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2010年10月19日 第44回労働政策審議会安全衛生分科会議事録

労働基準局安全衛生部

○日時

平成22年10月19日(火)


○場所

厚生労働省専用12会議室(12階)


○出席者

<委員:五十音順、敬称略>

相澤委員、今田委員、露木委員、内藤委員、中原委員、土橋委員、市川委員、犬飼委員、谷口委員、高橋(孝)委員、眞部委員、古市委員、芳野委員、明石委員、関口氏(伊藤委員代理)、、小林氏(瀬戸委員代理)
高橋(信)委員、豊田委員、中村委員、三浦委員

<事務局>

金子順一 (労働基準局長)
平野良雄 (安全衛生部長)
高崎真一 (計画課長)
田中正晴 (安全課長)
鈴木幸雄 (労働衛生課長)
半田有通 (化学物質対策課長)
亀澤典子 (環境改善室長)

○議題

・職場における受動喫煙防止対策について(1)
・その他

○議事

○分科会長(相澤委員) 定刻より少し前ですが、全員お集まりのようですので、ただい
まから「第44回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催させていただきます。本日は、名
古屋委員、伊藤委員、瀬戸委員が欠席です。伊藤委員の代理として、日本商工会議所の関
口様、瀬戸委員の代理として、全国中小企業団体連合会の小林様が出席されています。そ
れでは、議事を進めます。
 本日の議題は、「職場における受動喫煙防止対策のあり方について」となっています。
本項目については、国民の皆様から広くご意見を聴くため、11月10日に公聴会を開催す
ることとしていますので、本日議論いただいた後、公聴会終了後に、その報告と併せて、
再度議論いただく予定となっています。
 それでは、検討項目である職場における受動喫煙防止対策のあり方について、議論して
いきたいと思います。まず、事務局から説明をお願いします。

