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2013年11月22日 薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会 議事録

○日時

平成25年11月22日(金) 16:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(17名)五十音順

  阿 曽 幸 男、 五十嵐   隆、  乾   英 夫、   生 出 泉太郎、
  小 澤    明、 金 澤    實、  川 原 信 夫、  神 田  敏 子、
  鈴 木 邦 彦、 寺 崎 浩 子、○西 澤 良 記、◎橋 田    充、
  平 石 秀 幸、 福 島 紀 子、  藤 原 英 憲、  望 月 眞 弓、
  吉 山 友 二
(注) ◎部会長 ○部会長代理
他参考人1名

欠席委員(2名)五十音順

廣 江 道 昭、 村 島 温 子

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
佐 藤 岳 幸 (審査管理課長)
森 口    裕 (安全対策課長)
山 本 弘 史 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、ただ今から、「薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会」を開催させていただきます。委員の先生方には、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 はじめに、当部会は久しぶりの開催でございまして、また、委員の改選等が行われたことから、まず、部会の委員の御紹介をこちらからさせていただきたいと思います。昨年1219日に開催されました薬事分科会において、御指摘をいただきました薬事・食品衛生審議会(部会)運営のあり方に基づきまして、本年1月より委員の構成を見直し、さらに、薬事・食品衛生審議会の委員の改選によりまして、この部会につきましても新しく委員の任命が行われております。

 つきましては、お手元にございます一般用医薬品部会名簿に即しまして先生方を御紹介申し上げます。50音順に御紹介をさせていただきます。

 まず、国立医薬品食品衛生研究所薬品部第二室長の阿曽幸男委員です。独立行政法人国立成育医療研究センター総長・理事長の五十嵐隆委員です。有限会社乾薬局代表取締役の乾英夫委員です。公益社団法人日本薬剤師会副会長の生出泉太郎委員です。東海大学医学部専門診療学系皮膚科学教授の小澤明委員です。埼玉医科大学呼吸器内科教授の金澤實委員です。独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター長の川原信夫委員です。元全国消費者団体連絡会事務局長の神田敏子委員です。公益社団法人日本医師会常任理事の鈴木邦彦委員です。名古屋大学大学院医学系研究科眼科学教授の寺崎浩子委員です。大阪市立大学大学長・理事長の西澤良記委員です。京都大学大学院薬学研究科薬品動態制御学分野教授の橋田充委員です。獨協医科大学内科学(消化器)主任教授の平石秀幸委員です。それから、本日御欠席でございますが、独立行政法人国立国際医療研究センター循環器科・内科部門診療部医師の廣江道昭委員です。慶應義塾大学薬学部社会薬学講座薬学部附属薬局薬局長の福島紀子委員です。有限会社つちばし薬局代表取締役・薬剤師の藤原英憲委員です。それから、本日御欠席ですが、独立行政法人国立成育医療研究センター妊娠と薬情報センター長・母性医療診療部長の村島温子委員です。続きまして、慶應義塾大学薬学部長の望月眞弓委員です。北里大学薬学部教授の吉山友二委員です。

 なお、一般用医薬品部会の部会長につきましては、本年の1月28日に開催されました薬事分科会におきまして、橋田充委員が部会長に選出されておりますので、御報告を申し上げます。さらに、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づきまして、「部会に属する委員のうちから、部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」とされておりまして、部会長代理につきましては、部会長から御指名をいただくこととなっております。橋田部会長、よろしくお願いいたします。

○橋田部会長 部会長代理の指名をさせていただくということで、私は西澤良記委員にお願いをしたいと存じます。西澤委員は大学等で重責を担っておられまして、私からさらにこういうお願いをするのは非常に心苦しいところもございますけれども、これまでも委員を務めてございましたし、非常に幅広い見識をお持ちで、私もよく教えていただいておりましたので、是非、西澤委員に部会長代理をお務めいただきたいと思っております。よろしいですか。

○審査管理課長 それでは、西澤委員は部会長代理席に御移動をよろしくお願いをいたします。現時点で、委員19名のうち17名の委員が御出席でございまして、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。なお、先ほど御紹介したとおり、廣江委員、村島委員より御欠席との御連絡をいただいているところです。また、本日、審議事項議題1「医薬品アドビオンLSジェルの製造販売承認の可否について」の参考人として、日本植物防疫協会茨城研究所技術顧問の宮井俊一先生に御出席をいただいております。

 また、当部会ですが、本年度初めての開催となりますが、本年4月以降、厚生労働省及び医薬品医療機器総合機構におきまして、幹部の人事異動がございましたので、御紹介を申し上げます。 

 まず、大臣官房審議官、医薬担当の成田です。厚生労働省医薬食品局安全対策課長の森口です。医薬品医療機器総合機構安全管理監の山本です。同じく上席審議役の俵木です。なお、医薬品医療機器総合機構審査センター長の矢守ですが、所用により欠席です。最後に、挨拶が遅れましたが、私は医薬食品局審査管理課長の佐藤です。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、橋田部会長、以降の進行をよろしくお願いいたします。

○橋田部会長 改めまして、今期より部会長を仰せ付かりました橋田でございます。よろしくお願い申し上げます。一般用医薬品は、国民の皆様に一番近い所で医療、薬物治療を提供する重要な役割を担っております。安全面に万全の注意を払いながら、セルフメディケーションの視点より必要な医薬品を国民の皆様に届けることが本部会の使命と思っております。微力ではございますが、部会長として職務を全うしたいと思っておりますので、委員の皆様には御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日の議題に入ります。まず、事務局から配布資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いします。

○事務局 事務局です。資料の確認をします。配布資料として、議事次第、座席表、委員名簿、競合品目・競合企業リスト、専門協議委員リスト、また、当日配布資料としてNO.1及びNO.2を配布しています。資料1については事前にお送りしています。過不足等ありましたらお知らせください。

 続いて、本日の審議品目に係る競合品目・競合企業リストを御覧ください。議題1「アドビオンLSジェル」は、ゴキブリ駆除を効能・効果とする製剤です。同様の効能・効果を有する製剤について、資料に掲げるとおり競合品目として選定されています。以上です。

○橋田部会長 ただ今事務局から御説明をいただきましたが、資料の過不足等、あるいは御意見等ありますでしょうか。よろしいですか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては皆様の了解を得たものといたします。

 それでは、各委員からの申出状況について御報告をお願いします。

○事務局 各委員からの申出状況について御報告いたします。議題1「アドビオンLSジェル」についてですが、退室委員、議決に参加しない委員はいらっしゃいません。以上です。

○橋田部会長 ありがとうございました。それでは、議題に入ります。審議事項議題1「医薬品アドビオンLSジェルの製造販売承認の可否について」総合機構より説明をお願いします。

○機構 医薬品医療機器総合機構より御説明します。資料1の審査報告書1ページを御覧ください。本剤の販売名はアドビオンLSジェル、申請者はデュポン株式会社です。本剤は、新規有効成分として、オキサダイアジン系のインドキサカルブを含有する医薬品殺虫剤のゴキブリ用ベイト剤です。殺虫剤は衛生害虫、具体的には、蚊、ハエ、ノミ、ダニ、トコジラミ、ゴキブリなどの防除を目的とする薬剤であり、薬事法の規制の対象となります。

