ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(感染症部会) > 第5回厚生科学審議会感染症部会議事録(2014年6月20日)




2014年6月20日 第5回厚生科学審議会感染症部会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成26年6月20日(金)13:00〜15:00


○場所

全国都市会館3階第2会議室


○議題

(1)感染症法の見直しについて(案)
(2)感染症法における水痘の取扱いについて
(3)感染症法における播種性クリプトコックス症の取扱いについて

○議事

○福島結核感染症課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第 5 回厚生科学審議会感染症部会を開催いたします。

 委員の出席状況を御報告いたします。本日は、味澤委員、磯部委員、岡部委員、菅原委員、深山委員より御欠席の連絡を、また前田委員、南委員より遅れる旨の連絡を頂いております。廣田委員、中山委員も遅れていらっしゃいますけれども、現時点で定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立することを御報告いたします。また、本日は参考人として結核予防会結核研究所副所長で、結核部会長の加藤誠也参考人に御出席いただいております。以降の議事進行は渡邉部会長にお願いいたします。

○渡邉部会長 議事に先立ち、事務局から資料等の確認をお願いします。

○福島結核感染症課長補佐 本日は、議事次第と配布資料一覧が一緒になった一枚紙のほか、資料 1 、資料 2 、資料 3 、参考資料 1 、参考資料 2 をお配りしております。配布資料一覧と照らし、不足の資料等がありましたら事務局にお申し付けください。

 本日のマイクの使い方ですが、御発言の際には緑のボタンを押していただき、赤いランプを点灯させていただき、発言が終わりましたら再び緑のボタンを押して、赤いランプを消していただくようお願いいたします。冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

○渡邉部会長 議題 (1) は、これまで何回か感染症法の見直しについて議論してきておりますけれども、それの最終バージョンが皆さんのお手元にありますので、それに基づいての御審議をお願いいたします。議題 (2) は、感染症法における水痘の取扱いについてです。議題 (3) は、感染症における播種性クリプトコックスの取扱いについて議論いたします。議事進行に皆さんの御協力をお願いいたします。

 議題 (1) の感染症法の見直しについて、事務局より感染症対策の見直しについての部会報告案を提示していただいておりますが、前回の部会で「感染症の病原体に関する情報収集体制の強化」について、検体の採取措置を行うことができる感染症について、多剤耐性結核菌についても採取措置を行うことができるようにするべきであるという御意見を皆さんから伺っております。この点について、事務局を通じて結核部会長の意見を求めていただきたいとの要請がありましたので、この件に関して、本日は結核部会長の加藤参考人に御出席いただいておりますので、まず意見を伺います。

○加藤参考人 結核研究所の加藤です。厚生科学審議会結核部会を代表し、本件に関する意見を申し述べさせていただきます。皆様御承知のように、結核は有効な抗結核薬の治療により、基本的に治癒可能な疾患です。しかしながら、菌が抗結核薬に耐性を持っている場合、特に抗結核薬のイソニアジドとリファンピシンに耐性がある多剤耐性結核の場合、また菌の暴露を受ける側の免疫状態が低下している場合には治療に難渋し、時に死に至ることもある疾患です。 BCG 未接種の小児が、結核性髄膜炎や粟粒結核にかかると、治療を行っても死亡したり、一生涯にわたる後遺症を残すこともあるとされています。

 また、結核は空気感染であり N95 型マスクという、医療用の感染防御マスクを正しく装着しない限り、感染を完全に防ぐことはできません。一般の国民が、個人の注意で感染を完全に防ぐことができない疾患であり、結核が二類感染症に分類される理由でもあると考えます。こういうことから、健康危機管理の観点から、結核はポリオ、ジフテリア、サーズ、鳥インフルエンザ (H5N1) といった、他の二類感染症と、その重要性において何ら遜色はなく、結核を含めた二類感染症を、検体採取措置が可能な疾患とすることが望ましいと考えます。

 結核において、検体採取措置が適用される場合を検討すると、患者が既に入院しているような場合には、医療機関に対する検体の提出要請では対応できると思います。したがって、感染性が想定される結核に罹患している患者が、何らかの理由で検体を提出しないために、外来治療になっている場合が想定されます。具体的に私どもがこれまでに相談を受けた事例を踏まえて考えてみると、当初は感染性がない結核と診断された患者が、治療を拒否したために病状が悪化し、最終的に感染性の結核になり、公衆衛生上の危機となるような場合が想定されます。こういう一部の事態に対する対応の際に、この措置の適用の要否が検討されると考えます。

 一方、患者の人権を守る立場から、検体採取措置の対象を、多剤耐性結核の患者に限るとの議論があると承知しています。先ほど御説明申し上げたように、多剤耐性結核菌でなくても、一般的な結核菌であっても、感染を受ける側の状況によった、深刻な状況に陥る危険があること。多剤耐性結核であるか否かの診断は、検体を採取し、その薬剤感受性検査を実施して初めて判明する。以上のような理由から、この対象を多剤耐性結核に限るとする合理的な理由はなく、結核を含めた二類感染症を検体採取措置が可能な疾患とすることが望ましいと考えます。

