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2013年11月26日 第95回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成25年11月26日(火) 10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 ただいまから、第 95 回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会を始めます。皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日の出欠状況ですが、橋本委員が御欠席ということです。また、野川委員が 15 分ほど遅れるとのことです。

 それでは、議事に入ります。本日の議題ですが、お手元の議事次第にありますように「雇用保険制度について」です。まず、事務局から資料に沿って説明していただき、その後質疑といたしたいと思います。それでは、「資料 1 中長期的なキャリア形成を支援するための措置」について事務局から説明をお願いいたします。

○高島雇用保険課長補佐 雇用保険課の高島です。よろしくお願いいたします。

 「資料 1 中長期的なキャリア形成を支援するための措置」について御説明いたします。これは、これまでの雇用保険部会で議論していただく際に、「学び直しの支援措置」というタイトルで主に議論をお願いしておりまして、これまで 10 11 月と 2 回議論をお願いいたしました。今回お願いする議題のタイトルが変わっておりますが、これまでの御議論の中で、訓練の支援の際に雇用保険制度の中で、どのような訓練を支援していくべきかを委員の皆様から御意見をいただいたことを踏まえて、雇用保険の制度の中で支援していく訓練のあり方を議論した結果、このようなタイトルで改めて議論していただきたいということで、題名を変更したものです。

 次ページでは、「中長期的なキャリア形成を支援するための措置」ということで、これまでも議論を 2 つの点でお願いしておりました。 1 つは、中長期的なキャリア形成を支援するための訓練としてどのようなものがあるのか。主に能力開発分科会で議論をお願いしてきているものです。もう 1 つは、それを踏まえて、雇用保険制度における支援、給付のあり方としてどのようなものがあるかということで、これは、まさに雇用保険部会でこれまで議論をお願いしてきたところです。今回議論していただくに当たりまして、まず、雇用保険部会ということなので、給付の趣旨及び内容要件について説明いたしました上で、訓練の基本的考え方や指定のあり方につきまして、能力開発分科会でも同じ内容について議論していただく予定でおりますが、事務局である能力開発局と合同で、このような資料を作成しておりますので、併せて説明をいたします。

1 ページ目、「給付の趣旨及び内容・要件」です。趣旨ですけれども、非正規雇用労働者である若者等がキャリアアップ・キャリアチェンジ、どちらもあるとは思いますけれども、安定的に働くことができるよう、中長期的なキャリア形成に資する専門的、実践的な職業能力の習得を支援するための制度です。この「給付の内容・要件 ( 教育訓練給付の拡充 ) 」という形で書いておりますが、給付の項目について、ある程度分けた形で記載しております。内容については 10 月の雇用保険部会の中でも提示いたしました内容を改めて整理しましたもので、本日改めて委員の皆様に御議論をお願いしたいと思いますが、「給付水準」「支給要件期間」「訓練受講の際の手続」と 3 点あります。

 「給付水準」については 3 つありまして、 1 つ目は訓練期間が長期となり、費用が高額となる訓練の受講に対応するため、給付率は講座費用の 40 %程度。その上で上乗せとして資格取得等一定の成果が上がった場合に一定割合を上乗せして支払うものです。

2 つ目、講座費用の 40 %支援、資格取得で更に 20 %支援となりますと、合計では、理想形としては 60 %程度の支援となりますが、その支援の上限額についてが 2 つ目の部分です。年 100 万円までの講座費用について最大 3 年間支給対象とする。支給上限は年 60 万円と書いております。

 こちらの考え方ですが、 100 万円までの費用の講座についてはその 6 割がそのまま支援対象になります。仮に 100 万円を超える講座があった場合については、これは例えば 120 万円のものであったとしても、 100 万円までが支援対象となりますので、最終的に支援の上限は 60 万円ということになります。そして、最大 3 年間というのは、これはその講座の期間によります。講座の訓練の内容が最大 3 年間まであり得るものなので、支給の対象も最大 3 年間となると考えております。

3 つ目、これは訓練費用の支援というよりは、受講支援のための特別措置です。 45 歳未満の若年離職者については、 5 年間の時限措置で以前の部会では、「当面の措置」と書いておりましたが、 5 年間ということでたたき台にしております。 5 年間の時限措置として 1 回に限り、離職前の賃金に応じて、一定の額で、この水準は前回も説明いたしましたが、基本手当の 50 %を訓練期間中の受講支援として支給する。これらが給付の水準に関する内容です。

2 つ目が「支給要件期間」になります。これまでの教育訓練給付ですと、支給要件期間は 3 年が必要となっておりました。そして、初めて教育訓練を受ける方の特例措置として、初めての場合においては 1 年でよいというルールになっておりました。今回の新たな給付についてですが、従来の教育訓練給付に比べ、給付額が高額となることがあるので、従来の 3 年から 5 年に支給要件期間を引き上げます。ただ、初めてこの訓練を受ける方については 1 年でよいという要件については、維持して、非正規雇用労働者の方々の受講をしやすくする形で、このような初回 1 年要件は引続き設けてはどうかと考えております。

3 つ目が「訓練受講の際の手続」で、これは前回説明いたしました内容と同じですが、訓練受講の際には訓練の必要性・有効性を確認するため、事前にキャリア・コンサルティングを受講するという手続といたします。なお、離職者ではなくて、在職者の方の場合で、企業の承認を得て申請を行う場合には、その企業が訓練の必要性・有効性、その従業員の方がどういう訓練を受けるか、それがキャリアに役立つかどうかを確認しつつ申請ができると考えられるので、キャリア・コンサルティングを受けたことの確認を要しないこととするとしてはどうかと考えております。これが雇用保険部会で主に議論していただきます給付の趣旨及び内容要件についてです。

 併せまして、 2 ページ目以降、どのような訓練について支援を行っていくのかについて、資料で整理をいたしましたので、説明いたします。「訓練の基本的考え方」です。今般の資料は雇用保険制度で、中長期的なキャリア形成をするための訓練についてどのようなものが望ましいのか、どうあるべきなのかということで、基本的な考え方の部分から改めて御説明いたします。 2 ページ目は、もともと今回支援を行おうとしているものが雇用保険制度の活用を考えております。「雇用保険による給付」ですので、そもそもの雇用保険制度の目的に照らして考えますと、再就職の促進、失業の予防・雇用の安定に資する訓練であることが必要というのが大前提かと思います。

 これをもう少し申し上げますと、具体的には離職者であれば、その訓練で得られた能力を生かして再就職につながっていくことが重要であろうと。また、在職者であれば、その訓練の成果が企業で評価されて、その後の処遇の改善につながっていくなど、訓練を受けた方がいらっしゃる企業にとって必要な人材となり、雇用の安定につながることが雇用保険で支援する以上は必要なものであるだろうと。そして、特に非正規労働者については、現在の雇用形態が非正規ということで、質の高い安定した雇用につながって、能力を発揮し続けられる、つまり中長期的なキャリア形成に資するための訓練とすることが重要だろうと考えております。

 これを基本的な考え方とした上で、実務ベースでの話になりますが、今回の支援の対象となる訓練について、個々に厚生労働省が指定するイメージで考えておりますが、訓練の指定基準の考え方にこの考え方を生かしていくこと、そして、その上で、個々人のキャリア・コンサルティングの実施に当たっても、この考え方をベースとして、コンサルティングに臨んでいくことが重要だろうと考えております。

 続きまして、 3 ページでは、この基本的な考え方を指定基準に反映することは、どういうことなのかを説明したものが 3 ページ目になっております。先ほど説明いたしました訓練の基本的考え方に基づき、以下の訓練を対象とする基準としてはどうかということです。 1 つ目が就職可能性が高い仕事において必要とされる能力の訓練です。ここは、例えば特定の訓練を受けた場合に、その訓練の成果を生かせる仕事が様々あると。その訓練の成果を生かせる仕事、かつ現在、そういった仕事に就ける可能性が高いということ。例えば、医療の関係などあると思いますが、そういったものが 1 つ大事であろうと考えています。

2 つ目は、その効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の訓練 ( 中長期的なキャリア形成に資する訓練 ) 、これの意味ですが、訓練を受けた内容、成果が短期に劣化するものでもなく、かつ、それがその方の職業人生において、幾つかの場面で継続して生かせるような訓練であることが必要であろうと考えております。こうした考え方で、指定基準を今後策定していくこと、これは能力開発分科会でこれから議論していただきますが、講座の指定を法律になり、その法律ができた暁には指定を行うこととしたいと考えております。ただ、それを行うに当たっても効果の検証が重要だろうと考えておりまして、効果的な効果を対象としていく観点から、以下の 2 点を引続きやっていきたいと考えております。

1 つ目は就職につながるかどうか、企業の業務に生かせるものとなっているかどうかという点を確認していくこと。これは指定基準の中にこの考え方を生かしていくことです。 2 つ目は、 1 回訓練の指定基準を策定して、実際に指定を行った後でも、訓練の実施状況を踏まえて、指定の考え方、指定の基準についても定期的に見直しをしていくと。必ずしも最初の時点で基準をこのままでと確定することではなく、また指定した訓練についても、その範囲でずっとやるものではなくて、その考え方については随時検証していき、就職につながっていくかどうか、企業の業務に生かせるものとなっているかどうかという観点で、指定の基準や実際のあり方についても見直しをしていくことで考えております。

