総論は議論を継続するということでございますので、今日の資料も勿論使っていただいて議論していただいて結構だと思います。
 それでは、本日の分科会はこれで終了させていただきます。
 議事録の署名でございますけれども、労働者代表につきましては八野委員に、使用者代表につきましては三浦委員に、それぞれお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、今日はお忙しいところをありがとうございました。

(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

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