 なお、厚生科学審議会結核部会の各委員に、事務局を通じて本件についての意見を求めたところ、法律家の意見を尊重するようにという意見はあったものの、結核を都道府県が検体採取できる疾患に加えることについては、特に異論はなかったことを申し添えます。以上です。

○渡邉部会長 ありがとうございます。ただいま、結核部会長の加藤先生から、結核菌一般に関して、この採取措置の項目に入れたほうがよろしいという御意見を頂きました。委員の先生方の御意見をお願いいたします。

○小森委員 前回、磯部委員のお話もあって、特に文言等については、結核をなくすことは国民的な合意であるにもかかわらず、様々な社会的な要因、特に外国人労働者あるいは住居不定者等、社会的弱者にまん延しているという観点からも、そこは丁寧に議論していただきたい、ということを申し上げたわけです。結核部会の一員として、部会長に御意見を申し上げましたけれども、事務局におかれてもその辺りは他部局とも調整されて、文章等についても考えられたということですので、私の懸念は一応晴れたと認識しておりますので、今の御意見に賛成です。

○渡邉部会長 他の委員の先生方からの御意見をお願いいたします。磯部先生は御欠席なのですけれども、事務局のほうに御意見は来ていますか。

○感染症情報管理室長 先般、磯部先生ともお話をさせていただきました。磯部先生も、加藤部会長の御説明にあったような、採るところでの菌の性状は分からないということ。やはり、限定的な対応になろうというところから、結核を含めるのは合理的ではないでしょうかという御判断を頂いております。

○渡邉部会長 他に御意見はありませんか。特にないようでしたら、結核菌も含めるということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。続いて、事務局より資料 1 及び参考資料 1 の説明をお願いします。

○梅木結核感染症課長補佐 

資料 1 「感染症対策の見直しについて」の概要、及び本文となる「感染症対策の見直しについて ( ) 」、それから参考資料 1 に基づいて御説明いたします。

 感染症対策の見直しについての概要からです。大項目の 1 つ目は、「新たな感染症の二類感染症への追加」とした所で、鳥インフルエンザ A(H7N9) を二類感染症とすることで、入院措置等を引き続き可能とする。それから、中東呼吸器症候群を二類感染症とすることで、入院措置等を可能とする。こういうところが記載されています。

 本文の 2 ページを御覧ください。「感染症対策の見直しについて ( ) 」は、前回の部会に提出させていただきましたが、 2 ページの 4 つ目の○を追記いたしました。これまでの二類として、鳥インフルエンザ (H5N1) に加え、今回鳥インフルエンザ A(H7N9) が追加されることになります。「なお」書きの所から読み上げていきます。「今後も新たな血清亜型の二類感染症相当の鳥インフルエンザが発生することが想定される。このため、機動的な対応が可能となるよう、鳥インフルエンザのうち二類感染症に位置付けるものについて、本部会の意見を聴いた上で、政令で血清亜型を規定することを検討すべきである」を追加しております

 概要に戻ります。大項目の 2 つ目は「感染症に関する情報の収集体制の強化」です。「知事による検体等の提出要請・採取措置等の創設」。知事 ( 緊急時は厚生労働大臣 ) による検体等の提出要請、これは全ての感染症が対象となっております。及び検体の採取措置 ( 迅速な危機管理体制の構築が必要な感染症が対象 ) を創設する。検体の採取措置に係る手続を整備する。 2 つ目の○ツで、知事が入手した検体等について、知事による検査、検査基準の策定、厚生労働大臣の知事に対する提出の求め等が規定されています。こういうところが記載されています。

 ここの手続の一連の流れについては、参考資料 1 を用いて御説明します。参考資料 1 「検体等提出要請と検体採取措置の流れ」です。一番上から読み上げます。「感染症発生疑いの探知」の所で、次に続いて都道府県知事が検体等の検査が必要と判断する。こういう判断がなされた上で、都道府県職員が患者・その保護者や関係者 ( 医療機関、衛生検査所等 ) に対して検体等の提出を要請する。これは、全感染症が対象となっています。

 そこから右と左に分かれますが、左側から説明します。要請先が検体等の提出を承諾した場合、これは医療機関等に検体がある場合においては、医療機関等が検体を提出しますし、なければ都道府県知事が検体を採取する。それは、保健所等で採取するという流れになります。

 一方右側は、要請先が検体等提出を不承諾という場合において、この場合、感染症が限定されるものの、迅速な危機管理体制の構築が必要な感染症の場合においては次のステップに進むことが可能です。患者・その保護者に、書面により検体採取の措置を実施する旨を通知する。その後、都道府県知事が保健所等において検体採取をするという一連の流れで考えています。

 概要に戻り、「検体等の定点医療機関等からの収集」も記載しております。五類感染症のうち遺伝子型等の解析が重要なものについて、知事が指定する医療機関又は衛生検査所から、知事に対して検体等を提出する。知事に提出された検体等について、知事による検査、検査基準の策定、厚生労働大臣の知事に対する検体に対する提出の求め等を規定、ということが記載されています。

3 番目、「侵襲性髄膜炎菌感染症及び麻しんの医師による届出方法の変更」で、これら 2 つの疾患について、医師に対して、氏名・住所等の個人が特定できる情報を直ちに届け出ることを義務付けるというのが大項目の 2 つ目です。