4 ページ目では、雇用保険部会で主に御説明したかったのは、今の 2 3 ページ目ですが、 1 つ、それの今後の方向性ということで、紹介させていただければと思いまして、「想定されるキャリア形成と訓練」というページになります。「訓練の指定基準の考え方」は 3 ページまでで説明いたしましたものにほぼ尽きておりますが、就職可能性が高い仕事において必要とされる能力の訓練、効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の訓練、このような考え方を基に様々な訓練の類型、あるいはキャリア形成の類型があると思いますが、この考え方を基に絞込みを行っていきたいというものです。

 現在考えられるキャリア形成のパターンとしてどのようなものがあるか、紹介させていただきます。今、 3 点ほど考えられるものがありまして、 1 つ目は職業に不可欠・重要な資格を身につけて、専門的な立場で就業していくものが考えられまして、看護師や介護福祉士、保育士、建築士等の仕事があり得るかと思います。このような仕事に就くためには専門的な仕事をするための資格の取得が行われることになると思いますので、その資格の取得を目指す訓練がキャリア形成に向けての訓練になると考えております。

2 つ目は特に実践的な専門能力を、企業等と連携した教育訓練機関で体系的に身につけ、現場で生かしていく。これについては、上の枠の中で申し上げれば、「効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の訓練」という類型に近いものと考えておりますが、企業等と連携した教育訓練で、例えば連携をして、オーダーメイド系訓練などもありますが、企業の実務内容に即した訓練をやっていく。それをすれば、その企業ですぐに生かせる力が得られるということで、そういうキャリア形成のやり方もあるだろうと。そのキャリア形成をしていくためには、企業等と連携した教育訓練で実践的な課程を受けることが 1 つの訓練のパターンになるということで、下に矢印で書いてありますが、情報、環境、観光、商業等の専門学校が企業等と連携して設計する実践的な課程等といった訓練がその道筋としてあり得るだろうと考えております。

3 つ目ですが、技術革新や社会の変化等に直面した企業の現場で生かせる実践的な技術開発力、企画力、問題解決力等を社会人教育で身につけ、新商品開発等に従事していく。これについては、キャリアの形成の仕方として、実践力、企画力、問題解決力などを仕事の現場の中で生かしていくための訓練も、 1 つのパターンとしてあり得るだろうということで、そうしたものを得られる訓練として考えられるとして、社会人向け大学、大学院等での実践的なプログラムということで、分野としては、技術経営、 ( 物理・情報 ) 工学、保健、会計、知的財産、経営等が考えられます。

 こちらの 3 つの類型は、どういったキャリア形成をしていくかということで、考えられるものとして設けたものですが、実際に訓練の基準を考える、訓練の指定をするに当たっては、枠の中に書いてあるとおり、就職可能性が高い仕事において必要とされる能力の訓練がどのようなものであるか。また効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の訓練がどのようなものであるかという考え方を踏まえた上で絞り込み、必要な訓練はどういうものかを今後議論を深めていきたいと考えております。これについては、明日の職業能力開発分科会でもまた議論していただくことになっていることを併せて申し添えさせていただきます。資料 1 の説明については以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。ただ今、資料 1 を御説明いただきましたので、それについての御意見あるいは御質問がありましたらお願いしたいと思います。

○新谷委員 今、資料 1 の御説明をいただいたわけですが、後ほど資料 2 で全体的な点、今回の見直しの内容も出てまいります。これはたびたび申し上げておりますように、今回の雇用保険制度全体の見直しの中で、名前が「学び直し支援」から「中長期的なキャリア形成支援」に変わりましたけれども、この財源措置を雇用保険でどのように位置づけるかということが本来検討されるべきだと思います。前から申し上げておりますように、ここだけ取り出して単独で審議するというのは、全体的な今回の見直し論議の中で見ると非常に違和感を覚えるところです。

 ただ、お示しいただいております「給付の内容・要件」「訓練の基本的考え方」というところについては、特に非正規労働者への対応、いわゆる雇用弱者、キャリア形成やエンプロイアビリティーが比較的低位にある方を引き上げていくことについては、雇用保険の目的である失業の予防、早期再就職の促進につながるものであり、それ自体は否定するものではありません。

 ただ、以前から申し上げておりますように、今回お示しいただいた案でも年間で 100 万円を上限として 60 %の給付ですから、 60 万年間 60 万円を最大 3 年間、個人に対して給付するということですので、最大 180 万円の支援を個人に対して行うということになります。これは雇用保険制度の中での位置づけをどう考えるか、ということが重要になってくると思います。雇用保険の本来の目的である、失業というリスクに対して、みんなで保険料を出し合って、セーフティーネットを張って安心して求職活動を続けて労働市場にまた戻っていただくという、本来の目的である給付の平均の受給金額が 54 万円しかないという現実の中で、最大で 180 万円の財源を投入することについては、いかにもバランスが悪いと言わざるを得ないと思っております。基本手当とのバランスの中で、ここはもう一度再考すべきではないかと考えております。

 また、この「学び直し支援」「中長期的なキャリア形成支援」というのは失業といった予想しない保険事故ではなく、予め計画をして訓練受講が可能になるという、まさしく管理されたリスク、予想されるリスクに対して、保険というシステムでこれに対応するということです。ですから、もともと社会保険のシステムとして馴染まないのではないかという問題点があると思っているところです。

 繰返しになりますが、支援措置につきましては基本手当をはじめとする雇用保険制度全体の中でどう位置づけるかを予め検討するべきです。この内容自体についての判断はそこが明らかにならない限り、我々としてはこの先、検討は進められないということを改めて申し上げておきたいと思います。ただ、だいぶ時間も迫っておりますので、各論につきまして、以下意見を申し上げたいと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。

○遠藤委員 ただ今、新谷委員から御指摘がございましたように、使側としても、当初は「学び直し」についての御提案でしたので、現行の枠組みの中でどう位置づけるのかが最大のポイントではないかということを繰り返し申し上げてきたわけです。

 冒頭の御説明を伺って、雇用保険制度の中で対応するものとして御説明いただいたと承りました。私の理解がもし間違っていれば、後ほど御訂正いただきたいのですが、現行の他の給付を見てもなかなか必要な対応が出来ない、効果が上がらないという状況があるので、「中長期的なキャリア形成支援」という新しい枠組みを出してきたのではないかと理解しているところです。

 この考え方に則り、次のような御質問をさせていただければと思います。他の制度で賄い切れないということであるとすれば、求職者支援制度、公共職業訓練、更には現行の 2 割上限 10 万円という教育訓練給付、これらとの関係、重複受給あるいは連続受給といったものについて、現在どのように整理されているのかということをお尋ねいたします。

○岩村部会長 それでは、最初の問題について、労側、使側、それぞれ御意見や御質問がありましたので、事務局の方でまとめてお答えいただければと思います。

○吉永雇用保険課長 遠藤委員が御指摘のとおり、今回の御提案は必ずしも現行の枠組みの中で十分出来ていないところがあるのではないか。その中で、新谷委員の御発言の中にもありましたが、エンプロイアビリティーをどういう形で高めていくのか。ある意味、失業に対するこれまでの施策というよりは、言わば積極的労働市場政策について、雇用保険制度の中で盛り込んでいるという考え方の中で、対応し切れていない部分について拡充していこうというコンセプトの中で絵を描いているものです。

 遠藤委員も御指摘のとおり、類似の政策として、「求職支援制度」「公共職業訓練」「教育訓練給付」という枠組みがあるわけです。例えば求職者支援については第 2 のセーフティーネットとして、それがなければ生活保護に落ちてしまうような方々についてのセーフティネットという形で、基礎的な訓練を中心として、それにプラスして、実践の訓練という形で、ともかく労働市場の中に参加していただくというのがコンセプトになって制度を作っているという考え方ではないかと思います。

 「公共職業訓練」につきましては、まさに失業者の方が早急に就職できるという形、まさに実践的な訓練、そのときどきに応じた形の訓練というものを中心として、比較的短期のものを中心に実際のメニューをそろえているという内容です。通常ですと、 6 カ月程度、最大でも 1 年ぐらい、長いものは余りないという状況です。

 「教育訓練給付」につきましては、制度の変遷はいろいろありましたけれども、現行の枠組みについて言えば 20 %、 10 万円、まさに自己啓発という形を底上げしているということです。そういう中で十分な対応ができているのかどうかというところはあるかと思います。