 3ページです。インドキサカルブにはR体である光学異性体が存在しますが、殺虫活性はS体のみに認められます。本成分は米国デュポン社により開発され、開発当初はラセミ体でしたが、その後、S体の比率が高い原薬(S体:R体が3:1の比率)(以下、「本薬」)の工業的製造が可能となりました。インドキサカルブは鱗翅目、半翅目、及び鞘翅目等の昆虫の神経軸策に作用し、神経膜のナトリウムチャンネルの機能を阻害することで昆虫に麻痺症状を引き起こして致死させます。本邦では2001年にラセミ体10%を含有するトルネードフロアブルが農薬登録され、2010年に本薬を5.0%含有するトルネードエースDFが農薬登録されています。

 米国においては、2000年にインドキサカルブを含有する農薬が米国環境保護庁(EPA)に登録され、201311月現在、計111か国で農薬として登録又は使用されています。また、2005年にはインドキサカルブを0.60%含有するゴキブリ駆除剤がEPAに登録され、当該ゴキブリ駆除剤は計43か国で使用されています。

 4ページです。ロ項について、本剤の規格及び試験方法は適切に設定されていると判断しました。また、ハ項の安定性についても問題はないと判断しました。なお、阿曽委員より、事前に製剤の安定性試験における粘着性試験が資料概要に記載されていないとの御指摘をいただきました。当該試験は実施されており、審査において安定性に問題がないことを確認しています。資料の確認不足で申し訳ありませんでした。なお、申請者には当概資料の差し替えを指示しました。

 5ページです。薬理作用に関する資料では、ゴキブリに対する効力を裏付ける試験として基礎効力試験等が実施されています。まず、基礎効力試験として、微量滴下試験、経口投与試験、残渣接触試験、直撃効力試験、任意摂食試験が実施されています。これらの試験の結果、本薬及び本剤の致死効果は、既承認原薬ペルメトリン及びフィプロニル並びに既承認品目マックスフォースジェルKと同程度であることが示されました。

 7ページの「2)異性体の効力比較試験」を御覧ください。異性体の効力比較試験として、チャバネゴキブリを用いて微量滴下試験及び経口投与試験が実施され、致死率はS体が100%、R体が0%であり、S体のみに殺虫活性があることが示されています。さらに、「3)実地効力試験」についてです。実地効力試験は2か所の飲食店で実施され、表8のとおり、14週間のゴキブリ駆除率が算出されており、その結果、本剤処理後、4週目以降11週目まで90%以上の駆除率が維持されています。

 次に、有効性について8ページの「審査の概略」を御覧ください。本薬の作用機序は昆虫体内で生成される代謝物による不可逆性のナトリウムチャンネル阻害作用であり、代謝に時間を要するため対照よりも遅効性となりました。しかし、致死効果は対照と同程度であること、抵抗性系統チャバネゴキブリに対する効果が示されていること、実地効力試験結果からも有効性が確認できることから、本剤の有効性は担保できると判断しました。

 9ページの表10を御覧ください。本薬の半減期は赤血球において、雄で91時間、雌で74時間となっています。また、投与168時間後に尿、糞等の放射能の回収率は90%以上であることから、本薬の蓄積性はなく、薬物動態に大きな問題はないと判断しました。 

10ページです。毒性試験として、単回、反復、遺伝、生殖発生、局所刺激性、皮膚感作性、魚類急性毒性及びミジンコ類急性遊泳阻害の各試験が実施されています。「1)単回投与毒性試験」にあるように、本薬のLD50は単回経口及び単回経皮投与による毒性試験により、それぞれ1500 mg / kg 以上、5000 mg / kg 以上でした。

12ページを御覧ください。本剤のLD50は単回経口及び単回経皮投与による毒性試験で、どちらも5000 mg / kg 以上であり、また、その下に示されている局所刺激性は、眼刺激性が軽度、皮膚刺激性はないと判断されています。

13ページ、「()ラセミ体による一般薬理試験及び毒性試験について」を御覧ください。一部の試験はラセミ体により実施されています。本薬及びラセミ体の標識化合物の単回経口投与による吸収・分布・代謝・排泄の比較から両者の推定代謝経路は同じと考えられること、また、経口及び経皮投与試験並びに吸入毒性試験で得られたLD50及びLC50は同程度と考えられることから、ラセミ体を用いた試験でも本薬の安全性を評価することは可能と考えています。

14ページ、「()反復投与毒性試験で認められた毒性所見(溶血性貧血)を含めた本剤の安全性について」を御覧ください。毒性所見の溶血性貧血を含めた本剤の安全性について、以下の理由から問題はないと判断しました。まず、本剤の急性毒性は、ラット単回経口投与毒性試験によりLD505000 mg / kg 以上で高くないこと、本薬の急性毒性試験における無毒性量はラット単回経口投与毒性試験で667 mg / kg であり、ヒトが1スポット(0.25g)を誤食した場合でも約3000分の1の量であり、安全係数は十分に大きいと考えられること、本薬の揮発性は低く、吸入暴露される可能性は低いこと、また、本薬のラット反復経口投与毒性試験における無毒性量は2.13 mg / kg / 日であり、乳幼児が1日約10スポット、20 mg を継続的に摂取した場合に相当し、実使用での摂取は考えられないこと、などの理由です。

 また、本剤は特定の代理店を介して登録した害虫駆除業者のみに販売され、一般家庭では使用されないため誤食等をする危険性は低いと考えられることから、本剤に誤食防止剤の配合や誤食防止容器の添付がなくても問題はないと考えています。なお、本剤が害虫駆除業者専用であることを用法・用量に明記しました。さらに、取り扱う業者のために、添付文書に、使用時のゴム手袋等の保護具を着用すること、本剤が付着した場合には必ず石鹸及び水でよく洗うこと、接触した場合の対処法等を記載しています。

 最後に15ページの「3.総合評価」を御覧ください。以上の審査を踏まえ、機構は本剤を一般用医薬品の殺虫剤として、提示された効能・効果、用法・用量において承認して差し支えないと判断しました。なお、配布資料の最終ページに添付してある「毒薬・劇薬等の指定審査資料のまとめ」から、原体及び製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当しないと判断しています。したがって、本剤は第2類医薬品に該当する予定です。また、本剤については、人体に直接使用しないことにより、再審査制度の趣旨、目的に照らし、再審査の対象となる新医薬品等には該当せず、市販後調査も付す必要はないと判断しています。以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○橋田部会長 本日は、参考人として宮井俊一先生にお越しいただいておりますので、補足の説明などをお願いいたします。

○宮井参考人 今回の申請は、衛生害虫としてのゴキブリに対するものであるわけです。先ほど説明がありましたように、この化合物を有効成分とする農薬が、既に2001年、2010年にトルネードという商品名で、剤形が最初はフロアブル剤、その後のものは水和剤ですけれども登録されております。それで昆虫に対する作用機序は、先ほど説明がありましたように、神経軸索のナトリウムチャンネルを遮断し、その結果、神経系での情報伝達を阻害するものです。

 農作物害虫は様々な種類がありますけれども、キャベツやハクサイ等その他多くの野菜の害虫である鱗翅目類、つまり青虫だとか夜盗虫といった蝶とか蛾の幼虫ですが、この農薬はそれらの害虫に対して効果があります。ゴキブリに対しても先ほど、やや作用が遅効的だという話がありましたが、農作物害虫に対しても、死ぬまでに多少時間はかかりますが、ただ神経系がやられてしまうので、害虫は摂食した後すぐ食べなくなってしまいます。その結果、生きていても農作物への加害は防ぐことができます。その後は動きも鈍くなって、やがて餓死するという効き方をします。