 「その他」に移ります。「多剤耐性結核菌の病原体等管理規制の対象範囲の見直し」です。結核菌について、三種病原体等として規制される範囲を一次抗結核薬のみならず、二次抗結核薬にも耐性を有するものに限定する。 2 つ目は、「実験により感染させた動物の獣医師の届出対象からは除外」。試験・研究を目的として人為的に感染した動物については、獣医師の知事に対する届出を不要とする。これらを今回の「感染症対策の見直しについて ( ) 」に記載しています。

 検体の採取措置の所ですが、先ほどの加藤部会長の御意見も踏まえ、こちらでは当初二類の中では「結核を除く」としていたところを、「結核を含めた二類」という記載ぶりに修正しています。資料の説明は以上です。

○渡邉部会長 今まで、いろいろ議論してきたことのまとめになります。 1 から順番に皆さんの御意見等を伺いながら、最終的なこの部会としての結論としたいと思います。 1 番として、「新たな感染症の二類感染症への追加」ということで、 (1) 鳥インフルエンザ A(H7N9) の二類感染症への追加に関しては説明のあったとおりです。 2 ページの 4 番目の○で「鳥インフルエンザのうち二類感染症に位置付けるものについて、本部会の意見を聴いた上で、政令で血清亜型を規定することを検討すべきである」の所が新しくなっています。新しい型が出る度に変えるとなると、これは法律ですので国会を通さなければいけないということで、かなり大変な時間等を要するということで、亜型については政令でできるようにするということです。この部会の意見を聴いて、厚生労働省として、どういう型がこれの対象になるということが位置付けられるようになるということです。この辺を踏まえた上で御意見をお願いいたします。

○廣田委員 政令で規定するのは小回りが利いていいと思うのです。指定感染症にして、ワンステップおいて様子を見るという手順との関係はどのようになるのでしょうか。

○梅木結核感染症課長補佐 一般的な流れとしては、指定感染症にして情報を収集した上で、必要があれば政令に指定した上での二類となります。

○渡邉部会長 今後出てくる鳥インフルエンザは、全て二類感染症に位置付けてしまっているわけではないのですか。

○感染症情報管理室長 そういうことではありません。既に鳥インフルエンザについては四類感染症に位置付けられています。その中で、特別に対応しなくてはいけないものの手当てのことが今の議論のところです。

○渡邉部会長 よろしいですか。

○廣田委員 はい。

○渡邉部会長 他に御意見がありましたらお願いいたします。

○蒔田委員 今の説明だと、今回の法に関しては、亜型を指定しての法改正を予定していて、それとは別にもう 1 つ政令を指定する鳥インフルエンザということで、 2 つ表記するような形での法改正を予定しているイメージでしょうか。

○山科企画法令係長 法律上は鳥インフルエンザの二類相当であるものの性状といいますか、性質で定義した上で、その具体的な血清亜型については政令で規定するというように、法律上で措置させていただくことになっています。

○渡邉部会長 たぶん、その辺が皆さん分かりにくいところがあると思うのです。鳥インフルエンザのうち病原性とか伝播性というものを考慮して、人間への感染を考慮して二類感染症として位置付けるものはみんな、鳥インフルエンザで幾つかの血清型に対するものは二類感染症になるわけですね。その中で今度は政令でというのは、 H5N1 と今回の H7N9 は二類になりますので、これはそのままでいいわけですね。もう 1 回政令でというわけではないのですね。

○山科企画法令係長 血清亜型について法律に一部書くのか、政令で全て書くのかは検討中です。

○渡邉部会長 今まで、 H5N1 は法律上なってしまっているわけで、それは変わらないのですね。それも政令で規定する項目の中に入っているのですか。その辺がよく分からないのです。

○山科企画法令係長 その可能性もあります。血清亜型については全て政令に落とすというやり方もあります。

○渡邉部会長 我々は法律的なことはなかなか分からないところがあるのですが、そういう話ですけれどもいかがでしょうか。

○中山委員 その法文上に血清亜型を載せるのか、政令に載せるのかをこれから検討するとおっしゃったのですけれども、そのメルクマールはどういう基準なのか、一部は載せたり載せなかったり、そこの分かれ目はどういうふうにお考えなのでしょうか。

○山科企画法令係長 現在のところは、全て H5N1 H7N9 も含めて政令で規定する、落とすということを考えています。仮に一部は法律で書くようにという指示があった場合には、検討するということで考えています。

○調委員 確認です。これ以降は亜型については法律には出てこない。政令で二類と規定するものを二類とするような運用になるのでしょうか。

 

○山科企画法令係長 おっしゃるような内容で検討中です。

○渡邉部会長 四類の鳥インフルエンザとはどういう違いになるのか。二類の場合は、鳥インフルエンザを二類にするのは、鳥に病原性がうんぬんは関係なくて、ヒトに対して病原性があるかどうかですよね。それで二類に上げるかどうかが決まるわけですよね。

○山科企画法令係長 法律上の要件としては現在検討中ですが、ヒトに対する病原性の高さとか、ヒトからヒトに持続的に伝染する能力を有するおそれがあるといった要件で法律上限定をかけた上で、具体個別の亜型については政令で規定することを検討しております。法制上可能かどうかという検討が今後はあります。