 「中長期的なキャリア形成を支援するための措置」につきましてはかなり大掛りな給付になっております。これらのものでは賄い切れないようなもの、例えば教育訓練給付については 10 万円程度ですので、ある意味で余り長期のものはできないわけです。公共訓練でいつも長期の過程というものはなかなか現行には入っていないということですが、例えば先ほどの資料の中にもありましたが、看護師という資格を取るということであれば、やはり 3 年程度、きちんとした基本的な訓練を受けていることが必要になる。このような資格を身につけていただくという形で、御本人のエンプロイアビリティーが極めて高まるということだと思っております。勤務形態がかなり厳しいので離職される方もいらっしゃいますけれども、基本的にこういった資格を身につけることによって、ある意味、生涯、専門資格の下で職業生活を送っていただけるという枠組みではないかと思っております。

 又、公共訓練、委託訓練もありますけれども、ある意味、設備型のものになってまいります。今回、文部科学省などとも連携をしながら講座指定を考えていくことになりますが、企業と専門学校が連携するような形の実践的なプログラム、あるいは産業界と大学が連携する形でプログラムを考えていく。柔軟な形での講座設定、まさに実践的に御本人のエンプロイアビリティーを高めていくような訓練設定ができるのではないかと考えております。

 もとより、新谷委員も御指摘のとおり 180 万円が上限です。例えば先ほど申しましたような大学と専門学校が連携したようなプログラムが 3 年間になることは考えておりません。そういう意味で、平均で見れば金額的にはもう少し落ちてくると思っておりますが、一定の資格については 3 年間実際に履習しなければ資格が取れないということで最大値の見方で設定させていただいております。

 今ほど申しましたとおり、現行の制度を少し踏み超えた形で個々の労働者の方のエンプロイアビリティーを高めていく。それがひいては日本の雇用の状況を改善していく、あるいは産業経済について好ましい効果が期待できるのではないかということで、こういったもので御提案させていただいております。

○岩村部会長 新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今の事務局の答弁を聞いていて、訓練の趣旨は私どもも理解するところです。ただ、財源がなぜ雇用保険なのかという説明が全くないのです。 6 14 日に閣議決定された「日本再興戦略」の中で、正しく雇用保険で学び直しを支援するという政府の方針がいきなり打ち出されたわけです。その原型になった産業競争力会議において、これが論議されてきたわけですが、産業競争力会議には多分、使用者側の代表として参加されている方はいなくて、もちろん労働側も誰も入っていない。しかし、労使で積み立てているお金を使えということが閣議決定され、政府で提案されて審議会で審議をしている。

 おっしゃる訓練の趣旨はよく分かるのです。しかしながら、なぜ雇用保険を財源とするのかという説明が一切ないということは非常に残念です。どのように説明されるのかをお聞きしたいと思います。

○岩村部会長 事務局、お願いします。

○吉永雇用保険課長 今ほども若干御説明させていただきましたが、雇用保険の体系の中で、例えば教育訓練給付などについては、既存の枠組みとして御本人に対する教育訓練の支援という枠組みがあるわけです。これを拡充するという形で、雇用保険の目的の中で、失業者について言えば再就職の促進、在職者について言えば雇用の安定を促進するという、まさに雇用保険の趣旨・目的に合致するような形、個々の方のエンプロイアビリティーを高めているということが可能なのだろうと思っています。

 そういう中で私どもとしては、今回お示ししている資料はまさに雇用保険の中で何ができるのかという観点から資料を作り直した形です。当初のものについてはかなり先端的なところまで入っていましたので、そういう意味で若干適切な御説明ができなかった部分があります。基本的には、雇用保険の目的である雇用の安定、失業の抑制というような観点に資するような訓練体系を新たに考えていくことで、雇用保険制度の中でできるのではないかと考えているものです。

○新谷委員 私ども雇用保険の被保険者は、例えば月額 30 万円であれば毎月 3,000 円の雇用保険料を払っているわけです。それを失業に備えて、納得して払っています。失業時において、平均的な基本手当受給金額がたった 54 万円しかないという現実の中で、大学院も含めて 1 年間で最大 60 万円の給付を行う。しかも、それを 3 年続けて給付する、最大で 180 万円になるということに対して被保険者にどのように説明するのか。そこが全く、今の説明を含めてもできないと思っています。

 財政規律とのバランスをどう考えるか。多分国庫を財源とするのであれば、もっと財務省の査定が厳しくて、 180 万円も個人に給付するなどということは多分思いもつかなかったと思います。これは厚生労働省としても、雇用保険の積立金の残高の扱いであるとか、文部科学省にとっても、少子化の中で大学経営の逼迫に対する対応をどうするかといった思惑が一致して、雇用保険という財源に目をつけたのだと思います。これはあくまで労使が積み立てているお金でありますので、財政規律がこんなに緩いものが出てきたときに、国民や 3,900 万人の被雇用保険被保険者に対してどう説明するのかということを改めて問いたいと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 恐らく、新谷委員が御指摘されたことと先ほど申し上げたことというのは、同じことを違う角度から指摘をさせていただいていると御理解いただきたく思っています。そういった中で、冒頭、私の質問に対して、まずは個々の制度の仕組みを踏まえての違いという御説明は十分いただいたかと思います。

 私の質問の意図はもう 1 つあります。いわゆる「連続受講」として、求職者支援制度、公共職業訓練、更には今回の長期にわたる支援が連続受講という形で認められていくのか。また、現行の 20 %、上限 10 万円という教育訓練給付については、今回の新しい枠組みの 3 年間で重複受給ができるものなのか。あるいは制度として併存していくのかどうなのかということをお尋ねさせていただきました。これが最初の質問の中に含まれているもう 1 つの意図です。

 そうなってくると、制度として、どう位置づけるのかということについては、現行の枠組みの中では対応し切れないものであるということです。冒頭の説明の中で、「積極的労働市場政策」という言葉がございました。使側としてもリーマンショック前の状態を見据える段階に来ていることから、新たな政策展開ということではキーワードだと思っております。

 ただ、一方で雇用保険財政を考えたときに、この枠組み自体が、被保険者の方々にとって、納得できる枠組みになるのかどうかということも重視しなければいけないと思っています。そういう意味では、資料 2 で申し上げようかと思いましたが、仮にこの枠組みで対応するということであれば、使側としては是非、給付回数制限を提案させていただきたく思っているところです。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。事務局、お願いします。

○吉永雇用保険課長 回答に漏れがございました、大変失礼いたしました。「連続で受給できるか」ということですが、支給要件期間について、今回、 5 年という形で案としてお示ししています。初回については 1 年という形になっています。支給要件期間を満たすような場合について、循環して支給するということは制度上回避するという形にはなっていないと考えております。初回の 1 年がありますので、極端なことを申しますと、こういった公共訓練などを受講した上で就職をして、一定期間働いた場合、支給要件を満たす雇用をした場合について受給できるという枠組みになっております。

2 点目のお尋ねとして、現行の教育訓練給付との関係ですが、現行の教育訓練給付とはかなり枠組みが異なると考えておりますので、現状において、別の制度として運用していく。これは指定講座を含めて全く違うものとして設定していくということで考えております。

○遠藤委員 公共職業訓練と新たな枠組みの訓練という「連続受講」はイメージされているのでしょうか。

○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。

○吉永雇用保険課長 公共訓練を受講して、就職していただいて、支給要件期間を満たした場合について、例えば在職中に受講するということ自体は、それほど制度としておかしなものとはなっていないと考えています。

○遠藤委員 いくつかのバリエーションはイメージの中で考えていくことであるのかもしれません。ただ、やはり、制度の盲点と言ったら語弊があるのかもしれませんが、仮に制度間をつないでいくといった形の絵が描けるのだとすれば、到底納得感が得られないことになります。新しい枠組みにつきましては、連続受講を防止するだけではなく、こういう流れは良くないというものがあるのだとすれば、次回で結構ですので、是非その枠組みも御提示いただきたく思っているところです。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。

○浅見委員 同じような意見かもしれません。 2 ページ目に、「訓練の基本的な考え方」の記載がありますけれども、先ほどから意見が出ていますように、離職者に対する訓練や、非正規雇用労働者に対する質の高い安定した雇用につながる訓練というのは、中身としては分からないこともありません。

 ただ、特に在職者に対する訓練については、それが MBA の取得を目的とした大学や大学院の社会人向けプログラムと言われると、ここに書いてあるような企業にとって必要な人材の雇用の安定につながるという部分については、そもそもこうした助成をしなくても企業にとっては必要な人材が選ばれる可能性が多分高いと思います。そのため、在職者に対して余り過度に手厚い訓練を雇用保険の財源で行う、ということについてはいかがなものかなと思いますので、意見として申し上げます。

○岩村部会長 御意見として承っておきたいと思います。

○亀崎委員  2 ページ、「訓練の基本的な考え方」に記載がありますように、本支援が雇用保険による給付であることを十分に踏まえる必要があると考えております。その上で、記載にありますように、失業予防、再就職の促進という 2 つの大きな目標に照らしたとき、雇用が不安定な非正規雇用労働者、あるいは離職休職者を支援対象とした訓練設計にしていく必要があって、そうした方々を雇用保険で支援していくことについては理解できるところです。又、今回示されています 45 歳未満の若年離職者に対する支援について、訓練が終了するまでの期間、離職前賃金に応じた一定額を支給するとなっています。基本手当の支給終了後にも安心して学ぶことができるよう、生活支援を行うことは雇用保険の本来の目的に合うものであり、重要な視点だと考えるところであります。

