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2010年9月29日 第2回 足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会議事録

労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室

○日時

平成22年9月29日(水) 14:00から16:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室


○出席者

検討会参集者

臼井伸之介
大幢勝利
小林謙二

厚生労働省

田中正晴
田中敏章
丹羽啓達
船井雄一郎

○議題

足場からの墜落防止措置の効果についての検証及び評価について

○議事

○事務局(野上) 第2回「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会」を開催いたします。本日司会を務めさせていただきます、厚生労働省建設安全対策室の野上です、よろしくお願いします。
初めに、注意を何点か聞いていただきたいと思います。本日お配りした資料の座席表の裏側になりますが、傍聴者の皆様と記者の皆様に対する注意事項ということで、何点か挙げさせていただきたいと思います。主要な点といたしましては、いまお座りになっている場所以外、前のほうに委員の皆様の席がございますが、そういった席に立ち入っていただくことはできませんので、よろしくお願いいたします。またアラーム付きの時計や携帯電話など、音が出る機器については妨げになりますので、アラームモードを音が出ないような形にしておいていただきますよう、お願いいたします。また写真撮影、ビデオカメラ等の使用につきましては、冒頭、皆様方の写真撮影、カメラ撮りは可能ですが、以降、写真撮影等必要な場合は、事務局がこちらに控えておりますので、ご相談の上、指示に従っていただきますようお願いします。本日はヒアリングの時間を設けておりますので、そういったヒアリングの発言に対しまして、賛否もしくは何らかの発言は控えていただくようお願いいたします。また発言のみならず、各種そういった行為についても控えていただきますようお願いいたします。また、傍聴者の飲食等はご遠慮ください。議事進行の妨げにならないように、なるべく静かな形での傍聴をお願いします。その他、不明な点がございましたら、ここに控えております事務局まで、議事進行の妨げにならないようお問い合わせていただければと思います。
それでは早速議事進行に移りますので、これからの進行を小林座長にお願いしたいと思います。なお、本日、田村委員は所用のため欠席とのご連絡をいただいておりますので、小林座長よろしくお願いいたします。
○小林座長 議事次第によりますと、2番目として前回議事録の確認とあります。前回、様々な議論がありました。議論の内容については非常に細かくまとめていただいており、各委員には事前に配布していただきましたが、その要旨を資料として事務局がまとめてくれましたので説明をお願いします。
○事務局(船井) それでは、事務局からご説明します。詳細な第1回の議事録は、いま委員の皆様にご確認いただいたところでございまして、近日中にホームページにアップさせていただきたいと思います。今回は議事要旨ということで、資料1を用意させていただきました。この説明に移る前に、今日の配付資料全体について、過不足なくあるかということを確認させていただきたいと思います。資料といたしましては座席表があって、その裏に傍聴者等への注意事項があります。そのあと議事次第。そのあとに資料の本体といたしまして、1枚ものですが、資料1から4まで、4種類の資料があります。そして最後に参考資料といたしまして、第1回にお配りいたしました分析結果について、今回ヒアリングの際の議論の参考としていただくよう配布させていただいております。傍聴者の皆様で資料に足りない部分がございましたら事務局に言っていただければと思います。
それでは資料1を開いていただきまして、前回の議事要旨でございますが、前半部分については開催概要を記載してありますので飛ばさせていただきます。前回の主な議論ですが、フリートーキングということでございました。この中で、データの分析でありますとか、今日予定しておりますヒアリングについていろいろなご意見がございました。この1点について、主なものをまとめさせていただきましたのが、次の資料1の裏側です。
大きく分けて2つありまして、「データ分析関係」といたしまして3点ほどございました。1つが、「月別で見た場合にどのような傾向があるのか」という点。何か大きな問題は、偏りはないのかということです。もう1つは、「死亡災害の発生率が高い分野にはどのような分野があるのか」という点。前回お示しした分析結果ではこれが明記していなかったので、追加で分析をすべきとの御指摘がありました。それと、「墜落防止措置」と「不安全行動等」の関連について足場の種類も含めた複雑な集計表になっておりますので、足場の種類別の分類を外し、「墜落防止措置と不安全行動等のクロス集計表」を作成すべきとのご指摘がございました。
これらの御指摘につきましては、資料2としてまとめさせていただきました。ごく簡単にご説明いたします。1点目が、月別集計の関係です。また、あとでお目通しいただければと思うのですが、月別に集計しましたところ、件数にはばらつきはあるのですけれども、取りたてて特徴的な点はございませんでした。特に、改正規則が施行されました平成21年6月1日前後で何か大きな違いがあるかというと、これについても違反率も含めて違いはないという結果でございました。したがいまして、4、5月も含めた平成21年度発生分という分析結果ではございますが、改正規則施行後1年間の集計分析結果として問題ないというふうに考えております。
2点目は死亡災害の多発分野ということでございます。災害全体で見ますと、ビル建築と木造建築というのはかなりのウエイトを占めておったのですが、死亡災害について見ますと、もう少し状況を細かく分類して見たところ、土木工事業については件数自体は少ないのですが、死亡災害の割合というのが少し高い。その他の建築工事、これはその他諸々ですけれども、住宅とか建築関係の内外装、電気の設備とか冷暖房とかといった諸々の工事が入っております。そういったものも引っくるめた単位となりますけれども、こういう所では死亡の数が多い。
そういう状況でございましたので、これらで発生した死亡災害について見てみますと、いずれについても「つり足場の組立解体」が多くなっております。これは前回の第1回のときにご説明したとおりですが、そういう傾向が見られるということなのです。
裏側の頁につきましては、これはクロス集計でございますので、もう前回出ているものをぐっと圧縮して、数字自体に変更はございません。したがいまして、中身については飛ばさせていただきますけれども、斜体で書いてあるところですが、規則が不十分でありますと、その不安全行動がなくとも高い割合で災害が起きているということが1つ言えるのではないか。それがわかりやすく見えるというものでございます。