○廣田委員 はっきりしないのですけれども、私の理解では、四類の場合は鳥のインフルエンザがヒトに感染する事例があるというもので、それが無視できないぐらいの頻度で起こって、なおかつ何十パーセントというように致命率が高いときに、これはしっかりしないといけないというので指定感染症になって、それで手を緩めることができないとなると二類感染症になる。二類感染症になった時点では、致命率は非常に高いけれども、まだヒト - ヒト伝播が起こる段階までには行っていませんので、罹患率とか累積罹患率、それから死亡率とか累積死亡率も極めて低い、統計上はゼロに近いような値しか出てこない。

 これがヒト - ヒト感染するような状況になったら、その場合は新型インフルエンザ等の感染症になる。その時はウイルスもかなり変異しておりますので、致命率は恐らく 1 万分の 1 とか 10 万分の 1 というレベルまで落ちているだろうと。ただし、ヒト - ヒト感染の能力を持っていますから、罹患率はものすごく高くなっている。ただし、累積罹患率は通常の季節性インフルエンザの流行の規模が大きいときの 2 3 倍ぐらいになる。死亡率とか累積死亡率は余り高くないと。私の理解ではそのように考えています。

 要は、疫学的な用語がちゃんとあるのが使われずに、概念的に示されるので、中山委員がメルクマールとおっしゃったような部分が、判りにくくなっているのではないかと思います。私の理解でよろしいですか。

○感染症情報管理室長 先生の理解で結構だと思います。それで新型インフルエンザの行く末としては、然るべき時間がたてば季節性インフルエンザになってしまいますので、五類になっていくような流れで回っていくのではないかと思います。いずれにしても、今、現段階では指定感染症にした鳥インフルエンザ H5 とか H7 というのは、行き場を二類感染症にしていくためには、国会での審議を経た上での法律で位置付けるところだったのですが、それはこの部会にお諮りをした上で、よろしければ政令で二類に位置付けられると、平たく言うとそのようなことで考えております。

○渡邉部会長 よろしいでしょうか、少しフレキシブルになっているということです。鳥インフルエンザ (H7N9) の二類感染症への追加と、今の政令で血清亜型は規定するのは、皆さんもよろしいということですね。ありがとうございます。

 続いて 1 (2) 中東呼吸器症候群の二類感染症への追加、に関してはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 続いて、 2 の「感染症の病原体に関する情報収集体制の強化」です。参考資料 1 に基づいて具体的な図が示されて、こういう形で検体の採取及び検体の提出要請及び検体の採取措置という形が行われることになります。結核部会からの話にもありましたように、結核は二類感染症から外すということはなく、二類感染症全般がこの中に入る形になるということですが、何か御意見はありますか。

○澁谷委員 検体の採取の所で、これは「等」ということなので、「等」で読めばいいのかと思うのですが、既に血液にはウイルスがなくても、尿にウイルスが捕まえられることがあります。これだと血液とか咽頭ぬぐい液だけですけれども、尿も検体に入れておいたほうが捕まえやすいかと思います。保健所などが取りに行くという右側の流れの所です。

○渡邉部会長 事務局いかがですか。

○梅木結核感染症課長補佐 もちろん考えております。既に麻しんのほうでも 3 点セットで、尿も含めて検体提出をお願いしたりという事例もありますので、入れさせていただきます。

○渡邉部会長 この中に追加していただけるということですか。

○澁谷委員 注意書きの所に。

○梅木結核感染症課長補佐 はい、注に記載いたします。

○渡邉部会長 注 1 の所ですか。

○梅木結核感染症課長補佐 はい。

○渡邉部会長 他に御意見はありますか。

○山田委員 前回休んだので、議論があったかどうか分からないのですが、これは最終的に検体の提出の要請を拒み続けた場合に、罰則規定はあるのでしょうか。

○山科企画法令係長 罰則規定は設けない予定です。

○渡邉部会長 自発的にやっていただくまで説明するということですね。

○山科企画法令係長 はい。

○渡邉部会長 他に御意見はありますか。

○調委員 こういうことによって、その自治体の感染症検査が充実していくことは非常に重要だと思います。法改正によって、新型インフルエンザや二類感染症だけが強調されて、これまで自治体によって行われてきた四類・五類病原体のサーベイランスが後退しないように、政令や発生動向調査事業実施要綱を再検討して、更に充実していけるようにしていただければと考えます。

○渡邉部会長 感染症全般についての更なる強化をお願いしたいと。特に、病原体サーベイランスに関してもということだと思うのです。

○感染症情報管理室長 承りました。法律で規定できる病原体サーベイランスの対象は、全部が全部ではないとは考えますが、今回は採取のところは感染症法で規定するものにも及ぼしました。それから、先生がおっしゃる五類の定点のインフルエンザのところは特出しして指定できるような形にしました。それ以外のものも、現行より更に要綱等で充実させていければと考えております。