○環境改善室長 お手元の資料1、資料2に基づいて説明いたします。資料1が論点整理
ペーパー、資料2が参照していただく図表を掲載したものです。前々回の分科会におきま
して、検討事項についてご了解いただいていますが、今回はそれに検討事項の5という1
項目を足しまして、全部で5つの検討事項について論点をまとめています。以下、項目ご
とに適宜、資料2もご覧いただきながら、現状と今後のあり方について説明いたします。
 まず、資料1の論点整理ペーパー1頁をご覧ください。検討事項1の「基本的方向」で
す。ここでの論点は、「受動喫煙対策について、今後どのような観点で進めるか」となっ
ています。その下の1は現状ですが、まず最初に我が国における受動喫煙防止対策につい
て書いてあります。これについては、平成4年の労働安全衛生法の改正から始まりまして、
平成15年の健康増進法の制定などの動きを記載しています。資料2で時系列に掲げていま
すので、資料2の別添1をご覧ください。1頁に、労働安全衛生法関連の詳細な動きをま
とめています。平成4年に労働安全衛生法が改正公布されまして、それに基づいて事業者
が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針が出されまして、それに関連
して職場における喫煙対策のためのガイドラインが出されています。これは、平成15年5
月に改正されています。
 2頁の別添2ですが、こちらには健康増進法と労働安全衛生法との関係をイメージとし
てまとめています。この別添2については、検討会報告書の概要を報告申し上げた際にも
資料としてご覧いただいていますが、今回は新たに左下に健康局長通知の内容を抜粋して
います。これは、後ほど説明する検討事項に関連してまいりますので、そこで再度触れた
いと思います。
 資料1の論点整理ペーパーに戻っていただきまして、次に国際的動向についてです。こ
れについては(5)、(6)に書いてありますが、(5)にWHOのたばこ規制枠組条約の発効、それ
から(6)にそれらを背景とした各国の法規制の動きについて記載をしています。資料2の別
添3です。3頁に、条約の第八条の抜粋と、それに関連するガイドラインの概要を示して
います。第八条第1項については、健康影響についての認識が書かれています。それから
第2項については、屋内の職場や公共の輸送機関などについて、どういう措置を取るのか
が書かれています。これに関連したガイドラインについては、下に概要を載せていますが、
100%禁煙以外の措置は不完全であるなど、具体的に書かれています。
 資料2の4頁ですが、別添4として諸外国の規制の概要を載せています。これについて
も、以前に検討会報告書を説明したときに、参考資料として付けていたものと同じもので
す。国レベルの規制、それから州レベル、さらには地域レベルの規制、そのような形で分
けて、関連する法令を掲載しています。
 続いて、資料1の2頁をご覧ください。受動喫煙の有害性に係る認識ですが、(7)ではい
ま紹介しましたWHOの条約第八条に書かれているもののほかに、IARCを載せていますが、
それに加えて新しく本年5月に日本産業衛生学会において、「職業上で不随意に曝露する
有害物質」として、「タバコ煙」が検討されまして、「第1群(ヒトに対して発がん性が
ある)」と位置付けられていますので、これを新しく記載しています。
 資料2で関係するのは、5頁の別添5です。これに関しては、いま(7)、(8)に書いてい
るものを上から並べています。いま申し上げた日本産業衛生学会の許容濃度等に関する委
員会における分類は、下から2番目の○に書いてあります。いちばん下にあります国立が
ん研究センターの発表は、先般、新聞等で報道もされましたが、9月の研究発表を載せて
います。これは、厚生労働科学研究費補助金が行われている研究事業の一環として実施さ
れた成果を活用して、推計されたと伺っています。具体的には、受動喫煙との因果関係が
確立された疾患である肺がん及び虚血性心疾患の2つの疾病について、それぞれの疾病に
より一年間に死亡する方のうち、何人が受動喫煙由来の方かという人数を、人口寄与危険
度割合を算出することによって求めたものと聞いています。
 受動喫煙のばく露割合を、家庭と職場とに分けて把握されたために、家庭と職場それぞ
れの受動喫煙によって死亡する人数を推計でき、その合計の結果、約6,800人が受動喫煙
によって毎年亡くなり、そのうち半数の約3,600人が職場での受動喫煙に起因すると推計
される、と発表されています。
 続いて、資料1の論点整理ペーパー2頁に戻っていただきたいと思います。政府の職場
の受動喫煙防止対策を巡る動向として(9)に書いてありますが、これについては以前この安
全衛生分科会において報告しましたように、「新成長戦略」に2020年の目標が「受動喫煙
の無い職場の実現」と定められています。
 以上が現状で、2の「今後のあり方」ですが、これについては検討会報告書から関連部
分を抜き出して、そのまま掲載しています。(1)では、今後は、快適職場形成という観点で
はなく、労働者の健康障害防止という観点から対策に取り組むことが必要とされています。
(2)では、職場は労働者が選択することが容易でなく、しかも一定の時間拘束されることな
どから、事業者の責任において措置を講ずる必要があるとされています。
 次に、同じく資料1の論点ペーパーの3頁に移ります。検討事項2です。ここでは、
「受動喫煙防止対策のあり方について」と書いてありますが、論点としては、「事業者が
取り組むべき受動喫煙防止対策としてはどのようなものが考えられるか。顧客が喫煙する
飲食店等については、一般の事務所や工場と違った対応が必要ではないか」というもので
す。まず、それに関連した1の現状です。資料2の別添7、7頁をご覧ください。まず職場
全体の状況ですが、5年に一度行っています労働者健康状況調査を見てみますと、何らか
の喫煙対策に取り組んでいると答えている事業場はだんだん増えていまして、平成19年度
の調査では75.5%となっています。しかし、具体的な取組内容を見てみますと、その下に
書いてありますが、事務所全体を禁煙、又は喫煙室を設け、それ以外は禁煙にしている事
業所の割合は、全体の46%です。そのいずれの対策も講じていない事業所の割合が、100
から46%を引いたもので、ここでは53.6%と書かれています。その下の表が、事業所の規
模別に見たものです。5,000人以上の規模の事業所ですと、事業所全体を禁煙にしている
と回答したものは7.7%、喫煙室を設け、それ以外は禁煙にしていると回答したものが
92.3%ということで、合計して100%、したがって、左2つのいずれの対策も講じていな
い事業所の割合は0.0%になりますが、規模が小さくなるにつれてその割合は増えてまい
ります。
 それから、この調査においては、労働者数10人以上の規模の事業所を対象にしていまし
たので、10人未満の規模の事業所についての情報がありませんでした。したがって、別途
に行った調査のものを次の8頁に紹介しています。いちばん上の表ですが、これは出典に
書いていますように、平成21年度に調査したものです。ここにおいては、1〜9人の事業
所規模の状況も把握していまして、全体の数としては100弱の数の事業所ですが、右のよ
うな対策の状況を聞いています。即ち、建物内の自社占有部分は全面禁煙であると回答し
たものが35.9%、それからその右は2つの対策を同時に聞いていますので、具体的には分
けにくくなっていますが、建物内に喫煙室又は喫煙コーナーを設置していると回答したも
のが56.5%というような状況です。そういう中で、職場の中の受止めを、同じく労働者健
康状況調査により質問をしています。それが、同じ8頁の下に記載した数字です。職場に
おいて受動喫煙を受けているとしている労働者が、労働者全体の65%、職場に対して喫煙
対策として望むことがあると回答した労働者が、全体で92.2%ということです。いま図表
で説明したものが、先ほどの資料1の論点整理ペーパー3頁ですが、(1)〜(3)に書いてあ
ります。
 次に(4)、(5)ですが、飲食店と旅館宿泊業について、関係業界団体のご協力を得て調査
した結果を説明したいと思います。お手元の資料2をご覧ください。9頁の別添8です。
これは、調査をした項目のうち、意識に関するものです。ここにおいては、顧客の受動喫
煙と従業員の受動喫煙についてどう考えているかについて質問した結果を、円グラフにま
とめています。例えば、別添8の上のほうの飲食業について見ていただきますと、左側が
顧客の受動喫煙についての考え方です。「お客様の受動喫煙についてどう考えています
か」に対する回答がその下に円グラフになっていますが、Aの防止すべきが31.7%、Bの
防止したいが営業優先(難しい)とするものが49.8%です。右の円グラフが、「従業員の
受動喫煙についてどう考えますか」という問いに対する回答ですが、Aの防止すべきが
43.2%、Bの防止したいが営業優先(難しい)が36.6%となっています。このように、必