この他、追加で集計や分析等が必要な点、議事要旨でご不明な点等がございましたら事務局宛てご連絡いただければと思います。
ヒアリングの関係につきましてもいろいろなご指摘がありましたけれども、それを踏まえた形で、小林座長ともご相談させていただき、セットさせていただきました。ヒアリングについては今回と次回を予定しておるところです。また、ヒアリングについての考え方は、あとの時間でご説明をさせていただきたいと思います。私からは以上です。
○小林座長 どうもありがとうございました。いまご質問とデータ、その他、詳しく委員の方々の主な発言を説明していただきました。今後、ヒアリングの主旨については事務局からご説明していただきますけれども、これまでで何かございませんか。
そうしましたら、第3番目に移ろうと思います。前回にいただいた分析結果について何か問題がありましたら事務局までお願いします。
それから改正規則に基づく措置とか、あるいはもっとうまく現場で工夫している対策をお話いただきたいと思っております。まあ、生の声が聞きたいという、そういうものを出していただいて検討に役立てて行きたいと思っております。
今回、ヒアリングにご対応いただく団体、対応者のお名前は資料3にありますね。第1回として本日、第2回は次回になります。第1回目は、住宅関連の団体として、社団法人住宅生産団体連合会さん、そこからお二方、中村尚生、三菱地所ホーム株式会社CSR推進室・環境安全グループ部長。それから住友林業株式会社住宅事業本部・安全環境室長の柳求様のお二方。それから社団法人全国建設業協会、社団法人日本建設業団体連合会の2団体に関連している、株式会社竹中工務店の安全環境本部長の小島政章様にお越しいただいております。それではヒアリングの主旨について、事務局のほうから説明をお願いします。
○事務局(田中建設安全対策室長) 9月29日と来月10月13日、この2回でヒアリングをさせていただきます。前回のご議論の中で、住宅関係や建築・土木関係の団体、実際に工事を担当する専門工事業者の団体足場を製造されている方やメーカーの方、そういった方々から話を聞きたいというお話がありました。また、実際に足場の組立作業とか、足場上での各種の作業に実際に従事されている労働者の方から話が聞ければというお話もございました。それにつきましては、検討会としては先ほどお話ありましたけれども、住宅関係として住宅生産団体連合会に、また一般の建築、高層建築ですね、などを含めて、全国建設業協会、日本建設業団体連合会、こういった全国的に担当いただいている方々からのヒアリングを予定しております。また、実際に現場で働いている方を、どちらかというと専門工事業務のところで、実際に働いているところ方々から聞取りに行くヒアリングを行う。建設産業専門団体連合会、専門工事です。またメーカー関係の団体として全国仮設安全事業共同組合にいまお願いをしているところです。
本日は、前3者、住宅の関係と建築、高層建築ですね。また土木に関しての3者にお願いしまして、事前に団体内で調整していただいて、その中で代表として出席をお願いいたしました。10月13日につきましては、専門工事の代表の方、またメーカー関係の代表の方からのヒアリング実施に向けて作業を進めております。また、10月13日につきましては、専門工事の実際に働いている労働者の方々にも出席をお願いしております。次回につきましては、2者というか3者の形でお話をできればということで、いま調整をしています。
ヒアリングの内容につきましては資料4です。これにつきましては前回お示しした論点に応じた区分でグループ化して、「通常作業時等の災害」と「組立解体時の最上層からの災害」に分けて御意見をいただく形といたしました。この資料を各団体さんにお渡ししてありますので、各団体さんからこの資料に沿った形で20分ほどご説明いただいて、その後30分ほどで委員の皆様からのご質問をお願いするというようにしていただきたいと思います。
○小林座長 どうもありがとうございました。趣旨について、ご説明をいただきました。それでは、議事次第の4番目、お話をお聞きしたいと思います。それでは先ほどご紹介申し上げましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
○中村(住団連) 住宅生産団体連合会の代表として来ました、三菱地所ホームの中村でございます。よろしくお願いします。
○柳(住団連) 住友林業の柳でございます。よろしくお願いします。
○中村 それでは、まず1番目の通常作業時の災害についての1つ目の設問「改正規則に基づく墜落防止措置の効果と措置を講ずる上での問題について」設問着眼点の1つ目を見てみますと、改正規則に基づく墜落防止措置の効果はあると感じているかということですが、当初、この話は改正規則の経緯を遡ってみますと、平成14年から18年の間で、墜落の原因として手すりの有り無しというのがありまして。その中で、1つが交差筋交いからどのぐらいの事故があったか。それから単管手すりから、手すりの下から落ちたのは何人かとか。それからそのうちの低層住宅の建築工事の災害はどのくらいだったのか。
これを見ていきますと、交差筋交いが25人、単管手すりの下から落ちたのが18人、それから木造低層建築住宅です、これは8人。これ5年間ですから、年間に直すと1.6人。
手すりの下から落ちるというのは、我々住宅業界ではほとんど問題にしていなかった。どんな会議であっても手すりの下から落ちたという話は、聞いてなかったのですね。何でここから始まったのだろう。そこからまず疑問が始まりまして、いろいろ話をしている中で、どうもおかしいのではないかと。何だろうこの法は、規則は。その当時は規則案ですね。それで我々もいろいろ調べまして、建災防が出している「建設の安全」という資料があります。この中で、死亡災害ランキングが出ております。いちばん多いのがパワーショベル、2位が屋根からの墜落、3位がわく組足場からの墜落、単管ブラケット足場からの墜落は16位であった。
わく組足場と単管足場をなぜ一緒にするのかな。そこからもう疑問が始まるのです。普段我々が議論してないところからこういう規則改正の話が始まってきて、これは逆の意味で困ったというのが現実です。
いろいろそういう背景もありまして、最終的には厚労省の方と住団連と、何回も打合わせをしました。結果として、結局この改正を認めたという形になったのは、一文があるからなのですね。どういう一文かというと、「一側足場を除く」。この一文があったから、了解したのですね。これ了解するまで1年かかりました。
なぜ、そんな1年もかけて我々が抵抗したのかといいますと、この反対した理由というのは、1つはもしこのまま「一側足場を除く」という一文が入っても、本当に労働基準監督署の末端までその意味が理解されるのかなと。されないと、現場に来た際、あれもやってないじゃないか、事業主に対してやってないじゃないかという話をされてしまうと、この規則を通した意味がない。結果、現実問題として、それは非常に我々困りました。「一側足場」を理解されないことが非常に多かったのです。特に、地方は圧倒的に多いですね。一度でも現場に監督署から是正勧告書や指導票が発行されると非常に労力がかかるのです。労力と時間、普段でさえ忙しいときにこういうことをやられると、非常に困る。それが現実になりました。