 それから、ナトリウムチャンネルを遮断するという作用機序を持つ殺虫剤はこれまでありませんでした。同じ系統の化学合成殺虫剤を連用していると害虫は抵抗性を発達させて効かなくなるわけですが、そのときに作用機序が異なる系統の薬剤を使うことにより、抵抗性害虫に対して効果を持たせることができます。この新しい薬剤がその点で非常に優れているというわけです。

 それから、天敵を利用して害虫を防除するということがあります。ハナカメムシだとか、ハダニの天敵であるカブリダニ、それから害虫の卵に寄生する寄生蜂といった天敵に対して、この農薬は殺虫効果が割合低いので、天敵を有効に使っていくという、これからの害虫防除法、総合的害虫管理技術というのですけれども、そこでも非常に有望な農薬となっております。簡単ですが以上です。

○橋田部会長 ただ今、アドビオンLSジェルという医薬品について総合機構と宮井先生から御説明をいただきました。ただ今の御説明に関して、御質問あるいは御意見等がありましたらお願いいたします。

○生出委員 薬剤師会の生出です。この製品については害虫駆除業者専用ということで、薬剤師又は登録販売者から販売されるかと思うのですが、この流通経路で私どもの所、いわゆる一般薬局だったり、ドラッグストアであったりという所には入らないということを、どのような形で検証できるのでしょうか。

○機構 本剤の申請者であるデュポン()の特定代理店を起用することが計画されております。そして、起用された代理店は、本剤について駆除専門業者を全て登録しており、代理店はこれら登録された業者に限定して販売するというルートが考えられております。

 申請者は、代理店から提出された登録業者のリストにより、駆除専門業者であることを確認した上で、本剤を代理店へ販売することになっております。新規に本剤の購入を希望する駆除専門業者は、事前に代理店に登録されていなければ購入できないという方式を取ることになっています。本剤についてはこのように考えられておりますので、薬局等に申請者が卸すことは想定されておりません。

○生出委員 ただ、薬剤師とか登録販売者はどの部分で絡んでくるのですか。一般用医薬品の第2類医薬品ですね。そうすると、登録販売者か薬剤師でなければいけないと思うのですが、どこの段階で携わってくるのですか。

○事務局 今、機構より御説明させていただいたとおり、代理店を登録する形になるのですが、その代理店が全て医薬品の販売業の許可を持っているということですので、一応そこで担保という形になります。

○生出委員 分かりました。

○小澤委員 業者で専門の訓練を受けた人にしか売らないと書いてありますので、常識的に考えればそういう訓練をやったという許可書はあるのですか。それを確認して出すという意味ではないのですか。代理店という大きなグループではまずいのではないかと思うのが一つです。

 それと同時に、先ほどサンプルが回ってきたのですけれども、そのサンプルに「業務用」と大きく書いたらどうですか。

 もう一つは、これは殺す薬だから十分に効いて構わない、毒性は構わないのですが、問題は人体の問題でしょう。そうするとゴキブリの糞尿がどのぐらい人体に影響するのかよく分かりませんけれども、かなり長い時間半減期があって、しかも2%~3%まだ残っていると書いてあるから、糞尿として残ったときに、例えば子供が知らずに触ってしまったとか、なめてしまったとか、そういうことを起こしたことに関してのことは一言も書いてないのです。もしそういうのが分からなければ、添付文書の中には「1.してはいけないこと」と記載がある箇所が乱雑になっています。「1.してはいけないこと」は、業者としてやってはいけないことです。例えば「手袋をしなさい」とか、そういうのは実際にそのことを施行するために気を付けなければいけないことです。

 それと同時にその薬剤により処置をしたら、そのエリアにおいてこういうことをきちんと指導してくださいということを書かなくてはいけないのではないでしょうか。例えば、「幼児やペットが容易に近付ける場所で使用しないでください」と、「そこに近付けないでください」というふうに業者が指導するようにと書くのが普通ではないですか。

○機構 最初に添付文書ですが、御指摘のとおり少々記載ぶりがわかりづらい所がありますので、その点は先生の御指摘を踏まえ、申請者へ修正を検討するように伝えます。

 先ほど回覧しましたサンプルですが、今はサンプル状態ですので、今後はおっしゃるように駆除業者専用であることが明確に分かるような記載とするように検討していきます。

 糞尿が残ってしまった場合、ヒトへの影響がどうかはという点ですが、もちろんおっしゃるように糞尿を介してゴキブリがまた食べて死ぬということですので、その糞尿がヒトにも影響があることは考えられるのですが、先ほど示しましたように、毒性がかなり低いことが示されています。例えば、審査報告書の14ページに、ラットの単回経口投与毒性試験でLD505000 mg / kg 以上であるということや、ラットの反復経口投与毒性試験における無毒性量が2.13 mg / kg / 日であることから、乳幼児が一番危ないと思うのですけれども、その乳幼児であっても、1日約10スポットを継続的に摂取した場合にその量に相当することを考えると、ゴキブリから出た糞尿等でヒトに多大な影響を与えることはないのではないかと判断しております。

○小澤委員 それは、口にしたときでしょう。私は皮膚科だからですけれども、報告書には、皮膚には接触しただけでは刺激はないけれども、全例にallergicの感作はしていると書いてありました。アレルギー反応は、量とは関係ないですよ。例えば「何日間かは糞尿の影響はあるから、駆除のために塗った後、何日間かはヒトを近付けないように」とか、そのような基準を書いてあげないといけないのではないですかという意味です。しかも、代謝が2%残っているとはっきり書いてありますから、2%のものがあるわけでしょう。それが、完全に毒性がなくなるのは時間でなくなるのですか、その辺がよく分からないのです。ゴキブリが出した糞尿にその農薬が残っているのか、分解されてしまうのか、その日数を書いたらどうですか。例えば「1週間は気を付けてください」とか、そういう形が必要なのではないのですか。

○機構 今、(情報提供)資材をドラフトとして検討しているところです。先生から御指摘いただきました、何日間気を付けたほうがいいのではないかという点は、適切な日数を申請者と検討して、資材で確実に指摘できるようにしていきたいと思います。御指摘ありがとうございました。

○橋田部会長 今の説明に追加はありませんか。

○宮井参考人 農作物の場合でも、作物中にどれぐらい残るかという日数と、残る量のデータを取っています。衛生害虫は私の専門ではないのでどのようにされているかはよく分かりませんが、ゴキブリが摂食してから糞として出し、その中にこの農薬がどれぐらいの量残るのかということなどは多分調べているのではないかと思います。

○橋田部会長 一般用医薬品の殺虫剤ということですけれども、当然そういう使い方をしますので、毒性とか安全性に関しても様々な角度からの議論が要るということかと思います。実際にこれはベイト製剤ということで、糞に出てそれがまた効くという形ですので、そういう形の中での安全性をどのように確認するかということ。それを使う業者、それから一般の国民の皆様というような形できっちり整理して、添付文書等に必要な情報を提供する必要があるということかと思っておりますが、小澤委員そういうことでよろしいですか。

○小澤委員 はい。

○機構 先ほどの御質問について追加でお話させていただきます。感作性があるのではないかという御指摘があったのですが、原薬に関しては感作性があると記載しておりますが、製剤である本剤については感作性はないということです。

○小澤委員 その対象は何ですか、人間ですか。

○機構 マウスです。

○小澤委員 それでは駄目です。

○機構 マウスでは無いという試験結果は出ております。ありがとうございました。

○橋田部会長 今、御指摘いただきました点に関してはもう一度精査していただいて、必要な情報を全部載せる形にしていただきたいと思います。他にはいかがですか。

○鈴木委員 なぜこのゴキブリ駆除剤が一般用医薬品なのか、というのが最初はよく分からなかったし、今もよく分からないのです。結局一般の方が家庭で使うようにするためなのかと思ったらそうではなく、依然として害虫駆除業者専用であるということだと、これがなぜ一般用なのかがよく分かりません。