 一方、雇用保険の本来の目的からかけ離れた、今も浅見委員から出ましたように、中堅正社員が MBA を取得する場合に支援を行うようなことはやはり避けるべきであって、支援の対象範囲については更に詰めていく必要があるのではないかと考えます。

1 点質問なのですが、 1 ページにあります、 45 歳未満の若年離職者に対する支援を 5 年間の時限措置とした理由というのは何なのかを事務局にお聞きしたいと思います。

○岩村部会長 事務局、お願いします。

○吉永雇用保険課長 亀崎委員が御指摘のとおり、訓練期間について一定の支援がなければ、この人たちはきちんとした訓練が受けられないだろうということで、まさに非正規労働者に対するこのような受講支援を行う場合について、学習の支援と併せて、こういった支援が不可欠だろうと考えています。

 給付の水準についていろいろ御指摘がありますが、若年のフリーターの方などで安定した雇用にない方に対して、十分な学資の支援ができるかどうかということと併せて、それについて一定の期間の生活支援的な支援を行う。これは不可決だろうとは思っておりますが、一方で現行の雇用保険の枠組みの中で、こういう給付をすることがどこまでできるかどうか。基本的には、雇用保険の基本手当の受給が終了した方なので、そういう意味で雇用保険の枠組みで行う場合について若干例外的なものではないかと考えています。

 その意味で、特に年長フリーターと言われる層が 40 代から 45 歳ぐらいになっている現在において、こういう方々に対してこういう給付がなければ十分な学習機会、これから先、新たな技能を身につけて就職していくことは難しくなっていく年齢に差しかかる中で、最後の一押しといいますか、こういうものを最終的に活用していただいて、きちんとした雇用、定年年齢まで、あるいは引退年齢まで残りはだいぶ少なくなってきておりますが、きちんとした社会生活を送っていただきたい。その意味で、こういうものを特例的にやっていくべきではないかという形で、時限措置という形で設定しているところです。

○岩村部会長 亀崎委員、よろしいでしょうか。他にはいかがでしょうか。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、浅見委員も御指摘をされて、亀崎委員も指摘したところですが、失業リスクの少ない中堅クラスの方々に対して、 MBA のようなものを取得する場合に支援するといったことが社会保険システムの支出項目として馴染むのかというとやはり違和感があります。もともと、企業の本来の業務遂行に直結するようなスキルを身につけるのであれば、これは会社・企業が自ら投資をして、従業員・労働者に訓練を受けさせるべきです。なぜ労使の保険料をこれに充てるのか。企業の自己負担から雇用保険への置換えが起こるだけではないかと思っています。本来、企業負担で行うべきものを労使の保険料で充てることについて、この線引きをどうするかを今後詰めていかなければ社会保険としての支出に馴染まないと思っています。この点についても論議を深めていきたいと思っています。以上です。

○小林委員 労使からそれぞれ意見が出て、私もそのとおりだと思います。不安点として、 1 つは雇用保険財政からなぜ出すのか。もう 1 つは給付額が大きいというのが大きな問題点なのかなと思います。

 その中で、「給付の内容・要件」は 1 ページで事務局が提示していますが、幾つかの提案というわけではないのですが、例えば「給付水準」について、給付率では講座費用の 40 %程度、資格取得等の一定の成果が上がった場合、試験に合格するなどの場合に 20 %となります。これについて下の方では 5 年間の時限措置というのもあります。

 給付の水準を出すに当たって、 1 つ目の○の項目について、例えば 5 年間の時限措置というような形の時限的なものにしていただくことは可能なのか。理由としては、とりあえず 5 年間雇用保険で出すのも結構なのですが、本来は一般財源でやるべきではないかという意見もあります。 5 年間実施した上、又それを再考するということが可能なのかどうかが 1 つです。

 もう 1 つは資格取得等、一定の成果があった場合に一定割合、 20 %の支給というのがあります。御提案なさっている 4 ページ、「想定されるキャリア形成と訓練」を見ていると、看護師や介護福祉士、保育士、これらは試験制度があるのですが、 2 番目の「特に実践的な専門能力」を養う、実践的な課程というのには資格はないですよね。もう 1 つ、一番下、大学院とか出た場合には修士という学位がもらえるのでしょうが、大学を出れば学士という学位はありますね。

 前回の中で、大学の中のいくつかの課程履習をするということもありました。そのような場合は資格というのか、ちょっと違う部分も出てくる。いくつか資格を取れる部分、資格を取れない部分が一緒に入っているということもありますので、この「 20 %程度の一定割合の上乗せ」は一切止めるのはどうか。それを 1 つ提案してみたいと思います。

 それから、先ほど遠藤委員も言われていましたが、最大 3 年間出て、 1 回ではないですね、 5 年の時限のものになれば 1 回だけでも済むだろうと思います。雇用保険は 5 年間払って、 3 年間勉強して、又数年雇用保険を払い続けていれば、もう 1 度訓練給付を受けることができる。 3 回、 4 回と 1 人の方が訓練給付を受けることが可能になる。今、 180 万円の 3 回ですから、約 600 万円近くまで給付を受けられるわけです。そのようなものを 1 人の方に数回も出すのがいいのかどうなのかというと、やはり回数制限をかけて 1 回だけにするといったことについても検討してほしいと思います。

 もう 1 つ、履習を 3 年間の間に途中で挫折したらどうするのか、返してもらうのか。これについても、いくつか検討する項目があるのではないかと思います。

○岩村部会長 ありがとうございました。時間配分の関係もありますので、もし今日のキャリアアップの関係で、あと御発言希望がありましたら御発言していただいて、最後に事務局にお答えの必要な点についてはまとめてお答えすることにしたいと思います。

○山本委員 今、小林委員から発言がありました点について、少し意見と質問をしたいと思います。「支給要件期間」というところ、初回の場合は 1 年間被保険者期間があれば支給するということにしています。ただ、職場に定着できなかった若者を支援することを想定しているとしても、これまで議論しているとおり、労使が支払う雇用保険料を財源とするならば、この 1 年というのも短過ぎるのではないかと思っております。やはり、一定の保険料の納付期間が必要だと思います。初回についてはある程度の期間、例えば 3 年等という期間に延ばすという考え方もあるのではないかと思っています。

 又、支給方法について確認したいと思います。 10 8 日の部会で示されたたたき台がありました。今も小林委員から質問がありましたが、途中一定期間、 6 か月ごとに支給となっていましたけれども、それが半年以上に及ぶ場合、受講終了を待たずに途中支給ということになります。先ほどもありましたが、最終的に終了できなかったときにはどういうような形になるのか、未終了者にも支払うことになるのかという点について確認したいと思います。

 先ほどもありましたとおり、ある程度のペナルティー的な要素を含めて、そういった場合には今後については教育訓練給付を受けられないといった措置も必要ではないかと思っています。質問と意見ということでよろしくお願いします。

○岩村部会長 ありがとうございました、他はいかがでしょうか。

○三島委員  3 ページ、「訓練の指定基準の考え方」ですが、一番下の「2 訓練の実施状況を踏まえて、指定の考え方 ( 基準 ) についても定期的に見直すこととしてはどうか」としております。離職前の賃金に応じた額での生活支援を行うとされている、 45 歳未満の若年離職者の再就職につながったかどうか。その際、パートやアルバイトではなく、安定した就職ができたかどうかという視点での検証も必要であるということを指摘させていただきます。

○岩村部会長 ありがとうございます。

○新谷委員  1 ページの「給付水準」、最初の○なのですが、先ほど小林委員も御指摘された点、 20 %追加たされる際の要件として、資格取得等、一定の成果が上がった場合となっています。ただ、これでは足りないのではないかと思っています。巨額の財源を雇用保険から使うわけですので、やはり加算をするのであれば、雇用保険の被保険者資格を取得できたかどうか。保険料をお支払いいただく対象になるのかどうかといったところが必要ではないかと思います。要するに、事前の被保険者資格と事後の被保険者資格をつないでいくという制度設計が必要ではないかと思います。

 もう 1 点は先ほども御指摘のあった点です。支援対象となる訓練の検討が非常に遅れておりますので、これでは年内にまとまるのかどうかよく分かりません。分かりませんが、訓練の対象については通信教育も対象にするとお聞きしています。そういったとき、この場合、 40 %支払うのはいつ、どのタイミングで支払うのかはよく分かりませんが、実は教育訓練給付と同じ講座が対象となる、あるいは類似の講座が対象となったとき、教育訓練給付の方は、訓練受講が終わったこと、終了が要件になって 2 割、 10 万円の上限が払われるのに対して、新たな支援措置は 40 %の支払いのタイミングとして、多分、訓練の終了とは関係なく支払われるということになろうかと思います。