それからもう1つ反対した理由が、足場の部材が増えるということですね。当然足場の部材が増えれば、組立の作業が増えるわけです。そうすると、どういうことが起こるかというと、足場の組立、これをする人の危険が非常に増大するということです。少なくとも手すりは2倍になるわけです。さらに、これを本足場とすると、内側にもくっ付けろということになる、これでは仕事もできなくなる。非常にマイナス面ばかりなのです。作業場にも足場の組立作業員にも危険が増す。
それから3つ目です。3つ目が、足場の部材が増えるということは、人足、コストがかかるということです。それからもう1つは、積み降ろしの作業、この作業も増える。それから当然材料を上下運搬しなければいけないですね。この労力も増える。当然そこには事故が発生する確率が高くなるということがあります。この3つの理由から住団連は最後まで反対したのです。
我々がこの足場の安全ということを考えるときに、どういうことを念頭に置きながら考えていくかというと、足場については3つの原則があるのです。1つは、足場の組立解体のときの安全、これは対足場の組立作業員ですね(組立解体)。2つ目は足場上の通常作業時の安全。それから3つ目は足場関連の通路、資材運搬搬入路、資材の搬入運搬作業です、それの安全も考えないといけない。これの対象は実行する人、納材店員、それから一般通行人、お客さん、監督、すべてに対してこの安全を考えなければならない。この3つの条件を満足してないで単眼的に見た目で法律なんか作ると、たまったものではないですね。今回は、特にそういう傾向がありました。そういうことで、反対していたわけです。その後も、もとに戻りますが、今回の規則改正には、今申し上げた観点から反対しており、その効果は全く感じていない。
設問着眼点の2つ目、「改正規則に基づく墜落防止措置を実施せずに災害に至っている事案が多数あるが、措置を実施する上で問題となっている点は何か。」これは、供給側の準備不足というのがあります。もともとこれは足場関係の特定の団体による要望から出た問題です。ところが、供給側はこの規則が改正されたときに、準備が全然できなかったですね。いつも大体法規というのは、施行されると半年間準備期間があって、そこから一気に移っていく。今回は、その期間が十分でなかったです。準備のしようがない。それからおかしいのは、既に設置されている足場にも遡って適用されるという点です。これは無茶な話ですよ。供給する側は、準備もできてない。既にできあがった足場をどうやって直すのか。そういうことが問題だったのです。
設問着眼点の3つ目に、「改正規則に基づく墜落防止措置で足場からの墜落災害は十分に防止できると考えているか。」これは全然考えてないですね。もともと問題にしていなかった部分ですから。これは1つ目の墜落防止の効果を講ずる上での問題と同様です。
設問の2つ目に「部長通達に基づく『より安全な措置』の効果と措置を講じる上での問題点について」という設問があります。これについては、より安全なというのは本当に理解されて、これを部長通達になさったのかという疑問があります。この通達の中に、いろいろな要素があります。良い要素、悪い要素と両方あります。それを1つずつ回答いたします。
1つは、「わく組足場において上さんを追加すること」というのがあります。これについてはおかしいなと思う。皆さん、本当にわく組足場で交差筋交いをやる、いままでこれだけしかなかったのです。今度は、この改正によって下さんを付けなさい、幅木をつけなさい。さらに上さんを付けなさい。では、いままで一体何だったのか。我々が使わされてきた足場って何だったの。そこまでしなきゃ安全ではないのか。それは足場の構造上の問題ですよ、これ。だから、足場関係の特定の団体が要望を出すのであれば、まずそこから、自分のところでちゃんとやってから、我々にこういう水準に載せなさいよと。足場を使うユーザーとしては、それをまず言いたいですね。突然政治家を巻き込んで、厚労省に下ろして、許せないです、はっきり言って。これだけの設備をしないと、本当は安全ではなかったのか、いままでは。こんな足場を使わされてきたのはおかしいですよね。
2つ目は、「わく組足場の中で、手すり先行専用型の足場を設置する」必要、これは当然でしょう。これはオーケーですね。わく組足場のあの重たい機材を、クレーンも使えない所に、地面から数10階まで持っていくんですよ、これ。運ばせるんですよ。さらに、何もない所へと、両サイド何もない所に建てるわけですね、こんな危ないことないです。安全帯を付ければいいじゃないかと、どこに付けるんですか。そういう不安全な所で足場屋さんが働かされてたのですよ。こういう構造のものを我々は使わされていた。当然これは組み立てもあれば、解体もありますね。解体はもっと危ないですよ。ということで、手すり先行、これはもう是非やってもらいたい。
それにはまず、その足場業界の準備ができてからにしてくださいよ。今回は逆ですね。手すり先行工法のことがあって、その次に今回の二段手すりなどを義務付けていくことが通常のやり方だと思いますね。今回の改正は手順が逆。ただし、それ以上のものを考えたものが先行してやらなければいけないという回答です。
それから3つ目、「わく組足場以外に幅木を追加設置する事」について、これはとんでもないですね。この内容を書いた人は自分で現場の実態を知ってるのですか。前回は、物を落とさないための幅木、当然有効です。ただし、物が落ちないために作ったものが、人間を落とす原因になる。これ許せないですよ、はっきり言って、こんなものを考えた人は。つまづきます。だって足場を使う人というのは、材料を持つでしょ、道具も持ってるんですよ。前向いて歩いている人なんていませんよ、はっきり言って。横歩きですよ、作業する人は。前が見えない、つまずくものがあってどうするのですか。ましてや低層住宅なんて、足場の幅は広くても50?pですよ。ほとんどが(広くて)40?p。こんな所に危ないの付けられたら、歩きづらくてどうしようもないです、これ。
立派な敷地で、大きな家、幅の広い作業所があればいいですよ。住宅等都心部の狭い敷地では、大体はもう隣地境界から数十?pですよ。そういうギチギチの所でやっているんですよ。こんな所で手すりが付けられますか。
それから4つ目ですね。「床材は建地との隙間を作らないこと」という一文があります。これで、足場業者が対応できますかね。不可能だと思いますよ。だって、1本のブラケットに作業床材の爪が片方からかかっている。さらに反対側からもかかって来るんですね。一直線になってないんです。作業床と建地がどうしてもあいてしまう。隙間を無くすることはできますか。それについては止めてほしいということです。
これは逆に提案ですけれども、「ただし床材間の隙間は3?p以下というような規定」があれば良いと思います。我々では普通3?p以下ですよ。それ以上少なく作ったらいい。それはなぜかというと、つま先が寸法で3?p位なら隙間に入らない。