 その前の段階は農薬だったわけですか。それならその時は農家の人は買えたわけです。農家の方がより一般に近いような気がするのですが、なぜそれが専門業者にしか使えないのに、一般で、前のときにはどういう分類だったのか。一般用医薬品とは、そもそも何なのか、ヒトが口にするものではないということも含むということなのでしょうか。ゴキブリが口にするから一般用なのか、そうするとゴキブリが食べない、ゴキブリホイホイみたいなのは一般用ではないということなのか、よく分からないのでその辺を教えてください。

○橋田部会長 薬事法上の整理の問題だと思いますので、事務局からお願いします。

○事務局 先生御指摘のとおり、人体に直接使用しないというところがまずポイントであると思います。薬事法上、医療用又は一般用という枠組みの中でいうと、医療用ではないということで、区分としては一般用医薬品として申請されたということになろうかと思います。ただ、使い方としては業者専用ということで申請をされ、また承認事項の中でそれも明記することになります。殺虫剤の場合はなかなか区分が難しいところがあります。

 さらに言うと、毒性がもう少し弱いものに関しては、医薬部外品の区分として承認されているものもあります。殺虫剤として承認されるものに関しては、一般用医薬品と医薬部外品という二つの区分に分かれているのが現状です。

○鈴木委員 そうすると、医療用でなければ全て一般用だという分類になっているのですね、分かりました。

○事務局 もう一点の御質問の農薬の方ですが、薬事法上は保健衛生上の危害を防止する目的ですので、いわゆるハエ、蚊、ゴキブリといったウイルス等の感染を媒介するようなもの、いわゆる衛生害虫と呼んでおりますけれども、これに対しての駆除等を目的とするものに関しては薬事法の範囲内です。それ以外の、例えば農作物の害虫の駆除、いわゆる衛生害虫ではないものに関しては農薬取締法の範疇になります。

○鈴木委員 これは、一般用になる前ももともと衛生害虫用だったわけですか。

○事務局 こちらは、平成13年から農薬としての登録です。

○鈴木委員 農薬からの一般用というのもあるということですね。当然医療用ではないわけですね。最初から一般用か医療用かといったら一般用だということだけれども、その前の段階が農薬だったということですね。

○事務局 はい。

○鈴木委員 分かりました。

○藤原委員 一つ教えていただきたいのですが、「この商品についての廃棄は自治体の指示」と書いてあります。勉強のために教えていただきたいのですが、「容器等については」と書いてありますが、この品物自体の廃棄はどのような方法でされるのかを教えてください。

○橋田部会長 恐れ入りますが、廃棄の話はどこの記述でしょうか。

○藤原委員 添付文書の「3.その他の注意」の「(4)使用済みの空容器等は、幼小児が触れないようにするとともに、他に転用せず自治体の指示に従って廃棄してください」と書いてあります。どのような廃棄の方法かを勉強のために教えてください。

○機構 この点は、「自治体の指示に従って廃棄」と記載されておりますが、詳しいところは申請者に確認するとともに、この辺は分かりやすくするなど検討していきたいと思います。御指摘ありがとうございました。

○橋田部会長 私が勘違いしているのかもしれませんけれども、これは容器の廃棄の仕方を自治体のルールに従ってという意味ですね。

○藤原委員 容器です。

○橋田部会長 容器の話で、中身の廃棄については分からないわけですね。

○審査管理課長 中身については、残っている中身を使い切っていただくことが重要だと思います。残った残留物については、業者の方に照会をいただいて適切な指示を受けるというのが、今まで薬については一般的ですので、恐らくこれもそうなると思います。ただ、空容器に関しては、それぞれ自治体によって、例えば燃えるゴミとそれ以外とか違いますので、ここは飽くまでも空容器の記載と御理解いただければと思います。

○橋田部会長 もう一度、機構の方でもその辺りを確認していただいて、誤解を招くことがあるかもしれませんから、もう少しはっきりと記述していただくようにしてください。

○機構 そのようにいたします。

○福島委員 これは、特定の代理店を介して登録した害虫駆除業者のみに販売されるということなのですが、第2類医薬品となると、インターネット販売でできるのでしょうか。その業者はインターネットでは販売しないということなのでしょうか。

○事務局 お答えが難しい状況ではあるのですが従来、現行の制度でいえば、インターネット販売は第3類医薬品までで、第2類医薬品はインターネット販売不可でした。今、国会で御議論いただいている結果によるかと思います。

○福島委員 もし今の法律が改正されたときには、第2類医薬品は良いという話になります。その時にこれはインターネット販売も含めた様々な注意書きなどをしておく必要は無いのか、その辺を教えてください。

○事務局 制度上インターネット販売可となったとしても、実際にデュポン()では、先ほど御説明させていただきましたとおり、登録のあった業者等の販売ルートに限定すると言っておりますので、販売可となるということと、実際にインターネットで販売するということは分けて考えてもいいのではないかと思っております。実際に申請者は、直接登録のあった業者とのみ取引をすると聞いております。

○福島委員 これが発売されて良い評判が立ったときに、一般の人が使いたいということになって、それこそオークションのような所で出てきてしまうようなことはないのかということが心配だったのでお聞きしました。

○事務局 御指摘ありがとうございます。先生から頂いた御指摘も業者の方に伝えて、その辺の販売ルートといいますか、その辺はしっかり管理するように伝えたいと思います。

○橋田部会長 本日この議事が終わったら、改めて一般用医薬品のインターネット販売についても、現在の検討状況を御報告いただく機会があると思いますので、その時に追加で説明をしていただくことになっております。

○平石委員 一般的なことで恐縮ですが、添付文書の使用上の注意の「2.相談すること」「万一、誤って本品を飲み込んだ場合には直ちに医師の診療を受けてください。医師の診療を受ける際には、本品の有効成分がインドキサカルブ、販売名がアドビオンLSジェルであることを告げてください。」と記載があります。ほとんどの医師は、この薬液の毒性については知らないわけで、インターネット等を介して調べる必要があると思います。そういう検索システムは存在するのでしょうか。つまり、この医薬品の毒性に関する情報を調べることができるのかについて教えてください。

○機構 医師に相談するようにと書いてありますが、審査報告書の15ページの()の用法・用量及び使用上の注意の所の2段落目に、食品安全委員会農薬専門調査会による「農薬に係る食品健康影響評価に関する審議」の結果である「農薬評価書インドキサカルブ」というものが出されております。その中に、このものに対する毒性等々を含めて記載されております。申請者は、これを財団法人日本中毒情報センターにまず提出し、医療関係者から問合せがあったときには、すぐそこに医師たちが接続できて情報を取れるような状況を整えるとともに、企業の社内担当部署にも常備し、その連絡等があったときには、きちんと処置が行えるように指示できる体制を整えることにすると聞いております。農薬の情報はきちんと提出されているということで行っております。

○平石委員 その点は確認されておられるわけですか。例えば、インターネットでここのホームページに入って調べることができるということですね。

○機構 今こちらで確認できているのは、毒性情報を公益財団法人日本中毒情報センターから得られるという「電話番号」ですので、インターネットできるように整備するように伝えます。

○事務局 補足させていただきます。内閣府食品安全委員会においては、農薬一つずつに評価書を作成して公表もしております。そちらは、簡単にインターネットで成分などを入れて検索いたしますと引っ掛かってまいります。その辺はインターネットでもアクセスできますし、また日本中毒情報センターにお問い合わせいただいてもアクセスできます。