 そういったとき、教育訓練給付は訓練終了が要件としてあるのに、新たな支援措置には訓練終了という要件がないということになります。しかも教育訓練給付より多い 4 割の金額をもらうことができるわけで、制度間のアンバランスが多分生じてくるのではないかと思います。例えば通信教育ですと、 1 年間の受講料を最初に支払えばテキストが送られてきて、途中で止めたという場合も、新たな支援措置では 4 割払われてしまうことになります。教育訓練給付との違いをどう整理するのかという検討も必要だと思っています。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。

○青山委員 先ほど、財源の話が出ましたが、そのとおりだと思います。やはり、対象者は、雇用保険を支払っている者に限るべきであるし、支給要件は厳しくすべきと考えます。これだけ高額な金額を出すことは、保険料を支払う側からすると、なかなか理解が得られにくいと思いますので、支給要件は厳しくすべきというのが第 1 点です。

2 点目の論点です。訓練受講のためには、事前にキャリア・コンサルティングを受講させるという提案ですが、そのキャリア・コンサルティングで、どのようなことを、どのような内容で、どのレベルで行い、フォローアップをどうするかがよく見えません。これもしっかり考えていかないと、従来型のキャリア・コンサルティングを実施するだけでは、なかなか効果が出ないのではないかと思います。キャリア・コンサルティングの質を向上させて、フォローアップもしっかりやっていくという前提で、この制度を設計することが不可欠と思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。よろしければ、事務局のほうでまとめてお答えいただくとして、ただ多分、今日問題提起を受けて、御検討いただく部分も含まれているように思いました。可能なところでお願いします。

○吉永雇用保険課長 多岐にわたる御意見をいただきましたので、事務局で整理させていただき、具体的な形として次回に御提示する形で御説明させていただければと思います。

○岩村部会長 分かりました。ただ、今日答えてほしいというものがあればということですが、今事務局から次回にということですが、よろしいですか。ありがとうございます。

 今日、いろいろ御議論いただきましたけれども、私自身が御議論を聞いての見方としては今日労使の方々がおっしゃった、ここの仕組みをどのように雇用保険の中で位置づけるかということについては、事務局でも、これまでの御指摘を受けて、雇用保険の目的に沿う形で、「中長期的なキャリア形成を支援するための措置について」という形に整理し直して、雇用保険の枠組みの中に収まるようにということで制度設計を考えてこられたと思っています。もちろん給付の中身とか、そういった点についてはまだまだいろいろ御議論があるところだろうとは思いますが、当初の「学び直し」という所からは、きちんと雇用保険の枠の中に入るような方向での制度設計を考えてこられたのかと思います。もちろん、労使の方々がそれに納得しているかどうかは又、別の問題だと思います。

 もう 1 つ、給付の中身・水準ということとの関係で言えば、もちろん失業した場合に給付を行うことが雇用保険にとって一番大きな意味ではあります。他方、こう言ってはちょっと表現はまずいかもしれませんが、消極的な意味での給付だけではなく、より積極的に、将来あり得る失業のリスクに対して対応する。失業してしまった人についても、何らかの形での訓練の機会等を提供していくことによって、より失業を少なくする、あるいは失業したときにできるだけ早く職を得ることが重要になりつつあるというのは、恐らく日本を含めて先進諸国において共通のことだと思います。そういうことが今回の給付水準、あるいは対象というところに関係してくるだろうと思います。

 最後、これは特に新谷委員が御指摘された点ですが、おっしゃるとおりで、例えば本来の失業というような偶発的なリスクとは違うものを保険事項という形で構成していて、ある程度受給者、あるいはそれに関係する人たちの意思によって左右される部分というのがある。従って受給者自身のモラル・ハザードの問題も発生しますし、訓練を担当する機関の側のモラル・ハザードというものも発生する可能性がどうしても内在する仕組みになるでしょう。今日、既に労使の方々からいろいろ御議論がありましたけれども、その点をどう対策を打って、財政規律の面も含めてきちんとコントロールするかというのがもう 1 つの要かと思っております。

 いずれにししろ、今日いろいろ御議論をいただいて、事務局でそれをまとめて次回以降どういう形で整理するか。その上でお示しいただくということですので、その上で又御議論いただければと思います。

○新谷委員 今、岩村部会長にまとめていただいた方向で結構です。確かにこういう積極的な雇用政策として、訓練に財源を投入していく点は理解をするところです。ただ、部会長のお話にもありましたように、先進諸国はそういう状況になっているということですが、財源の問題を見たときに社会保険という仕組みで財源を負担している国はほとんどないと思います。ほとんどの先進諸国が国庫から投入していると思います。今後まとめられる論点においては、財源の問題についてはどうあるべきかということも論点としてきちんと書き込んでいただきたいと思います。また、なぜこれが閣議決定なで決められたのか。閣議決定をされたのであれば、国の責任で国庫を投入するべきではないかと思います。その点、なぜ国庫を投入しないのか、なぜ雇用保険なのかということを分かるように記述してまとめいただきたいと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。次に進みたいと思います。事務局のほうで、資料 2 として、これまでの事務局たたき台の整理、資料 3 として、これまで出された主な意見について出していただいておりますので、まず、これについて説明をお願いいたします。

○高島雇用保険課長補佐 資料 2 と資料 3 について御説明いたします。

 資料 2 については、「これまでの事務局たたき台の整理」ということにいたしておりまして、こちらについてはこの前の回、つまり、今回「中長期的なキャリア形成を支援するための措置」については再掲となっておりますが、今回も含めて、これまでの雇用保険部会の中で、事務局のたたき台の案として提示をしたものについて基本的に再度整理をさせていただいたものです。この趣旨については、この項目の最後にある財政運営の部分を除いては、基本的にこれまで委員の皆様に各項目について御議論を頂いておりました。その頂いた意見については、資料 3 にまとめており、年末に向けて、改めて各委員の皆様に各給付、あるいは各たたき台についてどう考えておられるか、再度整理をして御議論をお願いしたく、このような資料を準備させていただいた次第です。

 資料 2 「これまでの事務局たたき台の整理」について御説明いたします。「 1 基本手当」について記載している具体的内容は、平成 25 年度末までとなっている以下の暫定措置に関して記載しております。趣旨としては、「重点的な再就職者支援が真に必要になる者や雇止めによる離職者へのセーフティーネットを実施する」という趣旨です。具体的内容の事務局たたき台をはっきり記載するのは、今回の資料が初めてになります。平成 25 年度末までとなっている以下の暫定措置について、引き続き延長していってはどうか。ポイントは 3 つあります。

 雇止め等による離職した有期契約労働者等の給付日数の充実。こちらはいわゆる「特定理由離職者」と呼ばれている方々の取扱いです。 2 つ目は個別延長給付。解雇・倒産等や雇止めの方について、基本の日数に加えて 60 日を追加している措置です。 3 つ目は常用就職支度手当の支給対象者の追加。早期再就職手当がもらえないぐらいのタイミングではあるけれども、基本手当の日数中にきちんと就職をされた就職困難者について行っている給付について、年長フリーターの方を追加している暫定措置です。これらのものについて、今年度末までと全てされておりますが、引き続き延長していってはどうかと考えております。

 追加的な要件については、個別延長給付の延長に当たっては、重点的な再就職支援が真に必要となるように、運用上の見直しを実施してはどうかと考えております。こちらはリーマンショック後に実施をした暫定措置ですが、平成 24 年度に 1 度延長して、更に今般延長を考えるに当たっては、当然雇用情勢なども踏まえて、更なる絞込みが必要であろうと考えており、このようなたたき台を整理しております。

 「 2 再就職手当」については、趣旨としては、賃金低下による再就職を躊躇するものの、早期再就職を促進するという観点でたたき台を用意しております。具体的内容については、再就職手当を受給できる早期再就職者であって、前職よりも再就職賃金が低下した者を対象とする。そうした方について、再就職した後に、 6 か月間継続して雇用されたことを要件とする。

 給付の内容については、現行の再就職手当、基本手当の日数を 3 分の 2 以上残していれば 60 %、 3 分の 1 以上残していれば 50 %の日数を掛けた給付額を手当として一時金を出しておりましたが、それに加えて、離職時の賃金、基本手当をもらっていたときのベースとなる賃金ですが、再就職後賃金との差額の 6 か月分を一時金として、更に追加して給付をしてはどうか。これに当たっては上限として、基本手当の日額に支給残日数の 40 %を乗じた額を上限としてはどうかと考えております。

 「 3 中長期的なキャリア形成を支援するための措置」については、先ほど御説明した内容と基本的に同じです。キャリアアップ・キャリアチェンジに関する支援として、中長期的なキャリア形成に資する専門的・実践的な職業能力の習得を支援するためのものです。この給付の内容は、先ほどと完全に同じものですので省略いたします。