○渡邉部会長 他に御意見はありますか。よろしいでしょうか。病原体サーベイランスが強化されていくのは、科学的な面からいっても妥当な線かと思います。これはお金もかかることだと思うので、その辺の裏付けを厚生労働省のほうで取っていただかないと、絵に描いた餅になってしまいます。せっかくの措置が無駄とまで言わないまでも、停滞してしまうといけませんので、その辺のこともよろしくお願いいたします。病原体サーベイランスに関しては、皆さん了解ということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 続いて、 3 の「侵襲性髄膜炎菌感染症及び麻しんの医師による届出方法の変更」ですが、これについても何回か議論してきましたが、御意見をお願いいたします。よろしいでしょうか。過去 3 回の会議で皆さんの御意見を取り入れて、最終的なこういう案になっていると思います。皆さんの御了解を頂けたということで、ありがとうございます。

 続いて 4 番は、「多剤耐性結核菌の病原体等管理規制の対象範囲の見直し」ということで、 MDR は四種になります。 XDR が三種のままになりますが、いかがでしょうか。これも、結核菌のサーベイランスを充実させるためには、非常に有効な手段であろうということで、結核部会でもこれは了解されていることだと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 続いて 5 番は、「実験により感染した動物の獣医師の届出対象からの除外」ですが、これはいかがでしょうか。獣医関係の専門家として山田先生いかがですか。

○山田委員  2 回ぐらい前に意見を求められて、賛成だと申し上げました。

○渡邉部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。感染症法の見直し案に関しては、参考資料 1 の注 1 の採取方法の所に「尿」も含めていただくということで、あとはこの案のとおりでよろしいかと思います。これで、この感染症部会の意見として、これが了承されたということで、今後については、本議決をもって厚生科学審議会の議決となりますので、私のほうで最終的に確認したものを厚生労働大臣に提出させていただく、ということで処理させていただきます。どうもありがとうございました。

 続いて議題 (2) の「感染症法における水痘の取扱いについて」、事務局から資料 2 の説明をお願いします。

○梅木結核感染症課長補佐 資料 2 「感染症法における水痘の取扱いについて」を御説明いたします。「水痘のサーベイランスの強化について」です。「背景」として、今般、水痘、成人肺炎球菌については、 10 月をめどに定期接種が実施される予定となっています。本年 4 月から、予防接種基本計画が施行されていてその第 6 「予防接種の有効性及び安全性の向上に関する施策を推進するための基本的事項」において、国は科学的根拠に基づくデータを可能な限り収集し、感染症発生動向調査による疾病の発生状況及び重篤度の評価、感染症流行予測調査による抗体保有状況の調査並びにワクチンの国家検定による適正管理等を通じて、予防接種の有効性及び安全性の向上を図るとされております。そのため、水痘においても、定期接種導入後における当該ワクチンの有効性及び安全性の評価のため、水痘の発生状況及び重篤度の評価をする必要がある。

 現在、水痘は感染症法の五類感染症として位置付けられていて、小児科定点からの届出対象となっております。重篤度が高いと想定される水痘の入院症例かどうかは把握されていない状況になります。今後、そのワクチンの接種によって、疾病の発生動向は大きく変化することが想定されていて、水痘についてもその動向を十分に把握できる体制を構築していく必要があるのではないか。

 「必要な対応案」ですが、水痘の重症例というのは、水痘に伴う軟部組織の感染症、脳炎、肺炎、肝炎等の合併症を有し、その多くは入院して治療を受けていると考えられます。また、水痘の定期接種化の効果が最も顕著に表れるのは、重症水痘の減少であると推定されております。したがって、水痘の入院症例を全数届出対象に追加し、主として重症例の発生動向を把握することにより、ワクチン評価の 1 つとさせていただきたい。また、現在行っている小児科定点からの報告も継続して、定点報告数の推移も評価の指標の 1 つとさせていただきたいということです。

 「論点」としては、水痘の発生動向調査において、これまでの小児科定点報告を継続しつつ、入院症例の全数を把握することとしてはいかがか。こういうところをお伺いしたいということです。

 次のページは、サーベイランス変更案のイメージということで、変更前と変更後における実施状況をイメージとしてお出ししております。

○渡邉部会長 今後、水痘がワクチンの対象疾患になるということで、そのサーベイランスを強化したいと。その中で、特に重症例を把握するための 1 つの方法として、入院患者の全数把握をこの中に入れたいということです。これに関して御意見等がありましたらお願いいたします。

○小森委員 日本医師会としては、水痘のワクチンを定期接種化していただきたいということをかねてから申し上げておりました。そのためのエビデンスづくりということで、小児科学会、小児科医会とも連携をして、平成 21 年から平成 23 年の 3 年間、入院施設を持つ、これは小児科に限らず、小児科、内科、耳鼻咽喉科、泌尿器科諸々の 1 9,921 施設に対してアンケートを取りました。そして、重症の水痘による入院患者数、これはお返事を頂いた方が 20 %程度でしたが、例えば耳鼻咽喉科単独、つまり私も返事をする立場だったわけですが、そういう所は限りなくゼロということもありますので 20 %です。ある意味で中身は相当高いのだと思っていますが、 3,666 人の水痘による入院患者さんがあった、重症の後遺症を残された方もいらっしゃったということをもって、水痘ワクチンが必要であると申し上げてきた経緯があります。