その次の問題点が、「手すり先行工法」についてです。手すり先行工法にもいろいろな種類があるのですね。先行工法というのを間違えて理解されている業者さんもおります。我々が見てきた限り、やはり下の作業床から上層の手すりのない所に積み上げる、クロス式工法というのがいちばんいいのではないか。これであれば、足場の組立作業をする方も相当の安心感で仕事ができると思います。ただし、一般の作業者、我々働く側については、墜落防止措置としてあまり解決策とは感じないでしょう。というのは、資材の搬入がありますから、当然、足場を外す場合がある。そういうときには、当然邪魔になるということがあります。
次が「足場等の安全点検の確実な実施」、これは当然やらなければいけない。その次に問題なのが、「足場組立変更時の点検実施者の問題」ですが、これは2つに分ける必要があります。1つは、足場組立会社の点検義務、これは当然ですね。それから、作業主任者は必須であると思う。ただし、ここで考えなければいけなくて困るのは、作業主任者というのは資格は何人も持っているのです。ある程度狭い現場だったら1人でいいのです。ところが、広い現場だと2人いる必要がある。いちばん重要なのは作業指揮者なのです。作業主任者というのは、自分が作業してしまう可能性があります。作業指揮者というのは、全員の動きを見ながら、危ないところはないか、不安全な作業をしていないか、こういうことを見る。作業指揮者というのは全体を見ていますので、そのほうが重要な役割なのです。
それから、元方安全衛生管理者、それから下請の安全衛生責任者、これも同じような仕事。これはおかしな話ではないですかね。何で作業主任者がチェックしたのに、それに重ねて何人もがチェックしなければいけないのか。作業主任者の資格って何なのですかね。元方安全衛生管理者っていうのは非常に忙しいですよ。何件も現場を持っていますから、ひどいときには十何件持っていますから、1年に。そういうのはいちいちできませんよ。その代わりにその指揮下にある足場屋さんの作業主任者から報告をもらって、それに基づいて確認するということが現実的だと思います。
次の質問にいきますが、「組立解体時の最上層からの災害」についてです。「改正規則に基づく墜落防止措置の効果と措置を講ずる上での問題点について」がありますが、足場部材、組立解体作業の増加などで足場組立作業員の危機が増えた、これは逆効果でしたね。
それから、仮設業界の足場作業主任者、作業員の足場の組立に関する教育と安全性に関する教育についての徹底が不足していると思います。足場業者が作ったものを、我々足場ユーザーが安パト等で現場に回って、なぜ手すりの設置の指示をするのか。それは、いま言った2つの足場の構築、怪我、これの教育がほとんどできていないと思われます。大体1社に1人か2人ですよ。足場屋さんに安心して任せるのは。そのぐらいレベルが低い。それから、安全作業の教育、先ほど言ったものです。作業指揮者の問題もそうです。災害防止というのは法規がすべてではない。これは足場提供側と使用者側、我々ユーザーですね、相互に歩み寄って努力していく、それしかないのです。現場は一つひとつ全部違いますから。それから、我々建設現場というのは、時々刻々状況が変わってきます。でなければ建設というのはありませんから。これはもう足場屋さんと我々足場の使用者とが相互に努力を重ねていかないと、事故は減らないということです。
次に、「現行の規則を遵守しており、かつ、不安全行動がなかった災害について、防ぐことができない災害とは」とありますが、これについては実は分析表を私どもも分析してみたのですが、最も多い通常状態の事故がいちばん多いのです。でも、事故というのは必ず原因があるのです。その辺を追及してほしかったです。それを分析してもらうと、もっと災害が減ると思います。不安全行動というのはもう原因がわかっていますから、すぐ対処できます。
それから、何回も言いますが、わく組足場の構造自体、問題があるのです。足場組立作業者にさんざん話を聞いたが、これは足場メーカーの怠慢ですね。はっきり言って、それは非常に大きい要因です。これは規則を改正する以前の問題だと思います。現在使っている足場というのは、本質安全化というのがほとんどなされていないのです。馬鹿なことをやる人がたくさんいるのです。機械安全のように何か起きたときに自動的に安全装置が働く。こういう話が全然ないですね。発想がないですね。例えば幅木を付けなさいと言うでしょう。蹴飛ばしたら幅木は必ず倒れて、足場の作業床と平行になって、そこでぴたっと止まる。そこで踏んでも作業できると。こういうように本質安全化のほうに作ればいいのです。足場の供給サイドにはそういう努力が全然ないと思います。だったら、もう喜んで幅木を付けます。そういう幅木だったら付けます。こういう努力がみられない。
次に「組立解体時の墜落防止に効果的な対策は」については、「手間のかからない手すり先行工法」が墜落防止策としては最も安全であると考えます。それから、仮設業界の足場作業主任者、作業員の足場の構築に関する教育、安全性に関する対策、先ほどのことです。仮設業界の本質安全化対策機材の積極的な開発、これが組立解体最上層からの災害を防ぐ最も有効な手段です。
次に○の3番目の「現行の規則を遵守していたものの、不安全行動が認められた災害について」。これについては、不安全行動を起こすというのは、大体、自己中心型の人間が多いのです。そういう人ですから、ルールを無視します。何をしても無理なのですね。だからこそ、設備自体の本質安全化を図る必要があるということです。
次に、○の4番目の「手すり先行工法の効果と措置を講ずる上での問題点」です。いまの時点では手すり先行工法が組立解体時の最上層からの墜落防止措置としては最も有効だと考えます。ただし、ここでそのコストを足場ユーザー、我々が負担することは絶対に認められません。これは足場メーカーが自主努力してください。我々はそういう不安全な足場を使わされてきたのですから。
「その他」として、足場関連法規を改正する場合、これは先ほど言いました足場の安全対策3原則、これを必ずにらんで規則を改正していただきたい。1つが「足場の組立解体時の安全」、2つ目が「足場上の通常作業時の安全」、3つ目が「足場関連通路、資材搬入運搬時の安全」。この3つを必ず考慮した法規を作っていただきたい。
最後に、足場関係団体が出していた要望についての問題です。1つは、もともと法改正しなければならない、こういった構造の不安全な足場を使用させられていた我々ユーザーとしては、本来、足場業界独自で行わなければならない不安全足場の構造改革。2つ目が、足場作業主任者、作業員の足場構築技術者、安全作業の教育は徹底して行ってください。3つ目は、わく組足場の構造改革は急務です。今回の改正によって、手すりの高さが上がりましたね。75?pから85?pに上がりました。理由は日本人の身長が伸びた為と言っていますが、それならば、何で足場自体の天井が上がらないのか。おかしいでしょう。皆さん現場で足場上を歩いたことがありますか、当然ありますよね。ヘルメットをかぶったら、私は167?pですが、こんなに上がり頭を打ちますよ。それが何も議論されないのは不思議です、おかしな話ですよね。その議論が全然抜けている。