 「 4 育児休業給付」については、たたき台の当時の趣旨として、男女共に育児休業を取得することを促進していく。そして、職業生活の円滑な継続を援助、促進していくというものでした。こちらの具体的内容については、育児休業開始時から最初の 6 か月間の間について 67 %の給付率としてはどうか。この 67 %の所で※で補足をしておりますが、育児休業給付は非課税となっている。また、育児休業期間中には社会保険料の免除措置があるということで、休業毎賃金の 67 %と単純に申し上げても、実質的に税や社会保険料の支払い後の賃金と比較すれば、実質的な給付率は更に高い 8 割程度のものになると考えております。

 「 5 求職者支援制度」については、求職者支援制度の今回の見直しの趣旨については、雇用保険を受給できない求職者に対し、訓練の実施と一定の場合における訓練期間中の給付金の支給等により、早期の就職を支援する。具体的内容については、受講対象者の能力・経験等を踏まえて、多様な訓練コースを設定可能にする、訓練のメニューに関するものです。 2 つ目は、出席要件について、やむを得ない理由の場合の取扱いについて運用上見直しを実施する。やむを得ない理由で一部の訓練を欠席しても、当該訓練実施日の残りの時間に出席した場合には、一部分を出席したものとして取り扱ってはどうか。 4 つ目は、就職の捉え方の関係です。就職状況の把握や確認する方法を改善するとともに、就職の定義は雇用保険が適用される就職としてはどうか。

 「 6 財政運営」については、タイトルだけとなっております。それぞれの給付について、本日、今一度、委員の皆様に御意見、御議論を頂いた上で、次回以降の部会で、こちらの財政運営についても御議論を頂くこととなっておりますので、現時点では、こちらの部分は空欄としております。

 資料 3 については、これまで出された主な意見について、今、整理をしたたたき台の項目の順に並べ直して、頂いた御意見を整理させていただいているものです。併せて参考資料として、求職者支援制度の関係については、雇用保険部会と職業能力開発分科会で並行して議論しております。 11 14 日に求職者支援制度の関係で、職業能力開発分科会で議論を頂いておりますので、その議論で出てきた主な意見について整理しております。こちらも御議論に当たっての参考としていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。資料の説明は以上です。

○岩村部会長 今、御説明を頂いた資料 2 については事務局のほうにお願いをして、雇用保険制度の見直しの項目について、これまでの議論をベースにしながら整理していただいたものです。前回、遠藤委員からも御指摘がありましたように、年末までにこの部会の取りまとめを考えなければいけないということで、それに向けて、改めて委員の皆様におかれては、各項目についての御議論をお願いしたいと思います。

 できましたら、項目ごとに順序を追って進めさせていただきたいと思います。従いまして、「 1 基本手当」について、御意見や御質問がありましたらお願いいたします。

○浅見委員 基本手当について、事務局の案で、暫定措置について「引き続き延長する」というはっきりとした表現が出てきたのは今日が初めてではないかと思います。確かこの制度を導入した 2009 年というのは、 7 月の完全失業率が 5.5 %とかなり高く、極めて厳しい雇用情勢の中で導入したものであると認識しております。

2 年経過した後、 2013 年度末まで暫定措置の期限を延長した際の失業率は 4.5 %を超えるレベル。これに対して、足元は 6 月が 3.9 %、 7 月が 3.8 %、 8 月が 4.1 %、 9 月が 4.0 %、かなり低位に安定している状況の中で、今回、個別延長給付を更に延長するという積極的な理由はどこにあるのか、今一度確認をさせていただきたいと思います。

 延長に対して全く反対というわけではありませんが、結局、こうした形で延長してしまいますと、制度を恒久化するのと何がどう違うのか。逆に言えば、どういう条件がそろえばこの延長給付については終了するのか、この辺りについての事務局の見解を伺いたいと思います。

○岩村部会長 関連してということですので、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、浅見委員からの指摘点には同感で、これは先ほどの事務局の提案の中でも一言も触れられていないのですが、「これまでの事務局のたたき台の整理」と書いてあるのですが、「 1 基本手当」については、これまで示されていないのではないか。要するにたたき台が示されていないのではないかと思います。論点は確かありましたが、たたき台としてこれをどうするというのがなくて、いきなり、「これまでの事務局たたき台整理」というのは少し乱暴なやり方ではないかと思います。今回、「延長する」という文言が初めて出てきて、非常に違和感を覚えるところです。「 2 再就職手当」以降については、確かにたたき台は出ていましたが、これは少し乱暴なやり方ではないかと思います。

 その上で、初めて「延長する」というのが明確に文言として、たたき台で示されたわけです。私どもとしては、これは申し上げておりますように、恒久化も含めて検討するべきであると考えております。また、「個別延長給付の延長に当たっては、運用上の見直しを実施する」という言葉が、ここで初めて出てきておりますので、一体、これは何を意味しているのか、全然、今までに説明がなく、これもこれまでのたたき台の整理ではありませんので、御説明を頂きたいと思います。

 いずれにしても、資料 3 にあるように、私どもとしては、基本手当については給付日数、給付率の問題、また、特定受給資格者以外の自己都合離職者の取扱いの問題等々、これまで様々な指摘をしてきたことですが、これらについては一切触れられておりません。要するに、個別延長給付を含めて、暫定措置の取扱い以外、基本手当は何もしないという、明確な事務局の意思がここに示されていると思います。

 本来、私どもが指摘した点について、平成 15 年の給付の引き下げをめぐる問題、基本手当の給付期間内の再就職率が 5 割に満たない、 5 割を超える方が再就職できていない現状の中で、セーフティーネットの強化をどうするべきか、ということを随分論議してきたつもりです。今示されたたたき台をベースに、今後報告書をまとめるというのであれば、到底看過できないと思っておりますので、事務局からは納得できる回答と誠実な対応をお願いしたいと思います。以上です。

○岩村部会長 基本手当関連について、ほかにいかがでしょうか。もしよろしければ、御発言いただいて、まとめて事務局のほうでお答えを頂くことにしたいと思いますが、よろしいですか。今、浅見委員、新谷委員から御意見もありましたが、御質問もありましたので、事務局からお願いいたします。

○吉永雇用保険課長 基本手当の関係については、暫定部分も含めて、これまで随時、様々な御意見を頂いてきた状況があります。

 その中でたたき台として、暫定措置以外の所はお示ししてきていない状況です。今回は、事務局が出したたたき台について、少し方向性を出すという形で加筆した部分はありますが、基本的には、これまで随時、資料をお示ししたとおりの状況の中で、基本手当の本体について給付テーブルを見直すことは、現下において、なかなか難しい環境ではないかと思っており、こうした案になっているということです。特に、ここに書いてある暫定措置を、仮に延長する形で御議論の整理ができた場合については、来年の 3 月までに方針を通さなければいけないというスケジュールの中で作業することからすると、なかなか難しいのではないかと思います。

 一方で、浅見委員からも御指摘がありましたが、飽くまで暫定措置ということです。その中で、これをどうしていくのかというのは 1 つ大きな論点だろうと思います。

3 つほど論点を並べておりますが、大きく 2 つ、有期契約労働者について、いわゆる特定理由離職者についての暫定措置である、特定受給資格者みなし、個別延長給付等があります。有期契約労働者については、これまでも論点として、労働契約法等の動きなどを見ていく必要があるのではないかという形で御説明してきました。

 一方、個別延長給付についても、 2 つ理由はあるのだろうと思います。実際の給付テーブルの特例が特定理由離職者、有期契約労働者の給付テーブルの所と、個別延長給付と併せて延長するというようなところもあります。また、現実の問題として、個別延長給付の受給率が 7 割程度という形で、極めて高率にとどまっている状況の中で、現下の雇用調整はかなり改善はしてきておりますが、直ちにこれを廃止するということになると、非常に大きな影響が出ることもあるのだろうと思います。

 そういう意味で、一方で新谷委員からも、恒久化を含めて延長すべきだという御指摘がある中で、当面は暫定措置として延長してはどうかということで考えております。これも浅見委員から御指摘がありましたが、雇用情勢はかなり改善してきていることも一方である。これも留意する必要があるだろうということで、下の○に記載しておりますが、「重点的な再就職者支援が真に必要となるように、運用上見直しを実施する」という形を改めて付言しております。

 具体的に事務局でいろいろ検討している内容について申し上げますと、個別延長給付については 3 つの要件があります。 1 つは、地域要件です。地域要件については、全国平均の半分以下というのが現状の水準の設定となっております。現在でも 200 ぐらいのハローワークの管内が指定されている状況です。ただ、全国平均の半分ということになると、常に半分が指定されるということ、こういう状況は現下の雇用情勢の下では、必ずしも適正な水準なのだろうかということについては見直していく必要があるのではないか、ということでこの要件を少し考えていくことがあるのだろうと思います。

 もう 1 つ、年齢要件という形で、若年者のフリーター層に限るということがあります。年齢要件の年齢を押さえた形になっておりますが、これをもう少しフリーター層という形に特化するということで、真に必要な方に絞っていくことが適当ではないかということです。

 そういったような形で対象者を、少し現状の雇用情勢にふさわしい形で絞った上で、必要な方については個別延長給付を延長していくことでどうだろうか、というのが今回のたたき台の整理としてお示ししたものの概要です。何卒、御理解をいただければと考えております。