要性は認識しつつも営業との関係が無視できないというような状況であろうかと思います。
この傾向は、旅館宿泊業においても同様です。
 それから、具体的な施設ごとの措置の状況については、同じ資料2の11頁の別添9に、
具体的な施設ごとの措置の状況が書かれています。これも同様に、飲食店と旅館宿泊業に
アンケートを行った結果です。飲食店のほうはまとめていますが、11頁の上の円グラフの
ような状況になっています。宿泊業に関しては、関連施設が複数ありますので、例として
12頁のホテルでの円グラフをご覧いただきたいと思います。いちばん上の問1については、
「全館禁煙ですか」という問いですが、全館禁煙ではないという回答Bが大半です。では、
具体的に施設ごとにどうなっているのかを聞いたものが、問2-1〜2-6になっています。
 まず問2-1をご覧いただきますと、フロント階ロビーですが、Aの禁煙が41.8%、つい
で多いのがCの喫煙コーナーありで40.9%になっています。右側の問2-2レストラン・コ
ーヒーハウスでの朝食をご覧いただきますと、Aの全席禁煙が68.2%で非常に多くなって
きています。その下の問2-4に目を移していただきますと、これは同じレストラン・コー
ヒーハウスでの夕食ですが、Aの割合が減っていまして、全席禁煙が39.3%となっていま
して、Cの同一空間を分離が35.6%と増えてきています。さらに、いちばん下の欄の左側、
問2-5をご覧いただきますと、バーにおいてどうだろうかということで書いていただいた
ものですが、いちばん多いのはEの全席喫煙自由というような状況になっています。それ
から、右側の問2-6をご覧いただきますと、これは宴会場ですが、Bのお客様が指定する
がいちばん多くなっています。いずれにしましても、顧客との関係がかなり影響している
のではないかと思われます。次の旅館についても同様ですので、ここでの説明は省略をし
たいと思います。以上が資料2の説明です。
 資料1の論点整理ペーパー3頁に戻っていただきまして、先ほどご覧いただきました(1)
〜(3)の下、(4)、(5)については、いま説明したようなことをまとめています。続いて、4
頁の(6)ですが、これは先ほど紹介しました健康局長通知に書かれている内容に言及してい
ます。即ち、「多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙である
べき」としまして、「全面禁煙が極めて困難である施設・区域」においては、「当面の間、
喫煙可能区域を設定する等の受動喫煙防止対策を求めることとし、将来的には全面禁煙を
目指すことを求める」となっています。
 それを踏まえた今後のあり方ですが、同じ資料1の論点整理ペーパーの2です。これは、
検討会報告書から同様に抜粋をしています。まず、一般の事務所、工場等における措置で
すが、(1)において、たばこ煙にばく露しない対策を講ずる必要がある。その方法として、
全面禁煙や空間分煙とすることが必要とされています。そのうち空間分煙については、(2)
において、一定の要件を満たす喫煙室の設置が必要とされています。ここで、一定の要件
について、注3で事実関係を説明しています。喫煙室内の基準としては、ここにも書いて
ありますが、「分煙効果判定基準」及び「職場における喫煙対策のためのガイドライン」
の2種類があります。そのいずれも、喫煙室内の要件として、浮遊粉じん濃度と一酸化炭
素濃度を定めるとともに、入口において喫煙室向きの0.2m/秒の風速が定められています。
そして、このような空気環境が要件として示されている背景としては、喫煙する人のため
に良好な空気環境に維持することも重要という認識があったようです。
 5頁ですが、顧客が喫煙するため、(1)の措置が困難な職場における措置をご覧いただき
たいと思います。これについては、(3)では、そうはいっても労働者の受動喫煙防止の観点
からは、いまのような措置が必要と書かれていますが、(4)で、(3)が困難な場合において
もということで、換気等を行うことが必要とされています。その他の対策(共通事項)で
すが、どのような職場においても共通事項としては、(5)にありますように、組織や責任者
を明確にするなど、体制の整備が必要である。それから(6)にありますように、事業者及び
労働者に対して、受動喫煙による健康影響について教育を行うことが重要とされています。
そのうえで、受動喫煙防止措置に係る責務のあり方ですが、(7)に書かれていますが、これ
については事業者の努力義務ではなく、義務とすべきとされています。
 続いて、同じく資料1の論点整理ペーパー6頁、検討事項3に移りたいと思います。こ
こでは、「顧客が喫煙する職場での換気装置の効果を評価する空気環境基準等について」
は、先般説明した数字でよいかについて検討いただくことになります。まず現状ですが、
(1)に言葉で書いてありますが、データをご覧いただきたいと思います。資料2の別添10、
14頁をご覧ください。これは、現状の一端です。関係する業界団体にご協力いただきまし
て、測定を行わせていただいた結果を、事例として紹介しています。いくつかありますが、
14頁の上、1の宴会場(1)ホテルの宴会場と書かれたものをご覧ください。ここには、グラ
フが白い線と黒い線と薄いグレーのような線と3種類ありますが、薄いグレーのグラフを
ご覧ください。このグラフは、宴会場内に測定器を設置しまして、時間とともに粉じん濃
度がどのように変動するかを測定したものです。左側に、粉じん濃度が0.00から0.15刻
みで、単位?r/m3として書いてありますので、それと比較しながらご覧いただきますと、
最初は非常に低いのですが、後半になるにつれて高い濃度が記録されています。この間の
40分平均で見ますと、グラフの上に書いてありますが、たばこ煙の平均濃度は0.17?r/m3
という数字になります。
 その下の(2)は、同様ですので、後ほどご覧いただくこととしまして、次の15頁の上の
グラフをご覧いただきたいと思います。これは、ホテル内のレストランです。このレスト
ランでは、グラフの上に書いてありますように、喫煙区域と禁煙区域の設定があるのみで、
壁等の仕切りはありません。したがって、空気がどちらにもいくということです。喫煙区
域のたばこ煙平均濃度は、0.09?r/m3というような結果です。それから、下にファミリー
レストランが書いてありますが、喫煙者がいる時間帯は平均0.19?r/m3というようなデー
タでした。以上が、現状の一端としての事例のご紹介です。
 それでは、先ほどの資料1、6頁に戻っていただきまして、2の今後のあり方についてで
す。ここでは、検討会報告書を(1)に引用していまして、それに続いて職場における受動喫
煙防止対策基準検討委員会の報告を(2)に引用しています。次に、資料1の論点整理ペーパ
ー7頁、検討事項4についてです。ここでの論点は、「受動喫煙防止対策を推進するに当
たり、事業場に対する支援として何が必要か」です。現状ですが、資料2の別添11、16頁
をご覧ください。ここでは、受動喫煙防止対策を講じていない理由は何だろうかというこ
とで回答をいただいています。具体的には、ここに棒グラフで書かれていますように、事
業場内の合意が得られない、どのように取り組めばよいのかわからない、あるいは喫煙室
又は喫煙コーナーを設けるスペースがない、取り組む資金がないなどの回答があります。
資料1の7頁に戻りまして、2の今後のあり方については、検討会の報告書から抜粋して
いますが、2つあります。1つは、技術的支援です。これについては、全面禁煙を含めた受
動喫煙防止対策の取組に関して把握された好事例の情報提供も含めた技術的支援を行うこ
と。(2)の財政的支援としまして、顧客が喫煙するため、全面禁煙又は空間分煙の措置が困
難な職場において、1歩進んで喫煙専用室の設置など、受動喫煙防止に有効な対策を講ず
る中小企業に対しては、財政的支援を行うことが望まれるとされています。
 最後に、8頁の検討事項5ですが、ここについては「受動喫煙防止対策の取組を効果的
に進めるには、国民のコンセンサスを得ること等が重要ではないか」としています。1の
現状は再掲ですが、2020年の目標として「新成長戦略」の目標があります。2として、検
討会報告書から関連部分を抜粋しています。(1)ですが、顧客が喫煙するため、現状では直
ちに労働者が勤務する場所を禁煙とすることが困難な場合においても、将来的には労働者
が勤務する場所を禁煙とすることができるように、国民のコンセンサスを得つつ、社会全
体として取組を進めていくことが必要とされています。また、(2)も(1)と関連があります
が、広く国民一般に対し、たばこ煙の有害性等に関する一層の周知が必要とされています。
 (3)は、やや(2)と違う視点からの十分な周知ですが、事業者が新たな制度に基づいた取
組を進める際には準備期間が必要と書かれています。最後は(4)ですが、テナントとして貸
しビルに入居している事業者が対策を講じることができるように、建築物貸与者の協力も
必要とされています。以上、資料1及び資料2に基づきまして、検討事項の5項目を説明
いたしました。