それとわく組足場の建わくの頭と横ですね。この幅で何でこの補強材が出てくるのですか。通行すら困難ですよ。さらにそこに階段が付く、通れますか。通れませんよ。平気でこういうことをやられてしまう。こういうことをまず解決してくださいよ。それから、わく組以外の足場でいきますと、建地から建地つなぎのピンが突き出し、危険な状態のまま放置している足場設置業者が多い。先日もうちの作業員がこのピンにつまずいて骨を折った。これは以前から言っている事なのです。キャップをしない、なぜ不要なピンが取れるような(構造的な)対応をしないのか。そういう部分をまず改善してくださいよ。
それから、壁つなぎですね。作業の性質上、いつまでも壁つなぎをやるというわけにはいかないのです。当然、左官が来た時には外さないといけない。最近は種々の外壁仕上げがある。その間、どうするのか。そういったものの対策もほとんどないから、先ほど言いましたように、足場にいろいろ問題がある。これが現実です。
それから、作業床の段差です。これに対するものも完璧なものはない。それから、ひどいものなんかは経年劣化して形状が変化してしまっているもの。これを平気で使っている業者がいる。そういったいろいろな不都合な部分も、足場関係団体で議論してちゃんと解決してから、ものを言ってください。そのように提言はします。以上です。
○小林座長 どうもありがとうございます。実際に作業に当たって色々と不都合な部分もあるとのお話でした。委員の皆様ご質問はありませんか。
○大幢委員 先ほど本質安全化のお話があったのですが、現在は足場の機材の形状が大体固定されています。例えば先ほどの足場には3つの基本原則があるとおっしゃっていましたが、こういう基本原則を中心に、あとは自由に足場を作っていただけるような関係が必要ではないかと思うのですけれど、それに関してはいかがでしょうか。
○中村 おっしゃるとおりです。ただし、ある程度の規則というのは必要ですよね。それをガチガチにしないで、3原則を含んだ見方で可能なことをやっていくのは、それからできていくのですね。そういう方向を作っていただきたいと思います。それと、こういう足場というものを実際に使う人がどのように不便を感じるか。どういう新たな危険なことが発生するか。そういうことを考えながら作っていただきたい。
○臼井委員 お話をいただきまして、ありがとうございます。住宅メーカーとして、足場ということに関して、特に今回の改正規則を進めていく上での留意点や改善点についてご助言はないでしょうか。
○中村 助言はないです。ただし、いろいろな状況から、今回の改正に至ったことはわかりますが、今回やろうとしている手すり先行があれば、結果として二段手すりもできてしまうのです。だから、順序が逆になっている。
○臼井委員 「中さん」や「幅木」を付けることによって、いま、組立時の話も出ましたが、それがあることによって、作業をする人の安心感に変化はありませんか。
○中村 ありません。
○臼井委員 メッシュシートはどうですか。
○中村 メッシュシートは当然要ります。足場上部から落ちた方も、報告書の中で何人か書かれていますが、それはメッシュがない例なんです。というのは、足場を組み立てるときはメッシュは当然ないからです。いまの住宅の建設でクロス式工法で手すり先行工法をやっているメーカーさんは、クロス材の下側の出発点がいまのわく組足場と出発点が全然違うのですね。クロス式工法の出発点が、足場の作業床の下からクロスが上がってきて人が落ちる隙間がない。ところが、従来のわく組足場のクロスは、作業床から40?pぐらい上がってから出発しており、クロス材の交点部分の高さは90cm位になりこの5角形からの墜転落の可能性は非常に高いのです。このわく組足場のクロスと、今回のくさび緊結式足場のクロス式工法とは全然違うのです。
○大幢委員 手すりの下が筋交い上になっており、システムで組立てるになっているということですか。
○中村 特に我々は、先ほど言いましたようにすごい作業床が少ないのです。ほとんどの幅が40?pぐらいが最大。40?pで人間が、先ほども言ったように横を向いて作業床の上で作業をする。それから、材料を上げる。特に最近は、外断熱工法が普及して材料が多くなった分足場上作業が多くなった。仕事をしている間は当然、身を乗り出して作業を行うので、建物と作業者の間にある部材は邪魔でしょうがない。
○柳 中村さんのおっしゃるとおり、住宅建築の足場は幅が狭い。住宅では、大体40?pくらい。メーカーにもよりますが広くて50?pくらい。40?pで両側に幅木を設置しますと、足で幅木を踏んでしまうことになります。これがビル工事ですと80?pの幅が確保できるので状況が異なってくる。
○中村 幅木があった方が却って危険であるということ。
○柳 いま若い方は足が大きくて、なおかつ安全靴を履きますと27、28?pぐらいある方ですと、靴自体が37、38?pになりますから、ですからとてもとても。これが作業床、床なのですが、両側に幅木を設置すると移動することも難しくなる。
○中村 歩きづらい、作業するときに当然、人は横を向きます。普通は横を向いた状態で作業します。そうすると、幅木に足場がぶつかる。それが躓きの原因となる、靴が大きいと人によっては横向けないという人がいるのです。
○臼井委員 私は以前足場の実験をやったときに、大体、足場は片足の幅が10cm、足と足の間が15cm、それに5cmくらいの余裕があって合計40cmくらいの幅があれば理論上は自然に歩けるのです。ただし、作業をしながらというと、やはりふらつく、蛇行したりして幅木にあたりつまずくかもしれない。それから、やはり安全靴をはいているとスペースが少なくなる。
○柳 安全靴を履いている人で足の大きい人は40?p近くなる。
○小林座長 時間が足りなくなっておりますので、さらにいろいろお話を伺いたいところですが、どうもありがとうございました。
続いて、建設業協会、日本建設業団体連合会、2つの団体を代表して小島さんからお話をお伺いします。
○小島(全建・日建連) 座長のほうからご紹介のありました、全建と日建連から、代表してヒアリング事項について説明させていただきます、竹中工務店の小島と申します。よろしくお願いします。先ほどの住団連さんは、どちらかというと住宅、設備のことなのですが、私どもはビル建築と土木工事で主に使用する足場ということでの効果ということを中心にお話をします。また、先ほどありましたように、主にわく組足場に対しての今回の改正についての意見を出させていただけたらなと思っています。ある程度絞られた形のお話になると思います。今日のヒアリングの中も、通常作業時と組立解体時と分けての話ということもあって、そういう観点で改めて少し切り口が広がってしまいますが、それに沿った形で説明をさせていただきたいと思います。
まず、最初に「通常作業時の災害」、○の1番目からの説明いたしますが、通常作業時における墜落防止措置というポイントですので、主に設備面と管理面と2つのポイントについて、効果はどうかということです。わく組足場においては、交さ筋かいの下部から落ちている災害もあり、実際の作業は下さん・幅木が設置されることによって、我々も懸念はしていましたところの交差筋交い下部からの墜落防止には、効果があるのではないかと考えています。また、管理面で作業前点検、これを事業主がやりなさいと、明確に入れてもらいましたので、従前、誰が外したかわからないとか、不備があったとか、責任の所在が曖昧だった部分も、こういった部分で点検は自らがやらないといけないというところを含めて、専門工事業者さんの意識の向上、あるいは点検結果・記録を残すという意味では効果があるのではないかと思います。