○橋田部会長 よろしいでしょうか。

○平石委員 はい。結構です。

○望月委員 鈴木委員の質問とほぼ同じような質問になりますが、そもそも医薬品がどういう目的のものであるかを考えたときに、薬事法上の定義からすると確かに殺虫剤はその範囲ではないような気が致します。今まで何とかジェットとか、そういうのを私もここで審査していたのですが、その時には余り意識をしていませんでした。今回、販売業者を特定する等々、使用者を特定する等々が出てきたときに、改めて考えると、そもそも医薬品という分類でこれを審査することが適切であったのかということが疑問としてあります。

 もう一つは、インターネット販売と関連するのですが、今回、毒薬にも劇薬にも相当しないということで第2類医薬品としています。医療用を転用しているわけでもないので、スイッチOTCも該当しないということで、第2類医薬品という分類であります。農薬として既に流通していたから、これはダイレクトOTCでもないし、スイッチOTCでもないという分類として扱って考えていいのかが分からなかったのです。

 ある意味でこれはダイレクトOTCにも当たるのではないかと思うのです。その時に、新しいルールがスイッチOTCと劇薬・毒薬のくくりで整理をされていると、ダイレクトOTCの場合にどこにそれが位置付けられるのかということがよく分からない状況になるのではないかと思ったのです。その辺りについては何かお考えがありますか。

○事務局 薬事法上は先ほど御説明させていただきましたように、医薬品に関しては医療用、一般用という区分の中であります。一方で防除用という呼び方をしておりますけれども、医薬品の中に防除用医薬品というカテゴリーがあります。殺虫剤というのはなかなか区分が難しいところがありますけれども、やはり薬事法上は医薬品の中で、さらに区分で言えば一般用ということに、現在の制度の中ではなると理解しております。

 第2類医薬品のリスク区分のお話ですが、こちらはリスク区分導入当時、制度改正部会等で御議論いただいて、殺虫剤に関しては人体に直接使用しないということですので、本来は第3類医薬品であるべきところを、誤用等を考慮して、殺虫剤をカテゴリーとしてリスク区分の第2類医薬品という位置付けをすべきということで御議論いただいて、現在、リスク区分の告示が出ております。その中でも、殺虫剤に関しては毒薬・劇薬を除いてリスク区分第2類医薬品ということになっております。いわゆる今のリスク区分の告示に従って考えたときに、本剤に関しては第2類医薬品という位置付けになろうと理解しております。

○望月委員 そうであれば、本日の場合は殺虫剤であるというくくりの中で、第2類医薬品ということで説明は理解しました。ただ、ダイレクトOTCのところの回答を頂けてないように思いますが、いかがでしょうか。

○事務局 平成18年の法改正当時、リスク区分の考え方を整理したところですが、その中で殺虫剤に関しては人体に直接使用しないということで、別の考え方としてカテゴリーとして第2類医薬品、又は毒薬・劇薬に関しては第1類医薬品といったような考え方で整理されたと理解しております。通常のダイレクトでしたり、スイッチというような考え方とはまた別のカテゴリーと理解しております。

○橋田部会長 望月委員は、むしろ一般論としてのダイレクトOTCがどう取り扱われるかということを問題にしておられるのだと思います。

○望月委員 そうです。後で当日配布資料の説明の所でまたお答えいただければと思います。

○橋田部会長 後ほど、こういう議論をまたさせていただきますので、その時に再度御意見を頂きたいと思います。

○西澤部会長代理 15ページの下の方で、先ほどの話と同じなのですが、もし飲用したときに日本中毒情報センターに連絡をして医療関係者に問い合わせをし、社内部署も常備して適切な処理が行われる体制を整えるということになっています。このもの自身に対する解毒薬的なものがあるとか、そういうのは分かっているのですか。

体制を整えると言っていて、人体には無毒ですというのは答えにならないような気がします。確認だけしていただければいいと思います。

○機構 はい、分かりました。確認いたします。

○橋田部会長 他にはいかがですか。

○川原委員 添付文書の「有効成分」の所で、インドキサカルブ(S体)0.6gという記載になっています。これは原薬に関していうと、S体とR体の比率が3対1、いわゆる光学純度75%になります。この場合は0.6gといった場合、現実的には0.45gがS体に当たるのではないのかと思うのです。その辺りの記載の仕方といいますか、その辺りはどういうことになりますか。

○機構 おっしゃるように、原薬はS体対R体が3対1となっております。ここに記載されております0.6gというのは、S体が0.6gということで、実際に入っている量は0.8gですので、S体としては0.6gということでそのように記載しております。S体R体で0.8gで、そのうちS体が0.6gということで記載しております。

○川原委員 現実的には原薬0.8gが入っているということですね。

○機構 そのとおりです。

○川原委員 分かりました。

○橋田部会長 有効成分であり、毒性の対象でもあるS体が0.6gということで規定されているということでよろしいですか。

○機構 はい。

○橋田部会長 0.6%というのもそういう意味ですか。

○機構 そのとおりです。

○橋田部会長 様々な御意見を頂きましたけれども、他にはいかがでしょうか、よろしいでしょうか。一般用医薬品の農薬ということもあります。私自身もこういうカテゴリーの薬をここで扱ったことがありませんので慣れていないこともあります。恐らく開発者も、一般用医薬品としての開発において、添付文書の扱い等で少し検討をしていただく必要があるということでした。もし差し支えなければ、今、問題を提起していただきましたけれども、医薬品医療機器総合機構で確認を取っていただき、それを十分反映した添付文書の形にしていただくことになろうかと思います。最終的には私も確認させていただきますが、それを前提に議決を取らせていただいてよろしいでしょうか。あるいは、もう一度再検討ということも議論としてはあろうかと思いますが、基本的には十分確認できることが中心だとは思っておりますが、よろしいでしょうか。

 それでは、この審議品目について議決に入らせていただきます。議題1「医薬品アドビオンLSジェルの製造販売承認の可否について」について、本剤はただ今申し上げたような条件で、もう一度御質問いただいた内容を再確認、あるいは再検討させていただき、それを必要であれば添付文書等に的確に反映させていただくということで、私も確認させていただくことを条件として、承認ということでここでは議決いただいてよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、そのように取り扱わせていただきます。薬事分科会には、そういう付帯条項と申しますか、それも含めてその旨を報告させていただきます。以上で本日の審議事項については終了いたしました。お手元に資料がありますが、先ほど申しました、いわゆる一般用医薬品のインターネット販売について今、検討が進んでおりますので、それについて現状を報告していただきます。事務局からお願いいたします。

○事務局 当日配布資料としまして、資料NO.1「スイッチ直後品目等の特性及び販売時の留意点について」、資料NO.2「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律案(概要)」を配布させていただいています。簡単ではありますが説明をさせていただきます。資料NO.1です。こちらは本年8月から3回開催されました、スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合において、取りまとめられた販売時特性及び販売時の留意点です。

 「1.はじめに」ですが、インターネット販売に関しまして、日本再興戦略において、スイッチ直後品目及び劇薬指定品目については、他の一般用医薬品とは性質が異なるため、医療用に準じた形での慎重な販売や使用を促すための仕組みについて、副作用の発現状況等の観点から、医学・薬学等それぞれの分野の専門家による所要の検討を行うとされています。これを受けまして専門家会合を設置され、議論をいただいたところです。