○分科会長 ありがとうございました。それでは、検討項目ごとに議論してまいりたいと
思います。まず、資料1の1頁から2頁の基本的な方向として「受動喫煙対策について、
今後どのような観点で進めるか」ということでしたが、受動喫煙対策を進めるに当たって
の観点について、ご意見あるいはご質問がありましたらお願いします。

○市川委員 2頁の今後のあり方について快適職場形成という観点ではなく、労働者の健
康障害防止という観点から取り組むということと、事業者の責任において措置を講ずる必
要があるという、2つの方向性については、労働側としては賛成いたします。

○分科会長 ほかにご意見はありますか。それでは、受動喫煙対策を進めるに当たっての
観点については、検討会報告書の「今後のあり方」で示されておりますが、その方法で進
めたいと思います。
 次の検討項目についてご議論いただきたいと思います。次の検討項目は「事業者が取り
組むべき受動喫煙対策としてはどのようなものが考えられるか」ということです。3頁か
らになると思いますが、これについてはいかがでしょうか。ご意見、ご質問がありました
らお願いします。

○明石委員 4頁目の(2)の注3に、浮遊粉じん濃度0.15mg/m3がありますが、これは喫煙
室まで適用するということになっていますが、あまり現実的ではないのではないかなと思
います。

○環境改善室長 喫煙室における浮遊粉じん濃度の基準が現実的ではないというご質問で
すが、先ほど事実関係をご説明申し上げましたが、ここにおきまして、喫煙室内の濃度と
して、0.15mg/m3が示されておりますのは、ここにも書いてございますが、喫煙する方に
配慮をして、良好な空気環境を維持するというような視点ですので、もしこの場で委員の
方々のご了解が得られれば、喫煙室の基準に関しては、そうでない別の基準を検討したい
と思います。

○分科会長 喫煙室の中の粉じん濃度が0.15ということについては、今後検討するという
ことですか。

○計画課長 冒頭に環境改善室長からご説明ありましたとおり、現行は2つの考え方、基
準の中で0.15という数字があるわけですが、この数字の意味というのは、喫煙者ご自身の
健康のため、良好な空気環境を維持するという観点も含めて、望ましいと言えるかどうか
はともかくとしまして、位置付けられている部分もあります。
 現在、この分科会でご議論いただいておりますのは、要するに喫煙者ではなくて、事業
主責任において、非喫煙者の方の受動喫煙を防止する観点で、どういう取組を求めていく
かを議論していただいているとすると、要は間接的に喫煙者の方の健康の問題もあるのか
もしれませんが、直接的にここで議論する、いわば利益ではないとすると、喫煙室の中と
いうのは、喫煙者の方しか利用しないわけであり、この意味ではその基準というのは、む
しろ非喫煙者に喫煙者のたばこが受動喫煙という形で環流しない、ばく露をしない基準で
あればいいということなのかと思います。そういう意味では別の考え方や別の基準もあっ
てしかるべきではないかと事務局としては考えております。具体的にどのような基準が良
いかについては、委員の皆様からご提案をいただければ、我々の検討にも参考にさせてい
ただきたいと思います。

○分科会長 喫煙室の中での粉じん濃度が0.15という数字について何かご意見はございま
すか。

○市川委員 例えば工場などでは休憩時間が決まっていまして、ある一定の10分間、15
分間の間に喫煙者の方が殺到して、休憩時間に吸って、そして休憩時間が終わったら職場
に戻るというケースが多いと思います。その時間はやはり相当喫煙室内は濃度が高くなる
ので、そういうことも一切認めなくて、0.15mgだという硬い基準となると、非常に窮屈に
なる気はいたします。何mgが良いとは言えませんが、このことも配慮した上で、ある程度
柔軟に対応ができ、かつ、喫煙室から漏れないようにすることで、吸わない方の迷惑にな
らないということだけを押さえればよろしいのではないかと思います。

○中村委員 喫煙室の中の濃度と風速の規定はあるのですが、ドアの開け閉めなどでかな
りの部分が漏れてきてしまうだろうと思います。ですから、むしろ中の濃度というよりも、
喫煙室の周囲の濃度を監視するというほうが、受動喫煙対策としては適切ではないかと思
います。

○分科会長 具体的には出口、入口のところですかね、そのほうがいいだろうというご意
見ですが、それについて何か。

○関口氏(伊藤委員代理) 別の話でもよろしいですか。

○分科会長 どういうご意見でしょうか。

○明石委員 私も専門家ではないので、やはり開閉のときが問題になるので、開け閉めの
ときには大きく漏れないようにすべきかと思います。

○計画課長 今いただいたご意見を踏まえて、次回の議論までに、その部分の考え方につ
いて事務局として提案できるものをご用意したいと思います。基本的には受動喫煙を防止
するという観点からすると、一番ポイントになりますのは、煙が漏れないという部分にな
ります。それは中村委員がおっしゃったように、ドアだけでは開閉時に出てしまうことに
なると思いますので、そこは次回の議論までお時間をいただき、事務局で検討したいと思
います。