 したがって、そういう入院患者さんの全数報告には基本的にうなずくものです。特に、ワクチンというのは国民の方々の様々な経済的な資源を投与するということです。水痘というのは、一般の方々にとっては非常に軽症のイメージがあって、誰もがなる。あるいは隣の子供さんがなっているというので、かかっていらっしゃいみたいなイメージがありますので、それに対するエビデンスをしっかりと出していくことは使命だと思います。全国の志のある医師は全て協力してくれるものと思っております。

 したがって原則として賛成なのですが、実は私どもの調査では 24 時間以上の入院を対象にしました。医療現場で、私も夜に急患を診ることがあります。親御さんの個人的な事情で、預かってほしい、見てほしいと。明日、私は会社が忙しいのでそのまま病院に泊めてくれみたいなものがあります。こういう状況ですので、入院の必要性が医学上ないと思われても、一晩だけお預かりしましょうと。夕方までにしてください、会社が終わってから来ますと。このようなことが実態としてあるということになると、入院数全数を報告すると、かえってその内容にバイアスがかからないかということを若干懸念しております。

 例えばその取扱いについて Q&A とか、入院とは何か、 24 時間以上入院したことをもって報告すればいいとか、そのようにされたほうが、内容が真実に近くなるのではないかということを、現場の人間として思います。原則として賛成であると申し上げた上で、その辺のことを少し御配慮いただくような手段はどうかと思っております。

○渡邉部会長 事務局からいかがですか。

○感染症情報管理室長 御意見を踏まえ、届出基準等のところでの十分な検討をさせていただければと考えております。

○大石委員 追加です。現在、日本感染症学会が福岡で開かれております。一昨日、ワクチン委員会が開催されました。こちらに参加された委員の方全員が、入院患者を全数把握するという、水痘サーベイランスについては賛成であるということでしたので、付け加えさせていただきます。

○小森委員 公式の審議会ですので。先ほどの 3,666 というのは、水痘に関する報告を頂いた施設数です。手元に資料がありますので訂正いたします。水痘により 24 時間以上入院を必要とした患者は 3 年間で 3,458 名でした。訂正させてください。

○渡邉部会長 他に御意見はありますか。よろしいでしょうか。皆さんの御意見としては、このサーベイランスをこういう形でやることには賛成であると。ただ、入院患者の基準、何時間以上とか何日以上とか、その辺の基準をしっかり決めてほしいということですが、それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 続いて資料 3 に基づき、播種性クリプトコックス症の取扱いに関しての説明をお願いします。

○梅木結核感染症課長補佐 申し訳ありませんが、まず参考資料 2 の説明をお願いできればと思います。

○渡邉部会長 参考資料 2 の説明を、本日、宮崎先生は感染症学会に行かれているということですので、代わりに大石先生からお願いいたします。

○大石委員 

大石委員 参考資料 2 の播種性クリプトコックス症について御説明いたします。 2 ページです。「播種性クリプトコックス症の主な原因真菌」。この播種性というのは、病変が多臓器にわたっている場合に使用されるとされています。原因真菌としては、クリプトコックス属真菌、クリプトコックス属は健常者に病気を起こす病原性の高い真菌です。

 一方、 HIV 感染などの細胞性免疫能低下の宿主に好発し、そして重篤な症状を呈することがあります。ポリエン系やアゾール系の抗真菌薬が有効ですが、健常者でも長期の治療が必要です。菌種としてクリプトコックス・ネオフォルマンス、我が国ではほとんどがネオフォルマンス感染と理解されています。全世界的に分布しています。感染源としてはハト、ニワトリ等の糞で発育しやすい。脳髄膜炎を合併しやすく、免疫不全の患者さんの死亡率は高い。

 最近知られるようになったクリプトコックス・ガッティという真菌があります。オーストラリアや、熱帯、亜熱帯に生息します。地域特異性のある病原体で、従来、我が国では輸入例との理解があった。特定種のユーカリ等の樹木に生息する。カナダの British Columbia でアウトブレイクがあった。そして健常人に多く発病し、高病原性では致命率も高く、約 20 %程度ある。

3 ページには、「クリプトコックスの感染経路と病態」ということで、環境中でクリプトコックスは増殖し、この増殖する場所としては鳥類の堆積糞、ユーカリの木などで、感染源が不明な場合も多いわけです。これが空中に飛散し、これをヒトが経気道的に吸入する、そして血行性、リンパ行性に全身に播種する。経気道感染によると、肺クリプトコックス症になるわけですが、全身に播種し、脳髄膜炎播種性病変、眼内炎等では失明することがあり得る。

4 ページでは、クリプトコックス脳髄膜炎の頻度を JANIS の検査部の報告としてまとめたデータです。 2001 年から 2012 年まで、全髄液培養陽性数、クリプトコックスが陽性になった数をカウントしてありますが、 1,000 を超える検体が毎年検査されていて、陽性の頻度としては 2~3% になります。我が国におけるクリプトコックス脳髄膜炎の頻度は 1 年間で 200 400 と推計されます。肺炎球菌性脳髄膜炎とほぼ同数であることが記載されています。