 「2.スイッチ直後品目等の特性」です。()ということでおまとめいただいていますが、直後の品目に関して、医療従事者による厳格な管理から外された直後で、かつ一般用として専門家の関与は大きく減少し、広く様々な

状態の下で使用され得る医薬品であるため、新たな健康被害・有害事象を発現する恐れがあることで、特性として、使用者の変化、又は連用や受診すべき状態の放置、副作用の兆候の見逃しといったことが挙げられています。

 2ページです。「()劇薬指定品目の特性」です。「ストリキニーネ、ホルマリンなど、非常に毒性の強い成分を含むものに関しましては、薬事法上、安全な取扱いをすることについて不安があると認められる者には販売をしてはならないこととされている」とまとめられています。

 この特性を踏まえまして3番目です。販売時の留意点ということで、()()がまとめられています。()のスイッチ直後品目の販売時の留意点ですが、1.として、薬剤師と購入者の双方向での柔軟かつ臨機応変なやり取りを通じて、使用者の状態を慎重に確認するとともに、適切な指導と指導内容の確実な理解の確認を行った上で販売するなど、医療用に準じた最大限の情報収集、また、個々の状態を踏まえた最適な情報提供を可能とする体制を確保した上で、丁寧かつ慎重な販売が求められる、とされています。2.として、広く大量に購入できる形、簡便に購入できる形での流通は避けるべきである。3.として、副作用等があった際に、薬剤師が責任を持って即座に対応できることが必要である、といったように、留意点をまとめていただいています。

 3ページです。()劇薬指定品目の販売時の留意点です。毒性の強い成分であるということで、現行制度上も、安全な取扱いをすることについて不安があると認められる者には販売してはならないということです。購入希望者の挙動を十分観察・確認した上で販売することが必要である、とまとめていただいています。

()は、代理人や症状が発症していない者への販売ということです。上記()()のような留意点、また、基本的には、購入者自身が短期的な治療効果を得られるために販売されるものであると考えることを踏まえまして、購入希望があった際には、使用者の状態に応じて、医療機関への受診を促すなり、類似効能を持つ別の一般用医薬品を勧めることが適当である、といったまとめをしていただいています。

 以上を踏まえて()ですが、()()を踏まえてということで、スイッチ直後品目に関しましては、少なくとも一般用医薬品としてのリスクが不明な期間、すなわち、スイッチ直後の期間中は経過観察の期間として、上記の()()の内容を確実に担保した上で販売することが適当です。2.として、劇薬指定品目についても、上記()()の内容を確実に担保した上で販売することが適当である、とまとめていただいています。

 最後、専門家会合等をしてということで、新たなルールを早急に策定するとともに、制度的な対応を図ることとされています。なお、安全性の確保を第一に考えることが必要不可欠であり、できる限り早くリスクの特定を行い、また、そのリスクの低減方策を検討するなど、一般薬としてのリスクの不明な期間を可能な範囲で短縮することも検討して然るべき、といったこともまとめていただいています。

 「また」ということで、医療用医薬品についてという所も議論がありまして、その効能・効果において、人体に対する作用が著しく、重篤な副作用を生じる恐れがあるということで、医療従事者の直接的な関与の下で、スイッチ直後品目以上に慎重に取り扱うことが求められる、といった見解をおまとめいただいたところです。専門家会合でおまとめいただいた留意点についての説明は、以上です。

○橋田部会長 これを踏まえて、今、薬事法の改正案を御審議頂いていますので、よろしくお願いします。

○事務局 引き続いて資料NO.2を御覧ください。今、正に御審議いただいている薬事法の改正案の概要抜粋です。「I法律案の概要」です。医薬品の販売業等に関する規制の見直しで、柱として三つあります。

()一般用医薬品の販売方法に関するルールの整備ということで、一般用医薬品のインターネット販売を認めることとした上で適正なルールの整備をする。

()先ほどの専門家会合のまとめも踏まえまして、劇薬及びスイッチ直後品目の販売に関する安全確保のための仕組みの整備をするということで、これらについては他の一般用医薬品とはその性質が異なるため、医療用医薬品に準じた形での慎重な販売や使用を促進するための仕組みを設ける内容です。

()その他ということですが、先ほどの専門家会合のまとめにもありましたが、医療用医薬品については、作用、また重篤な副作用が生じる恐れがあるということで、医療従事者の積極的な関与の下で慎重に販売するための仕組みを設けるといった内容です。

 もう一つの柱としまして、指定薬物の所持、使用等の禁止ということで、指定薬物について、その所持、使用等を禁止し、違反した場合には罰則を科すといったことが内容となっています。

 2ページが現行の制度ですが、一般用医薬品の販売制度、1類、2類、3類の区分と、それに伴う制度の説明です。

 3ページです。今回の法改正の見直しを踏まえた場合ということですが、右上から二つ目の四角囲みですが、一般用医薬品に関してはインターネット販売を適切なルールの下で認めるとあります。ただし、中央の四角囲みにありますスイッチ直後品目等、こちらはダイレクトOTCも含めてですが、要指導医薬品という位置付け、「医療用医薬品に準じたカテゴリー」ということで位置付けをしまして、安全性調査によるリスクの確定後に、一般用医薬品としてインターネット販売を認めるといった仕組みの構築です。

 劇薬に関しては、こちらも要指導医薬品という位置付けですが、「医療用に準じたカテゴリー」ということで位置づけるという内容です。駆け足でしたが、以上です。

○橋田部会長 一般用医薬品の販売ということだけではなくて、大きく言えば医療制度、医薬品提供の全体の制度の問題ですので、委員の先生方には非常に御関心をお持ちかと思います。ただ今の御説明に対して、御質問、御意見等がありましたら、お願いします。あるいは、はじめの専門家会合ですが、私も構成員の1人にはならせていただいていたのですが、五十嵐委員には座長をお務めでしたので、もし何か御追加いただくことがありましたらお願いします。

○五十嵐委員 ただ今の御説明でほぼ御理解いただけたと思いますが、簡単に申し上げますと、スイッチ直後品目は非常に大量に販売されることによって、それまで余り分からなかった副反応等が新たに出てくることが予想されますので、そういう意味で従来は3年間、3,000症例とか、あるいは、外用薬の場合は1,000例だと思いますが、そういう経験を踏まえた上で、その後1年かけてリスク評価するというルールがあったわけです。

 これについては、私どもは予防接種などでそういう経験がありまして、臨床試験のときには数百とか1,000人とかで何もなかったのが、100万人ぐらいに打つと思いもよらぬ副反応があるなどということが出てくるわけですが、それと同じようにスイッチ直後の医薬品に関しても慎重に対応したいということで、こういう結論を出させていただきました。

 劇薬については、これは3年たったとしても、あるいは4年たったとしても、インターネットで売ることになってしまうことは大変危険だということで、これはスイッチ直後品目とは別に考えるべきだということで、また別の対応をとるという結論を出させていただきました。

○橋田部会長 今、五十嵐委員からも御説明を追加していただきましたが、何か御質問等々がありますか。

○望月委員 できればここで先ほどのダイレクトOTCの所についてお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

○橋田部会長 先ほどの説明では、ダイレクトも直後品目と同じ扱いに入ることをおっしゃったのですか。では、改めてお願いします。

○望月委員 そうですね。

○事務局 先ほど少し説明の足りなかったところがありますので、補足させていただきます。ダイレクトOTCですが、こちらは新有効成分の含有医薬品とか、新薬と同様な位置付けということで、再審査期間がかかるものですが、再審査制度が導入されましたのが昭和54年からになりますが、その際の整理としまして、人体に直接使用しない、いわゆる体外診断薬とか、殺虫剤に関しては、再審査制度の趣旨に照らして、その再審査の対象ではないという整理をされています。したがいまして、殺虫剤に関しては、先ほど説明をしましたダイレクトOTCという枠組みとはまた別の枠組みだとお考えをいただければと考えています。