○分科会長 ということで、次回までに新たなご提言があるということでよろしいでしょ
うか。ありがとうございます。それでは、事業者が取り組むべき受動喫煙防止対策につい
ては、検討報告書「今後のあり方」で示された方法で進めたいと思います。

○関口氏(伊藤委員代理) ここの項目で幾つかよろしいですか。顧客が喫煙する飲食店
等について、一般の事務所や工場と違った対応が必要というのは当然重要な指摘でありま
して、これについては議論を深めていくべき必要があると思います。私どもは関連企業に
若干のヒアリングをいたしました。いわゆる飲食店の企業からは、昼食時には喫煙と禁煙
を分けているという所でも、夜については全席喫煙可能にしているという企業もあります。
先ほどのアンケート調査にも出ているところですが、吸いたい顧客がいる以上は、分煙の
ために席をつぶして、喫煙のスペースを設けるということでもあるので、そうすると当然、
売上げや利益の減少につながる心配がある声もあります。また、顧客のニーズがある以上
は、基準を達成して喫煙を認めるという方針でいくしかないという企業も多少あることは
ありますが、いずれにしましても、この点は心配をしているという企業はあります。
 5頁の(7)ですけれども、労働者の健康障害防止という観点について異論はありません。
ただ、事業者が新たな義務を検討するのであれば、まず企業に対してどのような負担が求
められるのか、具体的に示した上で議論を進めるべきだと思います。やはり、ヒアリング
をした企業の中からは、基準を達成するために、ダクト等の工事が当然必要になるという
所もあります。この場合でも、その企業については対応に3年程度は時間がかかるだろう
というような回答もございました。多額の費用がかかるということで、費用面での負担を
心配する声が多く寄せられています。私からは以上です。

○分科会長 実際には取り組むといろいろな問題があるということで、いちばん最後のと
ころにどのように補助をするかというようなことも出ておりますので、実際の生の声を聞
かせていただきました。

○小林氏(瀬戸委員代理) 私どもも、関係団体のほうからこの資料の3頁の「お客様の
受動喫煙を防止したいが営業が優先」という意見が、懸念される材料だという声を多く聞
いております。資料でもいくつかのデータが出ておりますが、違った意味で、受動喫煙防
止対策等について神奈川県が先立って条例で取り組んでいますので、この辺の状況につい
て、先進的に取り組んでいる神奈川県等から、この条例を作るときにも、県下の事業者か
ら懸念の声があったり、心配があったりということで、最初の条例案とは若干変わった形
にはなっていますが、定められたところです。その辺、現状はどうなっているのか、事業
者等の負担とか、お客様への配慮の側面からの声を、県の担当者でも結構ですので、次回
の審議会のときにでも、お呼びしてご意見を伺えればありがたいというのが意見でござい
ます。

○計画課長 いまいただきました神奈川県の状況について、ヒアリングしたほうがいいの
ではないかというご提案ですが、ごもっともでございますので、次回、この審議会で受動
喫煙を議論する際に、併せて神奈川県のほうからヒアリングできるかどうか、県のほうに
ご相談して、できればご協力いただくという方向で進めたいと考えております。

○今田委員 お聞きしたいのですが、飲食店の喫煙傾向のデータを見ると、喫煙と飲食の
関係で、食事とお酒とはかなり違います。喫煙と飲酒が強く結びついており、食事であれ
ば、あまり喫煙はしないというような結果になっています。食事と飲酒を一緒にして扱う
というのではなく、区別するという議論は、検討会等でされなかったのですか。

○環境改善室長 検討会におきましては、顧客が喫煙することによって、現状として直ち
に働いている場所を禁煙できない所についてどのようにするかという議論はありましたけ
れども、現状としてはご説明申し上げたのですけれども、食事をする場所とそうでない場
所をどう区別するかという、そのような議論は行われませんでした。

○今田委員 大きな方向としては、できるだけ喫煙しない場所を広げていく、限定的な場
所で喫煙するというのが、大きな流れの方向だとすれば、食事だけの場所とお酒を飲む場
所の傾向がこれだけ違うのであれば、扱いを区別するのも有りうるかなと思うのですが。
十把一絡げでやるよりも、きめ細かく喫煙しない場所を広げていくという発想が必要なの
ではないかなと思ったのですが。

○分科会長 そうですね。ほかに何かご意見ございませんか。よろしいですか。

○中村委員 受動喫煙防止対策を考えていく上で、国立がんセンターが出した数字は大き
な意味があると思います。そのうち3,600人が職場での受動喫煙に起因するとあります。
こういった事例の傾向、つまり、どういった状況でのばく露のために受動喫煙として健康
障害が起こったのかという情報があれば、対策で力を入れるポイントが明らかになるので
はないかと思います。そのようなデータがありましたら、教えていただければと思います。

○環境改善室長 先ほど私がご説明申し上げたのは、担当の方に伺った全容ですが、受動
喫煙のばく露機会という、家庭でどれだけとか、職場でどれだけというのは、成人を対象
にしたインタビュー調査の結果の数字ですが、具体的にどんなことで調査をされているの
か、どんな内容なのかということをよく聞きまして、次回にご報告申し上げたいと思いま
す。

○分科会長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。いろいろ貴重なご議論を
いただきまして、喫煙室内の粉じんの濃度につきましては、次回またご検討いただくとい
うことで、またそれまでに神奈川県条例のことと、受動喫煙の内容についても精査をして
いただいて、次回、公聴会等でもまたご議論があると思いますので、新たな意見を含めま
して、公聴会終了後に再度ご議論いただきたいと考えています。
 それでは、次の項目について議論を進めたいと思います。次の項目は、検討事項3「顧
客が喫煙する職場での換気装置の効果を評価する空気環境基準等について」です。6頁か
らですが、これについてはいかがでしょうか。