5 ページには、症例報告が示されています。これは、播種性のクリプトコックスの例です。脳室内の抗真菌投与が奏効したクリプトコックス・ガッティによる脳及び肺、クリプトコックス症の 1 例です。『臨床神経』という雑誌に報告されていますが、画像では CT 画像で腫瘤影が認められるということ。そして肺の組織ではグロコット染色というのですが、イースト様の真菌が目玉になっている所がそうですけれども、真菌が認められる。 MRI では、右の基底核とか前頭葉、あとは左の脳幹部に浮腫を伴う腫瘤影が認められる所見が示されています。

 このように、頭蓋内の病変を形成しやすい傾向がある。特にガッティ感染症ではネオフォルマンスよりも頭蓋内病変を形成しやすい傾向があり、ガッティ感染症では通常の抗真菌剤が無効で、今回のような特殊な治療選択も考慮されている。国内でアウトブレイク事例が経験されているのですけれども、調査の法的根拠がないのが現状の問題です。

6 ページには、同様の小児でのクリプトコックス・ガッティ感染症の国内感染例が示されています。胸部 X 線で、右下肺に腫瘤影があります。 CT 像でも同様の腫瘤影の所見が示されています。

7 ページでまとめです。「発生状況の把握が必要な理由」として、 1 「発生動向を把握することにより、以下の対応が可能になる」。 1. 環境中の感染源を特定し除去することで、発生・まん延予防が可能となる。 2. 居住地で流行があれば、エイズ等のハイリスク患者では化学予防が可能となる。 3. 発生状況の情報を提供することにより、地域による医師の診断に寄与する。 4. 患者の渡航歴等を分析することで、適宜海外渡航者等への情報が提供できる。

2 「発生状況の正確な把握により症例情報の集積が可能となり、疾病に対する医療の向上につながる」。 1. 我が国における疾病の疫学情報の公表が認知度を高めて、疾病の見逃しをなくす。 2. 効果的な治療法の知見が蓄積され、医療に還元できる。以上が参考資料です。

 

○渡邉部会長 ただいまの参考資料について、御質問等がありましたらお願いいたします。

○小野寺委員 わが国では 4 例ほど報告があると聞いたのですが、基礎疾患として何か特別なものがあるのでしょうか。

○大石委員 クリプトコックス・ガッティについては 6 例の報告があります。基礎疾患は必ずしもない症例です。特にここの記載としては、基本的には海外由来と認識されていました。その中では、先ほどの脳の腫瘤影があったものもそうですが、渡航歴が明確でない国内発生例が数例報告されています。基礎疾患としては、糖尿病、慢性肝炎があるという程度です。そして、基礎疾患が全くないという症例もあります。特に HIV 感染があるからという症例ではないということです。

○渡邉部会長 他に御質問はありますか。よろしいでしょうか。これに関して、感染症法上の取扱いについての提案が事務局からあります。資料 3 に基づいて事務局から説明をお願いします。

○梅木結核感染症課長補佐 資料 3 「感染症法における播種性クリプトコックス症の取扱いについて」。「現状」は、先ほどの大石委員の説明とほとんど同じ記載になっています。クリプトコックス症は健常者に発症する深在性真菌症として我が国で最も頻度が高い。致命的な播種性クリプトコックス症は、脳髄膜炎として見られることが一般的であり、 JANIS の検査部門データによれば、脳脊髄液培養陽性例の 2 4 %を占め、発生は年間約 200 400 例程度と推定されています。

 原因菌としては、クリプトコックスのネオフォルマンスであるというところではあったのですが、近年その致命率が 20 %ぐらいと高いというクリプトコックスは、これがカナダから 1990 年代に、また米国では 2004 年頃から報告がされており、こうしたクリプトコックス・ガッティの感染が拡大していることが米国の CDC から報告されています。我が国でも発生が注視されていたというところでした。我が国では 2010 年となります。「 2011 年」と記載している所を「 2010 年」。 2010 年の国内発生第 1 例目以降、今年 3 月末まで、現在では少なくとも 4 例が確定されています。

 「必要な対応案」としては、国民や医療関係者に情報提供・注意喚起を行う。播種性クリプトコックス症は地域流行することがあるということで、多発する場合には、必要に応じて積極的疫学調査を実施し感染源を同定する。クリプトコックス・ガッティによる播種性クリプトコックス症というのは、輸入感染症と考えられていたのですが、そうした特定の地域から帰国した邦人の発症が複数例確認される場合において、必要に応じて渡航に関する注意喚起ができる、こういうことをできるようにするために、発生動向を把握してはいかがかという提案です。

 「論点」としては、播種性クリプトコックス症を五類全数把握疾患とすることについての議論をいただければと思います。なお、同提案については、日本感染症学会より、結核感染症課課長宛てに要望書が提出されているところですので申し添えます。以上となります。

○渡邉部会長 今のようなことで、現状は、クリプトコックスは真菌症の中で非常に重要な疾患であることは認識されていたわけですけれども、最近は特にガッティという新しいタイプのものがカナダ、米国で、北アメリカ等で発生して、それが日本にきているのか、その辺のところは分かりませんけれども、日本人でもなっている人が数人いるという状況を踏まえて、これに対してのサーベイランスを強化したほうがよろしいかという御提案ですけれども、いかがでしょうか。