○岩村部会長 ありがとうございます。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 私が申し上げたのは、これまでの事務局のたたき台ということで、 2 以下は確かに再掲の部分があるのですが、「 1 基本手当」については、今回、初めて出てきたものであり、なぜこれがこれまでのたたき台の再整理になるのかということを申し上げているのです。

 今、初めて聞くような話がここで開陳されたわけですが、私どもが主張してきた給付日数や給付率の改善については、一言も言及されていなくて、やらないのだったら、やらないということをきちんと書くべきだと思うのです。何も触れていないことに対して、非常に不誠実な対応だというふうに感じております。以上です。

○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 基本手当については、労側の御主張は何回となくお聞きしているわけですから、今後、書き込みをされるということであれば、正に議論を踏まえた形の書き込みであるべきだと思っております。

 そういう意味で、繰り返し申し上げますが、使側の立場としては、早期の再就職支援と求職時における生活の安定とのバランスを考えた上で、やはり、現段階においては、生活の安定が壊されているという形で認められるようなデータ等の指摘は、私どもは受けていないと考えております。今やるべきことは、再就職支援を早急に図れるような形での環境作りではないかと考えているところですので、基本手当の拡充等については、反対の立場を申し上げたく思っております。以上です。

○古川委員 これまでに出された意見の「基本手当」に関連してですが、資料 3 1 ページの (4) の一番下の○です。「特定受給者以外の者の中にもやむを得ず離職する者がいることに十分留意した対策を講ずるべき」という、労働側の意見が記載されています。

 これに関連して、現行の特定受給資格者の判断基準では、解雇などで離職した者として、賃金の不払い、遅配の月が 2 か月以上連続した場合とか、離職直前の 3 か月間に連続して時間外労働が一定時間を超えていた場合といった基準が定められています。

 一方で、実際には賃金の不払いが頻繁に起きていても、 2 か月連続ではなかったために認められなかったり、離職願が出ていても、引継ぎ等で離職するまでに時間がかかって、離職直前 1 か月の労働時間がたまたま短くて認められなかったりといったケースが生じています。

 このように、やむを得ず離職せざるを得ないほど過酷な労働条件であるにもかかわらず、この基準が画一的で厳しいために、特定受給資格者として認められないケースがあります。この基準については見直しが必要ではないかと思いますので、是非、検証をお願いしたいと思います。

○岩村部会長 事務局、お願いします。

○吉永雇用保険課長 特定受給資格者の基準については御指摘のとおり、単純に解雇という形ではなくても、自己都合という扱いの中でも、一定の方について特定受給資格者にするという整理が現行法の中でもあります。こういった経緯については、今の御指摘も踏まえて少し検討したいと考えております。

○岩村部会長 「基本手当」については、労使、それぞれ御意見が対立しているのですが、「基本手当」について、それ以外の所ではいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 次の「再就職者手当」については、今日、事務局から具体的なたたき台ということで出ておりますが、これについてはいかがですか。浅見委員、どうぞ。

○浅見委員 確認をさせていただきます。 3 点ほどあります。事務局のたたき台は、現行の再就職手当に加えて追加的に給付するということですが、まず、現行の再就職手当については、支給のタイミングは、就職した時点で一時金として支給していたという認識であり、それを確認させていただきます。

2 つ目は、追加的な支給というのは、 6 か月間継続して雇用されたことを要件としていますので、あくまでも 6 か月後に支給するという認識でよろしいのでしょうか。 3 点目は、離職時賃金と再就職時賃金との差額と言っていますが、この賃金というのは、いわゆるボーナスを含まない、月例賃金という理解でよろしいですか。以上、確認させていただきたいのでお願いいたします。

○岩村部会長 御質問ということですので、事務局からお願いします。

○高島雇用保険課長補佐 浅見委員から 3 点の御質問については、 1 点目の現行の再就職手当の支給時期については、正に御指摘のとおり就職時です。事務的には若干のタイムラグはありますが、基本的に就職時にお支払いをするという一時金です。

2 点目の、今般の見直し案に記載しているものについても御指摘のとおりです。 6 か月後の定着を要件としてお支払いをするイメージでたたき台としておりますので、支給のタイミングも当然 6 か月の雇用の定着を確認した上で、そのタイミングでのお支払いということになります。

3 点目の賃金の差についてどう考えるかということについては、離職時賃金、再就職時賃金、どちらも基本手当の賃金日額の考え方と同じように整理しようと考えております。そういたしますと、基本的な月給タイプの賃金は当然入ってきますが、ボーナスのように、一定以上の月の間隔をあけて支払われるようなタイプのものは含めない形で差額を計算しようと考えております。以上です。

○岩村部会長 浅見委員、よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。

○遠藤委員 再就職手当については、繰返しの意見を申し上げることをお許しください。ただ今、質問に対してお答えを頂きましたが、 6 か月間に限って差額を追加的に給付するということですので、その効果自体が本当にあるのかどうなのかと思っております。再就職を考えれば、賃金はもちろん重要ですが、仕事の内容や勤務地など働き方をトータルで見たときに、御本人がどう評価するか、そこがまずもって大事なところであります。今般の仕組みそのものを新たな枠組みとして加えていくことについては慎重でありたく思っております。むしろ、使側としては再就職後、御本人がステップアップできるような環境づくりに注力すべきではないかと考えております。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 使用者側から意見が続きましたので、これに対する労働側の意見も申し上げておきます。従来から申し上げているように、これは再就職手当ですので、もともとの基本手当の拡充がまずあって、それとセットで論じられるべきであると私どもは主張してきたところです。

 今回の制度設計を見たときに、基本手当については、今のたたき台では暫定措置以外は基本的に何もやらないということです。再就職手当だけ引き上げる。多分、この金額でいきますと、再就職時に残った残日数分の基本手当のほぼ 100 %近くが給付されるのではないかと思います。「 1 基本手当」については国庫負担がつき、 2 の再就職手当には国庫負担がつかない中で、国庫負担のつかない再就職手当のみを引き上げることで、制度が大きく歪められる懸念もなくはないと思っております。

 ただ、ここで示されているように、再就職時の賃金が離職前の賃金に比べて低下する労働条件であるという厳しい中で、再就職を選択せざるを得ないという方もおられると思います。そこに対して、給付を追加的に行うことについては理解をしてまいりたいと思います。基本手当について、まず、引き上げを行った上で、再就職手当の引き上げを検討するべきであると改めて申し上げておきます。以上です。

○岩村部会長 再就職手当のところで、ほかはよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 次に、「中長期的なキャリア形成を支援するための措置」については、御議論を頂いたところですので、ここについては飛ばすということで御了解を頂きたいと思います。

 次は 2 ページの「 4 育児休業給付」になりますが、これについても具体的内容ということで事務局のたたき台が出ておりますので、御意見、御質問がありましたらお願いします。

○遠藤委員 給付の在り方については、早い段階で新聞等で報道されている中で、今の段階になってこの枠組みを変えるべきだという意見そのものが、なかなか出しにくい状況にあることだと思っています。

 この枠組みを仮に制度改正という形で維持していくことを想定したときに、今般の改正の意図、趣旨としては幾つかのポイントがあったかと思います。「男女共に」ということですから、そういった形で第一子を産んだときにお辞めになることなく、継続して就業できる女性の割合がどう変わっていくのか、ということもポイントになろうかと思います。

 一方で、男性の取得者がどの程度増えていくのか、ということも当然見ていく指標になるかと思います。一定程度の期間経過後に、この 2 つの視点について、当初考えたような成果が仮に出てこなかった場合に、事務局は現時点で考えていること、その後の対応をイメージされているのであればお尋ねします。

○岩村部会長 できれば御質問などがありましたら、まとめてとは思うのですが。よろしいですか。それでは、事務局からお答えをお願いします。

○吉永雇用保険課長 遠藤委員御指摘のとおり、今回の育児休業給付の見直しについては、男女共に取るということ。また、第二子以降の出産の選択に資する形にしようではないかと。女性のキャリア形成を促進させる。様々な観点から御提案をさせていただいております。

 当然、こういう給付の増額の効果は見ていく必要があるだろうと思います。関連する施策は様々あります。厚生労働省のほうでは、来年度以降、保育所の大規模な拡充もやっていきます。そういった全体の政策効果の中で、育児休業給付の拡充についてもどういった効果があるのか、ということについては随次見ていくことは当然必要だと考えております。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、遠藤委員も御発言されたように、新聞等でどんどん先行して出ておりますので、事実先行みたいな形になっておりまして、この審議会での審議が非常にやりにくいという感じがあります。