○市川委員 現状のところで、宴会場等々の、ある一定時間の濃度のグラフなどを見せて
いただきましたが、例えば今回の検討で法律なり基準を出すとすると、営業期間中の平均
の濃度が、例えば0.15mgとか、そういう規制になるのでしょうか。その辺を少しお伺いし
たいのですが。

○環境改善室長 この基準を検討していただきました検討会におきましては、どのように
測定をするのか、どのような数値で評価するのかについてはご議論いただいてはおりませ
んでした。その検討会の中では、一瞬の濃度では全体の状況は把握できないだろうという
ように議論されておりますので、そういう点では、その職場を代表するような状況におい
て、ある一定の時間を測っていただいて、そこの平均値で評価するというのが適当ではな
いかと考えております。

○分科会長 大体は長い間やっていないと代表するかどうかわかりません。実際に測定し
て、その中でいちばん定常的なところということですね。そうするとかなり高い所という
ことですかね。

○計画課長 その点はまさにこの審議会の場でご議論いただければと思います。それ以上
一切上がらないことも案としてはあり得ると思います。ただ、濃いグラフの線というのは、
そこで働く方に、個人的にマーカーを付けて測定した数字なのですが、当然、喫煙者の近
くに行けば数字が大きく上がるわけです。その意味で出しますと、宴会場のありとあらゆ
る場面で、その数字を上回ってはいけないということになりますと、これは非常に厳しく
なるのだろうという意味で、環境改善室長から申し上げたわけであり、一応この検討会で
出していただいた数字の前提というのは、ある程度は事業者のほうでも努力していただく
必要はありますが、実現可能な意味での努力をしていただける範囲内という意味になりま
す。そういう意味からすると、市川委員の言葉にありましたとおり、宴会をしているとき
も、していないときもということでは意味がありませんので、宴会場であれば、宴会時間
中で、当然喫煙者が一切いない宴会の日もあるでしょうし、たくさん吸われる日もありま
す。その意味からすると、たくさんの人が吸われるような状況においても、総じてその水
準をクリアするであろう換気ということであれば、この数字自体の考え方としては、換気
力を求めていくという考え方なのかと思います。

○分科会長 よろしいですか。ほかにはございませんでしょうか。

○小林氏(瀬戸委員代理) 確認したいのですが、6頁の(2)の?@の0.15というのは、こ
れは平均値的な要素で捉えるという理解でいいのですか。

○環境改善室長 そのように考えております。

○小林氏(瀬戸委員代理) わかりました。それともう1つ。こういうたばこの関係の換
気のための設備投資というのが当然必要になってくると思います。空気清浄機等とか、い
ろいろな形の設備投資が必要になってくると思います。それから、測定するという意味で
の測定装置への投資もあるかもしれません。そういう意味で、事業者の負担という部分で
は、これを設置しなくてはならないという形でかなり厳しくとられると、事業者の負担も
出てくるので、ここに書いてありますように、できるだけ負担を軽減する観点で、いろい
ろな仕組みや制度を考えていただければと思いますので、よろしくお願いします。

○分科会長 よろしいですか。濃度の測定についても、次回までにどういう時期であると
か、どのくらいの期間でやるとか、具体的に提案をしていただいたほうがやりやすいと思
いますので、よろしくお願いします。ほかにはございませんか。
 顧客が喫煙する職場での換気装置の効果を評価する空気環境基準等につきましては、検
討会報告書の「2今後のあり方」で示された方法で進めたいと思います。公聴会等でまた
新たなご意見がありましたら、それらを含めて公聴会終了後に、再度ご議論をいただきた
いと考えております。
 それでは、次の項目について議論をしたいと思います。次の検討項目は「事業者に対す
る支援について」です。これにつきましては7頁に検討事項4というのがありますが、こ
れについてはいかがでしょうか。

○関口氏(伊藤委員代理) 支援策として、技術的支援と財政的支援ということで述べら
れていますが、やはりこれは必要な支援策だと思います。先ほどのヒアリングの中でも、
やはり飲食店からは基準を達成するのに必要な費用、あるいはその期間について、それを
非常に心配する声も多く寄せられています。また工事のコスト面の負担でありますとか、
基準をクリアするために多額の費用がかかるようであれば、その支援策としての助成策と
いうのが必要だという声も、多数寄せられています。財政的支援の中で、文言の中にも、
「喫煙専用室の設置など」ということで「など」という言葉が入っているのですが、喫煙
と分煙といいますか、全面禁煙の措置がどこまでを認めて、具体的にどういった中小企業
が対象になるのか、この中では見えないという状況になっていますので、できれば具体的
に示していただき、支援策の内容について、さらに検討を進めていくということが必要で
はないかと思います。

○分科会長 「設置など」というのは何か特別な理由はありますか。

○計画課長 政府といたしましては、既に平成23年度の予算の概算要求を出しているとこ
ろでございまして、当然それは出し終わっていますが、その中身について説明をいたしま
す。

○環境改善室長 こちらに書いてありますように、一般の事務所や工場などにおいてとい
うことではなくて、顧客がいる。その結果、顧客が喫煙するために直ちに全面禁煙ですと
か、空間分煙ができない場合において、いまは報告書の中では換気をするというようにな
っていますが、それから一歩進んで、顧客は実際に食事をする場所では喫煙をせずに、別
途、喫煙室に行って喫煙をする。したがってそこで働く方にとっては職場が禁煙になる。
そのような措置を講ずる所について、必要経費の4分の1を助成する。そのような仕組み
で、現在予算要求をしています。