○望月委員 それは理解をしているのですが、先般、例えばブドウ葉エキスのような形でダイレクトに承認されるものがあったかと思うのですが、インターネット販売制度の中ではどういう括りになっていくのでしょうか。

○事務局 販売名アンチスタックスのことかと思いますが、先生の御指摘のとおりダイレクトOTCという位置付けですので、再審査期間8年が付与されていますので、その間はリスク不明という位置付けです。今回の件で言えば要指導医薬品のカテゴリーに入ってくるという整理になるかと思います。

○生出委員 質問というより、ある意味要望ではありますが、資料NO.2の2枚目の右側の下を見ていきますと、「安全性調査期間は、現在の原則4年から、既存のスイッチ直後品目は原則3年に、新規のスイッチ直後品目は3年を上限とする」という文言がありまして、この裏側を見ますと、4ページには、NO.1~NO.23までのスイッチ直後品目がありますが、現行の法案が可決されますと、平成26年度中にインターネットで販売できるようになると思われる製品が15製品目に増えることになるかと思います。私たち日本薬剤師会、薬局薬剤師として、スイッチOTC、一般用医薬品としてふさわしい医薬品のスイッチ化を進めていただきたいと思っています。

○鈴木委員 今の発言も関係するのですが、特に今回新しく選ばれた医系の委員の先生方は、なぜ自分たちが選ばれたのか、よくお分かりにならない方もいらっしゃるかと思いますので、事務局からきちんと説明があれば、それでいいとも思ったのですが、曖昧な説明でしたので、私からこれまでの経緯、そして、なぜ医系の委員が増やされて薬系と同数になったのかという経緯について、説明をさせていただきたいと思います。

○橋田部会長 この部会全体の構成のことですか。

○鈴木委員 そうです。

○橋田部会長 お願いします。

○鈴木委員 セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすることとされていますが、その基本は運動や食事などで自分の健康に気を遣うことであり、一般薬の承認を次々に増やせばよいというわけではありません。

 以前の当部会では、あたかも薬剤師によるメディケーションを推進するかのような、初めに薬ありきの議論を進める風潮があり、実際に服用する国民消費者のためになるのか、臨床医として違和感を強く覚える議論が見られました。

 今回問題となった生活習慣病治療薬エパデールの承認に際しては、私から高脂血症には自覚症状がなく、自己判断ができないこと、前日の食事の影響を受けるなど、中性脂肪値の判断の難しさ、食事・運動療法を飛び越えて薬物療法を行わせるやり方の是非、覆面調査での薬剤師の文書による説明の実施率の低さなど、様々な問題点を指摘しましたが、どの論点にも明確な回答がないままに、最終的には薬系委員が3分の2を占める当時の部会において強行採決による多数決で薬を承認するという暴挙が行われました。このようなことは二度とあってはなりません。

 一般薬は、過量服用や医療用医薬品等との併用など、様々な使われ方が想定され、慎重にも慎重を期して議論をする必要があります。抗癌剤など、医療用の新薬であれば、迅速な承認が必要な場合もありますが、一般薬にはドラックラグなどはなく、医系と薬系の委員がそれぞれの意見を時間をかけて合意に至るまで議論をするべきです。その点で委員数が医系と薬系が同数になったことは歓迎すべきと考えています。一般薬は一度承認されれば、取り消されることはまずありません。また、インターネット販売の解禁がどのような影響をもたらすか、今後は当部会の承認に際してはインターネット販売の危険性も考慮に入れるべきです。

 第1類販売時に義務化されている薬剤師による文書を用いた説明も、実施率がようやく50%を超えたところであり、薬局、薬剤師のこれからの活躍が期待されていますが、これらの様々な要因を考えても、我々は慎重な議論と判断が求められていると考えます。

 一部の報道によると、今後、業界から要指導医薬品が減っていくので、増やさなければならないといった発言があったと聞いており、只今は正にそういう発言があったわけですが、これは営利主義が前面に現れた国民患者のことを二の次に考えている発言であり、承認は飽くまでも国民患者の健康と安全を第一に考えて行うべきであると考えます。

○橋田部会長 ただ今鈴木委員から、広くは部会全体の構成の問題、この部会の方向性についても御意見を賜りました。もし何か御意見を頂くことがありましたら、どなたかありますか。よろしいですか。今、頂きました点については、これから運営の上でもできるだけ十分配慮させていただくということで、心得ておきたいと思っています。

○審査管理課長 御指摘の点について、私どもから幾つか補足の説明をさせていただきます。先ほど今後の一般用医薬品の審査の在り方の中で、正に法改正の結論が出ました中で新たな販売形態に関しても、それを加味して御審議をいただくことは当然ですので、今後の審議に関してはそこも含めて御議論いただければ有り難いと思います。スイッチOTC等の今後の在り方等については、厚生労働科学研究費で研究班を立ち上げる予定ですので、またその状況については、当部会で必要があれば報告を申し上げることにさせていただければと思います。

○鈴木委員 今、何の厚生労働科学研究費とおっしゃいましたか。

○事務局 本年度の特別研究という名前になっていますが、厚生労働省の科研費と呼んでいますが、研究費の補助金の中でその在り方に関する研究班の設置をして、医学・薬学の専門の先生方、また生活者の方に御参画いただいて、御議論いただきたいと考えています。

○鈴木委員 この研究は、これから始まるわけですか、それとももう始まっているわけですか。

○審査管理課長 これからです。

○鈴木委員 私から意見を述べさせていただきたいと思います。タイトルを見ますと、「一般用医薬品の地域医療における役割と国際動向に関する研究」となっていますが、この研究のことですね。

○事務局 はい、そのとおりです。

○鈴木委員 これは、以前のスイッチOTCをめぐる議論の後に、一般用医薬品のスイッチOTCを含めた議論をする場をつくるという話があったわけですが、それに相当するものと位置付けられているわけですか。

○事務局 昨年、正に平成14年の中間取りまとめから10年近くたつということで、その見直しということで御提言を頂いたところですので、まずは様々な素材となる情報収集とか、そういったものをさせていただきたいということで、研究班を立ち上げて、また御意見も頂きたいと考えています。

○鈴木委員 これを見ますと、「医師及び薬剤師の議論の場を設けることにより」と書いてありますが、タイトルに「一般用医薬品の地域医療における役割」ということが入っているので、当然、地域医療を代表する日本医師会の委員が出席しているわけですから、これを含めるべきだと思います。このメンバーを見ると地域医療を代表している方はいらっしゃらない気がしますので、私はこれでは不公平ではないかと思います。入れたくない気持ちもわからなくもありませんが、その中に入れて議論した方が、後で文句を言われるより私は結果的にはいいのではないかと思いますので、是非、御検討いただきたいと思います。

○審査管理課長 今の御指摘の点については、検討させていただきます。

○望月委員 今、当日配布資料NO.1を基に法律を作られているところだと思うのですが、少し気になった点がありまして、これがどのように法律に文章化されるのかというところが、3ページの()です。

 スイッチ直後品に非常に専門家が関わって、特別な配慮をしながら販売をされ、使われるべきであるということは、すごく理解できるところですが、()の最後の所で「使用者以外への代理人への販売」の場合ですが、「このような購入希望があった際には、使用者の状態に応じて、医療機関への受診を促すなり、類似効能を持つ別の一般用医薬品を勧めることが適当である」この「医療機関への受診を促す」ことは、私は妥当な御説明だと思うのですが、「類似効能を持つ別の一般用医薬品を勧める」という所に、若干難しい部分があるのかと私は感じました。