一方、問題といいますか、既製品のわく組足場の平面ピッチは1,800?oに建わくが入ってくるのが一般的ですが、建物の外壁形状の問題、特に構造物によっては非常に複雑な平面形状があります。そのような形状のものでは足場の設置、特にわく組足場の設置というのは複雑で難しいところがあります。そんなところは、今回は下さんとか幅木とかの設置に関して既製品では対応できない部分がかなり出て、そのまま作業所の手間も含めて、今回少し不自由な部分があります。また、建物側、構造物側の作業になりますので、先ほどのお話からもわかりますように、下さんとか幅木とかがあることによって、作業は少し滞る。そういったときに、取り外して作業を行うという問題が出てきます。取り外したとき、あるいは取り外したあとの復旧等の措置、この辺りが後ほど出てきます不安全行動、あるいは管理をするとか、そういったことのポイントになるのではないかなと思います。したがって、今回、設備面、管理面ということでは、非常に効果はありますが、行動面、作業管理面、器具面では、まだまだ総合的な部分で改善が必要な部分があると言うことは否定できません。
2番目の部長通達に基づくというところですが、これも通常作業時ということに限定した話ですが、設備では上さんあるいは手すり先行工法等は、直接、通常作業時の作業方式の効果が上がるとは思えません。先ほどからもありますが、部材が増えるとか、あるいは建物側で作業がしづらいとか、取り外すことが増えるとか、さらに上さんをかけることによって、作業が延び勝手になる可能性もありますので、そういった面では、より問題になるのではないかと。
しかし、足場の安全点検では、チェックリストの事例を別紙で示していただいています。これは我々がそれぞれの会社でチェックリストを作るよりも、事例を作っていただいたことによって、標準化していただいた。確認作業に役立てているということは、そこの現場に行ってそういうことがあるということの専門工事業者への意識付けのために、事例を示していただいたことはありがたかったのかなと考えております。
3番目ですが、遵守して、かつ不安全行動がなかった災害、これは特にこれといって思い当たることはないのですが、私どもの会社でも議論となった事例ですが、作業員の体調面での不良、例えば意識を失うとか、熱中症によるとか、そういったことで作業時、あるいは移動時に墜落するというところは、今回の規則改正だけではなかなかカバーしきれない部分があるのかなと思っております。また、設備面では安全帯、事例にもありましたが、安全帯が切れるとか、あるいは安全帯を掛けているところの手すりが破損するなど、こういったことが考えられるのではないか。この辺りは健康診断のあり方も含めて、作業前には健康面の確実なチェックとか、適正配置とか、あるいは保護具の確実な点検であるとか、従前やっていることを地道にきちんとやるということが、こういった災害を防ぐことになるのではないかということです。
4番目の「改正規則を遵守していたものの、不安全行動が認められた災害について」。特にこの事例でありますように、足場の外側をよじ登るなど、明らかな不安全行動もあるわけです。これも作業員個人の問題ということは当然いちばん大きなファクターではあるのですが、ちょっと視点を変えますと、なぜそういった行動をとるのかということです。足場の計画とか作業手順の中でで、例えば昇降設備と作業員が作業する動線がマッチしていない。そうなると、人は近道行動をとるということなのですが、なかなかピタッとはまるような、共通するような回避とか、足場自身の幅があって通りづらいといった問題もあるので、そういう近道行動をとるような部分については計画段階でもう少し排除していかないといけない。
もちろん、いちばん問題は作業員の安全に対する意識の問題です。いままでこうやってきたからこれで大丈夫だと安心してしまうとか、特にいちばん恐ろしいのは知識、経験がないので、危ないという意識なくやってしまうということは問題としてあるのではないか。この辺りはゼネコンだけではなく我々業界の半ば永遠の課題として取組んできました。我々ゼネコンだけではなくて、専門工事業者を含めた自主的な安全教育、指導というところは地道にやっていくしかないのかなと。もう1つは、常に作業員とのコミュニケーション。なぜそういうことをするのかというと、そこに話を聞いてくれる人がいない。そういった問題もありますので、そういったものに対応できる姿勢も重要なことかなと思います。
それと同時に、不安全行動の防止ということでは、今回の改正では新たに落下防止措置というところで、メッシュシートであるとか、グリーンネットであるというものを細かく規定をしていただいた。これは本来、我々は墜落防止という観点からも随分と有効性を主張させていただいたのですが、今回は物体の落下防止という措置の部分としてメッシュシートは改正規則に規定されています。
実際としては、作業員というのは、メッシュシートがあることによって、作業時の落ちないという安心感があったり、当然メッシュシートがあることによって、外から足場をよじ登るという行為すらできないものですから、こういったものを複合的に考えますと、直接的にもメッシュシートを設置することは、墜落防止に対しても効果があるのではないかと考えています。以上が「通常作業時等の災害」の報告です。
「組立解体時の最上層からの災害」、これも現行の規則で墜落防止措置や管理面の義務付けがなされています。本来、この組立解体作業というのは、専門の工事業者さん、限られた職種が基本的には行う作業です。したがいまして、特に専門的な業者がやるということに関しますと、現行の規則564条を含めた作業管理として、確実な作業計画、手順を行って、それを例えば足場の設置、安全帯の使用とか、規則をきちんと専門の人間に周知して、きちんとやるということがあれば、効果はそれであるのではないか。
また、その作業については、作業主任者を選任すべき作業と謳われている作業です。したがいまして、作業主任者がその職務を確実に実行していただければ、100%ではありませんが、かなりの災害防止が図れるのではないかと思います。
規則上、安全行動、安全帯の使用等を明確に作業主任者の責務として、職務として、監視することが謳われています。それを着実にやっていただくことによって、組立解体時の災害はかなり防げるのではないかと考えます。
それから、2番目の現行の規則を遵守しており、かつ、不安全行動等がなかった災害ということですが、この辺りは特に私どもは、工事のときの作業は、その作業の中身にかかわらず、安全帯を確実に使うのだということの徹底を図ることが大前提にあると思っています。しかし、安全帯は掛け替えるとか、作業上、そういう部分が出てきます。したがいまして、例えば私どもの会社ですと、足場の組立解体を工事をするならば、うちの社員に対しては、2丁掛け、ダブルの安全帯を使うということで、それを設備を付けていない作業員は、仕事をさせないといったことも含めて、確実に安全帯を使ってくださいという意識づけを行っています。