○関口氏(伊藤委員代理) いまのお答えですと、お話があったのは喫煙専用室の設置だ
けですね、「など」はないということですか。

○環境改善室長 具体的な予算要求をしているものはそれだけです。

○分科会長 ほかにはございませんでしょうか。

○関口氏(伊藤委員代理) 実際、例えば顧客が喫煙する職場というのは飲食店が非常に
多いと思いますが、飲食店につきましては、零細の飲食店が多いわけです。そういった所
で、先ほどのアンケートもありましたが、喫煙専用室を設置できる飲食店というのは非常
に少ないかと思います。それらに対しての助成ということでは、あまり効果が小さいとい
うか、実際的ではないと思いますので、喫煙専用室だけではなく、受動喫煙防止に有効な
様々な機器もあると思うので、できるだけそれらも含めての助成措置を考えていただきた
いと思います。

○計画課長 現在、予算要求しているのはいま環境改善室長が申し上げたような部分です。
要望いただいたということは、現場からの率直な声を反映したご意見だろうと思います。
私どもとしては、喫煙室の設置について助成という考え方をとった理由を若干ご説明させ
ていただきます。
 やはり助成するといっても、当然、原資が必要になり、その予算は労働保険特別会計か
らになりますが、事業者の方からいただいているお金ということで、適正かつ効率的、効
果的に執行するという話については、ご意見もいただいているところでございます。そう
しますと、結局、いくら換気をしても、受動喫煙自体がなくなるということではありませ
ん。その意味で、何らかのほうに導いていくというために、助成金や助成制度なるものが
あるとすると、環境改善室長が申し上げていますように、一歩先をいくといいますか、と
りあえずは換気で良いけれども、そこはやはり一歩先をいき、将来的には換気のみでは不
十分であり、専用の喫煙室を設けて、お客がいるような場所は禁煙にする。いわゆる空間
分煙です。そういう1つ先をいく施策を進めていただいた場合に、基本的には事業者でご
努力いただくのですが、そこを後押しする意味で、4分の1を上限に支援する考え方で予
算要求をしています。
 小さな所で、換気等によって改善しようとした場合に、お金がかかるということも確か
にあると思います。しかし、基本的には、事業者の責任においてやっていただかなければ
ならない部分があろうということで、事業者ご自身に努力いただきたい考え方になってお
ります。ただ、効果が小さいということであれば、たぶんそこで必要となる換気の設備と
いうようなものについても、自ずと性能なり大きさというのは、ある程度限られてくると
思います。
 ご要望があれば、こちらも次回、ある一定のケースを置くしかないと思いますが、この
ケースでこのぐらいの席数があるようなところへ、どのぐらいの追加的な投資が必要にな
るというようなシミュレーションも出させていただくと思います。私どもが考えておりま
すのは、想像以上の資金が必要になるということでは、恐らくないのではと思います。そ
の辺りの数字も見ていただくと、中小企業を代表されている委員の方々にも、ある程度ご
理解も進むのではないかと思いますので、次回、そのようなこともご用意させていただけ
ればと思います。

○分科会長 関口委員、よろしいでしょうか。

○関口氏(伊藤委員代理) シミュレーションを出していただくということで、賛成です
が、財政のことを言われれば何とも言いようがありません。飲食店は非常に厳しい経営環
境の中におかれておりますから、ささやかなというか、小額な設備投資とはいえ、なかな
か難しい。現在の景況はご理解ください。

○分科会長 ほかによろしいでしょうか。それでは事業者に対する支援につきましては、
検討会報告書「2今後のあり方」で示された方法で進めたいと思いますが、公聴会等でま
た新たな意見がありましたら、それらを含めて公聴会終了後に再度ご議論いただきたいと
考えております。
 それでは、最後の項目、8頁目「国民のコンセンサスの形成等について」ですが、これ
につきましてご意見、ご質問がございましたらお願いします。

○市川委員 先ほど欧米の状況のご紹介がありましたが、それに比べれば日本は禁煙、分
煙が非常に遅れているということは十分理解できるわけです。やはり将来的には全面禁煙、
きちんとした空間分煙を義務づけていくということが非常に重要ですが、やはり、そうい
う社会を作っていくための国民的な理解度を上げる、ここにまさに書いてあるようなコン
センサスというものがないと、ぎくしゃくしてしまいます。特に顧客が喫煙する場ですが、
労働側としては、労働者が受動喫煙にさらされないことを強く求めます。そうは言っても、
あまり急激に厳しい規制ということになれば、社会的にもなかなか困難かと思いますので、
十分なコンセンサスと十分な周知が非常に大事ではないかと思います。社会的な風土、土
壌を作り上げていくということに、それぞれの立場で、政労使で努力していく必要がある
だろうと思っております。
 それと、ちょっと前のほうに戻りますけれども、そういう意味で、一般の工場等で空間
分煙した場合も、一定の基準を満たした喫煙室ということであると、いきなり工場や事務
所で、あるときから、必ずこれを満たした喫煙室でなければ一切認めませんという決め方
になりますと、企業もなかなか対応できないでしょうし、たばこを吸う労働者にとっても
厳しいところがあります。その点も含めて、方向性としては全面禁煙ということはありま
すが、十分な準備措置、対応は必要かと思います。
 それと、すべての厳しい基準を事業者が守り、これを守らない場合は罰則をという点も
大事なのですが、一方で、非常に良い対策をとっている事業所を広めていく。すばらしい
と褒める、こういうすばらしい対策をしている会社がありますよというようなことを、受
動喫煙対策推進優良事業所のような。そのような形で総合的に受動喫煙対策が浸透してい
くような施策も必要ではないかと考えております。

○分科会長 大変よいご提言をいただきまして、どうもありがとうございます。ほかには
ございませんでしょうか。

○谷口氏 いまのに関連するのですが、2の「今後のあり方」の国民のコンセンサスのと
ころで、国民のコンセンサスを得ながら、社会全体としての取組を計画的に進めていく必
要があるという指摘がありまして、まさにそのとおりだと思うのですが、漠然とした書き
方になっているという感想を持っております。社会全体として具体的にどう計画的に進め
ていくというイメージが、もしあれば教えていただきたいと思います。もしなければ、今
後、最終的な取りまとめに向けて、もう少し何か具体策のようなものを記載できれば、理
解が進みやすいのではないかと思います。