○山田委員 これは確定診断、報告の基準になると思うのですが、それは簡単なのでしょうか。

○梅木結核感染症課長補佐 現時点では、クリプトコックスのネオフォルマンスとか、あるいはクリプトコックス・ガッティというそのレベルまでの報告は求める考えはありません。あくまで播種性クリプトコックス症というそのレベルまでです。その同定に当たっては、遺伝子なりなんなりと、非常に高度な検査が要求されると認識していますので、その一歩手前の段階だと思います。

○山田委員 そうすると、多分、普通の医療機関でどこか検査機関に出すぐらいで、診断が付く。

○梅木結核感染症課長補佐 そういう認識です。

○大石委員 一般的な細菌検査室でクリプトコックスは同定できると思います。菌が分離できなくても組織学的に診断することもあるので、その辺も診断基準を作られるときには考慮されたらいいかもしれません。

○渡邉部会長 先ほど参考資料 2 4 ページですが、 JANIS で挙がってきているので、かなりの数が培養陽性として挙がってきて、これで同定されているということは、これは病院の検査室のデータですので、ここまではそんなに難しくなくできると。血清型というか、スピーシーズですか、そこを決めるのは多分 PCR で決めると思いますけれども、そこは技術的なものが必要になると思います。ほかによろしいでしょうか。

○山田委員 基本的には、ガッティがどの程度日本国内でまん延しているのかを見たいのだとすれば、やはり確定診断はかなり重要になってくるような気がするのですが、そこはどうなのでしょうか。

○大石委員 培養検査、組織検査に加えて遺伝子検査が実施されることでガッティに対する診断が確定できると理解しています。

○調委員 感染経路がよく分からないように受け取りましたけれども、流行があるとすると、その地域にある程度集積しているとか、そういうことが原因になるのでしょうか。

○大石委員 資料や文献を読んでいく中で、渡航歴のない症例で数例出ているわけで、日本に本疾患が存在するらしいのです。しかし、環境中からまだ真菌が分離されているわけではありません。一般的に、ユーカリ属の樹木に真菌が生息していると言われていますけれども、日本でどのような樹木に生息するのか、あるいはそれ以外のものに生息するのかについては、これからの調査を待たなければならないと思います。まずはガッティ感染症の実態を把握しなければなりません。

○渡邉部会長 これと感染研の真菌部で、病原体検査と遺伝学的な検査を行っていまして、その報告ではカナダ等にタイプは似ているけれども、ちょっと違いがあるということで、国内型としてあるのか、それとも変異なのか、その辺はまだよく分からないのが実態です。今後、日本国内においての環境中のサーベイランスというのも必要なのかと思いますけれど、なかなか検出するのは難しいかもしれないので、病原体サーベイランスをやることによって、徐々にそういう実態が分かってくるのではないかと、今はその辺の研究もしているところです。ほかにはありますか。

○賀来委員 クリプトコックス・ガッティは 1999 年にバンクーバーでアウトブレイクが起こり、その後、次第に北米の西海岸に広がっていっています。私たちもこのアウトブレイクが報告がされた際に、このような病原性の高いクリプトコックスが入ってくると、臨床的にも非常に警戒しなければいけないと思っておりました。その後、日本の報告例がありましたが、その報告例では、グァムとサイパンに発病 7 8 年前に渡航歴があるといったものであり、感染経路は不明です。渡邉先生と大石先生の御発言にもありますように、我が国でのクリプトコックス・ガッティがどのようなタイプであるのか、まだ詳細は分かっていないと思いますし、今後、我が国でどのような拡がりをみせるのか、臨床的には非常に重篤で死亡率も高いので、播種性クリプトコックス症として、しっかりとモニターをかけておく必要があるのではないかと思います。

○渡邉部会長 ほかに御質問等がありますか。

○澁谷委員サーベイランスで、髄膜炎のサーベイランス定点が今ありますよね。その中でこれは、問題としてかなり拾われているのでしょうか。

○感染症情報管理室長 細菌性髄膜炎については、以前より基幹定点病院でされているところで、すぐにこうした探知ができているかというと、ちょっとなかなか分かっていないのが現状ではないかと思います。

○大石委員 上位の病原体にはクリプトコッカスは入っていなかったと思います。

○渡邉部会長 ほかに御質問はありませんか。今後、考えていかなければいけない疾患の 1 つであるという点では、皆さん意見が一致だと思います。そういう意味ではサーベイランスの 1 つの病原体として取り入れて、そして今後の動向をちゃんと把握していくのが重要であると考えられます。そういうことでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。今日頂いています課題はこれで終わりまして、事務局にお返しいたします。

○福島結核感染症課長補佐 先生方、どうもありがとうございました。次回、感染症部会の開催につきましては、日程調整の上、改めて御連絡差し上げたいと思います。事務局からは以上です。

○渡邉部会長 今日は暑い中、本当にありがとうございました。以上で第 5 回感染症部会を終了いたします。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(感染症部会) > 第5回厚生科学審議会感染症部会議事録(2014年6月20日)

ページの先頭へ戻る