3番目の現行の規則を遵守していたものの、不安全行動等が認められた災害について。これは何度も繰り返しますが、作業が限定された職種であるが故に、作業員が慣れ、過信、慢心といったところで、不安全な行動を取ってしまうことも考えられます。その辺りが、確実に作業開始前の、我々元請と専門工事業者さんが手順の確認、点検をやる、作業員の作業状況を確認する、決められた手順を確実に実施していることを確認する、あるいは手順が変更になったときは再確認すると。従前言っていたところを、確実に元請、下請が一体となって行うということなのです。
ちなみに弊社では、こういった先ほどみたいな行為に対して、リスクアセスメントの中で、重要な危険有害作業として、必ず作業前に、関係者を集めて事前打合せを実施する。実施しないと始められないルールを決めてやると。おそらく日建連に所属されているゼネコンはそういったことは当然やっている、そういった管理面での対策を着実にやるということも重要なことではないか。
4番目の、手すり先行工法の効果と措置を講ずる上での問題点について。先ほどから効果があるかと言っておりますが、公共工事について言いますと、予算は付くのですが、部材そのものもメーカーによってさまざまであるということ。ということは、手順が複雑である、あるいは部材の取扱いが難しいという話になりまして、作業員への周知徹底が確実に図られるかというのが、不安な要素です。正しい手順と作業ができれば効果はあると思うのですが、一方では部材の増加とか、重量物を高所で取扱う作業が増えるとか、作業上の落下等のリスクも考えられることもあります。そんなこともありまして、トータルでいかがなものかということは考えられる。
また、逆に手すりが片方についていることから安心感がある、安心感から、本来、こうした高所作業での安全帯の使用という観点からは、それが逆に安全帯の不使用につながる可能性もあるのではないかということは、危惧をしております。以上がヒアリング項目に沿っての説明になります。
最後に「その他」としまして、今後の対策等についてのご意見ということです。組立解体時に絞りますと、本来は高所作業があるからさまざまな工夫を凝らし現場の実情に応じて対応しており、我々が従前から進めていますのは、高所作業を少なくする方法などを検討して、実施するのが重要ではないかと考えています。すでにさまざまな仕事がこうした工法で施工されていますが、ブロックを地上で組んで、それを順次組み上げていく。「大ぐみ、大ばらし」と言いますが、そうすると、高い所での作業が減る。そのような考え方がリスクアセスメントの観点からも非常に重要ではないかと。ただ、人が高所に多く立入ったり、作業手順が複雑になったり、部材が増えたり、却って高所作業を増やすことになれば、これもリスクを高くする要素になる。
一方、それと同時に限定された専用の足場というのは、先ほども住団連さんの話がありましたが、非常に自由度がなくなって、改良とか開発とか、我々の提案とか、そういったものはなかなかタイムリーに反映できないのです。新たな安全性への取組みからいうと、逆に支障ができているのではないか。多少自由度があって、さまざまな取組みができるよう、継続性をもって我々の意見を取り入れて、それに対して反映ができるというのはあってもいいのではないか。
○小林座長 最後におっしゃっていた継続してたるのが重要ではないかというのは。
○小島 これは団体全体の話ということで。実は私どもの団体では、メーカーさんと常にそういうやり取りを定期的にやりながら、改善及び普及をやってきましたけれども、それぞれを広げることが有効ではないかと思ったのです。
○大幢委員 住団連さんと全建・日建連さんは、言っていることで正反対のことがありました。1つは、住団連さんは改正規則は効果はない、改正前の規則で十分であったという点で、全建・日建連さんは、作業上のデメリットはあるけれどもある程度は効果はあると。また、手すり先行工法に関しては、住団連さんは是非、採用を促進してほしいということですが、全建・日建連さんとしては、いろいろとデメリットが大きいのでまだまだというようなご意見をいただきました。それは全建・日建連さんはわく組足場の話をしていて、住団連さんは、くさび緊結式足場も含めた単管足場の話をされている、そういった理由によるものなのでしょうか。
○小島 おっしゃるとおりです。冒頭に言いましたように、私からはわく組足場に対しての話をさせていただきますということで、断って話をさせていただきますと、そういう意味です。
○小林座長 全建・日建連さんは、手すり先行工法をやったときに、デメリットが、大きいというのは。
○小島 そうですね。私どもは、新たな手すりを、先行用の手すりを新たに追加で設置しなければいけない。また、その組立方法が複雑であるとか、作業方法に様々な種類があるとか、部材が比較的重たい。そうしたことで足場の組立・解体作業には効果があったのかもしれないけれども、そのほかのリスクがあるという事実は否めず、こうしたリスクを捨てるとか、排除することはできないということで御説明しました。
○臼井委員 お話を伺いまして、今回の規則改正は、どちらかというと交さ筋かいからの墜落防止措置に効果があると思うのですが、実際の作業をしている方からそのような点で効果があったとの声がある、あるいはそのような方から何か意見があったとか、その辺は何かありませんか。
○小島 交さ筋かいでは、下部のところでかなりの隙間というか、墜落する危険、というそういう議論がございまして、うちからはどういう方法がいいのかなというのがありまして、効果があるというのは間違いがない。
それを外側は、作業側と建物側と分けて考えると、改正規則前では、交差筋交いのみであったが、改正規則では、外側にはメッシュシート、内側には、水平ネットがあり、墜落に対しても効果があるのではないかと考えています。
○臼井委員 最後の幅木の件とか、そういったことはどうでしょうか。
○小島 実は労働局の中には、幅木の設置が基本だという指導をされる労働局もございます。幅木が先ほど来の住団連さんの話にあったような、それが作業にどれだけ支障があるかという点についての詳細は存じ上げませんが、私自身は幅木は効果はあるのではないかと考えています。ただ、15?pなり、それだけの高さを取りますので、実際に作業をする際の左官屋さんとかタイル屋さんとかが、作業をする上で支障が出てくるので、結果として取り外して作業を行っているといったような行為が出てくるという問題があるのではないかと思います。いま既製品の幅木がなかなか、部材が揃っていませんので、足場板や長物の木材で代用しており、そうなると取り外しとか復旧に不具合が発生します。
○臼井委員 もう1点お聞きします。作業員に慣れとか、慢心ということで、不安全行動につながるということで、今回も下さんの設置や幅木の設置などの規則が不安全行動につながるといったことは何か考えられますか。
○小島 メッシュシートは、足場の外側を登れなくなるので、効果があると思う。また、足場上を移動してつまずいた時の墜落防止と言う意味では、幅木の設置も構造面からの拘束という意味で効果はあると思われる。
○臼井委員 あと、そういったことをするとお金はかかると思うのですが、その辺の会社の規模というか、そういったものにも関係するという、その辺との兼ね合いというのは。