 もともとこの引き上げについて、多分、発端は、夏の参議院選挙のときに出てきた話だと私は認識しております。それは正しく政治の意思としてやるということを御発言されたと思いますが、これは財源の問題が一切触れられていない問題です。今日は財源のことばかり言っておりますが、雇用保険というのは、本当は労使で納めているお金ですので、政府の意思として、少子化対策として、引き上げると言うのであれば、国庫負担の在り方を何も触れなくていいのかと思います。今、育児休業給付の国庫負担は 8 分の 1 55 %ですから、 6.9 %の国庫負担があるわけですが、少なくとも 50 %から 67 %に引き上げる部分については、引き上げ金額を国庫で負担するべきであるというのは再三申し上げているところです。

 今回、消費税が引き上げられる中で、安定的な財源を国としても確保できるわけですし、少子化対策の財源として確か 7,000 億円の予算が配分されるとお聞きしておりますが、そこの所は何も触れずに、 6.9 %を除く全部を雇用保険で賄うというのだとしても、そこの説明が何もないのではないかと思います。給付を上げることについては、私どもとしても理解するところですが、財源の問題は別の問題ですので、そこははっきりと示していただきたいというのが 1 点です。

 もう 1 つは、前回、育児休業を取得するという制度の問題と、育児休業給付を支給するという問題は切り分けて考えてほしいと申し上げていたと思います。特に育児休業給付の給付要件の中に、同一使用者のもとでの被保険者期間 1 年以上という要件が入っているわけですが、ここの所は是非検討していただいて、前進させていただきたいと改めて申し上げたいと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。それでは青山委員、どうぞ。

○青山委員 前々から申し上げているとおり、少子・高齢化が進む中で、育休育時休業の取得を推進するという考え方は理解するところです。 8 6 日にとりまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書でも、中小企業や非正規労働者の育時休業の取得促進がうたわれております。その他、 10 1 日に決定された「成長戦略の当面の実行方針」の中では、育児休業中の経済的支援の強化のために雇用保険法の改正を目指すとあります。また、次世代育成支援対策推進法の改正案も国会への提出を目指すと書かれております。

 一方で、先ほどから議論になっている財源の問題、つまり雇用保険で一体どこまでカバーするのかという考え方をはっきりさせておかないと、これからもどんどん雇用保険でカバーしていくことになりかねません。財源問題というよりも、雇用保険の在り方の基本的な考え方をしっかり押さえておくべきだろうと思います。育児休業の取得を促進する際、国の責任をどこで果たすのかと言ったら、同時に次世代法をの改正を予定しているようなので、他の所審議会等で議論されている次世代法の内容とバランスのとれた改正にしていくべきではないかと思います。今回、育児休業給付をどうしても改正するということであれば、次世代法の議論等をしっかりと提示し、どうして雇用保険から 67 %給付するのか理由を明示した上で合意していくべきではないかと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。福田委員、どうぞ。

○福田委員  6 か月の間について 67 %ということですので、多分、そういう考え方が入っているとは思うのですが、やはり、育児休業については休むということをメインにするのではなく、継続勤務をするということを趣旨として考えていただきたいと思います。

 まさに 6 か月現行より水準を高くされており、ここで男女共にという趣旨が入っていると思いますが、6ヶ月水準を高くしその後下げるということで、継続勤務の趣旨ということを強調して御検討を頂きたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。御質問等もありましたので、事務局からまとめてお答えいただければと思います。

○吉永雇用保険課長 財源についてのお尋ねがありました。今回財源を変更するという形の記載になっておりませんので、この御提案としては、現行の 8 分の 1 65 %の枠の中という御提案になっております。

 もとより、育児休業給付について雇用保険がどこまでやるのかという中で、当初、 25 %で始まったころについては、雇用保険の中でしておりましたが、その後は少子化に対応する緊急措置という形で御理解を頂いていた経緯があります。

 今回、かなり引き上がるという状況の下で、是非お願いしたいと思っております。いずれにしても、雇用保険でやるということは、この水準がぎりぎりではないかと考えております。

 この財源について、国庫を拡充するべきではないかという御指摘がありました。私どもとしても、そういった考え方はあるのだろうと思っております。雇用保険において、一番大きな課題は 55 %に支給されているというところです。こうした問題が解決すれば、その辺りの議論は多少解決できるのではないかと思っております。なかなか難しい課題ではありますが、こういった問題に取り組んでいく中で、御理解を賜りたいと考えております。

○岩村部会長 あと新谷委員から、制度との関係についての御質問があったと思いますが。

○吉永雇用保険課長 育児休業給付について、育児休業との整合性の御指摘をこれまでにも頂いております。前回も御指摘いただいたと理解しております。

 基本的に育児休業給付の制度については、育児休業に基づく育児休業と軌を一にした制度になっていることについて御理解を頂ければと思います。古川委員からは、育児休業法の議論の中で考えるべき話かもしれないという御指摘があったかと思いますが、いずれにしても、担当局については、そういった御意見があったことも伝えたいと考えております。

○岩村部会長 よろしいですか。「男女共に育児休業を取得することを促進し」という、今回の趣旨に照らすと、やはり、具体的内容として、最初の 6 か月について引き上げているということの持っている意味というのは、実際の労働者の皆さんにきちんと理解してもらえるように伝えることが非常に重要かと思います。仮にこれが成立した場合の話になってしまいますが、その点もよく御検討を頂きたいと思います。

 また、私も指摘させていただきましたが、育児休業給付をいじっただけで、厚労省の行動が変わるかというのも、私はちょっと疑問に思っているので、全体としての育児休業制度等をどう考えるかということも重要だろうと思います。それは厚労省全体として御検討を頂く必要はあるかと思っていることを付け加えさせていただきます。育児休業給付については、これでよろしいですか。

 次は「 5 求職者支援制度」についてです。これについても趣旨と事務局のたたき台、具体的内容ということで御提示いただいておりますが、御意見、御質問がありましたらお願いします。

○遠藤委員 これも繰返しの意見で失礼をさせていただきます。「具体的内容 ( 事務局たたき台 ) 」ということで、「受講対象者の能力・経験等を踏まえ、多様な訓練コースを設定可能にする」と書かれております。この背景については、前回御説明も受けたと理解しております。例えば 4 か月という期間で連続して受講できないような方々が、再就職を図っていくことはなかなか想定しにくいことを考えると、多様な訓練コースの設定自体の必要性は何ら疑うものではありませんが、これを求職者支援制度の枠組みの中で対応していくことについては、妥当な内容ではないと理解しております。

○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは、「6 財政運営」について、次回に向けての御意見、御質問があればお願い致します。議論していることを遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 財政運営について、本日も御意見が出てきましたが、やはり、国庫負担に関しては、原則復帰ということを繰り返し整理していく必要があると思います。その上で、長期的に雇用保険財政が安定的に推移していくという状況を見ることができるのだとすれば、是非、保険料率のもう一段の引き下げについて御検討を頂きたいという意見です。

○岩村部会長 ありがとうございます。新谷委員、ぞうぞ。

○新谷委員 今、使用者側委員がおっしゃったところは共感する部分が多いと思います。今回の改正論議をずっと見ていったときに、雇用保険の財源を使って、「学び直し支援措置」のような政策経費的なものを賄うという施策が新しく出てきて、本来、雇用保険二事業のようなものを、労使が負担する保険料で賄う仕組みがまた増えたという印象は否めません。

 今回、学び直し支援措置を労使の保険料で賄うということですから、本来は国庫で負担するべき労働行政の政策経費が労使の保険料でまた増えるのかという印象です。

 ここは早く国庫負担の暫定措置である 55 %の撤廃をしてもらって、本則に戻すべきてあるということを改めて申し上げるとともに、もし、それができないのであれば、これは前から申し上げているように、今回の 5 9,257 億円の残高がなぜここまで溜まっているのかといえば、給付と保険料の収入とのバランスが合っていないわけでして、学び直し支援措置のように、 180 万円も支出する給付項目を作るのであれば、保険料率の見直しを先にやるべきであるとも思います。それによって、保険システムの健全化を図るべきだと思いますので、そこの所については遠藤委員の主張に共感する部分が多いと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかに財政運営について御意見はありますか。

○青山委員 今、新谷委員がおっしゃったことと同じ趣旨ですが、仮に、雇用保険の積立金がこれだけ溜まっているので、財政当局から、他の政策に活用できるのではないかいう目で見られているのであれば、本来の雇用保険制度が目的するものとは全く違う制度になるのではないかと思います。

 ですから、雇用保険とはこういうものだという軸をはっきり固めないと、本来の目的と異なる議論に流されてしまうという感じを持っています。是非とも、雇用保険はこういうものだというしっかりした軸を、今回の議論を契機に、打ち立てていただきたいと思います。積立金の残高が溜まりすぎているのであれば、それこそ料率の見直しを議論すればいいということになるのと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。先ほど申し上げたように、これまでの議論を踏まえて、事務局で「報告書取りまとめの議論のための資料」を次回の研究会に向けて用意していただきたいと思います。最後に本日の署名委員は、雇用主代表については遠藤委員、労働者代表については三島委員にそれぞれお願いいたします。次回の日程については、事務局から改めて皆様の所に御連絡をいただくということでお願いしたいと思います。

 委員の皆様方、お忙しい中、今日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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