 と申しますのは、資料NO.2の一番最後のページの「スイッチ直後品目等一覧」を御覧いただきますと、アレルギー用薬がここに多く出てまいります。少なくともアレルギー用薬に関してみますと、スイッチ直後品よりも、既に一般用医薬品として市販されているものの中に含まれている成分が、リスクが高いというか副作用が多い可能性があることがありまして、類似のスイッチ直後品でないものを勧めることが果たしていいのかと思う部分もありまして、このあたりはある程度販売者が販売者の責任の下に、そこは裁量をできるようなことにならないと、かえって制度的にはゆがんでしまうかと考えます。

 もともと一般用医薬品の販売の制度は、使われる生活者、購入される方々の安全をどう確保するかを効率よくするために、リスク分類を作って手厚くするものと、そうでないものの整理をしたように思いますので、どのように法律に作り込まれるのかが気になりました。

○橋田部会長 御回答はありますか。

○事務局 御指摘ありがとうございます。本案、法律案については、現在、国会にて審議中ということですので、条文上どういった形で、ここまでは表現されているかどうかも含めて確認が必要ですし、また、今後の審議もありますので、この点については先生方の関心事項だと思いますので、また適宜報告をさせていただければと思います。

○橋田部会長 基本的な考え方としてこういう形のものが、特に代理の人が来た場合とかに対して例を挙げているのだと思いますので、実際には、例えば一般用医薬品を提供する薬局において薬剤師が的確な指導と申しますか対応をされて、その中でそのケースに一番ふさわしい形で御対応いただくことになろうかとは思っています。

○福島委員 ここの資料にはないのですが、第2類医薬品等、様々な医薬品がインターネットで販売されたときの規制として、薬物乱用、医薬品の乱用等に陥ってしまう可能性がある医薬品とか、自殺企図を起こす医薬品については、別の会議のときに、数量並びに販売規制をしてほしいことを申し上げました。そのことは今回の中でも少し書かれていたのですが、そのときは何か自主規制で流れていきそうな書き方だったので、気になっています。業者の自主規制となったままなのか、分かっていたら教えてください。

○橋田部会長 お答えいただけますか。お願いします。

○安全対策課長 この法案について、今日から衆議院で国会審議が始まりまして、その点については議論がありまして、インターネット販売においても数量規制をかけます。ただ、法律の条文でかけるのか、その下位法令、省令、告示等でかけるのか、その辺の書き方は法律上のテクニックですが、そういう規制をかけることは大臣が答弁をしています。御懸念の点は担当課にも伝えたいと思います。

○橋田部会長 よろしいですか。

○金澤委員 資料NO.1の2ページの「3.スイッチ直後品目等の販売時の留意点」より「薬剤師と購入者の双方向での柔軟かつ臨機応変なやりとりを通じて、使用者の状態を慎重に確認するとともに」と言って、「医療用に準じた最大限の情報収集と、個々人の状態を踏まえた最適な情報提供」と、極めて形容詞の多いといいますか、修飾過剰な文言が書かれているのですが、具体的に何をするのか。ただ対面で売るのをこう表現しているのか、そのあたりをお聞かせいただきたいのです。

○橋田部会長 お答えいただけますか。

○審議官 スイッチ直後品目については、一般用医薬品としての使われ方がまだ十分でないので、薬剤師の職能としてできる限り薬剤が患者の適応になるのかどうかも含めて、申告も含めて十分対応してほしいということで、それを最大限書いていただいたものと理解しています。

○金澤委員 そうすると、このような項目を作ることで、それ以外の所はインターネットで自由に販売するという逆の見方もできると思うのですが、実際の一般医薬品はどこで誰が誰にいつ何を売ったかがきっちり記録が残るわけですね。そういうものがあるからこそ双方向で本当に情報収集もできるわけですが、これで対面で売って、基本的にはアフターケアがないですから、果たしてここに書かれているそういったことは、どこまで担保されるのかが心配なのです。それから、第1類はスイッチ直後は0.21%になりますから、99.6%、99.7%のものはそれに該当しないことになりますので、そのあたりの売り方の問題点と併せてバランスを教えていただきたいです。

○審議官 スイッチ直後品目については、こういうことが必要なので対面でやらざるを得ないのではないかということで私どもは理解しまして、そういう法案にさせていただいています。ですので、残りの部分については、できる限りインターネットを介して、つまりインターネットで注文が来たときに、そのまま出すのではなくて、注文を頂いたら、それについて情報提供を行って、本当にそれでいいのかを確認した上で出すとか、そういうルール作りを別途して対応させていただきたいと思っています。

○金澤委員 インターネットですと、記録を取ることが非常に容易になるのですね。どなたに何をどう売ったかのログをとることはお考えないのでしょうか。

○審議官 インターネットの方はそういうメリットがあるということで議論になっていまして、要指導医薬品については、対面ですので、記録を残すのはなかなか難しいところもあるかもしれませんが、記録をとって頂くことをお願いする予定にしています。

○橋田部会長 よろしいですか。一般用医薬品といいますか、販売方法については、今、正に制度が議論されているところですが、専門家会議でも、別に現状の薬局における販売方法をもってそれを認めることではなくて、先ほど鈴木委員もおっしゃいましたが、医薬品の安全性を最大限配慮したときに、当然、現状の薬局における売り方についてももっと改善の余地があるかご検討いただく、あるいは、注意を徹底していただく必要があるだろうということを一つは議論しました。

 もし、要指導医薬品でなくて、一般用医薬品の分類になるものを、インターネットで販売する場合には、その販売方法に関する制度設計の中で、薬局での販売の利点に見合うだけのものを今度はインターネット販売でも設定していただくことになると思います。ただし、当然、インターネットとか、新しいICTを使うことで、むしろ非常にメリットになる部分もあると思いますので、その辺は最大限活かして欲しいということが専門家会議の姿勢でもあります。よろしいでしょうか。

 様々な御意見はあろうかと思いますが、法案の審議がちょうど始まりました。ただ、今日話題として出ましたように、正にこれからのこの部会の方向性はその法案等々によって非常に影響を受けますので、適宜、これからも法案審議の動きをまた先生方にも報告させていただきながら、この部会の運営に反映させていただきたいと思っています。そのあたりのことは、もう一度事務局から、御追加なり、今、御説明いただいた法案審議との関係も含めまして、御説明いただけますか。

○事務局 今、御審議いただいています法改正に関連しまして、今後、審議会規定の見直しなど、必要な事務手続については、橋田部会長と御相談して、また委員の先生方の御意見も伺いながら進めていきたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。

○橋田部会長 よろしいでしょうか。今、事務局から御連絡ありましたように、必要な事務手続等がこの部会の運営に関して起こりました場合は、事務局と相談の上で適宜進めさせていただきまして、また必要であれば報告をするということで進めさせていただきたいと思います。次回の御連絡をいただけますか。

○事務局 既に連絡もさせていただいていますが、次回の当部会は、来年1月29()16時からを予定しています。改めて、日程等は事務局より連絡をさせていただきます。さらに、その後の部会に関しましては、追って先生方の御予定を伺い、調整をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

○橋田部会長 これで最後ですが、特に御追加いただくことは、無いでしょうか。それでは、本日の一般用医薬品部会をこれで閉会とします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 井上(内線2737)

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