○小島 早く言うと重装備ということ。運搬費ですとか、さまざまなところでものすごく影響がある。足場機材の運搬費等の費用は、御客様に請求出来ないので、自社努力により何とかしなければならない。
これを綺麗事で言いますと、安全にお金を掛けないのかという言い方をされるのですが、民間の場合は、その部分はお客様のほうに請求できるようなことはありません、現状では。なので、これは我々の努力でやらないといけないと思っています。今回の改正規則に基づく「下さん」は、部品が軽微であり、コスト的に大きく影響を及ぼさないであろうと判断しています。このため、当社では、リース屋さんには、下さん等も含めて平米いくらでお願いしている。
○小林座長 手すり先行工法では部材が増加し手順が煩雑になるとのことですが、手すり先行工法によって足場を組み立てることによる作業効率はどうなのでしょうか。
○小島 私どもの会社は、今回の改正の施行に先立ち、改正は6月いきなり施行ということでしたので、施行の半年前に実際にとび工に数社が製造している手すり先行足場の材料を集めまして、実際に組み立ててもらい、作業のしやすさとか、ハンドリングのしやすさとか、様々なことについてアンケートを取ったのですが、従前のわく組足場の方が作業効率が高いという結果になりました。また、どの種類の足場を使用するかわからない状況では作業を行う者も対応が厳しいとの意見もありました。なお、手すり先行工法の種類による作業性に違いはあまりなく、どれも作業効率は従来の工法より厳しく、単価も別途調整が出来ないかという意見もありました。
○小林座長 いわゆる部品メーカーから、いろいろな種類の手すり先行工法用足場が出されている中でどれが一番組立やすいですか。
○小島 色々試しましたがあまり差はありませんでした。どれも作業効率は厳しい。専門工事業者からは、手すり先行工法の場合、単価も別にしてくれと言われています。
本来は座長のおっしゃるように、そういうもののやりやすいものをもっと開発していただいて、誰が見ても、これはいいよねというものが手に入るといいんです。あっという間に広がるかもしれない。現状ではなかなか難しい。圧倒的と言っては申し訳ないですが、かなりの部分で手すり先行工法は作業効率の面で劣っている。
○小林座長 足場上では、作業と移動の部分が出てくると思うが、トータルで考えると効果があると考えてよいか。
○小島 そこまで言っていいのかはわかりませんが、国土交通省の指定の足場。私ども場合、実は官庁の仕事はあまりしていないので、詳しくはないのですが、ガイドラインの付いた足場を使っていらっしゃるのが圧倒的に多いのです。我々のやっている中では、作業効率がいいのがあるということは聞いています。ですので、要望はございません。
○小林座長 定期的に現場での仕事の中身から考えて、……。
○小島 工事と言いますか、その職種によりますが、かなりです。
○小林座長 足場上ではどういうようなものを持って、どういう体の使い方をしているのでしょうか、その結果、今回の規則改正で、足場上では、作業と移動の部分が出てくると思いますが、トータルで考えると効果があると考えてよろしいでしょうか。
○小島 先ほどから何度か繰り返し申し上げていますが、通常の作業の部分、移動の部分と、色々と作業はありますが、墜落防止措置としては一緒であると思います。これは事案をすべて読んで網羅できるかというと、なかなか難しいと思います。ビル建築の関係では、トータルで考えると効果があるのではないかと考えています。
○大幢委員 普段コミュニケーションが重要なのではないかと思います。作業員教育が欠けているところがあるのではないだろうかと思います。具体的に現場において作業にあたってどういうような会話をされているかということを御存知でしょうか。
○小島 これは私どもの会社に限定させていただくのですが、まさに不安全行動災害を防止するという観点から、元請として、専門工事業者に指導するとか、そういうことをやってきたのですが、それだけでは効果に限界があると思っていまして、我々も従前から送り出し教育という名前で、現場に入ってくる前に、ちゃんと協力してよと。やってくださいというのもここ数年、よく指導しています。
ですが、やってくれやってくれるだけでは駄目なので、当社では、単に教育をやるように指導するだけではなく、専門工事業者ごとに教育レベルに差が出ないよう、各専門工事業者に対して自社の作業員を教育してもらうトレーナーの教育を実施しています。実際にやっていただいています。
○大幢委員 海外の話を出して申し訳ありませんが、イギリスとかフランスで、あらかじめ教育を受けた労働者でないと現場で働けないと聞いたことがあります。これはアメリカの話で、昨年現地調査したときに担当者から聞いたのですが、そういう労働者や管理者は教育を受けないと現場で働けないとのことでした。今回の事案はそれと直接関係ないかも知れませんが、作業員に対する教育の推進とかそういうことに関してどう考えますか。私の友人から聞いたのですが、そういうふうになっている人、管理者は教育を受けない人はいないのですね、今回の事案はそれと直接関係ないかも知れませんが、作業員に対する教育の義務化とかそういうことに関してどう考えますか。
○小島 私どもは是非そういうことを。やはりそういうことの担保をきちんと。きちんとそういうものを受けた人たちが入ってきていただくというのも、なかなかそれがいまのこういう状況下で難しいと、そこまで出来上がってこないような、皆さんわかっていて、これまでも色々取り組んできたにも関わらずできなかったのではないかと推測はされますが。これだけ仕事が減ってきている中で、我々も選別させていただく時代になっている中で、きちんとそういうことをやっている業者だけを使いますよということ。
今後、建設業全体のパイが小さくなる中で、適切な専門工事業者を選別していく上で作業員への教育は必要十分な条件となっていくものと考えられます。
○小林座長 それではありがとうございました。予定の時間になりましたが、事務局からその他何か説明があります。
○事務局(船井) 「その他」は特に議題がありませんので、今後のスケジュールについて事務局から簡単に説明させていただきます。第3回につきましては、10月13日にヒアリングを予定しておりますのでよろしくお願いします。
○小林座長 委員の先生方よろしいですか。
○事務局(田中安全課長) 本日は業界団体等ヒアリングということで、お忙しい中、住団連、全建・日建連を代表して御出席いただいた皆様にはこの場をお借りして感謝申し上げます。本日お伺いしたお話しは委員の皆さまにとっても、また、我々に取っても非常に有意義な内容でした。次回、10月13日に開催予定の検討会につきましては、ヒアリングの第2回目を予定しておりますので、引き続き、皆様方のご意見を聞きながら検討を進めてまいりたいと考えております。本日はありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部安全課

建設安全対策室: 03(5253)1111(内線5489)

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