○環境改善室長 ここに書きましたのは、もちろん省内の部局に健康局がございます。政
府の中でも受動喫煙対策については連携をとっています。そういうようなところで、今後、
例えば2020年までの目標に向けて、どう取り組んでいくのかということを、まとめていく
必要があるのではないかということで、ご提言をいただいていると思っております。まだ
具体的に、どのようにしていくのかというものまではまとまってはいませんので、次回ま
でにイメージのようなものを検討させていただきたいと思います。

○計画課長 若干補足させていただきますと、この分科会でどのような計画的プロセスが
できるのかについてご議論いただきたいと思います。他方で、新成長戦略というのは、10
年後の目標と今年度の目標が掲げられています。今年度の目標は当分科会において検討し、
結論を得ることが目的になっております。意味としては、毎年度、つまり2011年度は何を
やるのですかということをフォローアップするというプロセスがこの新成長戦略の工程表
の中には盛り込まれているのです。そういう意味では、いま谷口委員からご提案いただい
たことについてももちろんご議論しますが、他方、政府全体としては、この新成長戦略と
いう10年間のプロセスの中で、フォローをされつつ、目標を常に掲げて、進んでいくよう
な形になっていることがあるかと思います。ただ、それで十分かという点はまたご議論い
ただければと思います。

○分科会長 ありがとうございます。ほかにはございますか。

○豊田委員 議論が戻って恐縮ですが、資料1の6頁目の(2)の?@?Aで、(全面禁煙又は空
間分煙が)困難な場合の対応として、たばこ煙の濃度か換気量ということになっています。
先ほどの関口委員の発言の中の換気で思い出したのですが、2年ほど前に本安衛分科会で、
ホルムアルデヒドのリスク評価の結果、局排設備等の強化が必要となり、それについて審
議したことがあると思うのです。例えばホルムアルデヒドを扱う中小の事業者で新たに局
排設備を設置するとなりますと、(1台当たり)約25万円程度の負担になるわけでして、
大手の事業者はともかく、当時、例えば塗料工業会の1人、2人でやっている事業者は、
非常に不景気な時代で、倒産も多く出た時期でして、25万円でも設備投資できない。何と
か財政的援助ができないかという話が出たのを記憶しています。そういう意味からいきま
すと、今回の検討事項4財政的支援で、先ほども出ましたが、支援対象の「など」という
ところの余地があまりなくて、換気装置のような少額投資までは面倒見切れない(財政支
援出来ない)ということになりますと、前回と同様な設備資金問題の対象が前回以上に非
常に広範囲に広がると思うのです。例えば、1人、2人でやっておられる食堂とか、そうい
ったところで、換気装置を強化したいと思っても、10万円でも出せないとか、そういう話
も出てくるのではないかと思います。その辺のところも公聴会を含めて、一度実態を調べ
て頂いて、問題があれば何らかの対策を考える必要があるのではないかと思います。

○分科会長 そういうご要望です。

○計画課長 先ほど申し上げたシミュレーションの中で、その辺りもお示ししていきたい
と思います。

○分科会長 ほかにはございませんでしょうか。よろしいですか。それでは、「国民のコ
ンセンサスの形成等」につきましては、検討会報告書の「今後のあり方」で示された方法
で進めたいと思いますが、公聴会等において、新たなご意見がありましたらば、それを含
めて、公聴会の終了後に、再度ご議論いただきたいと思います。
 時間がまいりましたが、いままでのところで他にありませんか。よろしいですか。それ
では、時間がまいりましたので、本日の議論はここまでとします。
 ご案内のとおり、本項目につきましては、国民の皆様から広くご意見を聴くため、11月
10日に公聴会を実施することにしております。公聴会終了後に、その報告と併せて、再度
ご議論いただきたいと考えております。また、11月10日の公聴会で意見発表をお願いす
る方を、次回の分科会で決定することとしております。意見発表は希望者の数によります
が、希望者が多い場合は、私のほうで少し整理した上で、皆様にお諮りしたいと考えてお
ります。
 次回は「職場におけるメンタルヘルス対策について」ご議論いただきたいと思いますの
で、事務局におかれましては、議論のたたき台となるような資料、データ等のご準備をお
願い申し上げます。それでは、事務局から連絡事項をお願いします。

○計画課長 次回の分科会ですが、10月25日(月)の15時より12階の専用第12会議室
において開催いたします。是非ご参加をお願い致します。当日の議題は、先ほど座長から
ありましたように、受動喫煙についてはとりあえず置いておきまして、メンタルヘルス対
策の議論にうつりたいと思います。先ほど、分科会長からデータ等の準備のお話がありま
したが、直近のデータをもって議論しないといけない部分もありますので、緊急的に実態
調査をした結果について、十分なものかどうかはご議論ありますが、このご報告も、次回
の冒頭にさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

○高橋(信)委員 次の計画なのですが、1つお願いしたいことがございます。メンタル
ヘルス対策は、これまでも議論しておりますが、それとの関係で、既に厚生労働省内で行
われました、「自殺・うつ病対策プロジェクトチーム」というものがあると思います。そ
の報告書が出ており、今回我々が議論している中身と内容がリンクしております。その報
告書につきまして、できましたら、この場で、議論の経緯ですとか、論点の主なところ、
それをどういう形で現実に反映させていくのかと、そういうことをご説明いただけると、
委員の皆様の理解も進むのではないかと思います。それを提案したいと思います。

○計画課長 わかりました。

○分科会長 それでは資料とご説明をお願いするということにしたいと思います。本日の
分科会はこれで終了いたしますが、議事録の署名につきましては、労働者代表は芳野委員、
使用者代表は明石委員にお願いいたします。本日はお忙しい中、どうもありがとうござい
ました。終了いたします。


(了)

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